JP5141832B2 - 放射線断層撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明の構成は放射線源と、FPDとを備えた放射線断層撮影装置に関し、特に、放射線源とFPDとが互いに反対方向に同期移動しながら一連の透視画像を撮影し、これを基に被検体の断層画像を取得する放射線断層撮影装置に関する。
医療機関には、被検体の断層画像を取得する放射線撮影装置51が配備されている。この様な放射線撮影装置51には、放射線を照射する放射線源53と、放射線を検出するFPD54とが同期的に移動しながら一連の透視画像を連写し、一連の透視画像を重ね合わせることで断層画像を取得する構成となっているものがある(図16参照)。この様な放射線撮影装置51においては、一連の透視画像の撮影中、放射線源53とFPD54とが被検体の体軸方向に互いに近づくように移動し、放射線源53とFPD54との体軸方向における位置が一致した状態となったあと、放射線源53とFPD54とが体軸方向に互いに遠ざかるように移動する。この様な放射線撮影装置は、例えば引用文献1に記載されている(特許文献1参照)。
放射線源53には、コリメータ53aが付設されており、コリメータ53aを調節することで放射線源53から放射線が照射される範囲を制限することができる。被検体の関心部位にのみ放射線が当たるようにコリメータ53aを調節すれば、被検体の無用な被曝を抑制することができる(図17参照)。
放射線撮影装置51が上述のような断層画像を撮影する際の動作について説明する。まず、放射線源53は、移動しながら間歇的に放射線を照射する。つまり一度の照射が終了する毎に放射線源53は被検体の体軸方向に移動し、再び放射線の照射を行う。こうして74枚の透視画像が取得され、これらが重ね合わせられる。完成した画像は、被検体をある裁断面で裁断したときの断層像が写りこんだ断層画像となっている。
特開2002−263093号公報
しかしながら、上述のような従来構成には次のような問題点がある。
すなわち、従来構成の放射線撮影装置51は、透視画像に写り込んだコリメータ53aの影が断層画像の取得に悪影響を与えてしまう。コリメータ53aを調節して、FPD54に向けて出射される放射線ビームBの幅を狭めると、それに応じてFPD54における放射線が入射する範囲は狭くなり、図17に示すように、FPD54の周縁部には放射線は入射しなくなる。
取得された74枚の透視画像は、FPD54の全域についての画像となっている。従って、放射線ビームBが狭められた状態においても、透視画像は、FPD54の全域を写し込んだものとなっているので透視画像の周縁部は、放射線を検出しなかったFPD54の周縁部を表示することになる。すると、放射線ビームBが狭められた状態で取得された透視画像の周縁部には額縁状の暗部領域が現れる。この暗部領域は透視画像に写り込むコリメータ53aの影である。
額縁状の暗部領域を残したまま透視画像を重ね合わせて断層画像を取得しようとすると、コリメータ53aの影も断層画像に重畳してしまう。放射線撮影装置51は、撮影方向を変更しながら複数の透視画像を撮影し、これらに形状を変えながら写り込んでいる被検体の投影像を基に断層画像を生成する。コリメータ53aの影は、被検体の構造とは無関係に表れるものである。したがって、透視画像を重ね合わせて断層画像を取得しようとすると、被検体の構造とは無関係な影が重ね合わせられながら被検体の像の再構成が行われることになる。
すると、断層画像がコリメータ53aの影に影響されて乱れる。この画像の乱れは、コリメータ53aの影と被検体の像との境界部において特に激しくなっている。より具体的には、図18に示すように、断層画像DにおけるFPD54と放射線源53とが移動する方向(断層画像Dの縦方向)の両端において画像が顕著に乱れてしまう。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数枚の透視画像から断層画像を取得する放射線断層撮影装置において、コリメータを調節してFPDの一部にしか放射線が照射されない場合であっても、透視画像に写り込むコリメータの影に影響されずに視認性に優れた断層画像を取得できる放射線断層撮影装置を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線断層撮影装置は、被検体に放射線を照射する放射線源と、放射線源から照射される放射線をコリメートするコリメータと、被検体に照射された放射線を検出する放射線検出手段と、放射線源と放射線検出手段とに挟まれる位置に配置される被検体を載置する天板と、放射線源と放射線検出手段とを天板に沿った移動方向に同期的かつ互いに反対方向に移動させる移動手段と、移動手段を制御する移動制御手段と、放射線検出手段が出力する検出信号を基に透視画像を生成する画像生成手段と、透視画像におけるコリメータの影が写り込んでいる影領域とコリメータの影が写り込んでいない非影領域との境界の位置を透視画像から特定する境界特定手段と、境界の位置を参照して透視画像における影領域を非影領域、または影領域の画素値よりも非影領域の画素値に近い画素値を示す補完値を用いて補完して補完画像を生成する画像補完手段と、放射線源と、放射線検出手段とが移動されながら連写された一連の透視画像から生成された一連の補完画像を重ね合わせて断層画像を生成する重ね合わせ手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明に係る放射線断層撮影装置は、放射線源から照射される放射線をコリメートするコリメータが備えられている。透視画像には、このコリメータの影が写り込んだ影領域が生じる。本発明によれば、透視画像における影領域と非影領域の境界を特定し、透視画像における影領域を非影領域、または影領域の画素値よりも非影領域の画素値に近い画素値を示す補完値を用いて補完して補完画像を生成する。そして、この補完画像を用いて断層画像を生成するようになっている。コリメータは、放射線照射の範囲を制限する目的で設けられているので、放射線を透過させない。従って、透視画像の影領域は、非影領域と比べて極端に暗いものとなり、断層画像の生成に邪魔である。本発明によれば、この極端に暗い領域の除去処理が行われてから断層画像が生成されるので、断層画像は、コリメータの影に乱されることなく視認性に優れたものとなる。
また、上述の放射線断層撮影装置において、境界特定手段は、透視画像における移動方向と直交する直交方向に伸びるとともに透視画像の移動方向の端部に表れる境界の位置を特定し、画像補完手段は、透視画像の非影領域に属するとともに直交方向に横長の短冊状領域を取得し、短冊状領域を透視画像の影領域に移動方向に配列することで補完画像を生成すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、補完画像の生成についての具体的な構成を示すものである。すなわち、境界特定手段は、透視画像における直交方向に伸びるとともに透視画像の移動方向の端部に表れる境界の位置を特定する。そして、画像補完手段は、透視画像の非影領域に属するとともに直交方向に横長の短冊状領域を取得し、この短冊状領域を影領域に配列することで、影領域を補完する。この様にすれば、断層画像において特に画像の乱れの激しい移動方向の端部において、画像の視認性を向上させることができる。
また、上述の放射線断層撮影装置において、境界特定手段は、透視画像における移動方向に縦長の判定用領域の一部の範囲について作用する画像フィルタを透視画像における移動方向に移動させながら次々と作用させることにより境界を特定すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、透視画像における影領域と、非影領域との境界を特定する具体的な構成を示すものである。すなわち、境界の特定は、透視画像の一部(判定用領域)について行われるので、動作が高速なものとなる。そして、判定用領域の一部に作用する画像フィルタを繰り返し作用させることで、この領域の全域に画像処理を行う。この様にすれば、単純な画像処理方法で容易に境界を特定することができる。
また、上述の放射線断層撮影装置において、境界特定手段は、判定用領域における移動方向の1端部から判定用領域の中央部側に向けて画像フィルタを次々と作用させればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、画像フィルタの作用のさせ方についての具体的な構成を示すものである。すなわち、画像フィルタは、判定用領域における移動方向の1端部から判定用領域の中央部側に向けて作用される。コリメータの影は、透視画像の周縁部に表れるので、画像フィルタを透視画像の端部から作用させるようにすれば、より迅速に境界を特定することができる。
また、上述の放射線断層撮影装置において、境界特定手段は、判定用領域における移動方向の1端部について境界を特定し終えると、今度は判定用領域における移動方向の他端部から判定用領域の中央部側に向けて画像フィルタを次々と作用させ判定用領域における移動方向の他端部について境界を特定し、画像補完手段は、特定された2つの境界の位置を参照し、透視画像における2カ所の影領域をそれぞれ補完すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、画像フィルタの作用のさせ方についてのさらに具体的な構成を示すものである。すなわち、画像フィルタは、判定用領域における1端部において境界を特定し終えると、今度は判定用領域における他端部から画像フィルタを作用させ、別の境界を特定する。コリメータの影は、一般には透視画像の両端部に表れることからすれば、この様な構成とすることで、2カ所の境界をいち早く特定することができる。
また、上述の放射線断層撮影装置において、境界特定手段が用いる画像フィルタは、m行n列の行列を用いた微分フィルタであればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、画像フィルタの具体的な構成を示している。画像フィルタが微分フィルタであれば、影領域と非影領域との境界に見られる画素値の急峻な変化を見逃すことが無く、より確実に境界を特定することができる。
また、上述の放射線断層撮影装置において、微分フィルタの行が並んでいる方向は透視画像における移動方向であり、画像補完手段は、透視画像の非影領域において境界からm画素だけ離れた位置から短冊状領域を取得すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、影領域の補完に用いる短冊状領域の取得について具体的な構成を示している。微分フィルタを用いても、影領域と非影領域との境目がどこに存しているかを正確に判別することは難しい。本発明によれば、短冊状領域を確実に非影領域に存在させる目的で、非影領域において境界からある程度離れた位置から短冊状領域を取得する。この時の短冊状領域と境界との距離は、微分フィルタの行数だけ離れれば十分である。
また、上述の放射線断層撮影装置において、境界特定手段は、直交方向に幅を有する判定用領域を直交方向に平均して、直交方向の画素の幅が1画素分となっているプロファイルを生成し、画像フィルタは、このプロファイルに作用すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、境界の特定において、より高速で動作する構成を示している。判定用領域を一度プロファイル化して作用させれば、画像フィルタを用いた処理がより高速となる。
実施例1に係るX線撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係るコリメータの構成を説明する斜視図である。 実施例1に係るFPDの構成を説明する模式図である。 実施例1に係る断層撮影の原理について説明する模式図である。 実施例1に係るX線透視画像について説明する模式図である。 実施例1に係るコリメータの影により断層画像が乱れる原理を説明する模式図である。 実施例1に係るコリメータの影により断層画像が乱れる原理を説明する模式図である。 実施例1に係るコリメータの影により断層画像が乱れる原理を説明する模式図である。 実施例1に係る境界特定部の動作を説明するフローチャートである。 実施例1に係る境界特定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る境界特定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る境界特定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る境界特定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る画像補完部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る画像補完部の動作を説明する模式図である。 従来構成のX線撮影装置の構成を説明する模式図である。 従来構成のX線撮影装置の構成を説明する模式図である。 従来構成のX線撮影装置の構成を説明する模式図である。
b 境界
C 補完画像
cp プロファイル
D 断層画像
F 微分フィルタ(画像フィルタ)
J 判定用領域
P X線透視画像(透視画像)
R1 影領域
R2 非影領域
t 短冊状領域
3 X線管(放射線源)
3a コリメータ
4 FPD(放射線検出手段)
7 同期移動機構(移動手段)
8 同期移動制御部(移動制御手段)
11 画像生成部(画像生成手段)
12 境界特定部(境界特定手段)
13 画像補完部(画像補完手段)
14 重ね合わせ部(重ね合わせ手段)
次に、本発明に係る放射線断層撮影装置の実施例を図面を参照しながら説明する。なお、実施例におけるX線は、本発明の構成の放射線に相当する。
図1は、実施例1に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。図1に示すように、実施例1に係るX線撮影装置1は、X線断層撮影の対象である被検体Mを載置する天板2と、天板2の上部(天板2の1面側)に設けられた被検体Mに対してコーン状のX線ビームを照射するX線管3と、天板2の下部(天板の他面側)に設けられ、被検体Mの透過X線像を検出するシート状のフラットパネル型X線検出器(以下、FPDと略記)4と、コーン状のX線ビームの中心軸とFPD4の中心点とが常に一致する状態でX線管3とFPD4との各々を被検体Mの関心部位を挟んで互いに反対方向に同期移動させる同期移動機構7と、これを制御する同期移動制御部8と、FPD4のX線を検出するX線検出面を覆うように設けられた散乱X線を吸収するX線グリッド5とを備えている。この様に、天板2は、X線管3とFPD4とに挟まれる位置に配置されている。X線管3は、本発明の放射線源に相当し、FPD4は、本発明の放射線検出手段に相当する。また、同期移動制御部8は、本発明の移動制御手段に相当し、同期移動機構7は、本発明の移動手段に相当する。
X線管3は、X線管制御部6の制御にしたがってコーン状でパルス状のX線ビームを被検体Mに対して繰り返し照射する構成となっている。このX線管3には、X線ビームを角錐となっているコーン状にコリメートするコリメータ3aが付属している。そして、このX線管3と、FPD4はX線透視画像を撮像する撮像系3,4を生成している。
そして、さらに実施例1に係るX線撮影装置1は、各制御部6,8を統括的に制御する主制御部25と、断層画像を表示する表示部27とを備えている。この主制御部25は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することにより各制御部6,8,22および後述の各部11,12,13,14を実現している。
同期移動機構7は、X線管3とFPD4とを同期させて移動させる構成となっている。この同期移動機構7は、同期移動制御部8の制御にしたがって被検体Mの体軸方向Aに平行な直線軌道(天板2の長手方向)に沿ってX線管3を直進移動させる。このX線管3とFPD4との移動方向は、天板2の長手方向に一致してる。しかも、検査中、X線管3の照射するコーン状のX線ビームは、常に被検体Mの関心部位に向かって照射されるようになっており、このX線照射角度は、X線管3の角度を変更することによって、たとえば初期角度−20°から最終角度20°まで変更される。この様なX線照射角度の変更は、X線管傾斜機構9が行う。
また、同期移動機構7は、上述のX線管3の直進移動に同期して、天板2の下部に設けられたFPD4を被検体Mの体軸方向A(天板2の長手方向)に直進移動させる。そして、その移動方向は、X線管3の移動方向と反対方向となっている。つまり、X線管3が移動することによって照射源位置と照射方向が変化するコーン状のX線ビームは、常にFPD4のX線検出面の全面で受光される構成となっている。このように、一度の検査において、FPD4は、X線管3と互いに反対方向に同期して移動しながら、たとえば74枚のX線透視画像Pを取得するようになっている。具体的には、撮像系3,4は、実線の位置を初期位置として、破線で示した位置を介して、図1に示した一点鎖線で示す位置まで対向移動する。すなわち、X線管3とFPD4の位置を変化させながら複数のX線透視画像が撮影されることになる。ところで、コーン状のX線ビームは常にFPD4のX線検出面の全面で受光されるので、撮影中コーン状のX線ビームの中心軸は、常にFPD4の中心点と一致している。また、撮影中、FPD4の中心は、直進移動するが、この移動はX線管3の移動の反対方向となっている。つまり、体軸方向AにX線管3とFPD4とを同期的、かつ互いに反対方向に移動させる構成となっている。
X線撮影装置1に設けられるコリメータ3aについて説明する。コリメータ3aは、X線管3に付設されており、X線管3から照射されるX線をコリメートして、4角錐形状(コーン状)のX線ビームBとするものである。
このコリメータ3aの詳細について説明する。コリメータ3aは、図2に示すように、中心軸Cを基準として鏡像対称に移動する1対のリーフ3bを有し、同じく中心軸Cを基準として鏡像対称に移動するもう1対のリーフ3bを備えている。このコリメータ3aは、リーフ3bを移動させることで、FPD4が有する検出面の全面にコーン状のX線ビームBを照射させることもできれば、たとえば、FPD4の中心部分だけにファン状のX線ビームBを照射させることもできる。なお、中心軸Cは、X線ビームBの中心を示す軸ともなっている。なお、リーフ3bの対の一方は、4角錐形状となっているX線ビームの被検体軸方向の広がりを調整するものであり、もう一方のリーフ3bの対は、X線ビームの被検体体側方向の広がりを調整するものである。コリメータ3aの開度の変更は、コリメータ移動機構21が行う。コリメータ制御部22は、コリメータ移動機構21を制御するものである。
FPD4の構成について説明する。FDP4のX線を検出する検出面には、図3に示すように、X線を検出するX線検出素子4aが縦横に配列している。X線検出素子4aは、被検体Mの体軸方向Aに例えば1,024個、被検体Mの体側方向Sに例えば1,024個配列している。その配列ピッチは、体軸方向A,体側方向S共に、300μmとなっている。後述の画像生成部11が出力するX線透視画像Pは、各X線検出素子4aが出力した検出信号を基に生成されたものであり、X線検出素子4aと同様に画素が2次元的に配列されて構成されている。
また、FPD4の後段には、そこから出力される検出信号を基にX線透視画像Pを生成する画像生成部11が備えられており(図1参照)、この画像生成部11の更に後段には、X線透視画像Pを用いて所定の画像解析を行う境界特定部12と、X線透視画像Pの補完処理を行う画像補完部13と、複数の画像を重ね合わせて断層画像Dを生成する重ね合わせ部14とを備えている。重ね合わせ部14は、本発明の重ね合わせ手段に相当し、境界特定部12は、本発明の境界特定手段に相当する。また、画像補完部13は、本発明の画像補完手段に相当し、画像生成部11は、本発明の画像生成手段に相当する。
続いて、実施例1に係るX線撮影装置1の断層画像の取得原理について説明する。図4は、実施例1に係るX線撮影装置の断層画像の取得方法を説明する図である。例えば、天板2に平行な(鉛直方向に対して水平な)基準裁断面MAについて説明すると、図4に示すように、基準裁断面MAに位置する点P,Qが、常にFPD4のX線検出面の不動点p,qのそれぞれに投影されるように、X線管3によるコーン状のX線ビームBの照射方向に合わせてFPD4をX線管3の反対方向に同期移動させながら一連のX線透視画像Pが画像生成部11にて生成される。一連のX線透視画像Pには、被検体Mの投影像が位置を変えながら写り込んでいる。そして、この一連のX線透視画像P(正確には、後述の補完処理を施した補完画像C)を重ね合わせ部14にて重ね合わせれば、基準裁断面MAに位置する像(たとえば、不動点p,q)が集積され、X線断層画像としてイメージングされることになる。一方、基準裁断面MAに位置しない点Iは、FPD4における投影位置を変化させながら一連の被検体画像に点iとして写り込んでいる。この様な点iは、不動点p,qとは異なり、重ね合わせ部14でX線透視画像を重ね合わせる段階で像を結ばずにボケる。このように、一連のX線透視画像P(補完画像C)の重ね合わせを行うことにより、被検体Mの基準裁断面MAに位置する像のみが写り込んだX線断層画像が得られる。このように、X線透視画像を単純に重ね合わせると、基準裁断面MAにおけるX線断層画像が得られる。基準裁断面MAの鉛直方向の位置が本発明の基準裁断位置である。
さらに、重ね合わせ部14の設定を変更することにより、基準裁断面MAに水平な任意の裁断位置においても、同様な断層画像を得ることができる。撮影中、FPD4において上記点iの投影位置は移動するが、投影前の点Iと基準裁断面MAとの離間距離が大きくなるにしたがって、この移動速度は増加する。これを利用して、取得された一連の被検体画像を所定のピッチで体軸方向Aにずらしながら、重ね合わせれば、基準裁断面MAに平行な裁断位置におけるX線断層画像が得られる。このような一連の被検体画像の重ね合わせは、重ね合わせ部14が行う。この様にして断層画像を取得する方法をフィルターバックプロジェクションと呼ぶ。
画像生成部11が生成するX線透視画像Pの具体例について説明する。X線透視画像Pには、図5に示すように、X線透視画像Pを縁取るように額縁状の暗い領域が表れ、この暗い領域の内部に被検体Mの像が表れる。暗い領域は、コリメータ3aのリーフ3bの影が写り込んでおり、被検体Mの像が写り込んでいない影領域R1である。影領域R1の内部の矩形の領域は、リーフ3bの影が写り込んでいない非影領域R2であり、被検体Mの像が写り込んでいる。リーフ3bは、X線を通さないので、影領域R1の画素値は、非影領域R2の画素値と比べて極端に暗い。
撮像系3,4を移動させながら撮影されたX線透視画像Pを比較すると、被検体Mの像が図5の縦方向(撮像系3,4の移動方向に相当する方向)にズレながらX線透視画像Pに写り込んでいる。これは、撮像系3,4の位置が移動方向に変化することによって、FPD4に投影される被検体Mの投影の形状が変化していくことによる。一方、一連のX線透視画像Pに写り込んでいるリーフ3bの影は、被検体Mの像のズレに追従せず、どのX線透視画像Pにも同じように表れている。
もし仮に、X線透視画像Pをそのまま用いて断層画像Dを取得しようとすると、被検体Mの内部構造とは何ら関係のないリーフ3bの影も余計に足しあわされて断層画像Dが生成されることになり、特に断層画像Dの縦方向(撮像系3,4の移動方向に相当する方向)の両端部において、被検体Mの断層像が乱れる。
この断層像の乱れの原理について説明する。図6に示す被検体Mの内部の点pを含む裁断面MBにおける被検体Mの断層画像を生成するものとする。図6を参照すれば、点pのFPD4に写り込む位置は、撮像系3,4の移動によって、次第にFPD4の端に移動していることが分かる。すなわち、撮像系3,4が実線の位置にあるときには、点pはX線ビームの中央部に位置しており、撮像系3,4が一点鎖線の位置まできたときには、点pはX線ビームの端部に位置するようになっている。
これを、74枚のX線透視画像Pに点pがどのように写り込んでいるかを模式的に表せば図7のようになる。図中のX線透視画像P1は、1番目に撮影された画像を示しており、図6における撮像系3,4が実線の位置にあるとき取得された画像を表しており、図中のX線透視画像P37は、37番目に撮影された画像を示しており、図6における撮像系3,4が破線の位置にあるとき取得された画像を表している。また、図中のX線透視画像P74は、74番目に撮影された画像を示しており、図6における撮像系3,4が一点鎖線の位置にあるとき取得された画像を表している。各画像を比較すれば分かるように、X線透視画像Pを取得された順に比較すると、点pはX線透視画像Pの下端に向けて移動する。点pは、移動しながら全てのX線透視画像Pに写り込んでいる。
コリメータ3aを有する実施例1の構成の場合、実際は、図8のように各X線透視画像Pに影領域R1が表れている。図8に示すように、X線透視画像Pのいずれにもコリメータ3aのリーフ3bの影が写り込んでおり、各X線透視画像Pの周縁部に写り込むはずの被検体Mの像は、影領域R1によって隠されてしまう。点pの場合について言えば、X線透視画像Pを連写していくに従い、点pがX線透視画像Pの下端側に移動して、遂に影領域R1によって隠されてしまう。このように、点pは、全てのX線透視画像Pに写り込んでいない。
図8に示すようなX線透視画像Pを使って断層画像Dに点pを結像させようとすると、輝度が極端に暗い影領域R1も一緒に足し合わされてしまい、点pの画素値は、極端に暗いものとなる。この様な断層画像Dの乱れは、断層画像Dにおける撮像系3,4の移動方向に相当する方向を縦方向としたときの、上端部、下端部において特に顕著である。
実施例1の境界特定部12,画像補完部13は、この断層画像Dの画像の乱れを軽減する目的で設けられている。まずは、境界特定部12の動作について説明する。境界特定部12の動作は、図9に示すように、X線透視画像Pから判定用領域Jを取得し(判定用領域取得ステップS1)、この判定用領域Jからプロファイルcpを取得する(プロファイル取得ステップS2)。続いて、プロファイルcpにフィルタ処理を行い(フィルタステップS3)、その結果から図5で説明した影領域R1と非影領域R2との境界bを特定する(境界特定ステップS4)。以降、これらの各ステップについて順を追って説明する。
<判定用領域取得ステップS1>
まず、境界特定部12は、X線透視画像Pを画像生成部11より取得し、境界bを発見するための判定に用いる領域を設定する。図10は、境界特定部12が設定した判定用領域Jを示している。判定用領域Jは、X線透視画像Pの縦方向(移動方向)に沿って縦長の領域であり、X線透視画像Pの縦方向の両端を含んでいる。また、判定用領域Jは、X線透視画像Pの横方向(撮像系3,4の移動方向に直交する直交方向)に例えば64〜128画素分の幅を有しており、X線透視画像Pの横方向の中央に位置している。
<プロファイル取得ステップS2>
次に、境界特定部12は、判定用領域Jを基にプロファイルcpを取得する。図11は、そのときの境界特定部12の動作を示している。境界特定部12は、判定用領域Jの横方向(直交方向)に配列した画素の画素値を平均して、平均値を算出する。境界特定部12は、このような平均値を判定用領域Jの縦方向(移動方向)に次々と算出することで平均値が縦方向に配列したプロファイルcpを生成する。このプロファイルcpは、平均値が1列に配列した1次元データである。
<フィルタステップS3>
そして、境界特定部12は、プロファイルcpにフィルタ処理を行う。具体的には、9行1列の行列で規定される微分フィルタFをプロファイルcpの一部の範囲について作用させ、これを繰り返すことでプロファイルcpの全域について微分値の算出を行う。この様にすれば、微分フィルタFを判定用領域Jの全域について簡単に作用させることができる。この具体的な様子は図12に示されており、境界特定部12は、まず始めにプロファイルcpの1端部における9画素分の幅を有する位置Gについて微分フィルタFを作用させ[図12(a)参照]、それから、微分フィルタFの作用させる位置Gをプロファイルcpの1画素ずつずらしながら他端側に移動させ、次々とプロファイルcpの微分値を取得する[図12(b)参照]。この様に次々と微分値を求めていくと、やがて微分フィルタFを用いたフィルタ処理は、コリメータ3aのリーフ3bの影が写り込んだ暗い部分と、被検体Mが写り込んだ明るい部分の境目に到達する[図12(c)]。すると、フィルタ処理当初から0に近い値をとり続けていた微分値は、この部分で極端な値をとることになる。微分フィルタFは、本発明の画像フィルタに相当する。
境界特定部12は、X線透視画像Pの1端部について境界bを特定し終えると、今度はプロファイルcpの他端部(図12に示されているプロファイルcpの端部とは反対側の端部)からプロファイルcpの中央部側に向けて微分フィルタFを次々と作用させ、プロファイルcpの他端部について境界bを特定する。こうして、境界特定部12は、X線透視画像Pの2カ所について境界bを特定する。
<境界特定ステップS4>
図13は、プロファイルcpと微分値との相関を表している。微分値は、プロファイルcpの影領域R1に由来する部分と、非影領域R2に由来する部分との間で、極端に高い値をとなっている。境界特定部12は、記憶部23に記憶されている閾値を読み出して、この微分値のピークの絶対値が閾値以上となっている場合、この微分値のピークを影領域R1と非影領域R2との境界bであると特定し、境界bの位置データを画像補完部13に送出する。これをもって、境界特定部12の動作は終了となる。以上のように、境界特定部12は、X線透視画像PにおけるX線透視画像Pの移動方向の端部(上端部、下端部)のそれぞれに表れる境界bの位置を特定する。
次に、画像補完部13の動作について説明する。画像補完部13には、画像生成部11が生成したX線透視画像P,および上述の境界bの位置データが送られてきている。画像補完部13は、境界bの位置を参照してX線透視画像Pにおける影領域R1を非影領域R2で補完して補完画像Cを生成する。具体的には、補完画像Cは次のように生成される。
まず、画像補完部13は、X線透視画像Pの中から補完に用いる短冊状領域tを設定する。この設定方法としては、図14に示すように、画像補完部13はまず、X線透視画像Pにおける境界bの位置を取得し、そこから、非照射領域側に9画素だけ縦方向(撮像系3,4の移動方向に相当する方向)離れた位置を取得する。そして、画像補完部13は画像補完部13は、その位置における横方向(直交方向)に縦長の短冊状領域tを設定するのである。この短冊状領域tは、縦方向に1画素分の幅を有し、X線透視画像Pの横方向の両端を含んでいる。この様に、画像補完部13は、X線透視画像Pの非影領域R2において境界bから9画素だけ離れた位置から短冊状領域tを取得する。
画像補完部13が境界bから9画素だけ離れた位置を短冊状領域tとした意味について説明する。この9という離間の幅は、上述のフィルタステップS3で用いられた微分フィルタFを規定する行列が有する縦方向の幅と一致させたものとなっている。微分フィルタFは、プロファイルcpにおけるプロファイルcpの影領域R1に由来する部分と、非影領域R2に由来する部分とに跨って作用された時に極端な微分値を出力する。しかし、この時、影領域R1と非影領域R2との境目が微分フィルタFが作用された9画素のうちのどこに存しているかを正確に判別することは難しい。そこで、影領域R1と非影領域R2との境目が微分フィルタFの端部にあったとしても確実に短冊状領域tを確実に非影領域R2に存在させる目的で、画像補完部13は、境界特定部12が特定した境界bの位置からX線透視画像Pの中央部に向かう方向に9画素だけ離れた位置を短冊状領域tとする構成となっているのである。以上のように画像補完部13は、X線透視画像Pの非影領域R2に属している横長の短冊状領域tを取得し、短冊状領域tをX線透視画像Pの影領域R1に縦方向に配列することで補完画像Cを生成する。
画像補完部13は、図15に示すように、境界bの位置からX線透視画像Pの下端側に向けて、短冊状領域tを縦方向に配列することで、X線透視画像Pの影領域R1を補完する。また、より確実にX線透視画像Pの影領域R1を消去する目的で、境界bの位置からX線透視画像Pの中央部に向かう方向に9画素だけ離れた位置を起点として補完を行ってもよい。
<X線撮影装置の動作>
次に、X線撮影装置1の動作について説明する。実施例1に係るX線撮影装置1を用いて断層画像Dを取得するには、まず天板2に被検体Mが載置される。そして術者が操作卓26を通じて、X線透視画像Pの取得の指示を行うと、同期移動制御部8は、X線管3,およびFPD4を所定の初期位置までに移動させる。このときの撮像系3,4は、図1の実線に示すような配置となっている。すなわち、初期位置におけるX線管3は、体軸方向A(天板2の長手方向)の前段に位置し、FPD4は、体軸方向Aの後段に位置している。このときX線管3は、初期角度−20度まで傾斜されている。
X線管制御部6は、X線管3を制御し、X線管3は所定のパルス幅、管電圧、管電流でX線ビームをFPD4に向けて照射する。X線ビームは、天板2を透過した後、FPD4に入射する。画像生成部11は、FPD4が出力した検出信号をX線透視画像Pに組み立てる。
以降、同期移動制御部8は、X線管3,およびFPD4を同期的かつ互いに反対方向に移動させる。X線管制御部6は、移動の最中にX線ビームを間歇的に照射し、画像生成部11は、その度ごとにX線透視画像Pを生成する。こうして、一連のX線透視画像Pが生成される。このとき、同期移動制御部8は、X線管3を体軸方向Aの後段側に移動させ、FPD4を体軸方向Aの前段側に移動させる。
そして、同期移動制御部8は、X線管3,およびFPD4を所定の最終位置までに移動させる。このときの撮像系3,4は、図1の一点鎖線に示すような配置となっている。すなわち、最終位置におけるX線管3は、体軸方向A(天板2の長手方向)の後段に位置し、FPD4は、体軸方向Aの前段に位置している。このときX線管3は、最終角度20度まで傾斜されている。この状態で最後のX線透視画像Pが取得され、一連のX線透視画像Pの取得は終了となる。X線透視画像Pは、実施例1においては74枚取得される。
X線透視画像Pが生成される度に境界特定部12は、境界bの位置を特定する。具体的には、境界特定部12は、X線透視画像Pの1端側から境界bを検索し、境界bの位置が特定された後、X線透視画像Pの他端側から境界bを検索し、再び境界bの位置を特定する。これにより、X線透視画像Pの縦方向の両端に分かれて表れるコリメータ3aのリーフ3bの影の位置を特定することができる。
境界bの位置が特定される度に画像補完部13は、X線透視画像Pの縦方向の両端について影領域R1の補完を行う。こうして生成された補完画像Cは、重ね合わせ部14に送出される。一連の補完画像Cは、重ね合わせ部14に送出される。重ね合わせ部14は、一連の補完画像Cを被検体Mの体軸方向にずらしながら重ね合わせ、所定の裁断面における被検体Mの断層像が写りこんだ断層画像Dを生成する。この断層画像Dは、影領域R1の影響を受けずに診断に好適な被検体Mの断層像を写し込んだものとなっている。断層画像Dが表示部27に表示されて動作は終了となる。
以上のように、実施例1に係るX線断層撮影装置は、X線管3から照射されるX線をコリメートするコリメータ3aが備えられている。X線透視画像Pには、このコリメータ3aの影が写り込んだ影領域R1が生じる。実施例1によれば、X線透視画像Pにおける影領域R1と非影領域R2の境界を特定し、X線透視画像Pにおける影領域R1を非影領域R2で補完して補完画像Cを生成する。そして、この補完画像Cを用いて断層画像Dを生成するようになっている。コリメータ3aは、X線照射の範囲を制限する目的で設けられているので、X線を透過させない。従って、X線透視画像Pの影領域R1は、非影領域R2と比べて極端に暗いものとなる。実施例1によれば、この極端に暗い領域の除去処理が行われてから断層画像Dが生成されるので、断層画像Dは、コリメータ3aの影に乱されることなく視認性に優れたものとなる。
また、境界特定部12は、X線透視画像Pにおける直交方向に伸びるとともにX線透視画像Pの移動方向の端部に表れる境界の位置を特定する。そして、画像補完部13は、X線透視画像Pの非影領域R2に属するとともに直交方向に横長の短冊状領域tを取得し、この短冊状領域tを影領域R1に配列することで、影領域R1を補完する。この様にすれば、断層画像Dにおいて特に画像の乱れの激しい移動方向の端部において、画像の視認性を向上させることができる。
上述の構成における微分フィルタFは、プロファイルcpにおける移動方向の1端部から判定用領域Jの中央部側に向けて作用される。コリメータ3aの影は、X線透視画像Pの周縁部に表れるので、微分フィルタFをX線透視画像Pの端部から作用させるようにすれば、より迅速に境界を特定することができる。
また、微分フィルタFは、プロファイルcpにおける1端部において境界を特定し終えると、今度はプロファイルcpにおける他端部から微分フィルタFを作用させ、別の境界を特定する。コリメータ3aの影は、一般にはX線透視画像Pの両端部に表れることからすれば、この様な構成とすることで、2カ所の境界をいち早く特定することができる。
また、微分フィルタFを用いる方法によれば、影領域R1と非影領域R2との境目がどこに存しているかを正確に判別することは難しい。そこで実施例1によれば、短冊状領域tを確実に非影領域R2に存在させる目的で、非影領域R2において境界からある程度離れた位置から短冊状領域tを取得する。この時の短冊状領域tと境界との距離は、微分フィルタの行数だけ離れれば十分である。
本発明は上述の実施例の構成に限られず、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例は、医用の装置であったが、本発明は、工業用や、原子力用の装置に適用することもできる。
(2)上述した実施例のいうX線は、本発明における放射線の一例である。したがって、本発明は、X線以外の放射線にも適応できる。
(3)上述した実施例は、非影領域R2の一部の短冊状領域tを用いて影領域R1を補完していたが、本発明はこの構成に限られない。短冊状領域tを用いた動作の代わりに、影領域R1の画素値を非影領域R2の画素値の平均値に置き換えることで影領域R1を補完するようにしてもよい。この平均値が示す画素値は、影領域R1の画素値よりも非影領域R2の画素値に近い値となっている。平均値は、本発明の補完値の一例である。
(4)また、短冊状領域tを用いた動作の代わりに、影領域R1の画素値をX線撮影前に決められた所定の置換値(グレー値)に置き換えることで影領域R1を補完するようにしてもよい。置換値は、X線透視画像Pと同一の条件でX線透視撮影を行った結果決定される値で、記憶部23に記憶されている。しかも、その置換値が示す画素値は、影領域R1の画素値よりも非影領域R2の画素値に近い値となっている。置換値は、本発明の補完値の一例である。
(5)また、短冊状領域tを用いた動作の代わりに、図13における微分値のピークを除去するような画像処理を施すようにしてもよい。具体的には、境界bを跨ぐ領域において、X線透視画像Pの縦方向にスムージング処理を行うように構成してもよい。つまり、本変形例によれば、画像補完部13は、画素値の置換ではなく、影領域R1の周辺に所定のフィルタ処理を施す。これにより、非影領域R2の画素値を参照して影領域R1の画素値が補完されることになる。
以上のように、本発明は医用の放射線撮影装置に適している。

Claims (8)

  1. 被検体に放射線を照射する放射線源と、
    前記放射線源から照射される放射線をコリメートするコリメータと、
    被検体に照射された放射線を検出する放射線検出手段と、
    前記放射線源と前記放射線検出手段とに挟まれる位置に配置される被検体を載置する天板と、
    前記放射線源と前記放射線検出手段とを前記天板に沿った移動方向に同期的かつ互いに反対方向に移動させる移動手段と、
    前記移動手段を制御する移動制御手段と、
    前記放射線検出手段が出力する検出信号を基に透視画像を生成する画像生成手段と、
    透視画像における前記コリメータの影が写り込んでいる影領域と前記コリメータの影が写り込んでいない非影領域との境界の位置を透視画像から特定する境界特定手段と、
    前記境界の位置を参照して透視画像における前記影領域を前記非影領域、または前記影領域の画素値よりも前記非影領域の画素値に近い画素値を示す補完値を用いて補完して補完画像を生成する画像補完手段と、
    前記放射線源と、前記放射線検出手段とが移動されながら連写された一連の透視画像から生成された一連の前記補完画像を重ね合わせて断層画像を生成する重ね合わせ手段とを備えることを特徴とする放射線断層撮影装置。
  2. 請求項1に記載の放射線断層撮影装置において、
    前記境界特定手段は、透視画像における移動方向と直交する直交方向に伸びるとともに透視画像の移動方向の端部に表れる前記境界の位置を特定し、
    前記画像補完手段は、透視画像の前記非影領域に属するとともに直交方向に横長の短冊状領域を取得し、前記短冊状領域を透視画像の前記影領域に移動方向に配列することで前記補完画像を生成することを特徴とする放射線断層撮影装置。
  3. 請求項2に記載の放射線断層撮影装置において、
    前記境界特定手段は、透視画像における移動方向に縦長の判定用領域の一部の範囲について作用する画像フィルタを透視画像における移動方向に移動させながら次々と作用させることにより前記境界を特定することを特徴とする放射線断層撮影装置。
  4. 請求項3に記載の放射線断層撮影装置において、
    前記境界特定手段は、前記判定用領域における移動方向の1端部から前記判定用領域の中央部側に向けて前記画像フィルタを次々と作用させることを特徴とする放射線断層撮影装置。
  5. 請求項4に記載の放射線断層撮影装置において、
    前記境界特定手段は、前記判定用領域における移動方向の1端部について前記境界を特定し終えると、今度は前記判定用領域における移動方向の他端部から前記判定用領域の中央部側に向けて前記画像フィルタを次々と作用させ前記判定用領域における移動方向の他端部について前記境界を特定し、
    前記画像補完手段は、特定された2つの前記境界の位置を参照し、透視画像における2カ所の前記影領域をそれぞれ補完することを特徴とする放射線断層撮影装置。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の放射線断層撮影装置において、
    前記境界特定手段が用いる前記画像フィルタは、m行n列の行列を用いた微分フィルタであることを特徴とする放射線断層撮影装置。
  7. 請求項6に記載の放射線断層撮影装置において、
    前記微分フィルタの行が並んでいる方向は透視画像における移動方向であり、
    前記画像補完手段は、透視画像の前記非影領域において前記境界からm画素だけ離れた位置から前記短冊状領域を取得することを特徴とする放射線断層撮影装置。
  8. 請求項3ないし請求項7のいずれかに記載の放射線断層撮影装置において、
    前記境界特定手段は、前記直交方向に幅を有する前記判定用領域を直交方向に平均して、直交方向の画素の幅が1画素分となっているプロファイルを生成し、前記画像フィルタは、この前記プロファイルに作用することを特徴とする放射線断層撮影装置。
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