JP2009291548A - 放射線撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線源と、FPDの介在する位置の部材に起因する放射線の透過ムラの分布がキャリブレーション補正に用いられる補正用データに重畳したとしても、診断に好適な放射線透視画像を形成できる放射線撮影装置を提供する。
【解決手段】本発明に備えられた補正用データ編集部13は、補正用データ記憶部12に記憶された補正用データを読み出して、補正用データに対して平滑化処理を行う。これにより、補正用データに写りこんだX線の透過ムラの分布を平滑化処理によりボカして、編集された補正用データを形成して、それを基にキャリブレーション補正が行われるので、X線透視画像において、その分布が転写されることがない。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に備えられた補正用データ編集部13は、補正用データ記憶部12に記憶された補正用データを読み出して、補正用データに対して平滑化処理を行う。これにより、補正用データに写りこんだX線の透過ムラの分布を平滑化処理によりボカして、編集された補正用データを形成して、それを基にキャリブレーション補正が行われるので、X線透視画像において、その分布が転写されることがない。
【選択図】図1
Description
本発明は、放射線源と、FDPとを備えた放射線撮影装置に関し、特に、キャリブレーション補正機能を備えた放射線撮影装置に関する。
被検体のX線透視画像を撮影するX線撮影装置には、コーン状のX線ビームを照射するX線源と、それを検出するフラットパネル・ディテクタ(以降、FPDと略記)が備えられたものがある。FPDは、X線検出面を有し、それはX線を検出する検出素子が2次元的に配列されて構成されている。この検出素子の感度にバラツキがある場合、そのバラツキの分布がX線透視画像に重畳してしまうので、X線撮影装置には、そのバラツキの分布を除去するキャリブレーション補正機能が備えられている。
この種のX線撮影装置の構成について説明する。従来のX線撮影装置50は、図11に示すように、被検体Mを載置する天板51と、被検体Mに向けてコーン状のX線ビームを照射するX線管52と、これを制御するX線管制御部53と、散乱X線を吸収するX線グリッド54と、X線を検知するFPD55と、FPD55から取得された元画像にキャリブレーション補正を行うキャリブレーション補正部56と、キャリブレーション補正に参照される補正用データを記憶する補正用データ記憶部57と、各部を統括的に制御する主制御部58と、X線透視画像を表示する表示部59とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
従来のX線撮影装置50でX線透視画像を撮影するには、まず、補正用データの取得が行われる。具体的には、天板51に被検体Mを載置しない状態で、X線管52からX線ビームが照射され、それをFPD55が検知する。このときFPD55に入射するX線ビームの強度は、FPD55の部位に係らず一定であるとみなせるので、この状態で検出素子によってX線の検出感度が異なれば、それは、検出素子の間でのX線の検出感度のバラツキに起因することになる。そして、このとき得られたバラツキの分布を基に補正用データが形成され、補正用データ記憶部57に記憶される。そして、被検体Mを天板51に載置して補正前の元画像の取得を行う。FPD55から出力された元画像は、キャリブレーション補正部56に送出され、補正用データ記憶部57で記憶される補正用データを基に、元画像の補正が行われる。具体的には、元画像の有するバラツキの分布の反転パターンが元画像に重ねられることにより、X線感度のムラが打ち消されたうえで、X線透視画像が形成される。
特開2005−237518号広報
しかしながら、従来の構成によれば、次のような問題点がある。
すなわち、従来の構成によれば、X線管52は、天板51を透過してFPD55に入射するので、天板51を透過したX線ビームには、天板51における透過ムラが写りこんでいる。補正用データには、検出素子のX線感度のバラツキのみならず、天板51の透過ムラが重畳してしまうことになる。この様な補正用データを用いてX線撮影画像データに補正を施すと、検出素子におけるX線感度のバラツキの分布と、天板51の透過ムラの分布とが同時に除去されることになる。
すなわち、従来の構成によれば、X線管52は、天板51を透過してFPD55に入射するので、天板51を透過したX線ビームには、天板51における透過ムラが写りこんでいる。補正用データには、検出素子のX線感度のバラツキのみならず、天板51の透過ムラが重畳してしまうことになる。この様な補正用データを用いてX線撮影画像データに補正を施すと、検出素子におけるX線感度のバラツキの分布と、天板51の透過ムラの分布とが同時に除去されることになる。
ところで、X線撮影装置において、補正データの取得を行ったあと、天板51を移動させて、X線透視画像を撮影する場合がある。この場合、天板51におけるX線の透過ムラの分布は天板51の位置によって異なっているので、補正用データに重畳した天板51の透過ムラの分布と、元画像に重畳した天板51の透過ムラの分布とは、一致したものとならない。したがって、キャリブレーション補正後のX線透視画像には、補正データに重畳した天板51の透過ムラの分布(正確には、その反転パターン)が余計に元画像に重ね合わせられることになる。そして、元画像に重畳している天板51の透過ムラの分布は、補正用データに重畳している天板51の透過ムラを打ち消すことがない。
この様な問題は、被検体の断層撮影を行うデジタルトモシンセシス装置において更に顕著なものとなる。この種のX線撮影装置においては、複数枚のX線透視画像を重ね合わせて1枚のX線断層画像を取得する。このときに、補正用データに上述のような反転パターンが重畳していると、キャリブレーション補正後のX線透視画像の全てに、この反転パターンが転写されてしまう。このX線透視画像を重ね合わせてX線断層画像を取得しようとすれば、この反転パターンも重ね合わされてしまう。例えば、74枚のX線透視画像を重ね合わせれば、反転パターンの強度が74倍に増強されてX線断層画像に写りこんでしまい、不鮮明なX線断層画像しか得られない。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、X線源と、FPDの介在する位置の部材(例えば、天板)に起因するX線の透過ムラの分布がキャリブレーション補正に用いられる補正用データに重畳したとしても、診断に好適なX線透視画像を形成できるX線撮影装置を提供することにある。
本発明は、この様な目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、請求項1に記載の放射線撮影装置は、放射線ビームを照射する放射線源と、放射線ビームを検出する放射線検出手段と、放射線源と放射線検出手段との介在する位置に設けられた被検体を載置する天板とを備え、キャリブレーション補正機能を有する放射線撮影装置において、(A)放射線検出手段に対して放射線ビームを照射することでキャリブレーション補正に用いる補正用データを取得する補正用データ取得手段と、(B)補正用データに平滑化処理を行うことで補正用データに転写された天板の放射線透過ムラの分布を平滑化する補正用データ編集手段と、(C)放射線検出手段に対して放射線ビームを照射することで被検体の放射線像が写りこんだ元画像を形成する元画像形成手段と、(D)編集された補正用データを基に元画像を補正するキャリブレーション補正手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明の構成によれば、放射線源と、放射線検出手段の介在する位置の天板に起因する放射線の透過ムラの分布がキャリブレーション補正に用いられる補正用データに重畳したとしても、診断に好適な放射線透視画像を形成できる。キャリブレーション補正によって、被検体の関心部位が写りこんだ元画像に重畳した検出素子の感度のバラツキや、アンプ回路の増幅のバラツキに起因するバラツキの分布は除去される。しかしながら、補正用データには、天板に起因する放射線の透過ムラの分布も写りこんでいる。したがって、キャリブレーション補正によって放射線透視画像には、この透過ムラの分布(正確には、その反転パターン)が余計に転写されることになる。本発明の構成の補正用データ編集手段は、補正用データに写りこんだ放射線の透過ムラの分布を平滑化によりボカして、編集された補正用データを形成する。それを基にキャリブレーション補正が行われるので、放射線透視画像において、天板に起因する放射線の透過ムラ分布が転写されることがない。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線撮影装置において、放射線検出手段は、第1方向にp列、および第2方向にq行の2次元的に配列された放射線検出素子と、放射線検出素子の放射線検出信号を増幅する第1方向に配列されたp個のアンプ回路とを備え、補正用データは、放射線検出素子の各々に対応したデータ成分がp列、およびq行の2次元的に配列されて構成され、補正用データ編集手段は、補正用データの各列ごとに平滑化を行うことを特徴とするものである。
[作用・効果]上記構成によれば、補正用データ編集ステップにおいて、補正用データは、補正用データの各列ごとに補正される。これにより、平滑化は、同一のアンプ回路に由来するデータ成分毎に行われるのである。つまり、補正用データを構成する各データ成分に含まれるアンプ回路の増幅のバラツキが平滑化されることがない。したがって、確実に天板に起因する放射線の透過ムラの分布をボカしつつ、アンプ回路の増幅のバラツキは、平滑化されない構成となっている。したがって、編集された補正用データを用いて元画像のキャリブレーション補正を行えば、元画像に重畳したアンプ回路の増幅のバラツキに起因するバラツキの分布は打ち消されるとともに、天板に起因する放射線の透過ムラが放射線透視画像に転写されることを確実に抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の放射線撮影装置において、放射線源から照射される放射線ビームの中心と放射線検出器の中心とが互いに一致する状態で、所定方向に沿って放射線源と放射線検出器とを同期的、かつ互いに反対方向に対向移動させる同期移動制御手段と、放射線源と放射線検出器とを同期移動させながら一連の放射線透視画像を撮影し、これらを重ね合わせることで放射線断層画像を形成する重ね合わせ手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]上記構成によれば、診断に好適な放射線断層画像が取得できる。上記構成は、放射線透視画像を重ね合わせて放射線断層画像を取得するようになっている。この放射線断層画像は、放射線透視画像を重ね合わせることで取得される。そのときに、放射線透視画像に天板に起因する透過ムラの分布が写りこんでいた場合、放射線断層画像には、透過ムラの分布の位置も変更されずに重ね合わせられ、放射線透視画像の枚数の分だけ透過ムラが増強されてしまう。上記構成によれば、そもそも重ね合わせられる放射線透視画像には天板に起因する透過ムラの分布が写りこんでいないので、放射線断層画像にそれが表れることがない。したがって、上記構成によれば、診断に好適な放射線断層画像が取得できる。
また、本明細書は、次のような放射線撮影装置に係る発明も開示している。
(1)請求項1ないし請求項3に記載の放射線撮影装置において、前記放射線源と前記放射線検出手段との介在する位置に散乱放射線を吸収する放射線グリッドを更に備えていることを特徴とする放射線撮影装置。
(1)に記載の構成は、放射線グリッドを備えている。この放射線グリッドには、天板と同様に、部分的に放射線を吸収しやすい部位と、放射線を吸収しにくい部位とが混在して分布している。したがって、放射線グリッドも天板とは独立して透過ムラの分布を有しており、補正用データには、放射線グリッドに起因する放射線の透過ムラの分布が重畳している。上記構成によれば、補正用データ編集手段によって、この放射線の透過ムラの分布も同時にボカされて、補正用データが編集される。したがって、放射線グリッドに起因する放射線の透過ムラの分布が放射線透視画像に転写されることを確実に抑制することができる。
本発明によれば、放射線源と、放射線検出手段の介在する位置の天板に起因する放射線の透過ムラの分布がキャリブレーション補正に用いられる補正用データに重畳したとしても、診断に好適な放射線透視画像を形成できる。キャリブレーション補正で用いられる補正用データには、天板に起因する放射線の透過ムラの分布が写りこんでいる。そうであっても、本発明の構成によれば、補正用データに写りこんだ放射線の透過ムラの分布を平滑化によりボカして、編集された補正用データを形成して、それを基にキャリブレーション補正が行われるので、放射線透視画像において、天板に起因する放射線の透過ムラの分布が転写されることがない。また、本発明の構成は、補正用データを編集する補正用データ編集手段を備えている。これにより、天板に起因する放射線の透過ムラの分布が写りこんでいない放射線透視画像が形成できる。この構成を放射線断層撮影装置に適応すれば、天板に起因する放射線の透過ムラの分布が重ね合わせられることがないので、診断に好適な放射線断層画像が形成できる。
以下、本発明に係る放射線撮影装置について、図面を参照しながら説明する。なお、実施例1では、本発明の構成を放射線断層撮影装置に採用した実施例である。
図1は、実施例1に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。図1に示すように、実施例1に係るX線断層撮影装置1は、X線断層撮影の対象である被検体Mを載置する天板2と、天板2の上部に設けられた被検体Mに対してコーン状のX線ビームを照射するX線管3と、天板2の下部に設けられ、被検体Mの透過X線像を検出するシート状のX線受像器であるフラットパネル型X線検出器(以下、FPDと略記)5と、コーン状のX線ビームの中心とFPD5の中心が常に一致する状態でX線管3とFPD5との各々を被検体Mの関心部位を挟んで互いに反対方向に同期移動させる同期移動機構6と、これを制御する同期移動制御部7と、天板2の下部に設けられ、FPD5のX線を検出するX線検出面を覆うように設けられており、散乱X線を吸収するX線グリッド8とを備えている。なお、X線は、本発明の放射線に相当する。
X線管3は、X線照射制御部4の制御にしたがってコーン状でパルス状のX線ビームを被検体Mに対して繰り返し照射する構成となっている。このX線管3には、X線ビームを角錐となっているコーン状にコリメートするコリメータが付属している。そして、このX線管3と、FPD5はX線透視画像を撮像する撮像系を形成している。
そして、さらに実施例1に係るX線断層撮影装置1は、各制御部4,7を統括的に制御する主制御部17と、X線断層画像を表示する表示部18とを備えている。この主制御部17は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することにより各制御部4,7および後述の天板移動制御部10,補正用データ取得部11,補正用データ編集部13,元画像形成部14,キャリブレーション補正部15,および重ね合わせ部16とを実現している。なお、X線管3,FPD5,および同期移動機構6は、本発明の放射線源、放射線検出手段、および同期移動手段のそれぞれに相当する。また、補正用データ取得部11、補正用データ編集部13、元画像形成部14、およびキャリブレーション補正部15は、本発明の補正用データ取得手段、補正用データ編集手段、元画像形成手段、およびキャリブレーション補正手段のそれぞれに相当する。
天板2は、昇降自在、かつ被検体Mの体軸方向Aに沿って摺動自在となっており、天板移動機構9によって駆動される。この天板移動機構9は、天板移動制御部10の制御にしたがう。なお、この天板移動制御部10も主制御部13によって他の各制御部4,7,10と共に統括的に制御される。
FPD5は、X線を検出する検出素子が2次元的に配列されて構成されている。図2は、実施例1に係るFPDの構成を説明する図である。図2に示すように、FPD5は、2次元的に配置されたX線を検出する検出素子20aと、その側端には、アンプ回路21aがx方向に配列されたアンプ回路アレイ21と、ゲートドライブ22aがy方向に配列されたゲートドライブアレイ22とを有する。検出素子20aは、ゲートドライブ22aの各々によって駆動され、アンプ回路21aの各々に検出信号を出力する。検出信号は、アンプ回路21aによって増幅され、増幅信号に変換される。なお、x方向、およびy方向は、本発明の第1方向、および第2方向に相当する。また、検出素子は、本発明の放射線検出素子に相当する。
図2においては、検出素子20aは、9個しか描かれていないが、実際のFPD5には、検出素子20aがx方向に1,024個、y方向に1,024個配列されている。したがって、本発明のp列は、1,024列、q行は、1,024行となっている。この行数と列数は用途に合わせて変更が可能である。
同期移動機構6は、X線管3とFPD5とを同期させて移動させる構成となっている。この同期移動機構6は、同期移動制御部7の制御にしたがって被検体Mの体軸方向Aに平行な直線軌道に沿ってX線管3を直進移動させる。しかも、検査中、X線管3の照射するコーン状のX線ビームは、常に被検体Mの関心部位に向かって照射されるようになっており、このX線照射角度は、コリメータの角度を変更することによって、たとえば初期角度−20°から最終角度20°まで変更される。なお、体軸方向Aは、本発明の所定方向に相当する。
また、同期移動機構6は、上述のX線管3の直進移動に同期して、天板2の下部に設けられたFPD5を被検体Mの体軸方向Aに沿って直進移動させる。そして、その移動方向は、X線管3の移動方向と反対方向となっている。つまり、X線管3が移動することによって照射源位置と照射方向が変化するコーン状のX線ビームは、常にFPD5のX線検出面の全面で受光される構成となっている。このように、一度の検査において、FPD5は、X線管3と互いに反対方向に同期して移動しながら、たとえば74枚のX線透視画像を取得するようになっている。具体的には、X線管3とFPD5とは、破線で示した位置を介して、図1に示した一点鎖線で示す位置まで対向移動する。すなわち、X線管3とFPD5の位置を変化させながら複数のX線透視画像が撮影されることになる。ところで、コーン状のX線ビームは常にFPD5のX線検出面の全面で受光されるので、撮影中コーン状のX線ビームの中心は、常にFPD5の中心と一致している。また、撮影中FPD5の中心は、直進移動するが、この移動はX線管3の移動の反対方向となっている。つまり、体軸方向Aに沿って、X線管3とFPD5とを同期的、かつ互いに反対方向に移動させる構成となっている。
また、FPD5の後段には、そこから出力される検出信号を基に被検体MのX線透視画像を形成する元画像形成部14が備えられており、この元画像形成部14の更に後段には、元画像形成部14で形成された元画像に対してキャリブレーション補正を行って、X線透視画像を形成するキャリブレーション補正部15を備えている。そして、完成した複数のX線透視画像を互いに重ね合わせることによって、所望の裁断位置における被検体MのX線断層画像を形成する重ね合わせ部16が備えられている。
また、このキャリブレーション補正部15で使用される補正用データD1は、補正用データ記憶部12に記憶されている。この補正用データD1は、被検体のX線透視画像を撮影する前に予めX線ビームをFPD5に照射することにより得られたものである。
実施例1の特徴的な部位としては、補正用データ編集部13が備えられている。この補正用データ編集部13は、補正用データD1を補正用データ記憶部12から読み出して、所定の演算処理を行った後、編集された補正用データD2を補正用データ記憶部12に出力する構成となっている。
続いて、実施例1に係るX線断層撮影装置1の断層画像の取得原理について説明する。図3は、実施例1に係るX線断層撮影装置の断層画像の取得方法を説明する図である。例えば、天板2に平行な基準裁断面MAについて説明すると、図3に示すように、基準裁断面MAに位置する点P,Qが、常にFPD5のX線検出面の不動点p,qのそれぞれに投影されるように、X線管3によるコーン状のX線ビーム19の照射方向に合わせてFPD5をX線管3の反対方向に同期移動させながら連続的に複数枚の元画像P0が元画像形成部14にて形成される。そして、この元画像P0に対してキャリブレーション補正を行って形成されたX線透視画像P1を重ね合わせ部16にて重ね合わせれば、基準裁断面MAに位置する像(たとえば、不動点p,q)が集積され、X線断層画像としてイメージングされることになる。一方、基準裁断面MAに位置しない点Iは、FPD5における投影位置を変化させながら一連のX線透視画像に点iとして写り込んでいる。この様な点iは、不動点p,qとは異なり、重ね合わせ部16でX線透視画像を重ね合わせる段階で像を結ばずにボケる。このように、X線透視画像の重ね合わせを行うことにより、被検体Mの基準裁断面MAに位置する像のみが写り込んだX線断層画像が得られる。このように、X線透視画像を単純に重ね合わせると、基準裁断面MAにおけるX線断層画像が得られる。
さらに、重ね合わせ部16の設定を変更することにより、基準裁断面MAに平行な任意の裁断位置においても、同様なX線断層画像を得ることができる。撮影中、FPD5において上記点iの投影位置は移動するが、投影前の点Iと基準裁断面MAとの離間距離が大きくなるにしたがって、この移動速度は増加する。これを利用して、取得された一連のX線透視画像から、移動方向と移動距離が同一となっている像を選択しながらX線透視画像を重ね合わせれば、基準裁断面MAに平行な裁断位置におけるX線断層画像が得られる。このように、重ね合わせ部16でX線透視画像を重ね合わせれば、所望のX線断層画像が得られる。
次に、実施例1におけるX線透視画像の方法について説明する。実施例1に係る放射線撮影装置のキャリブレーション方法は、図4に示すように、キャリブレーションに用いる補正用データを取得する補正用データ取得ステップS1と、取得された補正用データに平滑化処理を行って平滑化補正用データを取得する補正用データ編集ステップS2と、被検体を透視撮影し、元画像を取得する元画像形成ステップS3と、編集された補正用データを基に元画像を補正するキャリブレーション補正ステップS4とを備えている。なお、実施例1の補正用データ取得ステップS1は、補正用データ取得部11が行い、補正用データ編集ステップS2は、補正用データ編集13が行う。また、元画像形成ステップS3は、元画像形成部14が行い、キャリブレーション補正ステップS4は、キャリブレーション補正部15が行う構成となっている。これら各ステップについて順を追って説明する。
<補正用データ取得ステップS1>
図5は、実施例1に係るX線透視画像の取得のフローを説明するフローチャートである。実施例1に係るX線透視画像の取得方法は、まず、補正用データ取得ステップS1において、図5に示すように、X線ビームをFPD5に向けて照射する(ステップT1)。このとき、天板2は、被検体Mを載置していない。そして、FPD5にX線ビームが到達し、FPD5は、X線を検出する(ステップT2)。そして、FPD5は、アンプ回路21aから出力された増幅信号を補正用データ取得部11に出力し、この増幅信号を基に補正用データD1が取得される(ステップT3)。このときFPD5から出力された増幅信号は、FPD5全体に亘って一定とならずバラツキを有している。このバラツキは、例えば、FPD5を構成する検出素子20aの感度のバラツキや、アンプ回路21aの間における増幅のバラツキに起因する。
図5は、実施例1に係るX線透視画像の取得のフローを説明するフローチャートである。実施例1に係るX線透視画像の取得方法は、まず、補正用データ取得ステップS1において、図5に示すように、X線ビームをFPD5に向けて照射する(ステップT1)。このとき、天板2は、被検体Mを載置していない。そして、FPD5にX線ビームが到達し、FPD5は、X線を検出する(ステップT2)。そして、FPD5は、アンプ回路21aから出力された増幅信号を補正用データ取得部11に出力し、この増幅信号を基に補正用データD1が取得される(ステップT3)。このときFPD5から出力された増幅信号は、FPD5全体に亘って一定とならずバラツキを有している。このバラツキは、例えば、FPD5を構成する検出素子20aの感度のバラツキや、アンプ回路21aの間における増幅のバラツキに起因する。
ここで、この増幅信号のバラツキについて説明する。FPD5における検出素子aに注目して、これにy方向に離間した検出素子mと、x方向に離間した検出素子nとすると、検出素子aからアンプ回路21aを介して出力される増幅信号の強度は、検出素子nのそれよりも、検出素子mのそれに類似している。その理由は、検出素子a、および検出素子mにおける検出信号の増幅を担当するアンプ回路は、同一であるので、両検出素子a,mによってアンプ回路21aに出力された検出信号は、同一の増幅特性でもって増幅信号に代えらるからである。ところが、検出素子a、および検出素子nにおける検出信号の増幅を担当するアンプ回路21aは、互いに異なっているために、両検出素子a,nによってアンプ回路21aに出力された検出信号は、互いに異なる増幅特性でもって増幅信号に代えられるということになる。
図7は、実施例1に係るFPDが出力する増幅信号のムラについて説明する模式図である。補正用データ取得ステップS1において、FPD5から得られる増幅信号を各検出素子で比較したとき、アンプ回路21aの配列方向と直交するy方向に似通った値が配列し、アンプ回路21aに沿ったx方向には互いに異なる値が配列していることになる。
本ステップで得られる補正用データD1は、増幅信号を基に形成される2次元データであり、補正用データD1も図7で示したような特性を有している。つまり、補正データD1を構成する各データ成分を比較したとき、y方向に離間したデータ成分同士は、類似しており、x方向に離間したデータ成分同士は互いに異なっている。いいかえれば、補正用データD1には、類似したデータ成分がy方向に配列している。補正用データD1におけるこのようなFPDに起因するパターンH1を便宜上、図8(a)のようなストライプ状の模式図で表す。なお、実施例1においては、FPD5におけるX線検出素子の配列方向と対応させるため、補正用データD1における各データ成分は、1,024列(p列)、および1,024行(q行)の2次元データとなっている。
ところで、補正用データD1には、予期せずして、天板2に起因する別のパターンH2が重畳してしまっている。この天板に起因するパターンH2について説明する。図1に示すように、X線管3と、FPD5との介在する位置には、天板2が設けられている。したがって、X線ビームは、一旦この天板2を透過して、FPD5に入射することになる。天板2は、極力X線を透過させるような材料で構成されるが、実際には、天板2は、ある程度のX線を吸収してしまう。しかも、天板2には、部分的にX線を吸収しやすい部位と、X線を吸収しにくい部位とが混在して分布しているので、天板2を透過したX線ビームには、このX線の透過ムラの分布が写りこむ。補正用データ取得ステップS1において、キャリブレーション補正に用いる補正用データを取得しようとしても、X線ビームには、FPD5と関係のない天板2に起因するX線の透過ムラの分布が重畳しているので、得られる補正用データD1には、この天板2に起因するX線の透過ムラの分布が加算される。補正用データD1に写りこんだ天板2に起因するパターンを便宜上、図8(b)のような粒状の模様が分布した模式図で表す。つまり、補正用データD1には、図8(c)に示すように、FPDに起因するパターンH1に、天板2に起因するパターンH2が重畳してしまっており、ストライプ状のパターンと、粒状のパターンの両方が確認できる。補正用データ取得ステップS1では、この様な補正用データD1を補正用データ記憶部12に格納させて終了となる。
<補正用データ編集ステップS2>
次に、補正用データD1に対して、平滑化処理を行う補正用データ編集ステップS2が行われる(図5においてはステップT4)。補正用データ編集部13は、補正用データ記憶部12に記憶された補正用データD1を読み出して、補正用データD1に対して平滑化処理を行う。図9は、実施例1に係る補正用データ編集ステップを説明する模式図である。図9は、2次元的にデータ成分が配列した補正用データD1の構成を示している。そのうちのデータ成分bに注目すると、データ成分bにとってx方向について同一位置である他のデータ成分を用いて平滑化演算を行い、データ成分cが形成される。このとき平滑化演算に参照されるデータ成分の集団rは、データ成分bを含んでy方向に配列された51個のデータ成分であり、データ成分bは、このデータ成分の集団rのy方向における中間に位置している。したがって、データ成分cは、データ成分bと、そのy方向の前方に位置する25個のデータ成分と、そのy方向の後方に位置する25個のデータ成分とを参照して形成される。実際的に補正用データD1に対して行われる平滑化演算は、x方向に1列、y方向に51行の変換行列を用いたフィルター処理であり、変換行列で規定される重み付けにしたがって各データ成分を足し合わせてデータ成分cが形成される。具体的には、データ成分bに近づくほど重み付けがされる。
次に、補正用データD1に対して、平滑化処理を行う補正用データ編集ステップS2が行われる(図5においてはステップT4)。補正用データ編集部13は、補正用データ記憶部12に記憶された補正用データD1を読み出して、補正用データD1に対して平滑化処理を行う。図9は、実施例1に係る補正用データ編集ステップを説明する模式図である。図9は、2次元的にデータ成分が配列した補正用データD1の構成を示している。そのうちのデータ成分bに注目すると、データ成分bにとってx方向について同一位置である他のデータ成分を用いて平滑化演算を行い、データ成分cが形成される。このとき平滑化演算に参照されるデータ成分の集団rは、データ成分bを含んでy方向に配列された51個のデータ成分であり、データ成分bは、このデータ成分の集団rのy方向における中間に位置している。したがって、データ成分cは、データ成分bと、そのy方向の前方に位置する25個のデータ成分と、そのy方向の後方に位置する25個のデータ成分とを参照して形成される。実際的に補正用データD1に対して行われる平滑化演算は、x方向に1列、y方向に51行の変換行列を用いたフィルター処理であり、変換行列で規定される重み付けにしたがって各データ成分を足し合わせてデータ成分cが形成される。具体的には、データ成分bに近づくほど重み付けがされる。
この様なデータ処理が補正用データD1に属する全てのデータ成分について行い、その結果を補正用データD1と同一の配置で2次元的に配列する。この様にして、図9に示すような編集された補正用データD2が形成されることになる。つまり、実施例1に係る平滑化演算は、補正用データD1の各列にごとに行われる。こうして、編集された補正用データD2が補正用データ記憶部12に記憶され、補正用データ編集ステップS2は終了となる。
また、データ成分bが補正用データD1の側端部に位置しているために、y方向の前方または、後方に位置するデータ成分が25個に満たない場合、不足分のデータ成分の個数だけデータ成分の集団rを縮小してデータ成分cが形成される。
この様な構成とすることで、補正用データD1に重畳した天板2に起因するX線の透過ムラが平滑化される。したがって、補正用データD1に現れた図8(b)に示すような粒状のパターンH2は消去される。しかも、このときの平滑化演算は、アンプ回路21aの配列方向と直交するy方向に沿ってなされるので、FPD5に起因する補正用データD1の特性が消去されることがない。補正用データD1は、アンプ回路21a間で増幅のバラツキが反映されている。具体的には、補正用データD1を構成する各データ成分を比較したとき、y方向に離間したデータ成分同士のバラツキは小さく、x方向に離間したデータ成分同士のバラツキは大きい。
y方向に配列したデータ成分の強度をグラフで表すと、図10(a)のように小幅のバラツキとなる。各成分の強度kは、アンプ回路21aに起因する要素k1と、その他の要素k2との合計となっている。y方向に配列したデータ成分を比較したとき、要素k1は一定であり、要素k2のみがバラツく。要素k1は、単一のアンプ回路21aに由来するからである。一方、x方向に配列したデータ成分の強度をグラフで表すと図10(b)のように大幅のバラツキとなる。この場合、要素k1,要素k2の両方がバラツく。なお、要素k2の要因としては、検出素子の感度のバラツキがある。
実施例1の構成によれば、x方向にデータ成分を平滑化しないので、編集された補正用データD2には、要素k1のバラツキが平滑化されることがない。したがって、編集された補正用データD2は、アンプ回路21aに起因するバラツキが維持されている。
また、実施例1の構成によれば、要素k1の強度が維持された状態で、要素k2のみの平滑化が行われ、編集された補正用データD2が形成される(図5におけるステップT5)。ところで、天板2に起因する各データ成分の強度のバラツキは、要素k2に含まれている。したがって、天板2に起因する要素は本ステップS2において確実にボカされ、編集された補正用データD2からは、図8(b)に示すような粒状の天板に起因するパターンH2は消去されている。
<元画像形成ステップS3>
X線透視画像の取得に関する各ステップの説明に戻る。次に、被検体Mを天板2に仰臥させ、天板2を被検体Mの体軸方向Aに移動させることで、被検体Mの関心部位を撮影位置にセットする(図5におけるステップT6)。そして、X線管3がFPD5とともに体軸方向Aに同期的に、かつ対向方向に移動しながら、X線照射が開始される(ステップT7)。こうして、74枚の元画像P0を連続的に形成する(ステップT8)。この元画像P0は、順次キャリブレーション補正部15に出力される。
X線透視画像の取得に関する各ステップの説明に戻る。次に、被検体Mを天板2に仰臥させ、天板2を被検体Mの体軸方向Aに移動させることで、被検体Mの関心部位を撮影位置にセットする(図5におけるステップT6)。そして、X線管3がFPD5とともに体軸方向Aに同期的に、かつ対向方向に移動しながら、X線照射が開始される(ステップT7)。こうして、74枚の元画像P0を連続的に形成する(ステップT8)。この元画像P0は、順次キャリブレーション補正部15に出力される。
<キャリブレーション補正ステップS4>
キャリブレーション補正部15は、元画像P0を受け取ると、補正用データ記憶部12から編集された補正用データD2を読み出して、キャリブレーション補正を行い、X線透視画像P1を形成する(ステップT9)。具体的には、元画像P0に重畳した検出素子20aの感度のバラツキや、アンプ回路21aの増幅のバラツキに起因するバラツキの分布を除去すべく、このバラツキの分布の反転パターンが元画像P0に重ねあわされる。この反転パターンは、編集された補正用データD2から形成される。元画像P0に重畳したバラツキの分布は、その反転パターンによって打ち消される。このようにして形成されたX線透視画像P1は、順次重ね合わせ部16に出力される。
キャリブレーション補正部15は、元画像P0を受け取ると、補正用データ記憶部12から編集された補正用データD2を読み出して、キャリブレーション補正を行い、X線透視画像P1を形成する(ステップT9)。具体的には、元画像P0に重畳した検出素子20aの感度のバラツキや、アンプ回路21aの増幅のバラツキに起因するバラツキの分布を除去すべく、このバラツキの分布の反転パターンが元画像P0に重ねあわされる。この反転パターンは、編集された補正用データD2から形成される。元画像P0に重畳したバラツキの分布は、その反転パターンによって打ち消される。このようにして形成されたX線透視画像P1は、順次重ね合わせ部16に出力される。
<後段のステップS5>
重ね合わせ部16は、74枚のX線透視画像P1を重ね合わせて、X線断層画像P2を形成する(ステップT10)。このときに重ね合わせられるX線透視画像P1には、天板2に起因する粒状の天板に起因するパターンH2を含んでいないので、X線断層画像P2にその像を結ぶことがない。したがって、診断に好適なX線断層画像P2を得ることができる。このX線断層画像P2が表示部18で表示され、実施例1に係るX線断層撮影装置によるX線断層画像P2の取得は、終了となる。
重ね合わせ部16は、74枚のX線透視画像P1を重ね合わせて、X線断層画像P2を形成する(ステップT10)。このときに重ね合わせられるX線透視画像P1には、天板2に起因する粒状の天板に起因するパターンH2を含んでいないので、X線断層画像P2にその像を結ぶことがない。したがって、診断に好適なX線断層画像P2を得ることができる。このX線断層画像P2が表示部18で表示され、実施例1に係るX線断層撮影装置によるX線断層画像P2の取得は、終了となる。
以上のように、実施例1の構成によれば、X線管3と、FPD5の介在する位置の天板2に起因するX線の透過ムラの分布がキャリブレーション補正に用いられる補正用データD1に重畳したとしても、診断に好適なX線透視画像を形成できる。キャリブレーション補正によって、被検体Mの関心部位が元画像P0に重畳した検出素子20aの感度のバラツキや、アンプ回路21aの増幅のバラツキに起因するバラツキの分布は除去されるが、補正用データD1には、余計な天板2に起因するX線の透過ムラの分布が写りこんでいる。したがって、X線透視画像には、この透過ムラの分布(正確には、その反転パターン)が余計に転写されることになる。実施例1の構成によれば、補正用データD1に写りこんだX線の透過ムラの分布を平滑化処理によりボカして、編集された補正用データD2を形成して、それを基にキャリブレーション補正が行われるので、X線透視画像においての分布が転写されることがない。
また、実施例1の構成によれば、編集された補正用データD2は、補正データD1の各列毎に行われる。これにより、補正用データD1を構成する各データ成分に含まれるアンプ回路21aの増幅のバラツキに起因する要素k1が平滑化されずに編集された補正用データD2に維持される。つまり、平滑化は、同一のアンプ回路21aに由来するデータ成分毎に行われる。したがって、確実に天板2に起因するX線の透過ムラの分布を確実にボカしつつ、アンプ回路21aの増幅のバラツキに起因する要素k1は、平滑化されない構成となっている。したがって、編集された補正用データD2を用いて元画像P0のキャリブレーション補正を行えば、元画像P0に重畳したアンプ回路21aの増幅のバラツキに起因するバラツキの分布は、打ち消されるとともに、天板2に起因するX線の透過ムラがX線透視画像P1に転写されることを確実に抑制することができる。
また、実施例1に構成は、X線グリッド8を備えている。これにより散乱X線がFPD5に入射するのが抑制され、高いコントラストのX線透視画像が取得される。このX線グリッド8は、補正用データD1を取得するためにX線照射を行ったときにもX線透視画像装置に搭載されている。天板2と同様に、X線グリッド8には、部分的にX線を吸収しやすい部位と、X線を吸収しにくい部位とが混在して分布している。したがって、X線グリッド8も独自の透過ムラの分布を有しており、補正用データD1には、X線グリッド8に起因するX線の透過ムラの分布が重畳している。実施例1の構成によれば、補正用データ編集ステップS2において、このX線の透過ムラの分布も同時にボカされて、編集された補正用データD2が形成される。したがって、X線グリッドに起因するX線の透過ムラの分布がX線透視画像P1に転写されることを確実に抑制することができる。
また、実施例1の構成は、X線透視画像P1を重ね合わせてX線断層画像P2を取得するようになっている。基準裁断面MAにおけるX線断層画像P2を取得するとき、上述のように、X線透視画像P1を単純に重ね合わせることでX線断層画像P2が取得されることになる。そのときに、一連のX線透視画像P1は、その位置を変更させずに重ね合わせられるので、X線透視画像P1に天板2に起因する透過ムラの分布が写りこんでいた場合、X線断層画像P2には、透過ムラの分布の位置も変更されずに重ね合わせられ、X線透視画像P1の枚数の分だけ透過ムラが増強されてしまう。実施例1の構成によれば、そもそもX線透視画像P1には天板2に起因する透過ムラの分布が写りこんでいないので、X線断層画像P2にそれが表れることがない。したがって、実施例1の構成によれば、診断に好適なX線断層画像P2が取得できる。
本発明は、上記構成に限られず、以下のような変形実施が可能である。
(1)上述した実施例におけるデータ成分の集団rに属するデータ成分は、51個であったが、本発明はこれに限られず、その個数は用途に合わせて自由に変更することができる。
(2)上述した実施例におけるX線断層撮影装置のX線管やFPDは直線移動となっていたが、本発明はこれに限られない。直線移動に代えて円弧軌道に沿った移動や、渦巻き軌道に沿った移動とすることができる。
(3)上述した実施例におけるX線断層撮影装置は、医用であったが、本発明はこれに限られない。本発明は、工業用や原子力用の撮影装置に適応することができる。
D1 補正用データ
P0 元画像
S1 補正用データ取得ステップ
S2 補正用データ編集ステップ
S3 元画像形成ステップ
S4 キャリブレーション補正ステップ
1 X線断層撮影装置(放射線撮影装置)
2 天板
3 X線管(放射線源)
5 FPD(放射線検出手段)
P0 元画像
S1 補正用データ取得ステップ
S2 補正用データ編集ステップ
S3 元画像形成ステップ
S4 キャリブレーション補正ステップ
1 X線断層撮影装置(放射線撮影装置)
2 天板
3 X線管(放射線源)
5 FPD(放射線検出手段)
Claims (3)
- 放射線ビームを照射する放射線源と、前記放射線ビームを検出する放射線検出手段と、前記放射線源と前記放射線検出手段との介在する位置に設けられた被検体を載置する天板とを備え、キャリブレーション補正機能を有する放射線撮影装置において、
(A)前記放射線検出手段に対して放射線ビームを照射することでキャリブレーション補正に用いる補正用データを取得する補正用データ取得手段と、
(B)前記補正用データに平滑化処理を行うことで前記補正用データに転写された前記天板の放射線透過ムラの分布を平滑化する補正用データ編集手段と、
(C)前記放射線検出手段に対して放射線ビームを照射することで被検体の放射線像が写りこんだ元画像を形成する元画像形成手段と、
(D)編集された補正用データを基に元画像を補正するキャリブレーション補正手段とを備えることを特徴とする放射線撮影装置。 - 請求項1に記載の放射線撮影装置において、
前記放射線検出手段は、第1方向にp列、および第2方向にq行の2次元的に配列された放射線検出素子と、前記放射線検出素子の放射線検出信号を増幅する前記第1方向に配列されたp個のアンプ回路とを備え、
前記補正用データは、前記放射線検出素子の各々に対応したデータ成分がp列、およびq行の2次元的に配列されて構成され、
前記補正用データ編集手段は、前記補正用データの各列ごとに平滑化を行うことを特徴とする放射線撮影装置。 - 請求項1または請求項2に記載の放射線撮影装置において、
前記放射線源から照射される放射線ビームの中心と前記放射線検出器の中心とが互いに一致する状態で、所定方向に沿って前記放射線源と前記放射線検出器とを同期的、かつ互いに反対方向に対向移動させる同期移動制御手段と、
前記放射線源と前記放射線検出器とを同期移動させながら一連の放射線透視画像を撮影し、これらを重ね合わせることで放射線断層画像を形成する重ね合わせ手段とを備えることを特徴とする放射線撮影装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008150797A JP2009291548A (ja) | 2008-06-09 | 2008-06-09 | 放射線撮影装置 |
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Cited By (3)
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JP2010253167A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Shimadzu Corp | 放射線撮影装置 |
JP2011224351A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-11-10 | Fujifilm Corp | 放射線画像撮影装置および欠陥画素位置情報取得方法 |
JP2019126581A (ja) * | 2018-01-25 | 2019-08-01 | 株式会社島津製作所 | 骨密度測定装置および骨密度撮影方法 |
-
2008
- 2008-06-09 JP JP2008150797A patent/JP2009291548A/ja active Pending
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CN110074803A (zh) * | 2018-01-25 | 2019-08-02 | 株式会社岛津制作所 | 骨密度测定装置以及骨密度摄影方法 |
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