JP2014068985A - 放射線撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検体に対して斜め方向から見たときの投影画像を鮮明に取得でき、再度の撮影を行わなくても投影画像の投影方向を調節できる放射線撮影装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るX線撮影装置1は、X線管3およびFPD4を同じ方向または互いに反対方向に移動させながら画像を連写することにより、取得された被検体のボクセルデータBを取得し、これを利用して、スポット撮影で取得される投影画像に相当する画像(再構成画像P1)を取得する。本発明に係る放射線撮影装置の再構成画像P1は、ボクセルデータBを仮想的な平面に投影させることで生成されるので、画像に歪みが生じない。また、一度ボクセルデータBを生成してしまえば、これ以上被検体Mの撮影を行なうことなく、投影方向の異なる複数の再構成画像P1の生成を行うことができ、被検体Mに対する被曝を抑えつつ操作性に優れた装置を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検体に放射線を照射して画像を取得する放射線撮影装置に関し、特に撮影中に放射線源および放射線検出器が互いに反対方向に移動する放射線撮影装置に関する。
医療機関には放射線を照射して被検体Mのイメージングを行う放射線撮影装置が配備されている。このような放射線撮影装置は、図14に示すように放射線を照射する放射線源53と、放射線を検出するFPD54とを備えている。放射線源53とFPD54との間には被検体Mを載置する天板52が備えられている(例えば、特許文献1参照)。この様な装置にあっては、FPD54が被検体を載置する天板52と平行な関係を保った状態で移動が可能となっている。
このような放射線撮影装置を用いて被検体Mの撮影を行うと、被検体をある方向から透視したときの画像が取得される。この様に取得される投影画像は、立体的な被検体の像を平面上に投影させたような投影像を写し込んでいる。
この様な装置とは別に被検体をある面で裁断したときの断層像を取得できる放射線断層撮影装置がある。この様な放射線断層撮影装置で取得された断層画像には、被検体の断層像が写り込んでいる。この様な装置における断層像を生成するときの仮想断面を裁断面と呼ぶことにする。
投影画像および断層画像は、いずれも被検体の内部構造を表した画像である。しかし、両画像には異なる性質がある。すなわち、断層画像の方が被検体の構造を示す情報が少ないのである。例えば断層画像は、裁断面上での被検体の内部構造しか写し込んでいない。したがって、術者が1枚の断層画像を視認したとしても、術者が知り得るのは裁断面における被検体の内部構造に過ぎない。このように断層画像の観察では、裁断面上にない被検体の内部構造がどのようになっているか知りようがない。
これに比べて、投影画像は、断層画像とは違い被検体の内部構造の情報をより多く保持している。すなわち、投影画像は、互いに平行となっている裁断面について生成された複数の断層画像を積算したかのような画像となっている。したがって、術者が投影画像を視認すると、断層画像を視認した場合と比べて、被検体の内部構造の情報をより多く得ることができる。このように、断層画像よりも投影画像の方が診断に有利な場合がある。従って、実際の診断において投影画像の撮影がよくなされる。
特開2005−31323号公報
しかしながら、従来構成によれば、次のような問題点がある。
すなわち、従来の投影画像の撮影方法では画像に歪みが生じる。
上述のようなFPD54が被検体を載置する天板52と平行な関係を保った状態で移動が可能となっている装置にあっては、FPD54が被検体を載置する天板52と平行な関係を保った状態で移動する構成となっている。したがって、被検体に対して斜め方向から照射される放射線ビームを用いて撮影を行おうとして、放射線源53を図14の右方向に移動させると、放射線源53から発する放射線ビームを受光するには、必然的にFPD54は、左方向に移動しなければならなくなる(図15参照)。
つまり、この様な装置は、Cアームを備えた放射線撮影装置のように放射線源53とFPD54との位置関係が保たれた状態でFPD54が被検体に対して移動するような構成とすることはできない。
つまり、図14のような装置で被検体に対して斜め方向から照射される放射線ビームを用いて撮影を行うと、放射線はFPD54に対して斜め方向から入射する。これが投影画像の歪みを生む結果となる。
FPD54は、放射線を電荷に変換する変換層を備えている。放射線がFPD54に対して斜め方向に入射するようになると、変換層にも放射線ビームが斜め方向から入射するようになる。このとき、変換層の浅い部分で放射線が電荷に変換された場合と、深い部分で変換された場合とで比較すると、放射線のFPD54における入射位置が見かけ上変化する。このように、放射線がFPD54に向けて斜め方向に入射すると、放射線の検出位置にバラツキが生じてしまい、画質の劣化が生じるのである。
また、従来の撮影装置では、自由に投影方向を変更できないという問題点がある。投影画像は、被検体に放射線を一度だけ照射するスポット撮影という方法で撮影される。このとき取得される投影画像は、放射線源53と被検体MとFPD54とが特定の位置関係を有する状態で撮影されたものである。したがって、投影画像は、被検体を特定の撮影方向から撮影した画像なのである。
術者が投影画像を視認したとき、撮影方向が不適切であったと判断したものとする。この様な事態は、例えば、被検体の関節を撮影したときに関節を斜め方向から撮影してしまった場合などに発生する。このとき術者が撮影方向が調整された投影画像を取得しようとした場合、再びスポット撮影を行って新たな投影画像を撮影するしかない。投影画像は、単なる2次元的な画像であり、これを基に撮影方向の異なる画像を生成することができないからである。
投影画像の撮影を何度も繰り返すこととなれば、被検体に対する被曝が増大する。また、複数の投影画像を取得するようにすると、撮影に要する時間が増大してしまい、スムーズな診断の妨げとなってしまう。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、被検体に対して斜め方向から見たときの投影画像を鮮明に取得でき、再度の撮影を行わなくても投影画像の投影方向を調節できる放射線撮影装置を提供することにより、被検体に対する無用な被曝を抑制するとともにスムーズな診断が可能な放射線撮影装置を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線撮影装置は、放射線を照射する放射線源と、放射線源を被検体に対し平行移動させる放射線源移動手段と、放射線源を回転させる放射線源回転手段と、放射線源回転手段及び放射線源移動手段を制御する放射線源移動制御手段と、被検体を透過した放射線を検出する検出手段と、検出手段を被検体に対し平行移動させる検出器移動手段と、検出器移動手段を制御する検出器移動制御手段と、放射線源および検出手段を同じ方向または互いに反対方向に移動させながら連写された画像を基に被検体の3次元像を写し込んだボクセルデータを生成するボクセルデータ生成手段と、ボクセルデータを任意の投影方向から平面に投影したときの投影像を写し込んだ再構成画像を生成する再構成画像生成手段とを備え、再構成画像生成手段は、少なくとも投影方向と直交する平面上の再構成画像を生成する機能を備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明に係る放射線撮影装置は、複数の裁断面における被検体の断層画像を撮影できる構成を備えている。すなわち、本発明に係る放射線撮影装置は、放射線源および検出手段を同じ方向または互いに反対方向に移動させながら画像を連写することにより、被検体の立体像(ボクセルデータ)を取得できるようになっているのである。本発明は、このような断層画像を撮影できる装置を利用して、スポット撮影で取得される投影画像に相当する画像(再構成画像)を取得できるようになっている。この様な画像は、被検体の断面しか表せない断層画像と比べて被検体の3次元像が2次元画像上で圧縮されたような画像となっているので、被検体を全体的に捉えることができ診断に好適である。
しかも、本発明に係る放射線撮影装置の再構成画像は、複数の断層画像を基にして生成される。したがって、被検体に対して斜め方向から見た時の再構成画像は、スポット撮影で投影画像を撮影したときよりも鮮明となる。スポット撮影の時と比べ、再構成画像を生成するときに用いられるデータの点数が多いからである。
また、ボクセルデータを仮想的な平面に投影させることで生成される。したがって、一度ボクセルデータを生成してしまえば、これ以上被検体の撮影を行なうことなく、投影方向の再設定さえすれば、投影方向の異なる複数の再構成画像の生成を行うことができる。したがって、被検体に対する被曝を抑えながら、診断に好適な投影方向から見た被検体の投影像を取得することができるのである。
また、本発明の構成によれば、放射線源および検出手段が被検体周りに一回転するCT装置を用いて同様の構成とするよりも鮮明な撮影ができる。すなわち、本発明によれば、検出手段を高速で回転させる必要がないので、より解像度の高い検出手段を搭載できる。したがって、より鮮明でスポット撮影で得られる画像に近い投影像を写し込んだ再構成画像が生成できるのである。
また、上述の放射線撮影装置において、プリセットされた投影方向を記憶する記憶手段を備え、再構成画像生成手段は、プリセットされた投影方向に基づいて再構成画像を生成した後、入力手段から入力された投影方向に基づいて再構成画像を生成すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明のより具体的な構成を示すものとなっている。すなわち、術者が投影方向を指定して再構成画像が生成される前に、プリセットされた投影方向で再構成画像が生成されれば、術者は診断に好適となるようにプリセットの投影方向を微調整するだけでよく、操作性の優れた放射線撮影装置が提供できる。
また、上述の放射線撮影装置において、記憶手段が記憶するプリセットの投影方向が以前に再構成画像生成手段が動作したときに基にした投影方向に一致しており、経過観察用に構成してもよい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明のより具体的な構成を示すものとなっている。すなわち、以前に再構成画像生成手段が動作したときに基にした投影方向と同じ投影方向で再構成画像を生成できるようにすれば、以前の投影方向を再現して再構成画像を生成できるので、経過観察用として優れた放射線撮影装置が提供できる。
また、上述の放射線撮影装置において、再構成画像生成手段が記憶手段に記憶されたプリセットの投影方向を複数読み出してこれらに基づいて生成された再構成画像の各々に写り込む被検体の内部構造の形状を認識する形状認識手段と、被検体の内部構造の形状を評価することにより再構成画像を選択する選択する画像選択手段とを備えればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明のより具体的な構成を示すものとなっている。投影方向の異なる複数の再構成画像の各々に写り込んだ被検体の内部構造の形状を認識して、この認識の基に画像の各々を評価して選択するようにすれば、術者による投影方向の入力の負担が軽減される。このように、本発明の放射線撮影装置に術者の入力を支援するような構成を備えてもよい。
本発明に係る放射線撮影装置は、放射線源および検出手段を同じ方向または互いに反対方向に移動させながら画像を連写することにより、取得された被検体の立体像(ボクセルデータ)を取得し、これを利用して、スポット撮影で取得される投影画像に相当する画像(再構成画像)を取得する。本発明に係る放射線撮影装置の再構成画像は、ボクセルデータを仮想的な平面に投影させることで生成されるので、一度ボクセルデータを生成してしまえば、これ以上被検体の撮影を行なうことなく、投影方向の異なる複数の再構成画像の生成を行うことができ、被検体に対する被曝を抑えつつ操作性に優れた装置を提供できる。
実施例1に係る放射線撮影装置の全体構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係るボクセルデータの取得原理を説明する模式図である。 実施例1に係るボクセルデータを説明する模式図である。 実施例1に係るボクセルデータを説明する模式図である。 実施例1に係る再構成画像の生成について説明する模式図である。 実施例1に係る再構成画像を説明する模式図である。 実施例1に係る再構成画像を説明する模式図である。 実施例1に係る投影方向の取り得る範囲を説明する模式図である。 実施例2に係る放射線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例3に係る放射線撮影装置の動作を説明する模式図である。 実施例3に係るボクセルデータの取得原理を説明する模式図である。 実施例3に係るボクセルデータの取得原理を説明する模式図である。 実施例3に係るボクセルデータの取得原理を説明する模式図である。 従来構成の放射線撮影装置の構成を説明する模式図である。 従来構成の放射線撮影装置の構成を説明する模式図である。
次に、本発明に係る放射線断層撮影装置の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、実施例におけるX線は、本発明の構成の放射線に相当する。なお、FPDは、フラットパネル型X線検出器(フラット・パネル・ディテクタ)の略である。
図1は、実施例1に係る放射線撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。図1に示すように、実施例1に係るX線撮影装置1は、X線断層撮影の対象である被検体Mを載置する天板2と、天板2の上部(天板2の1面側)に設けられた被検体Mに対してコーン状のX線ビームを被検体Mに向けて照射するX線管3と、天板2の下部(天板の他面側)に設けられ、被検体Mを透過したX線を検出するFPD4と、コーン状のX線ビームの中心軸とFPD4の中心点とが常に一致する状態でX線管3とFPD4との各々を被検体Mの関心部位を挟んで互いに反対方向に同期移動させる同期移動機構7と、これを制御する同期移動制御部8と、FPD4のX線を検出するX線検出面を覆うように設けられた散乱X線を吸収するX線グリッド5とを備えている。この様に、天板2は、X線管3とFPD4とに挟まれる位置に配置されている。X線管3は、本発明の放射線源に相当し、FPD4は、本発明の放射線検出手段に相当する。
同期移動機構7は、X線管3を被検体Mに対して体軸方向Aに移動させるX線管移動機構7aと、FPD4を被検体Mに対して体軸方向Aに移動させるFPD移動機構7bとを備えている。また、同期移動制御部8は、X線管移動機構7aを制御するX線管移動制御部8aとFPD移動機構7bを制御するFPD移動制御部8bとを備えている。X線管移動機構7aは、本発明の放射線源移動手段に相当し、X線管移動制御部8aは、本発明の放射線源移動制御手段に相当する。FPD移動機構7bは、本発明の検出器移動手段に相当し、FPD移動制御部8bは、本発明の検出器移動制御手段に相当する。
X線管3は、X線管制御部6の制御にしたがってコーン状でパルス状のX線ビームを被検体Mに対して繰り返し照射する構成となっている。このX線管3には、X線ビームを角錐となっているコーン状にコリメートするコリメータが付属している。そして、このX線管3と、FPD4はX線投影画像を撮像する撮像系3,4を生成している。X線管制御部6は、X線管3の電圧を制御することにより、X線管3に高電圧を与えてX線を照射させることもできるし、X線管3に低電圧を与えてX線を照射させることもできる。X線管制御部6は、本発明の放射線源制御手段に相当する。
同期移動機構7は、被検体Mに対してX線管3とFPD4とを同期させて移動させる構成となっている。この同期移動機構7は、同期移動制御部8の制御にしたがって被検体Mの体軸方向Aに平行な直線軌道(天板2の長手方向)に沿ってX線管3を直進移動させる。このX線管3とFPD4との移動方向は、天板2の長手方向に一致している。しかも、検査中、X線管3の照射するコーン状のX線ビームは、常に被検体Mの関心部位に向かって照射されるようになっており、このX線照射角度は、X線管3の角度を変更することによって、たとえば初期角度−20°から最終角度20°まで変更される。この様なX線照射角度の変更は、X線管傾斜機構9が行う。X線管傾斜制御部10は、X線管傾斜機構9を制御する目的で設けられている。
そして、さらに実施例1に係るX線撮影装置1は、各制御部6,8,10,18b,22を統括的に制御する主制御部25と、再構成画像P1を表示する表示部27とを備えている。この主制御部25は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することにより各制御部6,8,10および後述の各部11,12,13,14を実現している。記憶部23は、X線管3の制御に関わるパラメータやプリセットされた投影方向などのX線撮影装置1の制御に関するデータの一切を記憶する。操作卓26は、術者のX線撮影装置1に対する各操作を入力させるものである。記憶部23は、本発明の記憶手段に相当し、操作卓26は、本発明の入力手段に相当する。
また、同期移動機構7は、上述のX線管3の直進移動に同期して、天板2の下部に設けられたFPD4を被検体Mの体軸方向A(天板2の長手方向)に直進移動させる。そして、その移動方向は、X線管3の移動方向と反対方向となっている。つまり、X線管3が移動することによってX線管3の焦点の位置と照射方向が変化するコーン状のX線ビームは、常にFPD4のX線検出面の全面で受光される構成となっている。このように、一度の検査において、FPD4は、X線管3と互いに反対方向に同期して移動しながら、たとえば74枚の投影画像を取得するようになっている。具体的には、撮像系3,4は、実線の位置を初期位置として、破線で示した位置を介して、図1に示した一点鎖線で示す位置まで対向移動する。すなわち、X線管3とFPD4の位置を変化させながら複数のX線投影画像が撮影されることになる。ところで、コーン状のX線ビームは常にFPD4のX線検出面の全面で受光されるので、撮影中コーン状のX線ビームの中心軸は、常にFPD4の中心点と一致している。また、撮影中、FPD4の中心は、直進移動するが、この移動はX線管3の移動の反対方向となっている。つまり、体軸方向AにX線管3とFPD4とを同期的、かつ互いに反対方向に移動させる構成となっている。
また、FPD4の後段には、そこから出力される検出信号を基にX線管3およびFPD4を互いに反対方向に移動させながら連写された投影画像を生成する画像生成部11が備えられており(図1参照),この画像生成部11の更に後段には、被検体Mの3次元像を写し込んだボクセルデータBを生成するボクセルデータ生成部12と、ボクセルデータBをある方向から平面に投影したときの投影像を写し込んだ再構成画像P1を生成する再構成画像生成部13とを備えている。また、実施例1に係るX線撮影装置1は、再構成画像生成部13の後段に後処理部14を備える構成としてもよいが、この後処理部14の具体的な構成については後述のものとする。ボクセルデータ生成部12は、本発明のボクセルデータ生成手段に相当し、再構成画像生成部13は、本発明の再構成画像生成手段に相当する。
<ボクセルデータBの取得原理および>
続いて、実施例1に係るX線撮影装置1のボクセルデータBの取得原理について説明する。実施例1の構成では、被検体Mを平面上で裁断したときの画像である断層画像を複数生成することによりボクセルデータBを生成する。図2は、実施例1に係るX線撮影装置の断層画像の取得方法を説明する図である。例えば、天板2に平行な(鉛直方向に対して水平な)仮想平面(基準裁断面MA)について説明すると、図2に示すように、基準裁断面MAに位置する点P,Qが、常にFPD4のX線検出面の不動点p,qのそれぞれに投影されるように、X線管3によるコーン状のX線ビームBの照射方向に合わせてFPD4をX線管3の反対方向に同期移動させながら一連の投影画像Pが画像生成部11にて生成される。一連の元画像P0a,P0bには、被検体Mの投影像が位置を変えながら写り込んでいる。そして、この一連の元画像P0a,P0bをボクセルデータ生成部12にて再構成すれば、基準裁断面MAに位置する像(たとえば、不動点p,q)が集積され、X線断層画像としてイメージングされることになる。一方、基準裁断面MAに位置しない点Iは、FPD4における投影位置を変化させながら一連の被検体M画像に点iとして写り込んでいる。この様な点iは、不動点p,qとは異なり、ボクセルデータ生成部12でX線投影画像を重ね合わせる段階で像を結ばずにボケる。このように、一連の投影画像の重ね合わせを行うことにより、被検体Mの基準裁断面MAに位置する像のみが写り込んだX線断層画像が得られる。このように、投影画像を単純に重ね合わせると、基準裁断面MAにおける断層画像が得られる。
さらに、ボクセルデータ生成部12は、基準裁断面MAに水平な任意の裁断面においても、同様な断層画像を得ることができる。撮影中、FPD4において上記点iの投影位置は移動するが、投影前の点Iと基準裁断面MAとの離間距離が大きくなるにしたがって、この移動速度は増加する。これを利用して、取得された一連の被検体M画像を所定のピッチで体軸方向Aにずらしながら再構成を行うようにすれば、基準裁断面MAに平行な裁断面における断層画像が得られる。このような一連の断層画像の再構成は、ボクセルデータ生成部12が行う。
ボクセルデータ生成部12は、互いに平行な裁断面の各々について断層画像を生成し、これらを各裁断面上に仮想的に配列することにより被検体Mの3次元像を写し込んだボクセルデータBを生成する。つまり、ボクセルデータ生成部12は、被検体Mのスライス画像を被検体Mの3次元形状に倣って積み重ねてボクセルデータBを生成するのである。図3は、ボクセルデータ生成部12が断層画像を生成するときの裁断面の各々を表しており、図4は、ボクセルが3次元仮想空間上に配列されて構成されるボクセルデータBを概念的に表したものである。図3を参照すれば分かるように裁断面の各々は天板2に平行となっている。
<画像再構成部の動作>
生成されたボクセルデータBは、再構成画像生成部13に送出される。再構成画像生成部13は、3次元情報のボクセルデータBをある投影方向から平面に投影したときの投影像を写し込んだ2次元画像の再構成画像P1を生成する。したがって、再構成画像生成部13が動作するには、投影させる方向を指定する必要がある。投影方向の指定は、術者が操作卓26を通じて行うようにしてもよいし、記憶部23に予めプリセットされていてもよい。このように操作卓26は、術者に投影方向を入力させることができる。
図5は、再構成画像生成部13が再構成画像P1を生成する様子を表している。図5における投影方向は、図中の矢印が示すように紙面の上側から下側にかけてであるものとする。まず、投影方向と直交するとともに、投影方向にボクセルデータBを突き抜けた先の空間に位置する平面Fを考えることにする。この平面Fは、図5における紙面と直交しているので図5において直線であるかのように表されている。
ここで、投影方向と平行なボクセルデータBを貫通する直線Nを考える。この直線Nは、ボクセルデータBを貫通する間に複数のボクセルを通過することになる。再構成画像生成部13は、直線N上のボクセルの画素値を例えば積分してその積分値を、直線Nと平面Fとが交わる点nに配置する。こうして、平面F上に再構成画像P1を構成する画素の一つが配置されたことになる。
再構成画像生成部13は、投影方向と平行な他の直線についても同様の動作を行い、平面F上に画素を次々と配置する。この様にすることで、積分値が2次元状に配列された再構成画像P1が生成されるのである。この再構成画像P1は、投影方向と直交する平面上に生成されることになる。この様な再構成画像P1の生成方法を順投影法と呼ぶ。
ところで、再構成画像生成部13が動作するときに参照する投影方向は、術者の入力によるものである。したがって、再構成画像生成部13は、術者が投影方向を入力する度に上述の動作を行って再構成画像P1を生成することになる。
術者の操作卓26を通じた投影方向の入力方法は、特に限定はされないが、例えば、天板2に対する投影方向の角度を操作卓26に入力させる方法などが考えられる。
表示部27は、再構成画像生成部13が生成した再構成画像P1を表示する。表示部27は、再構成画像生成部13が再構成画像P1を生成する度に画像の表示を最新のものに更新する。従って、表示部27に表示されている画像は、術者が投影方向の指定を行う度に更新されることになる。
<再構成画像と断層画像との違いについて>
ここで、再構成画像P1と断層画像との違いを明らかにして、再構成画像P1が有する診断上の優位性について説明する。図6は、再構成画像P1を理解する上での概念図である。なお、図6においてはボクセルデータBに写り込む被検体像を球形のオブジェクトで表すことにする。
図6左側は、断層画像の概念図である。図6左側を見れば分かるように、断層画像は、被検体像の1切片を表した画像に過ぎない。したがって、断層画像には、図6左側の網掛けで示すように被検体像のごく一部しか写り込んでいない。一方、図6右側は、再構成画像P1の概念図である。図6右側を見れば分かるように、再構成画像P1は、被検体像の全体を投影した画像となっている。すなわち、再構成画像P1は、被検体像の複数の切片を積分して得られたような画像となっている。従って、再構成画像P1は、図6左側で示した断層画像も含んでいるのである。したがって、再構成画像P1には、図6右側の網掛けで示すように被検体像の立体像を一枚の画像に写し込んだものとなっている。
従って、再構成画像P1を視認すると、被検体像全体を診断することができるので、被検体像全体に亘って生じている異常を発見することができる。一方、断層画像を視認しても、ある裁断面における被検体Mの異常を発見することしかできない。このように、再構成画像P1は、正確な診断をする上で有効な画像なのである。
ここで、再構成画像P1と同様の画像はスポット撮影で得られることからすると、再構成画像P1を取得する意義は無いのではないかとも思われる。確かに、スポット撮影を行えば、図6右側で説明したものと同様な画像を撮影することはできる。しかし、スポット撮影によると、投影方向を自由に調節することができない。スポット撮影における被検体像の投影は、実際のX線を用いて行われるからである。
これに比べて実施例1の再構成画像P1をするときの被検体像の投影は、ボクセルデータBを用いて仮想的に行われる。したがって、実施例1の構成によれば、1つのボクセルデータBから投影方向の異なる複数の再構成画像P1を生成することができる。ボクセルデータBは、実施例1のX線撮影装置1を用いて一度撮影すれば取得できることからすると、一度の撮影で投影方向の異なる複数の再構成画像P1が取得できるということになる。
図7は、本発明の再構成画像生成部13が図6右側で説明した再構成画像P1を生成した後、術者が新たに設定した投影方向に基づいて新たな再構成画像P1を生成する様子を示している。この様に、再構成画像生成部13が再構成画像P1を生成するときに同じボクセルデータBを使い回すことにより、被検体Mの撮影が一度きりで済むようになっている。
ところで、ボクセルデータBを生成する際に、異なる方向から74枚の投影画像P0が撮影されている。したがって、ボクセルデータBを生成しなくても、既に多様な角度から撮影された投影画像P0が得られているので、再構成画像生成部13の動作は不要なのではないかとも思われる。しかし、本発明の構成によれば、撮影時の投影方向P0以外の投影方向以外の方向から被検体を見た時の画像が取得できる点で有利な構成となっている。この様な画像の取得は、再構成画像生成部13無くしては達し得ないものである。
<投影方向の取り得る範囲について>
次に、術者が操作卓26を通じて設定しうる投影方向の範囲について説明する。投影方向は、天板2に直交する方向である直交方向から、天板2の長手方向(体軸方向A)の一端側に向けて傾斜させることができる。また、投影方向は、上述の直交方向から天板2の長手方向の他端側に向けて傾斜させることができる。したがって、投影方向は、天板2の長手方向の一端側に向けて最も傾斜した状態(一端側最大傾斜状態)から、天板2の長手方向の他端側に向けて最も傾斜した状態(他端側最大傾斜状態)まで変更できる。一端側最大傾斜状態の投影方向を一端側最大傾斜方向D1と呼び、他端側最大傾斜状態の投影方向を他端側最大傾斜方向D2と呼ぶことにする。
一端側最大傾斜方向D1および他端側最大傾斜方向D2は、X線管3およびFPD4の移動様式に基づいて決定される。すなわち、一端側最大傾斜方向D1は、図8に示すように元画像P0の連写開始時(1枚目の元画像P0の撮影時)におけるX線管3から照射されるX線の照射方向に一致している。また、他端側最大傾斜方向D2は、同じく図8に示すように元画像P0の連写終了時(74枚目の元画像P0の撮影時)におけるX線管3から照射されるX線の照射方向に一致している。このように投影方向に限界を持たせることにより、確実に鮮明な再構成画像P1が生成できる。
なお、必ずしも一端側最大傾斜方向D1を元画像P0連写開始時のX線の照射方向に一致させる必要はない。一端側最大傾斜方向D1を元画像P0連写開始時のX線の照射方向から天板2の一端側に更に傾斜させるように設定することもできる。しかし、一端側最大傾斜方向D1と元画像P0連写開始時のX線の照射方向とが一致しなくなるにしたがって、一端側最大傾斜方向D1で生成された再構成画像P1は次第に不鮮明となる。とはいえ、傾斜方向の限界値を好適に選択すれば、視認性に十分堪えうる再構成画像P1が取得できる。この様な事情は、他端側最大傾斜方向D2についても同様である。すなわち、他端側最大傾斜方向D2を元画像P0連写終了時のX線の照射方向から天板2の他端側に更に傾斜させるように設定することもできる。
同様に、投影方向は、天板2に直交する方向である直交方向から天板2の短手方向(体軸方向A)の一端側および他端側に向けて傾斜することもできる。しかし、これら方向に投影方向を傾斜させていくにしたがって、生成された再構成画像P1は、次第に不鮮明とはなる。とはいえ、傾斜させる限界値を好適に選択すれば、視認性に十分堪えうる再構成画像P1が取得できる。
<X線撮影装置の動作:ボクセルデータの取得>
次に、X線撮影装置1の動作について簡単に説明する。本発明におけるX線撮影装置を用いて診断を行うには、まず、被検体Mが天板2に載置され、一連の元画像P0の撮影が行われる。つまり、X線管3およびFPD4は、互いに反対方向に移動され、元画像P0が74枚撮影されることになる。ボクセルデータ生成部12は、連写された元画像P0を基にボクセルデータBを生成する。
<X線撮影装置の動作:プリセットされた投影方向に係る再構成画像P1の生成>
続いて、再構成画像生成部13は、ボクセルデータBをボクセルデータ生成部12より取得するとともに、プリセットされた投影方向を記憶部23より読み出す。このときの投影方向は、天板2に直交する方向と一致している。再構成画像生成部13は、これらを基に初回の再構成画像P1を生成する。従って、初回の再構成画像P1は、術者が操作卓26を通じて投影方向の設定を行わなくても自動で生成されるのである。再構成画像P1は、表示部27に表示される。
<X線撮影装置の動作:術者が指定した投影方向に係る再構成画像P1の生成>
術者が表示部27に表示された初回の再構成画像P1を視認して、投影方向の微調整を行う必要があるものと判断したとする。術者は、操作卓26を通じて天板2に垂直方向となっていた投影方向を傾斜させる。すると、再構成画像生成部13は、術者が指定した投影方向に基づいて再構成画像P1を生成し、表示部27に表示されている画像が更新される。術者は、このような投影方向の微調整を診断に好適な再構成画像P1が取得されるまで繰り返す。このようにして本発明のX線撮影装置1の動作は終了となる。
このように、再構成画像生成部13は、プリセットされた投影方向に基づいて再構成画像P1を生成した後、操作卓26から入力された投影方向に基づいて再構成画像P1を生成する。
以上のように、本発明に係るX線撮影装置1は、複数の裁断面における被検体Mの断層画像を撮影できる構成を備えている。すなわち、本発明に係るX線撮影装置1は、X線管3およびFPD4を互いに反対方向に移動させながら画像を連写することにより、被検体Mの立体像(ボクセルデータB)を取得できるようになっているのである。本発明は、このような断層画像を撮影できる装置を利用して、スポット撮影で取得される投影画像に相当する画像(再構成画像)を取得できるようになっている。この様な画像は、被検体Mの断面しか表せない断層画像と比べて被検体Mの3次元像が2次元画像上で圧縮されたような画像となっているので、被検体Mを全体的に捉えることができ診断に好適である。
しかも、本発明に係るX線撮影装置1の再構成画像P1は、ボクセルデータBを仮想的な平面Fに投影させることで生成される。したがって、被検体に対して斜め方向から見た時の再構成画像P1は、スポット撮影で投影画像を撮影したときよりも鮮明となる。スポット撮影の時と比べ、再構成画像P1を生成するときに用いられるデータの点数が多いからである。
また、一度ボクセルデータBを生成してしまえば、これ以上被検体Mの撮影を行なうことなく、投影方向の再設定さえすれば、投影方向の異なる複数の再構成画像P1の生成を行うことができる。したがって、被検体Mに対する被曝を抑えながら、診断に好適な投影方向から見た被検体Mの投影像を取得することができるのである。
また、本発明の構成によれば、X線管3およびFPD4が被検体M周りに一回転するCT装置を用いて同様の構成とするよりも鮮明な撮影ができる。すなわち、本発明によれば、FPD4を高速で回転させる必要がないので、より解像度の高いFPD4を搭載できる。したがって、より鮮明でスポット撮影で得られる画像に近い投影像を写し込んだ再構成画像P1が生成できるのである。
そして、上述のように、投影方向と直交する平面F上にボクセルデータBを投影して再構成画像P1を生成すれば、投影像が一方向に引き延ばされて歪むことがなく診断に好適な再構成画像P1が生成できる。
上述のように、術者が投影方向を指定して再構成画像P1が生成される前に、プリセットされた投影方向で再構成画像P1が生成されれば、術者は診断に好適となるようにプリセットの投影方向を微調整するだけでよく、操作性の優れたX線撮影装置1が提供できる。
次に、実施例2に係るX線撮影装置1の構成について説明する。実施例2の構成は、実施例1の再構成画像P1を生成するときに投影方向を最適化する機能が備わっている。この様な動作は、図1における後処理部14が実現する。
実施例2における再構成画像生成部13の動作は、複数の再構成画像P1を生成する点で実施例1のものとは異なっている。すなわち、実施例2における再構成画像生成部13は、プリセットされた複数の投影方向を記憶部23から読み出して、それらの各々について再構成画像P1を生成するのである。したがって、実施例2においては、プリセットされた投影方向に係る再構成画像P1を生成する際に複数の再構成画像P1が生成されることになる。
後処理部14は、再構成画像P1の各々に写り込む被検体Mの内部構造の形状を認識する形状認識部14aと、被検体Mの内部構造の形状を再構成画像P1を評価して選択する画像選択部14bとを備えている。図9は、この形状認識部14aと画像選択部14bとの動作を説明している。なお、図9においては、被検体Mの関節について診断をする目的で被検体Mの関節を撮影し、既にボクセルデータBは得られているものとする。形状認識部14aは、本発明の形状認識手段に相当し、画像選択部14bは、本発明の画像選択手段に相当する。
図9の上段および中段は、ボクセルデータBを異なる投影方向から投影したときの再構成画像P1が生成される様子を示している。このとき生成された再構成画像P1は、符号P1a,P1b,P1cで表されている。
形状認識部14aは、再構成画像生成部13が生成した複数の再構成画像P1の各々について被検体Mの関節の形状を取り出す形状認識処理を施す。図9の中段および下段は、この動作について説明している。この様な動作は、エッジ検出などの画像処理により実現される。図9下段では、形状認識部14aが認識した関節の形状を太線で表している。なお、形状認識部14aで認識された被検体Mの関節の形状が各再構成画像P1a,P1b,P1cの間で異なるのは、各画像の間で被検体Mの関節を眺める方向が異なるからである。形状認識部14aで認識された関節の形状の各々は、画像選択部14bに出力される。このように形状認識部14aは、投影方向の異なる再構成画像P1の各々に写り込む被検体Mの内部構造の形状を認識する。
画像選択部14bは、各再構成画像P1a,P1b,P1cに写り込んでいる関節の隙間を示す値を評価値として算出する。したがって、画像選択部14bは、各再構成画像P1a,P1b,P1cに対して評価を行っていることになる。そして、画像選択部14bは評価値同士を比較して、関節の隙間が最も広く写り込んでいる(評価値の最も高い)再構成画像P1bを選択して、表示部27に送出する。表示部27は、再構成画像P1bを表示する。このようにして、実施例2の構成によれば、術者が操作卓26を通じて投影方向の設定を行わなくても、関節の隙間が視認しやすいように写り込んだ再構成画像P1bが表示部27に表示される。このように、画像選択部14bは、被検体Mの内部構造の形状を画像の各々を評価して選択する。
術者が表示部27に表示された再構成画像P1を視認して、投影方向の微調整を行う必要があるものと判断した場合は、術者の指示により投影方向が再構成画像P1bの生成時の投影方向から傾斜される。再構成画像生成部13は、この新たに設定された投影方向にしたがって再構成画像P1を新たに生成し、表示部27の再構成画像P1の表示が更新されるのである。
以上のように、投影方向の異なる複数の再構成画像P1の各々に写り込んだ被検体Mの内部構造の形状を認識して、この認識の基に画像の各々を評価して選択するようにすれば、術者による投影方向の入力の負担が軽減される。このように、本発明のX線撮影装置1に術者の入力を支援するような構成を備えてもよい。
続いて、実施例3に係るX線撮影装置について説明する。実施例3の構成は、図10に示すように、X線管3とFPD4とが互いの位置関係を保った状態で同じ方向(被検体Mの体軸方向A)に移動されながらボクセルデータBを取得することができる構成である。すなわち、同期移動機構7は、X線管3を天板2の長手方向における一端側に向けて移動させるのに同期してFPD4を天板2の長手方向における一端側に向けて移動させるような動作をする。
実施例3に係るX線撮影装置の構成は図1における機能ブロック図と同様である。図1に関して実施例3の構成が実施例1と異なる点は、X線管3とFPD4との相対位置が保たれた状態で両者が同じ方向に移動すること(図10参照),X線管3が傾斜しないことである。したがって、実施例3においては図1におけるX線管傾斜機構9,X線管傾斜制御部10は必ずしも必要とされない。
実施例3に係るボクセルデータBの得原理について説明する。まず、図10に示すように撮像系3,4が相対位置を保った状態で被検体Mに対して移動しながら間歇的にX線を照射する。つまり一度の照射が終了する毎にX線管3は被検体Mの体軸方向Aに移動し、再びX線の照射を行う。こうして複数枚の透過画像が取得され、透過画像の加工画像(後述の長尺透過画像)がフィルタバックプロジェクション法により断層画像に再構成される。完成した断層画像は、被検体Mをある裁断面で裁断したときの断層像が写りこんだ画像となっている。この断層画像がボクセルデータBの基となる。
断層画像を生成するには、異なる方向から被検体Mを透視したときの画像が必要となる。実施例3に係るX線撮影装置は、得られた透過画像を分割してつなぎ合わせてこの画像を生成するようにしている。この動作について説明する。図11は、X線管3のX線を照射する焦点がd1の位置にあるときのFPD4の位置を表している。この撮影において、被検体Mの体軸方向AにおけるFPD4の1/5の幅だけX線管3およびFPD4が天板2に対してこの方向に移動する度に透過画像の撮影が行われるものとする。
X線はX線管3から放射状に広がってFPD4に到達するので、生成された透過画像を被検体Mの体軸方向Aに5分割すると、FPD4に対するX線の入射角度は、矢印に示すように、その分割区の間で互いに異なっている。そのうちのあるの1つの方向kに注目する。この方向kに進んできたX線は、被検体Mの斜線の部分を通過してFPD4に写り込んでいるので、方向kのX線が入射したFPD4の分割区には、被検体Mの斜線部が写り込んでいる。透過画像において、この分割区に相当する部分を断片R1とする。
図12は、X線管3のX線を照射する焦点がd1からFPD4の1/5の幅だけ移動したd2の位置にあるときのFPD4の位置を表している。X線管3とFPD4の位置関係は変化しないので、このときの撮影においてもFPD4には、方向kに進んできたX線が写り込んでいる分割区があるはずであり、方向kのX線が入射したFPD4の分割区には、被検体Mの斜線部が写り込んでいる。透過画像において、この分割区に相当する部分を断片R2とする。
断片R1と断片R2とを比較すると、撮像系3,4に対する被検体Mの位置が異なるので、両断片R1,R2に写り込んでいる被検体Mの部分は互いに異なっている。X線管3をFPD4の1/5の幅だけずらすことにより、焦点d1〜d9において9回の撮影を行ったとして、そのときの方向kのX線が入射したFPD4の分割区における透過画像の各断片R1〜R9には、それぞれ異なる被検体Mの位置が写り込んでいる。そこで、図13に示すように透過画像の各断片R1〜R9をこの順に被検体Mの体軸方向Aにつなぎ合わせれば、ある方向kで被検体Mの全身にX線を照射したときに撮影される画像を得ることができる。この画像を長尺透過画像と呼ぶことにする。
実施例3に係るX線撮影装置は、ボクセルデータ生成部12において方向k以外の方向についても長尺透過画像を生成する。そして、ボクセルデータ生成部12は、被検体Mを投影した方向が異なる複数の長尺透過画像を基に被検体Mを所定の裁断位置で裁断したときの断層画像を生成し、これらを積み重ねてボクセルデータBを生成するのである。
実施例3に係る再構成画像P1の生成動作は、実施例1における装置の動作と同様であるので説明を省略する。
以上のように、実施例3の構成によれば、スロット撮影を仮想的に行うことにより取得された長尺画像を撮影しこれらから断層画像を撮影する構成となっている。この様な撮影を行うようにすれば、ボクセルデータBを広範囲に亘って取得できる放射線撮影装置を提供できる。
本発明は、上述の構成に限られず、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例の構成に加え、本発明のX線撮影装置に経過観察用の機能を備えるようにしてもよい。すなわち、本変形例に係るX線撮影装置は、一度撮影を行うと、術者が最終的に診断に用いた再構成画像P1の投影方向を記憶部23に記憶させる。そして、同じ被検体Mを用いて後日に同様の撮影を行うと、再構成画像生成部13は、以前の投影方向を記憶部23から読み出して、この投影方向に基づいて再構成画像P1を生成する。時間をおいて撮影された二つの再構成画像P1は、投影方向を同じくしているので、画像の比較を簡便に行うことができる。つまり、本変形例によれば、記憶部23が記憶するプリセットの投影方向が以前に再構成画像生成部13が動作したときに基にした投影方向に一致しているということになる。このように、以前に再構成画像生成部13が動作したときに基にした投影方向と同じ投影方向で再構成画像P1を生成できるようにすれば、以前の投影方向を再現して再構成画像P1を生成できるので、経過観察用として優れたX線撮影装置1が提供できるのである。
(2)上述した実施例は、医用の装置であったが、本発明は、工業用や、原子力用の装置に適用することもできる。
(3)上述した実施例のいうX線は、本発明における放射線の一例である。したがって、本発明は、X線以外の放射線にも適応できる。
P1 再構成画像
3 X線管(放射線源)
4 FPD(検出手段)
7a X線管移動機構(放射線源移動手段)
7b FPD移動機構(検出器移動手段)
8a X線管移動制御部(放射線源移動制御手段)
8b FPD移動制御部(検出器移動制御手段)
12 ボクセルデータ生成部(ボクセルデータ生成手段)
13 再構成画像生成部(再構成画像生成手段)
14a 形状認識部(形状認識手段)
14b 画像選択部(画像選択手段)
23 記憶部(記憶手段)
26 操作卓(入力手段)

Claims (4)

  1. 放射線を照射する放射線源と、
    前記放射線源を被検体に対し平行移動させる放射線源移動手段と、
    前記放射線源を回転させる放射線源回転手段と、
    前記放射線源回転手段及び前記放射線源移動手段を制御する放射線源移動制御手段と、
    被検体を透過した放射線を検出する検出手段と、
    前記検出手段を被検体に対し平行移動させる検出器移動手段と、
    前記検出器移動手段を制御する検出器移動制御手段と、
    前記放射線源および前記検出手段を同じ方向または互いに反対方向に移動させながら連写された画像を基に被検体の3次元像を写し込んだボクセルデータを生成するボクセルデータ生成手段と、
    前記ボクセルデータを任意の投影方向から平面に投影したときの投影像を写し込んだ再構成画像を生成する再構成画像生成手段とを備え、
    前記再構成画像生成手段は、少なくとも投影方向と直交する平面上の再構成画像を生成する機能を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮影装置において、
    プリセットされた投影方向を記憶する記憶手段を備え、
    前記再構成画像生成手段は、プリセットされた投影方向に基づいて前記再構成画像を生成した後、前記入力手段から入力された投影方向に基づいて前記再構成画像を生成することを特徴とする放射線撮影装置。
  3. 請求項2に記載の放射線撮影装置において、
    前記記憶手段が記憶するプリセットの投影方向が以前に前記再構成画像生成手段が動作したときに基にした投影方向に一致しており、経過観察用となっている放射線撮影装置。
  4. 請求項1に記載の放射線撮影装置において、
    前記再構成画像生成手段が前記記憶手段に記憶されたプリセットの投影方向を複数読み出してこれらに基づいて生成された再構成画像の各々に写り込む被検体の内部構造の形状を認識する形状認識手段と、
    被検体の内部構造の形状を評価することにより前記再構成画像を選択する画像選択手段とを備えることを特徴とする放射線撮影装置。
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CN108836373A (zh) * 2018-05-15 2018-11-20 苏州达影医疗设备有限公司 具备焦点位移补偿功能的体层成像装置

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