JP5141628B2 - 水性樹脂分散体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車内装材や電化製品をはじめとする様々な部材の被覆や接着に使用可能な水性樹脂分散体に関する。
自動車部品や家電製品等の部品材料としては、従来より耐候性や耐水性等に優れ、易成形性、リサイクル性に優れるポリオレフィン系樹脂が広く使用されている。
しかし、ポリオレフィン系樹脂は、分子内に極性基を有さず不活性であるため、ポリオレフィン系樹脂からなる部品等の表面にコーティング剤や接着剤等を塗布し、被膜を形成しようとしても、前記被膜が容易に剥離してしまうという問題があった。
そこで、前記ポリオレフィン系樹脂からなる材料に対しても優れた密着性を有するコーティング剤等が、近年、検討されており、例えば、重量平均分子量が20000〜100000のポリオレフィン系樹脂が親水性基を有するポリウレタン樹脂により乳化されているポリオレフィン系樹脂の水系乳化分散液であれば、ポリオレフィン系樹脂からなる基材に対して優れた密着性を有することが知られている(例えば特許文献1参照)。
しかし、前記水系乳化分散液を用いて形成された被膜は、自動車内装部材等に広く使用されているポリオレフィン基材に対して実用上十分な密着性を有しておらず、また、前記被膜は優れた耐水性を有しているとは言いがたく、該被膜の表面に水等が接触した場合に、被膜の剥離等を引き起こす場合があった。
特開2009−46568号公報
本発明が解決しようとする課題は、例えばオレフィン系樹脂等からなる難付着性基材表面からの剥離を引き起こさないレベルの優れた密着性を有し、かつ、優れた耐水性を有する被膜を形成可能な水性樹脂分散体を提供することである。
本発明者等は前記課題を解決すべく検討するなかで、ポリオレフィン系樹脂(A)が親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)によって分散されてなる水性樹脂分散体をベースとして検討を進めた。具体的には、ポリオレフィン系樹脂に水分散性を付与しうる親水性基含有ポリウレタン樹脂の組成が本発明の課題を解決するうえで重要ではないかと考え、前記ポリウレタン樹脂を構成するポリオール及びポリイソシアネートの様々な組み合わせを検討した。具体的には、ポリオールとして様々なポリエステルポリオールやポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールの組み合わせを検討した。
しかし、前記様々なポリオールの組み合わせでは、依然として、密着性及び耐水性を両立した被膜を形成可能な水性樹脂分散体を得ることはできなかった。
そこで、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂中にも、ポリオレフィン構造を導入することによって、様々なポリオレフィン系樹脂からなる基材に対する密着性と耐水性を向上できるのではないかと考え、ポリオレフィンポリオール(b1)と親水性基含有ポリオール(b2)とを含むポリオール及びポリイソシアネートを反応させて得られる親水性基含有ポリウレタン樹脂を使用することを検討した。
その結果、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂によって水系媒体中に分散されたポリオレフィン系樹脂を含む水性樹脂分散体であれば、本発明を解決できることを見いだした。
即ち、本発明は、水系媒体中に、ポリオレフィン系樹脂(A)が親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)によって分散されてなる水性樹脂分散体であって、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)がポリオレフィンポリオール(b1)と親水性基含有ポリオール(b2)とを含むポリオール及びポリイソシアネートを反応させて得られるものであることを特徴とする水性樹脂分散体及びその製造方法に関するものである。
本発明の水性樹脂分散体であれば、現在、産業界において幅広く使用されているポリオレフィン系樹脂からなる基材に対して優れた密着性を有する被膜を形成できることから、例えば前記した基材の表面被覆や接着に使用可能なコーティング剤や接着剤等に使用することができる。また、本発明の水性樹脂分散体を含むコーティング剤等は、耐水性に優れた被膜を形成できることから、例えば自動車内装材や家電部品、オレフィンフィルムの表面コーティング剤に使用することができる。
また、本発明の水性分散体は、ガラス繊維や炭素繊維に対する密着性に優れることから、例えばガラス繊維や炭素繊維等のサイズ剤に使用することができる。
本発明の水性樹脂分散体は、水系媒体中に、ポリオレフィン系樹脂(A)が親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)によって分散されてなる水性樹脂と、必要に応じてその他の添加剤等を含有するものであって、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)としてポリオレフィンポリオール(b1)と親水性基含有ポリオール(b2)とを含むポリオール及びポリイソシアネートを反応させて得られたものを使用することを必須とする。
前記水性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂(A)と親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)とがそれぞれ別々に水系媒体中に分散しうるものではなく、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)からなる粒子内部に、前記ポリオレフィン系樹脂(A)が内在化された複合樹脂である。前記ポリオレフィン系樹脂(A)は、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)粒子内部で、複数の粒子状に分散していてもよく、また、前記ポリオレフィン系樹脂(A)が前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)粒子と同心円状に存在するような、いわゆるコア・シェル型のものであってもよい。なお、前記水性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂(A)が親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)によってほぼ完全に覆われている必要はない。
前記水性樹脂は、前記ポリオレフィン系樹脂(A)と前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)とが化学的に結合を形成したものであってもよいが、ポリオレフィン系樹脂からなる基材に対する密着性をより一層向上する観点から、それらが実質的に結合を形成していないことが好ましい。
前記水性樹脂は、本発明の水性樹脂分散体の造膜性や基材ぬれ性、形成される被膜の表面平滑性等を向上する観点から、10〜500nmの範囲の平均粒子径であることが好ましい。ここで言う平均粒子径とは、動的光散乱法により測定した体積基準での平均粒子径を指す。
前記水性樹脂は、前記ポリオレフィン系樹脂(A)と前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)のとの質量割合[(A)/(B)]が1/9〜9/1の範囲であることが好ましく、5/5〜1/9の範囲であることが、水性樹脂分散体の優れた分散安定性と、密着性と耐水性とを両立するうえでより好ましい。
また、前記水性樹脂は、本発明の水性樹脂分散体の全量に対して10〜70質量%の範囲で含まれることが、水性樹脂分散体の良好な分散安定性及び塗工作業性を維持するうえで好ましい。
次に、前記水性樹脂を構成するポリオレフィン系樹脂(A)について説明する。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂(A)としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン等のホモポリマーやコポリマーを使用することができ、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体、天然ゴム、合成イソプロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を使用することができる。前記ポリオレフィン系樹脂(A)がコポリマーである場合には、ランダムコポリマーであってもブロックコポリマーであっても良い。
また、前記ポリオレフィン系樹脂(A)としては、上記で例示したポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸と反応させて得られたものや、ビニル単量体と反応させて得られたものや、塩素化したもの等の、いわゆる変性ポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂の変性に使用可能な不飽和カルボン酸としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸やそれらの無水物が挙げられる。なかでも(無水)マレイン酸を使用することが好ましい。
また、前記ポリオレフィン樹脂の変性に使用可能なビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸、ジ(メタ)アクリル酸(ジ)エチレングリコ−ル、ジ(メタ)アクリル酸−1,4−ブタンジオ−ル、ジ(メタ)アクリル酸−1,6−ヘキサンジオ−ル、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロ−ルプロパン、ジ(メタ)アクリル酸グリセリン、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸エステルや、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロメチルスチレン等を使用することができる。
また、前記塩素化された変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン−プロピレン共重合体、塩素化ポリエチレン−酢酸ビニル等を使用することができる。
前記ポリオレフィン樹脂の変性は、例えば有機溶剤に溶解したポリオレフィン樹脂と、前記不飽和カルボン酸等とを混合し、前記ポリオレフィン樹脂の軟化温度または融点以上の温度で加熱し溶融下で反応させることにより行うことができる。
また、前記ポリオレフィン系樹脂(A)としては、基材付着性付与の理由から20000〜100000の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましい。なお、前記重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定された値を指す。
次に、前記水性樹脂を構成する親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)について説明する。
本発明で使用する親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)は、単独では水系媒体中で分散安定化しにくい前記ポリオレフィン系樹脂(A)に良好な分散安定性を付与し、かつ優れた密着性と耐水性とを備えた被膜を形成しうる水性樹脂分散体を得るうえで使用する。
前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)としては、ポリオレフィンポリオール(b1)と親水性基含有ポリオール(b2)とを含むポリオール及びポリイソシアネートを反応させて得られるものを使用することが重要である。
具体的には、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の製造に使用するポリオールとして、ポリオレフィンポリオール(b1)を使用することが、密着性及び耐水性に優れた被膜を形成可能な水性樹脂分散体を得るうえで必須である。ここで、前記ポリオレフィンポリオール(b1)の代わりに、従来からポリウレタン樹脂の製造に使用可能なものとして知られるポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールやポリカーボネートポリオールを使用しても、ポリオレフィン基材等の基材に対して密着性に優れた被膜を形成可能な水性樹脂分散体を得ることはできない。
一方、ポリオレフィンポリオール(b1)を使用して得られた本発明の水性樹脂分散体であれば、密着性や耐水性に優れた被膜を形成することが可能となる。
前記ポリオレフィンポリオール(b1)としては、例えばポリエチレンポリオール、ポリプロピレンポリオール、ポリイソブテンポリオール、水素添加(水添)ポリブタジエンポリオール、水素添加(水添)ポリイソプレンポリオール、を使用することができる。なかでも水添ポリブタジエンポリオールを使用することが、ポリオレフィン系樹脂基材等に対する優れた密着性と透明性とを付与できるため好ましい。
また、前記ポリオレフィンポリオール(b1)は、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の製造に使用するポリオールとポリイソシアネートとの全量に対して、10〜80質量%の範囲で使用することが、ポリオレフィン系樹脂基材等に対する優れた密着性を有する被膜を形成可能な水性樹脂分散体を得るうえでより好ましい。
前記ポリオレフィンポリオール(b1)としては、いずれの分子量のものを使用してもよいが、1000〜4000の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが、ポリオレフィン系樹脂基材等に対する優れた密着性を付与するうえで好ましい。
また、前記ポリウレタン樹脂(B)に親水性基を導入する観点から、前記ポリオレフィンポリオール(b1)とともに親水性基含有ポリオール(b2)を併用することが必須である。
前記親水性基としては、例えばアニオン性基、カチオン性基、及びノニオン性基を使用できる、なかでもアニオン性基を使用することがより好ましい。
前記アニオン性基としては、例えばカルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基等を使用することができ、なかでも、一部または全部が塩基性化合物等によって中和されたカルボキシレート基やスルホネート基を使用することが、良好な水分散性を有する水性樹脂を製造する上で好ましい。
前記アニオン性基の中和に使用可能な塩基性化合物としては、例えばアンモニアの他、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミンや、Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物等が挙げられる。
前記アニオン性基としてカルボキシレート基やスルホネート基を使用する場合、それらは水性樹脂全体に対して50〜1000mmol/kgの範囲で存在することが、水性樹脂の良好な水分散安定性を維持するうえで好ましい。
また、前記カチオン性基としては、例えば3級アミノ基等を使用することができる。
前記3級アミノ基の一部又は全てを中和する際に使用することができる酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、マレイン酸などの有機酸類や、スルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸類、及び、塩酸、硫酸、オルトリン酸、オルト亜リン酸等の無機酸等を単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、前記3級アミノ基の一部又は全てを4級化する際に使用することができる4級化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジアルキル硫酸類や、メチルクロライド、エチルクロライド、ベンジルクロライドなどのハロゲン化アルキル類、メタンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸メチル等のアルキル又はエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のエポキシ類を単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、前記ノニオン性基としては、例えばポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)基、及びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基を使用することができる。なかでもオキシエチレン単位を有するポリオキシアルキレン基を使用することが、親水性をより一層向上させるうえで好ましい。
前記したような様々な親水性基を有するポリオール(b2)としては、例えば2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、2,2’−ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基含有ポリオールや、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等のスルホン酸基含有ポリオールを使用することができる。また、前記親水性基含有ポリオールとしては、前記した低分子量の親水性基含有ポリオールと、例えばアジピン酸等の各種ポリカルボン酸とを反応させて得られる親水性基含有ポリエステルポリオール等を使用することもできる。なかでもアニオン性基を有するポリオールである2,2‘ジメチロールプロピオン酸を使用することが好ましい。
前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の製造に使用するポリオールとしては、前記ポリオレフィンポリオール(b1)や親水性基含有ポリオール(b2)以外に、必要に応じてその他のポリオールを組み合わせ使用することができる。
前記その他のポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオール等の高分子ポリオールやエチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の低分子量のポリオールを使用することができる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば活性水素原子を2個以上有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。
前記開始剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を使用することができる。
また、前記アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等を使用することができる。
また、前記ポリエーテルポリオールとしては、1000〜5000の数平均分子量を有するものを使用することが好ましい。
前記ポリエーテルポリオールは、ポリオレフィン系樹脂基材等に対する密着性をより一層向上する観点から、前記ポリオレフィンポリオール(b1)や親水性基含有ポリオール(b2)とともに組み合わせ使用することが好ましい。前記組み合わせ使用するポリエーテルポリオールとしては、例えばポリテトラメチレングリコール等を使用することが好ましい。
前記ポリエーテルポリオールは、前記ポリオレフィンポリオール(b1)の使用量100質量部に対して、10〜30質量%の範囲で併用することが好ましい。
また、前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるものや、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものを使用することができる。
前記炭酸エステルとしては、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネ−ト等を使用することできる。
前記炭酸エステルと反応しうるポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等を使用することができる。
また、前記ポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られる脂肪族ポリエステルポリオールや芳香族ポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルや、これらの共重合ポリエステル等を使用することができる。
前記低分子量のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコール等を使用することができる。
また、前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及びこれらの無水物またはエステル形成性誘導体などを使用することができる。
また、その他のポリオールとしての低分子量のポリオールは、基材に対する密着性を低下させることなく、耐久性に優れた被膜を形成可能な水性樹脂分散体を得る観点から、前記ポリオレフィンポリオール(b1)等と組み合わせ使用することが好ましい。特にシクロヘキサンジメタノールを使用することがより好ましい。
また、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の製造に使用するポリイソシアネートとしては、たとえばトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)などの脂肪族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI、H12MDI)などの脂環族イソシアネートなどを挙げることができ、これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、脂肪族イソシアネート及び/又は脂環族イソシアネートを用いることが好ましい。また、無黄変性を要求される場合には、脂肪族イソシアネートではHMDI、脂環族イソシアネートではIPDI 、H12MDI 、芳香族イソシアネートではXDI、TMXDIを使用することが好ましい。
次に本発明で使用する水性樹脂分散体の製造方法について説明する。
本発明の水性樹脂分散体は、例えば有機溶剤の存在下で前記ポリオレフィンポリオール(b1)と前記親水性基含有ポリオール(b2)と必要に応じてその他のポリオールを含むポリオール、及び、前記ポリイソシアネートを反応させることによって親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液を製造し、次いで、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液と、別途製造したポリオレフィン系樹脂(A)とを混合した後、前記混合物と水系媒体とを速やかに混合することにより製造することができる。
前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液の製造は、例えばトルエン等の有機溶剤中で、30〜130℃の温度条件下、前記ポリオールとポリイソシアネートとを一括または逐次供給し、混合、攪拌することによって行うことができる。その際、前記ポリオレフィンポリオール(b1)と親水性基含有ポリオール(b2)予め混合されたものを反応容器中に供給してもよいが、それぞれ別々に反応容器中に供給し、混合してもよい。
また、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)は、前記ポリオールとポリイソシアネートとを前記した方法で反応させイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの有機溶剤溶液を製造し、次いで、水やアミン化合物を用いて鎖伸長反応させて得られたものであっても良い。
次に、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液に供給するポリオレフィン系樹脂(A)は、前記ポリウレタン樹脂(B)とは別途製造したものを使用することが好ましい。前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液とポリオレフィン系樹脂(A)との混合は、乳化剤の不存在下で行うことが好ましい。前記混合を乳化剤の不存在下で行い、次いで前記混合物と水系媒体とを速やかに混合することによって、疎水性のポリオレフィン系樹脂(A)が親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)からなる粒子中に内在化し、分散安定性に優れた水性樹脂分散体を得ることができる。
また、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液の製造後、水系媒体を混合する前に、得られた親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)が有する親水性基を前記した塩基性化合物等を用いて中和することが、分散時の凝集物発生抑制の理由により好ましい。
また、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液とポリオレフィン系樹脂(A)との混合物及び水系媒体を混合することで、水系媒体中に水性樹脂を分散させる際には、必要に応じて、強制乳化法、転相乳化法、D相乳化法、ゲル乳化法等の乳化方法を適用してもよい。具体的には、攪拌羽、ディスパー、ホモジナイザー等による単独攪拌、およびこれらを組み合わせた複合攪拌、サンドミル、多軸押出機等を使用することができる。
また、本発明の水性樹脂分散体は、上記方法以外に、例えば有機溶剤の存在下で前記ポリオレフィンポリオール(b1)と前記親水性基含有ポリオール(b2)と必要に応じてその他のポリオールを含むポリオール、及び、前記ポリイソシアネートを反応させることによって親水性基含有ウレタンプレポリマー(C)の有機溶剤溶液を製造し、次いで、前記ウレタンプレポリマー(C)の有機溶剤溶液と、別途製造したポリオレフィン系樹脂(A)とを混合する工程(X)、水性媒体を一括または逐次供給する工程(Y)、及び、アミン化合物を用いて前記親水性基含有ポリウレタンプレポリマー(C)を鎖伸長することにより親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)を製造する工程(Z)を経ることによって製造することもできる。
ここで、鎖伸長反応によって親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)を製造する工程(Z)は、前記工程(Y)よりも前に行う、または、前記工程(Y)と同時に行う、または、前記工程(Y)よりも後に行っても良い。
具体的には、前記ウレタンプレポリマー(C)含有の有機溶剤溶液と水系媒体とを混合する前に、有機溶剤溶液中に存在するウレタンプレポリマー(C)を鎖伸長させ親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)を製造してもよい。また、前記有機溶剤溶液と水系媒体とを混合する際に、アミン化合物もあわせて混合することで、前記工程(Y)及び(Z)を同時に行ってもよい。また、前記有機溶剤溶液と水系媒体とを混合し、前記ウレタンプレポリマー(C)を転相乳化した後に、アミン化合物による鎖伸長反応を行い、親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)を製造してもよい。
前記ウレタンプレポリマー(C)の有機溶剤溶液とポリオレフィン系樹脂(A)との混合は、乳化剤の存在下で行っても良いが、乳化剤が多いと、形成される被膜の、ポリオレフィン基材に対する密着性や耐水性が低下する場合があるため、できるだけ併用しないことが好ましい。
前記鎖伸長反応に使用するアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、トリエチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン、メタキシレンジアミン、トルイレンジアミンなどの芳香族ポリアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジドのようなポリヒドラジノ化合物等を使用することができる。前記アミン化合物は、前記ウレタンプレポリマー(C)
の残存イソシアネートモル等量に対して80〜120%の範囲で使用することが好ましい。
次に本発明で使用する水系媒体について説明する。
本発明で使用する水系媒体は、前記水性樹脂を分散させるものであり、例えば、水、水と混和する有機溶剤、及び、これらの混合物が挙げられる。水と混和する有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−及びイソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル類;N-メチル-2-ピロリドン等のラクタム類、等が挙げられる。本発明では、水のみを用いても良く、また水及び水と混和する有機溶剤との混合物を用いても良く、水と混和する有機溶剤のみを用いても良い。安全性や環境に対する負荷の点から、水のみ、又は、水及び水と混和する有機溶剤との混合物が好ましく、水のみが特に好ましい。
前記方法で得られた本発明の水性樹脂分散体は、前記した水性樹脂の他に必要に応じてその他の添加剤等を含有していても良い。
前記添加剤としては、例えば酸化防止剤、耐光剤、可塑剤、造膜助剤、発泡剤、増粘剤、着色剤、難燃剤、他の水性樹脂、各種フィラー等を、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
また、前記添加剤としては、本発明の水性樹脂分散体の分散安定性をより一層向上する観点から、例えば界面活性剤を使用することができる。しかし、界面活性剤は、得られる被膜の密着性や耐水性を低下する場合があることから、水性樹脂100質量部に対して、20質量部以下の範囲で使用することが好ましく、できるだけ使用しないことが好ましい。
本発明の水性樹脂分散体は、優れた密着性と耐水性とを有することから、各種基材の表面を被覆するコーティング剤や、接着剤等に使用することができる。
本発明のコーティング剤や接着剤を用いて被膜や接着剤層を形成可能な基材としては、例えば各種プラスチックやそのフィルム、金属、ガラス、紙、木材等が挙げられる。とりわけ、本発明のコーティング剤等は、一般に被膜を密着させにくいポリオレフィン樹脂からなる基材に対しても密着性や耐水性に優れた被膜を形成できることから、被膜の経時的な剥離等を引き起こしにくい。
前記ポリオレフィン樹脂からなる基材としては、例えばダッシュボード、ドアトリム等の、自動車内装材や外装材、電化製品(パソコン、テレビ)等を構成する部品に使用されているものが挙げられる。
前記ポリオレフィン樹脂からなる基材としては、一般に高剛性ポリオレフィン樹脂基材や軟質ポリオレフィン樹脂基材が知られており、それぞれ用途に応じて使用されている。例えば前記軟質ポリオレフィン樹脂基材は、自動車内装材に使用される場合が多い。この軟質ポリオレフィン樹脂基材は、前記高剛性ポリオレフィン樹脂基材と比較して、被膜の密着性が低い場合がある。しかし、本発明の水性樹脂分散体であれば、前記軟質ポリオレフィン樹脂基材に対しても、優れた密着性を備えた被膜を形成することができる。
また、本発明の水性樹脂分散体は、ガラス繊維や炭素繊維に対する密着性にも優れることから、ガラス繊維や炭素繊維のサイズ剤に使用することができる。
本発明の水性樹脂分散体からなるコーティング剤や接着剤やサイズ剤は、例えば、前記したような各種基材の表面に前記コーティング剤等を塗工し、次いで、乾燥することによって被膜を形成することができる。
前記塗工方法としては、例えばスプレー法、カーテンコーター法、フローコーター法、ロールコーター法、刷毛塗り法、浸漬法等が挙げられる。
前記乾燥は、常温下で自然乾燥でも良いが、加熱乾燥させることもできる。加熱乾燥は、通常、40〜250℃で、1〜600秒程度の時間で行うことが好ましい。なお、基材がプラスチック基材等のように熱によって変形しやすいものである場合には、塗膜の乾燥温度を概ね80℃以下に調整することが好ましい。
また、本発明の水性樹脂分散体であれば、比較的透明性な被膜を形成できることから、例えば建材用ラミネートフィルム、街頭用ポスター等に使用される透明フィルム向け接着剤や、インクジェット印刷用インクをはじめとする各種インクのバインダー樹脂に使用することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。
<変性ポリオレフィン樹脂MPP−1の合成>
[合成例1]
プロピレン−ブテン−エチレン共重合体(プロピレン成分:68モル%、ブテン成分:24モル%、エチレン成分:8モル%、重量平均分子量=68000)300質量部を、撹拌機、滴下ロート、冷却管及び温度計を取り付けた4つ口フラスコに入れ、加熱溶融させた後、系の温度を180℃に保って攪拌しながら無水マレイン酸36質量部とラジカル発生剤としてジクミルパーオキシド6質量部をそれぞれ3時間かけて滴下させ、その後3時間反応を行った。反応後、室温まで冷却し、反応物を大量のアセトン中に投入して精製することによって、変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1、酸価=50mgKOH/g、重量平均分子量=28000)を得た。
<ウレタンプレポリマー及びポリウレタン樹脂の合成>
[合成例2]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、GI−2000(日本曹達(株)製、水添ポリブタジエンポリオール、水酸基価=47.0mgKOH/g)400.0質量部、PTMG−1000(三菱化学(株)製のポリテトラメチレングリコール、水酸基価=110.1mgKOH/g)100.0質量部、シクロへキシルジメタノール48.0質量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI、H12MDI)290.9質量部、N−メチルピロリドン302.3質量部を添加し、75〜80℃にて120分間反応させた。
次に、2,2’−ジメチロールプロピオン酸68.0質量部及びメチルエチルケトン302.3質量部を添加し、70〜75℃で180分間反応させることによって、遊離イソシアネート基含有量が固形分換算で0.1質量%以下であり、固形分酸価31.4である親水性基含有ポリウレタン樹脂溶液(U−1)を得た。
[合成例3]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、GI−2000(日本曹達(株)製、水添ポリブタジエンポリオール、水酸基価=47.0mgKOH/g)400.0質量部、PTMG−1000(三菱化学(株)製のポリテトラメチレングリコール、水酸基価=110.1mgKOH/g)100.0質量部、シクロへキシルジメタノール48.0質量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI、H12MDI)378.3質量部、N−メチルピロリドン331.4質量部を添加し、75〜80℃にて120分間反応させた。
次に、2,2’−ジメチロールプロピオン酸68.0質量部及びメチルエチルケトン331.4質量部を添加し、70〜75℃で180分間反応させることによって、遊離イソシアネート基含有量が固形分換算で2.8重量%であり、固形分酸価が28.6であるウレタンプレポリマー溶液(U−2)を得た。
[合成例4]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、PTMG−2000(三菱化学(株))製のポリテトラメチレングリコール、水酸基価=55.0mgKOH/g)400.0質量部、PTMG−1000(三菱化学(株)製のポリテトラメチレングリコール、水酸基価=111.0mgKOH/g)100.0質量部、シクロへキシルジメタノール44.3質量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI、H12MDI)290.9質量部、N−メチルピロリドン301.1質量部を添加し、75〜80℃にて120分間反応させた。
次に、2,2’−ジメチロールプロピオン酸68.0質量部、メチルエチルケトン301.1質量部を添加し、70〜75℃で180分間反応させることによって、遊離イソシアネート基含有量が固形分換算で0.1重量%以下であり、固形分酸価が31.5である親水性基含有ポリウレタン樹脂溶液(U−3)を得た。
[合成例5]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、PTMG−2000(三菱化学(株))製のポリテトラメチレングリコール、水酸基価=55.0mgKOH/g)400.0質量部、PTMG−1000(三菱化学(株)製のポリテトラメチレングリコール、水酸基価=111.0mgKOH/g)100.0質量部、シクロへキシルジメタノール44.3質量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI、H12MDI)378.3質量部、N−メチルピロリドン330.2質量部を添加し、75〜80℃にて120分間反応させた。
次に、2,2’−ジメチロールプロピオン酸68.0質量部及びメチルエチルケトン330.2質量部を添加し、70〜75℃で180分間反応させることによって、遊離イソシアネート基含有量が固形分換算で2.8重量%であり、固形分酸価が28.7であるウレタンプレポリマー溶液(U−4)を得た。
[合成例6]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、T−4692(旭化成ケミカルズ(株))製のポリカーボネートジオール、水酸基価=55.8mgKOH/g)400.0質量部、PTMG−1000(三菱化学(株)製のポリテトラメチレングリコール、水酸基価=111.0mgKOH/g)100.0質量部、シクロへキシルジメタノール43.9質量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI、H12MDI)290.9質量部、N−メチルピロリドン300.9質量部を添加し、75〜80℃にて120分間反応させた。
次に、2,2’−ジメチロールプロピオン酸68.0質量部、メチルエチルケトン300.9質量部を添加し、70〜75℃で180分間反応させることによって、遊離イソシアネート基含有量が固形分換算で0.1重量%以下であり、固形分酸価が31.5である親水性基含有ポリウレタン樹脂溶液(U−5)を得た。
[実施例1]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、合成例1で得た変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)50.0質量部とトルエン200.0質量部を投入し、60℃に昇温して加熱溶解させた。
変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)の溶解後、4つ口フラスコ内の温度を60℃に保ち、合成例2で得た親水性基含有ポリウレタン樹脂溶液(U−1)333.3質量部とトリエチルアミン11.3質量部を添加、混合した。この溶液に600質量部の水を徐々に加え、乳化を行った後、50℃減圧下で脱溶剤することによって、前記変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)が前記親水性基含有ポリウレタン樹脂溶液(U−1)中の親水性基含有ポリウレタン樹脂によって分散された、不揮発分が約30重量%の水性樹脂分散体(D−1)を得た。
[実施例2]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)50.0質量部及びトルエン200.0質量部を投入し、60℃に昇温して加熱溶解させた。
変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)の溶解後、4つ口フラスコ内の温度を60℃に保ち、合成例3で得たウレタンプレポリマー溶液(U−2)333.3質量部とトリエチルアミン10.3質量部を添加、混合した。この溶液に600質量部の水を徐々に加え、乳化した後、80質量%の水加ヒドラジン6.95質量部と水27.8質量部とを含む水溶液を徐々に添加し、1時間撹拌することによって前記ウレタンプレポリマーの鎖伸長反応を行った。次いで、50℃減圧下で脱溶剤することによって、不揮発分が約30重量%の水性樹脂分散体(D−2)を得た。
[実施例3]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)100.0質量部及びトルエン400.0質量部を投入し、60℃に昇温して加熱溶解させた。
変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)の溶解後、4つ口フラスコ内の温度を60℃に保ち、親水性基含有ポリウレタン樹脂溶液(U−1)111.1質量部及びトリエチルアミン3.8質量部を添加、混合した。この溶液に600質量部の水を徐々に加え、乳化を行った後、50℃減圧下で脱溶剤することによって、不揮発分が約30重量%の水性樹脂分散体(D−3)を得た。
[比較例1]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)50.0質量部及びトルエン200.0質量部を投入し、60℃に昇温して加熱溶解させた。
変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)の溶解後、4つ口フラスコ内の温度を60℃に保ち、親水性基含有ポリウレタン樹脂溶液(U−3)333.3質量部及びトリエチルアミン11.4質量部を添加、混合した。この溶液に600質量部の水を徐々に加え、乳化を行った後、50℃減圧下で脱溶剤することによって、不揮発分が約30重量%の水性樹脂分散体(D−4)を得た。
[比較例2]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)50.0質量部及びトルエン200.0質量部を投入し、60℃に昇温して加熱溶解させた。
変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)の溶解後、4つ口フラスコ内の温度を60℃に保ち、ウレタンプレポリマー溶液(U−4)333.3質量部、トリエチルアミン10.4質量部を添加、混合した。この溶液に600質量部の水を徐々に加え、乳化した後、80質量%の水加ヒドラジン6.95質量部と水27.8質量部とを含む水溶液を徐々に添加し、1時間撹拌することによって前記ウレタンプレポリマーの鎖伸長反応を行った。次いで、50℃減圧下で脱溶剤することによって、不揮発分が約30重量%の水性樹脂分散体(D−5)を得た。
[比較例3]
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)50.0質量部及びトルエン250.0質量部を投入し、60℃に昇温して加熱溶解させた。
変性ポリオレフィン樹脂(MPP−1)の溶解後、4つ口フラスコ内の温度を60℃に保ち、親水性基含有ポリウレタン樹脂溶液(U−5)333.3質量部及びトリエチルアミン11.4質量部を添加、混合した。この溶液に600質量部の水を徐々に加え、乳化を行った後、50℃減圧下で脱溶剤することによって、不揮発分が約30重量%の水性樹脂分散体(D−6)を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得た水性樹脂分散体の貯蔵安定性、ならびに、前記水性樹脂分散体を用いて形成された被膜の密着性及び耐水性を、下記方法によって評価した。
[貯蔵安定性]
実施例1〜3及び比較例1〜3で得た水性樹脂分散体を、50℃の環境下に30日間放置した。放置後の水性樹脂分散体の外観を目視し、放置前の水性樹脂分散体と外観上変化がなかったものを「○」、若干の粘度上昇が見られたものを「△」、凝集物や沈殿物が発生したり、固化したものは「×」と評価した。
[被膜物性の評価]
《コーティング剤の調製》
攪拌下の実施例1で得た水性樹脂分散体100gに、ジエチレングリコールジブチルエーテル(日本乳化剤(株)製)15gとBYK−346(シリコン系レべリング剤:BYK(株)製)0.3gとサーフィノール104(アセチレンジオール系消泡剤:エアプロダクツ(株)製)0.3gとを順次添加し、その後10分間攪拌することによってコーティング剤を得た。
また、前記実施例1で得た水性樹脂分散体の代わりに、実施例2及び3ならびに比較例1〜3で得た水性樹脂分散体を使用する以外は、上記と同様の方法で、それぞれコーティング剤を調製した。
《試験板の作製》
表面処理されていない自動車内装部品用のポリプロピレン板の表面をイソプロパノールでワイプした後、該表面に前記コーティング剤を乾燥被膜厚が10μmとなるよう塗布し、80℃で30分間乾燥し、次いで室温で3日間静置することによって試験板を作製した。
[基材に対する密着性の評価]
前記試験板の被膜表面に、1mm間隔で、ポリプロピレン板に達する深さの、100個の碁盤目を作り、その上にセロハン粘着テープを密着させ180度方向に引き剥がすことによって、前記ポリプロピレン板表面に残存する被膜の碁盤目数(/100)を測定した。
[耐水性(耐水密着性)の評価]
前記試験板を40℃の温水に24時間浸漬した後、1時間常温下で乾燥した。次いで、前記乾燥後の試験板の被膜表面に、1mm間隔で、ポリプロピレン板に達する深さの、100個の碁盤目を作り、その上にセロハン粘着テープを密着させ180度方向に引き剥がすことによって、前記ポリプロピレン板表面に残存する被膜の碁盤目数(/100)を測定した。
Figure 0005141628
Figure 0005141628

Claims (15)

  1. 水系媒体中に、ポリオレフィン系樹脂(A)が親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)によって分散されてなる水性樹脂分散体であって、前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)がポリオレフィンポリオール(b1)と親水性基含有ポリオール(b2)とを含むポリオール及びポリイソシアネートを反応させて得られるものであることを特徴とする水性樹脂分散体。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂(A)と前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)との質量割合[(A)/(B)]が5/5〜1/9の範囲である、請求項1に記載の水性樹脂分散体。
  3. 前記ポリオレフィンポリオール(b1)が、1000〜4000の数平均分子量を有するものである、請求項1に記載の水性樹脂分散体
  4. 前記ポリオレフィンポリオール(b1)がポリイソプレンポリオール、水素添加ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール及び水素添加ポリブタジエンポリオールからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載の水性樹脂分散体。
  5. 前記親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)が、ポリオレフィンポリオール(b1)と親水性基含有ポリオール(b2)とを含むポリオール及びポリイソシアネートを反応させることによって親水性基含有ウレタンプレポリマー(C)を得、次いで前記ウレタンプレポリマー(C)とアミン化合物とを反応させ鎖伸長することによって得られるものである、請求項1に記載の水性樹脂分散体。
  6. 前記ポリオレフィン系樹脂(A)が20000〜100000の重量平均分子量を有するものである、請求項1に記載の水性樹脂分散体。
  7. 前記ポリオレフィン系樹脂(A)が、マレイン酸変性されたポリオレフィン樹脂である、請求項1に記載の水性樹脂分散体。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の水性樹脂分散体からなるコーティング剤。
  9. ポリオレフィン系基材の表面被覆に使用する請求項8に記載のコーティング剤。
  10. 請求項1〜7何れかに記載の水性樹脂分散体からなる接着剤。
  11. 請求項1〜7の何れかに記載の水性樹脂分散体からなるサイズ剤。
  12. 請求項1〜7の何れかに記載の水性樹脂分散体からなるインク用バインダー。
  13. 有機溶剤の存在下、ポリオレフィンポリオール(b1)及び親水性基含有ポリオール(b2)を含むポリオールとポリイソシアネートとを反応させることによって親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)の有機溶剤溶液を製造し、次いで、前記有機溶剤溶液中にポリオレフィン系樹脂(A)を一括または逐次供給し混合した後、水系媒体を一括または逐次供給し混合することを特徴とする水性樹脂分散体の製造方法。
  14. 水系媒体を一括または逐次供給する前に、前記ポリウレタン樹脂(B)の有する親水性基を中和する、請求項13に記載の水性樹脂分散体の製造方法。
  15. 有機溶剤の存在下、ポリオレフィンポリオール(b1)及び親水性基含有ポリオール(b2)を含むポリオールとポリイソシアネートとを反応させることによって親水性基含有ポリウレタンプレポリマー(C)の有機溶剤溶液を製造し、前記有機溶剤溶液中にポリオレフィン系樹脂(A)を一括または逐次供給し混合する工程(X)、水性媒体を一括または逐次供給する工程(Y)、及び、アミン化合物を用いて前記親水性基含有ポリウレタンプレポリマー(C)を鎖伸長することにより親水性基含有ポリウレタン樹脂(B)を製造する工程(Z)からなり、前記工程(Z)を、前記工程(Y)よりも前に行う、または、前記工程(Y)と同時に行う、または、前記工程(Y)よりも後に行うことを特徴とする水性樹脂分散体の製造方法。
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