JP5140918B2 - ゴム組成物及び成形品 - Google Patents

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本発明はゴム組成物及び成形品に関し、更に詳しくは、加工性に優れ、架橋することによって、引張特性、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性に優れた架橋ゴム組成物とすることができるゴム組成物及び成形品に関する。
タイヤ、防振ゴム、ベルト、ローラー等のゴム製品の耐久性を良好にするために、架橋ゴム組成物の引張特性及び耐摩耗性の改良が求められている。
一般に、架橋ゴム組成物の引張特性及び耐摩耗性を改良するためには、原料ゴムを高分子量化することが有効である。しかしながら、あまりにも高分子量の原料ゴムを使用すると、混練等の工程における作業性が著しく低下し、その結果、得られたゴム組成物における補強剤等の分散性が悪化し、架橋ゴム組成物の強度低下を起こすことがある。
そこで、原料ゴムを極度に高分子量化することなく、架橋ゴム組成物の引張特性及び耐摩耗性を改良する方法が試みられている。即ち、ゴム製品には、通常、各種添加剤が含まれるため、重合体成分の改良法としては、カーボンブラックやシリカ等との親和性を向上させるための分子設計等が行われている。例えば、カーボンブラックを補強剤に使用するゴム組成物を対象にした場合は、特許文献1に開示された、重合体末端をスズ化合物で変性又はカップリングしたスチレン・ブタジエン(共)重合体、特許文献2に開示された、重合体末端をイソシアナート化合物等で変性したスチレン・ブタジエン(共)重合体等が知られている。また、シリカを補強剤として使用する組成物を対象にした場合も同様に、シリカと親和性のある官能基を導入した重合体を含むゴム組成物が提案されている。特許文献3には、シリコンテトラハライドやトリハロシラン等を反応させて重合体を生成する方法が開示されている。特許文献4には、ハロゲン化シラン化合物で変性された重合体を製造する方法が開示されている。更に、特許文献5には、アルキルシリル基、特許文献6には、ハロゲン化シリル基がそれぞれ導入されたジエン系ゴムが開示されている。また特許文献7には、第3級アミノ基及びアルコキシシリル基が導入されたジエン系ゴムが開示されている。
これらの重合体成分を含む組成物は、それぞれ、加硫物とした場合に、耐摩耗性、引張特性等にある程度の改良が見られるものの、未だ十分ではなく、また、重合体にカーボンブラックやシリカと親和性のある官能基を導入したために、ゴム組成物とする際の加工性が低下する場合もある。
特開昭57−55912号公報 特開昭61−141741号公報 特公昭49−36957号公報 特公昭52−5071号公報 特開平1−188501号公報 特開平5−230286号公報 特開平7−233217号公報
本発明の目的は、加工性に優れ、架橋することによって、引張特性、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性に優れた架橋ゴム組成物とすることができるゴム組成物及び成形品を提供することにある。
本発明者らは、特定の官能基を導入することなく、水素添加率(以下、「水添率」ともいう。)の異なる特定構造の重合体ブロックを、特定の比率、特定の順序で配列させた、部分水添ブロック共重合体を用いることによって、上記課題を解決することを見出した。
本発明は以下に示される。
〔1〕ブロック共重合体と、カーボンブラックとを含むゴム組成物であって、
上記ブロック共重合体は、エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロック2つと、該重合体ブロックの間にある他の重合体ブロックと、を備え、上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックをA及びA(但し、A及びAは同一でもよいし、異なってもよい。)とし、上記他の重合体ブロックをBとした場合、(A−B−AX(但し、sは、1〜6より選ばれる整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)の構造を有し、
上記重合体ブロックAは、共役ジエン化合物からなり且つ1,4−結合を含む単量体単位(a11)を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
上記重合体ブロックBは、共役ジエン化合物からなる単量体単位(b11)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(b12)を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の0〜20%がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
上記重合体ブロックAは、共役ジエン化合物からなり且つ1,4−結合を含む単量体単位(a21)を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックの重量平均分子量は、1,000〜20,000の範囲にあり、
上記他の重合体ブロックの重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲にあることを特徴とするゴム組成物。
〔2〕上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックの構成量の合計は、上記ブロック共重合体に対し1〜80質量%であり、且つ、上記他の重合体ブロックの構成量の合計は、上記ブロック共重合体に対し99〜20質量%である〔1〕に記載のゴム組成物。
〔3〕上記ブロック共重合体の重量平均分子量が7,000〜1,000,000の範囲にあり、該重量平均分子量及び数平均分子量の比が1〜5の範囲にある〔1〕又は〔2〕に記載のゴム組成物。
〔4〕上記重合体ブロックA及び上記重合体ブロックAの形成に用いた共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン及び1,3−ペンタジエンから選ばれた少なくとも1種である〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載のゴム組成物。
〔5〕上記重合体ブロックBの形成に用いた共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン及び1,3−ペンタジエンから選ばれた少なくとも1種であり、
上記重合体ブロックBの形成に用いた芳香族ビニル化合物が、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン及び4−tert−ブチルスチレンから選ばれた少なくとも1種である〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載のゴム組成物。
〔6〕上記カーボンブラックの含有量は、上記ブロック共重合体100質量部に対し、20〜120質量部である〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載のゴム組成物。
〔7〕〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載のゴム組成物を用いて得られたことを特徴とする成形品。
〔8〕ブロック共重合体と、シリカとを含むゴム組成物であって、
上記ブロック共重合体は、エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロック2つと、該重合体ブロックの間にある他の重合体ブロックと、を備え、上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックをA及びA(但し、A及びAは同一でもよいし、異なってもよい。)とし、上記他の重合体ブロックをBとした場合、A−B−A−B−Aの構造を有し、
上記重合体ブロックAは、共役ジエン化合物からなり且つ1,4−結合を含む単量体単位(a11)、又は、該単量体単位(a11)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(a12)の両方を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
上記重合体ブロックBは、共役ジエン化合物からなる単量体単位(b11)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(b12)を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の0〜20%がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
上記重合体ブロックAは、共役ジエン化合物からなり且つ1,4−結合を含む単量体単位(a21)、又は、該単量体単位(a21)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(a22)の両方を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックの重量平均分子量は、1,000〜20,000の範囲にあり、
上記他の重合体ブロックの重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲にあることを特徴とするゴム組成物。
〔9〕上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックの構成量の合計は、上記ブロック共重合体に対し1〜80質量%であり、且つ、上記他の重合体ブロックの構成量の合計は、上記ブロック共重合体に対し99〜20質量%である〔8〕に記載のゴム組成物。
〔10〕上記ブロック共重合体の重量平均分子量が7,000〜1,000,000の範囲にあり、該重量平均分子量及び数平均分子量の比が1〜5の範囲にある〔8〕又は〔9〕に記載のゴム組成物。
〔11〕上記重合体ブロックA及び上記重合体ブロックAの形成に用いた共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン及び1,3−ペンタジエンから選ばれた少なくとも1種である〔8〕乃至〔10〕のいずれかに記載のゴム組成物。
〔12〕上記重合体ブロックBの形成に用いた共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン及び1,3−ペンタジエンから選ばれた少なくとも1種であり、
上記重合体ブロックBの形成に用いた芳香族ビニル化合物が、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン及び4−tert−ブチルスチレンから選ばれた少なくとも1種である〔8〕乃至〔11〕のいずれかに記載のゴム組成物。
〔13〕上記シリカの含有量は、上記ブロック共重合体100質量部に対し、20〜140質量部である〔8〕乃至〔12〕のいずれかに記載のゴム組成物。
〔14〕〔8〕乃至〔13〕のいずれかに記載のゴム組成物を用いて得られたことを特徴とする成形品。
本発明のゴム組成物に含まれるブロック共重合体は、エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロック2つと、該重合体ブロックの間にある他の重合体ブロックと、を少なくとも備える特定の重合体であることから、加工性に優れている。また、架橋することによって、架橋重合体が規則的な網目構造を有することから、引張特性、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性に優れた架橋ゴム組成物とすることができる。
また、上記重合体ブロックA、A及びBを特定の化合物からなるものとすることにより、規則的な架橋構造を形成することができ、引張特性、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性に更に優れた架橋ゴム組成物とすることができる。
本発明は、カーボンブラック又はシリカがブロック共重合体100質量部に対して所定量含まれるゴム組成物とした場合には、その架橋ゴム組成物の各物性が特に優れる。
以下、本発明を詳しく説明する。
1.ブロック共重合体
本発明のゴム組成物に含まれるブロック共重合体は、エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロック(以下、「重合体ブロックA」ともいう。)2つと、該重合体ブロックの間にあり、重量平均分子量が特定の範囲にある他の重合体ブロック(以下、「重合体ブロックB」ともいう。)と、を少なくとも備える。
1−1.重合体ブロックA
この重合体ブロックAは、エチレン性不飽和結合(炭素−炭素二重結合)を少なくとも1つ有する。このエチレン性不飽和結合は、重合体ブロックAの中の、主鎖に含まれてもよいし、側鎖に含まれてもよい。更には、両方に含まれてもよい。また、このエチレン性不飽和結合が主鎖に含まれる場合には、ブロック共重合体の末端にあってもよい。
上記エチレン性不飽和結合は、共役ジエン化合物に由来する。上記エチレン性不飽和結合は、1,4−結合を含み、その他は、1,2−結合、3,4−結合(ビニル結合)等とすることができる。
従って、上記重合体ブロックAとしては、下記の態様とすることができる。
(1−1)共役ジエン化合物からなる単量体単位を主として含む重合体ブロック
(1−2)共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位を主として含む重合体ブロック
(1−3)共役ジエン化合物からなる単量体単位と、芳香族ビニル化合物からなる単量体単位と、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な単量体化合物からなる単量体単位とを主として含む重合体ブロック
(1−4)共役ジエン化合物からなる単量体単位と、芳香族ビニル化合物以外であり且つ共役ジエン化合物と共重合可能な単量体化合物からなる単量体単位とを主として含む重合体ブロック。
上記共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、これらのうち、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルベンジルジメチルアミン、ビニルベンジルジメチルアミノエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、4−tert−ブトキシスチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、これらのうち、スチレンが好ましい。
また、上記共役ジエン化合物及び上記芳香族ビニル化合物の両方と共重合可能な単量体化合物としては、不飽和カルボン酸及びそのエステル(アルキルエステル、アルコキシエステル、ヒドロキシル基含有エステル、アミノ基含有エステル、アミド基含有エステル等)、シアン化ビニル化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。
上記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
上記態様(1−1)において、共役ジエン化合物からなる単量体単位の合計量は、重合体ブロックAを構成する全単量体単位の合計に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%である。
上記態様(1−2)において、共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位の合計量は、重合体ブロックAを構成する全単量体単位の合計に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%である。尚、共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位の配列順は特に限定されない。
上記態様(1−3)において、共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位の合計量は、重合体ブロックAを構成する全単量体単位の合計に対して、好ましくは80〜99質量%、より好ましくは90〜99質量%、更に好ましくは95〜98質量%である。尚、共役ジエン化合物からなる単量体単位、芳香族ビニル化合物からなる単量体単位、及び、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な単量体化合物からなる単量体単位の配列順は特に限定されない。
上記態様(1−4)において、共役ジエン化合物からなる単量体単位の合計量は、重合体ブロックAを構成する全単量体単位の合計に対して、好ましくは80〜99質量%、より好ましくは90〜99質量%、更に好ましくは95〜98質量%である。尚、共役ジエン化合物からなる単量体単位、及び、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体化合物からなる単量体単位の配列順は特に限定されない。
また、上記態様(1−2)及び(1−3)において、共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位の構成量は、これらの合計を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以上/50質量%以下、より好ましくは52〜97質量%/48〜3質量%、更に好ましくは57〜92質量%/43〜8質量%である。芳香族ビニル化合物からなる単量体単位の構成量が多すぎると、架橋重合体とした場合の硬度が高くなることがあり、また、ゴム組成物、成形品とする際の加工性が低下する場合がある。
更に、本発明に関わる重合体ブロックAにおいて、共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる。より好ましくは85〜100%、更に好ましくは90〜100%、特に好ましくは95〜100%である。尚、上記エチレン性不飽和結合は、IR、NMR等により測定することができる。以下も同様である。
上記態様(1−1)の好ましい例としては、共役ジエン化合物からなり且つ1,4−結合を含む単量体単位(a11)を主として含み、且つ、共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロック等が挙げられる。更に具体的には、上記共役ジエン化合物がイソプレンであり、このイソプレンからなる単量体単位を80〜100質量%含み、このイソプレンに由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックが好ましい。尚、より好ましい単量体単位(a11)の構成量及びより好ましいエチレン性不飽和結合の含有割合は、上記と同様である。
また、上記態様(1−2)の好ましい例としては、共役ジエン化合物からなり且つ1,4−結合を含む単量体単位(a11)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(a12)を主として含み、且つ、共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロック等が挙げられる。更に具体的には、上記共役ジエン化合物がイソプレンであり、イソプレンからなる単量体単位及びスチレン等の芳香族ビニル化合物からなる単量体単位を、合計で80〜100質量%含み、イソプレンに由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックが好ましい。尚、共役ジエン化合物(イソプレン)からなる単量体単位(a11)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(a12)の好ましい合計量、より好ましい各単量体単位の構成量及びより好ましいエチレン性不飽和結合の含有量は、上記と同様である。
上記重合体ブロックAの重量平均分子量は、1,000〜20,000の範囲にあり、より好ましくは3,000〜18,000、更に好ましくは5,000〜15,000である。この重量平均分子量が小さすぎると、重合体ブロックAの鎖長が短すぎるために、架橋重合体とした場合に、十分な架橋を形成することができないため、引張強度、破壊強度及び耐摩耗性が著しく低下する場合がある。一方、重量平均分子量が大きすぎると、引張強度、破壊強度及び耐摩耗性が、一般的なジエン系重合体を用いた場合と同程度となり、改良効果が発揮されない場合がある。尚、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いたポリスチレン換算によるものである。以下も同様である。
上記重合体ブロックAの構成量の合計は、ブロック共重合体に対し、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは3〜60質量%、更に好ましくは5〜40質量%である。この重合体ブロックAの構成量が多すぎると、架橋重合体とした場合の引張強度、破壊強度及び耐摩耗性が、一般的なジエン系重合体を用いた場合と同程度となり、改良効果が発揮されない場合がある。
上記ブロック共重合体は、上記重合体ブロックAの2つと、これらの重合体ブロックの間にある、後述する重合体ブロックBとを少なくとも備えるが、複数ある重合体ブロックAは、同一構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
1−2.重合体ブロックB
この重合体ブロックBは、共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位を含み、共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の0〜20%がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックである。
上記重合体ブロックBは、メチレン基(−CH−)を主として含むことが好ましい。尚、このメチレン基は、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、有機基(アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基等の炭化水素基;ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基等で置換された炭化水素基、ピリジル基等を含む)等で置換された変性基であってもよい。従って、上記重合体ブロックBは、上記メチレン基等が連なることによる主鎖を含む。
尚、上記重合体ブロックBが、エチレン性不飽和結合を含む場合には、重合体ブロックの主鎖に含んでもよいし、側鎖に含んでもよい。
上記重合体ブロックBは、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物を含む化合物から形成されたものであ、下記の態様とすることができる。
(2−)共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位を主として含む重合体ブロック
(2−)共役ジエン化合物からなる単量体単位と、芳香族ビニル化合物からなる単量体単位と、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な単量体化合物からなる単量体単位とを主として含む重合体ブロック
上記各単量体化合物は、上記重合体ブロックAの説明において例示したものを好ましく用いることができ、それぞれ、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記態様(2−)において、共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位の合計量は、重合体ブロックBを構成する全単量体単位の合計に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%である。尚、共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位の配列順は特に限定されないが、例えば、芳香族ビニル化合物からなる単量体単位が重合体ブロック中でランダム配列しているもの、あるいは、芳香族ビニル化合物からなる単量体単位による単連鎖が形成されているものを重合体ブロックBとして用いることができる。
上記態様(2−)において、共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位の合計量は、重合体ブロックBを構成する全単量体単位の合計に対して、好ましくは80〜99質量%、より好ましくは90〜99質量%、更に好ましくは95〜98質量%である。尚、共役ジエン化合物からなる単量体単位、芳香族ビニル化合物からなる単量体単位、及び、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な単量体化合物からなる単量体単位の配列順は特に限定されない。
また、上記態様(2−)及び(2−)において、共役ジエン化合物からなる単量体単位及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位の構成量は、これらの合計を100質量%とした場合、好ましくは40〜98質量%/60〜2質量%、より好ましくは50〜95質量%/50〜5質量%、更に好ましくは55〜92質量%/45〜8質量%である。芳香族ビニル化合物からなる単量体単位の構成量が多すぎると、架橋重合体とした場合の硬度が高くなることがあり、また、ゴム組成物、成形品とする際の加工性が低下する場合がある。
更に、上記のように、本発明に関わる重合体ブロックBは、共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の0〜20%がエチレン性不飽和結合として含まれる。より好ましくは0〜15%、更に好ましくは0〜12%、特に好ましくは1〜10%である。
上記態様(2−)の好ましい例としては、共役ジエン化合物からなり且つ1,2−結合を含む単量体単位(b11)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(b12)を主として含み、且つ、共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の0〜20%がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロック等が挙げられる。更に具体的には、上記共役ジエン化合物が1,3−ブタジエンであり、1,3−ブタジエンからなる単量体単位及びスチレン等の芳香族ビニル化合物からなる単量体単位を、合計で80〜100質量%含み、1,3−ブタジエンに由来する不飽和結合の0〜20%がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックが好ましい。尚、共役ジエン化合物(1,3−ブタジエン)からなる単量体単位(b11)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(b12)の好ましい合計量、より好ましい各単量体単位の構成量及びより好ましいエチレン性不飽和結合の含有量は、上記と同様である。
上記重合体ブロックBの重量平均分子量は、カーボンブラックを含有する組成物の場合、5,000〜100,000の範囲にあり、好ましくは20,000〜95,000、より好ましくは35,000〜85,000である。また、シリカを含有する組成物の場合、5,000〜100,000の範囲にある。この重量平均分子量が小さすぎると、架橋重合体とした場合の引張強度、破壊強度及び耐摩耗性が、一般的なジエン系重合体を用いた場合と同程度となり、改良効果が発揮されない場合がある。一方、重量平均分子量が大きすぎると、引張強度、破壊強度及び耐摩耗性が低下する場合がある。
上記重合体ブロックBの構成量の合計は、ブロック共重合体に対し、好ましくは99〜20質量%、より好ましくは97〜40質量%、更に好ましくは95〜60質量%である。この重合体ブロックBの構成量が少なすぎると、重合体ブロックBの鎖長が短いため、架橋点間がコントロールされにくい架橋重合体を形成することとなり、引張強度、破壊強度及び耐摩耗性が、一般的なジエン系重合体を用いた場合と同程度となり、改良効果が発揮されない場合がある。
上記ブロック共重合体は、上記重合体ブロックAの2つと、これらの重合体ブロックの間にある、重合体ブロックBとを少なくとも備えるが、重合体ブロックBを複数備える場合には、各重合体ブロックが互いに同一でも異なってもよい。
各重合体ブロックが互いに異なる場合、例えば、各重合体ブロックの構造又は重量平均分子量等が異なる場合には、各重合体ブロックの重量平均分子量が同一である、ほぼ同一である、あるいは、隣り合う各重合体ブロックの重量平均分子量を比較したときの誤差範囲が好ましくは±25%の範囲にある。上記誤差範囲は、より好ましくは±15%、更に好ましくは±10%である。言い換えれば、重合体ブロックBが複数ある場合、各重合体ブロックは同じ構造でも異なる構造でもよいが、いずれの場合でも、各重合体ブロックの重量平均分子量が同一である、ほぼ同一である、あるいは、隣り合う各重合体ブロックの重量平均分子量を比較したときの誤差範囲が好ましくは±25%の範囲にある。上記誤差範囲は、より好ましくは±15%、更に好ましくは±10%である。
1−3.ブロック共重合体の構造
ブロック共重合体の構造は、上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックを「A」及び「A」(但し、A及びAは同一でもよいし、異なってもよい。)、上記他の重合体ブロックを「B」とした場合、
(1) A−B−A
(2) A−B−A−B−A
(3) A−(B−A
(4) A−(B−A−(B−A
(5) A−(B−A−(B−A−(B−A
(6) A−(B−A−B−A
(7) (A−B)
(8) (A−B−A
(9) (A−B−A−B−A
(10) (A−B−A−B−A
(11) (A−B−A−B−A
等が挙げられるが、本発明において、カーボンブラックを含む組成物の場合、(8)であり、シリカを含む組成物の場合、(2)である。但し、mは、1〜4より選ばれる整数であり、nは、2〜6より選ばれる整数であり、sは、1〜6より選ばれる整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。また、上記(2)〜(11)において、複数のBは、同一でもよいし、異なってもよい。
上記(7)〜(11)の構造式で表されるブロック共重合体は、カップリング剤の残基Xを介して、重合体ブロックA等が、他の重合体ブロックBと交互に結合し延長又は分岐された重合体分子鎖を備えた共重合体である。
尚、上記(8)の構造式で表されるブロック共重合体は、便宜上、(A−B−AXと記したが、A、A及びAがそれぞれ異なる重合体ブロックであり、更に、s=2である場合、(A−B−A)−X−(A−B−A)、(A−B−A)−X−(A−B−A)、(A−B−A)−X−(A−B−A)、(A−B−A)−X−(A−B−A)等が挙げられる。このように、他の態様の構造式の場合も同様に多態様とすることができる。
尚、重合体ブロックBを複数含む場合には、上記のように、各重合体ブロックが同一でもよいし、異なってもよいが、上記(3)の構造式で表されるブロック共重合体において、4つの重合体ブロックBを有する場合の具体例としては、
A−B−A−B−A−B−A−B−A
A−B−A−B−A−B−A−B−A
A−B−A−B−A−B−A−B−A
A−B−A−B−A−B−A−B−A
等が挙げられる。
ブロック共重合体を構成する重合体ブロックA及びBの好ましい組み合わせは、以下のとおりである。
〔i〕重合体ブロックAが、共役ジエン化合物としてイソプレンを80質量%以上使用してなり、重合体ブロックBが、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエンを使用してなるもの(あるいは、イソプレン及び1,3−ブタジエンを併用する場合は、1,3−ブタジエンを80質量%以上使用する。)、
〔ii〕重合体ブロックA及びBに1,3−ブタジエンを使用する場合は、水添前重合体(各重合体ブロックを形成することとなる重合体ブロックを含む重合体)を構成する重合体ブロックA’を、1,4−結合を主として含むブロックとし、水添前重合体を構成する重合体ブロックB’を、1,2−結合を主として含むブロックとした水添前重合体を水素添加してなるもの、
〔iii〕重合体ブロックA及びBにイソプレンを使用する場合は、水添前重合体を構成する重合体ブロックA’を、1,4−結合を主として含むブロックとし、水添前重合体を構成する重合体ブロックB’を、3,4−結合を主として含むブロックとした水添前重合体を水素添加してなるもの、等。
上記態様を更に具体的に説明すると、〔i〕としては、重合体ブロックAにイソプレンのみを、重合体ブロックBに1,3−ブタジエンのみを用いてなるブロック共重合体等が挙げられる。
〔ii〕としては、重合体ブロックAが、1,3−ブタジエンを用いてなり、1,4−結合を主とする単量体単位を含むブロックに対して水素添加して得られたブロックを含み、且つ、重合体ブロックBが、1,3−ブタジエンを用いてなり、1,2−結合を主とする単量体単位を含むブロックに対して水素添加して得られたブロックを含むブロック共重合体等が挙げられる。
また、〔iii〕としては、重合体ブロックAが、イソプレンを用いてなり、1,4−結合を主とする単量体単位を含むブロックに対して水素添加して得られたブロックを含み、且つ、重合体ブロックBが、イソプレンを用いてなり、3,4−結合を主とする単量体単位を含むブロックに対して水素添加して得られたブロックを含むブロック共重合体等が挙げられる。
本発明に係るブロック共重合体を構成する重合体ブロックA及びBの各合計量による構成割合は、両者の合計を100質量%とした場合、好ましくは、1〜80質量%/99〜20質量%であり、より好ましくは、3〜60質量%/97〜40質量%、更に好ましくは、5〜60質量%/95〜40質量%である。
本発明に係るブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは7,000〜1,000,000の範囲にあり、好ましくは25,000〜900,000、より好ましくは50,000〜800,000である。この重量平均分子量が小さすぎると、架橋重合体とした場合の引張強度、破壊強度及び耐摩耗性が低下する場合がある。一方、重量平均分子量が大きすぎると、加工性が低下し、その結果、引張強度、破壊強度及び耐摩耗性が低下する場合がある。
また、本発明に係るブロック共重合体の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)は、好ましくは1〜5の範囲にあり、好ましくは1〜3、より好ましくは1.1〜2.5である。この比が大きすぎると、低分子量成分及び高分子量成分がともに増加するために加工性が低下し、架橋重合体とした場合の引張強度、破壊強度及び耐摩耗性が低下する場合がある。
本発明に係るブロック共重合体は、上記各重合体ブロックを形成することとなる重合体ブロックを含む重合体(以下、「水添前重合体」ともいう。)を用い、この水添前重合体に対して水素添加反応を行うことにより得られたものであることが好ましい。また、本発明に係るブロック共重合体は、水添前重合体を構成する各重合体ブロックに対する水素添加のしやすさ、即ち、水素添加速度の違いを利用して得られたものであることが好ましい。
従って、上記重合体ブロックAは、水添前重合体を構成し、且つ、水素添加反応により重合体ブロックAを形成することとなる重合体ブロックA’に対する水素添加の速度を著しく小さくして水素添加反応を進行させにくくしたことにより、あるいは、進行させないことにより得られた重合体ブロックである。即ち、上記重合体ブロックAは、重合体ブロックA’に含まれる、共役ジエン化合物等に由来する不飽和結合の80%以上が水素添加されずにエチレン性不飽和結合として残存するものである。より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%が水素添加されていないことである。
また、上記重合体ブロックBは、水添前重合体を構成し、且つ、水素添加反応により重合体ブロックBを形成することとなる重合体ブロックB’に対する水素添加の速度を著しく大きくすることにより得られた重合体ブロックである。即ち、上記重合体ブロックBは、重合体ブロックB’に含まれる、共役ジエン化合物等に由来する不飽和結合の80%以上が水素添加されている。より好ましくは85%以上、更に好ましくは88〜99%、特に好ましくは90〜98%である。
1−4.ブロック共重合体の製造方法
また、ブロック共重合体は、共役ジエン化合物を含む単量体(t1)を重合する工程〔I〕と、得られた重合体(P1)の存在下に、共役ジエン化合物を含む単量体(t2)を重合する工程〔II〕と、得られた重合体(P2)の存在下に、共役ジエン化合物を含む単量体(t3)を重合する工程〔III〕と、を備えることにより得られた重合体(P3)を水素添加させて得られ、上記工程〔I〕及び〔III〕において形成された重合体ブロックにおける水添率が20%未満であり、且つ、上記工程〔II〕において形成された重合体ブロックにおける水添率が80〜100%であるものとすることができる。但し、これら3つの工程をそれぞれ1回ずつ行った場合には、上記1−3項で説明した態様(1)の構造、即ち、A−B−Aの構造を有するブロック共重合体とするための水添前重合体A’−B’−A’が得られる。上記1−3項で説明した態様(2)〜(6)等、他の構造を有するブロック共重合体とする場合には、更に、工程〔II〕及び〔III〕に対応する重合を繰り返し進めればよい。
工程〔I〕において、共役ジエン化合物を含む単量体(t1)を重合する。この共役ジエン化合物は、必要に応じて芳香族ビニル化合物等と組み合わせて用いることができる。この工程〔I〕は、重合体ブロックAを形成するために行うものであり、これらの化合物の例示及び使用量は、上記1−1項における説明の通りである。また、この工程〔I〕における重合は、有機リチウム化合物を重合開始剤として用いたアニオン重合とすることが好ましい。
有機リチウム化合物としては、金属リチウムの炭化水素化合物、金属リチウムと極性化合物との錯体等が挙げられる。金属リチウムの炭化水素化合物としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、i−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、n−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルリチウム等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記有機リチウム化合物は、バリウムノニルフェノキシド等のアルカリ土類金属を含むフェノキシド、トリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物、ジアルキルアミノエタノールのアルカリ金属塩、モノアルキレングリコールのアルカリ金属塩等と併用することができる。
重合に用いる溶媒としては、通常、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素等の炭化水素を用いることができる。脂肪族炭化水素としては、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。また、脂環族炭化水素としては、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
工程〔I〕における重合は、バッチ重合方式又は連続重合方式により、通常、0〜120℃の範囲で行われ、一定温度で行ってもよいし、昇温させながら行ってもよい。また、重合時間は、通常、5分〜12時間の範囲である。
上記工程〔I〕により、重合体(P1)が得られる。尚、この重合体(P1)は、水添前重合体の構造A’−B’−A’とするための(水素添加前の)重合体ブロックA’に相当するものである。
上記工程〔I〕により得られる重合体(P1)の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜20,000の範囲にあり、より好ましくは3,000〜18,000、更に好ましくは5,000〜15,000である。
工程〔II〕において、上記重合体(P1)の存在下に、共役ジエン化合物を含む単量体(t2)を重合する。この共役ジエン化合物は、芳香族ビニル化合物等と組み合わせて用いる。この工程〔II〕は、重合体ブロックBを形成するために行うものであり、これらの化合物の例示及び使用量は、上記1−2項における説明の通りである。また、この工程〔II〕における重合は、上記工程〔I〕と同様の条件のもとで行うことが好ましい。尚、この工程〔II〕においては、上記工程〔I〕における重合系を利用し、単量体(t2)等を添加することによって進めてもよい。
工程〔II〕における重合は、バッチ重合方式又は連続重合方式により、通常、0〜120℃の範囲で行われ、一定温度で行ってもよいし、昇温させながら行ってもよい。また、重合時間は、通常、5分〜12時間の範囲である。
上記工程〔II〕により、重合体(P2)が得られる。尚、この重合体(P2)は、水添前重合体の構造A’−B’−A’とするための(水素添加前の)重合体ブロックB’に相当する部分を含むものである。
また、上記工程〔II〕による重合体ブロックB’の重量平均分子量は5,000〜121,000又は5,000〜100,000であり、後者の場合、より好ましくは20,000〜95,000、更に好ましくは35,000〜85,000である。
工程〔III〕において、上記重合体(P2)の存在下に、共役ジエン化合物を含む単量体(t3)を重合する。この共役ジエン化合物は、必要に応じて芳香族ビニル化合物等と組み合わせて用いることができる。この工程〔III〕は、重合体ブロックAを形成するために行うものであり、これらの化合物の例示及び使用量は、上記1−1項における説明の通りである。また、この工程〔III〕における重合は、上記工程〔I〕又は〔II〕と同様の条件のもとで行うことが好ましい。尚、この工程〔III〕においては、上記工程〔II〕における重合系を利用し、単量体(t3)等を添加することによって進めてもよい。
工程〔III〕における重合は、バッチ重合方式又は連続重合方式により、通常、0〜120℃の範囲で行われ、一定温度で行ってもよいし、昇温させながら行ってもよい。また、重合時間は、通常、5分〜12時間の範囲である。
上記工程〔III〕により、重合体(P3)が得られる。この重合体(P3)は、水添前重合体の構造A’−B’−A’における(水素添加前の)重合体ブロックA’に相当する部分を含むものである。
また、上記工程〔III〕による重合体ブロックA’の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜20,000の範囲にあり、より好ましくは3,000〜18,000、更に好ましくは5,000〜15,000である。
尚、上記工程〔I〕、〔II〕及び〔III〕において、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物を併用し、芳香族ビニル化合物からなる単量体単位を重合体ブロックの中でランダム配列させる場合、あるいは、この単量体単位による単連鎖を形成させようとする場合には、反応系に、エーテル化合物、第3級アミン化合物、カリウム化合物等を添加して重合を行うことができる。また、下記化合物等を用いた場合には、共役ジエン化合物の重合部分におけるミクロ構造(ビニル結合含量)を調整することもできる。
エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、α−メトキシテトラヒドロフラン、ジメトキシベンゼン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
第3級アミン化合物としては、トリエチルアミン、ピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カリウム化合物としては、カリウムアルコキシド、カリウムフェノキシド、カリウムベンジルオキシド、脂肪酸のカリウム塩、芳香族カルボン酸のカリウム塩、有機スルホン酸のカリウム塩、有機亜リン酸のカリウム塩等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カリウムアルコキシドとしては、カリウムイソプロポキシド、カリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−アミロキシド、カリウム−n−ヘプタオキシド等の一般式RCHOK(Rは、水素原子又は炭素数が1〜10の炭化水素基である。)で表されるものが挙げられる。
脂肪酸のカリウム塩としては、2−エチルヘキサン酸、イソバレリアン酸、カプリル酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸等のカリウム塩が挙げられる。
芳香族カルボン酸のカリウム塩としては、安息香酸、フタル酸等のカリウム塩が挙げられる。
有機スルホン酸のカリウム塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸等のカリウム塩が挙げられる。
また、有機亜リン酸のカリウム塩としては、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジラウリル、亜リン酸ジフェニル等のカリウム塩が挙げられる。
上記カリウム化合物の使用量は、リチウム系多官能重合開始剤とするために用いられる有機リチウム化合物のリチウム1グラム原子当量あたり、好ましくは0.005〜0.5モルの量である。上記カリウム化合物の使用量が0.005モル未満では、その添加効果(リチウム系多官能重合開始剤による反応性向上、芳香族ビニル化合物のランダム化又は単連鎖付与)が十分ではない場合があり、一方、0.5モルを超えると、重合活性が低下し、生産性を大幅に低下させることになるとともに、重合体末端を官能基で変性する反応を行う際の変性効率が低下する場合がある。
尚、上記カリウム化合物を用いる場合の使用方法は特に限定されないが、重合開始剤と併用することが好ましい。
更に、上記工程〔I〕〜〔III〕の各段階で得られた重合体の活性な末端に対し、エチレンオキシド、炭酸ガス、ジアルキルアミノベンズアルデヒド、べンゾフェノン、4,4’−ジアルキルアミノべンゾフェノン、N−メチルオキサゾリジノン、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、二硫化炭素、テトラアルコキシシラン、アルキルトリフェノキシシラン等の化合物を用いて停止することにより、−OH基、−COOH基、−NR基、−NHR基、−NCO基、−CSSH基、−Si(OR)基等(Rは、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、nは1〜3の整数である。)の官能基を導入することができる。
尚、上記工程〔I〕〜〔III〕を適宜繰り返すことにより、前述のような、上記1−3項で説明した態様(2)〜(6)等の構造を有するブロック共重合体の水添前重合体を容易に得ることができる。その場合には、目的、用途に応じて、各工程において使用する単量体の種類及び使用量を変更してもよい。但し、重合体ブロックA’どうしの間隔が一定、即ち、重合体ブロックB’の重量平均分子量を所定の値で一定とするためには、例えば、上記1−3項で説明した態様(2)〜(6)等の構造を有するブロック共重合体とする場合、繰り返すこととなる工程〔II〕の条件を同一として、同一の重合体ブロックB’を形成すること、又は、重量平均分子量が最初に形成されたB’と同等となるように種類の異なる重合体ブロックB’を形成する条件で重合を進めることが好ましい。
上記工程〔I〕〜〔III〕を備えることにより得られた重合体(P3)に対し、水素添加を行うことにより、ブロック共重合体を得ることができる。
水素添加の方法は特に限定されないが、水添前重合体を構成する各重合体ブロックに対する水添率が所定のものとすることができるのであれば、いずれの方法及び条件を適用することができる。通常、水添前重合体に対し、触媒の存在下、所定圧力の水素ガス雰囲気中、0〜150℃の範囲の温度の条件により、水素添加反応が行われる。
触媒としては、例えば、(i)ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、レニウム等の金属がカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持されてなる触媒、(ii)リン化合物を配位子とする0〜2価の錯体化合物、(iii)チタン元素を含む有機化合物又は有機金属化合物(四塩化チタン、チタノセンジクロライド、チタノセンジフェニル、チタノセンジトリル、チタノセンジベンジル等)、(iv)鉄、ニッケル、コバルト、ジルコニウム等の遷移金属元素を含む有機化合物(ジルコノセンジクロライド、トリスアセチルアセトナート鉄、トリスアセチルアセトナートコバルト、オクタン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ビスアセチルアセトナートニッケル、オクタン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル等)と、周期表第1〜3族の有機リチウム、ポリマーリチウム、アルキルマグネシウム化合物(ジアルキルマグネシウム、グリニャール試薬等)、アルキルアルミニウム化合物(トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウム・クロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライド等)、アルキル亜鉛化合物等から選ばれる有機金属化合物とからなる触媒、等が挙げられる。これらのうち、(iii)チタン元素を含む有機化合物又は有機金属化合物(四塩化チタン、チタノセンジクロライド、チタノセンジフェニル、チタノセンジトリル、チタノセンジベンジル等)が好ましい。
上記触媒を用いた水素反応は、通常、0〜150℃の範囲で行われる。水素ガスの圧力は、1〜100kgf/cmの範囲で行われる。また、反応時間は、通常、5分〜24時間の範囲である。
上記工程等により得られた水添前重合体(P3)に対し、上記条件による水素添加を行うことにより、水添前重合体(P3)を構成する各重合体ブロックに対する水素添加の速度を異なるものとすることができる。即ち、上記工程〔I〕及び〔III〕において形成された重合体ブロックA’及びA’に対する水添率をいずれも20%未満、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%、特に好ましくは0%とし、且つ、上記工程〔II〕において形成された重合体ブロックB’に対する水添率を80〜100%、好ましくは85〜100%、より好ましくは90〜98%とすることができる。
また、ブロック共重合体は、共役ジエン化合物を含む単量体(t1)を重合する工程〔I〕と、得られた重合体(P1)の存在下に、共役ジエン化合物を含む単量体(t2)を重合する工程〔II〕と、得られた重合体(P4)を多官能性のカップリング剤を用いてカップリングする工程〔IV〕と、を備えることにより得られた重合体(P5)を水素添加させて得られたブロック共重合体であり、上記工程〔I〕において形成された重合体ブロックにおける水添率が20%未満であり、且つ、上記工程〔II〕において形成された重合体ブロックにおける水添率が80〜100%であるものとすることができる。工程〔I〕、〔II〕及び〔IV〕を備えることによって、上記1−3項で説明した態様(7)の構造、即ち、(A−B)Xの構造を有するブロック共重合体とするための水添前重合体(A’−B’)Xが得られる。
尚、工程〔I〕及び〔II〕は、上記記載と同様とすることができる。また、上記水添前重合体(A’−B’)Xとするために、上記工程〔I〕及び〔II〕は、少なくとも2回ずつ交互に行うものである。上記工程〔I〕及び〔II〕をそれぞれ2回以上繰り返す場合には、目的、用途に応じて、各工程において使用する単量体の種類及び使用量を変更してもよい。
工程〔IV〕において、重合体(P4)に対し、多官能性のカップリング剤を用いてカップリングを行う。この多官能性のカップリング剤としては、四塩化ケイ素、メチル三塩化ケイ素、ジメチルジクロロケイ素、トリメチルクロロケイ素、四臭化ケイ素等のハロゲン化ケイ素化合物、テトラエトキシケイ素、テトラフェノキシケイ素等のアルコキシケイ素化合物、四塩化スズ、メチル三塩化スズ、ジブチルジクロロスズ、トリブチルクロロスズ等のハロゲン化スズ化合物、テトラアリルスズ、ジエチルジアリルスズ、テトラ(2−オクテニル)スズ等のアリルスズ化合物、テトラフェニルスズ、テトラベンジルスズ等の芳香族系スズ化合物、四塩化ゲルマニウム等のハロゲン化ゲルマニウム、アジピン酸ジエチル、1,2−ジブロモエタン、ジビニルベンゼン、1,4−クロロメチルベンゼン等が挙げられる。これらのカップリング剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
工程〔IV〕におけるカップリングは、通常、0〜120℃の範囲で行われ、一定温度で行ってもよいし、昇温させながら行ってもよい。また、反応時間は、通常、1分〜2時間の範囲である。
上記工程〔I〕、〔II〕及び〔IV〕を備えることにより得られた重合体(P5)に対し、上記と同様にして水素添加を行うことにより、上記1−3項で説明した態様(7)の構造を有するブロック共重合体を得ることができる。この水素添加において、水添前重合体(P5)に対し、上記条件による水素添加を行うことにより、水添前重合体(P5)を構成する各重合体ブロックに対する水素添加の速度を異なるものとすることができる。即ち、上記工程〔I〕において形成された重合体ブロックA’に対する水添率を20%未満、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%、特に好ましくは0%とし、且つ、上記工程〔II〕において形成された重合体ブロックB’に対する水添率を80〜100%、好ましくは85〜100%、より好ましくは90〜98%とすることができる。
また、ブロック共重合体は、共役ジエン化合物を含む単量体(t1)を重合する工程〔I〕と、得られた重合体(P1)の存在下に、共役ジエン化合物を含む単量体(t2)を重合する工程〔II〕と、得られた重合体(P2)の存在下に、共役ジエン化合物を含む単量体(t3)を重合する工程〔III〕と、得られた重合体(P3)を多官能性のカップリング剤を用いてカップリングする工程〔V〕と、を備えることにより得られた重合体(P6)を水素添加させて得られたブロック共重合体であり、上記工程〔I〕及び〔III〕において形成された重合体ブロックにおける水添率がそれぞれ20%未満であり、且つ、上記工程〔II〕において形成された重合体ブロックにおける水添率が80〜100%であるものとすることができる。工程〔I〕、〔II〕、〔III〕及び〔V〕を備えることによって、上記1−3項で説明した態様(8)〜(11)等の構造を有するブロック共重合体とするための水添前重合体、例えば、(A’−B’−A’)X、(A’−B’−A’−B’−A’)X、(A’−B’−A’−B’−A’)X、(A’−B’−A’−B’−A’)X等が得られる。
尚、工程〔I〕、〔II〕及び〔III〕は、上記記載と同様とすることができる。また、上記工程〔I〕〜〔III〕は、適宜繰り返し行ってもよい。その場合には、目的、用途に応じて、各工程において使用する単量体の種類及び使用量を変更してもよい。但し、重合体ブロックA’どうしの間隔が一定、即ち、重合体ブロックB’の重量平均分子量を所定の値で一定とするために、繰り返すこととなる工程〔II〕の条件を同一として、同一の重合体ブロックB’を形成すること、又は、重量平均分子量が最初に形成されたB’と同等となるように種類の異なる重合体ブロックB’を形成する条件で重合を進めることが好ましい。
工程〔V〕におけるカップリングは、上記工程〔IV〕と同様とすることができる。また、上記工程〔I〕、〔II〕、〔III〕及び〔V〕を備えることにより得られた重合体(P6)に対し、上記と同様にして水素添加を行うことにより、上記1−3項で説明した態様(8)〜(11)等の構造を有するブロック共重合体を得ることができる。この水素添加において、水添前重合体(P6)に対し、上記条件による水素添加を行うことにより、水添前重合体(P6)を構成する各重合体ブロックに対する水素添加の速度を異なるものとすることができる。即ち、上記工程〔I〕及び〔III〕において形成された重合体ブロックA’に対する水添率を20%未満、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%、特に好ましくは0%とし、且つ、上記工程〔II〕において形成された重合体ブロックB’に対する水添率を80〜100%、好ましくは85〜100%、より好ましくは90〜98%とすることができる。
尚、上記各態様において、水素添加反応の後、重合溶液より触媒の残さを除去する工程、フェノール系又はアミン系の老化防止剤を添加する工程等を経て、重合溶液に、アセトン、アルコール等を添加することにより沈殿せしめる方法、重合溶液を攪拌下の熱湯中に投入し、溶媒を蒸留除去する方法等により、ブロック共重合体を容易に単離することができる。
得られたブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは7,000〜1,000,000の範囲にあり、好ましくは25,000〜900,000、より好ましくは50,000〜800,000である。また、重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)は、好ましくは1〜5の範囲にあり、好ましくは1〜3、より好ましくは1.1〜2.5である。
以上の説明では、重合体ブロックA’及びB’を交互に形成させて水添前重合体を製造し、その後、水素添加反応させることにより、ブロック共重合体を得た。
他の製造方法として、例えば、上記1−3項で説明した態様(1)の構造を有するブロック共重合体について説明する。まず、重合体B’を先に製造し、その後、一度に重合体ブロックA’を付加させて水添前重合体とし、次いで、水素添加反応を行うことによりブロック共重合体を得ることができる。この場合、形成された2つの重合体ブロックA’は同一のものである。尚、重合体ブロックA’の形成に際しては、所定の単量体(t1)を、極性化合物の存在下に重合させることが好ましい。この極性化合物としては、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2,2−(ビステトラヒドロフルフリル)プロパン、ビステトラヒドロフルフリルホルマール、テトラヒドロフルフリルアルコールのメチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコールのエチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコールのブチルエーテル、α−メトキシテトラヒドロフラン、ジメトキシベンゼン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物;トリエチルアミン、ピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、N,N−ジエチルエタノールアミンのメチルエーテル、N,N−ジエチルエタノールアミンのエチルエーテル、N,N−ジエチルエタノールアミンのブチルエーテル等の第3級アミン化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係る上記態様(2)又は(8)の構造を有するブロック共重合体は、構造の規則性に優れるため、ゴム組成物とする際の加工性にも優れる。更には、架橋した場合には、重合体ブロックAが有するエチレン性不飽和結合を利用した架橋結合により、架橋重合体が規則的な網目構造を形成することとなるため、各種物性、例えば、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性に優れた架橋ゴム組成物とすることができる。尚、この架橋ゴム組成物は、ゴム製品に配合される、後述の各種添加剤、例えば、シリカ等の充填剤、プロセスオイル等の軟化剤、老化防止剤、加工助剤等を含有する場合であっても、これらの配合効果を併せ持つ性質を有する。
架橋重合体の形成に用いる架橋剤としては特に限定されず、上記ブロック共重合体を構成する重合体ブロックAに含まれるエチレン性不飽和結合を利用して架橋結合を形成させ得るもの、あるいは、芳香族ビニル化合物からなる単量体単位を含む場合の、芳香環に結合しているアルキル基と少なくとも反応して架橋結合を形成させ得るもの等が好ましく、硫黄、含硫黄化合物、有機過酸化物等が挙げられる。
硫黄としては、粉末硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄等が挙げられる。また、含硫黄化合物としては、(ポリ)スルフィド化合物等が挙げられる。
有機過酸化物としては、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3、3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、上記架橋剤のうち、硫黄を用いる場合には、加硫促進剤、加硫助剤等を併用することができる。
加硫促進剤としては、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系、グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系等の化合物が挙げられる。
チウラム系加硫促進剤としては、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド(TRA)等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、加硫助剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸等の高級脂肪酸等が挙げられる。
上記ブロック共重合体と、上記架橋剤とを、好ましくは室温〜220℃の範囲の加熱下で混合することにより得られた架橋重合体は、規則的な網目構造を形成するため、各種物性、例えば、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性に優れた成形品として好適である。
.ゴム組成物
本発明のゴム組成物は、上記ブロック共重合体と、カーボンブラック又はシリカの充填剤とを含む。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト等が挙げられる。これらのカーボンブラックは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのカーボンブラックのうち、ファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、MAF、FEF、FEF−LS、GPF、GPF−HS、GPF−LS、SRF、SRF−HS、SRF−LM等の種々のグレードのものが挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は特に制限されないが、通常、5〜200m/gであり、好ましくは10〜150m/g、より好ましくは20〜130m/gである。窒素吸着比表面積が上記範囲にあれば、架橋ゴム組成物の引張強度、耐摩耗性等が特に優れる。
また、カーボンブラックのDBP吸着量は特に制限されないが、通常、5〜300ml/100g、好ましくは20〜200ml/100g、より好ましくは50〜160ml/100gである。DBP吸着量が上記範囲にあれば、架橋ゴム組成物の引張強度、耐摩耗性等が特に優れる。
シリカとしては、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカ等が挙げられる。これらのシリカは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。
シリカの比表面積は特に制限されないが、窒素吸着比表面積で、通常、50〜400m/g、好ましくは100〜250m/g、更に好ましくは120〜220m/gである。窒素吸着比表面積が上記範囲にあれば、架橋ゴム組成物の引張強度、耐摩耗性等が特に優れる。ここで、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じ、BET法で測定された値である。
上記のカーボンブラック及びシリカは、単独であるいは組み合わせて用いることができる。
充填剤としてカーボンブラックのみを用いる場合、このカーボンブラックの含有量は、上記ブロック共重合体100質量部に対し、好ましくは20〜120質量部、より好ましくは30〜100質量部、更に好ましくは40〜90質量部である。カーボンブラックの含有量が120質量部を超えると、過剰のカーボンブラックが破壊点となり引張強度が低下する場合、ヒステリシスロスの増大と共に耐摩耗性が低下する場合がある。
充填剤としてシリカのみを用いる場合、このシリカの含有量は、上記ブロック共重合体100質量部に対し、好ましくは20〜140質量部、より好ましくは30〜120質量部、更に好ましくは40〜100質量部である。シリカの含有量が140質量部を超えると、過剰のシリカが破壊点となり引張強度が低下する場合、ヒステリシスロスの増大と共に耐摩耗性が低下する場合がある。
尚、充填剤として、カーボンブラック及びシリカを併用してもよく、この場合、カーボンブラック及びシリカの含有量の合計は、上記ブロック共重合体100質量部に対し、好ましくは20〜140質量部、より好ましくは30〜120質量部、更に好ましくは40〜100質量部である。このときのカーボンブラック及びシリカの割合は、両者の合計を100質量%とした場合、好ましくは5〜95質量%/95〜5質量%、より好ましくは10〜90質量%/90〜10質量%である。
尚、本発明のゴム組成物は、上記充填剤のほか、アルミナ一水和物(Al・HO)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、二酸化チタン(TiO)、チタンブラック(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(CaSiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、カーボンブラック・シリカ・デュアルフェイズフィラー等の無機系充填剤、高分子フィラー等の有機系充填剤等を含有してもよい。
本発明のゴム組成物は、更に、軟化剤、加硫剤を含む架橋剤、加硫促進剤、加硫助剤、シランカップリング剤、老化防止剤、可塑剤、粘着付与剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤等の各種添加剤、他の重合体等を含有してもよい。
軟化剤としては、プロセスオイル、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の鉱物油;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の植物油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸又はその金属塩;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記軟化剤の配合量は、上記ブロック共重合体を含む重合体成分の合計100質量部に対し、好ましくは60質量部以下、より好ましくは55質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。
架橋剤は、上記例示したものを用いることができ、その配合量は、上記ブロック共重合体を含む重合体成分の合計100質量部に対し、好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.3〜10質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部である。
加硫促進剤は、上記例示したものを用いることができ、その配合量は、上記ブロック共重合体を含む重合体成分の合計100質量部に対し、好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.3〜10質量部、更に好ましくは1〜10質量部である。
シランカップリング剤は、充填剤としてシリカを用いる場合に配合することにより、得られる加硫ゴム組成物の耐摩耗性等を向上させることができる。その例としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカを100質量部とした場合に、好ましくは1〜20質量部、特に好ましくは2〜15質量部である。
老化防止剤としては、アミン類、フェノール類等が挙げられる。
可塑剤としては、リン酸トリブチル等のリン酸エステル、フタル酸ジブチル、オレイン酸ブチル、アジピン酸ジブチル等の酸エステル、塩素化パラフィン等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
先ず、上記ブロック共重合体を含む重合体成分と、充填剤と、軟化剤等の添加剤とをバンバリーミキサー等の混練機を用いて、通常、70〜180℃の温度で混練する。その後、混練物を冷却する。次いで、硫黄等の架橋剤、加硫促進剤等を添加して、更に混練することによりゴム組成物が得られる。
本発明のゴム組成物は、加硫ゴム組成物とした場合、引張特性、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性に優れる。
4.成形品
本発明の成形品は、上記ゴム組成物を用いて得られたことを特徴とする。即ち、本発明の成形品は、少なくとも上記架橋重合体を含む。
本発明の成形品は、例えば、上記ゴム組成物を、所定形状を有する金型等に導入することにより得ることができる。架橋の方法は、含有される架橋剤に応じて選択される。
本発明の成形品は、加硫ゴム組成物からなるものであり、JIS K6301に準じて測定される引張強度を、好ましくは20MPa以上、より好ましくは25MPa以上、更に好ましくは30MPa以上とすることができる。
また、後述する実験方法によるランボーン摩耗指数は、バッチ重合によるブタジエン・イソプレン・スチレン共重合体(Mw=11.5万、Mw/Mn=1.15)を用いた場合に比べ、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは1.6倍以上、更に好ましくは1.7倍以上高い。
本発明の成形品としては、トレッド、サイドウォール、カーカス等のタイヤ用ゴム製品、防振ゴム、各種ベルト、各種ローラー、各種シール材等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り質量基準である。
各種測定項目及びその測定方法は下記の通りである。
(1)エチレン性不飽和結合の含有量
水素添加前後の重合体のH−NMRの比較によって求めた。
(2)重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置(型式「244型」、ウォーターズ社製)を用いて、ポリスチレン換算で求めた。
(3)加工性
混練後のダンプゴムのまとまり及び試験片表面の光沢を目視検査して、下記基準で評価した。「◎」は、ゴムのまとまり状態と表面光沢が非常に良好、「○」は良好、「△」はやや悪い、「×」は、ダンプゴムがバラバラでまとまっておらず、ゴム表面の光沢もない状態であることを示す。
(4)引張強度
JIS K6301に従って測定した。
(5)ランボーン摩耗指数
ランボーン型摩耗試験機を用い、50℃におけるスリップ率が60%のときの摩耗量を測定した。
(6)耐オゾン性
測定条件は、オゾン濃度を50ppm、伸長を20%、測定温度を50℃とし、5時間後、25時間後、50時間後の各試験片の表面を、目視検査で、以下の判定基準により評価した。
〔クラックの数〕 A;なし
B;数個
C;少数点在
D;多数
E;無数
〔クラックの大きさ〕 1;なし
2;肉眼でようやく見える
3;肉眼ではっきり見える
4;小クラック(1mm以下)
5;中クラック(1〜3mm)
6;粗大クラック(3mm以上)
評価結果は、例えば、肉眼でようやく見えるクラックが数個あるときは、「B−2」と表示した。
(7)耐熱老化性
耐熱老化性は、試験片を100℃のギアオーブン中、48時間静置した後の引張強度及び引張伸びを測定し、ギアオーブンへの投入前に測定した値対比の変化率を示した。尚、引張強度は、JIS K6301に従って測定した。
1.ブロック共重合体の製造
参考例1−1
内容積5リットルのオートクレーブに、脱気脱水したシクロヘキサン2,400gと、テトラヒドロフラン(THF)12.0gと、イソプレン31gとを仕込んだ後、n−ブチルリチウム(nBuLi)0.5g(7.81mmol)を加え、40℃から50℃への昇温重合を行った。重合転化率が100%となったことを確認した後、1,3−ブタジエン265g及びスチレン88gを添加し、50℃から80℃への昇温重合を行った。更に重合転化率100%を確認した後、イソプレン16gを加え、80〜85℃で15分間重合を行った。その後、カップリング剤として四塩化ケイ素0.315g(1.85mmol)を添加し15分間カップリング反応を行い、水添前ブロック共重合体を含む重合溶液を得た。
一方、別の容器を用い、チタノセンジクロライド1.95gをシクロヘキサン30mlに分散させて、トリエチルアルミニウム2.68gを加えて室温で反応させた。その後、得られた暗青色の見かけ上均一な溶液を、上記で得られた重合溶液に加えて混合し、5.0kgf/cmの水素ガス圧力下、50℃で水素添加反応を2時間行った。次いで、メタノール・塩酸溶液を用いて重合体と溶媒を分離し、その後、2,6−ジ−tert−ブチルカテコール3.5gを加えて減圧乾燥を行うことにより、部分水添されたブロック共重合体(a)を得た。このブロック共重合体の構造は、(A−B−AX型であり、1段目重合により形成された重合体ブロックA’に対する水添率は0%、2段目重合により形成された重合体ブロックB’に対する水添率は99%、そして、3段目重合により形成された重合体ブロックA’に対する水添率は0%であった。また、重量平均分子量は357,000であり、Mw/Mnは1.35であり、重合体ブロックA及びBの各構成量、各重量平均分子量及び各エチレン性不飽和結合の含有量とともに表1に示した。
参考例1−2〜1−9
水添前ブロック共重合体を得るために用いる単量体化合物の種類及びその使用量、nBuLiの使用量、THFの使用量、並びに、カップリング剤の種類及びその使用量を表1及び表2に示すように変量した以外は、参考例1−1と同様にして重合反応及び水素添加反応を行い、ブロック共重合体(b)〜(i)を得た。得られた各ブロック共重合体について、構造及び重量平均分子量、重合体ブロックA及びBの各構成量、並びに、各重量平均分子量及び各エチレン性不飽和結合の含有量を表1及び表2に併記した。
尚、参考例1−2のブロック共重合体(b)は、THFの使用量を参考例1−1で用いた量の1/10を用いてなるものであり、各重合体ブロックのジエンユニットのミクロ構造を変化させたものである。
また、参考例1−9のブロック共重合体(i)は、1段目重合により形成された重合体ブロックA’が1,2−結合量が少ない重合体ブロックであり、2段目重合により形成された重合体ブロックB’が1,2−結合量の多い重合体ブロックである水添前ブロック共重合体の直鎖状分子鎖の1,2−結合部を選択的に水素添加して得られたものである。
Figure 0005140918
Figure 0005140918
参考例1−10
参考例1−5と同様にして(A−BX型の直鎖状重合体を合成し、水素添加反応を行わなかったブロック共重合体を、ブロック共重合体(j)とした。得られたブロック共重合体(j)について、構造及び重量平均分子量、重合体ブロックA及びBの各構成量、並びに、各重量平均分子量及び各エチレン性不飽和結合の含有量を表3に記した。
参考例1−11
参考例1−5における2段目重合成分として、1,3−ブタジエンの代わりにイソプレンを用いた以外は、参考例1−5と同様にして部分水添されたブロック共重合体(k)を得た。得られたブロック共重合体(k)について、構造及び重量平均分子量、重合体ブロックA及びBの各構成量、並びに、各重量平均分子量及び各エチレン性不飽和結合の含有量を表3に記した。
参考例1−12
内容積5リットルのオートクレーブに、脱気脱水したシクロヘキサン2,400gと、THF16.8gと、1,3−ブタジエン272gと、イソプレン28gと、スチレン100gとを仕込んだ後、nBuLi0.80gを加え、30℃から80℃への昇温重合を行った。重合転化率が100%となったことを確認した後、ジメチルジクロロケイ素0.682gを添加し15分間カップリング反応を行った。次いで、得られた重合溶液の半量をブローダウンし、2,6−ジ−tert−ブチルカテコール3.5gを加えて水蒸気蒸留を行うことにより脱溶剤した。その後、熱ロールを用いて110℃で乾燥し、水素添加されておらず、且つ、カップリングされた重合体(l)を得た。得られた共重合体(l)について、構造及び重量平均分子量、重合体ブロックAの構成量、重量平均分子量及びエチレン性不飽和結合の含有量を表3に記した。
参考例1−13
参考例1−3で得られた重合溶液の残りの半量を用い、参考例1−1と同様にして水素添加することにより、ランダム構造のスチレン・イソプレン・ブタジエン三元共重合体の水添重合体(m)を得た。得られた共重合体(m)について、構造及び重量平均分子量、重合体ブロックAの構成量、重量平均分子量及びエチレン性不飽和結合の含有量を表3に記した。
参考例1−14
THFの初期仕込み量を10倍に増やし、2段目以降に追加する単量体の添加時にTHFを添加しなかった以外は、参考例1−9と同様にして、水添ブロック共重合体(n)を得た。得られたブロック共重合体(n)について、構造及び重量平均分子量、重合体ブロックA及びBの各構成量、並びに、各重量平均分子量及び各エチレン性不飽和結合の含有量を表4に記した。
参考例1−15及び1−16
水添前ブロック共重合体を得るために用いる単量体化合物の種類及びその使用量、nBuLiの使用量及びTHFの使用量を表4に示すように変量した以外は、参考例1−1と同様にして重合反応及び水素添加反応を行い、ブロック共重合体(o)及び(p)を得た。得られた各ブロック共重合体について、構造及び重量平均分子量、重合体ブロックA及びBの各構成量、並びに、各重量平均分子量及び各エチレン性不飽和結合の含有量を表4に併記した。
Figure 0005140918
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2.ゴム組成物の製造及びその評価
実験例2−1〜2−及び実験例3−1〜3−11
上記で得たブロック共重合体又は共重合体と、カーボンブラック(商品名「ダイヤブラックN339」、三菱化学社製)と、シリカ(商品名「Nipsil AQ」、東ソー・シリカ社製)と、シランカップリング剤(商品名「Si75」、デグッサ社製)とを、表5〜表7に示す割合で混練機(商品名「ラボプラストミル」、東洋精機社製)に投入し、90〜145℃で混練した。その後、一度混練ゴムをダンプし、更に、硫黄、加硫促進剤(i)(商品名「NOCCELER DM」、大内新興化学工業社製)、加硫促進剤(ii)(商品名「NOCCELER TTTE」、大内新興化学工業社製)を投入して、同一混練機で混練した。次いで、所定形状及び大きさの各種評価用金型で加硫して加硫物を得た。
この評価用加硫物を用い、加工性、引張強度、ランボーン摩耗指数、耐オゾン性及び耐熱老化性について評価した。その結果を表5〜表7に併記した。
尚、ランボーン摩耗指数は、実験例3−7の値を100とした指数で表した。数値が高いほど耐摩耗性に優れることを意味する。
Figure 0005140918
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表7より、以下のことが分かる。即ち、実験例3−5は、本発明の範囲外のブロック共重合体(j)を用いた例であり、引張強度、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性に劣る。実験例3−6は、本発明の範囲外のブロック共重合体(k)を用いた例であり、上記実験例3−5と同様、引張強度、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性に劣る。実験例3−7は、重合体ブロックAのみを含む重合体(l)を用いた例であり、引張強度、耐オゾン性及び耐熱老化性に劣る。実験例3−8は、重合体ブロックAのみを含む重合体(m)を用いた例であり、引張強度及び耐摩耗性に劣る。実験例3−9は、本発明の範囲外であるブロック共重合体(n)を用いた例であり、引張強度及び耐熱老化性に劣る。実験例3−10は、本発明の範囲外のブロック共重合体(o)を用いた例であり、非架橋スペーサーとしての重合体ブロックBが少なすぎ(短すぎて)架橋点間のコントロールされた架橋物とならない(一般的なのジエン系ランダム重合体の架橋物と差がなくなってくる)ので、架橋物の引張強度及び耐摩耗性に劣る。実験例3−11は、重合体ブロックA及びAのMwがそれぞれ、700及び600と小さいブロック共重合体(p)を用いた例であり、重合体ブロックAの鎖長が短すぎて十分な架橋を形成することができないため、引張強度及び耐摩耗性に劣る。
一方、表5及び表6より、実験例2−1〜2−2及び実験例3−1〜3−3は、加工性が良好であり、引張強度、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性の物性バランスに優れることが分かる。
本発明のゴム組成物は、架橋することによって、引張強度、耐摩耗性、耐オゾン性及び耐熱老化性に優れ、これを用いてなる成形品は、トレッド、サイドウォール、カーカス等のタイヤ用ゴム製品、防振ゴム、各種ベルト、各種ローラー、各種シール材等として有用である。

Claims (14)

  1. ブロック共重合体と、カーボンブラックとを含むゴム組成物であって、
    上記ブロック共重合体は、エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロック2つと、該重合体ブロックの間にある他の重合体ブロックと、を備え、上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックをA及びA(但し、A及びAは同一でもよいし、異なってもよい。)とし、上記他の重合体ブロックをBとした場合、(A−B−AX(但し、sは、1〜6より選ばれる整数であり、Xは、カップリング剤の残基である。)の構造を有し、
    上記重合体ブロックAは、共役ジエン化合物からなり且つ1,4−結合を含む単量体単位(a11)を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
    上記重合体ブロックBは、共役ジエン化合物からなる単量体単位(b11)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(b12)を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の0〜20%がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
    上記重合体ブロックAは、共役ジエン化合物からなり且つ1,4−結合を含む単量体単位(a21)を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
    上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックの重量平均分子量は、1,000〜20,000の範囲にあり、
    上記他の重合体ブロックの重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲にあることを特徴とするゴム組成物。
  2. 上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックの構成量の合計は、上記ブロック共重合体に対し1〜80質量%であり、且つ、上記他の重合体ブロックの構成量の合計は、上記ブロック共重合体に対し99〜20質量%である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 上記ブロック共重合体の重量平均分子量が7,000〜1,000,000の範囲にあり、該重量平均分子量及び数平均分子量の比が1〜5の範囲にある請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 上記重合体ブロックA及び上記重合体ブロックAの形成に用いた共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン及び1,3−ペンタジエンから選ばれた少なくとも1種である請求項1乃至3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 上記重合体ブロックBの形成に用いた共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン及び1,3−ペンタジエンから選ばれた少なくとも1種であり、
    上記重合体ブロックBの形成に用いた芳香族ビニル化合物が、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン及び4−tert−ブチルスチレンから選ばれた少なくとも1種である請求項1乃至4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 上記カーボンブラックの含有量は、上記ブロック共重合体100質量部に対し、20〜120質量部である請求項1乃至5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のゴム組成物を用いて得られたことを特徴とする成形品。
  8. ブロック共重合体と、シリカとを含むゴム組成物であって、
    上記ブロック共重合体は、エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロック2つと、該重合体ブロックの間にある他の重合体ブロックと、を備え、上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックをA及びA(但し、A及びAは同一でもよいし、異なってもよい。)とし、上記他の重合体ブロックをBとした場合、A−B−A−B−Aの構造を有し、
    上記重合体ブロックAは、共役ジエン化合物からなり且つ1,4−結合を含む単量体単位(a11)、又は、該単量体単位(a11)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(a12)の両方を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
    上記重合体ブロックBは、共役ジエン化合物からなる単量体単位(b11)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(b12)を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の0〜20%がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
    上記重合体ブロックAは、共役ジエン化合物からなり且つ1,4−結合を含む単量体単位(a21)、又は、該単量体単位(a21)及び芳香族ビニル化合物からなる単量体単位(a22)の両方を含み、該共役ジエン化合物に由来する不飽和結合の80%以上がエチレン性不飽和結合として含まれる重合体ブロックであり、
    上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックの重量平均分子量は、1,000〜20,000の範囲にあり、
    上記他の重合体ブロックの重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲にあることを特徴とするゴム組成物。
  9. 上記エチレン性不飽和結合を有する重合体ブロックの構成量の合計は、上記ブロック共重合体に対し1〜80質量%であり、且つ、上記他の重合体ブロックの構成量の合計は、上記ブロック共重合体に対し99〜20質量%である請求項8に記載のゴム組成物。
  10. 上記ブロック共重合体の重量平均分子量が7,000〜1,000,000の範囲にあり、該重量平均分子量及び数平均分子量の比が1〜5の範囲にある請求項8又は9に記載のゴム組成物。
  11. 上記重合体ブロックA及び上記重合体ブロックAの形成に用いた共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン及び1,3−ペンタジエンから選ばれた少なくとも1種である請求項8乃至10のいずれかに記載のゴム組成物。
  12. 上記重合体ブロックBの形成に用いた共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン及び1,3−ペンタジエンから選ばれた少なくとも1種であり、
    上記重合体ブロックBの形成に用いた芳香族ビニル化合物が、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン及び4−tert−ブチルスチレンから選ばれた少なくとも1種である請求項8乃至11のいずれかに記載のゴム組成物。
  13. 上記シリカの含有量は、上記ブロック共重合体100質量部に対し、20〜140質量部である請求項8乃至12のいずれかに記載のゴム組成物。
  14. 請求項8乃至13のいずれかに記載のゴム組成物を用いて得られたことを特徴とする成形品。
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