JP5140607B2 - 圧延機の制御装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延機に係わり、より詳細には被圧延材の巻出しおよび巻取りに用いるテンションリールの制御に係わる圧延機の制御装置およびその制御方法に関する。
図8は、従来の圧延機の一例として最も単純なシングルスタンド圧延機S100の制御構成を示す概念図である。
シングルスタンド圧延機S100は、圧延機1の圧延方向(図8中、矢印で示す)に対して圧延機1の入側に、被圧延材uを繰り出す入側テンションリール2(以下、入側TR2と称す)を有し、出側に、圧延機1で圧延された被圧延材uを巻き取る出側テンションリール3(以下、出側TR3と称す)を有している。
入側TR2および出側TR3は、それぞれ電動機にて駆動され、この電動機と電動機を駆動制御するための装置として、それぞれ入側TR制御装置5および出側TR制御装置6が設置されている。
この構成により、シングルスタンド圧延機S100における圧延は、入側TR2から巻き出された被圧延材uを圧延機1で圧延した後、出側TR3で巻き取ることにより行われる。
ここで、圧延機1には、上作業ロールRs1と下作業ロールRs2との間の距離であるロールギャップを変更することで、被圧延材uの圧延後の板厚(製品板厚)を制御するためのロールギャップ制御装置7と、圧延機1の速度(上・下作業ロールRs1、Rs2の周速度)を制御するためのミル速度制御装置4が設置されている。
圧延時、圧延速度設定装置10より速度指令がミル速度制御装置4に対して出力され、ミル速度制御装置4は、圧延機1の速度(上・下作業ロールRs1、Rs2の周速度)を一定とするような制御を実施する。
圧延機1の入側(図8の圧延機1の左側)、出側(図8の圧延機1の右側)では、被圧延材uに張力をかけることで圧延を安定かつ効率的に実施する。
そのために必要な張力を計算するのが、入側張力設定装置11および出側張力設定装置12である。
入側・出側張力設定装置11、12にて計算された入側および出側張力設定値から、それぞれ入側張力電流変換装置15および出側張力電流変換装置16において、入側および出側の設定張力を被圧延材uに加えるために入側TR2および出側TR3のそれぞれの電動機の必要な電動機トルクを得るための電流値を求め、それぞれの電流値を入側TR制御装置5および出側TR制御装置6に与える。
入側TR制御装置5および出側TR制御装置6では、それぞれ与えられた電流となるように電動機の電流を制御し、入側TR2および出側TR3に与えられるそれぞれの電動機トルクにより被圧延材uに所定の張力を与える。
入側・出側張力電流変換装置15、16は、TR(テンションリール)機械系およびTR(テンションリール)制御装置のモデルに基き張力設定値となるような電流設定値(電動機トルク設定値)を演算するが、制御モデルに誤差を含むため、圧延機1の入側および出側に設置された入側張力計8および出側張力計9で測定された実績張力を用いて、入側張力制御13および出側張力制御14により張力設定値に補正を加えて、入側・出側張力電流変換装置15、16に付与し、入側・出側張力電流変換装置15、16が入側TR制御装置5および出側TR制御装置6へ設定する電流値を変更する。
また、被圧延材uの板厚は製品品質上重要であるため、板厚制御が実施される。
圧延機1の出側(図8の圧延機1の右側)の板厚は、出側板厚計17にて検出された実績板厚から出側板厚制御装置18が圧延機1のロールギャップをロールギャップ制御装置7を用いて、上・下作業ロールRs1、Rs2を操作することで制御される。
前記したように、シングルスタンド圧延機においては、巻取および巻出に用いられる出側TR3および入側TR2は、それぞれの電動機が発生するトルクを一定とするトルク一定制御が用いられ、入側・出側張力計8、9で検出した実績張力を用いて電動機電流指令を補正することで被圧延材uにかかる張力を一定とする制御が行われている。
なお、入側・出側TR2、3のそれぞれの電動機の電動機トルクは、電動機電流により得られるので、トルク一定制御を電流一定制御とする場合もある。(特許文献1および特許文献2参照。)
トルク一定制御でTR(テンションリール)制御を行う場合、特許文献3に示すように圧延機に適用される板厚制御と干渉して出側板厚精度が悪化するという問題が有る。出側板厚に対する影響は出側張力に比べて入側張力のほうが大きいので、圧延機1と入側TR2における問題点を、以下説明する。
図9は、従来のシングルスタンド圧延機S100の入側TR2と圧延機1間の圧延現象を示す概念図である。
図9に示すように、入側TR2においては、入側TR制御装置5の出力である電動機トルク22と、入側張力24(T)と機械条件(リール径Dおよびリールギア比Gr)より決定される張力トルク25との和、つまり電動機トルク22と張力トルク25との和を積分することで、入側TR(テンションリール)速度20が決定される。なお、Jは、入側TR2の慣性モーメント(kg・m)である。
圧延機1においては、ロールギャップ変更量23(=ΔS)を図示するような所定の係数(M/(M+Q))を積算した値と、圧延機1の入側張力24を図示するような所定の係数((∂P/∂T)/(M+Q))を積算した値とにより、出側板厚26が決定され、この決定された出側板厚26からマスフロー一定則により圧延機入側速度21が決定される。そして、圧延機入側速度21と入側TR速度20との差を積分したものが入側張力24となる。
なお、図9において、Mはミル定数M(kN/m)であり、Qは塑性定数Q(kN/m)であり、(∂P/∂T)/(M+Q)は、入側張力変動∂Tによる圧延荷重P(kN)の変動の出側板厚への影響係数(k)である。
圧延機1における、基本法則としてマスフロー一定則がある。これは、圧延機1の入側(図8に示す圧延機1左側)と圧延機1の出側(図8に示す圧延機1右側)の被圧延材uが連続することより、
H・V=h・V …… (1)
H : 圧延機1の入側板厚
h : 圧延機1の出側板厚
: 圧延機1の入側板速
: 圧延機1の出側板速
で表される。
マスフロー一定則の式(1)から、入側板厚一定の場合、入側板速が変動すると出側板厚が変動することを意味する。
シングルスタンド圧延機(図8に示す一つの圧延機1)の場合、入側板速は入側TR速度となる。入側TR2は、電動機トルク22に張力トルク25が合致するように入側TR速度20を変化させるが、この変化は入側TR2の慣性と圧延機1および圧延現象によって行われ、入側速度20の変化を抑制する制御手段がない。
そのため、圧延機1において、板厚制御で出側板厚(圧延機1の出側の被圧延材uの板厚)を一定とするためロールギャップ変更量23(=ΔS)を操作すると、それに応じて圧延機入側速度21(圧延機1の入側の被圧延材uの速度)が変化し、入側張力24(=ΔT)の偏差ΔTが発生する。
これを抑制するために入側TR速度20が変動するが、この変動によって出側板厚変動が発生する。入側TR2によって行われる入側張力抑制系27は圧延条件によっては特許文献3に示すように時定数が大きい場合が有り、大きなうねりを持つ出側板厚変動の原因となる場合がある。
入側張力24は、圧延現象によっても抑制される。入側張力24が変動すると、圧延機1の圧延荷重Pが変化し、それに伴って圧延機入側速度21が変動する。この入側張力圧延現象系28(図9参照)によっても入側張力24は変動する。入側張力圧延現象系28の応答は、入側張力抑制系27に比べて非常に速いため、図9の入側圧延現象は、図10のように変換できる。
なお、図10は、図9の圧延現象の部分を簡略化したブロック図である。
図10より、圧延機1のロールギャップ変更量23(=ΔS)は、同位相で入側張力24の偏差ΔTとなって表れ、それが入側TR2で積分された状態で入側TR速度20が変化することがわかる。従って、ロールギャップ変更量23(=ΔS)、入側張力24の偏差ΔT、入側TR速度20の変化、および出側板厚の変化は図11のような関係となる。
図11は、ロールギャップ変更量23、入側張力24(T)、入側TR速度20、および出側板厚の関係を表す図である。
図11に示すように、ロールギャップ変更量23が変化すると、圧延機1の入側速度が変化し、入側張力24が変化する。入側張力24の変化に伴い、入側TR2はトルク一定制御を行っているため、入側TRの慣性による動作で入側TR速度20が変化する。
入側TR速度20が変動するとマスフロー一定則(式(1)参照)により出側板厚変動が発生する。
出側板厚変動が発生すると、出側板厚制御装置18(図8参照)が出側板厚を一定とするためロールギャップ変更量23を操作する。これら一連の動作が継続すると、図10に示すように、出側板厚が振動するようになる。
なお、実際には出側板厚計17(図8参照)は圧延機1から離れた場所に設置されるため出側板厚制御装置18(図8参照)が用いる出側板厚の検出までに遅れ時間が存在するが、出側板厚の振動周期に対して充分に遅れ時間が短い場合は無視できる。
なお、本願に係る文献公知発明として、次の特許文献1〜3がある。
特開平10−277618号公報 特開2000−84615号公報 特許4107760号公報
上述したように、従来用いられる圧延機1において、入側TR2および出側TR3をトルク一定制御(電流一定制御)にすることは、出側板厚変動を発生させる圧延機1の入側および出側速度の変動要因となる。
これは、トルク一定制御を行った場合は、入側・出側TR2、3のトルクを一定とするためにテンションリール速度が入側・出側TR2、3の慣性により変化してしまうためである。その結果、マスフロー一定則(式(1)参照)より出側板厚変動が発生する。
圧延機1で生産される被圧延材uにとって最も重要なのは出側板厚精度(製品板厚精度)であり、入出側の張力は操業の安定性のためには重要であるが、製品板厚を維持するためであれば多少は変動しても圧延操業上、問題ない。
本発明は上記実状に鑑み、張力変動に起因する入側・出側テンションリールの速度変動によって発生する圧延機の出側板厚変動を抑制する圧延機の制御装置およびその制御方法の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、第1の本発明に関わる圧延機の制御装置は、圧延機で圧延される被圧延材の巻出しおよび巻取り用に圧延機の入側・出側のうちの少なくとも何れか側に、被圧延材に張力を付与するとともにトルク一定制御を実施する張力付与回転手段を備えた圧延機の制御装置であって、入側・出側のうちの少なくとも何れか側の被圧延材の張力変動を予測する第1張力変動予測手段を備え、該第1張力変動予測手段による張力変動予測結果に基づいて、張力変動が予測された側の張力付与回転手段のトルク指令に、被圧延材の張力変動に応じて当該張力付与回転手段の速度が変化しないように、予測された張力変動から求めた該張力変動のトルクと釣り合う変動分のトルクを加える補正を行っている。
第2の本発明に関わる圧延機の制御方法は、圧延機で圧延される被圧延材の巻出しおよび巻取り用に圧延機の入側・出側のうちの少なくとも何れか側に、被圧延材に張力を付与するとともにトルク一定制御を実施する張力付与回転手段を備えた圧延機の制御方法であって、制御装置が、入側・出側のうちの少なくとも何れか側の被圧延材の張力変動を予測し、該張力変動予測結果に基づいて、張力変動が予測された側の張力付与回転手段のトルク指令に、被圧延材の張力変動に応じて当該張力付与回転手段の速度が変化しないように、予測された張力変動から求めた該張力変動のトルクと釣り合う変動分のトルクを加える補正を行っている。
本発明によれば、被圧延材の張力変動に起因する入側・出側のうちの少なくとも何れか側のテンションリールの速度変動によって発生する圧延機の出側板厚変動を抑制する圧延機の制御装置およびその制御方法を実現できる。
第1実施形態のシングルスタンド圧延機の制御構成を示す概念図である。 第1実施形態のシングルスタンド圧延機の出側板厚変動を抑制するための基本概念を示す概念図である。 第1実施形態の入側張力制御装置による入側TRの制御方法の概要を示す図である。 第1実施形態の出側板厚制御装置のロールギャップ指令より入側張力変動を予測して電動機トルク設定を補正することで、入側TR速度の変動を抑制して圧延機の出側板厚を一定とするための制御ブロックを示す図である。 第1実施形態の非干渉制御装置の詳細を示す図である。 第1実施形態の制御出力切換え装置の概要を示す概念図である。 第2実施形態の入側張力変動抽出装置の概要を示す図である。 従来の圧延機の一例として最も単純なシングルスタンド圧延機の制御構成を示す概念図である。 従来のシングルスタンド圧延機の入側TRと圧延機との間の圧延現象を示す概念図である。 図9の圧延現象の部分を簡略化したブロック図である。 ロールギャップ変更量、入側張力、入側TR速度、および出側板厚の関係を表す図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る第1実施形態のシングルスタンド圧延機Sの制御構成を示す概念図である。
<<第1実施形態>>
<シングルスタンド圧延機Sの概要>
第1実施形態のシングルスタンド圧延機Sは、入側テンションリール2(以下、入側TR2と称す)をトルク一定制御で動作させる場合において、圧延機1の入側(図1中の圧延機1の左側)の被圧延材uの張力変動量を予測してそれによって発生するトルク変動に合わせて、入側TR2へのトルク指令を該トルク変動に釣り合うように補正することで、入側TR2のテンションリール速度変動を抑制し、圧延機1の出側(図1中の圧延機1の右側)板厚、すなわち圧延製品の板厚を一定としている。
また、出側板厚制御装置18からの被圧延材uの板厚を制御する板厚制御出力(指令)による被圧延材uの圧延機1の入側の張力変動を予測し、該予測された側の入側TR2のトルク指令を、該予測された張力変動によるトルク変化と逆方向に操作し、該トルク変化による被圧延材uの張力変動を相殺し被圧延材uの入側の張力変動を抑制し、圧延機1の出側板厚(圧延製品の板厚)を一定としている。
さらに、上述の圧延機1の入側の被圧延材uの張力変動量を予測して入側TR2へのトルク指令を該張力変動量のトルク変動に釣り合うように補正し、入側TR2のテンションリール速度変動を抑制する第1の制御と、板厚制御出力(指令)による張力変動を予測して、入側TR2のトルク指令を該張力変動によるトルク変化と逆方向に操作し張力変動を抑制する第2の制御とを、後記する圧延設定情報と圧延実績情報とに応じて切換え、最適な制御を行うことで、圧延製品の板厚を可及的に一定としている。
以下、第1実施形態のシングルスタンド圧延機Sについて詳細に説明する。
<シングルスタンド圧延機Sの構成>
図1に示すシングルスタンド圧延機Sは、圧延機1の入側(図1中の圧延機1の左側)の被圧延材uの速度が一定となるように補正を行うための圧延機1の入側の被圧延材uの張力の変動を予測する入側張力変動予測装置32、出側板厚制御装置18からの板厚制御出力(指令)による圧延機1の入側の被圧延材uの張力変動を非干渉化とする非干渉制御装置33´、および入側張力変動予測装置32の出力と非干渉制御装置33の出力とを切換える張力補正切換え装置34(図1中、二点鎖線で示すH)以外の構成は、図8に示すシングルスタンド圧延機S100と同様である。
従って、シングルスタンド圧延機S100と同一の構成要素には、同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
ここで、入側張力変動予測装置32、非干渉制御装置33´、および張力補正切換え装置34は、例えば、PLC(programmable logic controller)に格納される制御プログラムにC言語等で記述されており、該制御プログラムが実行されることにより具現化される。
なお、入側張力変動予測装置32、非干渉制御装置33´、および張力補正切換え装置34は、他のプログラム言語、例えば、アセンブラ等で記述されてもよく、或いは、回路を用いて実現してもよく、特に限定されないのは勿論である。
<シングルスタンド圧延機Sの出側板厚変動の抑制>
図2は、シングルスタンド圧延機Sの出側板厚変動(図1中の圧延機1の右側の被圧延材uの板厚変動)を抑制するための基本概念を示す概念図である。
前記課題を解決する手段として、理想的には図2に示す出側板厚変動の抑制を行うことになる。なお、図2に示す入側張力トルク変動予測装置30は、後記する入側張力変動予測装置32または非干渉制御装置33に相当するものであり、図1には特に図示していない。
圧延機(1)入側(図1中の圧延機1の左側)の被圧延材uの張力変動の原因となる圧延機入側速度21の変動要因としては、ロールギャップ変更量23(=ΔS)の他にも種々の原因が考えられる。
例えば、圧延機1の上・下作業ロールRs1、Rs2の偏心等の機械的な振動や、被圧延材uの母材板厚変動といったものも考えられる。
具体的には、図1に示す圧延機1の上・下作業ロールRs1、Rs2が偏心すると、その半径が長い箇所では、被圧延材uの圧延機入側速度21が速くなるとともに、その半径が短い箇所では、被圧延材uの圧延機入側速度21が遅くなり、機械的な振動が生じる
また、圧延機1だけでなく、入側TR2でも、リール径が円周方向で不均一になる場合等も考えられる。例えば、入側TR2のリール径が長い箇所では、入側TR2の巻き出し力が増加し、入側TR2のリール径が短い箇所では、入側TR2の巻き出し力が低下する。
それらを、まとめて入側張力外乱(変動)要因29とする。
図2に示すように、ロールギャップ変更量23(=ΔS)と入側張力外乱要因29とにより圧延機入側速度21の変動が発生し、入側張力24が変化する。
そのため、ロールギャップ変更量23(=ΔS)と入側張力外乱要因29とによる圧延機入側速度21の変動分を予測または実測し、入側張力トルク変動予測装置30にて入側張力トルク25の変動分を予測して入側張力トルク変動予測値31として、入側TR2を駆動する電動機52(図3参照)の電動機トルク22を補正する。
これにより、この入側張力トルク25の変動分を予測した入側張力トルク変動予測値31が正確であれば、入側張力トルク変動予測値31が、実際の入側張力トルク25の変動分と打ち消しあって入側TR速度20変動原因となる張力トルク変動が発生しない。
そのため、入側TR2の速度である入側TR速度20は、変動しないことになり、前記マスフロー一定則(式(1)参照)より、圧延機1の出側(図1に示す圧延機1の右側)の被圧延材uの板厚変動(圧延製品の板厚変動)も発生しない。
入側張力外乱要因29(図2参照)については、前記したように、入側TR2、圧延機1等の機械系のガタ等の種々の要因が考えられるが、圧延機(1)出側の被圧延材uの板厚、すなわち製品板厚に与える影響は小さいと考えられる。
これに対して、図1に示す出側板厚制御装置18によるロールギャップ変更量23(=ΔS)により発生する圧延機1の出側板厚変動(図1に示す圧延機1の右側の被圧延材uの板厚変動)は、板厚制御に起因するものであり、場合によっては大きな板厚変動となる。
そのため、これを抑制することを目的とした方法につき以下、説明する。
<入側TR2の制御方法>
図3は、第1実施形態の入側張力制御装置による入側TR2の制御方法の概要を示す図である。なお、図3に示すように、入側張力制御装置とは、入側張力設定装置11、入側張力電流変換装置15、入側TR制御装置15等(図1参照)をいう。
ここで、図3に示す入側張力制御装置による入側TR2の制御方法は、従来と同様の構成である。
入側TR2は、被圧延材uに巻出し張力、すなわち圧延機1の入側張力(図1に示す圧延機1の左側の被圧延材uの張力)を与えるための装置である。
図3に示す入側張力制御装置は、まず、入側張力設定装置11において、被圧延材uを所定板厚にするための圧延スケジュールに従って被圧延材uの入側張力が決定され、入側張力電流変換装置15に被圧延材uの入側の張力指令が発せられる。
入側張力電流変換装置15においては、入側張力設定装置11で設定される圧延機(1)入側の被圧延材uの張力に、D/2Gr(D:入側TR2の直径、Gr:入側TR2と電動機52とのギア比)を積算して入側TR2を駆動する電動機52の回転軸のトルクに変換する。なお、入側TR2の直径Dは、入側TR2の回転速度と被圧延材uの板厚から求めることができる。
そして、この電動機52の回転軸のトルクを、1/ζφ(ζφ:電流−トルク変換係数)を積算して電動機52に付与する電流に変換し、入側TR制御装置5に対する電流指令を決定する。ここで、入側TR2を駆動する電動機52は、その特性として、ある電流を流したとき、どれ位のトルクが得られるかという電流−トルク変換係数ζφが得られる。
これらの値を用いて、入側張力設定装置11からの張力指令を、入側TR制御装置5に出力する電流指令に換算する。こうして換算された電流指令は入側TR制御装置5に入力される。
入側TR制御装置5は、電動機制御装置51、電動機52等より構成されている。
電動機制御装置51において、電流一定制御(ACR)が行われ、入側TR2を駆動する電動機52に対して一定の電流が与えられる。そして、電動機52内では、電流−トルク変換が行われ、入側TR2に対する電動機トルク22が付与されることになる。
従って、ロールギャップ変更量23(=ΔS)から、入側張力24(=ΔT)の偏差ΔTを予測し、これを用いて入側張力設定装置11より出力される入側張力指令値を補正することで、ロールギャップ変動(ロールギャップ変更量23(=ΔS))に起因する張力変動、すなわち圧延機1の入側の被圧延材uの張力変動を抑制できることになる。
なお、図3では、入側張力設定装置11からの張力指令の補正は図示していない。
<入側張力変動予測装置32>
図4は、出側板厚制御装置18(図1参照)のロールギャップ指令より圧延機1の入側の被圧延材uの張力変動を予測して電動機トルク22の設定を補正し、入側TR速度20の変動を抑制して圧延機(1)出側の被圧延材uの板厚を一定とするための制御ブロックを示す図である。
図4に示すように、出側板厚制御装置18からのロールギャップ指令に入側張力変動予測装置32において変換ゲイン(=ζφ・(M/M+Q)・1/k)を乗算することで入側張力変動量を予測する。
ここで、変換ゲインとは、ζφ・(M/M+Q)・1/kであり、ロールギャップ指令に変換ゲインを乗算することで、上・下作業ロールRs1、Rs2間の距離であるロールギャップが変わると張力がどれだけ変わるか、すなわち入側張力変動量が求められる。なお、変換ゲインにおけるζφ、M、Q、k等は、以下のものである。
ζφ:電流−トルク変換係数(N・m/A)、M:ミル定数(kN/m))、Q:塑性定数(kN/m)、k:張力影響係数((∂P/∂T)/(M+Q))(m/kN))、P:圧延機1の圧延荷重(kN)、T:入側張力24(kN)
入側張力変動予測装置32で求められた入側張力変動量を、入側張力設定装置11からの入側張力指令に加算することで電動機トルク22(=T)に入側張力変動量のトルクを加える。 こうして、入側TR2において、圧延機(1)入側の被圧延材uの張力Tによる入側張力トルク25の入側張力変動分のトルクと、入側TR2に電動機トルク22に加えられた入側張力変動量のトルクとを釣り合わせる。
これによって、被圧延材uの張力Tの変動によって、入側TR2に、力が圧延機1側または入側TR2の巻き戻し側の何れか側に加わることを防止し、入側張力抑制系27の動作による入側TR速度20の変動を防止している。
図4では、さらに従来と同様に、後記する入側張力制御13による補正が行われる。
ここで、圧延機(1)入側の被圧延材uの張力は圧延操業の安定性からある範囲を超えて変動することは好ましくないため、入側張力変動予測装置32では、図4に示すように、入側張力補正量に制限をかける出力リミッタ40を設けている。
従来のシングルスタンド圧延機S100(図8参照)の制御構成に、上記補正を追加する場合は以下のようにする。
図1に示すように、入側張力設定装置11で決定された入側張力設定値に、入側張力計8にて実測された入側張力実績を合致させるように入側張力制御13により、入側張力設定装置11で設定される入側張力指令値が補正される。この入側張力制御13による補正後の入側張力指令値に、入側張力変動予測装置32の出力を加算する。
<非干渉制御装置33´>
図5は、非干渉制御装置33´の詳細を示す図である。
図5に示すように、圧延機1のロールギャップ変更時に発生する張力変動を、抑制するために行われる非干渉制御装置33´がある。
ここで、非干渉制御装置33´が行われるのは、以下の理由による。
圧延機(1)入側の速度と、入側TR2の速度との偏差で張力が決定される。何故なら、この速度差を積分して被圧延材uの入側の長さの変化分を求め、被圧延材uのヤング率を乗算すると、被圧延材uの入側の張力が求まるからである。
圧延機1においては、被圧延材uを圧下するため圧延機(1)入側板厚、出側板厚が同じであっても、入側、出側の張力バランスにより圧延機(1)入側と出側の速度は異なる。この異なり方が大きい場合、張力が変動することで圧延機(1)入側の速度が変化するため、入側TR2の速度が一定だとマスフロー一定則より入側張力および出側板厚が変動する。
これを防止するため、非干渉制御を用いて、入側TR2の速度を変化させる。
このようなことから、非干渉制御は、圧延機(1)出側板厚を一定にさせるための圧延機(1)入側速度が異なるため、その変化に応じて入側TR2の速度を変化させた方が良いということで行われる。
上述したように、非干渉制御装置33´は、張力変動を抑制するために非干渉制御を行うものであり、出側板厚制御装置18のロールギャップ変更量23(=ΔS)を用いて張力変動量を予測して、それを抑制するために、入側張力設定装置11にて設定される電動機トルクの設定を補正することで、圧延機(1)入側の被圧延材uの張力変動を防止するのが目的である。
そのため、図4に示す入側張力変動予測装置32を用いるのとは逆な動作となる。つまり、本実施形態の非干渉制御装置33´は、入側TR速度20を積極的に変動させることになる。
例えば、圧延機(1)入側の被圧延材uの張力Tが増加する張力変動であれば、入側TR2を駆動する電動機トルク22の設定を減少させるように制御し、被圧延材uの張力Tの変動を防止する。一方、圧延機(1)入側の被圧延材uの張力Tが減少する張力変動であれば、入側TR2を駆動する電動機トルク22の設定を増加させるように制御し、被圧延材uの張力Tの変動を防止する。
図5に示すように、出側板厚制御装置18が出力する圧延機1の上・下作業ロールRs1、Rs2間の距離であるロールギャップのロールギャップ変更量23(=ΔS)に基づき、このロールギャップ変更量23(=ΔS)に、ζφ・M/(M+Q)・1/kを乗算して圧延機(1)入側の被圧延材uの入側張力変動量を予測し、これに非干渉制御ゲイン41(GDC)を乗算して入側張力補正量として出力する。
ただし、符号は予測される張力変動と逆方向(−)であり、ロールギャップ変動による張力変動分で電動機トルク22を変更することでフィードフォワード的に入側TR速度20を操作するものである。
前記したように、入側TR速度20の変動によって、圧延機1の出側の被圧延材uの板厚変動が発生する。
ここで、図2に示すように、入側張力抑制系27の一巡伝達関数は、
(D/2J・Gr)×(h/V)・(1/k
で表される。
ここで、D(入側TR2の直径)、Gr(入側TR2と駆動する電動機52とのギア比)、J(入側TR2の慣性モーメント)は、機械的に決まる定数となるので設備によって決定される。
この伝達関数のゲインが大きい方が、時定数が小さいので入側張力抑制系27は高速に動作する。
そこで、本発明の課題である前記した入側張力系の振動現象は、入側張力抑制系27の応答が遅くなるに従って大きくなるので、伝達関数のゲインが大きければ入側張力抑制系27が高速に動作するので、非干渉制御を適用する。
一方、伝達関数のゲインが小さい場合、時定数が大きく入側張力抑制系27の応答が遅くなり入側張力系の振動現象が大きくなるので、図4に示す入側張力変動予測装置32による電動機トルク22の補正を適用する。
これにより、例えば、被圧延材uが柔らかい場合、張力影響係数kが小さく、張力変動により被圧延材uの圧延機(1)入側速度が変化する量が大きいため、圧延機1の出側の被圧延材uの板厚変動が大きく発生することから、この場合、非干渉制御を適用する。
また、板厚が厚く(出側板厚hが大)入側TR速度20の変動によるマスフロー一定則に従った出側板厚変動が無視できる場合等は、非干渉制御装置33´による非干渉制御が、入側張力変動予測装置32(図4参照)による入側張力補正よりも有効なので、これらの場合は、非干渉制御装置33´を利用する。
<張力補正切換え装置34>
そこで、圧延機1の入側の被圧延材uの張力の補正の方法として、非干渉制御装置33´(図5参照)と入側張力変動予測装置32(図4参照)を両方設けて、圧延状態によって切換えるのが張力補正切換え装置34である。
図6は、張力補正切換え装置34の概要を示す概念図である。
図6に示すように、張力補正切換え装置34は、張力影響係数k、出側板厚h等の圧延設定情報、入側板速度V等の圧延実績情報から予めルールベース36に設定してある制御ルールにより非干渉制御33´の出力Aと入側張力変動予測装置32の出力B(図6中、二点鎖線で示す)とを、出力切換え装置35を用いて切換えてCを通して、入側張力設定装置11からの入側張力設定値に入側張力補正として加える。
張力補正切換え装置34におけるルールベース36には、張力影響係数k、出側板厚h等の圧延設定情報と入側板速度V等の圧延実績情報に従って、AまたはBのどちらの制御出力を利用すべきかを制御ルールとして設定しておく。
前記したように、被圧延材が柔らかく張力影響係数kが小さい場合、また、出側板厚hが厚い場合、圧延機1の入側板速Vが小さい場合等においては、図2に示す入側張力抑制系27の一巡伝達関数のゲインが大きくなるので、時定数が小さく入側張力抑制系は高速に動作するため、非干渉制御装置33´(図5参照)の非干渉制御を適用する。
一方、図2に示す入側張力抑制系27の一巡伝達関数のゲインが小さい場合、時定数が大きく、入側張力抑制系の応答が遅くなる。この場合、入側張力系の振動現象は、入側張力抑制系の応答が遅くなるに従って大きくなるので、入側張力変動予測装置32(図4参照)による入側張力補正を用いる。
そこで、例えば、前記PLCの制御プログラムのソースコードを、次のようにする。
IF (k>k1)AND(h<h1)AND(V>V1)
THEN (出力B(入側張力変動予測装置32)を選択)
ELSE (出力A(非干渉制御33´)を選択)
なお、k1、h1、V1は定数であり、その値は種々の条件により、適宜選択可能である。
結論部としては、(出力Bを選択(入側張力変動予測装置32を選択)、出力Aを選択(非干渉制御装置33´を選択)のほか(どちらも選択しない)ことで、入側張力変動予測装置32、非干渉制御装置33´による入側張力設定の補正を行わないことも可能である。
<<第2実施形態>>
次に、第2実施形態について、図7を用いて説明する。
図7は、第2実施形態の入側張力変動抽出装置60の概要を示す図である。
第2実施形態は、入側張力外乱要因29(図4参照)を、入側張力変動抽出装置60(図7参照)を用いて低減するものである。
入側張力外乱要因29(図7、図4参照)としては、例えば入側TR2が偏心している場合が考えられる。
入側TR2の偏心により、入側TR2のリール径Dが大きい箇所と小さい箇所とがあることから被圧延材uを繰り出すリール径Dが、入側TR2の回転により変動することになる。
そのため、入側TR2のリール径Dが大きい箇所は入側TR速度20が大きくなるとともに入側TR2のリール径Dが小さい箇所は入側TR速度20が小さくなる。そのため、入側TR速度20が変動し、結果的に入側張力24(=t)の偏差Δtが発生する。
入側張力24の偏差Δtが発生すると、入側TR2にかかるトルクが変動するため、入側TR2の回転速度が変化し、マスフロー一定則により出側板厚が変動する。
これを防止するために、図7に示すように、入側TR2の回転周期に同期した張力変動である入側張力24の偏差Δtを、入側張力変動抽出装置60において、フィルタを用いて抽出して記憶し、入側TR2の回転位置に応じた張力変動を出力し、入側TR2の回転周期に同期させて入側張力指令を補正する。
すなわち、入側張力変動抽出装置60を用いて入側TR2の回転周期成分の張力変動を取り出し、入側TR2の回転周期に同期させて入側張力指令を補正する。
なお、第1実施形態および第2実施形態においては、圧延機1の入側TR速度20を変化させないため、入側TR2に関して本発明を適用する場合を例示して説明したが、出側TR3についても入側TR2と同様に構成することが可能である。
また、前記第1実施形態および第2実施形態において、シングルスタンド圧延機Sに本発明を適用した場合を例示して説明したが、前記したシングルスタンド圧延機の入側TR2または出側TR3、或いは、シングルスタンド圧延機の入側TR2および出側TR3以外に、圧延機としてはシングルスタンド圧延機に限定されず、適用可能である。
例えば、多スタンドのタンデム圧延機においても、入側または出側にテンションリールが設置されている場合には、本発明を、入側TRまたは出側TR、或いは、入側TRおよび出側TRに適宜適用可能である。
また、圧延機1の入側または出側に被圧延材uに張力を付与する事を目的とするブライドルロールやピンチロール等の装置を設置し、その装置がトルク一定制御にて駆動されている場合にも適時使用可能である。
<<作用効果>>
圧延機におけるテンションリールに対するトルク一定制御における電流指令(トルク指令)を、予想される張力変動に合わせて補正し、テンションリールの速度変動を抑制することで、圧延機出側の被圧延材uの板厚変動、すなわち圧延製品の板厚変動を解決できる。
従って、従来のテンションリールをトルク一定制御(電流一定制御)していただけの場合と比較して、圧延機1の出側の板厚変動を抑制し、圧延製品の板厚精度を向上させることが可能となる。
本発明は、冷間圧延機の制御に利用可能であり、実適用上の問題点は無い。
1 圧延機
2 入側TR(張力付与回転手段)
3 出側TR(張力付与回転手段)
5 入側TR制御装置(制御装置)
6 出側TR制御装置(制御装置)
11 入側張力設定装置(制御装置
12 出側張力設定装置(制御装置)
15 入側張力電流変換装置(制御装置)
16 出側張力電流変換装置(制御装置)
18 出側板厚制御装置(制御装置)
32 入側張力変動予測装置(第1張力変動予測手段、制御装置)
33´ 非干渉制御装置(第2張力変動予測手段、制御装置)
34 張力補正切換え装置(切換え手段、制御装置)
60 入側張力変動抽出装置(張力変動抽出手段、制御装置)
u 被圧延材

Claims (12)

  1. 圧延機で圧延される被圧延材の巻出しおよび巻取り用に前記圧延機の入側・出側のうちの少なくとも何れか側に、前記被圧延材に張力を付与するとともにトルク一定制御を実施する張力付与回転手段を備えた圧延機の制御装置であって、
    前記入側・出側のうちの少なくとも何れか側の前記被圧延材の張力変動を予測する第1張力変動予測手段を備え、
    該第1張力変動予測手段による張力変動予測結果に基づいて、前記張力変動が予測された側の張力付与回転手段のトルク指令に、前記被圧延材の張力変動に応じて当該張力付与回転手段の速度が変化しないように、前記予測された張力変動から求めた該張力変動のトルクと釣り合う変動分のトルクを加える補正を行う
    ことを特徴とする圧延機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の圧延機の制御装置において、
    前記第1張力変動予測手段は、前記被圧延材の板厚を制御する板厚制御指令による前記被圧延材の張力変動を予測する
    ことを特徴とする圧延機の制御装置。
  3. 請求項1に記載の圧延機の制御装置において、
    前記圧延機の圧延設定値および圧延実績に応じて、
    前記入側・出側のうちの少なくとも何れか側の前記被圧延材の張力変動を予測し、該張力変動予測結果に基づいて、前記張力変動が予測された側の張力付与回転手段のトルク指令に、前記張力変動に応じて当該張力付与回転手段の速度が変化しないように、前記予測された張力変動から求めた該張力変動のトルクと釣り合う変動分のトルクを加える補正を行う機能と、
    前記被圧延材の板厚を制御する板厚制御指令による前記被圧延材の張力変動を予測し、該予測された側の前記張力付与回転手段のトルク指令を、前記予測された張力変動によるトルク変化と逆方向に操作し、前記張力変動が予測された側の前記被圧延材の張力変動を抑制する機能とを、
    切換える切換え手段を備えることを特徴とする圧延機の制御装置。
  4. 請求項1に記載の圧延機の制御装置において、
    前記圧延機の圧延設定値および圧延実績に応じて、前記張力変動予測結果に基づいて、前記張力変動が予測された側の張力付与回転手段のトルク指令に、前記張力変動に応じて当該張力付与回転手段の速度が変化しないように、前記予測された張力変動から求められた該張力変動のトルクと釣り合う変動分のトルクを加える補正を行う機能を入切する
    ことを特徴とする圧延機の制御装置。
  5. 請求項1に記載の圧延機の制御装置において、
    前記第1張力変動予測手段による前記被圧延材の張力変動の予測の際、前記圧延機において周期的に発生する機械的変動による前記張力変動を前記被圧延材の張力変動実績値から抽出する張力変動抽出手段を備える
    ことを特徴とする圧延機の制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のうちの何れか一項に記載の圧延機の制御装置において、
    前記張力付与回転手段は、テンションリールまたはブライドルロールまたはピンチロールである
    ことを特徴とする圧延機の制御装置。
  7. 圧延機で圧延される被圧延材の巻出しおよび巻取り用に前記圧延機の入側・出側のうちの少なくとも何れか側に、前記被圧延材に張力を付与するとともにトルク一定制御を実施する張力付与回転手段を備えた圧延機の制御方法であって、
    制御装置が、
    前記入側・出側のうちの少なくとも何れか側の前記被圧延材の張力変動を予測し、
    該張力変動予測結果に基づいて、前記張力変動が予測された側の張力付与回転手段のトルク指令に、前記被圧延材の張力変動に応じて当該張力付与回転手段の速度が変化しないように、前記予測された張力変動から求めた該張力変動のトルクと釣り合う変動分のトルクを加える補正を行う
    ことを特徴とする圧延機の制御方法。
  8. 請求項7に記載の圧延機の制御方法において、
    前記被圧延材の張力変動の予測は、前記被圧延材の板厚を制御する板厚制御指令による前記被圧延材の張力変動に対して行う
    ことを特徴とする圧延機の制御方法。
  9. 請求項7に記載の圧延機の制御方法において、
    制御装置が、
    前記圧延機の圧延設定値および圧延実績に応じて、
    前記入側・出側のうちの少なくとも何れか側の前記被圧延材の張力変動を予測し、該張力変動予測結果に基づいて、前記張力変動が予測された側の張力付与回転手段のトルク指令に、前記張力変動に応じて当該張力付与回転手段の速度が変化しないように、前記予測された張力変動から求めた該張力変動のトルクと釣り合う変動分のトルクを加える補正を行う制御と、
    前記被圧延材の板厚を制御する板厚制御指令による前記被圧延材の張力変動を予測し、該予測された側の張力付与回転手段のトルク指令を、前記予測された張力変動によるトルク変化と逆方向に操作し、前記張力変動が予測された側の前記被圧延材の張力変動を抑制する制御とを
    切換えることを特徴とする圧延機の制御方法。
  10. 請求項7に記載の圧延機の制御方法において、
    前記制御装置が、
    前記圧延機の圧延設定値および圧延実績に応じて、
    前記張力変動予測結果に基づいて、前記張力変動が予測された側の張力付与回転手段のトルク指令に、前記張力変動に応じて当該張力付与回転手段の速度が変化しないように、前記予測された張力変動から求められた該張力変動のトルクと釣り合う変動分のトルクを加える補正を行う制御を入切する
    ことを特徴とする圧延機の制御方法。
  11. 請求項7に記載の圧延機の制御方法において、
    前記被圧延材の張力変動の予測は、前記圧延機において周期的に発生する機械的変動による前記張力変動を前記被圧延材の張力変動実績値から抽出して行う
    ことを特徴とする圧延機の制御方法。
  12. 請求項7から請求項11のうちの何れか一項に記載の圧延機の制御方法において、
    前記張力付与回転手段は、テンションリールまたはブライドルロールまたはピンチロールである
    ことを特徴とする圧延機の制御方法。


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