JP6299641B2 - ブライドルロールの張力制御方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブライドルロールの張力制御方法および装置に関する。
従来、金属帯を通板するラインにおいて、ブライドルロールによって張力を調整して適切な張力を金属帯に付与することが知られている。その際、ブライドルロールと金属帯との間でスリップが発生することを防止するために様々な技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、スリップを防止するための理論式として「exp(μθ)=T/T」を用いるブライドルロールのロードバランス制御方法が記載されている。特許文献1の制御方法では、ブライドルロールの入側の張力Tと出側の張力Tとの比(T/T)に基づいて、ブライドルロール全体とストリップとの間でスリップが発生する限界摩擦係数μ´を演算し、その限界摩擦係数μ´に基づいて各ロールへのロールバランス比を決定する。
特開平10−128437号公報
本発明の発明者は、特許文献1に記載されている上記の理論式を用いてブライドルロールを制御した場合、ブライドルロールと金属帯(ストリップ)との間でスリップが発生する可能性があることを知見した。特に、ブライドルロールの各ロールを高速で回転させる高速製造ラインでは、ブライドルロールと金属帯との間でスリップが発生する可能性がより高くなることを知見した。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ブライドルロールと金属帯との間でスリップが発生することを抑制できるブライドルロールの張力制御方法および装置を提供することを目的とする。
本発明に係るブライドルロールの張力制御方法は、金属帯を通板するラインにおける金属帯搬送用のブライドルロールの張力制御方法において、前記ブライドルロール上を走行中の前記金属帯が当該ブライドルロールの各ロールから離れる方向に受ける外力を含む張力算出式に基づいて前記各ロールの出側の張力を算出するステップと、前記張力算出式から求まる出側の張力に基づいて前記各ロールの駆動用モータへ出力する負荷指令値を算出し、かつ前記負荷指令値を前記駆動用モータへ出力するステップとを含むことを特徴とする。
上記発明において、前記張力算出式は、下記(1)式であることが好ましい。
Figure 0006299641
ただし、Tはi本目のロールの出側張力、Nはブライドルロールのロール本数、Tはブライドルロールの入側張力、Xは金属帯がロールから離れようとする方向に受ける外力を表す定数、Tはブライドルロールの出側張力である。
上記発明において、前記外力は、遠心力を含むことが好ましい。
本発明に係るブライドルロールの張力制御装置は、金属帯を通板するラインにおける金属帯搬送用のブライドルロールの張力制御装置において、前記ブライドルロール上を走行中の前記金属帯が当該ブライドルロールの各ロールから離れる方向に受ける外力を含む張力算出式に基づいて前記各ロールの出側の張力を算出する手段と、前記張力算出式から求まる出側の張力に基づいて前記各ロールの駆動用モータへ出力する負荷指令値を算出し、かつ前記負荷指令値を前記駆動用モータへ出力する手段とを備えていることを特徴とする。
上記発明において、前記張力算出式は、下記(1)式であることが好ましい。
Figure 0006299641
ただし、Tはi本目のロールの出側張力、Nはブライドルロールのロール本数、Tはブライドルロールの入側張力、Xは金属帯がロールから離れようとする方向に受ける外力を表す定数、Tはブライドルロールの出側張力である。
上記発明において、前記外力は、遠心力を含むことが好ましい。
本発明によれば、ブライドルロール内を走行中の金属帯が各ロールから離れる方向に受ける外力を考慮した張力算出式を用いて各ロールの張力比を制御するので、ブライドルロールと金属帯との間でスリップが起こることを防止することができる。
図1は、本実施形態におけるブライドルロールを示す模式図である。 図2(a)は、ブライドルロールと金属帯のモデル図である。図2(b)は、図2(a)に示すモデル図の微小要素を示す説明図である。 図3は、張力算出式を適用可能なブライドルロールの一般化モデルを示す模式図である。 図4は、本実施形態におけるブライドルロールの張力制御フローを示すフローチャート図である。 図5は、張力算出式を用いた試験結果を示すマップである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態におけるブライドルロールの張力制御方法および装置について具体的に説明する。
図1は、金属帯を通板するラインとして冷延鋼帯の連続焼鈍ラインに設けられたブライドルロールを示す模式図である。連続焼鈍ライン1には、ライン上を搬送される鋼帯(金属帯)2に張力を付与するブライドルロール3が設けられている。ブライドルロール3は、ライン上流から下流側に向けて、第1ロールR、第2ロールR、第3ロールR、第4ロールRの順に配置された四本のロールにより構成されている。
なお、第1〜第4ロールR〜Rを特に区別しない場合には単にロールRと記載する。また、図1に示すように、連続焼鈍ライン1を走行する鋼帯2の張力を「T」で表す。ブライドルロール3における入側の張力(以下「BR入側張力」という)をTと、出側の鋼帯2の張力(以下「BR出側張力」という)をTとする。各ロールRについて、第1ロールRの出側張力をT、第2ロールRの出側張力をT、第3ロールRの出側張力をT、第4ロールRの出側張力をTとする。
各ロールR〜Rは、それぞれに駆動用モータ(図示せず)が接続されている。各駆動用モータから出力される動力によって各ロールRが所定の負荷で回転する。つまり、ブライドルロール3内を走行中の鋼帯2に対して各ロールRで負荷を作用させる。これによってロールR前後で鋼帯2に張力差を生じさせることができる。張力制御装置4は、鋼帯2の張力を制御するために、各駆動用モータを制御して各ロールRの負荷(ロール負荷)を制御する。
張力制御装置4は、マイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算を実行する。張力制御装置4は、ブライドルロール3を制御対象とし、後述する(1)式の張力算出式を用いて張力制御を実行する。
例えば、ロールR上を走行中の鋼帯2は、ロールRとの摩擦力に加え、ロールRから離れる方向の力(遠心力や空気巻き込みによる浮上力など)を受ける。そこで、張力制御装置4は、ロールRから離れる方向に作用する外力を考慮して鋼帯2の張力を制御する。そのために、後述する(1)式の張力算出式に基づく演算処理を張力制御装置4は実行する。
具体的には、張力制御装置4は、張力算出式を用いる演算によって各ロールR〜Rの負荷指令値を算出する。その負荷指令値は張力制御装置4から各ローラの駆動用モータへ出力される。負荷指令値とは、駆動用モータへの電流指令値である。このように、張力制御装置4は、負荷指令値によってロール毎の負荷を制御することで、各ロールの張力比(以下「ロール張力比」という)T´を所望の値に制御する。ロール張力比T´は、ロール単位での入側張力に対する出側張力の比である。
ブライドルロール3全体としては、BR入側張力TおよびBR出側張力Tは、連続焼鈍ライン1の仕様や操業条件によって決定される。例えば、BR出側張力T>BR入側張力Tの関係が成り立つ。BR入側張力Tに対するBR出側張力Tの比(以下「BR張力比」という)T´´はBR入側張力Tの数倍となる関係が成り立つ。張力制御装置4は、予め定められているBR張力比T´´を実現するために、ロールR毎にロール張力比T´を設定することができる。
なお、上述した外力とは、走行中の鋼帯2に対して連続焼鈍ライン1の構成部材以外から作用する力である。すなわち、ロールRの回転方向で所定の巻き付け角範囲内では、ロールRと鋼帯2とが面接触していること(巻き付いていること)によりロール負荷(摩擦力)が鋼帯2に作用している。しかしながら、鋼帯2の速度(ライン速度)が増大すると、ロールRの回転速度が増大して遠心力が増大する。そのため、鋼帯2がロールRから離される方向に受ける外力が大きくなる。
[張力算出式]
ここで、下記(1)式の張力算出式について説明する。
Figure 0006299641
上記(1)式で表せる張力算出式において、Nはブライドルロールのロール本数、Tはブライドルロールの入側張力(BR入側張力)、Tはブライドルロールの出側張力(BR出側張力)、Tはi本目のロールの出側張力、Xは鋼帯(金属帯)がロールから離れようとする力である。
張力制御装置4では、上記(1)式で表される張力算出式を用いて、各ロールR間の張力Tを調整する。前述した通り、本発明者は従来の理論式に基づく張力制御ではロールRと鋼帯2との間でスリップが発生することを知見した。さらに、本発明者はブライドルロール3内を走行中の鋼帯2にはロールRから離れる方向の力が作用していることと、スリップの発生現象とに着目した。そこで、ライン速度によって変化する物理量である遠心力などの外力を考慮した張力算出式から求まる張力Tを求め、その張力Tを用いてロール間の張力Tを制御し、従来よりもスリップ発生を抑制できるロール張力比T´を設定できる。
[張力算出式の導出方法]
次に、上記(1)式の導出方法について以下に説明する。図2(a)は、ロールと鋼帯(金属帯)のモデル図である。θ[rad]は鋼帯2の巻き付け角である。T[N]はロールRの入側張力、T[N]はロールRの出側張力である。ここでは、出側張力T>入側張力Tの関係が成り立つ。
図2(b)は、図2(a)に示すモデル図の微小要素を示す説明図である。Q[N/m]は鋼帯2がロールRに押し付けられる力(単位長さあたりの力)である。T[N]は鋼帯2の張力である。F[N/m]は鋼帯2がロールRから半径方向外側へ向けて離れようとする力(単位長さあたりの力)である。ds[m]は微小要素の弧長である。dθ[rad]は微小要素の巻き付け角である。r[m]はロールRの半径である。v[m/s]はライン速度である。また、図2には示さないが、ロールRと鋼帯2との間の摩擦係数とμとし、単位長さあたりの鋼帯2の重量をm[kg/m]とする。
図2(b)に示すように鋼帯2がロールRに押し付けられる力Qは、下記(2)式で求められる。
Figure 0006299641
上記(2)式において、dθおよびdTは微小であるため「sin(dθ/2)=dθ/2」かつ「dθ・dT=0」となり、下記(3)式が求まる。
Figure 0006299641
また、図2(b)に示すモデル図の微小要素前後の張力T,T+dTが、摩擦力の限界(最大静止摩擦力)で釣り合っていると仮定すると、下記(4)式の関係が成り立つ。
Figure 0006299641
上記(3)式よび上記(4)式から「dT=μ(T・dθ−F・ds)」となる。また、図2(b)に示す通り「ds=r・dθ」なので「dT=μ(T−F・r)dθ)」となる。これを変形すると、下記(5)式が求まる。
Figure 0006299641
上記(5)式をTについて入側張力Tから出側張力Tまで定積分すると、下記(6)式が求まる。
Figure 0006299641
ここで、ロールRの円弧面に巻き付けられている鋼帯2中の張力の変化率が円周方向で一定であると仮定すると「dθ/dT=θ/(T−T)」となる。この仮定を用いると上記(6)式を下記(7)式のように変換できる。
Figure 0006299641
上記(7)式を計算すると、下記(8)式が求まる。
Figure 0006299641
したがって、上記(8)式から下記(9)式が求まる。
Figure 0006299641
ここで、上記(9)式のFを遠心力とする。この場合、遠心力F=mv/rとなるため、上記(9)式は、「(T−mv)/(T−mv)=eμθ」と表されることになる。つまり、ライン速度vを反映させたロール張力比T´をスリップ限界として導くことができる。仮に、上記(9)式において「F・r」を無視すると「exp(μθ)=T/T」となり上述した従来の理論式になることが分かる。要は、上記(9)式は「F・r」を含む式なので、従来の理論式よりも、鋼帯2がロールRから離れる方向に受ける外力を考慮したロール張力比T´(スリップ限界)を算出することができる。
さらに、本発明者は、上記(9)式の張力算出式よりも一般化できるモデル式を構築するために、上記(9)式の「F・r」を定数「X」とする張力算出式を導出した。つまり、外力を遠心力のみに限定しない張力算出式である。これにより、張力算出式のさらなる精度向上を図る。
図3は、一般化モデルとして、N本のロールRからなるブライドルロール3を示すモデル図である。i本目のロールRの出側張力をTとする。図3に示すブライドルロール3において、各ロールRがそれぞれ同じものとする。全てのロールR〜Rが同じ場合には、各ロールRにおけるスリップ限界が等しいときに最もスリップが発生しにくいことになる。したがって、各ロールRのスリップ限界を、下記(10)式で表せる。
Figure 0006299641
上記(10)式を解くと、上記(1)式が導出される。張力算出式である上記(1)式によってi本目のロールRの出側張力Tは求められる。なお、上記(1)式における定数Xを無視すると一般的なモデル式となる。要は、その一般的なモデル式から求まる張力Tは鋼帯2が受ける外力Xを考慮していないため、上記(1)式の解である張力Tとは異なる値となる。
したがって、張力制御装置4が、上記(1)式によって張力Tを算出し、その張力Tに基づくロール張力比T´を設定することで、ブライドルロール3と鋼帯2とのスリップを抑制する。要するに、張力制御装置4は、上記(1)式に基づく張力Tを設定するための負荷指令値を算出することになる。
[制御フロー]
次に、張力制御装置4が実行する張力制御フローについて説明する。図4は、張力制御フローの一例を示すフローチャートである。ここでは、張力制御フローについて、図1のブライドルロール3を参照して具体的に説明する。
張力制御装置4は、実際にブライドルロール3と鋼帯2との間でスリップが発生するまでBR張力比T´´を変化させて現状のスリップ限界TSを調べる(ステップS1)。具体的には、このスリップ限界TSとは、スリップ発生時のBR入側張力Tに対するBR出側張力Tの比のことである。例えば、連続焼鈍ライン1を試運転中にステップS1の制御を実行する。定期的な試運転時にステップS1を実行してもよい。
張力制御装置4は、ステップS1のスリップ限界TSと、ブライドルロール3のモータ容量Pとに基づいて、スリップ発生時の各ロールRにおけるロール張力比T´を算出する(ステップS2)。具体的には、第1ロールRのモータ容量P、第2ロールRのモータ容量P、第3ロールRのモータ容量P、第4ロールR4のモータ容量Pとする。ブライドルロール3全体のモータ容量をPBRとすると「PBR=P+P+P+P」である。ステップS2におけるロール張力比T´(T/T(i−1))は下記(11)式により求まる。
Figure 0006299641
つまり、全体モータ容量PBRに対する各モータ容量Pの比にスリップ限界TSを積算することにより各ロール張力比T´が求まる。なお、ステップS2において、第1ロールRのロール張力比T´は「TS×(P/PBR)」、第2ロールRのロール張力比T´は「TS×(P/PBR)」、第3ロールRのロール張力比T´は「TS×(P/PBR)」、第4ロールRのロール張力比T´は「TS×(P/PBR)」で求まる。
張力制御装置4は、上記(1)式に用いる外力Xを求める(ステップS3)。例えば、実際にスリップが発生した試験結果に対して、上記(1)式の「X」に任意の値を設定して解析を行う。その解析において、上記(1)式の理論と、試験結果のスリップ現象(例えば第1ロールRのみがスリップする)との整合性が取れる定数Xを導出する。つまり試験結果を繰り返し取得し、その解析結果から所定の定数Xを決定する。
張力制御装置4は、ステップS3の外力Xを代入した上記(1)式から、ロール間の張力Tを算出する(ステップS4)。上記(1)式から、第1ロールRの出側張力T、第2ロールRの出側張力T、第3ロールRの出側張力Tを算出する。
張力制御装置4は、ステップS4で算出されたTを用いて、各ロールRのロール張力比T´を算出する(ステップS5)。ステップS5で求まる第1ロールRのロール張力比T´は「T/T」である。同様に、ステップS5において、第2ロールRのロール張力比T´は「T/T」、第3ロールRのロール張力比T´は「T/T」、第4ロールRのロール張力比T´は「T/T」で求まる。
張力制御装置4は、各ロールの張力比がステップS5で算出した張力比T´になるようロールR毎の負荷補正係数を算出する(ステップS6)。
そして、張力制御装置4は、負荷補正係数に基づいて負荷指令値、すなわち各モータへの電流指令値を補正する(ステップS7)。その補正電流指令値に基づいて各ロールの負荷を制御することによって、ロール間の張力Tを上記(1)式の解を目標値とするように制御できる。
なお、ライン操業条件が変更になった場合などに、試運転で、上述したステップS1からステップS3の制御フローを実行するように構成されてよい。また、オンライン中に上述したステップS4からステップS7に至る制御フローを実行してもよい。
また、外力Xは遠心力等によって発生する力なのでライン速度との相関が高いと考えられる。そこで、外力Xをライン速度の関数として設定し、ステップS3〜S7を常時繰り返し計算させて各ロールの負荷補正係数をライン速度に応じて変化させることで、ライン速度が大幅に変化しても常にスリップを適切に抑制できるシステムを構成することも可能である。
[解析結果]
次に、張力制御装置4において上記(1)式を用いてブライドルロール3の張力制御を実行した場合の試験結果について説明する。まず、連続焼鈍ライン1を所定条件で操業したところ、ブライドルロール3の第1ロールRでスリップが発生した場合を従来例とする。一方、上述した実施形態の通り上記(1)式の張力算出式を用いた張力制御を実行した場合を改善例とする。
改善例の試験結果は、下記表1に示す通りである。
Figure 0006299641
上記表1に示す例では、比較例として、BR張力比T´´が5.50、BR出側のライン速度が1040[mpm]のライン条件を設定して、各ロールR〜Rの負荷補正係数を1に設定した場合(第1条件)の試験結果を取得した。第2条件として、第1条件からBR張力比T´´を8.75に変更した場合には、第1ロールRでスリップが発生した。その第2条件からの条件を変更して、出側ライン速度を940[mpm]、第1および第2ロールR,Rの負荷補正係数を0.926、第3ロールRの負荷補正係数を0.987に変更した場合(第3条件)でも、第1ロールRでスリップが発生した。第3条件から出側ライン速度を1040[mpm]に変更した場合(第4条件)でも、第1ロールRでスリップが発生した。
しかし、第4条件から条件を変更して、出側ライン速度を800[mpm]、第1ロールRの負荷補正係数を0.870に変更した場合(第5条件)には、第1ロールRでスリップは発生しなかった。さらに、第5条件から出側ライン速度を900[mpm]に変更した場合(第6条件)や出側ライン速度を1000[mpm]に変更した場合(第7条件)には、一瞬だけ第1ロールRがスリップした。ただし、第5条件から出側ライン速度を1040[mpm]に変更した場合(第8条件)には、再び第1ロールRでスリップが発生した。つまり、第6,第7条件では、上記第3,第4条件よりもスリップの発生を抑制できる試験結果が出たことになる。
そして、第1条件と同様に各負荷補正係数が1であってもBR張力比T´´が8.75、出側ライン速度が800[mpm]の場合(第9条件)には、第1ロールRでスリップが発生した。しかし、第9条件から出側ライン速度を700[mpm]に変更した場合(第10条件)には、第1ロールRでスリップは発生しなかった。さらに、第5条件から出側ライン速度を740[mpm]に変更した場合(第11条件)も、第1ロールRはスリップしなかった。
図5は、上記表1に示すBR張力比T´´が8.75の場合(第2〜第11条件)の試験結果を示すマップである。図5において、横軸は負荷補正係数、縦軸は出側ライン速度を表す。
図5に示す改善後のように、この改善例によれば、従来例よりもスリップが発生する限界速度が高くなっていることが分かる。つまり、張力制御装置4において上記(1)式を用いて各ロールへの負荷指令値を補正する張力制御を実行した結果、従来よりもライン速度を増大させてもスリップの発生を抑制できる。
以上説明した通り、本実施形態におけるブライドルロールの張力制御方法および装置によれば、金属帯に作用するロールから離れる方向の力を考慮した張力算出式を用いてロール張力比を制御するので、ブライドルロールと金属帯との間でスリップが発生することを防止でき、必要な張力が得られないことによる品質不良やライントラブル(蛇行・破断等)を防止できる。特に、高速ラインの張力制御に好適である。さらに、金属帯とロールとの間のスリップを抑制できるので、ブライドルロールの耐久性を向上させることができる。このため、ロールの取り換え頻度を低減でき、かつ補修費を低減できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、この発明の目的を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
1 連続焼鈍ライン
2 鋼帯(金属帯)
3 ブライドルロール
4 張力制御装置

Claims (4)

  1. 金属帯を通板するラインにおける金属帯搬送用のブライドルロールの張力制御方法において、
    前記ブライドルロール上を走行中の前記金属帯が当該ブライドルロールの各ロールから離れる方向に受ける外力を含む張力算出式に基づいて前記各ロールの出側の張力を算出するステップと、
    前記張力算出式から求まる出側の張力に基づいて前記各ロールの駆動用モータへ出力する負荷指令値を算出し、かつ前記負荷指令値を前記駆動用モータへ出力するステップとを含み、
    前記張力算出式は、下記(1)式である
    とを特徴とするブライドルロールの張力制御方法。
    Figure 0006299641
    ただし、T はi本目のロールの出側張力、Nはブライドルロールのロール本数、T はブライドルロールの入側張力、Xは金属帯がロールから離れようとする方向に受ける外力を表す定数、T はブライドルロールの出側張力である。
  2. 前記外力は、遠心力を含むことを特徴とする請求項1に記載のブライドルロールの張力制御方法。
  3. 金属帯を通板するラインにおける金属帯搬送用のブライドルロールの張力制御装置において、
    前記ブライドルロール上を走行中の前記金属帯が当該ブライドルロールの各ロールから離れる方向に受ける外力を含む張力算出式に基づいて前記各ロールの出側の張力を算出する手段と、
    前記張力算出式から求まる出側の張力に基づいて前記各ロールの駆動用モータへ出力する負荷指令値を算出し、かつ前記負荷指令値を前記駆動用モータへ出力する手段とを備え、
    前記張力算出式は、下記(1)式である
    とを特徴とするブライドルロールの張力制御装置。
    Figure 0006299641
    ただし、T はi本目のロールの出側張力、Nはブライドルロールのロール本数、T はブライドルロールの入側張力、Xは金属帯がロールから離れようとする方向に受ける外力を表す定数、T はブライドルロールの出側張力である。
  4. 前記外力は、遠心力を含むことを特徴とする請求項に記載のブライドルロールの張力制御装置。
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