JP2013180323A - 薄鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧延機のスタンドで発生する圧延負荷量変化を効果的に抑制することができる薄鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】上流圧延工程10では、下流圧延工程20の連続圧延機の各スタンドで発生する圧延負荷量を予測し、当該圧延負荷量の変化を補償する板厚補償量を予め付与した圧延材を圧延し、これを下流圧延工程20の連続圧延機に供給する。これにより、下流圧延工程20の連続圧延機の各スタンドで発生する圧延材長手方向の圧延負荷量変化を抑制する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、圧延時に圧延機のスタンドで発生する圧延負荷量の変化を抑制する薄鋼板の製造方法に関する。
一般に、連続圧延機における各スタンドでの板厚は、母板板厚、成品板厚、安定操業、形状品質などを考慮に入れ、各スタンドでの圧延負荷量が設定された比率となるように決定されている。ところが、圧延モデル自体の誤差や潤滑条件などの種々の外乱により、実際の圧延負荷量は、その設定値と一致しない場合も多く、最悪の場合は形状不良などの操業トラブルなどを引き起こしてしまう。
そこで、圧延材の圧延中に、設定された各スタンドでの圧延負荷量を実現する方法として、例えば特許文献1及び2に記載の技術がある。これらの技術は、任意の隣接するスタンド対での圧延負荷量が互いにその設定比率に一致しないとき、圧延負荷の比率設定値からの誤差に基づき、当該スタンド対のうち上流側スタンドの出側板厚を変更し、下流側スタンドでの出側板厚を変化させない状態のまま隣接スタンドとの圧延負荷比率をその比率設定値に一致させるものである。
また、圧延機の負荷バランスをとる方法としては、例えば特許文献3に記載の技術がある。この技術は、各スタンドの負荷率をスタンド荷重/トータル荷重で計算し、各スタンドの負荷率の基準と実績の差に応じて前段の圧下修正スタンドを選択し、板厚制御の目標値を修正する方法である。
特公平2−39327号公報 特開2006−35302号公報 特開平4−356309号公報
ところで、近年、薄鋼板の製造においては、高張力鋼板などの硬い素材の開発や板厚の薄物化が進んでおり、高い圧延負荷での操業を行う事例が増えている。更に、そのような圧延材では、成分や温度条件、潤滑条件などのバラツキによる圧延負荷量の変化への影響が大きい。
上記各特許文献に記載の技術は、いずれも1本の圧延材を圧延している最中に発生する圧延負荷量の変化を、当該圧延材の圧延中に設定した圧延負荷比率へ修正する技術である。これらの技術では、各スタンド間での圧延負荷比率については一定に保持することができるが、発生した圧延負荷量の変化が大きい場合には、当該圧延負荷量変化を充分に修正できないケースが発生する。
そこで、本発明は、圧延機のスタンドで発生する圧延負荷量変化を効果的に抑制することができる薄鋼板の製造方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る薄鋼板の製造方法は、上流圧延工程で圧延機によって圧延材を圧延した後、当該圧延材を、下流圧延工程で1又は複数のスタンドを有する圧延機によって圧延し、薄鋼板を製造する薄鋼板の製造方法であって、前記上流圧延工程は、前記下流圧延工程の圧延機のスタンドで発生する圧延負荷量を予測する工程と、前記下流圧延工程の圧延機のスタンドで発生させる圧延負荷量基準値を設定する工程と、予測した圧延負荷量の前記圧延負荷量基準値からの誤差に基づいて、前記スタンドの圧延負荷量を前記圧延負荷基準値に一致させるための、当該スタンドの入側板厚目標値に対する補償量である入側板厚目標補償量を算出する工程と、当該上流圧延工程の圧延機における出側板厚目標値を、前記入側板厚目標補償量で補償する工程と、前記入側板厚目標補償量で補償した前記出側板厚目標値を実現するように、当該上流圧延工程の圧延機によって前記圧延材を圧延する工程と、を備えることを特徴としている。
このように、上流圧延工程では、下流の圧延機のスタンドで発生する圧延負荷量と圧延負荷基準値との誤差を補償する板厚補償量(入側板厚補償量)を付与した出側板厚目標値を設定し、圧延を行う。このとき、圧延負荷基準値を圧延材長手方向で一定値又は略一定値とすれば、上流圧延工程の圧延機から下流圧延工程の圧延機に対して、上記圧延負荷量変化を補償する板厚補償量が予め付与された圧延材を供給することができる。そのため、下流圧延工程の圧延機のスタンドで発生する圧延負荷量変化を抑制することができる。
また、上記において、前記下流圧延工程の圧延機は、複数のスタンドを有する連続圧延機であり、前記下流圧延工程は、前記連続圧延機内で隣接するスタンド対の圧延負荷量比率が、前記圧延材の先端通過時における当該スタンド対の圧延負荷量比率を維持するように、前記スタンド対のうち上流側のスタンドの出側板厚を変更して前記圧延材を圧延する工程を備えることを特徴としている。
これにより、下流圧延工程の連続圧延機における各スタンド間での圧延負荷量比率を設定比率で一定に維持することができると共に、各スタンドにおける圧延負荷量変化を抑制することができる。
さらに、上記において、前記下流圧延工程の圧延機は、複数のスタンドを有する連続圧延機であり、前記上流圧延工程における前記入側板厚目標補償量を算出する工程は、前記連続圧延機のスタンド毎に予測した圧延負荷量を、当該スタンド毎に設定した圧延負荷基準値に一致させるための入側板厚目標補償量を、当該スタンド毎に算出するように構成され、前記下流圧延工程は、前記上流圧延工程で算出した前記連続圧延機の各スタンドの入側板厚目標補償量を用いて、当該下流圧延工程の連続圧延機における各スタンドの出側板厚目標値を設定する工程と、設定した前記出側板厚目標値を実現するように、当該下流圧延工程の連続圧延機によって前記圧延材を圧延する工程と、を備えることを特徴としている。
これにより、下流圧延工程の連続圧延機における各スタンドの圧延負荷量を、各スタンドの圧延負荷基準値に一致させることができる。したがって、各スタンド間での圧延負荷基準値の比率を一定とすれば、結果として連続圧延機における各スタンド間での圧延負荷量比率を一定に維持することができると共に、各スタンドにおける圧延負荷量変化を抑制することができる。
本発明によれば、下流圧延工程の圧延機におけるスタンドの圧延材長手方向の圧延負荷量変化を抑制することができるので、圧延負荷量変化に伴って誘発される形状不良などの操業トラブルの発生を抑制することができる。
また、圧延負荷量変化を抑制することで、圧延材に付与する圧延負荷量を圧延機の最大能力近くまで活用することができる。したがって、従来よりも、より板厚が薄い製品や、硬い製品の製造が可能となる。
本発明を適用する薄鋼板の製造工程を示す図である。 上流圧延工程において圧延材の板厚制御を行う制御装置の構成を示すブロック図である。 冷間連続圧延機の各スタンドの圧延荷重予測値Pi(j)と圧延荷重基準値P0i(j)とを示す図である。 冷間連続圧延機の各スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHxi(j)を示す図である。 冷間連続圧延機の各スタンドの入側板厚目標補償量ΔHi(j)を示す図である。 本実施形態の効果を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における薄鋼板の製造方法が適用される製造工程を示す図である。
図中、符号10は上流圧延工程、符号20は上流圧延工程の後に行われる下流圧延工程である。
ここで、上流圧延工程10とは、熱間圧延における仕上連続圧延機(以下、熱間連続圧延機と称す)による圧延工程である。また、下流圧延工程20とは、冷間圧延における連続圧延機(以下、冷間連続圧延機と称す)による圧延工程である。両圧延工程10,20の間には、中間工程として非圧延工程30がある。この非圧延工程30は、例えば酸洗工程等である。
すなわち、上流圧延工程10の熱間連続圧延機で所定板厚(熱間連続圧延機の出側板厚目標値)に圧延された圧延材は、非圧延工程30を経て下流圧延工程20に供給され、冷間連続圧延機によって所定板厚(冷間連続圧延機の出側板厚目標値)に圧延される。
上流圧延工程10の熱間連続圧延機および下流圧延工程20の冷間連続圧延機は、それぞれ個々のスタンドの出側板厚を変更可能な板厚制御機能を備える。この板厚制御機能は、個々のスタンドのロールギャップ開度を制御可能な構成により実現する。
上流圧延工程10では、上記出側板厚目標値を、下流圧延工程20の冷間連続圧延機の各スタンドで発生する圧延負荷量変化を補償する板厚補償量を予め付与した値に設定し、圧延材の圧延を行う。そして、下流圧延工程20では、冷間連続圧延機の各スタンド間での圧延負荷量比率を一定に維持するように、圧延材の圧延を行う。
以下、上流圧延工程10における圧延材の板厚制御について具体的に説明する。
図2は、上流圧延工程10において圧延材の板厚制御を行う制御装置の構成を示すブロック図である。
制御装置11は、圧延荷重予測部12と、圧延荷重基準値設定部13と、入側板厚目標補償量算出部14と、入側板厚目標値設定部15と、出側板厚目標値設定部16と、板厚制御部17とを備える。
圧延荷重予測部12は、下流圧延工程20の冷間連続圧延機の各スタンドの圧延負荷量を予測する。ここでは、圧延負荷量として圧延荷重を採用するものとし、iスタンドの圧延荷重予測値をPi(j)と表記する。なお、jは圧延材長手方向位置である。
圧延荷重予測値Pi(j)は、圧延材を連続圧延する際に設定される操業条件(圧延材先端の圧延速度、潤滑条件など)や通板条件(各スタンドの形状や圧延負荷バランスなど)を考慮して計算された圧延荷重を基準として、圧延材長手方向の操業条件変化に伴う各スタンドの圧延荷重を、圧延モデルを用いて予測することで求める。
なお、圧延荷重予測値Pi(j)は、圧延材と同種のグループに属する圧延材の過去の圧延実績から、各スタンドにおける圧延材長手方向の圧延荷重変化を予測して求めるようにしてもよい。
圧延荷重基準値設定部13は、冷間連続圧延機の各スタンドで発生させる圧延荷重の目標値として、圧延材長手方向で圧延荷重基準値P0i(j)を設定する。ここでは、圧延荷重予測部12で予測した圧延材先端部の圧延荷重予測値Pi(0)を圧延荷重基準値P0i(j)として設定する。すなわち、圧延荷重基準値P0i(j)は圧延材長手方向で一定値となる。
但し、後述する入側板厚目標補償量算出部14で算出される圧延材長手方向の入側板厚目標補償量が所定範囲を超えて大きく変化する場合は、当該補償量の変化量が所定範囲内となるように、圧延荷重基準値P0i(j)を設定する。
入側板厚目標補償量算出部14は、冷間連続圧延機入側(冷間連続圧延機の第1スタンド入側)における圧延材長手方向の入側板厚目標補償量ΔH1(j)を算出する。まず、各スタンドにおいて、圧延荷重予測部12で予測した圧延荷重予測値Pi(j)の、圧延荷重基準値設定部13で設定した圧延荷重基準値P0i(j)に対する誤差を算出する。そして、当該誤差を補償するための各スタンドの入側板厚目標値に対する補償量を、各スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHxi(j)として算出する。
ΔHxi(j)=ki・(P0i(j)−Pi(j)) ………(1)
ここで、kiは、iスタンドにおいて圧延荷重量を入側板厚目標補償量に換算するための換算係数である。
次に、各スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHxi(j)に基づいて、冷間連続圧延機の入側板厚目標補償量ΔH1(j)を算出する。ここでは、冷間連続圧延機の最下流スタンド側から順次、自身の下流スタンドの入側板厚目標補償量ΔHi+1(j)を実現するための入側板厚目標補償量ΔHi(j)を算出する。
ΔHi(j)=ΔHxi(j)+f(ΔHi+1(j)) ………(2)
ここで、f()は、(i+1)スタンドの入側板厚目標補償量ΔHi+1(j)を、iスタンドの入側板厚目標補償量へ換算する関数である。
入側板厚目標値設定部15は、冷間連続圧延機入側(冷間連続圧延機の第1スタンド入側)における圧延材長手方向の入側板厚目標値H1(j)を設定する。ここでは、長手方向に一定として予め設定されている冷間連続圧延機の入側板厚目標基準値H10(j)に、入側板厚目標補償量算出部14で算出した入側板厚目標補償量ΔH1(j)を加算し、入側板厚目標値H1(j)を設定する。
H1(j)=H10(j)+ΔH1(j) ………(3)
出側板厚目標値設定部16は、熱間連続圧延機出側における圧延材長手方向の出側板厚目標値H(j)を設定する。例えば、入側板厚目標値設定部15で設定した冷間連続圧延機の入側板厚目標値H1(j)を、そのまま出側板厚目標値H(j)として設定する。なお、非圧延工程において、コイルの先端と尾端とが変更される場合には、長手方向位置の入替を行って出側板厚目標値H(j)を設定する。
板厚制御部17は、熱間連続圧延機が備える板厚制御機能を用いて、熱間連続圧延機出側における圧延材長手方向の板厚が、出側板厚目標値設定部16で設定した出側板厚目標値H(j)に一致するように圧延材を圧延する。
このように、上流圧延工程10は、下流圧延工程20の冷間連続圧延機の各スタンドで発生する圧延負荷量(圧延荷重予測値Pi(j))を予測する工程(圧延荷重予測部12)と、圧延負荷量基準値(圧延荷重基準値P0i(j))を設定する工程(圧延荷重基準値設定部13)とを備える。
また、上流圧延工程10は、予測した圧延負荷量(圧延荷重予測値Pi(j))の圧延負荷量基準値(圧延荷重基準値P0i(j))からの誤差に基づいて、冷間連続圧延機の各スタンドの圧延負荷量を圧延負荷基準値に一致させるための冷間連続圧延機における入側板厚補償値ΔH1(j)を算出する工程(入側板厚目標補償量算出部14)を備える。この工程は、上記誤差に基づいて、冷間連続圧延機の各スタンドの圧延負荷量を圧延負荷基準値に一致させるための冷間連続圧延機における各スタンド単独の入側板厚補償値ΔHxi(j)を算出する工程と、各スタンド単独の入側板厚補償値ΔHxi(j)に基づいて、冷間連続圧延機における入側板厚補償値ΔH1(j)を算出する工程とを含む。
さらに、上流圧延工程10は、算出した入側板厚補償量ΔH1(j)に基づいて、熱間連続圧延機における出側板厚目標値H(j)を設定する工程(入側板厚目標値設定部15及び出側板厚目標値設定部16)と、設定した出側板厚目標値H(j)を実現するように、熱間連続圧延機によって圧延材を圧延する工程(板厚制御部17)とを備える。
以上の構成により、上流圧延工程10から下流圧延工程20に対して、下流圧延工程20の冷間連続圧延機の各スタンドで発生する圧延負荷量変化を補償する板厚補償量が予め付与された圧延材が供給される。
下流圧延工程20では、冷間連続圧延機内で隣接するスタンド対の圧延荷重比率が、圧延材の先端通過時における当該スタンド対の圧延荷重比率を維持するように、当該スタンド対のうち上流側のスタンドの出側板厚を変更して圧延材を圧延する。
或いは/且つ、下流圧延工程20では、上流圧延工程10において入側板厚目標補償量算出部14で算出した各スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHxi(j)を用いて、冷間連続圧延機の各スタンドの出側板厚目標値を設定し、当該出側板厚目標値を実現するように圧延材を圧延する。この場合、入側板厚目標補償量算出部14で算出した各スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHxi(j)と、各スタンドの先端入側板厚目標値とを加算することで、各スタンドの出側板厚目標値を設定する。
(実施例)
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。
ここでは、1.0mm厚×1200mm幅、590Mpaの高張力鋼板を圧延材として用いた。そして、上流圧延工程10として、熱間連続圧延機で出側板厚目標値H(j)を実現するように当該圧延材を熱間圧延した後、下流圧延工程20として、5スタンドの冷間連続圧延機による圧延を行った。
上流圧延工程10では、熱間連続圧延機での圧延に先立って、上記出側板厚目標値H(j)を算出した。出側板厚目標値H(j)の算出に際し、先ず、下流の冷間連続圧延機の各スタンドで発生する圧延材長手方向の圧延負荷量変化を、圧延荷重予測値Pi(j)として予測した。このとき予測した冷間連続圧延機の各スタンド#1〜#5における圧延荷重予測値P1(j)〜P5(j)を、図3(a)〜(e)の実線に示す。
次に、各スタンド#1〜#5の圧延材先端における圧延荷重予測値P1(0)〜P5(0)を、各スタンド#1〜#5における圧延材長手方向の圧延荷重基準値P01(j)〜P05(j)として設定した。つまり、圧延荷重基準値P01(j)〜P05(j)は、図3(a)〜(e)の点線に示すように圧延材長手方向で一定とした。
次に、圧延荷重予測値Pi(j)を圧延荷重基準値P0i(j)に一致させるための、冷間連続圧延機の各スタンドにおける入側板厚目標値に対する補償量を、各スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHxi(j)として上記(1)式をもとに算出した。算出した入側板厚目標補償量ΔHx1(j)〜ΔHx5(j)を、図4(a)〜(e)に示す。
この図4(a)〜(e)に示すように、圧延荷重予測値Pi(j)が圧延荷重基準値P0i(j)と等しい場合には、入側板厚目標補償量ΔHxi(j)が“0”となる。そして、圧延荷重予測値Pi(j)が圧延荷重基準値P0i(j)に対して下回っている場合には、スタンドの圧延荷重を増加補正する必要があるため、当該スタンドの入側板厚目標値を増加補正すべく、入側板厚目標補償量ΔHxi(j)が正値として算出される。
次に、最下流スタンド#5側から、上記(2)式をもとに各スタンドにおける圧延材長手方向の入側板厚目標補償量ΔHi(j)を順次算出した。算出した入側板厚目標補償量ΔH1(j)〜ΔH5(j)を、図5(a)〜(e)に示す。
#5スタンドの下流側にはスタンドが存在しないため、#5スタンドの入側板厚目標補償量ΔH5(j)は、図5(e)に示すように、図4(e)に示す#5スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHx5(j)と等しくなる。また、#4スタンドの入側板厚目標補償量ΔH4(j)は、図5(d)に示すように、図4(d)に示す#4スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHx4(j)に図4(e)に示す#5スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHx5(j)を加算した値に等しくなる。
さらに、#3スタンドの入側板厚目標補償量ΔH3(j)は、図5(c)に示すように、図4(c)に示す#3スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHx3(j)に、図4(d)に示す#4スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHx4(j)と図4(e)に示す#5スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHx5(j)とを加算した値に等しくなる。
#2スタンド及び#1スタンドについても同様に、自身の下流側スタンド単独の入側板厚目標補償量ΔHxi(j)を考慮して入側板厚目標補償量ΔH2(j)及びΔH1(j)を算出した。
そして、予め設定した冷間連続圧延機の入側板厚目標値H10(j)に、図5(a)に示す#1スタンドの入側板厚目標補償量ΔH1(j)を加算することで、冷間連続圧延機の補償後の入側板厚目標値H1(j)を算出し、これを熱間連続圧延機の出側板厚目標値H(j)とした。このように出側板厚目標値H(j)を算出した後、この出側板厚目標値H(j)を実現するように熱間連続圧延機において圧延を行った。
これにより、上流の熱間連続圧延機からは、下流の冷間連続圧延機に対して、当該冷間連続圧延機の各スタンドで発生する圧延負荷量変化を補償する板厚補償量を予め付与した圧延材を供給することができる。
下流の冷間連続圧延機では、図5に示す各スタンドの入側板厚目標補償量ΔHi(j)を用いて、#1スタンドから#4スタンドの出側板厚目標値を算出した。例えば、#2スタンドの入側板厚目標補償量ΔH2(j)と、予め設定した#2スタンドの先端入側板厚目標値とを加算することで、#1スタンドの出側板厚目標値を算出した。このようにして#1スタンドから#4スタンドの出側板厚目標値を算出し、各スタンドの出側板厚が、算出した出側板厚目標値となるように板厚制御を行った。
これにより、冷間連続圧延機における各スタンド間での圧延負荷量比率を、各スタンド間での圧延荷重基準値P0i(j)の比率に一致させることができる。圧延荷重基準値P0i(j)は、図3に示すように圧延材長手方向で一定値であるため、結果として冷間連続圧延機における各スタンド間での圧延負荷量比率を一定に維持することができる。
以上により、冷間連続圧延機の各スタンドの長手方向の圧延荷重は、図6(a)〜(e)の破線αに示すように圧延材長手方向で一定となった。すなわち、冷間連続圧延機における各スタンド間での圧延負荷量比率を一定とすることができた。このように、図6(a)〜(e)の点線β及び実線γで示す従来手法の場合と比較して、圧延材長手方向の圧延荷重変化を抑制することができた。ここで、図6(a)〜(e)において、点線βは従来の圧延荷重比率制御(単に隣接するスタンド間で所定の圧延荷重比率となるように制御する方法)を適用した場合、実線γは圧延荷重比率制御を適用しない場合を示している。
冷間連続圧延機における各スタンドの出側板厚目標値を圧延材の長手方向で変更するにもかかわらず、冷間連続圧延機入側における板厚が一定であると、各スタンドの圧延負荷比率を維持したまま変更できる各スタンドの板厚変更量には制約がある。すなわち、各スタンド間での圧延負荷比率は一定に保持することができても、各スタンドにおいて大きな圧延負荷量変化が発生するおそれがある。そのため、圧延負荷量変化に伴って誘発される形状不良などの操業トラブルが発生するリスクが高い。
これに対して、本発明では、冷間連続圧延機の各スタンドにおける圧延荷重変化を抑制することができるので、上記のような操業トラブルが発生するリスクを低減することができる。
また、圧延材長手方向の圧延荷重変化を抑制することができるので、圧延材に付与する圧延荷重を圧延機の最大能力近くまで活用することが可能となり、従来に比して、板厚の薄い製品や、硬い製品の製造が可能となる。
(変形例)
なお、上記実施形態においては、下流圧延工程の圧延機を、複数スタンドを有する連続圧延機とする場合について説明したが、1スタンドのみを有する圧延機とすることもできる。
また、上記実施形態においては、圧延材先端における圧延荷重Pi(0)を圧延荷重基準値P0i(j)とする場合について説明したが、圧延材長手方向の圧延荷重が最も低い部位を基準として採用することもできる。この場合、冷間圧延時の圧延荷重を全長に亘り低減することができる。すなわち、冷間圧延機の余力を生み出すことができ、定常部においてより大きな圧延荷重を付与することができることを意味する。したがって、定常部に更なる圧延荷重を付与することにより、より板厚の薄い製品や、より硬い製品の製造が可能となる。
さらに、上記実施形態においては、上流圧延工程10を熱間圧延の粗圧延連続圧延機による粗圧延工程とし、下流圧延工程20を熱間圧延の仕上連続圧延機による仕上圧延工程とすることもできる。この場合、中間工程である非圧延工程30は無くてもよい。
10…上流圧延工程、11…制御装置、12…圧延荷重予測部、13…圧延荷重基準値設定部、14…入側板厚目標補償量算出部、15…入側板厚目標値設定部、16…出側板厚目標値設定部、17…板厚制御部、20…下流圧延工程、30…非圧延工程

Claims (3)

  1. 上流圧延工程で圧延機によって圧延材を圧延した後、下流圧延工程で1又は複数のスタンドを有する圧延機によって前記圧延材を圧延し、薄鋼板を製造する薄鋼板の製造方法であって、
    前記上流圧延工程は、
    前記下流圧延工程の圧延機のスタンドで発生する圧延負荷量を予測する工程と、
    前記下流圧延工程の圧延機のスタンドで発生させる圧延負荷量基準値を設定する工程と、
    予測した圧延負荷量の前記圧延負荷量基準値からの誤差に基づいて、前記スタンドの圧延負荷量を前記圧延負荷基準値に一致させるための、当該スタンドの入側板厚目標値に対する補償量である入側板厚目標補償量を算出する工程と、
    当該上流圧延工程の圧延機における出側板厚目標値を、前記入側板厚目標補償量で補償する工程と、
    前記入側板厚目標補償量で補償した前記出側板厚目標値を実現するように、当該上流圧延工程の圧延機によって前記圧延材を圧延する工程と、を備えることを特徴とする薄鋼板の製造方法。
  2. 前記下流圧延工程の圧延機は、複数のスタンドを有する連続圧延機であり、
    前記下流圧延工程は、
    前記連続圧延機内で隣接するスタンド対の圧延負荷量比率が、前記圧延材の先端通過時における当該スタンド対の圧延負荷量比率を維持するように、前記スタンド対のうち上流側のスタンドの出側板厚を変更して前記圧延材を圧延する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の薄鋼板の製造方法。
  3. 前記下流圧延工程の圧延機は、複数のスタンドを有する連続圧延機であり、
    前記上流圧延工程における前記入側板厚目標補償量を算出する工程は、前記連続圧延機のスタンド毎に予測した圧延負荷量を、当該スタンド毎に設定した圧延負荷基準値に一致させるための入側板厚目標補償量を、当該スタンド毎に算出するように構成され、
    前記下流圧延工程は、
    前記上流圧延工程で算出した前記連続圧延機の各スタンドの入側板厚目標補償量を用いて、当該下流圧延工程の連続圧延機における各スタンドの出側板厚目標値を設定する工程と、
    設定した前記出側板厚目標値を実現するように、当該下流圧延工程の連続圧延機によって前記圧延材を圧延する工程と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄鋼板の製造方法。
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