JP5440288B2 - タンデム仕上圧延機及びその動作制御方法、並びに、熱延鋼板の製造装置及び熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

タンデム仕上圧延機及びその動作制御方法、並びに、熱延鋼板の製造装置及び熱延鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タンデム仕上圧延機及びその動作制御方法、並びに、熱延鋼板の製造方法及び熱延鋼板の製造装置に関する。本発明は、特に、熱間圧延ラインのタンデム仕上圧延機で1本の粗バーを圧延している最中に、中間スタンドから最終スタンドの板厚、及び圧延潤滑剤の使用不使用の少なくとも一方を変更するタンデム仕上圧延機及びその動作制御法、並びに、当該タンデム仕上圧延機を有する熱延鋼板の製造装置、及び、上記タンデム仕上圧延機の動作制御方法を用いた熱延鋼板の製造方法に関する。
熱間圧延工程では、まずスラブを粗圧延機によって圧延して粗バーを生成し、その後、複数の圧延機(スタンド)を備えるタンデム仕上圧延機によって粗バーを目標板厚まで圧延する。仕上圧延での各スタンドの動作は、最終スタンド出側における被圧延材の板厚や板幅等が目標の条件を満たすように決定される。この各スタンドの動作条件は、ドラフトスケジュール(パススケジュール)と呼ばれ、製品の品質や生産性等に大きな影響を与える。そのため、製品に応じて適切なドラフトスケジュールを決定することが求められている。
タンデム仕上圧延機のドラフトスケジュールは、通常、最終製品に近い後段(被圧延材の移動方向下流側)のスタンドほど、ワークロール表面の肌荒れを低減して製品の表面性状を良好に保つために、圧延荷重が軽くなるように決定している。ここで、前段(被圧延材の移動方向上流側)スタンド及び後段スタンドの圧下率を同一に設定しても、板厚が薄い被圧延材を圧延する後段スタンドは、大きな圧延荷重が必要になるという圧延上の特性がある。そのため、通常のドラフトスケジュールでは、後段スタンドほど、圧下率が小さくなっている。
一方、自動車用や構造材用等として用いられる鋼材は、強度、加工性、靭性といった機械的特性に優れることが求められ、これらの機械的特性を総合的に高めるには、熱延鋼板の結晶粒を微細化することが有効である。また、結晶粒を微細化すれば、合金元素の添加量を削減しても優れた機械的性質を具備した高強度熱延鋼板を製造することが可能になる。
熱延鋼板の結晶粒の微細化方法としては、熱間仕上圧延の特に後段において、高圧下圧延(後段スタンドの圧下率を高めた仕上圧延)をおこなってオーステナイト粒を微細化するとともに粒内に圧延歪を蓄積させ、仕上圧延直後に急冷することにより、得られるフェライト粒の微細化を図る方法が知られている。この方法で微細結晶粒を有する熱延鋼板(以下において、「微細粒鋼」という。)を製造するためには、熱間圧延ラインにおけるタンデム仕上圧延機の後段スタンドの圧下率を、従来よりも高める必要がある。それゆえ、微細粒鋼を製造するためには、従来とは異なるドラフトスケジュールを決定し、タンデム仕上圧延機の動作を従来とは異なる形態で制御することが必要になる。
しかし、後段スタンドの圧下率を高くすると、後段スタンドの負荷(圧延荷重、圧延トルク等)が高くなり、先端の通板や尾端の尻抜きなどの非定常部の圧延が難しくなるため、先尾端部では後段スタンドの圧下率を下げて本来の製品の板厚目標値よりも厚く圧延することが必要になることがある。
また、後段スタンドの負荷を設備上限値以内に抑えるとともにワークロール表面の肌荒れも軽減するためには圧延潤滑剤の使用が有効であるが、圧延潤滑剤の使用によってワークロールと被圧延材との間の摩擦係数が低下すると、被圧延材のワークロールへの噛み込み性が悪化するため、先端の通板時は圧延潤滑剤を用いず、先端の通板が完了した後に圧延潤滑剤を使用し始める必要がある。圧延潤滑剤の使用不使用を変更すると、摩擦係数が変化して圧延荷重が変化するので、たとえ板厚を変更しない場合であっても圧下位置を変更する必要がある。
このように、一本の粗バーを圧延している最中に後段スタンドの板厚を変更したり、圧延潤滑剤の使用不使用を変更したりするには、所望の板厚が得られるように圧下位置を変更するだけでなく、ロール速度を変更してスタンド間張力の変動を抑制することが重要であり、張力低下による板寄りや、過張力による被圧延材の破断を防止しなければならない。
張力変動を防止する従来方法として、特許文献1には、走間寸法変更時に、第iスタンドの出側板厚を予め決定された寸法変更長さに応じて自動板厚制御装置の出側板厚基準値を変更することにより変更し、この出側板厚変更と同時に第iスタンドの出側材料速度と第i+1スタンドの入側材料速度が常に一致するように、下記式(A)を用いて第iスタンドのロール周速をそれぞれ時々刻々演算し、この演算値の最新のものに順次変更を行う方法が開示されている。
ここで、Vはロール周速、fは先進率、hは出側板厚、Hは入側板厚であり、下付添字のi及びi+1はスタンド番号、Δは微小変化を表す。Nスタンドからなるタンデム仕上圧延機に適用する場合には、通常最終の第Nスタンドを基準スタンドとするので、このスタンドの速度が基準になることを考慮して、第Nスタンドのロール速度は修正せず(ΔV=0)、第1スタンドから第N−1スタンドに対して上記(A)式を適用すると記載されている。
特公平3−11847号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、Δを微小変化としていることからもわかるように、変更量が小さい場合に適用できる技術である。そのため、特許文献1に開示されている技術は、特に、超微細結晶粒(例えば、平均粒径が2μm以下の結晶粒をいう。以下において同じ。)を有する熱延鋼板(以下において、「超微細粒鋼」ということがある。)の製造において必要となる板厚の変更量や圧延潤滑剤の使用不使用の変更によるワークロールと被圧延材との間の摩擦係数の変化には対応できないという問題があった。
具体的には、2つの問題があった。1つ目の問題は、最終の第Nスタンドを基準スタンドとして、第1スタンドから第N−1スタンドのロール速度を変更するため、第1スタンド入側に設置されているデスケーラや粗バーヒータを被圧延材が通過する速度が変わり、被圧延材に温度変動が生じることである。ロール速度修正量ΔVが微少である場合は温度変動も小さく大きな問題とはならないが、ΔVが微少でない場合は温度変動も大きくなり、その温度変動が被圧延材の硬さ変動を引き起こし、その変動部を圧延する際に板厚や張力が大きく変動してしまう。
2つ目の問題は、上記式(A)はΔが微少であるという仮定のもとに導出された式であるため、Δが微少でない場合は式(A)にしたがってロール速度を修正しても、第iスタンドの出側材料速度と第i+1スタンドの入側材料速度は一致せず、スタンド間張力が変動してしまうことである。
そこで、本発明は、超微細粒鋼を製造する際に必要となる板厚の変更や圧延潤滑剤の使用不使用の変更時にも張力変動を抑制することができるタンデム仕上圧延機及びその動作制御方法、並びに、熱延鋼板の製造装置及び熱延鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の第1の態様は、N個(Nは2以上の整数)のスタンド(1、2、…、7)を備えるタンデム仕上圧延機(10)で1本の被圧延材(8)を圧延している最中に、第mスタンド(mは2以上N以下の整数)から第Nスタンド(7)における板厚及び/又は圧延潤滑剤の使用不使用が変更される、タンデム仕上圧延機の動作を制御する方法であって、第m−1スタンドのロール速度を基準速度とし、第nスタンド(nはm−1以上、N−1以下の整数)の出側板速度と第n+1スタンドの入側板速度とが一致するように、第mスタンドから第Nスタンドまでのロール速度を時々刻々修正し、第mスタンドの体積速度が変化しないように、第mスタンドのロール速度を時々刻々修正し、第jスタンド(jはm+1以上N以下の整数)の体積速度の変更開始前に対する比率が、下記式(1)に一致するように、第jスタンドのロール速度を時々刻々修正することを特徴とする、タンデム仕上圧延機の動作制御方法である。
[式(1)中、H は第kスタンド(kはm+1以上j以下の整数)の入側板厚を表し、h は第kスタンドの出側板厚を表す。]
ここに、本発明において、「第Nスタンド(7)」とは、タンデム圧延機(10)の最終スタンド、すなわち、タンデム仕上圧延機(10)によって圧延される被圧延材(8)の移動方向の下流端に配置されたタンデム仕上圧延機のスタンド(7)をいう。
また、本発明において、「第jスタンドの体積速度」とは、第jスタンドの出側を単位時間当たりに通過する被圧延材の体積をいう。
また、上記本発明の第1の態様において、第mスタンドから第Nスタンドのロール速度の修正は、該各スタンドの速度基準値SSRHを変更することによって行い、速度基準値SSRHの変更中も、第1スタンド(1)から第N−1スタンド(6)までのサクセシブ速度を修正するスタンド間張力制御又はスタンド間ルーパ角度制御を実施することが好ましい。
ここに、「第1スタンド(1)」とは、タンデム仕上圧延機(10)によって圧延される被圧延材(8)の移動方向の上流端に配置されたタンデム仕上圧延機のスタンド(1)をいう。
本発明の第2の態様は、上記本発明の第1の態様にかかるタンデム仕上圧延機の動作制御方法によって制御されるタンデム仕上圧延機(10)を用いて鋼板(8)を仕上圧延する工程を有することを特徴とする、熱延鋼板の製造方法である。
本発明の第3の態様は、N個(Nは2以上の整数)のスタンド(1、2、…、7)を備えるタンデム仕上圧延機で1本の被圧延材(8)を圧延している最中に、第mスタンド(mは2以上N以下の整数)から第Nスタンド(7)における板厚及び/又は圧延潤滑剤の使用不使用が変更される、タンデム仕上圧延機(10)であって、第m−1スタンドのロール速度を基準速度とし、第nスタンド(nはm−1以上、N−1以下の整数)の出側板速度と第n+1スタンドの入側板速度とが一致するように、第mスタンドから第Nスタンドまでのロール速度を時々刻々修正するロール速度制御を行う制御手段(30)、を有し、第mスタンドの体積速度が変化しないように、制御手段(30)を用いて第mスタンドのロール速度が時々刻々修正され、第jスタンド(jはm+1以上N以下の整数)の体積速度の変更開始前に対する比率が、下記式(1)に一致するように、制御手段(30)によって、第jスタンドのロール速度を時々刻々修正するロール速度制御が行われることを特徴とする、タンデム仕上圧延機である。
[式(1)中、H は第kスタンド(kはm+1以上j以下の整数)の入側板厚を表し、h は第kスタンドの出側板厚を表す。]
また、上記本発明の第3の態様において、第mスタンドから第Nスタンド(7)のロール速度の修正は、該各スタンドの速度基準値SSRHを変更することによって行われ、速度基準値SSRHの変更中も、第1スタンド(1)から第N−1スタンド(6)までのサクセシブ速度を修正するスタンド間張力制御又はスタンド間ルーパ角度制御が実施されることが好ましい。
本発明の第4の態様は、上記本発明の第3の態様にかかるタンデム仕上圧延機(10)を備えることを特徴とする、熱延鋼板の製造装置(100)である。
本発明の第1の態様では、第m−1スタンドのロール速度を基準速度とし、第n+1スタンドの入側板速度と第nスタンドの出側板速度とが一致するように、第mスタンドから第Nスタンドのロール速度を時々刻々修正するので、第1スタンド(1)の入側板速度は変更されない。したがって、温度外乱を発生させることなく、第mスタンドから第Nスタンド(7)の板厚及び/又は圧延潤滑剤の使用不使用の変更の影響を受ける第nスタンドと第n+1スタンドとの間の張力の変動を抑制することができる。張力の変動を抑制することにより、板寄りや板破断等の圧延トラブルを防止することが可能になる。したがって、本発明の第1の態様によれば、超微細粒鋼を製造する際に必要となる板厚の変更や圧延潤滑剤の使用不使用の変更時にも張力変動を抑制することが可能なタンデム仕上圧延機の動作制御方法を提供することができる。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様にかかるタンデム仕上圧延機の動作制御方法によって制御されるタンデム仕上圧延機(10)を用いて鋼板(8)を圧延する工程を有している。そのため、本発明の第2の態様によれば、超微細粒鋼を製造することが可能な、熱延鋼板の製造方法を提供することができる。
本発明の第3の態様では、第m−1スタンドのロール速度を基準速度とし、第n+1スタンドの入側板速度と第nスタンドの出側板速度とが一致するように、制御手段(30)を用いて第mスタンドから第Nスタンド(7)のロール速度が時々刻々修正されるので、第1スタンド(1)の入側板速度は変更されない。したがって、温度外乱を発生させることなく、第mスタンドから第Nスタンド(7)の板厚及び/又は圧延潤滑剤の使用不使用の変更の影響を受ける第nスタンドと第n+1スタンドとの間の張力の変動を抑制することができる。張力の変動を抑制することにより、板寄りや板破断等の圧延トラブルを防止することが可能になる。したがって、本発明の第3の態様によれば、超微細粒鋼を製造する際に必要となる板厚の変更や圧延潤滑剤の使用不使用の変更時にも張力変動を抑制することが可能なタンデム仕上圧延機(10)を提供することができる。
本発明の第4の態様は、本発明の第3の態様にかかるタンデム仕上圧延機(10)を備えている。したがって、本発明の第4の態様によれば、超微細粒鋼の製造時に張力変動を抑制することが可能な、熱延鋼板の製造装置(100)を提供することができる。
本発明のタンデム仕上圧延機の動作制御方法が適用されるタンデム仕上圧延機の形態例を示す図である。 本発明にかかる熱延鋼板の製造装置の形態例を簡略化して示す図である。 本発明のタンデム仕上圧延機の動作制御方法によって制御した場合の圧延状態を示すグラフである。 従来法によって制御した場合の圧延状態を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明にかかるタンデム仕上圧延機の動作制御方法が適用されるタンデム仕上圧延機の形態例を示す図である。図1に示すように、タンデム仕上圧延機10は、第1スタンド1、第2スタンド2、…、及び、第7スタンド7の7つのスタンドを有しており、第1スタンド1から第7スタンド7までの7つのスタンドによって、被圧延材8(以下において、「鋼板8」ということがある。)を連続圧延可能なように構成されている。これら7つのスタンド1〜7は、それぞれ、一対のワークロール、一対のバックアップロール、圧下位置制御装置、及び、速度制御装置を備えている。すなわち、例えば第1スタンド1は、一対のワークロール1a、1a、一対のバックアップロール1b、1b、圧下位置制御装置1c、及び、速度制御装置1dを備え、同様に、例えば第7スタンド7は、一対のワークロール7a、7a、一対のバックアップロール7b、7b、圧下位置制御装置7c、及び、速度制御装置7dを備えている。また、第5スタンド5は潤滑剤供給手段5eを備え、第6スタンド6は潤滑剤供給手段6eを備え、第7スタンド7は潤滑剤供給手段7eを備えている。潤滑剤供給手段5e、6e、7eは、それぞれ、ワークロール5a、6a、7aに向けて圧延潤滑剤(例えば、圧延潤滑油又は圧延潤滑油水溶液等)を噴射する装置であり、加圧された圧延潤滑剤を供給する配管とワークロールへ向けて圧延潤滑剤を噴射するノズルとを備えている。圧下位置制御装置1cは圧下位置指令装置50から与えられる圧下位置の指令値に第1スタンド1の圧下位置が一致するように作動する装置であり、これにより一対のワークロール1a、1aの間隙が調節され鋼板8の板厚が調整される。圧下位置制御装置2c〜7cも同様である。速度制御装置1dは速度指令装置30から与えられるワークロール1a、1aのロール速度の指令値にワークロール1a、1aのロール速度が一致するように作動する装置であり、これによりワークロール1a、1a及びバックアップロール1b、1bの回転速度が調整される。速度制御装置2d〜7dも同様である。また、スタンド1〜7の各スタンド間には、鋼板8の張力を調整するためのルーパー11〜16が備えられている。ルーパー11の水平面に対する角度(以下において、「ルーパー角度」という。)、及び、第1スタンド1と第2スタンド2との間における鋼板8の張力は、ルーパー制御装置21によって制御されており、ルーパー制御装置21は速度指令装置30にロール速度の変更指令を与えることによって、ルーパー11の角度(ルーパー角度)及び第1スタンド1と第2スタンド2との間における鋼板8の張力が調節される。ルーパー12〜16の角度及び隣接スタンド間における鋼板8の張力は、同様に、ルーパー制御装置22〜26によって制御されている。また、速度指令装置30には体積速度制御装置40からもロール速度の変更指令が与えられるようになっており、速度指令装置30は、ルーパー制御装置21〜26、及び、体積速度制御装置40からのロール速度の変更指令を総合的に判断し、速度制御装置1d〜7dに対して、各スタンドのワークロール1a〜7aのロール速度指令を与えるように作動する。また、タイミング指示装置60は鋼板8上に定められた点がタンデム仕上圧延機10のどの位置にあるかをトラッキングする機能を持つ装置であり、そのトラッキング情報にもとづき、タイミング指示を圧下位置指令装置50、体積速度制御装置40、及び、潤滑剤供給手段5e、6e、7eに与えるように構成されている。
以下、図1を参照しつつ、本発明の一実施形態であるN=7及びm=5の場合について、本発明の動作制御方法を具体的に説明する。なお、ロール速度とはワークロールの回転速度を指すものとする。
タイミング指示装置60は、鋼板8の板厚変更点、又は、圧延潤滑剤の使用不使用の変更点をトラッキングし、当該変更点が第5スタンド5に到達したときに、圧下位置指令装置50にそのタイミングを通知する。圧下位置指令装置50は、タイミング指示装置60からの通知を受け、第5スタンド5の出側における鋼板8の板厚を、板厚変更後又は圧延潤滑剤の使用不使用の変更後の目標板厚に一致させるような第5スタンド5への圧下位置変更指令を、第5スタンド5の圧下位置制御装置5cに与える。板厚変更点又は圧延潤滑剤の使用不使用の変更点が、第6スタンド6や第7スタンド7に到達したときも同様にして、第6スタンド6や第7スタンド7への圧下位置変更指令を、それぞれ、第6スタンド6の圧下位置制御装置6c、第7スタンド7の圧下位置制御装置7cに与える。圧下位置制御装置5c〜7cは、圧下位置指令装置50からの圧下位置変更指令にスタンド5〜7の圧下位置が一致するように圧下位置を調節する。
また、第5スタンド5の圧延潤滑剤の使用不使用を変更する際には、タイミング指示装置60から、圧延潤滑剤の使用不使用の変更点が第5スタンド5に到達した通知を受けたタイミングで、潤滑剤供給手段5eによる圧延潤滑剤の使用不使用を変更する。同様に、第6スタンド6の圧延潤滑剤の使用不使用を変更する際には、圧延潤滑剤の使用不使用の変更点が第6スタンド6に到達した通知をタイミング指示装置60から受けたタイミングで、潤滑剤供給手段6eによる圧延潤滑剤の使用不使用を変更し、第7スタンド7の圧延潤滑剤の使用不使用を変更する際には、圧延潤滑剤の使用不使用の変更点が第7スタンド7に到達した通知をタイミング指示装置60から受けたタイミングで、潤滑剤供給手段7eによる圧延潤滑剤の使用不使用を変更する。
以上によって、第5スタンド5から第7スタンド7の出側板厚は、それぞれのスタンドの目標板厚に一致するが、その際に鋼板8の張力が変動しないようにするためには、上記の圧下位置の変更に合わせてロール速度も変更する必要がある。一般に、第iスタンドと第i+1スタンドとの間の張力を一定にするには、第iスタンドの出側板速度VOUT,iと第i+1スタンドの入側板速度VIN,i+1とが一致していればよいことが知られている。ここで、Vを第iスタンドのロール速度、fを第iスタンドの先進率、Hを第iスタンドの入側板厚、hを第iスタンドの出側板厚とすると、VOUT,iは下記式(2)、VIN,i+1は下記式(3)で表される。
したがって、第iスタンドと第i+1スタンドとの間の張力を一定にするには、VOUT,i=VIN,i+1より、下記式(4)が成立するようにV及びVi+1を調節すればよい。
圧下位置を変更する前の基準状態において式(4)が成立しているとし、圧下位置変更開始後の諸量に「’」を付けて表すことにすると、圧下位置変更開始後は下記式(5)を成立させるようにV’及びV’i+1を決めればよい。
特許文献1に記載されている技術では、圧下位置の変更開始前に対する変化が微小値ΔV、ΔVi+1、Δf、Δfi+1、ΔHi+1、Δhi+1であるとして、上記式(5)を下記式(6)に書き直し、Δの2次の項はΔが微少であるので非常に小さいとして無視し、下記式(6)の両辺を上記式(4)の両辺でそれぞれ割って整理することにより、上記式(A)を得ている。
しかし、基準状態からの変化量ΔV、ΔVi+1、Δf、Δfi+1、ΔHi+1、Δhi+1が大きい場合には第iスタンドの出側板速度VOUT,iと第i+1スタンドの入側板速度VIN,i+1は一致せず、張力が変動してしまうことは明らかである。また、特許文献1に記載されている技術では、最終スタンドである第7スタンド7のロール速度を基準速度とするため、常に、第1スタンド1の速度が修正される。そのため、通常、第1スタンド1の入側に設置されているデスケーラや粗バーヒータ(何れも不図示。以下において同じ。)を鋼板8が通過する速度が変化して、鋼板8に不要な温度変動が生じてしまう。
そこで、本発明者は、板厚又は圧延潤滑剤の使用不使用の変更は、後段スタンドである第5スタンド5から第7スタンド7であり、張力が変動する可能性があるのは第4スタンド4から第7スタンド7までのスタンド間に限定されることに着目し、第4スタンド4のロール速度を基準速度とし、第1スタンド1から第4スタンド4のロール速度は変更しない(V’=V)こととした。このようにすることにより、第1スタンド1の入側に設置されているデスケーラや粗バーヒータを鋼板8が通過する速度は変化しないので、鋼板8に不要な温度変動は発生しない。このとき、第4スタンド4の圧延現象は変化しないので、f’=f、h’=h=H’であり、これらを用いて上記式(5)にi=4〜6を代入した式を書き直すと、下記式(7)〜(9)が得られる。
また、圧下位置変更前の基準状態では、第4スタンド4から第7スタンド7の体積速度は一致しており、スタンド間における板幅の変化率は板厚の変化率に比べて小さいので無視すると、下記式(10)が成立している。
上記式(7)〜(10)より、圧下位置変更開始前に対する体積速度の変化比率が、下記式(11)〜(13)を満たすように、第5スタンド5から第7スタンド7のロール速度V’〜V’を修正すればよいことがわかる。
一般に、第mスタンドから最終スタンドである第Nスタンドの板厚又は圧延潤滑剤の使用不使用を変更する際には、上記式(11)〜(13)は下記式(14)、(15)で表される。
式(15)において、j=m+1〜Nである。ここで、出側板厚h’〜h’は、板厚計が備えられているスタンドではその測定板厚を用いてもよいが、スタンドから板厚計までの鋼板8の移送時間遅れが生じるので、周知のゲージメータ式によって推定されたスタンド直下の板厚を用いるのが望ましい。また、入側板厚H’及びH’は、それぞれ1つ上流のスタンドの出側板厚であるh’及びh’をトラッキングして用いる。また、先進率f’〜f’は、板速計が備えられているスタンドではその測定速度とロール速度から計算される値を用いてもよいし、熱間仕上圧延においては先進率が圧下率にほぼ比例することが知られているので、先進率を圧下率の関数として定めておき、入側板厚と出側板厚から圧下率を計算してその関数に当てはめて求めてもよい。
以上のロール速度の修正動作を、図1に基づいて説明する。
タイミング指示装置60は、板厚変更点、又は、圧延潤滑剤の使用不使用の変更点が第5スタンド5に到達したときに、圧下位置指令装置50にそのタイミングを通知するとともに、体積速度制御装置40にも通知する。体積速度制御装置40はその通知を受けると、直ちに、ロール速度V〜V、先進率f〜f、及び、出側板厚h〜hを求めて圧下位置変更開始前の基準値として記憶する。その後は、先進率f’〜f’、出側板厚h’〜h’、及び、入側板厚H’〜H’を時々刻々に計算し、それらを上記式(11)〜(13)に代入してロール速度の修正値V’〜V’を求め、速度指令装置30に与える。
速度指令装置30は、タンデム仕上圧延機10の速度制御で各スタンド1〜7に最終的なロール速度指令を与えるが、この際、第iスタンドのロール速度指令VREF、iをi=1〜6の場合は下記式(16)で、i=7の場合は下記式(17)で与える方式が一般的に広く採用されている。
式(16)及び式(17)において、Mはタンデム圧延機の速度設定値MRHと呼ばれており、全てのスタンドに共通に掛かっていることからもわかるように、タンデム圧延機全体を加減速する場合のように、全てのスタンドのロール速度を同じ比率で加減速するときに変更される。また、Rは各スタンドの速度基準値SSRHと呼ばれており、スタンド毎に別々の値をとることができ、スタンド間のロール速度比率を設定するために使われる。また、αはサクセシブ速度と呼ばれており、R、Ri+1で定められた第iスタンドと第i+1スタンドのロール速度比率を微修正するときに用いられ、通常、αは数%程度である。上記式(16)及び式(17)からわかるように、αを変更することによって第iスタンドのロール速度を修正すると、同じ比率で第1スタンドから第i−1スタンドのロール速度もサクセシブに修正される。これは、第iスタンドと第i+1スタンドのロール速度比率を修正することを目的に第iスタンドのロール速度を変更したときに、第1スタンドから第iスタンドのロール速度比率、及び、第i+1スタンドから第7スタンドのロール速度比率が変化しないようにするためである。αがないのは、第7スタンドが最終スタンドで基準スタンドだからである。ルーパー制御装置21〜26によってロール速度を修正する際には、このサクセシブ速度αが修正される。例えば、ルーパー制御装置21による制御方法には、ルーパー11にかかる鋼板8の張力と目標張力との差に応じて第1スタンド1のロール速度を修正するスタンド間張力制御と、ルーパー11が水平面となす角度(ルーパー角度)と目標角度との差に応じて第1スタンド1のロール速度を修正することによって間接的にルーパー11にかかる鋼板8の張力を制御するスタンド間ルーパー角度制御が公知であるが、いずれの場合においても第1スタンド1のサクセシブ速度αが操作される。同様に、ルーパー制御装置22〜26は、ルーパー12〜16のそれぞれにかかる鋼板8の張力、又は、ルーパー12〜16のそれぞれが水平面となす角度(ルーパー角度)を制御するために、α〜αを修正する。
速度指令装置30の具体的な動作を説明すると、ある1本の鋼板8を圧延するときの通板時のドラフトスケジュールにおけるロール速度をVSETi(i=1〜7)、通板速度をVth(=VSET7)、最高圧延速度をVmaxとすると、R=Vmax、R=(VSETi/VSET7)×R(i=1〜6)、M=Vth/Vmax、α=0(i=1〜6)と設定して圧延を開始する。実際に圧延が始まると、ルーパー制御装置21〜26は、αを微修正することによって、ロール速度比率を時々刻々修正し、各スタンド間における鋼板8の張力を制御する。また、圧延速度をVthから最高圧延速度Vmaxに加速するときには、MRHであるMをVth/Vmaxから1に増加させる。
ここで、本発明では、第5スタンド5から第7スタンド7の板厚又は圧延潤滑剤の使用不使用を変更する際に、上述したように、体積速度制御装置40によって第5スタンド5から第7スタンド7までのロール速度を修正して、第4スタンド4から第7スタンド7までのスタンド間張力が変動しないようにするが、これは予測制御であり、例えば上記式(11)〜(13)の板厚をゲージメータ式で推定するときの推定誤差などによって張力が変動することがある。したがって、体積速度制御装置40のロール速度の修正動作中も、フィードバック制御であるルーパー制御装置21〜26のロール速度修正動作をおこなうことが望ましい。この際、ルーパー制御装置21〜26によるロール速度修正は、SSRHであるR(i=1〜7)によって定められたスタンド間のロール速度比率の近傍で、サクセシブ速度α(i=1〜6)を用いて数%程度の微修正することを前提としているが、超微細流鋼の製造の製造において必要となる板厚の変更量や圧延潤滑剤の使用不使用の変更ではドラフトスケジュールを大きく変更する必要があり、ロール速度も数十%程度の変更が必要となる場合がある。
したがって、体積速度制御装置40による第5スタンド5から第7スタンド7のロール速度修正は、SSRHであるR〜Rの変更でおこなうことが望ましい。具体的には、体積速度制御装置40において、ロール速度V〜Vの代わりにR〜Rを記憶し、下記式(18)〜(20)でSSRHの修正値R’〜R’を求め、速度指令装置30へ与える。
速度指令装置30は、第5スタンド5から第7スタンド7のSSRHをR’〜R’に時々刻々修正して上記式(16)及び式(17)で各スタンドのロール速度指令を計算し、スタンド1〜7の速度制御装置1d〜7dに与える。速度制御装置1d〜7dは与えられたロール速度指令にワークロール1a〜7aの速度が一致するように制御する。このようにすることによって、ルーパー制御装置21〜26によって与えられるサクセシブ速度αは数%程度に抑えられる。また、体積速度制御装置40による予測制御とルーパー制御装置21〜26によるフィードバック制御で、SSRHとサクセシブ速度を使い分けるので、両者を同時に動作させることができ、より一層、鋼板8の張力は安定する。
図2は、本発明の熱延鋼板の製造装置100の形態を簡略化して示す図である。図2では、複数のスタンド1〜7を備えたタンデム仕上圧延機10の上流側に配設される粗圧延機や、冷却装置70の下流側に配設される巻き取り機のほか、図1に示した圧下位置制御装置1c〜7c、速度制御装置1d〜7d、潤滑剤供給手段5e〜7e、ルーパー11〜16、ルーパー制御装置21〜26、速度指令装置30、体積速度制御装置40、圧下位置指令装置50、及び、タイミング指示装置60の記載も省略しており、スタンド1、2、…7も簡略化して示している。図2において、被圧延材8は紙面左側から右側へと移動する。図2に示すように、本発明の熱延鋼板の製造装置100は、複数のスタンド1〜7を具備するタンデム仕上圧延機10と、該タンデム仕上圧延機10の下流側に隣接して配設された冷却装置70と、を備えている。製造装置100では、例えば、タンデム仕上圧延機10を構成するスタンド1〜7のうち、下流側の3つのスタンド5〜7で圧下率が30%以上の高圧下圧延を行った後、当該3つのスタンド5〜7のうち最も下流側に配設されているスタンド7による仕上圧延が終了してから0.2秒以内に、冷却装置70を用いて、600℃/s以上(好ましくは1000℃/s以上)の冷却速度で被圧延材8を急冷する。このようにすることで、超微細粒鋼を製造することが可能になる。そして、製造装置100には、タンデム仕上圧延機10が備えられているので、超微細粒鋼を製造する際に必要となる板厚の変更や圧延潤滑剤の使用不使用の変更時に、被圧延材8の張力変動を抑制することができる。そのため、本発明によれば、超微細粒鋼の製造時に板寄りや板破断などの圧延トラブルを防止することが可能な、熱延鋼板の製造装置100を提供することができる。
本発明をシミュレーションの結果を参照しながら、より具体的に説明する。
板厚32mm、板幅1250mmの粗バーを、表1のドラフトスケジュールで圧延潤滑剤を使用せずにタンデム仕上圧延している最中に、第5スタンド5から第7スタンド7の板厚を変更するとともに、第5スタンド5から第7スタンド7の圧延潤滑剤の使用を開始して表2のドラフトスケジュールに変更するシミュレーションをおこなった。ルーパー制御装置21〜26の制御方式は、各ルーパー11〜16にかかる鋼板8の張力と目標張力との差に応じてロール速度(サクセシブ速度α)を修正する公知のスタンド間張力制御とした。なお、表2のドラフトスケジュールは、超微細粒鋼の製造を目的としたドラフトスケジュールである。
表1及び表2において、第1〜第7は、第1スタンド1〜第7スタンド7を意味している。また、圧下位置[mm]は、無負荷で上下のワークロールが接触する位置をゼロとする位置であり、それ以上に圧下位置を締め込む時に負の値となる。
本発明にかかるタンデム仕上圧延機の動作制御方法を適用した場合の圧延状態を図3に、従来法を適用した場合の圧延状態を図4に示す。いずれも、時間0において板厚変更点を第5スタンドに作成して第5スタンドの圧下位置の変更と圧延潤滑剤の使用を開始し、その板厚変更点が第6スタンドに到達したときに第6スタンドの圧下位置の変更と圧延潤滑剤の使用を開始し、さらに第7スタンドに到達したときに第7スタンドの圧下位置の変更と圧延潤滑剤の使用を開始するようにした。また、ワークロールと被圧延材間の摩擦係数は、圧延潤滑剤の使用開始から一定レートで変化し始め、3秒後に変化が終了すると仮定し、各スタンドの圧下位置の変更はこの3秒間で完了するようにそれぞれのスタンドの圧下位置変更レートを定めた。
図3に示すように、本発明にかかるタンデム仕上圧延機の動作制御方法を適用した場合、張力はほぼ一定に制御されており変動は微少に抑えられている。一方、図4に示すように、従来法では張力が激しく変動しており、無張力となる時間帯もあって、板寄りが発生して圧延が継続できない可能性が高い。
以上より、本発明によれば、超微細粒鋼の製造時においても、板厚あるいは圧延潤滑剤の使用不使用の変更の影響を受けるスタンド間張力の変動を抑制でき、板寄りや板破断などの圧延トラブルを防止することができる。
本発明のタンデム仕上圧延機及びその動作制御方法、並びに、熱延鋼板の製造装置及び熱延鋼板の製造方法は、超微細結晶粒を有する熱延鋼板の製造に用いることができる。
1…第1スタンド
2…第2スタンド
3…第3スタンド
4…第4スタンド
5…第5スタンド
5e…潤滑剤供給手段
6…第6スタンド
6e…潤滑剤供給手段
7…第7スタンド
7e…潤滑剤供給手段
8…被圧延材
10…タンデム仕上圧延機
11〜16…ルーパー
21〜26…ルーパー制御装置
30…速度指令装置
40…体積速度制御装置
50…圧下位置指令装置
60…タイミング指示装置
70…冷却装置
100…熱延鋼板の製造装置

Claims (6)

  1. N個(Nは2以上の整数)のスタンドを備えるタンデム仕上圧延機で1本の被圧延材を圧延している最中に、第mスタンド(mは2以上N以下の整数)から第Nスタンドにおける板厚及び/又は圧延潤滑剤の使用不使用が変更される、タンデム仕上圧延機の動作を制御する方法であって、
    第m−1スタンドのロール速度を基準速度とし、第nスタンド(nはm−1以上、N−1以下の整数)の出側板速度と第n+1スタンドの入側板速度とが一致するように、前記第mスタンドから前記第Nスタンドまでのロール速度を時々刻々修正し、
    前記第mスタンドの体積速度が変化しないように、前記第mスタンドのロール速度を時々刻々修正し、
    第jスタンド(jはm+1以上N以下の整数)の体積速度の変更開始前に対する比率が、下記式(1)に一致するように、前記第jスタンドのロール速度を時々刻々修正することを特徴とする、タンデム仕上圧延機の動作制御方法。
    [式(1)中、H は第kスタンド(kはm+1以上j以下の整数)の入側板厚を表し、h は前記第kスタンドの出側板厚を表す。]
  2. 前記第mスタンドから前記第Nスタンドのロール速度の修正は、該各スタンドの速度基準値SSRHを変更することによって行い、前記速度基準値SSRHの変更中も、第1スタンドから第N−1スタンドまでのサクセシブ速度を修正するスタンド間張力制御又はスタンド間ルーパ角度制御を実施することを特徴とする、請求項1に記載のタンデム仕上圧延機の動作制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載のタンデム仕上圧延機の動作制御方法によって制御されるタンデム仕上圧延機を用いて鋼板を仕上圧延する工程を有することを特徴とする、熱延鋼板の製造方法。
  4. N個(Nは2以上の整数)のスタンドを備えるタンデム仕上圧延機で1本の被圧延材を圧延している最中に、第mスタンド(mは2以上N以下の整数)から第Nスタンドにおける板厚及び/又は圧延潤滑剤の使用不使用が変更される、タンデム仕上圧延機であって、
    第m−1スタンドのロール速度を基準速度とし、第nスタンド(nはm−1以上、N−1以下の整数)の出側板速度と第n+1スタンドの入側板速度とが一致するように、前記第mスタンドから前記第Nスタンドまでのロール速度を時々刻々修正するロール速度制御を行う制御手段、を有し、
    前記第mスタンドの体積速度が変化しないように、前記制御手段を用いて前記第mスタンドのロール速度が時々刻々修正され、
    第jスタンド(jはm+1以上N以下の整数)の体積速度の変更開始前に対する比率が、下記式(1)に一致するように、前記制御手段によって、前記第jスタンドのロール速度を時々刻々修正するロール速度制御が行われることを特徴とする、タンデム仕上圧延機。
    [式(1)中、H は第kスタンド(kはm+1以上j以下の整数)の入側板厚を表し、h は前記第kスタンドの出側板厚を表す。]
  5. 前記第mスタンドから前記第Nスタンドのロール速度の修正は、該各スタンドの速度基準値SSRHを変更することによって行われ、前記速度基準値SSRHの変更中も、第1スタンドから第N−1スタンドまでのサクセシブ速度を修正するスタンド間張力制御又はスタンド間ルーパ角度制御が実施されることを特徴とする、請求項4に記載のタンデム仕上圧延機。
  6. 請求項4又は5に記載のタンデム仕上圧延機を備えることを特徴とする、熱延鋼板の製造装置。
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