JP2002346606A - 調質冷間圧延設備および調質冷間圧延方法 - Google Patents
調質冷間圧延設備および調質冷間圧延方法Info
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Abstract
変化による圧延荷重変化を防止し、安定した板形状を得
ること、又は、従来の圧延方法ではできなかった高い伸
び率、或いはジャンピングによって製造できなかった低
い伸び率の調質圧延を可能とする調質冷間圧延設備およ
び調質冷間圧延方法を提供する。 【解決手段】 引張試験法で求めた素材の0.2%耐力
が300MPa 以上で板厚0.3mm以下の金属ストリップ
材料をワークロール径が400mm以上の1つの圧延機を
用いて調質冷間圧延する設備において、圧延機と圧延機
出側に配置されたストリップ巻き取り装置との間に該圧
延機の張力制御装置を設ける。もしくは、圧延機と圧延
機入側に配置されたストリップ巻き戻し装置と該圧延機
との間に張力制御装置を設けると共に、圧延機の上流圧
延機のワークロール径を350mm以下、下流圧延機のワ
ークロール径を400mm以上とする。
Description
めた素材の0.2%耐力が300MPa 以上で板厚0.3
mm以下の金属ストリップ材料をほぼ同一圧延条件で大量
に調質冷間圧延する際に、ワークロールの粗度変化によ
る圧延荷重変化を防止し、安定した板形状を得ることを
可能とし、または、従来の圧延方法では荷重限界によっ
て製造することのできなかった高い伸び率、もしくは、
ジャンピングによって製造することができなかった低い
伸び率の調質圧延を可能とする調質冷間圧延設備および
調質冷間圧延方法に関するものである。
で大量にコイルの調質圧延をすると、ワークロール表面
の平滑化が進み摩擦係数が減少する。摩擦係数が減少す
ると、その圧延に必要な圧延荷重は減少する。その結
果、ロール扁平やロール軸芯たわみが変化して板形状が
複合伸びや中伸び方向へ変化する。圧延後の板形状を検
査して、板形状が許容値を超えるとワークロール交換を
行い圧延を継続する。操業条件によっては数コイル毎に
ワークロール交換が必要な場合がある。圧延荷重に及ぼ
す摩擦係数の影響は一般に無潤滑圧延よりも潤滑圧延の
方がはるかに大きい。
率でも圧延荷重は大きく、このためもう少し大きな伸び
率を取ろうとしても、圧延機の圧延荷重限界にすぐに達
してしまうので限られた伸び率しか取ることができなか
った。一方、摩擦係数の低い圧延で、素材に上下降伏点
があるような金属ストリップではジャンピングが発生す
るため逆に低い伸び率を取ることができなかった。
らワークロール交換の周期が非常に短いため生産性と板
形状品質を大きく阻害していた。このため、ワークロー
ルに関してはクロムメッキ等を施して耐摩耗性を向上さ
せたり、ベンダー力等を主体とした形状制御等で対応し
てきた。
するためにワークロール径を小さくすることによって対
応してきたが、このためには多額の設備改造費が必要で
あった。摩擦係数の低い圧延では、ロールの粗度や圧延
潤滑油の濃度・供給量を変更することによって対応して
きたが、ロール粗度の場合には表面品質の変化を招き、
潤滑条件での対応にも限界があった。
として、潤滑調質冷間圧延の例を図1を基に具体的に説
明する。図1は1スタンドからなる調質圧延設備であ
り、圧延機は上下ワークロール1、1′および上下バッ
クアップロール2、2′からなる4段圧延機であり、図
示していないが形状制御手段としてワークロールベンダ
ーを有している。金属ストリップ材料Sは圧延機入側に
配置されたペイオフリール4から払い出され、入側デフ
レクターロール3経由して、該4段圧延機の入側で圧延
潤滑油が潤滑油供給ノズル5から供給され、該4段圧延
機で圧延された後、出側デフレクターロール3′を経由
し、テンションリール4′で巻き取られている。
変化によって摩擦係数は減少し、圧延荷重は減少する。
圧延荷重の減少に伴い板形状は変化するが、圧延機に具
備されている形状制御端であるワークロールベンダーを
操作することによって、板形状は大きく乱れないように
操業される。しかしながら、形状制御端の能力によって
板形状を修正できる荷重限界が存在するため、ある荷重
以下では良好な板形状が得られなくなる。この結果、ワ
ークロールの交換が必要となり、生産性の低下や製造コ
ストの増大を招いていた。このように操業面ではオペレ
ータによってロール交換の頻度を少なくしようとする努
力がなされるものの、まだ十分とは言えない。
な従来法の問題点を解決するものであり、本発明によ
り、引張試験法で求めた素材の0.2%耐力が300MP
a 以上で板厚0.3mm以下の金属ストリップ材料を調質
冷間圧延をする際、摩擦係数の低減による荷重変動に起
因した形状不良の防止、摩擦係数が高い場合の伸び率の
増大、摩擦係数が低い場合の製造可能な最少伸び率の低
減を可能とすることができるものである。
張試験法で求めた素材の0.2%耐力が300MPa 以上
で板厚0.3mm以下の金属ストリップ材料をワークロー
ル直径が400mm以上の1つの圧延機を用いて調質冷間
圧延するに際し、該圧延機ワークロールと該圧延機出側
に配置されたストリップ巻き取り装置との間に該圧延機
の張力制御装置を設けたことを特徴とする調質冷間圧延
設備であり、本発明の請求項2は、引張試験法で求めた
素材の0.2%耐力が300MPa 以上で板厚0.3mm以
下の金属ストリップ材料を2つの圧延機を用いて調質冷
間圧延するに際し、該圧延機と該圧延機入側に配置され
たストリップ巻き戻し装置と該圧延機の上流圧延機との
間に張力制御装置を設けると共に、該圧延機の上流圧延
機のワークロール直径を350mm以下、下流圧延機のワ
ークロール直径を400mm以上とすることを特徴とする
調質冷間圧延設備であり、本発明の請求項3は、請求項
1または請求項2記載の圧延設備を用いて、圧延引張り
試験法で求めた0.2%耐力で上および下降伏点での応
力差が30MPa 以上の金属ストリップ材料を圧延するこ
とを特徴とする調質冷間圧延方法であり、本発明の請求
項4は、請求項3記載の調質圧延方法において、所望と
する伸び率およびまたは圧延荷重を制御する主制御手段
として、1つの圧延機の場合には該張力制御装置によっ
て該圧延機の出側張力を、また、2つの圧延機の場合に
は該上流圧延機の入側および出側張力を用いることを特
徴とする調質冷間圧延方法である。
る。図2は、本発明を実施する圧延機設備の一例を示す
構成図である。図2は、1スタンドからなる調質圧延設
備であり、圧延機は上下ワークロール1、1′および上
下バックアップロール2、2′からなる4段圧延機であ
り、図示していないが形状制御手段としてワークロール
ベンダーを有している。金属ストリップ材料Sは、圧延
機入側に配置されたペイオフリール4から払い出され、
入側デフレクターロール3経由して、該4段圧延機の入
側で圧延潤滑油が潤滑油供給ノズル5から供供給され、
該4段圧延機で圧延された後、出側デフレクターロール
3′を経由し、ブライドルロール6を用いた張力制御装
置で出側張力を調整されデフレクターロール3′′、
3′′′を経由した後テンションリール4′で巻き取ら
れている。
に、圧延機出側の張力はデフレクターロール3′に、ス
トリップの巻き取り張力はデフレクターロール3′′′
に、それぞれ取り付けられたロードセルによって検出さ
れる。図示していないが圧延機入出側に設置されたデフ
レタロール3、3′には、該ロールの回転数を検出する
パルスジェネレータが取り付けられて板速度を検出して
おり、該4段圧延機によるストリップの伸び率はマスフ
ロー則から測定されている。
以下のことが判明した。図3のa)は該4段圧延機の圧
延状況を模式的に表した図である。図3において、Iお
よびIII はロールバイト内で塑性変形が生じている領域
であり、IIはロールバイト内では塑性変形は生じていな
い領域である。このような圧延状態は圧延材の板厚が薄
いほど、圧延材の変形抵抗が高いほど、ロール径が大き
いほど生じやすく圧延時に噛み止めをを行い、板厚分布
を測定することによって確認できる。
の合計であるから、圧延荷重を制御する手段として、領
域IIの長さを操作することが可能で有ればよい。そこ
で、材料や速度や張力や伸び率やワークロール径などを
変えて実験すると共に、上述した噛み止め試験を行い実
験調査した結果以下のことが明らかになった。
は、入側張力以外は、例えば従来のKarmanモデルで得ら
れる影響と同一であった。入側張力の影響について述べ
る。図3の(b)はロールバイト内の板厚分布に及ぼす
入側張力の影響を示す模式図である。図3において実線
は基準圧延条件時のものである。この場合圧延方向A〜
B間(領域I)のロールバイト入口近傍では塑性変形が
生じ、圧延方向B〜C間(領域II)のロールバイト中央
近傍では塑性変形は生じず、圧延方向C〜D間(領域II
I )のロールバイト出口近傍では塑性変形が生じてい
る。
合のロールバイト内の板厚分布を示すものが図3(b)
の破線である。この場合も同様に圧延方向A〜B′間
(領域I)のロールバイト入口近傍では塑性変形が生
じ、圧延方向B′〜C′間(領域II)のロールバイト中
央近傍では塑性変形は生じず、圧延方向C′〜D間(領
域III )のロールバイト出口近傍では塑性変形が生じて
いる。入側張力を増大した結果、ロールバイト入口部A
〜B′間(領域I)では塑性変形しやすくなり変形が早
く進むものの、圧延方向B′〜C′間(領域II)の距離
は逆に長くなり、ロールバイト出口C′〜D間(領域II
I )のでは塑性変形がしにくくなっている。この結果、
圧延荷重は入側張力を増大したにもかかわらず、圧延荷
重はほとんど減少しない。この原理が本発明の第一の構
成要素になっている。このような現象は、引張試験法で
求めた素材の0.2%耐力が300MPa 以上で板厚0.
3mm以下のでワークロール径が400mm以上の際にほと
んど生じることを確認した。なかでも、圧延引張試験法
で求めた0.2%耐力で上および下降伏点での応力差が
30MPa 存在する金属ストリップ材料で潤滑調質冷間圧
延するに際して特に、その影響は顕著に生じることを見
出だした。
合では、圧延方向B′〜C′間(領域II)の距離はあま
り変化がなく、入側張力が増大するにつれて、圧延荷重
は減少することを確認し、この原理が本発明の第二の構
成要素になっている。なお、板厚が0.3mmよりも厚い
材料または0.3mm以下でも、引張試験法で求めた素材
の0.2%耐力が300MPa 未満の金属ストリップで
は、上述した調質圧延の特異な現象は認められなかっ
た。
ある。図4の(a)は引張試験法で求めた素材の0.2
%耐力が300MPa 以上で板厚0.3mm以下の金属スト
リップ材料を、ワークロール径が400mm以上で潤滑調
質冷間圧延をした場合の圧延荷重と伸び率の関係を示す
ものである。
σbo、出側張力:σfo)と、入側張力変更条件(入
側張力:σbo±α、出側張力:σfo)と、出側張力
増大条件(入側張力:σbo、出側張力:σfo+α)
を表し、αは正の値である。基準張力条件の場合、圧延
荷重を増大して行くと、ある荷重から急にある伸び率ま
で増大しその後緩やかに伸び率は増大する。この挙動は
入側張力を変更しても全く同じである。これに対し、出
側張力を増大した張力条件の場合、圧延荷重を増大して
行くと、基準張力条件よりも小さなある荷重から急に基
準張力条件よりも小さなある伸び率まで増大し、その後
緩やかに伸び率は増大する。
0.2%耐力が300MPa 以上で板厚0.3mm以下の金
属ストリップ材料を、ワークロール径が400mm以上で
無潤滑調質冷間圧延をした場合の圧延荷重と伸び率の関
係を示すものである。
σbo、出側張力:σfo)と、入側張力変更条件(入
側張力:σbo±α、出側張力:σfo)と、出側張力
増大条件(入側張力:σbo、出側張力:σfo+α)
を表し、αは正の値である。基準張力条件の場合、圧延
荷重を増大して行くとある荷重から伸び率は比例的に増
大する。この挙動は入側張力を変更しても全く同じであ
る。これに対し、出側張力を増大した張力条件の場合、
圧延荷重を増大して行くと、基準張力条件よりも小さな
ある荷重から増大する。同じ伸び率では出側張力を増大
した際の方が圧延荷重は小さい。
0.2%耐力が300MPa 以上で板厚0.3mm以下の金
属ストリップ材料を、ワークロール径が350mm以下で
無潤滑または潤滑調質冷間圧延をした場合の圧延荷重と
伸び率の関係を示すものである。
σbo、出側張力:σfo)と、入側張力増大条件(入
側張力:σbo+α、出側張力:σfo)と、出側張力
増大条件(入側張力:σbo、出側張力:σfo+α)
を表し、αは正の値である。基準張力条件の場合、圧延
荷重を増大して行くとある荷重から伸び率は比例的に増
大する。これに対し、張力を増大した張力条件の場合、
圧延荷重を増大して行くと、基準張力条件よりも小さな
ある荷重から増大する。同じ張力では入側張力を増大し
た際の方が出側張力を増大するよりも圧延荷重は小さ
い。
たものであり、ロールの摩耗が進行しても圧延荷重を一
定とした安定圧延を実現するものであり、または、従来
の圧延方法では荷重限界によって製造することのできな
かった高い伸び率、もしくは、ジャンピングによって製
造することができなかった低い伸び率の調質圧延を可能
とするものである。
の知見をもとになされたもので、引張試験法で求めた素
材の0.2%耐力が300MPa 以上で板厚0.3mm以下
の金属ストリップ材料を、ワークロール径が400mm以
上の圧延機を用いて圧延する場合、現状よりも小さな伸
び率から大きな伸び率を得るため、または、同じ伸び率
でも荷重レベルを変化させるためには出側張力を制御す
ればよい。しかしながら、単に出側張力を変更するとテ
ンションリールでのコイルの巻き締まりや、擦り傷、巻
きゆるみが発生するため実用上は実施できない。このた
め、テンションリールと圧延機の間に張力制御装置を設
置し、圧延機出側の張力は目的とする圧延によって制御
し、張力制御装置とテンションリール間の張力は上記問
題が生じない張力範囲に制御すればよい。
(b)、(c)の知見からなされたもので、通常2スタ
ンドの調質圧延機では、上流スタンドで伸び率制御を、
下流スタンドで形状矯正と表面仕上げを行っており、下
流スタンドでは伸び率は極僅かであり、荷重変化が無い
ことが望ましい。引張試験法で求めた素材の0.2%耐
力が300MPa 以上で板厚0.3mm以下の金属ストリッ
プ材料をワークロール径が400mm以上で入側張力を変
更した調質冷間圧延をしても圧延荷重は変化しない。ま
た、ワークロール径が350mm以下の場合には、図2で
示した剛体域の影響が僅かになり圧延荷重は減少するの
で幅広いレンジの伸び率が可能となり、摩擦係数の変化
に対する荷重変化の影響が小さくなる。このことがら、
引張試験法で求めた素材の0.2%耐力が300MPa 以
上で板厚0.3mm以下の金属ストリップ材料を、2つの
圧延機を用いて調質冷間圧延するに際し、該圧延機の上
流圧延機のワークロール径を350mm以下、下流圧延機
のワークロール径を400mm以上とした。
うな特性を材質を変えて得られた知見を基になされたも
ので、このような調質圧延に特異な特性は引張試験法で
求めた素材の0.2%耐力が300MPa 以上で、かつ、
圧延引張試験法で求めた0.2%耐力で上および下降伏
点での応力差が30MPa 以上の板厚0.3mm以下の金属
ストリップ材料をワークロール径が400mm以上の圧延
機で圧延する際に著しく顕著であったからである。
て、所望とする伸び率およびまたは圧延荷重を制御する
主制御手段として、1つの圧延機の場合には該張力制御
装置によって該圧延機の出側張力を、また、2つの圧延
機の場合には該圧延機のスタンド間張力を用いること
が、設備コスト的にも有利であることから規定したもの
である。
ル摩耗により摩擦係数が減少し同じ伸び率でも圧延荷重
は減少するが、出側張力を制御することによって同じ伸
び率でも圧延荷重は減少しなくなる。常に荷重を一定に
するように張力を変化させた場合、伸び率は圧延機の圧
下で制御する必要が生じてくる。従って、圧延荷重はあ
る程度のバンド内範囲は許容するものとし、外乱による
伸び率変化に対する伸び率の主制御は出側張力とするこ
とが望ましい。
入側張力によっても圧延荷重は変化するので、入側張力
も変化させて荷重レベルと伸び率を制御することができ
る。この場合には、例えば伸び率の主制御を出側張力
で、荷重の主制御を後方張力で行うことが可能となる。
勿論、伸び率の主制御を入側張力で、荷重の主制御を出
側張力で行うことも有効であり、ある比率で入・出側張
力を制御しても良い。
件を下記に示す。また、この材料の圧延引張試験法で求
めた0.2%の耐力と圧下率の関係を図6に示す。図6
より、この材料の耐力は約400MPa で、上下降伏点の
差は約60MPa あることがわかる。
であり、上流側の小径ワークロールの圧延機は上下ワー
クロール1a、1a′および上下バックアップロール2
a、2a′からなる4段圧延機であり、図示していない
が形状制御手段としてワークロールベンダーを有してい
る。下流側の大径ワークロールの圧延機は上下ワークロ
ール1b、1b′および上下バックアップロール2b、
2b′からなる4段圧延機であり、これも図示していな
いが形状制御手段としてワークロールベンダーを有して
いる。
されたペイオフリール4から払い出され、入側デフレク
ターロール3a、3bを経由して、ブライドルロール7
を用いた張力制御装置で入側張力を調整されてデフレク
ターロール3cを経由して、該4段上流圧延機の入側で
圧延潤滑油が潤滑油供給ノズル5から供給され、該4段
圧延機で圧延された後、テンションロール3dを経由し
て該4段下流圧延機で矯正された後、出側デフレクター
ロール3eを経由した後テンションリール4′で巻き取
られている。
ル3cに、スタンド間張力はテンションロール3dに、
下流圧延機出側の張力はデフレクターロール3eに、そ
れぞれ取り付けられたロードセルによって検出される。
図示していないが上流圧延機入出側に設置されたデフレ
タロール3cとテンションロール3eには、該ロールの
回転数を検出するパルスジェネレータが取り付けられて
板速度を検出しており、該上流圧延機によるストリップ
の伸び率はマスフロー則から測定されている。
タンドのワークロール径のみを交換して440mmにして
圧延した場合を従来技術とする。従来技術の伸び率制御
としては、上流スタンドの入出側張力を一定とし、圧下
による伸び率制御をする場合を採用した。
行い、圧延荷重Pと伸び率とλと入出側張力σb,σf
の実験式(1)、(2)を作成した。 P=P(σb,σf) (1) λ=λ(σb,σf) (2) 式(1)、式(2)を基に基準条件から、張力は変化し
た場合の荷重および伸び率変化はそれぞれ式(3)およ
び式(4)から求まる。 △P=a×△σb+b×△σf (3) △λ=c×△σb+d×△σf (4) ここで、a〜dは式(1)、式(2)より求まる定数で
ある。
m、λaimとし、実測した圧延荷重および伸び率をP
e、λeとすると、式(5)、(6)が求まる。 △P=Pe−Paim (5) △λ=λe−λaim (6) 式(3)〜式(6)を用いて連立方程式を解くことによ
って、△σbおよび△σfは求まる。この値を用いて上
流スタンドの圧延荷重および伸び率を制御した。
囲を超える場合には、その限界値を最大または最小値と
して使用した。上述したようにこの条件の場合には第2
スタンドの圧延荷重はスタンド間張力の影響を受けない
ので、第2スタンドの伸び率は一定であることは言うま
でもない。
12.3本で圧延荷重減少による形状能力不足からくる
ワークロールベンダー限界に達し、ロール交換が必要と
なったのに対し、本発明では平均圧延コイル35.1本
で張力限界および形状能力不足からくるワークロールベ
ンダー限界に達した。この条件ではロール交換が1/3
に減少し、その結果生産性は20%増大した。
た素材の0.2%耐力が300MPa 以上で板厚0.3mm
以下の金属ストリップ材料を調質冷間圧延をする際、摩
擦係数の低減による荷重変動に起因した形状不良の防
止、摩擦係数が高い場合の伸び率の増大、摩擦係数が低
い場合の製造可能な最少伸び率の低減を可能とすること
ができる。
圧延設備の説明図である。
であり、(b)はロールバイト内の板厚分布に及ぼす入
側張力の影響を示す模式図である。
ャンピングに及ぼすワークロールクロス角の効果を示す
図である。(a)は引張試験法で求めた素材の0.2%
耐力が300MPa 以上で板厚0.3mm以下の金属ストリ
ップ材料を、ワークロール径が400mm以上で潤滑調質
冷間圧延をした場合の圧延荷重と伸び率の関係を示すも
のである。(b)は引張試験法で求めた素材の0.2%
耐力が300MPa 以上で板厚0.3mm以下の金属ストリ
ップ材料を、ワークロール径が400mm以上で無潤滑調
質冷間圧延をした場合の圧延荷重と伸び率の関係を示す
ものである。(c)は引張試験法で求めた素材の0.2
%耐力が300MPa 以上で板厚0.3mm以下の金属スト
リップ材料を、ワークロール径が350mm以下で調質冷
間圧延をした場合の圧延荷重と伸び率の関係を示すもの
である。
延設備の説明図である。
で求めた0.2%の耐力と圧下率の関係を示す図であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 引張試験法で求めた素材の0.2%耐力
が300MPa 以上で板厚0.3mm以下の金属ストリップ
材料をワークロール直径が400mm以上の1つの圧延機
を用いて調質冷間圧延する設備において、該圧延機ワー
クロールと該圧延機出側に配置されたストリップ巻き取
り装置との間に該圧延機の張力制御装置を設けたことを
特徴とする調質冷間圧延設備。 - 【請求項2】 引張試験法で求めた素材の0.2%耐力
が300MPa 以上で板厚0.3mm以下の金属ストリップ
材料を2つの圧延機を用いて調質冷間圧延する設備にお
いて、該圧延機と該圧延機入側に配置されたストリップ
巻き戻し装置と該圧延機の上流圧延機との間に張力制御
装置を設けると共に、該圧延機の上流圧延機のワークロ
ール直径を350mm以下、下流圧延機のワークロール直
径を400mm以上とすることを特徴とする調質冷間圧延
設備。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の圧延設備
を用いて、圧延引張り試験法で求めた0.2%耐力で上
および下降伏点での応力差が30MPa 以上の金属ストリ
ップ材料を圧延することを特徴とする調質冷間圧延方
法。 - 【請求項4】 請求項3記載の調質圧延方法において、
所望とする伸び率およびまたは圧延荷重を制御する主制
御手段として、1つの圧延機の場合には該張力制御装置
によって該圧延機の出側張力を、また、2つの圧延機の
場合には該上流圧延機の入側および出側張力を用いるこ
とを特徴とする調質冷間圧延方法。
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