JP7276267B2 - 走間板厚変更方法 - Google Patents
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Description
通常の走間板厚変更方法では、先行材と後行材との間で、母板厚や仕上板厚、変形抵抗(材質)等の圧延条件が異なると、走間板厚変更したときに圧延スタンド間の張力に大きな変動が生ずる。この張力変動量が大き過ぎると、板破断や絞込み等が発生し、大きな圧延トラブルを引き起こすことになる。また、接合部の前後で、板厚や変形抵抗、摩擦係数等の圧延操業パラメータの推定誤差があると、張力変動を増大させてしまう。
これに対して、接合点が通過する際の張力変動を抑制する技術として、先行材のパススケジュールaと後行材のパススケジュールbとの間に中間のパススケジュールmを設定し、走間板厚変更を複数回に分けて実施する方法が提案されている。
さらに、先行材と後行材との板厚差だけでなく、変形抵抗差が大きくなるとことでも、接合点通過時の張力変動が極めて大きくなるため、2段の走間板厚変更だけでは安定した板厚変更ができなくなる。そこで、中間パススケジュールを2つ設けた、3段の走間板厚変更が行われている。これは、先行材のパススケジュールa→第1中間パススケジュールm→第2中間パススケジュールn→後行材のパススケジュールbの遷移を、各々の3個の板厚変更点が各圧延スタンドを通過するごとに設定変更する方法である。
図11は、5スタンドのタンデム圧延機に対して、3個の板厚変更点を有する場合の遷移パターンの例である。この場合には、中間のパススケジュールm,nが設定されるため、遷移パターンの数が極めて多くなる。なお、図11において、各遷移パターンのスタンド毎に記載された数値は、「0」が先行材のパススケジュール、「1」が第1中間パススケジュールm、「2」が第2中間パススケジュールn、「3」が後行材のパススケジュールをそれぞれ示す。
図1は、本発明の一実施形態における冷間連続圧延設備1の一例を示す概略構成図である。なお、図1では、設備に附帯する他の装置(例えば、入側の巻戻機、溶接機およびルーパ、並びに出側の切断機および巻取機等の装置)については図示を省略している。
図1に示すように、この冷間連続圧延設備1は、タンデム圧延機2と、タンデム圧延機2を制御する圧延制御コントローラ(PLC、プログラマブル・ロジック・コントローラ)3と、圧延制御コントローラ3を含む冷間連続圧延設備1を管理する制御用計算機(プロコン又はプロセスコンピュータ)4とを備える。
第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eの各圧延スタンドには、速度検出器21と、ワークロールのロール速度を変更する電動機であるロール速度制御機22と、ロールギャップを変更するロールギャップ制御機23とがそれぞれ設置されている。本実施形態では、制御用計算機4は、後述する圧延スケジュールテーブルを設定する。そして、圧延制御コントローラ3は、制御用計算機4から取得した圧延スケジュールテーブルに基づき、第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eの各圧延スタンドのロール速度制御機22及び各圧延スタンドのロールギャップ制御機23を制御するための演算と処理をオンラインで実行する。
制御用計算機4は、圧延制御コントローラ3の管理を含む圧延設備管理処理及び圧延制御パラメータ設定処理を実行する第1計算機である。
[制御テーブル設定処理]
本実施形態に係る走間板厚変更方法は、先行材51と後行材52とが溶接等により接合された被圧延材5を冷間圧延するものである。本実施形態に係る走間板厚変更方法では、はじめに、図2に示す処理フローにしたがって、制御用計算機4による制御テーブル設定処理が行われる。
パススケジュールが与えられた場合の圧延スケジュール計算では、母材板厚や仕上げ板厚、変形抵抗、摩擦係数等の圧延条件から圧延荷重を計算し、圧延機の弾性特曲線と塑性特性曲線との関係から圧下位置が決定される。一般に、弾性特性曲線と塑性特性曲線は、それぞれ以下の(1)式及び(2)式から求めることができる。
ロールギャップSは、図3に示すように、タンデム圧延機2の弾性特性曲線と塑性特性曲線との交点から求まる板厚がパススケジュールで設定された目標板厚hに一致するように求められる。これを先行材、後行材、複数の中間パススケジュールがそれぞれ定常状態にあると仮定して、各パススケジュールに対応したロールギャップの設定値を算出する。
パススケジュールが与えられた場合のロール速度計算では、上記(2)式と同様に2次元圧延理論から先進率を求め、タンデム圧延機の定常状態のパススケジュールに対して、(3)式が成り立つように各圧延スタンドのロール速度のバランスが決定される。そして、速度基準となる圧延スタンドのロール速度から、すべての圧延スタンドのロール速度の設定値が算出される。これを先行材、後行材、第1中間パススケジュール、第2中間パススケジュールがそれぞれ定常状態にあると仮定して、各パススケジュールに対応したロール速度の設定値が算出される。
ステップS102では、このようにして求められた4個のパススケジュールa,b,m,nと、それぞれ5圧延スタンド分のロールギャップ及びロール速度の計算値は、圧延スケジュールテーブルに、例えば図4に示すような形式で保存される。
以上が、本実施形態における制御用計算機4において行われる制御テーブル設定処理、即ち走間板厚変更の設定計算である。特許文献2又は3では、制御用計算機4において、複数の板厚変更点の位置関係に応じた遷移パターンを設定するのに対して、本実施形態では、そのような処理を行わず、制御用のパラメータの伝送も走間板厚変更を開始する前に1回のみ行えばよい。
制御テーブル設定処理が行われた後、図6に示す走間板厚変更処理が行われる。走間板厚変更処理では、まず、先行材51と後行材52との接合点(溶接点)に対して、3個の板厚変更点(第1板厚変更点B、第2板厚変更点W、第3板厚変更点E)が設定される(S200)。この設定は、圧延制御コントローラ3で行われてもよく、制御用計算機4で行われてもよい。
ここで、本実施形態では、接合点における溶接部分の搬送方向での長さは、入側で数センチ程度であり、第2板厚変更点W(接合点)に対応する位置に、トラッキングのためにセンサ検出用の貫通穴が被圧延材5に穿孔される。本実施形態では、前後二つの板厚変更点B,Eの位置情報については、板厚の実績値等のデータを用いて算出する。なお、前後二つの板厚変更点B,Eについても、各板厚変更点B,Eに対応する位置に、トラッキングのためにセンサ検出用の貫通穴を被圧延材5に穿孔し、接合点と同様にトラッキングを行ってもよい。
一方、ステップS210の判断の結果、走間板厚変更が終了したと判断される場合、走間板厚変更にかかる一連の処理が終了する。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
また、上記実施形態では、板厚変更点が3個でパススケジュールが4個の場合について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。板厚変更点はN(N≧3)個以上であればよく、この場合、パススケジュールは(N+1)個設定される。また、板厚変更点が4点以上と多数の場合であっても、上記実施形態と同様な簡易な計算により差分指令値を随時演算できるので、容易に適用することができる。
2 タンデム圧延機
2A~2E 第1圧延スタンド~第5圧延スタンド
21 速度検出器
22 ロール速度制御機
23 ロールギャップ制御機
3 圧延制御コントローラ
4 制御用計算機
5 被圧延材
51 先行材
52 後行材
Claims (4)
- 先行材と後行材とが接合された被圧延材をタンデム圧延機により連続圧延する際の走間板厚変更方法であって、
少なくともN個(N≧3)の板厚変更点を有し、前記N個の板厚変更点を境界として前記被圧延材に対して設定される、前記先行材の定常部の板厚であるパススケジュールa、前記後行材の定常部の板厚であるパススケジュールb、及び前記パススケジュールaと前記パススケジュールbとの間に設定される複数の中間パススケジュールからなる計(N+1)個のパススケジュールが設定され、
前記パススケジュールに対応した前記タンデム圧延機の圧延スタンドごとのロールギャップ及びロール速度の設定値を算出する圧延制御パラメータ設定工程と、
前記被圧延材の前記板厚変更点の位置を随時取得するトラッキング工程と、
前記圧延制御パラメータ設定工程で算出された前記設定値と、前記トラッキング工程で取得された前記板厚変更点の位置とに基づいて、前記圧延スタンドごとに、ロールギャップ及びロール速度の差分指令値を随時算出する差分指令値生成工程と、
前記差分指令値に応じて、前記圧延スタンドのロールギャップ及びロール速度の制御指令を随時出力する制御情報出力工程と、
を備える、走間板厚変更方法。 - 前記圧延制御パラメータ設定工程は、前記タンデム圧延機の制御用計算機における演算処理により行われ、
前記トラッキング工程及び前記制御情報出力工程は、圧延制御コントローラにより処理を行われる、請求項1に記載の走間板厚変更方法。 - 前記板厚変更点のうち最も通材方向の下流側にある第1板厚変更点が前記タンデム圧延機に到達する前に、前記圧延制御パラメータ設定工程によって設定された前記設定値が格納された圧延スケジュールテーブルを、前記制御用計算機から前記圧延制御コントローラに伝送する、請求項2に記載の走間板厚変更方法。
- 前記圧延制御パラメータ設定工程における前記設定値を演算する際に、前記板厚変更点のうち最も通材方向の下流側にある第1板厚変更点が前記タンデム圧延機に到達する前の圧延操業実績データから求められる、前記被圧延材の摩擦係数及び変形抵抗の少なくとも一方の実績値を用いる、請求項1~3のいずれか1項に記載の走間板厚変更方法。
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