JP7276267B2 - 走間板厚変更方法 - Google Patents

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Description

本発明は、走間板厚変更方法に関する。
連続冷間圧延においては、材質や板厚等の条件が異なる被圧延材を複数溶接し、冷間タンデム圧延機により連続的に圧延する。しかし、条件の異なる被圧延材は各圧延スタンドにおける圧下位置(ロールギャップ)が異なるため、各圧延スタンドを接合点が通過する際に、その圧延スタンドにおけるワークロールの圧下位置を変更して板厚を変更する走間板厚変更が行われる。この際、制御用計算機とその下位の圧延制御コントローラにて適切な制御を実施することで、板破断などのトラブルを抑え、能率良く走間板厚変更が行われる。
ここで、鉄鋼製品の製造を行うためのシステムは、膨大なプロセスや設備を対象として多種多様な製品を高品質で造り込むために、大規模な階層システムを構成している。最上位にはLevel3であるビジネスコンピュータ(ビジコン)、冷間タンデム圧延機のような製造ライン単位ではLevel2である制御用計算機(プロコン)、各ラインの設備単位ではLevel 1である圧延制御コントローラ(PLC)といった階層で構成されている。
制御用計算機は、上位のビジコンと下位のPLCとの間に位置して、ビジコンで計画された製造計画を受信して、製造ラインに鋼材の製造指示を行う。また、制御用計算機は、PLCを含む下位機器よる各種実績情報を収集して、それらを運転監視画面に表示したり、理論モデルに基づいた複雑な演算を行い、制御に必要な情報をPLCに送信したりするのが主な役割である。制御用計算機は、膨大な情報を扱う役割が求められる一方で、PLCに比べて動作速度が遅いのが通常である。例えば、PLCが30ms~100ms程度でスキャンシーケンスを走らせるのに対して、プロコンはセンサ信号がオンされた時、あるいは特定のイベントに対して一過性の動作を行うのが通常である。
一方、PLCは冷間タンデム圧延機のような製造設備を構成するドライブやバルブ、センサ等に対して的確なタイミング指示を出すこと、機器同士が干渉しないよう動作の調整を行うこと、センサが保持するカウント値を物理的な情報と紐づけて動作させること、等が主要な役割である。そのため、PLCが扱う情報量は、プロコンより小さいものの、構成機器への動作指令を適切なタイミングで高頻度の出力信号を出す役割を担うものである。
以上のような制御システムの構成において走間板厚変更を行う場合、まず制御用計算機にて、先行被圧延材(以降、「先行材」という。)のパススケジュールaに対応した圧延荷重及び先進率の計算値を使って、ロールギャップ及びロール速度の設定値を求める。また、後行被圧延材(以降、「後行材」という。)のパススケジュールbに対応した圧延荷重及び先進率の計算値を使って、ロールギャップ及びロール速度の設定値を求める。さらに、先行材と後行材とについて、計算されたロールギャップ及びロール速度の設定値のそれぞれの差(差分指令値)を計算し、ロールギャップの差分指令値及びロール速度の差分指令値がPLCに伝送される。
PLCは、先行材と後行材との接合部のトラッキング情報を生成し、接合点がタンデム圧延機の第1圧延スタンドに到達する前にロールギャップとロール速度の現在値をホールド(ロックオン)する。その後、接合点が各圧延スタンドを通過するタイミングで、上記ロックオン値に上記差分指令値を加えた値を、ロールギャップ制御機とロール速度制御機の制御目標値として出力し、接合点が次の圧延スタンドに到達するまで、その出力を保持する。
(2段走変)
通常の走間板厚変更方法では、先行材と後行材との間で、母板厚や仕上板厚、変形抵抗(材質)等の圧延条件が異なると、走間板厚変更したときに圧延スタンド間の張力に大きな変動が生ずる。この張力変動量が大き過ぎると、板破断や絞込み等が発生し、大きな圧延トラブルを引き起こすことになる。また、接合部の前後で、板厚や変形抵抗、摩擦係数等の圧延操業パラメータの推定誤差があると、張力変動を増大させてしまう。
これに対して、接合点が通過する際の張力変動を抑制する技術として、先行材のパススケジュールaと後行材のパススケジュールbとの間に中間のパススケジュールmを設定し、走間板厚変更を複数回に分けて実施する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、接合部前後及び耳割れ部の破断防止の為、部分的に板厚を一旦厚くした後に、改めて所定の板厚まで薄くする方法(厚引き)が開示されている。このような2段階の走間板厚変更方法は、上記のように板厚変更が大きい場合に適用することで、張力変動の抑制が可能となる。その際、先行材から中間板厚への第1の走間板厚変更及び中間板厚から後行材への第2の走間板厚変更のいずれに対しても、制御用計算機(プロコン)においてロールギャップの差分指令とロール速度の差分指令が生成され、圧延制御コントローラ(PLC)に伝送される。圧延制御コントローラでは、接合点が各圧延スタンドを通過するごとに上記差分指令に、ロックオン値を加えた制御目標値が、ロールギャップ制御機とロール速度制御機の制御目標値となる。
また、特許文献2には、接合点前後の切り捨て量を削減するために、接合点前後の板厚を先行材及び後行材の板厚よりも薄くする方法(薄引き)が開示されている。これも2段階の走間板厚変更に関する技術であり、板厚変更量が大きい場合にも適用できる。特許文献2では、2つの板厚変更点が、それぞれ圧延スタンドを通過する際のすべての位置関係を予め想定し、その位置関係の時間的な推移(遷移パターン)を分類し、分類した遷移パターンごとに、制御用計算機においてロールギャップの差分指令値及びロール速度の差分指令値を生成する。一方、PLCでは2つの板厚変更点をトラッキングして、その位置関係が予め分類された遷移パターンのいずれに該当するかを判定し、その遷移パターンに紐づけられたロールギャップの差分指令値とロール速度の差分指令値を出力する。なお、その差分指令値は、いずれかの板厚変更点が次の圧延スタンドに到達するまで制御出力として保持される。
(3段走変)
さらに、先行材と後行材との板厚差だけでなく、変形抵抗差が大きくなるとことでも、接合点通過時の張力変動が極めて大きくなるため、2段の走間板厚変更だけでは安定した板厚変更ができなくなる。そこで、中間パススケジュールを2つ設けた、3段の走間板厚変更が行われている。これは、先行材のパススケジュールa→第1中間パススケジュールm→第2中間パススケジュールn→後行材のパススケジュールbの遷移を、各々の3個の板厚変更点が各圧延スタンドを通過するごとに設定変更する方法である。
例えば、特許文献3には、このような3段の走間板厚変更方法が開示されている。特許文献3では、4個のパススケジュールと3個の板厚変更点が設定されるが、板厚変更点が圧延スタンドを通過する状態(遷移パターン)の数が極めて多くなる。そのため、遷移パターンごとに設定されるロールギャップとロール速度の設定値の数が多いため、オフラインで制御テーブル(差分指令テーブル)を設定する。そして、複数の遷移パターンの情報とオフラインで設定された制御テーブルの差分指令値を予め紐づけておく。さらに、PLCでは、3個の板厚変更点の位置関係に対応する遷移パターン信号(フラッグセット)を生成し、その遷移パターン信号に変化が生じた場合に、オフラインで設定された制御テーブルを参照し、該当する遷移パターンのロールギャップの差分指令値及びロール速度の差分指令値を出力する。
特開2006-224119号公報 特開2013-35061号公報 特開2018-158374号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、第1板厚変更点がタンデム圧延機のすべての圧延スタンドを通過した後に、第2の走間板厚変更を開始する方法に限定されており、通常の走間板厚変更を2回行うのと同じ効果しかない。そのため、中間板厚の部分が長くなり、歩留まりが低下するという問題がある。
一方、タンデム圧延機内に複数の板厚変更点を内包する場合には、複数の板厚変更点の位置関係が複雑に変化することが問題となる。定常圧延状態においては、マスフロー一定則により、タンデム圧延機の各圧延スタンド出側の板厚と板速度の積が一定となるため、板速度は後段圧延スタンドほど早くなる。圧延スタンドごとの速度変化は、パススケジュール(各圧延スタンドの板厚スケジュール)によって変化するため、複数の板厚変更点の速度関係は複雑な変化を示す。また、走間板厚変更では板厚変更点の前後でマスフローが変化するため、複数の板厚変更点が同一の圧延スタンド間に含まれるケースを含めて、板厚変更点同士の位置関係が複雑に変化する状況に対応して、適切な制御出力を出さなければ、板破断や絞り込みが生じてしまう。
このような観点から、特許文献2に開示された方法は、2段の走間板厚変更として、2つの板厚変更点がタンデム圧延機に内包される場合にも適用できる。しかし、2つの板厚変更点の位置関係に関するすべての遷移パターンを予め想定し、それぞれに対応したロールギャップとロール速度の差分指令値を記憶しておく必要があるため、制御用計算機の計算負荷が大きくなるという問題がある。
図9は、5スタンドのタンデム圧延機に対して、2つの板厚変更点を有する場合の遷移パターンの例である。図中の数値は、各圧延スタンド(♯1~♯5)で、いずれのパススケジュールに対応したロールギャップ値が設定されているかを表す。なお、図9及び後述する図10において、各遷移パターンのスタンド毎に記載された数値は、各圧延スタンドがどのパススケジュールにあるかを示すものである。この数値は、「0」が先行材のパススケジュール、「1」が中間パススケジュール、「2」が後行材のパススケジュールをそれぞれ示す。この場合、同一の圧延スタンド間に2つの板厚変更点を内包する状況も想定しているため、初期状態(先行材のパススケジュールaの状態)を除き、20の遷移パターンを想定して、それぞれに対応したロールギャップ及びロール速度の差分量を算出しておく必要がある。そのため、特許文献2では、同一の圧延スタンド間に2つの板厚変更点を内包する状況を除外して、図10のように14の遷移パターンを想定した設定計算を行うことにより制御用計算機の計算負荷を軽減している。
特許文献3に開示された方法は、3段の走間板厚変更を行うものである。この方法も予め想定される遷移パターンを想定して、すべての遷移パターンに対応するロールギャップとロール速度の差分指令を制御テーブルとして設定する。
図11は、5スタンドのタンデム圧延機に対して、3個の板厚変更点を有する場合の遷移パターンの例である。この場合には、中間のパススケジュールm,nが設定されるため、遷移パターンの数が極めて多くなる。なお、図11において、各遷移パターンのスタンド毎に記載された数値は、「0」が先行材のパススケジュール、「1」が第1中間パススケジュールm、「2」が第2中間パススケジュールn、「3」が後行材のパススケジュールをそれぞれ示す。
特許文献3では、各遷移パターンに対応するロールギャップとロール速度の差分指令を制御テーブルとして予め設定する工程(差分指令値生成工程)をオフラインで行う。オフラインの計算では、計算時間が長くなるため、走間板厚変更を開始する前の圧延状態を反映したパススケジュールm,nの設定が難しいという問題が生じる。すなわち、圧延中には摩擦係数や変形抵抗が変動する場合があり、そのような状態の変化を考慮した設定計算が困難である。
さらに、特許文献3では、3個の板厚変更点のトラッキング情報から遷移パターン情報を算出し、予め設定された制御テーブルの中から、対応する差分指令情報を参照して、PLCで差分指令を出力するという方法をとる。これは、制御用計算機とPLC間で非常に多くの情報を頻繁に伝送する必要が生じるため、最新の機器を備えていたとしても実現することが困難である。すなわち、走間板厚変更を実行するための設定計算において、膨大な情報量を扱う必要が生じるため、コンピュータ技術の進歩した現在においてもプロコンを用いて、このような設定計算を行うのは困難といえる。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、3段以上の走間板厚変更を行う場合に、複数の板厚変更点の位置関係に対応した、数多くの遷移パターンに対応したロールギャップ及びロール速度の差分指令の生成を簡易化すると共に、複数の板厚変更点の任意の位置関係に対応して、即時に走間板厚変更の制御に必要な差分指令を出力することができる、走間板厚変更方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、先行材と後行材とが接合された被圧延材をタンデム圧延機により連続圧延する際の走間板厚変更方法であって、少なくともN個(N≧3)の板厚変更点を有することにより、(N+1)個のパススケジュールが設定され、前記パススケジュールに対応した前記タンデム圧延機の圧延スタンドごとのロールギャップ及びロール速度の設定値を算出する圧延制御パラメータ設定工程と、前記被圧延材の前記板厚変更点の位置を随時取得するトラッキング工程と、前記圧延制御パラメータ設定工程で算出された前記設定値と、前記トラッキング工程で取得された前記板厚変更点の位置とに基づいて、前記圧延スタンドごとに、ロールギャップ及びロール速度の差分指令値を随時算出する差分指令値生成工程と、前記差分指令値に応じて、前記圧延スタンドのロールギャップ及びロール速度の制御指令を随時出力する制御情報出力工程と、を備える、走間板厚変更方法が提供される。
本発明の一態様によれば、3段以上の走間板厚変更を行う場合に、複数の板厚変更点の位置関係に対応した、数多くの遷移パターンに対応したロールギャップ及びロール速度の差分指令の生成を簡易化すると共に、複数の板厚変更点の任意の位置関係に対応して、即時に走間板厚変更の制御に必要な差分指令を出力する、走間板厚変更方法が提供される。
本実施形態に係る冷間連続圧延設備を示す模式図である。 本実施形態における制御テーブル設定処理を示すフロー図である。 ロールギャップの設定方法を説明するグラフである。 パススケジュールと圧延スケジュールについて説明する説明図である。 板厚変更点の一例を示す模式図である。 本実施形態における走間板厚変更処理を示すフロー図である。 全ての板厚変更点がタンデム圧延機に内包される場合について説明する説明図である。 フラグセットを示す説明図である。 2つの板厚変更点を有する場合の遷移パターンの例を示す表である。 特許文献2の遷移パターンの例を示す表である。 3段の走間板厚変更を行う場合の遷移パターンの例を示す表である。 実施例1における結果を示すグラフである。 実施例1における結果を示すグラフである。 実施例2における結果を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
<冷間タンデム圧延機の構成>
図1は、本発明の一実施形態における冷間連続圧延設備1の一例を示す概略構成図である。なお、図1では、設備に附帯する他の装置(例えば、入側の巻戻機、溶接機およびルーパ、並びに出側の切断機および巻取機等の装置)については図示を省略している。
図1に示すように、この冷間連続圧延設備1は、タンデム圧延機2と、タンデム圧延機2を制御する圧延制御コントローラ(PLC、プログラマブル・ロジック・コントローラ)3と、圧延制御コントローラ3を含む冷間連続圧延設備1を管理する制御用計算機(プロコン又はプロセスコンピュータ)4とを備える。
タンデム圧延機2は、通板方向の入側から順に、第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eを有する連続式冷間タンデム圧延機である。本実施形態の例では、隣接する圧延スタンド間の距離は4mであり、全圧延スタンド数が5圧延スタンドなので、タンデム圧延機の全長は16mである。
第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eの各圧延スタンドには、速度検出器21と、ワークロールのロール速度を変更する電動機であるロール速度制御機22と、ロールギャップを変更するロールギャップ制御機23とがそれぞれ設置されている。本実施形態では、制御用計算機4は、後述する圧延スケジュールテーブルを設定する。そして、圧延制御コントローラ3は、制御用計算機4から取得した圧延スケジュールテーブルに基づき、第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eの各圧延スタンドのロール速度制御機22及び各圧延スタンドのロールギャップ制御機23を制御するための演算と処理をオンラインで実行する。
第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eの速度検出器21は、各圧延スタンドのロール速度現在値(ロール速度のフィードバック値)Tを圧延制御コントローラにフィードバックする。そして、第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eのロール速度制御機22は、圧延制御コントローラ3からのロール速度指令Cに応じて各圧延スタンドのロール速度を制御する。
また、第1圧延スタンド2A~第5圧延スタンド2Eのロールギャップ制御機23は、各圧延スタンドのロールギャップ現在値(ロールギャップのフィードバック値)Tを圧延制御コントローラ3にフィードバックするとともに、圧延制御コントローラ3からのロールギャップ指令Cに応じて各圧延スタンドのロールギャップを制御する。
制御用計算機4は、圧延制御コントローラ3の管理を含む圧延設備管理処理及び圧延制御パラメータ設定処理を実行する第1計算機である。
<走間板厚変更方法>
[制御テーブル設定処理]
本実施形態に係る走間板厚変更方法は、先行材51と後行材52とが溶接等により接合された被圧延材5を冷間圧延するものである。本実施形態に係る走間板厚変更方法では、はじめに、図2に示す処理フローにしたがって、制御用計算機4による制御テーブル設定処理が行われる。
制御テーブル設定処理では、まず、制御用計算機4は、被圧延材5のパススケジュールを設定する(パススケジュール設定工程、S100)。ステップS100では、被圧延材5のパススケジュール(板厚スケジュール)として、先行材51及び後行材52の定常部の板厚であるパススケジュールa,bが、上位計算機から与えられる冷間圧延の母材コイルの寸法、冷間圧延後の製品目標寸法などの情報に従って設定される。また、ステップS100では、パススケジュールaとパススケジュールbとの間に設定される2つの中間パススケジュールm,nが設定される。なお、中間パススケジュールmを第1中間パススケジュール、中間パススケジュールnを第2中間パススケジュールともいう。中間パススケジュールm,nの設定は、パススケジュールaからパススケジュールbへの変更に際して、その中間段階での張力変動や板厚変動ができるだけ小さくなるような任意のパススケジュールを選定できる。つまり、ステップS100では、後述する3個の板厚変更点に対応して、4個のパススケジュールが設定される。
ステップS100の後、制御用計算機4は、ステップS100で設定された4個のパススケジュールa,b,m,nに対して、各圧延スタンドの圧延制御パラメータを設定する(圧延制御パラメータ設定工程、S102)。ステップS102では、以下の方法にて、圧延制御パラメータとして各圧延スタンドのロールギャップ及びロール速度の設定値が設定される。
(ロールギャップの設定方法)
パススケジュールが与えられた場合の圧延スケジュール計算では、母材板厚や仕上げ板厚、変形抵抗、摩擦係数等の圧延条件から圧延荷重を計算し、圧延機の弾性特曲線と塑性特性曲線との関係から圧下位置が決定される。一般に、弾性特性曲線と塑性特性曲線は、それぞれ以下の(1)式及び(2)式から求めることができる。
Figure 0007276267000001
ここで、P:圧延荷重(kN)、S:ロールギャップ(mm)、h:出側板厚(mm)、H:入側板厚(mm)、b:板幅(mm)、K:ミル定数(kN/mm)、k:圧延材の平均変形抵抗(MPa)、R’:扁平ロール半径(mm)、Q:圧下力関数である。圧下力関数Qは、2次元圧延理論から計算されるものであり、摩擦係数μ及び変形抵抗kの関数で表される。
ロールギャップSは、図3に示すように、タンデム圧延機2の弾性特性曲線と塑性特性曲線との交点から求まる板厚がパススケジュールで設定された目標板厚hに一致するように求められる。これを先行材、後行材、複数の中間パススケジュールがそれぞれ定常状態にあると仮定して、各パススケジュールに対応したロールギャップの設定値を算出する。
(ロール速度の設定方法)
パススケジュールが与えられた場合のロール速度計算では、上記(2)式と同様に2次元圧延理論から先進率を求め、タンデム圧延機の定常状態のパススケジュールに対して、(3)式が成り立つように各圧延スタンドのロール速度のバランスが決定される。そして、速度基準となる圧延スタンドのロール速度から、すべての圧延スタンドのロール速度の設定値が算出される。これを先行材、後行材、第1中間パススケジュール、第2中間パススケジュールがそれぞれ定常状態にあると仮定して、各パススケジュールに対応したロール速度の設定値が算出される。
Figure 0007276267000002
ここで、i:圧延スタンド番号、V (i):第i圧延スタンドのロール速度(mm/min)、h(i):第i圧延スタンドの出側板厚(mm)、f(i):第i圧延スタンドの先進率(-)である。
ステップS102では、このようにして求められた4個のパススケジュールa,b,m,nと、それぞれ5圧延スタンド分のロールギャップ及びロール速度の計算値は、圧延スケジュールテーブルに、例えば図4に示すような形式で保存される。
ステップS102の後、制御用計算機4は、作成された圧延スケジュールテーブルを圧延制御コントローラ3に伝送する(S104)。なお、図2に示す制御テーブル設定処理は、走間板厚変更が開始される前に行われる。
以上が、本実施形態における制御用計算機4において行われる制御テーブル設定処理、即ち走間板厚変更の設定計算である。特許文献2又は3では、制御用計算機4において、複数の板厚変更点の位置関係に応じた遷移パターンを設定するのに対して、本実施形態では、そのような処理を行わず、制御用のパラメータの伝送も走間板厚変更を開始する前に1回のみ行えばよい。
[走間板厚変更処理]
制御テーブル設定処理が行われた後、図6に示す走間板厚変更処理が行われる。走間板厚変更処理では、まず、先行材51と後行材52との接合点(溶接点)に対して、3個の板厚変更点(第1板厚変更点B、第2板厚変更点W、第3板厚変更点E)が設定される(S200)。この設定は、圧延制御コントローラ3で行われてもよく、制御用計算機4で行われてもよい。
3個の板厚変更点B,W,Eをどのように設定するかは任意であるが、図5に示すように、第1板厚変更点Bを先行材51の尾端側に設定し、第2板厚変更点Wを接合点に一致するように設定し、第3板厚変更点Eを後行材52の先端側に設定することが好ましい。つまり、第1板厚変更点Bは、接合部が到達する前の板厚のみを変更するように設定されることが好ましい。また、第2板厚変更点Wは、先行材51と後行材52との接合点を境にした変形抵抗の変動に対応した設定変更を行うように設定されることが好ましい。さらに、第3板厚変更点Eは、後行材52側の板厚のみを変更するように設定されることが好ましい。このようにすることで、接合点における板厚と変形抵抗の大きな変動に対して、事前の板厚変更と事後の板厚変更にバッファーとしての役割を持たせることができ、走間板厚変更中の張力変動を低減できる。
また、板厚変更点B,W,Eの長手方向の間隔も任意に設定できる。本実施形態では、全ての板厚変更点がタンデム圧延機2に内包される場合(例えば、図7に示すような場合)や、複数の板厚変更点が同一の圧延スタンド間に内包される場合など、板厚変更点の位置関係によらず適用できる。また、そのような多様な条件を許容しても、想定すべき遷移パターンの数が多くなって計算負荷が増大することもない。
ステップS200の後、圧延制御コントローラ3は、現在走行中の接合点Wのトラッキングを開始して、板厚変更点の位置である接合点情報Dを取得する(トラッキング工程、S202)。
ここで、本実施形態では、接合点における溶接部分の搬送方向での長さは、入側で数センチ程度であり、第2板厚変更点W(接合点)に対応する位置に、トラッキングのためにセンサ検出用の貫通穴が被圧延材5に穿孔される。本実施形態では、前後二つの板厚変更点B,Eの位置情報については、板厚の実績値等のデータを用いて算出する。なお、前後二つの板厚変更点B,Eについても、各板厚変更点B,Eに対応する位置に、トラッキングのためにセンサ検出用の貫通穴を被圧延材5に穿孔し、接合点と同様にトラッキングを行ってもよい。
接合点のトラッキング方法としては、例えば光学式や磁気式などの検出センサを用いることができる。光学センサは、鋼板の上面または下面から投光器にて光を投光し、板厚変更点B,W,Eに形成された検出孔を通過した光を反対の面に設置したカメラなどの受光器にて検出することで、検出孔の位置を検出することができる。また、磁気センサとしては、例えば渦流式センサなどを設置し、板厚変更点B,W,Eに形成された検出孔が通過したときの磁界の乱れを検出する。圧延制御コントローラ3は、板厚変更点B,W,Eの検出孔通過情報を接合点情報Dとして取得する。
ステップS202の後、圧延制御コントローラ3は、得られた随時の板厚変更点B,W,Eの接合点情報から、各圧延スタンドでいずれの板厚変更点が通過したかを識別する板厚変更点位置情報を生成する(板厚変更点位置情報生成工程、S204)。板厚変更点位置情報は、板厚変更点B,W,Eのトラッキング結果に応じた各圧延スタンドの設定フラグに基づき「フラグセット」として算出される。図8にフラグセットの算出結果の一例を示す。本実施形態では、フラグセットは各圧延スタンドがパススケジュールのどの工程であるかを示し、0~3の値で示される。フラグセットの「0」の値は、圧延スタンドが先行材51のパススケジュールaである状態、つまり第1板厚変更点Bが通過する前の状態であることを示す。フラグセットの「1」の値は、圧延スタンドが第1中間パススケジュールmである状態、つまり第1板厚変更点Bが通過し、第2板厚変更点Wが通過していない状態を示す。フラグセット「2」の値は、圧延スタンドが第2中間パススケジュールnである状態、つまり第2板厚変更点Wが通過し、第3板厚変更点Eが通過していない状態を示す。フラグセットの「3」の値は、圧延スタンドが後行材52のパススケジュールbである状態、つまり第3板厚変更点Eが通過した状態を示す。
ステップS204の後、圧延制御コントローラ3は、板厚変更点位置情報に基づいたフラグセットに応じて、各スタンドのロールギャップ及びロール速度の差分指令値を生成する(S206)。具体的には、上記、ステップS204により設定されたフラグセットと、制御用計算機4から伝送され圧延制御コントローラに記憶された4個のパススケジュールに対応する圧延スケジュールとから、以下のようにして求められる。
フラグセットの数値をflag(i)と表す。また、各パススケジュールのロールギャップをS(i,j)、ロール速度をV(i,j)と表す。ただし、iは圧延スタンド数であり、1~5の値をとる。jは各パススケジュールに対応した数値であり、上記のフラグセットの値と同じである。このとき、任意の圧延スタンドiの差分指令値ΔS(i),ΔV(i)は、下記(4)式及び(5)式でそれぞれ算出される。
Figure 0007276267000003
すなわち、板厚変更点のトラッキング情報をフラグセットとすることで、極めて少ない演算によって、即座に差分指令値を算出することができる。このような演算であれば、圧延制御コントローラ3によりオンライン処理が可能であって、ロールギャップやロール速度の制御周期ごとに同様の演算が可能である。
ステップS206の後、圧延制御コントローラ3は、ステップS206で生成された差分指令値に応じて、ロールギャップ制御機23とロール速度制御機22とに、制御情報を出力する(制御情報出力工程、S208)。ステップS208では、圧延制御コントローラ3から出力される制御情報に応じて、ロールギャップ制御機23によるロールギャップの変更、ロール速度制御機22によるロール速度の変更が行われる。
ステップS208の後、圧延制御コントローラ3は、走間板厚変更が終了したか否かを判断する(S210)。ステップS210の判断は、板厚変更点のトラッキング情報に応じて行われてもよい。例えば、第3板厚変更点Eが最終圧延スタンドである第5圧延スタンド2Eよりも搬送方向下流側の所定位置を通過したか否かで、走間板厚変更が終了したかが判断されてもよい。
ステップS210の判断の結果、走間板厚変更が終了していないと判断される場合、ステップS202以降の処理が再度行われる。つまり、本実施形態では、走間板厚変更が行われる間、ステップS202~S208の処理がロールギャップ制御機23またはロール速度制御機22の制御周期ごとに繰り返し行われる。具体的には、第1板厚変更点Bがタンデム圧延機2の第1圧延スタンド2Aに到達する前に、各圧延スタンドのロールギャップ及びロール速度の現在値が記憶(ロックオン)され、走間板厚変更が終了するまで保持される。一方、制御情報出力工程からは、制御周期に対応して随時差分指令値が出力され、ロックオン値に加算された値が制御目標値として、ロールギャップ及びロール速度が制御される。
このように、本実施形態では走間板厚変更の開始から終了までの間、トラッキング情報に対応して生成されるフラグセットを用いて、差分指令値が随時生成され、即座にロールギャップ及びロール速度の制御機の出力に反映される。これに対して、特許文献2や3の方法のように、多数の遷移パターンに対応する情報を検索しながら、制御用計算機と圧延制御コントローラとの間で差分指令情報を送受信する場合には、データの伝送速度がネックとなり、制御出力を随時更新することはできず、遷移パターンが次に遷移するまで、制御出力をホールドせざるを得ない。
なお、各圧延スタンドのロールギャップ及びロール速度を記憶したロックオン値は、走間板厚変更中に随時更新することもでき、あるいは圧延スタンドごとにロックオンのタイミングを設定することもできる。例えば、板厚変更点が圧延スタンドに到達する一定距離または時間だけ前の位置または時間に現在値を保持するロックオンを行い、板厚変更点が各圧延スタンドを到達するごとに、その圧延スタンドのロックオン値を更新してもよい。
一方、ステップS210の判断の結果、走間板厚変更が終了したと判断される場合、走間板厚変更にかかる一連の処理が終了する。
本実施形態では、差分指令値の生成S206を圧延制御コントローラ3によって制御周期ごとに随時行うことにより制御用計算機4における計算負荷が小さくなるので、圧延制御パラメータの設定に要する時間が短くなる。そのため、板厚変更点のうち最も通材方向の下流側にある第1板厚変更点Bが、タンデム圧延機2の第1圧延スタンド2Aに近づいてから、圧延制御パラメータを設定することが可能となる。さらに、先行材51の尾端近傍での圧延操業実績データから、その時点の摩擦係数及び変形抵抗の少なくとも一方を逆算して、(2)式の荷重計算に即座に反映させることができる。
摩擦係数は、圧延速度や被圧延材の表面粗さの変化などによって変化するため、走間板厚変更を開始する直前の圧延操業実績データを使用することで、圧延制御パラメータ設定工程におけるロールギャップとロール速度の設定精度が向上する。また、変形抵抗は冷間圧延工程の前工程である熱延工程における先尾端の温度変動などの影響により、特に被圧延材5の先尾端で変動しやすいため、走間板厚変更を開始する直前の実績データを使用するのが有利である。例えば、接合点がタンデム圧延機の第1圧延スタンド2Aに到達する1m~2m手前の位置で、摩擦係数及び変形抵抗の少なくとも一方の実績値を逆算し、それらを用いて、制御用計算機4による設定計算を行うことができる。
本実施形態に係る走間板厚変更方法によれば、複数の板厚変更点を有する走間板厚変更において、板厚変更点の位置関係に応じた複雑な計算を予めオフラインで行う必要がなくなり、制御用計算機と圧延制御コントローラ間の伝送する情報量及び頻度が少なくなる。このため、板厚変更点が3つ以上ある場合の走間板厚変更を柔軟かつ安定的に実施することが可能になる。これにより、先行材51と後行材52との間で、母板厚や仕上板厚の違いや、変形抵抗の差(材質差)が大きい条件であっても、板破断や絞り込み等の圧延トラブルを防止することができる。
<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
例えば、上記実施形態では、図1に示すタンデム圧延機2は5つの圧延スタンドを有する圧延機としたが、本発明はかかる例に限定されない。タンデム圧延機2の圧延スタンドの数は、2つ以上の複数であればよく、6つ以上であってもよい。
また、上記実施形態では、板厚変更点が3個でパススケジュールが4個の場合について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。板厚変更点はN(N≧3)個以上であればよく、この場合、パススケジュールは(N+1)個設定される。また、板厚変更点が4点以上と多数の場合であっても、上記実施形態と同様な簡易な計算により差分指令値を随時演算できるので、容易に適用することができる。
次に、本発明者らが行った実施例1について説明する。実施例1では、上記実施形態に係る走間板厚変更方法を用いて、3段階の走間板厚変更を行った。また、比較として、通常の走間板厚変更方法である1段の走間板厚変更(比較例1)、特許文献2の2段の走間板厚変更(比較例2)を行った。図12に、実施例1の結果として、オペレータが手介入により自動制御を中止した回数を示す。また、図13に、オンラインでの走間板厚変更が困難なために、一旦ラインを停止させ、ロールギャップを開放してから接合点を通過させた回数を示す。図12及び図13から分かるように、通常の走間板厚変更及び従来例の2段の走間板厚変更方法では、接合部の板厚差と変形抵抗差が大きいために、張力の変動などによりオペレータが自動制御中に手介入を行ったことが多いことが確認できた。また、場合によっては圧延中に板厚変更を行うことを避け、圧延せずに接合部を通過させることも多かった。これに対して、実施例1では、このような回数を低減でき、安定した走間板厚変更が可能となった。
次に、本発明者らが行った実施例2について説明する。実施例2では、上記実施形態に係る走間板厚変更方法と同様に、5圧延スタンドのタンデム圧延機で3段の走間板厚変更を実施した結果を示す。図14には、実施例2における圧下位置と出側板厚実績の結果を示す。なお、図14において、(A)(B)及び(C)は、板厚変更が行われたタイミングを示す。図14から分かるように、圧下位置を3段階で変更して徐々に板厚を変更することで、ロールギャップ変更量が大きい材料についても、ラインを停止せずに圧延することができた。
また、実施例2では、比較として、特許文献3と同様な方法でも走間板厚変更を行った。しかし、特許文献3による方法では、多数の遷移パターンに対応した差分指令値生成工程をオフラインで実行したため、その時間の間に生じた圧延状態の変化によって、差分指令値の誤差が大きく、オペレータによる手介入が発生し、自動制御による走間板厚変更ができなかった。
1 冷間連続圧延設備
2 タンデム圧延機
2A~2E 第1圧延スタンド~第5圧延スタンド
21 速度検出器
22 ロール速度制御機
23 ロールギャップ制御機
3 圧延制御コントローラ
4 制御用計算機
5 被圧延材
51 先行材
52 後行材

Claims (4)

  1. 先行材と後行材とが接合された被圧延材をタンデム圧延機により連続圧延する際の走間板厚変更方法であって、
    少なくともN個(N≧3)の板厚変更点を有し、前記N個の板厚変更点を境界として前記被圧延材に対して設定される、前記先行材の定常部の板厚であるパススケジュールa、前記後行材の定常部の板厚であるパススケジュールb、及び前記パススケジュールaと前記パススケジュールbとの間に設定される複数の中間パススケジュールからなる計(N+1)個のパススケジュールが設定され、
    前記パススケジュールに対応した前記タンデム圧延機の圧延スタンドごとのロールギャップ及びロール速度の設定値を算出する圧延制御パラメータ設定工程と、
    前記被圧延材の前記板厚変更点の位置を随時取得するトラッキング工程と、
    前記圧延制御パラメータ設定工程で算出された前記設定値と、前記トラッキング工程で取得された前記板厚変更点の位置とに基づいて、前記圧延スタンドごとに、ロールギャップ及びロール速度の差分指令値を随時算出する差分指令値生成工程と、
    前記差分指令値に応じて、前記圧延スタンドのロールギャップ及びロール速度の制御指令を随時出力する制御情報出力工程と、
    を備える、走間板厚変更方法。
  2. 前記圧延制御パラメータ設定工程は、前記タンデム圧延機の制御用計算機における演算処理により行われ、
    前記トラッキング工程及び前記制御情報出力工程は、圧延制御コントローラにより処理を行われる、請求項1に記載の走間板厚変更方法。
  3. 前記板厚変更点のうち最も通材方向の下流側にある第1板厚変更点が前記タンデム圧延機に到達する前に、前記圧延制御パラメータ設定工程によって設定された前記設定値が格納された圧延スケジュールテーブルを、前記制御用計算機から前記圧延制御コントローラに伝送する、請求項2に記載の走間板厚変更方法。
  4. 前記圧延制御パラメータ設定工程における前記設定値を演算する際に、前記板厚変更点のうち最も通材方向の下流側にある第1板厚変更点が前記タンデム圧延機に到達する前の圧延操業実績データから求められる、前記被圧延材の摩擦係数及び変形抵抗の少なくとも一方の実績値を用いる、請求項1~3のいずれか1項に記載の走間板厚変更方法。
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