JP5967033B2 - 蛇行制御装置および蛇行制御方法 - Google Patents

蛇行制御装置および蛇行制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の圧延機によって連続的に圧延される金属ストリップの蛇行を制御する蛇行制御装置および蛇行制御方法に関するものである。
従来、冷延鋼板等の金属ストリップの圧延ラインには、金属ストリップを連続的に圧延するタンデム圧延機が設置されている。一般に、タンデム圧延機は、金属ストリップの搬送経路に沿って並設される複数の圧延機によって構成される。タンデム圧延機を構成する圧延機の数量(以下、スタンド数という)がn個(nは2以上の整数)である場合、このタンデム圧延機のうち、最上流の圧延機は第1スタンドの圧延機であり、最下流の圧延機は第nスタンドの圧延機である。この第1スタンドの圧延機と第nスタンドの圧延機との間には、金属ストリップの搬送方向(順方向)に向かって第2スタンド、第3スタンド、・・・、第n−2スタンド、第n−1スタンドの各圧延機が並設されている。このようなタンデム圧延機は、第1スタンド〜第nスタンドの各圧延機によって、これら各圧延機のスタンド番号順に金属ストリップを連続的に圧延する。
また、上述したようなタンデム圧延機によって連続的に圧延されている金属ストリップの蛇行を防止するために、従来、この金属ストリップの差張力を用いて、タンデム圧延機内の各圧延機の圧下レベリング量が制御されている。なお、差張力は、金属ストリップの幅方向(以下、材幅方向と適宜いう)における一端部の張力と他端部の張力との差である。圧下レベリング量は、圧延機において金属ストリップをその表裏両面から挟む一対の圧延ロール(2つのワークロール)間のロールギャップ差である。詳細には、これら2つのワークロールの幅方向(以下、ロール幅方向と適宜いう)における一端部のロールギャップと他端部のロールギャップとの差である。
このようなタンデム圧延機における金属ストリップの蛇行制御の従来技術として、例えば、タンデム圧延機のうちの第iスタンドおよび第i+1スタンドの各圧延機出側における金属ストリップの差張力と、これら各圧延機における金属ストリップの幅方向のずれ量およびクラウン差分とを検出し、これら検出結果に基づいて第iスタンドの圧延機の圧下レベリング量を制御するものがある(特許文献1参照)。また、第iスタンドの圧延機出側に設置した電磁式タイプの位置検出器によって金属ストリップの板幅および蛇行量を測定し、且つ第iスタンドの圧延機出側に設置した張力計によって金属ストリップの全張力および差張力を測定し、これらの測定値に基づいて第iスタンドの圧延機の圧下レベリング量を制御する工程と、第1スタンドの圧延機入側に設置した電磁式タイプの位置検出器によって金属ストリップの蛇行量を測定し、この測定値に基づいてアンコイラーの位置を制御する工程とを実行する蛇行制御方法がある(特許文献2参照)。なお、全張力は、金属ストリップの幅方向における一端部の張力と他端部の張力との和(和張力)である。一方、タンデム圧延機内の各圧延機出側における金属ストリップの全張力および差張力を求め、得られた差張力の全張力に対する比率(以下、張力比という)が所定の目標範囲内になるように各圧延機の圧下レベリング量を制御する蛇行制御方法がある(特許文献3参照)。
特開昭63−188415号公報 特開平11−151514号公報 特開2003−275811号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の従来技術では、圧下レベリング量の制御に用いる金属ストリップの幅方向のずれ量を各圧延機の間または出側において検出する際、ヒューム、圧延クーラント等の使用環境の影響を受けるため、このずれ量の検出(測定)は困難となる場合が多い。また、特許文献1に記載の従来技術では、金属ストリップの差張力と材幅方向のずれ量およびクラウン差分とに基づく評価式(一次関数)によって圧延機の圧下レベリング量を制御している。しかしながら、金属ストリップの張力を検出する張力計の原理上、金属ストリップの差張力と圧延機の圧下レベリング量とはリニアな関係とならないため、この評価式の精度に問題がある。すなわち、タンデム圧延機における金属ストリップの蛇行防止に好適な圧下レベリング量の制御を、上記の評価式に基づいて行うことは困難である。
一方、上述した特許文献2に記載の従来技術では、ヒューム、圧延クーラント等の使用環境の影響を受けずにタンデム圧延機における金属ストリップの板幅および蛇行量を測定でき、このように測定した金属ストリップの板幅および蛇行量と、この金属ストリップの全張力および差張力とを適宜用いて、圧延機の圧下レベリング量およびアンコイラーの位置を制御している。この制御によって金属ストリップの蛇行を防止することは可能となる。しかしながら、タンデム圧延機の入側において金属ストリップには圧延時に高い張力が付与されるとともに、タンデム圧延機によって金属ストリップは圧延時に拘束される。このため、タンデム圧延機の入側においてアンコイラーの位置を制御して金属ストリップのセンタリングを行った際、タンデム圧延機の入側の金属ストリップ(母材)が意図せず変形する可能性がある。また、金属ストリップの張力比の大きさによっては、タンデム圧延機における金属ストリップの蛇行を防止することが困難な場合がある。この場合、タンデム圧延機における金属ストリップの蛇行に起因して、金属ストリップの噛み込み不良や絞り破断等の圧延トラブルを起こす可能性がある。
また、上述した特許文献3に記載の従来技術では、タンデム圧延機内の各圧延機出側における金属ストリップの張力比を所定の目標範囲内とするように各圧延機の圧下レベリング量を制御し、この制御によって、上記特許文献2に記載の従来技術における問題点を解消している。一方、上記の目標範囲、すなわち、タンデム圧延機における金属ストリップの蛇行を防止するために目標とする金属ストリップの張力比の範囲は、タンデム圧延機による金属ストリップの連続的な圧延操業に伴って変化する場合がある。しかしながら、特許文献3に記載の従来技術では、このように変化する目標範囲(金属ストリップの蛇行防止に好適な目標範囲)内に金属ストリップの張力比を収めるように圧延機の圧下レベリング量を制御することは困難である。このため、金属ストリップの蛇行防止を目的とする圧下レベリング量の制御に誤動作が発生する可能性がある。この結果、タンデム圧延機における金属ストリップの蛇行が増大することから、金属ストリップの絞り破断等の圧延トラブルを招来するという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、連続的に圧延される金属ストリップの蛇行を安定的に制御して、金属ストリップの圧延トラブルの発生を低減することが可能な蛇行制御装置および蛇行制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる蛇行制御装置は、金属ストリップを圧延するタンデム圧延機における前記金属ストリップの蛇行を制御する蛇行制御装置において、前記タンデム圧延機の各圧延機出側における前記金属ストリップの幅方向の一端部および他端部の各張力を測定する張力測定手段と、前記タンデム圧延機の圧延機出側毎に、前記一端部の張力と前記他端部の張力との差である差張力と、前記一端部の張力と前記他端部の張力との和である全張力とを算出し、且つ前記差張力の前記全張力に対する比率である張力比を算出する演算処理手段と、前記タンデム圧延機のうちの制御対象の圧延機の後段に並ぶ次圧延機の圧下レベリング量に応じて、前記制御対象の圧延機における前記金属ストリップの蛇行を防止するために目標とする前記張力比の目標範囲を補正し、前記制御対象の圧延機出側に対応して算出された前記張力比が補正後の前記目標範囲内になるように、前記制御対象の圧延機の圧下レベリング量を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる蛇行制御装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記次圧延機の圧下レベリング量に応じて前記目標範囲の中心値を補正し、補正後の前記中心値を中心とする補正後の前記目標範囲の上限値および下限値を設定することを特徴とする。
また、本発明にかかる蛇行制御装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記次圧延機の圧下レベリング量が前記制御対象の圧延機出側における前記張力比に与える影響を示す影響係数と前記次圧延機の圧下レベリング量とを乗じて、前記目標範囲の補正値を算出し、前記目標範囲の中心値と上限値と下限値とに前記補正値を加算して前記目標範囲を補正することを特徴とする。
また、本発明にかかる蛇行制御方法は、金属ストリップを圧延するタンデム圧延機における前記金属ストリップの蛇行を制御する蛇行制御方法において、前記タンデム圧延機の各圧延機出側における前記金属ストリップの幅方向の一端部および他端部の各張力を測定する張力測定ステップと、前記タンデム圧延機の圧延機出側毎に、前記一端部の張力と前記他端部の張力との差である差張力と、前記一端部の張力と前記他端部の張力との和である全張力とを算出し、且つ前記差張力の前記全張力に対する比率である張力比を算出する演算処理ステップと、前記タンデム圧延機のうちの制御対象の圧延機の後段に並ぶ次圧延機の圧下レベリング量に応じて、前記制御対象の圧延機における前記金属ストリップの蛇行を防止するために目標とする前記張力比の目標範囲を補正する補正ステップと、前記制御対象の圧延機出側に対応して算出した前記張力比が補正後の前記目標範囲内になるように、前記制御対象の圧延機の圧下レベリング量を制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる蛇行制御方法は、上記の発明において、前記補正ステップは、前記次圧延機の圧下レベリング量に応じて前記目標範囲の中心値を補正し、補正後の前記中心値を中心とする補正後の前記目標範囲の上限値および下限値を設定することを特徴とする。
また、本発明にかかる蛇行制御方法は、上記の発明において、前記補正ステップは、前記次圧延機の圧下レベリング量が前記制御対象の圧延機出側における前記張力比に与える影響を示す影響係数と前記次圧延機の圧下レベリング量とを乗じて、前記目標範囲の補正値を算出し、前記目標範囲の中心値と上限値と下限値とに前記補正値を加算して前記目標範囲を補正することを特徴とする。
本発明にかかる蛇行制御装置および蛇行制御方法によれば、連続的に圧延される金属ストリップの蛇行を安定的に制御して、金属ストリップの圧延トラブルの発生を低減することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる蛇行制御装置を適用した圧延ラインの一構成例を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態にかかる蛇行制御装置の要部構成の一例を示す図である。 図3は、圧延機出側における鋼帯の張力比の目標範囲に対する次圧延機の圧下レベリング量の影響を説明するための図である。 図4は、制御対象の圧延機出側における鋼帯の張力比と次圧延機の圧下レベリング量との相関の一例を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態にかかる蛇行制御方法の一例を示すフローチャートである。
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる蛇行制御装置および蛇行制御方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一構成部分には同一符号を付している。
(圧延ライン)
まず、本発明の蛇行制御を適用した圧延ラインの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる蛇行制御装置を適用した圧延ラインの一構成例を示す図である。なお、図1には、この圧延ライン1の一部分、すなわち、鋼帯5の搬入端からタンデム圧延機3の出側までのライン部分が図示されている。
図1に示すように、本実施の形態における圧延ライン1は、処理対象の鋼帯5を連続的に圧延(例えば冷間圧延)するラインである。この圧延ライン1には、鋼帯5の搬送経路に沿って、鋼帯5を払い出すアンコイラー2と、払い出された鋼帯5を連続的に圧延するタンデム圧延機3とが設置される。また、このタンデム圧延機3の近傍には、タンデム圧延機3における鋼帯5の蛇行を制御する蛇行制御装置10が設置される。なお、図1には図示しないが、圧延ライン1には、鋼帯5をその搬送方向(図1に示す太線矢印参照)に順次搬送する複数の搬送ロール等が必要な箇所に配置される。
アンコイラー2は、その回転によって、コイル6から鋼帯5を圧延ライン1内へ払い出す。コイル6は、鋼帯5をコイル状に巻いたものであり、図1に示すように、アンコイラー2に取り付けられている。アンコイラー2から払い出された鋼帯5は、タンデム圧延機3に供給される。
タンデム圧延機3は、順次搬送される鋼帯5を連続的に圧延するものであり、鋼帯5の搬送経路に沿って並設される複数の圧延機によって構成される。具体的には、タンデム圧延機3のスタンド数が「n」(n:2以上の整数)である場合、図1に示すように、タンデム圧延機3は、最上流(タンデム圧延機3の入側端)に第1スタンドの圧延機F1を備え、最下流(タンデム圧延機3の出側端)に第nスタンドの圧延機Fnを備える。また、図1に図示しないが、このタンデム圧延機3の第1スタンドの圧延機F1と第nスタンドの圧延機Fnとの間には、鋼帯5の搬送方向に向かって第2スタンド、第3スタンド、・・・、第n−2スタンド、第n−1スタンドの各圧延機が並設される。タンデム圧延機3は、第1スタンド〜第nスタンドの各圧延機によって、これら各圧延機のスタンド番号順に鋼帯5を連続的に圧延する。タンデム圧延機3は、圧延完了後の鋼帯5をタンデム圧延機3の出側(第nスタンドの圧延機Fnの出側)に送出する。その後、この圧延完了後の鋼帯5は、タンデム圧延機3の下流側に搬送され、圧延ライン1の各種設備(図示せず)によって必要な処理を施された後、コイル状に巻き取られる。
蛇行制御装置10は、タンデム圧延機3によって連続的に圧延されている鋼帯5の蛇行を制御するものである。蛇行制御装置10は、タンデム圧延機3を構成する複数の圧延機(図1に示す圧延機F1,Fn等)の各出側における鋼帯5の張力を測定し、測定した張力をもとに、これら圧延機の各々の圧下レベリング量を制御する。蛇行制御装置10は、これら複数の圧延機の各圧下レベリング量の制御を通して、タンデム圧延機3における鋼帯5の蛇行を制御する。これにより、蛇行制御装置10は、タンデム圧延機3における鋼帯5の絞り破断等の圧延トラブルを防止する。
(蛇行制御装置)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる蛇行制御装置10の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる蛇行制御装置の要部構成の一例を示す図である。以下では、上述したタンデム圧延機3を構成する複数の圧延機のうちの第iスタンドの圧延機Fiおよび第i+1スタンドの圧延機Fi+1に注目して、蛇行制御装置10の構成を詳細に説明する。本実施の形態において、第iスタンドの圧延機Fiは、タンデム圧延機3のうちの制御対象の圧延機である。第i+1スタンドの圧延機Fi+1は、タンデム圧延機3のうちの制御対象の圧延機Fiの後段に並ぶ次圧延機である。なお、「i」および「i+1」は、1≦i<i+1≦nを満足する整数である。
図2に示すように、蛇行制御装置10は、圧延機Fi,Fi+1の各出側における鋼帯5の張力を測定する張力計11a,11b,12a,12bと、測定された各張力の演算処理を行う張力演算部13,14と、圧延機Fi,Fi+1の各圧下レベリング量を調整するレベリング装置15a,15b,16a,16bと、圧延機Fi,Fi+1の各圧下レベリング量を制御する制御部17とを備える。
張力計11a,11b,12a,12bは、圧延機Fi,Fi+1の各出側における鋼帯5の幅方向の一端部および他端部の各張力を測定する張力測定手段として機能する。具体的には、張力計11a,11b,12a,12bの各々は、ロードセル等を用いて実現され、鋼帯5の垂直荷重を測定(検出)し、得られた垂直荷重と鋼帯5の固定された接触角とに基づいて鋼帯5の張力を測定するものである。
張力計11a,11bは、図2に示すように、第iスタンドの圧延機Fiの出側に配置される。詳細には、張力計11aは、圧延機Fiの出側であり且つ鋼帯5の幅方向両側のうちの作業者が位置する側(以下、作業側という)に配置される。張力計11aは、この圧延機Fiの出側において、鋼帯5の幅方向の一端部、具体的には、作業側の端部の張力(以下、作業側張力という)Tiwsを測定する。一方、張力計11bは、圧延機Fiの出側であり且つ鋼帯5の幅方向両側のうちの駆動装置が位置する側(以下、駆動側という)に配置される。張力計11bは、この圧延機Fiの出側において、鋼帯5の幅方向の他端部、具体的には、駆動側の端部の張力(以下、駆動側張力という)Tidsを測定する。張力計11a,11bは、圧延機Fiによって順次圧延された鋼帯5の作業側張力Tiwsおよび駆動側張力Tidsを各々測定し、その都度、作業側張力Tiwsおよび駆動側張力Tidsの各測定値を張力演算部13に送信する。
張力計12a,12bは、図2に示すように、第i+1スタンドの圧延機Fi+1の出側に配置される。詳細には、張力計12aは、圧延機Fi+1の出側であり且つ鋼帯5の幅方向両側のうちの作業側に配置される。張力計12aは、この圧延機Fi+1の出側において鋼帯5の作業側張力Ti+1wsを測定する。一方、張力計12bは、圧延機Fi+1の出側であり且つ鋼帯5の幅方向両側のうちの駆動側に配置される。張力計12bは、この圧延機Fi+1の出側において鋼帯5の駆動側張力Ti+1dsを測定する。張力計12a,12bは、圧延機Fi+1によって順次圧延された鋼帯5の作業側張力Ti+1wsおよび駆動側張力Ti+1dsを各々測定し、その都度、作業側張力Ti+1wsおよび駆動側張力Ti+1dsの各測定値を張力演算部14に送信する。
張力演算部13,14は、各圧延機Fi,Fi+1の出側毎に鋼帯5の張力測定値に基づく演算処理を行う演算処理手段として機能する。具体的には、図2に示すように、張力演算部13は、圧延機Fiの出側の張力計11a,11bと接続され、張力計11a,11bによって測定された鋼帯5の作業側張力Tiwsおよび駆動側張力Tidsを取得する。その都度、張力演算部13は、鋼帯5の作業側張力Tiwsと駆動側張力Tidsとの差である差張力ΔTiと、これら作業側張力Tiwsと駆動側張力Tidsとの和である全張力Tiとを算出する。さらに、張力演算部13は、算出した差張力ΔTiの全張力Tiに対する比率である張力比(ΔTi/Ti)を算出する。張力演算部13は、このような張力の演算処理を実行する都度、算出した張力比(ΔTi/Ti)を制御部17に送信する。一方、張力演算部14は、図2に示すように、圧延機Fi+1の出側の張力計12a,12bと接続され、張力計12a,12bによって測定された鋼帯5の作業側張力Ti+1wsおよび駆動側張力Ti+1dsを取得する。その都度、張力演算部14は、鋼帯5の作業側張力Ti+1wsと駆動側張力Ti+1dsとの差である差張力ΔTi+1と、これら作業側張力Ti+1wsと駆動側張力Ti+1dsとの和である全張力Ti+1とを算出する。さらに、張力演算部14は、算出した差張力ΔTi+1の全張力Ti+1に対する比率である張力比(ΔTi+1/Ti+1)を算出する。張力演算部14は、このような張力の演算処理を実行する都度、算出した張力比(ΔTi+1/Ti+1)を制御部17に送信する。
レベリング装置15a,15b,16a,16bは、各圧延機Fi,Fi+1の圧下レベリング量を調整するものである。レベリング装置15a,15bは、図2に示すように、第iスタンドの圧延機Fiに配置される。詳細には、レベリング装置15aは、圧延機Fiのロール幅方向両側のうちの作業側に配置される。レベリング装置15aは、制御部17の制御に基づき、この圧延機Fiに具備される一対のワークロール3a,3bにおけるロール幅方向の作業側端部のレベリング量(以下、作業側レベリング量という)ΔSiwsを調整する。一方、レベリング装置15bは、圧延機Fiのロール幅方向両側のうちの駆動側に配置される。レベリング装置15bは、制御部17の制御に基づき、この圧延機Fiのワークロール3a,3bにおけるロール幅方向の駆動側端部のレベリング量(以下、駆動側レベリング量という)ΔSidsを調整する。レベリング装置15a,15bは、ワークロール3a,3bの作業側レベリング量ΔSiwsおよび駆動側レベリング量ΔSidsを調整することにより、圧延機Fiの圧下レベリング量ΔSiを調整する。
なお、第iスタンドの圧延機Fiにおいて、作業側レベリング量ΔSiwsは、鋼帯5の圧延時に鋼帯5をその表裏両面から挟み込む(噛み込む)ワークロール3a,3bの作業側端部のロールギャップである。駆動側レベリング量ΔSidsは、ワークロール3a,3bの駆動側端部のロールギャップである。また、圧下レベリング量ΔSiは、ワークロール3a,3bのロールギャップであり、上述した作業側レベリング量ΔSiwsと駆動側レベリング量ΔSidsとの差によって表される。
レベリング装置16a,16bは、図2に示すように、第i+1スタンドの圧延機Fi+1に配置される。詳細には、レベリング装置16aは、圧延機Fi+1のロール幅方向両側のうちの作業側に配置される。レベリング装置16aは、制御部17の制御に基づき、この圧延機Fi+1に具備される一対のワークロール3c,3dの作業側レベリング量ΔSi+1wsを調整する。一方、レベリング装置16bは、圧延機Fi+1のロール幅方向両側のうちの駆動側に配置される。レベリング装置16bは、制御部17の制御に基づき、この圧延機Fi+1におけるワークロール3c,3dの駆動側レベリング量ΔSi+1dsを調整する。レベリング装置16a,16bは、ワークロール3c,3dの作業側レベリング量ΔSi+1wsおよび駆動側レベリング量ΔSi+1dsを調整することにより、圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1を調整する。
なお、第i+1スタンドの圧延機Fi+1において、作業側レベリング量ΔSi+1wsは、鋼帯5の圧延時に鋼帯5をその表裏両面から挟み込む(噛み込む)ワークロール3c,3dの作業側端部のロールギャップである。駆動側レベリング量ΔSi+1dsは、ワークロール3c,3dの駆動側端部のロールギャップである。また、圧下レベリング量ΔSi+1は、ワークロール3c,3dのロールギャップであり、上述した作業側レベリング量ΔSi+1wsと駆動側レベリング量ΔSi+1dsとの差によって表される。
制御部17は、図1に示したタンデム圧延機3を構成する複数の圧延機F1〜Fnの各々の圧下レベリング量を制御し、これら圧延機F1〜Fnの各圧下レベリング量の制御を通して、タンデム圧延機3における鋼帯5の蛇行を制御する。具体的には、図2に示すように、制御部17は、張力演算部13,14と接続され、圧延機Fiの出側における張力比(ΔTi/Ti)を張力演算部13から取得し、圧延機Fi+1の出側における張力比(ΔTi+1/Ti+1)を張力演算部14から取得する。制御部17は、張力比(ΔTi+1/Ti+1)等をもとに、圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1を取得する。ここで、圧延機Fiは、タンデム圧延機3のうちの制御対象の圧延機である。圧延機Fi+1は、タンデム圧延機3のうち、制御対象である圧延機Fiの後段に並ぶ次圧延機である。制御部17は、このような圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1に応じて、制御対象の圧延機Fiにおける張力比(ΔTi/Ti)の目標範囲を補正する。この目標範囲は、制御対象の圧延機Fiにおける鋼帯5の蛇行を防止するために目標とする張力比(ΔTi/Ti)の範囲である。以下、目標範囲といえば、タンデム圧延機3における金属ストリップ(本実施の形態においては鋼帯5)の蛇行防止を目的とする金属ストリップの張力比の目標範囲を意味する。制御部17は、張力演算部13により制御対象の圧延機Fiの出側に対応して算出された張力比(ΔTi/Ti)が上記補正後の目標範囲内になるように、制御対象の圧延機Fiの圧下レベリング量ΔSiを制御する。制御部17は、このような圧下レベリング量ΔSiの制御を通して、圧延機Fiにおける鋼帯5の蛇行を制御する。制御部17は、上述した圧延機Fiに対する圧下レベリング量ΔSiの制御と同様の制御を、タンデム圧延機3の各圧延機に対して実行する。これにより、制御部17は、タンデム圧延機3の各圧延機における鋼帯5の蛇行を制御する。
ここで、上述した張力比(ΔTi/Ti)の目標範囲の補正処理に用いられる圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1は、圧延機Fi+1の出側における張力比(ΔTi+1/Ti+1)が補正後の目標範囲内になるように制御されたものである。すなわち、制御部17は、圧延機Fi+1の後段に並ぶ第i+2スタンドの圧延機の圧下レベリング量に応じて、圧延機Fi+1における張力比(ΔTi+1/Ti+1)の目標範囲を補正する。制御部17は、張力演算部14により圧延機Fi+1の出側に対応して算出された張力比(ΔTi+1/Ti+1)が圧延機Fi+1における補正後の目標範囲内になるように、圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1を制御する。一方、圧延機Fi+1がタンデム圧延機3の最終スタンドすなわち第nスタンドの圧延機Fnである場合、この圧延機Fi+1の後段にタンデム圧延機3の圧延機は並設されていない。この場合、制御部17は、張力演算部14により圧延機Fi+1の出側に対応して算出された張力比(ΔTi+1/Ti+1)が圧延機Fi+1(すなわち圧延機Fn)に対して予め設定された目標範囲内になるように、圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1を制御する。
図1に示したタンデム圧延機5に適用される蛇行制御装置10は、図2に示す張力計11a,11b,12a,12bに例示されるように、タンデム圧延機3を構成する複数の圧延機F1〜Fnに対応して複数の作業側張力計および駆動側張力計を備える。これら複数の作業側張力計および駆動側張力計は、タンデム圧延機3の各圧延機出側における鋼帯5の作業側張力および駆動側張力を測定する張力測定手段を構成する。なお、これら複数の作業側張力計および駆動側張力計は、タンデム圧延機3の各圧延機間における鋼帯5の張力を適切に保つために設けられているものであるが、本発明においては、鋼帯5の蛇行制御にも利用する。
また、蛇行制御装置10は、図2に示す張力演算部13,14に例示されるように、複数の圧延機F1〜Fnに対応して複数の張力演算部を備える。これら複数の張力演算部は、タンデム圧延機3の圧延機出側毎に、鋼帯5の作業側張力と駆動側張力との差張力および全張力を算出し、且つ、算出した差張力の全張力に対する張力比を算出する演算処理手段を構成する。さらに、蛇行制御装置10は、図2に示すレベリング装置15a,15b,16a,16bに例示されるように、複数の圧延機F1〜Fnに対応して複数の作業側レベリング装置および駆動側レベリング装置を備える。これら複数の作業側レベリング装置および駆動側レベリング装置は、タンデム圧延機3の各圧延機の圧下レベリング量を調整するレベリング調整手段を構成する。
上述したような構成を有する蛇行制御装置10において、制御部17は、複数の圧延機F1〜Fnに対応して配置される複数の張力演算部の各々と接続され、これら複数の張力演算部から、圧延機F1〜Fnの各出側における鋼帯5の張力比を取得する。制御部17は、取得した各張力比に基づき、上述した圧延機Fiに対する制御に例示されるように、圧延機F1〜Fnの各圧下レベリング量を集中制御する。なお、蛇行制御装置10は、複数の圧延機F1〜Fnに対応して制御部17を複数備え、これら複数の制御部17によって、圧延機F1〜Fnの各圧下レベリング量を分散制御してもよい。
(張力比の目標範囲)
つぎに、本発明による鋼帯5の蛇行制御に用いる鋼帯5の圧延機出側における張力比の目標範囲について説明する。本発明において、タンデム圧延機3における鋼帯5の蛇行制御は、このタンデム圧延機3を構成する圧延機F1〜Fnの各圧下レベリング量を制御することによって行われる。具体的には、タンデム圧延機3の第iスタンドの圧延機Fiにおいて鋼帯5に作業側への蛇行が発生した場合、圧延機Fiのワークロール3a,3b(図2参照)の作業側ロールギャップを締め込むように圧下レベリング量ΔSiを制御する。これにより、この作業側への鋼帯5の蛇行を抑制する。一方、圧延機Fiにおいて鋼帯5に駆動側への蛇行が発生した場合、圧延機Fiのワークロール3a,3bの駆動側ロールギャップを締め込むように圧下レベリング量ΔSiを制御する。これにより、この駆動側への鋼帯5の蛇行を抑制する。このような鋼帯5の蛇行制御において、圧延機Fiの出側における鋼帯5の張力比(ΔTi/Ti)は、圧下レベリング量ΔSiに応じて変化する。すなわち、圧延機Fiの作業側ロールギャップを締め込んだ場合、圧延機Fiの出側に送出される鋼帯5の作業側部分の伸びが増大し、これに伴って、圧延機Fiの出側における鋼帯5の作業側張力Tiwsが減少する。一方、圧延機Fiの駆動側ロールギャップを締め込んだ場合、圧延機Fiの出側に送出される鋼帯5の駆動側部分の伸びが増大し、これに伴って、圧延機Fiの出側における鋼帯5の駆動側張力Tidsが減少する。このような作業側張力Tiwsまたは駆動側張力Tidsの変化に基づいて、鋼帯5の張力比(ΔTi/Ti)が変化する。
上述したように圧下レベリング量ΔSiに応じて変化する鋼帯5の張力比(ΔTi/Ti)には、過去の圧延実績における絞り破断の発生状況を調査した結果、鋼帯5の絞り破断を防止可能な範囲があることが明らかとなった。本発明においては、この絞り破断を防止可能な張力比(ΔTi/Ti)の範囲を、圧延機Fiにおける鋼帯5の蛇行を防止するための張力比(ΔTi/Ti)の目標範囲Rtとする。この目標範囲Rt内に張力比(ΔTi/Ti)が収まるように圧延機Fiの圧下レベリング量ΔSiを制御することにより、鋼帯5の蛇行に起因する絞り破断等の圧延トラブルを防止することができる。なお、この目標範囲Rtとして、例えば特開2003−275811号公報に開示されるように、−0.2以上、0.2以下という範囲が挙げられる。このような目標範囲Rtは、鋼帯5の材質、材幅、材厚、単位張力等の性状を考慮して適宜設定変更することができる。
一方、タンデム圧延機3の実際の操業においては、上述した目標範囲Rtの中心値Rcが圧延の継続に伴い変化し、この中心値Rcの変化に伴って、目標範囲Rtの上限値Raおよび下限値Rbが変化する。したがって、この目標範囲Rtの変化を考慮せずにタンデム圧延機3の操業を継続しつつ圧下レベリング量ΔSiを制御した場合、圧下レベリング量ΔSiの制御に誤動作が生じて鋼帯5の蛇行が増大し、この結果、鋼帯5の絞り破断が発生することが明らかとなった。
本発明者等は、タンデム圧延機3による圧延の各制御因子と張力比(ΔTi/Ti)の目標範囲Rtとの関係を鋭意調査した。この結果、第iスタンドの圧延機Fiの後段に並ぶ第i+1スタンドの圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1が圧延機Fiの出側における張力比(ΔTi/Ti)に影響を及ぼすことが判明した。図3は、圧延機出側における鋼帯の張力比の目標範囲に対する次圧延機の圧下レベリング量の影響を説明するための図である。なお、図3には、圧下レベリング量ΔSi+1の経時変化に伴う張力比(ΔTi/Ti)の目標範囲Rtの経時変化が示されている。
図3に示すように、張力比(ΔTi/Ti)の目標範囲Rtは、圧下レベリング量ΔSi+1の変化(相関線L1参照)に対応して変化している。具体的には、目標範囲Rtの中心値Rcは、圧下レベリング量ΔSi+1が一定である期間、一定であり、圧下レベリング量ΔSi+1が上昇変化する期間、上昇変化している。この中心値Rcの変化と同様に、目標範囲Rtの上限値Raおよび下限値Rbが変化している。したがって、圧下レベリング量ΔSiの制御に誤動作を起こすことなく、圧延機Fiにおける鋼帯5の蛇行を安定的に制御するためには、圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1に応じて、圧延機Fiにおける張力比(ΔTi/Ti)の目標範囲Rtを補正する必要がある。
本発明において、上述した目標範囲Rtの補正は、圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1が圧延機Fiの出側における張力比(ΔTi/Ti)に与える影響を示す影響係数αを考慮して行う。具体的には、本実施の形態にかかる蛇行制御装置10の制御部17(図2参照)は、次式(1)に示すように影響係数αと圧下レベリング量ΔSi+1とを乗じて目標範囲Rtの補正値Hを算出する。制御部17は、この目標範囲Rtの中心値Rcと上限値Raと下限値Rbとに補正値Hを加算し、これによって、目標範囲Rtを補正する。制御部17は、この補正後の目標範囲Rt内に張力比(ΔTi/Ti)が収まるように圧延機Fiの圧下レベリング量ΔSiを制御することにより、この制御の誤動作を精度よく防止できるとともに、圧延機Fiにおける鋼帯5の蛇行を安定的に制御することができる。

補正値H=影響係数α×次圧延機の圧下レベリング量ΔSi+1 ・・・(1)
上述した影響係数αは、タンデム圧延機3を用い、第i+1スタンドの圧延機Fi+1に対する圧下レベリング量ΔSi+1の制御が第iスタンドの圧延機Fiの出側における鋼帯5の張力比(ΔTi/Ti)に与える影響を定量的に評価することにより、算出可能である。図4は、制御対象の圧延機出側における鋼帯の張力比と次圧延機の圧下レベリング量との相関の一例を示す図である。上記の評価においては、圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1と、この圧下レベリング量ΔSi+1の制御に対応して得られた張力比(ΔTi/Ti)との各実績データを用いて回帰分析を行った。この結果、図4に示すように、圧下レベリング量ΔSi+1と張力比(ΔTi/Ti)との間にはリニアな相関性が成立することが分かった。例えば、直交2軸座標系のx軸に圧下レベリング量ΔSi+1をとり、y軸に張力比(ΔTi/Ti)をとった場合、圧下レベリング量ΔSi+1と張力比(ΔTi/Ti)との相関線L2は、次式(2)によって表すことができた。なお、回帰分析を行って式(2)を導出した際の決定係数R2は「0.9858」であった。

y=0.0047x−2.1522 ・・・(2)

この式(2)に基づき、影響係数αの一例として、4.4[%]/1000[μm]が算出された。なお、上記の回帰分析において、圧下レベリング量ΔSi+1は、圧延機Fi+1の作業側レベリング量ΔSi+1wsから駆動側レベリング量ΔSi+1dsを減じたもの(=ΔSi+1ws−ΔSi+1ds)とした。差張力ΔTiは、圧延機Fiの出側における鋼帯5の作業側張力Tiwsから駆動側張力Tidsを減じたもの(=Tiws−Tids)とした。
(蛇行制御方法)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる蛇行制御方法について説明する。図5は、本発明の実施の形態にかかる蛇行制御方法の一例を示すフローチャートである。本実施の形態にかかる蛇行制御方法において、蛇行制御装置10(図1,2参照)は、図5に示すステップS101〜S104の各処理ステップを実行して、鋼帯5を連続的に圧延するタンデム圧延機3における鋼帯5の蛇行を制御する。
すなわち、図5に示すように、蛇行制御装置10は、タンデム圧延機3の各圧延機出側における鋼帯5の張力を測定する(ステップS101)。このステップS101において、張力計11a,11bは、第iスタンドの圧延機Fiの出側における鋼帯5の作業側張力Tiwsおよび駆動側張力Tidsを各々測定する。張力計11a,11bは、測定した作業側張力Tiwsおよび駆動側張力Tidsを張力演算部13に送信する。これに並行して、張力計12a,12bは、第i+1スタンドの圧延機Fi+1の出側における鋼帯5の作業側張力Ti+1wsおよび駆動側張力Ti+1dsを各々測定する。張力計12a,12bは、測定した作業側張力Ti+1wsおよび駆動側張力Ti+1dsを張力演算部14に送信する。
つぎに、蛇行制御装置10は、タンデム圧延機3の圧延機出側毎に、ステップS101において測定した鋼帯5の張力の演算処理を実行する(ステップS102)。このステップS102において、張力演算部13は、圧延機Fiの出側の張力計11a,11bから作業側張力Tiwsおよび駆動側張力Tidsを取得する。ついで、張力演算部13は、これら作業側張力Tiwsと駆動側張力Tidsとの差張力ΔTiを、例えば作業側張力Tiwsから駆動側張力Tidsを減算することにより、算出する。また、張力演算部13は、これら作業側張力Tiwsと駆動側張力Tidsと加算することにより、全張力Tiを算出する。続いて、張力演算部13は、このように算出した差張力ΔTiの全張力Tiに対する比率である張力比(ΔTi/Ti)を算出する。張力演算部13は、得られた張力比(ΔTi/Ti)を制御部17に送信する。これに並行して、張力演算部14は、圧延機Fi+1の出側の張力計12a,12bから作業側張力Ti+1wsおよび駆動側張力Ti+1dsを取得する。張力演算部14は、上述した張力演算部13と同様の演算処理を行って、差張力ΔTi+1および全張力Ti+1を算出し、且つ張力比(ΔTi+1/Ti+1)を算出する。張力演算部14は、得られた張力比(ΔTi+1/Ti+1)を制御部17に送信する。
続いて、蛇行制御装置10は、制御対象の圧延機Fiの後段に並ぶ次圧延機の圧下レベリング量に応じて、この圧延機Fiにおける鋼帯5の張力比(ΔTi/Ti)の目標範囲Rtを補正する(ステップS103)。このステップS103において、制御部17は、タンデム圧延機3のうちの制御対象である第iスタンドの圧延機Fiの出側における張力比(ΔTi/Ti)を張力演算部13から取得する。続いて、制御部17は、制御対象の圧延機Fiの後段に並ぶ次圧延機である圧延機Fi+1の圧下レベリング量ΔSi+1に応じて、この圧延機Fiにおける張力比(ΔTi/Ti)の目標範囲Rtを補正する。目標範囲Rtは、上述したように、制御対象の圧延機Fiにおける鋼帯5の蛇行を防止するために目標とする張力比(ΔTi/Ti)の範囲である。このような目標範囲Rtは、例えばタンデム圧延機3の圧延機別に、予め制御部17に初期設定される。
ここで、圧下レベリング量ΔSi+1は、圧延機Fi+1の出側における張力比(ΔTi+1/Ti+1)が圧延機Fi+1の補正後の目標範囲内になるように制御されたものである。制御部17は、張力演算部14から張力比(ΔTi+1/Ti+1)を取得する。制御部17は、この取得した張力比(ΔTi+1/Ti+1)が圧延機Fi+1における補正後の目標範囲内になるように、圧下レベリング量ΔSi+1を算出する。制御部17は、この圧下レベリング量ΔSi+1に応じて目標範囲Rtの中心値Rcを補正し、補正後の中心値Rcを中心とする補正後の目標範囲Rtの上限値Raおよび下限値Rbを設定する。詳細には、制御部17は、上述した式(1)に基づき、影響係数αと圧下レベリング量ΔSi+1とを乗じて補正値Hを算出する。この影響係数αは、上述したように、次圧延機の圧下レベリング量ΔSi+1が制御対象の圧延機Fiの出側における張力比(ΔTi/Ti)に与える影響を示す係数である。制御部17は、このように算出した補正値Hを、目標範囲Rtの中心値Rcと上限値Raと下限値Rbとに各々加算する。これにより、制御部17は、目標範囲Rtの中心値Rc、上限値Ra、および下限値Rbを、圧下レベリング量ΔSi+1を加味した値に各々補正する。制御部17は、このように補正した中心値Rc、上限値Ra、および下限値Rbによって決まる張力比(ΔTi/Ti)の範囲を、圧下レベリング量ΔSi+1に応じた補正後の目標範囲Rtとして設定する。
ステップS103を実行後、蛇行制御装置10は、制御対象の圧延機Fiの出側に対応して算出された鋼帯5の張力比(ΔTi/Ti)がステップS103による補正後の目標範囲Rt内になるように、この圧延機Fiの圧下レベリング量ΔSiを制御する(ステップS104)。このステップS104において、制御部17は、張力演算部13によって算出された張力比(ΔTi/Ti)を補正後の目標範囲Rt内に収めるように、作業側レベリング量ΔSiwsおよび駆動側レベリング量ΔSidsを算出する。制御部17は、算出した作業側レベリング量ΔSiwsおよび駆動側レベリング量ΔSidsをもとに、レベリング装置15a,15bによる圧下レベリング量ΔSiの調整を制御し、この圧下レベリング量ΔSiの制御を通して、圧延機Fiにおける鋼帯5の蛇行を制御する。
具体的には、制御部17は、算出された張力比(ΔTi/Ti)が補正後の目標範囲Rtの上限値Raを超過する場合、作業側レベリング量ΔSiwsとして作業側締め込み量Giwsを算出する。また、制御部17は、駆動側レベリング量ΔSidsとして、この作業側締め込み量Giwsよりも小さい駆動側締め込み量Gids(例えばGids=0)を算出する。制御部17は、このように算出した作業側レベリング量ΔSiws(=Giws)および駆動側レベリング量ΔSids(=Gids<Giws)をレベリング装置15a,15bに各々送信する。制御部17は、この送信した作業側締め込み量Giwsのロールギャップ調整を行うようにレベリング装置15aを制御するとともに、この送信した駆動側締め込み量Gidsのロールギャップ調整を行うようにレベリング装置15bを制御する。これによって、制御部17は、張力比(ΔTi/Ti)が補正後の上限値Raを超過する場合における圧延機Fiの圧下レベリング量ΔSiを制御し、この圧下レベリング量ΔSiの制御を通して、圧延機Fiにおける鋼帯5の蛇行を制御する。
一方、算出された張力比(ΔTi/Ti)が補正後の目標範囲Rtの上限値Ra以下であり且つ下限値Rb以上である場合、制御部17は、作業側レベリング量ΔSiwsとして作業側締め込み量Giws(=0)を算出し、駆動側レベリング量ΔSidsとして駆動側締め込み量Gids(=0)を算出する。制御部17は、このように算出した作業側レベリング量ΔSiws(=0)および駆動側レベリング量ΔSids(=0)をレベリング装置15a,15bに各々送信する。制御部17は、この送信した作業側締め込み量Giwsに基づく制御をレベリング装置15aに対して行うとともに、この送信した駆動側締め込み量Gidsに基づく制御をレベリング装置15bに対して行う。すなわち、上述した張力比(ΔTi/Ti)が補正後の目標範囲Rt内である場合、制御部17は、作業側および駆動側双方のロールギャップを変更しない(圧下位置を変更しない)ようにレベリング装置15a,15bを制御する。これによって、制御部17は、張力比(ΔTi/Ti)が補正後の目標範囲Rt内である場合における圧延機Fiの圧下レベリング量ΔSiを制御し、この圧下レベリング量ΔSiの制御を通して、圧延機Fiにおける鋼帯5の蛇行を制御する。
他方、上述した張力比(ΔTi/Ti)が補正後の目標範囲Rtの下限値Rb未満である場合、制御部17は、作業側レベリング量ΔSiwsとして、駆動側締め込み量Gidsよりも小さい作業側締め込み量Giws(例えばGiws=0)を算出する。また、制御部17は、駆動側レベリング量ΔSidsとして駆動側締め込み量Gids(>Giws)を算出する。制御部17は、このように算出した作業側レベリング量ΔSiws(=Giws<Gids)および駆動側レベリング量ΔSids(=Gids)をレベリング装置15a,15bに各々送信する。制御部17は、この送信した作業側締め込み量Giwsのロールギャップ調整を行うようにレベリング装置15aを制御するとともに、この送信した駆動側締め込み量Gidsのロールギャップ調整を行うようにレベリング装置15bを制御する。これによって、制御部17は、張力比(ΔTi/Ti)が補正後の下限値Rb未満である場合における圧延機Fiの圧下レベリング量ΔSiを制御し、この圧下レベリング量ΔSiの制御を通して、圧延機Fiにおける鋼帯5の蛇行を制御する。
制御部17は、上述したステップS101〜S104の各処理ステップをタンデム圧延機3の各圧延機F1〜Fnに対して各々実行する。制御部17は、ステップS104を実行後、ステップS101に戻り、このステップS101以降の処理ステップを適宜繰り返す。
一方、制御部17は、タンデム圧延機3の第nスタンドの圧延機Fnに対して、以下に示すような鋼帯5の蛇行制御を行う。すなわち、制御部17は、圧延機Fnの出側に配置された張力演算部(図示せず)から、圧延機Fnの出側における鋼帯5の張力比を取得する。ついで、制御部17は、圧延機Fnにおける鋼帯5の張力比の目標範囲を補正する。この目標範囲の補正処理において、圧延機Fnの後段にはタンデム圧延機3の圧延機が並設されていないため、上述した式(1)のパラメータ「次圧延機の圧下レベリング量ΔSi+1」は「0」とする。したがって、制御部17は、圧延機Fnにおける張力比の目標範囲の補正値Hとして、「0」を算出する。制御部17は、この補正値H(=0)に基づいて目標範囲を補正する。すなわち、圧延機Fnにおける張力比の目標範囲は、補正前と補正後において変わらず、例えば鋼帯5の性状や圧延スケジュール等をもとに予め初期設定された範囲と同じである。本発明において、この補正値H(=0)を加味した目標範囲は、補正値Hによる補正後の目標範囲とする。制御部17は、圧延機Fnの出側における鋼帯5の張力比が圧延機Fnにおける補正後の目標範囲内になるように、圧延機Fnの圧下レベリング量を制御する。これにより、制御部17は、圧延機Fnにおける鋼帯5の蛇行を制御する。
なお、本実施の形態にかかる蛇行制御装置10は、上述したステップS101〜S104の処理ステップを適宜繰り返し実行し、これにより、圧延機F1〜Fnの各出側における鋼帯5の張力比を圧延機毎の目標範囲内に収めるように、圧延機F1〜Fnの各圧下レベリング量を制御する。この結果、蛇行制御装置10は、タンデム圧延機3における鋼帯5の蛇行を安定的に抑制して、この鋼帯5の絞り破断等の圧延トラブルを確実に防止することができる。このため、タンデム圧延機3の入側に配置した蛇行修正ロール(図示せず)またはアンコイラー2(図1参照)の動作による鋼帯5の蛇行修正量を制限することができる。このことから、タンデム圧延機3の入側において、母材としての鋼帯5に意図せぬ変形が発生することはない。ただし、母材としての鋼帯5の意図せぬ変形が発生しない範囲において、タンデム圧延機3の入側に配置した蛇行修正ロールまたはアンコイラー2の動作による鋼帯5の蛇行修正は可能である。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、タンデム圧延機の圧延機出側毎に、鋼帯の作業側張力と駆動側張力との和(全張力)に対する差張力の張力比を算出し、タンデム圧延機のうちの制御対象の圧延機後段に並ぶ次圧延機の圧下レベリング量に応じて、制御対象の圧延機における鋼帯の蛇行を防止するための張力比の目標範囲を補正し、この補正後の目標範囲内に張力比が収まるように、制御対象の圧延機の圧下レベリング量を制御している。このため、たとえタンデム圧延機による鋼帯の連続的な圧延操業に伴って張力比の目標範囲が変化した場合であっても、圧延機出側における鋼帯の張力比が目標範囲内になるように各圧延機の圧下レベリング量を確実に制御することができる。これにより、鋼帯の蛇行防止に好適な圧下レベリング量の制御を、その誤動作を起こすことなく、タンデム圧延機の各圧延機に対して実行できることから、蛇行制御の誤動作の原因を排除した上でタンデム圧延機の圧延機毎に鋼帯の蛇行制御を実行できる。この結果、タンデム圧延機によって連続的に冷間圧延または熱間圧延される鋼帯の蛇行を安定して制御でき、これにより、タンデム圧延機における鋼帯の蛇行増大を抑制して、鋼帯蛇行に起因する鋼帯の絞り破断等の圧延トラブルを防止することができる。
本発明にかかる蛇行制御装置および蛇行制御方法を用いることにより、ヒューム、圧延クーラント等の使用環境の影響を受けることなく、且つ、タンデム圧延機入側において鋼帯(母材)の意図せぬ変形を起こすことなく、タンデム圧延機における鋼帯の蛇行を抑制して圧延トラブルの発生を低減することができる。また、タンデム圧延機における蛇行制御の精度および信頼性を高めることができるため、冷間圧延または熱間圧延される通常の鋼帯は勿論、材厚が比較的薄い薄物材、シリコン成分を多く含有する高Si材等の破断発生リスクが比較的高い金属ストリップを、圧延トラブル無く連続的に圧延することができる。
なお、上述した実施の形態では、本発明にかかる蛇行制御装置および蛇行制御方法を適用するタンデム圧延機として、一対のワークロールと二対のバックアップロールとを有する6段式の圧延機を複数備えたタンデム圧延機を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明にかかる蛇行制御装置および蛇行制御方法は、4段式の圧延機等の6段式の圧延機以外を複数備えるタンデム圧延機に適用可能である。この場合、タンデム圧延機を構成する複数の圧延機は、互いに同じロール段数のものであってもよいし、異なるロール段数の圧延機を組み合わせたものであってもよい。また、本発明にかかる蛇行制御装置および蛇行制御方法を適用するタンデム圧延機において、スタンド数は複数であればよく、各圧延機のロール段数、冷間圧延または熱間圧延等の圧延方式等は特に問われない。
また、上述した実施の形態では、圧延機出側における鋼帯の差張力として、作業側張力から駆動側張力を減じたものを例示したが、これに限らず、差張力は、駆動側張力から作業側張力を減じたものであってもよい。この場合、タンデム圧延機の各圧延機の圧下レベリング量は、差張力が目標範囲の上限値を超過すれば、駆動側締め込み量を作業側締め込み量に比して大きくするように制御し、差張力が目標範囲の下限値未満であれば、作業側締め込み量を駆動側締め込み量に比して大きくするように制御すればよい。差張力が目標範囲内である場合は、上述した実施の形態と同様に圧下レベリング量を制御すればよい。
さらに、上述した実施の形態では、差張力の目標範囲の中心値、上限値、および下限値に対し、上述した式(1)に基づく補正値を加算して、この目標範囲を補正していたが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、張力比の目標範囲の上限値および下限値は中心値に対して一定の差を有するものとし、この中心値に対して所定の値を加算または減算することにより、これら上限値および下限値を補正してもよい。
また、上述した実施の形態では、蛇行制御対象の金属ストリップとして鋼帯を例示したが、これに限らず、本発明にかかる蛇行制御装置および蛇行制御方法によって蛇行制御される金属ストリップは、鋼以外の鉄合金の帯体であってもよいし、銅またはアルミニウム等の鉄合金以外の帯体であってもよい。すなわち、本発明において、蛇行制御対象の金属ストリップは、鋼帯、鋼帯以外の鉄合金帯、鉄合金帯以外の金属帯のいずれであってもよく、また、鋼種等の金属ストリップの種類(例えば強度や組成等)も特に問われない。
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。
1 圧延ライン
2 アンコイラー
3 タンデム圧延機
3a,3b,3c,3d ワークロール
5 鋼帯
6 コイル
10 蛇行制御装置
11a,11b,12a,12b 張力計
13,14 張力演算部
15a,15b,16a,16b レベリング装置
17 制御部
F1,Fi,Fi+1,Fn 圧延機
L1,L2 相関線
Rt 目標範囲

Claims (6)

  1. 金属ストリップを圧延するタンデム圧延機における前記金属ストリップの蛇行を制御する蛇行制御装置において、
    前記タンデム圧延機の各圧延機出側における前記金属ストリップの幅方向の一端部および他端部の各張力を測定する張力測定手段と、
    前記タンデム圧延機の圧延機出側毎に、前記一端部の張力と前記他端部の張力との差である差張力と、前記一端部の張力と前記他端部の張力との和である全張力とを算出し、且つ前記差張力の前記全張力に対する比率である張力比を算出する演算処理手段と、
    前記タンデム圧延機のうちの制御対象の圧延機の後段に並ぶ次圧延機の圧下レベリング量の経時変化に応じて、前記制御対象の圧延機における前記金属ストリップの蛇行を防止するために目標とする前記張力比の目標範囲を補正し、前記制御対象の圧延機出側に対応して算出された前記張力比が補正後の前記目標範囲内になるように、前記制御対象の圧延機の圧下レベリング量を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする蛇行制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記次圧延機の圧下レベリング量に応じて前記目標範囲の中心値を補正し、補正後の前記中心値を中心とする補正後の前記目標範囲の上限値および下限値を設定することを特徴とする請求項1に記載の蛇行制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記次圧延機の圧下レベリング量が前記制御対象の圧延機出側における前記張力比に与える影響を示す影響係数と前記次圧延機の圧下レベリング量とを乗じて、前記目標範囲の補正値を算出し、前記目標範囲の中心値と上限値と下限値とに前記補正値を加算して前記目標範囲を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の蛇行制御装置。
  4. 金属ストリップを圧延するタンデム圧延機における前記金属ストリップの蛇行を制御する蛇行制御方法において、
    前記タンデム圧延機の各圧延機出側における前記金属ストリップの幅方向の一端部および他端部の各張力を測定する張力測定ステップと、
    前記タンデム圧延機の圧延機出側毎に、前記一端部の張力と前記他端部の張力との差である差張力と、前記一端部の張力と前記他端部の張力との和である全張力とを算出し、且つ前記差張力の前記全張力に対する比率である張力比を算出する演算処理ステップと、
    前記タンデム圧延機のうちの制御対象の圧延機の後段に並ぶ次圧延機の圧下レベリング量の経時変化に応じて、前記制御対象の圧延機における前記金属ストリップの蛇行を防止するために目標とする前記張力比の目標範囲を補正する補正ステップと、
    前記制御対象の圧延機出側に対応して算出した前記張力比が補正後の前記目標範囲内になるように、前記制御対象の圧延機の圧下レベリング量を制御する制御ステップと、
    を含むことを特徴とする蛇行制御方法。
  5. 前記補正ステップは、前記次圧延機の圧下レベリング量に応じて前記目標範囲の中心値を補正し、補正後の前記中心値を中心とする補正後の前記目標範囲の上限値および下限値を設定することを特徴とする請求項4に記載の蛇行制御方法。
  6. 前記補正ステップは、前記次圧延機の圧下レベリング量が前記制御対象の圧延機出側における前記張力比に与える影響を示す影響係数と前記次圧延機の圧下レベリング量とを乗じて、前記目標範囲の補正値を算出し、前記目標範囲の中心値と上限値と下限値とに前記補正値を加算して前記目標範囲を補正することを特徴とする請求項4または5に記載の蛇行制御方法。
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