JP5140386B2 - マイクロ流路内混合方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ流路内混合方法および装置に関し、特に、血液などの生体物質を分析する液状試薬のマイクロ流路内混合方法および装置に関する。
近年の分子生物学の進歩により、血液等の生体物質を分析することで、病気の治療における薬剤投与の効果や副作用の体質による個人差を予知することが可能であることが示されてきており、これを利用して、個人個人にとって最適な治療を施していこうという気運が高まっている。例えば、特定の遺伝子と、特定の治療薬剤の効果や副作用が強く相関することがわかっている場合、この情報を特定の患者の治療に役立てるためには、患者の遺伝子の塩基配列を知る必要がある。内因性遺伝子の変異又は一塩基多型(SNP)に関する情報を得るための遺伝子診断は、そのような変異又は一塩基多型を含む標的核酸の増幅及び検出により行なうことができる。このため、サンプル中の標的核酸を迅速且つ正確に増幅及び検出し得る簡便な方法が求められる。
特にPCR(Polymerase Chain Reaction)法による核酸増幅反応は、バイオテクノロジー分野における基本技術となっている。PCR法は、鋳型DNA、プライマー、基質、耐熱性ポリメラーゼ酵素等を混合した反応液を温度調節し、所定の3種類の温度に順次変化させ、これを繰り返すことによって目的とするDNAを増幅する方法である。具体的には、反応液を、二本鎖DNAを一本鎖DNAに解離させるディナチュレーション反応を行う温度に温調し、続いて一本鎖DNAにプライマーを会合させるアニーリング反応を行う温度に温調し、さらに続いて耐熱性ポリメラーゼ酵素による二本鎖伸長反応を行う温度に温調する。この様に、反応液を三段階の温度に順次温調することにより、DNAの増幅を行うことができる。
この種の技術として、例えば特許文献1に開示される溶解性物質付着流路を有するマイクロ流体素子及びその使用方法には、マイクロ流体素子の流路内に溶解性物質を担体として予め乾燥状態の試薬を担架させておき、被検査液体を導入することにより乾燥試薬を溶解・混合させる方法が開示されている。また、特許文献2に開示されるマイクロケミカルディバイス及びマイクロケミカルディバイスの製造方法には、基材と、乾燥試薬が担持された基材とを、接合してマイクロケミカルディバイスとする製造方法が開示されている。
また、特許文献3に開示される攪拌装置とこれを用いた攪拌方法は、毛細管力が発生しない形状のチャンバーと、毛細管力が発生する形状の流路とを連通させて設け、注入した液体に遠心力及び毛細管力を交互に作用させることによって、液体をチャンバー及び流路間で往復搬送し、少量の液体を攪拌するようにしている。更に、特許文献4に開示されるマイクロチップ、このマイクロチップを用いた液体の混合方法及び血液検査方法には、断面積が大きい第1流路部と、断面積が小さい第2流路部とが交互に配置された流路を設け、液体を該流路内で搬送する際の第1流路部における液体の拡散作用によって粘度、比重、容積比が異なる複数の液体を効率的に混合する方法が開示されている。
特開2004−194652号公報 特開2006−133003号公報 特開2006−145451号公報 特開2007−121275号公報
ところが、マイクロ流路内に被検査液体を流して、マイクロ流路内に担持された物質に被検査液体を単純に接触させるだけでは、予備処理や分析用の反応処理用の物質の検体への溶解が遅く、処理が遅延するという問題があった。また、溶解した予備処理や分析用の反応処理用の物質が検体内に十分に拡散せず、予備処理や分析用の反応処理用の物質と検体との混合が均質にならないため、分析結果等にばらつきを招く虞があった。
そこで、マイクロ流路内に被検査液体を流して、マイクロ流路内に担持された物質を溶解・混合させるために、上記混合方法を適用しようとすると、特に同時に複数個所で溶解・混合させる場合において、それぞれについて液を移送させる為の流路構成、および送液制御が必要となり、マイクロ流体チップ、及び制御装置が複雑になり、実用に耐えないものになってしまう虞があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、検体と予備処理や分析用の反応処理用の物質との少なくとも2つの被混合物質をマイクロ流路内で混合する場合に、これらの被混合物質相互の混合を促進して、より短時間に均質な混合状態を得ることができ、マイクロ流路チップでの混合処理に適用することで、マイクロ流路チップにおける分析処理の迅速化や、分析処理の精度向上を簡単な構成で実現することができるマイクロ流路内混合方法および装置を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成できる。
(1) 微小な流路で構成されたマイクロ流路の内部で少なくとも2つの被混合物質を混合するマイクロ流路内混合方法であって、
前記被混合物質を前記マイクロ流路内に収容し、
互いに隣接する第1の領域と第2の領域とが画成された前記マイクロ流路に対して、前記第1の領域と前記第2の領域とをそれぞれ異なる温度に温調するマイクロ流路内混合方法。
このマイクロ流路内混合方法によれば、マイクロ流路の一部で、互いに隣接する第1の領域と第2の領域とをそれぞれ異なる温度に温調することで、第1の領域と第2の領域との間で被混合物質に対流が生じる。この対流による被混合物質の移動により、各被混合物資の攪拌が進行し、被混合物質を狭いマイクロ流路内で効率良く混合させることができる。
(2) (1)記載のマイクロ流路内混合方法であって、
前記マイクロ流路の一部に流路の断面積を拡大したチャンバー部を形成し、該チャンバー部で前記被混合物質を混合するマイクロ流路内混合方法。
このマイクロ流路内混合方法によれば、比較的断面積の大きいチャンバー部を設け、該チャンバー部で被混合物質を混合することによって、まとまった容積の被混合物質を一度に効率よく混合処理できる。
(3) (2)記載のマイクロ流路内混合方法であって、
前記第1の領域および前記第2の領域が、前記チャンバー部の底面をそれぞれ画成した領域であり、前記チャンバー内の前記被混合物質を底面側から温調するマイクロ流路内混合方法。
このマイクロ流路内混合方法によれば、チャンバー内の被混合物質を加熱する場合には、底面側から加熱することによってチャンバー部内に効率よく対流を発生させることができ、これにより被混合物質の攪拌効果を高めて効率的に被混合物質を混合することができる。
(4) (1)〜(3)のいずれか1項記載のマイクロ流路内混合方法であって、
複数本が備えられた前記マイクロ流路のそれぞれに対し、該マイクロ流路の少なくとも一端側を連通させた共通流路から前記被混合物質を供給するマイクロ流路内混合方法。
このマイクロ流路内混合方法によれば、複数のマイクロ流路のそれぞれに被混合物質を供給することで、各マイクロ流路で同時に溶解・混合させることができる。また、それぞれのマイクロ流路を同じ条件で処理でき、分析精度を向上できる。さらに、複数箇所で溶解・混合されるため、分析処理を迅速化でき、効率化が図られる。
(5) 微小な流路で構成されたマイクロ流路の内部で少なくとも2つの被混合物質を混合するマイクロ流路内混合装置であって、
互いに隣接する第1の領域と第2の領域とが画成された前記マイクロ流路に対し、前記第1の領域を温調する第1の温調手段と、
前記第2の領域を温調する第2の温調手段と、
前記第1の温調手段と前記第2の温調手段の設定温度をそれぞれ異なる温度に設定可能な制御手段と、
を備えたマイクロ流路内混合装置。
このマイクロ流路内混合装置によれば、互いに隣接する第1の領域と第2の領域に対し、第1の領域を温調する第1の温調手段と、第2の領域を温調する第2の温調手段との設定温度を、制御手段によって、それぞれ異なる温度に設定することで、第1の領域と第2の領域との間で被混合物質に効率よく対流を起こさせることができ、これによって、被混合物質の攪拌効果を向上させて被混合物質を狭いマイクロ流路内で効率よく混合させることができる。
(6) (5)記載のマイクロ流路内混合装置であって、
前記マイクロ流路の一部に、流路の断面積を拡大したチャンバー部を備え、
前記チャンバー部に対面して前記第1の温調手段と前記第2の温調手段が配置されたマイクロ流路内混合装置。
このマイクロ流路内混合装置によれば、第1の温調手段、及び第2の温調手段により、比較的断面積の大きいチャンバー部において偏った加熱を行うことで、チャンバー部内で被混合物質に効率よく対流を起こさせ、攪拌効果によってまとまった容積の被混合物質を一度に混合処理することができる。
(7) (5)または(6)記載のマイクロ流路内混合装置であって、
前記第1の領域と前記第2の領域が略等しい面積であるマイクロ流路内混合装置。
このマイクロ流路内混合装置によれば、第1の領域と第2の領域とを、略等しい面積としたので、対流速度が高まり、攪拌効率が向上する。
(8) (5)〜(7)のいずれか1項記載のマイクロ流路内混合装置であって、
前記第1の温調手段および前記第2の温調手段は、
前記マイクロ流路を加熱する加熱部と、
前記マイクロ流路の温度を測定する温度測定部とを少なくとも備え、
前記温度測定部による測定温度に応じて前記加熱部による加熱量が調整されるマイクロ流路混合装置。
このマイクロ流路内混合装置によれば、第1の温調手段および第2の温調手段が、加熱部と温度測定部とを備え、温度測定部による測定温度に応じて加熱部による加熱量を調整するようにしたので、第1の領域及び第2の領域を所望の温度に設定することができ、これによって被混合物質の対流速度を制御して効率よく混合処理することができる。
(9) (5)〜(8)のいずれか1項記載のマイクロ流路内混合装置であって、
前記マイクロ流路を複数本有するとともに、
該複数本のマイクロ流路それぞれに対し、該マイクロ流路の少なくとも一端側をそれぞれ連通して前記被混合物質を供給する共通流路を備えたマイクロ流路混合装置。
このマイクロ流路内混合装置によれば、共通流路から複数のマイクロ流路のそれぞれに被混合物質を供給することで、各マイクロ流路で同時に溶解・混合させることができる。また、それぞれのマイクロ流路を同じ条件で処理でき、分析精度を向上できる。さらに、複数箇所で溶解・混合されるため、分析処理を迅速化でき、効率化が図られる。
(10) (5)〜(9)のいずれか1項記載のマイクロ流路内混合装置であって、
前記被混合物質は、液状試薬と溶解性固形物を含み、該溶解性固形物が前記マイクロ流路内に予め固着されているマイクロ流路内混合装置。
このマイクロ流路内混合装置によれば、被混合物質は、液状試薬と溶解性固形物を含み、該溶解性固形物がマイクロ流路内に予め固着されているので、マイクロ流路内で液状試薬を対流させることにより、効率よく溶解性固形物を溶解させると共に均一に混合させることができる。
本発明のマイクロ流路内混合方法によれば、互いに隣接する第1の領域と第2の領域とをそれぞれ異なる温度に温調することで、第1の領域と第2の領域との間で被混合物質に強制的に対流を生じさせて攪拌し、被混合物質を狭いマイクロ流路内で効率よく短時間で均一に混合することができる。
また、本発明のマイクロ流路内混合装置によれば、第1の領域を温調する第1の温調手段と、第2の領域を温調する第2の温調手段との設定温度を、制御手段によって、それぞれ異なる温度に設定することにより、第1の領域と第2の領域との間で被混合物質に効率よく対流を起こさせることができ、これによって、被混合物質の攪拌効果を向上させて被混合物質を狭いマイクロ流路内で均一に混合させることができる。また、マイクロ流路内混合装置をマイクロ流体チップでの混合処理に適用すれば、マイクロ流体チップにおける分析処理の迅速化や、分析処理の精度を向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係るマイクロ流路内混合装置の好適な第1実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。ここでは、マイクロ流路内混合装置の一例として、検体分析システムの一部として構成されたマイクロ流路内混合装置について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る検体分析システムのブロック図、図2(a)はマイクロ流体チップ保持部の平面図、(b)はA−A線での断面図である。
本実施の形態において、検体分析システム150には、検体注入されたマイクロ流体チップ(以下、単に「チップ200」とも称す。)200がセットされる。マイクロ流体チップ200は、検体分析システム150にセットされることで、チップ外部からの物理的作用力によって注入された検体液がハンドリングされ、例えば一塩基多型の複数ターゲット遺伝子が検査される。これにより、例えば、標的核酸を増幅してこれを検出することで、感染症の原因となる病原体に特異的な標的核酸の増幅及び検出が可能となり、検体中の該病原体の存否等が判定可能となる。
本実施の形態において、物理的作用力は、図2に示すチップ200のマイクロ流路(以下、単に「流路」とも言う。)11の始点と終点に設けた複数のポート15,17からエア供給又はエア吸引することにより発生する空気圧作用力(空圧駆動力)である。したがって、流路11に供給された液体が、流路の始点と終点とに作用されるエア供給又はエア吸引により、ポート13から供給される液体を流路11内の所望位置へ移動制御可能となる。
図1及び図2に示すように、検体分析システム150には、作動流体として空気が使用されるポンプPMPと、バルブSVと、ポンプPMPからの空圧駆動力をバルブSVを介してポート15,17に接続するポートコネクタ19A、19Bと、反応検出セルであるチャンバー部35を加熱するための第1の温調手段である第1加熱部21A、第2の温調手段である第2加熱部21Bと、温調器25と、チャンバー部35に注入された液体の反応状態を検出する検出手段としての蛍光検出部27と、マイクロ流体チップ200を位置決めする位置決め機構29と、これらに接続されて検出信号が入力され、或いは制御信号を送出して、第1加熱部21A及び第2加熱部21Bの温度を含む各部を制御する制御手段である制御部41と、が基本構成要素として設けられている。
なお、マイクロ流路内混合装置100は、第1の温調手段である第1加熱部21Aと、第2の温調手段である第2加熱部21Bと、第1加熱部21A及び第2加熱部21Bの周辺に配置された温度測定部(図示せず)と、制御部41とを含んで構成されている。
マイクロ流体チップ200は、外形が、例えば縦横55×91mm、厚さ2mmの板状部材であり、流路基板31に微細な溝を形成し、該流路基板31に蓋材33を接着剤や粘着剤により貼り合わせることで流路11を形成する。流路11は、複数の反応流路34、各反応流路34の一部に形成され断面積が拡大された反応検出セルであるチャンバー部35、及び反応流路34の一端(上流側)に連通する第1の流路37、及び反応流路34の他端(下流側)に連通する第2の流路39を有する。第1の流路37と第2の流路39は各反応流路34に共通に接続された共通流路であり、液の供給や排出等の処理を各反応流路34に対して同時に行うことができる構成となっている。これにより、分析処理を迅速化でき、効率化が図られる。
流路基板31は、熱可塑性の高分子ポリマーの射出成形により製作される。使用する高分子ポリマーは、特に限定されないが、光学的に透明であり、耐熱性が高く、化学的に安定であり、射出成形が容易なものが望ましく、COP(シクロオレフィン・ポリマー)、COC(シクロオレフィン・コポリマー)、PMMA(メタクリル酸メチル樹脂)等が好適である。
光学的に透明とは、検出に用いる励起光や蛍光の波長において透過性が高く、散乱が小さく、自家蛍光が少ないことである。チップ200は、蛍光を検出可能とする透光性を有することで、検出試薬に例えばサイバーグリーンが用いられ、反応によって増幅された2本鎖DNAにインターカレートすることで発する蛍光が測定可能となる。また、蓋材33としては、光学的に透明であり、耐熱性が高く、化学的に安定であるシート状の高分子ポリマー、例えば、厚さ100μmのPCR用プレートシールを用いる(プラスチックフィルムに粘着剤が塗布されている)。
チャンバー部35は、複数並列して設けられ、それぞれのチャンバー部35内は、注入される被混合物質である液体の流動方向に沿って、第1の領域35Aと、第2の領域35Bとに画成される。第1の領域35Aと第2の領域35Bとは、略等しい面積を有し、互いに隣接する。
第1の領域35Aの底面には第1の温調手段である第1加熱部21Aが配設され、第2の領域35Bの底面には第2の温調手段である第2加熱部21Bが配設される。制御部41は、第1加熱部21A及び第2加熱部21Bの周辺に配置された温度測定部(図示せず)によって測定される測定温度に応じて、それぞれ第1加熱部21A及び第2加熱部21Bへの加熱量を調整して、第1の領域36A及び第2の領域35Bの液体の温度を制御する。
第1加熱部21A及び第2加熱部21Bとしては、ハロゲンランプ等の発光するもの以外であれば、抵抗加熱体等、何れのものであってもよい。これは、蛍光検出部27の外乱を防止するためである。
温調器25は、第1の流路37と第2の流路39の温度を制御する。本実施の形態において、温調器25は、第1加熱部21A、及び第2加熱部21Bの並び方向の両端側に設けられ、図2(b)において左右別体のものであってよいが、第1加熱部21A,第2加熱部21Bを包囲するようにして設けてもよい。温調器25としては、例えば水冷ヒートシンク、ペルチェ素子等を用いることができる。
DNA増幅反応は、等温増幅反応により、使用する酵素の活性が一定に維持できる温度に保たれる。ここで、「等温」とは、酵素およびプライマーが実質的に機能しうるような、略一定の温度をいう。さらに、「略一定の温度」とは、酵素及びプライマーの実質的な機能を損なわない程度の温度変化であれば許容されることを意味する。
検体分析システム150では、チャンバー部35に注入された液体が第1加熱部21A、及び第2加熱部21Bによって所望の反応温度に加熱される一方、この液体に接する第1の流路37及び第2の流路39が同一の温度に設定される。これにより、流路形状の違い等により第1の流路37及び第2の流路39に熱容量の差がある場合であっても、流路内圧力が同一となる。
位置決め機構29は、マイクロ流体チップ200を上方より押圧して、保持可能としている。このとき第1加熱部21A、第2加熱部21B、及び温調器25が確実にマイクロ流体チップ200と接触するように、ばね機構(図示せず)等によりチップ200に弾性的に押し当てるのがよい。また、第1加熱部21A、第2加熱部21B、及び温調器25の熱を確実にチップ200に伝えるためには、チップ200との密着性(接触面積)を高めるように、第1加熱部21A、第2加熱部21B、温調器25の上面に熱伝導性の良い弾性シート材等を配設することが好ましい。
また、温調器25は、第1の流路37に接するチャンバー部35の端部の液体Lq1、及び第2の流路39に接するチャンバー部35の端部の液体Lq2の温度を制御するものであることが好ましい。第1の流路37、第2の流路39に接するチャンバー部35内の液体Lq1,Lq2が同一温度に温調されることで、チャンバー部35内の液体Lqから第1の流路37及び第2の流路39へ偏って熱が伝わらなくなり、第1の流路37及び第2の流路39の内圧力がより高精度に同一となる。これにより、チャンバー部35内の液体の移動をより確実に抑止できる。
また、第1加熱21A,第2加熱部21B,温調器25は、複数の各反応流路34に対して共通に用いられるため、各反応流路34に対する温調条件が同一となり、分析精度を向上できる。
蛍光検出部27(図1参照)は、チャンバー部35に対向配置されることで、チャンバー部35に直接接触することなく、また、液体を汚染することがない。蛍光検出部27は、チャンバー部35内の液体が励起して発した蛍光を測定する。すなわち、チャンバー部35内の反応によって増幅された2本鎖DNAは、インターカレートされることにより、強い蛍光を発する。この蛍光強度が測定されることにより、ターゲットとする遺伝子配列の存在の有無が検出可能となる。
チャンバー部35は、蛍光検出部27により、約490nmの波長で励起され、インターカレートしたサイバーグリーンの約520nmの蛍光が測定されることにより、ターゲットDNAの増幅が確認される。したがって、ターゲットとする核酸配列が存在する場合には、蛍光強度の増加が確認され、存在しない場合には蛍光強度の増加が確認されない。
次に、上記した検体分析システム150、マイクロ流体チップ200による検体分析方法について説明する。図3は図2(a)におけるA−A線での断面を示し、(a)は送液時、(b)は攪拌時、(c)は反応処理時の状態を示す概念図、図4は図3(b)の要部拡大図である。
図1及び図2に示すように、まず、検体分析システム150の位置決め機構29に、マイクロ流体チップ200を位置決め保持する。この状態で温調器25を常温(例えば25℃)に温調する。次に、ポート13より所定の量の試薬を入れ、第1の流路37に導入する。
試薬がポート15の手前まで到達したら搬送を停止し、ポート17に接続したポートコネクタ19BをポンプPMPにより減圧し、図3(a)に示すように、チャンバー部35に試薬を導入する。次に、ポート17を閉じ、ポート15に接続したポートコネクタ19AをポンプPMPにより加圧して、第1の流路37に残存した試薬をポート13に押し返す。なお、第1の流路37に残存した試薬の返送は省略することもできる。
その後、第1加熱部21Aを例えば60℃に、第2加熱部21Bを例えば25℃に温調する。例えば、第1加熱部21Aだけを設定温度を60℃にしてONとし、第2加熱部21BをOFFのままとしてもよい。この温調は、第1加熱部21A及び第2加熱部21Bの周辺に配設された図示しない温度測定部からの測定温度に応じて、制御部41が、それぞれ第1加熱部21A及び第2加熱部21Bへの加熱量をフィードバック制御することにより行われる。これにより、チャンバー部35内の第1の領域36Aに位置する試薬が60℃に加熱され、第2の領域35Bに位置する略25℃の試薬との間で局所的な温度差が生じる。
すると、図3(b)及び図4に示すように、チャンバー部35で大きな速度の対流が発生する。即ち、第1の領域36Aでは60℃に加熱された試薬の比重が下がり上昇流UPが発生し、その下方には、第2の領域35Bからの温度の低い(25℃)薬液が流れ込む。これに伴い第2の領域35Bでは下降流DNが発生し、第1の領域36Aで上昇した薬液は第2の領域35Bに循環するように流れ込む。
上記したように、チャンバー部35内で強制的に発生させた対流によって薬液が攪拌され、狭いマイクロ流路11内で効率よく均一に混合させることができる。また、混合は比較的断面積の大きいチャンバー部35で行われるので、まとまった容積の薬液を一度に効率よく混合処理することが可能となる。更に、薬液をチャンバー部35の底面側から加熱することによって、チャンバー部35内で下側から上側へ向かう流れを効率よく発生させることができ、これにより攪拌効果を高めて効率的に薬液を均一に混合することができる。
混合に有効な対流を発生させるためには、第1の領域36Aと第2の領域35Bとの温度差は、少なくとも10℃以上の温度差とすることが好ましく、上述した温度差を35℃(60℃−25℃)に設定したときの対流速度の蛍光ビーズを用いた流れ可視化実験結果によると、約260μm/secの速度の対流が発生し、これによって約1分間でチャンバー部35に固着させた被反応試薬の溶解・混合を完了させることができた。
なお、第1加熱部21A及び第2加熱部21Bの温度差が大きいほど速い対流を発生させることができる。第1加熱部21A及び第2加熱部21Bを同じ温度に設定したときの蛍光ビーズ流れ可視化実験結果によると、対流速度は略数10μm/secであり、温度差が35℃のときの対流速度の1/10程度であり、効率的な攪拌はできなかった。
被反応試薬の溶解・混合が完了した後、第1加熱部21A及び第2加熱部21Bを化学反応に必要な温度(例えば、60℃)に温調して反応を開始させる。このとき、第1の流路37、第2の流路39、および反応流路34のチャンバー部35の両脇側が温調器25によって25℃に保持され、チャンバー部35が60℃に保持されることで、チャンバー部35両端からの蒸発は極めて少なく、チャンバー部35内の試薬が減少することはない。
第1加熱部21A及び第2加熱部21Bの配置は、他の配置とすることもできる。図5は他の実施形態のマイクロ流体チップ保持部の平面図である。図5に示すように、第1加熱部21A及び第2加熱部21Bは、被混合物質である液体の流動方向に対して交差する方向(図5に示す実施形態においては反応流路34の流れ方向に対して直角方向)に分割して配置してもよい。この場合も、第1の領域36Aと第2の領域35Bとは略等しい面積を有し、互いに隣接する。また、第1の領域36A及び第2の領域35Bには、それぞれ第1加熱部21A及び第2加熱部21Bが対向配置される。
なお、上記説明においては、チャンバー部35を第1の領域36A及び第2の領域35Bに2分割したが、分割数はこれに限定されず、効果的に対流を発生可能であれば任意数に分割することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るマイクロ流路内混合装置を、血液などの生体物質を分析するマイクロ流体チップに適用した第2実施形態について図6から図10を参照して説明する。
図6は本発明に係る第2実施形態のマイクロ流体チップを検体分析システムの概略構成と共に表したブロック図、図7は図6に示したマイクロ流体チップの分解斜視図、図8は図7に示したマイクロ流体チップの上面視を(a)、下面視を(b)に表した平面図、図9は図8(b)の拡大図、図10は図9における反応部の拡大図である。なお、第2実施形態の構成は、第1実施形態と共通する部分には同一符号または相当符号を付して説明を簡略化または省略する。
本発明に係る第2実施形態のマイクロ流体チップ200は、検体分析システム150にセットされて使用され、一回の使用後に廃棄される。本実施の形態は、検体である血液(全血)がマイクロ流体チップ200に注入される。マイクロ流体チップ200は、検体分析システム150にセットされることで、チップ外部からの物理的作用力によって検体液がハンドリングされ、例えば一塩基多型の複数ターゲット遺伝子が検査されるものであり、特開2005-160387号公報に示されているような、ターゲット配列の核酸を等温で特異的に増幅するための反応と、その検出をチップ200上で実現可能とするものである。これにより、例えば、標的核酸を増幅してこれを検出することで、感染症の原因となる病原体に特異的な標的核酸の増幅及び検出が可能となり、検体中の該病原体の存否等が判定可能となる。
図6に示すように、検体分析システム150は、作動流体として空気が使用されるポンプPMPと、バルブSV1,SV2,SV3,SV4,SV5と、検体加熱部51と、温調部23と、液位置検出部53と、蛍光検出部27と、これらに接続され検出信号が入力され、或いは制御信号を送出する制御部41とが基本構成要素として設けられている。マイクロ流路内混合装置100は、温調部23と制御部41とを備え、検体分析システム150の一部として組み込まれている。
また、ポンプPMPとバルブSV4との間には圧力センサーPSが設けられている。バルブSV4はポンプPMPとバルブSV2との間に介装され、バルブSV2、バルブSV1、バルブSV3、バルブSV5は、図6に示すように、それぞれ第4ポートPT−C、第2ポートPT−D、第1ポートPT−A、第3ポートPT−Bに接続される。また、検体加熱部51は、チップ200の被加熱部Bを加熱し、温調部23はチップ200の反応部Fの温度調節を行い、蛍光検出部27は反応部Fの蛍光を検出可能としている。温調部23は、制御部41によってそれぞれ異なる温度に設定可能な複数の加熱部(第1加熱部21A及び第2加熱部21B)を備え、これら複数の加熱部は、それぞれ反応部Fの下面に配設されている。これら各構成要素の動作については後に詳述する。
マイクロ流体チップ200は、図7に示すように、流路基板31と、この流路基板31の下面61に貼着される蓋材33とにより構成されている。流路基板31は、熱可塑性の高分子ポリマーの射出成形により製作される。使用する高分子ポリマーは、特に限定されないが、光学的に透明であり、耐熱性が高く、化学的に安定であり、射出成形が容易なものが望ましく、COP、COC、PMMA等が好適である。光学的に透明とは、検出に用いる励起光や蛍光の波長において光透過性が高く、散乱が小さく、自家蛍光が少ないことである。チップ200は、蛍光を検出可能とする透光性を有していることで、検出試薬に例えばサイバーグリーンが用いられ、反応によって増幅された2本鎖DNAにインターカレートすることで発する蛍光が測定可能となる。これにより、ターゲットとする遺伝子配列の存在の有無が検出可能となる。
流路基板31の上面63には掘り込み65,67が形成され、掘り込み65,67は被加熱部B、反応部Fに対応して位置している。また、流路基板31の下面61には図8に示すように、第1ポートPT−A、第2ポートPT−D、第3ポートPT−B、第4ポートPT−Cに連通する開口が設けられている。流路基板31は、外形が例えば縦横W2,W1が55×91mmであり、厚みtが2mm程度で形成される。
蓋材33は、流路基板31の流路面(下面61)に形成されたポート、セル、流路(溝)に蓋をするための部材であり、蓋材33と流路基板31は接着剤や粘着剤により接合される。蓋材33としては、流路基板31と同様に、光学的に透明であり、耐熱性が高く、化学的に安定であるシート状の高分子ポリマーを用いる。本実施形態では、100μmの厚みのPCR用プレートシールを用いた(プラスチックフィルムに粘着剤が塗布されている)。
流路基板31には、液体に必要な操作(詳しくは後述)するためのポート、セル、流路等が構成されている。すなわち、図9に示すように、流路基板31は、生体細胞(核酸)を含む検体液と前処理試薬(第1液)とを投入する第1ポートPT−Aと、反応増幅試薬(第2液)を投入する第2ポートPT−Dと、流路内に空気圧を供給する第3ポートPT−Bと、減圧される流路終端の第4ポートPT−Cと、第1ポートPT−Aから投入された検体液と前処理試薬とを混合して第1混合液を生成する第1の流路(検体混合部)Aと、第1混合液を加熱して生体細胞よりDNAを抽出し1本鎖に分解する第2の流路(被加熱部)Bと、被加熱部Bで処理された第1混合液に反応増幅試薬を合流させる第3の流路(試薬合流部)Cと、試薬合流部Cで合流された第2混合液が通過することにより溶解が進む酵素(第1固体)を固化実装した第4の流路(酵素保持部)Dと、酵素保持部Dで処理される第2混合液への酵素の混合を助長する第5の流路(酵素混合部)Eと、酵素混合部Eに接続され、流路内に固化実装されたプライマー(第2固体)の溶解、加熱によるDNA増幅、DNA増幅の検出を同一位置で行う複数の第6の流路(反応部)Fと、反応部Fの流路に接続され酵素混合部Eで処理された第2混合液を反応部Fの複数の反応検出セル(チャンバー部)35それぞれに定量分注するための第7の流路(定量分注流路)Gと、を備える。
第1ポートPT−A、第2ポートPT−D、第3ポートPT−B、第4ポートPT−C(ポート部PT)は、流路基板31を上下面に貫通した穴により構成され、蓋材33を貼り付けることにより、流路と連結した凹部が形成される。各ポート部PTは、流路基板31の他の部分より若干厚みが大きくなっており、この部分に検体分析システム150の送液用のポートパッド(図示せず)が接続される。各ポートパッドは、配管を経由してバルブSV1,SV2,SV3,SV4(図1のバルブSVに相当し、以下、単にSVと略称する場合もある)に接続される。これらバルブSVとポンプPMPの動作を制御部41によって制御することにより、ポート部PTの空気を減圧、加圧、大気開放、密閉状態にすることができ、流路内の液滴を自在に搬送することができる。
また、マイクロ流体チップ200は、所望の搬送が完了した時点で、ポート部PTからポートパッドを脱離し、密閉用のラベルなどを貼り付けることにより、チップ200を密閉状態にする。チップ200を密閉しない状態で増幅反応を行った場合、増幅されたDNAがチップ外に流出して環境を汚染し、キャリーオーバーの危険性があり、これを防止するために増幅反応前にチップ200を密閉状態にする。
第1ポートPT−Aは、検体ポートとして使用され、血液1μLと前処理試薬3μLとが投入される。前処理試薬は、血液中の白血球から核酸成分を単離するために用いられる。界面活性剤や強アルカリを用いて化学的に溶解処理が行われる。例えば、界面活性剤として、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。また、血液の凝固を防ぐために、へパリンやEDTA等の凝固防止剤を添加しても良い。
第2ポートPT−Dは、液体試薬ポートとして使用され、反応増幅試薬が56μL投入される。反応増幅試薬には、酵素、プライマー以外の増幅反応と検出に必要とする試薬が含まれている。例えば、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等の触媒、dNTPミックス等の基質、トリス塩酸バッファー、トライシンバッファー、リン酸ナトリウムバッファー、リン酸カリウムバッファー等の緩衝液を使用することができる。さらに、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)やベタイン(N,N,N-trimethylglycine)等の添加物、国際公開第99/54455号パンフレットに記載の酸性物質、陽イオン錯体等を使用してもよい。
検出試薬にはサイバーグリーンを用いることができる。サイバーグリーンは、反応によって増幅された2本鎖DNAにインターカレートすることにより、強い蛍光を発する。この蛍光強度を測定することにより、ターゲットとする遺伝子配列の存在の有無を検出する。
第3ポートPT−B、第4ポートPT−Cは、送液ポートとして使用され、ポンプPMPやバルブSVによって、減圧、加圧や大気開放状態、閉状態に切り替えられるにより流路内の液滴を駆動する。
図9に示すように、検体混合部Aは、第1ポートPT−Aに投入した血液と前処理試薬の全量より大きな亀の甲状セルが複数連結した流路になっており、この流路を通過させることにより、第1ポートPT−Aに投入した血液と前処理試薬を均一に混合する。すなわち、検体混合部Aの流路は、液体の流動方向に直交する方向の断面積が他の流路における断面積に比して大きい広幅流路部と、該広幅流路部より断面積が小さい狭幅流路部とが交互に形成されている。したがって、第1ポートPT−Aに投入された血液が、検体混合部Aに到達すると、液体が流動する方向に沿って広幅流路部と狭幅流路部とが交互に形成された流路を通過することで、オリフィス作用による撹拌が複数回行われ、血液と前処理試薬とが均一に混合される。
被加熱部Bは、図6に示す検体加熱部51により98℃に加熱される。すなわち、マイクロ流体チップ200は、液処理の制御動作条件が、液体を液処理部で加熱処理するための加熱設定温度を含む条件となる。例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)法による核酸増幅反応等において、液流路内の送液制御により、鋳型DNA、プライマー、基質、耐熱性ポリメラーゼ酵素等の混合された反応液が温度調節され、所定の3種類の温度に順次変化されることを繰り返すことで、目的とするDNAが増幅可能となる。本実施の形態では、この部分を血液と前処理試薬が通過することにより、前処理試薬により白血球から抽出されたDNA2本鎖が1本鎖になる。被加熱部Bは、加熱を均一に行うために、流路基板31には掘り込み65が設けられ、この部分の厚みが1.2mm程度に薄くなっている。
試薬合流部Cは、加熱処理された血液と前処理試薬に反応増幅試薬を合流させる。第2ポートPT−Dにおける流路の毛細管力の大小関係は、ポートD出口流路69>主流路71>ポートD流路(第2ポートPT−D)という関係になっており、ポートD出口流路69と主流路71の接続部はラプラス圧バルブが構成されている。第2ポートPT−Dに投入した反応増幅試薬は主流路71に流出することなく、ポートD出口流路69と主流路71の接続面で留まる。また、後述する操作により血液と前処理試薬の混合液がポートD出口流路69に到着すると、ラプラス圧バルブが破壊され、上記の2液体が合流する。
酵素混合部Eは、図9に示すように、第2ポートPT−Dから順に第1混合部E1と第2混合部E2とが配置されてなる。第1混合部E1と第2混合部E2との間は接続流路となる第2流路部77で接続されている。
第1混合部E1は、液体が流動する方向の垂直断面積が他の流路における垂直断面積に比して大きい第1流路部73Aと、第1流路部73Aより垂直断面積が小さく第1流路部73A同士を接続する第2流路部75とが直列に配置されている。すなわち、上流側から前段の第1流路部73A、第2流路部75、後段の第1流路部73C、接続流路となる第2流路部77の順で配置されている。
また、第2混合部E2は、液体が流動する方向の垂直断面積が他の流路における垂直断面積に比して大きい第1流路部73Cと、第1流路部73Cより垂直断面積が小さく第1流路部73C同士を接続する第2流路部79とが直列に配置されている。すなわち、上流側から前段の第1流路部73C、第2流路部77、後段の第1流路部73Dの順で配置されている。
なお、第1混合部E1、第2混合部E2の第1流路部は、それぞれ少なくとも2つの第1流路部を備える。図示例では第1流路部を2つ設けた構成としているが、これに限らず、更に多数の第1流路部および第2流路部を設けてもよい。
第1混合部E1における第1流路部73A,73Bの垂直断面積は、第2混合部E2における第1流路部73C,73Dの垂直断面積より小さく形成されている。本実施の形態では、各混合部内の深さ(図9の紙面垂直方向深さ)を同一とし、第1流路部73A,73Bの幅を、第1流路部73C,73Dの幅より小さく形成している。また、第1混合部E1における第1流路部73A,73Bの流路方向長さは、第2混合部E2における第1流路部73C,73Dの流路方向長さより長く形成している。本実施の形態では、第1流路部73A,73B,73C,73Dが互いに平行に形成され、第2流路部79,81が上記第1流路部を連結するように形成されているが、これに限らず、任意の配置であって構わない。
このように、本実施の形態による酵素混合部Eは、第2混合部E2の前段に第1混合部E1が設けられている。第1混合部E1は細長形状とされることで、複数種の互いに濡れ性の異なる液体が未混合状態で流路内に収容された場合に、仮に流路面に濡れ性の高い液体成分が付着して残っても、濡れ性の違いにより形成されるメニスカス曲面液端が流路中心から偏ることが低減される。これにより、混合部内で気泡が発生することが防止できる。
すなわち、本構成によれば、メニスカス曲面液端の進行度合いに差異の生じ難い第1混合部E1にて複数種の液体が予備混合される。これにより、混合性能の高い第2混合部E2において、異なる濡れ性の液体が流路面に接触することにより生じる、メニスカス曲面液端の進行度合いの差異が抑制されるようになっている。
また、前段の第1流路部73Aおよび後段の第1流路部73Bの各容積は、第2ポートPT−Dから送液される1回分の液体全体を収容可能な容積とすることが好ましく、送液される液体全体の容積の80%以上であることが好ましい。これにより、第1混合部E1において、前段の第1流路部73Aに液体全体が収容された後、前段の第2流路部75を通過して後段の第1流路部73Bへ収容され、広幅流路部と狭幅流路部とを交互に通過することで、オリフィス作用による撹拌が複数回行われ、複数種の液体同士の混合を促進させることができる。
第1流路部73Aと73Bとの間の第2流路部75には、酵素保持部Dが配置される。酵素保持部Dは、混合部Aと同様に、液体が流動する方向に沿って広幅流路部77Aと狭幅流路部77Bとが交互に形成された流路で構成される。広幅流路部77Aの一部は試薬保持用のセルとなり、ポリミラーゼとデキストリンの水溶解液を点着後、凍結乾燥により乾燥、固化した試薬83と、MutSとデキストリンの水溶液を点着後、凍結乾燥により乾燥、固化させた試薬85がそれぞれ保持される。
酵素混合部Eでは、血液、前処理試薬、反応増幅試薬の合流液を第1混合部E1の第1流路部73A,73Bの間を往復させることにより、第1の酵素である試薬83、第2の酵素である試薬85を溶解し、前記合流液を混合する。
なお、メニスカス(meniscus)とは、狭い流路内の液体の中央部が、流路内表面に沿う部分に比べて盛り上がったり、または下がったりしてできる曲面を言い、毛管現象によって起こる。また、毛管現象とは、細い流路中の液が流路に沿って流動しようとする現象で、その度合いは液体の表面張力に比例し、流路の断面積に反比例する。また、表面張力とは、液体の表面が自ら収縮してできるだけ小さな面積をとろうとする力で、表面に沿って働く。
マイクロ流体チップ200では、本実施形態のように、濡れ性の異なる液体を混合する場合であっても、第1混合部E1にて予備混合されることで、後段の混合性能の高い第2混合部E2において、メニスカス曲面液端の進行度合いの差異が抑制される。特に、複数の液体が、血液と希釈液である場合であっても、第1混合部E1にて血液と希釈液とが確実に予備混合され、これにより、混合性能の高い第2混合部E2において、メニスカス曲面液端の進行度合いの差異が抑制され、液未充填部の発生を防止して、血液の均一な希釈が可能となる。
なお、図示例では各混合部E1,E2で第1流路部がそれぞれ2つずつ設けてあるが、これに限らず、さらに複数の第1流路部が第2流路部と交互に形成されていてもよい。
酵素保持部Dの試薬83,85が保持された広幅流路部77Aの上流と下流の流路は、その保持部より細くなっており、乾燥固化した試薬83,85の流路への密着力が無い場合でも、チップ200の保存、運搬等の振動により固化試薬83,85が剥がれ落ちて前後の流路へ流出してしまうことを防いでいる。
試薬83のポリメラーゼは、鎖置換(strand displacement)活性(鎖置換能)を有するものであればよく、常温性、中温性、もしくは耐熱性のいずれのものも好適に使用できる。また、このポリメラーゼは、天然体もしくは人工的に変異を加えた変異体のいずれであってもよい。このようなポリメラーゼとしては、DNAポリメラーゼが挙げられる。さらに、このDNAポリメラーゼは、実質的に5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有しないものであることが好ましい。このようなDNAポリメラーゼとしては、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus、以下「B.st」という)、バチルス・カルドテナックス(Bacillus caldotenax、以下「B.ca」という)等の好熱性バチルス属細菌由来DNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠失した変異体、大腸菌(E.coli)由来DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント等が挙げられる。
デキストリンは酵素の安定化剤として用いられる。これにより、酵素の長期保存が可能になると共に、増幅反応においても、反応液中の酵素が安定化されるため、核酸の増幅効率を高めることが可能となる。その他の酵素安定化剤として、グリセロール、ウシ血清アルブミン、糖類などを用いることができる。
試薬85は、試薬83よりも下流側に配置されており、MutSとデキストリンの水溶液を点着後、凍結乾燥により乾燥、固化させた試薬である。MutSは、「ミスマッチ結合タンパク質」(「ミスマッチ認識タンパク質」とも称される)と呼ばれるタンパク質群の1つである。これは、DNAの2本鎖において部分的に対合できない(ミスマッチ)塩基対が生じたときに、これを修復する機能を有するタンパク質群であり、MutSタンパク質(特表平9−504939号公報)以外に、MutMタンパク質(特開2000−300265号公報)などの様々なミスマッチ結合タンパクが知られている。
酵素混合部Eでは、血液、前処理試薬、反応増幅試薬の合流液を第1混合部E1の第1流路部73A,73Bの間を往復させ、試薬83、試薬85を溶解し、前記合流液を予備混合する。また、同時に、流路内を消泡させる。さらに、第2混合部E2の第1流路部73C,73Dの間を往復させることにより、本混合を行い、前記液体をより均一に混合する。なお、往復時に液滴が気泡を巻き込まないように安定に搬送するために、酵素混合部Eは混合液に対して撥水的であることが望ましく、本実施の形態では流路基板31の材料にCOP(水の接触角約110°)を選択した。
反応部Fには、ターゲットDNAのプライマーとゼラチンの水溶解液が点着後冷却固化、固定されている。プライマーは、ターゲットDNAの特定部分に相補的な塩基配列を有する20塩基長程度のオリゴヌクレオチドであり、ポリメラーゼによるDNAの合成の起点となる。本実施の形態では11個の反応検出セル35a〜35kが構成されており、検査対象の遺伝子に対して、wildとmutantの配列に特異的に増幅反応を行うために、wildを増幅させるプライマー87及び、mutantを増幅させるためのプライマー89を一対として、それぞれ異なる反応・検出セルに固定している。
すなわち、10個の反応検出セル35a〜27jで5ケ所D1〜D5の遺伝子を検査対象としている。残りの1ケ所PDの反応検出セル35kには、多型の存在しない遺伝子配列を増幅させるためのプライマー91が固定されており、このセルはポジコンとして用いられる。第1混合部E1、第2混合部E2で混合された検体は、各反応検出セル35a〜35kに定量分注される。
図10に示すように、各チャンバー部35は、検体の流動方向に沿って上流側と下流側に2分割して画成された第1の領域35A(上流側)と、第2の領域35B(下流側)とを備える。第1の領域35Aと、第2の領域35Bの面積は、略同じ面積とされている。第1の領域35Aの下面には第1加熱部21Aが配設され、第2の領域35Bの下面には第2加熱部21Bが配設されて、制御部41によってそれぞれ異なる設定温度にすることができる。
第1加熱部21Aの設定温度を例えば60℃に、第2加熱部21Bの設定温度を例えば25℃にすると、各チャンバー部35内の液体に局所的な温度差が生じ、チャンバー部35内で大きな速度の対流が発生する(図4参照)。これにより、各チャンバー部35内の液体が強制的に攪拌されるので、反応部Fに固定されているゼラチンが溶解し、ターゲットDNAのプライマーが各チャンバー部35内に分散して均一に混合される。
プライマーとゼラチンの水溶液は、流路基板31側のセルに点着固定しており、マイクロチップ使用状態では、流路の上面に配置されている。液体が流入後、蓋材33側、すなわち下面から加熱されることにより、液体の温度上昇に伴って溶解したプライマー87を含むゼラチンgeは、その比重が大きいため重力により流路内下側に流動する。また、液体は、下面より第1の領域35Aと第2の領域35Bとで異なる温度に加熱されることにより、セル内での対流が促進される。このゼラチンgeの重力による流路下側への流動と、液体の加熱による対流の相乗効果により、プライマー87及びゼラチンgeはチャンバー部35内に短時間で均一に混合拡散される。
次いで、図9に示すように、第1加熱部21A及び第2加熱部21Bを共に60℃に温調して反応検出セル35を加熱することにより、更に固化したゼラチンが溶解し、各反応検出セル35内に分散し、等温増幅反応が行われる。プライマーの水溶液のみを反応検出セル35に点着し、乾燥固定化することもできるが、この場合、チャンバー部内に液体が流入した際に、プライマーが流れ方向に流されてしまい、チャンバー部内での反応、検出が行えない。このため、常温の水溶液では溶解しにくいゼラチンを0.5%含有させて点着、固化した。
各チャンバー部35の前後には反応検出セル入り口流路93と反応検出セル出口流路95が配置され、この入り口出口流路93,95は細い流路となっている。分注後の液体の端面は、入り口流路93と主流路71の接続面、及び出口流路95と排気流路99の接続面に留まっている。
加熱部21(21A、21B)が配設された反応部Fは、加熱部21による加熱を均一に行うため、流路基板31の厚みが、掘り込み67によって1.2mm程度に薄くなっている。加熱部21は、チャンバー部35全体と、入り口出口流路93,95の一部分までを加熱する配置になっており、加熱部21以外は、他の温度調整手段によって常温に温度調節されている。すなわち、反応検出セル35内の液体の両端面は、加熱されることなく、常温に保持される。このことにより、加熱により水分が蒸発することを防ぐことができる。この加熱部21(第1加熱部21A及び第2加熱部21B)及びその周りの温度調節手段(温度測定部)が、図6の温調部23を構成している。
入り口出口流路93,95、主流路71、排気流路99は、定量分注流路Gを構成している。定量分注流路Gは、酵素混合部Eで処理された第2混合液を反応部Fの複数のチャンバー部35それぞれに定量分注する。
チャンバー部35に定量分注された液体は、生態細胞を有する検体液、前処理試薬、反応増幅試薬を含む。チャンバー部35には核酸の断片であるプライマー87、89、…が実装されており、このチャンバー部35に液体を定量分注し、加熱しながら励起光を照射する事により、液処理部内で発生する蛍光を検出する。反応検出セル35では、被検出物質の核酸増幅反応が行われる。この際、検知感度の高い標識物質である発光性物質を担持した特異的な相互作用を有する標識化物質、例えば標識化抗体や標識化抗原又は標識化核酸等が用いられる。サイバーグリーンは、反応によって増幅された2本鎖DNAにインターカレートすることにより、強い蛍光を発する。この蛍光強度を測定することにより、ターゲットとする遺伝子配列の存在の有無が検出可能となる。
反応検出セル35a〜35kは、光学系により、約490nmの波長で励起し、インターカレートしたサイバーグリーンの約520nmの蛍光を測定することにより、ターゲットDNAの増幅が確認される。すなわち、ターゲットとする核酸配列が存在する場合には、蛍光強度の増加が確認され、存在しない場合には蛍光強度の増加が確認されない。
反応部Fでは、反応検出セル35a〜35kへの分注時に液体がスムーズに進入し、出口部でのラプラス圧バルブによる停止が安定に行えるためには、反応検出セル35とその前後の細い入り口出口流路93,95は適度に親水的であることが望ましい。本実施の形態では、少なくとも入り口出口流路93,95が、プラズマ照射により親水化されている(水の接触角約70°)。
流路基板31を部分的に親水化、又は撥水化する方法としては、プラズマ照射以外に公知の方法(親水化/撥水化処理液を塗布する方法、UV照射、蒸着やスパッタにより親水化/撥水化材料の薄膜を形成する方法、2色成型やインサート成型により、濡れ性の異なる樹脂を用いて成形する方法等)を用いることができる。本実施の形態では、各流路(少なくとも入り口出口流路93,95)の流路内面が、少なくとも2段階以上の濡れ性を有している。これにより、各反応検出セル35a〜35kへの分注時に液体がスムーズに進入し、出口部でのラプラス圧バルブによる停止が安定に行えるようになっている。
上記の構成を有する本実施の形態によるマイクロ流体チップ200によれば、
(1)検体液と前処理試薬とを投入する第1ポートPT−Aと、
(2)反応増幅試薬を投入する第2ポートPT−Dと、
(3)流路内に空気圧を供給する第3ポートPT−Bと、
(4)第1ポートPT−Aから投入された検体液と前処理試薬とを混合して第1混合液を生成する検体混合部Aと、
(5)第1混合液を加熱して生体細胞よりDNAを抽出し1本鎖に分解する被加熱部Bと、
(6)被加熱部Bで処理された第1混合液に反応増幅試薬を合流させる試薬合流部Cと、
(7)試薬合流部Cで合流された第2の混合液が通過することにより溶解が進む酵素を固化実装した酵素保持部Dと、
(8)酵素保持部Dで処理される第2の混合液への酵素の混合を助長する酵素混合部Eと、
(9)酵素混合部Eに接続され、流路内に固化実装されたプライマーの溶解、加熱によるDNA増幅、このDNA増幅の検出を同一位置で行う複数の反応検出セル35からなる反応部Fと、
(10)複数の反応検出セル35に接続され酵素混合部Eで処理された第2混合液を複数の反応検出セル35のそれぞれに定量分注するための定量分注流路Gと、
を備えたので、立体的に複雑な構造を必要とせず、簡単な構造で複雑な送液制御が行えるとともに、ピペッティングの操作、装置への出し入れ等の煩雑な操作が不要になり、熟練を要さない簡単な操作で、正確かつ信頼性の高い分析結果を低コスト、短時間で得ることができる。
次に、上記のマイクロ流体チップ200を使用した送液フローについて説明する。
図9に示すように、まず、第2ポートPT−Dに反応増幅試薬を投入する。第2ポートPT−DのポートD出口流路69と主流路71の接続部はラプラス圧バルブが構成されているので、反応増幅試薬は主流路71に流出することない。次いで、第1ポートPT−Aに血液と前処理試薬を投入し、チップ200を検体分析システム150にセットして分析を開始すると、第3ポートPT−Bが減圧されて、血液と前処理試薬が検体混合部Aを高速で通過することにより均一に混合される。
液がセンシング位置PH1に到達し、液位置検出部のセンサーPH−1が液を検出すると、第3ポートPT−Bが加圧され、定量の液を下流方向に向かって送液する。その後、第3ポートPT−Bが減圧され、定量の液を上流方向に向かって送液する。この往復動作により、液をより均一に混合する。
次に、液を低速で被加熱部Bを通過させると、血液と前処理試薬の混合液が一定時間(例えば15秒間)、98℃に加熱され、白血球中のDNAが抽出され、1本鎖となる。そして、液がセンシング位置PH2に到達すると、第3ポートPT−Bからの吸引により、第2ポートPT−Dから増幅反応試薬が主流路71に流出し、血液と前処理試薬の混合液とを、泡を含むことなく合流させる。
その後、センシング位置PH3に到達した液は、第1混合部E1で混合され、第1流路部73A、酵素保持部Dを通過し、酵素が溶解され、第1流路部73Bで混合される。次いで、混合液は第1流路部73Aに戻され、酵素溶解時に発生した微小な気泡が液体から離れて流路壁に付着し、弾けて消滅する。混合液は、再び第1流路部73Bに戻されて混合される。同様の往復動作を、後段の第2混合部E2でも行うことにより、液体は均一に混合される。つまり、混合液は、第1混合部E1の第1流路部73Bから第2混合部E2の第1流路部73Cに搬送され、さらに第1流路部73Dに送られ、そして第1流路部73Dから第1流路部73Cに戻される。
次に、第3ポートPT−Bから吸引することにより、第2混合部E2の第2流路部73Dの混合液が、反応部Fの流路に搬送されてセンシング位置PH5に到達すると、第4ポートPT−Cから吸引する。これにより、混合液は、反応検出セル35内に搬送され、セル下流の反応検出セル出口流路95の小径部95aで停止する。この停止タイミングは、圧力センサーPSがある一定の圧力に達した時点で反応検出セル35への分注完了と判断できる。この時、各反応検出セル35は常温に保たれており、予めゼラチンにより固定化されているプライマーは溶解することなくセル内に保持されている。そして、図示しないシールデバイスにより、各ポート部PT−A,B,C,Dには、ラベルが貼り付けられ、チップ200は密閉状態となり、増幅反応による増幅産物がチップ外に流出することにより、環境を汚染する心配がなくなる。
次に反応部Fの第1の領域35Aの下面に配設された第1加熱部21Aを60℃に、第2の領域35Bの下面に配設された第2加熱部21Bを25℃に加熱することにより、各反応検出セル35a〜35k内の液体に局所的な温度差を生じさせて、反応検出セル35a〜35k内で大きな速度の対流を発生させる。これにより、各反応検出セル35a〜35k内の液体が強制的に攪拌されて、反応部Fに固定されているゼラチンが溶解し、ターゲットDNAのプライマーが各反応検出セル35a〜35k内に分散して均一に混合される。
その後、制御部41によって第1加熱部21A及び第2加熱部21Bを共に60℃に急速に加熱すると、ゼラチンにより固定化されていたプライマーは、反応検出セル35内に均一に拡散し、等温増幅反応が始まる。このとき、反応検出セル35両端の細い反応検出セル入り口流路93と反応検出セル出口流路95との液体端面は60℃に加熱されることなく、常温に保たれており、反応検出セル35内の液体が蒸発してしまうことがない。
各反応検出セル35a〜35kを図6に示す蛍光検出部27で励起光を照射し一定時間間隔で蛍光測定することにより、各反応検出セル35a〜35kに予め実装していたプライマーに対応するターゲット遺伝子配列が存在しているかどうかを知ることができる。ターゲット遺伝子配列が存在している場合には、蛍光強度の増大が確認されるのに対して、ターゲット遺伝子配列が存在していない場合には、蛍光強度の増大がない。
したがって、本実施の形態によるマイクロ流体チップ200によれば、検体液と前処理試薬とを投入する第1ポートPT−A、反応増幅試薬を投入する第2ポートPT−D、流路内に空気圧を供給する第3ポートPT−Bに加え、各種試薬との混合、混合液の定量分注のための流路を構成手段として備え、液流路内の液体の先端部、後端部の少なくともいずれかを検出し、この検出されたタイミングに応じて液体の制御動作条件を決定することにより、有限な液体が、特に、能動的なバルブやポンプを内蔵していないシンプルな流路によって、チップ200の外部からの空圧駆動で複雑にハンドリング可能となる。つまり、立体的に複雑な構造を必要とせず、簡単な構造で送液制御が可能となる。これにより、検体と液体試薬を投入するだけで、自動的に所望の液滴操作、化学反応を行い、ピペッティングの操作、装置への出し入れ等の煩雑な操作を不要にして、高い分析結果が得られる。
また、本発明のマイクロ流路内混合方法によれば、互いに隣接する第1の領域と第2の領域とをそれぞれ異なる温度に温調することで、第1の領域と第2の領域との間で被混合物質に強制的に対流を生じさせて攪拌し、被混合物質を狭いマイクロ流路内で効率よく短時間で均一に混合することができる。
また、本発明のマイクロ流路内混合装置によれば、第1の領域を温調する第1の温調手段と、第2の領域を温調する第2の温調手段との設定温度を、制御手段によって、それぞれ異なる温度に設定することにより、第1の領域と第2の領域との間で被混合物質に効率よく対流を起こさせることができ、これによって、被混合物質の攪拌効果を向上させて被混合物質を狭いマイクロ流路内で効率よく均一に混合させることができる。また、マイクロ流路内混合装置をマイクロ流体チップでの混合処理に適用すれば、マイクロ流体チップにおける分析処理の迅速化や、分析処理の精度を向上させることができる。
なお、本発明に係るマイクロ流路内混合装置は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良等が可能である。
本発明に係るマイクロ流路内混合方法および装置は、第1の領域を温調する第1の温調手段と、第2の領域を温調する第2の温調手段との設定温度を、制御手段によって、それぞれ異なる温度に設定することにより、第1の領域と第2の領域との間で被混合物質に効率よく対流を起こさせることができ、これによって、被混合物質の攪拌効果を向上させて被混合物質を狭いマイクロ流路内で均一に混合させることができる。このようなマイクロ流路内混合方法および装置をマイクロ流体チップでの混合処理に適用すれば、マイクロ流体チップにおける分析処理の迅速化や、分析処理の精度を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る検体分析システムのブロック図である。 (a)は図1におけるマイクロ流体チップ保持部の平面図、(b)は(a)におけるA−A線での断面図である。 図2におけるA−B断面を示し、(a)は送液時、(b)は攪拌時、(c)は反応処理時の状態を示す概念図である。 図3(b)の要部拡大図である。 他の実施形態のマイクロ流体チップ保持部の平面図である。 本発明の第2実施形態に係るマイクロ流体チップを検体分析システムの概略構成と共に表したブロック図である。 図6に示したマイクロ流体チップの分解斜視図である。 図7に示したマイクロ流体チップの上面視を(a)、下面視を(b)に表した平面図である。 図8(b)の拡大図である。 図9における反応部の拡大図である。
符号の説明
11 マイクロ流路
21A 第1加熱部(第1の温調手段)
21B 第2加熱部(第2の温調手段)
23 温調部(温調手段)
35 反応検出セル(チャンバー部)
35A 第1の領域
35B 第2の領域
37 第1の流路(共通流路)
39 第2の流路(共通流路)
41 制御部(制御手段)
100 マイクロ流路内混合装置
150 検体分析システム
200 マイクロ流体チップ

Claims (9)

  1. 微小な流路で構成されたマイクロ流路の内部で少なくとも2つの被混合物質を混合するマイクロ流路内混合方法であって、
    前記被混合物質を前記マイクロ流路内に収容し、
    前記マイクロ流路の一部に流路の断面積を拡大して形成されたチャンバー部において互いに隣接して画成された第1の領域と第2の領域とをそれぞれ異なる温度に温調し、該チャンバー部に滞留する前記被混合物質に対流を生じさせ、該チャンバー部で該被混合物質を混合するマイクロ流路内混合方法。
  2. 請求項1記載のマイクロ流路内混合方法であって、
    前記第1の領域と前記第2の領域との温度差を10℃以上とするマイクロ流路内混合方法。
  3. 請求項2記載のマイクロ流路内混合方法であって、
    前記第1の領域および前記第2の領域が、前記チャンバー部の底面をそれぞれ画成した領域であり、前記チャンバー内の前記被混合物質を底面側から温調するマイクロ流路内混合方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のマイクロ流路内混合方法であって、
    複数本が備えられた前記マイクロ流路のそれぞれに対し、該マイクロ流路の少なくとも一端側を連通させた共通流路から前記被混合物質を供給するマイクロ流路内混合方法。
  5. 微小な流路で構成されたマイクロ流路の内部で少なくとも2つの被混合物質を混合するマイクロ流路内混合装置であって、
    前記マイクロ流路の一部に流路の断面積を拡大して形成され、互いに隣接する第1の領域と第2の領域とが画成されたチャンバー部と、
    前記チャンバー部に対面して配置され、前記第1の領域を温調する第1の温調手段と、
    前記チャンバー部に対面して配置され、前記第2の領域を温調する第2の温調手段と、
    前記第1の温調手段と前記第2の温調手段の設定温度をそれぞれ異なる温度に設定して、前記チャンバー部に滞留する前記被混合物質に対流を生じさせることが可能な制御手段と、
    を備えたマイクロ流路内混合装置。
  6. 請求項5記載のマイクロ流路内混合装置であって、
    前記第1の領域と前記第2の領域が略等しい面積であるマイクロ流路内混合装置。
  7. 請求項5又は請求項6記載のマイクロ流路内混合装置であって、
    前記第1の温調手段および前記第2の温調手段は、
    前記マイクロ流路を加熱する加熱部と、
    前記マイクロ流路の温度を測定する温度測定部とを少なくとも備え、
    前記温度測定部による測定温度に応じて前記加熱部による加熱量が調整されるマイクロ流路混合装置。
  8. 請求項5〜請求項7のいずれか1項記載のマイクロ流路内混合装置であって、
    前記マイクロ流路を複数本有するとともに、
    該複数本のマイクロ流路それぞれに対し、該マイクロ流路の少なくとも一端側をそれぞれ連通して前記被混合物質を供給する共通流路を備えたマイクロ流路混合装置。
  9. 請求項5〜請求項8のいずれか1項記載のマイクロ流路内混合装置であって、
    前記被混合物質は、液状試薬と溶解性固形物を含み、該溶解性固形物が前記マイクロ流路内に予め固着されているマイクロ流路内混合装置。
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