JP4631508B2 - マイクロミキサー - Google Patents

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本発明はマイクロミキサーに関し、さらに詳しくは、2種類以上の流体をマイクロミキサー内でそれぞれ加熱若しくは冷却して、所定の温度に調節した後に混合し、さらに該混合流体を加熱若しくは冷却する熱交換機構を有するマイクロミキサーに関する。
化学反応を実施するための液体若しくは気体成分の混合や水溶液と油状物質の乳化、分散などを目的として各種の静止ミキサーが提案され、中でも混合する2種類以上の成分をマイクロマシニング技術で加工されたマイクロ流路内に導入する構造を有するマイクロミキサーが効率的な混合、分散用静止ミキサーとして注目されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなマイクロミキサーは、混合若しくは分散する液体若しくは気体状の物質を流路幅が0.01mmから3mm程度のマイクロ流路内で微小な流体要素に分割し、しかる後に混合、分散する機構を有しているため、従来の静止ミキサーに比べて短時間で効率的な混合、分散が達成されることから、広範囲にわたる化学プロセスへの適用が検討されている。その一例として、化学反応を実施するためのマイクロミキサー(特許文献2)や微粒子を製造するためのマイクロ反応器(特許文献3)、マイクロ乳化器(特許文献4)が挙げられる。
しかしながら、これらのマイクロミキサーは主に同一温度での混合が前提となっているため、マイクロミキサー全体を加熱若しくは冷却することにより、混合する2種類以上の流体全体を同一の温度に設定することはできるものの、異なる温度での混合を実施することは事実上、不可能であり、かつ、混合後の流体を加熱若しくは冷却して、混合前の各流体の温度と異なってもよい、任意の温度に調節することもできなかった。
仮にマイクロミキサーに導入する前に混合若しくは分散する2成分をあらかじめ所定の異なる温度に調整したとしても、マイクロミキサー内で熱の授受が行われ、2成分が合流する時点ではマイクロミキサーに導入される前の温度を維持していない場合がある。これは、マイクロミキサーがマイクロ流路で構成されているために伝熱面積が大きく、混合若しくは分散される成分が容易に熱交換するためである。
また同様に、混合後の流体も混合による発熱、例えば混合する2種類の流体が反応する場合は、混合後の反応によって生じる反応熱などのために温度が上昇する場合があり、所定の範囲内に温度調調節することができない場合もあった。混合や混合後の反応によって温度が上昇し、もともと液体であった混合前の流体が沸騰により、気化したり、反応によって生じる反応物がある温度以上で分解しやすい熱不安定物質などである場合、如何に効率的に混合が実施できるマイクロミキサーであっても使用できないこともあった。
したがって、上述したような経緯から、マイクロミキサーを用いて温度の異なる流体成分を合流直前までそれぞれの温度を維持したまま混合し、さらに混合後の流体をさらに混合前と異なってもよい任意の温度に調節することは事実上不可能であった。
このように従来のマイクロミキサーは異なる温度を有する成分の混合及び混合後の温度調節には対応できず、例えば比較的高い温度でのみ溶解する固形分を含む高温溶液を低温に維持した貧溶媒と急速に混合し、さらに混合に伴う混合熱による温度上昇を抑えるために該混合液の急速な冷却が必要な微細な微粒子を得る晶析プロセスや、混合による反応により、熱に不安定な成分が生成するため、該混合液を急冷する必要がある発熱反応プロセスなどには適用できない場合もあった。
特表平09−506034号公報(図1から図3) 特表平11−514573号公報(図1から図6) 特開2003−164745号公報(図1から図3) 特開2002−346352号公報(図1から図5)
本発明が解決しようとする課題は、それぞれの温度が異なっていてもよい2種類以上の流体の効率的な混合、及び混合流体の温度調節を達成し、特に上述の非等温での混合と混合後の流体の独立温度制御が要求される各種プロセスに適用できる熱交換機構付のマイクロミキサーの提供にある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、混合する2種類以上の流体のうち、第1の流体を通流させる流路と、該流路内にマイクロ孔を有し、かつ、混合する流体のうち、第1の流体以外の流体を加熱若しくは冷却するための熱交換媒体を通流させるための流路を有する第1プレートと、混合する流体のうち第1の流体以外の流体を通流させるための流路と、第1の流体を加熱若しくは冷却するための熱交換媒体を通流させるための流路、及び混合後の流体を加熱若しくは冷却するための熱交換媒体を通流させるための流路を有し、平面視した形状が第1プレートと同形状の第2プレートを組み合わせて、これを一組とし、該一組のプレートを少なくとも1段以上に積層することにより、混合する2種類以上の流体をそれぞれ異なってもよい温度に独立に温度調節することができ、かつ、混合後の流体の温度を混合前のそれぞれの流体の温度と異なってもよい温度に独立に温度調節することができることを知見し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、平面視した形状が同一である2種類のプレートを一組として、該一組のプレートが積層された構造を有するマイクロミキサーにおいて、
(1)該一組のプレートのうちの第1プレートは、混合する流体のうち、第1の流体(A)を通流させる流体流路と該流体流路内に第1の流体以外の流体(B)を通流させるマイクロ孔を有すると共に、該第1の流体(A)と該第1の流体以外の流体(B)との混合液を通流させる混合流体流路を有し、かつ、該第1の流体以外の流体(B)を熱交換するための熱交換媒体(b)を通流させる熱交換媒体流路を有し、
(2)該一組のプレートのうち他の第2プレートは、混合する流体のうち、該第1の流体以外の流体(B)を通流させる流体流路と、該第1の流体(A)を熱交換するための熱交換媒体(a)を通流させる熱交換媒体流路、及び該混合流体を熱交換するための熱交換媒体(x)を通流させる熱交換媒体流路を有し、
(3)該第1プレート及び該第2プレートは、該第1の流体(A)の該流体流路と該第1の流体を熱交換するための該熱交換媒体(a)を通流させる該熱交換媒体流路の位置、該第1の流体以外の流体(B)を通流させる該流体流路と該第1の流体以外の流体を熱交換するための該熱交換媒体(b)を通流させる該熱交換媒体流路の位置、該混合流体流路と該混合流体を熱交換するための該熱交換媒体(x)を通流させる該熱交換媒体流路の位置が、それぞれ上下方向で対応するように配置された位置であり、かつ、該第1の流体(A)の該流体流路内に形成された該マイクロ孔を通じて、該第1の流体以外の流体(B)が第1の流体(A)と合流するように配置されている
ことを特徴とするマイクロミキサーを提供するものである。
本発明のマイクロミキサーにより、従来のマイクロミキサーでは困難であった、異なる温度に制御された非等温での混合と混合後の独立な温度制御が達成でき、例えば比較的高い温度でのみ溶解する固形分を含む高温溶液を低温に維持した貧溶媒と急速に混合し、さらに混合に伴う混合熱による温度上昇を抑えるために該混合液の急速な冷却が必要な微細な微粒子を得る晶析プロセスや、混合による反応により、熱に不安定な成分が生成するため、該混合液を急冷する必要があるような発熱反応プロセスなどの構築が容易となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態である熱交換機構付のマイクロミキサーについて、特に混合する流体が第1の流体(A)と第2の流体(B)の2種類である場合を例に説明する。
図1は、第1の流体(A)を通流させる流体流路と、第2の流体(B)を通流させるマイクロ孔と、第1の流体(A)と第2の流体(B)との混合液を通流させる混合流体流路と、第2の流体(B)を加熱若しくは冷却するための熱交換媒体(b)を通流させる熱交換媒体流路とを有する第1プレートの平面図であり、図2は第1プレートの斜視図である。
図3は、第2の流体(B)を通流させる流体流路と、第1の流体(A)を加熱若しくは冷却するための熱交換媒体(a)を通流させる熱交換媒体流路と、混合液を加熱若しくは冷却するための熱交換媒体(x)を通流させる熱交換媒体流路とを有する第2プレートの平面図であり、図4は第2プレートの斜視図である。
図5は、第1プレートと第2プレートとを積層して一組とした状態を模式的に示す斜視図であり、図6は第1プレートと第2プレートとを積層して二組とした状態を模式的に示す斜視図である。
図7は、第1プレートと第2プレートとを積層して二組とし、さらに上カバープレートと下カバープレートを積層した状態を示す斜視図であり、図8は、さらにコネクタ部を設けたマイクロミキサーの外観を示す斜視図である。
図9は、他の実施形態を示す第1プレートの平面図であり、図10は、図9に示す第1プレートと対になる第2プレートの平面図である。
図11は、他の実施形態を示す第1プレートの平面図であり、図12は、図11に示す第1プレートと対になる第2プレートの平面図である。
図1に示すように、第1プレート1には、第1の流体(A)を通流する流体流路2は、複数の遮蔽壁3によって分流されるように、複数本形成されている。また、流体流路2において、第1の流体(A)の流れ方向の途中にマイクロ孔4が設けられており、後述する第2プレートから供給される第2の流体(B)を通流するように配置されている。そして、流体流路2に通流させる第1の流体(A)とマイクロ孔4に通流される第2の流体(B)とが混合され、この混合液(AB)が、複数の遮蔽壁5によって分流されて、複数の混合流体流路6に通流されて混合流体出口7から排出される。
さらに、第1プレート1には、第2の流体(B)を加熱若しくは冷却するための熱交換媒体(b)を通流させる熱交換媒体流路8が、遮蔽壁9によって分流されるように、複数本形成されている。
ここで、第1の流体(A)に対する熱交換媒体(b)の熱的影響を低減するように、所定の間隔を置いて遮蔽壁10が形成されている。
第1プレートと後述する第2プレートの材質は特に制限はないが、流体流路や媒体流路、マイクロ孔等を形成する場合に、エンドミルによる切削やエッチング、放電加工等によって簡便に加工できる点から、ステンレス鋼等の金属製が好ましい。
本発明のマイクロミキサーを熱交換器用として使用する場合には、熱交換効率及び混合効率の観点から、流体流路2、混合流体流路6、熱交換媒体流路8は、幅を0.01mm〜20mmの範囲とし、かつ、流路深さを0.005mm〜3mmの範囲とすることが好ましく、特に流路幅が0.02mm〜10mmとし、かつ、流路深さが0.01mm〜1mmとすることが好ましい。
また、熱交換効率や混合効率等の点から、各遮蔽壁3、5、9の幅は、流体流路2等の幅と略同等〜略1/2程度とすることが好ましく、遮蔽壁10の幅は、流体流路2等の幅と略同等〜略2倍程度とすることが好ましい(図1〜4参照)。
勿論、上記遮蔽壁は、図示したような直方体状の形状でなくても良く、例えば、円柱状の形状のような突起を配置させたものであっても構わない。この場合、該円柱間の距離を0.01mm〜20mmの範囲とすれば良い。要するに、各流体や各熱交換媒体等を通流させることができ、熱交換し易すい構造であれば、加工のし易さ等も考慮して、適宜形成すれば良いのである。
第1プレート1の流体流路2内に形成させるマイクロ孔4は第1プレート1を貫通する穴であって、断面形状は矩形であっても円形であってもよいが、加工のし易さからは円形が好ましく、その穴径は外径が0.01mm〜1mmの範囲内とし、好ましくは0.02mm〜0.5mmである。
このマイクロ孔4の数に関しては特に制限はないが、第2の流体(B)の流量や混合する際の流量比等を考慮して決定すればよい。また、マイクロ孔4の配列についても特に制限はなく、図1に示したような直線状に1列に配列させてもよく、平面上に数列にわたって配列させてもよく、また不規則に配列させてもよい。
図1に示すように、第1プレートの混合流体出口7は、第1の流体(A)と第2の流体(B)の混合後の混合流体(AB)が流れ方向に進むに従って狭められる、いわゆる縮流構造を有していることが好ましい。これは、混合する流体の粘度が高い場合など、マイクロ孔4を介した混合のみでは十分な混合が行われない場合であっても、微小流体要素として合流した流体が流れ方向に沿ってさらに縮流されるので、混合時間が短縮され、より効率的な混合を行うことができるからである。
図3は第2プレート11を示す平面図であり、その外形は第1プレート1と同一の形状となっている。この第2プレート11には、第2の流体(B)を通流する流体流路12が設けられており、複数の遮蔽壁13により分流されるようになっている。そして、第1プレート1に設けられたマイクロ孔4に第2の流体(B)を通流させることができるように、流体流路12から延びた流体流路121が形成されている。
さらに、第2プレート11は第1の流体(A)を加熱若しくは冷却するための熱交換媒体(a)を通流させる熱交換媒体流路14が、複数の遮蔽壁15によって分流されるように、複数本形成されている。
また、第1プレート1における混合流体(AB)を冷却若しくは加熱するための熱交換媒体(x)を通流させるための熱交換媒体流路16が、複数の遮蔽壁17によって分流されるように、複数本形成されている。
ここで、第2の流体(B)に対する熱交換媒体(b)と混合流体(AB)に対する熱交換媒体(x)が相互に熱的影響を及ぼすことのないように、第2プレート11には、所定の幅を有する遮蔽壁18と遮蔽壁19が設けられている。
また、第2プレート11における流体流路や各熱交換媒体流路、各遮蔽壁の寸法に関しては、上述した第1プレート1の場合と同様である。
これら外形が同一形状の第1プレート1と第2プレート11を上下方向に重ね合わせると、プレートの上面から見て、第2プレート11の流体流路121の一部と第1プレート1の流体流路2の途中に貫通孔として形成させたマイクロ孔4とが重なっているため、流体流路121から流体(B)がマイクロ孔4を通過して流体流路2の途中で流体(A)と合流するようになる。また、マイクロ孔4は上述のように、その孔径が0.01mm〜1mmの範囲内と極めて小さいために、流体(A)と流体(B)との混合を迅速に進行させることができる。
そして、図5に示すように、第1プレート1における流体流路2の下側に位置する場所には第2プレート11における熱交換媒体流路14が位置し、第1プレート1における熱交換媒体流路8の下側に位置する場所には第2プレート11における流体流路12が位置し、第1プレート1における混合流体流路6の下側に位置する場所には第2プレート11における熱交換媒体流路16が位置するようになっており、各流体は上下方向に位置するそれぞれの熱交換媒体で熱交換することができ、それぞれの流体を互いに異なった温度に調節することができる。なお、それぞれの流体を同じ温度に調整することも、勿論可能である。
また、各熱交換媒体の流れ方向は、加熱又は冷却処理の効率を考慮して、それぞれ熱交換する流体の流れ方向と同方向となる並流としても、また、逆方向となる向流としてもよい。
このように、第1プレート1と第2プレート11とを積層して熱交換の機能を有するマイクロミキサーを構成する場合には、その熱交換効率を考慮して、各プレートの厚さは0.05mm〜5mmの範囲とすることが好ましい。
このようにして得られた第1プレート1と第2プレート11がステンレス鋼等の金属である場合には、拡散接合等の公知公用の方法で接合することができ、処理する流体の漏れ防止等が図れる。そして、これらのプレート対を1組以上積層して接合することにより、熱交換機能付きのマイクロミキサーを得ることがでる。なお、積層数は混合すべき流体の処理量に応じて、任意に決めれば良い。
図6は、第1プレート1と第2プレート11を4段(プレート対が2組)積層する場合の状態を模式的に示したものである。この4段積層されたプレートの上下に、上カバープレート20と下カバープレート21をさらに接合し(図7参照)、さらに第1の流体(A)の流入用コネクタ22、第2の流体(B)の流入用コネクタ23、混合流体(AB)の流出用コネクタ24、熱交換媒体(a)の流入用コネクタ25と流出用コネクタ26、熱交換媒体(b)の流入用コネクタ27と流出用コネクタ28、熱交換媒体(x)の流入用コネクタ29と流出用コネクタ30を取り付けて、図8に示すような熱交換機構付のマイクロミキサーを得ることができる。
上述においては混合させる流体が2種類の場合について説明してきたが、プレートの形状を変えて流体流路や熱交換媒体流路等の数を増やすことにより、3種類以上の流体に対する熱交換機構付きマイクロミキサーを得ることもできる。
例えば混合する流体数が3種類の場合には、図9に示すように、第1プレート1を平面視十字の外形となる構造とし、第2プレート11を図10に示すような構造として、熱交換機構付のマイクロミキサーを得ることもできる。
この場合、上述した2流体(A、B)混合と異なるのは、第1プレート1に形成させるマイクロ孔は2系統となるようにマイクロ孔41とマイクロ孔42が設けられることである。
すなわち、第1プレート1には、流体(A)を通流する流体流路2、マイクロ孔41及びマイクロ孔42、混合流体(ABC)を通流する混合流体流路6、流体(B)を熱交換するための熱交換媒体(b)を通流する熱交換媒体流路8、流体(C)を熱交換するための熱交換媒体(c)を通流する熱交換媒体流路31が設けられている。
また、第1プレート1と対をなす第2プレート11は、流体(B)を通流する流体流路12とこれから延びた流体流路121、流体(C)を通流する流体流路51とこれから延びた流体流路511、流体(A)を熱交換するための熱交換媒体(a)を通流する熱交換媒体流路52、混合流体(ABC)を熱交換するための熱交換媒体(y)を通流する熱交換媒体流路53が設けられている。
そして、第1プレート1の流体流路2の途中に設けられた上記2系統のマイクロ孔41、42により、流体(A)と流体(B)と流体(C)を混合することができる。
同様にして、混合する流体が5種類(A、B、C、D、E)である場合には、図11及び図12に示すように、熱交換媒体(a、b、c、d、e、z)を通流する熱交換媒体流路を有する第1プレート1と第2プレート11を使用することができる。
本発明によるマイクロミキサーによれば、複数種類の流体をそれぞれ独立して異なる温度に制御することができるので、非等温での混合が達成でき、かつ、混合後の流体を混合前と異なってもよい温度に制御することができるので、例えば、比較的高い温度でのみ溶解する固形分を含む高温溶液を低温に維持した貧溶媒と急速に混合し、さらに混合に伴う混合熱による温度上昇を抑えるために該混合液の急速な冷却が必要な微細な微粒子を得る晶析プロセスや、混合による反応により、熱に不安定な成分が生成するため、該混合液を急冷する必要があるような発熱反応プロセスなどの構築が容易となる。
ここで、本発明の熱交換機構付のマイクロミキサーの利用例として、晶析法によるフタロシアニン化合物の微粒子製造プロセスを取り上げ、その有用性について説明する。
一般に、銅フタロシアニンは常温の有機溶媒や酸性あるいはアルカリ性溶液にほとんど溶けないが濃硫酸にはある程度溶解するため、銅フタロシアニンを濃硫酸溶液とし、水を貧溶媒として晶析法により、銅フタロシアニンの微細微粒子を得るプロセスが知られている。
このとき、濃硫酸と水の混合による混合熱により、液温が上昇し、場合により沸騰にいたる場合もあることが知られている。このとき、銅フタロシアニンを溶解した濃硫酸に水が溶解することにより、硫酸濃度が低下して銅フタロシアニンの結晶が析出するが、同時に生じる混合熱に由来する激しい液温上昇により、結晶の微細粒子が凝集したり、あるいは結晶成長が促進されて粒子の粗大化につながるなど、品質上好ましくない場合がある。
また、この温度上昇により結果として高温の硫酸水が生じることになるので、ステンレス鋼などの一般的な化学プロセスで使用される材料でさえも腐食作用を受け、装置の寿命が短くなったり、あるいはハステロイやチタンなどの高級な耐蝕材料を使用しなければならない場合もある。
ここで、混合する前の銅フタロシアニンが溶解した濃硫酸及び貧溶媒として使用する水を予め冷却して混合後の温度上昇を所定の温度以下にとどめるという方策もあるが、低温の濃硫酸は極めて粘調で流動性が低く、粘度の低い水と混合した場合も均一に混ざり合わず、粒子径及び形状が不均一な銅フタロシアニンの結晶が生じるなどの問題もある。
上述のような晶析プロセスでは銅フタロシアニンが溶解した濃硫酸を適当な流動性を有する程度の温度に維持し、貧溶媒である水は低温に調節した後に混合し、さらに、混合に伴う混合熱によって生じる温度上昇を抑えるために、混合と同時に混合液を冷却することが好ましく、このような急冷晶析プロセスに、本発明による熱交換機構付のマイクロミキサーを用いることにより、製品品質上好ましい、より微細で均一な微粒子を得ることができる。
また、本発明による熱交換機構付のマイクロミキサーの反応プロセスへの利用例としては、有機金属試薬を用いる反応など、反応速度が速く、かつ、反応熱の生成を伴う高速発熱反応プロセスへの適用例を挙げることができる。
一般に有機金属試薬を用いる反応などは反応速度が極めて速く、かつ、反応熱も大きいため、発熱による温度上昇か激しく、通常は滴下式の回分式反応により、反応の進行を抑えて、温度上昇を抑制しながら操作する方式が用いられている。
しかしながら、反応の進行を抑えながらの合成法なので、反応工程に長時間を要することになり、生産コストの増大につながりやすいという問題がある。また、この合成方法では通常、攪拌槽などが用いられるが、反応速度が速いために原料が攪拌槽全体に均一に混ざり合わない場合もあり、その結果、局所的な反応が生じて、局所的な温度上昇とそれに伴う収率及び選択性の低下といった製品品質上問題となる結果に至る場合もある。
上記のような反応速度が速く、かつ、発熱を伴う反応プロセスにおける原料の混合にはマイクロミキサーが有効であると考えられるが、従来のマイクロミキサーは原料及び反応液の独立した温度制御ができないため、発熱による温度上昇の抑制は困難な場合もある。それに対して本発明の熱交換機構付マイクロミキサーは、混合前の原料を適当な温度に調節しながら、混合後の反応液を冷却して、発熱による温度上昇を抑制できるために、収率向上及び選択性向上に寄与できるので、製品品質上好ましい。
本発明によるマイクロミキサーの第1プレートの平面図。 図1に示した第1プレートの斜視図。 図1に示した第1プレートと対になる第2プレートの平面図。 図3に示した第2プレートの斜視図。 第1プレートと第2プレートとを積層する状態を模式的に示す斜視図。 第1プレートと第2プレートとを4段積層する状態を模式的に示す斜視図。 第1プレートと第2プレートとを4段積層し、さらに上カバープレートと下カバープレートを積層した状態を模式的に示す斜視図。 マイクロミキサーの外観を示す平面図。 他の実施形態における第1プレートの平面図(3流体混合)。 他の実施形態における第2プレートの平面図(3流体混合)。 他の実施形態における第1プレートの平面図(5流体混合)。 他の実施形態における第2プレートの平面図(5流体混合)。
符号の説明
1 第1プレート
2 流体流路
3 遮蔽壁
4 マイクロ孔
5 遮蔽壁
6 混合流体流路
7 混合流体出口
8 熱交換媒体流路
9 遮蔽壁
10 遮蔽壁
11 第2プレート
12 流体流路
13 遮蔽壁
14 熱交換媒体流路
15 遮蔽壁
16 熱交換媒体流路
17 遮蔽壁
18 遮蔽壁
19 遮蔽壁
20 上カバープレート
21 下カバープレート


Claims (3)

  1. 平面視した形状が同一である2種類のプレートを一組として、該一組のプレートが積層された構造を有するマイクロミキサーにおいて、
    (1)該一組のプレートのうちの第1プレートは、混合する流体のうち、第1の流体を通流させる流体流路と該流体流路内に第1の流体以外の流体を通流させるマイクロ孔を有すると共に、該第1の流体と該第1の流体以外の流体との混合液を通流させる混合流体流路を有し、かつ、該第1の流体以外の流体を熱交換するための熱交換媒体を通流させる熱交換媒体流路を有し、
    (2)該一組のプレートのうち他の第2プレートは、混合する流体のうち、該第1の流体以外の流体を通流させる流体流路と、該第1の流体を熱交換するための熱交換媒体を通流させる熱交換媒体流路、及び該混合流体を熱交換するための熱交換媒体を通流させる熱交換媒体流路を有し、
    (3)該第1プレート及び該第2プレートは、該第1の流体の該流体流路と該第1の流体を熱交換するための該熱交換媒体を通流させる該熱交換媒体流路の位置、該第1の流体以外の流体を通流させる該流体流路と該第1の流体以外の流体を熱交換するための該熱交換媒体を通流させる該熱交換媒体流路の位置、該混合流体流路と該混合流体を熱交換するための該熱交換媒体を通流させる該熱交換媒体流路の位置が、それぞれ上下方向で対応するように配置された位置であり、かつ、該第1の流体の該流体流路内に形成された該マイクロ孔を通じて、該第1の流体以外の流体が第1の流体と合流するように配置されている
    ことを特徴とするマイクロミキサー。
  2. 該1組のプレートが2組以上積層している請求項1に記載のマイクロミキサー。
  3. 該混合流体流路の出口が、流れ方向に従って縮流構造となっている請求項1又は2に記載のマイクロミキサー。


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