JP2007136411A - マイクロミキサー - Google Patents

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【課題】2種類以上の流体を所定の温度に調節する熱交換機構と、混合後の流体の圧力を該マイクロミキサー内部と出口以降で任意に調節できる背圧調節機構とを有するマイクロミキサーを提供する。
【解決手段】プレートが積層されてなるマイクロミキサー1であって、プレートは、混合する流体のいずれかが流通される流体経路11と、前記流体の熱交換を行う媒体が流通される媒体流路12と、流体流路11に連通してプレートの厚さ方向に貫通した貫通孔5とを有し、隣接する一対のプレートは、それぞれの貫通孔5が連通するように、かつ、一方のプレートの流体流路11及び媒体流路12と、他方のプレートの媒体流路12及び流体流路11とが積層されるように配置され、貫通孔5が連通されることにより流体混合部16が形成され、流体混合部16に、前記流体の流れ方向に移動可能な背圧弁17が備えられていることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明はマイクロミキサーに関し、さらに詳しくは、2種類以上の流体をマイクロミキサー内で加熱若しくは冷却して、所定の温度に調節した後に混合し、さらに背圧弁の開度を調節することにより、混合後の流体の圧力を該マイクロミキサー内部と出口以降で任意に制御可能な、熱交換機構および背圧調節機構を有するマイクロミキサーに関する。
化学反応を実施するための液体若しくは気体成分の混合や水溶液と油状物質の乳化、分散などを目的として各種の静止ミキサーが提案されており、この中でも混合する2種類以上の成分をマイクロマシニング技術で加工されたマイクロ流路内に導入する構造を有するマイクロミキサーが、効率的な混合・分散用静止ミキサーとして注目されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなマイクロミキサーは、混合若しくは分散する液体若しくは気体状の物質を流路幅が0.01mmから3mm程度のマイクロ流路内で微小な流体要素に分割し、しかる後に混合、分散する機構を有しているため、従来の静止ミキサーに比べて短時間で効率的な混合、分散が達成されることから、広範囲にわたる化学プロセスへの適用が検討されている。その一例として、化学反応を実施するためのマイクロミキサー(特許文献2)や微粒子を製造するためのマイクロ反応器(特許文献3)、マイクロ乳化器(特許文献4)が挙げられる。
特表平09−506034号公報(図1から図3) 特表平11−514573号公報(図1から図6) 特開2003−164745号公報(図1から図3) 特開2002−346352号公報(図1から図5)
しかしながら、これらの従来のマイクロミキサーは、同一の温度および同一の圧力での混合が前提となっているため、2以上の流体を任意の温度で混合し、かつ、混合後の流体に任意の差圧を持たせることにより、沸点以上の温度で液体を混合したり、混合後の流体の逆流を防止したりすることができなかった。
従来のマイクロミキサー出口に別途、背圧弁を設置するなどして、混合後の流体に圧力勾配をつけることも可能ではあったが、該マイクロミキサー出口と該背圧弁の間には多少なりとも間隔が開いているので、混合直後に差圧を持たせることは困難であった。
また、背圧機構付きのマイクロミキサーの使用が好適なプロセスとして、液状製品中に混入している微量の反応溶媒などの不純揮発成分を加圧下で高温水と混合して該不純物を高温水に移行させ、その後、減圧して高温水を気化させて水蒸気とし、該水蒸気とともに該不純揮発成分を除去するフラッシュ蒸留するプロセスが挙げられる。
例えば、エポキシ樹脂などの高粘度の液状ポリマーまたはオリゴマーを製造する際には、不要な揮発性の溶媒や微量の揮発性原料成分を除去する必要があるが、従来の回分式の減圧蒸留法や高温水と接触させて揮発性成分の除去を促進させる水蒸気蒸留法を用いても、数ppm程度までの除去が限界であった。ここで、背圧機構付きのマイクロミキサーを使用してフラッシュ蒸留することにより、揮発性成分の除去を効率的に行うことができるものである。このフラッシュ蒸留を行うマイクロミキサーにおいては、水を加圧して高温水にするためや、水蒸気の気化によって失われる気化熱のために操作温度が低下するのを防止する目的で加熱操作が必要であるため、熱交換機構を備えていることが好ましい。
このように背圧調節機構と熱交換機構の双方を有し、これを一体化したマイクロミキサーが求められていたが、従来のマイクロミキサーではこの要望に対応できず、例えば上記のフラッシュ蒸留プロセスや圧力および温度が精密に制御された環境での混合プロセスなどには適用できない場合もあった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、2種類以上の流体をマイクロミキサー内で加熱若しくは冷却して、所定の温度に調節する熱交換機構と、混合後の流体の圧力を該マイクロミキサー内部と出口以降で任意に調節できる背圧調節機構とを有するマイクロミキサーの提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、プレートが2以上積層されてなり、2種以上の流体を混合するためのマイクロミキサーであって、前記プレートは、混合する前記流体のいずれかが流通する流体経路と、前記流体の熱交換を行うための媒体が流通する媒体流路と、前記流体流路に連通するとともに前記プレートの厚さ方向に貫通した貫通孔とを有し、隣接する一対の前記プレートは、一方の前記プレートの前記貫通孔と他方の前記プレートの前記貫通孔とが連通するように、かつ、一方の前記プレートに形成された一の流体を流通する前記流体流路と他方の前記プレートに形成された前記媒体流路とが積層されるとともに、他方の前記プレートの他の流体を流通する前記流体流路と一方の前記プレートの前記媒体流路とが積層されるように配置され、前記貫通孔が連通されることにより、これら一の流体と他の流体とが混合される流体混合部が形成され、該流体混合部には、前記流体の流れ方向に沿って移動可能な背圧弁が備えられていることを特徴としている。
本発明のマイクロミキサーでは、従来のマイクロミキサーでは困難であった、精密な温度制御と同時に、混合直後の流体と該マイクロミキサー出口の間で任意の圧力差をつけることが可能となり、例えば液状製品中に混入している微量の反応溶媒などの除去すべき揮発成分を加圧下で高温水と混合して該揮発成分を高温水に移行させ、その後、減圧して高温水を気化させて水蒸気とし、該水蒸気とともに該揮発成分を除去するフラッシュ蒸留プロセスなどの構築が容易となる。
本発明の実施形態であるマイクロミキサーは、偶数枚の前記プレートが積層されて構成されたものである。この構成のマイクロミキサーによれば、同一形状をなすプレートを積層することで、流体流路とこれに隣接する媒体流路とがそれぞれ対になって配置されるため、混合する流体の熱交換を確実に行うことができる。
以下、本発明の実施例によるマイクロミキサー1について添付した図面を参照して説明する。本実施例に係るマイクロミキサー1は、流体Aと流体Bの2種類の流体を混合させるものである。
このマイクロミキサー1を構成するプレート2は、図1に示すように、概略長方形平板状をなしており、その長手方向中央部には、幅方向外側に膨らんだ幅広部3が形成されている。この幅広部3の中央部分には、プレート2の厚さ方向に凹んだ平面視円形をなす凹部4が形成されている。
この凹部4の中央には、プレート2の厚さ方向に貫通した断面円形をなす中央貫通孔5が穿設されている。この中央貫通孔5の縁部には、上方に凸となる環状凸部6が形成され、この環状凸部6には、外周側から内周側へ向けて延びる複数の排出溝7が形成されている。本実施例では、複数の排出溝7が周方向に等間隔に配置されており、すべての排出溝7が、内周面に向かうにしたがい径方向に対して所定角度をなすように傾斜して配列されている。
また、このプレート2の4つのコーナ部には、プレート2の厚さ方向に貫通し、断面円形をなす挿通孔8が、ひとつのコーナ部にひとつずつ穿設されている。これら4つの挿通孔8は、プレート2の長手方向の2等分線に対して対称に、かつ、プレート2の幅方向の2等分線に対しても対称に配置されている。この4つの挿通孔8のうちのひとつが、混合される流体が流通する流体連絡口9とされ、後述する流体流路11に連通されている。また、この流体連絡口9とプレート2の長手方向の2等分線に対して対称となる位置に配置された挿通孔8が、媒体が流通する媒体連絡口10とされ、後述する媒体流路12に連通されている。
このプレート2の表面のうち前記幅広部3の一端側から延びる表面には、混合される流体のいずれかが流通する流体流路11が形成され、前記幅広部3の他端側から延びる表面には、熱交換を行うための熱交換用媒体が流通する媒体流路12が形成されている。
流体流路11は、プレート2の表面を凹溝状に切り欠くことにより形成されており、その一端が前記流体連絡口9に連通されるとともに、他端がプレート2中央に形成された凹部4に連通され、プレート2表面を大きく蛇行するように形成されている。
また、媒体流路12は、プレート2表面に大きく広がる幅広溝13と、この幅広溝13の底面から屹立する複数の遮蔽壁14とからなり、本実施例では、図1に示すように、プレート2長手方向に延びる3つの遮蔽壁14が互いに平行に配置されている。この媒体流路12の一端は、コーナ部に穿設された前記媒体連絡口10に連通され、他端側は、前記凹部4がなす円の半周分を囲うように円弧状に形成されており、この円弧の両端部分にプレート2の厚さ方向に貫通した連絡孔15がそれぞれ穿設されている。
ここで、前記中央貫通孔5の中心及び媒体流路12に形成された2つの連絡孔15の中心は、プレート2の長手方向の2等分線上に並ぶように配置されている。
このプレート2は、ステンレス鋼によって構成されており、上述した流体流路11、媒体流路12及び凹部4等は、切削工具による切削加工、エッチング加工及び放電加工等によって成形される。ここで、プレート2の厚さは、熱交換効率及び混合効率の観点から、0.01mmから5mmの範囲が好ましく、同様に流体流路11、媒体流路12は、幅を0.01mm〜20mmの範囲とし、かつ、流路深さを0.005mm〜3mmの範囲とすることが好ましく、特に流路幅は0.02mm〜10mmとし、かつ、流路深さは0.01mm〜1mmとすることが好ましい。各遮蔽壁14の幅は、流体流路11等の幅と略同等〜略1/2程度とすること好ましい。
また、ステンレス鋼で構成されたプレート2は、拡散接合等によって接合することにより、プレート2同士を強固に接合でき、接合部分からの液モレを防止できる。
流体Aと流体Bの2種類の流体を混合させるマイクロミキサー1では、このようなプレート2が2枚1組として使用される。図2に示すように、流体流路11及び媒体流路12が形成された面が同一方向を向くように、かつ、一方のプレート2Aと他方のプレート2Bとが互い違いに180°回転させた状態で積層され、一方のプレート2Aの流体流路11の積層方向に隣接するように他方のプレート2Bの媒体流路12が配置され、また、他方のプレート2Bの流体流路11の積層方向に隣接するように一方のプレート2Aの媒体流路12が配置される。
このように積層することにより、一方のプレート2Aの中央貫通孔5と他方のプレート2Bの中央貫通孔5とが連通されるとともに、プレート2の長手方向の2等分線上に並ぶように配置された2つの連絡孔15も、一方のプレート2Aと他方のプレート2Bとで連通されることになる。
また、プレート2のコーナ部に形成された4つの挿通孔8が、プレート2の長手方向の2等分線に対して対称に、かつ、プレート2の幅方向の2等分線に対しても対称に配置されているので、積層した2つのプレート2の挿通孔8が一致することになる。ここで、一方のプレート2Aの流体連絡口9が他方のプレート2Bの挿通孔8に連通され、一方のプレート2Aの媒体連絡口10が他方のプレート2Bの挿通孔8に連通されるとともに、他方のプレート2Bの流体連絡口9が一方のプレート2Aの挿通孔8に連通され、他方のプレート2Bの媒体連絡口10が一方のプレート2Aの挿通孔8に連通される。
ここで、本実施例では、図3に示すように、2つのプレート2が積層されたプレート対が2組、つまり、第1プレート2Aa、第2プレート2Ba、第3プレート2Ab、第4プレート2Bbの4つのプレート2が積層されているのである。
これら4つのプレート2を積層することにより、それぞれの中央貫通孔5が連通されて、プレート2の厚さ方向に延びる流体混合部16が形成される。ここで、中央貫通孔5が断面円形であるためにこの流体混合部16も断面円形とされる。
この流体混合部16に、外形がニードル状をなして流体混合部16の内径よりも小さな外径を有する背圧弁17が挿入される。図4に本実施例で使用される背圧弁17を示す。図4(a)は背圧弁17の上面図であり、図4(b)は背圧弁17の側面図である。本実施例で使用される背圧弁17は、その外周面に螺旋溝18が形成されており、流体混合部16に供給された流体は、この螺旋溝18と流体混合部16の内壁面との間に形成された混合流体流通部を流通することになる。本実施例では、この混合流体流通部の幅は、プレート2に形成した流体流路11と同程度の幅とされ、具体的には0.01mm〜20mmの間に設定されている。
そして、図5に示すように、第4プレート2Bbの流体流路11等が構成された面に当接されるように出側カバー部材19が配置される。出側カバー部材19には、前記流体混合部16に挿通された混合流体排出口20が形成されている。この混合流体排出口20には、図8に示すように、第4プレート2Bbから離れるにしたがい漸次内径が小さくなるようなテーパ孔部21が形成され、このテーパ孔部21に、前記背圧弁17の先端部が配置される。
また、第1プレート2Aaの前記流体流路11等が構成されていない面に当接するように入側カバー部材22が配置される。この入側カバー部材22には、図5及び図6に示すように、第1プレート2Aaの流体連絡口9に連通された第1流体入口23と、第1プレート2Aaの挿通孔8のうち第2プレート2Baの流体連絡口9に連通されている挿通孔8に連通された第2流体入口24と、第1プレート2Aaの媒体連絡口10に連通された媒体入口25と、第1プレート2Aaの挿通孔8のうち第2プレート2Baの媒体連絡口10に連通されている挿通孔8に連通された媒体出口26とが形成されている。
この入側カバー部材22の第1プレート2Aaと当接された面の反対側には、図6及び図8に示すように、前記反対側に向けて突出して、前記流体混合部16に連通されるとともに前記背圧弁17が進退可能な内周孔28を有する円筒凸部27が形成されている。この円筒凸部27の外周面には雄ネジが形成されており、この雄ネジ部に、一端が閉止された底部を有するナット29が螺着されている。
背圧弁17の後端側にはスプリング30が配置されており、このスプリング30の一端がナット29の底部に押圧されており、ナット29の締め込み量を調整することにより、背圧弁17が流体混合部16内を移動し、出側カバー部材19のテーパ孔部21と前記背圧弁17との空隙の大きさが変化して、混合流体を排出する際の背圧が調整されるとともに、各プレート2の流体流路11内の圧力が調整されることになる。
また、この背圧弁17の後端側外周面には、流体混合部16を流通する混合流体の液漏れを防止するためのOリング31が備えられている。
このように構成されたマイクロミキサー1では、第1流体入口23から流体Aが、第2流体入口24から流体Bが、それぞれ供給される。すると、流体Aは、第1プレート2Aa及び第3プレート2Abの流体流路11を流通してそれぞれの中央貫通孔5へと排出され、流体Bは、第2プレート2Ba及び第4プレート2Bbの流体流路11を流通してそれぞれの中央貫通孔5へと排出される。
それぞれのプレート2の中央貫通孔5へと排出された流体A及び流体Bは、中央貫通孔5が連通して形成された流体混合部16の内壁面と背圧弁17の螺旋溝18との間に形成された混合流体流通部を流通しながら混合され、出側カバー部材19の混合流体排出口20から、流体Aと流体Bの混合流体が排出される。
このとき、入側カバー部材22の媒体入口25から熱交換用媒体が供給されると、熱交換用媒体は、第1プレート2Aa及び第3プレート2Abの媒体連絡口10から媒体流路12を流通した後に、連絡孔15を通じて第2プレート2Ba及び第4プレート2Bbの媒体流路12へと供給され、第2プレート2Ba及び第4プレート2Bbの媒体連絡口10を通じて入側カバー部材22の媒体出口26から外部へ排出される。
本実施例であるマイクロミキサー1によれば、熱交換用媒体及び混合する流体A、流体Bを流通させることによって、混合される流体A、流体Bはそれぞれを流通させるプレート2において、該プレート2の積層方向に隣接するプレート2を流通する熱交換用媒体によって熱交換されるので、流体A及び流体Bの温度を所定温度に保持した状態で流体の混合を行うことができる。
ここで、流体流路11がプレート2表面を大きく蛇行するように配置されるとともに、媒体流路12がプレート2表面に大きく広がる幅広溝13と、この幅広溝13の底面から屹立する複数の遮蔽壁14とから構成されているので、積層方向に隣接するプレート2同士の流体流路11及び媒体流路12との接触面積を確保することができ、効率良く熱交換を行うことができる。
また、流体Aを流通する第1プレート2Aa及び第3プレート2Abと、流体Bを流通する第2プレート2Ba及び第4プレート2Bbとが、それぞれ交互に配置されているので、流体混合部16において流体Aと流体Bとが互い違いに合流することになり、流体Aと流体Bとの混合を促進させることができる。
また、ナット29を締め付けたり緩めたりすることにより、混合流体を排出する際の背圧及び各プレート2の流体流路11内の圧力を調整することができるので、混合する流体A及び流体Bの粘性係数等の物性値を考慮して、流体流路11内を所定の圧力に維持することができる。
例えば、ナット29の締め付け量を調整して、流体流路11内の圧力と混合流体排出口20での圧力とに大きな圧力勾配を取ることにより、混合後の流体に大きな縮流効果を作用させて、流体Aと流体Bとの混合をさらに促進させることができる。
また、各プレート2の中央貫通孔5の縁部に環状凸部6が形成され、この環状凸部6の外周側から内周側へ向けて径方向に対して傾斜する方向に延びる複数の排出溝7が形成されているので、流体が中央貫通孔5へと排出される際に、流体に旋回流が生じることになる。さらに、背圧弁17の外周に螺旋溝18が形成されており、中央貫通孔5へと排出された流体は、この螺旋溝18と流体混合部16の内壁面との間に形成された混合流体流通部を流通することになる。
よって、この螺旋溝18に沿った旋回流も生じることになる、流体A及び流体Bの混合を一層促進させることができる。
また、流体混合部16と混合流体排出口20との間で任意の圧力差をつけることが可能となるため、例えば、液状製品中に混入している微量の反応溶媒などの除去すべき揮発成分を加圧下で高温水と混合して該揮発成分を高温水に移行させ、その後、減圧して高温水を気化させて水蒸気とし、該水蒸気とともに該揮発成分を除去するフラッシュ蒸留プロセス等に使用することができる。
したがって、例えば、エポキシ樹脂などの高粘度の液状ポリマーまたはオリゴマーの製造において、揮発性溶媒や揮発性原料成分をppb以下レベルまで除去することができ、高品質の製品を製造することができる。
以上、本発明の実施例であるマイクロミキサー1について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、混合する流体を流体Aと流体Bの2種類とし、2枚のプレート対を2層、合計4枚のプレート2を積層したものとして説明したが、これに限定されることはなく、2枚のプレート対を1層あるいは3層以上積層したものであっても良く、その混合する流体A及び流体Bの処理量に応じて積層数を調整することが好ましい。
また、混合する流体の種類も流体A及び流体Bの2種類に限定されることはなく、例えば、混合する流体数が4種類であっても良い。この場合には、図9に示すように、6つの挿通孔8を有するプレート2を4枚1組として使用すれば良い。第1プレート2Aに流体Aを、第2プレート2Bに流体Bを、第3プレート2Cに流体Cを、第4プレート2Dに流体Dを流通させ、6つの挿通孔8のうちの4つをそれぞれの流体の流体連絡口9とする。そして、残りの2つの挿通孔8を媒体連絡口10として使用することで、このマイクロミキサーに流体A、流体B、流体C、流体Dおよび熱交換用媒体を流通させることができ、これら4つの流体を熱交換しながら混合することができる。
同様にして、混合する流体が3種類または5種類以上であっても本発明の熱交換機構および背圧調節機構を有するマイクロミキサー1を提供することができる。ただし、積層するプレート2の数が奇数の場合には、熱交換効率が不十分となる可能性があるため、偶数枚積層することが好ましい。また、混合する流体が奇数である場合に、プレート2を偶数枚積層させて、そのうちの1つのプレート2の流体流路11に流体を流通させないように使用しても良い。
また、背圧弁17として、外周面に螺旋溝18を形成したもので説明したが、これに限定されることはなく、背圧弁17の外周面と流体混合部16の内壁面との間に空隙が形成されるものであれば良い。背圧弁17の他の例を図10及び図11に示す。これらの図において(a)は背圧弁の上面図であり(b)は背圧弁の側面図である。図10に示す背圧弁は、先端に向けて縮径するような概略円錐状をなすものであり、また、図11に示す背圧弁は、概略四角柱状をなすものであり、これら円錐及び四角柱の外周面と流体混合部16の内壁面との間に空隙が形成されるように構成されている。
さらに、プレート2をステンレス鋼で構成したものとして説明したが、プレート2の材質に制限はなく、セラミックスや合成樹脂等で構成されていてもよく、流通する流体に対する耐久性等を考慮して選択することが好ましい。
また、マイクロミキサー1の各部位のサイズについても、本実施例に限定されることはなく、流体の性質や処理量によって適宜設定することができる。
また、流体流路11や媒体流路12の形状についても制限はなく、混合する流体や熱交換用媒体を流通できるものであれば良く、遮蔽壁14や流路の側壁を例えば円柱状の突起で構成しても良い。複数の円柱状の突起を配置する場合には、これら突起同士の間隔は、0.01mmから20mmの範囲内とすることが好ましい。
さらに、中央貫通孔5を断面円形のものとして説明したが、これに限定されることはなく、四角形孔などであっても良い。また、中央貫通孔5の縁部に環状凸部6を形成したもので説明したが、このような環状凸部6が形成されていなくても良い。
本発明の実施例であるマイクロミキサーを構成するプレートを示す斜視図である。 図1に示すプレートを2枚積層させたプレート対を示す斜視図である。 図2に示すプレート対を2組積層させた状態を示す斜視図である。 本発明の実施例であるマイクロミキサーに備えられた背圧弁を示す上面図及び側面図である。 本発明の実施例であるマイクロミキサーの組立図である。 本発明の実施例であるマイクロミキサーを入側カバー部材側から見た斜視図である。 本発明の実施例であるマイクロミキサーを出側カバー部材側から見た斜視図である。 本発明の実施例であるマイクロミキサーの断面図である。 4種類の流体を混合するためのマイクロミキサーを構成するプレートの積層状態を示す斜視図である。 本発明の実施例であるマイクロミキサーに適用される背圧弁の他の例を示す上面図及び側面図である。 本発明の実施例であるマイクロミキサーに適用される背圧弁の他の例を示す上面図及び側面図である。
符号の説明
1 マイクロミキサー
2 プレート
5 中央貫通孔(貫通孔)
11 流体流路
12 媒体流路
16 流体混合部
17 背圧弁

Claims (2)

  1. プレートが2以上積層されてなり、2種以上の流体を混合するためのマイクロミキサーであって、
    前記プレートは、混合する前記流体のいずれかが流通する流体経路と、前記流体の熱交換を行うための媒体が流通する媒体流路と、前記流体流路に連通するとともに前記プレートの厚さ方向に貫通した貫通孔とを有し、
    隣接する一対の前記プレートは、一方の前記プレートの前記貫通孔と他方の前記プレートの前記貫通孔とが連通するように、かつ、一方の前記プレートに形成された一の流体を流通する前記流体流路と他方の前記プレートに形成された前記媒体流路とが積層されるとともに、他方の前記プレートの他の流体を流通する前記流体流路と一方の前記プレートの前記媒体流路とが積層されるように配置され、
    前記貫通孔が連通されることにより、これら一の流体と他の流体とが混合される流体混合部が形成され、該流体混合部には、前記流体の流れ方向に沿って移動可能な背圧弁が備えられていることを特徴とするマイクロミキサー。
  2. 偶数枚の前記プレートが積層されて構成されている請求項1に記載のマイクロミキサー。
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