JP2007190505A - マイクロ流体デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な構成で高いシール性を得ることができるマイクロ流体デバイスを提供すること。
【解決手段】本発明のマイクロ流体デバイスは、互いに嵌合し合うテーパー部20及びテーパー穴部30を有する流路形成部材2、3どうしの間に流体の流路4、5が配されている。流路4、5が流路形成部材2、3どうしの嵌合範囲内に配されている。流路形成部材2、3どうしが焼き締め又は冷やし締めにより嵌合されていることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のマイクロ流体デバイスは、互いに嵌合し合うテーパー部20及びテーパー穴部30を有する流路形成部材2、3どうしの間に流体の流路4、5が配されている。流路4、5が流路形成部材2、3どうしの嵌合範囲内に配されている。流路形成部材2、3どうしが焼き締め又は冷やし締めにより嵌合されていることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、化学反応等の各種の処理が流路内で行われるマイクロ流体デバイスに関する。
近年、微小流路を有するマイクロ流体デバイス内で化学反応等の各種の処理を行って物質の合成や分析等のプロセスに応用するマイクロプロセス技術に関する種々の提案がなされている。斯かるマイクロプロセス技術に関する技術として、例えば、下記特許文献1に記載のマイクロリアクターに関する技術が知られている。この技術は、外周面にネジ溝を設けた芯部材を外筒部材に密着嵌合させ、さらにこれらの部材の両端部を蓋部材で塞いで流路を形成したものである。
ところで、この技術は、上述のように、芯部材と外筒部材の両端部を蓋部材で塞いだ構成としているため、形成された流路が芯部材と外筒部材の両端部まで達してしまい、シール性を向上させるためには、蓋部材の盤面と芯部材及び外筒部材の端面との間に高い密閉性が要求され、それらの表面加工に高い精度が必要とされる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡便な構成で高いシール性を得ることができるマイクロ流体デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、互いに嵌合し合うテーパー部及びテーパー穴部を有する流路形成部材どうしの間に流体の流路が配されているマイクロ流体デバイスであって、前記流路が前記流路形成部材どうしの嵌合範囲内に配されているマイクロ流体デバイスを提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明において、流路形成部材どうしの嵌合範囲内とは、嵌合によって流路形成部材どうしが互いに接触した接触面内を意味している。
ここで、一般的には嵌合とは形状が合ったものを嵌め合わせることをいう(特許技術用語委員会編、「特許技術用語集」、日刊工業新聞社)。本願明細書においても、形状が合った流路形成部材を嵌め合わせることをいい、嵌め合わせた際に流路形成部材間に隙間があっても、隙間がなくても良い。流路に流す流体の粘度が高く、流体を流すための圧力が低い場合には、隙間があっても問題がないからである。また、隙間がない場合には流路形成部材間に“締めしろ”がある状態となっており、本実施形態で記している焼き締め又は冷やし締め等で嵌合させる。このような場合には、高い圧力で流体を流しても、良好なシール性を得ることができる。なお、隙間や締めしろの大きさはJIS B 0401で規定している内容に準じる。
本発明のマイクロ流体デバイスによれば、簡便な構成で高いシール性を得ることができる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明のマイクロ流体デバイスを二流体の反応処理用のデバイスに適用した一実施形態を模式的に示すものである。これらの図において、符号1はマイクロ流体デバイス(以下、単にデバイスともいう。)を示している。
図1及び図2は、本発明のマイクロ流体デバイスを二流体の反応処理用のデバイスに適用した一実施形態を模式的に示すものである。これらの図において、符号1はマイクロ流体デバイス(以下、単にデバイスともいう。)を示している。
図1に示すように、本実施形態のデバイス1は、互いに嵌合し合うテーパー部20を有するコア(一方の流路形成部材)2とテーパー穴部30を有するカラー(他方の流路形成部材)3の間に螺旋状の流体の流路4、5が配されており、流路4、5がコア2とカラー3との嵌合範囲内に配されている。本実施形態においては、コア2とカラー3の嵌合範囲とは、嵌合によってコア2とカラー3とが互いに接触した接触面内を意味しており、図1においてカラー3の長さL3で表された範囲である。なお、上記流路4、5は互いに接触しないように設けられている。
本実施形態では、流路形成部材どうしが焼き締めにより嵌合されており、加熱したカラー3にコア2を装入した後、カラー3を冷却することで、高い密着嵌合性を得ている。焼き締めを施す部分は、コア2とカラー3の流路を構成する溝を形成する範囲に応じて設定される。
コア2及びカラー3は線膨張係数が同じ材料で構成することが好ましい。これにより、温度変化にかかわらずコア2とカラー3の高い密着嵌合性が維持される。
コア2及びカラー3の材質は、デバイスを適用する反応等使用条件に応じて選択される。好ましい材質としては、アルミニウム、鉄(鋼を含む)、ステンレス、チタン等や各種合金等の金属材料、セラミックス、ガラス等の非金属材料等が挙げられる。
互いに嵌合するコア2とカラー3の表面性はJIS B 0601で規定している中心線平均粗さRaで評価される。中心線平均粗さRaが6.3μm以下(仕上げ記号で三角2個)であることが好ましく、1.6μm以下(仕上げ記号で三角3個)であることがより好ましく、0.2μm以下(仕上げ記号で三角4個)であることがさらに好ましい。
コア2のテーパー部20のテーパー角度θ(基準テーパー角度)は、流路の長さ、デバイス1のサイズに応じて設定することができる。テーパー角度θは、デバイス1の大きさを考慮すると、0.1〜45度が好ましく、1〜30度がより好ましい。カラー3のテーパー穴部30の角度は、テーパー部20のテーパー角度に合わせて設定される。ここで、テーパー角度θは図2に示すように、コア2の軸中心線を基準線とした場合のコア2の稜線との角度をいう。
本実施形態では、コア2のテーパー部20の外周面200に流路4を構成する螺旋状の溝21が設けられており、カラー3のテーパー穴部30の内周面300に流路5を構成する螺旋状の溝31が設けられている。溝21、31の各寸法は、デバイス1の大きさを考慮すると、幅は0.005mm〜2mmが好ましく、0.1mm〜1mmがより好ましい。また、深さは0.001mm〜2mmが好ましく、0.05mm〜1mmがより好ましい。よって断面積は0.000005mm2〜4mm2が好ましく、0.005mm2〜1mm2がより好ましい。溝21、31の長さは、反応させる流体の種類や反応時間等により適宜選択することができるが、コア2とカラー3の嵌合範囲の表面積に対する流路投影面積の割合は、デバイス1の大きさを考慮すると、1%以上90%以下が好ましく、5%以上60%以下がより好ましい。
コア2の両端部には、外部と前記流路4とを連通させる連通路22〜24が設けられている。カラー3には、外部と前記流路5とを連通させる連通路32、33が設けられている。
本実施形態のデバイス1では、連通路32から熱媒体としての流体が供給され、連通路33から排出される。この流体が流路5を通過する間にその熱が伝達されて流路4内の流体に伝えられる。一方、連通路22、23からは二種類の反応用の流体が供給され、これらの流体が流路4で反応し、反応を終えた流体が連通路24から排出される。
以上説明したように、本実施形態のデバイス1は、嵌合されたコア2とカラー3の二部材の簡便な構成であるため、混合による反応と温度調整の二つの機能を備えているにも関わらず小型化が可能である。また、流路4、5が何れもコア2とカラー3の嵌合範囲内に配されており、また、同じ材料で焼き締めによって嵌合されているので、1μm以下といった高い加工精度を必要とせずに1MPa以上の高圧下においても高いシール性を得ることができる。さらに、本発明の技術を使用すると、上述のコアとカラーの表面性が中心線平均粗さRaで0.2μm以下の場合には、さらなる高いシール性を得ることができる。また、テーパー部20とテーパー穴部30とで嵌合されているので、位置決めも容易に行うことができる。嵌合方法としては、焼き締め又は冷やし締めによる嵌合の他、一般的なネジを用いた簡便な締め付け方法による嵌合も採用することができる。
本発明は、前記実施形態に何ら制限されない。
例えば、前記実施形態では、流路形成部材は、2部材を嵌合させるようにしたが、3部材以上を嵌合させてそれらの間に流路を形成してもよい。
例えば、前記実施形態では、流路形成部材は、2部材を嵌合させるようにしたが、3部材以上を嵌合させてそれらの間に流路を形成してもよい。
また、前記実施形態では、流路形成部材どうしを焼き締めによって嵌合させたが、冷やし締めによって嵌合させることもできる。例えば、予め冷却したコアをカラーに挿入した後、コアを膨張させてもよい。
また、前記実施形態では、嵌合させる流路形成部材を同じ線膨張係数で構成したが、デバイスの分解をし易くしてメンテナンスを容易にする上で、流路形成部材を線膨張係数の異なる材料で構成することもできる。
また、前記実施形態では、反応用の流体と温度調整用の流体の何れの流路もコアとカラーの間に配したが、例えば図3に示す実施形態のデバイス1’のように、反応用の流体の流路4を、コア2の外周面20とカラー3の溝31とで構成してコア2とカラー3との間に配し、温度調整用の流体の流路25、26をコア2の内部に配することもできる。また、反応用の流体の流路を、多重螺旋状のように複数の流路でコアとカラーの間に配することもできる。また、温度調整用の流体の流路を設けずに、カラーの外側に面状のシート状(或いはリボン状)のヒーターを配してもよい。
また、嵌合範囲内に配する流路の配設形態、断面形状、断面積及び長さは適用する処理に応じて任意に設定される。流路の配設形態としては、前記実施形態のような螺旋状のほか、例えばクランク状、直線状、又はこれらの組み合わせとすることもできる。また、流路の断面形状としては、前記実施形態のような矩形断面の他、例えば三角形、半円形等の形態が挙げられる。
また、前記実施形態では、デバイスを二流体の反応に適用したが、嵌合範囲内に配する流路の配設形態によって、これ以外の各種の反応、混合、分離、吸着、分配、抽出、希釈、濃縮、熱交換(加熱・冷却)又はこれらの組み合わせ等の各種の処理を行うこともできる。
また、コア2とカラー3とをより一体化させたい場合には、コア2の端部の外周面とカラー3の端部の内周面とに互いに螺号するネジ溝を設けてこれらを螺号させる手法や、コア2にその内部を貫く挿通孔を設けるとともに、カラー3の下端部に雌ねじを有する座板(図示せず)を配し、前記挿通孔に挿通させたボルトを前記座板の前記雌ねじに螺号させる手法等の締結手法を採用することができる。コアとカラーとを互いに螺号させる場合には、テーパー部に連続する円柱状部やこの円柱状部に対応するようにカラーのテーパー穴部に連通させて穴を設けておきこれらの部分にネジ溝を設けることが好ましい。
また、図1及び図3に示した実施形態では、コアの長さをカラーの長さより長くしているが、使用条件によりコア及びカラーの長さは適宜選択することができる。
1 1’ マイクロ流体デバイス
2 コア(一方の流路形成部材)
20 テーパー部
200 外周面
21 溝
22、23、24 連通路
25、26 流路
3 カラー(他方の流路形成部材)
30 テーパー穴部
300 内周面
31 溝
32、33 連通路
4、5 流体の流路
2 コア(一方の流路形成部材)
20 テーパー部
200 外周面
21 溝
22、23、24 連通路
25、26 流路
3 カラー(他方の流路形成部材)
30 テーパー穴部
300 内周面
31 溝
32、33 連通路
4、5 流体の流路
Claims (4)
- 互いに嵌合し合うテーパー部及びテーパー穴部を有する流路形成部材どうしの間に流体の流路が配されているマイクロ流体デバイスであって、
前記流路が前記流路形成部材どうしの嵌合範囲内に配されているマイクロ流体デバイス。 - 前記流路形成部材どうしが焼き締め又は冷やし締めにより嵌合されている請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
- 前記テーパー部の外周面又は/及び前記テーパー穴部の内周面に、前記流路を構成する溝が設けられている請求項1又は2に記載のマイクロ流体デバイス。
- 前記流路が複数配されている請求項1〜3の何れかに記載のマイクロ流体デバイス。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
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-
2006
- 2006-01-20 JP JP2006011950A patent/JP2007190505A/ja active Pending
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