JP2004089748A - 化学反応装置及び燃料電池システム並びにその製造方法 - Google Patents

化学反応装置及び燃料電池システム並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロリアクタに用いる薄膜ヒータ及び配線電極等の形成面に被覆される保護膜を良好に平坦化するとともに、配線電極の上面を保護膜から露出させた化学反応装置及びその製造方法を提供し、これにより、装置規模が小型化された化学反応装置を、燃料供給装置等に適用した燃料電池システムを提供する。
【解決手段】マイクロリアクタは、主基板10の一面側に形成され、閉止基板30により開放端が閉止された反応流路20と、主基板10の他面側に、上記反応流路20の形成領域に対応して形成された金属酸化膜又は金属窒化膜からなる薄膜ヒータ40と、薄膜ヒータ40上に積層形成され、少なくとも上面が金(Au)により構成された配線電極50と、該配線電極50の上面領域を除く、上記薄膜ヒータ40を含む主基板10上の領域を被覆するように形成された酸化物系や窒化物系の絶縁性保護膜60と、を有して構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学反応装置及び燃料電池システム並びにその製造方法に関し、特に、微小基板に形成された反応流路における触媒反応により、水素ガス等の所望の流体物質の生成が可能な化学反応装置及び該化学反応装置を備えた燃料電池システム、並びに、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化学反応工学の分野においては、流体化された混合物質を反応流路(チャネル)内に設けられた触媒による化学反応(触媒反応)により、所望の流体物質を生成する化学反応装置(「流路反応器」、又は、「チャネルリアクタ」ともいう)が知られている。
【0003】
近年、このような化学反応装置の技術分野に、集積回路等の半導体デバイス製造分野等で蓄積された微細加工技術(マイクロテクノロジー)をはじめとする、いわゆる、マイクロマシン製造技術を適用して、例えば、単一のシリコンチップ上の微小空間にミリメートルオーダー又はミクロンオーダーの混合器や反応流路、分析器等の各種機能要素を集積化したマイクロリアクタ(又は、「マイクロチャネルリアクタ」ともいう)の研究開発が活発に行われている。
【0004】
ここで、マイクロリアクタにおける主要な構成である反応流路部について、図12を参照して簡単に説明する。
マイクロリアクタの反応流路部は、概略、図12(a)、(b)、(c)に示すように、シリコン等の微小な主基板10pの一面側にフォトエッチング技術等を用いて、例えば、ミクロンオーダーの幅及び深さを有する溝部からなる反応流路(マイクロチャネル)20pを形成し、該反応流路20pの内壁面(側壁面あるいは底面等)に所定の触媒21pを付着形成した後、該主基板10pの一面側に、上記反応流路20pの開放部(上記溝部の開放端)を閉止するようにガラス等の閉止基板30pを接合した構成を有している。
【0005】
特に、マイクロリアクタにおける化学反応(触媒反応)が所定の熱条件による吸熱反応を伴う場合には、化学反応時に反応流路20p(詳しくは、触媒21p)に特定の熱量を供給するために、例えば、図12(b)、(c)に示すように、主基板10pの他面側(閉止基板30pとの接合側とは反対側)に、例えば、上記反応流路20pの形状(形成領域)に対応して、蛇行した形状にパターニング形成された発熱抵抗体等からなる薄膜ヒータ40pと、該薄膜ヒータ40pの上層であって、例えば、薄膜ヒータ40pの平面形状の両端部に沿って形成されたヒータ配線50pを備えた構成が適用される。ここで、図中、51pは、図示を省略したヒータ電源と電気的に接続するための電極パッドであって、例えば、ヒータ配線50の端部等の所定の位置に設けられる。
【0006】
なお、図12(a)、(c)においては、反応流路20p及び薄膜ヒータ40pの形状を明確にするために、便宜的にハッチングを施して示した。また、図12においては、マイクロリアクタ(化学反応装置)の側部に反応流路20pへの流体物質の導入部20a及び排出部20bを設けた構成を示したが、主基板10p又は閉止基板30pに対して垂直方向(すなわち、図12(a)、(c)において、紙面に垂直方向)に上記導入部20a及び排出部20bが設けられた構成であってもよい。
【0007】
このような概略構成を有するマイクロリアクタにおいて、例えば、メタノールと水からなる原料物質を気化した流体物質(混合ガス)を上記反応流路20pの導入部20a側から導入するとともに、図示を省略したヒータ電源により薄膜ヒータ40pに所定の電圧を印加して加熱し、反応流路20pが所定の温度となるように熱エネルギーを供給することにより、反応流路20p内に付着形成された触媒21pによる吸熱触媒反応が生じて、水素ガスと少量の二酸化炭素等が生成され(メタノール水蒸気改質反応)、反応流路20pの排出部20bから排出される。なお、メタノール等のアルコール系原料から上述したような水蒸気改質反応により水素ガスを生成する技術は、近年、実用化に向けての研究開発が目覚ましい燃料改質型の燃料電池システムにおける燃料(水素)供給装置にも適用される技術である。
【0008】
そして、このようなマイクロリアクタにおいては、反応流路の構成を微細化することにより、次に示すような種々の利点が得られるという特徴を有している。(1)反応流路における反応容積が小さくなるので、反応流路の表面積と体積との比(表面積/体積比)が大きくなり、触媒反応時の熱伝導特性が向上して、上述したような化学反応の反応効率が改善されるという利点がある。
【0009】
(2)また、反応流路の径(断面形状のサイズ)が小さくなるので、混合物質を構成する反応分子の拡散混合時間が短くなり、反応流路内における触媒反応の進行速度(反応速度)が向上するという利点がある。
(3)さらに、マイクロリアクタ自体が小型であるので、大型炉を製造するときに適用されるような、小型実験炉での検証結果に合わせた段階的なスケールアップ(装置規模の大型化や流体物質の生成能力の向上)に伴う煩雑な反応工学的な検討が不要になるという利点がある。
なお、マイクロリアクタの具体的な構成例については、後述する発明の実施の形態において詳しく説明する。
【0010】
ところで、上述したようなマイクロリアクタに適用される薄膜ヒータ40p及びヒータ配線50pの具体的な断面構造は、例えば、図13に示すように、シリコン等の主基板10pの他面側(図13では上面側;図12(b)では下面側に相当)の所定の領域に、酸化物や窒化物等の抵抗体材料からなる薄膜ヒータ40pが設けられ、該薄膜ヒータ40pの所定の領域(図12においては、矩形状の平面形状を有する薄膜ヒータ40pの両端部に沿って)上に低抵抗の配線材料からなるヒータ配線50pが積層され、少なくともヒータ配線50p及び薄膜ヒータ40pを被覆(図13においては、主基板10p上も被覆)して保護する絶縁性の保護膜60pが設けられた構成を有している。
【0011】
ここで、主基板10pの特定の面(薄膜ヒータ40pやヒータ配線50pが形成された面)に、上述したような保護膜60pを形成する場合、従来においては、保護膜60pが単に電気的な絶縁や物理的な保護を目的として設けられるにすぎないため、例えば、図14(a)に示すように、ヒータ配線50p及び薄膜ヒータ40p上に略一定の膜厚を有する薄膜を形成していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術におけるマイクロリアクタにおいて、ヒータ配線及び薄膜ヒータ等が形成された基板表面を、略一定の膜厚を有する薄膜により被覆する場合、基板表面の段差が小さく、かつ、段差間の間隔が狭い場合には、保護膜材料により段差間の凹部が埋まり表面段差の発生が抑制されるので、比較的良好な表面平坦性を得ることができるが、上記段差が大きく、かつ、段差間の間隔も広い場合には、本来、保護膜材料を埋め込むべき凹部のみならず、凸部表面にも保護膜材料が積層されてしまい、均一な表面平坦性を得ることが極めて困難であるという問題を有していた。
【0013】
そこで、図14(b)に示すように、ヒータ配線50p及び薄膜ヒータ40pを含む基板表面を比較的厚く形成された保護膜材料により被覆する断面構造が考えられるが、膜厚を厚くしつつ、良好な表面平坦性を実現することは製造プロセス上、条件設定が厳しく、かつ、繁雑な操作を必要とする等の問題を有している。
そのため、上述したようなマイクロリアクタを、例えば、他の周辺部材へ接合する場合や、複数のマイクロリアクタ相互を積層化する場合等に、薄膜ヒータ及びヒータ配線の形成面を良好に平坦化することが困難となり、各構成間に無駄な隙間が発生して、薄膜ヒータから上記反応流路以外の領域や空間へ放出される熱エネルギーが増加することにより、熱伝導効率が低下するという問題を有している。また、保護膜の表面平坦性が良好でない場合において、保護膜上にさらに配線層等を形成する場合、当該配線層等に膜厚のばらつきや断線が発生する可能性があるという問題も有している。
【0014】
さらに、保護膜上にさらに配線層等を形成する場合や、複数のマイクロリアクタ相互を積層化して電気的な接続を行う場合等において、各配線層間、もしくは、各マイクロリアクタ間の電気的な接続を、積層構造の上下方向で行う構成が適用可能であれば、各層ごとに接続用の配線を引き出すためのスペース(図12(c)におけるヒータ配線50p及び電極パッド51pの引出構造参照)等を省略して装置規模の小型化を図ることができるが、そのためには、電極層上に形成された保護膜に開口部等を設けて導電性材料を埋め込む構成や、電極層の上面を保護膜から露出させた構成を適用する必要がある。
しかしながら、前者の構成においては、製造プロセスの増加を招くとともに、装置規模の省スペース化や小型化に制約が生じるという問題を有し、また、後者の構成においては、基板表面の平坦性を向上させつつ、電極層の上面のみを良好に露出させることができる簡易な製造プロセスが未だ開発されていないという問題を有している。
【0015】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、マイクロリアクタに用いる薄膜ヒータ及び配線電極等の形成面に被覆される保護膜を良好に平坦化するとともに、配線電極の上面を保護膜から露出させた化学反応装置及びその製造方法を提供することを第1の目的とし、このような装置規模の省スペース化や小型化が可能な化学反応装置を、燃料供給装置等に適用した燃料電池システムを提供することを第2の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の化学反応装置は、少なくとも連続的に形成された反応流路を有し、該反応流路内で第1の流体物質を第2の流体物質に変換する化学反応を生じる化学反応装置において、前記反応流路を含む領域に対応して形成され、前記反応流路に所定の熱量を供給する温度調整層と、該温度調整層の所定の領域に形成され、前記温度調整層において前記熱量を発生させるための電力を供給する配線電極と、前記配線電極の上面高さを基準として、少なくとも前記配線電極の上面を露出させるとともに、前記温度調整層を含む領域に所定の平坦性を有するように形成された絶縁性の保護膜と、を備えることを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の化学反応装置は、請求項1記載の化学反応装置において、前記配線電極は、少なくとも該配線電極の上面が、前記保護膜の形成材料に対して非付着性を有するように形成されていることを特徴としている。
請求項3記載の化学反応装置は、請求項2記載の化学反応装置において、前記配線電極は、前記温度調整層に対して、高い付着性を有する導電性材料からなる単一の電極層により構成されていることを特徴としている。
請求項4記載の化学反応装置は、請求項3記載の化学反応装において、前記温度調整層膜は、タングステンを含有する合金からなる発熱抵抗体であり、前記単一の電極層は、金、及び、金を含有する合金の中から選択された材料からなることを特徴としている置。
【0018】
請求項5記載の化学反応装置は、請求項2記載の化学反応装置において、前記配線電極は、少なくとも、前記温度調整層に直接接触し、該温度調整層に対して高い付着性を有する導電性材料からなる第1の電極層と、前記第1の電極層の上層であって、前記保護膜形成材料に対して非付着性を有する導電性材料からなるとともに、前記配線電極の上面を構成する第2の電極層と、を含んで形成された積層構造を有していることを特徴としている。
請求項6記載の化学反応装置は、請求項5記載の化学反応装置において、前記第1の電極層は、前記第2の電極層に覆われない領域を有することを特徴としている。
【0019】
請求項7記載の化学反応装置は、請求項5又は6記載の化学反応装置において、前記第1の電極層は、タングステン、モリブデン、タンタル、タングステンを含有する合金、モリブデンを含有する合金、タンタルを含有する合金の中から選択された材料からなり、前記第2の電極層は、金、及び、金を含有する合金の中から選択された材料からなることを特徴としている。
請求項8記載の化学反応装置は、請求項5乃至7のいずれかに記載の化学反応装置において、前記温度調整層膜は、酸化物系材料もしくは窒化物系材料からなる発熱抵抗体であることを特徴としている。
請求項9記載の化学反応装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の化学反応装置において、前記保護膜は、酸化物系もしくは窒化物系の保護膜形成材料からなる絶縁性膜であることを特徴としている。
【0020】
請求項10記載の化学反応装置は、請求項1乃至9のいずれかに記載の化学反応装置において、前記保護膜は、少なくとも、前記温度調整層を含む領域に塗布した前記保護膜形成材料に対して、少なくとも、第1の温度で第1の時間保持して前記保護膜形成材料の表面を平坦にした後、前記第1の温度から第2の温度へ第1の温度上昇率で昇温して前記保護膜形成材料の溶剤を蒸発させる第1の昇温領域と、前記第2の温度から第3の温度へ第2の温度上昇率で昇温して膜形成反応を生じさる第2の昇温領域と、を有して得られたものであり、前記第1の温度上昇率は、前記第2の温度上昇率より小さく設定されていることを特徴としている。
【0021】
請求項11記載の化学反応装置は、請求項10記載の化学反応装置において、前記保護膜は、前記第1及び第2の昇温領域に加え、第4の温度で第2の時間保持して焼成することにより得られたものであることを特徴としている。
請求項12記載の化学反応装置は、請求項10記載の化学反応装置において、前記第1の昇温領域は、少なくとも、前記第1の温度上昇率より小さい第3の温度上昇率で昇温する第3の昇温領域と、前記第1の温度上昇率より大きい第4の温度上昇率で昇温する第4の昇温領域と、を有することを特徴としている。
請求項13記載の化学反応装置は、請求項10記載の化学反応装置において、前記第1の温度は、室温乃至30℃程度の温度であり、前記第2の温度は、145℃乃至155℃程度の温度であることを特徴としている。
【0022】
請求項14記載の化学反応装置は、請求項10記載の化学反応装置において、前記第1の時間は、少なくとも5分であり、前記第1の温度上昇率は、45℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の温度上昇率であり、前記第2の温度上昇率は、50℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の温度上昇率であることを特徴としている。
請求項15記載の化学反応装置は、請求項11記載の化学反応装置において、前記第4の温度は、345℃乃至355℃程度の温度であることを特徴としている。
請求項16記載の化学反応装置は、請求項11記載の化学反応装置において、前記第2の時間は、少なくとも30分であることを特徴としている。
【0023】
請求項17記載の化学反応装置は、請求項1乃至16のいずれかに記載の化学反応装置において、前記反応流路は、第1の基板の一面側に所定の流路形状を有する溝部が形成され、前記第1の基板の一面側に第2の基板の一面側を接合して前記溝部の開放端を閉止することにより構成されていることを特徴としている。
請求項18記載の化学反応装置は、請求項17記載の化学反応装置において、前記温度調整層、前記配線電極及び前記保護膜は、前記第1の基板の他面側に形成されていることを特徴としている。
請求項19記載の化学反応装置は、請求項17記載の化学反応装置において、前記温度調整層、前記配線電極及び前記保護膜は、前記第2の基板の他面側に形成されていることを特徴としている。
【0024】
請求項20記載の化学反応装置は、請求項17乃至19のいずれかに記載の化学反応装置において、前記化学反応装置は、少なくとも、前記第1の基板及び第2の基板が微小基板からなり、前記反応流路がミクロンオーダーの微細化された流路形状を有して形成されていることを特徴としている。
請求項21記載の化学反応装置は、請求項1乃至20のいずれかに記載の化学反応装置において、前記化学反応装置は、前記反応流路が個別に形成された複数の反応領域を有し、該各反応領域ごとに互いに異なる化学反応を生じるように構成されていることを特徴としている。
【0025】
請求項22記載の化学反応装置は、請求項1乃至21のいずれかに記載の化学反応装置において、前記化学反応装置は、前記反応流路内の少なくとも一部に所定の触媒層が設けられ、前記温度調整層から前記触媒層に供給される所定の熱量に基づいて、吸熱又は発熱を伴う前記化学反応を生じることにより、前記第1の流体物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴としている。
請求項23記載の化学反応装置は、請求項1乃至22のいずれかに記載の化学反応装置において、前記第1の流体物質は、アルコール系の気体燃料と酸素を含む混合ガスであり、前記第2の流体物質は、水素ガスであって、前記化学反応装置は、少なくとも、前記温度調整層から供給される熱量に基づいて前記反応流路内で水蒸気改質反応を生じることにより、前記第1の流体物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴としている。
【0026】
請求項24記載の化学反応装置は、請求項1乃至22のいずれかに記載の化学反応装置において、前記第1の流体物質は、アルコール系の液体燃料又は水であり、前記第2の流体物質は、前記第1の流体物質が気化した燃料ガス又は水蒸気であって、前記化学反応装置は、少なくとも、前記温度調整層から供給される熱量に基づいて前記反応流路内で気化反応を生じることにより、前記第1の流体物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴としている。
請求項25記載の化学反応装置は、請求項1乃至22のいずれかに記載の化学反応装置において、前記第1の流体物質は、一酸化炭素ガスと酸素を含む混合ガスであり、前記第2の流体物質は、水素ガス及び二酸化炭素ガスであって、前記化学反応装置は、少なくとも、前記温度調整層から供給される熱量に基づいて前記反応流路内で水性シフト反応及び選択酸化反応を生じることにより、前記第1の流体物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴としている。
【0027】
請求項26記載の化学反応装置の製造方法は、少なくとも連続的に形成された反応流路を有し、該反応流路内で第1の流体物質を第2の流体物質に変換する化学反応を生じる化学反応装置の製造方法において、前記反応流路を含む領域に対応して形成された温度調整層上に、少なくとも上面が所定の保護膜形成材料に対して非付着性を有するように構成された配線電極を形成する工程と、前記配線電極の上面を除く領域に、前記配線電極の上面高さを基準として、前記保護膜形成材料からなる絶縁性の保護膜を、所定の平坦性を有するように形成する工程と、を含むことを特徴としている。
【0028】
請求項27記載の化学反応装置の製造方法は、請求項26記載の化学反応装置の製造方法において、前記配線電極は、前記温度調整層に対して、高い付着性を有する導電性材料からなる単一の電極層であることを特徴としている。
請求項28記載の化学反応装置の製造方法は、請求項26記載の化学反応装置の製造方法において、前記配線電極は、少なくとも、前記温度調整層に直接接触し、該温度調整層に対して高い付着性を有する導電性材料からなる第1の電極層を形成する第1の電極形成工程と、前記第1の電極層の上層に、前記保護膜形成材料に対して非付着性を有する導電性材料からなるとともに、前記配線電極の上面を構成する第2の電極層を形成する第2の電極形成工程と、を含むことを特徴としている。
【0029】
請求項29記載の化学反応装置の製造方法は、請求項28記載の化学反応装置の製造方法において、前記第1の電極層の少なくとも一部は前記第2の電極層に覆われずに露出されるように形成されることを特徴としている。
請求項30記載の化学反応装置の製造方法は、請求項26記載の化学反応装置の製造方法において、前記保護膜を形成する工程は、少なくとも前記温度調整層及び前記配線電極を含む領域に、前記保護膜形成材料を均一に堆積させつつ、少なくとも前記配線電極の上面を除く領域に所定の平坦性を有する前記保護膜を形成することを特徴としている。
【0030】
請求項31記載の化学反応装置の製造方法は、請求項30記載の化学反応装置の製造方法において、前記保護膜を形成する工程は、前記保護膜形成材料をターゲットに適用したスパッタリング法、もしくは、前記保護膜形成材料を蒸発源に適用した真空蒸着法により、少なくとも前記温度調整層及び前記配線電極を含む領域に、前記保護膜形成材料を均一に堆積することを特徴としている。
請求項32記載の化学反応装置の製造方法は、請求項30記載の化学反応装置の製造方法において、前記保護膜を形成する工程は、少なくとも、第1の温度で第1の時間保持して、塗布された前記保護膜形成材料の表面を平坦化する工程と、前記第1の温度から第2の温度に第1の温度上昇率で昇温させて前記保護膜形成材料に含まれる溶剤を蒸発させる工程と、前記第2の温度から第3の温度へ第2の温度上昇率で昇温して膜形成反応を生じさせる工程と、を含み、前記第1の温度上昇率は、前記第2の温度上昇率より小さく設定されていることを特徴としている。
【0031】
請求項33記載の化学反応装置の製造方法は、請求項32記載の化学反応装置の製造方法において、前記第1及び第2の昇温領域に加え、第4の温度で第2の時間保持して焼成することにより得られたものであることを特徴としている。
請求項34記載の化学反応装置の製造方法は、請求項32記載の化学反応装置の製造方法において、前記保護膜形成材料に含まれる溶剤を蒸発させる工程は、少なくとも、前記第1の温度上昇率より小さい第3の温度上昇率で昇温する工程と、前記第1の温度上昇率より大きい第4の温度上昇率で昇温する工程と、を有することを特徴としている。
【0032】
請求項35記載の化学反応装置の製造方法は、請求項32記載の化学反応装置の製造方法において、前記第1の温度は、室温乃至30℃程度の温度であり、前記第2の温度は、145℃乃至155℃程度の温度であることを特徴としている。
請求項36記載の化学反応装置の製造方法は、請求項32記載の化学反応装置の製造方法において、前記第1の時間は、少なくとも5分であり、前記第1の温度上昇率は、45℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の温度上昇率であり、前記第2の温度上昇率は、50℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の温度上昇率であることを特徴としている。
【0033】
請求項37記載の化学反応装置の製造方法は、請求項33記載の化学反応装置の製造方法において、前記第4の温度は、345℃乃至355℃程度の温度であることを特徴としている。
請求項38記載の化学反応装置の製造方法は、請求項33記載の化学反応装置の製造方法において、前記第2の時間は、少なくとも30分であることを特徴としている。
請求項39記載の化学反応装置の製造方法は、請求項32記載の化学反応装置の製造方法において、前記保護膜形成材料を塗布、平坦化する工程は、スピンコート法を適用して、酸化物系もしくは窒化物系の保護膜形成材料を塗布することにより、少なくとも前記配線電極の上面を除く領域に所定の平坦性を有する前記保護膜を形成することを特徴としている。
【0034】
請求項40記載の燃料電池システムは、少なくとも、連続的に形成された反応流路と、前記反応流路を含む領域に対応して形成され、前記反応流路に所定の熱量を供給する温度調整層と、該温度調整層の所定の領域に形成され、前記温度調整層において前記熱量を発生させるための電力を供給する配線電極と、該配線電極の積層高さを基準として、少なくとも、前記配線電極の上面を露出させるとともに、前記温度調整層を含む領域に所定の平坦性を有するように形成された絶縁性の保護膜と、を備え、少なくとも、前記温度調整層から供給される熱量に基づいて、前記反応流路内で水蒸気改質反応を生じることにより、アルコール系の気体燃料と酸素を含む混合ガスを水素ガスに変換する化学反応装置と、前記化学反応装置によって生成された水素と、前記化学反応装置に取り込まれた酸素と、を反応させて発電を行う燃料電池と、を具備することを特徴としている。
【0035】
すなわち、本発明に係る化学反応装置は、所定の流路形状を有する溝部が設けられた微小な主基板(第1の基板)に、微小な閉止基板(第2の基板)を接合することにより構成される反応流路内で、例えば、アルコール系の気体燃料と酸素の混合ガス(第1の流体物質)から水素ガス(第2の流体物質)を生成する化学反応等を生じるマイクロリアクタ(化学反応装置)であって、反応流路に所定の熱量を供給して上記化学反応を促進又は制御する薄膜ヒータ(温度調整層)と、該薄膜ヒータに電力を供給して所定の熱量を発生させるための配線電極と、少なくとも主基板及び薄膜ヒータを被覆保護する保護膜と、を備え、上記保護膜が該配線電極の上面高さ(積層高さ)を基準として、所定の平坦性を有して形成されているとともに、該配線電極の上面が保護膜から露出するように形成された構成を有している。
ここで、上記保護膜は、酸化物系又は窒化物系の絶縁性材料(保護膜形成材料)により構成され、また、上記配線電極のうち、少なくとも上面部分は、保護膜形成材料が付着しない、若しくは、著しく付着性が低い、金等の特定の導電性材料により構成されている。
【0036】
これによれば、マイクロリアクタの特定の面(主基板の薄膜ヒータや配線電極等が積層形成された面)において、配線電極の上面を露出させつつ、少なくとも配線電極間の領域を保護膜により被覆かつ平坦化したマイクロリアクタを実現することができるので、該特定の面に対して、他の周辺部材を接合する場合や、複数のマイクロリアクタ相互を積層形成する場合等に、上下方向(積層方向)で電気的な接続を行うことができるとともに、各構成間に隙が発生することを防止して、装置規模の省スペース化や、薄膜ヒータから反応流路への熱伝導効率の向上を図ることができる。したがって、マイクロリアクタ、及び、これを燃料改質部等に適用した電源システムの設計自由度を向上させることができ、電源システムの小型化や所望の外形形状への適用を図ることができる。
【0037】
また、本発明に係る化学反応装置の製造方法においては、上記保護膜が、酸化物系又は窒化物系の絶縁性材料により形成されているとともに、上記配線電極のうち、少なくとも上面部分が、保護膜形成材料が付着しない、若しくは、著しく付着性が低い、金等の特定の導電性材料により形成されているので、保護膜を形成する面の表面段差が比較的大きく、かつ、平坦化の対象となる領域幅が比較的広い場合であっても、集積回路等の製造プロセスにおいて確立された微細加工技術を始め、スパッタ法や真空蒸着法、スピンコート法による保護膜形成技術や、ホットプレートを用いた基板の加熱制御技術等の既存の製造技術を適用して、特殊なプロセスを必要とすることなく、良好に絶縁性材料を埋め込むことができ、配線電極の最上面以外の領域に良好な平坦性を有する保護膜を形成することができる。ここで、保護膜形成材料として、市販の酸化物系や窒化物系の被膜形成用塗布液を適用することもでき、この場合には、本発明特有の温度制御方法により、比較的簡易に平坦性が良好な保護膜を形成することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る化学反応装置及び燃料電池システム並びにその製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<化学反応装置の構成>
まず、本発明に係る化学反応装置の構成を示す一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る化学反応装置の一実施形態を示す概略構成図であり、図2は、本実施形態に係る化学反応装置に適用されるヒータ用の配線電極の積層構造を示す要部断面図である。なお、図1においては、化学反応装置の構成を明確にするために、反応流路の流路形状及び薄膜ヒータの平面形状に対して便宜的にハッチングを施して示す。
【0039】
図1に示すように、本実施形態に係る化学反応装置(マイクロリアクタ)は、大別して、微小基板からなる主基板(第1の基板)10と、該主基板10の一面側に所定の溝状の断面形状及び蛇行する平面形状(流路形状)を有して形成された反応流路20と、該反応流路20の内壁面(例えば、反応流路20の側壁面や底面)に付着形成された触媒層21と、主基板10の一面側(反応流路20の溝部開放端側)に接合された微小基板からなる閉止基板(第2の基板)30と、上記主基板10の他面側(閉止基板30との接合側とは反対側の面)に、上記反応流路20の形状領域(平面形状)を含む領域に、単一の矩形状に形成された発熱抵抗体等からなる薄膜ヒータ(温度調整層)40と、薄膜ヒータ40の両端部に沿って所定の形状でパターニング形成された配線電極(電極層)50と、少なくとも、上記配線電極50の上面を除き、薄膜ヒータ40が形成された領域を被覆して保護する絶縁性の保護膜60と、を備えて構成されている。
【0040】
ここで、反応流路20は、図1(a)、(b)に示すように、シリコン等からなる主基板10の一面側に、任意の溝状の断面形状及び平面形状(ここでは、蛇行形状)を有するように形成され、内壁面(ここでは、底面)に、例えば、銅−亜鉛(Cu−Zn)系の触媒層21が付着形成された溝部を有し、該溝部の開放端をガラス等の閉止基板30を接合して閉止することにより、連続的なパターンを有し、外部から遮断された流路(反応琉路20)が構成される。すなわち、所定の流体物質の導入部20a及び排出部20bにのみ開口部を備えた流路が形成される。
【0041】
なお、図1においては、化学反応装置の反応流路部を構成する主基板10及び閉止基板30の側部に反応流路20への流体物質の導入部20a及び排出部20bが設けられた構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、主基板10又は閉止基板30に対して垂直方向(すなわち、図1(a)、(c)において、紙面に垂直方向)に上記導入部20a及び排出部20bが設けられた構成を有するものであってもよい。
【0042】
また、薄膜ヒータ40は、例えば、図1(b)、(c)に示すように、主基板10の他面側であって、少なくとも、主基板10の一面側に形成された反応流路20の全域を含む領域に、所定の平面形状(ここでは、単一の矩形形状)を有し、かつ、所定の発熱特性を有する抵抗体(発熱抵抗体)の薄膜層により構成されている。ここで、薄膜ヒータ40は、具体的には、金属酸化物や金属窒化物等からなる発熱抵抗体を適用することができる。
【0043】
配線電極50は、例えば、図2(a)に示すように、上記薄膜ヒータ40上の所定の領域に、各々異なる導電性材料により構成された下部電極層(第1の電極層)51及び上部電極層(第2の電極層)52からなる積層電極構造を有して構成されている(以下、便宜的に「第1の電極構造」と記す)。
ここで、下部電極層51は、上部電極層52の少なくとも一部は上部電極層52に覆われずに露出されるように形成されている。また、配線電極50を構成する各電極層51、52は、少なくとも、所定の低抵抗特性を有する導電性材料であって、高い電気伝導効率で上記薄膜ヒータ40に電気エネルギーを供給することができるものを適用することができる。
【0044】
また、下部電極層51は、少なくとも薄膜ヒータ40を構成する抵抗体材料に対して、剥離や電気的特性の劣化を生じにくい材料であるとともに、少なくとも薄膜ヒータ40の上層に被覆形成される保護膜60を形成する材料(保護膜形成材料)に対して、良好な付着性を有する導電性材料により形成されている。一方、上部電極層52は、少なくとも下部電極層51を構成する導電性材料に対して、剥離や電気的特性の劣化を生じにくい材料であるとともに、少なくとも上記保護膜形成材料に対して、非付着性を有する(付着しない)、又は、付着性が著しく低い導電性材料により形成されている。
【0045】
具体的には、下部電極層51としては、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)等の高融点金属材料、あるいは、これらの高融点金属材料にチタン(Ti)やアルミニウム(Al)、シリコン(Si)等から選択された任意の材料を含む金属化合物(合金)を良好に適用することができ、また、上部金属層52としては、例えば、金(Au)、あるいは、金を含む金属化合物(合金)等を良好に適用することができる。なお、図2(a)に示した実施形態においては、下部電極層51としてタングステン−チタン(WTi)を適用し、上部電極層52として金(Au)を適用した場合について示す。
【0046】
さらに、保護膜60は、上記配線電極50のうち、上部電極層52に対して付着しない、もしくは、付着性が著しく低く、かつ、主基板10、薄膜ヒータ40及び下部電極層51に対して良好な付着性を有する保護膜形成材料により構成され、本実施形態においては、例えば、酸化アルミニウム(Al)や酸化シリコン(SiO)等からなる絶縁性の被覆膜を良好に適用することができる。これにより、保護膜60が、配線電極50の上部電極層52が形成された領域を除く領域、例えば、図1に示すように、薄膜ヒータ40上の両端部に形成された配線電極50相互間の空間(凹部)に、薄膜ヒータ40を完全に被覆して埋め込むように形成される。ここで、保護膜60は、上記配線電極50の積層高さ(上部電極層52の上面高さ)を基準として、所定の平坦性(例えば、概ね1μm以内の膜厚誤差)を有するように形成されている。
【0047】
ここで、上記積層電極構造における各電極層と保護膜との付着性について、具体的に説明する。
上述したように、本実施形態に係る化学反応装置においては、保護膜60が、配線電極50を構成する上部電極層52の形成領域を除く領域(図1、図2においては、配線電極50間の凹部)を被覆するように形成され、配線電極50の上面50aに保護膜60が形成されていない、露出した構成を有している。ここで、半導体製造プロセスにおいて、金(Au)等の特定の金属材料からなる金属層に対して、酸化物又は窒化物等の絶縁性材料からなる薄膜層を接合させようとした場合、上記金層の表面には、上記薄膜層が付着しない、もしくは、付着しにくいという特性があることが知られている。
【0048】
そこで、本実施形態においては、タングステン−チタン(WTi)からなる下部電極層51と、金からなる上部電極層52により構成された積層構造を有し、かつ、下部電極層51を上部電極層52よりも広い平面形状を有するように(すなわち、下部電極層51の上面50bの一部及び側面が上部電極層52から露出するように)形成することにより、上部電極層52の上面50aへの保護膜形成材料の付着を回避しつつ、下部電極層51及び薄膜ヒータ40への付着を良好にして、配線電極50(上部電極層52)間の空間に、保護膜形成材料を埋め込んで保護膜60を形成するようにしている。
【0049】
したがって、このような積層電極構造によれば、マイクロリアクタの特定の面(本実施形態においては、薄膜ヒータ40や配線電極50等が積層形成される主基板10の他面側)において、配線電極50(上部電極層52)の上面50aを露出させつつ、配線電極50間を保護膜60により良好に被覆かつ平坦化したマイクロリアクタを実現することができるので、該特定の面に対して、他の周辺部材を接合する場合や、複数のマイクロリアクタ相互を積層形成する場合等に、上下方向で電気的な接続(導通)を行うことができるとともに、各構成間に隙が発生することを防止して、装置規模の省スペース化や小型化を図ることができ、また、薄膜ヒータ40から反応流路20以外の領域や空間への熱エネルギーの放出を抑制して、熱伝導効率の向上を図ることができる。また、保護膜60上にさらに配線層等を形成する場合にあっては、当該配線層等の膜厚のバラツキや断線を良好に抑制することができる。
【0050】
なお、上述した実施形態(図2(a)参照)においては、薄膜ヒータ40として、金属酸化物又は金属窒化膜を適用し、配線電極50として、チタン−タングステン(WTi)からなる下部電極層51と、金(Au)からなる上部電極層52により構成された積層電極構造(第1の電極構造)を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図2(b)に示すように、薄膜ヒータ41として、タングステン−チタン(WTi)や、タングステン(W)、タンタル(Ta)等の高融点金属を含む金属化合物を適用した場合にあっては、配線電極53として、金(Au)等からなる単層の金属層により形成した電極構造(以下、便宜的に「第2の電極構造」と記す)を適用することもできる。この場合においても、上述した実施形態と同様に、配線電極(金)53の上面50aへの保護膜形成材料の付着を回避しつつ、薄膜ヒータ(タングステン合金層)40への保護膜形成材料の付着を良好にして、配線電極50間(又は、配線電極50以外)の空間に、保護膜形成材料を埋め込んで保護膜60を形成することができる。
【0051】
また、本実施形態(図1、図2)においては、主基板10の一面側に設けられた溝部の開放端を閉止するように閉止基板30の一面側を接合することにより、反応流路20が構成され、また、主基板10の他面側に薄膜ヒータ40、配線電極50及び保護膜60が順次積層形成されたマイクロリアクタ(化学反応装置)の構成について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、閉止基板30の他面側に薄膜ヒータ40、配線電極50及び保護膜60が積層形成された構成を有するものであってもよい。要するに、主基板10に形成された反応流路20に対して所定の熱量を供給することができるように、薄膜ヒータ40、配線電極50及び保護膜60が形成された構成を有するものであれば、本発明に係る化学反応装置の構成を良好に適用することができる。
【0052】
<化学反応装置の製造方法>
次に、上述したような構成を有する化学反応装置の製造方法について、図面を参照して説明する。
図3は、本発明に係る化学反応装置の全体の製造方法を示す製造プロセス図である。
【0053】
まず、図3(a)に示すように、フォトエッチング技術等を用いて、シリコン基板等からなる主基板10の一面側に、反応流路20となる所定の溝状の断面形状及び平面形状を有する溝部20xをエッチング形成した後、化学気相成長法(CVD)等により、該溝部の内壁面(側壁面あるいは底面;本実施形態では底面)に銅−亜鉛(Cu−Zn)系の触媒層21を任意の厚さ(例えば、1μm〜100μm)形成する。ここで、反応流路20を構成する溝部20xの断面形状は、内壁面に上記触媒層21を良好に付着形成することができるサイズであって、かつ、触媒層21を付着形成することにより、流体物質が流下、移動する実効断面積が小さくなるので、その減少分を見越したサイズとなるように設定する。
次いで、図3(b)に示すように、溝部20xの開放端を閉止するように、主基板10の一面側に、ガラス基板等からなる閉止基板30の一面側を接合する。これにより、連続的なパターン(流路形状)を有するとともに、内壁面に触媒層21が設けられ、外部から遮断された反応流路20が形成される。
【0054】
次いで、図3(c)に示すように、主基板10の他面側(図3(c)では上方側の面)の全域に、薄膜ヒータ40となる発熱抵抗体層40xを形成する。
ここで、発熱抵抗体層40xとして、金属酸化物や金属窒化物等からなる発熱抵抗体を適用する場合(図2(a)に示した第1の電極構造を適用する場合)には、例えば、酸素ガス(O)と窒素(N)ガス等が混合されたアルゴンガス(Ar)雰囲気中で、タンタル(Ta)及びシリコン(Si)等のストライプターゲットを用いたスパッタリング法等を行うことにより、タンタル−シリコン−酸素−窒素の各元素により組成されたTa−Si−O−N系薄膜を形成する。
また、発熱抵抗体層40xとして、高融点金属材料を含む金属化合物からなる発熱抵抗体を適用する場合(図2(b)に示した第2の電極構造を適用する場合)には、例えば、酸素ガス(O)と窒素(N)ガス等が混合されたアルゴンガス(Ar)雰囲気中で、タングステン(W)及びチタン(Ti)のストライプターゲットを用いたスパッタリング法等を行うことにより、タングステン−チタンの酸化物や窒化物の薄膜を形成する。
【0055】
次いで、上記発熱抵抗体層40x上に、スパッタリング法等により、配線電極となる金属層を形成する。
ここで、発熱抵抗体層40xとして、金属酸化物や金属窒化物等からなる発熱抵抗体を適用した場合には、例えば、アルゴンガス(Ar)雰囲気中で、タングステン(W)及びチタン(Ti)のストライプターゲットを用いたスパッタリング法等を行うことにより、下部電極層51となるタングステン−チタン(W−Ti)合金からなる薄膜層を形成し、さらに、その上層に、蒸着法やメッキ法等を用いて、上部電極層52となる金(Au)からなる薄膜層を積層形成する。
また、発熱抵抗体層40xとして、高融点金属材料を含む金属化合物からなる発熱抵抗体を適用した場合には、例えば、蒸着法やメッキ法等を用いて、配線電極53となる金(Au)からなる薄膜層を形成する。
【0056】
次いで、上記発熱抵抗体層40x上に、フォトリソグラフィ技術を用いて、所定のパターン形状及び電極構造を有する配線電極50、53を形成する。
ここで、第1の電極構造を適用する場合には、上部電極層52となる金(Au)からなる薄膜層上に、配線電極50上面のパターン形状に対応した所定の形状(第1のパターン領域)を有するレジスト膜を形成した後、該レジスト膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)法等を用いて、レジスト膜に被覆されていない金(Au)からなる薄膜層をエッチングする。
【0057】
次いで、このレジスト膜を除去して、下部電極層51となるタングステン−チタン(W−Ti)合金からなる薄膜層を露出させた後、該タングステン−チタン(W−Ti)合金からなる薄膜層上であって、上記エッチングされた金(Au)からなる薄膜層のパターン領域を含む所定の形状(第2のパターン領域)を有するレジスト膜を形成した後、該レジスト膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)法等を用いて、レジスト膜に被覆されていないタングステン−チタン(W−Ti)合金からなる薄膜層をエッチングする。
これにより、薄膜ヒータ40となる発熱抵抗体層40x上の第2のパターン領域に下部電極層51が形成され、該第2のパターン領域内の第1のパターン領域に上部電極層52が積層形成された階段状の配線電極50が形成される。
【0058】
また、第2の電極構造を適用する場合には、配線電極53となる金(Au)からなる薄膜層上に、配線電極50上面のパターン形状に対応した所定の形状を有するレジスト膜を形成した後、該レジスト膜をマスクとして、反応性イオンエッチング(RIE)法等を用いて、レジスト膜に被覆されていない金(Au)からなる薄膜層をエッチングすることにより、薄膜ヒータ40となる発熱抵抗体層40x上に、所定のパターン領域に単層の配線電極53が形成される。
【0059】
次いで、さらにフォトリソグラフィ技術を用いて、発熱抵抗体層40x上であって、上記配線電極50、53の形成領域を含む所定の領域にレジスト膜を形成した後、該レジスト膜をマスクとして、ドライエッチング法等を用いて、レジスト膜に被覆されていない発熱抵抗体層40xをエッチングすることにより、図1(c)及び図3(d)に示すように、上記反応流路20の流路形状に対応した平面形状(ここでは、単一の矩形形状)を有する薄膜ヒータ40が形成され、薄膜ヒータ40上の所定の領域に、配線電極50(51、52)又は53が積層された構成が得られる。
【0060】
ここで、本実施形態において、配線電極として下部電極層51及び上部電極層52を積層した第1の電極構造を適用する場合にあっては、下部電極層51が形成される第2のパターン領域と上部電極層が形成される第1のパターン領域の相互の形状の関係について、第1のパターン領域が第2のパターン領域に含まれるように設定されていることのみを示したが、個別の形状については、何ら制限するものではなく、相互に相似形状を有して延在するものであってもよいし、下部電極層51のみを、例えば、薄膜ヒータ40の両端部に沿って延在させ、該下部電極層51上の任意の領域に、下部電極層51とは相似関係を有しない、任意の形状を有する上部電極層52を形成して、実質的に下部電極層51を配線層として構成するものであってもよい。
【0061】
<保護膜の第1の形成方法>
次に、上記配線電極の上面を除く領域に平坦化膜を形成する方法について説明する。
図4は、本発明に係る化学反応装置の製造方法に適用される第1の保護膜の形成方法を示す概略プロセス図である。
本実施例に係る保護膜の形成方法は、概略、上述した薄膜ヒータ40及び配線電極50、53を含む主基板10の他面側に、酸化物系や窒化物系の絶縁性の保護膜をスパッタリング法や真空蒸着法、化学堆積法等を用いて形成する。
【0062】
以下、具体的に説明する。
まず、図4(a)に示すように、薄膜ヒータ40及び配線電極50、53が形成された主基板10の他面側の全域に、酸化アルミニウムAlや酸化シリコンSiO等からなる絶縁性の保護膜60を堆積形成する。ここで、酸化アルミニウムAl等の絶縁膜を形成する手法としては、周知のスパッタリング法や真空蒸着法等を適用することができ、また、酸化シリコンSiO等の絶縁膜を形成する手法としては、周知のスパッタリング法や真空蒸着法、化学堆積法等を適用することができる。
【0063】
このとき、上述したように、金(Au)等の特定の金属層に対して、酸化アルミニウムAlや酸化シリコンSiO等からなる絶縁性材料はほとんど付着しない特性を有しているので、図4(b)に示すように、配線電極50、53の上面50aには、保護膜60が形成されず、それ以外の領域、すなわち、少なくとも配線電極50、53間であって、主基板10上及び薄膜ヒータ40上、加えて、上部電極層52が形成されていない下部電極層51の露出面上に、所定の平坦性を有する保護膜60が良好に形成される。
【0064】
このように、本実施例に係る化学反応装置及びその製造方法によれば、既存の製造技術を適用して、特殊なプロセスを必要とすることなく、配線電極の最上面以外の領域(凹部)に良好に絶縁性の保護膜を埋め込んで、化学反応装置の特定の面の平坦性を向上させることができる。
これにより、化学反応装置を、例えば、他の周辺部材へ接合する場合や、複数のマイクロリアクタ相互を積層化する場合等であっても、保護膜から露出した配線電極を介して良好な電気的な接続を行うことができるとともに、各構成間に無駄な隙間が生じることを抑制して、装置規模の小型化や省スペース化を図りつつ、熱伝導効率の低下をも抑制することができる。また、保護膜の表面平坦性を向上させることができるので、保護膜上に形成される配線層等の膜厚のばらつきや断線を良好に抑制することができる。
【0065】
<第2の保護膜の平坦化方法>
図5は、本発明に係る化学反応装置の製造方法に適用される第2の保護膜の形成方法を示す概略プロセス図である。また、図6は、本発明に係る化学反応装置の製造方法に適用される保護膜の乾燥、焼結方法を示す温度制御グラフである。本実施例に係る保護膜の形成方法は、概略、上述した薄膜ヒータ40及び配線電極50、53を含む主基板10の他面側に、酸化物系や窒化物系の絶縁性の保護膜60をスピンコート(SOG;Spin On Glass)法等を用いて被覆形成する。
【0066】
以下、具体的に説明する。
まず、図5(a)に示すように、周知のスピンコータの回転ステージ70上に載置された閉止基板30及び主基板10の他面側に、例えば、酸化物系又は窒化物系被膜形成用塗布液等の保護膜形成材料60xを滴下した後、素早く回転ステージ70を所定の回転数で回転させる。これにより、上記保護膜形成材料60xが配線電極50、53間を含む主基板10の他面側全域に塗布される。ここで、上述したように、配線電極50、53の少なくとも上面50aを構成する金に対して、酸化物系又は窒化物系の絶縁性材料はほとんど付着しない特性を有しているので、上記保護膜形成材料60xは、配線電極50の上面領域を除く領域(すなわち、少なくとも配線電極間の領域)にのみ塗布される。
【0067】
一例として、東京応化工業(株)製のSiO系被膜形成用塗布液であるOCD−T7(製品名)を適用した場合においては、主基板10の他面側への塗布後、回転ステージ70を500rpmにより0.3秒間回転し、その後に4000rpmにより10秒間回転するように設定する。なお、上記スピンコータの回転動作の制御は、上記SiO系被膜形成用塗布液(OCD−T7)を用いた場合のごく一例を示したものにすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、保護膜形成材料の粘度や滴下量等によって適宜設定されるものであることはいうまでもない。
【0068】
次いで、図5(b)に示すように、保護膜形成材料60xが塗布された主基板10をホットプレート80上に載置し、まず、図6の温度制御領域TAに示すように、室温〜30℃程度の温度(第1の温度)で5分以上(第1の時間)保持することにより、塗布された保護膜形成材料60xの表面が概ね平坦になるようにする(平坦化工程)。このとき、室温〜30℃の温度で保持する時間は、概ね5分以上であれば、比較的長く設定しても保護膜の形成や特性上、支障はない。なお、本実施形態(図6)においては、室温〜30℃の温度で10分保持した場合を示す。
【0069】
次いで、ホットプレート80に通電して発熱させて、図6の温度制御領域TBに示すように、室温〜30℃程度の温度(第1の温度)から、塗布された保護膜形成材料60xにおける膜形成反応の発生を抑制しつつ、保護膜形成材料60x中に含まれる溶剤を蒸発させるために適した温度、例えば145〜155℃程度の温度(第2の温度)まで昇温させることにより、保護膜形成材料60x中に含まれる溶剤を蒸発させる(溶剤蒸発工程)。
【0070】
この時点で、塗布された保護膜形成材料60xは、主基板10上の段差により不均一な膜厚を有している。このような状態の材料に対して、比較的急速な温度上昇を行うと溶剤が蒸発しきれない部分が発生することがある。そこで、本実施例においては、このような保護膜形成材料60x中に含まれる溶剤を確実に蒸発させるために、比較的緩やかに昇温させるように温度制御を行う。すなわち、この温度制御領域TBにおける温度上昇率(第1の温度上昇率)は、後述する温度領域TCにおける膜形成反応を促進させるための温度上昇率(第2の温度上昇率)より小さくし、図6に示した例では、第1の温度上昇率を45℃の昇温に5分以上の時間を要する程度の温度上昇率に設定する。
【0071】
さらに、この温度制御領域TBにおける昇温動作は、一定(略均一)の温度上昇率で昇温するように温度制御してもよく、また、途中で温度上昇率を変えて、温度制御領域TB全体として上述した所定の温度上昇率(第1の温度上昇率)を得るようにしてもよい。この場合、昇温に要する時間を短縮させることができる。なお、図6では、この温度制御領域TBにおいて3段階に温度上昇率を変えるようにした場合の例を示す。すなわち、室温〜30℃(第1の温度)から65〜75℃程度の温度まで、5分以上の時間をかけて上昇させ、その後、75〜85℃程度の温度まで、5分以上の時間をかけて上昇させ、さらに、145〜155℃程度の温度(第2の温度)まで、5分以上の時間をかけて上昇させるように温度制御を行った。発明者らの各種実験、検証によれば、このような温度制御により、保護膜形成材料60xにおける膜形成反応の発生を抑制しつつ、塗布された保護膜形成材料60xに含まれる溶剤を良好に蒸発させることができることが判明した。
【0072】
なお、図6に示した温度制御の例では、温度上昇率を3段階に変化させるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、2段階に変化させるようにしてもよく、あるいは、さらに多段階に変化させるようにしてもよい。すなわち、少なくとも上記第1の温度上昇率より小さい所定の温度上昇率(第3の温度上昇率)で昇温させる温度制御領域と、第1の温度上昇率より大きい所定の温度上昇率(第4の温度上昇率)で昇温させる温度制御領域とを有するようにしてもよい。
【0073】
次いで、図6の温度制御領域TCに示すように、溶剤が蒸発した保護膜形成材料60xにおける膜形成反応が促進される温度、例えば345〜355℃程度の温度(第4の温度)、まで、例えば50℃の昇温に5分以上の時間を要する程度の温度上昇率(第2の温度上昇率)で昇温させることにより、保護膜形成材料60xにおける膜形成反応を促進させる(膜形成反応工程)。
その後、図6の温度制御領域TDに示すように、例えば345〜355℃程度の温度(第4の温度)で30分以上(第2の時間)保持することにより、保護膜形成材料60xを焼成する(焼成工程)。
【0074】
これにより、配線電極50、53の上面50aには、保護膜60が形成されず、それ以外の領域、すなわち、少なくとも配線電極50、53間であって、主基板10上及び薄膜ヒータ40上、加えて、上部電極層52が形成されていない下部電極層51の露出面上に、所定の平坦性を有する保護膜60が形成される。なお、本実施例に係る製造方法により形成された保護膜について、その平坦性を検証したところ、膜表面の段差を概ね0.5μm乃至1μm以下に低減して良好に平坦化することができることが判明した。
【0075】
このように、本実施例に係る化学反応装置及びその製造方法によれば、既存のスピンコート技術及び市販の被膜形成用塗布液を適用して、特殊なプロセスを必要とすることなく、配線電極の最上面以外の領域(凹部)に良好に絶縁性の保護膜を埋め込んで、化学反応装置の特定の面の平坦性を良好に向上させることができる製造条件を提示することができる。
これにより、上述した実施例と同様に、化学反応装置を他の周辺部材へ接合する場合や、複数のマイクロリアクタ相互を積層化する場合等であっても、保護膜から露出した配線電極を介して良好な電気的な接続を行うことができるとともに、各構成間に無駄な隙間が生じることを抑制して、装置規模の小型化や省スペース化を図りつつ、熱伝導効率の低下をも抑制することができる。
【0076】
したがって、本実施形態に係る化学反応装置(マイクロリアクタ)及びその製造方法によれば、本発明が対象としているマイクロリアクタのように、積層部の表面段差が比較的大きく、かつ、平坦化の対象となる領域幅(例えば、薄膜ヒータ上の配線電極間の領域幅)が比較的広い場合であっても、良好な平坦性(概ね、1μm以下)を有する保護膜を形成することができる。
また、このような保護膜と同等の上面高さで、配線電極の上面を保護膜から露出させることができるので、マイクロリアクタを他の周辺部材に接合する場合や、複数のマイクロリアクタ相互を積層化する場合等に、マイクロリアクタの上下方向(積層方向)で直接電気的な接続(導通)を行うことができ、マイクロリアクタ及びそれを搭載した電源システム(後述する発電モジュール等)の設計自由度を向上させることができるとともに、装置規模の省スペース化や小型化を図ることができる。
【0077】
さらに、上述した化学反応装置の製造方法によれば、半導体デバイス製造技術の分野において、すでに確立された微細加工技術を始め、スパッタ法や真空蒸着法、スピンコート法等による保護膜形成技術や、ホットプレートを用いた基板の加熱制御技術をそのまま適用して、良好な平坦性を有する保護膜を形成することができる。
なお、上述した実施形態においては、主基板10の他面側に反応流路20の平面形状(形成領域)に対応する単一の矩形形状を有する薄膜ヒータ40を設け、該薄膜ヒータ40上に配線電極50、53をさらに積層形成した構成であって、配線電極50、53の上面50aを露出させつつ、平坦化した保護膜60を形成した化学反応装置及びその製造方法を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、薄膜ヒータ40の平面形状や配線電極50、53の形成位置は、反応流路20の平面形状や化学反応装置外部との電気的な導通を行う位置等に応じて、適宜設定されるものであってもよいことはいうまでもない。したがって、薄膜ヒータが、上記反応流路の平面形状に対応する領域にのみ形成された構成(すなわち、図7に示すように、蛇行形状を有する反応流路20の形成領域に対応して、薄膜ヒータ41を蛇行形状に形成した構成)を有し、また、該平面形状の両端部に配線電極50、53が形成された構成を有するものであっても、本発明に係る化学反応装置の構成及び製造方法を良好に適用することができる。
【0078】
<電源システムへの適用例>
次に、本発明に係る化学反応装置(マイクロリアクタ)を、燃料改質型の燃料電池を備えた電源システムに適用した場合の具体例について説明する。
図8は、本発明に係る化学反応装置の適用が可能な電源システム(燃料電池システム)の要部構成、及び、該電源システムより駆動されるデバイスを示すブロック図である。なお、ここでは、燃料改質方式を採用した固体高分子型の燃料電池を適用した電源システムについて説明する。
【0079】
図8に示すように、本発明に係る化学反応装置が適用される電源システム300は、概略、所定の発電用燃料に基づいて電力を発生する発電モジュール100と、該発電モジュール100に対して着脱可能に構成され、所定の発電用燃料が封入された燃料パック200と、から構成されている。
発電モジュール100は、大別して、燃料改質方式の固体高分子型燃料電池の構成を有する発電部(燃料電池本体)110と、燃料パック200の燃料封入部210に貯蔵、封入された発電用燃料(例えば、水素を含む液体燃料、液化燃料及び気体燃料や水)の発電部110への供給量を制御する燃料制御部120と、発電部110への空気(酸素)の供給量を制御する空気制御部130と、燃料制御部120により供給された発電用燃料を改質して、発電用燃料に含有される水素をガス化して発電部110に供給する燃料改質部140と、発電部110及び燃料改質部140を必要に応じて加熱するための温度制御部150と、発電部110により生成された電力の一部若しくは全部を充電するコンデンサを有する充電部160と、発電モジュール100内の発電動作、充電動作、後述する動作制御部180により充電部160の蓄電状態を検知する動作等のための必要な電力を出力する副電源部170と、発電モジュール100内の駆動動作を演算処理する動作制御部180と、を有して構成されている。
【0080】
燃料制御部120は、燃料封入部210から毛細管現象等の原理を利用した物理的手段により送出された発電用燃料を、動作制御部180からの指令信号にしたがって、燃料改質部140に所定量供給するように構成されている。
空気制御部130は、燃料電池システム300の外部から空気(大気)を取込み、発電部110に酸素ガス(O)又は空気を供給するように構成されている。
【0081】
燃料改質部140は、燃料パック200内のアルコール(ALCOHOL)及び水(HO)から構成される発電用燃料を、燃料制御部120を介して取り込み、水素(H)と副生成物の二酸化炭素(CO)、さらに、微量の一酸化炭素(CO)を生成する水蒸気改質反応部140aと、次に示す一酸化炭素改質部と、を有して構成されている。一酸化炭素改質部は、水蒸気改質反応部140aから供給された一酸化炭素(CO)を燃料制御部120及び/又は発電部110から供給された水(HO)と反応させ、二酸化炭素(CO)及び水素(H)を生成する水性シフト反応部140bと、水性シフト反応部140bにおける反応で残留した一酸化炭素(CO)を酸素(O)と反応させて、二酸化炭素(CO)を生成する選択酸化反応部140cのうち、少なくとも一方を備えた構成を有している。
【0082】
温度制御部150は、動作制御部180からの指令信号により、上記燃料改質部140(水蒸気改質反応部140a、水性シフト反応部140b、選択酸化反応部140c)の各反応部に設けられた薄膜ヒータに電力を供給することにより加熱制御するように構成されている。また、発電部110にも薄膜ヒータが設けられている場合にあっては、同様に、所定の電力が供給されるように構成されている。ここで、燃料改質部140及び発電部110に設けられる薄膜ヒータは、上述した実施形態に示した薄膜ヒータ40に相当し、例えば、金属酸化膜又は金属窒化膜等の所定の発熱特性を有する抵抗体材料からなる薄膜層により形成されている。
【0083】
発電部110は、燃料改質部140から供給された水素(H)、及び、空気制御部130から供給された酸素ガス(O)に基づいて、所定の電力を発生(発電)するように構成され、また、充電部160は、発電部110で発電された電力を充電するように構成され、これらの発電部110及び充電部160の少なくとも一方により、電源システム300より駆動されるデバイスDVCの負荷LDに電力を供給するように構成されている。
副電源部170は、動作制御部180からの指令信号に応じて、充電部160で蓄電された電力に基づいて、燃料制御部120、温度制御部150及び動作制御部180に所定の動作電力を供給するとともに、必要に応じて発電部110にも動作電力を供給するように構成されている。
【0084】
動作制御部180は、充電部160で蓄電されたチャージ(充電電位)を検知するために常時駆動し、該チャージが所定値まで低下したことを検知すると、燃料制御部120、温度制御部150、必要に応じて発電部110に動作電力を供給するように指令信号を副電源部170に出力する。また、必要量の燃料を燃料改質部140に供給するように燃料制御部120に対して指令信号を出力するとともに、燃料改質部140の反応炉(本発明に係る化学反応装置の反応流路に相当)を所定の時間、必要温度に加熱するように温度制御部150に対して指令信号を出力する。
【0085】
そして、発電モジュール100と着脱自在に構成された燃料パック200は、発電用燃料が封入された燃料封入部210と、発電部110により生成された副生成物(主に、水(HO))を回収する副生成物回収部220と、を有して構成されている。
発電モジュール100及び燃料パック200で構成された燃料電池システム300は、デバイスDVCの負荷LDに対して所定の駆動電力を供給することにより、コントローラCNTの制御にしたがってデバイスDVCを正常に駆動させることができる。
【0086】
ここで、発電部110は、周知の固体高分子型の燃料電池本体の構成を有し、概略、白金や白金・ルテニウム等の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる燃料極(カソード)と、白金等の触媒微粒子が付着した炭素電極からなる空気極(アノード)と、該燃料極と空気極の間に介装されたフィルム状のイオン導電膜(交換膜)と、を有して構成されている。
【0087】
そして、このような構成を有する発電部110における発電原理は、燃料極に燃料改質部140を介して抽出された水素ガス(H)が供給されることにより、次の化学反応式(1)に示すように、上記触媒により電子(e)が分離した水素イオン(プロトン;H)が発生し、イオン導電膜を介して空気極側に通過するとともに、燃料極を構成する炭素電極により電子(e)が取り出されて負荷(上述した電源システムにおいては、デバイスDVCの負荷LD及び充電部160)に供給される。
3H → 6H+6e        ・・・(1)
【0088】
一方、空気極に空気制御部130を介して大気中の酸素ガス(O)が供給されることにより、次の化学反応式(2)に示すように、上記触媒により負荷を経由した電子(e)とイオン導電膜を通過した水素イオン(H)と空気中の酸素ガス(O)が反応して水(HO)が生成される。
6H+(3/2)O+6e → 3HO     ・・・(2)
このような一連の電気化学反応(化学反応式(1)、(2))は、概ね室温〜80℃の比較的低温の環境下で進行し、電力以外の副生成物は、基本的に水(HO)のみとなる。なお、上述したような電気化学反応により負荷に供給される電力(電圧・電流)は、上記化学反応式(1)、(2)に示したように、発電部110の燃料極に供給される水素ガス(H)の量に依存する。
【0089】
したがって、燃料制御部120は、発電部110において、所定の電力を生成、出力するために必要な量の水素ガス(H)となる分の燃料(メタノール)や水等を取り込んで、燃料改質部140により水素ガスに改質して、発電部110の燃料極に供給する制御を行う。なお、空気制御部130は、発電部110の空気極に供給する酸素ガス(O)の量を制御する機能を有しているが、発電部110における単位時間あたりの酸素の最大消費量に相当する空気を供給可能であれば、発電部110の空気極に供給する酸素ガスの量を制御することなく、発電部110の駆動時に常時酸素ガスを供給するものであってもよい。また、空気制御部130の他の構成としては、発電部110における電気化学反応の進行状態を、燃料制御部120において調整される水素ガスの供給量のみで制御し、空気制御部130の代わりに通気孔を設け、発電部110における電気化学反応に用いられる上記最大消費量以上の空気(大気)が通気孔を介して供給されるようにしたものであってもよい。
【0090】
次いで、本電源システムに適用される燃料改質部140の構成及び動作について詳しく説明する。
図9は、本発明に係る化学反応装置の構成を適用した燃料改質部の具体例を示す概略構成図である。
上述したように、燃料改質部140は、主に、燃料制御部120により所定の供給量で供給される発電用燃料に対して、所定の吸熱触媒反応(水蒸気改質反応)を利用して発電用燃料に含まれる水素成分を抽出して上記発電部110に供給する機能を有するものであって、燃料改質部140を構成する各反応部において、上述した実施形態(図1、図7参照)に示した薄膜ヒータを備えたマイクロリアクタ(化学反応装置)の構成を良好に適用することができる。
【0091】
燃料改質部140(水蒸気改質反応部140a)においては、具体的には、メタノール等の水素を含む液体燃料(アルコール類)から、吸熱触媒反応である水蒸気改質反応を利用して、水素ガス(H)を生成する化学反応が行われる。ここで、現在、研究開発が行われている燃料改質方式の燃料電池に適用されている発電用燃料としては、上記発電部110により、比較的高いエネルギー変換効率で電力を生成することができる燃料であって、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系の液体燃料や、ジメチルエーテル、イソブタン、天然ガス(CNG)等の液化ガス等の常温常圧で気化される炭化水素からなる液化燃料、あるいは、水素ガス等の気体燃料等の流体物質を良好に適用することができる。
【0092】
すなわち、燃料改質部140(水蒸気改質反応部140a)における水素ガスの生成に利用される吸熱触媒反応の例としては、液体燃料の一例としてメタノールを適用した場合、次の化学反応式(3)に示すような水蒸気改質反応が生じ、また、常温常圧で気体となる液化燃料の一例としてジメチルエーテルを適用した場合には、次の化学反応式(4)に示すような水蒸気改質反応が生じる。
CHOH+HO → 3H+CO         ・・・(3)
CHOCH+3HO → 6H+2CO     ・・・(4)
【0093】
なお、いずれの水蒸気改質反応においても、概ね300℃の熱条件の下で当該反応が良好に進行する。また、この改質反応により生成される水素以外の微量の生成物(主に、CO)は、大気中に排出される。したがって、上述した実施形態に示したような化学反応装置(図1、図7参照)を燃料改質部140(水蒸気改質反応部140a)に適用することにより、反応流路(反応炉)の形成領域に対応して設けられた薄膜ヒータに、配線電極を介してヒータ電源から所定の電力を供給して発熱させることにより、反応流路(触媒層)に対して、上記各化学反応式(3)、(4)に示した吸熱を伴う水蒸気改質反応の進行に寄与する所定の熱量を供給することができ、水素ガスを良好に生成することができる。
【0094】
ここで、燃料改質部140に適用される具体的な構成例は、例えば、図9(a)に示すように、シリコン等の微小基板(上述した主基板10に相当する)141の一面側(図の上面側)に、半導体デバイス製造技術等の微細加工技術を用いて、所定の断面形状及び平面形状を有して溝状に設けられた燃料吐出部142a、水吐出部142b、燃料気化部143a、水気化部143b、混合部143c、改質反応流路144、水素ガス排気部145からなる流路(各構成が上述した反応流路20に相当する)と、例えば、上記改質反応流路144の形成領域を含む所定の領域に、微小基板141の他面側(図の下面側)に設けられた矩形状の薄膜ヒータ(上述した実施形態における薄膜ヒータ40に相当する)146と、薄膜ヒータの両端部に所定のパターン形状を有して積層形成された配線電極(上述した実施形態における配線電極50、53に相当する;図示を省略、図1又は図7参照)と、微小基板141上に上記流路の開放端を閉止するように接合された微小基板(上述した実施形態における閉止基板30に相当する;図示の都合上、二点鎖線で表示)147と、を備えて構成されている。
【0095】
燃料吐出部142a及び水吐出部142bは、上述したような水蒸気改質反応における原料物質となる発電用燃料(アルコール系液体燃料等)及び水を、例えば、所定の単位量ごとに液状粒として流路内に吐出する流体吐出機構を有している。したがって、燃料吐出部142a及び水吐出部142bにおける発電用燃料又は水の吐出量に基づいて、例えば、上記化学反応式(3)式に示した水蒸気改質反応の進行状態が制御されることになるため(詳しくは、薄膜ヒータ146から供給される熱エネルギーも密接に関連する)、燃料吐出部142a及び水吐出部142bは、燃料供給量の調整を行う燃料制御部としての機能を有している。
【0096】
燃料気化部143a及び水気化部143bは、例えば、それぞれ発電用燃料及び水の沸点等の揮発(気化)条件に応じて加熱されるヒータを備え、燃料吐出部142a及び水吐出部142bから液状粒として吐出された発電用燃料又は水を、加熱処理あるいは減圧処理等することにより気化し、混合部143cにおいて、燃料ガスと水蒸気の混合ガスを生成する。ここで、燃料気化部143a及び水気化部143bとして、加熱処理を行う機構を採用する場合には、上述した改質反応流路144と同様に、燃料気化部143a及び水気化部143bを構成する流路の形成領域を含む所定の領域に薄膜ヒータを設けた構成を適用するものであってもよい。
【0097】
改質反応流路144は、上記混合部143cにおいて生成された混合ガスが導入され、改質反応流路144の内壁面に付着形成された銅−亜鉛(Cu−Zn)系の触媒層(図示を省略)に対して、該改質反応流路144の形成領域に対応する領域に設けられた薄膜ヒータ146から所定の熱量が供給されることにより、上記化学反応式(3)、(4)に示した水蒸気改質反応を生じさせて、水素ガス(H)を生成する。
水素ガス排気部145は、改質反応流路144において生成された水素ガスを排出して、上述した発電部110を構成する燃料電池の燃料極に供給する。これにより、発電部110において、上記化学反応式(1)及び(2)に基づく一連の電気化学反応が生じて、所定の電力が生成される。
【0098】
そして、上述したように、このような構成を有する燃料改質部140の微小基板141に形成された流路の形成領域に対応して、上述した実施形態に示した場合と同様に、微細加工技術を用いて微小基板141の他面側(図の下面側)に薄膜ヒータ146及び配線電極を積層形成することができ、少なくとも、これらの薄膜ヒータ146及び配線電極の形成領域に、上述した実施形態に示した製造方法に基づいて保護膜(図示を省略、図1又は図7参照)を被覆形成することにより、配線電極の最上面のみを露出しつつ、微小基板141及び薄膜ヒータ146を被覆保護することができるとともに、微小基板141の他面側の表面段差を良好に平坦化することができる。
【0099】
これにより、燃料改質部140全体又は一部を微小空間に集積化して、他の周辺部材への接合や複数の燃料改質部140の積層化等を良好に実現しつつ、構成相互の電気的な接続を良好に確保することができるので、燃料改質部140を含む発電モジュール100の省スペース化や小型化を図ることができるとともに、薄膜ヒータから放出される熱量を良好に上記流路に供給して、熱伝導効率の高い電源システムを実現することができる。したがって、例えば、日本工業規格(JIS)に則った汎用の一次電池や種々の二次電池等と略同一の外形形状及び外形寸法を有するように小型化することができ、既存の一次電池や二次電池市場において互換可能なポータブル電源を実現することができる。
【0100】
なお、本適用例に示した電源システム(発電部)は、上述した実施形態に示したようなマイクロリアクタ(化学反応装置)を適用した燃料改質部により生成される所定の流体物質(水素ガス等)を発電用燃料として用いて、発電を行うことができるものであれば、燃料電池に限定されるものではない。したがって、化学反応装置(燃料改質部)により生成された流体物質の燃焼反応に伴う熱エネルギーによるもの(温度差発電)や、燃焼反応等に伴う圧力エネルギーを用いて発電器を回転させて電力を発生する力学的なエネルギー変換作用等によるもの(ガス燃焼タービンやロータリーエンジン、スターリングエンジン等の内燃、外燃機関発電)、また、発電用燃料FLの流体エネルギーや熱エネルギーを電磁誘導の原理等を利用して電力に変換するもの(電磁流体力学発電、熱音響効果発電等)等、種々の形態を有する発電装置に適用することができる。
【0101】
また、図9(a)に示した構成においては、上記化学反応式(3)において、発電用燃料としてメタノール等と水を、別個の吐出部142a、142b及び供給経路を介して供給、気化し、混合部143cにおいて混合する構成を備えた燃料改質部を示したが、予めメタノール等に水が混合された発電用燃料を直接燃料改質部に供給して、水素ガスを生成する水蒸気改質反応を生じさせるものであってもよい。このような場合にあっては、例えば、図9(b)に示すように、微小基板141の一面側に、単一の燃料吐出部142c及び燃料気化部143dと、上述した改質反応流路144、水素ガス排気部145からなる単一の流路を備えた構成を適用することができる。
【0102】
また、上述した電源システムに示した燃料改質部140においては、上記化学反応式(3)や(4)での反応以外に極微量の一酸化炭素(CO)が生成される恐れがあるため、図8に示したように、生成された一酸化炭素を無害化するような反応部(水性シフト反応部140b、選択酸化反応部140c)を設けてもよい。
すなわち、発電モジュール100の燃料改質部140は、上述したように、燃料パック200内のアルコール及び水から構成される燃料を燃料制御部120から供給され、水素(H)と副生成物の二酸化炭素(CO)、さらに、微量の一酸化炭素(CO)を生成する水蒸気改質反応部140aに加えて、水蒸気改質反応部140aから供給された一酸化炭素(CO)を燃料制御部120及び/又は発電部110から供給された水(HO)と反応させ、二酸化炭素(CO)及び水素(H)を生成する水性シフト反応部140b、及び、水性シフト反応部140bにおける反応で残留した(反応しきれなかった)一酸化炭素(CO)を酸素(O)と反応させて二酸化炭素(CO)を生成する選択酸化反応部140cのうちの少なくとも一方からなる一酸化炭素燃料改質部を備えた構成を有し、燃料パック200に封入された燃料を、改質して得られる水素(H)を発電部110に供給するとともに、微量に生じる一酸化炭素(CO)を無毒化するように構成したものであってもよい。以下に示す例では、一酸化炭素燃料改質部が水性シフト反応部140b及び選択酸化反応部140cの両方を有する構成を示す。
【0103】
以下、燃料改質部140の各構成と図9に示した構成との関係について説明する。
燃料改質部140の水蒸気改質反応部140aは、図9(a)に示す構造と概略同一であり、燃料気化部143a及び水気化部143bは、薄膜ヒータ146と同様に、例えば、金属酸化膜又は金属窒化膜等からなる薄膜層を備えている。ここで、温度制御部150により制御された電力を、配線電極を介して供給することにより上記薄膜層(薄膜ヒータ)が所定温度に加熱され、メタノール(CHOH)及び水(HO)を気化させる。
【0104】
そして、水蒸気改質反応過程においては、上記気化したメタノール(CHOH)及び水(HO)に対して、薄膜ヒータ146で概ね300℃の温度条件の雰囲気を設定することにより、49.4kJ/mol程度の熱エネルギーを吸熱して、上述した化学反応式(3)に示すように、水素(H)と微量の二酸化炭素(CO)が生成される。この二酸化炭素(CO)は、発電モジュール100の外側に選択的に排出される。なお、この水蒸気改質反応においては、水素(H)と二酸化炭素(CO)以外に副生成物として微量の一酸化炭素(CO)が生成される場合がある。
【0105】
ここで、水蒸気改質反応過程において、副生成物として生成される一酸化炭素(CO)を除去するために、水蒸気改質反応部140aの後段に水性シフト反応部140b及び選択酸化反応部140cを付設して、水性シフト反応及び選択酸化反応からなる各過程を介して、一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)及び水素(H)に変換して、有害物質の排出を抑止するように構成する。
具体的には、水性シフト反応部140bは、図9(a)に示す構造と概略同一であるが、燃料吐出部142aの代わりに、水蒸気改質反応部140aで改質後に残存する一酸化炭素(CO)を微量に含む水素ガス(H)を吐出する吐出部が設けられ、かつ、薄膜ヒータ146と同様に、例えば、金属酸化膜又は金属窒化膜等の発熱抵抗体からなる薄膜層を備えている。
【0106】
水性シフト反応部140bにおける水性シフト反応過程では、一酸化炭素(CO)に対して水(水蒸気;HO)を反応させることにより40.2kJ/mol程度の熱エネルギーを発熱して、次の化学反応式(5)に示すように、二酸化炭素(CO)と水素(H)が生成される。このとき発生される二酸化炭素(CO)は、発電モジュール100の外側に選択的に排出される。
CO+HO →CO+H       ・・・(5)
【0107】
水性シフト反応部140bの後段に付設された選択酸化反応部140cは、水性シフト反応部140bで未反応の一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に改質するものであり、概略図9(a)から燃料気化部143a、水気化部143bを省略し、燃料吐出部142a、水吐出部142bの代わりに、それぞれ水性シフト反応部140bからの気体を吐出する吐出部と、発電モジュール100の外側から取り込んだ空気あるいは酸素(O)を吐出する吐出部と、が設けられ、かつ、薄膜ヒータ146と同様に、例えば、金属酸化膜又は金属窒化膜等の発熱抵抗体からなる薄膜層を備えている。
【0108】
選択酸化反応過程において、水性シフト反応により二酸化炭素(CO)と水素(H)に変換されなかった一酸化炭素(CO)に対して酸素(O)を反応させることにより283.5kJ/mol程度の熱エネルギーを発熱して、次の化学反応式(6)に示すように、二酸化炭素(CO)が生成される。
CO+(1/2)O →CO      ・・・(6)
なお、選択酸化反応部140cは、水蒸気改質反応部140aと水性シフト反応部140bとの間に設けてもよい。
上記一連の改質反応により生成される水素(H)以外の微量の生成物(主に、二酸化炭素(CO))は、発電モジュール100に設けられた排出孔を介して、外部に排出される。
【0109】
次いで、上述した電源システムに適用される発電モジュール100及び燃料パック200の形状、並びに、電源システム全体の具体構成例について、図面を参照して説明する。
図10(a)〜図10(d)及び図10(e)〜図10(h)は、それぞれ上述した電源システムに適用される一実施例の燃料パック及びホルダー部(発電モジュール)を上方向、前方向、横方向、後方向から見た外形形状を示す概略構成図である。ここでは、説明の都合上、後述する電源システムの具体構成例(図11)を適宜参照するものとする。なお、図11は、上述した電源システム全体の具体構成例を示す要部構成図である。
【0110】
図10(a)〜図10(d)及び図10(e)〜図10(h)に示すように、本実施例に係る電源システムは、発電用燃料が所定の条件で封入された燃料パック200と、該燃料パック200が装着自在及び取り外し自在に構成された発電モジュール100を収納したホルダー部400と、を備えて構成されている。
ここで、燃料パック200は、図10(a)〜図10(d)に示すように、例えば、発電用燃料FLを封入する透明の分解性高分子ケースであって、未使用の場合には、バクテリア等の分解要因から保護するパッケージPKでケースの周囲全体が被覆されており、燃料パック200の装着時には、パッケージPKを剥離する構成になっている。
また、燃料パック200は透明なケースで構成されるとともに、図10(a)に示すように、その側面の適当な位置に指標(目盛り)203を設けた構成を有しており、これにより、燃料パック200内に残存する発電用燃料FLの量(残量)を視覚的に確認することができるようになっている。
【0111】
ホルダー部400は、図10(e)〜図10(h)に示すように、大別して、上述した適用例と同等の構成を有する発電モジュール100が収納され、正極端子EL(+)が設けられた発電機能部401と、負極端子EL(−)が設けられた対向部402と、発電機能部401と対向部402を連結するとともに、発電機能部401と負極端子EL(−)を電気的に接続する連結部403と、を有して構成されている。ここで、発電機能部401、対向部402及び連結部403により囲まれた貫通した空間SPが、上記燃料パック200を結合した際の収納位置となる(図10(e)、(g)参照)。
【0112】
また、ホルダー部400は、燃料パック200が空間SPに装着、収納された状態で、燃料パック200の底部202が接触する対向部402の当接部分の周囲にバネ材等の弾性を有し、中央に孔を有する凸部404と、該凸部404の孔及び発電モジュール100の副生成物供給経路104(図11参照)を連結する副生成物回収経路405と、を備えている。なお、ホルダー部400の連結部403には、図10(e)に示すように、図10(a)に示した燃料パック200の指標203に代えて、又は、指標203と併設するように、指標406が刻まれた構成を適用するものであってもよい。これにより、ホルダー部400に燃料パック200を結合した際に、発電用燃料FLの残量を視覚により簡易かつ正確に確認することができる。なお、この場合、連結部403は、不透明である方が指標406を視認しやすい。
【0113】
そして、このような構成を有する発電モジュール100(発電機能部401)は、より具体的には、図11に示すように、概略、円柱形状の円周側面に沿って延在する発電部110と、円柱状の発電モジュール100内部に、各々深さ及び幅がそれぞれ500μm以下の燃料流路及び流路内の空間を所定温度に設定する個別の薄膜ヒータ(図示を省略)が形成された水蒸気改質反応部(水蒸気改質反応炉)140a、水性シフト反応部(水性シフト反応炉)140b及び選択酸化反応部(選択酸化反応炉)140cと、発電機能部401の内部にマイクロチップ化されて収納された動作制御部180と、発電モジュール100の円柱側面から上記発電部110の空気極まで貫通し、外部の空気を取り入れる複数の通気孔(スリット)130aと、上記空気極側において生成される副生成物(水等)を液化(凝縮)して分離回収する分離回収部102と、回収した副生成物の一部を水蒸気改質反応部140aに供給する副生成物供給経路104と、円柱上面から上記発電部110の燃料極まで貫通し、少なくとも、発電部110の燃料極側や水蒸気改質反応部140a、水性シフト反応部140b、選択酸化反応部140cにおいて生成される、非回収物質である副生成物(二酸化炭素等)を発電機能部401の外部に排出する排出孔106と、図示を省略した副電源部170と、を備えて構成されている。
【0114】
水蒸気改質反応部140a及び水性シフト反応部140bは、反応に必要な水として、発電部110で生成され、副生成物供給経路104を介して供給される水、及び、燃料パック200内の発電用燃料FLに含まれる水の少なくとも一方を利用する。
また、燃料パック200は、発電部110に供給される発電用燃料FLが充填、封入される燃料封入部210(図8参照)と、上記分離回収部102により回収された副生成物(水)を固定的に保持する副生成物回収部220(図8参照)と、発電モジュール100との結合部分に設けられ、発電用燃料FLの漏出を防止する燃料供給弁201aと、回収保持された副生成物(回収物)の漏出を防止する副生成物取込弁204(図10(a)参照)と、を有して構成されている。
【0115】
このような構成を有する電源システムにおいて、パッケージPKを剥がした燃料パック200をホルダー部400の空間SP1に装着、収納すると、図11に示すように、燃料送出経路となる燃料送出管406が燃料パック200の燃料送出口201に係合して、燃料送出口201内に形成され、例えば、バネ等の弾性機構によりで閉止方向に姿勢が強制されている燃料供給弁201aを押し下げて、燃料パック200の漏出防止機能が解除される。これにより、燃料パック200の燃料封入部210に封入された発電用燃料FLが、毛細管201b内及び燃料送出管406内での表面張力により自動的に吸い上げ搬送されて発電モジュール100に供給される。なお、燃料パック200をホルダー部403から取り外すと、燃料供給弁201aがバネ等の弾性機構の復元力で元の閉止状態に戻り、内部に封入された発電用燃料FLが漏れないようになる。
【0116】
そして、上述したような発電モジュール100における発電動作により、電力とともに生成される副生成物のうち、水(HO)は、連結部403に設けられた副生成物回収経路405、対向部402に設けられた凸部404の孔及び燃料パック200の底部202に設けられた回収孔(副生成物取込弁204)を介して、燃料パック200内の副生成物回収部220に回収、保持される。したがって、燃料パック200の内部には、上記燃料封入部210及び副生成物回収部220が、例えば、隔壁膜等を介して相互に隔絶して設けられ、かつ、双方の容量変化に応じて、上記隔壁膜等が相対的に変形又は移動等するように構成されている。
【0117】
これにより、図8に示したように、発電モジュール100に供給された発電用燃料FLから燃料改質部140において、水素ガスが生成され、発電部110において、所定の電力が生成されて充電部160に供給、充電(蓄電)されるとともに、充電部160に蓄電されたチャージにより充電される副電源部170により、常時燃料制御部120、温度制御部150及び動作制御部180に動作電力が供給される。また、本実施例に係る電源システムに所定のデバイスDVCが接続されることにより、充電部160あるいは発電部110から出力された電力の一部が、発電機能部401に設けられた正極端子EL(+)及び対向部402に設けられた負極端子EL(−)を介して、デバイスDVCに内蔵されたコントローラCNT及び負荷LDに駆動電力として供給される。
【0118】
ここで、電源システムは、図10(g)に示すように、燃料パック200が空間SPに収納され、ホルダー部400に結合された状態(二点鎖線で示した燃料パック200を含む全体構成)において、例えば、日本国内において市販されている汎用の化学電池(一次電池又は二次電池)と略同等の外形形状及び寸法を有するように構成することができる。また、このとき、燃料パック200が空間SPに正常に収納された状態で、燃料パック200の燃料送出口201が、発電機能部401側の燃料送出経路(燃料送出管406)に良好に係合するとともに、燃料パック200がホルダー部400から不用意に脱落することを防止するために、燃料パック200底部202が対向部402により適当な圧力で押圧されるように構成されていることが望ましい。
【0119】
したがって、本実施例に係る電源システムを、汎用の化学電池と同様に簡易に取り扱うことができ、汎用の化学電池と同一又は同等の外形形状(ここでは、円柱形状)及び寸法を有するように構成するとともに、同一又は同等の電気的特性を有する電力を供給するように発電状態を制御することにより、汎用の化学電池と極めて互換性の高い電源システムを実現することができ、既存の携帯機器等のデバイスの電源として、良好に適用することができる。
なお、上述した電源システムの適用例及び具体構成例は、本発明に係る化学反応装置(マイクロリアクタ)を燃料改質部に適用した電源システムのごく一例を示したものにすぎず、本発明に係る化学反応装置の適用はこの形態に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る化学反応装置は、所定の流路形状を有する溝部が設けられた微小な主基板に、微小な閉止基板を接合することにより構成される反応流路内で、例えば、アルコール系の気体燃料と酸素の混合ガスから水素ガスを生成する化学反応等を生じるマイクロリアクタであって、反応流路に所定の熱量を供給して上記化学反応を促進又は制御する薄膜ヒータと、該薄膜ヒータに電力を供給して所定の熱量を発生させるための配線電極と、少なくとも主基板及び薄膜ヒータを被覆保護する保護膜と、を備え、上記保護膜が該配線電極の上面高さ(積層高さ)を基準として、所定の平坦性を有して形成されているとともに、該配線電極の上面が保護膜から露出するように形成された構成を有している。
【0121】
これによれば、マイクロリアクタの特定の面(主基板の薄膜ヒータや配線電極等が積層形成された面)において、配線電極の上面を露出させつつ、少なくとも配線電極間の領域を保護膜により被覆かつ平坦化したマイクロリアクタを実現することができるので、該特定の面に対して、他の周辺部材を接合する場合や、複数のマイクロリアクタ相互を積層形成する場合等に、上下方向(積層方向)で電気的な接続を行うことができるとともに、各構成間に隙が発生することを防止して、装置規模の省スペース化や、薄膜ヒータから反応流路への熱伝導効率の向上を図ることができる。したがって、マイクロリアクタ、及び、これを燃料改質部等に適用した電源システムの設計自由度を向上させることができ、電源システムの小型化や所望の外形形状への適用を図ることができる。
【0122】
また、本発明に係る化学反応装置の製造方法によれば、上記保護膜が、酸化物系又は窒化物系の絶縁性材料により構成されているとともに、上記配線電極のうち、少なくとも上面部分が、保護膜形成材料が付着しない、若しくは、著しく付着性が低い、金等の特定の導電性材料により構成されているので、保護膜を形成する面の表面段差が比較的大きく、かつ、平坦化の対象となる領域幅が比較的広い場合であっても、集積回路等の製造プロセスにおいて確立された微細加工技術を始め、スパッタ法や真空蒸着法、スピンコート法による保護膜形成技術や、ホットプレートを用いた基板の加熱制御技術等の既存の製造技術を適用して、特殊なプロセスを必要とすることなく、良好に絶縁性材料を埋め込むことができ、配線電極の最上面以外の領域に良好な平坦性を有する保護膜を形成することができる。ここで、保護膜形成材料として、市販の酸化物系や窒化物系の被膜形成用塗布液を適用することもでき、この場合には、本発明特有の温度制御方法により、比較的簡易に平坦性が良好な保護膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化学反応装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る化学反応装置に適用されるヒータ用の配線電極の積層構造を示す要部断面図である。
【図3】本発明に係る化学反応装置の全体の製造方法を示す製造プロセス図である。
【図4】本発明に係る化学反応装置の製造方法に適用される第1の保護膜の形成方法を示す概略プロセス図である。
【図5】本発明に係る化学反応装置の製造方法に適用される第2の保護膜の形成方法を示す概略プロセス図である。
【図6】本発明に係る化学反応装置の製造方法に適用される保護膜の乾燥、焼結方法を示す温度制御グラフである。
【図7】本発明に係る化学反応装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図8】本発明に係る化学反応装置の適用が可能な電源システム(燃料電池システム)の要部構成、及び、該電源システムより駆動されるデバイスを示すブロック図である。
【図9】本発明に係る化学反応装置の構成を適用した燃料改質部の具体例を示す概略構成図である。
【図10】上述した電源システムに適用される一実施例の燃料パック及びホルダー部(発電モジュール)の外形形状を示す概略構成図である。
【図11】上述した電源システム全体の具体構成例を示す要部構成図である。
【図12】従来技術における化学反応装置(マイクロリアクタの反応流路部)の概略構成を示す図である。
【図13】従来技術における化学反応装置(マイクロリアクタ)に適用される薄膜ヒータ及び配線電極を示す要部断面図である。
【図14】従来技術における化学反応装置の製造方法に適用される保護膜の形成状態を示す概略図である。
【符号の説明】
10     主基板
20     反応流路
30     閉止基板
40     薄膜ヒータ
50、53  配線電極
51     下部電極層
52     上部電極層
60     保護膜

Claims (40)

  1. 少なくとも連続的に形成された反応流路を有し、該反応流路内で第1の流体物質を第2の流体物質に変換する化学反応を生じる化学反応装置において、
    前記反応流路を含む領域に対応して形成され、前記反応流路に所定の熱量を供給する温度調整層と、
    該温度調整層の所定の領域に形成され、前記温度調整層において前記熱量を発生させるための電力を供給する配線電極と、
    前記配線電極の上面高さを基準として、少なくとも前記配線電極の上面を露出させるとともに、前記温度調整層を含む領域に所定の平坦性を有するように形成された絶縁性の保護膜と、
    を備えることを特徴とする化学反応装置。
  2. 前記配線電極は、少なくとも該配線電極の上面が、前記保護膜の形成材料に対して非付着性を有するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の化学反応装置。
  3. 前記配線電極は、前記温度調整層に対して、高い付着性を有する導電性材料からなる単一の電極層により構成されていることを特徴とする請求項2記載の化学反応装置。
  4. 前記温度調整層膜は、タングステンを含有する合金からなる発熱抵抗体であり、
    前記単一の電極層は、金、及び、金を含有する合金の中から選択された材料からなることを特徴とする請求項3記載の化学反応装置。
  5. 前記配線電極は、少なくとも、
    前記温度調整層に直接接触し、該温度調整層に対して高い付着性を有する導電性材料からなる第1の電極層と、
    前記第1の電極層の上層であって、前記保護膜形成材料に対して非付着性を有する導電性材料からなるとともに、前記配線電極の上面を構成する第2の電極層と、
    を含んで形成された積層構造を有していることを特徴とする請求項2記載の化学反応装置。
  6. 前記第1の電極層は、前記第2の電極層に覆われない領域を有することを特徴とする請求項5記載の化学反応装置。
  7. 前記第1の電極層は、タングステン、モリブデン、タンタル、タングステンを含有する合金、モリブデンを含有する合金、タンタルを含有する合金の中から選択された材料からなり、
    前記第2の電極層は、金、及び、金を含有する合金の中から選択された材料からなることを特徴とする請求項5又は6記載の化学反応装置。
  8. 前記温度調整層膜は、酸化物系材料もしくは窒化物系材料からなる発熱抵抗体であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の化学反応装置。
  9. 前記保護膜は、酸化物系もしくは窒化物系の保護膜形成材料からなる絶縁性膜であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の化学反応装置。
  10. 前記保護膜は、少なくとも、前記温度調整層を含む領域に塗布した前記保護膜形成材料に対して、
    少なくとも、第1の温度で第1の時間保持して前記保護膜形成材料の表面を平坦にした後、
    前記第1の温度から第2の温度へ第1の温度上昇率で昇温して前記保護膜形成材料の溶剤を蒸発させる第1の昇温領域と、
    前記第2の温度から第3の温度へ第2の温度上昇率で昇温して膜形成反応を生じさる第2の昇温領域と、
    を有して得られたものであり、
    前記第1の温度上昇率は、前記第2の温度上昇率より小さく設定されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の化学反応装置。
  11. 前記保護膜は、前記第1及び第2の昇温領域に加え、第4の温度で第2の時間保持して焼成することにより得られたものであることを特徴とする請求項10記載の化学反応装置。
  12. 前記第1の昇温領域は、
    少なくとも、前記第1の温度上昇率より小さい第3の温度上昇率で昇温する第3の昇温領域と、
    前記第1の温度上昇率より大きい第4の温度上昇率で昇温する第4の昇温領域と、
    を有することを特徴とする請求項10記載の化学反応装置。
  13. 前記第1の温度は、室温乃至30℃程度の温度であり、前記第2の温度は、145℃乃至155℃程度の温度であることを特徴とする請求項10記載の化学反応装置。
  14. 前記第1の時間は、少なくとも5分であり、前記第1の温度上昇率は、45℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の温度上昇率であり、前記第2の温度上昇率は、50℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の温度上昇率であることを特徴とする請求項10記載の化学反応装置。
  15. 前記第4の温度は、345℃乃至355℃程度の温度であることを特徴とする請求項11記載の化学反応装置。
  16. 前記第2の時間は、少なくとも30分であることを特徴とする請求項11記載の化学反応装置。
  17. 前記反応流路は、第1の基板の一面側に所定の流路形状を有する溝部が形成され、前記第1の基板の一面側に第2の基板の一面側を接合して前記溝部の開放端を閉止することにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の化学反応装置。
  18. 前記温度調整層、前記配線電極及び前記保護膜は、前記第1の基板の他面側に形成されていることを特徴とする請求項17記載の化学反応装置。
  19. 前記温度調整層、前記配線電極及び前記保護膜は、前記第2の基板の他面側に形成されていることを特徴とする請求項17記載の化学反応装置。
  20. 前記化学反応装置は、少なくとも、前記第1の基板及び第2の基板が微小基板からなり、前記反応流路がミクロンオーダーの微細化された流路形状を有して形成されていることを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の化学反応装置。
  21. 前記化学反応装置は、前記反応流路が個別に形成された複数の反応領域を有し、該各反応領域ごとに互いに異なる化学反応を生じるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の化学反応装置。
  22. 前記化学反応装置は、前記反応流路内の少なくとも一部に所定の触媒層が設けられ、前記温度調整層から前記触媒層に供給される所定の熱量に基づいて、吸熱又は発熱を伴う前記化学反応を生じることにより、前記第1の流体物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の化学反応装置。
  23. 前記第1の流体物質は、アルコール系の気体燃料と酸素を含む混合ガスであり、前記第2の流体物質は、水素ガスであって、
    前記化学反応装置は、少なくとも、前記温度調整層から供給される熱量に基づいて前記反応流路内で水蒸気改質反応を生じることにより、前記第1の流体物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載の化学反応装置。
  24. 前記第1の流体物質は、アルコール系の液体燃料又は水であり、前記第2の流体物質は、前記第1の流体物質が気化した燃料ガス又は水蒸気であって、
    前記化学反応装置は、少なくとも、前記温度調整層から供給される熱量に基づいて前記反応流路内で気化反応を生じることにより、前記第1の流体物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載の化学反応装置。
  25. 前記第1の流体物質は、一酸化炭素ガスと酸素を含む混合ガスであり、前記第2の流体物質は、水素ガス及び二酸化炭素ガスであって、
    前記化学反応装置は、少なくとも、前記温度調整層から供給される熱量に基づいて前記反応流路内で水性シフト反応及び選択酸化反応を生じることにより、前記第1の流体物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載の化学反応装置。
  26. 少なくとも連続的に形成された反応流路を有し、該反応流路内で第1の流体物質を第2の流体物質に変換する化学反応を生じる化学反応装置の製造方法において、
    前記反応流路を含む領域に対応して形成された温度調整層上に、少なくとも上面が所定の保護膜形成材料に対して非付着性を有するように構成された配線電極を形成する工程と、
    前記配線電極の上面を除く領域に、前記配線電極の上面高さを基準として、前記保護膜形成材料からなる絶縁性の保護膜を、所定の平坦性を有するように形成する工程と、
    を含むことを特徴とする化学反応装置の製造方法。
  27. 前記配線電極は、前記温度調整層に対して、高い付着性を有する導電性材料からなる単一の電極層であることを特徴とする請求項26記載の化学反応装置の製造方法。
  28. 前記配線電極は、少なくとも、
    前記温度調整層に直接接触し、該温度調整層に対して高い付着性を有する導電性材料からなる第1の電極層を形成する第1の電極形成工程と、
    前記第1の電極層の上層に、前記保護膜形成材料に対して非付着性を有する導電性材料からなるとともに、前記配線電極の上面を構成する第2の電極層を形成する第2の電極形成工程と、
    を含むことを特徴とする請求項26記載の化学反応装置の製造方法。
  29. 前記第1の電極層の少なくとも一部は前記第2の電極層に覆われずに露出されるように形成されることを特徴とする請求項28記載の化学反応装置の製造方法。
  30. 前記保護膜を形成する工程は、少なくとも前記温度調整層及び前記配線電極を含む領域に、前記保護膜形成材料を均一に堆積させつつ、少なくとも前記配線電極の上面を除く領域に所定の平坦性を有する前記保護膜を形成することを特徴とする請求項26記載の化学反応装置の製造方法。
  31. 前記保護膜を形成する工程は、前記保護膜形成材料をターゲットに適用したスパッタリング法、もしくは、前記保護膜形成材料を蒸発源に適用した真空蒸着法により、少なくとも前記温度調整層及び前記配線電極を含む領域に、前記保護膜形成材料を均一に堆積することを特徴とする請求項30記載の化学反応装置の製造方法。
  32. 前記保護膜を形成する工程は、少なくとも、
    第1の温度で第1の時間保持して、塗布された前記保護膜形成材料の表面を平坦化する工程と、
    前記第1の温度から第2の温度に第1の温度上昇率で昇温させて前記保護膜形成材料に含まれる溶剤を蒸発させる工程と、
    前記第2の温度から第3の温度へ第2の温度上昇率で昇温して膜形成反応を生じさせる工程と、
    を含み、
    前記第1の温度上昇率は、前記第2の温度上昇率より小さく設定されていることを特徴とする請求項30記載の化学反応装置の製造方法。
  33. 前記第1及び第2の昇温領域に加え、第4の温度で第2の時間保持して焼成することにより得られたものであることを特徴とする請求項32記載の化学反応装置の製造方法。
  34. 前記保護膜形成材料に含まれる溶剤を蒸発させる工程は、
    少なくとも、前記第1の温度上昇率より小さい第3の温度上昇率で昇温する工程と、
    前記第1の温度上昇率より大きい第4の温度上昇率で昇温する工程と、
    を有することを特徴とする請求項32記載の化学反応装置の製造方法。
  35. 前記第1の温度は、室温乃至30℃程度の温度であり、前記第2の温度は、145℃乃至155℃程度の温度であることを特徴とする請求項32記載の化学反応装置の製造方法。
  36. 前記第1の時間は、少なくとも5分であり、前記第1の温度上昇率は、45℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の温度上昇率であり、前記第2の温度上昇率は、50℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の温度上昇率であることを特徴とする請求項32記載の化学反応装置の製造方法。
  37. 前記第4の温度は、345℃乃至355℃程度の温度であることを特徴とする請求項33記載の化学反応装置の製造方法。
  38. 前記第2の時間は、少なくとも30分であることを特徴とする請求項33記載の化学反応装置の製造方法。
  39. 前記保護膜形成材料を塗布、平坦化する工程は、スピンコート法を適用して、酸化物系もしくは窒化物系の保護膜形成材料を塗布することにより、少なくとも前記配線電極の上面を除く領域に所定の平坦性を有する前記保護膜を形成することを特徴とする請求項32記載の化学反応装置の製造方法。
  40. 少なくとも、連続的に形成された反応流路と、前記反応流路を含む領域に対応して形成され、前記反応流路に所定の熱量を供給する温度調整層と、該温度調整層の所定の領域に形成され、前記温度調整層において前記熱量を発生させるための電力を供給する配線電極と、該配線電極の積層高さを基準として、少なくとも、前記配線電極の上面を露出させるとともに、前記温度調整層を含む領域に所定の平坦性を有するように形成された絶縁性の保護膜と、を備え、少なくとも、前記温度調整層から供給される熱量に基づいて、前記反応流路内で水蒸気改質反応を生じることにより、アルコール系の気体燃料と酸素を含む混合ガスを水素ガスに変換する化学反応装置と、
    前記化学反応装置によって生成された水素と、前記化学反応装置に取り込まれた酸素と、を反応させて発電を行う燃料電池と、
    を具備することを特徴とする燃料電池システム。
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