JP2003340273A - 化学反応装置及び燃料電池システム並びにその製造方法 - Google Patents

化学反応装置及び燃料電池システム並びにその製造方法

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JP2003340273A JP2002156876A JP2002156876A JP2003340273A JP 2003340273 A JP2003340273 A JP 2003340273A JP 2002156876 A JP2002156876 A JP 2002156876A JP 2002156876 A JP2002156876 A JP 2002156876A JP 2003340273 A JP2003340273 A JP 2003340273A
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chemical reaction
reaction device
fuel
protective film
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JP2002156876A
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Hiroyuki Takeyama
啓之 竹山
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Casio Computer Co Ltd
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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロリアクタに用いる薄膜ヒータ及びヒ
ータ配線を被覆する保護膜が良好に平坦化された化学反
応装置を提供するとともに、該保護膜の形成工程におい
て、基板表面の平坦性を向上させることができる製造方
法を提供する。 【解決手段】 マイクロリアクタは、主基板10の一面
側に形成された反応流路20と、反応流路の開放端を閉
止するように主基板10に接合された閉止基板30と、
主基板10の他面側に、上記反応流路20の形成領域に
対応して形成された薄膜ヒータ40と、薄膜ヒータ40
上に積層形成されたヒータ配線50と、少なくとも、上
記ヒータ配線50及び薄膜ヒータ40を含む領域に、保
護膜形成材料を塗布し、平坦化工程で定温保持して表面
を平坦化した後、溶剤蒸発工程で溶剤を蒸発させた後、
膜形成反応工程にて膜形成反応を促進させ、焼成工程に
て焼処理して得られる被覆膜からなる保護膜60と、を
備えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学反応装置及び
燃料電池システム並びにその製造方法に関し、特に、微
小基板に形成された反応流路における触媒反応により、
水素ガス等の所望の流体物質の生成が可能な化学反応装
置及びそれを用いた燃料電池システム、並びにその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化学反応工学の分野においては、
流体化された混合物質を反応流路(チャネル)内に設け
られた触媒による化学反応(触媒反応)により、所望の
流体物質を生成する化学反応装置(「流路反応器」、又
は、「チャネルリアクタ」ともいう)が知られている。
【0003】近年、このような化学反応装置の技術分野
に、集積回路等の半導体デバイス製造分野等で蓄積され
た微細加工技術(マイクロテクノロジー)をはじめとす
る、いわゆる、マイクロマシン製造技術を適用して、例
えば、単一のシリコンチップ上の微小空間にミリメート
ルオーダー又はミクロンオーダーの混合器や反応流路、
分析器等の各種機能要素を集積化したマイクロリアクタ
(又は、「マイクロチャネルリアクタ」ともいう)の研
究開発が活発に行われている。
【0004】ここで、マイクロリアクタにおける主要な
構成である反応流路部について、図12を参照して簡単
に説明する。マイクロリアクタの反応流路部は、概略、
図12(a)、(b)、(c)に示すように、シリコン
等の微小な主基板10pの一面側にフォトエッチング技
術等を用いて、例えば、ミクロンオーダーの幅及び深さ
を有する溝部からなる反応流路(マイクロチャネル)2
0pを形成し、該反応流路20pの内壁面(側壁面ある
いは底面;ここでは、底面)に所定の触媒21pを付着
形成した後、該主基板10pの一面側に、上記反応流路
20pの開放部(上記溝部の開放端)を閉止するように
ガラス等の閉止基板30pを接合した構成を有してい
る。
【0005】特に、マイクロリアクタにおける化学反応
(触媒反応)が特定の熱条件による吸熱反応を伴う場合
には、化学反応時に反応流路20p(詳しくは、触媒2
1p)に特定の熱量を供給するために、例えば、図12
(b)、(c)に示すように、主基板10pの他面側
(閉止基板30pとの接合面とは反対側)に、上記反応
流路20pの形状(形成領域)に対応して、例えば蛇行
した形状にパターニング形成された発熱抵抗体等からな
る薄膜ヒータ40pと、該薄膜ヒータ40pの上層であ
って、例えば、薄膜ヒータ40pの平面形状の両端部に
沿って形成されたヒータ配線50pを備えた構成が適用
される。ここで、図中、51pは、図示を省略したヒー
タ電源と電気的に接続するための電極パッドであって、
例えば、ヒータ配線50の端部等の所定の位置に設けら
れる。
【0006】なお、図12(a)、(c)においては、
反応流路20p及び薄膜ヒータ40pの形状を明確にす
るために、便宜的にハッチングを施して示した。また、
図12においては、マイクロリアクタ(化学反応装置)
の側部に反応流路20pへの流体物質の導入部20a及
び排出部20bを設けた構成を示したが、主基板10p
又は閉止基板30pに対して垂直方向(すなわち、図1
2(a)、(c)において、紙面に垂直方向)に上記導
入部20a及び排出部20bが設けられた構成であって
もよい。
【0007】このような概略構成を有するマイクロリア
クタにおいて、例えば、メタノールと水からなる原料物
質を気化した流体物質(混合ガス)を上記反応流路20
pの導入部20a側から導入するとともに、図示を省略
したヒータ電源により薄膜ヒータ40pに所定の電圧を
印加して加熱し、反応流路20pが所定の温度となるよ
うに熱エネルギーを供給することにより、反応流路20
p内に付着形成された触媒21pによる吸熱触媒反応が
生じて、水素ガスと少量の二酸化炭素等が生成され(メ
タノール水蒸気改質反応)、反応流路20pの排出部2
0bから排出される。なお、メタノール等のアルコール
系原料から上述したような水蒸気改質反応により水素ガ
スを生成する技術は、近年、実用化に向けての研究開発
が目覚ましい燃料改質型の燃料電池システムにおける燃
料(水素)供給装置にも適用される技術である。
【0008】そして、このようなマイクロリアクタにお
いては、反応流路の構成を微細化することにより、次に
示すような種々の利点が得られるという特徴を有してい
る。 (1)反応流路における反応容積が小さくなるので、反
応流路及びヒータ間の表面積と反応流路の体積との比
(表面積/体積比)が高くなり、触媒反応時の熱伝導特
性が向上して、上述したような化学反応の反応効率が改
善されるという利点がある。
【0009】(2)また、反応流路の径(断面形状のサ
イズ)が小さくなるので、混合物質を構成する反応分子
の拡散混合時間が短くなり、反応流路内における触媒反
応の進行速度(反応速度)が向上するという利点があ
る。 (3)さらに、マイクロリアクタ自体が小型であるの
で、大型炉を製造するときに適用されるような、小型実
験炉での検証結果に合わせた段階的なスケールアップ
(装置規模の大型化や流体物質の生成能力の向上)に伴
う煩雑な反応工学的な検討が不要になるという利点があ
る。なお、マイクロリアクタの具体的な構成例について
は、後述する発明の実施の形態において詳しく説明す
る。
【0010】ところで、上述したようなマイクロリアク
タに適用される薄膜ヒータ40p及びヒータ配線50p
の要部断面構造は、例えば、図13に示すように、シリ
コン等の主基板10pの他面側(図13では上面側;図
12(b)では下面側に相当)の所定の領域に、酸化物
や窒化物等の抵抗体材料からなる薄膜ヒータ40pが設
けられ、該薄膜ヒータ40pの所定の領域(図12にお
いては、薄膜ヒータ40pの端部に沿って)上に低抵抗
の配線材料からなるヒータ配線50pが積層され、少な
くともヒータ配線50p及び薄膜ヒータ40pを被覆
(図13においては、主基板10p上も被覆)して保護
する絶縁性の保護膜60pが設けられた構成を有してい
る。
【0011】ここで、主基板10pの特定の面(薄膜ヒ
ータ40pやヒータ配線50pが形成された面)に、上
述したような保護膜60pを形成する場合、従来におい
ては、保護膜60pは、電気的な絶縁及び機械的な保護
を目的として形成されているに過ぎず、ヒータ配線50
p及び薄膜ヒータ40p上に略一定の厚さに形成されて
いた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マイク
ロリアクタにおいて、ヒータ配線及び薄膜ヒータ上に上
述のような保護膜が形成されている場合、このようなマ
イクロリアクタを、例えば、他の周辺部材へ接合する場
合や複数のマイクロリアクタ相互を積層化する場合等
に、薄膜ヒータ及びヒータ配線の形成面が平坦でないた
め、各構成間に無駄な隙間が発生して、薄膜ヒータから
上記反応流路以外の領域や空間へ放出される熱エネルギ
ーが増加して、熱伝導効率が低下する。更には、上記保
護膜の上層にさらに配線層等を形成する場合に、当該配
線層等に膜厚のバラツキや断線等が発生することがあ
る、という問題を有していた。
【0013】そこで、本発明は、上述した問題点に鑑
み、特に、マイクロリアクタに用いる薄膜ヒータ及びヒ
ータ配線を被覆する保護膜が良好に平坦化された化学反
応装置及びそれを用いた燃料電池システムを提供すると
ともに、該保護膜の形成工程において、基板表面の平坦
性を向上させることができる化学反応装置の製造方法を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の化学反応
装置は、少なくとも連続的に形成された反応流路を有
し、該反応流路内で第1の流体物質を第2の流体物質に
変換する化学反応を生じる化学反応装置において、少な
くとも、前記反応流路を含む領域に対応して形成され、
前記反応流路に所定の熱量を供給する温度調整層と、該
温度調整層の所定の領域に形成され、前記温度調整層に
おいて前記熱量を発生させるための電力を供給する配線
層と、前記配線層あるいは前記温度調整層の積層高さを
基準として、少なくとも、前記温度調整層を含む領域に
所定の平坦性を有するように形成された絶縁性の保護膜
と、を備えることを特徴としている。
【0015】請求項2記載の化学反応装置は、請求項1
記載の化学反応装置において、前記保護膜は、前記温度
調整層及び前記配線層を含む領域に塗布した所定の保護
膜形成材料に対して、少なくとも、第1の温度で第1の
時間保持して前記保護膜形成材料の表面を平坦にした
後、前記第1の温度から第2の温度へ第1の温度上昇率
で昇温して前記保護膜形成材料の溶剤を蒸発させる第1
の昇温領域と、前記第2の温度から第3の温度へ第2の
温度上昇率で昇温して膜形成反応を生じさる第2の昇温
領域を有して得られたものであり、前記第1の温度上昇
率は前記第2の温度上昇率より小さいことを特徴として
いる。
【0016】請求項3記載の化学反応装置は、請求項2
記載の化学反応装置において、前記保護膜は、更に、第
4の温度で第2の時間保持して焼成することにより得ら
れたものであることを特徴としている。請求項4記載の
化学反応装置は、請求項2記載の化学反応装置におい
て、前記第1の昇温領域は、少なくとも、前記第1の温
度上昇率より小さい第3の温度上昇率で昇温する第3の
昇温領域と、前記第1の温度上昇率より大きい第4の温
度上昇率で昇温する第4の昇温領域と、を有することを
特徴としている。
【0017】請求項5記載の化学反応装置は、請求項2
記載の化学反応装置において、前記第1の温度は室温乃
至30℃程度の温度であり、前記第2の温度は145℃
乃至155℃程度の温度であることを特徴としている。
請求項6記載の化学反応装置は、請求項2記載の化学反
応装置において、前記第1の時間は少なくとも5分であ
り、前記第1の温度上昇率は、45℃の昇温に少なくと
も5分かかる程度の温度上昇率であり、前記第2の温度
上昇率は、50℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の
温度上昇率であることを特徴とする。
【0018】請求項7記載の化学反応装置は、請求項3
記載の化学反応装置において、前記第4の温度は345
℃乃至355℃程度の温度であることを特徴としてい
る。請求項8記載の化学反応装置は、請求項3記載の化
学反応装置において、前記第2の時間は少なくとも30
分であることを特徴としている。請求項9記載の化学反
応装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の化学反応
装置において、前記保護膜は、前記配線層あるいは前記
温度調整層の積層高さを基準として、概ね1μm以下の
平坦性を有していることを特徴としている。
【0019】請求項10記載の化学反応装置は、請求項
1乃至9のいずれかに記載の化学反応装置において、前
記温度調整層は、所定の発熱特性を有する抵抗体層であ
り、前記配線層は、前記温度調整層上に所定の配線パタ
ーン形状を有し、少なくとも第1の導電性配線層及び第
2の導電性配線層を積層して形成された積層配線である
ことを特徴としている。
【0020】請求項11記載の化学反応装置は、請求項
10記載の化学反応装置において、前記温度調整層は、
タングステンを含有する合金からなることを特徴として
いる。請求項12記載の化学反応装置は、請求項10又
は11記載の化学反応装置において、前記第1の導電性
配線層は、金、銅、金を含有する合金、及び、銅を含有
する合金の中から選択された材料からなり、前記第2の
導電性配線層は、タングステン、モリブデン、タンタ
ル、タングステンを含有する合金、モリブデンを含有す
る合金、タンタルを含有する合金の中から選択された材
料からなることを特徴としている。
【0021】請求項13記載の化学反応装置は、請求項
1乃至12のいずれかに記載の化学反応装置において、
前記反応流路は、第1の基板の一面側に所定の流路形状
を有する溝部が形成され、前記第1の基板の一面側に第
2の基板の一面側を接合して前記溝部の開放端を閉止す
ることにより構成されていることを特徴としている。請
求項14記載の化学反応装置は、請求項13記載の化学
反応装置において、前記温度調整層、前記配線層及び前
記保護膜は、前記第1の基板の他面側に形成されている
ことを特徴としている。請求項15記載の化学反応装置
は、請求項13記載の化学反応装置において、前記温度
調整層、前記配線層及び前記保護膜は、前記第2の基板
の他面側に形成されていることを特徴としている。
【0022】請求項16記載の化学反応装置は、請求項
13乃至15のいずれかに記載の化学反応装置におい
て、前記化学反応装置は、少なくとも、前記第1の基板
及び第2の基板が微小基板からなり、前記反応流路がミ
クロンオーダーの微細化された流路形状を有して形成さ
れていることを特徴としている。請求項17記載の化学
反応装置は、請求項1乃至16のいずれかに記載の化学
反応装置において、前記化学反応装置は、前記反応流路
が個別に形成された複数の反応領域を有し、該各反応領
域ごとに互いに異なる化学反応を生じるように構成され
ていることを特徴としている。
【0023】請求項18記載の化学反応装置は、請求項
1乃至17のいずれかに記載の化学反応装置において、
前記化学反応装置は、前記反応流路内の少なくとも一部
に所定の触媒層が設けられ、前記温度調整層から前記触
媒層に供給される所定の熱量に基づいて、吸熱又は発熱
を伴う前記化学反応を生じることにより、前記第1の流
体物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴と
している。
【0024】請求項19記載の化学反応装置は、請求項
1乃至18のいずれかに記載の化学反応装置において、
前記第1の流体物質は、アルコール系の気体燃料と酸素
を含む混合ガスであり、前記第2の流体物質は、水素ガ
スであって、前記化学反応装置は、少なくとも、前記温
度調整層から供給される熱量に基づいて前記反応流路内
で水蒸気改質反応を生じることにより、前記第1の流体
物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴とし
ている。
【0025】請求項20記載の化学反応装置は、請求項
1乃至18のいずれかに記載の化学反応装置において、
前記第1の流体物質は、アルコール系の液体燃料又は水
であり、前記第2の流体物質は、前記第1の流体物質が
気化した燃料ガス又は水蒸気であって、前記化学反応装
置は、少なくとも、前記温度調整層から供給される熱量
に基づいて前記反応流路内で気化反応を生じることによ
り、前記第1の流体物質から前記第2の流体物質を生成
することを特徴としている。
【0026】請求項21記載の化学反応装置は、請求項
1乃至18のいずれかに記載の化学反応装置において、
前記第1の流体物質は、一酸化炭素ガスと酸素を含む混
合ガスであり、前記第2の流体物質は、水素ガス及び二
酸化炭素ガスであって、前記化学反応装置は、少なくと
も、前記温度調整層から供給される熱量に基づいて前記
反応流路内で水性シフト反応及び選択酸化反応を生じる
ことにより、前記第1の流体物質から前記第2の流体物
質を生成することを特徴としている。
【0027】請求項22記載の燃料電池システムは、少
なくとも、連続的に形成された反応流路と、前記反応流
路を含む領域に対応して形成され、前記反応流路に所定
の熱量を供給する温度調整層と、該温度調整層の所定の
領域に形成され、前記温度調整層において前記熱量を発
生させるための電力を供給する配線層と、該配線層ある
いは前記温度調整層の積層高さを基準として、少なくと
も、前記温度調整層を含む領域に所定の平坦性を有する
ように形成された絶縁性の保護膜と、を備え、少なくと
も、前記温度調整層から供給される熱量に基づいて前記
反応流路内で水蒸気改質反応を生じることにより、前記
反応流路内でアルコール系の気体燃料と酸素を含む混合
ガスを水素ガスに変換する化学反応を生じる化学反応装
置と、前記化学反応装置によって生成された水素と酸素
とを反応させて発電を行う燃料電池と、を備えることを
特徴としている。
【0028】請求項23記載の化学反応装置の製造方法
は、少なくとも連続的に形成された反応流路を有し、該
反応流路内で第1の流体物質を第2の流体物質に変換す
る化学反応を生じる化学反応装置の製造方法において、
少なくとも、前記反応流路を含む領域に対応して形成さ
れた温度調整層、及び、該温度調整層の所定の領域に形
成された配線層を含む領域に、所定の保護膜形成材料を
塗布する工程と、第1の温度で第1の時間保持して、塗
布された前記保護膜形成材料の表面を平坦化する工程
と、前記第1の温度から第2の温度に第1の温度上昇率
で昇温させて前記保護膜形成材料内の溶剤を蒸発させる
工程と、前記第2の温度から第3の温度へ第2の温度上
昇率で昇温して膜形成反応を生じさる工程と、を含み、
前記第2の温度上昇率は前記第1の温度上昇率および第
3の温度上昇率より小さいことを特徴としている。
【0029】請求項24記載の化学反応装置の製造方法
は、請求項23記載の化学反応装置の製造方法におい
て、更に、第4の温度で第2の時間保持して焼成する工
程を含むことを特徴としている。請求項25記載の化学
反応装置の製造方法は、請求項23記載の化学反応装置
の製造方法において、前記保護膜形成材料内の溶剤を蒸
発させる工程は、少なくとも、前記第1の温度上昇率よ
り小さい第3の温度上昇率で昇温する工程と、前記第1
の温度上昇率より大きい第4の温度上昇率で昇温する工
程と、を有することを特徴としている。
【0030】請求項26記載の化学反応装置の製造方法
は、請求項23記載の化学反応装置の製造方法におい
て、前記第1の温度は室温乃至30℃程度の温度であ
り、前記第2の温度は145℃乃至155℃程度の温度
であることを特徴としている。請求項27記載の化学反
応装置の製造方法は、請求項23記載の化学反応装置の
製造方法において、前記第1の時間は少なくとも5分で
あり、前記第1の温度上昇率は、45℃の昇温に少なく
とも5分かかる程度の温度上昇率であり、前記第2の温
度上昇率は、50℃の昇温に少なくとも5分かかる程度
の温度上昇率であることを特徴としている。
【0031】請求項28記載の化学反応装置の製造方法
は、請求項24記載の化学反応装置の製造方法におい
て、前記第4の温度は345℃乃至355℃程度の温度
であることを特徴としている。請求項29記載の化学反
応装置の製造方法は、請求項24記載の化学反応装置の
製造方法において、前記第2の時間は、少なくとも30
分であることを特徴としている。請求項30記載の化学
反応装置の製造方法は、請求項23又は29記載の化学
反応装置の製造方法において、前記保護膜形成材料を塗
布する工程は、酸化物系あるいは窒化物系の保護膜形成
材料をスピンコート法により塗布することを特徴として
いる。
【0032】すなわち、本発明に係る化学反応装置及び
燃料電池システム並びにその製造方法は、所定の流路形
状を有する溝部が設けられた微小な主基板(第1の基
板)に、微小な閉止基板(第2の基板)を接合すること
により構成される反応流路内で、例えば、アルコール系
の気体燃料と酸素の混合ガス(第1の流体物質)から水
素ガス(第2の流体物質)を生成する化学反応を生じる
化学反応装置であって、反応流路に所定の熱量を供給し
て上記化学反応を促進又は制御する薄膜ヒータ(温度調
整層)と、該薄膜ヒータに電力を供給して所定の熱量を
発生させるためのヒータ配線(配線層)と、を備えた構
成において、少なくとも、以下の各工程を含む製造方法
により、薄膜ヒータ又はヒータ配線の積層高さを基準と
して、薄膜ヒータ及びヒータ配線の形成領域を被覆、保
護するように保護膜を形成したことを特徴としている。
【0033】ここで、本発明に適用される製造方法は、
少なくとも、 酸化物系又は窒化物系の保護膜形成材料(被覆形成用
塗布液)を、薄膜ヒータ及びヒータ配線の形成領域を被
覆するように塗布する工程 塗布後、第1の温度(室温程度)で第1の時間(5分
以上)保持して塗布された保護膜形成材料の表面を平坦
化する工程 第1の温度から第2の温度(70℃±5℃程度)まで
5分以上の時間をかけて温度上昇させ、次いで、5分以
上の時間をかけて第2の温度から第3の温度(80℃±
5℃程度)まで5分以上の時間をかけて温度上昇させ、
さらに、第3の温度から第4の温度(150℃±5℃程
度)まで5分以上の時間をかけて温度上昇させて保護膜
形成材料内の溶剤を蒸発させる工程の各工程を含んでい
ることを特徴とし、上記加熱工程の後、さらに、 第4の温度から第5の温度(350℃±5℃程度)ま
で、5分で50℃程度の温度上昇割合で温度上昇させて
膜形成反応を促進させる工程 第5の温度で30分以上保持して焼成する工程を含む
ものであってもよい。
【0034】これによれば、微小空間に形成されたマイ
クロリアクタ(化学反応装置)のように、集積回路に比
較して、積層部の表面段差が大きく、かつ、平坦化の対
象となる領域(例えば、上記薄膜ヒータ及びヒータ配線
の形成領域)が広い場合であっても、良好な平坦性(概
ね、1μm以下)を有する保護膜を形成することができ
る。したがって、集積回路等の製造プロセスにおいて確
立された、スピンコート法による保護膜形成材料(被覆
形成用塗布液)の塗布技術や、ホットプレートを用いた
基板の加熱制御技術(あるいは、保護膜形成材料の乾
燥、焼成技術)をそのまま適用しつつ、マイクロリアク
タ特有の構成やスケールに対応した、良好な平坦性を有
する保護膜を形成することができる有効な製造条件を提
示することができる。
【0035】また、マイクロリアクタの表面段差(例え
ば、薄膜ヒータとヒータ配線間の段差)を良好に平坦化
することができるので、他の周辺部材への接合や複数の
マイクロリアクタ相互の積層化等を行う際に、各構成間
の隙の発生を防止して、装置規模の省スペース化や小型
化を図ることができるとともに、薄膜ヒータから反応流
路以外の領域や空間への熱エネルギーの放出を抑制し
て、熱伝導効率の高いマイクロリアクタを実現すること
ができる。さらに、保護膜(絶縁膜)上にさらに配線層
等を形成する場合にあっては、当該配線層の膜厚のバラ
ツキや断線等を抑制することができ、信頼性の高いマイ
クロリアクタを実現することができる。更に、この化学
反応装置を、燃料改質型の燃料電池システムにおける燃
料改質部等に良好に適用することができ、燃料電池シス
テムを小型化することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る化学反応装置
及び燃料電池システム並びにその製造方法の実施の形態
について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明
に係る化学反応装置の一実施形態について、図面を参照
して説明する。図1は、本発明に係る化学反応装置の一
実施形態を示す概略構成図であり、図2は、本実施形態
に係る化学反応装置の積層構成を示す要部断面図であ
る。なお、図1においては、化学反応装置の構成を明瞭
にするために、反応流路の流路形状及び薄膜ヒータの平
面形状に対して便宜的にハッチングを施して示す。
【0037】図1に示すように、本実施形態に係るマイ
クロリアクタ(化学反応装置)は、大別して、微小基板
からなる主基板(第1の基板)10と、該主基板10の
一面側に所定の溝状の断面形状及び蛇行する平面形状
(流路形状)を有して形成された反応流路20と、該反
応流路20の内壁面(例えば、反応流路20の側壁面や
底面)に付着形成された触媒層21と、主基板10の一
面側(反応流路20の溝部開放端側)に接合された微小
基板からなる閉止基板(第2の基板)30と、上記主基
板10の他面側(閉止基板30との接合面とは反対側の
面)に、上記反応流路20の形成領域(平面形状)を含
む領域に、例えば、単一の矩形状に形成された発熱抵抗
体等からなる薄膜ヒータ(温度調整層)40と、薄膜ヒ
ータ40の両端部に沿って所定の形状でパターニング形
成されたヒータ配線(配線層)50と、少なくとも、上
記ヒータ配線50及び薄膜ヒータ40が形成された領域
を被覆して保護する絶縁性の保護膜60と、を備えて構
成されている。
【0038】ここで、反応流路20は、図1(a)、
(b)に示すように、シリコン等からなる主基板10の
一面側に、任意の溝状の断面形状及び平面形状(ここで
は、蛇行形状)を有するように形成され、内壁面(ここ
では、底面)に、例えば、銅−亜鉛(Cu−Zn)系の
触媒層21が付着形成された溝部を有し、該溝部の開放
端をガラス等の閉止基板30を接合して閉止することに
より、連続的なパターンを有し、外部から遮断された流
路(反応流路20)が構成される。すなわち、所定の流
体物質の導入部20a及び排出部20bにのみ開口部を
備えた流路が形成される。
【0039】なお、図1においては、化学反応装置の反
応流路部を構成する主基板10及び閉止基板30の側部
に反応流路20への流体物質の導入部20a及び排出部
20bが設けられた構成を示したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、主基板10又は閉止基板30に
対して垂直方向(すなわち、図1(a)、(c)におい
て、紙面に垂直方向)に上記導入部20a及び排出部2
0bが設けられた構成を有するものであってもよい。
【0040】また、薄膜ヒータ40は、例えば、図1
(b)、(c)に示すように、主基板10の他面側であ
って、少なくとも、主基板10の一面側に形成された反
応流路20の全域を含む領域に、所定の平面形状(ここ
では、単一の矩形形状)を有し、かつ、所定の発熱特性
を有する抵抗体の薄膜層により構成されている。ここ
で、薄膜ヒータ40は、具体的には、タングステン−チ
タン(WTi)や、タングステン(W)、タンタル(T
a)を含む金属化合物、あるいは、酸化物(−O)や窒
化物(−N)を含む化合物等を良好に適用することがで
きる。なお、本実施形態においては、発熱抵抗体として
タングステン−チタンを、例えば、210nm(210
0Å)の膜厚で形成した場合について示す(図2参
照)。
【0041】ヒータ配線50は、例えば、図1(b)、
(c)及び図2に示すように、上記薄膜ヒータ40上の
所定の領域に、各々異なる導電性材料により構成された
下層配線層51と上層配線層52からなる積層配線構造
を有して構成されている。ここで、ヒータ配線50の積
層配線構造を構成する各配線層51、52は、少なくと
も、所定の低抵抗特性を有し、高い電気伝導効率で上記
薄膜ヒータ40に電気エネルギーを供給することができ
る導電性材料を良好に適用することができる。また、各
配線層51、52は、薄膜ヒータ40を構成する材料及
び配線層51、52を構成する各材料に対して、剥離や
電気的特性の劣化を生じにくく、さらには、上層に被覆
形成される保護膜を含め、積層される各層相互との接合
性や密着性に優れた導電性材料であることが望ましい。
【0042】具体的には、下層配線層51として、金
(Au)、銅(Cu)、あるいは、これらの金属に任意
の材料を含む金属化合物(合金)を良好に適用すること
ができ、また、上層配線層52として、タングステン
(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)等の高
融点金属材料、あるいは、これらの高融点金属材料にチ
タン(Ti)やアルミニウム(Al)、シリコン(S
i)等から選択された任意の材料を含む金属化合物(合
金)を良好に適用することができる。なお、本実施形態
においては、下層配線層51として金を、例えば、70
0nm(7000Å)の膜厚で形成し、上層配線層52
としてタングステン−チタン(WTi)を、例えば、3
00nm(3000Å)の膜厚で形成した場合について
示す(図2参照)。
【0043】さらに、保護膜60は、例えば、酸化シリ
コン(SiO)や窒化シリコン(Si)等から
なる絶縁性の被覆膜であって、図2に示すように、微小
基板10上及び薄膜ヒータ40上、並びに、薄膜ヒータ
40上に積層されたヒータ配線50上の領域を被覆、保
護しつつ、該保護膜60の形成領域の表面段差が、所定
の平坦性(例えば、概ね1μm以下)を有するように形
成されている。ここで、保護膜60は、具体的には、半
導体デバイス製造技術において適用されるような、一般
に市販されている被覆形成用塗布液(例えば、SiO
系被覆形成用塗布液)を良好に適用することができ、特
に、後述するような本発明特有の製造方法を適用するこ
とにより、上記所定の平坦性を良好に実現することがで
きる。なお、ヒータ配線50に図示を省略した電極パッ
ドを設け、ヒータ電源と電気的に接続する構成を適用す
る場合には、例えば、保護膜60に開口部を形成して、
電極パッドを露出するようにしてもよい。
【0044】このような積層構造によれば、薄膜ヒータ
40やヒータ配線50等が積層形成されるマイクロリア
クタの特定の面(本実施形態においては、主基板10の
他面側)を、所定の平坦性を有する保護膜60により被
覆することにより、表面段差が良好に抑制された接合面
(上記特定の面)を有するマイクロリアクタを実現する
ことができるので、該特定の面に対して、他の周辺部材
を接合する場合や、複数のマイクロリアクタ相互を積層
形成する場合等に、各構成間に隙が発生することを防止
して、装置規模の省スペース化や小型化を図ることがで
きるとともに、薄膜ヒータ40から反応流路20以外の
領域や空間への熱エネルギーの放出を抑制して、熱伝導
効率の向上を図ることができる。また、保護膜60上に
さらに配線層等を形成する場合にあっては、当該配線層
等の膜厚のバラツキや断線等を良好に抑制することもで
きる。
【0045】なお、本実施形態(図1、図2)において
は、主基板10の一面側に設けられた溝部の開放端を閉
止するように閉止基板30の一面側を接合することによ
り、反応流路20が構成され、また、主基板10の他面
側に薄膜ヒータ40、ヒータ配線50及び保護膜60が
順次積層形成されたマイクロリアクタ(化学反応装置)
の構成について示したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、例えば、閉止基板30の他面側に薄膜ヒー
タ40、ヒータ配線50及び保護膜60が積層形成され
た構成を有するものであってもよい。要するに、主基板
10に形成された反応流路20に対して所定の熱量を供
給することができるように、薄膜ヒータ40、ヒータ配
線50及び保護膜60が形成された構成を有するもので
あれば、本発明に係る化学反応装置の構成を良好に適用
することができる。
【0046】次に、上述したような構成を有する化学反
応装置の製造方法について、図面を参照して説明する。
図3は、本発明に係る化学反応装置の全体の製造方法を
示す製造プロセス図であり、図4は、本発明に係る化学
反応装置の製造方法に適用される保護膜の平坦化方法を
示す製造プロセス図である。また、図5は、本発明に係
る化学反応装置の製造方法に適用される保護膜の乾燥、
焼成方法を示す温度制御の一例を示すグラフである。
【0047】まず、図3(a)に示すように、フォトエ
ッチング技術等を用いて、シリコン基板等からなる主基
板10の一面側に、反応流路20となる所定の溝状の断
面形状及び平面形状を有する溝部20xをエッチング形
成した後、化学気相成長法(CVD)等により、該溝部
の内壁面(側壁面あるいは底面;本実施形態では底面)
に銅−亜鉛(Cu−Zn)系の触媒層21を任意の厚さ
(例えば、1μm〜100μm)形成する。ここで、反
応流路20を構成する溝部20xの断面形状は、内壁面
に上記触媒層21を良好に付着形成することができるサ
イズであって、かつ、触媒層21を付着形成することに
より、流体物質が流下、移動する実効断面積が小さくな
るので、その減少分を見越したサイズとなるように設定
する。次いで、図3(b)に示すように、溝部20xの
開放端を閉止するように、主基板10の一面側に、ガラ
ス基板等からなる閉止基板30の一面側を接合する。こ
れにより、連続的なパターン(流路形状)を有するとと
もに、内壁面に触媒層21が設けられ、外部から遮断さ
れた反応流路20が形成される。
【0048】次いで、図3(c)に示すように、上記反
応流路20の平面形状(形成領域)に対応するように、
主基板10の他面側の全域に、薄膜ヒータ40となるタ
ングステン−チタン(WTi)からなる発熱抵抗体層4
0xを形成する。ここで、発熱抵抗体層40xは、例え
ば、酸素ガス(O)と窒素(N)ガスが混合された
アルゴンガス(Ar)雰囲気中で、タングステン(W)
及びチタン(Ti)のストライプターゲットを用いてス
パッタリング法を行うことにより、210nmの膜厚に
形成し、その後、フォトリソグラフィ技術及び反応性イ
オンエッチング(RIE)法等を用いて、上記溝部20
xの平面形状に対応する形状(たとえば、単一の矩形
状)にパターニングすることにより薄膜ヒータ40を形
成する。
【0049】次いで、薄膜ヒータ40上の全域に、蒸着
法やメッキ法等を用いて、下層配線層51となる金から
なる薄膜層を、例えば、700nmの膜厚に形成し、さ
らに、スパッタリング法等により、上記発熱抵抗体層4
0x(薄膜ヒータ40)と同様の材料を用いて、上層配
線層52となるタングステン−チタン合金からなる薄膜
層を、例えば、300nmの膜厚で積層形成する。次い
で、図3(d)に示すように、フォトリソグラフィ技術
及び反応性イオンエッチング法等を用いて、積層形成さ
れた上記各薄膜層を、薄膜ヒータ40の所定の領域(例
えば、矩形形状を有する薄膜ヒータ40の両端部)に所
定の配線パターンを有するように順次パターニングする
ことによりヒータ配線50を形成する。
【0050】次いで、周知のスピンコート(SOG)法
を用いて、少なくとも、上記主基板10の他面側に形成
された薄膜ヒータ40及びヒータ配線50の全域を被覆
するように、絶縁性の保護膜形成材料からなる保護膜6
0を形成する。ここで、保護膜60の形成方法は、具体
的には、まず、図4(a)に示すように、周知のスピン
コータの回転ステージ70上に載置された閉止基板30
及び主基板10の他面側に、例えば、酸化物系又は窒化
物系被膜形成用塗布液等の保護膜形成材料60xを均一
に塗布した後、素早く回転ステージ70を所定の回転数
で回転させる。
【0051】一例として、東京応化工業(株)製のSi
系被膜形成用塗布液であるOCD−T7(製品名)
を適用した場合においては、主基板10の他面側への塗
布後、回転ステージ70を500rpmにより0.3秒
間回転し、その後に4000rpmにより10秒間回転
するように設定する。なお、上記スピンコータの回転動
作の制御は、上記SiO系被膜形成用塗布液(OCD
−T7)を用いた場合のごく一例を示したものにすぎ
ず、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
保護膜形成材料の粘度や滴下量等によって適宜設定され
るものであることはいうまでもない。
【0052】次いで、図4(b)に示すように、スピン
コータにより上記SiO系被膜形成用塗布液が均一に
塗布された主基板10をホットプレート80上に載置
し、まず、図5の温度制御領域TAに示すように、室温
〜30℃程度の温度(第1の温度)で5分以上(第1の
時間)保持することにより、塗布されたSiO系被膜
形成用塗布液(保護膜形成材料)の表面が概ね平坦にな
るようにする(平坦化工程)。このとき、室温〜30℃
の温度で保持する時間は、概ね5分以上であれば、比較
的長く設定しても保護膜の形成や特性上、支障はない。
なお、本実施形態(図5)においては、室温〜30℃の
温度で10分保持した場合を示す。
【0053】次いで、ホットプレート80に通電して発
熱させて、図5の温度制御領域TBに示すように、室温
〜30℃程度の温度(第1の温度)から、塗布された保
護膜形成材料における膜形成反応の発生を抑制しつつ、
保護膜形成材料中に含まれる溶剤を蒸発させるに適する
温度、例えば145〜155℃程度の温度(第2の温
度)、まで昇温させることにより、保護膜形成材料中に
含まれる溶剤を蒸発させる。(溶剤蒸発工程)ここで、
塗布された保護膜形成材料は主基板10上の段差により
不均一な膜厚を有している。このような状態の材料に対
して比較的急速な温度上昇を行うと溶剤が蒸発しきれな
い部分が発生することがある。そこで、このような保護
膜形成材料中に含まれる溶剤を確実に蒸発させるため
に、比較的緩やかに昇温させる。すなわち、この温度制
御領域TBにおける温度上昇率(第1の温度上昇率)
は、後述する温度領域TCにおける膜形成反応を促進さ
せるための温度上昇率(第2の温度上昇率)より小さく
し、図5に示した例では、第1の温度上昇率を45℃の
昇温に5分以上の時間かかる程度の温度上昇率としてい
る。
【0054】更に、この温度制御領域TBにおける昇温
動作は、一定の温度上昇率で昇温するようにしてもよ
く、また、途中で温度上昇率を変えて、温度領域全体と
して所定の温度上昇率(第1の温度上昇率)を得るよう
にしてもよく、その場合、昇温に要する時間を短縮させ
ることができる。図5では、この温度制御領域TBで3
段階に温度上昇率を変えるようにした場合の例を示す。
すなわち、室温〜30℃(第1の温度)から65〜75
℃程度の温度まで、5分以上の時間をかけて上昇させ、
その後、75〜85℃程度の温度まで、5分以上の時間
をかけて上昇させ、さらに、145〜155℃程度の温
度(第2の温度)まで、5分以上の時間をかけて上昇さ
せるようにしたものであります。これにより、保護膜形
成材料における膜形成反応の発生を抑制しつつ、塗布さ
れた保護膜形成材料に含まれる溶剤を良好に蒸発させる
ことができる。なお、図5に示した例では温度上昇率を
3段階に変えるようにしたが、これに限るものではな
く、2段階に変えるようにしてもよく、あるいは、更に
多段階に変えるようにしてもよいものであり、少なくと
も、第1の温度上昇率より小さい第3の温度上昇率で昇
温する領域と、第1の温度上昇率より大きい第4の温度
上昇率で昇温する領域とを有するようにしてもよいもの
である。
【0055】次いで、図5の温度制御領域TCに示すよ
うに、溶剤が蒸発した保護膜形成材料における膜形成反
応が促進される温度、例えば345〜355℃程度の温
度(第4の温度)、まで、例えば50℃の昇温に5分以
上かかる程度の温度上昇率(第2の温度上昇率)で昇温
させることにより、保護膜形成材料における膜形成反応
を促進させる(膜形成反応工程)。その後、図5の温度
制御領域TDに示すように、例えば345〜355℃程
度の温度(第4の温度)で30分以上(第2の時間)保
持することにより、保護膜形成材料を焼成しする(焼成
工程)。これにより保護膜60を形成する。
【0056】図6は、本実施形態に係る化学反応装置の
製造方法により形成された保護膜の平坦性を示す測定デ
ータである。ここでは、上述した図2に示したようなヒ
ータ配線近傍の領域について、表面段差を測定すること
により、平坦性について検討する。図6において、細線
からなる曲線Dpは、上記保護膜60が形成される前の
段階における主基板10、薄膜ヒータ40及びヒータ配
線50の各上面の高さ(積層高さ)を測定したデータで
あり、太線からなる曲線Daは、上記保護膜60が形成
された後の段階における主基板10、薄膜ヒータ40及
びヒータ配線50の各上面の高さを測定したデータであ
る。ここで、測定領域RAは主基板10の上面が露出し
ている領域、測定領域RBは薄膜ヒータ40の上面が露
出している領域、測定領域RCはヒータ配50の上面領
域に相当する。
【0057】図6に示すように、保護膜60を形成する
前の段階においては、主基板10表面とヒータ配線50
上面との間の段差は、概ね1.2μm(1200nm)
程度観測されたのに対して、上述した温度制御条件を適
用して保護膜60を形成することにより、主基板10表
面とヒータ配線50上面との間の段差を1μm以下、特
に、本実施形態においては概ね0.5μm(500n
m)以下に低減して良好に平坦化することができること
が判明した。したがって、本実施形態に係る化学反応装
置(マイクロリアクタ)及びその製造方法によれば、本
発明が対象としているマイクロリアクタのように、集積
回路に比較して、積層部の表面段差が数μm程度と大き
く、かつ、平坦化の対象となる領域幅(例えば、薄膜ヒ
ータ上のヒータ配線間の領域幅)が数ミリ程度と広い場
合であっても、良好な平坦性(概ね、1μm以下)を有
する保護膜を精度よく形成することができる。
【0058】また、上述した化学反応装置の製造方法に
おいては、集積回路等の製造プロセスにおいて確立され
た微細加工技術を始め、スピンコート法による保護膜形
成材料の塗布技術や、ホットプレートを用いた基板の加
熱制御技術をそのまま適用して、良好な平坦性を有する
保護膜を形成することができる。さらに、化学反応装置
の表面段差を良好に平坦化することができるので、上述
したように、他の周辺部材への接合や複数の化学反応装
置相互の積層化等を行う際に、各構成間の隙の発生を防
止して、装置規模の省スペース化や小型化を図ることが
できるとともに、薄膜ヒータから反応流路以外の領域や
空間への熱エネルギーの放出を抑制して、熱伝導効率の
高いマイクロリアクタを実現することができる。また、
保護膜上にさらに配線層等を形成する場合に、当該配線
層の膜厚のバラツキや断線等を抑制することもできる。
【0059】なお、上述した実施形態においては、主基
板の他面側に反応流路の平面形状(形成領域)に対応す
る単一の矩形形状を有する薄膜ヒータを設け、該薄膜ヒ
ータ上にヒータ配線をさらに積層形成した構成につい
て、保護膜を平坦化する製造方法を示したが、本発明
は、これに限定されるものではなく、薄膜ヒータが、上
記反応流路の平面形状に対応する領域にのみ形成された
構成(すなわち、図7に示すように、蛇行形状を有する
反応流路の形成領域に対応して、薄膜ヒータを蛇行形状
に形成した構成)であっても良好に適用することができ
る。この場合、薄膜ヒータのパターン間に露出する主基
板の表面と、薄膜ヒータの上面との間の表面段差を良好
に低減することができる。
【0060】<電源システムへの適用例>次に、本発明
に係る化学反応装置(マイクロリアクタ)を、燃料改質
型の燃料電池を備えた電源システムに適用した場合の具
体例について説明する。図8は、本発明に係る化学反応
装置の適用が可能な電源システム(燃料電池システム)
の要部構成、及び、該電源システムより駆動されるデバ
イスを示すブロック図である。なお、ここでは、燃料改
質方式を採用した固体高分子型の燃料電池を適用した電
源システムについて説明する。
【0061】図8に示すように、本発明に係る化学反応
装置が適用される電源システム300は、概略、所定の
発電用燃料に基づいて電力を発生する発電モジュール1
00と、該発電モジュール100に対して着脱可能に構
成され、所定の発電用燃料が封入された燃料パック20
0と、から構成されている。発電モジュール100は、
大別して、燃料改質方式の固体高分子型燃料電池の構成
を有する発電部(燃料電池本体)110と、燃料パック
200の燃料封入部210に貯蔵、封入された発電用燃
料(例えば、水素を含む液体燃料、液化燃料及び気体燃
料や水)の発電部110への供給量を制御する燃料制御
部120と、発電部110への空気(酸素)の供給量を
制御する空気制御部130と、燃料制御部120により
供給された発電用燃料を改質して、発電用燃料に含有さ
れる水素をガス化して発電部110に供給する燃料改質
部140と、発電部110及び燃料改質部140を必要
に応じて加熱するための温度制御部150と、発電部1
10により生成された電力の一部若しくは全部を充電す
るコンデンサを有する充電部160と、発電モジュール
100内の発電動作、充電動作、後述する動作制御部1
80により充電部160の蓄電状態を検知する動作等の
ための必要な電力を出力する副電源部170と、発電モ
ジュール100内の駆動動作を演算処理する動作制御部
180と、を有して構成されている。
【0062】燃料制御部120は、燃料封入部210か
ら毛細管現象等の原理を利用した物理的手段により送出
された発電用燃料を、動作制御部180からの指令信号
にしたがって、燃料改質部140に所定量供給するよう
に構成されている。空気制御部130は、燃料電池シス
テム300の外部から空気(大気)を取込み、発電部1
10に酸素ガス(O)又は空気を供給するように構成
されている。
【0063】燃料改質部140は、燃料パック200内
のアルコール(ALCOHOL)及び水(H O)から構成され
る発電用燃料を、燃料制御部120を介して取り込み、
水素(H)と副生成物の二酸化炭素(CO)、さら
に、微量の一酸化炭素(CO)を生成する水蒸気改質反
応部140aと、次に示す一酸化炭素改質部と、を有し
て構成されている。一酸化炭素改質部は、水蒸気改質反
応部140aから供給された一酸化炭素(CO)を燃料
制御部120及び/又は発電部110から供給された水
(HO)と反応させ、二酸化炭素(CO)及び水素
(H)を生成する水性シフト反応部140bと、水性
シフト反応部140bにおける反応で残留した一酸化炭
素(CO)を酸素(O)と反応させて、二酸化炭素(C
)を生成する選択酸化反応部140cのうち、少な
くとも一方を備えた構成を有している。
【0064】温度制御部150は、動作制御部180か
らの指令信号により、上記燃料改質部140(水蒸気改
質反応部140a、水性シフト反応部140b、選択酸
化反応部140c)の各反応部に設けられた薄膜ヒータ
に電力を供給することにより加熱制御するように構成さ
れている。また、発電部110にも薄膜ヒータが設けら
れている場合にあっては、同様に、所定の電力が供給さ
れるように構成されている。ここで、燃料改質部140
及び発電部110に設けられる薄膜ヒータは、上述した
実施形態に示した薄膜ヒータ40に相当し、例えば、タ
ングステン−チタン(WTi)等の所定の発熱特性を有
する抵抗体からなる薄膜層により形成されている。
【0065】発電部110は、燃料改質部140から供
給された水素(H)、及び、空気制御部130から供
給された酸素ガス(O)に基づいて、所定の電力を発
生(発電)するように構成され、また、充電部160
は、発電部110で発電された電力を充電するように構
成され、これらの発電部110及び充電部160の少な
くとも一方により、電源システム300より駆動される
デバイスDVCの負荷LDに電力を供給するように構成
されている。副電源部170は、動作制御部180から
の指令信号に応じて、充電部160で蓄電された電力に
基づいて、燃料制御部120、温度制御部150及び動
作制御部180に所定の動作電力を供給するとともに、
必要に応じて発電部110にも動作電力を供給するよう
に構成されている。
【0066】動作制御部180は、充電部160で蓄電
されたチャージ(充電電位)を検知するために常時駆動
し、該チャージが所定値まで低下したことを検知する
と、燃料制御部120、温度制御部150、必要に応じ
て発電部110に動作電力を供給するように指令信号を
副電源部170に出力する。また、必要量の燃料を燃料
改質部140に供給するように燃料制御部120に対し
て指令信号を出力するとともに、燃料改質部140の反
応炉(本発明に係る化学反応装置の反応流路に相当)を
所定の時間、必要温度に加熱するように温度制御部15
0に対して指令信号を出力する。
【0067】そして、発電モジュール100と着脱自在
に構成された燃料パック200は、発電用燃料が封入さ
れた燃料封入部210と、発電部110により生成され
た副生成物(主に、水(HO))を回収する副生成物
回収部220と、を有して構成されている。発電モジュ
ール100及び燃料パック200で構成された燃料電池
システム300は、デバイスDVCの負荷LDに対して
所定の駆動電力を供給することにより、コントローラC
NTの制御にしたがってデバイスDVCを正常に駆動さ
せることができる。ここで、発電部110は、周知の固
体高分子型の燃料電池本体の構成を有し、概略、白金や
白金・ルテニウム等の触媒微粒子が付着した炭素電極か
らなる燃料極(カソード)と、白金等の触媒微粒子が付
着した炭素電極からなる空気極(アノード)と、該燃料
極と空気極の間に介装されたフィルム状のイオン導電膜
(交換膜)と、を有して構成されている。
【0068】そして、このような構成を有する発電部1
10における発電原理は、燃料極に燃料改質部140を
介して抽出された水素ガス(H)が供給されることに
より、次の化学反応式(1)に示すように、上記触媒に
より電子(e)が分離した水素イオン(プロトン;H
)が発生し、イオン導電膜を介して空気極側に通過す
るとともに、燃料極を構成する炭素電極により電子(e
)が取り出されて負荷(上述した電源システムにおい
ては、デバイスDVCの負荷LD及び充電部160)に
供給される。 3H → 6H+6e ・・・(1)
【0069】一方、空気極に空気制御部130を介して
大気中の酸素ガス(O)が供給されることにより、次
の化学反応式(2)に示すように、上記触媒により負荷
を経由した電子(e)とイオン導電膜を通過した水素
イオン(H)と空気中の酸素ガス(O)が反応して
水(HO)が生成される。 6H+(3/2)O+6e → 3HO ・・・(2) このような一連の電気化学反応(化学反応式(1)、
(2))は、概ね室温〜80℃の比較的低温の環境下で
進行し、電力以外の副生成物は、基本的に水(H O)
のみとなる。なお、上述したような電気化学反応により
負荷に供給される電力(電圧・電流)は、上記化学反応
式(1)、(2)に示したように、発電部110の燃料
極に供給される水素ガス(H)の量に依存する。
【0070】したがって、燃料制御部120は、発電部
110において、所定の電力を生成、出力するために必
要な量の水素ガス(H)となる分の燃料(メタノー
ル)や水等を取り込んで、燃料改質部140により水素
ガスに改質して、発電部110の燃料極に供給する制御
を行う。なお、空気制御部130は、発電部110の空
気極に供給する酸素ガス(O)の量を制御する機能を
有しているが、発電部110における単位時間あたりの
酸素の最大消費量に相当する空気を供給可能であれば、
発電部110の空気極に供給する酸素ガスの量を制御す
ることなく、発電部110の駆動時に常時酸素ガスを供
給するものであってもよい。また、空気制御部130の
他の構成としては、発電部110における電気化学反応
の進行状態を、燃料制御部120において調整される水
素ガスの供給量のみで制御し、空気制御部130の代わ
りに通気孔を設け、発電部110における電気化学反応
に用いられる上記最大消費量以上の空気(大気)が通気
孔を介して供給されるようにしたものであってもよい。
【0071】次いで、本電源システムに適用される燃料
改質部140の構成及び動作について詳しく説明する。
図9は、本発明に係る化学反応装置の構成を適用した燃
料改質部の具体例を示す概略構成図である。上述したよ
うに、燃料改質部140は、主に、燃料制御部120に
より所定の供給量で供給される発電用燃料に対して、所
定の吸熱触媒反応(水蒸気改質反応)を利用して発電用
燃料に含まれる水素成分を抽出して上記発電部110に
供給する機能を有するものであって、燃料改質部140
を構成する各反応部において、上述した実施形態(図
1、図7参照)に示した薄膜ヒータを備えたマイクロリ
アクタ(化学反応装置)の構成を良好に適用することが
できる。
【0072】燃料改質部140(水蒸気改質反応部14
0a)においては、具体的には、メタノール等の水素を
含む液体燃料(アルコール類)から、吸熱触媒反応であ
る水蒸気改質反応を利用して、水素ガス(H)を生成
する化学反応が行われる。ここで、現在、研究開発が行
われている燃料改質方式の燃料電池に適用されている発
電用燃料としては、上記発電部110により、比較的高
いエネルギー変換効率で電力を生成することができる燃
料であって、例えば、メタノール、エタノール、ブタノ
ール等のアルコール系の液体燃料や、ジメチルエーテ
ル、イソブタン、天然ガス(CNG)等の液化ガス等の
常温常圧で気化される炭化水素からなる液化燃料、ある
いは、水素ガス等の気体燃料等の流体物質を良好に適用
することができる。
【0073】すなわち、燃料改質部140(水蒸気改質
反応部140a)における水素ガスの生成に利用される
吸熱触媒反応の例としては、液体燃料の一例であるメタ
ノールを適用した場合、次の化学反応式(3)に示すよ
うな水蒸気改質反応が生じ、また、常温常圧で気体とな
る液化燃料の一例であるジメチルエーテルを適用した場
合には、次の化学反応式(4)に示すような水蒸気改質
反応が生じる。 CHOH+HO → 3H+CO ・・・(3) CHOCH+3HO → 6H+2CO ・・・(4)
【0074】なお、いずれの水蒸気改質反応において
も、概ね300℃の熱条件の下で当該反応が良好に進行
する。また、この改質反応により生成される水素以外の
微量の生成物(主に、CO)は、大気中に排出され
る。したがって、上述した実施形態に示したような化学
反応装置(図1、図4参照)を燃料改質部140(水蒸
気改質反応部140a)に適用することにより、反応流
路(反応炉)の形成領域に対応して設けられた薄膜ヒー
タに、ヒータ電源から所定の電力を供給して発熱させる
ことにより、反応流路(触媒層)に対して、上記各化学
反応式(3)、(4)に示した吸熱を伴う水蒸気改質反
応の進行に寄与する所定の熱量を供給することができ、
水素ガスを良好に生成することができる。
【0075】ここで、燃料改質部140に適用される具
体的な構成例は、例えば、図9(a)に示すように、シ
リコン等の微小基板(上述した主基板10に相当する)
141の一面側(図の上面側)に、半導体デバイス製造
技術等の微細加工技術を用いて、所定の断面形状及び平
面形状を有して溝状に設けられた燃料吐出部142a、
水吐出部142b、燃料気化部143a、水気化部14
3b、混合部143c、改質反応流路144、水素ガス
排気部145からなる流路(各構成が上述した反応流路
20に相当する)と、例えば、上記改質反応流路144
の形成領域を含む領域に、微小基板141の他面側(図
の下面側)に設けられた矩形状の薄膜ヒータ(上述した
薄膜ヒータ40に相当する)146と、薄膜ヒータの両
端部に所定の配線パターンを有して積層形成されたヒー
タ配線(上述したヒータ配線50に相当する)147
と、微小基板141上に上記流路の開放端を閉止するよ
うに接合された微小基板(上述した閉止基板30に相当
する;図示の都合上、二点鎖線で表示)148と、を備
えて構成されている。
【0076】燃料吐出部142a及び水吐出部142b
は、上述したような水蒸気改質反応における原料物質と
なる発電用燃料(アルコール系液体燃料等)及び水を、
例えば、所定の単位量ごとに液状粒として流路内に吐出
する流体吐出機構を有している。したがって、燃料吐出
部142a及び水吐出部142bにおける発電用燃料又
は水の吐出量に基づいて、例えば、上記化学反応式
(3)式に示した水蒸気改質反応の進行状態が制御され
ることになるため(詳しくは、薄膜ヒータ146から供
給される熱エネルギーも密接に関連する)、燃料吐出部
142a及び水吐出部142bは、燃料供給量の調整を
行う燃料制御部としての機能を有している。
【0077】燃料気化部143a及び水気化部143b
は、例えば、それぞれ発電用燃料及び水の沸点等の揮発
条件に応じて加熱されるヒータを備え、燃料吐出部14
2a及び水吐出部142bから液状粒として吐出された
発電用燃料又は水を、加熱処理あるいは減圧処理等する
ことにより気化し、混合部143cにおいて、燃料ガス
と水蒸気の混合ガスを生成する。ここで、燃料気化部1
43a及び水気化部143bとして、加熱処理を行う機
構を採用する場合には、上述した改質反応流路144と
同様に、燃料気化部143a及び水気化部143bを構
成する流路の形成領域を含む領域に矩形状の薄膜ヒータ
を設けた構成を適用するものであってもよい。
【0078】改質反応流路144は、上記混合部143
cにおいて生成された混合ガスが導入され、改質反応流
路144の内壁面に付着形成された銅−亜鉛(Cu−Z
n)系の触媒層(図示を省略)に対して、該改質反応流
路144の形成領域に対応する領域に設けられた薄膜ヒ
ータ146から所定の熱量が供給されることにより、上
記化学反応式(3)、(4)に示した水蒸気改質反応を
生じさせて、水素ガス(H)を生成する。水素ガス排
気部145は、改質反応流路144において生成された
水素ガスを排出して、上述した発電部110を構成する
燃料電池の燃料極に供給する。これにより、発電部11
0において、上記化学反応式(1)及び(2)に基づく
一連の電気化学反応が生じて、所定の電力が生成され
る。
【0079】そして、上述したように、このような構成
を有する燃料改質部140の微小基板141に形成され
た流路の形成領域に対応して、上述した実施形態に示し
た場合と同様に、微細加工技術を用いて微小基板141
の他面側(図の下面側)に薄膜ヒータ146及びヒータ
配線147を積層形成することができ、少なくとも、こ
れらの薄膜ヒータ146及びヒータ配線147の形成領
域に、上述した実施形態に示した製造方法に基づいて保
護膜(図示を省略;上述した保護膜60に相当する)を
被覆形成することにより、薄膜ヒータ146及びヒータ
配線147を保護するとともに、微小基板141の他面
側の表面段差を良好に平坦化することができる。
【0080】これにより、燃料改質部140全体又は一
部を微小空間に集積化しつつ、他の周辺部材への接合や
複数の燃料改質部140の積層化等を良好に行うことが
できるので、燃料改質部140を含む発電モジュール1
00の省スペース化や小型化を図ることができるととも
に、薄膜ヒータから放出される熱量を良好に上記流路に
供給して、熱伝導効率の高い電源システムを実現するこ
とができる。したがって、例えば、日本工業規格(JI
S)に則った汎用の一次電池や種々の二次電池等と略同
一の外形形状及び外形寸法を有するように小型化するこ
とができ、既存の一次電池や二次電池市場において互換
可能なポータブル電源を実現することができる。
【0081】なお、本電源システムは、上述した実施形
態に示したようなマイクロリアクタ(化学反応装置)を
適用した燃料改質部により生成される所定の流体物質
(水素ガス等)を発電用燃料として用いて、発電を行う
ことができるものであれば、燃料電池に限定されるもの
ではない。したがって、化学反応装置(燃料改質部)に
より生成された流体物質の燃焼反応に伴う熱エネルギー
によるもの(温度差発電)や、燃焼反応等に伴う圧力エ
ネルギーを用いて発電器を回転させて電力を発生する力
学的なエネルギー変換作用等によるもの(ガス燃焼ター
ビンやロータリーエンジン、スターリングエンジン等の
内燃、外燃機関発電)、また、発電用燃料FLの流体エ
ネルギーや熱エネルギーを電磁誘導の原理等を利用して
電力に変換するもの(電磁流体力学発電、熱音響効果発
電等)等、種々の形態を有する発電装置に適用すること
ができる。
【0082】また、図9(a)に示した構成において
は、上記化学反応式(3)において、発電用燃料として
メタノール等と水を、別個の吐出部142a、142b
及び供給経路を介して供給、気化し、混合部143cに
おいて混合する構成を備えた燃料改質部を示したが、予
めメタノール等に水が混合された発電用燃料を直接燃料
改質部に供給して、水素ガスを生成する水蒸気改質反応
を生じさせるものであってもよい。このような場合にあ
っては、例えば、図9(b)に示すように、微小基板1
41の一面側に、単一の燃料吐出部142c及び燃料気
化部143dと、上述した改質反応流路144、水素ガ
ス排気部145からなる単一の流路を備えた構成を適用
することができる。
【0083】また、上述した電源システムに示した燃料
改質部140においては、上記化学反応式(3)や
(4)での反応以外に極微量の一酸化炭素(CO)を生
成する恐れがあるが、図8に示したように、生成された
一酸化炭素を無害化するような反応部(水性シフト反応
部140b、選択酸化反応部140c)を設けてもよ
い。すなわち、発電モジュール100の燃料改質部14
0は、上述したように、燃料パック200内のアルコー
ル及び水から構成される燃料を燃料制御部120から供
給され、水素(H)と副生成物の二酸化炭素(C
)、さらに、微量の一酸化炭素(CO)を生成する
水蒸気改質反応部140aに加えて、水蒸気改質反応部
140aから供給された一酸化炭素(CO)を燃料制御
部120及び/又は発電部110から供給された水(H
O)と反応させ、二酸化炭素(CO)及び水素(H
)を生成する水性シフト反応部140b、及び、水性
シフト反応部140bにおける反応で残留した(反応し
きれなかった)一酸化炭素(CO)を酸素(O)と反応
させて二酸化炭素(CO)を生成する選択酸化反応部
140cのうちの少なくとも一方からなる一酸化炭素燃
料改質部を備えた構成を有し、燃料パック200に封入
された燃料を、改質して得られる水素(H)を発電部
110に供給するとともに、微量に生じる一酸化炭素
(CO)を無毒化するように構成したものであってもよ
い。以下に示す例では、一酸化炭素燃料改質部が水性シ
フト反応部140b及び選択酸化反応部140cの両方
を有する構成を示す。
【0084】以下、燃料改質部140の各構成と図9に
示した構成との関係について説明する。燃料改質部14
0の水蒸気改質反応部140aは、図9(a)に示す構
造と概略同一であり、燃料気化部143a及び水気化部
143bは、薄膜ヒータ146と同様に、例えば、タン
グステン−チタン(WTi)等の発熱抵抗体からなる薄
膜層を備えている。ここで、温度制御部150により制
御された電力をヒータ配線を介して供給することにより
上記薄膜層(薄膜ヒータ)が所定温度に加熱され、メタ
ノール(CHOH)及び水(HO)を気化させる。
【0085】そして、水蒸気改質反応過程においては、
上記気化したメタノール(CHOH)及び水(H
O)に対して、薄膜ヒータ146で概ね300℃の温
度条件の雰囲気を設定することにより、49.4kJ/mol
程度の熱エネルギーを吸熱して、上述した化学反応式
(3)に示すように、水素(H)と微量の二酸化炭素
(CO)が生成される。この二酸化炭素(CO
は、選択的に発電モジュール100の外側に排出され
る。なお、この水蒸気改質反応においては、水素
(H)と二酸化炭素(CO)以外に副生成物として
微量の一酸化炭素(CO)が生成される場合がある。
【0086】ここで、水蒸気改質反応過程において、副
生成物として生成される一酸化炭素(CO)を除去する
ために、水蒸気改質反応部140aの後段に水性シフト
反応部140b及び選択酸化反応部140cを付設し
て、水性シフト反応及び選択酸化反応からなる各過程を
介して、一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)及
び水素(H)に変換して、有害物質の排出を抑止する
ように構成する。具体的には、水性シフト反応部140
bは、図9(a)に示す構造と概略同一であるが、燃料
吐出部142aの代わりに水蒸気改質反応部140aで
改質後の残存する一酸化炭素(CO)を微量に含む水素
ガス(H)を吐出する吐出部が設けられ、かつ、薄膜
ヒータ146と同様に、例えば、タングステン−チタン
(WTi)等の発熱抵抗体からなる薄膜層を備えてい
る。
【0087】水性シフト反応部140bにおける水性シ
フト反応過程では、一酸化炭素(CO)に対して水(水
蒸気;HO)を反応させることにより40.2kJ/mol
程度の熱エネルギーを発熱して、次の化学反応式(5)
に示すように、二酸化炭素(CO)と水素(H)が
生成される。このとき発生される二酸化炭素(CO
は、発電モジュール100の外側に選択的に排出され
る。 CO+HO →CO+H ・・・(5)
【0088】水性シフト反応部140bの後段に付設さ
れた選択酸化反応部140cは、水性シフト反応部14
0bで未反応の一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO
)に改質するものであり、概略図9(a)から燃料気
化部143a、水気化部143bを省略し、燃料吐出部
142a、水吐出部142bの代わりに、それぞれ水性
シフト反応部140bからの気体を吐出する吐出部と、
発電モジュール100の外側から取り込んだ空気あるい
は酸素(O)を吐出する吐出部と、が設けられ、かつ、
薄膜ヒータ146と同様に、例えば、タングステン−チ
タン(WTi)等の発熱抵抗体からなる薄膜層を備えて
いる。
【0089】選択酸化反応過程において、水性シフト反
応により二酸化炭素(CO)と水素(H)に変換さ
れなかった一酸化炭素(CO)に対して酸素(O)を
反応させることにより283.5kJ/mol程度の熱エネル
ギーを発熱して、次の化学反応式(6)に示すように、
二酸化炭素(CO)が生成される。 CO+(1/2)O →CO ・・・(6)
【0090】なお、選択酸化反応部140cは、水蒸気
改質反応部140aと水性シフト反応部140bとの間
に設けてもよい。上記一連の改質反応により生成される
水素(H)以外の微量の生成物(主に、二酸化炭素
(CO))は、発電モジュール100に設けられた排
出孔を介して、外部に排出される。
【0091】次いで、上述した電源システムに適用され
る発電モジュール100及び燃料パック200の形状、
並びに、電源システム全体の具体構成例について、図面
を参照して説明する。図10(a)〜図10(d)及び
図10(e)〜図10(h)は、それぞれ上述した電源
システムに適用される一実施例の燃料パック及びホルダ
ー部(発電モジュール)を上方向、前方向、横方向、後
方向から見た外形形状を示す概略構成図である。ここで
は、説明の都合上、電源システムの具体構成例(図1
1)に示した各構成を適宜参照するものとする。また、
図11は、上述した電源システム全体の具体構成例を示
す要部構成図である。
【0092】図10(a)〜図10(d)及び図10
(e)〜図10(h)に示すように、本実施例に係る電
源システムは、発電用燃料が所定の条件で封入された燃
料パック200と、該燃料パック200が装着自在及び
取り外し自在に構成された発電モジュール100を収納
したホルダー部400と、を備えて構成されている。こ
こで、燃料パック200は、例えば、発電用燃料FLを
封入する透明の分解性高分子ケースであって、未使用の
場合には、バクテリア等の分解要因から保護するパッケ
ージPKでケースの周囲全体が被覆されており、燃料パ
ック200の装着時には、パッケージPKを剥離する構
成になっている。また、燃料パック200は透明なケー
スで構成されるとともに、図10(a)に示すように、
その側面の適当な位置に指標(目盛り)203を設けた
構成を有しており、これにより、燃料パック200内に
残存する発電用燃料FLの量(残量)を視覚的に確認す
ることができるようになっている。
【0093】ホルダー部400は、大別して、上述した
適用例と同等の構成を有する発電モジュール100が収
納され、正極端子EL(+)が設けられた発電機能部4
01と、負極端子EL(−)が設けられた対向部402
と、発電機能部401と対向部402を連結するととも
に、発電機能部401と負極端子EL(−)を電気的に
接続する連結部403と、を有して構成されている。こ
こで、発電機能部401、対向部402及び連結部40
3により囲まれた貫通した空間SPが、上記燃料パック
200を結合した際の収納位置となる(図10(g)参
照)。
【0094】また、ホルダー部400は、燃料パック2
00が空間SPに装着、収納された状態で、燃料パック
200の底部202が接触する対向部402の当接部分
の周囲にバネ材等の弾性を有し、中央に孔を有する凸部
404と、該凸部404の孔及び発電モジュール100
の副生成物供給経路104(図11参照)を連結する副
生成物回収経路405と、を備えている。なお、ホルダ
ー部400の連結部403には、図10(e)に示すよ
うに、図10(a)に示した燃料パック200の指標2
03に代えて、又は、指標203と併設するように、指
標406が刻まれた構成を適用するものであってもよ
い。これにより、ホルダー部400に燃料パック200
を結合した際に、発電用燃料FLの残量を簡易かつ正確
に確認することができる。なお、この場合、連結部40
3は、不透明である方が指標406を視認しやすい。
【0095】そして、このような構成を有する発電モジ
ュール100(発電機能部401)は、より具体的に
は、図11に示すように、概略、円柱形状の円周側面に
沿って延在する発電部110と、円柱状の発電モジュー
ル100内部に、各々深さ及び幅がそれぞれ500μm
以下の燃料流路及び流路内の空間を所定温度に設定する
個別の薄膜ヒータ(図示を省略)が形成された水蒸気改
質反応部(水蒸気改質反応炉)140a、水性シフト反
応部(水性シフト反応炉)140b及び選択酸化反応部
(選択酸化反応炉)140cと、発電機能部401の内
部にマイクロチップ化されて収納された動作制御部18
0と、発電モジュール100の円柱側面から上記発電部
110の空気極まで貫通し、外部の空気を取り入れる複
数の通気孔(スリット)130aと、上記空気極側にお
いて生成される副生成物(水等)を液化(凝縮)して分
離回収する分離回収部102と、回収した副生成物の一
部を水蒸気改質反応部140aに供給する副生成物供給
経路104と、円柱上面から上記発電部110の燃料極
まで貫通し、少なくとも、発電部110の燃料極側や水
蒸気改質反応部140a、水性シフト反応部140b、
選択酸化反応部140cにおいて生成される、非回収物
質である副生成物(二酸化炭素等)を発電機能部401
の外部に排出する排出孔106と、図示を省略した副電
源部170と、を備えて構成されている。
【0096】水蒸気改質反応部140a及び水性シフト
反応部140bは、反応に必要な水として、発電部11
0で生成され、副生成物供給経路104を介して供給さ
れる水、及び、燃料パック200内の発電用燃料FLに
含まれる水の少なくとも一方を利用する。また、燃料パ
ック200は、発電部110に供給される発電用燃料F
Lが充填、封入される燃料封入部210と、上記分離回
収部102により回収された副生成物(水)を固定的に
保持する副生成物回収部220と、発電モジュール10
0との結合部分に設けられ、発電用燃料FLの漏出を防
止する燃料供給弁201aと、回収保持された副生成物
(回収物)の漏出を防止する副生成物取込弁204(図
10参照)と、を有して構成されている。
【0097】このような構成を有する電源システムにお
いて、パッケージPKを剥がした燃料パック200をホ
ルダー部403の空間SP1に装着、収納すると、後述
する図11に示すように、燃料送出経路となる燃料送出
管406が燃料パック200の燃料送出口201に係合
して、燃料送出口201内に形成され、例えば、バネ等
の弾性機構によりで閉止方向に姿勢が強制されている燃
料供給弁201aを押し下げて、燃料パック200の漏
出防止機能が解除される。これにより、燃料パック20
0の燃料封入部210に封入された発電用燃料FLが、
毛細管201bf内及び燃料送出管406内での表面張
力により自動的に搬送されて発電モジュール100に供
給される。なお、燃料パック200をホルダー部403
から取り外すと、燃料供給弁201aがバネ等の弾性機
構の復元力で元の閉止状態に戻り、内部に封入された発
電用燃料FLが漏れないようになる。
【0098】そして、上述したような発電モジュール1
00における発電動作により、電力とともに生成される
副生成物のうち、水(HO)は、連結部403に設け
られた副生成物回収経路405、対向部402に設けら
れた凸部404の孔及び燃料パック200の底部202
に設けられた回収孔(副生成物取込弁204)を介し
て、燃料パック200内の副生成物回収部220に回
収、保持される。したがって、燃料パック200の内部
には、上記燃料封入部210及び副生成物回収部220
が、例えば、隔壁膜等を介して相互に隔絶して設けら
れ、かつ、双方の容量変化に応じて、上記隔壁膜等が相
対的に変形又は移動等するように構成されている。
【0099】これにより、図8に示したように、発電モ
ジュール100に供給された発電用燃料FLから燃料改
質部140において、水素ガスが生成され、発電部11
0において、所定の電力が生成されて充電部160に供
給、充電(蓄電)されるとともに、充電部160に蓄電
されたチャージにより充電される副電源部170によ
り、常時燃料制御部120、温度制御部150及び動作
制御部180に動作電力が供給される。また、本実施例
に係る電源システムに所定のデバイスDVCが接続され
ることにより、充電部160あるいは発電部110から
出力された電力の一部が、発電機能部401に設けられ
た正極端子EL(+)及び対向部402に設けられた負
極端子EL(−)を介して、デバイスDVCに内蔵され
たコントローラCNT及び負荷LDに駆動電力として供
給される。
【0100】ここで、電源システムは、図10(g)に
示すように、燃料パック200が空間SPに収納され、
ホルダー部400に結合された状態において、例えば、
日本国内において市販されている汎用の化学電池(一次
電池又は二次電池)と略同等の外形形状及び寸法を有す
るように構成することができる。また、このとき、燃料
パック200が空間SPに正常に収納された状態で、燃
料パック200の燃料送出口201が、発電機能部40
1側の燃料送出経路(燃料送出管406)に良好に係合
するとともに、燃料パック200がホルダー部400か
ら不用意に脱落することを防止するために、燃料パック
200底部202が対向部402により適当な圧力で押
圧されるように構成されていることが望ましい。
【0101】したがって、本実施例に係る電源システム
を、汎用の化学電池と同様に簡易に取り扱うことがで
き、また、汎用の化学電池と同一又は同等の外形形状及
び寸法(ここでは、円柱形状)を有するとともに、同一
又は同等の電気的特性を有する電力を供給することがで
きるので、汎用の化学電池と極めて互換性の高い電源シ
ステムを実現することができ、既存の携帯機器等のデバ
イスの電源として、良好に適用することができる。な
お、上述した実施例及び具体構成例に示した構成は、本
発明に係る化学反応装置(マイクロリアクタ)を燃料改
質部に適用した電源システムの一例を示したものにすぎ
ず、本発明に係る化学反応装置の適用はこの形態に限定
されるものではないことはいうまでもない。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る化学
反応装置によれば、所定の流路形状を有する溝部が設け
られた微小な主基板に、微小な閉止基板を接合すること
により構成される反応流路内で、例えば、アルコール系
の気体燃料と酸素の混合ガスから水素ガスを生成する化
学反応を生じる化学反応装置であって、反応流路に所定
の熱量を供給して上記化学反応を促進又は制御する薄膜
ヒータと、該薄膜ヒータに電力を供給して所定の熱量を
発生させるためのヒータ配線と、を備えた構成におい
て、少なくとも、該薄膜ヒータ及びヒータ配線の形成領
域に塗布した保護膜形成材料に対して、本発明特有の平
坦化工程、溶剤蒸発工程、膜形成反応工程、焼成工程に
対応した温度制御条件に基づいて加熱処理することによ
り、マイクロリアクタのように、集積回路に比較して積
層部の段差が大きく、かつ、平坦化の対象となる領域が
広い場合であっても、良好な平坦性を有する保護膜を形
成することができる。
【0103】したがって、集積回路等の製造プロセスに
おいて確立された、スピンコート法による保護膜形成材
料の塗布技術や、基板の加熱制御技術(あるいは、保護
膜形成材料の乾燥、焼成技術)をそのまま適用しつつ、
マイクロリアクタ特有の構成やスケールに対応した、良
好な平坦性を有する保護膜を形成することができる有効
な製造条件を提示することができる。
【0104】また、マイクロリアクタの表面段差を良好
に平坦化することができるので、他の周辺部材への接合
や複数のマイクロリアクタ相互の積層化等を行う際に、
各構成間の隙の発生を防止して、装置規模の省スペース
化や小型化を図ることができるとともに、薄膜ヒータか
ら反応流路以外の領域や空間への熱エネルギーの放出を
抑制して、熱伝導効率の高いマイクロリアクタを実現す
ることができる。さらに、保護膜上にさらに配線層等を
形成する場合にあっては、当該配線層の膜厚のバラツキ
や断線等を抑制することができ、信頼性の高いマイクロ
リアクタを実現することができる。更に、この化学反応
装置を、燃料改質型の燃料電池システムにおける燃料改
質部等に良好に適用することができ、燃料電池システム
を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化学反応装置の一実施形態を示す
概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る化学反応装置の積層構成を示
す要部断面図である。
【図3】本発明に係る化学反応装置の全体の製造方法を
示す製造プロセス図である。
【図4】本発明に係る化学反応装置の製造方法に適用さ
れる保護膜の平坦化方法を示す製造プロセス図である。
【図5】本発明に係る化学反応装置の製造方法に適用さ
れる保護膜の乾燥、焼結方法を示す温度制御グラフであ
る。
【図6】本実施形態に係る化学反応装置の製造方法によ
り形成された保護膜の平坦性を示す測定データである。
【図7】本発明に係る化学反応装置の他の実施形態を示
す概略構成図である。
【図8】本発明に係る化学反応装置の適用が可能な電源
システム(燃料電池システム)の要部構成、及び、該電
源システムより駆動されるデバイスを示すブロック図で
ある。
【図9】本発明に係る化学反応装置の構成を適用した燃
料改質部の具体例を示す概略構成図である。
【図10】上述した電源システムに適用される一実施例
の燃料パック及びホルダー部(発電モジュール)の外形
形状を示す概略構成図である。
【図11】上述した電源システム全体の具体構成例を示
す要部構成図である。
【図12】従来技術における化学反応装置(マイクロリ
アクタの反応流路部)の概略構成を示す図である。
【図13】従来技術における化学反応装置(マイクロリ
アクタ)に適用される薄膜ヒータ及びヒータ配線を示す
要部断面図である。
【符号の説明】
10 主基板 20 反応流路 30 閉止基板 40 薄膜ヒータ 50 ヒータ配線 60 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA03 AA13 AA39 AA63 BA05 BA06 BB02 BC10 BD12 BD15 BD26 CA02 CA51 CA54 DA02 DA18 EA05 EB21 EE03 EE13 FA12 FB02 FC07 FC11 FC15 FC20 4G140 EA02 EA06 EA07 EB12 EB48 5H026 AA06 5H027 AA02 BA01 BA16 BA17

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも連続的に形成された反応流路
    を有し、該反応流路内で第1の流体物質を第2の流体物
    質に変換する化学反応を生じる化学反応装置において、 少なくとも、前記反応流路を含む領域に対応して形成さ
    れ、前記反応流路に所定の熱量を供給する温度調整層
    と、 該温度調整層の所定の領域に形成され、前記温度調整層
    において前記熱量を発生させるための電力を供給する配
    線層と、 前記配線層あるいは前記温度調整層の積層高さを基準と
    して、少なくとも、前記温度調整層を含む領域に所定の
    平坦性を有するように形成された絶縁性の保護膜と、を
    備えることを特徴とする化学反応装置。
  2. 【請求項2】 前記保護膜は、前記温度調整層及び前記
    配線層を含む領域に塗布した所定の保護膜形成材料に対
    して、 少なくとも、第1の温度で第1の時間保持して前記保護
    膜形成材料の表面を平坦にした後、 前記第1の温度から第2の温度へ第1の温度上昇率で昇
    温して前記保護膜形成材料の溶剤を蒸発させる第1の昇
    温領域と、 前記第2の温度から第3の温度へ第2の温度上昇率で昇
    温して膜形成反応を生じさる第2の昇温領域と、を有し
    て得られたものであり、前記第1の温度上昇率は前記第
    2の温度上昇率より小さいことを特徴とする請求項1記
    載の化学反応装置。
  3. 【請求項3】 前記保護膜は、更に、第4の温度で第2
    の時間保持して焼成することにより得られたものである
    ことを特徴とする請求項2記載の化学反応装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の昇温領域は、 少なくとも、前記第1の温度上昇率より小さい第3の温
    度上昇率で昇温する第3の昇温領域と、 前記第1の温度上昇率より大きい第4の温度上昇率で昇
    温する第4の昇温領域と、を有することを特徴とする請
    求項2記載の化学反応装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の温度は室温乃至30℃程度の
    温度であり、前記第2の温度は145℃乃至155℃程
    度の温度であることを特徴とする請求項2記載の化学反
    応装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の時間は少なくとも5分であ
    り、前記第1の温度上昇率は、45℃の昇温に少なくと
    も5分かかる程度の温度上昇率であり、前記第2の温度
    上昇率は、50℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の
    温度上昇率であることを特徴とする請求項2記載の化学
    反応装置。
  7. 【請求項7】 前記第4の温度は345℃乃至355℃
    程度の温度であることを特徴とする請求項3記載の化学
    反応装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の時間は少なくとも30分であ
    ることを特徴とする請求項3記載の化学反応装置。
  9. 【請求項9】 前記保護膜は、前記配線層あるいは前記
    温度調整層の積層高さを基準として、概ね1μm以下の
    平坦性を有していることを特徴とする請求項1乃至8の
    いずれかに記載の化学反応装置。
  10. 【請求項10】 前記温度調整層は、所定の発熱特性を
    有する抵抗体層であり、前記配線層は、前記温度調整層
    上に所定の配線パターン形状を有し、少なくとも第1の
    導電性配線層及び第2の導電性配線層を積層して形成さ
    れた積層配線であることを特徴とする請求項1乃至9の
    いずれかに記載の化学反応装置。
  11. 【請求項11】 前記温度調整層は、タングステンを含
    有する合金からなることを特徴とする請求項10記載の
    化学反応装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の導電性配線層は、金、銅、
    金を含有する合金、及び、銅を含有する合金の中から選
    択された材料からなり、前記第2の導電性配線層は、タ
    ングステン、モリブデン、タンタル、タングステンを含
    有する合金、モリブデンを含有する合金、タンタルを含
    有する合金の中から選択された材料からなることを特徴
    とする請求項10又は11記載の化学反応装置。
  13. 【請求項13】 前記反応流路は、第1の基板の一面側
    に所定の流路形状を有する溝部が形成され、前記第1の
    基板の一面側に第2の基板の一面側を接合して前記溝部
    の開放端を閉止することにより構成されていることを特
    徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の化学反応
    装置。
  14. 【請求項14】 前記温度調整層、前記配線層及び前記
    保護膜は、前記第1の基板の他面側に形成されているこ
    とを特徴とする請求項13記載の化学反応装置。
  15. 【請求項15】 前記温度調整層、前記配線層及び前記
    保護膜は、前記第2の基板の他面側に形成されているこ
    とを特徴とする請求項13記載の化学反応装置。
  16. 【請求項16】 前記化学反応装置は、少なくとも、前
    記第1の基板及び第2の基板が微小基板からなり、前記
    反応流路がミクロンオーダーの微細化された流路形状を
    有して形成されていることを特徴とする請求項13乃至
    15のいずれかに記載の化学反応装置。
  17. 【請求項17】 前記化学反応装置は、前記反応流路が
    個別に形成された複数の反応領域を有し、該各反応領域
    ごとに互いに異なる化学反応を生じるように構成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記
    載の化学反応装置。
  18. 【請求項18】 前記化学反応装置は、前記反応流路内
    の少なくとも一部に所定の触媒層が設けられ、前記温度
    調整層から前記触媒層に供給される所定の熱量に基づい
    て、吸熱又は発熱を伴う前記化学反応を生じることによ
    り、前記第1の流体物質から前記第2の流体物質を生成
    することを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記
    載の化学反応装置。
  19. 【請求項19】 前記第1の流体物質は、アルコール系
    の気体燃料と酸素を含む混合ガスであり、前記第2の流
    体物質は、水素ガスであって、 前記化学反応装置は、少なくとも、前記温度調整層から
    供給される熱量に基づいて前記反応流路内で水蒸気改質
    反応を生じることにより、前記第1の流体物質から前記
    第2の流体物質を生成することを特徴とする請求項1乃
    至18のいずれかに記載の化学反応装置。
  20. 【請求項20】 前記第1の流体物質は、アルコール系
    の液体燃料又は水であり、前記第2の流体物質は、前記
    第1の流体物質が気化した燃料ガス又は水蒸気であっ
    て、 前記化学反応装置は、少なくとも、前記温度調整層から
    供給される熱量に基づいて前記反応流路内で気化反応を
    生じることにより、前記第1の流体物質から前記第2の
    流体物質を生成することを特徴とする請求項1乃至18
    のいずれかに記載の化学反応装置。
  21. 【請求項21】 前記第1の流体物質は、一酸化炭素ガ
    スと酸素を含む混合ガスであり、前記第2の流体物質
    は、水素ガス及び二酸化炭素ガスであって、 前記化学反応装置は、少なくとも、前記温度調整層から
    供給される熱量に基づいて前記反応流路内で水性シフト
    反応及び選択酸化反応を生じることにより、前記第1の
    流体物質から前記第2の流体物質を生成することを特徴
    とする請求項1乃至18のいずれかに記載の化学反応装
    置。
  22. 【請求項22】 少なくとも、連続的に形成された反応
    流路と、 前記反応流路を含む領域に対応して形成され、前記反応
    流路に所定の熱量を供給する温度調整層と、 該温度調整層の所定の領域に形成され、前記温度調整層
    において前記熱量を発生させるための電力を供給する配
    線層と、 該配線層あるいは前記温度調整層の積層高さを基準とし
    て、少なくとも、前記温度調整層を含む領域に所定の平
    坦性を有するように形成された絶縁性の保護膜と、を備
    え、少なくとも、前記温度調整層から供給される熱量に
    基づいて前記反応流路内で水蒸気改質反応を生じること
    により、前記反応流路内でアルコール系の気体燃料と酸
    素を含む混合ガスを水素ガスに変換する化学反応を生じ
    る化学反応装置と、 前記化学反応装置によって生成された水素と酸素とを反
    応させて発電を行う燃料電池と、を備えることを特徴と
    する燃料電池システム。
  23. 【請求項23】 少なくとも連続的に形成された反応流
    路を有し、該反応流路内で第1の流体物質を第2の流体
    物質に変換する化学反応を生じる化学反応装置の製造方
    法において、 少なくとも、前記反応流路を含む領域に対応して形成さ
    れた温度調整層、及び、該温度調整層の所定の領域に形
    成された配線層を含む領域に、所定の保護膜形成材料を
    塗布する工程と、 第1の温度で第1の時間保持して、塗布された前記保護
    膜形成材料の表面を平坦化する工程と、 前記第1の温度から第2の温度に第1の温度上昇率で昇
    温させて前記保護膜形成材料内の溶剤を蒸発させる工程
    と、 前記第2の温度から第3の温度へ第2の温度上昇率で昇
    温して膜形成反応を生じさる工程と、を含み、前記第1
    の温度上昇率は前記第2の温度上昇率より小さいことを
    特徴とする化学反応装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 更に、第4の温度で第2の時間保持し
    て焼成する工程を含むことを特徴とする請求項23記載
    の化学反応装置の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記保護膜形成材料内の溶剤を蒸発さ
    せる工程は、 少なくとも、前記第1の温度上昇率より小さい第3の温
    度上昇率で昇温する工程と、 前記第1の温度上昇率より大きい第4の温度上昇率で昇
    温する工程と、を有することを特徴とする請求項23記
    載の化学反応装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記第1の温度は室温乃至30℃程度
    の温度であり、前記第2の温度は145℃乃至155℃
    程度の温度であることを特徴とする請求項23記載の化
    学反応装置の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記第1の時間は少なくとも5分であ
    り、前記第1の温度上昇率は、45℃の昇温に少なくと
    も5分かかる程度の温度上昇率であり、前記第2の温度
    上昇率は、50℃の昇温に少なくとも5分かかる程度の
    温度上昇率であることを特徴とする請求項23記載の化
    学反応装置の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記第4の温度は345℃乃至355
    ℃程度の温度であることを特徴とする請求項24記載の
    化学反応装置の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記第2の時間は、少なくとも30分
    であることを特徴とする請求項24記載の化学反応装置
    の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記保護膜形成材料を塗布する工程
    は、酸化物系あるいは窒化物系の保護膜形成材料をスピ
    ンコート法により塗布することを特徴とする請求項23
    又は29記載の化学反応装置の製造方法。
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