JPWO2007058077A1 - 遺伝子検査方法、遺伝子検査用マイクロリアクタ、および遺伝子検査システム - Google Patents

遺伝子検査方法、遺伝子検査用マイクロリアクタ、および遺伝子検査システム Download PDF

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洋一 青木
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Abstract

本発明は、信頼性の高い高感度分析を可能とする遺伝子検査用マイクロリアクタおよび遺伝子検査システムを提供する。本発明の遺伝子検査システムは、試薬類・送液系用のエレメントを搭載した、検体ごとのチップコンポーネントと、装置本体として、制御・検出コンポーネントとを別個にするシステム構成である。そのマイクロリアクタ・チップは、核酸増幅に際し、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールの分析を検体の分析と同時に並行して行うが、インターナルコントロールを省略する流路構成を有する。本発明のマイクロリアクタの流路構成によれば、インターナルコントロールを省略するために、簡略された流路とエレメントの配設が可能となっている。しかも結果の精度、信頼性を検証できるので、分析結果についての正確さが確保される。

Description

本発明は、遺伝子検査方法、遺伝子検査用マイクロリアクタ、および遺伝子検査システムに関するものである。
近年、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使することにより、従来の試料調製、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、センサーなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されている。これは、μ−TAS(Micro total Analysis System)、バイオリアクタ、ラブ・オン・チップ(Lab-on-chips)、バイオチップとも呼ばれ、医療検査・診断分野、環境測定分野、農産製造分野でその応用が期待されている。煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操作が必要とされる場合には、自動化、高速化および簡便化されたミクロ化分析システムは、コスト、必要試料量、所要時間のみならず、時間および場所を選ばない分析を可能とする。
臨床検査を始めとする各種検査を行う現場では、場所を選ばず迅速に結果を出すこれらの分析用チップにおける測定においても、その定量性、解析の精度などが重要視される。分析チップではそのサイズ、形態の点から厳しい制約があるため、シンプルな構成で、高い信頼性の送液システムを確立することが課題となる。そのため精度が高く、信頼性に優れるマイクロ流体制御素子が求められている。これに好適なマイクロポンプシステムを本発明者らはすでに提案している(特許文献1および2)。
簡便かつ迅速な検査手段を提供するマイクロリアクタには、実際問題として解決すべき具体的な問題、要望が提起され、その解決が望まれている。例えばチップ上で検査などを行うために、試料の量を極少とし、必要な試薬量も少なくて済む分析の微量化を図ることは、マイクロリアクタに求められる最大課題である。ところが試料によっては、検出対象である遺伝子または核酸の濃度が極めて希薄であることがある。チップに導入できる検体量も限られていることから、そうした検体量では濃縮しない限り測定できる範囲内に入らない。遺伝子、核酸の検出では、PCR(polymerase chain reaction)法による増幅反応を利用することが有利である。その場合、コンタミネーション、複製の誤りや非特異的な増幅、反応阻害による増幅不調などの障害、陥穽を回避するためにコントロールを並行して分析するのが通例である。そのための流路構成を持つマイクロリアクタを本発明者らは既に提案している(特許文献3)。分析の正確を期するためのコントロールもチップ上で実施するとなると、複雑な流路と流体制御素子の構成と配置、流体の混合および分割が必要となり、様々な技術的困難を伴うことが多い。
特開2001-322099号公報 特開2004-108285号公報 特願2004-138959号
上記の実状に鑑みてなされた本発明は、核酸増幅に際し、コントロールとしてポジティブコントロールおよびネガティブコントロールの分析を検体の分析と同時に並行して行なうが、インターナルコントロールを省略することを可能とする遺伝子検査用マイクロリアクタ、遺伝子検査用マイクロリアクタを用いる遺伝子検査方法、および、遺伝子検査用マイクロリアクタを含む遺伝子検査システムについて提案する。
本発明の遺伝子検査方法は、
一つのチップ内に、少なくとも
検体もしくは検体から抽出したDNAが注入される検体収容部と、
核酸増幅反応に用いる試薬が収容される試薬収容部と、
ポジティブコントロールが収容されるポジティブコントロール収容部と、
ネガティブコントロールが収容されるネガティブコントロール収容部と、
核酸増幅反応を行う増幅部と、
その下流側流路にある検出部と
これらの各収容部に連通する流路と、
が設けられた遺伝子検査用マイクロリアクタを用いる遺伝子検査方法であって、
前記試薬収容部に収容された試薬の一定量を流路に送液し、次いで3分割し、分割された試薬を、それぞれ流路内で
(i) 検体収容部から送られた検体と混合して、生成させた混合液(1)、
(ii) ポジティブコントロール収容部から送られたポジティブコントロールと混合して、生成させた混合液(2)、および
(iii) ネガティブコントロール収容部から送られたネガティブコントロールと混合して、生成させた混合液(3)
を得て、さらに混合液(1)および混合液(2)をそれぞれ2分割し、次いで
混合液(1)のみ、混合液(1)と混合液(2)の混合物、混合液(2)のみ、混合液(3)のみの各流体を増幅部でそれぞれ増幅反応をさせて、増幅産物を各々の検出部で検出することを特徴としている。
また、本発明の遺伝子検査方法は、前記遺伝子検査方法において、
さらに核酸増幅反応により増幅された検出対象の遺伝子にハイブリダイズさせるプローブが収容されるプローブ収容部が、流路に連通して配設されており、
前記増幅部で生成した増幅産物をそのプローブ収容部に収容されたプローブと流路内で混合してプローブと結合またはハイブリダイズさせ、この反応生成物に基づいて対象遺伝子の検出を行い、
ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールについても同様に、それらの増幅産物を、プローブ収容部に収容されたプローブと流路内で結合またはハイブリダイズさせ、その反応生成物に基いて検出を行うように構成されていることを特徴とする。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタは、
一つのチップ内に、少なくとも
検体もしくは検体から抽出したDNAが注入される検体収容部と、
核酸増幅反応に用いる試薬が収容される試薬収容部と、
ポジティブコントロールが収容されるポジティブコントロール収容部と、
ネガティブコントロールが収容されるネガティブコントロール収容部と、
核酸増幅反応を行う増幅部と、
その下流側流路にある検出部と
これらの各収容部に連通する流路と、
が設けられている遺伝子検査用マイクロリアクタであって、
流路に送液される前記試薬収容部に収容される試薬の一定量を第1試薬、第2試薬及び第3試薬の3つに3分割する第1送液分割手段と、
(i) 前記第1送液分割手段で分割された前記第1試薬と前記検体収容部から送られる検体とが混合されて、混合液(1)を生成する混合液(1)生成部と、
(ii) 前記第1送液分割手段で分割された前記第2試薬と前記ポジティブコントロール収容部から送られるポジティブコントロールとが混合されて、混合液(2)を生成する混合液(2)生成部と、
(iii) 前記第1送液分割手段で分割された前記第3試薬と前記ネガティブコントロール収容部から送られるネガティブコントロールとが混合されて、混合液(3)を生成する混合液(3)生成部と、を備え、
さらに、前記混合液(1)生成部で生成される混合液(1)を2分割する第2送液分割手段と、前記混合液(2)生成部で生成される混合液(2)を2分割する第3送液分割手段と、を備え、
前記増幅部は、前記混合液(1)のみを増幅反応させる増幅部と、前記混合液(1)と前記混合液(2)の混合物を増幅反応させる増幅部と、前記混合液(2)のみを増幅反応させる増幅部と、前記混合液(3)のみを増幅反応させる増幅部との4つから構成され、
前記検出部は、前記混合液(1)のみを増幅反応させる増幅部で増幅反応されて得られる増幅産物を検出する検出部と、前記混合液(1)と前記混合液(2)の混合物を増幅反応させる増幅部で増幅反応されて得られる増幅産物を検出する検出部と、前記混合液(2)のみを増幅反応させる増幅部で増幅反応されて得られる増幅産物を検出する検出部と、前記混合液(3)のみを増幅反応させる増幅部で増幅反応されて得られる増幅産物を検出する検出部との4つから構成されていることを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタは、前記遺伝子検査用マイクロリアクタにおいて、
さらに、前記各々の検出部に連通して配設され、前記増幅産物にハイブリダイズさせるプローブを収容するプローブ収容部を有し、
各々の前記検出部では、前記増幅産物と前記プローブ収容部から送出されるプローブとが結合またはハイブリダイズされた反応生成物が検出されることを特徴とする。
さらに、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタは、前記遺伝子検査用マイクロリアクタにおいて、
前記第1、第2及び第3の送液分割手段は、
分岐した微細流路と、
予め設定された圧より低い圧では液体の通過を遮断し、予め設定された圧以上の圧では 液体の通過を許容する送液制御部と、
流路内の液体の逆流を防止する逆流防止部と、
から構成され、
分岐した流路内における液体の送液およびその送液量を制御することを特徴とする。
本発明の遺伝子検査システムは、
核酸の検出を光学的に行う検出装置とともにマイクロポンプおよび温度の制御装置が一体化された装置本体と、この装置本体に装着可能な前記の遺伝子検査用マイクロリアクタとからなり、装置本体に該マイクロリアクタを装着することにより核酸の測定を行うことを特徴とする。
また、本発明の遺伝子検査システムは、前記遺伝子検査システムにおいて、
前記マイクロポンプは、
流路抵抗が差圧に応じて変化する第一流路と、
差圧の変化に対する流路抵抗の変化の割合が該第一流路よりも小さい第二流路と、
該第一流路および該第二流路に接続された加圧室と、
該加圧室の内部の圧力を変化させるためのアクチュエータと
を備えたことを特徴とする。
本発明の遺伝子検査システムは、試薬類・送液系用のエレメントを搭載した、検体ごとのマイクロリアクタなるチップ・コンポーネント、装置本体である制御・検出コンポーネントとを別個にするシステム構成である。よって微量分析、増幅反応に対し、誤まった増幅または不充分な増幅、クロス・コンタミネーション、キャリーオーバー・コンタミネーションの問題が回避される。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタは、反応阻害、コンタミネーション、バックグラウンドの上昇などによる影響を排除するために、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールも同時に分析できる流路構成を有する。したがってその結果の精度、信頼性を常に検証できる方式であるために、最終的に数値データの形で得られる分析結果についての正確さを確保できる。したがって、このような遺伝子検査用マイクロリアクタを用いる遺伝子検査方法についても、上記と同様に、最終的に数値データの形で得られる分析結果についての正確さを確保できる。
インターナルコントロールを省略できる流路構成を採用するために、簡略された流路構成とエレメントの配設が可能となっている。
図1は、マイクロリアクタと装置本体とからなる遺伝子検査システムの概要図である。 図2は、遺伝子検査用マイクロリアクタ(チップ)の概略図である。なお、マイクロポンプは、本マイクロリアクタとは別途の装置に属する。 図3は、検体およびコントロールの流路構成例について、概念図を示す。 図4は、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタの一実施形態であり、図3(c)に対応した態様を示す。 図5は、マイクロポンプ11をマイクロリアクタとは別体とした場合におけるマイクロリアクタのポンプ接続部周辺の構成を示す。(a)は、駆動液を送液するポンプ部の構成を示した図であり、(b)は試薬を送液するポンプ部の構成を示した図である。 図6は、ピエゾポンプを示し、(a)は、このポンプの一例を示した断面図、(b)は、その上面図である。(c)は、ピエゾポンプの他の例を示した断面図である。 図7は、流路上での流体3分割のための流路構成の一例を示す。 図8(a)、(b)は、送液制御部の流路軸方向に沿った断面図である。 図9は、逆止弁を利用した定量送液機構を説明する図である。 図10は、マイクロリアクタと装置本体とからなるマイクロ分析システムのシステム概要図である。
符号の説明
1 装置本体
2 マイクロリアクタ(検査チップ)
3 ペルチェ素子
4 ヒーター
5 ホトダイオード
6 LED
7 試薬貯留部
11 マイクロポンプ(ピエゾポンプ)
12 ポンプ接続部
13 送液制御部
15 流路
15A 試薬充填流路
15B 分岐流路
16 逆止弁
17 貯留部
18 試薬収容部
19 検体
20 検体収容部
21a 停止液収容部
21b 変性液収容部
21c ハイブリダイゼーションバッファー収容部
21d 洗浄液収容部
21e 金コロイド収容部
21f プローブDNA収容部
21g ポジティブコントロール用プローブDNA収容部
21h ポジティブコントロール収容部
21i ネガティブコントロール収容部
21j 希釈用緩衝液
21k ポジティブコントロール用プローブDNA収容部
21l プローブDNA収容部
22 検出部(ストレプトアジビン吸着部)
23 廃液貯留部
24 駆動液収容部
25 封止液収容部
26 空気抜き用流路
27 液体
31 試薬
41 上側基板
42 基板
43 振動板
44 圧電素子
45 加圧室
46 第1流路
47 第2流路
48 第1液室
49 第2液室
51 絞り流路
60 試薬液
70 駆動液
71 シリコン基板
72 ポート
73 ポート
以下、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタおよびこのマイクロリアクタとマイクロポンプ、各種制御装置、検出装置とからなる遺伝子検査システムについて説明する。なお本明細書において、「検体」とは、測定対象の核酸を含有する流体である。「遺伝子」とは、何らかの機能を発現する遺伝情報を担うDNAまたはRNAをいうが、単に化学的実体であるDNA、RNAの形でいうこともある。これらとポリヌクレオチドを総称して「核酸」という。「エレメント」とは、マイクロリアクタに設置される機能部品をいう。「微細流路」は、本発明のマイクロリアクタに形成された流路のことであり、単に「流路」ともいう。微細流路内を流れる流体は、通例液体である。
遺伝子分析におけるコントロール
PCR法およびICAN法を始めとする核酸増幅法は、検体中に存在するDNAが超微量であっても、その数十万〜数百万倍以上にも増幅できることから広範に利用されている。増幅倍率が極めて高いために、クロス・コンタミネーション、キャリーオーバー・コンタミネーションといった汚染による影響は著しく深刻である。さらに、偽の増幅または非特異的な増幅も珍しくないと言われている。このため、ポジティブコントロール、インターナルコントロールを常に検体の分析と並行して同時に行うことは、特にPCR法による遺伝子増幅では、PCR反応が正しく起きていることのチェックのために必須である。例えば何らかの問題が生じた場合、それが設定条件、試薬類、操作、分析系に由来するか、あるいは検体に由来するかの検証に有効である。マイクロリアクタを用いる遺伝子検査においては、検体の処理、増幅および検出がほぼ自動的に実施される。このため最終的な分析結果について、その精度、信頼性を常に確認できる方式にすることは、極めて重要である。マイクロリアクタ上の増幅反応でも、偽陽性および偽陰性の判定に有用なこれらのコントロールの設定と検証は、従来の分析技術の慣行に従う。
インターナルコントロールは、標的核酸(DNA、RNA)について、増幅のモニタリング、あるいは定量の際の内部標準物質として使用される。特に定量分析には有用である。インターナルコントロールの配列は、検体とは異なる配列の両側に、検体用プライマーと同じプライマーがハイブリダイズできる配列を有するために検体と同様に増幅できるものである。インターナルコントロールに使用する核酸(DNA,RNA)は、公知技術文献に記載されているものを使用すればよい。インターナルコントロールがうまく増幅できない場合には、検体由来の増幅反応の妨害因子が存在するといった可能性が考えられる。
ポジティブコントロールの配列は、検体を検出する特異的な配列で、プライマーがハイブリダイズする部分とその間の配列が検体と同じものである。添加する試薬等における妨害因子の検出、設定した条件の適切性、非特異的な相互作用などの検証に有用である。ポジティブコントロールの増幅が不調である場合には、試薬類の欠陥、試薬の送液、混合の不良などの操作トラブルが考えられる。
ネガティブコントロールは、核酸(DNA、RNA)の代わりに超純水としてもよく、コンタミネーションの有無のチェック、蛍光などの補正、試薬等に混在する物質の発色といったバックグラウンド補正用に用いる。ネガティブコントロールで、増幅された遺伝子が検出された場合には、検体以外からの遺伝子の混入が考えられる。
検体とは別個の分析流路において、同一試薬、同一条件のもとで、同時進行で行うポジティブコントロール、ネガティブコントロールおよびインターナルコントロールをすべて実施するとなると、図3(a)に示すように、6個の検出部を設置する必要が生じる。
上記のように、インターナルコントロールは増幅試薬中に含められて、検体、ポジティブコントロール、ネガティブコントロールの3分析のそれぞれにおいて、一緒に増幅反応され、検出は、別個の検出部において行われる。しかしながら、インターナルコントロールの分析の意義からはポジティブコントロールにインターナルコントロールを兼ね備えさせることが好ましい。インターナルコントロールは、確かにプライマーとハイブリダイズするが、増幅される配列が検体とは異なるため、増幅時、検体のみ、またはインターナルコントロールのみしか増幅しない可能性があり、コントロールの意味をなさないことがある。この点を考慮して、本発明者は、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタにおいて、「コントロールの測定および流路構成」で述べるように流体の分割と流路の構成を工夫することにより、インターナルコントロールの分析を省略し、ポジティブコントロールを用いることにより、検出部の数を4個に減らすことができた。その流路構成によれば、従来の方式よりも簡略化されており、サイズの点で制約が大きいために複雑な流路とすることは避けるべきマイクロリアクタでは好ましい構成である。さらに核酸増幅部の流路内では、充分な混合を実現している。核酸、試薬等の不充分な拡散に基づく増幅多寡といった差異が、検体、コントロール間で生じにくい。
遺伝子検査用マイクロリアクタおよび遺伝子検査システムの概要
図1は、装置本体に脱着可能な遺伝子検査用マイクロリアクタ(以下、単にマイクロリアクタと称することもある)と装置本体とからなる遺伝子検査システムの概要図、図2は、遺伝子検査用マイクロリアクタの概略図である。本発明は、種々の実施の形態において、本発明の趣旨に沿って任意の変形、変更が可能であり、それらは本発明に含まれる。すなわち、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタ(検査チップ)および検査装置の全体または一部について、構造、構成、配置、形状形態、寸法、材質、方式、方法などを本発明の趣旨に合致する限り、種々のものにすることができる。
図1および図2に示された検査チップ2、すなわち遺伝子検査用マイクロリアクタは、プラスチック樹脂、ガラス、シリコン、セラミックスなどの1以上の部材を適宜組み合わせて作製される一枚のチップである。その縦横のサイズは、通常、数十mmぐらい、高さが数mm程度である。好ましくは、マイクロリアクタの微細流路および躯体は、加工成型が容易で安価であり、焼却廃棄が容易なプラスチック樹脂で形成される。なかでもポリスチレン樹脂は成型性に優れ、後述するようにストレプトアビジンなどを吸着する傾向が強く、微細流路上に検出部を容易に形成することができるために望ましい。微細流路は、微細加工技術によりその幅および高さが、約10μm〜数百μmのサイズ、例えば幅100μm、深さ100μm程度に形成される。また、そうしたマイクロリアクタにおいて、蛍光物質または呈色反応の生成物などを光学的に検出するために、マイクロリアクタ表面のうち少なくとも微細流路の検出部を覆うその検出部分は透明である部材、好ましくは透明なプラスチックとなっていることが必要である。図3の(b)、(c)は、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタの典型的な流路構成の一例を示すものである。
図10は、マイクロリアクタと装置本体とからなるマイクロ分析システムのシステム概要図である。本発明の遺伝子検査システムは、マイクロポンプ11、マイクロポンプ11を制御する制御装置(図示せず)、ヒーター4とペルチェ素子3を制御する温度制御装置(図示せず)、および検出装置(LED6とホトダイオード5)などが一体化された装置本体1と、この装置本体1に装着可能な遺伝子検査用マイクロリアクタ2とからなる。予め試薬が封入されたマイクロリアクタ2の検体収容部に検体液を注入して、そのマイクロリアクタを遺伝子検査システムの装置本体1に装着すると、送液ポンプを作動させるための機構的連結、必要であれば制御用の電気的接続もなされる。したがって装置本体1とこの上記マイクロリアクタ2とを接合させると、マイクロリアクタの流路も作動状態となる。好ましくは分析が開始されると、検体および試薬類の送液、混合に基づく核酸の増幅、核酸とプローブとの結合などの反応、反応物の検出および光学的測定が、一連の連続的工程として自動的に実施され、測定データが、必要な条件、記録事項とともにファイル内に格納され、核酸の測定が自動的に行われる。
前記検出装置とは、流路上の検出部に対して、例えばLEDなどから測定光を照射し、ホトダイオード、光電子増倍管などの光学的検出の手段で透過光もしくは反射光を検出する装置である。光学的検出の手段として原理を異にする各種の光学装置があるが、紫外・可視分光光度計が望ましい。好ましくは本発明の遺伝子検査システムは、検体に含有されている核酸の検出を光学的に行う検出装置が、上記マイクロポンプを含む送液手段および温度制御装置とともに装置本体1に組み込まれ、一体化した構成となっている。
送液、温度、反応の各制御に関わる制御系、光学的検出、データの収集および処理を受け持つユニットは、マイクロポンプおよび光学装置とともに本発明の遺伝子検査システムの装置本体1を構成する。この装置本体1は、これに上記マイクロリアクタ2を装着することによりサンプルに対して共通で使用される。上記の増幅などの反応および検出は、送液順序、容量、タイミングなどについて予め設定された条件として、マイクロポンプおよび温度の制御、光学的検出のデータ処理とともにプログラムとして遺伝子検査システムに搭載されたソフトウェアに組みこまれている。従来の分析チップでは、異なる分析または合成などを行う場合には、変更される内容に対応するマイクロ流体デバイスをその都度構成する必要があった。これとは異なり、本発明では脱着可能な上記マイクロリアクタ2のみ交換すればよい。各エレメントの制御変更も必要となる場合には、装置本体1に格納された制御プログラムを適宜改変すればよい。
本発明の遺伝子検査システムは、いずれのコンポーネントも小型化され、持ち運びに便利な形態としているために、使用する場所および時間に制約されず、作業性、操作性が良好である。送液に使用する多数のマイクロポンプユニットが装置本体側に組み込まれているので、マイクロリアクタであるチップはディスポーザブルタイプとして使用できる。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタおよび遺伝子検査システムは、特に遺伝子または核酸の検査に好適に用いることができる。その場合、核酸増幅のための機構がマイクロリアクタ上に搭載される。しかし、遺伝子以外の核酸についても基本的な構成は、ほぼ同一になるといえる。例えば逆転写酵素収容部を設置してもよい。通常は検体前処理部、試薬類、プローブ類などを変更すればよく、その場合、送液エレメントの配置、数などは変化するであろう。
遺伝子検査用マイクロリアクタ
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタは、1つのチップ内に少なくとも検体収容部、試薬収容部、送液分割手段、マイクロポンプ接続部および微細流路を有し、各部を微細流路で連通させている。各収容部の上流側にポンプ接続部が設けられ、これらのポンプ接続部にマイクロリアクタとは別途のマイクロポンプを接続し、各マイクロポンプから駆動液を供給することにより前記各収容部内の前記検体液(測定対象である核酸を含む検体の液体)および前記試薬を押し出してこれらを合流させる。合流液をその下流側に設けられた核酸増幅部を構成する流路、次いで検出部を構成する流路へ流して核酸を測定することを特徴とする。さらに各収容部、流路、ポンプ接続部に加えて、送液制御部、逆流防止部、試薬定量部、混合部などの各エレメントが、機能的に適当な位置に微細加工技術により設置されている。
試薬収容部
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタでは、必要な試薬31(洗浄液なども含む)があらかじめ所定の量、マイクロリアクタ内の試薬収容部18に封入されている(図2)。試薬収容部18は、複数の試薬31に対応して複数設けられている。したがって本発明のマイクロリアクタは使用時にその都度、試薬を必要量充填する必要はなく、即使用可能の状態になっているため、場所や時間を問わず迅速に検査ができる。検体中の核酸を分析する場合、測定に必要な試薬類は、通常それぞれ公知である。遺伝子検査用の試薬類には、核酸増幅に用いられる各種試薬、検出に使用されるプローブ類、発色試薬などが挙げられる。
マイクロリアクタ内に内蔵される試薬類などは、蒸発、漏失、気泡の混入、汚染、変性などを防止するため、その試薬部の表面が密封処理され、封止材(封止液)により封入されている。これらの封止材(図5では封止液収容部25に収容される)は、使用前、マイクロリアクタが保管される冷蔵条件下では、固化もしくはゲル化しており、使用時、室温にすると融解し流動状態となるものである。このような封止材としては、水に対して難溶性の可塑性物質を使用することができ、好ましくは、水に対する溶解度が1%以下であり且つ融点が8℃〜室温(25℃)である油脂、およびゼラチンの水溶液が挙げられる。
試薬収容部および試薬を混合する混合部の各部(さらに必要であれば検体収容部も)は、ペルチェ素子3によって冷却されるようになっている。ペルチェ素子3は、これらの各部のマイクロリアクタであるチップ上面に、あるいはチップ上下両面に設けてもよい。試薬収容部などを冷却することにより、加温による試薬の変質を防止できる。通常は、4℃以下程度に保てば試薬の変質を充分に防止できる。
・コントロール収容部
ポジティブコントロール収容部には、検体を検出する特異的な配列で、プライマーがハイブリダイズする部分とその間の配列が検体と同じものであるポジティブコントロールが収容される。ネガティブコントロール収容部には、ネガティブコントロールとして検体の代わりに滅菌した超純水などが収容される。
コントロールの測定および流路構成
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタにおける検体およびコントロールの測定のための流路構成を、概念図3に示す。
図3(a)の流路構成は、3分割される増幅用試薬中にインターナルコントロールを含めて、検体、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールを、それぞれ独立した別個の流路に流して増幅させ、測定する従来の方式である。その配置では、最上流部の試薬収容部および試薬分割への流路から、基本的に3本の流路(3つの流路に分岐してからそれぞれの廃液貯留部まで至る流路)へ各種試薬が流れるように構成されている。左側の分析流路は、検体の分析のための流路であり、中央の分析流路は、ポジティブコントロール用の流路、右側の分析流路は、ネガティブコントロール用の流路である。
本発明では、図3(b)および図3(c)の流路構成を採用する。図3(b)の流路構成の場合には、4分割技術、3液同時混合技術などがさらに必要である。本発明においては、特に図3(c)の流路構成が好ましく、その具体的な流路構成を図4に示す。この方式では、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタにポンプ接続部を介してマイクロポンプを接続し、試薬収容部に収容された増幅用試薬の一定量を流路に送液し、送液分割手段(第1送液分割手段)により試薬の一定量を第1試薬、第2試薬及び第3試薬の3つに3分割し、分割された試薬(第1試薬、第2試薬及び第3試薬)を、それぞれ流路内で
(i) 検体収容部から送られた検体と混合して、生成させた混合液(1)、
(ii) ポジティブコントロール収容部から送られたポジティブコントロールと混合して、生成させた混合液(2)、および
(iii) ネガティブコントロール収容部から送られたネガティブコントロールと混合して、生成させた混合液(3)
を得て、混合液(1)および混合液(2)をさらに送液分割手段(ここでは、便宜上、混合液(1)を2分割する第2送液分割手段、混合液(2)を2分割する第3送液分割手段という)により2分割し、次いで混合液(1)のみ、混合液(1)と混合液(2)の混合物、混合液(2)のみ、混合液(3)のみの各流体を増幅部でそれぞれ増幅反応をさせて、増幅産物を各々の検出部で検出する方式である。
増幅反応を行わせるときには、概ね50℃以上にヒーター4で加熱する必要がある。ヒーター4は、マイクロリアクタであるチップ上面に、あるいはチップ上下両面に設けることができる。
この態様では増幅部および検出部はそれぞれ4個ですむ。その場合、検体の増幅産物(混合液(1)のみの増幅)、検体およびポジティブコントロールの増幅産物の混合物(混合液(1)と混合液(2)の混合物の増幅)、ポジティブコントロールの増幅産物(混合液(2)のみの増幅)、ネガティブコントロールの増幅産物(混合液(3)のみの増幅)をそれぞれのプローブDNAで検出することになる。インターナルコントロールのための役割は、前記2番目の増幅産物の検出が担う。すなわち検体およびポジティブコントロール、検体およびポジティブコントロールの混合物の増幅反応により得られる配列は全て同じであるため、同じプローブを用いて検出する。
検出の結果は、ネガティブコントロールがネガティブ、ポジティブコントロールがポジティブ、検体およびポジティブコントロールの混合物がポジティブと出たときのみ、判定してもよい。その他の場合には、何らかのエラーがあるために再試験を要することになる。信頼性の高い、検体およびポジティブコントロールの増幅産物の混合物(混合液(1)と混合液(2)の混合物の増幅)について、ポジティブコントロール用のプローブDNAを用いて検出する。その増幅が不調であり、混合液(2)のみの増幅には問題がなければ、検体に起因する増幅の妨害が考えられる。
他方、図3(b)に示された流路構成の方式は、
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタにポンプ接続部を介してマイクロポンプを接続し、検体収容部に収容された検体の一定量、およびポジティブコントロール収容部に収容されたポジティブコントロールの一定量を、それぞれ流路に送液して送液分割手段により各々2分割し、ならびに試薬収容部に収容された増幅用試薬の一定量を流路に送液し、送液分割手段により4分割し、分割された試薬を、それぞれ流路内で
(i) 2分割された検体の一方と混合して、生成させた混合液(1)、
(ii) 2分割された検体の他方と、2分割されたポジティブコントロールの一方とを混合して、生成させた混合液(2)
(iii) 2分割されたポジティブコントロールの他方と混合して生成させた混合液(3)、および
(iv) ネガティブコントロール収容部から送られたネガティブコントロールと混合して生成させた混合液(4)
を得て、(1)〜(4)の混合液を増幅部でそれぞれ増幅反応をさせて、増幅産物を各々の検出部で検出する方式である。
この態様も、増幅部および検出部はそれぞれ4個ですむ。すなわち、検体の増幅産物(混合液(1)のみの増幅)、検体およびポジティブコントロールの増幅産物の混合物(混合液(2)のの増幅)、ポジティブコントロールの増幅産物(混合液(3)の増幅)、ネガティブコントロールの増幅産物(混合液(4)のみの増幅)を検出することになる。この場合もインターナルコントロールのための役割は、前記2番目の増幅産物の検出が担う。この場合には流体の4分割技術、3液同時混合の技術が必要となるが、これらは技術的には容易ではない。
図3(b)および(c)の流路構成では、流体の2分割、3分割または4分割とともに、2液または3液を合流させて混合する流体の合流もあり、これら送液の分割および合流は、検体、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールにおいて同じとはなっていない(図3(a)の場合はいずれの場合も分割、合流が同等である)。このため、例えば流体の1:1の分割ではなく、2:1の比に分割したりして流量の調整が必要となる。
このように試薬と試薬との混合、および検体と試薬との混合は、単一の混合部で所望の比率で混合してもよく、あるいは何れかもしくは両方を分割して複数の合流部を設け、最終的に所望の混合比率となるように混合しても構わない。しかしながら所定量の流体を定量して送液する定量送液、流体の分割、合流を正確かつ所望通りに実現できるマイクロポンプ、送液エレメントおよび流路の配設と制御が必要になる。
マイクロポンプおよびポンプ接続部
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタでは、検体収容部20、試薬収容部18およびコントロール収容部の内容液を一定量送液するマイクロポンプ11がマイクロリアクタとは別途に設けられている。マイクロポンプ11は試薬収容部18の上流側に接続され、マイクロポンプ11により駆動液を試薬収容部側へ供給することによって、試薬などを流路へ押し出して送液している。マイクロポンプユニットは、マイクロリアクタとは別途の装置本体に組み込まれており、マイクロリアクタを装置本体に装着することによって、ポンプ接続部12からマイクロリアクタに接続されるようになっている(図4)。
本実施形態では、マイクロポンプとしてピエゾポンプを用いている。すなわち、
流路抵抗が差圧に応じて変化する第一流路と、
差圧の変化に対する流路抵抗の変化の割合が該第一流路よりも小さい第二流路と、
該第一流路および該第二流路に接続された加圧室と、
該加圧室の内部の圧力を変化させるためのアクチュエータと
を備えたピエゾポンプである(図6)。その詳細は、上記特許文献1および2に記載されている。
・送液分割手段
本発明において、1つの検体についてポジティブコントロールおよびネガティブコントロールを同時に分析する場合には、試薬類および検体を2以上に分割して、それぞれの分析流路へ送り出す必要がある。送液分割手段はそのために設置される。図4に示すように、送液分割手段は、分岐した微細流路、送液制御部13および逆流防止部(逆止弁16)から構成される。
送液制御部13は、正方向(通常、液体をポンプで押出す方向、すなわち下流方向)への送液圧力が所定圧に達するまで液体の通過を遮断し、所定圧以上の送液圧力を加えることにより液体の通過を許容する。送液制御部13は、流路径を絞った部分からなり、これにより、一端側からこの絞り流路(細流路)51に達した液体が、他端側へ通過することを規制している。その具体的な流路の態様は、両側に隣接する流路を直列に連結するようにこれらの流路の間に形成された、これらの隣接流路の断面積よりも小さい断面積を有する細流路とすることにより実現する。この絞り流路51は、例えば、両側に直列に連結された縦横が150μm×150μmの流路に対して、縦横が30μm×30μm程度となるように形成される。
液体を、細径の絞り流路51の端部51aから太径の流路15へ押し出すには、表面張力のために所定の送液圧力を要する。したがって、マイクロポンプからのポンプ圧により、液体の停止と通過を制御することができるので、例えば流路の所定箇所において液体の移動を一時止めておき、所望のタイミングでこの箇所から先の流路へ送液を再開することができる。
また流路内の液体の逆流を防止する逆流防止部は、逆流圧により弁体が流路開口部を閉止する逆止弁16(図4、図9参照)か、あるいは弁体変形手段により弁体を流路開口部へ押圧して該開口部を閉止する能動弁からなる。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタの流路に使用される逆止弁として、微小球を弁体として、基板に形成した開口をこの微小球の移動により開閉させることで液体の通過を許容および遮断している逆止弁が好ましい。あるいは基板上に積層されその端部が開口の上側に延び出した可撓性基板が、液圧によりその開口の上側を上下動することにより該開口を開閉する方式の逆止弁であってもよい。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタの微細流路において、前記マイクロポンプ、そのポンプ圧により液体の通過を制御可能な送液制御部13と、流路内の液体の逆流を防止する逆流防止部(逆止弁)16とによって、分岐した流路内における各液体の分割の制御および定量送液がなされる。かかる送液分割手段およびマイクロポンプ11の働きにより、試薬類および検体は適当な比率で分割される。
図7は、核酸増幅用試薬を混合し、等分に分割して流路下流へ流すシステムを図示する。検出対象である遺伝子に特異的にハイブリダイズするビオチン修飾したキメラプライマー、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、およびエンドヌクレアーゼなどの試薬は、試薬収容部18a、18b、18cに収容されており、各試薬収容部の上流側には、マイクロリアクタとは別途の装置本体に内蔵されたマイクロポンプであるピエゾポンプ11がポンプ接続部12で接続され、各試薬収容部から下流側の流路15aへこれらのポンプにより試薬が送液される。
流路15aと、流路15aから分岐した次工程への流路と、送液制御部13a、13bは、流路の合流部を構成し、各試薬収容部から送液された試薬の混合液の先端部を切り捨て、混合状態が安定した後に、試薬混合液を3等分割して次工程へ送液するようにしている。各試薬収容部には分割後に下流に流す分量の3倍超の試薬が収容されており、所定量の試薬混合液が、3本に分岐した流路15b、15c、15dへ送液される。
・定量送液機構
試薬収容部、核酸増幅部および検出部の間の流路における適宜の位置に、逆止弁が設けられている。それ以外にも上記のようにクロス・コンタミネーションといった汚染を防止するための適切な位置にも逆止弁を設けることが好ましい。
液体の逆流を防止して正確に所定の送液を行うために逆止弁を配設することが望ましいが、逆止弁を利用した好適な機構として、図9に示した定量送液機構を挙げることができる。この機構では、逆止弁16と、疎水性バルブ13aとの間の流路(試薬充填流路15A)には、所定量の試薬が充填される。この試薬充填流路15Aから分岐し、駆動液を送液するマイクロポンプ11に連通する分岐流路15Bが設けられている。
試薬の定量送液は、次のように行われる。図9において最初に逆止弁16側から、疎水性バルブ13aから先へ試薬液60が通過しない送液圧力(予め設定された圧より低い圧)で試薬充填流路15Aに試薬液60を供給することにより試薬液60を充填する。次いで、疎水性バルブ13aから先へ試薬液60が通過することを許容する送液圧力(予め設定された圧以上の圧)で、マイクロポンプ11により分岐流路15Bから試薬充填流路15Aに向かう方向へ駆動液70を送液することにより、試薬充填流路15A内に充填された試薬液60を送液制御部15Aから先へ押し出し、これにより試薬液60を定量的に送液する。なお、試薬充填流路15Aに、大容積の貯留部7を設けることによって、定量のバラツキが小さくなる。なおこの定量送液機構を、試薬の定量混合および検体の定量送液にも使用している。
検体収容部
検体もしくは検体から抽出したDNAが注入される検体収容部20は、次のような構成を有する(図2参照)。検体収容部20は、検体注入部に連通して検体(核酸を含有する)の一時収容および混合部への検体供給を行う。検体収容部20に注入された検体は、ポンプ接続部12を介しマイクロポンプ11(図示せず)と接続しており、これらの作用により下流の増幅部直前の混合部へ送液される。
また検体収容部の上面で検体を注入する部分(検体注入部)は、外部への漏失、感染および汚染を防ぎ、密封性を確保するために、ゴム状材質などの弾性体からなる栓が形成されているか、あるいはポリジメチルシロキサン(PDMS)などの樹脂、強化フィルムで覆われていることが望ましい。
・検体
本発明の測定対象となる検体として、生体由来の試料自体にも特に制限はないが、例えば全血、血漿、血清、バフィーコート、尿、糞便、唾液、喀痰など生体由来のほとんどの試料が該当する。遺伝子検査の場合、増幅反応の鋳型となる核酸として遺伝子、DNAまたはRNAが分析の対象となる。検体は、このような核酸を含む可能性のある試料から調製または単離したものであってよい。したがって、上記の試料の他に、細胞培養物;ウィルス、細菌、カビ、酵母、植物、動物などの核酸含有試料;微生物などが混入または含有する可能性のある試料、その他核酸が含有されている可能性のあるあらゆる試料などが対象となる。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタは、従来の装置を使用して行う手作業の場合に比べて、必要とされる検体量は極めて少ない。例えば、縦横の長さが数cmのチップに2〜3μL程度の血液検体を注入するだけである。例えば、遺伝子の場合、DNAとして0.001〜100ngである。
核酸増幅部
核酸増幅反応が行われる増幅部の態様は特に限定されるものではなく、様々な形態および様式が考えられる。核酸増幅部の反応部は、基本的には広幅の液溜め状の流路であることが望ましいが、反応のために充分に長くした微細流路であってもよい。この場合、反応部に送液された各液の合流液の送液方向を切り替えて、合流液を反応部で繰り返し前後動させる制御手段を備えることが望ましい。これにより微細流路中央部から流路内壁側へ粘性により流速勾配が生じるので、この条件下では、流路前後方向への切り替え送液による試薬の拡散は2次元的になり、遺伝子と試薬とが出会う確率が高くなる。あるいは、さらに増幅部の流路内部に核酸非吸着性ビーズが保持させて、核酸を増幅する際にそのビーズを流路内部で移動させて増幅効率を高めることもできる。
・核酸増幅法
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタを使用する遺伝子検査では、核酸の増幅方法は限定されない。例えばDNA増幅技術は、多方面で盛んに利用されているPCR増幅法を使用することができる。その増幅技術を実施するための諸条件が詳細に検討され、改良点も含めて各種文献などに記載されている。PCR増幅においては、3つの温度間で昇降させる温度管理が必要になるが、マイクロチップに好適な温度制御を可能とする流路デバイスが、すでに本発明者らにより提案されている(特開2004−108285号公報参照)。このデバイスシステムを本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタの増幅用流路に適用すればよい。これにより、熱サイクルが高速に切り替えられ、微細流路を熱容量の小さいマイクロ反応セルとしているため、核酸増幅は、手作業で行う従来の方式よりはるかに短時間で行うことができる。
PCRの改良として最近開発されたICAN(Isothermal chimera primer initiated nucleic acid amplification)法は、50〜65℃における任意の一定温度の下に核酸増幅を短時間で実施できる特徴を有する(特許第3433929号公報参照)。したがって、ICAN(登録商標)法は、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタでは、簡便な温度管理で済むために好適な増幅技術である。
核酸増幅反応は、その他のPCR変法であってもよく、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタは、流路の設計変更などによりいずれにも対応できる柔軟性がある。いずれの核酸増幅反応を使用する場合にも、その技術の詳細は開示されており、当業者は容易に導入することができる。
検出部
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタでは上記核酸増幅部よりも下流側流路に、増幅された核酸を検出するための検出部が設けられている。微細流路上の検出部に吸着されたビオチン親和性タンパク質(アビジン、ストレプトアビジン)は、プローブ物質に標識されたビオチン、または核酸増幅反応に使用されるプライマーの5'末端に標識されたビオチンと特異的に結合する。これによりビオチンで標識されたプローブまたは増幅された核酸が本検出部でトラップされる。
分離された増幅核酸を検出する方法は特に限定されないが、好ましい態様として基本的には以下の工程で行なわれる。すなわち本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタを用い、(1)検体であるDNAまたは検体から抽出したDNA、あるいは検体もしくは検体から抽出したRNAから逆転写反応により合成したcDNAと、5'位置でビオチン修飾したプライマーとを、これらの収容部から下流の微細流路へ送液する。核酸増幅部内の流路で、核酸を増幅する工程、微細流路内で増幅核酸を含む増幅反応液と変性液とを混合し、増幅されたDNAを一本鎖に変性処理する工程、増幅されたDNAを一本鎖に変性処理した処理液を、ビオチン親和性タンパク質を吸着させた微細流路内の検出部に送液し、前記増幅遺伝子をトラップする工程を経て、増幅核酸をトラップした微細流路内の検出部に、末端をFITC(fluorescein isothiocyanate)で蛍光標識したプローブDNAを流し、これを固定化した遺伝子にハイブリダイズさせる。(予め増幅遺伝子と蛍光標識したプローブDNAとをハイブリダイズさせたものを検出部でトラップしてもよい。)
(2)上記微細流路内にFITCに特異的に結合する抗FITC抗体で表面を修飾した金コロイド液を流し、これによりDNAにハイブリダイズしたFITC修飾プローブに、その金コロイドを吸着させる。
(3)上記微細流路の金コロイドの濃度を光学的に測定する。
ポリスチレン基板に形成された微細流路内にストレプトアビジンを固定化する際、特別な化学的処置を行うことは必要としない。単にビオチン親和性タンパク質を増幅反応部よりも下流の微細流路上に適用して該流路上にビオチン親和性タンパク質を吸着させるだけでよい。遺伝子検査用のプローブDNAとして、蛍光標識されたオリゴデオキシヌクレオチドが好ましく用いられる。そのDNA塩基配列は、検出目的の遺伝子塩基配列の一部分と相補的である配列が選択される。プローブDNAの塩基配列を適切に選択することにより、目的の遺伝子に特異的に結合し、共存するDNA、バックグラウンドに影響されることなく高感度の検出が可能となる。
プローブを標識する蛍光色素として、公知のFITC、RITC、NBD、Cy3、Cy5などの蛍光物質などを用いることができる。特にFITCが、抗FITC抗体、例えば金コロイド抗FITC抗マウスIgGを入手できることから望ましい。
蛍光色素FITCの蛍光を測定することも可能であるが、蛍光色素の光褪色、バックグラウンドノイズなどを考慮する必要がある。最終的に可視光により、高感度で測定できる方式が好ましい。蛍光測光よりも機器が汎用的であり、妨害因子が少なくデータ処理も容易であるためである。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタとして好ましい態様は、
一つのチップ内において、少なくとも
検体もしくは検体から抽出したDNAが注入される検体収容部と、
核酸増幅反応、プローブ結合反応、検出反応などに用いる試薬が収容される収容される試薬収容部と、
ポジティブコントロールが収容されるポジティブコントロール収容部と、
ネガティブコントロールが収容されるネガティブコントロール収容部と、
プローブ(例えば、核酸増幅反応により増幅された検出対象の遺伝子にハイブリダイズさせるプローブ)が収容されるプローブ収容部と、
これらの各収容部に連通する微細流路と、
核酸増幅反応を行う増幅部と、
その下流側流路にある検出部と
廃液貯留部とが設けられ、
これらの各収容部に連通する流路と、
前記各収容部および流路内の液体を送液する別途のマイクロポンプに接続可能なポンプ接続部とが設けられており、
前記チップにポンプ接続部を介してマイクロポンプを接続し、試薬収容部に収容された、核酸増幅反応に用いる増幅用試薬の一定量を流路に送液し、送液分割手段により3分割し、分割された試薬を、それぞれ流路内で核酸増幅部の直前にある合流部で
(i) 検体収容部から送られた検体と混合して、生成させた混合液(1)、
(ii) ポジティブコントロール収容部から送られたポジティブコントロールと混合して、生成させた混合液(2)、および
(iii) ネガティブコントロール収容部から送られたネガティブコントロールと混合して、生成させた混合液(3)
を得て、
混合液(1)および混合液(2)をさらに送液分割手段により2分割し、次いで
混合液(1)のみ、混合液(1)と混合液(2)の混合物、混合液(2)のみ、混合液(3)のみの各流体を増幅部でそれぞれ増幅反応をさせて、
核酸増幅部で生成した増幅産物とプローブ収容部に収容されたプローブとをその下流側流路にある検出部へ送液し、流路内で混合してプローブと結合(またはハイブリダイゼーション)させ、この反応生成物に基づいて各々の検出部で検出するとともに、
上記検体前処理部および検出部と貫通穴を介して連通しており、マイクロリアクタの底部に設けられた中空室であり、検体の測定の結果生じる廃液などを収容する密閉廃液溜りである廃液貯留部を有するように構成されている。
以上、本発明の好ましい実施態様の一例として示された図面を参照しながら、遺伝子検査を説明したが、本発明は、かかる態様および例に限定されるものではない。

Claims (7)

  1. 一つのチップ内に、少なくとも
    検体もしくは検体から抽出したDNAが注入される検体収容部と、
    核酸増幅反応に用いる試薬が収容される試薬収容部と、
    ポジティブコントロールが収容されるポジティブコントロール収容部と、
    ネガティブコントロールが収容されるネガティブコントロール収容部と、
    核酸増幅反応を行う増幅部と、
    その下流側流路にある検出部と
    これらの各収容部に連通する流路と、
    が設けられた遺伝子検査用マイクロリアクタを用いる遺伝子検査方法であって、
    前記試薬収容部に収容された試薬の一定量を流路に送液し、次いで3分割し、分割された試薬を、それぞれ流路内で
    (i) 検体収容部から送られた検体と混合して、生成させた混合液(1)、
    (ii) ポジティブコントロール収容部から送られたポジティブコントロールと混合して、生成させた混合液(2)、および
    (iii) ネガティブコントロール収容部から送られたネガティブコントロールと混合して、生成させた混合液(3)
    を得て、さらに混合液(1)および混合液(2)をそれぞれ2分割し、次いで
    混合液(1)のみ、混合液(1)と混合液(2)の混合物、混合液(2)のみ、混合液(3)のみの各流体を増幅部でそれぞれ増幅反応をさせて、増幅産物を各々の検出部で検出することを特徴とする遺伝子検査方法。
  2. さらに核酸増幅反応により増幅された検出対象の遺伝子にハイブリダイズさせるプローブが収容されるプローブ収容部が、流路に連通して配設されており、
    前記増幅部で生成した増幅産物をそのプローブ収容部に収容されたプローブと流路内で混合してプローブと結合またはハイブリダイズさせ、この反応生成物に基づいて対象遺伝子の検出を行い、
    ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールについても同様に、それらの増幅産物を、プローブ収容部に収容されたプローブと流路内で結合またはハイブリダイズさせ、その反応生成物に基いて検出を行うように構成されていることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載の遺伝子検査方法。
  3. 一つのチップ内に、少なくとも
    検体もしくは検体から抽出したDNAが注入される検体収容部と、
    核酸増幅反応に用いる試薬が収容される試薬収容部と、
    ポジティブコントロールが収容されるポジティブコントロール収容部と、
    ネガティブコントロールが収容されるネガティブコントロール収容部と、
    核酸増幅反応を行う増幅部と、
    その下流側流路にある検出部と
    これらの各収容部に連通する流路と、
    が設けられている遺伝子検査用マイクロリアクタであって、
    流路に送液される前記試薬収容部に収容される試薬の一定量を第1試薬、第2試薬及び第3試薬の3つに3分割する第1送液分割手段と、
    (i) 前記第1送液分割手段で分割された前記第1試薬と前記検体収容部から送られる検体とが混合されて、混合液(1)を生成する混合液(1)生成部と、
    (ii) 前記第1送液分割手段で分割された前記第2試薬と前記ポジティブコントロール収容部から送られるポジティブコントロールとが混合されて、混合液(2)を生成する混合液(2)生成部と、
    (iii) 前記第1送液分割手段で分割された前記第3試薬と前記ネガティブコントロール収容部から送られるネガティブコントロールとが混合されて、混合液(3)を生成する混合液(3)生成部と、を備え、
    さらに、前記混合液(1)生成部で生成される混合液(1)を2分割する第2送液分割手段と、前記混合液(2)生成部で生成される混合液(2)を2分割する第3送液分割手段と、を備え、
    前記増幅部は、前記混合液(1)のみを増幅反応させる増幅部と、前記混合液(1)と前記混合液(2)の混合物を増幅反応させる増幅部と、前記混合液(2)のみを増幅反応させる増幅部と、前記混合液(3)のみを増幅反応させる増幅部との4つから構成され、
    前記検出部は、前記混合液(1)のみを増幅反応させる増幅部で増幅反応されて得られる増幅産物を検出する検出部と、前記混合液(1)と前記混合液(2)の混合物を増幅反応させる増幅部で増幅反応されて得られる増幅産物を検出する検出部と、前記混合液(2)のみを増幅反応させる増幅部で増幅反応されて得られる増幅産物を検出する検出部と、前記混合液(3)のみを増幅反応させる増幅部で増幅反応されて得られる増幅産物を検出する検出部との4つから構成されていることを特徴とする遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  4. さらに、前記各々の検出部に連通して配設され、前記増幅産物にハイブリダイズさせるプローブを収容するプローブ収容部を有し、
    各々の前記検出部では、前記増幅産物と前記プローブ収容部から送出されるプローブとが結合またはハイブリダイズされた反応生成物が検出されることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  5. 前記第1、第2及び第3の送液分割手段は、
    分岐した微細流路と、
    予め設定された圧より低い圧では液体の通過を遮断し、予め設定された圧以上の圧では 液体の通過を許容する送液制御部と、
    流路内の液体の逆流を防止する逆流防止部と、
    から構成され、
    分岐した流路内における液体の送液およびその送液量を制御することを特徴とする請求の範囲第3項または第4項に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  6. 核酸の検出を光学的に行う検出装置とともにマイクロポンプおよび温度の制御装置が一体化された装置本体と、この装置本体に装着可能な請求の範囲第3項乃至第5項のいずれかに記載の遺伝子検査用マイクロリアクタとからなり、装置本体に該マイクロリアクタを装着することにより核酸の測定を行うことを特徴とする遺伝子検査システム。
  7. 前記マイクロポンプは、
    流路抵抗が差圧に応じて変化する第一流路と、
    差圧の変化に対する流路抵抗の変化の割合が該第一流路よりも小さい第二流路と、
    該第一流路および該第二流路に接続された加圧室と、
    該加圧室の内部の圧力を変化させるためのアクチュエータと
    を備えたことを特徴とする請求の範囲第6項に記載の遺伝子検査システム。
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