JP2007068413A - 遺伝子検査用のマイクロリアクタ - Google Patents

遺伝子検査用のマイクロリアクタ Download PDF

Info

Publication number
JP2007068413A
JP2007068413A JP2005255815A JP2005255815A JP2007068413A JP 2007068413 A JP2007068413 A JP 2007068413A JP 2005255815 A JP2005255815 A JP 2005255815A JP 2005255815 A JP2005255815 A JP 2005255815A JP 2007068413 A JP2007068413 A JP 2007068413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dna
microreactor
primer
amplification
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005255815A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihisa Nakajima
彰久 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Original Assignee
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Medical and Graphic Inc filed Critical Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority to JP2005255815A priority Critical patent/JP2007068413A/ja
Publication of JP2007068413A publication Critical patent/JP2007068413A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】遺伝子検査用マイクロリアクタに搭載するDNA増幅用プライマー、増幅産物のDNAとハイブリダイズするプローブを適宜変更することにより、迅速に増幅産物の検出を行うことのできる遺伝子検査装置を提供する。
【解決手段】増幅方式は、ICAN法の検出感度を上げるための改良で、センス側(検出する側)のアンプリコンは、ニックが入らないようにキメラでないプライマーを用い、他方のプライマーは、キメラ構造とすることで、センス側の増幅用のテンプレートを産出させることができる。さらにセンス側のプライマーを検出部にあらかじめ固定化させることにより、増幅産物を効率的にプローブにより検出することができる。マイクロリアクタおよび遺伝子検査装置では、DNA2本鎖のうち、センス鎖のアンプリコンが固定化されるため、その場での検出が容易となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、遺伝子検査方法、この検査方法に好適な遺伝子検査用マイクロリアクタ、そのマイクロリアクタを含む遺伝子検査装置に関するものである。
近年、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使することにより、従来の試料調製、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、セ
ンサーなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されている。これは、
μ−TAS(Micro total Analysis System)、バイオリアクタ、ラブ・オン・チップ(Lab-on-chips)、バイオチップとも呼ばれ、医療検査・診断分野、環境測定分野、農産製
造分野でその応用が期待されている。とりわけ遺伝子検査に見られるように、煩雑な工程とともに熟練した手技、機器類の操作が必要とされる場合には、自動化、高速化および簡便化されたミクロ化分析システムは、コスト、必要試料量、所要時間のみならず、時間および場所を選ばない分析を可能とする。したがってそれによる恩恵は多大と言える。
各種検査の現場では、場所を選ばず迅速に結果を出すこれらの分析用チップにおける分析の定量性、解析の精度、経済性などが重要視される。分析チップではそのサイズ、形態からの厳しい制約を受けるため、シンプルな構成で、高い信頼性の送液システムを確立することが課題となる。そこで精度および信頼性に優れるマイクロ流体制御素子であるマイクロポンプシステムを、本発明者らはすでに提案している(特許文献1および2)。
また、試料の必要量を僅少とし、必要とされる試薬量も少なくて済む分析の微量化を図ることは、マイクロリアクタの最大課題である。分析対象が核酸(DNAまたはRNA)の場合、検出のためのハイブリダイゼーションを最適化するために核酸増幅工程を組み込むことは、微量化に大いに寄与することが期待される。そうした核酸増幅工程に好適なICAN法は、一対のキメラプライマーと、鎖置換型ポリメラーゼ、RNaseHを用いて、
等温度で増幅を行う方法であるが(特許文献3)、RNaseHにより、キメラプライマー
から増幅したアンプリコンにニックを入れ、切れたアンプリコンをはがしながらさらに増幅を進める。そのため増幅産物を認識するために標識プライマーを用いても、ニックにより標識が消失してせっかく増幅したもののうち検出できるものが少なくなってしまう。このため、検出感度に関して改良の余地があった。これに関連してマイクロリアクタにも、実用上の具体的な問題が提起されている(特許文献4)。
特開2001-322099号公報 特開2004-108285号公報 特許第3433929号明細書 特表2002-541475号公報
DNAの特定配列の有無をDNA増幅して検出する本発明の方法は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、そのための遺伝子検査用マイクロリアクタおよびこれを含む遺伝子検査装置を提供することを目的とする。
本発明は、DNAの特定配列を、その配列を挟む両端の配列と相補的な塩基配列を有する1対のプライマーを用いて増幅し、検出する方法であって、
(i) 一方のプライマーがDNA-RNAのキメラ配列を有しており、他方のプライマーが
その5’末端で基材に固定化された非キメラ化プライマーであるプライマーセットを用いて、ICAN法による増幅を行う工程、
(ii) 次に変性処理をおこなってDNA1本鎖にする工程、
(iii) 該基材を洗浄する工程、ならびに
(iv) 上記の固定化されたプライマーを介して該基材に固定化されたアンプリコンについ
て、該特定配列を認識するプローブDNAをハイブリダイゼーションさせる工程、
を含み、DNA配列の増幅の有無を検出することにより特定配列の有無を検出する方法である。
前記プローブDNAの5’末端が標識されており、その標識を検知するか、またはその標識を認識する物質を用いて、該プローブDNAとハイブリダイズしたアンプリコンを検出することが望ましい。
前記ハイブリダイゼーションを、DNAインターカレータにより検出してもよい。
あるいは、前記の標識されたプローブDNAを、その標識を検知するか、または標識を認識する物質を金コロイドにより着色させて検出してもよい。
本発明の方法には、検体から抽出したDNA、または検体から抽出したRNAから逆転写反応により合成したcDNAについて、先に記載したように特定配列の有無を検出することにより遺伝子の発現またはSNPを解析することを特徴とする遺伝子検査方法も含まれる。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタは、少なくとも
検体もしくは検体から抽出したDNAが注入される検体収容部、
DNA増幅反応などに用いる試薬が収容される試薬収容部、
DNA増幅反応により増幅された検出対象のDNAにハイブリダイゼーションするプローブDNAが収容されるプローブDNA収容部、
これらの各収容部に連通する微細流路、
前記各収容部および流路内の液体を送液する別途装置のマイクロポンプユニットに接続可能なマイクロポンプ接続部、ならびに
検体であるDNAの特定配列を、その配列を挟む両端の配列と相補的な塩基配列を有する1対のプライマーを用いて増幅して得られるアンプリコンを検出する部位
を有し、そのアンプリコンを検出する部位において、
(i) 一方のプライマーがDNA-RNAのキメラ配列を有しており、他方のプライマーが
その5’末端で基材に固定化された非キメラ化プライマーであるプライマーセットを用いて、ICAN法による増幅を行う工程、
(ii) 次に変性処理をおこなってDNA1本鎖にする工程、
(iii) 該基材を洗浄する工程、ならびに
(iv) 上記の固定化されたプライマーを介して該基材に固定化されたアンプリコンについ
て、該特定配列を認識するプローブDNAをハイブリダイゼーションさせる工程、
を含み、DNA配列の増幅の有無を検出することを特徴としている。
前記プローブDNAの5’末端が標識されており、その標識を検知するか、またはその標識を認識する物質を用いて、前記アンプリコンを検出することが望ましい。
前記標識が、可視光、蛍光、化学ルミネセンスおよびエレクトロ化学ルミネセンスのうちの少なくとも1つで行うことができる。
5’末端がFITCで標識された前記プローブDNAを、抗FITC抗体で修飾した金コロイドを用いて着色させて検出してもよい。
前記ハイブリダイゼーションを、DNAインターカレータを用いてその有無を測定する
ことによりアンプリコンを検出してもよい。
前記インターカレータの結合を、基板に配設した電極を通じて電流の変化として測定することができる。あるいは前記インターカレータが、電場をかけるか、励起光照射により発光するインターカレータであってもよい。
5’末端を固定化された非キメラ化プライマーが、ビオチン化ヌクレオチドであることが好ましい。
前記ビオチン化ヌクレオチドと結合するビオチン親和性タンパク質が、微細流路の前記検出部位にある基材に固定化されていることを特徴としている。
前記ビオチン親和性タンパク質が、好ましくはストレプトアビジンである。
前記基材は、ポリスチレン系樹脂で形成された基板、フィルム、ビーズまたはメンブレンであってもよい。
さらに、
ポジティブコントロールが収容されるポジティブコントロール収容部と、
ネガティブコントロールが収容されるネガティブコントロール収容部と、
が設けられ、前記チップにポンプ接続部を介してマイクロポンプを接続し、検体収容部に収容された検体もしくは検体から抽出したDNAと、試薬収容部に収容された試薬とを流路へ送液し、流路内で混合して増幅反応させた後、得られたアンプリコンに基いて増幅反応の検出を行い、
ポジティブコントロール収容部に収容されたポジティブコントロールおよびネガティブコントロール収容部に収容されたネガティブコントロールについても同様に、試薬収容部に収容された試薬と流路内で増幅反応させた後、得られたアンプリコンに基いて増幅反応の検出を行うように構成されている遺伝子検査用マイクロリアクタが好ましい。
DNA増幅反応に用いる試薬、ポジティブコントロール、ネガティブコントロールおよびインターナルコントロールは、好ましくは前記収容部に収容されている。
2種類以上の前記非キメラ化プライマーがその5’末端で、基板上へ位置特異的に固定化されて、しかも増幅の有無をアドレス指定可能な配置方式に存在しており、増幅の有無を電気的に変換されたシグナルとして検出することにより、特定配列の多重化解析を連続的にもしくは同時のいずれかでおこなうことを可能とした遺伝子検査用マイクロリアクタも好ましい。
さらに本発明の遺伝子検査装置は、少なくともマイクロポンプ、検出装置および制御装置が一体化された装置本体と、この装置本体に装着可能な、請求項6〜19のいずれかに記載のマイクロリアクタとからなり、装置本体にマイクロリアクタを装着することによりこれらのポンプ接続部にマイクロポンプが接続され、各マイクロポンプから駆動液を供給することにより試薬収容部から試薬を流路へ押し出して反応を開始するように構成され、処理、分離、反応もしくは検出を自動的に行うことを特徴としている。
前記マイクロポンプが、流路抵抗が差圧に応じて変化する第1流路と、
差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合が第1流路よりも小さい第2流路と、
第1流路および第2流路に接続された加圧室と、
該加圧室の内部圧力を変化させるアクチュエータと、
該アクチュエータを駆動する駆動装置とを備えることが望ましい。
本発明の方法における増幅方式は、ICAN法の検出感度を上げるための改良で、セン
ス側(検出する側)のアンプリコンは、ニックが入らないようにキメラでないプライマーを用い、他方のプライマーは、キメラ構造とすることで、センス側の増幅用のテンプレートを産出させることができる。さらにセンス側のプライマーを検出部にあらかじめ固定化させることにより、増幅産物をその場で効率的に検出することができる。
本発明のマイクロリアクタおよび遺伝子検査装置では、複数個のプライマーセットにおける非キメラ化プライマーを、キャプチャプローブとして基板上へ位置特異的に配置すれば、増幅の有無を調べることにより複数の特定配列についての多重検索も可能となる。
また、本発明の遺伝子検査装置は、基本的には試薬類・送液系用のエレメントを搭載した、検体ごとのチップコンポーネントと、遺伝子検査装置本体として制御・検出コンポーネントとを別個にするシステム構成のため、微量分析、増幅反応に対し、クロス・コンタミネーション、キャリーオーバー・コンタミネーションといった深刻な問題が生じにくい。検体DNAとプライマー、プローブとの結合(または相互作用)以外の非特異的な結合物の洗浄除去が容易であるために、偽陽性ハイブリダイゼーションに伴う解析上のミスを回避でき、かつバックグラウンドの低いマイクロリアクタ・チップを提供することができる。
本発明の遺伝子検査法は、従来の核酸配列分析、制限酵素分析、核酸ハイブリダイゼーション分析と比べ、はるかに少ない検体量、僅かな手間と簡便な装置により高い精度の結果を得ることができる。
[発明の詳細な説明]
本発明である、DNA特定配列の有無を検出する方法は、
DNAの特定配列を、その配列を挟む両端の配列と相補的な塩基配列を有する1対のプライマーを用いて増幅し、検出する方法であって、
(i) 一方のプライマーがDNA-RNAのキメラ配列を有しており、他方のプライマーが
その5’末端で基材に固定化された非キメラ化プライマーであるプライマーセットを用いて、ICAN法による増幅を行う工程、
(ii) 次に変性処理をおこなってDNA1本鎖にする工程、
(iii) 該基材を洗浄する工程、ならびに
(iv) 上記の固定化されたプライマーとの結合を介して該基材に固定化されたアンプリコ
ンについて、該特定配列を認識するプローブDNAをハイブリダイゼーションさせる工程、
を含み、DNA配列の増幅の有無を検出することによる方法である。
上記方法では、前記プローブDNAの5’末端が標識されており、その標識を検知するか、またはその標識を認識する物質を用いて、該プローブDNAとハイブリダイズしたアンプリコンが検出される。前記ハイブリダイゼーションを、DNAインターカレータにより検出してもよい。本方法によれば、多くのDNA配列が存在する中に、特定配列のDNAが存在するかどうかを、DNAの増幅の有無を検出することにより感度よく調べることができる。
DNAの特定配列の有無を検出する上記の方法は、本発明のマイクロリアクタ上で効率よく行われる。次に、本発明のマイクロリアクタおよびこのマイクロリアクタと各制御装置、検出装置とからなる遺伝子検査装置について説明する。
なお本明細書において、「流路エレメント」とは、マイクロリアクタに設置される機能部品をいう。「微細流路」は、本発明のマイクロリアクタ基板上に形成された微小な溝状の流路のことである。「検査チップ」は、本マイクロリアクタの一態様である。「遺伝子」とは、何らかの機能を発現する遺伝情報を担うDNAまたはRNAをいうが、単に化学
的実体であるDNA、RNAの形でいうこともある。「ビオチン化物質」とは、ビオチンを結合させた物質をいう。また「塩基」とは、ヌクレオチドの核酸塩基のことを言う。「アンプリコン」とは、増幅反応の生成物、すなわち増幅産物をいう。
遺伝子検査装置
・マイクロリアクタおよび遺伝子検査装置の概要
図1は、本発明のマイクロリアクタと装置本体とからなる遺伝子検査装置の概略図を示し、図2は、本発明の一実施形態における遺伝子検査用マイクロリアクタの概略図である。
本発明の遺伝子検査装置は、
少なくともマイクロポンプ、検出装置および制御装置が一体化された装置本体と、この装置本体に装着可能な、下記のマイクロリアクタとからなり、装置本体にマイクロリアクタを装着することによりこれらのポンプ接続部にマイクロポンプが接続され、各マイクロポンプから駆動液を供給することにより試薬収容部から試薬を流路へ押し出して反応を開始するように構成され、処理、分離、反応もしくは検出を自動的に行うことを特徴としている。
本発明のマイクロリアクタは、少なくとも
検体もしくは検体から抽出したDNAが注入される検体収容部、
DNA増幅反応などに用いる試薬が収容される試薬収容部、
DNA増幅反応により増幅された検出対象のDNAにハイブリダイゼーションするプローブDNAが収容されるプローブDNA収容部、
これらの各収容部に連通する微細流路、
前記各収容部および流路内の液体を送液する別途装置のマイクロポンプユニットに接続可能なマイクロポンプ接続部、ならびに
検体であるDNAの特定配列を、その配列を挟む両端の配列と相補的な塩基配列を有する1対のプライマーを用いて増幅して得られるアンプリコンを検出する部位
を有し、そのアンプリコンを検出する部位において、
(i) 一方のプライマーがDNA-RNAのキメラ配列を有しており、他方のプライマーが
その5’末端で基材に固定化された非キメラ化プライマーであるプライマーセットを用いて、ICAN法による増幅を行う工程、
(ii) 次に変性処理をおこなってDNA1本鎖にする工程、
(iii) 該基材を洗浄する工程、ならびに
(iv) 上記の固定化されたプライマーを介して該基材に固定化されたアンプリコンについ
て、該特定配列を認識するプローブDNAをハイブリダイゼーションさせる工程、
を含み、DNA配列の増幅の有無を検出することを特徴としている遺伝子検査用マイクロリアクタである。
図2に示したマイクロリアクタは、プラスチック樹脂、ガラス、シリコン、セラミックスなどの部材を適宜組み合わせて作製される一枚のチップからなる。好ましくは、マイクロリアクタの微細流路および躯体は、加工成型が容易で安価であり、焼却廃棄が容易なプラスチック樹脂で形成される。なかでもポリスチレン樹脂は成型性に優れ、後述するようにストレプトアビジンなどを吸着する傾向が強く、容易に微細流路上に検出部位を形成することができるために望ましい。また、そうしたマイクロリアクタにおいて、ハイブリダイゼーション反応の生成物を光学的に検出する場合には、マイクロリアクタ表面のうち少なくとも微細流路上の検出部位を覆う検出部分は透明であること、好ましくは透明なプラスチックとなっていることが必要である。
そのチップには、検体収容部、試薬収容部、プローブDNA収容部、コントロール収容部、流路、ポンプ接続部、送液制御部、逆流防止部、試薬定量部、混合部などのうち、必
要な各部が、機能面から適切な位置に微細加工技術により設置されている。さらに必要であれば、逆転写酵素部を設置してもよい。検体収容部は、検体注入部に連通し、検体の一時収容および混合部への検体供給を行う。場合によっては血球分離の作用を担わせてもよい。試薬と試薬との混合ならびに検体と試薬との混合は、単一の混合部で所望の比率で混合してもよく、あるいは何れかもしくは両方を分割して複数の合流部を設け、最終的に所望の混合比率となるように混合しても構わない。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタは、血液、喀痰などの検体から抽出されたゲノムDNAを検体収容部に注入し、遺伝子検査装置本体に装着することにより、チップ内でD
NA増幅反応およびその増幅反応の検出に必要な処理を自動的に行い、しかも短時間で遺伝子検査ができるように構成されている。本発明の好ましい遺伝子検査装置の態様では、マイクロリアクタに使用する試薬類があらかじめ所定の量だけ封入されており、検体のDNAまたはRNAと所定の増幅反応、ならびに増幅産物の検出を行うユニットとして、該マイクロリアクタが検体ごとに使用される。
これに対し、送液、温度、反応の各制御に関わる制御系、光学検出、データの収集および処理を受け持つユニットは、マイクロポンプおよび光学装置とともに本発明の遺伝子検査装置の一体化された装置本体を構成する。本発明の遺伝子検査装置は、マイクロリアクタの検出部位における工程と連動し、増幅されたDNAとプローブDNAとのハイブリダイズによるハイブリダイゼーション生成物を対象に増幅反応の有無、規模などの検出を行う検出装置を備えている。プローブDNAの塩基配列を適切に選択することにより、目的のDNAに特異的に結合し、共存する他のDNA、バックグラウンドに影響されることなく高感度の検出を可能である。この装置は、これに上記マイクロリアクタを装着することにより検体群に対して共通で使用される。したがって多数の検体があっても、効率よく迅速に処理できる。従来技術では、内容の異なる分析または合成などを行う場合に、変更される内容に応じたマイクロ流路デバイスをその都度構成する必要があった。これとは異なり、本発明では脱着可能なチップのみ交換すればよい。流路エレメントの制御変更も必要であれば、装置本体に格納された制御プログラムを適宜改変すればよい。
本発明の遺伝子検査装置は、いずれのコンポーネントも小型化され、持ち運びに便利な形態としているために、使用する場所および時間に制約されず、作業性、操作性が良好である。場所、時間を問わず迅速に検体を分析することができるために、緊急医療での利用や、在宅医療での個人的な利用も可能である。送液に使用する多数のマイクロポンプユニットなども装置本体側に組み込まれているため、チップは比較的シンプルな構成となり、ディスポーサブルタイプとして使用できる。
以上、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタおよび遺伝子検査装置(遺伝子検査デバイス)の概要を述べたが、本発明は、種々の実施の形態において、本発明の趣旨に沿って任意の変形、変更が可能であり、それらは本発明に含まれる。すなわち、本発明の実施にあたり、検査装置およびマイクロリアクタの全体または一部について、構造、構成、配置、形状形態、寸法、材質、方式、方法、構成する要素の形態および個数などを本発明の趣旨に合致する限り、適宜設定され種々のものにすることができる。
・遺伝子検査用マイクロリアクタの好ましい態様
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタとして好ましい態様は、上記の構成に加えて
さらに、
ポジティブコントロールが収容されるポジティブコントロール収容部と、
ネガティブコントロールが収容されるネガティブコントロール収容部と、
が設けられており、前記チップにポンプ接続部を介してマイクロポンプを接続し、検体収容部に収容された検体もしくは検体から抽出したDNAと、試薬収容部に収容された試薬とを流路へ送液し、流路内で混合して増幅反応させた後、得られたアンプリコンに基づい
て増幅反応の検出を行い、
ポジティブコントロール収容部に収容されたポジティブコントロールおよびネガティブコントロール収容部に収容されたネガティブコントロールについても同様に、試薬収容部に収容された試薬と流路内で増幅反応させた後、プローブDNA収容部に収容されたプローブDNAと流路内でハイブリダイズさせ、このハイブリダイゼーション生成物について増幅反応の検出を行うように構成されていることを特徴としている。
なお上記遺伝子検査用マイクロリアクタは、さらに
前記検体収容部に検体もしくは検体から抽出したRNAを注入するとともに、これに含まれるRNAから逆転写反応によりcDNAを合成するための逆転写酵素が収容される逆転写酵素収容部が設けられ、
検体収容部に収容された検体もしくは検体から抽出したRNAと、逆転写酵素収容部に収容された逆転写酵素とを流路へ送液し、流路内で混合してcDNAを合成した後、前記増幅反応およびその検出を行うように構成されていてもよい。
・DNA増幅反応およびアンプリコン検出部位
PCR法およびその変法、ICAN法などにおいて、DNA増幅反応が成功裏に進行するか否かは、プライマーの特性によるところが大きいことは従来から指摘されてきた。このことを逆に利用して、増幅反応の成否が特定配列の存在またはDNA配列の相同性を調べる方法として応用されている。
通常のICAN法では、鋳型DNA断片の増幅しようとする領域を挟み込む両端の配列と相補的な塩基配列を有する2種類のプライマーを1セットとして用いて目的領域の増幅を行う結果、特定の塩基配列の2本鎖DNAをアンプリコンとして得られる。その増幅過程においてRNaseHにより、キメラプライマーから増幅したアンプリコンにニックを入
れ、切れたアンプリコンをはがしながらさらに増幅を進める。そのため増幅産物を認識するために標識プライマーを用いても、ニックにより標識がなくなってしまうので、せっかく増幅したもののうち検出できるものが少なくなってしまう。ただし、ニックからはがされたアンプリコンも、テンプレートとして次の増幅に使用することができる。
本発明の方法では、DNA2本鎖のうち、ICAN法により増幅されるセンス鎖またはアンチセンス鎖のいずれかを選択的に検出し、検出感度を上げるようにしている。センス側(検出する側)のアンプリコンは、ニックが入らないようにキメラでないプライマーを用い、他方のプライマーはキメラ構造とする(すなわちキメラプライマー)ことで、センス側の増幅用のテンプレートを産出させることができる。つまり増幅が進めば、増幅産物がすべてセンス側の増幅用テンプレートとなることができる。又、センス側のプライマー(キメラ化されていないプライマー)を、5’末端でいわゆる「キャプチャプローブ」として検出部に予め固定化させることにより、増幅産物を効率的にプローブにより検出できる。センス側のアンプリコンは、5’末端固定化プライマー(キャプチャプローブ)を介して検出部位の基板に固定化されているために、その場での検出が容易となる(図5)。なお検出する側を便宜的にセンス鎖としたが、逆にアンチセンス鎖であってもよい。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタでは、微細流路の下流上にDNA増幅反応が行われる部位が、増幅されたDNAを検出する検出部位と同一場所かまたは近接して設けられている。少なくともそのマイクロリアクタの検出部分は、光学的測定を可能とするために透明、好ましくは透明なプラスチックとなっている。実際の検体DNAの増幅は、DNA増幅反応の検出部位で以下のようにして行われる。
増幅対象であるDNAを含むDNA溶液と、試薬液体とを合流させる合流部の上流側の各流路に、前記DNA溶液が収容される検体収容部と、前記試薬液体が収容される試薬収容部とが設けられている。これらの各収容部の上流側にポンプ接続部が設けられ、これら
のポンプ接続部に前記マイクロポンプを接続し、各マイクロポンプから駆動液を供給することにより前記各収容部内の前記DNA溶液および前記試薬液体を押し出してこれらを合流させることによってDNA増幅反応を開始するように構成されている。そうした増幅反応部位の態様は特に限定されるものではなく、様々な形態および様式が考えられる。基本的には
反応試薬を含む少なくとも2種類の液体を、マイクロポンプにより送液して合流させる合流部と、
前記合流部から先に設けられ、前記各液体が拡散混合される微細流路と、
前記微細流路の下流側端部から先に設けられ、該微細流路よりも広幅の空間と
からなり、該微細流路で拡散混合された混合液を貯留して反応を行う液溜部とを備えることが好ましい。
プライマーセットのうち、非キメラ化プライマーをその5’末端で基材に固定化する方法は、従来から用いられているヌクレオチド固定化方法を使用することができる。5’末端を固定化されたプライマーが、同時に「キャプチャプローブ」としてアンプリコンを固定化する機能を発揮する。そうしたプライマーの態様として好ましいのは、ビオチン化ヌクレオチドである。ビオチン化には、ビオチンの他にビオシチン、デスチオビオチン、またはオキシビオチンなどを用いてもよい。固定化の方法はこれに特に限定されるものではなく、様々な形態および方式をとり得る。
前記ビオチン化ヌクレオチド(キャプチャプローブ)と結合するビオチン親和性タンパク質が、該微細流路の検出部位に配置された基材に固定化されている。ビオチン親和性タンパク質として、アビジン、ストレプトアビジン、エクストラアビジン(R)、またはビオチンと安定な複合体を形成し得るこれらの改変体が挙げられる。これらのアビジン類は、ビオチン結合部位として4箇所有するが、なかでもストレプトアビジンはビオチンに対して高度の結合特異性を示し、しかも強固な結合を形成し得るために特に望ましい。したがってストレプトアビジンを基材に固定化させることにより、キャプチャプローブがアンプリコンの固定化を行う検出部位を極めて簡便に設けることができる。そうした基材は、マイクロリアクタの基板と同一であってもよく、別途のエレメントして構成されてもよい。前記基材は、好ましくはポリスチレン系樹脂で形成された基板、フィルム、ビーズまたはメンブレンである。ストレプトアビジン吸着量を多くするためには、ポリスチレンを吸着させる部分に微細な凹凸、例えば、線条を設けて該検出部位の表面積を拡大してもよい。あるいはストレプトアビジンを別途に吸着もしくは固定化した微小なポリスチレンストリップを敷設してもよく、または多孔質物質を用いてもよい。検出部位でのキャプチャプローブ、アンプリコンおよびプローブDNAの関係が、図5に模式的に示されている。なお、図5は、キメラ化プライマーおよびそのテンプレートDNAおよびそのアンプリコンは省略した模式図である。
・検体
本発明の測定対象となる検体は、遺伝子検査の場合、増幅反応の鋳型となる核酸として遺伝子、DNAまたはRNAである。このような検体の核酸(DNAまたはRNA)を含む可能性のある試料から調製または単離したものであってよい。そのような試料から遺伝子、DNAまたはRNAを調製する方法は、特に限定されず、従来技術を使用することができる。
試料自体にも特に制限はないが、例えば全血、血清、バフィーコート、尿、糞便、唾液、喀痰など生体由来のほとんどの試料;細胞培養物;ウィルス、細菌、カビ、酵母、植物、動物などの核酸含有試料;微生物などが混入または含有する可能性のある試料、その他核酸が含有されている可能性のあるあらゆる試料が対象となる。
DNAは、上記試料から常法に従い、フェノール・クロロホルム抽出およびエタノール
沈殿により、分離精製できる。核酸を遊離するために、飽和濃度に近いグアニジン塩酸塩、イソチオシアン酸塩のような高濃度カオトロピック試薬を使用することは一般的に知られている。
RNAの場合、逆転写反応に使用されるプライマーの作製が可能であれば特に制限はない。例えば試料中の全RNAのほか、遺伝子として機能しているレトロウィルスのRNA、発現される遺伝子の直接の情報伝達担体であるmRNA、rRNAなどのRNA分子群が対象となる。これらのRNAは、適当な逆転写酵素を利用してcDNAに変換してから分析すればよい。mRNAの調製方法は、公知の技術に基づいて行うことができ、逆転写酵素は容易に入手することができる。
本発明のマイクロリアクタでは、従来の検査装置を使用して行う手作業の場合に比べて、必要とされる検体量は極めて少ない。例えば、遺伝子の場合、DNAとして0.001〜100ngである。このため、微量の試料しか得られない場合も含めて、本発明のマイクロリアクタは、検体面からの制約は少なく、必然的に試薬類も少ない量で済み、検査コストの低減となる。試料は、上記「検体収容部」の注入部から導入される。
・増幅法
本発明のマイクロリアクタでは、最近開発されたICAN(Isothermal chimera primer initiated nucleic acid amplification)法(登録商標)を利用する(特許第3433929
号)。その技術の詳細は開示されており、当業者はプライマーの選択、試薬類の調製を含め、容易に実施することができる。本増幅方法は、従来のPCR反応のように複雑な温度管理を必要としない。すなわち、50〜65℃における任意の一定温度の下にDNA増幅を短時間で実施できる。したがってICAN法は、本発明のマイクロリアクタでは、簡便な温度管理で済むために好適な増幅技術である。手作業では、1時間かかる本法は、本発明のバイオリアクタにおいては、10〜20分、好ましくは、15分で収集データの解析まで終わる。
・試薬類
(i) プライマー
増幅に用いられるプライマーは、一般に増幅したいDNA鎖の特定部位の両端に相補的な2種のオリゴヌクレオチドである。その設計は、すでに専用のアプリケーション・ソフトウェアが開発されており、当業者であればDNAシンセザイザー、化学合成などにより容易に作成できる。ICAN法用のプライマーは、DNAおよびRNAのキメラプライマーであるが、このものの調製法もすでに技術的に確立されている(特許第3433929号)。
プライマーの設計、選択は、増幅反応の成否、効率を左右するために最も適切なものを使用することが重要である。
また、プライマーの5'末端に標識としてビオチンを結合させておくと、増幅産物のD
NAを、チップ基板上に吸着されたストレプトアビジンとの結合を介して、その基板上に固定化でき、増幅産物の定量に供し得る。その他のプライマー標識物質としてジゴキシゲニン、各種蛍光色素などが例示される。他方のプライマーをICAN法において用いられるDNAおよびRNAが混在するキメラ配列のプライマーとする。
(ii) 増幅反応用試薬類
ICAN法による増幅反応に使用する酵素をはじめとする試薬類は、容易に入手できる。
ICAN法における試薬類は、少なくとも2'−デオキシヌクレオシド5'−三リン酸、検出したいDNAに特異的にハイブリダイズできるキメラプライマー、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ(鎖置換型ポリメラーゼ)、エンドヌクレアーゼのRNaseHを含
む。
(iii) コントロール
インターナルコントロールは、標的核酸(DNA、RNA)について、増幅のモニタリング、あるいは定量の際の内部標準物質として使用される。インターナルコントロールの配列は、検体DNAとは異なる配列の両側に、検体用プライマーと同じプライマーがハイブリダイズできる配列を有するために検体と同様に増幅できるものである。ポジティブコントロールの配列は、検体を検出する特異的な配列で、プライマーがハイブリダイズする部分とその間の配列が検体と同じものである。コントロールに使用する核酸(DNA,RNA)は、公知技術文献に記載されているものを使用すればよい。ネガティブコントロールは、核酸(DNA,RNA)以外の試薬などをすべて含み、コンタミネーションの有無のチェック、バックグラウンド補正用に用いる。
(iv) 逆転写用試薬
RNAの試料の場合、RNAからcDNAを合成するための逆転写酵素、逆転写プライマーなどであり、これらも市販され容易に入手できる。
これらの増幅用基質(2'−デオキシヌクレオシド5'−三リン酸)、DNA増幅用試薬などは、一枚のマイクロリアクタの上記試薬収容部に、それぞれ予め所定量封入されている。したがって本発明のマイクロリアクタは使用時にその都度、試薬を必要量充填する必要はなく、即使用可能の状態になっている。
測定対象がRNAである場合には、前記検体収容部に検体もしくは検体から抽出したRNAを注入するとともに、これに含まれるRNAから逆転写反応によりcDNAを合成するための逆転写酵素が収容される逆転写酵素収容部が設けられ、
検体収容部に収容された検体もしくは検体から抽出したRNAと、逆転写酵素収容部に収容された逆転写酵素とを流路へ送液し、流路内で混合してcDNAを合成した後、前記増幅反応およびその検出を行うように構成されている。
・増幅反応
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタは、DNA増幅反応および増幅産物たるアンプリ
コンの検出を同じ場所(または近接する場所)で行なえることが特徴の一つである。すなわち、実施される処理および反応は、次の工程を含む。
DNAの特定配列を、その配列を挟む両端の配列と相補的な塩基配列を有する1対のプライマーを用いて増幅し、検出する工程であって、
(i) 一方のプライマーがDNA-RNAのキメラ配列を有しており、他方のプライマーが
その5’末端で基材に固定化された非キメラ化プライマーであるプライマーセットを用いて、ICAN法による増幅を行う工程、
(ii) 次に変性処理をおこなってDNA1本鎖にする工程、
(iii) 該基材を洗浄する工程、ならびに
(iv) 上記の固定化されたプライマーを介して該基材に固定化されたアンプリコンについ
て、該特定配列を認識するプローブDNAをハイブリダイゼーションさせる工程、
を含む。
変性処理は、従来の増幅反応と同様の処置であってよい。変性液は、遺伝子DNAを1本鎖にするための試薬で、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
洗浄の工程は、検出部位を構成する基材を洗浄液で少なくとも1回以上、洗浄することにより、基材に固定化されたアンプリコンを除いて、過剰試薬、遊離アンプリコン、副生物などを洗い流す。そのような洗浄操作を行う結果、検出の対象が次に述べるように固定化アンプリコンのみとなるために、偽陽性ハイブリダイゼーションの可能性は実質的になくなる。洗浄液としては、例えば各種の緩衝液、塩類水溶液、有機溶媒などが好適である。
・アンプリコンの検出方法
増幅された目的DNAのDNAを検出する方法は特に限定されないが、好ましい態様と
して、本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタでは、前記アンプリコンの検出を、前記基材に固定化されたアンプリコンを対象にして、固定化されたまま、ハイブリダイゼーションを含む検出のための処理を、極めて高効率にしかも迅速に行えることを特徴とする。このことは、センス鎖アンプリコンがキャプチャプローブに捕捉されており、他方、過剰の試薬、固定化されていないアンプリコン(アンチセンス鎖の増幅産物)などは、その場での洗浄操作により速やかに除去されてしまうからである。
アンプリコンの検出方法として、一般的によく用いられる方法としては、アンプリコンの配列を認識するプローブDNAをハイブリダイゼーションさせることによる方法である。核酸のハイブリダイゼーションも従来技術ではあるが、様々な条件によってその規模、効率は大きく変動する。本マイクロリアクタにおいては、キャプチャプローブとしても機能するビオチン化プライマー(キメラプライマーとセットとなる非キメラ化プライマー)を介して検出部位のストレプトアビジンにトラップされているアンプリコンを、プローブDNAとハイブリダイズさせる方式である。ストレプトアビジンにトラップされた増幅特定塩基配列とプローブDNAの塩基配列とが相補的であれば、好適にハイブリダイズするであろう。場合によっては、順序を逆にして、アンプリコンとプローブDNAとをハイブリダイズした後に、そのハイブリダイゼーション生成物を、キャプチャプローブである非キメラ化プライマーに標識したビオチンを介して、ストレプトアビジンにトラップさせる方式であってもよい。この場合、DNAの増幅とアンプリコンの検出は、必ずしも同一部位で行う必要はない。ストレプトアビジンに結合し、検出部位に固定化されるのは、ビオチンを有する非キメラ化プライマーから増幅伸長したアンプリコンである。
ハイブリダイゼーションさせる工程は、特に限定されるものでなく、公知のいずれの方法も採用でき、例えば基板の洗浄後に、所要のpHに調整した適当な緩衝溶液を流して30〜40℃に保持することによる。所要時間は、本発明ではプローブ類、アンプリコンの組成が比較的単純化されているために、従来よりも短い時間で設定できる。その際に、1MV/m程度の高周波電場などを印加すると、ヌクレオチド分子に誘電分極が生じて、ヌ
クレオチド鎖の直線的な伸長が促され、結果的にハイブリダイゼーションの効率化が達成されるという報告もある(特開2001-161361号公報、特開2004-132720号公報など)。
ハイブリダイゼーションの有無を調べる方法として、まず標識を用いる方法が挙げられる。この場合、前記プローブDNAの5’末端が標識されており、その標識を検知するか、またはその標識を認識する物質を用いて、ハイブリダイズしたアンプリコンを検出することことができる。そうした標識には、蛍光発色団、酵素、アイソトープなどがある。標識を認識する物質には、抗体が例示され、具体的には標識がFITC(fluorescein isothiocyanate)のような蛍光標識である場合に、FITCに特異的に結合する抗FITC抗体(抗フルオレセイン抗体)が該当する。
前記プローブDNAの標識を直接的に検知するか、またはその標識を認識する物質を用いることによってそのプローブを検出する方法として、一般的には可視分光測光法、蛍光測定法、発光ルミネッセンス法といった検出方法が用いられる。さらに、電気化学的方法、表面プラズモン共鳴、水晶発振子マイクロバランスなどの手法も挙げられ、これらに限定されるものではない。これらは、公知技術として当業界では確立されている。
プローブDNAとして、蛍光標識されたオリゴデオキシヌクレオチドが好ましく用いられる。そのDNA塩基配列は、検出対象の遺伝子塩基配列の一部分と相補的である配列が選択される。蛍光色素として、公知の蛍光色素を用いることができる。例えば、一般的なFITC、RITC(ローダミンイソチオシアネート)、NBD、Cy3、Cy5などの蛍光物質などが示されるが、特にFITCが、抗FITC抗体、例えば金コロイド抗マウスIgGを入手できることから望ましい。蛍光色素の代わりにステロイドハプテンのジゴ
キシゲニン(DIG)を、プローブDNAに標識させてもよい。この場合、抗DIG−アルカリホスファターゼ標識抗体を抗FITC抗体の代替として用いる。
具体的な検出方法の一例として、以下の工程で行なわれる方法が示される。すなわち上記マイクロリアクタを用い、
(i) 検体もしくは検体から抽出したDNA、あるいは検体もしくは検体から抽出したRNAから逆転写反応により合成したcDNAと、プライマーセット(キメラプライマーおよび5'位置でビオチン修飾した非キメラ化プライマー)とを、これらの収容部から微細流
路へ送液し、流路下流のアンプリコン検出部位で、ICAN法を用いてDNAを増幅する工程、
(ii) 得られたアンプリコンを含む増幅反応液と変性液とを混合し、増幅産物を一本鎖に
変性処理する工程、
(iii) 一本鎖に変性処理したアンプリコンが結合するビオチン親和性タンパク質(好ましくはストレプトアビジン)を吸着させた検出部位を洗浄する工程、
(iv) 微細流路内の検出部位に固定化された前記アンプリコンに、5'末端でFITCで蛍光標識したプローブDNAを流し、該アンプリコンにハイブリダイズさせる工程、
(v) 前記アンプリコンがトラップされた検出部位に、FITCに特異的に結合する抗FITC抗体で表面を修飾した金コロイド液を流し、これにより固定化したアンプリコンにハイブリダイズしたFITC修飾プローブに、その金コロイドを吸着させる工程、
(vi) 上記微細流路内の金コロイドの濃度を光学的に測定する工程、
とを含む方法である。
蛍光色素FITCの蛍光を測定することも可能であるが、蛍光色素の光褪色、バックグラウンドノイズなどを考慮する必要がある。このため可能であれば、可視化することにより最終的に可視光で測定できる方式が好ましい。本発明の遺伝子検査装置では、望ましい一態様として金コロイド抗マウスIgGを用いて、金コロイドにより着色して光学検出する。あるいは、上記蛍光色素の代わりに上記プローブDNAを西洋わさびパーオキシダーゼ(HRP)で標識してもよい。このHRP酵素が触媒する発色反応を利用することもできる。そのための典型的な発色物質として、3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン(TMB)、3,3'−ジアミノベンジジン(DAB)、p−フェニレンジアミン(OPD)、5−アミノ
サリチル酸(5AS)、3−アミノ−9−エチルカルバゾール(AEC)、4−クロロ−1−ナフトール(4C1N)、4−アミノアンチピリン、o−ジアニシジンなどが知られている。これら発色物質のうちのいずれかを含む発色試薬と上記プローブのパーオキシダーゼと反応させて該物質を着色させる。パーオキシダーゼの他に、アルカリホスファターゼ、ガラクトシダーゼなどの酵素・発色系も使用できるが、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。
蛍光測光と比べた場合、可視光の吸光分析の方が有利な点は、使用する機器がより一般的であり、妨害因子が少なくデータ処理も容易であることである。本発明の遺伝子検査装置には、そのための光学検出装置が、上記マイクロポンプを含む送液手段およびマイクロリアクタの流路内における各反応の反応温度を制御する温度制御装置とともに組み込まれ、一体化した構成となっていることが望ましい。
前記ハイブリダイゼーションを、DNAインターカレータを用いてその有無を測定することによりアンプリコンを検出する手法も採用できる。DNA2本鎖の塩基対間に平行挿入するDNAインターカレータの使用は、前述の標識操作が一般に煩雑であるのと対照的に、核酸を予め標識せずに測定でき、しかも検出感度も高い利点がある。「DNAインターカレータ」には、エチジウムブロミド、アクリルオレンジ、FND(フェロセン化ナフタレンジイミド)、YOYO−1、TOTO−1などが知られており、いずれも好ましく用いることができる。DNA2本鎖を認識する前記DNAインターカレータの側鎖にシグ
ナル形成物質を結合させた機能性インターカレータを使用してもよい。
前記インターカレータの結合を、マイクロリアクタの基板に配設した電極に電圧を印加することにより発生する電流の変化を、電極を通じて測定して検知することもできる。この場合、後記する電極基板をマイクロリアクタに導入すると便利である。キャプチャプローブを、チオールを介するメルカプチド結合により5’末端で金電極に固定化させ基板が知られている。あるいはインターカレータそのものが、自ら検出可能なシグナルを形成できる物質であってもよく、電場をかけるかあるいは励起光照射によって発光するタイプのDNAインターカレータが例示される。
上記方法において、ビオチン化DNA、ビオチン−ストレプトアビジン結合による固定化、FITC蛍光標識、抗FITC抗体、プライマーおよびプローブの設計技術、プライマーおよびプローブの作製技術、DNAインターカレータなどは公知技術である。
上記の増幅および検出は、本発明の遺伝子検査装置に格納されたソフトウェアに、マイクロポンプおよび温度の制御とともに、予め送液順序、容量、タイミングなどに関して設定された諸条件をそのプログラムの内容として有する。このようなソフトウェア、前記マイクロポンプ、前記検出装置および温度制御装置とが一体化された遺伝子検査装置本体と、この装置本体に対し脱着可能な上記マイクロリアクタとを接合させるとマイクロリアクタの流路も作動状態となる。好ましくは試料注入により、自動的に分析が開始され、試料および試薬類の送液、混合に基づくDNA増幅反応、DNA検出反応および光学的測定が、一連の連続的工程として自動的に実施され、その結果、測定データが、必要な条件、記録事項とともにファイル内に格納される。
・多重増幅解析
本発明の方法によれば、多くのDNA配列が存在する中に、特定配列のDNAが存在するかどうかを、DNAの増幅の有無を効率的に検出することにより感度よく調べることができる。したがって、複数個のプライマーセットの非キメラ化プライマー群を、キャプチャープライマーとして、基板上へ位置特異的に高密度整列して配置すれば、それぞれの増幅の有無を調べることにより検体中の特定配列の検索も可能となる。すなわち、2種類以上の前記非キメラ化プライマーがその5’末端で、基板上へ位置特異的に固定化され、しかも増幅の有無をアドレス指定可能な配置方式に存在しており、増幅の有無を電気的に変換されたシグナルとして検出することにより、特定配列の多重化解析を連続的にもしくは同時のいずれかでおこなうものである。なお「アドレス指定可能な配置」とは、検出部位においてシグナルを発生する微小個所の位置が、配列されたキャプチャプローブの種類に対応づけられている配置をいう。
このような多重増幅解析において、DNA2本鎖の一方のみ(センス側)についてのアプリコンが検出部位の部材に固定化されて検出されることは、検出すべき核酸の構成が極めて単純化されるために分析上好都合であり、マイクロリアクタの系も不必要な処理工程、操作を課されることもなく、複雑な構成とならないので利点が多い。
増幅反応の有無、程度などを、前記ハイブリダイズした2本鎖へのインターカレータの結合として、基板に配設した電極を通じて電流の変化として測定する場合には、検出される、増幅の有無を電気的に変換されたシグナルが、最終的に電子的にアドレス指定される形で、基板上の検出部位における特定位置と対応付けられる。このような電気化学的な分析方法に用いるマイクロリアクタは、電極基板を備える態様である。電極を配設させた機能性基板においては、上記ストレプトアビジンに代わって、金とプライマーとを結合させることになる。電流変化は、マイクロリアクタに電場をかけて電極からその電流変動を検知される。
アレイ・パターニングの代替方法として、マイクロリアクタの検出部位をレーザースキャンして、蛍光強度のアレイ・パターンを蛍光スキャニング装置で二次元的に読み取り、これを電子的にアドレス指定するようにしてもよい。画像解析から、増幅の有無の位置(キャプチャプローブにおける結合の有無)、換言すると特定配列に対応するプライマーが特定される。
遺伝子検査
本発明の遺伝子検査装置において、検出方法として採用されたDNA増幅方式およびハイブリダイゼーション技術により、主に2つの遺伝子検査の側面が形成される。すなわち、上記のマイクロリアクタおよび方法を用いて特定DNA配列の増幅反応の有無(もしくは成否)または増幅効率を測定することによる。
まずDNA増幅反応に使用するプライマーとして、目的のDNAに特異的な配列を有するプライマーを用いることにより、増幅の有無または増幅効率を測定することにより、検体中の遺伝子由来のDNAが、その目的遺伝子と同一か、異なるかの判定に利用することができる。特に感染病の原因となるウィルス、細菌のタイプを遺伝子から迅速に同定または判定するのに有効である。あるいはある特定のDNA配列が遺伝子に存在するかどうかの検出、ハイブリダイゼーションにおける合成プローブとのミスマッチを指標とする遺伝子変異の検出にも応用が可能である。
本発明による遺伝子検査により、癌遺伝子、遺伝性高血圧遺伝子などの発現の程度を、診断するデータを得ることができる。具体的には、そうした遺伝子の発現の証であるmRNAの種類、発現レベルの分析による。あるいは、特定の疾患に対する罹患感受性を示す遺伝性素因の判定、医薬に対する副作用などに関与する遺伝子変異、さらにコーディング領域のほか、調節遺伝子のプロモーター領域における変異も本発明のマイクロリアクタを用いる遺伝子検査により検出することができる。その場合、変異の部分を含む核酸塩基配列を有するプライマーを利用する。なお、上記遺伝子変異とは、遺伝子のヌクレオチド塩基における変異の意味である。さらに本発明の遺伝子検査装置を使用することによる遺伝子多型の解析は、疾患感受性遺伝子の同定にも役立つ。
本発明の遺伝子検査用マイクロリアクタ、遺伝子検査用装置などは、遺伝子発現解析、遺伝子機能解析、1遺伝子多型解析(SNP)、臨床検査・診断、医薬スクリーニング、医薬、法医学における遺伝子識別、農薬あるいは各種化学物質の安全性・毒性の検査、環境分析、食品検査、法医学、化学、醸造、漁業、畜産、農産製造、農林業等の分野で利用可能である。
以下、本発明の好ましい実施態様の一例として示された図面1、2および6を参照しながらさらに説明する。本発明はかかる態様に限定されるものではない。
図2に示す、樹脂製の一枚のチップからなるマイクロリアクタは、血液から抽出されたDNA検体を注入することにより、チップ内でICAN法によるDNA増幅反応およびその検出を自動的に行い、遺伝子検査ができるように構成されている。例えば、縦横の長さが数cmのチップに2〜3μL程度の検体を滴下するだけで、図1の装置本体1にチップを装着することにより増幅反応およびその検出ができるようになっている。
検体収容部20に注入された検体と、試薬収容部18に予め封入されたDNA増幅反応に用いる試薬31は、図1の装置本体に組み込まれたマイクロポンプによって各収容部に連通する流路から送液され、Y字流路を介して流路内で検体と試薬とが混合され、増幅反応が行われる。流路は、例えば幅100μm、深さ100μm程度に形成される。このようにして増幅されたDNAは、例えば金コロイドの濃度を光学的に測定することにより検出される。具体的には図1の装置本体1に組み込まれた光学検出装置によって検出される
。例えば、LEDなどから検査項目毎の流路上の検出部位に対して測定光を照射し、フォトダイオード、CCDカメラ、光電子増倍管などの光検出手段で透過光もしくは反射光を検出する。これによりハイブリダイズさせたプローブDNAを介して標識された増幅DNA(遺伝子)を検出できるようになっている。
装置本体1には、反応温度を制御する温度制御装置も組み込まれており、送液ポンプ、光学検出装置および温度制御装置が一体となった小型ユニットに、予め試薬が封入されたチップを装着するだけで簡便に遺伝子検査をすることができる。
本実施形態では、1枚のチップで高精度かつ迅速に信頼性の高い遺伝子検査を行うために、マイクロリアクタを次のような態様に構成している。
第1に、1枚のチップにコントロールがすべて一体化されており、インターナルコントロール、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールが予めマイクロリアクタの専用収容部に封入され、検体DNAの増幅および検出操作と同時に、これらのコントロールの増幅および検出操作が行われる。これによって、迅速に信頼性の高い遺伝子検査を行うことができる。
第2に、流路の各所定位置には、正方向への送液圧力が予め設定された圧に達するまで液体の通過を遮断し、予め設定された圧以上の送液圧力を加えると液体の通過を許容するように、マイクロポンプのポンプ圧により液体の通過を制御する送液制御部と、流路内の液体の逆流を防止する逆流防止部とを配設している。マイクロポンプ、送液制御部および逆流防止部によって、流路内における液体の送液が制御され、試薬などを高精度に定量送液することができ、分岐流路から導入された複数の試薬を迅速に混合することができる。
次に、本実施形態のマイクロリアクタを用いた増幅反応およびその検出操作を、このマイクロリアクタの主要な構成要素と関連づけて説明する。
・試薬収容部
マイクロリアクタ2には、各試薬を収容するための複数の試薬収容部18が設けられ、DNA増幅反応に用いる試薬、増幅されたDNAを変性する変性液、洗浄液、増幅されたDNAとハイブリダイズさせるプローブDNAを含む必要な試薬類、緩衝液などが収容される。さらにインターナルコントロールも前記収容部に収容されている。
試薬収容部18には、場所や時間を問わず迅速に検査ができるように、予め試薬が収容されていることが望ましい。チップ内に内蔵される試薬類は、蒸発、漏失、気泡の混入、汚染、変性などを防止するため、その試薬収容部の表面が密封処理されている。さらにマイクロリアクタの保管時に、試薬収容部から試薬が微細流路内に勝手に漏出して試薬が反応してしまうことなどを防止するために封止材により封入されている。マイクロリアクタに予め試薬を収容しておく場合、試薬の安定性上、マイクロリアクタを冷蔵保管することが望ましい。この封止剤は、使用前、マイクロリアクタが保管される冷蔵条件下では、固化もしくはゲル化しており、使用時、室温にすると融解し流動状態となるものである。試薬と、試薬収容部18に連通する流路15との間に封止剤を充填することにより、試薬を試薬収容部に封じ込めることが好ましい。このような封止剤としては、水に対して難溶性の可塑性物質を使用することができ、好ましくは水に対する溶解度が1%以下の油脂が好適である。そうした油脂は、油脂ハンドブックなどで調べることができる。なお、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールを収容する各収容部とこれに連通する流路との間にも、同様に封止剤を充填してもよい。
・ポンプ接続部
本実施形態では、図4に示すように検体収容部20、試薬収容部18、ポジティブコントロール収容部21h、およびネガティブコントロール収容部21iのそれぞれについて
、これらの収容部の内容液を送液するマイクロポンプ11が設けられている。マイクロポ
ンプ11は試薬収容部18の上流側に接続され、マイクロポンプ11により駆動液を試薬収容部側へ供給することによって、試薬を流路へ押し出して送液している。マイクロポンプユニットは、マイクロリアクタとは別途の装置本体(遺伝子検査装置)に組み込まれており、マイクロリアクタを装置本体に装着することによって、ポンプ接続部12からマイクロリアクタに接続されるようになっている。
本実施形態では、マイクロポンプとしてピエゾポンプを用いている。すなわち、
流路抵抗が差圧に応じて変化する第一流路と、
差圧の変化に対する流路抵抗の変化の割合が該第一流路よりも小さい第二流路と、
該第一流路および該第二流路に接続された加圧室と、
該加圧室の内部の圧力を変化させるためのアクチュエータと
を備えたピエゾポンプである(図3)。その詳細は、上記特許文献1および2に記載されている。
・送液制御部および逆流防止部
本実施形態のマイクロリアクタ(図4、図6)には、その流路に、送液制御部13が多数設けられている。この送液制御部は、正方向への送液圧力が所定圧に達するまで液体の通過を遮断し、所定圧以上の送液圧力を加えることにより液体の通過を許容する。
本マイクロリアクタの流路には、液体の逆流を防止する逆流防止部16が多数設けられ、これは逆流圧により弁体が流路開口部を閉止する逆止弁か、あるいは弁体変形手段により弁体を流路開口部へ押圧して該開口部を閉止する能動弁からなる。
・試薬定量部
上記の送液制御部および逆流防止部を用いて、試薬を定量的に送液することができる。試薬定量部の構成として、逆流防止部16と送液制御部13aとの間の流路(試薬充填流路15a)には、所定量の試薬が充填される。また、この試薬充填流路15aから分岐し、駆動液を送液するマイクロポンプ11に連通する分岐流路が設けられている。なお、試薬充填流路15aに、大容積の貯留部17aを設けることによって、定量のバラツキが小さくなる。試薬の混合は、2つの試薬をY字流路により混合する。この場合、各試薬を同時に送液したとしても、液の先頭部分では混合比率が安定しない。そこでこの先頭部分を切り捨てて、混合比率が安定してから混合液を次工程へ送液するようにすることが望ましい。
・DNA増幅反応および検出のための部位
検出対象の特定DNA配列にハイブリダイズするビオチン修飾プライマー、キメラプライマー、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ、およびエンドヌクレアーゼなどの試薬は、図6の試薬収容部18a、18b、18cに収容され、各試薬収容部の上流側には、マイクロリアクタとは別途の装置本体に内蔵されたピエゾポンプ11がポンプ接続部12で接続され、各試薬収容部から下流側の流路15aへこれらのポンプにより試薬が送液される。
流路15aと、流路15aから分岐した次工程への流路および送液制御部13は、各試薬収容部から送液された試薬の混合液の先端部を切り捨て、混合状態が安定した後に試薬混合液を次工程へ送液するような流路を構成する。各試薬収容部には、実際の必要量を上回る量の試薬が収容されており、試薬混合液が、3本に分岐した流路15b、15c、15dへ3分され、送液される。流路15bは検体との反応が行われる検出系22へ、流路15cはポジティブコントロールとの反応が行われる検出系22へ、流路15dはネガティブコントロールとの反応が行われる検出系22へ、それぞれ連通している(図6)。
流路15bに送液された混合試薬は、図6の貯留部17aに充填される。なお、貯留部
17aの上流側の逆止弁16と、下流側の送液制御部13との間で、試薬充填流路が構成
され、駆動液を送液するポンプ11に連通する分岐流路に設けられた送液制御部13とと
もに、前述した試薬定量部を構成している。
血液もしくは喀痰から抽出したDNAは、図6の検体収容部20から注入され、貯留部17bに、上記の試薬定量部と同じ機構で検体が定量的に充填され、後続する流路へ定量送液される。各貯留部17に充填された検体と試薬混合液は、Y字流路を介して流路を経由し、流路内にストレプトアジビンを吸着させた検出部位22a、22bに送液される。この部位において、検体と試薬との混合によりICAN反応が行われる。かかる増幅反応は、反応停止液を該部位に流入させることにより停止される。さらに変性液が送液され、これにより増幅されたDNAは1本鎖に変性される。上記増幅DNAは、ストレプトアジビンを介して検出部位22a、22bに固定化されている。プローブDNA収容部21fに収容された、末端をFITCで蛍光標識したプローブDNA溶液を流して、一本鎖の増幅DNAにプローブDNAをハイブリダイズさせる。この増幅DNAが固定化された流路22a内へ、単一のポンプ11により、各収容部21d、21eに収容された洗浄液および抗FITC抗体で標識した金コロイドの溶液を、同図に示した順序で送液する。同様に、増幅DNAが固定化された流路22b内へ、単一のポンプ11により、各収容部21d、21g、21eに収容された洗浄液、インターナルコントロール用プローブDNA溶液および抗FITC抗体で標識した金コロイドの溶液を、同図に示した順序で送液する。金コロイド溶液を送液することにより、固定化された増幅DNAにFITCを介して金コロイドが結合し、この金コロイドによる着色を光学的に検出することにより、増幅の有無または増幅効率を測定する。
図6における流路15c、15dは、収容部21hからのポジティブコントロールの反応、検出系、ならびに収容部21iからのネガティブコントロールの反応、検出系に連通され、試薬混合液をこれらに送液することにより、上述した検体の反応、検出系における場合と同様に、試薬と流路内で増幅反応させた後、プローブDNA収容部に収容されたプローブDNAと流路内でハイブリダイゼーションさせ、この反応生成物に基いて増幅反応が検出される。なお図6では図示の都合上、送液順に各試薬収容部を配列しているが、必ずしもこの態様に限定されず、停止液、変性液などは、上記混合液が流通する流路とは別途の流路から検出部位内に流入させてもよい。またDNAの増幅部位とハイブリダイゼーションを行う部位は同一の場所(検出部位)であるが、近接していてもよい。
以上、本発明のマイクロリアクタおよび遺伝子検査装置の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿って任意の変形、変更が可能であり、それらは本発明に含まれる。すなわち、本発明のマイクロリアクタの全体または一部について、構造、構成、配置、形状形態、寸法、材質、方式、方法などを本発明の趣旨に合致する限り、種々のものにすることができる。
図1は、マイクロリアクタと装置本体とからなるマイクロ総合分析システムであり、マイクロ総合分析システムの一つの実施形態として概略構成を示す。 図2は、図1の検査チップ(マイクロリアクタ)の概略図である。 図3は、ピエゾポンプを示し、図3(a)は、このポンプの一例を示した断面図、図3(b)は、その上面図である。図3(c)は、ピエゾポンプの他の例を示した断面図である。 図4は、ピエゾポンプをマイクロリアクタとは別体とした場合におけるマイクロリアクタのポンプ接続部周辺の構成を示した図である。 図5は、検出部位でのキャプチャプローブ、アンプリコンおよびプローブDNAの関係を模式的に示す(キメラ化プライマーおよびそのテンプレートDNAおよびそのアンプリコンは省略した。)。テンプレートのセンス鎖(22g)はその一部が示されている。 図6は、DNA検査用検査チップ上の微細流路系統の一態様を示す。各流路エレメントおよび部位の相対的な位置関係を示し、それらのスケールは同一ではない。
符号の説明
1 装置本体
2 検査チップ(マイクロリアクタ)
3 ペルチェ
4 ヒーター
5 ホトダイオード
6 LED
10 駆動液タンク
11 マイクロポンプ(ピエゾポンプ)
12 ポンプ接続部
13 送液制御部
15 流路
16 逆流防止部
17a 試薬貯留部
17b 検体貯留部
18 試薬収容部
20 検体収容部
21a 停止液収容部
21b 変性液収容部
21c ハイブリダイゼーション緩衝液収容部
21d 洗浄液・緩衝液収容部
21e 金コロイド収容部
21f プローブDNA収容部
21g インターナルコントロール用プローブDNA収容部
21h ポジティブコントロール収容部
21i ネガティブコントロール収容部
22 検出部
22c 基材
22d 固定化ストレプトアビジン
22e キャプチャプローブのビオチン部分
22f キャプチャプローブ
22g センス鎖
22h センス側アンプリコン
22i プローブDNA
22j プローブDNAの標識部分
23 廃液貯留部
24 駆動液収容部
25 封止液収容部
26 空気抜き用流路
31 試薬
41 上側基板
42 基板
43 振動板
44 圧電素子
45 加圧室
46 第1流路
47 第2流路
48 第1液室
49 第2液室
71 シリコン基板
72 ポート
73 ポート

Claims (21)

  1. DNAの特定配列を、その配列を挟む両端の配列と相補的な塩基配列を有する1対のプライマーを用いて増幅し、検出する方法であって、
    (i) 一方のプライマーがDNA-RNAのキメラ配列を有しており、他方のプライマーが
    その5’末端で基材に固定化された非キメラ化プライマーであるプライマーセットを用いて、ICAN法による増幅を行う工程、
    (ii) 次に変性処理をおこなってDNA1本鎖にする工程、
    (iii) 該基材を洗浄する工程、ならびに
    (iv) 上記の固定化されたプライマーを介して該基材に固定化されたアンプリコンについ
    て、該特定配列を認識するプローブDNAをハイブリダイゼーションさせる工程、
    を含み、DNA配列の増幅の有無を検出することにより特定配列の有無を検出する方法。
  2. 前記プローブDNAの5’末端が標識されており、その標識を検知するか、またはその標識を認識する物質を用いて、該プローブDNAとハイブリダイズしたアンプリコンを検出することを特徴とする、請求項1に記載の特定配列の有無を検出する方法。
  3. 前記ハイブリダイゼーションを、DNAインターカレータにより検出することを特徴とする、請求項1または2に記載の特定配列の有無を検出する検出方法。
  4. 前記の標識されたプローブDNAを、その標識を検知するか、または標識を認識する物質を金コロイドにより着色させて検出することを特徴とする、請求項1または2に記載の特定配列の有無を検出する方法。
  5. 検体から抽出したDNA、または検体から抽出したRNAから逆転写反応により合成したcDNAについて、請求項1〜4の何れかに記載の特定配列の有無を検出することにより遺伝子の発現またはSNPを解析することを特徴とする遺伝子検査方法。
  6. 少なくとも
    検体もしくは検体から抽出したDNAが注入される検体収容部、
    DNA増幅反応などに用いる試薬が収容される試薬収容部、
    DNA増幅反応により増幅された検出対象のDNAにハイブリダイゼーションするプローブDNAが収容されるプローブDNA収容部、
    これらの各収容部に連通する微細流路、
    前記各収容部および流路内の液体を送液する別途装置のマイクロポンプユニットに接続可能なマイクロポンプ接続部、ならびに
    検体であるDNAの特定配列を、その配列を挟む両端の配列と相補的な塩基配列を有する1対のプライマーを用いて増幅して得られるアンプリコンを検出する部位
    を有し、そのアンプリコンを検出する部位において、
    (i) 一方のプライマーがDNA-RNAのキメラ配列を有しており、他方のプライマーが
    その5’末端で基材に固定化された非キメラ化プライマーであるプライマーセットを用いて、ICAN法による増幅を行う工程、
    (ii) 次に変性処理をおこなってDNA1本鎖にする工程、
    (iii) 該基材を洗浄する工程、ならびに
    (iv) 上記の固定化されたプライマーを介して該基材に固定化されたアンプリコンについ
    て、該特定配列を認識するプローブDNAをハイブリダイゼーションさせる工程、
    を含み、DNA配列の増幅の有無を検出することを特徴とする遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  7. 前記プローブDNAの5’末端が標識されており、その標識を検知するか、またはその
    標識を認識する物質を用いて、前記アンプリコンを検出することを特徴とする、請求項6に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  8. 前記標識が、可視光、蛍光、化学ルミネセンスおよびエレクトロ化学ルミネセンスのうちの少なくとも1つで行うことを特徴とすることを特徴とする請求項7に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  9. 5’末端がFITCで標識された前記プローブDNAを、抗FITC抗体で修飾した金コロイドを用いて着色させることを特徴とする請求項7に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  10. 前記ハイブリダイゼーションを、DNAインターカレータを用いてその有無を測定することによりアンプリコンを検出することを特徴とする、請求項6に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  11. 前記インターカレータの結合を、基板に配設した電極を通じて電流の変化として測定することを特徴とする、請求項10に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  12. 前記インターカレータが、電場をかけるか、励起光照射により発光するインターカレータであることを特徴とする、請求項10に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  13. 5’末端を固定化された非キメラ化プライマーが、ビオチン化ヌクレオチドであることを特徴とする請求項6に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  14. 前記ビオチン化ヌクレオチドと結合するビオチン親和性タンパク質が、微細流路の前記検出部位にある基材に固定化されていることを特徴とすることを特徴とする請求項13に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  15. 前記ビオチン親和性タンパク質が、ストレプトアビジンであることを特徴とする請求項14に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  16. 前記基材が、ポリスチレン系樹脂で形成された基板、フィルム、ビーズまたはメンブレンであることを特徴とする請求項6に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  17. さらに、
    ポジティブコントロールが収容されるポジティブコントロール収容部と、
    ネガティブコントロールが収容されるネガティブコントロール収容部と、
    が設けられ、前記チップにポンプ接続部を介してマイクロポンプを接続し、検体収容部に収容された検体もしくは検体から抽出したDNAと、試薬収容部に収容された試薬とを流路へ送液し、流路内で混合して増幅反応させた後、得られたアンプリコンに基いて増幅反応の検出を行い、
    ポジティブコントロール収容部に収容されたポジティブコントロールおよびネガティブコントロール収容部に収容されたネガティブコントロールについても同様に、試薬収容部に収容された試薬と流路内で増幅反応させた後、得られたアンプリコンに基いて増幅反応の検出を行うように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  18. DNA増幅反応に用いる試薬、ポジティブコントロール、ネガティブコントロールおよびインターナルコントロールが前記収容部に収容されていることを特徴とする請求項6または17に記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  19. 2種類以上の前記非キメラ化プライマーがその5’末端で、基板上へ位置特異的に固定化されて、しかも増幅の有無をアドレス指定可能な配置方式に存在しており、増幅の有無を電気的に変換されたシグナルとして検出することにより、特定配列の多重化解析を連続的にもしくは同時のいずれかでおこなうことを可能とした、請求項6〜18のいずれかに記載の遺伝子検査用マイクロリアクタ。
  20. 少なくともマイクロポンプ、検出装置および制御装置が一体化された装置本体と、この装置本体に装着可能な、請求項6〜19のいずれかに記載のマイクロリアクタとからなり、装置本体にマイクロリアクタを装着することによりこれらのポンプ接続部にマイクロポンプが接続され、各マイクロポンプから駆動液を供給することにより試薬収容部から試薬を流路へ押し出して反応を開始するように構成され、処理、分離、反応もしくは検出を自動的に行うことを特徴とする遺伝子検査装置。
  21. 前記マイクロポンプが、流路抵抗が差圧に応じて変化する第1流路と、
    差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合が第1流路よりも小さい第2流路と、
    第1流路および第2流路に接続された加圧室と、
    該加圧室の内部圧力を変化させるアクチュエータと、
    該アクチュエータを駆動する駆動装置と
    を備えることを特徴とする請求項20に記載の遺伝子検査装置。
JP2005255815A 2005-09-05 2005-09-05 遺伝子検査用のマイクロリアクタ Pending JP2007068413A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005255815A JP2007068413A (ja) 2005-09-05 2005-09-05 遺伝子検査用のマイクロリアクタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005255815A JP2007068413A (ja) 2005-09-05 2005-09-05 遺伝子検査用のマイクロリアクタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007068413A true JP2007068413A (ja) 2007-03-22

Family

ID=37930436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005255815A Pending JP2007068413A (ja) 2005-09-05 2005-09-05 遺伝子検査用のマイクロリアクタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007068413A (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011220826A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Techno Medica Co Ltd 体液分析装置
JP2012501627A (ja) * 2008-09-03 2012-01-26 ナブシス, インコーポレイテッド 流体チャネル内の生体分子および他の分析物の電圧感知のための、長手方向に変位されるナノスケールの電極の使用
JP2012220410A (ja) * 2011-04-12 2012-11-12 Mitsubishi Chemical Medience Corp 移送装置、及び移送方法
JP2013013375A (ja) * 2011-07-05 2013-01-24 Tosoh Corp 電極上における核酸の増幅反応を伴う電気化学的検出方法
US8637249B2 (en) 2008-11-14 2014-01-28 Gen-Probe Incorporated Compositions, kits and methods for detection of Campylobacter nucleic acid
US8859201B2 (en) 2010-11-16 2014-10-14 Nabsys, Inc. Methods for sequencing a biomolecule by detecting relative positions of hybridized probes
US8926813B2 (en) 2008-09-03 2015-01-06 Nabsys, Inc. Devices and methods for determining the length of biopolymers and distances between probes bound thereto
US9051609B2 (en) 2007-10-01 2015-06-09 Nabsys, Inc. Biopolymer Sequencing By Hybridization of probes to form ternary complexes and variable range alignment
US9434981B2 (en) 2010-09-27 2016-09-06 Nabsys 2.0 Llc Assay methods using nicking endonucleases
JP2016166902A (ja) * 2016-06-10 2016-09-15 株式会社テクノメデイカ 体液分析装置
JP2016540501A (ja) * 2013-10-23 2016-12-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh ポリメラーゼ連鎖反応を実施するための分析ユニット、分析装置、当該分析ユニットの動作方法、および、当該分析ユニットの製造方法
US9650668B2 (en) 2008-09-03 2017-05-16 Nabsys 2.0 Llc Use of longitudinally displaced nanoscale electrodes for voltage sensing of biomolecules and other analytes in fluidic channels
CN106902901A (zh) * 2017-01-23 2017-06-30 上海埃文生物科技有限公司 微流控芯片装置及其应用
US9914966B1 (en) 2012-12-20 2018-03-13 Nabsys 2.0 Llc Apparatus and methods for analysis of biomolecules using high frequency alternating current excitation
CN109370900A (zh) * 2018-12-19 2019-02-22 深圳麦芽加速器科技有限公司 一种基因测序仪
US10294516B2 (en) 2013-01-18 2019-05-21 Nabsys 2.0 Llc Enhanced probe binding
CN112098493A (zh) * 2020-09-15 2020-12-18 绍兴市达冷肯生物科技有限公司 电化学基因检测装置及方法
US11274341B2 (en) 2011-02-11 2022-03-15 NABsys, 2.0 LLC Assay methods using DNA binding proteins

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9051609B2 (en) 2007-10-01 2015-06-09 Nabsys, Inc. Biopolymer Sequencing By Hybridization of probes to form ternary complexes and variable range alignment
US8882980B2 (en) 2008-09-03 2014-11-11 Nabsys, Inc. Use of longitudinally displaced nanoscale electrodes for voltage sensing of biomolecules and other analytes in fluidic channels
JP2012501627A (ja) * 2008-09-03 2012-01-26 ナブシス, インコーポレイテッド 流体チャネル内の生体分子および他の分析物の電圧感知のための、長手方向に変位されるナノスケールの電極の使用
US9719980B2 (en) 2008-09-03 2017-08-01 Nabsys 2.0 Llc Devices and methods for determining the length of biopolymers and distances between probes bound thereto
US9650668B2 (en) 2008-09-03 2017-05-16 Nabsys 2.0 Llc Use of longitudinally displaced nanoscale electrodes for voltage sensing of biomolecules and other analytes in fluidic channels
US8926813B2 (en) 2008-09-03 2015-01-06 Nabsys, Inc. Devices and methods for determining the length of biopolymers and distances between probes bound thereto
US8637249B2 (en) 2008-11-14 2014-01-28 Gen-Probe Incorporated Compositions, kits and methods for detection of Campylobacter nucleic acid
US9175353B2 (en) 2008-11-14 2015-11-03 Gen-Probe Incorporated Compositions, kits and methods for detection of campylobacter nucleic acid
US10829824B2 (en) 2008-11-14 2020-11-10 Gen-Probe Incorporated Compositions, kits and methods for detection of campylobacter nucleic acid
JP2011220826A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Techno Medica Co Ltd 体液分析装置
US9434981B2 (en) 2010-09-27 2016-09-06 Nabsys 2.0 Llc Assay methods using nicking endonucleases
US8859201B2 (en) 2010-11-16 2014-10-14 Nabsys, Inc. Methods for sequencing a biomolecule by detecting relative positions of hybridized probes
US9702003B2 (en) 2010-11-16 2017-07-11 Nabsys 2.0 Llc Methods for sequencing a biomolecule by detecting relative positions of hybridized probes
US11274341B2 (en) 2011-02-11 2022-03-15 NABsys, 2.0 LLC Assay methods using DNA binding proteins
JP2012220410A (ja) * 2011-04-12 2012-11-12 Mitsubishi Chemical Medience Corp 移送装置、及び移送方法
JP2013013375A (ja) * 2011-07-05 2013-01-24 Tosoh Corp 電極上における核酸の増幅反応を伴う電気化学的検出方法
US9914966B1 (en) 2012-12-20 2018-03-13 Nabsys 2.0 Llc Apparatus and methods for analysis of biomolecules using high frequency alternating current excitation
US10294516B2 (en) 2013-01-18 2019-05-21 Nabsys 2.0 Llc Enhanced probe binding
JP2016540501A (ja) * 2013-10-23 2016-12-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh ポリメラーゼ連鎖反応を実施するための分析ユニット、分析装置、当該分析ユニットの動作方法、および、当該分析ユニットの製造方法
JP2016166902A (ja) * 2016-06-10 2016-09-15 株式会社テクノメデイカ 体液分析装置
CN106902901A (zh) * 2017-01-23 2017-06-30 上海埃文生物科技有限公司 微流控芯片装置及其应用
CN106902901B (zh) * 2017-01-23 2024-03-08 上海埃文生物科技有限公司 微流控芯片装置及其应用
CN109370900A (zh) * 2018-12-19 2019-02-22 深圳麦芽加速器科技有限公司 一种基因测序仪
CN112098493A (zh) * 2020-09-15 2020-12-18 绍兴市达冷肯生物科技有限公司 电化学基因检测装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007068413A (ja) 遺伝子検査用のマイクロリアクタ
JP4784508B2 (ja) 検査用マイクロリアクタおよび検査装置ならびに検査方法
EP1652912A1 (en) Micro-reactor, biological material inspection device, and microanalysis system
US20050196779A1 (en) Self-contained microfluidic biochip and apparatus
JPWO2006046433A1 (ja) 遺伝子検査用マイクロリアクタ
US20050221281A1 (en) Self-contained microfluidic biochip and apparatus
EP1754782A1 (en) Microreactor enhancing efficiency of liquid mixing and reaction
JP2007071555A (ja) タンパク質が固定化された基材およびこれを用いるマイクロリアクタ
JP2007120399A (ja) マイクロ流体チップおよびマイクロ総合分析システム
Chen et al. DNA hybridization detection in a microfluidic channel using two fluorescently labelled nucleic acid probes
JPWO2007058077A1 (ja) 遺伝子検査方法、遺伝子検査用マイクロリアクタ、および遺伝子検査システム
JPWO2007099736A1 (ja) マイクロ検査チップ、光学的検出装置およびマイクロ総合分析システム
JP2006217818A (ja) 遺伝子検査用マイクロリアクタならびに遺伝子検査方法
US7361315B2 (en) Micro-reactor for biological substance inspection and biological substance inspection device
JP2007135504A (ja) 増幅部位にビーズを保持する核酸検査用マイクロリアクタ
JP2007534936A (ja) 標的分子とプローブ分子の間の相互作用を分析する装置
JP4687413B2 (ja) マイクロチップにおける2種類以上の液体の混合方法およびマイクロ総合分析システム
JP2006121935A (ja) 前処理手段および廃液貯留部を有する生体物質検査用マイクロリアクタ
JP4621247B2 (ja) 反応容器における分注方法及び反応容器処理装置
JP2006266924A (ja) 検査用マイクロチップおよびそれを用いた検査装置
JP2009183179A (ja) マイクロチップ
JP2006149379A (ja) 生体物質検査用マイクロリアクタおよび生体物質検査デバイス
US8293521B2 (en) Method of dispensing nonvolatile liquid in reaction vessel and reaction vessel processing apparatus
JP2009276135A (ja) 生体物質検出カートリッジ、生体物質検出装置、および生体物質検出方法
JP4604834B2 (ja) 検査用マイクロチップおよびそれを用いた検査装置