JP2007240413A - マイクロ流体チップ - Google Patents

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楠 東野
Yasuhiro Santo
康博 山東
Akihisa Nakajima
彰久 中島
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Abstract

【課題】試薬収容部を有する微細流路が設けられたマイクロ流体チップにおいて、分析時の反応部の加熱による試薬収容部の昇温およびそれに伴う試薬の変質等を抑制する。
【解決手段】本発明のマイクロ流体チップは、加熱部材を当接させるチップ表面上の領域と試薬収容部との距離がチップの厚みの3倍以上であることを特徴とする。このような所定の間隔をとることにより、分析時の反応部の加熱による熱伝導を抑制し、試薬収容部の昇温およびそれに伴う試薬の変質等を防ぐことが可能である。同時に、反応部と試薬収容部との間隔は上記の所定の距離があれば充分に熱伝導は抑制されるので、必要以上にチップに設けられた微細流路の間隔を広げることなく、コンパクトにまとめた好適なものとすることができる。
【選択図】なし

Description

近年、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使することにより、従来の試料調製、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、セ
ンサーなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されている(特許文献
1)。これは、μ−TAS(Micro total Analysis System:マイクロ総合分析システム
)、バイオリアクタ、ラブ・オン・チップ(Lab-on-chips)などとも呼ばれ、医療検査・診断分野、環境測定分野、農産製造分野でその応用が期待されている。現実には遺伝子検査に見られるように、煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操作が必要とされる検査等に対して、自動化、高速化および簡便化されたμ−TASは、コスト、必要試料量、所要時間のみならず、時間および場所を選ばない分析を可能とするなど、多大な恩恵をもたらすといえる。
各種の分析、検査ではこれらの分析用チップにおける分析の定量性、解析の精度、経済性などが重要視される。分析用チップと組み合わせて使用される、シンプルな構成で、精度が高く、信頼性に優れる送液システムを確立するためのマイクロポンプシステムおよびその制御方法を、本発明者らはすでに提案している(特許文献2〜5)。
上記のチップには、検体および試薬の収容部、試薬の混合部、反応部およびこれらを連通する流路などを含む一連の微細流路が形成されているが、例えば、アナライト(検査対象の物質)を光学的方法により検出するための検出反応が行われる反応部(検出部ともいう)は、反応の際に所定温度に加熱する場合がある。一方で、例えば加熱されると変質しやすい試薬の収容部は、検出部の加熱の影響により昇温することが望ましくない。
例えば、特許文献5に記載されたように、PCR反応などのためにチップを加熱させてから試薬および検体を外部から注入する態様であるチップにおいては、加熱が試薬に与える影響は比較的少ないと考えられる。しかし、検査時に即使用可能とするためにあらかじめチップに必要な試薬類を封入する態様にチップにおいては、試薬収納部内で待機した状態にある試薬の昇温を抑制するための手段が求められる。
特開2004−028589号公報 特開2001−322099号公報 特開2004−108285号公報 特開2004−270537号公報 特開2002−56470号公報
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、分析時の反応部の加熱による試薬収容部の昇温およびそれに伴う試薬の変質等を抑制しうるマイクロ流体チップを提供することを目的とする。また、そのようなチップを用いることで高精度の分析を行うことができるマイクロ総合分析システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、加熱された領域からチップの厚みの3倍以上の距離を空けることにより、熱伝導が充分に抑制され、その部分の温度は加熱の影響を受けることがないことを見出し、本願発明を完成させるに至った。
本発明によるマイクロ流体チップは、試薬を収容するための試薬収容部、上記試薬とア
ナライトとの所定の反応処理が行われる反応部、ならびに上記試薬および上記アナライトを上記反応部に送液するための流路を少なくとも備えた微細流路を有し、上記反応部は別途の加熱部材をチップに当接させることにより加熱されるマイクロ流体チップであって、上記試薬収容部と、加熱部材を当接させるチップ表面上の領域との距離がチップの厚みの3倍以上であることを特徴としている。
このようなマイクロ流体チップとしては、例えば、反応部に第1の試薬(試薬1)が収容されており、その反応部にアナライトが送液され、上記試薬1とアナライトとが反応する第1の反応(反応1)が起き、次いで、試薬収容部に収容された第2の試薬(試薬2)が反応部に送出され、上記反応1による生成物と該試薬2とが反応する第2の反応(反応2)が起き、さらに、試薬収容部に収容された第3の試薬(試薬3)が反応部に送出され、上記反応2による生成物と該試薬3とが反応する第3の反応(反応3)が起きてもよく、上記反応1または2は、反応部を適切な温度に加熱することにより促進される態様のものであることが好適である。
上記反応1における好ましい例として、上記試薬1はビオチン親和性タンパク質であり、上記試薬1と結合しうるアナライトはビオチンで標識されていることが挙げられる。上記反応2における好ましい例として、上記試薬2は、アナライトであるDNAまたはRNAと相補的な塩基配列を有するDNAまたはRNA、あるいはアナライトの有する抗原に対する抗体からなるプローブであることが挙げられる。上記反応3における好ましい例として、上記試薬3は、上記試薬2に結合しうる物質で修飾された金コロイド試薬であることが挙げられる。
上記試薬1、試薬2および試薬3の少なくとも1以上は、分析に先立ち、予めマイクロ流体チップに収容されていることが好ましい。
また、本発明によるマイクロ総合分析システムは、上述のようなマイクロ流体チップと、システム装置本体とを備えており、
該システム装置本体は、少なくとも、該チップに連通させるための流路開口を有するチップ接続部およびマイクロポンプとを含むマイクロポンプユニットと、上記マイクロ流体チップと当接しうる加熱部材と、反応部における反応生成物を検出するための光学的検出装置と、該マイクロポンプユニット、該加熱部材および該光学的検出装置の機能を制御する手段とを備え、該マイクロポンプは、流路抵抗が差圧に応じて変化する第1流路と、差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合が第1流路よりも小さい第2流路と、第1流路および第2流路に接続された加圧室と、該加圧室の内部圧力を変化させるアクチュエータと、該アクチュエータを駆動する駆動装置とを備えるマイクロポンプであることを特徴としている。
本発明によれば、反応部と試薬収容部との間隔を、チップの厚みに対して3倍以上の距離とすることにより、分析時の反応部の加熱による熱伝導を抑制し、試薬収容部の昇温およびそれに伴う試薬の変質等を防ぐことが可能となるマイクロ流体チップが提供される。同時に、反応部と試薬収容部との間隔は上記の所定の距離があれば充分に熱伝導は抑制されるので、必要以上にチップに設けられた微細流路の間隔を広げることなく、コンパクトにまとめた好適なものとすることができる。また、そのようなチップを用いたマイクロ総合分析システムを用いることで、精度が高く、信頼性に優れた分析を行うことが可能となる。
本明細書において、「マイクロ流体チップ」は、合成や検査など様々な用途に用いられるマイクロ総合分析システムにおけるチップのことであるが、特に生体物質を対象とした
検査に用いられるものについては「検査チップ」と呼ぶこともある。「流路エレメント」とは、マイクロ流体チップに設置される機能部品をいう。「微細流路」は、本発明のマイクロ流体チップに形成された微小な溝状の流路のことであるが、この流路と連通している試薬類などの収容部、反応部もしくは検出部が、容量の大きい広幅の液溜め状に形成されている場合も、これらの部位を含めて「微細流路」ということがある。微細流路内を流れる流体は、実際は液体であることが多く、具体的には、各種の試薬類、試料液、変性剤液、洗浄液、駆動液などが該当する。「遺伝子」とは、何らかの機能を発現する遺伝情報を担うDNAまたはRNAをいうが、単に化学的実体であるDNA、RNAの形でいうこともある。分析対象である標的物質を「アナライト」ということもある。
本発明は、種々の実施の形態において、本発明の趣旨に沿って任意の変形、変更が可能であり、それらは本発明に含まれる。すなわち、本発明のマイクロ総合分析システムの全体または一部について、構造、構成、配置、形状形態、寸法、材質、方式、方法などを本発明の趣旨に合致する限り、種々のものにすることができる。
マイクロ総合分析システム
マイクロ総合分析システムは、マイクロ流体チップ2以外の構成要素(分析などに必要
な装置類)を一体化してシステム装置本体1とし、チップ搬送トレイ上に載置されたマイ
クロ流体チップ2を、このシステム装置本体1に設けられた挿入口を通じて着脱するように構成することが望ましい。分析に供する試料、検体は、予めチップに収容しておいても、チップを装置本体に装着してから収容してもよい。
測定試料である検体の前処理、反応および検出などの一連の分析工程は、主としてマイクロ流体チップ2に形成された微細流路内で行われる。マイクロチップには、目的とする
反応方法や検出方法に応じた必要な試薬類が予め所定の量だけ封入され、使用時にその都度、試薬を必要量充填する必要はなく、即使用可能の状態になっているものが望ましい。また、分析に供する試料、検体は、システム装置本体に装着する前に予めチップに収容しておいても、装置本体に装着してからチップに収容してもよい。
システム装置本体1にチップを装着した後、マイクロポンプなどによるマイクロ流体チップの各収容部に収容された試料および試薬類の送液、それらの合流、混合に基づく所定の反応、ならびに反応生成物の測定および測定データの収納は、一連の連続的工程として自動的に実施される形態が望ましい。
従来の分析システムでは、異なる分析等を行う場合にはその都度、変更される内容に対応するデバイスを構成し直す必要があった。これに対して、マイクロ総合分析システムでは、脱着可能な上記チップおよびシステムの制御プログラムなどを交換することにより、各種の分析に対応することができる。
マイクロ流体チップ
マイクロ流体チップ2は、一般に検査チップ、分析チップ、マイクロリアクタ・チップ
などとも称されるものと同等である。通常、このチップの縦横のサイズは数十mm、高さは数mm程度である。マイクロ流体チップは、化学分析、各種検査、試料の処理・分離、化学合成などの用途に応じて、流路エレメントまたは構造部などを有する微細流路が機能的に適当な位置に微細加工技術により配設されている。また、上記の分析などを迅速に行うために望ましくは、必要とされる試薬類がチップの微細流路内に予め収容されている。このようなチップは、ポンプ接続部を解してマイクロポンプに接続され、マイクロポンプから送り込まれる駆動液により、検体や試薬などの液体は微細流路内を送液される。
上記のチップは、溝形成基板および被覆基板からなる基本的基板を構造として有する態
様が好ましい。少なくとも溝形成基板には、ポンプ接続部、弁基部および液溜部(試薬収容部、検体収容部などの各収容部、反応部、検出部、廃液貯留部など)、送液制御部、逆流防止部、試薬定量部、混合部などの構造部を含む、微細流路が形成されている。一方、被覆基板は、少なくとも溝形成基板における上記の構造部、流路および検出部を密着して覆う必要があり、溝形成基板の全面を覆っていてもよい。なお、微細流路はチップの片面のみに形成されていてもよいし、互いに連通した微細流路が両面に形成されていてもよい。
マイクロ流体チップは、加工成形性、非吸水性、耐薬品性、耐熱性、廉価性などに優れていることが望まれており、チップの構造、用途、検出方法などを考慮して、チップの材料を適切に選択することが求められる。その材料としては従来公知の様々なものが使用可能であり、個々の材料特性に応じて通常は1以上の材料を適宜組み合わせて、基板および流路エレメントが成形される。
例えば、多数の測定検体、とりわけ汚染、感染のリスクのある臨床検体を対象とするチップはディスポーサブルタイプであることが望ましい。そのため、量産可能であり、軽量で衝撃に強く、焼却廃棄が容易なプラスチック樹脂、なかでも、透明性、機械的特性および成型性に優れて微細加工がしやすいポリスチレンが好ましく用いられる。また、ポリプロピレンはタンパク質の吸着が少なく、酸やアルカリなどの耐薬品性にも優れ、価格も安価であるため好ましく用いられる。
分析においてチップを100℃近くまで加熱する必要がある場合には、耐熱性に優れる樹脂(例えばポリカーボネートなど)を用いることが好ましい。樹脂やガラスなどは熱伝導率が小さく、マイクロ流体チップの局所的に加熱される領域にこれらの材料を用いることにより、面方向への熱伝導が抑制され、加熱領域のみ選択的に加熱することができる。
また、微細流路の検出部では、蛍光物質または呈色反応の生成物などの光学的な検出が行われるため、少なくともこの部位の基板には光透過性の材料を用いる必要がある。光透過性の材料としては、アルカリガラス、石英ガラス、透明プラスチック類が使用可能であるが、透明プラスチック類が好ましい。
マイクロ流体チップの微細流路は、基板上に目的に応じて予め設計された流路配置に従って形成される。流体が流れる流路は、例えば幅数〜数百μm、好ましくは10〜500μm、深さ10〜1000μm程度、好ましくは10〜300μmに形成されるマイクロメーターオーダー幅の微細流路である。流路幅が5μm未満であると、流路抵抗が増大し、流体の送出および検出上不都合である。幅500μmを超える流路ではマイクロスケール空間の利点が薄まる。なお、微細流路における前述の構造部の幅、深さは、必要に応じて、構造部同士を連通する流路とは異なるサイズとしてもよい。
微細流路の形成方法は、従来の微細加工技術を用いることができるが、典型的にはフォトリソグラフィ技術が好適である。この技術により、感光性樹脂への微細構造の転写および不要部分の除去などが行われ、微細流路が形成される。この際の溝成形基板の材料となる感光性樹脂としては、サブミクロンの構造も正確に転写でき、機械的特性の良好なプラスチックが好ましく用いられる。ポリスチレン、ポリジメチルシロキサンなどは形状転写性に優れる。また、必要であれば射出成形、押し出し成形などによる加工を使用してもよい。
加熱手段
〈反応部の加熱〉
本発明において、マイクロ流体チップの微細流路における反応部は、別途の加熱部材が
チップ表面に当接することにより加熱される。すなわち、加熱部材が当接した領域(以下「加熱領域」という。)からの熱伝導により、反応部は所望の温度にまで加熱される。
上記の加熱部材としては、より具体的には、例えば、通電により金属膜からなる抵抗体を発熱させ、直接にあるいは誘電体等を介して熱を伝える面状発熱体(ヒーター)、このヒーターに熱伝導率の高い部材(例えばアルミニウム等の金属部材)を接続し、この部材をマイクロ流体チップに当接させるようにしたもの、あるいはペルチェ素子を挙げることができる。
また、反応部の適切な温度調節を可能とするためには、上記の加熱部材に温度センサが接続され、この温度センサにはさらに、加熱動作に関する制御プログラムが格納されたメモリを有するコントローラが接続されることが望ましい。すなわち、温度センサ、コントローラ、通電装置などにより構成される制御手段は、計測された温度に基づき、また、制御プログラムが定める設定温度や加熱のタイミングなどに従って、加熱部材の温度を制御し、これにより反応部の温度は適切に調節される。
図1は、マイクロ流体チップに加熱部材を当接させ反応部を加熱する一実施形態を示す断面図である。反応部31を適切に加熱することができるのであれば、加熱領域32と反応部31との位置関係、すなわち上記の加熱部材5のマイクロ検査チップ2への当接のさせ方は適宜調整することが可能である。一般的には、加熱むらが生じないよう反応部31の流路全体を加熱部材5が覆うように当接させるが、例えば、反応部31の中央部のみに当接させるこ
とや、反応部31を環状に取り囲むよう当接させることもできる。また、加熱部材5をマイ
クロ流体チップ2の上面または下面のどちらに当接してもよく、両面に当接してもよい。
〈試薬収納部の昇温を抑制するための手段〉
本発明のマイクロ検査チップにおいて、上述のように反応部などの加熱されるべき微細流路が存在する一方、試薬収容部などの加熱されることが望ましくない微細流路も存在する。例えば、遺伝子検査などに用いられる試薬類には加熱されると変質しやすいものが多いため、それらの試薬類が収容されている収容部が昇温した場合、反応に支障をきたし、高精度の遺伝子検査を行えないおそれがある。
図1を再び参照しながら説明する。本発明では、このような問題に対処するため、反応部31を加熱するために別途の加熱部材5をチップに当接させる領域、すなわち加熱領域32
と、試薬を収容するための試薬収容部21との距離(D)は、チップの厚み(T)の3倍以上、好ましくは5倍以上とすればよい。このような要件を満たすことにより、反応部31を例えば100℃程度まで加熱したとしても、あるいは加熱部材がチップのどちらの面にあったとしても熱伝導は充分に抑制され、また熱の一部はチップ表面から逃されるため、試薬収容部21の昇温を防ぐことができる。なお、上記の距離Dは、図1で示されたように、チップ表面に投射された加熱領域32と試薬収容部21の距離で規定される。
上記のように、単にDとTの条件を設定するだけで本発明の目的が達成できる。このため、放熱のためにチップの一部をスリット構造などとする複雑な形態を必要としない。あるいは、冷却装置を別途に用意して試薬収容部を冷却する必要もない。サイズと構造に制約のあるマイクロ流体チップにおいては、特に有利となる。
本発明によるこのような作用効果は、一般的な態様のマイクロ流体チップに対して好適に発揮される。例えば、少なくとも反応部周辺、試薬収容部周辺および両者の中間部分などについて、厚さ(T)が5mm以下であり、熱伝導率が10W/m・K以下、好ましくは2W/m・K以下の樹脂材で形成すればよいが、厚さおよび熱伝導率についてはこれらに限定されるものではない。
本発明のマイクロ検査チップにおける反応部、試薬検出部、ならびに反応部で行われる検出反応や用いられる試薬の態様は特に限定されるものではないが、例えば、
第1の試薬(試薬1)が収容されている反応部にアナライトが送液され、上記試薬1とアナライトとが反応する第1の反応(反応1)が起き、
次いで、試薬収容部に収容された第2の試薬(試薬2)が反応部に送出され、上記反応1による生成物と該試薬2とが反応する第2の反応(反応2)が起き、
必要に応じて、試薬収容部に収容された第3の試薬(試薬3)が収容されており、該試薬3が反応部に送出され、上記反応2による生成物と該試薬3とが反応する第3の反応(反応3)がさらに起きてもよい分析に用いられ、
上記反応1または2は、反応部を予め定められた温度に加熱することにより促進されるものであるといった態様が好適なものとして挙げられる。
分析の実施態様
〈遺伝子検査の検出反応〉
以下、上述のような態様のより具体的な一つの実施形態として、所定のDNAをアナライトとし、このDNAを増幅させた後に金コロイドを用いた光学的な手法により検出する場合を挙げながら反応部および試薬収容部の温度調節について説明するが、本発明による作用効果はこのような実施形態における場合のみに限定されるものではない。
遺伝子検査用のマイクロ流体チップにおいては、まず、検体もしくは検体から抽出したDNA、あるいは検体もしくは検体から抽出したRNAから逆転写反応により合成したcDNAと、5’位置でビオチン修飾したプライマーとを、これらの収容部から下流の微細流路へ送液し、反応部内で遺伝子を増幅試薬と反応させ増幅させる。続いて、増幅された遺伝子を含む増幅反応液と変性液とを微細流路内で混合して、増幅された遺伝子を変性処理により一本鎖にする。
図2は、遺伝子検査用のマイクロ流体チップにおける反応部および試薬収容部の周辺を示す上面図である。上述のようにして得られたアナライトを検出するため、下記の工程を有する一連の「検出反応」が検出部22において行われる。なお、アナライトを最終的に検出するための反応が行われる反応部を、ここでは「検出部」とよぶ。
(1)あらかじめビオチン親和性タンパク質(アビジン、ストレプトアビジンなど)が流路表面に吸着し固定化されている検出部22に、送液流路15を通じて上記の一本鎖DNAを送液する。ビオチン親和性タンパク質は、遺伝子増幅反応に使用されたプライマーの5’末端に標識されたビオチンと特異的に結合する。これにより、ビオチンで標識された一本鎖DNAは検出部22にトラップされる。
(2)試薬収容部21aに収容された、末端をFITC(fluorescein isothiocyanate)で蛍光標識したプローブDNAを含有する試薬を送液流路15を通じて検出部22に送液し、このプローブDNAと上記工程(1)により得られた一本鎖DNAとをハイブリダイズさせる。これにより、一本鎖DNAにビオチンおよびFITCが結合した状態となる。
(3)試薬収容部21bに収容された、FITCに特異的に結合する抗FITC抗体で表面を修飾した金コロイド試薬を送液流路15を通じて検出部22に送液し、検出部22の表面に固定化されたDNAにハイブリダイズしたFITC修飾プローブに、この金コロイドを抗原抗体反応に基づき吸着させる。
これらの検出反応が完了した後に、光学的検出装置のLEDから検出部に光を照射し、フォトダイオードにより検出された光量から、上記の検出反応による反応生成物に結合し
ている金コロイドの濃度を測定することができる。例えば、粒径が20nm程度の金コロイドは560nm付近に吸収極大をもつ。したがって、LEDから波長がこの近傍である光(赤色光)を照射した場合、検出部の金コロイドの濃度に応じてフォトダイオードが受光する光量は減少するためその濃度を算出することができ、これにより、アナライトの存在を検出することが可能である。このような金コロイドを利用した検出方法は、可視光により高感度で測定でき、妨害因子が少なくデータ処理も容易であり、加えて、可視光の吸光分析に用いられる機器は蛍光分析のものよりも汎用的であるなどの点で好ましい。
ここで、上記の工程(1)〜(3)で行われる反応にはそれぞれ最適な反応温度が存在し、例えば、工程(1)では42℃程度、工程(2)では50℃程度、工程(3)では42℃程度である。ストレプトアビジンや抗FITC抗体などのタンパク質は熱に弱いため工程(1)および(3)では過剰な加熱は避けなくてはならず、また、工程(2)のハイブリダイゼーション反応は50℃付近で最も反応が進む。したがって、検出反応を効率よく行い、高精度でアナライトを検出するためには、それぞれの工程において最適な温度となるよう検出部を加熱することが求められる。
前述のような加熱部材およびその制御システムを用いた場合、マイクロ流体チップの検出部の温度を工程ごとに調節することができるため、検出部における検出反応の各工程をそれぞれ適切な温度条件で行い、効率的に遺伝子検査を行うことが可能となる。しかし、上記工程(1)または(2)での反応の際に加熱部材が発する熱により金コロイド試薬の試薬収容部までもが加熱されると、金コロイドに結合している抗FITC抗体が失活し、工程(3)における反応が阻害される可能性がある。
本発明によれば、このような態様の遺伝子検査が行われる場合、例えば、チップの厚みが2mmであり、加熱領域と試薬収容部との距離が10mmであるポリスチレン製のマイクロ流体チップを用いることにより、検出部22が50℃程度まで昇温しても試薬収容部21eは常温に保たれる。したがって、上記工程(3)で用いられる金コロイド試薬の収容部は反応部の加熱の影響を受けることがないため、高精度の遺伝子検査を行うことができる。
なお、上記のようにDNAをアナライトとするのではなく、検体に存在する抗原、代謝物質、ホルモンなどをアナライトとする場合も、これらのアナライトに対して特異的な抗体(好ましくはモノクローナル抗体)をプローブとして用いることにより、遺伝子検査の場合と同様に検出することができる。
また、増幅された遺伝子の検出方法としては、上述のような金コロイドを利用した光学的検出法が好適であるが、光褪色、バックグラウンドノイズなどに配慮した上で、蛍光色素(例えばFITC、RITC、NBD、Cy3、Cy5など)の蛍光を測定する手法、あるいは酵素と発色基質または化学発光基質との反応(例えば西洋わさびパーオキシダーゼ(HRP)およびテトラメチルベンジジン(TMB)など)による測定手法を利用することもできる。
〈用いられる試薬類〉
マイクロ流体チップの試薬収容部または反応部には、目的とする反応方法や検出方法に応じた必要な試薬類が予め所定の量だけ収容されていることが望ましい。このようなマイクロ流体チップは、使用時にその都度、試薬を必要量充填する必要はなく、即使用可能の状態になっている。試薬類の収容は、マイクロ流体チップの製造時に、例えば試薬収容部の上面に設けられた試薬収容部と連通している試薬注入部から行うことができ、その後、蒸発、漏失、気泡の混入、汚染、変性などを防止するために密封処理がなされる。
また、ビオチン親和性タンパク質を検出部の微細流路表面へ固定化することは、特別な化学的処置を必要とせずに行うことができる。例えば、ストレプトアビジンをSSC緩衝液または生理食塩水に溶解して10〜35μg/mL、好ましくは20〜30μg/mLの濃度の溶液を調製し、マイクロ流体チップの製造時にこれをポリスチレン基板の表面に形成された微細流路(検出部)に適用することにより、該ストレプトアビジンは吸着して固定化される。
〈流路の形態〉
本発明において、試薬収容部と検出部とを連通する流路の形態は特に限定されず、マイクロ流体チップ内に適切に配置されていればよい。
再び図2を参照しながら、流路のより具体的な態様の例について説明する。図2(a)は、試薬収容部21aおよび21bの試薬出口が、アナライトあるいはその処理液を検出部に送液するための流路の途中に直接接続されている。このような流路の接続方法は、流路面積を節約できるだけでなく、送液される液体の中に気泡が含まれることを防止することができるため、好ましい態様といえる。
一方、図2(b)の態様では、試薬収容部21aまたは21bに連通する流路の分岐点を処理液が通過した後、試薬収容部21aまたは21bから試薬が押し出され始めた場合、試薬収容部の出口と分岐点の途中にある空気が気泡として液体中に取り残される可能性がある。同様に図2(c)の態様も、検出部22が処理液で満たされた後に試薬収容部21aまたは21bから試薬が押し出され始めた場合に、試薬収容部の出口と検出部の途中にある空気が気泡として液体中に取り残される可能性がある。
送液される液体中の気泡は、送液または検出に悪影響を及ぼすおそれがあり、例えば検出部に小さな気泡が入ったとたん送液がうまくいかなくなる場合がある。特に加熱領域の近辺では、熱により気泡が膨張する懸念もあるため十分に注意する必要がある。流路および検出部に気泡が入っても問題がない系であれば、図2(b)または(c)のような態様の流路であっても構わない。
〈遺伝子増幅反応〉
マイクロ総合分析システムにおける遺伝子増幅方法としては、例えば、改良点も含めて各種文献などに記載され、多方面で盛んに利用されているPCR法を使用することができる。PCR法では3つの温度間で昇降させる温度管理が必要になるが、適切な装置を使用してマイクロ流体チップの温度制御を行えばよい。マイクロ流体チップの微細流路においては熱サイクルを高速に切り替えることが可能であり、遺伝子の増幅を手作業で行うよりもはるかに短時間で行うことができる。また、近年開発されたICAN法(Isothermal chimera primer initiated nucleic acid amplification:タカラバイオ(株)、登録商標)は、50〜65℃における任意の一定温度の下に遺伝子増幅を短時間で実施できるため(特許第3433929号)、本発明システムにおいても用いることのできる好適な増幅技術である。
システム装置本体
図3は、マイクロ流体チップ2とともに、システム装置本体に内蔵された装置類を示す
図である。システム装置本体1は、例えば、加熱部材5と、駆動液タンク8と、駆動液送液
用のマイクロポンプおよびチップ接続部を有するマイクロポンプユニット9と、それらの
送液、温度、反応の各制御に関わる制御装置と、光学検出系(光源3、光検出器4など)を含む光学検出装置などとをコンポーネントとして備えている。これらのコンポーネントはいずれも小型化され、システム装置本体1は持ち運びにも便利な形態であることが望まし
い。これにより、場所および時間に制約されずにマイクロ総合分析システムによる分析を
行うことが可能であり、その作業性、操作性も良好なものとなる。
マイクロポンプは通常システム装置本体1の内部に配置され、例えば、複数のマイクロ
ポンプが1枚の基板上にフォトリソグラフィー技術により形成されたチップ状のポンプユニットとしてシステム装置本体に組み込まれていてもよい。このようなマイクロポンプユニット9は、マイクロ流体チップ2に連通させるための流路開口(ポート)を有するチップ接続部と、駆動液タンク8との接続部とを有する。マイクロ流体チップ2をシステム装置本体1に装着し、所定の形態で重ね合わせることにより、該チップのポンプ接続部とマイク
ロポンプユニット9の接続部とが連結し、両者の流路が連通するようになっている。この
流路を通じてマイクロポンプユニット9から送液される駆動液により、マイクロ流体チッ
プ2の検体および試薬類は微細流路内を送液される。なお、別の態様として、マイクロポ
ンプそのものをマイクロ流体チップ上に組み込むことも可能である。特にチップ上の流路が比較的単純であり、繰り返し使用を前提とするような目的または用途、例えば化学合成反応用のチップとする場合にはこの形態を採り得る。
マイクロポンプとしては、アクチュエータを設けた弁室の流出入孔に逆止弁を設けた逆止弁型のポンプなど各種のものが使用できるが、高精度の液量およびタイミングで送液することが可能なピエゾポンプを用いることが好適である。このピエゾポンプおよびそれを用いたシステムを本発明者らはすでに提案しており、その詳細は特開2001-322099号公報
、特開2004-108285号公報、特開2004-270537号公報などを参照することができる。
図4(a)は、上記のピエゾポンプの一例を示した断面図、図4(b)は、その上面図である。このピエゾポンプは、概略すると、流路抵抗が差圧に応じて変化する第1流路46と、差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合が第1流路よりも小さい第2流路47と、第1流路および第2流路の中間に位置しこれらに連通する加圧室45と、該加圧室45の内部圧力を変化させるアクチュエータ(圧電素子)44と、該アクチュエータを駆動する駆動装置(図示せず)とを備えている。また、第1流路46の加圧室45とは反対の側に位置する第1液室48は、駆動液の「リザーバ」であり、開口を介して駆動液タンクに連通し、このタンクから駆動液が供給されている。第2流路47の加圧室45とは反対の側に位置する第2液室49は、マイクロポンプユニットの流路の一部を形成し、その流路の先にチップ接続部のポートがあり、マイクロ流体チップのポンプ接続部とつながる。
液体の送液方向、送液速度を制御は、ポンプの駆動電圧波形、電圧値、および周波数を変えることでできるようになっている。上記のピエゾポンプによる送液の機構は次の通りである。駆動装置により圧電素子44に印加し、加圧室45の内方向へ素早く振動板43を変位させて大きな差圧を与えながら加圧室45の体積を減少させ、次いで加圧室45から外方向へゆっくり振動板43を変位させて小さい差圧を与えながら加圧室45の体積を増加させると、液体は上記の第1流路46から第2流路47の方向(順方向)へ送液される。逆に、加圧室45の外方向へ素早く振動板43を変位させて大きい差圧を与えながら加圧室45の体積を増加させ、次いで加圧室45から内方向へとゆっくり振動板43を変位させて小さい差圧を与えながら加圧室45の体積を減少させると、液体は上記の第2流路47から第1流路46の方向(逆方向)へ送液される。
光学的検出装置は、可視分光法、蛍光測光法などの検出方法に応じた態様を取りうるが、例えば可視分光法が適用される場合、光を照射する光源3(LEDなど)、透過光また
は反射光などを受光する光検出器4(フォト(ホト)ダイオードなど)、必要に応じてレン
ズ、光電子増倍菅、CCDカメラなどをその構成要素とすることができる。
加熱部材5は、マイクロ流体チップの特定の部位(例えば反応工程が行われる微細流路
など)に当接し、これらの部位の加熱を行う。加熱部材としては各種のヒーターを用いる
ことができる。また、加熱部材5は、マイクロ流体チップの任意の場所に移動し、当接お
よび離脱の運動を行うための適切な手段を備えていることが望ましい。
マイクロポンプユニット9、光学検出装置などの各コンポーネントは、制御装置等の手
段によりそれぞれの機能が制御される。なお、制御手段はコンポーネントと一体的であってもよく、別途にシステム装置本体1の内部に組み込まれていてもよい。また、一つの制
御手段が複数のコンポーネントの機能を統合して制御してもよく、システム全体を統括的に制御支配するようにしてもよい。
例えば、マイクロポンプの制御手段は、送液の順序、容量、タイミングなどが適切に行われるために、それに応じた駆動電圧をマイクロポンプに供給するよう電気系統を制御する。光学検出装置の制御装置であれば、光の照射方法などの制御だけでなく、さらに測定データの処理や記録などの機能を併せて受け持つことが望ましい。このような動作のための諸条件は、あらかじめプログラムの内容として設定しておき、マイクロ総合分析システムに搭載されたマイクロコンピュータ等のソフトウェアに従って制御を行うことができる。
図1は、マイクロ流体チップに加熱部材を当接させ反応部を加熱する一実施形態を示す断面図である。 図2は、遺伝子検査用のマイクロ流体チップにおける反応部および試薬収容部の周辺を示す上面図である。 図3は、マイクロ流体チップ2とともに、システム装置本体に内蔵された装置類を示す図である。 図4(a)は、ピエゾポンプの一例を示した断面図、図4(b)は、その上面図である。
符号の説明
1 システム装置本体
2 マイクロ流体チップ
3 光源(LED)
4 光検出器(フォトダイオード)
5 加熱部材
8 駆動液タンク
9 マイクロポンプユニット
12 ポンプ接続部
15 微細流路
21,21a,21b 試薬収容部
22 検出部
31 反応部
32 加熱領域
38 溝形成基板
39 被覆基板
40 マイクロポンプ(ピエゾポンプ)
41 基板
42 基板
43 振動板
44 アクチュエータ(圧電素子)
45 加圧室
46 第1流路
47 第2流路
48 第1液室
49 第2液室

Claims (7)

  1. 試薬を収容するための試薬収容部、
    上記試薬とアナライトとの所定の反応処理が行われる反応部、ならびに
    上記試薬および上記アナライトを上記反応部に送液するための流路
    を少なくとも備えた微細流路を有し、
    上記反応部は別途の加熱部材をチップに当接させることにより加熱されるマイクロ流体チップであって、
    上記試薬収容部と、加熱部材を当接させるチップ表面上の領域との距離がチップの厚みの3倍以上であることを特徴とするマイクロ流体チップ。
  2. 第1の試薬(試薬1)が収容されている反応部にアナライトが送液され、上記試薬1とアナライトとが反応する第1の反応(反応1)が起き、
    次いで、試薬収容部に収容された第2の試薬(試薬2)が反応部に送出され、上記反応1による生成物と該試薬2とが反応する第2の反応(反応2)が起き、
    必要に応じて、試薬収容部に収容された第3の試薬(試薬3)が反応部に送出され、上記反応2による生成物と該試薬3とが反応する第3の反応(反応3)がさらに起きてもよい、
    分析に用いられ、上記反応1または2は、反応部を予め定められた温度に加熱することにより促進されるものであることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ流体チップ。
  3. 上記試薬1は流路壁面に固定化されたビオチン親和性タンパク質であり、上記試薬1と結合しうるアナライトはビオチンで標識されていることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロ流体チップ。
  4. 上記アナライトはDNAもしくはRNAまたは抗原部位を有する物質であり、
    上記試薬2は、該DNAもしくはRNAと相補的な塩基配列を有するDNAもしくはRNAからなるプローブ、または該抗原に対する抗体からなるプローブであることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロ流体チップ。
  5. 上記試薬3は、上記試薬2に結合しうる物質で修飾された金コロイド試薬であることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロ流体チップ。
  6. 上記試薬1、試薬2および試薬3の少なくとも1以上が分析開始以前に予め収容された状態にあることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載のマイクロ流体チップ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロ流体チップと、システム装置本体とを備えたマイクロ総合分析システムであって、
    該システム装置本体は、少なくとも、
    該チップに連通させるための流路開口を有するチップ接続部およびマイクロポンプとを含むマイクロポンプユニットと、上記マイクロ流体チップと当接しうる加熱部材と、反応部における反応生成物を検出するための光学的検出装置と、該マイクロポンプユニット、該加熱部材および該光学的検出装置の機能を制御する手段とを備え、
    該マイクロポンプは、
    流路抵抗が差圧に応じて変化する第1流路と、差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合が第1流路よりも小さい第2流路と、第1流路および第2流路に接続された加圧室と、該加圧室の内部圧力を変化させるアクチュエータと、該アクチュエータを駆動する駆動装置とを備えるマイクロポンプである
    ことを特徴とするマイクロ総合分析システム。
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