JP4517909B2 - マイクロ総合分析システム - Google Patents
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ンサーなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されている。
本発明者らは、遺伝子増幅反応およびその検出に好適なマイクロ総合分析システムを既に提案している(特許文献1〜6)。
具体的には、特許文献7、8に開示された構成を有するピエゾ素子を用いたポンプなどをチップに複数設けたマイクロポンプユニットと、検査チップとを、例えば互いの流路開口が合致するようにマイクロポンプユニットのチップ面と検査チップのチップ面とを密着させることによって、ポンプ側の流路と検査チップ側の流路とを連通させている。
本発明は、このような現状に鑑み、マイクロポンプユニットと検査チップとの接続部において充分な密着性を確実に確保でき、流路からの液漏れ、あるいはコンタミネーションの浸入を防止可能なマイクロ総合分析システムを提供することを目的とする。
検体または該検体を流路内で処理した処理液に含まれる測定対象の生体物質と、
試薬収容部に収容された試薬とを、
反応部位を構成する流路へ送液して合流させ、
これらを反応させた後、得られた反応生成物質もしくはその処理物質を、
検出部位を構成する流路へ送液して測定する一連の微細流路が設けられるとともに、
マイクロポンプに連通させるための流路開口を有するポンプ接続部が設けられた検査チップと、
システム本体と、を備え、
前記システム本体は、
ベース本体と、
複数のマイクロポンプと、
検査チップに連通させるための流路開口を有するチップ接続部と、が設けられ、
前記ベース本体内に配置されたマイクロポンプユニットと、を備え、
検査チップの前記ポンプ接続部とマイクロポンプユニットの前記チップ接続部とを液密に密着させた状態で検査チップをベース本体内に装着した後、該検査チップにおける生体物質と試薬との反応およびその検出を自動的に行うマイクロ総合分析システムであって、
前記ベース本体に、
検査チップの前記ポンプ接続部および/またはマイクロポンプユニットの前記チップ接続部を清掃するための清掃機構が設けられ、
検査チップの前記ポンプ接続部とマイクロポンプユニットの前記チップ接続部とを接続する前に、前記清掃機構により検査チップの前記ポンプ接続部および/またはマイクロポンプユニットの前記チップ接続部を清掃し、その後、検査チップの前記ポンプ接続部とマイクロポンプユニットの前記チップ接続部とを接続し、液密に密着させることを特徴とする。
前記清掃機構は、前記ベース本体内における検査チップとマイクロポンプユニットとの接続部の近傍に設けられていることが好ましい。
前記検査チップの微細流路内において生体物質と試薬とを反応させた後、検出部位を構成する流路においてその検出を光学的に行う検出装置と、
前記マイクロポンプによる送液を制御するポンプ制御装置と、
前記検査チップの所定部位における温度を制御する温度制御装置と、を備えていることが好ましい。
流路抵抗が差圧に応じて変化する第1流路と、
差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合が第1流路よりも小さい第2流路と、
第1流路および第2流路に接続された加圧室と、
該加圧室の内部圧力を変化させるアクチュエータと、
を備えるマイクロポンプであることが好ましい。
図1は、本発明のマイクロ総合分析システムの実施例を示した概略斜視図、図2は、図1のマイクロ総合分析システムのベース本体に検査チップを装着した状態を示したベース本体内部の概略図、図3は、図1のマイクロ総合分析システムの検査チップを示した概略斜視図である。
<検査チップ>
図3に概略を示した検査チップ50は、検体54を収容する検体収容部52と、試薬58が検査チップ50に予め封入された試薬収容部56と、これらの検体収容部52および試薬収容部56から下流側へ続く流路60を備えている。
そして、検査チップ50の流路60の途中には、図2に示したマイクロポンプと接続するためのポンプ接続部64が設けられている。
の部材を適宜組み合わせて作製される一枚のチップである。
好ましくは、検査チップ50の微細流路および躯体は、加工が容易であり安価であり、焼却廃棄が容易なプラスチック樹脂で形成される。
分析流路において、検体54と混合試薬とがY字流路などから合流して混合され、昇温等により反応が開始され、流路60に設けられた検出部位において反応が検出される。
その場合、検査チップ50の微細流路はPCR増幅に適した構成とされるが、遺伝子検査以外の生体物質についても基本的な流路構成はほぼ同一になるといえる。
当業者であれば、例えばイムノアッセイ法のために必要な試薬類などを検査チップ50に搭載し、若干の流路エレメントの変更、仕様の変更を含む修正を施すことにより、分析の種類を容易に変更することができる。
検査チップ50の好ましい一態様では、一つのチップ内において、検体もしくは検体から抽出したアナライト物質(例えばDNA)が注入される検体収容部と、
検体の前処理を行う検体前処理部と、
プローブ結合反応、検出反応(遺伝子増幅反応または抗原抗体反応なども含む)などに用いる試薬が収容される試薬収容部と、
ポジティブコントロールが収容されるポジティブコントロール収容部と、
ネガティブコントロールが収容されるネガティブコントロール収容部と、
プローブ(例えば、遺伝子増幅反応により増幅された検出対象の遺伝子にハイブリダイズさせるプローブ)が収容されるプローブ収容部と、
これらの各収容部に連通する微細流路と、
前記各収容部および流路内の液体を送液する別途のマイクロポンプに接続可能なポンプ接続部と、が設けられている。
検体収容部52の上面から検体を注入する検体注入部は、外部への漏失、感染および汚染を防ぎ、密封性を確保するために、ゴム状材質などの弾性体からなる栓が形成されているか、あるいはポリジメチルシロキサン(PDMS)などの樹脂、強化フィルムで覆われていることが望ましい。
前者の場合、ニードルを抜くとその針穴が直ちに塞がることが好ましい。
検体収容部52に注入された検体54は、必要に応じて、試薬58との混合前に、予め流路60に設けられた検体前処理部にて、例えば検体54と処理液とを混合することによって前処理される。
したがって検体前処理部は、分離フィルター、吸着用樹脂、ビーズなどを含んでもよい。
したがって使用時にその都度、試薬58を必要量充填する必要はなく、即使用可能の状態になっている。
例えば、検体に存在する抗原を分析する場合、それに対する抗体、好ましくはモノクローナル抗体を含有する試薬が使用される。
遺伝子検査用の試薬類には、遺伝子増幅に用いられる各種試薬、検出に使用されるプローブ類、発色試薬とともに、必要であれば前記の検体前処理に使用する前処理試薬も含めてもよい。
一例としては、試薬を含む2以上の液体を合流させる合流部(流路分岐点)から先に、各液が拡散混合される微細流路が設けられ、この微細流路の下流側端部から先に設けられた、該微細流路よりも広幅の空間からなる液溜めにおいて反応が行われる。
その増幅技術を実施するための諸条件が詳細に検討され、改良点も含めて各種文献などに記載されている。
これにより、熱サイクルが高速に切り替えられ、微細流路を熱容量の小さいマイクロ反応セルとしているため、DNA増幅は、手作業で行う従来の方式よりはるかに短時間で行うことができる。
primer initiated nucleic acid amplification)法は、50〜65℃における任意の一定温度の下にDNA増幅を短時間で実施できる特徴を有する(特許第3433929号)。
手作業では、1時間かかる本法は、本発明のバイオリアクタにおいては、10〜20分、好ましくは15分で解析まで終わる。
少なくともその検出部分は、光学的測定を可能とするために透明な材質、好ましくは透明なプラスチックとなっている。
分離されたアナライトまたは増幅された目的遺伝子のDNAを検出する方法は特に限定されないが、好ましい態様として基本的には以下の工程で行われる。
(1a) 検体もしくは検体から抽出したDNA、あるいは検体もしくは検体から抽出したRNAから逆転写反応により合成したcDNAと、5’位置でビオチン修飾したプライマーとを、これらの収容部から下流の微細流路へ送液する。
れと末端をFITC(fluorescein isothiocyanate)で蛍光標識したプローブDNAとをハイブリダイズさせる。
(1b) 検体に存在する抗原、代謝物質、ホルモンなどのアナライトに対する特異的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体を含有する試薬を検体と混合する。
したがって抗原抗体反応により得られる生成物は、ビオチンおよびFITCを有する。
これをビオチン親和性タンパク質(好ましくはストレプトアビジン)を吸着させた微細流路内の検出部位に送液し、ビオチン親和性タンパク質とビオチンとの結合を介して該検出部位に固定化する。
(2) 上記微細流路内にFITCに特異的に結合する抗FITC抗体で表面を修飾した金コロイド液を流し、これにより固定化したアナライト・抗体反応物のFITCに、あるいは遺伝子にハイブリダイズしたFITC修飾プローブに、その金コロイドを吸着させる。
(3) 上記微細流路の金コロイドの濃度を光学的に測定する。
<システム本体>
図1に示したように、ベース本体12には、その正面部分に、検査チップ50を内部に取り入れるための検査チップ出入口14と、ベース本体12内で行われる所定の検査結果を出力する表示部18とが設けられている。
ベース本体12の内部には、図2に示したように、チップ搬送トレイ22上に載置された検査チップ50における送液、反応、検出等を制御するための各種の装置が設けられている。
また、検査チップ50の検出部流路に存在する検出対象の物質を検知するために光を照射するLED40および透過した光を受光するホトダイオード42から成る検出装置44を備えている。
分析が開始されると、検体および試薬類の送液、混合に基づく遺伝子増幅、アナライトとプローブとの結合などの反応、反応物の検出および光学的測定が、一連の連続的工程として自動的に実施され、測定データが、必要な条件、記録事項とともにファイル内に格納され、生体物質の測定が自動的に行われる。
このシステム本体は、これに検査チップ50を装着することにより各検体サンプルに対して共通で使用される。
また、送液に使用するマイクロポンプユニット26が装置本体側に組み込まれているために、検査チップ50はディスポーサブルタイプとして好適に使用できる。
一方、検査チップ50にはマイクロポンプに連通させるための流路開口を有するポンプ接続部64が設けられており、検査チップ50のポンプ接続部とマイクロポンプユニット26のチップ接続部66とを液密に密着させることによって、マイクロポンプを検査チップ50の流路60へ連通させる。
れらが接続される。
上記のチップ接続部66またはポンプ接続部64には、例えばテフロン(登録商標)のような軟質の樹脂からなるシール部材を配置して、このシール部材のシール面を検査チップ50とマイクロポンプユニット26との接触面としてもよい。
このピエゾポンプは、概略すると、流路抵抗が差圧に応じて変化する第1流路と、差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合がこの第1流路よりも小さい第2流路と、これらの第1流路および第2流路に接続された加圧室と、該加圧室の内部圧力を変化させるアクチュエータと、を備えており、該アクチュエータを駆動することによって正方向および逆方向に送液可能なポンプである。
上記のピエゾポンプによれば、ポンプの駆動電圧および周波数を変えることによって、液体の送液方向、送液速度を制御することができる。
例えば、ポンプユニットの基板にポートを形成して、このポートを介して検査チップのポンプ接続部と連通させる。
また、検査チップと接続したポートとはポンプを介して反対側のポートには、駆動液タンクが接続される。マイクロポンプが複数個ある場合には、これらのポンプごとに設けられた複数のポートは共通の駆動液タンクに接続されていてもよい。
<送風装置>
図2において、チップ搬送トレイ22上に載置された状態で、ベース本体12内に挿入された検査チップ50は、ベース本体12内の所定位置で、マイクロポンプユニット26とポンプ接続部64において接続される。
そのため、本実施例では、マイクロポンプと検査チップ50とを接続する前の段階で、事前に送風装置32によって接触面に風を送り、接触面の液体および異物を吹き飛ばして
(あるいは乾燥させて)、接触面を清掃するようにしている。
例えば、送風装置32は、チップ搬送トレイ22に載置された検査チップ50のポンプ接続部側の表面に対して送風するように設置することができ、あるいはマイクロポンプユニット26のチップ接続部66側の表面に対して送風するように設置することができる。
<払拭装置>
さらに本実施例では、マイクロポンプと検査チップ50とを接続する前の段階で、事前に接触面を清掃するための機構として、ベース本体12の検査チップ50の検査チップ出入口14の上部に、検査チップ50の表面に付着した液体(例えば水分、検体など)、異物を除去する払拭装置16が設けられている。
上記のような清掃機構によって清掃が行われた後にマイクロポンプユニット26に装着された検査チップ50は、マイクロポンプによって送液制御され、温度制御装置38や検出装置44を用いて所定の検査が行われる。
図5は、本発明のマイクロ総合分析システムの払拭装置の他の実施例を示したものである。
拭シート巻装ロール47と、この払拭シート48を所定のタイミングで巻き取る巻取り装置46と、払拭シート巻装ロール47と巻取り装置46の間に設けられ払拭シート48を所定位置まで移動することのできる昇降装置49とを備えている。
このような払拭装置16は、検査チップ50のポンプ接続部64が昇降装置49の真下に来ると、昇降装置49がポンプ接続部64に向かって降下するよう構成されており、これに伴って払拭シート48が検査チップ50のポンプ接続部64まで降下し、ポンプ接続部64に付着した液体やコンタミネーションを払拭するよう構成されている。
このような吸水性樹脂は、好ましくはポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコール、さらに好ましくはポリビニルアルコール/ポリアクリル酸系の高吸収性ポリマー、デンプン/ポリアクリル酸グラフト系の高吸収性ポリマーなどの吸水性樹脂を使用することができる。
このようなスポンジの材質としては、特に限定されるものではないが、好ましくはポリウレタン、不織布、ナイロンなどから成るスポンジを用いると良い。
この際、払拭装置16全体が退避するよう構成されていてもよく、また昇降装置49のみが上昇して退避するように構成されていてもよい。
さらに、払拭シート巻装ロール47から取り出され、巻取り装置46により回収された使用済みの払拭シート48は、払拭シート巻装ロール47から全ての払拭シート48が巻取り装置46によって回収されると、巻取り装置46より外され廃棄処分されることとなる。
また、払拭装置16は図6に示したように、マイクロポンプユニット26のチップ接続部66を払拭するように構成してもよい。
なお、これら実施例においてポンプ接続部64やチップ接続部66の払拭動作は、検査チップ搬送トレイ22が作動することにより払拭がなされるよう構成されているが、何らこれに限定されるものではなく、払拭装置16が前後左右に作動することによりポンプ接続部64やチップ接続部66を払拭するよう構成してもよい。
12 ベース本体
14 検査チップ出入口
16 払拭装置
18 表示部
22 検査チップ搬送トレイ
26 マイクロポンプユニット
28 ポンプ制御装置
30 駆動液タンク
31 駆動液
32 送風装置
34 ペルチェ素子
36 ヒーター
38 温度制御装置
40 LED
42 ホトダイオード
44 検出装置
46 巻取り装置
47 払拭シート巻装ロール
48 払拭シート
49 昇降装置
50 検査チップ
52 検体収容部
54 検体
56 試薬収容部
58 試薬
60 流路
64 ポンプ接続部
66 チップ接続部
Claims (7)
- 検体または該検体を流路内で処理した処理液に含まれる測定対象の生体物質と、
試薬収容部に収容された試薬とを、
反応部位を構成する流路へ送液して合流させ、
これらを反応させた後、得られた反応生成物質もしくはその処理物質を、
検出部位を構成する流路へ送液して測定する一連の微細流路が設けられるとともに、
マイクロポンプに連通させるための流路開口を有するポンプ接続部が設けられた検査チップと、
システム本体と、を備え、
前記システム本体は、
ベース本体と、
複数のマイクロポンプと、
検査チップに連通させるための流路開口を有するチップ接続部と、が設けられ、
前記ベース本体内に配置されたマイクロポンプユニットと、を備え、
検査チップの前記ポンプ接続部とマイクロポンプユニットの前記チップ接続部とを液密に密着させた状態で検査チップをベース本体内に装着した後、該検査チップにおける生体物質と試薬との反応およびその検出を自動的に行うマイクロ総合分析システムであって、
前記ベース本体に、
検査チップの前記ポンプ接続部および/またはマイクロポンプユニットの前記チップ接続部を清掃するための清掃機構が設けられ、
検査チップの前記ポンプ接続部とマイクロポンプユニットの前記チップ接続部とを接続する前に、前記清掃機構により検査チップの前記ポンプ接続部および/またはマイクロポンプユニットの前記チップ接続部を清掃し、その後、検査チップの前記ポンプ接続部とマイクロポンプユニットの前記チップ接続部とを接続し、液密に密着させることを特徴とするマイクロ総合分析システム。 - 前記清掃機構が、
検査チップの前記ポンプ接続部および/またはマイクロポンプユニットの前記チップ接続部の表面における異物もしくは液体を払拭する払拭装置であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ総合分析システム。 - 前記清掃機構が、
検査チップの前記ポンプ接続部および/またはマイクロポンプユニットの前記チップ接続部の表面における異物もしくは液体を送風により除去する送風装置であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ総合分析システム。 - 前記清掃機構が、
前記ベース本体内に前記検査チップを導入するための検査チップ出入口に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマイクロ総合分析システム。 - 前記清掃機構が、
前記ベース本体内における検査チップとマイクロポンプユニットとの接続部の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマイクロ総合分析システム。 - 前記システム本体は、
前記検査チップの微細流路内において生体物質と試薬とを反応させた後、
検出部位を構成する流路においてその検出を光学的に行う検出装置と、
前記マイクロポンプによる送液を制御するポンプ制御装置と、
前記検査チップの所定部位における温度を制御する温度制御装置と、を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマイクロ総合分析システム。 - 前記マイクロポンプが、
流路抵抗が差圧に応じて変化する第1流路と、
差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合が第1流路よりも小さい第2流路と、
第1流路および第2流路に接続された加圧室と、
該加圧室の内部圧力を変化させるアクチュエータと、
を備えたマイクロポンプであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のマイクロ総合分析システム。
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