JP2002286736A - プローブ担体の製造方法およびプローブ担体の製造装置 - Google Patents
プローブ担体の製造方法およびプローブ担体の製造装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プローブ担体の製造方法及び製造装置におい
て、吐出口近傍に付着したDNAプローブ形成用溶液を
安定かつ簡便に除去する手段を提供すること。 【解決手段】 本発明の製造方法は、担体上に標識物質
に対して特異的に結合可能な複数種のプローブの各々
が、二次元アレイ状に固定されているプローブ担体の製
造方法であって、該製造方法が、それぞれのプローブを
含む複数のプローブ溶液を、前記複数種のプローブに対
応する個数の吐出口を備えたプローブ溶液吐出ヘッドを
用いて、該吐出口から担体上に付与する工程と、該プロ
ーブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除去する工程
とを具備し、該プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の
液滴を除去する工程が、前記吐出口の配列方向とほぼ垂
直方向に物理的に力を与えることにより行われる。本発
明はこの方法に用いる装置を提供する。
て、吐出口近傍に付着したDNAプローブ形成用溶液を
安定かつ簡便に除去する手段を提供すること。 【解決手段】 本発明の製造方法は、担体上に標識物質
に対して特異的に結合可能な複数種のプローブの各々
が、二次元アレイ状に固定されているプローブ担体の製
造方法であって、該製造方法が、それぞれのプローブを
含む複数のプローブ溶液を、前記複数種のプローブに対
応する個数の吐出口を備えたプローブ溶液吐出ヘッドを
用いて、該吐出口から担体上に付与する工程と、該プロ
ーブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除去する工程
とを具備し、該プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の
液滴を除去する工程が、前記吐出口の配列方向とほぼ垂
直方向に物理的に力を与えることにより行われる。本発
明はこの方法に用いる装置を提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、担体上にプローブ
担体(以下、プローブアレイとも称する)を製造する方
法、および、前記の製造方法の実施に利用されるプロー
ブ担体の製造装置に関する。より具体的には、担体上に
二次元アレイ状に配置されて固定されるプローブ担体の
製造方法および該プローブ担体の製造装置に関する。
担体(以下、プローブアレイとも称する)を製造する方
法、および、前記の製造方法の実施に利用されるプロー
ブ担体の製造装置に関する。より具体的には、担体上に
二次元アレイ状に配置されて固定されるプローブ担体の
製造方法および該プローブ担体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子DNAの塩基配列の解析、あるい
は、同時に多項目に関し、高信頼性で遺伝子診断などを
行う際、目的とする塩基配列を有するDNAを複数種の
プローブを用いて選別することが必要となる。この選別
作業に利用されるプローブを複数種提供する手段とし
て、DNAマイクロチップが注目を浴びている。また、
薬剤等のハイスループットスクリーニングやコンビナト
リアルケミストリーにおいても、対象となるタンパク質
や、薬物の溶液を多数(例えば、96、384、153
6種)並べ、秩序立ったスクリーニングを行うことが必
要となる。その目的で多数種の薬剤を配列するための手
法、その配列状態での自動化されたスクリーニング技
術、専用の装置、および、一連のスクリーニング操作を
制御し、結果を統計的に処理するためのソフトウェア等
も開発されてきている。
は、同時に多項目に関し、高信頼性で遺伝子診断などを
行う際、目的とする塩基配列を有するDNAを複数種の
プローブを用いて選別することが必要となる。この選別
作業に利用されるプローブを複数種提供する手段とし
て、DNAマイクロチップが注目を浴びている。また、
薬剤等のハイスループットスクリーニングやコンビナト
リアルケミストリーにおいても、対象となるタンパク質
や、薬物の溶液を多数(例えば、96、384、153
6種)並べ、秩序立ったスクリーニングを行うことが必
要となる。その目的で多数種の薬剤を配列するための手
法、その配列状態での自動化されたスクリーニング技
術、専用の装置、および、一連のスクリーニング操作を
制御し、結果を統計的に処理するためのソフトウェア等
も開発されてきている。
【0003】これら並列的なスクリーニング作業は、基
本的に、評価すべき物質に対して、選別する手段となる
既知のプローブを多数並べた、いわゆるプローブアレイ
を利用することで、同じ条件の下、プローブに対する作
用、反応などの有無を検出するものである。一般的に、
どのようなプローブに対する作用、反応を利用するかは
予め決定されており、従って、ひとつのプローブアレイ
に搭載されるプローブ種は、例えば、塩基配列の異なる
一群のDNAプローブなどのような、大きく区分すると
一種類の物質である。すなわち、一群のプローブに利用
される物質は、例えば、DNA、タンパク質、合成され
た化学物質(薬剤)などである。多くの場合、一群をな
すプローブ複数種からなるプローブアレイを用いること
が多いが、スクリーニング作業の性質によっては、プロ
ーブとして、同一の塩基配列を有するDNA、同一のア
ミノ酸配列を有するタンパク質、同一の化学物質などを
多数点並べ、アレイ状とした形態を利用することもあり
得る。これらは主として薬剤スクリーニング等に用いら
れる。
本的に、評価すべき物質に対して、選別する手段となる
既知のプローブを多数並べた、いわゆるプローブアレイ
を利用することで、同じ条件の下、プローブに対する作
用、反応などの有無を検出するものである。一般的に、
どのようなプローブに対する作用、反応を利用するかは
予め決定されており、従って、ひとつのプローブアレイ
に搭載されるプローブ種は、例えば、塩基配列の異なる
一群のDNAプローブなどのような、大きく区分すると
一種類の物質である。すなわち、一群のプローブに利用
される物質は、例えば、DNA、タンパク質、合成され
た化学物質(薬剤)などである。多くの場合、一群をな
すプローブ複数種からなるプローブアレイを用いること
が多いが、スクリーニング作業の性質によっては、プロ
ーブとして、同一の塩基配列を有するDNA、同一のア
ミノ酸配列を有するタンパク質、同一の化学物質などを
多数点並べ、アレイ状とした形態を利用することもあり
得る。これらは主として薬剤スクリーニング等に用いら
れる。
【0004】一群をなすプローブ複数種からなるプロー
ブアレイでは、具体的には、異なる塩基配列を有する一
群のDNA、異なるアミノ酸配列を有する一群のタンパ
ク質、または、異なる化学物質の一群について、その一
群を構成する複数種を、所定の配列順序に従って、アレ
イ状に基板上などに配置する形態をとることが多い。な
かでも、DNAプローブアレイは、遺伝子DNAの塩基
配列の解析や、同時に、多項目について、信頼性の高い
遺伝子診断を行う際などに用いられる。
ブアレイでは、具体的には、異なる塩基配列を有する一
群のDNA、異なるアミノ酸配列を有する一群のタンパ
ク質、または、異なる化学物質の一群について、その一
群を構成する複数種を、所定の配列順序に従って、アレ
イ状に基板上などに配置する形態をとることが多い。な
かでも、DNAプローブアレイは、遺伝子DNAの塩基
配列の解析や、同時に、多項目について、信頼性の高い
遺伝子診断を行う際などに用いられる。
【0005】この一群をなすプローブ複数種からなるプ
ローブアレイにおける課題のひとつは、できるだけ多種
類のプローブ、例えば、多種類の塩基配列を有するDN
Aプローブを一つの基板上に載せることである。換言す
るならば、如何に高密度にプローブをアレイ状に並べる
ことができるかが課題となる。
ローブアレイにおける課題のひとつは、できるだけ多種
類のプローブ、例えば、多種類の塩基配列を有するDN
Aプローブを一つの基板上に載せることである。換言す
るならば、如何に高密度にプローブをアレイ状に並べる
ことができるかが課題となる。
【0006】基板上にアレイ状にプローブ複数種を固定
する一つの方法として、米国特許第5,424,186
号公報に記載される、光分解性の保護基とフォトリソグ
ラフィーを用いた担体上でのDNAの逐次伸長反応によ
り、互いに異なる塩基配列を有するDNAプローブをア
レイ状に作製する手法を挙げることができる。この手法
を利用すると、例えば、1cm2当たり配列が異なる1
0000種類以上のDNAを搭載したDNAプローブア
レイの製造も可能である。なお、この手法では、逐次伸
長反応によりDNAを合成する際、4種の塩基(A,
T,C,G)毎に、それぞれ専用のフォトマスクを用い
てフォトリソグラフィー工程をおこない、アレイの所定
箇所に何れかの塩基を選択的に伸長させることで、所望
の塩基配列を有する複数種のDNAを所定の配列で基板
上に合成する。従って、DNAの鎖長が長くなると、製
造に要するコストは高くなり、また、長時間を要する。
加えて、各伸長段階における、ヌクレオチド合成の効率
は100%ではないため、設計した塩基配列に欠損を生
じたDNAの比率も大きくなる。さらに、合成の際、光
分解性の保護基を用いる場合、通常の酸分解性の保護基
を用いる場合と比べて合成効率が落ちるため、最終的に
得られるアレイにおいて、設計した塩基配列通りのDN
Aの占める割合が小さくなるという問題もある。
する一つの方法として、米国特許第5,424,186
号公報に記載される、光分解性の保護基とフォトリソグ
ラフィーを用いた担体上でのDNAの逐次伸長反応によ
り、互いに異なる塩基配列を有するDNAプローブをア
レイ状に作製する手法を挙げることができる。この手法
を利用すると、例えば、1cm2当たり配列が異なる1
0000種類以上のDNAを搭載したDNAプローブア
レイの製造も可能である。なお、この手法では、逐次伸
長反応によりDNAを合成する際、4種の塩基(A,
T,C,G)毎に、それぞれ専用のフォトマスクを用い
てフォトリソグラフィー工程をおこない、アレイの所定
箇所に何れかの塩基を選択的に伸長させることで、所望
の塩基配列を有する複数種のDNAを所定の配列で基板
上に合成する。従って、DNAの鎖長が長くなると、製
造に要するコストは高くなり、また、長時間を要する。
加えて、各伸長段階における、ヌクレオチド合成の効率
は100%ではないため、設計した塩基配列に欠損を生
じたDNAの比率も大きくなる。さらに、合成の際、光
分解性の保護基を用いる場合、通常の酸分解性の保護基
を用いる場合と比べて合成効率が落ちるため、最終的に
得られるアレイにおいて、設計した塩基配列通りのDN
Aの占める割合が小さくなるという問題もある。
【0007】また、担体上で直接合成した生成物をその
まま使用するものであるため、設計した塩基配列通りの
DNAから欠損のある塩基配列を有するDNAを精製分
別により取り除くことは勿論不可能である。その他に、
最終的に得られるアレイにおいて、基板上に合成されて
いるDNAの塩基配列を確認することができないという
問題もある。これは仮に、工程上のミスなどにより、あ
る伸長段階で所定の塩基の伸長がほとんどなされず、全
くの不良品であった場合、この不良品プローブアレイを
用いたスクリーニングは、誤った結果を与えるが、それ
を未然に防止する術が全くないことを意味している。こ
の塩基配列を確認することができないということが、こ
の手法における最大かつ本質的な問題である。
まま使用するものであるため、設計した塩基配列通りの
DNAから欠損のある塩基配列を有するDNAを精製分
別により取り除くことは勿論不可能である。その他に、
最終的に得られるアレイにおいて、基板上に合成されて
いるDNAの塩基配列を確認することができないという
問題もある。これは仮に、工程上のミスなどにより、あ
る伸長段階で所定の塩基の伸長がほとんどなされず、全
くの不良品であった場合、この不良品プローブアレイを
用いたスクリーニングは、誤った結果を与えるが、それ
を未然に防止する術が全くないことを意味している。こ
の塩基配列を確認することができないということが、こ
の手法における最大かつ本質的な問題である。
【0008】前記の手法とは別な方法として、プローブ
用のDNAを予め合成、精製し、場合によってはその塩
基長を確認した上で、各DNAをマイクロディスペンサ
ーのようなデバイスにより基板上に供給し、プローブア
レイを製造する手法も提案されている。国際公開公報W
O95/355O5号には、キャピラリーを用いて、D
NAをメンブラン上へ供給する手法が記載されている。
この手法を適用すると、原理的には、1cm2当たり1
000個程度のDNAアレイの製造が可能である。基本
的には、各プローブ毎に一本のキャピラリー状ディスペ
ンスデバイスでプローブ溶液を基板上の所定位置へ供給
し、その作業を繰り返すことで、プローブアレイを製造
する手法である。各プローブ毎に専用のキャピラリーを
用意すれば、問題はないが、仮に、少数のキャピラリー
を用いて、同じ作業を行おうとすれば、相互汚染を防止
するため、プローブ種を入れ替える際、キャピラリーを
十分に洗浄する必要がある。また、供給する位置もその
度毎に制御する必要がある。従って、多種類のプローブ
を高密度に配列するアレイの製造に適している手法とは
いえない。加えて、プローブ溶液の基板への供給は、キ
ャピラリー先端を基板にタッピングして行うため、再現
性信頼性も完全とはいえない。
用のDNAを予め合成、精製し、場合によってはその塩
基長を確認した上で、各DNAをマイクロディスペンサ
ーのようなデバイスにより基板上に供給し、プローブア
レイを製造する手法も提案されている。国際公開公報W
O95/355O5号には、キャピラリーを用いて、D
NAをメンブラン上へ供給する手法が記載されている。
この手法を適用すると、原理的には、1cm2当たり1
000個程度のDNAアレイの製造が可能である。基本
的には、各プローブ毎に一本のキャピラリー状ディスペ
ンスデバイスでプローブ溶液を基板上の所定位置へ供給
し、その作業を繰り返すことで、プローブアレイを製造
する手法である。各プローブ毎に専用のキャピラリーを
用意すれば、問題はないが、仮に、少数のキャピラリー
を用いて、同じ作業を行おうとすれば、相互汚染を防止
するため、プローブ種を入れ替える際、キャピラリーを
十分に洗浄する必要がある。また、供給する位置もその
度毎に制御する必要がある。従って、多種類のプローブ
を高密度に配列するアレイの製造に適している手法とは
いえない。加えて、プローブ溶液の基板への供給は、キ
ャピラリー先端を基板にタッピングして行うため、再現
性信頼性も完全とはいえない。
【0009】その他の手法として、基板上においてDN
Aの固相合成を行う際、各伸長段階毎に、インクジェッ
ト法により合成に必要な物質の溶液を基板上に供給する
手法も提案されている。例えば、欧州特許公告公報EP
0703825B1号には、DNAの固相合成において
利用される、ヌクレオチドモノマー、および、アクティ
ベ−ターをそれぞれ別のピエゾジェットノズルより供給
することにより、それぞれ所定の塩基配列を有するDN
A複数種を固相合成する方法が記載されている。このイ
ンクジェット法による供給(塗布)は、上記キャピラリ
ーを用いた溶液の供給(塗布)に比べ、供給量の再現性
など信頼性も高く、また、ノズルの構造も微細化が可能
なものであり、プローブアレイの高密度化には適した特
徴を有している。しかしながら、この手法も、基本的に
は、基板上でのDNAの逐次伸長反応を応用するものな
ので、先に述べた米国特許第5,424,186号公報
に記載される手法における最大の課題である、基板上に
合成されているDNAの塩基配列を確認することができ
ないなどの問題点は依然として残っている。各伸長段階
毎に、専用のマスクを用いるフォトリソグラフィーの工
程を行うという煩雑さは解消されるものの、プローブア
レイに不可欠な要件である、各ポイントに所定のプロー
ブが固定されているという点に、若干の問題を含むもの
である。なお、前記EP0,703,825B1号公報
には、単独に形成されたピエゾジェットノズルを複数個
使用する方法しか記載されておらず、この少数のノズル
を用いる際には、前述のキャピラリーを用いる手法と同
様に、高密度のプローブアレイ製造には必ずしも適して
いるとはいえない。
Aの固相合成を行う際、各伸長段階毎に、インクジェッ
ト法により合成に必要な物質の溶液を基板上に供給する
手法も提案されている。例えば、欧州特許公告公報EP
0703825B1号には、DNAの固相合成において
利用される、ヌクレオチドモノマー、および、アクティ
ベ−ターをそれぞれ別のピエゾジェットノズルより供給
することにより、それぞれ所定の塩基配列を有するDN
A複数種を固相合成する方法が記載されている。このイ
ンクジェット法による供給(塗布)は、上記キャピラリ
ーを用いた溶液の供給(塗布)に比べ、供給量の再現性
など信頼性も高く、また、ノズルの構造も微細化が可能
なものであり、プローブアレイの高密度化には適した特
徴を有している。しかしながら、この手法も、基本的に
は、基板上でのDNAの逐次伸長反応を応用するものな
ので、先に述べた米国特許第5,424,186号公報
に記載される手法における最大の課題である、基板上に
合成されているDNAの塩基配列を確認することができ
ないなどの問題点は依然として残っている。各伸長段階
毎に、専用のマスクを用いるフォトリソグラフィーの工
程を行うという煩雑さは解消されるものの、プローブア
レイに不可欠な要件である、各ポイントに所定のプロー
ブが固定されているという点に、若干の問題を含むもの
である。なお、前記EP0,703,825B1号公報
には、単独に形成されたピエゾジェットノズルを複数個
使用する方法しか記載されておらず、この少数のノズル
を用いる際には、前述のキャピラリーを用いる手法と同
様に、高密度のプローブアレイ製造には必ずしも適して
いるとはいえない。
【0010】また、特開平11−187900号公報に
は、プローブを含む液体をサーマルインクジェットヘッ
ドにより液滴として固相に付着させて、プローブを含む
スポットを固相上に形成する方法が開示されているが、
使用されているインクジェットヘッドが、一般のプリン
タ用のヘッドであるため、プローブアレイを製造するに
あたり最適な構造とは言いがたい。以下にこの点に関し
て詳しく説明する。
は、プローブを含む液体をサーマルインクジェットヘッ
ドにより液滴として固相に付着させて、プローブを含む
スポットを固相上に形成する方法が開示されているが、
使用されているインクジェットヘッドが、一般のプリン
タ用のヘッドであるため、プローブアレイを製造するに
あたり最適な構造とは言いがたい。以下にこの点に関し
て詳しく説明する。
【0011】従来のインクジェットヘッドは、文字や画
像の印刷のために開発された手法である。従って、使わ
れる溶液はモノクロ(一般的には黒)印刷の場合には一
色(黒)のインク、カラー印刷の場合には、一般的に、
色の三原色、すなわち、イエロー(Y)、シアン
(C)、マゼンタ(M)の3色のインクとなる。カラー
印刷の場合には必要により、黒、または、Y、M、C、
の濃淡インクを使用する場合があるが、多くても10種
類以上のインクを使用することはない。
像の印刷のために開発された手法である。従って、使わ
れる溶液はモノクロ(一般的には黒)印刷の場合には一
色(黒)のインク、カラー印刷の場合には、一般的に、
色の三原色、すなわち、イエロー(Y)、シアン
(C)、マゼンタ(M)の3色のインクとなる。カラー
印刷の場合には必要により、黒、または、Y、M、C、
の濃淡インクを使用する場合があるが、多くても10種
類以上のインクを使用することはない。
【0012】また、紙面への印刷には多量のインクを用
いるため、従来のインクジェットプリンティング用のヘ
ッドには、十分な容量を有するインクを充填するための
タンク(リザーバー)と、インクをノズルへ導く流路
と、インクを吐出するためのノズルが具備されている。
いるため、従来のインクジェットプリンティング用のヘ
ッドには、十分な容量を有するインクを充填するための
タンク(リザーバー)と、インクをノズルへ導く流路
と、インクを吐出するためのノズルが具備されている。
【0013】これに対し、プローブアレイ製造用のイン
クジェットヘッドは、これまで説明したように、出来る
だけ多くの種類の液体を吐出させることが望まれる。複
数の吐出口を有するヘッドがあった場合、複数の吐出口
と同数のこれら複数の吐出口と一対一に対応した溶液の
リザーバーを有するヘッドが望ましい。
クジェットヘッドは、これまで説明したように、出来る
だけ多くの種類の液体を吐出させることが望まれる。複
数の吐出口を有するヘッドがあった場合、複数の吐出口
と同数のこれら複数の吐出口と一対一に対応した溶液の
リザーバーを有するヘッドが望ましい。
【0014】またプローブアレイとしては、所定の場所
に所望の量が固定されていることが望ましい。また診断
時のエラーを防止するためにも所定の場所には必要なD
NAプローブのみが固定されていることが望ましい。
に所望の量が固定されていることが望ましい。また診断
時のエラーを防止するためにも所定の場所には必要なD
NAプローブのみが固定されていることが望ましい。
【0015】ゆえに、プローブアレイ製造用の方法、装
置としては、複数の吐出口とそれらに1対1に対応した
DNAプローブ形成用溶液を混液させないで安定的に吐
出形成する方法、装置であることを望ましい。
置としては、複数の吐出口とそれらに1対1に対応した
DNAプローブ形成用溶液を混液させないで安定的に吐
出形成する方法、装置であることを望ましい。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、DNA
プローブを高い密度で多数のプローブを安定的に量産を
行う場合、量産を行っている途中において吐出状況の変
化が見られ、結果的に2次元アレイ状のプローブアレイ
のプローブ位置や量にばらつきが発生している。そのた
めに、連続稼動は困難であり、装置清掃が頻繁に発生す
る。
プローブを高い密度で多数のプローブを安定的に量産を
行う場合、量産を行っている途中において吐出状況の変
化が見られ、結果的に2次元アレイ状のプローブアレイ
のプローブ位置や量にばらつきが発生している。そのた
めに、連続稼動は困難であり、装置清掃が頻繁に発生す
る。
【0017】また、装置を止めた後、再稼動した直後
は、更にプローブの位置や量のばらつきが大きくなり、
しばらくの間2次元アレイ状に吐出する前に別な場所で
予備吐出する等の機構、方法を行う必要がある。そのた
めに装置の稼働率が低下し、量産性コストに影響を与え
る。
は、更にプローブの位置や量のばらつきが大きくなり、
しばらくの間2次元アレイ状に吐出する前に別な場所で
予備吐出する等の機構、方法を行う必要がある。そのた
めに装置の稼働率が低下し、量産性コストに影響を与え
る。
【0018】このように、高密度且つ多数のDNAプロ
ーブを安定的に量産を行う場合、プローブの位置や量の
ばらつき、1つのDNAプローブ内に別の複数の異なる
DNAプローブが固着する問題が発生するがゆえに、1
つの装置でDNAプローブ性能として十分なプローブを
大量につくれない課題がある。
ーブを安定的に量産を行う場合、プローブの位置や量の
ばらつき、1つのDNAプローブ内に別の複数の異なる
DNAプローブが固着する問題が発生するがゆえに、1
つの装置でDNAプローブ性能として十分なプローブを
大量につくれない課題がある。
【0019】本発明は前記の課題を解決するもので、本
発明の目的は、吐出口からの吐出状態を不安定とならし
める吐出口近傍に付着した不要なDNAプローブ形成用
溶液を除去し、更に異なるDNAプローブ形成用溶液の
混液を防止するプローブアレイの製造方法と製造装置を
提供することである。これにより、二次元アレイを用い
たDNA診断の信頼性を向上させることができる。
発明の目的は、吐出口からの吐出状態を不安定とならし
める吐出口近傍に付着した不要なDNAプローブ形成用
溶液を除去し、更に異なるDNAプローブ形成用溶液の
混液を防止するプローブアレイの製造方法と製造装置を
提供することである。これにより、二次元アレイを用い
たDNA診断の信頼性を向上させることができる。
【0020】より具体的には、吐出口近傍に付着したD
NAプローブ形成用溶液を安定に取り除くことができ、
且つ溶液同士が混液しない吐出口近傍のクリーニング方
法、およびこのクリーニング機構をもつプローブアレイ
の製造装置を提供すること、および、この装置により、
より高い再現性で、多数枚の担体に対しても簡便にプロ
ーブアレイの製造を行えるプローブアレイの新規な製造
方法を提供することにある。
NAプローブ形成用溶液を安定に取り除くことができ、
且つ溶液同士が混液しない吐出口近傍のクリーニング方
法、およびこのクリーニング機構をもつプローブアレイ
の製造装置を提供すること、および、この装置により、
より高い再現性で、多数枚の担体に対しても簡便にプロ
ーブアレイの製造を行えるプローブアレイの新規な製造
方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下に説明
する本発明により解決される。本発明の第一は、担体上
に標識物質に対して特異的に結合可能な複数種のプロー
ブの各々が、二次元アレイ状に固定されているプローブ
担体の製造方法であって、該製造方法が、それぞれのプ
ローブを含む複数のプローブ溶液を、前記複数種のプロ
ーブに対応する個数の吐出口を備えたプローブ溶液吐出
ヘッドを用いて、該吐出口から、担体上に付与する工程
と、該プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除
去する工程とを具備し、該プローブ溶液吐出ヘッドの吐
出口近傍の液滴を除去する工程が、前記吐出口の配列方
向とほぼ垂直方向に物理的に力を与えることにより行わ
れることを特徴とするプローブ担体の製造方法である。
する本発明により解決される。本発明の第一は、担体上
に標識物質に対して特異的に結合可能な複数種のプロー
ブの各々が、二次元アレイ状に固定されているプローブ
担体の製造方法であって、該製造方法が、それぞれのプ
ローブを含む複数のプローブ溶液を、前記複数種のプロ
ーブに対応する個数の吐出口を備えたプローブ溶液吐出
ヘッドを用いて、該吐出口から、担体上に付与する工程
と、該プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除
去する工程とを具備し、該プローブ溶液吐出ヘッドの吐
出口近傍の液滴を除去する工程が、前記吐出口の配列方
向とほぼ垂直方向に物理的に力を与えることにより行わ
れることを特徴とするプローブ担体の製造方法である。
【0022】第一の発明の一態様では、前記液滴除去工
程が、エラストマー部材で掻き取ることにより行われる
ことを特徴とする。この態様では、エラストマー部材に
付着した溶液を除去する工程をさらに有することが好ま
しい。他の態様では、前記液滴除去工程が、吸湿防潤部
材で拭き取ることにより行われることを特徴とする。こ
の態様では、前記吸湿防潤部材として毎除去ごとに新た
な部材面を供給することが好ましい。さらに別の態様で
は、前記液滴除去工程が、前記吐出口近傍に気体を吹き
付けることにより液滴を取り除くことにより行われるこ
とを特徴とする。この態様では、前記吐出口近傍に吹き
付けた気体を、吐出口近傍で吸引することが好ましい。
程が、エラストマー部材で掻き取ることにより行われる
ことを特徴とする。この態様では、エラストマー部材に
付着した溶液を除去する工程をさらに有することが好ま
しい。他の態様では、前記液滴除去工程が、吸湿防潤部
材で拭き取ることにより行われることを特徴とする。こ
の態様では、前記吸湿防潤部材として毎除去ごとに新た
な部材面を供給することが好ましい。さらに別の態様で
は、前記液滴除去工程が、前記吐出口近傍に気体を吹き
付けることにより液滴を取り除くことにより行われるこ
とを特徴とする。この態様では、前記吐出口近傍に吹き
付けた気体を、吐出口近傍で吸引することが好ましい。
【0023】第一の発明では、所定液量の液滴として、
溶液の吐出口から吐出される前記プロープ溶液の量が
0.1ピコリットルから100ピコリットルの範囲であ
ることを特徴とする。また、第一の発明では、プローブ
担体の、担体上に塗布されるプローブ溶液の占める面積
が、0.01μm2〜40000μm2であることを特
徴とする。さらに第一の発明では、プローブ担体のプロ
ーブが、DNA、RNA、cDNA(コンプリメンタリ
ーDNA)、PNA、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレ
オチド、その他の核酸、オリゴペプチド、ポリペプチ
ド、タンパク質、酵素、酵素に対する基質、抗体、抗体
に対するエピトープ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプ
ター、リガンド、リガンドレセプター、オリゴ糖、多糖
よりなる群から選択されることを特徴とする。
溶液の吐出口から吐出される前記プロープ溶液の量が
0.1ピコリットルから100ピコリットルの範囲であ
ることを特徴とする。また、第一の発明では、プローブ
担体の、担体上に塗布されるプローブ溶液の占める面積
が、0.01μm2〜40000μm2であることを特
徴とする。さらに第一の発明では、プローブ担体のプロ
ーブが、DNA、RNA、cDNA(コンプリメンタリ
ーDNA)、PNA、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレ
オチド、その他の核酸、オリゴペプチド、ポリペプチ
ド、タンパク質、酵素、酵素に対する基質、抗体、抗体
に対するエピトープ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプ
ター、リガンド、リガンドレセプター、オリゴ糖、多糖
よりなる群から選択されることを特徴とする。
【0024】第一の発明の製造方法では、前記プローブ
溶液吐出ヘッドが、プローブ溶液に吐出のための熱エネ
ルギーを与える熱エネルギー発生体を備えることを特徴
とする。
溶液吐出ヘッドが、プローブ溶液に吐出のための熱エネ
ルギーを与える熱エネルギー発生体を備えることを特徴
とする。
【0025】本発明の第二は、担体上に標識物質に対し
て特異的に結合可能な複数種のプローブの各々が、二次
元アレイ状に固定されているプローブ担体の製造装置で
あって、該製造装置が、前記担体を搬送する搬送手段、
各プローブ溶液を収納する溶液リザーバー、前記リザー
バーに接続されるプローブ溶液吐出用の吐出口を、前記
複数種のプローブに対応する個数備えるプローブ溶液吐
出ヘッド、前記プローブ溶液吐出ヘッドから不要な液滴
を除去するための除去手段を具備し、前記除去手段が、
前記プローブ溶液吐出ヘッドの前記吐出口の配列方向と
ほぼ垂直方向に除去する機構を有することを特徴とする
プローブ担体である。第二の発明の一態様では、前記除
去手段がエラストマー部材で前記吐出口近傍の液滴を掻
き取る手段であることを特徴とする。この態様では、前
記エラストマー部材に付着した溶液を除去する手段をさ
らに有することが好ましい。第二の発明の第二の態様で
は、前記除去手段が、吸湿防潤部材で拭き取る手段であ
ることを特徴とする。この態様では、前記吸湿防潤部材
の部材面が、毎除去ごとに新たな部材面となるような、
新規部材面供給手段を有することが好ましい。第二の発
明の第三の態様では、前記除去手段が、前記吐出ヘッド
の吐出口近傍に気体を吹き付けることで液滴を取り除く
手段であることを特徴とする。この態様では、吐出ヘッ
ドブの吐出口近傍に吹き付けられた気体を、該吐出ヘッ
ドの吐出口近傍で吸引するための手段をさらに有するこ
とが好ましい。
て特異的に結合可能な複数種のプローブの各々が、二次
元アレイ状に固定されているプローブ担体の製造装置で
あって、該製造装置が、前記担体を搬送する搬送手段、
各プローブ溶液を収納する溶液リザーバー、前記リザー
バーに接続されるプローブ溶液吐出用の吐出口を、前記
複数種のプローブに対応する個数備えるプローブ溶液吐
出ヘッド、前記プローブ溶液吐出ヘッドから不要な液滴
を除去するための除去手段を具備し、前記除去手段が、
前記プローブ溶液吐出ヘッドの前記吐出口の配列方向と
ほぼ垂直方向に除去する機構を有することを特徴とする
プローブ担体である。第二の発明の一態様では、前記除
去手段がエラストマー部材で前記吐出口近傍の液滴を掻
き取る手段であることを特徴とする。この態様では、前
記エラストマー部材に付着した溶液を除去する手段をさ
らに有することが好ましい。第二の発明の第二の態様で
は、前記除去手段が、吸湿防潤部材で拭き取る手段であ
ることを特徴とする。この態様では、前記吸湿防潤部材
の部材面が、毎除去ごとに新たな部材面となるような、
新規部材面供給手段を有することが好ましい。第二の発
明の第三の態様では、前記除去手段が、前記吐出ヘッド
の吐出口近傍に気体を吹き付けることで液滴を取り除く
手段であることを特徴とする。この態様では、吐出ヘッ
ドブの吐出口近傍に吹き付けられた気体を、該吐出ヘッ
ドの吐出口近傍で吸引するための手段をさらに有するこ
とが好ましい。
【0026】第二の発明では、プローブ溶液吐出ヘッド
の吐出口から吐出されるプロープ溶液の量が、0.1ピ
コリットルから100ピコリットルの範囲であることを
特徴とする。さらに、第二の発明では、担体上に塗布さ
れるプローブ溶液の占める面積が、0.01μm2〜4
0000μm2であることを特徴とする。また、第二の
発明では、前記プローブ担体のプローブが、DNA、R
NA、cDNA(コンプリメンタリーDNA)、PN
A、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他の
核酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵
素、酵素に対する基質、抗体、抗体に対するエピトー
プ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプター、リガンド、
リガンドレセプター、オリゴ糖、多糖よりなる群から選
択されることを特徴とする。
の吐出口から吐出されるプロープ溶液の量が、0.1ピ
コリットルから100ピコリットルの範囲であることを
特徴とする。さらに、第二の発明では、担体上に塗布さ
れるプローブ溶液の占める面積が、0.01μm2〜4
0000μm2であることを特徴とする。また、第二の
発明では、前記プローブ担体のプローブが、DNA、R
NA、cDNA(コンプリメンタリーDNA)、PN
A、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他の
核酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵
素、酵素に対する基質、抗体、抗体に対するエピトー
プ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプター、リガンド、
リガンドレセプター、オリゴ糖、多糖よりなる群から選
択されることを特徴とする。
【0027】第二の発明の製造装置は、前記プローブ溶
液吐出ヘッドが、プローブ溶液に吐出のための熱エネル
ギーを与える熱エネルギー発生体を備えることを特徴と
する。
液吐出ヘッドが、プローブ溶液に吐出のための熱エネル
ギーを与える熱エネルギー発生体を備えることを特徴と
する。
【0028】本発明の第三は、上記プローブ担体の製造
方法により製造されたプローブ担体である。また、本発
明のプローブ担体は、プローブ担体の製造装置を用いて
製造されたプローブ担体である。
方法により製造されたプローブ担体である。また、本発
明のプローブ担体は、プローブ担体の製造装置を用いて
製造されたプローブ担体である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0030】本発明者らは、まず、プローブ溶液吐出ヘ
ッドの吐出口の汚染によるプローブアレイの製造で生じ
る不安定性の要因を鋭意検討した。その結果、下記の原
因を結論として導いた。
ッドの吐出口の汚染によるプローブアレイの製造で生じ
る不安定性の要因を鋭意検討した。その結果、下記の原
因を結論として導いた。
【0031】<現象&原因1>吐出口近傍へのDNAプ
ローブ成形用溶液の付着が吐出の不安定を引き起こす。
これは、付着した溶液が吐出口の穴の縁に達するとそち
ら側に吐出液滴はよれ、位置のばらつき要因を与えるた
めと考えられる。
ローブ成形用溶液の付着が吐出の不安定を引き起こす。
これは、付着した溶液が吐出口の穴の縁に達するとそち
ら側に吐出液滴はよれ、位置のばらつき要因を与えるた
めと考えられる。
【0032】<現象&原因2>吐出口からの吐出をしば
らく停止(プローブを固着させる担体を取り替える際)
した後、吐出を再開するとしばらくの間吐出が不安定に
なる。これは吐出口の穴表面のDNAプローブ形成溶液
の乾燥による溶液濃度(粘度)の変化が吐出量の変動を
与えるためと考えられる。
らく停止(プローブを固着させる担体を取り替える際)
した後、吐出を再開するとしばらくの間吐出が不安定に
なる。これは吐出口の穴表面のDNAプローブ形成溶液
の乾燥による溶液濃度(粘度)の変化が吐出量の変動を
与えるためと考えられる。
【0033】<現象&原因3>吐出されたDNA形成用
溶液の一部が非常に小さな霧状になって浮遊する。これ
は、一部が吐出口近傍の乾燥などにより吐出を不安定に
するか、または吐出されない問題が発生することに繋が
る。
溶液の一部が非常に小さな霧状になって浮遊する。これ
は、一部が吐出口近傍の乾燥などにより吐出を不安定に
するか、または吐出されない問題が発生することに繋が
る。
【0034】また、安定して吐出を行っている場合でも
吐出口近傍に付着したDNAプローブ成形用溶液が徐々
に成長し、振動などのきっかけで近傍の異なるDNAプ
ローブ成形用溶液と混ざる問題がある。
吐出口近傍に付着したDNAプローブ成形用溶液が徐々
に成長し、振動などのきっかけで近傍の異なるDNAプ
ローブ成形用溶液と混ざる問題がある。
【0035】このような状況が発生した場合、以下のこ
とが問題になる。
とが問題になる。
【0036】第一に、2次元プローブアレイに形成され
るDNAプローブの濃度が極端に変化する。最悪の場
合、DNAプローブのない領域が発生する。第二に、D
NAプローブを形成する位置がずれる。第三に、DNA
プローブが複数の異なったプローブにより構成される。
るDNAプローブの濃度が極端に変化する。最悪の場
合、DNAプローブのない領域が発生する。第二に、D
NAプローブを形成する位置がずれる。第三に、DNA
プローブが複数の異なったプローブにより構成される。
【0037】これらの問題が発生する結果、DNA診断
時のミスや、検査時間の増大が発生する危険性がある。
時のミスや、検査時間の増大が発生する危険性がある。
【0038】本発明者らは、前記課題の解決を図るべ
く、鋭意研究を進めた結果、以下のような知見を得た。
く、鋭意研究を進めた結果、以下のような知見を得た。
【0039】吐出不安定の要因として吐出口近傍に付着
したプローブ形成用溶液が連続吐出を繰り替えるうちに
徐々に成長し、吐出口まで成長したときに吐出方向に影
響を与える。
したプローブ形成用溶液が連続吐出を繰り替えるうちに
徐々に成長し、吐出口まで成長したときに吐出方向に影
響を与える。
【0040】吐出を一旦中止し、数秒以上経過したのち
再度吐出を開始した場合、開始直後の吐出量、方向性に
ばらつきが発生する。
再度吐出を開始した場合、開始直後の吐出量、方向性に
ばらつきが発生する。
【0041】吐出の中止時間が長くなった場合、吐出口
が乾き、吐出量、方向性のばらつきが大きくなる。最悪
の場合は吐出できないケースが発生する。
が乾き、吐出量、方向性のばらつきが大きくなる。最悪
の場合は吐出できないケースが発生する。
【0042】連続して吐出を繰り返していると吐出口近
傍に付着したプローブ形成用溶液が成長し、隣の異なっ
たプローブ形成用溶液と混液するケースが発生する。
傍に付着したプローブ形成用溶液が成長し、隣の異なっ
たプローブ形成用溶液と混液するケースが発生する。
【0043】これらを解決する手段として、プリンタで
用いているワイパーで吐出面に吸着したプローブ形成用
溶液を取り除くことを行った。
用いているワイパーで吐出面に吸着したプローブ形成用
溶液を取り除くことを行った。
【0044】しかし、この方法では、吐出安定性は解決
できる方向性を有してはいるが、異なるプローブ形成用
溶液同士の混液は発生した。この原因は、吐出口の並び
方向に対して若干斜めにワイピングしていたり、同じワ
イピング材料を用いているがために、使用中にどんどん
前記溶液が吸収され、拡散し、交じり合うことであるこ
とが判明した。
できる方向性を有してはいるが、異なるプローブ形成用
溶液同士の混液は発生した。この原因は、吐出口の並び
方向に対して若干斜めにワイピングしていたり、同じワ
イピング材料を用いているがために、使用中にどんどん
前記溶液が吸収され、拡散し、交じり合うことであるこ
とが判明した。
【0045】上記知見から、本発明にかかるプローブア
レイの製造方法は、二次元プローブアレイの製造に際
し、該プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除
去する工程を有し、該工程により液滴を除去する際に該
吐出口の配列方向とほぼ垂直方向に液滴を除去する。
レイの製造方法は、二次元プローブアレイの製造に際
し、該プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除
去する工程を有し、該工程により液滴を除去する際に該
吐出口の配列方向とほぼ垂直方向に液滴を除去する。
【0046】本発明のプローブアレイの製造方法では、
それぞれのプローブを含む複数のプローブ溶液を、前記
複数種のプローブに対応する個数の吐出口を備えたプロ
ーブ溶液吐出ヘッドを用いて、プローブ溶液吐出用吐出
口から、所定液量の液滴として、担体上に吐出して、二
次元アレイ状に塗布する塗布工程と、二次元アレイ状に
塗布された複数種のプローブ溶液に含まれる各プローブ
を担体上に固定する工程と、該プローブ溶液吐出ヘッド
の吐出口近傍の液滴を除去する工程とを具備する。これ
らの工程は、後述するプローブアレイの製造方法でさら
に詳しく説明する。本発明の製造方法は、プローブ溶液
吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除去する工程を具備す
る。この工程を以下に図面を参照して説明する。
それぞれのプローブを含む複数のプローブ溶液を、前記
複数種のプローブに対応する個数の吐出口を備えたプロ
ーブ溶液吐出ヘッドを用いて、プローブ溶液吐出用吐出
口から、所定液量の液滴として、担体上に吐出して、二
次元アレイ状に塗布する塗布工程と、二次元アレイ状に
塗布された複数種のプローブ溶液に含まれる各プローブ
を担体上に固定する工程と、該プローブ溶液吐出ヘッド
の吐出口近傍の液滴を除去する工程とを具備する。これ
らの工程は、後述するプローブアレイの製造方法でさら
に詳しく説明する。本発明の製造方法は、プローブ溶液
吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除去する工程を具備す
る。この工程を以下に図面を参照して説明する。
【0047】図1は、本発明のプローブ溶液吐出ヘッド
(以下では、単にヘッドとも称する。)の概略図であ
る。図1(A)は、プローブ溶液吐出ヘッド100の概
略斜視図である。図1(B)は、図1(A)のプローブ
溶液吐出ヘッドを側面(即ちx軸方向)から見た図であ
る。本発明のプローブ溶液吐出ヘッドは、ヘッド本体1
02と、プローブ溶液を貯蔵するプローブ溶液リザーバ
ー(図示せず)に接続されるプローブ溶液接続口104
を備える。また、吐出口105は、ヘッド本体102の
吐出口の面103側に設けられ、プローブ溶液が、この
吐出口面の吐出口105からプローブ溶液の液滴106
として、矢印108の方向(即ち図ではz軸方向)に吐
出される。
(以下では、単にヘッドとも称する。)の概略図であ
る。図1(A)は、プローブ溶液吐出ヘッド100の概
略斜視図である。図1(B)は、図1(A)のプローブ
溶液吐出ヘッドを側面(即ちx軸方向)から見た図であ
る。本発明のプローブ溶液吐出ヘッドは、ヘッド本体1
02と、プローブ溶液を貯蔵するプローブ溶液リザーバ
ー(図示せず)に接続されるプローブ溶液接続口104
を備える。また、吐出口105は、ヘッド本体102の
吐出口の面103側に設けられ、プローブ溶液が、この
吐出口面の吐出口105からプローブ溶液の液滴106
として、矢印108の方向(即ち図ではz軸方向)に吐
出される。
【0048】プローブ溶液は、プローブアレイの担体上
に塗布される試薬の数だけ設けられる。したがって、上
記吐出口105およびプローブ溶液接続口104は、こ
の試薬の数だけ設けられる。
に塗布される試薬の数だけ設けられる。したがって、上
記吐出口105およびプローブ溶液接続口104は、こ
の試薬の数だけ設けられる。
【0049】本発明では、吐出口面103に付着する不
要なプローブ溶液を、溶液除去手段により除去する。
要なプローブ溶液を、溶液除去手段により除去する。
【0050】図2は、本発明のプローブアレイの除去手
段の一実施形態を表す図である。本発明では、除去手段
を、吐出口面103に配置された吐出口105の配列方
向(即ち図2のx軸方向)と垂直な矢印方向110(図
のy方向)に移動することにより不要なプローブ溶液を
除去する。本発明では、前記除去手段は、プローブ溶液
の液滴を効果的に除去できる手段であれば特に限定され
ないが、プローブ溶液吐出ヘッド100の吐出口面10
3に物理的な力を与える手段が挙げられる。具体的に
は、以下の図3から図5に示す手段を好適に使用するこ
とができる。以下に好ましい態様を説明する。
段の一実施形態を表す図である。本発明では、除去手段
を、吐出口面103に配置された吐出口105の配列方
向(即ち図2のx軸方向)と垂直な矢印方向110(図
のy方向)に移動することにより不要なプローブ溶液を
除去する。本発明では、前記除去手段は、プローブ溶液
の液滴を効果的に除去できる手段であれば特に限定され
ないが、プローブ溶液吐出ヘッド100の吐出口面10
3に物理的な力を与える手段が挙げられる。具体的に
は、以下の図3から図5に示す手段を好適に使用するこ
とができる。以下に好ましい態様を説明する。
【0051】図3は、本発明におけるプローブアレイの
除去工程の他の実施形態を表す図である。
除去工程の他の実施形態を表す図である。
【0052】図3に示されるように、本発明の好ましい
一態様は、プローブ溶液吐出ヘッド100の吐出口面1
03を掻き取る掻き取り手段112である。具体的に
は、該掻き取り手段112は、エラストマー部材116
と、このエラストマー部材106を支持する支持体11
4からなる。また、支持体114は、掻き取りによりエ
ラストマー部材に付着したプローブ溶液の液滴を吸引す
るための吸引口118を備えており、これは吸引管12
0を介して吸引系(図示せず)に接続されている。吸引
系には、液滴をトラップするトラップ機構を備えた吸引
ポンプのような、従来のものを使用することができる。
一態様は、プローブ溶液吐出ヘッド100の吐出口面1
03を掻き取る掻き取り手段112である。具体的に
は、該掻き取り手段112は、エラストマー部材116
と、このエラストマー部材106を支持する支持体11
4からなる。また、支持体114は、掻き取りによりエ
ラストマー部材に付着したプローブ溶液の液滴を吸引す
るための吸引口118を備えており、これは吸引管12
0を介して吸引系(図示せず)に接続されている。吸引
系には、液滴をトラップするトラップ機構を備えた吸引
ポンプのような、従来のものを使用することができる。
【0053】本実施形態では、除去操作を行う際、プロ
ーブ溶液吐出ヘッド100を、除去手段の近傍に移動さ
せ、掻き取り手段112を駆動回路およびモータなど
(図示せず)によりプローブ吐出ヘッドの吐出口面10
3に接触するように配置し、掻き取り手段112を矢印
122の方向(図のy軸方向)に1回乃至数回移動さ
せ、吐出口面103をエラストマー部材で掻き取る。こ
の様子を図3では(a)から(b)の状態として示し
た。
ーブ溶液吐出ヘッド100を、除去手段の近傍に移動さ
せ、掻き取り手段112を駆動回路およびモータなど
(図示せず)によりプローブ吐出ヘッドの吐出口面10
3に接触するように配置し、掻き取り手段112を矢印
122の方向(図のy軸方向)に1回乃至数回移動さ
せ、吐出口面103をエラストマー部材で掻き取る。こ
の様子を図3では(a)から(b)の状態として示し
た。
【0054】本発明では、吸引口118から吸引を行
い、エラストマー部材に付着したプローブ溶液の液滴を
吸引することが好ましい。このように吸引することで、
プローブ溶液の液滴が吐出口面103に再付着するのを
防止することができる。
い、エラストマー部材に付着したプローブ溶液の液滴を
吸引することが好ましい。このように吸引することで、
プローブ溶液の液滴が吐出口面103に再付着するのを
防止することができる。
【0055】図4は、本発明のプローブアレイの除去方
法のさらに別の実施形態を表す図である。図4では、除
去工程が、吐出口面103または吐出口105へ気体を
吹き付けることにより行われる。即ち、本実施形態で
は、気体吹きつけ手段124により、プローブ溶液吐出
ヘッドの吐出口面103近傍に気体を吹き付ける。気体
は空気などを用いることができる。吹きつけ手段124
は、ファン、空気や圧縮空気などを高速で吹き付けるた
めのノズルなど、公知の手段を用いることができる。本
発明では気体の吹きつけは、吐出口面103の吐出口1
05の配列方向に垂直に(即ち図でy軸方向に)吹き付
けることが好ましい。本実施形態では、吹き飛ばされた
液滴が四方に飛散しないように、吸引手段126を吐出
口面103近傍に設けることが好ましい。このようにす
ることにより吹き付けられた気体128は、プローブ溶
液の液滴と共に吸引手段に吸引(130)される。吸引
手段は、液滴をトラップするトラップ機構を備えた吸引
ポンプのような、従来のものを使用することができる。
法のさらに別の実施形態を表す図である。図4では、除
去工程が、吐出口面103または吐出口105へ気体を
吹き付けることにより行われる。即ち、本実施形態で
は、気体吹きつけ手段124により、プローブ溶液吐出
ヘッドの吐出口面103近傍に気体を吹き付ける。気体
は空気などを用いることができる。吹きつけ手段124
は、ファン、空気や圧縮空気などを高速で吹き付けるた
めのノズルなど、公知の手段を用いることができる。本
発明では気体の吹きつけは、吐出口面103の吐出口1
05の配列方向に垂直に(即ち図でy軸方向に)吹き付
けることが好ましい。本実施形態では、吹き飛ばされた
液滴が四方に飛散しないように、吸引手段126を吐出
口面103近傍に設けることが好ましい。このようにす
ることにより吹き付けられた気体128は、プローブ溶
液の液滴と共に吸引手段に吸引(130)される。吸引
手段は、液滴をトラップするトラップ機構を備えた吸引
ポンプのような、従来のものを使用することができる。
【0056】本実施形態では、除去操作を行う際、プロ
ーブ溶液吐出ヘッド100を、除去手段の近傍に移動さ
せ、吹きつけ手段124を駆動回路およびモータなど
(図示せず)によりプローブ溶液吐出ヘッドの吐出口面
103近傍に配置し、吹きつけ手段124により、空気
などを矢印128の方向(図のy軸方向)に1回乃至数
回吹きつけ、吐出口面103のプローブ溶液の不要な液
滴を飛散させる。飛散された液滴は、好ましくは吸引手
段126により吸引補足される。
ーブ溶液吐出ヘッド100を、除去手段の近傍に移動さ
せ、吹きつけ手段124を駆動回路およびモータなど
(図示せず)によりプローブ溶液吐出ヘッドの吐出口面
103近傍に配置し、吹きつけ手段124により、空気
などを矢印128の方向(図のy軸方向)に1回乃至数
回吹きつけ、吐出口面103のプローブ溶液の不要な液
滴を飛散させる。飛散された液滴は、好ましくは吸引手
段126により吸引補足される。
【0057】図5は、本発明のプローブアレイの除去方
法のさらに別の実施形態を表す図である。図5は、吸湿
防潤部材134を備えた拭き取り手段132によりプロ
ーブ溶液吐出ヘッドの吐出口面103を拭き取る実施形
態を表す。具体的には、該拭き取り手段132は、吸湿
防潤部材134と、この吸湿防潤部材134を巻き取る
巻き取り手段136からなる。また、巻き取り手段13
6は、矢印138の方向に回転されて吸湿防潤部材13
4を矢印142の方向に移動させる。巻き取り手段はモ
ータなどの公知の手段で回転される。
法のさらに別の実施形態を表す図である。図5は、吸湿
防潤部材134を備えた拭き取り手段132によりプロ
ーブ溶液吐出ヘッドの吐出口面103を拭き取る実施形
態を表す。具体的には、該拭き取り手段132は、吸湿
防潤部材134と、この吸湿防潤部材134を巻き取る
巻き取り手段136からなる。また、巻き取り手段13
6は、矢印138の方向に回転されて吸湿防潤部材13
4を矢印142の方向に移動させる。巻き取り手段はモ
ータなどの公知の手段で回転される。
【0058】本実施形態では、除去操作を行う際、プロ
ーブ溶液吐出ヘッド100を、拭き取り手段の近傍に移
動させ、拭き取り手段132を駆動回路およびモータな
ど(図示せず)によりプローブ吐出ヘッドの吐出口面1
03に接触するように配置し(例えば矢印140に示す
ように図5のz軸方向で高さを調節するなど)、拭き取
り手段132の吸湿防潤部材134を矢印138の方向
に回転させつつ、吐出口面103を吸湿防潤部材で拭き
取る。なお、拭き取りの方向、即ち吸湿防潤部材の巻き
取り方向142は、プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口の
配列方向に垂直な方向、即ち図5のy軸方向である。こ
のようにすることにより、常にプローブ溶液吐出ヘッド
の吐出口面103に新たな吸湿防潤部材が供給され、プ
ローブ溶液が逆戻りすることなく、液滴除去操作を行う
ことができる。
ーブ溶液吐出ヘッド100を、拭き取り手段の近傍に移
動させ、拭き取り手段132を駆動回路およびモータな
ど(図示せず)によりプローブ吐出ヘッドの吐出口面1
03に接触するように配置し(例えば矢印140に示す
ように図5のz軸方向で高さを調節するなど)、拭き取
り手段132の吸湿防潤部材134を矢印138の方向
に回転させつつ、吐出口面103を吸湿防潤部材で拭き
取る。なお、拭き取りの方向、即ち吸湿防潤部材の巻き
取り方向142は、プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口の
配列方向に垂直な方向、即ち図5のy軸方向である。こ
のようにすることにより、常にプローブ溶液吐出ヘッド
の吐出口面103に新たな吸湿防潤部材が供給され、プ
ローブ溶液が逆戻りすることなく、液滴除去操作を行う
ことができる。
【0059】次に、本発明のプローブアレイの製造方法
の他の各工程について説明する。
の他の各工程について説明する。
【0060】本明細書において、担体上に固定されたプ
ローブは、特定の標的物質に対して特異的に結合可能で
ある。さらに、このプローブには、特定の標的によって
認識されうるオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチド、
またはその他のポリマーなどが含まれる。用語「プロー
ブ」は、ここのポリヌクレオチド分子などのプローブ機
能を有する分子、および分散した位置に表面固定された
同じ配列のポリヌクレオチドなどの同じプローブ機能を
有する分子の集団の両方をいい、しばしば、リガンドと
呼ばれる分子も含まれる。プローブおよび標的は、しば
しば交換可能に使用され、プローブは、リガンド−抗リ
ガンド(レセプターと呼ぶこともある。)対の一部とし
て標的と結合しうるか、または結合するようになりうる
ものである。本発明におけるプローブおよび標的は、天
然において見出されるような塩基またはその類似物を含
みうる。
ローブは、特定の標的物質に対して特異的に結合可能で
ある。さらに、このプローブには、特定の標的によって
認識されうるオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチド、
またはその他のポリマーなどが含まれる。用語「プロー
ブ」は、ここのポリヌクレオチド分子などのプローブ機
能を有する分子、および分散した位置に表面固定された
同じ配列のポリヌクレオチドなどの同じプローブ機能を
有する分子の集団の両方をいい、しばしば、リガンドと
呼ばれる分子も含まれる。プローブおよび標的は、しば
しば交換可能に使用され、プローブは、リガンド−抗リ
ガンド(レセプターと呼ぶこともある。)対の一部とし
て標的と結合しうるか、または結合するようになりうる
ものである。本発明におけるプローブおよび標的は、天
然において見出されるような塩基またはその類似物を含
みうる。
【0061】また、担体上に支持されるプローブの一例
としては、標的核酸とハイブリダイゼーション可能な塩
基配列よりなるオリゴヌクレオチドの一部に、リンカー
を介して担体との結合部を有するもので、担体との結合
部において担体表面に連結された構造を有するものとを
挙げることができる。なお、このような構成の場合にお
ける担体との結合部のオリゴヌクレオチドの分子内での
位置は、所望とするハイブリダイゼーション反応を損な
わない範囲内において特に限定されない。
としては、標的核酸とハイブリダイゼーション可能な塩
基配列よりなるオリゴヌクレオチドの一部に、リンカー
を介して担体との結合部を有するもので、担体との結合
部において担体表面に連結された構造を有するものとを
挙げることができる。なお、このような構成の場合にお
ける担体との結合部のオリゴヌクレオチドの分子内での
位置は、所望とするハイブリダイゼーション反応を損な
わない範囲内において特に限定されない。
【0062】本発明の方法が適用される、プローブアレ
イに採用されるプローブは、その使用目的に応じて、適
宜選択されるものであるが、本発明の方法を好適に実施
する上では、製造される前記二次元プローブアレイのプ
ローブはDNA、RNA、cDNA(コンプリメンタリ
ーDNA)、PNA、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレ
オチド、その他の核酸、オリゴペプチド、ポリペプチ
ド、タンパク質、酵素、酵素に対する基質、抗体、抗体
に対するエピトープ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプ
ター、リガンド、リガンドレセプター、オリゴ糖、およ
び多糖から選択される少なくとも1種であることが好ま
しい。
イに採用されるプローブは、その使用目的に応じて、適
宜選択されるものであるが、本発明の方法を好適に実施
する上では、製造される前記二次元プローブアレイのプ
ローブはDNA、RNA、cDNA(コンプリメンタリ
ーDNA)、PNA、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレ
オチド、その他の核酸、オリゴペプチド、ポリペプチ
ド、タンパク質、酵素、酵素に対する基質、抗体、抗体
に対するエピトープ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプ
ター、リガンド、リガンドレセプター、オリゴ糖、およ
び多糖から選択される少なくとも1種であることが好ま
しい。
【0063】一方、本発明の方法により製造されるプロ
ーブアレイは、担体表面に結合可能な構造を有したプロ
ーブを含んでいることが好ましく、この担体上へのプロ
ーブの固定は、前記プローブを担体表面に結合させて行
うことが好ましい。
ーブアレイは、担体表面に結合可能な構造を有したプロ
ーブを含んでいることが好ましく、この担体上へのプロ
ーブの固定は、前記プローブを担体表面に結合させて行
うことが好ましい。
【0064】その際、プローブが有する前記担体表面に
結合可能な構造は、アミノ基、メルカプト基、カルボキ
シル基、水酸基、酸ハロゲン化物(ハロホミル基;−C
OX)、ハライド(−X)、アジリジン、マレイミド
基、スクシンイミド基、イソチオシアネート基、スルホ
ニルクロリド基(−SO2Cl)、アルデヒド基(ホル
ミル基;−CHO)、ヒドラジン、およびヨウ化アセト
アミドなどの有機官能基の少なくとも1種を導入する処
理により形成されたものであることが好ましい。また、
プローブ側の担体への結合に必要な構造に応じて、担体
の表面に必要とされる処理を施してもよい。
結合可能な構造は、アミノ基、メルカプト基、カルボキ
シル基、水酸基、酸ハロゲン化物(ハロホミル基;−C
OX)、ハライド(−X)、アジリジン、マレイミド
基、スクシンイミド基、イソチオシアネート基、スルホ
ニルクロリド基(−SO2Cl)、アルデヒド基(ホル
ミル基;−CHO)、ヒドラジン、およびヨウ化アセト
アミドなどの有機官能基の少なくとも1種を導入する処
理により形成されたものであることが好ましい。また、
プローブ側の担体への結合に必要な構造に応じて、担体
の表面に必要とされる処理を施してもよい。
【0065】本発明のプローブアレイの製造方法の、該
プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除去する
工程以外の他の各工程は、それぞれのプローブを含む複
数のプローブ溶液を、前記複数種のプローブに対応する
個数の吐出口を備えたプローブ溶液吐出ヘッドを用い
て、該吐出口から、担体上に吐出して、二次元アレイ状
に塗布する塗布工程を具備する。本発明では、必要に応
じて、二次元アレイ状に塗布された複数種のプローブ溶
液に含まれる各プローブを担体上に固定する工程をさら
に含んでいてもよい。
プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除去する
工程以外の他の各工程は、それぞれのプローブを含む複
数のプローブ溶液を、前記複数種のプローブに対応する
個数の吐出口を備えたプローブ溶液吐出ヘッドを用い
て、該吐出口から、担体上に吐出して、二次元アレイ状
に塗布する塗布工程を具備する。本発明では、必要に応
じて、二次元アレイ状に塗布された複数種のプローブ溶
液に含まれる各プローブを担体上に固定する工程をさら
に含んでいてもよい。
【0066】以下に、本発明のこれらの工程を含めたプ
ローブアレイの製造方法を説明する。なお、以下では、
プローブとして核酸プローブを例に取って説明する。ま
た、本発明のヘッドの構成は、上記図1を参照して説明
したような構成を有することが好ましい。また、このヘ
ッドの例としてバブルジェット法を用いるバブルジェッ
トヘッドが好ましい。
ローブアレイの製造方法を説明する。なお、以下では、
プローブとして核酸プローブを例に取って説明する。ま
た、本発明のヘッドの構成は、上記図1を参照して説明
したような構成を有することが好ましい。また、このヘ
ッドの例としてバブルジェット法を用いるバブルジェッ
トヘッドが好ましい。
【0067】(吐出液と担体の関係) (担体上でのスポット直径)核酸プローブの担体上での
密度を、例えば1インチ各に10000個以上、上限と
しては1×106 個程度の値にするためには各々の核酸
プローブのスポット径は、例えば20〜100μm程度
であることが好ましく、また互いのスポットが互いに独
立していることが好ましい。例えば、そしてこのような
スポットは、バブルジェットヘッドから吐出される液体
の特性、および該液体が付着する担体の表面特性等によ
って決定される。
密度を、例えば1インチ各に10000個以上、上限と
しては1×106 個程度の値にするためには各々の核酸
プローブのスポット径は、例えば20〜100μm程度
であることが好ましく、また互いのスポットが互いに独
立していることが好ましい。例えば、そしてこのような
スポットは、バブルジェットヘッドから吐出される液体
の特性、および該液体が付着する担体の表面特性等によ
って決定される。
【0068】本発明では、プローブ溶液吐出ヘッドの各
吐出口から吐出されるプロープ溶液の量が、0.1ピコ
リットルから100ピコリットルの範囲であることが好
ましい。さらに、担体上に塗布されるプローブ溶液の占
める面積が、0.01μm2〜40000μm2である
ことが好ましい。
吐出口から吐出されるプロープ溶液の量が、0.1ピコ
リットルから100ピコリットルの範囲であることが好
ましい。さらに、担体上に塗布されるプローブ溶液の占
める面積が、0.01μm2〜40000μm2である
ことが好ましい。
【0069】本発明では、各々のスポット間のスペース
を約100μmとすることが好ましい。このようなスペ
ースを設けることにより、隣接するスポットとのコンタ
ミネーションを十分に防ぐことが可能である。
を約100μmとすることが好ましい。このようなスペ
ースを設けることにより、隣接するスポットとのコンタ
ミネーションを十分に防ぐことが可能である。
【0070】(吐出液の特性)吐出用の液体としては、
バブルジェットヘッドから吐出可能であって、且つヘッ
ドから吐出された該液体が担体上の所望の位置に着弾
し、更に核酸プローブとの混合状態、および吐出時にお
いて該核酸プローブが損傷を受けなければいかなる液体
でも用いることができる。
バブルジェットヘッドから吐出可能であって、且つヘッ
ドから吐出された該液体が担体上の所望の位置に着弾
し、更に核酸プローブとの混合状態、および吐出時にお
いて該核酸プローブが損傷を受けなければいかなる液体
でも用いることができる。
【0071】そしてバブルジェットヘッドからの吐出性
という観点からは、該液体の特性としては例えば、その
粘度が1〜15cps、表面張力が30dyn/cm以
上が好ましい。また粘度を1〜5cps、表面張力を3
0〜50dyn/cmとした場合、担体上での着弾位置
が極めて正確なものとなり特に好適に用いられる。
という観点からは、該液体の特性としては例えば、その
粘度が1〜15cps、表面張力が30dyn/cm以
上が好ましい。また粘度を1〜5cps、表面張力を3
0〜50dyn/cmとした場合、担体上での着弾位置
が極めて正確なものとなり特に好適に用いられる。
【0072】次に該液体の吐出特性、および液体中およ
びバブルジェット(登録商標)吐出時の核酸プローブの
安定性を考慮すると、液体中には例えば2mer〜50
00mer、特には2mer〜60merの核酸プロー
ブを、0.05〜500μM、特には2〜50μMの濃
度で含有させることが好ましい。
びバブルジェット(登録商標)吐出時の核酸プローブの
安定性を考慮すると、液体中には例えば2mer〜50
00mer、特には2mer〜60merの核酸プロー
ブを、0.05〜500μM、特には2〜50μMの濃
度で含有させることが好ましい。
【0073】(吐出液組成)バブルジェットヘッドから
吐出される液体の組成としては、上記した様に核酸プロ
ーブと混合したとき、およびバブルジェットヘッドから
吐出させたときに核酸プローブに対して影響を実質的に
与えないものであって、且つバブルジェットヘッドを用
いて担体に対して正常に吐出可能である液体組成が好ま
しい条件を満たせば、特に限定されるものでないが、例
えばグリセリン、尿素、チオジグリコール又はエチレン
グリコール、イソプロピルアルコールおよび下記式
(I)で示されるアセチレンアルコールを含む液体は好
ましいものである。
吐出される液体の組成としては、上記した様に核酸プロ
ーブと混合したとき、およびバブルジェットヘッドから
吐出させたときに核酸プローブに対して影響を実質的に
与えないものであって、且つバブルジェットヘッドを用
いて担体に対して正常に吐出可能である液体組成が好ま
しい条件を満たせば、特に限定されるものでないが、例
えばグリセリン、尿素、チオジグリコール又はエチレン
グリコール、イソプロピルアルコールおよび下記式
(I)で示されるアセチレンアルコールを含む液体は好
ましいものである。
【0074】
【化1】
【0075】(上記式(I)中、R1、R2、R3および
R4はアルキル基、具体的には例えば炭素数1〜4の直
鎖状または分岐鎖状のアルキル基を表わし、mおよびn
は各々整数を表わし、m=0且つn=0、もしくは1≦
m+n≦30であって、m+n=1の場合はmまたはn
は0である。)
R4はアルキル基、具体的には例えば炭素数1〜4の直
鎖状または分岐鎖状のアルキル基を表わし、mおよびn
は各々整数を表わし、m=0且つn=0、もしくは1≦
m+n≦30であって、m+n=1の場合はmまたはn
は0である。)
【0076】本発明において、R1、R2、R3およびR4
のアルキル基とは、直鎖、分岐鎖、または環状アルキル
基を意味する。本発明では、これらアルキル基の炭素数
は、目的に応じて種々選択することができるが、これら
アルキル基の炭素数は、炭素数1から20、好ましくは
炭素数1から10、より好ましくは炭素数1から4であ
る。本発明における直鎖または分岐アルキル基の具体例
としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピ
ル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、オクタデシル等で
ある。また環状アルキル基とは、シクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオ
クチル等である。本発明において好ましいアルキル基
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル、tert−
ブチル等である。さらに、本発明では、R1、R2、R3
およびR4として、エチレン、プロピレン、ブチレン、
ヘキシレンのようなアルキレン基を挙げることができ
る。
のアルキル基とは、直鎖、分岐鎖、または環状アルキル
基を意味する。本発明では、これらアルキル基の炭素数
は、目的に応じて種々選択することができるが、これら
アルキル基の炭素数は、炭素数1から20、好ましくは
炭素数1から10、より好ましくは炭素数1から4であ
る。本発明における直鎖または分岐アルキル基の具体例
としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピ
ル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、オクタデシル等で
ある。また環状アルキル基とは、シクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオ
クチル等である。本発明において好ましいアルキル基
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル、tert−
ブチル等である。さらに、本発明では、R1、R2、R3
およびR4として、エチレン、プロピレン、ブチレン、
ヘキシレンのようなアルキレン基を挙げることができ
る。
【0077】更に具体的には尿素を5〜10wt%、グ
リセリンを5〜10wt%、チオジグリコールを5〜1
0wt%、および上記式(I)で示されるアセチレンア
ルコールを0.02〜5wt%、より好ましくは0.5
〜1wt%を含む液体が好適に用いられる。
リセリンを5〜10wt%、チオジグリコールを5〜1
0wt%、および上記式(I)で示されるアセチレンア
ルコールを0.02〜5wt%、より好ましくは0.5
〜1wt%を含む液体が好適に用いられる。
【0078】この液体を用いた場合、バブルジェットヘ
ッドから核酸プローブを含む液体を吐出させて担体上に
付着させたときのスポットの形状が円形で、また吐出さ
れた範囲が広がることがなく、高密度に核酸プローブを
スポッティングした場合にも、隣接するスポットとの連
結を有効に抑えることができる。更に担体上にスポッテ
ィングされた核酸プローブの変質も認められない。なお
本発明の核酸プローブアレイの製造に用いる液体の特性
は上記のものに限定されるものではない。例えば担体表
面に、バブルジェットヘッドで担体上に付与した液体
が、該担体上で広がり、そして隣接するスポットとの間
で混合してしまうのを防ぐような、ウェルのような構造
を設けた場合には、液体の粘度や表面張力、更には核酸
プローブの塩基長や濃度も上記の範囲外であっても用い
ることができる。
ッドから核酸プローブを含む液体を吐出させて担体上に
付着させたときのスポットの形状が円形で、また吐出さ
れた範囲が広がることがなく、高密度に核酸プローブを
スポッティングした場合にも、隣接するスポットとの連
結を有効に抑えることができる。更に担体上にスポッテ
ィングされた核酸プローブの変質も認められない。なお
本発明の核酸プローブアレイの製造に用いる液体の特性
は上記のものに限定されるものではない。例えば担体表
面に、バブルジェットヘッドで担体上に付与した液体
が、該担体上で広がり、そして隣接するスポットとの間
で混合してしまうのを防ぐような、ウェルのような構造
を設けた場合には、液体の粘度や表面張力、更には核酸
プローブの塩基長や濃度も上記の範囲外であっても用い
ることができる。
【0079】本発明の製造方法では、上述のような溶液
を所定数調製し、所定のリザーバーに充填する。次に、
この溶液リザーバーから、該リザーバーごとに用意され
た各ヘッド接続口を介して、ヘッドの各吐出口へこの溶
液を供給し、ヘッドの吐出口から液滴として吐出され
る。吐出は例えば、発熱体を用いた膜沸騰方式を用いて
行われる。
を所定数調製し、所定のリザーバーに充填する。次に、
この溶液リザーバーから、該リザーバーごとに用意され
た各ヘッド接続口を介して、ヘッドの各吐出口へこの溶
液を供給し、ヘッドの吐出口から液滴として吐出され
る。吐出は例えば、発熱体を用いた膜沸騰方式を用いて
行われる。
【0080】(担体と核酸の官能基の種類)担体上に付
着せしめた核酸プローブのスポットを更に限定された位
置に止めさせ、隣接するスポットとのコンタミネーショ
ンをより確実に防ぐ為に有効であり、かつ核酸プローブ
を担体上に強固に結合させるのに有効な手段として、核
酸プローブと担体との双方に互いに反応可能な官能基を
結合させる方法が挙げられる。
着せしめた核酸プローブのスポットを更に限定された位
置に止めさせ、隣接するスポットとのコンタミネーショ
ンをより確実に防ぐ為に有効であり、かつ核酸プローブ
を担体上に強固に結合させるのに有効な手段として、核
酸プローブと担体との双方に互いに反応可能な官能基を
結合させる方法が挙げられる。
【0081】(SH基とマレイミド基)好ましい例とし
ては、マレイミド基とチオール(−SH)基との組合わ
せを用いる例が挙げられる。即ち核酸プローブの末端に
チオール(−SH)基を結合させておき、担体表面がマ
レイミド基を有するように処理しておくことで、担体表
面に供給された核酸プローブのチオール基と担体表面の
マレイミド基とが反応して核酸プローブを固定化し、そ
の結果核酸プローブのスポットを担体上の所定の位置に
形成することができる。特に末端にチオール基を有する
核酸プローブを上記した組成の液体に溶解させたものを
バブルジェットヘッドを用いてマレイミド基を導入した
担体表面に付与した場合、核酸プローブ溶液は担体上に
極めて小さなスポットを形成する。その結果、核酸プロ
ーブの小さなスポットを担体表面の所定の位置に形成す
ることができる。この場合、担体表面に例えば親水性お
よび疎水性のマトリクスからなるウェルを形成し、スポ
ット間の連結を防止する様な構成を予め設けておく必要
性は認められない。
ては、マレイミド基とチオール(−SH)基との組合わ
せを用いる例が挙げられる。即ち核酸プローブの末端に
チオール(−SH)基を結合させておき、担体表面がマ
レイミド基を有するように処理しておくことで、担体表
面に供給された核酸プローブのチオール基と担体表面の
マレイミド基とが反応して核酸プローブを固定化し、そ
の結果核酸プローブのスポットを担体上の所定の位置に
形成することができる。特に末端にチオール基を有する
核酸プローブを上記した組成の液体に溶解させたものを
バブルジェットヘッドを用いてマレイミド基を導入した
担体表面に付与した場合、核酸プローブ溶液は担体上に
極めて小さなスポットを形成する。その結果、核酸プロ
ーブの小さなスポットを担体表面の所定の位置に形成す
ることができる。この場合、担体表面に例えば親水性お
よび疎水性のマトリクスからなるウェルを形成し、スポ
ット間の連結を防止する様な構成を予め設けておく必要
性は認められない。
【0082】該担体上のマレイミド基と核酸プローブ末
端のSH基との反応は、吐出される液体の条件にもよる
が、バブルジェットヘッドを用いた場合、室温(25
℃)下で30分程度であることが好ましい。
端のSH基との反応は、吐出される液体の条件にもよる
が、バブルジェットヘッドを用いた場合、室温(25
℃)下で30分程度であることが好ましい。
【0083】なお、マレイミド基とチオール基との組合
せを用いる場合、核酸プローブを含む溶液にチオジグリ
コールを含有させることが好ましい。チオール基は中性
および弱アルカリ性条件下ではジスルフィド結合(−S
−S−)を形成し、二量体をなることがある。しかし、
チオジグリコールを加えることで、二量体形成によるチ
オール基とマレイミド基との反応性の低下を防ぐことが
できる。
せを用いる場合、核酸プローブを含む溶液にチオジグリ
コールを含有させることが好ましい。チオール基は中性
および弱アルカリ性条件下ではジスルフィド結合(−S
−S−)を形成し、二量体をなることがある。しかし、
チオジグリコールを加えることで、二量体形成によるチ
オール基とマレイミド基との反応性の低下を防ぐことが
できる。
【0084】担体表面へのマレイミド基の導入方法とし
ては、種々の方法が利用できるが、例えば担体にアミノ
シランカップリング剤(例えば(CH3O)3SiC3
H6NHC2H4NH2(II)など)を反応させ、次
にそのアミノ基と下記構造式(III)で示されるN−
(6−マレイミドカプロイロキシ)スクシイミド(N-(6
-Maleimidocaproyloxy)succinimide)を含む試薬(EM
CS試薬:Dojin社製)とを反応させることで可能
である。
ては、種々の方法が利用できるが、例えば担体にアミノ
シランカップリング剤(例えば(CH3O)3SiC3
H6NHC2H4NH2(II)など)を反応させ、次
にそのアミノ基と下記構造式(III)で示されるN−
(6−マレイミドカプロイロキシ)スクシイミド(N-(6
-Maleimidocaproyloxy)succinimide)を含む試薬(EM
CS試薬:Dojin社製)とを反応させることで可能
である。
【0085】
【化2】
【0086】またチオール基が結合した核酸プローブ
は、例えばDNA自動合成機を用いてDNAを自動合成
する際に5’末端の試薬として5’−Thiol−Mo
difierC6(Glen Research社製)
を用いる事により合成することができ、通常の脱保護反
応の後、高速液体クロマトグラフィーにより精製するこ
とで得られる。
は、例えばDNA自動合成機を用いてDNAを自動合成
する際に5’末端の試薬として5’−Thiol−Mo
difierC6(Glen Research社製)
を用いる事により合成することができ、通常の脱保護反
応の後、高速液体クロマトグラフィーにより精製するこ
とで得られる。
【0087】(アミノ基とエポキシ基)固定化に利用す
る官能基の組合わせとしては、上記したチオール基とマ
レイミド基の組合わせ以外にも、例えばエポキシ基(担
体上)とアミノ基(核酸プローブ末端)の組合わせ等が
挙げられる。担体表面へのエポキシ基の導入は、例えば
エポキシ基を有するポリグリシジルメタクリレートを樹
脂からなる担体表面に塗布したり、エポキシ基を有する
シランカップリング剤をガラス製の担体表面に塗布して
ガラスと反応させる方法等が挙げられる。
る官能基の組合わせとしては、上記したチオール基とマ
レイミド基の組合わせ以外にも、例えばエポキシ基(担
体上)とアミノ基(核酸プローブ末端)の組合わせ等が
挙げられる。担体表面へのエポキシ基の導入は、例えば
エポキシ基を有するポリグリシジルメタクリレートを樹
脂からなる担体表面に塗布したり、エポキシ基を有する
シランカップリング剤をガラス製の担体表面に塗布して
ガラスと反応させる方法等が挙げられる。
【0088】本発明の製造方法は、上記プローブアレイ
の製造工程に加え、先に説明した液滴除去工程をさらに
具備する。
の製造工程に加え、先に説明した液滴除去工程をさらに
具備する。
【0089】上記したように担体表面と一本鎖核酸プロ
ーブの末端とに互いに反応して共有結合を形成するよう
な官能基を導入した場合、該核酸プローブと担体とがよ
り強固に結合される。また該核酸プローブの担体との結
合部位を常に末端とすることができる為、各々のスポッ
トでの核酸プローブの状態を均一にすることができる。
その結果各々のスポットにおける核酸プローブと標的核
酸とのハイブリダイゼーションの条件が揃うこととな
り、より一層精度の向上した標的核酸の検出や塩基配列
の特定が可能となるものと考えられる。更に末端に官能
基のついた核酸プローブと担体とを共有結合させる事
は、非共有結合(例えば静電的な結合等)によって担体
上に固定した核酸プローブに比べ、配列や長さの違いに
よるプローブDNAの結合量の差を生じることなく定量
的にプローブアレイを作製できる。更にまた核酸の塩基
配列部分が全てハイブリダイゼーション反応に寄与する
為、ハイブリダイゼーション反応の効率を著しく上昇さ
せる事ができる。また一本鎖核酸プローブの標的核酸と
のハイブリダイゼーションに関与する部分と担体との反
応に関与する官能基との間にリンカー部分として例えば
炭素数1〜7程度のアルキレン基を導入しておいても良
い。これによって担体に核酸プローブを結合させたとき
に該担体表面と該核酸プローブとの間に所定の距離を設
けることができ、核酸プローブと標的核酸との反応効率
のより一層の向上が期待できる。
ーブの末端とに互いに反応して共有結合を形成するよう
な官能基を導入した場合、該核酸プローブと担体とがよ
り強固に結合される。また該核酸プローブの担体との結
合部位を常に末端とすることができる為、各々のスポッ
トでの核酸プローブの状態を均一にすることができる。
その結果各々のスポットにおける核酸プローブと標的核
酸とのハイブリダイゼーションの条件が揃うこととな
り、より一層精度の向上した標的核酸の検出や塩基配列
の特定が可能となるものと考えられる。更に末端に官能
基のついた核酸プローブと担体とを共有結合させる事
は、非共有結合(例えば静電的な結合等)によって担体
上に固定した核酸プローブに比べ、配列や長さの違いに
よるプローブDNAの結合量の差を生じることなく定量
的にプローブアレイを作製できる。更にまた核酸の塩基
配列部分が全てハイブリダイゼーション反応に寄与する
為、ハイブリダイゼーション反応の効率を著しく上昇さ
せる事ができる。また一本鎖核酸プローブの標的核酸と
のハイブリダイゼーションに関与する部分と担体との反
応に関与する官能基との間にリンカー部分として例えば
炭素数1〜7程度のアルキレン基を導入しておいても良
い。これによって担体に核酸プローブを結合させたとき
に該担体表面と該核酸プローブとの間に所定の距離を設
けることができ、核酸プローブと標的核酸との反応効率
のより一層の向上が期待できる。
【0090】本発明では、上記のような効果に加え、本
発明の液滴除去工程を具備することにより、さらに、吐
出口からの吐出状態を不安定にする吐出口近傍に付着し
た不要なDNAプローブ形成用溶液を除去し、更に異な
るDNAプローブ形成用溶液の混液を防止するプローブ
アレイの製造方法と製造装置を提供することができる。
これにより、二次元アレイを用いたDNA診断の信頼性
を向上させることができる。
発明の液滴除去工程を具備することにより、さらに、吐
出口からの吐出状態を不安定にする吐出口近傍に付着し
た不要なDNAプローブ形成用溶液を除去し、更に異な
るDNAプローブ形成用溶液の混液を防止するプローブ
アレイの製造方法と製造装置を提供することができる。
これにより、二次元アレイを用いたDNA診断の信頼性
を向上させることができる。
【0091】本発明では、上述のような液滴除去工程を
備えた製造方法、具体的には以下に説明するような好ま
しい態様の製造方法と、上記の吐出口近傍の液滴除去工
程を適用してプローブアレイを製造する。本発明には、
この製造方法により製造されたプローブアレイが含まれ
る。
備えた製造方法、具体的には以下に説明するような好ま
しい態様の製造方法と、上記の吐出口近傍の液滴除去工
程を適用してプローブアレイを製造する。本発明には、
この製造方法により製造されたプローブアレイが含まれ
る。
【0092】本発明のプローブアレイは、各ドットが整
然と配列され、よれ、あるいは、ミスト等に由来する汚
れも観察されない、優れたプローブアレイである。
然と配列され、よれ、あるいは、ミスト等に由来する汚
れも観察されない、優れたプローブアレイである。
【0093】(アレイの製法)次に本発明に係るプロー
ブアレイの製造方法の、好ましい態様の一つについて説
明する。
ブアレイの製造方法の、好ましい態様の一つについて説
明する。
【0094】まず核酸プローブを分散させる液体として
グリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグ
リコール7.5wt%、上記一般式(I)で示される構
造のアセチレンアルコール(例えば商品名:アセチレノ
ールEH;川研ファインケミカル(株)社製)1wt%
を含む液体を用意する。次に末端にチオール基が結合し
ている、長さが例えば2〜5000mer程度、特には
2〜60mer程度の一本鎖核酸プローブをDNA自動
合成機を用いて合成する。次いでこの核酸プローブを上
記液体に、例えば濃度が0.05〜500μM、特には
2〜50μMの範囲で、該液体の粘度が1〜15cp
s、特には1〜5cps、また表面張力が30dyn/
cm以上、特には30〜50dyn/cmとなるように
混合し、吐出用の液体とする。そしてこの吐出用液体
を、例えば所定のリザーバーに充填し、バブルジェット
ヘッドの各吐出口内に供給する。また担体には上記の方
法に従って表面にマレイミド基を導入しておく。そして
該担体と該バブルジェットヘッドを、該担体のマレイミ
ド基が結合している面とバブルジェットヘッドの吐出口
面との距離が1.2〜1.5mm程度にまで近接させ、
該バブルジェットヘッドを駆動させて該液体を吐出させ
る。ここで吐出条件としては担体上のスポットが互いに
連結することがないようなパターンに設定することが好
ましい。例えば、各々のスポット間のスペースを約10
0μmとすることが好ましい。このようなスペースを設
けることにより、隣接するスポットとのコンタミネーシ
ョンを十分に防ぐことが可能である。
グリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグ
リコール7.5wt%、上記一般式(I)で示される構
造のアセチレンアルコール(例えば商品名:アセチレノ
ールEH;川研ファインケミカル(株)社製)1wt%
を含む液体を用意する。次に末端にチオール基が結合し
ている、長さが例えば2〜5000mer程度、特には
2〜60mer程度の一本鎖核酸プローブをDNA自動
合成機を用いて合成する。次いでこの核酸プローブを上
記液体に、例えば濃度が0.05〜500μM、特には
2〜50μMの範囲で、該液体の粘度が1〜15cp
s、特には1〜5cps、また表面張力が30dyn/
cm以上、特には30〜50dyn/cmとなるように
混合し、吐出用の液体とする。そしてこの吐出用液体
を、例えば所定のリザーバーに充填し、バブルジェット
ヘッドの各吐出口内に供給する。また担体には上記の方
法に従って表面にマレイミド基を導入しておく。そして
該担体と該バブルジェットヘッドを、該担体のマレイミ
ド基が結合している面とバブルジェットヘッドの吐出口
面との距離が1.2〜1.5mm程度にまで近接させ、
該バブルジェットヘッドを駆動させて該液体を吐出させ
る。ここで吐出条件としては担体上のスポットが互いに
連結することがないようなパターンに設定することが好
ましい。例えば、各々のスポット間のスペースを約10
0μmとすることが好ましい。このようなスペースを設
けることにより、隣接するスポットとのコンタミネーシ
ョンを十分に防ぐことが可能である。
【0095】本発明では、プローブ溶液吐出ヘッドの各
吐出口から吐出されるプロープ溶液の量が、0.1ピコ
リットルから100ピコリットルの範囲であることが好
ましい。さらに、担体上に塗布されるプローブ溶液の占
める面積が、0.01μm2〜40000μm2である
ことが好ましい。
吐出口から吐出されるプロープ溶液の量が、0.1ピコ
リットルから100ピコリットルの範囲であることが好
ましい。さらに、担体上に塗布されるプローブ溶液の占
める面積が、0.01μm2〜40000μm2である
ことが好ましい。
【0096】次いで担体上のマレイミド基と液体中の核
酸プローブのチオール基の反応が進み、該核酸プローブ
が担体に確実に固定されるまで該担体を例えば加湿チャ
ンバー内に静置する。この時間は上記したように例えば
室温(約25℃)で30分程度である。その後担体上に
あって未反応の核酸プローブを洗い流して核酸プローブ
アレイが得られる。
酸プローブのチオール基の反応が進み、該核酸プローブ
が担体に確実に固定されるまで該担体を例えば加湿チャ
ンバー内に静置する。この時間は上記したように例えば
室温(約25℃)で30分程度である。その後担体上に
あって未反応の核酸プローブを洗い流して核酸プローブ
アレイが得られる。
【0097】ここでこの核酸プローブアレイを用いて、
例えば標的核酸の検出等を行なう場合の検出精度(S/
N比)の向上を図ることを目的として、該核酸プローブ
を担体表面に固定した後、該担体の核酸プローブ非結合
部分がサンプル中に含まれる標的核酸等と結合しないよ
うにブロッキングを行なうことが好ましい。ブロッキン
グは例えば、該担体を2%ウシ血清アルブミン水溶液中
に、例えば2時間程度浸したり、担体表面の核酸プロー
ブと結合していないマレイミド基を分解させることによ
って可能である。例えばDTT(ジチオスレイトー
ル)、β−メルカプトエタノール等を用いても可能であ
る。しかし、標識DNAの吸着を防ぐ効果からすると、
ウシ血清アルブミン水溶液が最も適する。尚このブロッ
キングの工程は必要に応じて行なえば良く、例えばサン
プルの該プローブアレイへの供給を各々のスポットに対
して限定的に行ない、スポット以外の部位へのサンプル
の付着が実質的にない場合には行なわなくても良い。ま
た担体に予めウェルが形成され、そのウェル以外の部分
が核酸プローブが付着し難い様に加工されている場合に
もブロッキングの工程を省略することができる。
例えば標的核酸の検出等を行なう場合の検出精度(S/
N比)の向上を図ることを目的として、該核酸プローブ
を担体表面に固定した後、該担体の核酸プローブ非結合
部分がサンプル中に含まれる標的核酸等と結合しないよ
うにブロッキングを行なうことが好ましい。ブロッキン
グは例えば、該担体を2%ウシ血清アルブミン水溶液中
に、例えば2時間程度浸したり、担体表面の核酸プロー
ブと結合していないマレイミド基を分解させることによ
って可能である。例えばDTT(ジチオスレイトー
ル)、β−メルカプトエタノール等を用いても可能であ
る。しかし、標識DNAの吸着を防ぐ効果からすると、
ウシ血清アルブミン水溶液が最も適する。尚このブロッ
キングの工程は必要に応じて行なえば良く、例えばサン
プルの該プローブアレイへの供給を各々のスポットに対
して限定的に行ない、スポット以外の部位へのサンプル
の付着が実質的にない場合には行なわなくても良い。ま
た担体に予めウェルが形成され、そのウェル以外の部分
が核酸プローブが付着し難い様に加工されている場合に
もブロッキングの工程を省略することができる。
【0098】本発明の方法によって核酸プローブが高密
度に配置されたプローブアレイは、その後標的一本鎖核
酸の検出や、塩基配列の特定等に用いられる。例えばサ
ンプル中に含まれている可能性のある、塩基配列が既知
の標的一本鎖核酸の検出に用いる場合には、該標的一本
鎖核酸の塩基配列に対して相補的な塩基配列を有する一
本鎖核酸をプローブとして用い、該プローブを含む複数
のスポットが担体上に配置されているプローブアレイを
用意し、該プローブアレイの各々のスポットに、サンプ
ルを供給して該標的一本鎖核酸と核酸プローブとがハイ
ブリダイズするような条件下に置いた後、各々のスポッ
トにおけるハイブリッドの有無を蛍光検出等の既知の方
法で検出する。それによってサンプル中の標的物質の有
無の検出を行なうことができる。またサンプル中に含ま
れている標的一本鎖核酸の塩基配列の特定に用いる場合
には、該標的一本鎖核酸の塩基配列の複数の候補を設定
し、該塩基配列群に対して各々相補的な塩基配列を有す
る一本鎖核酸をプローブとして該担体にスポッティング
する。次いで各々のスポットにサンプルを供給して該標
的一本鎖核酸と核酸プローブとがハイブリダイズするよ
うな条件下に置いた後、各々のスポットにおけるハイブ
リッドの有無を蛍光検出等の既知の方法で検出する。こ
れにより標的一本鎖核酸の塩基配列の特定を行なうこと
ができる。また本発明に係わるプローブアレイの他の用
途としては、例えばDNA結合蛋白質が認識する特異的
な塩基配列のスクリーニングやDNAに結合する性質を
有する化学物質のスクリーニングへの適用が考えられ
る。
度に配置されたプローブアレイは、その後標的一本鎖核
酸の検出や、塩基配列の特定等に用いられる。例えばサ
ンプル中に含まれている可能性のある、塩基配列が既知
の標的一本鎖核酸の検出に用いる場合には、該標的一本
鎖核酸の塩基配列に対して相補的な塩基配列を有する一
本鎖核酸をプローブとして用い、該プローブを含む複数
のスポットが担体上に配置されているプローブアレイを
用意し、該プローブアレイの各々のスポットに、サンプ
ルを供給して該標的一本鎖核酸と核酸プローブとがハイ
ブリダイズするような条件下に置いた後、各々のスポッ
トにおけるハイブリッドの有無を蛍光検出等の既知の方
法で検出する。それによってサンプル中の標的物質の有
無の検出を行なうことができる。またサンプル中に含ま
れている標的一本鎖核酸の塩基配列の特定に用いる場合
には、該標的一本鎖核酸の塩基配列の複数の候補を設定
し、該塩基配列群に対して各々相補的な塩基配列を有す
る一本鎖核酸をプローブとして該担体にスポッティング
する。次いで各々のスポットにサンプルを供給して該標
的一本鎖核酸と核酸プローブとがハイブリダイズするよ
うな条件下に置いた後、各々のスポットにおけるハイブ
リッドの有無を蛍光検出等の既知の方法で検出する。こ
れにより標的一本鎖核酸の塩基配列の特定を行なうこと
ができる。また本発明に係わるプローブアレイの他の用
途としては、例えばDNA結合蛋白質が認識する特異的
な塩基配列のスクリーニングやDNAに結合する性質を
有する化学物質のスクリーニングへの適用が考えられ
る。
【0099】(プローブ溶液吐出用ヘッドの種類)なお
上記の説明においては、核酸プローブの担体への付与を
バブルジェットヘッドで行なう構成のみを説明したが、
本発明においてはピエゾ素子の振動圧を利用して吐出口
内の液体を吐出せしめるピエゾジェットヘッドを用いる
ことも可能である。しかし前記した様にバブルジェット
ヘッドを用いた場合、担体への結合反応が短時間で完了
し、またDNAの二次構造も熱により解消されるため、
次に続くハイブリダイゼーション反応の効率をも上昇さ
せることができるという点で、バブルジェットヘッドは
本発明にとってより好適に用いられるヘッドである。
上記の説明においては、核酸プローブの担体への付与を
バブルジェットヘッドで行なう構成のみを説明したが、
本発明においてはピエゾ素子の振動圧を利用して吐出口
内の液体を吐出せしめるピエゾジェットヘッドを用いる
ことも可能である。しかし前記した様にバブルジェット
ヘッドを用いた場合、担体への結合反応が短時間で完了
し、またDNAの二次構造も熱により解消されるため、
次に続くハイブリダイゼーション反応の効率をも上昇さ
せることができるという点で、バブルジェットヘッドは
本発明にとってより好適に用いられるヘッドである。
【0100】本発明は、2以上のスポット間で含有され
る核酸プローブが異なる様に複数の吐出口を備えたヘッ
ドを用いて複数のスポットを同時に担体上に形成する方
法である。さらに本発明では、上述の除去工程を適用し
ながらプローブを吐出する。(PNA/DNA)ここま
で、プローブの一例として核酸プローブを用いて本発明
を説明した。核酸プローブの例としては、デオキシリボ
核酸(DNA)プローブ、リボ核酸(RNA)プローブ
およびペプチド核酸(PNA)プローブを含むものであ
る。PNAはDNAに含まれる4種の塩基(アデニン、
グアニン、チミン、シトシン)が糖−リン酸エステル主
鎖ではなくてペプチド主鎖に結合し、下記式(IV)に
示される様な構造を有する合成オリゴヌクレオチドであ
る。
る核酸プローブが異なる様に複数の吐出口を備えたヘッ
ドを用いて複数のスポットを同時に担体上に形成する方
法である。さらに本発明では、上述の除去工程を適用し
ながらプローブを吐出する。(PNA/DNA)ここま
で、プローブの一例として核酸プローブを用いて本発明
を説明した。核酸プローブの例としては、デオキシリボ
核酸(DNA)プローブ、リボ核酸(RNA)プローブ
およびペプチド核酸(PNA)プローブを含むものであ
る。PNAはDNAに含まれる4種の塩基(アデニン、
グアニン、チミン、シトシン)が糖−リン酸エステル主
鎖ではなくてペプチド主鎖に結合し、下記式(IV)に
示される様な構造を有する合成オリゴヌクレオチドであ
る。
【0101】
【化3】
【0102】(式中「Base」はDNAを構成する4
種類の塩基(アデニン、シトシン、チミン、グアニン)
の何れかを示す。またpはPNAの塩基長を表わす。)
種類の塩基(アデニン、シトシン、チミン、グアニン)
の何れかを示す。またpはPNAの塩基長を表わす。)
【0103】PNAは、例えばtBOC型固相合成法や
Fmoc型固相合成法として知られている方法によって
合成することができる。そしてPNAはDNAやRNA
等の天然のオリゴヌクレオチドと比較してヌクレアーゼ
やプロテアーゼ等の酵素に対する強い耐性を有し、血清
中でも酵素的開裂が殆ど、若しくは全く起らず安定であ
る。また糖部やリン酸基を有していない為、溶液のイオ
ン強度の影響を殆ど受けず、従ってPNAと標的一本鎖
核酸とを反応させる際の塩濃度等の調整を行なう必要が
なく、更には静電的な反発が無いためにDNAプローブ
と標的一本鎖核酸とのハイブリッドやRNAプローブと
標的一本鎖核酸とのハイブリッドと比較してPNAと標
的一本鎖核酸とのハイブリッドのほうが熱安定性に優れ
ているとも考えられている。そしてこれらの特性から標
的核酸の検出や塩基配列の決定に用いるプローブとして
有望なものである。そして前記した本発明に係る核酸プ
ローブアレイの製造方法は、核酸プローブとしてPNA
プローブを適用した場合にも有効であり、PNAプロー
ブが高密度に、且つ高精度に配置されたPNAプローブ
アレイを容易に製造することができる。具体的には、例
えばPNAプローブを担体上の限定された位置に止めさ
せてプローブアレイの高密度化を図る方法としてはDN
AプローブやRNAプローブと同様に、PNAプローブ
の末端と担体表面との各々に互いに反応性を有する官能
基を導入する方法を用いることができ、反応性の基の好
ましい組合わせの一つは上述したのと同様のチオール基
(PNA末端)とマレイミド基(担体表面)の組合わせ
である。PNA末端へのチオール基の導入は、例えばP
NAプローブのN末端(DNAの5’末端に相当)にチ
オール基を含むシステイン(CH(NH2)(COO
H)CH2SH)基等を導入することで達成される。P
NAプローブのN末端へのシステインの導入は、例えば
PNAプローブのN末端のアミノ基とシステインのカル
ボキシル基を反応させることによって行なうことができ
る。またPNAプローブのN末端のアミノ基と例えばN
2H(CH2)2O(CH2)2OCH2COOHのよ
うにアミノ基およびカルボキシル基を有している様な適
当なリンカーのカルボキシル基とを反応させ、次いで該
リンカーのアミノ基とシステインのカルボキシル基とを
反応させることでリンカーを介してPNAプローブのN
末端にシステインを結合させることもできる。この様に
リンカーを介して担体との結合基を導入した場合、PN
Aプローブの標的物質との反応部位を担体から所定の距
離だけ離間させることができ、ハイブリダイゼーション
効率のより一層の向上が期待される。
Fmoc型固相合成法として知られている方法によって
合成することができる。そしてPNAはDNAやRNA
等の天然のオリゴヌクレオチドと比較してヌクレアーゼ
やプロテアーゼ等の酵素に対する強い耐性を有し、血清
中でも酵素的開裂が殆ど、若しくは全く起らず安定であ
る。また糖部やリン酸基を有していない為、溶液のイオ
ン強度の影響を殆ど受けず、従ってPNAと標的一本鎖
核酸とを反応させる際の塩濃度等の調整を行なう必要が
なく、更には静電的な反発が無いためにDNAプローブ
と標的一本鎖核酸とのハイブリッドやRNAプローブと
標的一本鎖核酸とのハイブリッドと比較してPNAと標
的一本鎖核酸とのハイブリッドのほうが熱安定性に優れ
ているとも考えられている。そしてこれらの特性から標
的核酸の検出や塩基配列の決定に用いるプローブとして
有望なものである。そして前記した本発明に係る核酸プ
ローブアレイの製造方法は、核酸プローブとしてPNA
プローブを適用した場合にも有効であり、PNAプロー
ブが高密度に、且つ高精度に配置されたPNAプローブ
アレイを容易に製造することができる。具体的には、例
えばPNAプローブを担体上の限定された位置に止めさ
せてプローブアレイの高密度化を図る方法としてはDN
AプローブやRNAプローブと同様に、PNAプローブ
の末端と担体表面との各々に互いに反応性を有する官能
基を導入する方法を用いることができ、反応性の基の好
ましい組合わせの一つは上述したのと同様のチオール基
(PNA末端)とマレイミド基(担体表面)の組合わせ
である。PNA末端へのチオール基の導入は、例えばP
NAプローブのN末端(DNAの5’末端に相当)にチ
オール基を含むシステイン(CH(NH2)(COO
H)CH2SH)基等を導入することで達成される。P
NAプローブのN末端へのシステインの導入は、例えば
PNAプローブのN末端のアミノ基とシステインのカル
ボキシル基を反応させることによって行なうことができ
る。またPNAプローブのN末端のアミノ基と例えばN
2H(CH2)2O(CH2)2OCH2COOHのよ
うにアミノ基およびカルボキシル基を有している様な適
当なリンカーのカルボキシル基とを反応させ、次いで該
リンカーのアミノ基とシステインのカルボキシル基とを
反応させることでリンカーを介してPNAプローブのN
末端にシステインを結合させることもできる。この様に
リンカーを介して担体との結合基を導入した場合、PN
Aプローブの標的物質との反応部位を担体から所定の距
離だけ離間させることができ、ハイブリダイゼーション
効率のより一層の向上が期待される。
【0104】またPNAはその塩基長によっては水に対
する溶解性が同じ塩基長のDNAと比較すると低い場合
があり、インクジェット吐出用の液体を調製する際には
PNAを予めトリフルオロ酢酸(例えば0.1wt%ト
リフルオロ酢酸水溶液等)等に溶解させた後、前記した
種々の溶媒を用いてインクジェット吐出に適合する特性
に調製することが好ましい。特にトリフルオロ酢酸に溶
解させておくことは、PNA末端のシステイン残基中の
チオール基の酸化によるシスチンへの変性を防ぎ、PN
Aのチオール基と担体表面のマレイミド基との反応効率
のより一層の向上を図る上で好ましい。またDNAプロ
ーブやRNAプローブの末端に導入したチオール基と担
体表面のマレイミド基の反応時間は前記した様に30分
(バブルジェットヘッドを用いた場合)程度であるが、
PNAの場合にはバブルジェットヘッドを用いた場合で
あっても2時間程度反応させることが好ましい。
する溶解性が同じ塩基長のDNAと比較すると低い場合
があり、インクジェット吐出用の液体を調製する際には
PNAを予めトリフルオロ酢酸(例えば0.1wt%ト
リフルオロ酢酸水溶液等)等に溶解させた後、前記した
種々の溶媒を用いてインクジェット吐出に適合する特性
に調製することが好ましい。特にトリフルオロ酢酸に溶
解させておくことは、PNA末端のシステイン残基中の
チオール基の酸化によるシスチンへの変性を防ぎ、PN
Aのチオール基と担体表面のマレイミド基との反応効率
のより一層の向上を図る上で好ましい。またDNAプロ
ーブやRNAプローブの末端に導入したチオール基と担
体表面のマレイミド基の反応時間は前記した様に30分
(バブルジェットヘッドを用いた場合)程度であるが、
PNAの場合にはバブルジェットヘッドを用いた場合で
あっても2時間程度反応させることが好ましい。
【0105】更にプローブとしては核酸プローブに限定
されず、検出分析対象となるサンプル中の標的物質と特
異的に結合し得る物質、例えば上述のような、DNA、
RNA、cDNA(コンプリメンタリーDNA)、PN
A、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他の
核酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵
素、酵素に対する基質、抗体、抗体に対するエピトー
プ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプター、リガンド、
リガンドレセプター、オリゴ糖、および多糖等をプロー
ブとして用いることができる。
されず、検出分析対象となるサンプル中の標的物質と特
異的に結合し得る物質、例えば上述のような、DNA、
RNA、cDNA(コンプリメンタリーDNA)、PN
A、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他の
核酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵
素、酵素に対する基質、抗体、抗体に対するエピトー
プ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプター、リガンド、
リガンドレセプター、オリゴ糖、および多糖等をプロー
ブとして用いることができる。
【0106】以上説明した様な、それぞれのプローブを
含む複数のプローブ溶液を、前記複数種のプローブに対
応する個数の吐出口を備えたプローブ溶液吐出ヘッドを
用いて、吐出口から、所定液量の液滴として、担体上に
吐出して、二次元アレイ状に塗布する塗布工程と、二次
元アレイ状に塗布された複数種のプローブ溶液に含まれ
る各プローブを担体上に固定する工程と、該プローブ溶
液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除去する工程を含む
プローブアレイの製造方法によれば、プローブアレイを
極めて容易に、且つ、整然と形成することができる。特
に核酸プローブと担体表面との間で共有結合が形成され
る様に各々に官能基を導入した場合には、担体表面に予
めウェル等を有しない、即ち実質的に平坦で且つ表面特
性(水に対する濡れ易さ等)が均一な担体を用いても隣
接するスポット同士が連結してしまうことがない。その
結果核酸プローブが精度良く、且つ高密度に配列された
核酸プローブアレイを極めて効率的に、しかも低コスト
で製造することができる。さらに、本発明の液滴除去工
程を適用することにより、担体上にプローブ溶液が混合
することなく核酸プローブアレイが整然と整列される。
含む複数のプローブ溶液を、前記複数種のプローブに対
応する個数の吐出口を備えたプローブ溶液吐出ヘッドを
用いて、吐出口から、所定液量の液滴として、担体上に
吐出して、二次元アレイ状に塗布する塗布工程と、二次
元アレイ状に塗布された複数種のプローブ溶液に含まれ
る各プローブを担体上に固定する工程と、該プローブ溶
液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除去する工程を含む
プローブアレイの製造方法によれば、プローブアレイを
極めて容易に、且つ、整然と形成することができる。特
に核酸プローブと担体表面との間で共有結合が形成され
る様に各々に官能基を導入した場合には、担体表面に予
めウェル等を有しない、即ち実質的に平坦で且つ表面特
性(水に対する濡れ易さ等)が均一な担体を用いても隣
接するスポット同士が連結してしまうことがない。その
結果核酸プローブが精度良く、且つ高密度に配列された
核酸プローブアレイを極めて効率的に、しかも低コスト
で製造することができる。さらに、本発明の液滴除去工
程を適用することにより、担体上にプローブ溶液が混合
することなく核酸プローブアレイが整然と整列される。
【0107】なお、本発明においては、表面にウェルを
備えた担体を用いることができることはもちろんであ
る。例えばプローブ溶液が供給されるウェルの間に光不
透過性のマトリクスパターン(以降「ブラックマトリク
ス」と称する)を予め形成しておいた場合、担体上での
プローブと標的物質とのハイブリダイゼイションを光学
的に検出(例えば蛍光の検出)する様な場合の検出精度
(SN比)をより一層向上させることができる。また隣
接するウェルの間に、表面がプローブ溶液に対する親和
性の低いマトリクスを設けておいた場合、プローブ溶液
のウェルへの供給にあたって多少の位置ずれが生じたと
しても所望のウェルにスムーズにプローブ溶液を供給す
ることができる。このような効果を利用することを目的
として表面にウェルを備えた担体を用いてもよい。
備えた担体を用いることができることはもちろんであ
る。例えばプローブ溶液が供給されるウェルの間に光不
透過性のマトリクスパターン(以降「ブラックマトリク
ス」と称する)を予め形成しておいた場合、担体上での
プローブと標的物質とのハイブリダイゼイションを光学
的に検出(例えば蛍光の検出)する様な場合の検出精度
(SN比)をより一層向上させることができる。また隣
接するウェルの間に、表面がプローブ溶液に対する親和
性の低いマトリクスを設けておいた場合、プローブ溶液
のウェルへの供給にあたって多少の位置ずれが生じたと
しても所望のウェルにスムーズにプローブ溶液を供給す
ることができる。このような効果を利用することを目的
として表面にウェルを備えた担体を用いてもよい。
【0108】本発明に用いるプローブ溶液吐出ヘッドは
特に制限されないが、例えばピエゾジェット法、熱的な
発泡を利用するバブルジェット法により吐出できるヘッ
ドが利用できる。
特に制限されないが、例えばピエゾジェット法、熱的な
発泡を利用するバブルジェット法により吐出できるヘッ
ドが利用できる。
【0109】本発明の担体の材料としては、例えば、合
成石英、溶融石英等を含むガラス、シリコン、アクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化
ビニル樹脂等が挙げられる。また該反応物の光学的な検
出を固相を介さないで検出する場合には光学的に黒色の
固相を用いることが好ましく、カーボンブラック等の黒
色の染顔料を含む樹脂担体等が用いられる。
成石英、溶融石英等を含むガラス、シリコン、アクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化
ビニル樹脂等が挙げられる。また該反応物の光学的な検
出を固相を介さないで検出する場合には光学的に黒色の
固相を用いることが好ましく、カーボンブラック等の黒
色の染顔料を含む樹脂担体等が用いられる。
【0110】本発明ではこれらプローブアレイに反応す
べき物質の溶液を供給し、適当な反応条件に置き、反応
を行なう。個別のスポットに異なる反応すべき物質の溶
液を供給する必要がある場合には、プローブアレイの複
数のスポットのそれぞれに、プローブに反応させるべき
少なくとも1種の物質が溶解した溶液を少なくとも1種
供給する。この場合、上述のように、供給される溶液
が、すでに形成されているプローブアレイのプローブが
結合されているスポットに対して親和的であり、担体に
非親和的であれば、供給領域を限定した、クロスコンタ
ミネーションのない、定量的な液の供給が可能となる。
べき物質の溶液を供給し、適当な反応条件に置き、反応
を行なう。個別のスポットに異なる反応すべき物質の溶
液を供給する必要がある場合には、プローブアレイの複
数のスポットのそれぞれに、プローブに反応させるべき
少なくとも1種の物質が溶解した溶液を少なくとも1種
供給する。この場合、上述のように、供給される溶液
が、すでに形成されているプローブアレイのプローブが
結合されているスポットに対して親和的であり、担体に
非親和的であれば、供給領域を限定した、クロスコンタ
ミネーションのない、定量的な液の供給が可能となる。
【0111】これらの反応すべき物質の供給にも、バブ
ルジェット法等を用いれば、微量な液量を、定量的に供
給可能となる。
ルジェット法等を用いれば、微量な液量を、定量的に供
給可能となる。
【0112】本発明では、担体に結合するために供給す
るプローブの液量、または、反応すべき物質の液量が微
量であるので、双方の反応条件が、供給された溶液の蒸
発、気散を防ぐ条件を含んでいることが望ましい。
るプローブの液量、または、反応すべき物質の液量が微
量であるので、双方の反応条件が、供給された溶液の蒸
発、気散を防ぐ条件を含んでいることが望ましい。
【0113】次に、本発明のプローブアレイの製造方法
に使用しうる製造装置について説明する。図6は、プロ
ーブアレイの製造装置の構成を示すブロック図である。
に使用しうる製造装置について説明する。図6は、プロ
ーブアレイの製造装置の構成を示すブロック図である。
【0114】図6は、ヘッドを移動させてプローブアレ
イを製造する場合を示した。図6において、製造装置の
全体動作を制御するCPU50には、ヘッド70をXY
方向に駆動するためのX方向駆動モータ56およびY方
向駆動モータ58がXモータ駆動回路52およびYモー
タ駆動回路54を介して接続されている。CPUの指示
に従い、Xモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路
54を経て、このX方向駆動モータ56およびY方向駆
動モータ58が駆動され、ヘッド70の担体に対する位
置が決定される。また、モータ駆動回路を介して、液滴
除去手段の駆動モータ37、40も接続されている。こ
の液滴除去手段により、本発明の製造装置のヘッドの不
要な液滴の除去が行われる。液滴の除去の詳細、特に液
滴除去手段は、上記図2から図5を参照して説明したと
おりである。具体的には、本発明では、液滴除去手段
は、エラストマー部材で前記吐出口近傍の液滴を掻き取
る手段、吸湿防潤部材で拭き取る手段、吐出口近傍に気
体を吹き付けることで液滴を取り除く手段等であること
が好ましい。さらに、エラストマー部材で前記吐出口近
傍の液滴を掻き取る手段には、エラストマー部材に付着
した溶液を除去する手段を具備することが好ましい。該
手段は、吸引口により吸引する手段が挙げられる。ま
た、吸湿防潤部材で拭き取る手段には、吸湿防潤部材の
部材面が、毎除去ごとに新たな部材面となるような、新
規部材面供給手段をさらに具備することが好ましい。こ
の手段は、例えば吸湿防潤部材を巻き取る巻き取り手段
のようなものであり、所定の方向に吸湿防潤部材を移動
させつつ、新た吸湿防潤部材を供給するものである。さ
らに、吐出口近傍に気体を吹き付けることで液滴を取り
除く手段には、吐出口近傍に吹き付けられた気体を、該
吐出口近傍で吸引するための手段をさらに具備すること
が好ましい。この手段は、ポンプなどにより吸引する吸
引手段が挙げられる。
イを製造する場合を示した。図6において、製造装置の
全体動作を制御するCPU50には、ヘッド70をXY
方向に駆動するためのX方向駆動モータ56およびY方
向駆動モータ58がXモータ駆動回路52およびYモー
タ駆動回路54を介して接続されている。CPUの指示
に従い、Xモータ駆動回路52およびYモータ駆動回路
54を経て、このX方向駆動モータ56およびY方向駆
動モータ58が駆動され、ヘッド70の担体に対する位
置が決定される。また、モータ駆動回路を介して、液滴
除去手段の駆動モータ37、40も接続されている。こ
の液滴除去手段により、本発明の製造装置のヘッドの不
要な液滴の除去が行われる。液滴の除去の詳細、特に液
滴除去手段は、上記図2から図5を参照して説明したと
おりである。具体的には、本発明では、液滴除去手段
は、エラストマー部材で前記吐出口近傍の液滴を掻き取
る手段、吸湿防潤部材で拭き取る手段、吐出口近傍に気
体を吹き付けることで液滴を取り除く手段等であること
が好ましい。さらに、エラストマー部材で前記吐出口近
傍の液滴を掻き取る手段には、エラストマー部材に付着
した溶液を除去する手段を具備することが好ましい。該
手段は、吸引口により吸引する手段が挙げられる。ま
た、吸湿防潤部材で拭き取る手段には、吸湿防潤部材の
部材面が、毎除去ごとに新たな部材面となるような、新
規部材面供給手段をさらに具備することが好ましい。こ
の手段は、例えば吸湿防潤部材を巻き取る巻き取り手段
のようなものであり、所定の方向に吸湿防潤部材を移動
させつつ、新た吸湿防潤部材を供給するものである。さ
らに、吐出口近傍に気体を吹き付けることで液滴を取り
除く手段には、吐出口近傍に吹き付けられた気体を、該
吐出口近傍で吸引するための手段をさらに具備すること
が好ましい。この手段は、ポンプなどにより吸引する吸
引手段が挙げられる。
【0115】図6に示されるように、ヘッド70には、
X方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58にヘ
ッド70に加え、ヘッド駆動回路60が接続されてお
り、CPU50がヘッド駆動回路60を制御し、ヘッド
70の駆動、即ちプローブ溶液の吐出等を行う。さら
に、CPUには、ヘッドの位置を検出するためのXエン
コーダ62およびYエンコーダ64が接続されており、
ヘッド70の位置情報が入力される。また、プログラム
メモリ66内に制御プログラムも入力される。CPU5
0は、この制御プログラムとXエンコーダ62およびY
エンコーダ64の位置情報に基づいて、ヘッド70を移
動させ、担体上の所望の位置にヘッドを配置して所望の
プローブ溶液を吐出する。これを、各プローブの位置に
対して行うことにより、プローブアレイを製造する。
X方向駆動モータ56およびY方向駆動モータ58にヘ
ッド70に加え、ヘッド駆動回路60が接続されてお
り、CPU50がヘッド駆動回路60を制御し、ヘッド
70の駆動、即ちプローブ溶液の吐出等を行う。さら
に、CPUには、ヘッドの位置を検出するためのXエン
コーダ62およびYエンコーダ64が接続されており、
ヘッド70の位置情報が入力される。また、プログラム
メモリ66内に制御プログラムも入力される。CPU5
0は、この制御プログラムとXエンコーダ62およびY
エンコーダ64の位置情報に基づいて、ヘッド70を移
動させ、担体上の所望の位置にヘッドを配置して所望の
プローブ溶液を吐出する。これを、各プローブの位置に
対して行うことにより、プローブアレイを製造する。
【0116】また、所定のプローブ溶液を吐出した後、
必要に応じて、ヘッド70を除去手段の配置された位置
に移動し、モータ37、40によりヘッド70をワイピ
ング等して清浄化する。清浄化の具体的方法は、先に説
明したとおりである。なお、図6のモータ駆動回路と除
去手段のZ方向駆動モータ40により、除去手段をヘッ
ド70の吐出口面の高さに合わせ、さらにモータ駆動回
路と除去手段のY方向駆動モータ37により、ワイピン
グ方向に除去手段を移動する。
必要に応じて、ヘッド70を除去手段の配置された位置
に移動し、モータ37、40によりヘッド70をワイピ
ング等して清浄化する。清浄化の具体的方法は、先に説
明したとおりである。なお、図6のモータ駆動回路と除
去手段のZ方向駆動モータ40により、除去手段をヘッ
ド70の吐出口面の高さに合わせ、さらにモータ駆動回
路と除去手段のY方向駆動モータ37により、ワイピン
グ方向に除去手段を移動する。
【0117】プローブアレイの製造が終了したら、図示
しない担体搬送機構により、製造済みの担体を新たな担
体に置き換える。
しない担体搬送機構により、製造済みの担体を新たな担
体に置き換える。
【0118】なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範
囲で、上記実施形態を修正または変形することが可能で
ある。
囲で、上記実施形態を修正または変形することが可能で
ある。
【0119】本発明は、プローブ溶液の吐出を行わせる
ために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する
手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記
熱エネルギによりプローブ溶液を吐出させるヘッドが優
れた効果をもたらす。かかる方式によればプローブアレ
イの高密度化,高精細化が達成できる。
ために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する
手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、上記
熱エネルギによりプローブ溶液を吐出させるヘッドが優
れた効果をもたらす。かかる方式によればプローブアレ
イの高密度化,高精細化が達成できる。
【0120】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体が保持され、流路
に対応して配置されている電気熱変換体に、吐出情報に
対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少
なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気
熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、ヘッドの熱作用面
に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一
で対応した液体内の気泡を形成できるので有効である。
この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体を
吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動
信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮
が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書,同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米
国特許第4313124号明細書に記載されている条件
を採用すると、さらに優れた吐出を行うことができる。
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体が保持され、流路
に対応して配置されている電気熱変換体に、吐出情報に
対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少
なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気
熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、ヘッドの熱作用面
に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一
で対応した液体内の気泡を形成できるので有効である。
この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体を
吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動
信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮
が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書,同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米
国特許第4313124号明細書に記載されている条件
を採用すると、さらに優れた吐出を行うことができる。
【0121】ヘッドの構成としては、上述の各明細書に
開示されているような吐出口、液路,電気熱変換体の組
合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作
用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米
国特許第4558333号明細書,米国特許第4459
600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるもので
ある。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通する
スリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する
特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波
を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特
開昭59−138461号公報に基いた構成としても本
発明の効果は有効である。すなわち、ヘッドの形態がど
のようなものであっても、複数の吐出口を備えるように
上記構成を適宜変更することにより、本発明によればプ
ローブ溶液の吐出を確実に効率よく行うことができるよ
うになる。
開示されているような吐出口、液路,電気熱変換体の組
合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作
用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米
国特許第4558333号明細書,米国特許第4459
600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるもので
ある。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通する
スリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する
特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波
を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特
開昭59−138461号公報に基いた構成としても本
発明の効果は有効である。すなわち、ヘッドの形態がど
のようなものであっても、複数の吐出口を備えるように
上記構成を適宜変更することにより、本発明によればプ
ローブ溶液の吐出を確実に効率よく行うことができるよ
うになる。
【0122】さらに、本発明の製造装置で担体の最大幅
に対応した長さを有するフルラインタイプのヘッドに対
しても本発明は有効に適用できる。そのようなヘッドと
しては、複数のヘッドの組合せによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個のヘッドとしての構
成のいずれでもよい。
に対応した長さを有するフルラインタイプのヘッドに対
しても本発明は有効に適用できる。そのようなヘッドと
しては、複数のヘッドの組合せによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個のヘッドとしての構
成のいずれでもよい。
【0123】加えて、シリアルタイプのものでも、装置
本体に固定されたヘッド、または、装置本体に装着され
ることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのプ
ローブ溶液の供給が可能になる交換自在のチップタイプ
のヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
本体に固定されたヘッド、または、装置本体に装着され
ることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのプ
ローブ溶液の供給が可能になる交換自在のチップタイプ
のヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0124】さらに、本発明の装置は、液滴除去手段を
有するため、優れた吐出効果を実現できる。
有するため、優れた吐出効果を実現できる。
【0125】また、本発明の装置の構成として、予備的
な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定
できるので、好ましい。これらを具体的に挙げれば、ヘ
ッドに対してのキャッピング手段、加圧または吸引手
段、電気熱変換体またはこれとは別の加熱素子、また
は、これらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、溶液の吐出とは別の、吐出を行なうための予備吐出
手段などを挙げることができる。
な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定
できるので、好ましい。これらを具体的に挙げれば、ヘ
ッドに対してのキャッピング手段、加圧または吸引手
段、電気熱変換体またはこれとは別の加熱素子、また
は、これらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、溶液の吐出とは別の、吐出を行なうための予備吐出
手段などを挙げることができる。
【0126】本発明に対して最も有効なものは、上述し
た膜沸騰方式を実行するものである。
た膜沸騰方式を実行するものである。
【0127】本発明の装置では、プローブ溶液吐出ヘッ
ドの各吐出口から吐出されるプロープ溶液の量が、0.
1ピコリットルから100ピコリットルの範囲であるこ
とが好ましい。
ドの各吐出口から吐出されるプロープ溶液の量が、0.
1ピコリットルから100ピコリットルの範囲であるこ
とが好ましい。
【0128】また、本発明の装置では、担体上に塗布さ
れるプローブ溶液の占める面積が、0.01μm2〜4
0000μm2であることが好ましい。
れるプローブ溶液の占める面積が、0.01μm2〜4
0000μm2であることが好ましい。
【0129】本発明の装置では、DNA、RNA、cD
NA(コンプリメンタリーDNA)、PNA、オリゴヌ
クレオチド、ポリヌクレオチド、その他の核酸、オリゴ
ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素に対
する基質、抗体、抗体に対するエピトープ、抗原、ホル
モン、ホルモンレセプター、リガンド、リガンドレセプ
ター、オリゴ糖、および多糖等をプローブとして用いる
ことができる。
NA(コンプリメンタリーDNA)、PNA、オリゴヌ
クレオチド、ポリヌクレオチド、その他の核酸、オリゴ
ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素に対
する基質、抗体、抗体に対するエピトープ、抗原、ホル
モン、ホルモンレセプター、リガンド、リガンドレセプ
ター、オリゴ糖、および多糖等をプローブとして用いる
ことができる。
【0130】また、本発明の装置では、担体の材料とし
て、例えば、合成石英、溶融石英等を含むガラス、シリ
コン、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。また該反応
物の光学的な検出を固相を介さないで検出する場合には
光学的に黒色の固相を用いることが好ましく、カーボン
ブラック等の黒色の染顔料を含む樹脂担体等が用いられ
る。
て、例えば、合成石英、溶融石英等を含むガラス、シリ
コン、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。また該反応
物の光学的な検出を固相を介さないで検出する場合には
光学的に黒色の固相を用いることが好ましく、カーボン
ブラック等の黒色の染顔料を含む樹脂担体等が用いられ
る。
【0131】本発明では、上述のような液滴除去手段を
備えた製造装置を適用してプローブアレイを製造する。
本発明には、この製造装置により製造されたプローブア
レイが含まれる。
備えた製造装置を適用してプローブアレイを製造する。
本発明には、この製造装置により製造されたプローブア
レイが含まれる。
【0132】本発明のプローブアレイは、各ドットが整
然と配列され、よれ、あるいは、ミスト等に由来する汚
れも観察されない、優れたプローブアレイである。
然と配列され、よれ、あるいは、ミスト等に由来する汚
れも観察されない、優れたプローブアレイである。
【0133】
【実施例】以下に、本発明のプローブアレイの製造方
法、ならびに製造装置に関して、より詳しく説明する。
法、ならびに製造装置に関して、より詳しく説明する。
【0134】実施例1(蛍光色素を用いた混色評価) 25.4mm×25.4mm×0.5mmの溶融石英基
板を1%の超音波洗剤GP−III(ブランソン)中で
20分間超音波洗浄した後、水道水で超音波洗浄、流水
洗浄を適宜行った。次に、80℃の1N NaCl中に
20分間浸漬し、流水(水道水)洗浄、超純水超音波洗
浄、流水(超純水)洗浄した後、窒素ガスを吹きつけて
乾燥した。
板を1%の超音波洗剤GP−III(ブランソン)中で
20分間超音波洗浄した後、水道水で超音波洗浄、流水
洗浄を適宜行った。次に、80℃の1N NaCl中に
20分間浸漬し、流水(水道水)洗浄、超純水超音波洗
浄、流水(超純水)洗浄した後、窒素ガスを吹きつけて
乾燥した。
【0135】次いで、蛍光色素ローダミンBを、本発明
のヘッドで吐出するための溶媒、すなわち、グリセリン
7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール
7.5wt%、一般式(I):
のヘッドで吐出するための溶媒、すなわち、グリセリン
7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール
7.5wt%、一般式(I):
【0136】
【化4】
【0137】(但し、R1からR4は先に定義したとお
りである。)で示されるアセチレンアルコール(例え
ば、商品名:アセチレノールEH 川研ファインケミカ
ル株式会社)1wt%を含む水溶液に、10μMの濃度
で溶解させた。この色素溶液を図1に略示したヘッドの
各吐出口に連接されて形成された液体リザーバーに一個
おきに注入した。ローダミンB液を注入しなかったリザ
ーバーには同様に溶液化した蛍光色素アミノFITC
(濃度10μM)を注入した。このヘッドの各吐出口か
ら上記二種の色素の溶液を上記洗浄済みの担体上に吐出
供給した。なお、各リザーバー、吐出口は予め上記溶媒
と各色素溶液で洗浄、真空吸引による液体の除去を適宜
繰り返した。一個の液滴の量は10plであり、この場
合、担体上に吐出された液滴(ドット)が占める面積は
約50μm2であり、ドットの間隔は約100μmであ
る。色素溶液の吐出はヘッドから一回吐出した後に図2
に略示したワイパーブレードにより図2に示す方向にワ
イピングし、再度吐出する方法を繰り返し、合計500
回吐出した。
りである。)で示されるアセチレンアルコール(例え
ば、商品名:アセチレノールEH 川研ファインケミカ
ル株式会社)1wt%を含む水溶液に、10μMの濃度
で溶解させた。この色素溶液を図1に略示したヘッドの
各吐出口に連接されて形成された液体リザーバーに一個
おきに注入した。ローダミンB液を注入しなかったリザ
ーバーには同様に溶液化した蛍光色素アミノFITC
(濃度10μM)を注入した。このヘッドの各吐出口か
ら上記二種の色素の溶液を上記洗浄済みの担体上に吐出
供給した。なお、各リザーバー、吐出口は予め上記溶媒
と各色素溶液で洗浄、真空吸引による液体の除去を適宜
繰り返した。一個の液滴の量は10plであり、この場
合、担体上に吐出された液滴(ドット)が占める面積は
約50μm2であり、ドットの間隔は約100μmであ
る。色素溶液の吐出はヘッドから一回吐出した後に図2
に略示したワイパーブレードにより図2に示す方向にワ
イピングし、再度吐出する方法を繰り返し、合計500
回吐出した。
【0138】ニコン蛍光顕微鏡ECLIPSE E80
0(株式会社ニコン)に20倍対物レンズ(プランアポ
クロマート)と蛍光フイルタ(B−2A:ローダミンB
用、B−2E/C:アミノFITC用、いずれもニコ
ン)をセットし200倍の倍率にて、供給された各色素
水溶液の状態を蛍光にて観察したところ、それぞれの色
素の液滴からは他の色素の蛍光は観察されず、混色のな
い水溶液の供給が可能であった。また、各ドットは整然
と配列され、よれ、あるいは、ミスト等に由来する汚れ
も観察されなかった。
0(株式会社ニコン)に20倍対物レンズ(プランアポ
クロマート)と蛍光フイルタ(B−2A:ローダミンB
用、B−2E/C:アミノFITC用、いずれもニコ
ン)をセットし200倍の倍率にて、供給された各色素
水溶液の状態を蛍光にて観察したところ、それぞれの色
素の液滴からは他の色素の蛍光は観察されず、混色のな
い水溶液の供給が可能であった。また、各ドットは整然
と配列され、よれ、あるいは、ミスト等に由来する汚れ
も観察されなかった。
【0139】実施例2(ハイブリダイゼーションによる
混色評価) 実施例1と同様にガラス基板を洗浄した。ついで、減圧
蒸留して精製した、下記式(II): (CH3O)3SiC3H6NHC2H4NH2 (II) のアミノシランカップリング剤(KBM−603:化合
物II;信越化学工業株式会社製)を1%の濃度で含む
水溶液を室温下、1時間攪拌し、メトキシ基部分を加水
分解させた。次に、上記基板を洗浄後速やかに前記シラ
ンカップリング剤水溶液に浸し、室温下、1時間浸漬し
た。その後、流水(超純水)洗浄し、窒素ガスを吹きつ
けて乾燥させ、次いで、120℃のオーブン中で1時間
加熱定着させた。
混色評価) 実施例1と同様にガラス基板を洗浄した。ついで、減圧
蒸留して精製した、下記式(II): (CH3O)3SiC3H6NHC2H4NH2 (II) のアミノシランカップリング剤(KBM−603:化合
物II;信越化学工業株式会社製)を1%の濃度で含む
水溶液を室温下、1時間攪拌し、メトキシ基部分を加水
分解させた。次に、上記基板を洗浄後速やかに前記シラ
ンカップリング剤水溶液に浸し、室温下、1時間浸漬し
た。その後、流水(超純水)洗浄し、窒素ガスを吹きつ
けて乾燥させ、次いで、120℃のオーブン中で1時間
加熱定着させた。
【0140】冷却後、下記式(III):
【0141】
【化5】
【0142】のN−(6−マレイミドカプロキシ)スク
シイミド(EMCS;化合物III)の0.3%溶液
(エタノール:ジメチルスルホキシド=1:1)に基板
を室温下、2時間浸漬し、EMCSをアミノシランカッ
プリング剤のアミノ基に反応させた。反応終了後、エタ
ノール:ジメチルスルホキシド=1:1で1回、エタノ
ールで3回洗浄し、窒素ガスを吹きつけて乾燥させた。
シイミド(EMCS;化合物III)の0.3%溶液
(エタノール:ジメチルスルホキシド=1:1)に基板
を室温下、2時間浸漬し、EMCSをアミノシランカッ
プリング剤のアミノ基に反応させた。反応終了後、エタ
ノール:ジメチルスルホキシド=1:1で1回、エタノ
ールで3回洗浄し、窒素ガスを吹きつけて乾燥させた。
【0143】 5’−ATGAACCGGAGGCCCATC−3’ (1) 3’−TACTTGGCCTCCGGGTAG−5’ (2) 5’−AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA−3’ (3) 3’−TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT−5’ (4)
【0144】上記する(1)、(3)の塩基配列にそれ
ぞれ相補的な塩基配列である、(2)、(4)の塩基配
列を有し、かつ、5’末端にリンカーを介して上記基板
表面に最終的に精製したマレイミド基と反応結合可能な
メルカプト基(SH基:スルフィドリル基ともいう)を
有するオリゴヌクレオチド(化合物V、VI:ベックス
株式会社)を本実施例の検証に用いるオリゴヌクレオチ
ドプローブに利用した。
ぞれ相補的な塩基配列である、(2)、(4)の塩基配
列を有し、かつ、5’末端にリンカーを介して上記基板
表面に最終的に精製したマレイミド基と反応結合可能な
メルカプト基(SH基:スルフィドリル基ともいう)を
有するオリゴヌクレオチド(化合物V、VI:ベックス
株式会社)を本実施例の検証に用いるオリゴヌクレオチ
ドプローブに利用した。
【0145】 式(V、VI): 3’-TACTTGGCCTCCGGGTAG-OP(O)2O-(CH2)6-5’ 化合物V 3’-TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT-OP(O)2O-(CH2)6-5’ 化合物VI
【0146】化合物V、VIをそれぞれ実施例1と同様
の吐出用溶媒に吸光度が1.0になるように溶解させ、
実施例1と同様にヘッドからガラス基板上に一個おきに
供給した。なお、各リザーバー、吐出口は予め上記溶媒
とオリゴヌクレオチドの溶液で洗浄、真空吸引による液
体の除去を適宜繰り返した。その後上記の基板上にオリ
ゴヌクレオチド溶液を吐出した。液滴量、ドットサイ
ズ、ドット間隔、吐出のパターン、吐出回数、ワイピン
グの方法は実施例1と同様である。また、上記溶媒は保
湿性が高く、リザーバー内、および、基板上でのオリゴ
ヌクレオチド溶液の乾燥を防ぐことができる。
の吐出用溶媒に吸光度が1.0になるように溶解させ、
実施例1と同様にヘッドからガラス基板上に一個おきに
供給した。なお、各リザーバー、吐出口は予め上記溶媒
とオリゴヌクレオチドの溶液で洗浄、真空吸引による液
体の除去を適宜繰り返した。その後上記の基板上にオリ
ゴヌクレオチド溶液を吐出した。液滴量、ドットサイ
ズ、ドット間隔、吐出のパターン、吐出回数、ワイピン
グの方法は実施例1と同様である。また、上記溶媒は保
湿性が高く、リザーバー内、および、基板上でのオリゴ
ヌクレオチド溶液の乾燥を防ぐことができる。
【0147】このように化合物V、VIの溶液を吐出し
た基板を、湿度100%の保湿チャンバー内に室温下で
1時間反応させた後、流水(超純水)中で約30秒洗浄
した。
た基板を、湿度100%の保湿チャンバー内に室温下で
1時間反応させた後、流水(超純水)中で約30秒洗浄
した。
【0148】次に、上記基板をBSA(牛血清アルブミ
ン:シグマアルドリッチジャパン)を2%の濃度で含む
50mM リン酸緩衝液(pH=7.0、1M NaC
lを含む)に1時間浸漬した後、上記緩衝液で適宜洗浄
し、この緩衝液中で保存した。
ン:シグマアルドリッチジャパン)を2%の濃度で含む
50mM リン酸緩衝液(pH=7.0、1M NaC
lを含む)に1時間浸漬した後、上記緩衝液で適宜洗浄
し、この緩衝液中で保存した。
【0149】<ハイブリダイゼーション>モデル標的D
NAとして実施例の(1)、(2)の配列を有し、5’
末端にテトラメチルローダミンを結合した化合物V、V
I(ベックス株式会社より購入)をハイブリダイゼーシ
ョンに用いた。
NAとして実施例の(1)、(2)の配列を有し、5’
末端にテトラメチルローダミンを結合した化合物V、V
I(ベックス株式会社より購入)をハイブリダイゼーシ
ョンに用いた。
【0150】モデル標的DNAとして、式(VII、V
III):(VIIのみ図示、VIIIはDNA部分が
A25)
III):(VIIのみ図示、VIIIはDNA部分が
A25)
【0151】
【化6】
【0152】のDNA分子、上記(1)、(3)の配列
を有し、蛍光標識としてテトラメチルローダミンを5’
末端に結合した化合物VII、VIII(べックス株式
会社より購入)を用いて、製造された基板上のプローブ
とのハイブリダイゼーション反応を行った。
を有し、蛍光標識としてテトラメチルローダミンを5’
末端に結合した化合物VII、VIII(べックス株式
会社より購入)を用いて、製造された基板上のプローブ
とのハイブリダイゼーション反応を行った。
【0153】このハイブリダイゼーション反応は、二枚
の基板を化合物VII、VIIIをそれぞれ5nMの濃
度で含むリン酸緩衝液(10mMリン酸緩衝液pH=
7.0、50mMのNaClを含む)2mlを用い、ハ
イブリパック中で別個に行った。基板をモデル標的DN
A溶液とともにハイブリパック中に封じ、恒温槽内で7
0℃まで加熱し、その後、50℃まで冷却し、その状態
で10時間放置した。
の基板を化合物VII、VIIIをそれぞれ5nMの濃
度で含むリン酸緩衝液(10mMリン酸緩衝液pH=
7.0、50mMのNaClを含む)2mlを用い、ハ
イブリパック中で別個に行った。基板をモデル標的DN
A溶液とともにハイブリパック中に封じ、恒温槽内で7
0℃まで加熱し、その後、50℃まで冷却し、その状態
で10時間放置した。
【0154】次に、基板をハイブリパックから取り出
し、未反応の標的DNAを除去する目的で、ハイブリダ
イゼーション用の緩衝液で洗浄した。洗浄後、緩衝液で
覆われた状態でスライドグラス上に基板を置き、カバー
ガラスで覆って、蛍光標識からの蛍光を観察した。この
観察に使用した蛍光顕微鏡は、ECLIPSE E80
0(株式会社ニコン)に20倍対物レンズ(プランアポ
クロマート)と蛍光フイルタ(Y−2E/C)をセット
したものである。各基板の標的DNAに相補的なプロー
ブが存在するべき部分からのみ蛍光が観察された。各ド
ットは整然と配列され、よれ、あるいは、ミスト等に由
来する汚れも観察されなかった。
し、未反応の標的DNAを除去する目的で、ハイブリダ
イゼーション用の緩衝液で洗浄した。洗浄後、緩衝液で
覆われた状態でスライドグラス上に基板を置き、カバー
ガラスで覆って、蛍光標識からの蛍光を観察した。この
観察に使用した蛍光顕微鏡は、ECLIPSE E80
0(株式会社ニコン)に20倍対物レンズ(プランアポ
クロマート)と蛍光フイルタ(Y−2E/C)をセット
したものである。各基板の標的DNAに相補的なプロー
ブが存在するべき部分からのみ蛍光が観察された。各ド
ットは整然と配列され、よれ、あるいは、ミスト等に由
来する汚れも観察されなかった。
【0155】収録された画像に基づき、基板上に二次元
アレイ状に形成した、化合物Vを固定したウェル全てに
ついて、蛍光が観察された。
アレイ状に形成した、化合物Vを固定したウェル全てに
ついて、蛍光が観察された。
【0156】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
および製造装置によれば、ヘッドの吐出口面の浄化を行
う際に、吐出口面の吐出口の配列に垂直に液滴除去手段
を動かすことにより、吐出口面を清浄にすることができ
る。本発明によれば、液滴除去工程を備えた製造方法お
よび製造装置を適用してプローブアレイを製造する。こ
の方法は、吐出口からの吐出状態を不安定にする吐出口
近傍に付着した不要なDNAプローブ形成用溶液を除去
し、更に異なるDNAプローブ形成用溶液の混液を防止
するプローブアレイの製造方法と製造装置を提供するこ
とができる。これにより、二次元アレイを用いたDNA
診断の信頼性を向上させることができる。
および製造装置によれば、ヘッドの吐出口面の浄化を行
う際に、吐出口面の吐出口の配列に垂直に液滴除去手段
を動かすことにより、吐出口面を清浄にすることができ
る。本発明によれば、液滴除去工程を備えた製造方法お
よび製造装置を適用してプローブアレイを製造する。こ
の方法は、吐出口からの吐出状態を不安定にする吐出口
近傍に付着した不要なDNAプローブ形成用溶液を除去
し、更に異なるDNAプローブ形成用溶液の混液を防止
するプローブアレイの製造方法と製造装置を提供するこ
とができる。これにより、二次元アレイを用いたDNA
診断の信頼性を向上させることができる。
【0157】本発明は、この製造方法および調整装置に
より製造されたプローブアレイが含まれる。これらのプ
ローブアレイは、各ドットが整然と配列され、よれ、あ
るいは、ミスト等に由来する汚れも観察されない、優れ
たプローブアレイである。
より製造されたプローブアレイが含まれる。これらのプ
ローブアレイは、各ドットが整然と配列され、よれ、あ
るいは、ミスト等に由来する汚れも観察されない、優れ
たプローブアレイである。
【図1】本発明のプローブアレイを製造する製造装置の
ヘッドを表す図である。(A)は、斜視図であり、
(B)は図1(A)をx軸方向から見た図である。
ヘッドを表す図である。(A)は、斜視図であり、
(B)は図1(A)をx軸方向から見た図である。
【図2】本発明のプローブアレイを製造する製造装置の
ヘッドから不要な液滴を除去する場合の、物理的力の付
与の方向を示す図である。
ヘッドから不要な液滴を除去する場合の、物理的力の付
与の方向を示す図である。
【図3】本発明のプローブアレイを製造する製造装置の
ヘッドをエラストマー部材で掻き取る場合の図である。
ヘッドをエラストマー部材で掻き取る場合の図である。
【図4】本発明のプローブアレイを製造する製造装置の
ヘッドに気体を吹きつけて吐出口付近の液滴を除去する
場合の図である。
ヘッドに気体を吹きつけて吐出口付近の液滴を除去する
場合の図である。
【図5】本発明のプローブアレイを製造する製造装置の
ヘッドから吸湿防潤部材で吐出口付近の液滴を除去する
場合の図である。
ヘッドから吸湿防潤部材で吐出口付近の液滴を除去する
場合の図である。
【図6】プローブアレイの製造装置の構成を示すブロッ
ク図である。
ク図である。
100 ヘッド 102 ヘッド本体 103 吐出口面 104 プローブ溶液接続口 105 吐出口 106 プローブ溶液滴 110 物理的な力を掛ける方向 112 掻き取り手段 114 支持部 116 エラストマー部材 118 吸引口 120 吸引管 124 気体吹きつけ手段 126 吸引手段 132 液滴除去手段 134 吸湿防潤部材 136 巻き取り部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12M 1/34 C12M 1/40 B 4G068 1/40 G01N 31/22 121P C12N 15/09 33/53 M G01N 31/22 121 33/566 33/53 B41J 3/04 101Z 35/10 C12N 15/00 F // G01N 33/566 G01N 35/06 J (72)発明者 岡本 尚志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA24 FB01 2G042 AA01 BD19 FB05 HA02 HA07 2G058 CC09 CC12 EB00 ED20 ED31 GA01 4B024 AA11 AA19 CA01 CA04 CA11 HA12 4B029 AA07 AA23 BB15 BB16 BB17 BB20 FA15 4G068 AA06 AB15 AC20 AD50
Claims (24)
- 【請求項1】 担体上に標識物質に対して特異的に結合
可能な複数種のプローブの各々が、二次元アレイ状に固
定されているプローブ担体の製造方法であって、該製造
方法が、 それぞれのプローブを含む複数のプローブ溶液を、前記
複数種のプローブに対応する個数の吐出口を備えたプロ
ーブ溶液吐出ヘッドを用いて、該吐出口から担体上に付
与する工程と、 該プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除去す
る工程とを具備し、 該プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍の液滴を除去す
る工程が、前記吐出口の配列方向とほぼ垂直方向に物理
的に力を与えることにより行われることを特徴とするプ
ローブ担体の製造方法。 - 【請求項2】 前記液滴除去工程が、エラストマー部材
で掻き取ることにより行われることを特徴とする請求項
1に記載のプローブ担体の製造方法。 - 【請求項3】 前記液滴除去工程が、吸湿防潤部材で拭
き取ることにより行われることを特徴とする請求項1に
記載のプローブ担体の製造方法。 - 【請求項4】 前記液滴除去工程が、前記プローブ溶液
吐出ヘッドの吐出口近傍に気体を吹き付けることにより
液滴を取り除くことにより行われることを特徴とする請
求項1に記載のプローブ担体の製造方法。 - 【請求項5】 前記エラストマー部材に付着した溶液を
除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項2
に記載のプローブ担体の製造方法。 - 【請求項6】 前記吸湿防潤部材として毎除去ごとに新
たな部材面を供給することを特徴とする請求項3に記載
のプローブ担体の製造方法。 - 【請求項7】 前記プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近
傍に吹き付けた気体を、該吐出口近傍で吸引することを
特徴とする請求項4に記載のプローブ担体の製造方法。 - 【請求項8】 前記吐出口から吐出される前記プロープ
溶液の量が0.1ピコリットルから100ピコリットル
の範囲であることを特徴とする請求項1から7のいずれ
かに記載のプローブ担体の製造方法。 - 【請求項9】 プローブ担体の、担体上に塗布されるプ
ローブ溶液の占める面積が、0.01μm2〜4000
0μm2であることを特徴とする請求項1から8のいず
れかに記載のプローブ担体の製造方法。 - 【請求項10】 プローブ担体のプローブが、DNA、
RNA、cDNA(コンプリメンタリーDNA)、PN
A、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他の
核酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵
素、酵素に対する基質、抗体、抗体に対するエピトー
プ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプター、リガンド、
リガンドレセプター、オリゴ糖、多糖よりなる群から選
択されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに
記載のプローブ担体の製造方法。 - 【請求項11】 プローブ溶液吐出ヘッドが前記液体に
吐出のための熱エネルギーを与える熱エネルギー発生体
を備えていることを特徴とする請求項1から10に記載
のプローブ担体の製造方法。 - 【請求項12】 担体上に標識物質に対して特異的に結
合可能な複数種のプローブの各々が、二次元アレイ状に
固定されているプローブ担体の製造装置であって、該製
造装置が、 前記担体を搬送する搬送手段、 各プローブ溶液を収納する溶液リザーバー、 前記リザーバーに接続されるプローブ溶液吐出用の吐出
口を、前記複数種のプローブに対応する個数備えるプロ
ーブ溶液吐出ヘッド、 前記プローブ溶液吐出ヘッドから不要な液滴を除去する
ための除去手段を具備し、 前記除去手段が、前記プローブ溶液吐出ヘッドの前記吐
出口の配列方向とほぼ垂直方向に除去する機構を有する
ことを特徴とするプローブ担体の製造装置。 - 【請求項13】 前記除去手段がエラストマー部材で前
記吐出口近傍の液滴を掻き取る手段であることを特徴と
する請求項12に記載のプローブ担体の製造装置。 - 【請求項14】 前記除去手段が、吸湿防潤部材で拭き
取る手段であることを特徴とする請求項12に記載のプ
ローブ担体の製造装置。 - 【請求項15】 前記除去手段が、前記吐出ヘッドの吐
出口近傍に気体を吹き付けることで液滴を取り除く手段
であることを特徴とする請求項12に記載のプローブ担
体の製造装置。 - 【請求項16】 前記エラストマー部材に付着した溶液
を除去する手段をさらに有することを特徴とする請求項
13に記載のプローブ担体の製造装置。 - 【請求項17】 前記吸湿防潤部材の部材面が、毎除去
ごとに新たな部材面となるような、新規部材面供給手段
を有することを特徴とする請求項14に記載のプローブ
担体の製造装置。 - 【請求項18】 プローブ溶液吐出ヘッドの吐出口近傍
に吹き付けられた気体を、該吐出ヘッドの吐出口近傍で
吸引するための手段をさらに有することを特徴とする請
求項15に記載のプローブ担体の製造装置。 - 【請求項19】 前記吐出口から吐出される前記プロー
プ溶液の量が、0.1ピコリットルから100ピコリッ
トルの範囲であることを特徴とする請求項12から18
のいずれかに記載のプローブ担体の製造装置。 - 【請求項20】 担体上に塗布されるプローブ溶液の占
める面積が、0.01μm2〜40000μm2である
ことを特徴とする請求項12から19のいずれかに記載
のプローブ担体の製造装置。 - 【請求項21】 前記プローブ担体のプローブが、DN
A、RNA、cDNA(コンプリメンタリーDNA)、
PNA、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その
他の核酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク
質、酵素、酵素に対する基質、抗体、抗体に対するエピ
トープ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプター、リガン
ド、リガンドレセプター、オリゴ糖、多糖よりなる群か
ら選択されることを特徴とする請求項12から20のい
ずれかに記載のプローブ担体の製造装置。 - 【請求項22】 前記プローブ溶液吐出ヘッドが、プロ
ーブ溶液に吐出のための熱エネルギーを与える熱エネル
ギー発生体を備えることを特徴とする請求項12から2
0のいずれかに記載のプローブ担体の製造装置。 - 【請求項23】 請求項1から11のいずれかに記載の
プローブ担体の製造方法により製造されたプローブ担
体。 - 【請求項24】 請求項12から22のいずれかに記載
のプローブ担体の製造装置を用いて製造されたプローブ
担体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001094110A JP2002286736A (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | プローブ担体の製造方法およびプローブ担体の製造装置 |
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---|---|---|---|
JP2001094110A JP2002286736A (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | プローブ担体の製造方法およびプローブ担体の製造装置 |
Publications (1)
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---|---|
JP2002286736A true JP2002286736A (ja) | 2002-10-03 |
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ID=18948359
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---|---|---|---|
JP2001094110A Pending JP2002286736A (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | プローブ担体の製造方法およびプローブ担体の製造装置 |
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---|---|
JP (1) | JP2002286736A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2006266926A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | マイクロ総合分析システム |
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WO2020155728A1 (zh) * | 2019-02-01 | 2020-08-06 | 清华大学 | 电火花加工的微细亲水探针操作微液滴方法及装置 |
-
2001
- 2001-03-28 JP JP2001094110A patent/JP2002286736A/ja active Pending
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