JP4666946B2 - 吐出口面の清掃方法、液体吐出装置およびプローブ担体の製造装置 - Google Patents

吐出口面の清掃方法、液体吐出装置およびプローブ担体の製造装置 Download PDF

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本発明は、ヘッドに設けられた吐出口より被記録部材に液滴を吐出する液体吐出装置に関するものである。特に多数のプローブ核酸を基板上に並べたDNAアレイの製造装置として好適なものである。
被記録部材に記録を行なうひとつの方法として、ヘッドに設けられたノズルから液滴を吐出させて記録を行なうインクジェット方式がある。この方式を採用したものでは、カラー画像を紙に印刷するためのプリンターが最も良く知られている。しかしながら、インクジェット方式は、微小な液滴を所定の場所に着弾させることができるという利点から、プリンターだけでなく、近年ではカラーフィルタ製造装置や、DNAチップに代表される、プローブと呼ばれる標的物質と結合可能な生体関連物質を基板上に並べたプローブアレイ製造装置、等にも適用されている。
従来例のインクジェットプリンターを図21、図22、図23、図24、図25、図26を用いて以下に説明する。
まず、従来例のインクジェットプリンターの外観について、図21、図22、図23を用いて説明する。
図21は、従来例のインクジェットプリンターの正面図、図22は、従来例のインクジェットプリンターの上面図、図23は、従来例のインクジェットプリンターの側面図である。図21において、本体25の外観は、ケース24とカバー部23にて形成されている。また、ケース24には、通紙口27が設けられている。次に、インクジェットプリンターの上面図である図22に示すように、カバー部23は、ケース24にヒンジ部26により連結されている。また、インクジェットプリンターの側面図である図23に示すように、カバー部23は、ケース24にヒンジ部26にて連結されているため、A方向へ回動する。
次に、図24は、図21のB−B断面図、図25は、図23のC−C断面図である。図24に示すように、キャリッジ1は、主走査モーター2からの駆動を伝達されたプーリ3に取り付けられたベルト4にベルト固定部5にて取り付けられているため、主走査モーター2を駆動することにより、D方向へ移動する。この時、キャリッジ1は、メインレール28とサブレール29に支えられ移動する。また、キャリッジ1にはインクを貯蔵しておくためのインクカートリッジが搭載されている。インク色はY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、BK(ブラック)の4色でありインクカートリッジも不図示であるが4個ある。
また、図25に示すように、キャリッジ1に取り付けられたヘッド6は、印字を行っていない時には、キャップ7でキャッピングされている。ヘッド6には4色のインクを吐出するためのノズルが各色256ノズルづつ設けられている。ヘッド6にて印字を行った後等にヘッド6をクリーニングするワイパー8は、ワイパーケース9内に取り付けられており、支持プレート10でワイパーケース9は支持されている。ワイパー8はゴム部材にて構成されている。支持プレート10は、側板(R)11に取り付けられている。ワイパーケース9の隣には、予備吐出箱12が設けられている。予備吐出箱12は、ヘッド6のノズルのメニスカスを一定に保つため、印字を実行する前に、ヘッド6が吐出を行った時の吐出されたインクを受けるためのものである。予備吐出箱12は、支持プレート10に取り付けられており、支持プレート10は、側板(R)11に取り付けられている。
予備吐出箱12には、廃液チューブ14が取り付けられており、廃液チューブ14は、廃液吸収体13に連結されている。そのため、予備吐出箱12内に、ヘッド6から吐出されたインクは、廃液チューブ14を通り、廃液吸収体13に吸収される。また、上記キャップ7は、吸引チューブ21によって図示しない吸引ポンプに連結されており、キャップ7をヘッド6に密着させた後に、吸引ポンプを作動させることで、ヘッド6に設けられた全てのノズル(各色256ノズル)のノズル内の微細なゴミ、泡、粘度の高くなったインクを吸い出すという働きがある。
ヘッド6に設けられたノズルよりキャップ7を用いてインクを吸い出した場合、またはヘッド6にて印字を行なった場合にはヘッド6のノズル近傍にインク滴が付着する。ヘッド6の4色(Y・M・C・BK)のノズルをワイパー8にてクリーニングすることでノズル近傍のインク滴を除去しノズルの吐出性能の劣化を防ぐ。
次に、図26は、キャリッジ1が、図25においてE−E断面線より左側に移動した場合で、かつ印字用紙15を挿入した場合の図25のE−E断面図である。印字用紙15は、F方向に挿入され、G方向より排出される。印字用紙15をF方向より挿入すると、まず、手差しローラ17と手差し従動ローラ16に印字用紙15が挟まれ、手差しローラ17と手差し従動ローラ16によりH方向へ印字用紙15が送られる。その後、印字用紙15は、プラテン20上を通り、送りローラ19と送り従動ローラ18に挟まれ、H方向へ送られ、排紙口22より排出される。また、プラテン20上に印字用紙15が存在する時に、キャリッジ1に取り付けられたヘッド6よりインクが、印字用紙15へ吐出されることで、印字用紙15上に画像が形成される。
以上に説明したように、従来のインクジェットプリンター等のインクジェット吐出装置においては、複数のノズルを同一ワイパーにてクリーニングしていた。このため、ノズル開口面に付着したインク色の異なるインクがワイパー上で混色し、混色したインクがノズルに付着しノズルより吐出されてしまうという問題点が存在している。
これを解決するために、同色の液を吐出するノズルが形成されている方向にワイピングを行なうことによって、実質的な混色を防ぐ方法や、ノズルの配列方向と垂直な方向にワイピングを行なうことで混色を防ぐ方法もある(例えば特許文献1など)。
しかし、それぞれ異なる液体を吐出する吐出口がアレイ状(行および列方向に並んで配置されている状態)に配置されている場合、このようなワイピング方向による混色の防止策を採用することは不可能であった。
特に多数種類のプローブ溶液をガラスなどの基板上の異なる位置に付与し、プローブを固定化させたプローブアレイを製造する製造装置においては、製造プロセスの簡略化から特許文献2のように多種類の異なる液体を吐出可能な液体吐出装置が求められている。
このような、異なるプローブ溶液が充填されている複数のノズルが同一の吐出口面に配置されている場合、上述したクリーニングによって各ノズル間のプローブ溶液が混ざってしまう。これにより、DNAアレイ上の所定の位置に混ざりあったDNA含有液が配置されてしまい、DNAアレイとしての信頼性が下がってしまうという課題があった。
特開2002−286736号公報 特開2002−318232号公報
したがって本発明は、上記の課題を解決し、複数の異なる液体を吐出するための吐出口が配置された吐出口面であっても、互いの吐出口において異なる液体が混ざりあうことのない吐出口面の清掃方法を提供することを目的とする。
また、複数の異なる液体を吐出するための吐出口が配置された吐出口面であっても、互いの吐出口において異なる液体が混ざりあうことのない好適な清掃手段を有する吐出装置を提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、信頼性の高いプローブアレイを効率的に製造することのできる製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、上記課題を解決するために、本発明は液体を吐出するための複数の吐出口が配置された吐出口面を清掃する清掃方法であって、
前記吐出口面を清掃するための清掃手段を前記吐出口面に対して実質的に垂直な方向から該吐出口面に当接させた後に、前記清掃手段を前記吐出口面に平行な方向に且つ前記複数個の前記吐出口間距離の最小値よりも小さい距離で相対的に移動させて前記吐出口の近傍を清掃することを特徴とする
前記清掃手段を当接させた後に、前記清掃手段を吐出口面に平行な方向に相対的に移動させるとよい。前記相対的な移動が、清掃手段を吐出口面に対して複数個の吐出口間距離の最小値よりも小さい距離の移動であるとよい。前記相対的な移動の後に、吐出口面に対して実質的に垂直な方向へ清掃手段を離間させると好ましい。
前記清掃手段が、前記複数の吐出口に対応した清掃手段であり、前記複数の吐出口の近傍のそれぞれに前記清掃手段が当接され、同時に前記それぞれの吐出口の近傍を清掃するとよい。
複数の吐出口のそれぞれが互いに異なる液体を吐出可能に構成されていると好ましいが、一部で同じ液体を吐出するように構成することも排除はされない。
複数の吐出口が、行および列方向に並んで配置されているとよい。
清掃手段が吸収部材を含むとよく、吸収体に液体が含浸されているとよい。
液体吸収部材に含浸する液体の主成分が、前記吐出口に充填される液体の主成分で構成されるとよい。
液体吸収部材に含浸する液体を、水または水溶液で構成するとよい。
前記液体吸収部材に含浸させる液体の量が、前記吐出口面への当接面の面積1cm2当り0.009g以上0.015g以下であるとよい。
前記清掃手段を洗浄して再利用することも好ましい。
前記洗浄は、洗浄液によって行なわれるとよい。
前記吸収部材の清掃に使用しなかった部分を用いて再度清掃を行なうことも好ましい。
前記清掃手段の交換を行い、前記吐出口面を複数回清掃するとよい。
また、本発明に係る液体吐出装置は、液体を吐出するための複数の吐出口が配置された吐出口面を有する液体吐出ヘッドと、前記吐出口面を清掃するための清掃手段と、を有し、前記清掃手段が、前記吐出口面に対して実質的に垂直な方向から該吐出口面に当接させて前記吐出口の近傍を清掃する手段であることを特徴とする。
前記清掃手段が、前記複数の吐出口を同時に清掃する手段であるとよい。
前記複数の吐出口が、行および列方向に並んで配置されており、且つ前記複数の吐出口のそれぞれが互いに異なる液体を吐出可能に構成されていると好ましい。
前記液体吐出ヘッドが、液体吐出用の熱エネルギーを発生させるための電気熱変換体を備えているとよく、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生ずる膜沸騰を利用して前記ヘッドに設けた前記ノズルより液体を吐出させる構成であるとより好ましい。
また、本発明は、担体上に標的物質と特異的に結合可能なプローブを有するプローブアレイを製造するためのプローブアレイ製造装置であって、
上記の液体吐出装置を有することを特徴とするプローブアレイ製造装置をも提供する。
さらに本発明は、上記のプローブアレイ製造装置を用いてプローブアレイを製造するプローブアレイの製造方法をも提供する。
また、複数の吐出口のそれぞれに異なる液体をそれぞれ供給する工程を更に有するとよい。
本発明によれば、前記清掃手段を前記吐出口面のほぼ垂直な方向から該吐出口面に当接させて前記吐出口の近傍を清掃するために、清掃手段を清掃すべき吐出口以外の吐出口に接触することなく目的の吐出口近傍に当接させてこの領域を清掃することができる。これにより各吐出口において異なる液体が混ざりあうことのない好適な清掃方法を提供することができる。
また、本発明に係る吐出装置は、清掃手段を前記吐出口面のほぼ垂直な方向から該吐出口面に当接させて前記吐出口の近傍を清掃するために、吐出性能が安定し、且つ各吐出口において異なる液体が混ざりあうことのない吐出装置を提供することができる。
また、本発明の液体吐出装置をプローブアレイ製造に用いることで、信頼性の高いDNAアレイを効率的に製造することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は液体を吐出するための複数の吐出口が配置された吐出口面を清掃する清掃方法であって、前記吐出口面を清掃するための清掃手段を前記吐出口面に対して実質的に垂直な方向から該吐出口面に当接させて前記吐出口の近傍を清掃することを特徴とする。
本発明に係る吐出装置の一実施形態は、
異なる液体が充填されている複数個のノズルを有するヘッドに対し、
上記ノズルが配列されているノズル開口面に当接し、
上記ノズル開口面を清掃する清掃手段を設け、
上記清掃手段を上記ノズル開口面に当接したのちに上記清掃手段を上記ヘッドに対して上記複数個の上記ノズル端面間距離の最小値よりも小さい距離を移動する構成とする。
上記構成により、ノズル近傍に付着した液体を清掃手段により除去しノズルの吐出性能の劣化を防ぐことと、各上記ノズル内の液体が混ざるのを防ぐことが可能な吐出装置を提供するものである。
清掃手段のヘッドに対する移動方向をノズル配列方向に対して傾けた方向とし、清掃手段の移動距離を上記傾けた方向の上記ノズル端面間距離の最小値よりも小さく構成するとよい。
清掃手段のヘッドに対する移動方向をノズル配列方向に対して45°傾けた方向とし、上記清掃手段の移動距離を上記45°傾けた方向の上記ノズル端面間距離の最小値よりも小さく構成するとよい。
また、清掃手段を上記ヘッドに対して上記ノズルの1個ずつから上記ノズル開口面に移動した液滴の液滴端面間距離の最小値よりも小さい距離を移動する構成とするとよい。
清掃手段を上記ノズル開口面に当接させ、上記清掃手段を上記ヘッドに対して移動したのちに上記清掃手段を上記ノズル開口面から離し、ノズル内に充填されていた液体が上記清掃手段に付着していない部分が上記ノズルに当接する位置に上記清掃手段を位置変更し、清掃手段を上記ノズル開口面に当接させ上記清掃手段を上記ヘッドに対して移動する構成としてもよい。
これにより、清掃手段を洗浄することなく再使用することが可能となりコストダウンが可能となる。
清掃手段をノズル開口面に当接させ、上記清掃手段を上記ヘッドに対して移動したのちに上記清掃手段を上記ノズル開口面から離し、清掃手段に付着した上記ノズル内に充填されていた液体が、ノズル内から上記ノズル開口面に移動し上記ノズル開口面に付着している液体と上記清掃手段上で混ざらない位置に上記清掃手段を位置変更し、上記清掃手段を上記ノズル開口面に当接させ上記清掃手段を上記ヘッドに対して移動する構成とてもよい。
これにより、ノズル内に充填されていた液体が、上記ノズル内から上記ノズル開口面に移動し上記ノズル開口面に付着していても上記清掃手段を洗浄することなく再使用することが可能となりコストダウンが可能となる。
上記一連の動作を複数回行う構成とするとよい。これにより、清掃手段を複数回使用することが可能となりコストダウンが可能となる。
清掃手段を上記ノズル開口面に当接させ、上記清掃手段を上記ヘッドに対して移動したのちに上記清掃手段を交換する構成としてもよい。
これにより、各上記ノズル内の液体が混ざるのを防ぐことが可能となり、かつ清掃を行うために最良の状態の清掃手段を用い上記ノズル開口面を清掃することが可能となる。
清掃手段を上記ノズル開口面に当接させ、上記清掃手段を上記ヘッドに対して移動し、ノズルに充填した液体を異なる液体に交換したときに上記清掃手段を交換する構成としてもよい。
これにより、清掃手段の交換回数を必要最小限とし、かつ各上記ノズル内の液体が混ざるのを防ぐことが可能となる。
清掃手段を上記ノズル開口面に当接させ、上記清掃手段を上記ヘッドに対して移動したのちに上記清掃手段を洗浄する構成としてもよい。
これにより、各上記ノズル内の液体が混ざるのを防ぐことが可能となる。
清掃手段を上記ノズル開口面に当接させ、上記清掃手段を上記ヘッドに対して移動し、ノズルに充填した液体を異なる液体に交換したときに上記清掃手段を洗浄する構成としてもよい。
これにより、上記清掃手段の洗浄回数を必要最小限とし、かつ各上記ノズル内の液体が混ざるのを防ぐことが可能となる。
ノズルにDNAを含む液体を充填した場合に、上記清掃手段を洗浄液1により洗浄することにより上記清掃手段に付着したDNAを洗浄により除去する構成とするとよい。これにより、上記清掃手段に付着したDNAを確実に除去することが可能となる。
清掃手段に付着した上記洗浄液1を洗浄液2により洗浄することにより除去する構成としてもよい。これにより、上記洗浄液1が上記ノズル内に充填されている液体中のDNAに悪影響を及ぼすのを防ぐことが可能となる。
清掃手段を洗浄したのちに、上記清掃手段を再使用する構成とするとよい。これにより、各上記ノズル内の液体が混ざるのを防ぐことが可能となるとともに、清掃手段を再使用可能となりコストダウンが可能となる。
清掃手段を上記ノズル開口面に当接したのちに、上記清掃手段を上記ヘッドに対して上記ノズル開口面と平行方向へ移動させない構成とするとよい。これにより、上記清掃時間を短縮することが可能となる。
清掃手段に液体を含浸した構成とするとよい。これにより、上記ノズル近傍に付着した液体を上記清掃手段により確実に除去し上記ノズルの吐出性能の劣化を防ぐことが可能となる。
清掃手段を液体吸収部材で構成するとよい。これにより、ノズル近傍に付着した液体を上記液体吸収部材により確実に除去し上記ノズルの吐出性能の劣化を防ぐことが可能となる。
液体吸収部材に含浸する液体の主成分を、上記ノズルに充填されている液体の主成分で構成するとよい。これにより、液体吸収部材に含浸した液体の一部が上記ノズル内に侵入した場合でも、ノズル内に充填されたDNA液に悪影響を及ぼすのを防ぐことが可能となる。
液体吸収部材に含浸する液体を、水または水溶液で構成するとよい。これにより、液体吸収部材に含浸した水がノズル開口面に付着しても、蒸発するのでノズル近傍に残留物が残るのを防ぐことが可能となり、ノズルの吐出性能の劣化を防ぐことが可能となる。
液体吸収部材に含浸させる液体の量が、吐出口面への当接面の面積1cm2当り0.009g以上0.015g以下であるとよい。
これにより、上記ノズル近傍に付着した液体を上記液体吸収部材により確実に除去し上記ノズルの吐出性能の劣化を防ぐことが可能となる。
例えば、10cm×10cmの当接面を有する吸収部材を清掃手段とする場合、この当接面に対して0.9g〜1.5gの液体を表面から均等に含浸させるとよい。
上記数値を超える液体量を液体吸収部材に含浸した場合、液体吸収部材内の液体量が多くなりすぎ、液体吸収部材内部の液体がノズル近傍に付着しやすくなるなどの弊害が生じる。また上記数値未満の液体量を液体吸収部材に含浸した場合、液体吸収部材内の液体量が少なすぎるため、液体吸収部材の液体に対するぬれ性が悪化し液体吸収部材の液体吸収性能が悪くなり、液体吸収部材にノズル近傍に付着した液体が吸収されにくくなる。
また、清掃手段をブレードで構成してもよい。これにより、上記清掃手段の上記ノズル開口面への当接部を精度良く製造することが可能となり、上記ノズル近傍に付着した液体を上記ブレードにより確実に除去し上記ノズルの吐出性能の劣化を防ぐことが可能となる。
複数個の上記ノズルの一部には互いに異なる液組成の液体が充填されている構成とするとよい。これにより、複数個の上記ノズルから同一種類の液体を吐出することが可能となり、吐出パターン構成時の自由度が広がる。
ヘッドを、液体吐出用の熱エネルギーを発生させるための電気熱変換体を備えている構成とするとよい。これにより、ノズルから確実に液体を吐出することが可能となる。
また、ヘッドを、上記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生ずる膜沸騰を利用して上記ヘッドに設けた上記ノズルより液体を吐出させる構成とするとよい。これにより、ノズルから更に確実に液体を吐出することが可能となる。
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態を図1〜図11を用いて以下に説明する。
はじめに本実施形態にかかる吐出装置を構成するワイプ装置部に関して以下に説明する。なお、吐出装置内においてワイプ装置部はノズル等の吐出機能を形成する部位と一体に設けても、別体にユニット化して設けても良い。
図1は本発明の吐出装置におけるワイプ装置部の上面図である。本実施形態では、ワイプ装置部は吐出装置とは別体に構成されている。またワイプ装置部には、ノズルよりノズル内の微細なゴミ、泡、粘度の高くなった液体を吸引する吸引装置部も設けられている。
ヘッドプレート53にはヘッド54がビスにより取り付けられている。ヘッド54には液体供給口55が9箇所設けられている。各液体供給口55は各々別々のノズルに連通している。各液体供給口55には各々異なる液体が注入されている。そのため各々のノズルから異なる液体が吐出される。
図2は、図1のL−L断面図である。ヘッド54にはノズル68が設けられている。ベースプレート51には側板52が取り付けられている。側板52にはヘッドプレート53が取り付けられている。ヘッドプレート53にはヘッド54が取り付けられている。ベースプレート51上にはXステージ56が搭載されており、レール78上をXステージ可動部66が左右に移動する。Xステージ可動部66上にはZステージ57が取り付けられている。Zステージ57は上下方向へ移動可能である。Zステージ57上にはワイプ台70が取り付けられている。ワイプ台70にはワイプホルダー69が摺動自在に取り付けられている。ワイプ台70とワイプホルダー69の間にはワイプバネ71が設けられており、ワイプホルダー69をワイプ台70に対して押し上げる方向に押圧している。また、ワイプホルダー69にはワイプホルダー凸部72が設けられている。ワイプホルダー凸部72がワイプ台70に当接するためワイプホルダー69はワイプ台70に対して上方へ抜けてしまうことはない。
ワイプホルダー69に設けられた凹部に吸収体プレート67が挿入されている。ワイプホルダー69に設けられた凹部表面は、ノズル68が形成されている面に対して平行である。吸収体65は吸収体プレート67に両面テープにて貼り付けられている。吸収体プレート67の表面は非常に平滑に構成されている。吸収体65の表面は吸収体プレート67の表面に沿うため、吸収体65の表面も平滑に構成される。そのため、吸収体65のノズル68が形成されている面に当接する面は、ノズル68が形成されている面に対して平行に構成されており、ノズル68が形成されている面に隙間無く当接することが可能である。吸収体プレート67は自重により、容易には上方向へ移動しない構成となっている。吸収体65には液体が含浸されている。吸収体65に液体が含浸されていない場合には、吸収体65にてノズル68が形成されている面を清掃する時、充分に清掃できない場合がある。
上記吸収体65に含浸する液体の量は、ノズル68が形成されている面への吸収体65の当接面の面積1cm2当り0.009g以上0.015g以下が望ましい。例えば、ノズル68が形成されている面への当接面が10cm×10cmの大きさであり、厚さが3mmの吸収体65を使用する場合、この当接面に対して0.9g〜1.5gの液体を表面から均等に含浸させるとよい。また、吸収体65に含浸した液体の一部がノズル68内に浸入する場合もあるため、吸収体65に含浸する液体の主成分は、ノズル68に注入されている液体の主成分であることが望ましい。上記液体の主成分が水の場合は、吸収体65に水を含浸することとなる。水はノズル68が形成されている面に付着しても蒸発し、残留しない。ノズル68からの吐出を妨げる可能性のある残留物を生じない点で水を吸収体65に含浸することには利点がある。
Zステージ57上にはキャップ台58も取り付けられている。キャップ台58にはキャップホルダー59が摺動自在に取り付けられている。ノズル68に対向する位置にキャップ60が設けられている。キャップ60はゴム部材で構成されている。キャップ60はキャップホルダー59に取り付けられている。キャップホルダー59に設けられたキャップジョイント62がキャップ60に設けられた穴部に圧入されている。キャップジョイント62にはキャップチューブ61が取り付けられている。キャップチューブ61は不図示の吸引ポンプに接続されている。キャップ台58とキャップホルダー59の間にはキャップバネ63が設けられており、キャップホルダー59をキャップ台58に対して押し上げる方向に押圧している。また、キャップホルダー59には凸部64が設けられている。凸部64がキャップ台58に当接するためキャップホルダー59はキャップ台58に対して上方へ抜けてしまうことはない。
図3は、図1のK−K断面図である。図2・図3に図示したように吸収体65はヘッド54に設けられた全てのノズル68に当接可能な大きさである。
図4は、図2のM−M断面図である。
図5は、吸収体65をヘッド54のノズル68が形成されている面に当接させた状態の図1のL−L断面図である。この場合、図2に対してZステージ57が上方に移動している。その結果、ワイプ台70が上昇し、ワイプホルダー69・吸収体プレート67・吸収体65が上昇する。そして、吸収体65が、ノズル68が形成されている面に当接する。このときワイプバネ71が撓み、ワイプバネ71によりワイプホルダー69・吸収体プレート67・吸収体65はノズル68が形成されている面に押圧されている。
図6は、図5においてXステージ可動部66が右方向へ移動した状態の図である。Xステージ可動部66の移動量はノズル68の間の距離の最小値未満である。Xステージ可動部66の移動量がノズル68の間の距離の最小値以上の場合、1ヶ所のノズル68に接触した吸収体65の部分が他のノズル68に接触することとなる。ノズル68には各々異なる液体が注入されているため、その場合、ノズル68同士の液体が混ざることとなる。
ここで、液体によっては吸収体65の表面で液体が広がること・ノズル68が形成されている面でノズル68から吸引動作により吸引された液滴が広がること等を考慮し上記Xステージ可動部66の移動量を更に小さく設定することも可能である。また、液体によっては、吸収体65をノズル68が形成されている面に押圧させるだけでもよい。つまり押圧させるだけでノズル68が形成されている面の液滴除去が可能な場合、Xステージ可動部66を移動させなくても良い。
また、Xステージ56の取り付け方向を変更し、上記ノズル68の配列方向に対して傾けても良い。上記傾きは、上記ノズル68の配列方向に対して45°傾けても良い。この場合、Xステージ可動部66の移動量は、ノズル68同士の液体の混ざるのを避ける為、移動方向のノズル68の間の距離の最小値未満とする。Xステージ56の取り付け方向を変更し上記ノズル68の配列方向に対して傾けることで、移動方向のノズル68の間の距離が増加する為、吸収体65のノズル68を清掃する面積が増加し清掃性能が向上する。
ここで、液体によっては吸収体65の表面で液体が広がること・ノズル68が形成されている面でノズル68から吸引動作により吸引された液滴が広がること等を考慮し上記Xステージ可動部66の移動量を更に小さく設定することも可能である。
図7は、図6においてZステージ57が下降した状態の図である。図2・図5・図6・図7に示した動作を行なうことで、ノズル68が形成された面のワイピングが行なわれ、ノズル68が形成された面の清掃が行なわれる。ノズル68から液体を吸い出した場合・ノズル68から吐出を行なった場合にノズル近傍に付着する液体を上記清掃により除去することでノズル68の吐出性能の劣化を防ぐことが可能である。
図8は、吸収体65を交換する状態を示した図である。上記清掃終了後、Xステージ可動部66を移動し交換口86の下に吸収体65を移動する。吸収体65が貼り付けられた吸収体プレート67をワイプホルダー69より取り外す。そして交換口86より取り出す。吸収体65を吸収体プレート67よりはがし、新しい吸収体65を吸収体プレート67に貼り付ける。その後、吸収体65が貼り付けられた吸収体プレート67をワイプホルダー69に設けられた凹部に挿入する。交換作業を自動化するために、吸収体65が貼り付けられた吸収体プレート67をスタッカー等から自動供給し、交換する構成としても良い。また、吸収体65をケース内に保管しておくことで、吸収体65にゴミが付着するのを防いでも良い。ゴミが吸収体65に付着するとワイピングを行うことで、ノズル68にゴミが付着する可能性があるためである。また、密閉された小さなケースに吸収体65を保管しておくことで、吸収体65に含浸させた液体の蒸発を防止し、吸収体65をワイピングを行うために最適な状態に保っておいても良い。
吸収体65の交換は、上記清掃終了後に毎回行っても良いし、上記清掃終了後に同一位置のノズル68に異なる液体が注入された場合に行っても良い。交換をしない場合、最初の清掃によりノズル68より吸収体65に付着した液体が、次の清掃時に異なる液体が注入された前記ノズル68に接触すると異なる液体が混ざるので吸収体65の交換を行う。
上記清掃終了後に、Xステージ可動部66の動作方向と図4のY方向(Y方向への移動手段は不図示)にワイプ装置部を移動し吸収体65にノズル68内に充填された液体が付着していない部分をノズル68の真下に移動した場合には、同一位置のノズル68に異なる液体が注入された時でも、吸収体65を交換しなくても良い。ただし、吸収体65に含浸した液体の一部がノズル68内に侵入する場合には、吸収体65に付着した液体が、次に吸収体65に付着する液体と混ざらない位置までワイプ装置部を移動する必要がある。それは、付着した液体と次に付着する液体が異なる場合に、2種類の液体が混ざり、ノズル68に侵入するのを防ぐためである。
図9は、図2においてキャップ60をヘッド54の直下に移動した状態の図である。
図10は、図9においてキャップ60をヘッド54のノズル68が形成されている面に当接させた状態の図である。この場合、図9に対してZステージ57が上方に移動している。その結果、キャップ台58が上昇し、キャップホルダー59・キャップバネ63・キャップ60が上昇する。そして、キャップ60が、ノズル68が形成されている面に当接する。このときキャップバネ63が撓み、キャップバネ63によりキャップホルダー59・キャップ60はノズル68が形成されている面に押圧されている。その後、不図示の吸引ポンプを動作させキャップ60内部を負圧とすることで、ノズル68よりノズル68内の微細なゴミ、泡、粘度の高くなった液体等を吸引する。
吸引動作終了後には、Zステージを下降し、図9の状態に戻す。
上記吸引動作実施後に、上記ワイピング動作を行なうことでノズル68の吐出性能の劣化を防ぐことが可能である。
次に吐出装置に関して説明する。図11は吐出装置の斜視図である。
定盤79上にはY軸ステージ73およびガイドレール77が平行に固定されている。Y軸ステージ73およびガイドレール77の可動部分にはX軸ステージ74が取り付けられおり、X軸ステージ74はY軸方向に移動可能となっている。X軸ステージ74の可動部分にはチャック75が固定されている。チャック75は図示しないポンプにチューブによってつながれており、ポンプが空気を吸引することで、被記録部材84はチャック75に吸着される。また、定盤79上に支柱82・83が固定されており、支柱82・83にはそれぞれブリッジ80・81が固定されている。ブリッジ80と81はステー85で固定されており、支柱82・83とブリッジ80・81の構造物の強度を保っている。ブリッジ80と81の間にはヘッド搭載台76が固定されており、ヘッド搭載台76にはヘッド54が固定されている。
ヘッド54に液体を注入し、上記吸引装置部により吸引を行い、上記ワイプ装置部によりワイピングを行なった後に、吐出装置にヘッド54を搭載する。Y軸ステージ73・X軸ステージ74を動作させヘッド54より液体を吐出させることで被記録部材84の所定の位置に液体を吐出する。
なお、上記ヘッド54は、液体吐出用の熱エネルギーを発生させるための電気熱変換体を備え、電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生ずる膜沸騰を利用してヘッド54に設けた吐出口より液体を吐出させる構成を有しているものとする。
〔第2の実施形態〕
本実施形態は、第1の実施形態において、吸収体65の洗浄部を設けた部分のみ異なる。そのため洗浄部に関して以下に説明する。
図12は、Xステージ可動部66を移動させることで、吸収体65を第1の洗浄部87の真下に移動した状態の図である。Xステージ可動部66を移動させることで、吸収体65を第2の洗浄部88の真下に移動させることも可能である。第1の洗浄部87には第1の洗浄チューブ89が接続されており、第1の洗浄チューブ89には不図示のポンプを介して不図示の第1の洗浄タンクが設けられている。第2の洗浄部88にも同様に第2の洗浄チューブ90が接続されており、第2の洗浄チューブ90には不図示のポンプを介して不図示の第2の洗浄タンクが設けられている。第1の洗浄部87・第2の洗浄部88には洗浄液口91が設けられており、不図示の第1の洗浄タンク・第2の洗浄タンクからポンプを介して第1の洗浄部87・第2の洗浄部88に送られてきた洗浄液は洗浄液口91から吸収体65上に供給される。洗浄液を吸収体65に供給し、吸収体65を洗浄した後に、洗浄液はワイプホルダー69に設けられた廃液口99から排出される。洗浄液を廃液口99から確実に排出するために、ワイプホルダー69にはワイプホルダー液漏れ防止壁97が設けられている。
排出された洗浄液は第1の廃液チューブ95から不図示のポンプを介して不図示の廃液タンクに排出される。
洗浄液を1種類(純水等)とした場合、第2の洗浄部88・第2の洗浄チューブ90は不要である。
吸収体65に付着したDNA液内のDNAを洗浄により確実に除去するには、第1の洗浄タンク(不図示)にDNAを除去する洗浄液を充填する。第2の洗浄タンク(不図示)には純水を充填する。そして、第1の洗浄部87の真下に吸収体65を移動させ、吸収体65にDNAを洗浄により除去する洗浄液を供給し吸収体65に付着したDNAを除去する。次に第2の洗浄部88の真下に吸収体65を移動し、吸収体65に純水を供給しDNAを除去する洗浄液を吸収体65より洗い流す。これは、DNAを洗浄により除去する洗浄液が吸収体65内に残留し、ノズル68に付着し、ノズル68内に充填されたDNA液に悪影響を与えるのを防止するためである。その後、第2の廃液チューブ96に接続されている不図示のポンプを作動させることで吸収体65内に含浸された純水の一部を吸収体プレート穴部100・ワイプホルダー穴部101を介して吸引し、吸収体65に含浸された純水量を適切な量に制御する。第2の廃液チューブ96から不図示のポンプを介して排出された純水は不図示の廃液タンクへ排出される。
〔第3の実施形態〕
本実施形態は、第1の実施形態において、ヘッド54のノズル68が形成されている面を清掃する手段を、吸収体65からブレード92に変更した部分のみが異なる。そのため、主に変更点に関して図13〜図19を用いて以下に説明する。
図13は本実施例の吐出装置におけるワイプ装置部の上面図である。
図14は、図13のN−N断面図である。Zステージ57上にはブレード台94が取り付けられている。ブレード台94に設けられた凹部にはブレードホルダー93が挿入されている。ブレードホルダー93にはブレード92が取り付けられている。
ブレードホルダー93は自重により、容易には上方向へ移動しない構成となっている。
図15は、図13のP−P断面図である。図14・図15に図示したようにブレード92はヘッド54に設けられたノズル68の列ごとに設けられている。1個のノズル68に対して1個ずつブレードを設けても良い。また図14においてブレード92は3枚設けられているが、一体に構成しても良い。
図16は、ブレード92をヘッド54のノズル68が形成されている面に当接させた状態の図13のN−N断面図である。この場合、図14に対してZステージ57が上方に移動している。その結果、ブレード台94が上昇し、ブレードホルダー93・ブレード92が上昇する。そして、ブレード92が、ノズル68が形成されている面に当接する。このときブレード92は可撓性を有する材質(ゴム・エラストマー等)で形成されているので撓む。
図17は、図16においてXステージ可動部66が右方向へ移動した状態の図である。Xステージ可動部66の移動量はノズル68の間の距離の最小値未満である。Xステージ可動部66の移動量がノズル68の間の距離の最小値以上の場合、1ヶ所のノズル68に接触したブレード92が他のノズル68に接触することとなる。ノズル68には各々異なる液体が注入されているため、その場合、ノズル68同士の液体が混ざることとなる。
ここで、液体によってはノズル68が形成されている面でノズル68から吸引動作により吸引された液滴が広がること等を考慮し上記Xステージ可動部66の移動量を更に小さく設定することも可能である。
また、Xステージ56の取り付け方向を変更し、上記ノズル68の配列方向に対して傾けても良い。上記傾きは、上記ノズル68の配列方向に対して45°傾けても良い。この場合、Xステージ可動部66の移動量は、ノズル68同士の液体の混ざるのを避ける為、移動方向のノズル68の間の距離の最小値未満とする。Xステージ56の取り付け方向を変更し上記ノズル68の配列方向に対して傾けることで、移動方向のノズル68の間の距離が増加する為、ブレード92のノズル68を清掃する面積が増加し清掃性能が向上する。
ここで、液体によってはノズル68が形成されている面でノズル68から吸引動作により吸引された液滴が広がること等を考慮し上記Xステージ可動部66の移動量を更に小さく設定することも可能である。
図18は、図17においてZステージ57が下降した状態の図である。図14・図16・図17・図18に示した動作を行なうことで、ノズル68が形成された面のワイピングが行なわれ、ノズル68が形成された面の清掃が行なわれる。ノズル68から液体を吸い出した場合、ノズル68から吐出を行なった場合にノズル近傍に付着する液体を上記清掃により除去することでノズル68の吐出性能の劣化を防ぐことが可能である。
図19は、ブレード65を交換する状態を示した図である。上記清掃終了後、Xステージ可動部66を移動し交換口86の下にブレード92を移動する。ブレード92が取り付けられたブレードホルダー93をブレード台94より取り外す。そして交換口86より取り出す。その後、ブレード92が取り付けられたブレードホルダー93を交換する。そして、ブレード92が取り付けられたブレードホルダー93をブレード台94に設けられた凹部に挿入する。交換作業を自動化するために、ブレード92が取り付けられたブレードホルダー93をスタッカー等から自動供給し、交換する構成としても良い。
ブレード92の交換は、上記清掃終了後に毎回行っても良いし、上記清掃終了後に同一位置のノズル68に異なる液体が注入された場合に行っても良い。交換をしない場合、最初の清掃によりノズル68よりブレード92に付着した液体が、次の清掃時に異なる液体が注入された前記ノズル68に接触すると異なる液体が混ざるのでブレード92の交換を行う。
上記清掃終了後に、図15のY方向(Y方向への移動手段は不図示)にワイプ装置部を移動しブレード92にノズル68内に充填された液体が付着していない部分をノズル68の真下に移動した場合には、同一位置のノズル68に異なる液体が注入された時でも、ブレード92を交換しなくても良い。ただし、ブレード92に付着した液体がノズル68内に侵入する場合には、ブレード92に付着した液体が、次にブレード92に付着する液体と混ざらない位置までワイプ装置部を移動する必要がある。それは、付着した液体と次に付着する液体が異なる場合に、2種類の液体が混ざり、ノズル68に侵入するのを防ぐためである。
〔第4の実施形態〕
本実施形態は、第3の実施形態において、ブレード92の洗浄部を設けた部分のみ異なる。そのため洗浄部に関して以下に説明する。
図20は、Xステージ可動部66を移動させることで、ブレード92を第1の洗浄部87の真下に移動した状態の図である。Xステージ可動部66を移動させることで、ブレード92を第2の洗浄部88の真下に移動させることも可能である。第1の洗浄部87には第1の洗浄チューブ89が接続されており、第1の洗浄チューブ89には不図示のポンプを介して不図示の第1の洗浄タンクが設けられている。第2の洗浄部88にも同様に第2の洗浄チューブ90が接続されており、第2の洗浄チューブ90には不図示のポンプを介して不図示の第2の洗浄タンクが設けられている。第1の洗浄部87・第2の洗浄部88には洗浄液口91が設けられており、不図示の第1の洗浄タンク・第2の洗浄タンクからポンプを介して第1の洗浄部87・第2の洗浄部88に送られてきた洗浄液は洗浄液口91からブレード92上に供給される。洗浄液をブレード92に供給し、ブレード92を洗浄した後に、洗浄液はブレード台94に設けられた廃液口99から排出される。洗浄液を廃液口99から確実に排出するために、ブレード台94にはブレード台液漏れ防止壁98が設けられている。排出された洗浄液は第1の廃液チューブ95から不図示のポンプを介して不図示の廃液タンクに排出される。
洗浄液を1種類(純水等)とした場合、第2の洗浄部88・第2の洗浄チューブ90は不要である。
確実にブレード92に付着したDNA液内のDNAを洗浄により除去するには、第1の洗浄タンク(不図示)にDNAを除去する洗浄液を充填する。第2の洗浄タンク(不図示)には純水を充填する。そして、第1の洗浄部87の真下にブレード92を移動させ、ブレード92にDNAを洗浄により除去する洗浄液を供給しブレード92に付着したDNAを除去する。次に第2の洗浄部88の真下にブレード92を移動し、ブレード92に純水を供給しDNAを除去する洗浄液をブレード92より洗い流す。これは、DNAを洗浄により除去する洗浄液がブレード92上に残留し、ノズル68に付着し、ノズル68内に充填されたDNA液に悪影響を与えるのを防止するためである。
本発明の第1の実施例におけるワイプ装置部の上面図 図1のL−L断面図 図1のK−K断面図 図2のM−M断面図 吸収体をヘッドの下に配置しZステージ上昇時の図1のL―L断面図 図5においてXステージを移動させた状態図 図6においてZステージを下降させた状態図 吸収体65を交換する状態を示した図 キャップをヘッドの下に移動させた時の図1のL−L断面図 図9においてZステージを上昇させた状態図 本発明の第1の実施例における吐出装置の斜視図 本発明の第2の実施例において吸収体65を第1の洗浄部87の真下に移動した状態の図 本発明の第3の実施例におけるワイプ装置部の上面図 図13のN−N断面図 図13のP−P断面図 ブレードをヘッドの下に配置しZステージ上昇時の図13のN−N断面図 図16においてXステージを移動させた状態図 図17においてZステージを下降させた状態図 ブレード92を交換する状態を示した図 本発明の第4の実施例においてブレード92を第1の洗浄部87の真下に移動した状態の図 従来例のインクジェットプリンターの正面図 従来例のインクジェットプリンターの上面図 従来例のインクジェットプリンターの側面図 図21のB−B断面図 図23のC−C断面図 図25のE−E断面図
符号の説明
1 キャリッジ
2 主走査モーター
3 プーリ
4 ベルト
5 ベルト固定部
6 ヘッド
7 キャップ
8 ワイパー
9 ワイパーケース
10 支持プレート
11 側板(R)
12 予備吐出箱
13 廃液吸収体
14 廃液チューブ
15 印字用紙
16 手差し従動ローラ
17 手差しローラ
18 送り従動ローラ
19 送りローラ
20 プラテン
21 吸引チューブ
22 排紙口
23 カバー部
24 ケース
25 本体
26 ヒンジ部
27 通紙口
28 メインレール
29 サブレール
51 ベースプレート
52 側板
53 ヘッドプレート
54 ヘッド
55 液体供給口
56 Xステージ
57 Zステージ
58 キャップ台
59 キャップホルダー
60 キャップ
61 キャップチューブ
62 キャップジョイント
63 キャップバネ
64 凸部
65 吸収体
66 Xステージ可動部
67 吸収体プレート
68 ノズル
69 ワイプホルダー
70 ワイプ台
71 ワイプバネ
72 ワイプホルダー凸部
73 Y軸ステージ
74 X軸ステージ
75 チャック
76 ヘッド搭載台
77 ガイドレール
78 レール
79 定盤
80、81 ブリッジ
82、83 支柱
84 被記録部材
85 ステー
86 交換口
87 第1の洗浄部
88 第2の洗浄部
89 第1の洗浄チューブ
90 第2の洗浄チューブ
91 洗浄液口
92 ブレード
93 ブレードホルダー
94 ブレード台
95 第1の廃液チューブ
96 第2の廃液チューブ
97 ワイプホルダー液漏れ防止壁
98 ブレード台液漏れ防止壁
99 廃液口
100 吸収体プレート穴部
101 ワイプホルダー穴部

Claims (12)

  1. 液体を吐出するための複数の吐出口が配置された吐出口面を清掃する清掃方法であって、
    前記吐出口面を清掃するための清掃手段を前記吐出口面に対して実質的に垂直な方向から該吐出口面に当接させた後に、前記清掃手段を前記吐出口面に平行な方向に且つ前記複数個の前記吐出口間距離の最小値よりも小さい距離で相対的に移動させて前記吐出口の近傍を清掃することを特徴とする清掃方法。
  2. 前記複数の吐出口のそれぞれが互いに異なる液体を吐出可能に構成されている請求項1記載の清掃方法。
  3. 前記複数の吐出口が、行および列方向に並んで配置されている請求項1または2に記載の清掃方法。
  4. 前記清掃手段が吸収部材を含む請求項1〜のいずれかに記載の清掃方法。
  5. 前記吸収部材に液体が含浸されている請求項に記載の清掃方法。
  6. 液体吸収部材に含浸する液体の主成分が、前記吐出口に充填される液体の主成分で構成される請求項に記載の清掃方法。
  7. 液体吸収部材に含浸する液体を、水または水溶液で構成する請求項5または6に記載の清掃方法。
  8. 前記清掃手段を洗浄して再利用することを特徴とする請求項1に記載の清掃方法。
  9. 前記洗浄は、洗浄液によって行なわれる請求項に記載の清掃方法。
  10. 前記吸収部材の清掃に使用しなかった部分を用いて再度清掃を行なう請求項に記載の清掃方法。
  11. 前記清掃手段の交換を行い、前記吐出口面を複数回清掃する請求項1〜10のいずれかに記載の清掃方法。
  12. 液体吐出装置であって、
    液体を吐出するための複数の吐出口が配置された吐出口面を有する液体吐出ヘッドと、前記吐出口面を清掃するための清掃手段と、
    を有し、
    請求項1〜11に記載の方法を実施することを特徴とする液体吐出装置。
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