JP2002281969A - プローブ・アレイ製造方法および装置 - Google Patents

プローブ・アレイ製造方法および装置

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JP2002281969A
JP2002281969A JP2001094340A JP2001094340A JP2002281969A JP 2002281969 A JP2002281969 A JP 2002281969A JP 2001094340 A JP2001094340 A JP 2001094340A JP 2001094340 A JP2001094340 A JP 2001094340A JP 2002281969 A JP2002281969 A JP 2002281969A
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carrier
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liquid ejection
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Makoto Kameyama
誠 亀山
Nobuyuki Okamura
信行 岡村
Hisashi Okamoto
尚志 岡本
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質なプローブ担体を高い歩留まりで効率
的に製造することのできるプローブ担体製造方法および
装置を提供する。 【解決手段】 担体を搬送する搬送手段を中央にして複
数の部屋を配置し、それら複数の部屋に液体吐出ヘッド
を配置して、各室にて、担体の表面にプローブを含む溶
液の液滴を吐出する液体吐出ヘッドの複数のノズルの雰
囲気湿度を50%以上好ましくは60%以上に制御する
とともに、望ましくは検査室や搬送室などの他の室の湿
度も同様に制御し、さらに前記複数のノズルへの溶液供
給路の一部を減圧下で気液分離可能な気体透過膜から構
成し、この部分をひとまとめにして一括して減圧下に置
き、複数のノズルに供給される各溶液から気泡を除去す
るとともに気泡発生の原因となる溶存ガス量を低減させ
るとともに、プローブ付与が完了するまで担体表面が乾
燥しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、担体上にプローブ
担体を製造する方法および装置に関する。より具体的に
は、担体上にプローブを二次元アレイ状配置に固定して
なるプローブ担体の製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子DNAの塩基配列の解析、あるい
は、同時に多項目に関し、高信頼性で遺伝子診断などを
行う際、目的とする塩基配列を有するDNAを複数種の
プローブを用いて選別することが必要となる。この選別
作業に利用されるプローブの複数種を提供する手段とし
て、DNAマイクロチップが注目を浴びている。また、
薬剤等のハイスループット・スクリーニングやコンビナ
トリアル・ケミストリーにおいても、対象となるタンパ
ク質や、薬物の溶液を多数(例えば、96、384、1
536種)を並べ、秩序立ったスクリーニングを行うこ
とが必要となる。その目的で多数種の薬剤を配列するた
めの手法、その状態での自動化されたスクリーニング技
術、専用の装置、一連のスクリーニング操作を制御し、
また結果を統計的に処理するためのソフトウェア等も開
発されてきている。
【0003】これら並列的なスクリーニング作業は、基
本的に、評価すべき物質に対して、選別する手段となる
既知のプローブを多数並べてなる、いわゆるプローブ・
アレイを利用することで、同じ条件の下、プローブに対
する作用、反応などの有無を検出するものである。一般
的に、どのようなプローブに対する作用、反応を利用す
るかは予め決定されており、従って、ひとつのプローブ
・アレイに搭載されるプローブ種は、例えば、塩基配列
の異なる一群のDNAプローブなど、大きく区分すると
一種類の物質である。すなわち、一群のプローブに利用
される物質は、例えば、DNA、タンパク質、合成され
た化学物質(薬剤)などである。多くの場合、一群をな
すプローブ複数種からなるプローブ・アレイを用いるこ
とが多いが、スクリーニング作業性質によっては、プロ
ーブとして、同一の塩基配列を有するDNA、同一のア
ミノ酸配列を有するタンパク質、同一の化学物質を多数
点並べ、アレイ状とした形態を利用することもあり得
る。これらは主として薬剤スクリーニング等に用いられ
る。
【0004】一群をなすプローブ複数種からなるプロー
ブ・アレイでは、具体的には、異なる塩基配列を有する
一群のDNA、異なるアミノ酸配列を有する一群のタン
パク質、あるいは異なる化学物質の一群について、その
一群を構成する複数種を、所定の配列順序に従って、ア
レイ状に担体上などに配置する形態をとることが多い。
なかでも、DNAプローブ・アレイは、遺伝子DNAの
塩基配列の解析や、同時に、多項目について、信頼性の
高い遺伝子診断を行う際などに用いられる。
【0005】この一群をなすプローブ複数種からなるプ
ローブ・アレイにおける課題のひとつは、できるだけ多
種類のプローブ、例えば、多種類の塩基配列を有するD
NAプローブを一つの担体上に載せることである。換言
するならば、如何に高密度にプローブをアレイ状に並べ
ることができるかである。
【0006】担体上にアレイ状にプローブ複数種を固定
する一つの方法として、米国特許USP 5,424,
186号公報に記載される、光分解性の保護基とフォト
リソグラフィーを用いた固相担体上でのDNAの逐次伸
長反応により、互いに異なる塩基配列を有するDNAプ
ローブをアレイ状に作製する手法を挙げることができ
る。この手法を利用すると、例えば、1cm当たり1
0000種類以上の配列が異なるDNAを搭載したDN
Aプローブ・アレイの製造も可能でなる。なお、この手
法では、逐次伸長反応によりDNAを合成する際、4種
の塩基(A,T,C,G)毎に、それぞれ専用のフォト
マスクを用いてフォトリソグラフィー工程をおこない、
アレイの所定箇所に何れかの塩基を選択的に伸長させる
ことで、所望の塩基配列を有する複数種のDNAを所定
の配列で担体上に合成する。従って、DNAの鎖長が長
くなると、製造に要するコストは高くなり、また、長時
間を要する。加えて、各伸長段階における、ヌクレオチ
ド合成の効率は100%ではないため、設計した塩基配
列に欠損を生じたDNAの比率も小さくない。さらに、
合成の際、光分解性の保護基を用いる場合、通常の酸分
解性の保護基を用いる場合と比べて合成効率が落ちるた
め、最終的に得られるアレイにおいて、設計した塩基配
列通りのDNAの占める割合が小さくなるという問題も
ある。
【0007】また、固相担体上で直接合成した生成物を
そのまま使用するものであるため、設計した塩基配列通
りのDNAから欠損のある塩基配列を有するDNAを精
製分別により取り除くことは勿論不可能である。その他
に、最終的に得られるアレイにおいて、担体上に合成さ
れているDNAの塩基配列を確認することができないと
いう問題を秘めている。これは仮に、工程上のミスなど
により、ある伸長段階で所定の塩基の伸長がほとんどな
されてなく、全くの不良品であった場合、この不良品プ
ローブ・アレイを用いたスクリーニングは、誤った結果
を与えるが、それを未然に防止する術が全くないことを
意味している。この塩基配列を確認することができない
ということが、この手法における最大かつ本質的な問題
である。
【0008】前記の手法とは別な方法として、プローブ
用のDNAを予め合成、精製し、場合によってはその塩
基長を確認した上で、各DNAをマイクロディスペンサ
ーのようなデバイスにより担体上に供給し、プローブ・
アレイを製造する手法も提案されている。PCT公開公
報WO95/35505号には、キャピラリーを用い
て、DNAをメンブラン上へ供給する手法が記載されて
いる。この手法を適用すると、原理的には、1cm
たり1000個程度のDNAアレイの製造が可能であ
る。基本的には、各プローブ毎に一本のキヤピラリー状
ディスペンス・デバイスでプローブ溶液を担体上の所定
位置へ供給し、その作業を繰り返すことで、プローブ・
アレイを製造する手法である。各プローブ毎に専用のキ
ヤピラリーを用意すれば、問題はないが、仮に、少数の
キヤピラリーを用いて、同じ作業を行おうとすれば、相
互汚染を防止するため、プローブ種を入れ替える際、キ
ャピラリーを十分に洗浄する必要がある。また、供給す
る位置もその度毎に制御する必要がある。従って、多種
類のプローブを高密度に配列するアレイの製造に適して
いる手法とはいえない。加えて、プローブ溶液の担体へ
の供給は、キヤピラリー先端を担体にタッピングして行
うため、再現性・信頼性も完全とはいえない。
【0009】その他の手法として、担体上においてDN
Aの固相合成を行う際、各伸長段階毎に、インクジェッ
ト法により合成に必要な物質の溶液を担体上に供給する
手法も提案されている。例えば、欧州特許公告公報EP 0
703 825B1号には、DNAの固相合成において利用され
る、ヌクレオチドモノマー、ならびに、アクティベ−タ
ーをそれぞれ別のピエゾ・ジェット・ノズルより供給す
ることにより、それぞれ所定の塩基配列を有するDNA
複数種を固相合成する方法が記載されている。このイン
クジェット法による供給(塗布)は、上記キャピラリー
を用いた溶液の供給(塗布)に比べ、供給量の再現性な
ど信頼性も高く、また、ノズルの構造も微細化が可能な
ものであり、プローブ・アレイの高密度化には適した特
徴を有している。しかしながら、この手法も、基本的に
は、担体上でのDNAの逐次伸長反応を応用するものな
ので、先に述べた米国特許USP 5,424,186
号公報に記載される手法における最大の課題である、担
体上に合成されているDNAの塩基配列を確認すること
ができないなどの問題点は依然として残っている。各伸
長段階毎に、専用のマスクを用いるフォトリソグラフィ
ーの工程を行うという煩雑さは解消されるものの、プロ
ーブ・アレイに不可欠な要件である、各ポイントに所定
のプローブが固定されているという点に、若干の問題を
含むものである。なお、前記EP 0,703,825
B1号公報には、単独に形成されたピエゾ・ジェット・
ノズルを複数個使用する方法しか記載されておらず、こ
の少数のノズルを用いる際には、前述のキャピラリーを
用いる手法と同様に、高密度のプローブ・アレイ製造に
は必ずしも適しているとはいえない。
【0010】また、特開平11−187900号公報に
は、プローブを含む液体をサーマルインクジェットヘッ
ドにより液滴として固相に付着させて、プローブを含む
付与を固相上に形成する方法が開示されているが、使用
されているインクジェットヘッドが、一般のプリンタ用
のヘッドであるため、プローブ・アレイを製造するにあ
たり最適な構造とは言いがたい。以下にこの点に関して
詳しく説明する。
【0011】従来のインクジェットヘッドは、文字や画
像の印刷のために開発された手法である。従って、使わ
れる溶液はモノクロ(一般的には黒)印刷の場合には一
色(黒)のインク、カラー印刷の場合には、一般的に、
色の三原色、すなわち、イエロー(Y)、シアン
(C)、マゼンタ(M)の3色のインクとなる。カラー
印刷の場合には必要により、黒、または、Y、M、C、
の濃淡インクを使用する場合があるが、多くても10種
類以上のインクを使用することはない。
【0012】また、紙面への印刷には多量のインクを用
いるため、従来のインクジェット・プリンティング用の
ヘッドには、十分な容量を有するインクを充填するため
のタンク(リザーバー)と、インクをノズルへ導く流路
と、インクを吐出するためのノズルが具備されている。
【0013】これに対し、プローブ・アレイ製造用の液
体吐出ヘッドは、これまで説明したように、出来るだけ
多くの種類の液体を吐出させることが望まれる。複数の
ノズルを有するヘッドがあった場合、複数のノズルと同
数のこれら複数のノズルと一対一に対応した溶液のリザ
ーバーを有するヘッドが望ましい。
【0014】また、プローブ・アレイ製造用の液体吐出
装置では、紙面に印字する場合に比べて液体消費は少な
いので、リザーバーの容積も比較的小さなもので充分で
ある。
【0015】さらに、従来の一般的なインクジェット・
プリンティング用のヘッドでは、文字や画像の形成のた
めに、紙面上の所望の位置に所望のインクを吐出する必
要がある。そのために各ノズルを独立に任意のタイミン
グで選択できるヘッド構成をとっている。所望のノズル
からインク(液体)を吐出させるために必要なパワード
トランジスタや、論理回路は、ヘッドの外部に設けて
も、ヘッドの内部に設けてもよい。
【0016】インクジェットの方式としては、ヒーター
から発生する熱エネルギーにより液体の吐出を行うサー
マルジェット方式と、ピエゾ素子に電圧を印加して生じ
る素子の変形により液体の吐出を行うピエゾインクジェ
ット方式がある。これらの内、サーマルジェット方式は
ピエゾイングジェットと比較して構造が簡単であり、ヘ
ッドの小型化や多ノズル化に向いている。
【0017】以上に紹介したように、液体吐出装置を用
いてプローブ・アレイを製造する方法は、微少量のプロ
ーブ溶液の付与を高密度に固相担体上に配列するという
点において、優れている。液体吐出装置の吐出口から一
度に吐出される液体の最小吐出量は、0.1pl〜50
plの範囲まで減少させることができ、担体上に多数の
ウエルを配置して各ウエル中に微少量のプローブ溶液を
供給する場合においても、ウエルの大きさを小さくし
て、より一層の高密度化を達成することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】プローブ担体を製造す
るのに前述のような液体吐出装置を用いることによっ
て、様々な利点が得られるが、この液体吐出装置を用い
たプローブ担体製造方法および装置を実施に移す段にな
ると、新たな解決しなければならない問題点が浮上して
くる。
【0019】溶液種が1000以上になるような比較的
大規模なプローブ・アレイを製造する場合には、ノズル
の数を多くした一つの大型の液体吐出装置を用いて一工
程にて製造するよりは、比較的小規模な液体吐出装置を
複数台用いて、複数の工程にて、スポッティングした方
が効率がよくなる。そのような場合に用いて好適な装置
の開発が必要である。本願発明者らは、これに対し、担
体搬送ロボット等の搬送手段が中央に設けられ、この搬
送手段の周囲に、複数のプローブ付与手段を配置したい
わゆる枚葉式の処理装置により行う構成を提案する。こ
の場合、関連工程を担う検査手段や乾燥手段も前述の中
央搬送手段の周囲に同時に配置する。
【0020】このような枚葉式の処理装置を用いる場合
だけでなく、一工程にてすべてのスポッティングを終了
させる場合でも、生じる問題点は、一発目の溶液吐出が
不全になることがあることであり、また、その後の吐出
にも支障を来す場合がある点である。このような問題点
に加えて、枚葉式の処理で特に問題となる点は、各手段
から手段に担体を搬送する間に、担体上に付与したドッ
ト上のプローブ溶液が乾燥してしまいやすいことを原因
にした問題点が発生する。それは、検査手段によるチェ
ックの結果、再度スポッティングをやり直さなければな
らない場合に、既にスポッティングしたドットは乾燥し
てしまっているので、不良部分に再度スポッティングし
ても正常なドットにすることが難しくなるという問題点
である。
【0021】前述の一工程にて行う場合でも、枚葉式で
行う場合でも、共通に生じる問題点の原因としては、二
つの原因が考えられる。
【0022】その原因の一つは、液体吐出ヘッドのノズ
ル先端部が乾燥しやすく、それによってノズル内の溶液
の粘度が上昇し、プローブ溶液の吐出が行えなかった
り、あるいは吐出方向に狂いが生じたりすることであ
る。
【0023】プローブ担体を製造すると言うことは、多
数の溶液種をその数に対応した数のノズルを用いて、多
数のウエルに所望のプローブをそれぞれのノズルから正
確に付与することを意味する。このことが意味するの
は、印刷用のインクジェットヘッドとは異なり、各ノズ
ルの吐出使用頻度が極端に少ないと言うことであり、印
刷用のヘッドでは待機中にノズル先端部の乾燥を防ぐた
めにヘッドをキャッピングすることができるが、プロー
ブ・アレイ製造用の液体吐出ヘッドでは、多数のノズル
のいずれかが使用中であるので、ヘッドに対してノズル
先端部の乾燥防止用のキャッピングができないと言うこ
とである。これが、プローブ担体製造装置に組み込んだ
液体吐出ヘッドのノズル先端部が乾燥しやすくなる原因
である。
【0024】不吐出が生じる他の原因として、プローブ
溶液中に混入ないし発生した気泡が挙げられる。すなわ
ち、それぞれのプローブ溶液リザーバーから各ノズル先
端部に至る溶液供給路のいずれかで溶液中に気泡が混入
あるいは発生し、それがノズル先端に至ると、ノズル内
に溶液が存在しない状態になり、結果的に不吐出とな
る。また、ノズル内に溶液が存在しない状態では、ノズ
ル先端のノズル内部までが直接外気に曝されることにな
り、ノズル先端部が急激に乾燥してしまう。さらに、ノ
ズル内の溶液中に気泡が存在する場合は、気泡が吐出圧
の低下を来たしてプローブ溶液の吐出不全を直接に引き
起こすことになる。
【0025】したがって、本願発明の課題は、非常に多
数種のプローブを効率的に行うことのできる枚葉式の処
理装置を提供することであり、さらには、担体上に施す
非常に多数のプローブ付与を枚葉式の装置を用いて複数
の工程に分担して行う場合に、プローブ溶液吐出用のノ
ズル先端部の乾燥を常時防止することができ、供給され
るプローブ溶液中に気泡が生じることのなく、さらに、
全てのプローブ付与が完了する前に担体上のドット上の
溶液が乾燥するのを防止でき、それによって、非常に多
数の溶液種のプローブ担体の製造において、一発目のプ
ローブ溶液の吐出が確実に生じさせることができ、ま
た、プローブ担体を継続的に製造し続けても、プローブ
溶液の吐出に不都合が生じることのなく、さらにプロー
ブ付与が未完了で工程間を移動中の担体の表面上のドッ
ト状溶液が全ての付与が完了する前に乾燥してしまうこ
とのない枚葉式のプローブ担体製造方法および装置を提
供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
の解決を図るべく、鋭意研究を進めた結果、以下のよう
な知見を得た。
【0027】(i) ノズル先端部の雰囲気湿度を少な
くとも50%以上に維持すれば、経時的にノズル先端部
が乾燥するのを防止できる。前記設定湿度は、好ましく
は60%以上である。このような雰囲気湿度を設定維持
するための具体的構成としては、支持された担体上にプ
ローブ溶液を付与する液体吐出ノズルを湿度を50%以
上、好ましくは60%以上に維持することのできる環境
に設置する構成が好適である。
【0028】(ii) 複数のプローブ溶液リザーバーと
それぞれのノズルとの間の溶液供給路の一部を、減圧下
で気液分離を可能とする気体透過膜からなる中空糸によ
り構成し、この中空糸供給路部分を束にし、この束にし
た中空糸供給路部分を真空減圧チャンバー内に通し、前
記束にした中空糸供給部分の外側を減圧すれば、混入し
ている気泡を除去できるばかりでなく、気泡発生の原因
となる液中の溶存酸素量をも効率的に低減させることが
できる。
【0029】(iii) 枚葉式に配列した複数のプロー
ブ付与手段間を移動中に担体表面が乾燥してしまい、検
査によって修正すべきドットが検出されても、実質的に
修正できなくなるという問題点に対しては、少なくとも
複数のプローブ付与手段のそれぞれの液体吐出ヘッド同
じ湿度環境下に置くことによって、解決することができ
る。
【0030】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
ものである。本発明に係るプローブ担体製造装置は、担
体を支持する支持装置、それぞれ標的物質に特異的に接
合可能な複数種のプローブ溶液を前記担体上のそれぞれ
の所定位置に付与する液体吐出ヘッド、およびこの液体
吐出ヘッドと前記支持装置を相対的に走査させる走査装
置とを有してなる複数のプローブ付与手段と、前記担体
表面のプローブ付与状態を検査する検査手段と、前記担
体を搬送する手段とを有し、前記搬送手段を中央にして
他の室が周囲に配置されていることを特徴とする。
【0031】この構成の製造装置に置いては、少なくと
も前記複数のプローブ付与手段を構成する液体吐出ヘッ
ドの雰囲気湿度が50%以上に維持されていることが、
望ましい。
【0032】また、この装置において、前記液体吐出ヘ
ッドの複数のプローブ溶液リザーバーとそれぞれのノズ
ルとの間の溶液供給路の一部が減圧下で気液分離を可能
とする気体透過膜からなる中空糸により構成され、この
中空糸供給路部分が束にされ、この束にされた中空糸供
給路部分が真空減圧チャンバー内に通されていること
が、望ましい。この構成によって、前記束にした中空糸
供給部分の外側を減圧することができ、その結果、各ノ
ズルに供給されるプローブ溶液に混入している気泡を除
去できるばかりでなく、気泡発生の原因となる液中の溶
存酸素量をも効率的に低減させることができる。
【0033】本発明に係るプローブ・アレイ製造方法
は、担体を支持する支持装置、それぞれ標的物質に特異
的に接合可能な複数種のプローブ溶液を前記担体上のそ
れぞれの所定位置に付与する液体吐出ヘッド、およびこ
の液体吐出ヘッドと前記支持装置を相対的に走査させる
走査装置とを有してなる複数のプローブ付与手段と、前
記担体表面のプローブ付与状態を検査する検査手段と、
前記担体を搬送する手段とを有し、前記搬送手段を中央
にして他の室が周囲に配置されているプローブ担体製造
装置を用い、前記各プローブ付与手段において、担体を
支持装置に支持し、複数の液体吐出ノズルを有する液体
吐出ヘッドを用い、この液体吐出ヘッドと前記支持装置
を相対的に走査させて、複数種のプローブ溶液を前記担
体上のそれぞれの所定位置に付与することによって、プ
ローブ担体を得ることを特徴とする。
【0034】この構成の製造方法において、少なくとも
前記複数のプローブ付与手段を構成している前記液体吐
出ヘッドの雰囲気の湿度を50%以上に維持することに
よって、前記液体吐出ノズルの先端部の乾燥を軽減し
て、前記ノズルの吐出不全を防止するとともに、プロー
ブ付与未完の担体の処理途中の検査により修正付与が必
要となった場合も工程途中の担体表面の乾燥を防止する
ことにより前記修正を可能にすることが、望ましい。
【0035】また、この方法において、前記液体吐出ヘ
ッドの前記複数のノズルにそれぞれ複数種のプローブ溶
液を供給する複数のプローブ溶液リザーバーとそれぞれ
のノズルとの間の溶液供給路の一部を減圧下で気液分離
を可能とする気体透過膜からなる中空糸により構成し、
この中空糸供給路部分を束にし、この束にした中空糸供
給路部分を真空減圧チャンバー内に通して、前記束にし
た中空糸供給部分の外側を減圧し、各ノズルに供給され
るプローブ溶液に混入している気泡を除去するととも
に、気泡発生の原因となる液中の溶存酸素量をも効率的
に低減させることが好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】前述の構成を有する本願発明にお
いて、複数のプローブ付与手段を構成する液体吐出ヘッ
ドの雰囲気湿度は、少なくとも50%であり、好ましく
は、60%以上である。
【0037】また、液体吐出ヘッドとしては、ノズル内
の液体に吐出のための熱エネルギーを与える熱エネルギ
ー発生体を備えるものであることが望ましい。
【0038】また、前記プローブとしては、DNA、R
NA、cDNA(コンプリメンタリーDNA)、PN
A、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他の
核酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵
素、酵素に対する基質、抗体、抗体に対するエピトー
プ、抗原、ホルモン、ホルモンレセプター、リガンド、
リガンドレセプター、オリゴ糖、ポリ糖のいずれかであ
ることが適当である。
【0039】
【実施例】図1は、本発明の実施例を示すもので、本発
明に係るプローブ担体製造装置の概略平面構成図であ
る。図中、符号1は担体(固相基板)Sを搬送する搬送
用ロボット(搬送手段)2が設けられた搬送室であり、
この搬送室1を中央にして、周囲に、複数のプローブ付
与手段(室)3a、3b、3cと、検査手段(室)4、
乾燥手段(室)5、および外部からの担体Sを搬送室1
に搬入搬出するための出入室6が、配列されている。各
室と中央の搬送室1との間には、担体搬入出ゲートが設
けられている。
【0040】前記各プローブ付与室3a、3b、3c
は、図2に示すような構成となっている。図2に示す装
置に置いて、担体Sは、プローブの付与を施されるため
に、一般に描画装置と呼称されている装置12の支持装
置13の上に支持される。この支持装置13は固定的で
ある場合もあれば、プローブ付与位置を変更するために
水平方向に走査可能になっている場合もある。
【0041】前記支持装置13の真上には、複数のプロ
ーブ溶液吐出用の複数のノズル(不図示)を有する液体
吐出ヘッド(液体吐出装置)14が上下動可能かつ水平
方向の走査が自在に設けられている。この液体吐出ヘッ
ド14の上下動および水平方向の走査は、走査装置5に
よって行われるようになっている。
【0042】前記液体吐出ヘッド14にはプローブ付与
に必要な複数種のプローブに対応する数の各室への分担
数だけの液体吐出ノズルが形成されており、各々のノズ
ルには、それぞれがプローブ付与を担うプローブを含む
溶液がそれぞれに液体流路を介してそれぞれのプローブ
溶液リザーバー(不図示)から供給されるようになって
いる。通常、各ノズルは前記担体Sの表面に付与される
1ドットに対応しており、そのドット数だけノズル、溶
液供給路、およびリザーバーが存在する。
【0043】この実施例の液体吐出ヘッドとしては、各
ノズル内に吐出用ヒーターが設けられたサーマルジェッ
トタイプの液体吐出ヘッドを使用した。
【0044】前記描画装置12は、少なくとも前述の支
持装置13、液体吐出ヘッド14、および走査装置15
から構成されており、この装置12全体が各室3a、3
b、3c内に設置されている。これらの室3a、3b、
3cは、室内の湿度を50%以上の一定の高湿度に維持
する機能を持っており、本実施例では、常に60%にな
るように設定した。本発明では、前記複数のプローブ付
与室3a、3b、3cと同様に、検査室4および搬送室
1も同じ湿度となるように設定されている。
【0045】前述の複数の溶液供給路は、図3に示すよ
うに、通常、中空糸と呼称される細いチューブ部材20
から構成されている。本実施例では、多数の溶液供給路
である多数の中空糸20の一部を減圧下で気液分離を可
能とする気体透過膜から構成した。そして、この気体透
過膜からなる多数の中空糸30を一束にまとめ、この束
ねた部分を真空脱気チャンバー40内に置いた。すなわ
ち、束ねた多数の溶液供給路(中空糸)20が真空脱気
チャンバー40を貫通するように該チャンバー40を取
り付け、多数の中空糸の内気体透過膜からなる部分30
が真空脱気チャンバー40内に位置するようにした。多
数の中空糸が貫通するチャンバー40の側壁には、溶融
樹脂によるシーリング41が施されており、高い気密性
が確保されている。このチャンバー40の脱気は外部に
設けた真空ポンプ42によりなされるようになってい
る。
【0046】前記構成のプローブ担体製造装置を用いて
担体S上に多種類のプローブ溶液を付与してプローブ担
体を作成した。まず、搬送室1から室3aの担体搬入出
ゲートGを介して担体Sを室内に搬入し、担体Sを支持
装置13上に支持した。前記ゲートGを閉じた後、予め
走査装置15に入力していたプローブ付与プログラムに
したがって、液体吐出ヘッド14を走査および駆動して
所定の付与を完了した。付与作業中は、前述の真空脱気
チャンバー40内は所定の真空度に維持して、脱気を継
続させた。この第1の室3aでは、担体S上に363ド
ットを形成し、同様にして次の室3bで363ドット、
さらに次の部屋で363ドット形成し、担体S上に全部
で1089ドット形成した。
【0047】プローブの付与を完了した担体Sを室3c
のゲートGから搬送ロボット2により取り出し、検査室
4に搬入し、担体Sの表面に付着している溶液のドット
を観察した。その結果、ノズルの不吐出を原因とするド
ットの欠落や変形したドットは観察されなかった。つづ
いて、複数枚の担体に対して、順次プローブの付与を行
ったが、そのいずれの担体にもドットの欠落、ドットの
変形は認められなかった。
【0048】また、別の試行を行った際に、各室3a、
3b、3cでのプローブ付与が完了するたびに、担体S
を検査室4に搬入して、担体表面を検査したが、そのい
ずれでも担体表面の乾燥は認められなかった。
【0049】このような一連のスポッティング作業で
は、1ドットが1ノズルが対応しており、プローブの付
与作業が比較的長時間に及ぶと、それだけ長い時間各ノ
ズルの先端部が待機状態で雰囲気に露出したままにな
る。にもかかわらず、前述のように、プローブ付与に異
常が生じなかったのは、ノズル周辺の雰囲気がノズル先
端部の乾燥が生じない高湿度に維持されているためであ
り、さらにノズルに供給するプローブ溶液から気泡が除
去されていたためである。なお、前記真空脱気チャンバ
ー40の連続運転によりプローブ溶液中の溶存酸素量は
少なくとも5ppm(通常0.5ppm)以下に低減で
きることが判明している。溶存酸素量が低減されれば、
このチャンバー40を通過後において溶液中に新たに気
泡が発生することも防止される。
【0050】前記実施例では、環境湿度を60%に設定
したが、他の実施例で50%に設定してみたが、60%
の場合よりは、歩留まりに若干の低減が認められる傾向
があるものの、得られたプローブ担体の性能は充分なも
のであり、製造の信頼性は充分であった。
【0051】また、前記実施例では、搬送手段、プロー
ブ付与手段、検査手段を室構成にしてそれぞれを隔離し
た構成としたが、それぞれの隔離せずに一つの空間内に
設置するようにしてもよい。その場合は全体の雰囲気湿
度を一括して制御すればよい。また、このように全体の
空間の湿度を制御したり、各室の雰囲気湿度を制御した
りせずに、液体吐出ヘッドの周辺雰囲気が所定の高湿度
に維持できればよいので、例えば、液体吐出ヘッドを付
与作業用の開閉窓を有するような小空間チャンバーにて
覆って、液体吐出ヘッドの周辺雰囲気だけ湿度制御する
ようにしてもよい。
【0052】なお、本明細書において、担体(固相担
体)上に固定されたプローブは、特定の標識物質に対し
て特異的に結合可能である。さらに、このプローブに
は、特定の標的によって認識され得るオリゴヌクレオチ
ド、ポリヌクレオチド、あるいはその他のポリマーなど
が含まれる。用語『プローブ』は、個々のポリヌクレオ
チド分子などのプローブ機能を有する分子、および分散
した位置に表面固定された同じ配列のポリヌクレオチド
などの同じプローブ機能を有する分子の集団の療法を言
い、しばしば、リガンドと呼ばれる分子も含まれる。プ
ローブおよび標的は、しばしば、交換可能に使用され、
プローブは、リガンド−抗リガンド(レセプターと呼ば
れることもある。)対の一部として標的と結合し得る
か、または結合するようになり得るものである。本発明
におけるプローブおよび標的は、天然において見いださ
れるような塩基、またはその類似物を含み得る。
【0053】また、担体上に支持されるプローブの一例
としては、標的核酸とバイブリダイゼーション可能な塩
基配列よりなるオリゴヌクレオチドの一部に、リンカー
を介して担体との結合部を有するもので、担体との結合
部において担体表面に連結された構造を有するものとを
挙げることができる。なお、このような構成の場合にお
ける担体との結合部のオリゴヌクレオチドの分子内での
位置は、所望とするバイブリダイゼーション反応を損な
わない範囲内において特に限定されない。
【0054】本発明の方法が適用されるプローブ・アレ
イに採用されるプローブは、その使用目的に応じて、適
宜選択されるものであるが、本発明の方法を好適に実施
する上では、製造される前記二次元プローブ・アレイ
が、そのプローブはDNA、RNA、cDNA(コンプ
リメンタリーDNA)、PNA、オリゴヌクレオチド、
ポリヌクレオチド、その他の核酸、オリゴペプチド、ポ
リペプチド、タンパク質、酵素、酵素に対する基質、抗
体、抗体に対するエピトープ、抗原、ホルモン、ホルモ
ンレセプター、リガンド、リガンドレセプター、オリゴ
糖、およびポリ糖から選択される少なくとも一種あるこ
とが好ましい。
【0055】一方、本発明の方法により製造されるプロ
ーブ・アレイは、担体表面に結合可能な構造を有したプ
ローブを含んでいることが好ましく、この担体上へのプ
ローブの固定は、前記プローブを担体表面に結合させて
なすことが望ましい。
【0056】その際、プローブが有する前記担体表面に
結合可能な構造は、アミノ基、ネルカプト基、カルボキ
シル基、水酸基、酸ハライド化物(ハロホルミル基;−
COX)、ハライド化物(−X)、アジリジン、マレイ
ミド基、スクシイミド基、イソチオシアネート基、スル
フォニルクロリド(−SOCl)基、アルデヒド基
(ホルミル基;−CHO)、ヒドラジン、ヨウ化アセト
アミドなどの有機官能基の少なくとも一種を導入する処
理により形成されたものであることが好ましい。また、
プローブ側の担体への結合に必要な構造に応じて、担体
の表面に必要とされる処理を施してもよい。
【0057】(その他)なお、本発明は、特に液体吐出
装置の中でも、溶液吐出を行わせるために利用されるエ
ネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば、電気
熱変換体やレーザ光等)を備え、上記熱エネルギにより
インクの状態変化を生起させる方式の液体吐出ヘッド、
液体吐出装置において優れた効果をもたらすものであ
る。かかる方式によればプローブ・付与の高密度化、プ
ローブ・アレイ高精細化が達成できるからである。
【0058】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されているインク記録分野での基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所
謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適
用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液
体(インク)が保持されているシートや液路に対応して
配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応してい
て核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1
つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に
熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッド(液体吐出ヘッ
ド)の熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆
動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形
成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により
吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少な
くとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状
とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、
特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、
より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米
国特許第4463359号明細書、同第4345262
号明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0059】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も、本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッド
(液体吐出ヘッド)の形態がどのようなものであって
も、本発明によればプローブのスポッティングを確実に
効率よく行うことができるようになるからである。
【0060】さらに、液体吐出装置がスポッティングで
きる担体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタ
イプの液体吐出ヘッドに対しても本発明は有効に適用で
きる。そのような液体吐出ヘッドとしては、複数のヘッ
ドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に
形成された1個のヘッドとしての構成のいずれでもよ
い。
【0061】加えて、シリアルタイプのものでも、装置
本体に固定されたヘッド、あるいは装置本体に装着され
ることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのプ
ローブ溶液の供給が可能になる交換自在のチップタイプ
の液体吐出ヘッド、あるいは液体吐出ヘッド自体に一体
的に溶液リザーバーが設けられたカートリッジタイプの
ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0062】また、液体吐出装置の構成として、ヘッド
の吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは
本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものであ
る。これらを具体的に挙げれば、液体吐出ヘッドに対し
てのクリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの
組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、スポッテ
ィングとは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げること
ができる。
【0063】上述した溶液に対して最も有効なものは、
上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、高い品質のプローブ担
体を高い歩留まりで製造することが可能となり、万一、
製造途中でドットの不具合が生じても容易に修正するこ
とができ、それによってさらに品質および歩留まりを向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る枚葉式プローブ担体製造装置の一
実施例を示すもので、本装置の概略平面構成図である。
【図2】本発明に係る枚葉式プローブ担体製造装置を構
成するプローブ付与室の概略斜視図である。
【図3】本発明に係るプローブ担体製造装置の一実施例
を示すもので、プローブ付与室の要部である真空脱気チ
ャンバーの断面構成図である。
【符号の説明】
1 搬送室 2 搬送ロボット(搬送手段) 3a、3b、3c プローブ付与手段(室) 4 検査手段(室) 5 乾燥室 6 出入室 12 描画装置 13 支持装置 14 液体吐出ヘッド(液体吐出装置) 15 走査装置 20 中空糸(プローブ溶液供給路) 30 気体透過膜からなる中空糸(プローブ溶液供給
路) 40 真空脱気チャンバー 41 溶融樹脂によるシーリング 42 真空ポンプ S 担体(固相基板) G 担体搬入出ゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 35/02 G01N 37/00 102 35/10 C12N 15/00 F 37/00 102 A G01N 35/06 Z J (72)発明者 岡本 尚志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BC12 BD20 CA10 CB03 FB10 HA02 2G058 AA09 BB03 CC09 CC11 EA11 ED20 ED21 4B024 AA20 CA01 CA04 CA09 CA11 HA19 4B029 AA23 AA27 BB15 BB16 BB17 BB20 CC03 CC08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体を支持する支持装置、それぞれ標的
    物質に特異的に接合可能な複数種のプローブ溶液を前記
    担体上のそれぞれの所定位置に付与する液体吐出ヘッ
    ド、およびこの液体吐出ヘッドと前記支持装置を相対的
    に走査させる走査装置とを有してなる複数のプローブ付
    与手段と、前記担体表面のプローブ付与状態を検査する
    検査手段と、前記担体を搬送する手段とを有し、前記搬
    送手段を中央にして他の室が周囲に配置されているプロ
    ーブ担体製造装置を用い、前記各プローブ付与手段にお
    いて、担体を支持装置に支持し、複数の液体吐出ノズル
    を有する液体吐出ヘッドを用い、この液体吐出ヘッドと
    前記支持装置を相対的に走査させて、複数種のプローブ
    溶液を前記担体上のそれぞれの所定位置に付与すること
    によって、プローブ担体を得ることを特徴とするプロー
    ブ担体の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記複数のプローブ付与手段
    を構成している前記液体吐出ヘッドの雰囲気の湿度を5
    0%以上に維持することによって、前記液体吐出ノズル
    の先端部の乾燥を軽減して、前記ノズルの吐出不全を防
    止するとともに、プローブ付与未完の担体の処理途中の
    検査により修正付与が必要となった場合も工程途中の担
    体表面の乾燥を防止することにより前記修正を可能にす
    ることを特徴とする請求項1に記載のプローブ担体製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記液体吐出ヘッドの前記複数のノズル
    にそれぞれ複数種のプローブ溶液を供給する複数のプロ
    ーブ溶液リザーバーとそれぞれのノズルとの間の溶液供
    給路の一部を減圧下で気液分離を可能とする気体透過膜
    からなる中空糸により構成し、この中空糸供給路部分を
    束にし、この束にした中空糸供給路部分を真空減圧チャ
    ンバー内に通して、前記束にした中空糸供給部分の外側
    を減圧し、各ノズルに供給されるプローブ溶液に混入し
    ている気泡を除去するとともに、気泡発生の原因となる
    液中の溶存酸素量をも効率的に低減させることを特徴と
    する請求項1または2に記載のプローブ担体製造方法。
  4. 【請求項4】 前記液体吐出ヘッドの雰囲気湿度を60
    %以上に維持することを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載のプローブ担体製造方法
  5. 【請求項5】 前記液体吐出ヘッドとしてノズル内の液
    体に吐出のための熱エネルギーを与える熱エネルギー発
    生体を備えるものを用いることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載のプローブ担体製造方法。
  6. 【請求項6】 前記プローブが、DNA、RNA、cD
    NA(コンプリメンタリーDNA)、PNA、オリゴヌ
    クレオチド、ポリヌクレオチド、その他の核酸、オリゴ
    ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素に対
    する基質、抗体、抗体に対するエピトープ、抗原、ホル
    モン、ホルモンレセプター、リガンド、リガンドレセプ
    ター、オリゴ糖、ポリ糖のいずれかであることを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれかに記載のプローブ担体
    製造方法。
  7. 【請求項7】 担体を支持する支持装置、それぞれ標的
    物質に特異的に接合可能な複数種のプローブ溶液を前記
    担体上のそれぞれの所定位置に付与する液体吐出ヘッ
    ド、およびこの液体吐出ヘッドと前記支持装置を相対的
    に走査させる走査装置とを有してなる複数のプローブ付
    与手段と、前記担体表面のプローブ付与状態を検査する
    検査手段と、前記担体を搬送する手段とを有し、前記搬
    送手段を中央にして他の室が周囲に配置されていること
    を特徴とするプローブ担体製造装置
  8. 【請求項8】 少なくとも前記複数のプローブ付与手段
    を構成する液体吐出ヘッドの雰囲気湿度が50%以上に
    維持されていることを特徴とする請求項7に記載のプロ
    ーブ担体製造装置。
  9. 【請求項9】 前記液体吐出ヘッドの複数のプローブ溶
    液リザーバーとそれぞれのノズルとの間の溶液供給路の
    一部が減圧下で気液分離を可能とする気体透過膜からな
    る中空糸により構成され、この中空糸供給路部分が束に
    され、この束にされた中空糸供給路部分が真空減圧チャ
    ンバー内に通されていることを特徴とする請求項7また
    は8に記載のプローブ担体の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記液体吐出ヘッドの雰囲気湿度が6
    0%以上であることを特徴とする請求項7ないし9のい
    ずれかに記載のプローブ担体製造装置
  11. 【請求項11】 前記液体吐出ヘッドがノズル内の液体
    に吐出のための熱エネルギーを与える熱エネルギー発生
    体を備えていることを特徴とする請求項7ないし10の
    いずれかに記載のプローブ担体製造装置。
  12. 【請求項12】 前記プローブが、DNA、RNA、c
    DNA(コンプリメンタリーDNA)、PNA、オリゴ
    ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他の核酸、オリ
    ゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素に
    対する基質、抗体、抗体に対するエピトープ、抗原、ホ
    ルモン、ホルモンレセプター、リガンド、リガンドレセ
    プター、オリゴ糖、ポリ糖のいずれかであることを特徴
    とする請求項7ないし11のいずれかに記載のプローブ
    担体製造装置。
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