JP2002286734A - プローブ担体製造用の液体吐出装置及びそれを用いたプローブ担体製造用の装置 - Google Patents

プローブ担体製造用の液体吐出装置及びそれを用いたプローブ担体製造用の装置

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JP2002286734A
JP2002286734A JP2001093263A JP2001093263A JP2002286734A JP 2002286734 A JP2002286734 A JP 2002286734A JP 2001093263 A JP2001093263 A JP 2001093263A JP 2001093263 A JP2001093263 A JP 2001093263A JP 2002286734 A JP2002286734 A JP 2002286734A
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Kenta Udagawa
健太 宇田川
Toshiaki Hirozawa
稔明 広沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した濃度のプローブ溶液を液体吐出装置
内の液体収納部に維持して、プローブ担体の製造効率を
下げることなく、液体吐出方式を用いた装置の利点を効
果的に発揮させることのできる構成を有する液体吐出装
置及びそれを用いたプローブ担体の製造装置を提供する
こと。 【解決手段】 液体吐出装置のプローブ溶液を収納する
液体収納部がプローブ溶液供給用の開口を有する場合
に、この開口を蓋部材で覆うかあるいはこの開口が接す
る領域を閉鎖空間として、液体収納部内にあるプローブ
溶液からの水分の蒸発による濃度や粘度の増加を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、担体上に異なるプ
ローブを固定したプローブ担体を製造するための液体吐
出装置及びそれを用いたプローブ担体の製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】遺伝子DNAの塩基配列の解析、あるい
は、同時に多項目に関し、高信頼性で遺伝子診断などを
行う際、目的とする塩基配列を有するDNAを複数種の
プローブを用いて選別することが必要となる。この選別
作業に利用されるプローブ複数種を提供する手段とし
て、DNAマイクロチップが注目を浴びている。また、
薬剤等のハイスループット・スクリーニングやコンビナ
トリアル・ケミストリーにおいても、対象となるタンパ
ク質や、薬物の溶液を多数(例えば、96種、384
種、1536種)を並べ、秩序立ったスクリーニングを
行うことが必要となる。その目的で多数種の薬剤を配列
するための手法、その状態での自動化されたスクリーニ
ング技術、専用の装置、一連のスクリーニング操作を制
御し、また結果を統計的に処理するためのソフトウェア
等も開発されてきている。
【0003】これら並列的なスクリーニング作業は、基
本的に、評価すべき物質に対して、選別する手段となる
既知のプローブを多数並べてなる、いわゆるプローブ・
アレイを利用することで、同じ条件の下、プローブに対
する作用、反応などの有無を検出するものである。一般
的に、どのようなプローブに対する作用、反応を利用す
るかは予め決定されており、従って、ひとつのプローブ
・アレイに搭載されるプローブ種は、例えば、塩基配列
の異なる一群のDNAプローブなど、大きく区分すると
一種類の物質である。すなわち、一群のプローブに利用
される物質は、例えば、DNA、タンパク質、合成され
た化学物質(薬剤)などである。多くの場合、一群をな
すプローブ複数種からなるプローブ・アレイを用いるこ
とが多いが、スクリーニング作業性質によっては、プロ
ーブとして、同一の塩基配列を有するDNA、同一のア
ミノ酸配列を有するタンパク質、同一の化学物質を多数
点並べ、アレイ状とした形態を利用することもあり得
る。これらは主として薬剤スクリーニング等に用いられ
る。
【0004】一群をなすプローブ複数種からなるプロー
ブ・アレイでは、具体的には、異なる塩基配列を有する
一群のDNA、異なるアミノ酸配列を有する一群のタン
パク質、あるいは異なる化学物質の一群について、その
一群を構成する複数種を、所定の配列順序に従って、ア
レイ状に基板上などに配置する形態をとることが多い。
なかでも、DNAプローブ・アレイは、遺伝子DNAの
塩基配列の解析や、同時に、多項目について、信頼性の
高い遺伝子診断を行う際などに用いられる。
【0005】この一群をなすプローブ複数種からなるプ
ローブ・アレイにおける課題のひとつは、できるだけ多
種類のプローブ、例えば、多種類の塩基配列を有するD
NAプローブを一つの基板上に載せることである。換言
するならば、如何に高密度にプローブをアレイ状に並べ
ることができるかである。
【0006】基板上にアレイ状にプローブ複数種を固定
する一つの方法として、米国特許(USP)5,42
4,186号公報に記載される、光分解性の保護基とフ
ォトリソグラフィーを用いた担体上でのDNAの逐次伸
長反応により、互いに異なる塩基配列を有するDNAプ
ローブをアレイ状に作製する手法を挙げることができ
る。この手法を利用すると、例えば、1cm2当たり1
0000種類以上の配列が異なるDNAを搭載したDN
Aプローブ・アレイの調製も可能でなる。なお、この手
法では、逐次伸長反応によりDNAを合成する際、4種
の塩基(A,T,C,G)毎に、それぞれ専用のフォト
マスクを用いてフォトリソグラフィー工程をおこない、
アレイの所定箇所に何れかの塩基を選択的に伸長させる
ことで、所望の塩基配列を有する複数種のDNAを所定
の配列で基板上に合成する。従って、DNAの鎖長が長
くなると、調製に要するコストは高くなり、また、長時
間を要する。加えて、各伸長段階における、ヌクレオチ
ド合成の効率は100%ではないため、設計した塩基配
列に欠損を生じたDNAの比率も小さくない。さらに、
合成の際、光分解性の保護基を用いる場合、通常の酸分
解性の保護基を用いる場合と比べて合成効率が落ちるた
め、最終的に得られるアレイにおいて、設計した塩基配
列通りのDNAの占める割合が小さくなるという問題も
ある。
【0007】また、担体上で直接合成した生成物をその
まま使用するものであるため、設計した塩基配列通りの
DNAから欠損のある塩基配列を有するDNAを精製分
別により取り除くことは勿論不可能である。その他に、
最終的に得られるアレイにおいて、基板上に合成されて
いるDNAの塩基配列を確認することができないという
問題を秘めている。これは仮に、工程上のミスなどによ
り、ある伸長段階で所定の塩基の伸長がほとんどなされ
てなく、全くの不良品であった場合、この不良品プロー
ブ・アレイを用いたスクリーニングは、誤った結果を与
えるが、それを未然に防止する術が全くないことを意味
している。この塩基配列を確認することができないとい
うことが、この手法における最大かつ本質的な問題であ
る。
【0008】前記の手法とは別な方法として、プローブ
用のDNAを予め合成、精製し、場合によってはその塩
基長を確認した上で、各DNAをマイクロディスペンサ
ーのようなデバイスにより基板上に供給し、プローブ・
アレイを調製する手法も提案されている。PCT公開公
報WO95/355O5号には、キャピラリーを用い
て、DNAをメンブラン上へ供給する手法が記載されて
いる。この手法を適用すると、原理的には、1cm2
たり1000個程度のDNAアレイの調製が可能であ
る。基本的には、各プローブ毎に一本のキヤピラリー状
ディスペンス・デバイスでプローブ溶液を基板上の所定
位置へ供給し、その作業を繰り返すことで、プローブ・
アレイを調製する手法である。各プローブ毎に専用のキ
ヤピラリーを用意すれば、問題はないが、仮に、少数の
キヤピラリーを用いて、同じ作業を行おうとすれば、相
互汚染を防止するため、プローブ種を入れ替える際、キ
ャピラリーを十分に洗浄する必要がある。また、供給す
る位置もその度毎に制御する必要がある。従って、多種
類のプローブを高密度に配列するアレイの調製に適して
いる手法とはいえない。加えて、プローブ溶液の基板へ
の供給は、キヤピラリー先端を基板に直接接触させ、タ
ッピングして行うため、再現性・信頼性も完全とはいえ
ない。
【0009】その他の手法として、基板上においてDN
Aの固相合成を行う際、各伸長段階毎に、インクジェッ
ト法により合成に必要な物質の溶液を基板上に供給する
手法も提案されている。例えば、欧州特許公告公報EP 0
703 825B1号には、DNAの固相合成において利用され
る、ヌクレオチドモノマー、ならびに、アクティベ−タ
ーをそれぞれ別のピエゾ・ジェット・ノズルより供給す
ることにより、それぞれ所定の塩基配列を有するDNA
複数種を固相合成する方法が記載されている。このイン
クジェット法による供給(塗布)は、上記キャピラリー
を用いた溶液の供給(塗布)に比べ、供給量の再現性な
ど信頼性も高く、また、ノズルの構造も微細化が可能な
ものであり、プローブ・アレイの高密度化には適した特
徴を有している。しかしながら、この手法も、基本的に
は、基板上でのDNAの逐次伸長反応を応用するものな
ので、先に述べた米国特許USP 5,424,186
号公報に記載される手法における最大の課題である、基
板上に合成されているDNAの塩基配列を確認すること
ができないなどの問題点は依然として残っている。各伸
長段階毎に、専用のマスクを用いるフォトリソグラフィ
ーの工程を行うという煩雑さは解消されるものの、プロ
ーブ・アレイに不可欠な要件である、各ポイントに所定
のプローブが固定されているという点に、若干の問題を
含むものである。なお、前記EP 0,703,825
B1号公報には、単独に形成されたピエゾ・ジェット・
ノズルを複数個使用する方法しか記載されておらず、こ
の少数のノズルを用いる際には、前述のキャピラリーを
用いる手法と同様に、高密度のプローブ・アレイ調製に
は必ずしも適しているとはいえない。
【0010】また、特開平11-187900号公報には、プロ
ーブを含む液体をサーマル液体吐出装置により液滴とし
て固相に付着させて、プローブを含むスポットを固相上
に形成する方法が開示されている。
【0011】またハイスループットプローブ溶液等はマ
イクロプレートで作るのが生化学分野では一般的であ
り、このプレートには96ウェル、384ウェル、15
36ウェルと標準規格がありかつ、穴間隔も決まってお
り、マイクロプレートから吐出ノズル間隔に配置された
液体リザーバーに液体を移動する手間も発生してしまう
という問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上に紹介したよう
に、従来のプローブ・アレイを調製する方法は、担体上
に多種類のプローブを高い密度で載せるアレイを効率よ
く調製する上では、幾つかの課題を残している。例え
ば、液体吐出装置に具備された吐出ノズル間隔に配置し
た液体リザーバーにプローブ溶液を保持する場合、プロ
ーブ溶液のプローブ・アレイ調製時の消費量は1枚に付
き数十nlと少量である。
【0013】しかし、頻繁なプローブ溶液供給はプロー
ブ・アレイ調製の効率が悪くなるため、プローブ溶液は
複数のプローブアレイを調整できる量を液体リザーバー
内に長時間保持することになる。このため、プローブ溶
液は長時間大気にさらされることとなり、プローブ溶液
中の水を含む揮発成分の蒸発が起こり、濃度上昇が発生
する場合がある。プローブ溶液の濃度変化は液体吐出に
影響をもたらし、吐出量や吐出方向精度が悪化する原因
となる可能性が考えられる。このため、供給されたプロ
ーブ溶液を短期間に使い切り頻繁にプローブ溶液を供給
するか、または過度に濃度上昇を起こしたプローブ溶液
を廃棄するという方法が考えられるがプローブ・アレイ
の製造効率が低くなったり、プローブ溶液の使用効率が
低くなるという懸念があった。
【0014】本発明はこのような課題を解決するもの
で、本発明の目的は、安定した濃度のプローブ溶液を液
体吐出装置内の液体収納部に維持して、プローブ担体の
製造効率を下げることなく、液体吐出方式を用いた装置
の利点を効果的に発揮させることのできる構成を有する
液体吐出装置及びそれを用いたプローブ担体の製造装置
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
の解決を図るべく鋭意研究を進めた結果、液体収納部に
設けたプローブ溶液供給用の開口を蓋部材で覆うこと、
あるいはこの開口が接する空間領域の湿度を調整するこ
とで、上述した液体収納部内でのプローブ溶液の過度の
濃度上昇を防止できることを見出した。
【0016】すなわち、本発明にかかる液体吐出装置
は、標的物質と特異的に結合可能な複数種のプローブが
担体上の異なる位置に固定されたプローブ担体を製造す
るために異なるプローブを含有する異なるプローブ溶液
をプローブ溶液毎に吐出するための液体吐出装置であっ
て、プローブ溶液を収納する液体収納部とこれに連通し
た液体吐出用のノズルとを有する液体吐出部を前記複数
種のプローブに応じた個数備え、かつ、前記液体収納部
は、蓋部材により外部から遮断可能であって前記液体収
納部内にプローブ溶液を供給するための開口部を有する
ことを特徴とする液体吐出装置である。
【0017】蓋部材は各開口ごとに設けられて、各開口
を閉鎖するものとして設けることができ、例えば弾性体
やフィルムから形成することができる。なお、蓋部材
は、開口部を完全に閉鎖するものであっても、本発明の
目的を達成できる範囲内で穴などで外気と開口部内とが
連通されているものであってもよい。更に、この蓋部材
は、液体収納部の全ての開口を同時に覆う構成を有する
ものであってもよい。
【0018】本発明にかかるプローブ担体製造用の装置
の一態様は、標的物質と特異的に結合可能な複数種のプ
ローブが担体上の異なる位置に固定されたプローブ担体
の製造装置であって、上記蓋部材を有する構成の液体吐
出装置と、該液体吐出装置の有する液体吐出部の駆動手
段とを有することを特徴とするプローブ担体の製造装置
である。
【0019】本発明にかかるプローブ担体製造用の装置
の他の態様は、標的物質と特異的に結合可能な複数種の
プローブが担体上の異なる位置に固定されたプローブ担
体を製造するための装置であって、プローブ溶液を収納
する液体収納部とこれに接続される液体吐出用のノズル
とを有する液体吐出部を前記複数種のプローブに対応す
る個数備え、かつ、該液体収納部はプローブ溶液を供給
するための開口部を有する液体吐出装置と、該開口と連
通する領域と、該領域の湿度調整手段とを有することを
特徴とするプローブ担体の製造装置である。
【0020】一方、本発明にかかる液体吐出装置は、ノ
ズルからの液体の吐出のための液体吐出エネルギー発生
素子を有する構成をとることができ、この液体吐出エネ
ルギー発生素子としては、熱エネルギーを発生し、プロ
ーブ溶液を加熱して膜沸騰させ、その圧力で前記吐出口
から液体を吐出させるヒータ素子が好ましい。更に、液
体吐出部は、ヒータ素子の駆動によりノズルからプロー
ブ溶液を吐出させる際にプローブ溶液に気泡が発生し、
この気泡がノズルを介して外気と連通する構造を有する
ものが好ましい。
【0021】本明細書において、担体上に固定されたプ
ローブは、特定の標的物質に対して特異的に結合可能な
ものである。更に、このプローブには、特定の標的によ
って認識され得るオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチ
ド、あるいはその他のポリマーなどが含まれる。用語
「プローブ」は、個々のポリヌクレオチド分子などのプ
ローブ機能を有する分子、および分散した位置に表面固
定された同じ配列のポリヌクレオチドなどの同じプロー
ブ機能を有する分子の集団の両方をいい、しばしばリガ
ンドと呼ばれる分子も含まれる。また、プローブ及び標
的は、しばしば交換可能に使用され、プローブは、リガ
ンド−抗リガンド(レセプターと呼ぶこともある)対の
一部として標的と結合し得るか、または結合するように
なり得るものである。本発明におけるプローブ及び標的
は、天然において見出されるような塩基、またはその類
似物を含み得る。
【0022】また、担体上に支持されるプローブの一例
としては、標的核酸とハイブリダイゼーション可能な塩
基配列よりなるオリゴヌクレオチドの一部にリンカーを
介して担体との結合部を有するもので、担体との結合部
において担体表面に連結された構造を有するものを挙げ
ることができる。なお、このような構成の場合における
担体と結合部のオリゴヌクレオチドの分子内での位置
は、所望とするハイブリダイゼーション反応を損なわな
い範囲内において特に限定されない。
【0023】本発明の方法が適用されるプローブ・アレ
イに採用されるプローブは、その使用目的に応じて、適
宜選択されるものであるが、本発明の方法を好適に実施
する上では、プローブとしては、DNA、RNA、cD
NA(コンプリメンタリーDNA)、PNA、オリゴヌ
クレオチド、ポリヌクレオチド、その他の核酸、オリゴ
ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素に対
する基質、抗体、抗体に対するエピトープ、抗原、ホル
モン、ホルモンレセプター、リガンド、リガンドレセプ
ター、オリゴ糖及びポリ糖から選択される少なくとも1
種であることが好ましい。
【0024】本発明においては、これらのプローブの複
数種を、それぞれ独立した領域、例えばドット状スポッ
トとして担体表面に固定したものをプローブ担体とい
い、所定の間隔で配列されたものをプローブ・アレイと
いう。
【0025】一方、プローブは担体表面に結合可能な構
造を有しており、担体上へのプローブの固定がこの結合
可能な構造を介して行われていることが望ましい。その
際、プローブが有する担体表面に結合可能な構造は、ア
ミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基、酸ハ
ライド化物(ハロホルミル基;−COX)、ハライド化
物(−X)、アジリジン、マレイミド基、スクシイミド
基、イソチオシアネート基、スルフォニルクロリド基
(−SO2Cl)、アルデヒド基(ホルミル基;−CH
O)、ヒドラジン及びヨウ化アセトアミドなどの有機官
能基の少なくとも1種をを導入する処理により形成され
たものであることが好ましい。また、プローブ側の担体
への結合に必要な構造に応じて、担体の表面に必要とさ
れる処理を施してもよい。
【0026】本発明における液体吐出装置およびそれを
用いたプローブ担体の製造装置の各構成要素には、プリ
ント用のインクジェット記録方式、あるいはそれを採用
したヘッドや記録装置で使用されているものから、本発
明の目的に応じて適宜選択したもの、あるいは本発明の
目的に応じて構造等を変更したものを選択して用いるこ
とができる。そのようなインクジェット記録方式につい
ての一例としては、特にインクジェット記録方式の中で
も、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギと
して熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体や
レーザ光等)を備え、上記熱エネルギによりインクの状
態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置を挙げ
ることができ、これらにおいて用いられた構成を利用す
ることで優れた効果をもたらすものである。かかる方式
によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるからで
ある。
【0027】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0028】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0029】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0030】加えて、シリアルタイプのものでも、装置
本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着
されることで装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインク
タンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを
用いた場合にも本発明は有効である。
【0031】また、記録装置の構成として、記録ヘッド
の吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは
本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものであ
る。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての
キャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手
段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれら
の組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができ
る。
【0032】上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0034】(第1の実施の形態)図1及び2は本発明
の第一の実施形態のプローブ・アレイ製造用の液体吐出
装置の要部を示した説明図であり、図1は斜視図を図2
は一部を断面とした展開図である。
【0035】本例の液体吐出装置、シリコン基板ででき
たヒーターボード101と接着され、ヒーターボード101の
一方の面(図では上面)の異方性エッチングにより作製
された開口に連続な流路を形成するアルミナセラミクス
でできた液体リザーバープレート102と、液体リザーバ
ー103の開口全体を覆う覆い部材であるカバー104を有し
て構成されている。
【0036】液体収納部となる液体リザーバー103への
供給口は液体リザーバープレート102に設けられた液体
リザーバーとなる貫通口の開口部に相当する。
【0037】ヒーターボード101にはプローブ溶液を吐
出するノズル(不示図:図1及び図2では底面に位置す
る)が2次元に配列されており、ノズルと連通する流路
に対して、ヒーターボード101側の供給口と液体リザー
バー103とが対応して配置されている。
【0038】プローブ溶液はマイクロピペットなどで液
体供給プレート102の液体リザーバー103内に滴下された
後、液体リザーバーの開口全体を覆うカバー104が着脱
自在に載置される。カバー104には迷路106を介して外部
と連通する大気連通路があり、カバー104で液体リザー
バー103全体を覆うときにノズルに加圧がかかるのを防
ぐようになっている。
【0039】このようなカバー102を設けることで、液
体リザーバー103の開口が閉鎖されこの開口を開放する
ことによって液体リザーバー内のプローブ溶液からの水
分の蒸発を抑制して、プローブ溶液の濃度上昇やそれに
伴なう粘度上昇を効果的に防止することができる。
【0040】(第2の実施の形態)図3及び4は本発明
の第二の実施形態のプローブ・アレイ製造用の液体吐出
装置の要部を斜視図として示した説明図である。本例の
液体吐出装置はシリコン基板でできたヒーターボード10
1と接着され、ヒーターボードの異方性エッチングによ
り作製された供給口に連続な流路を形成するアルミナセ
ラミクスでできた液体供給プレート102とを有する。ヒ
ーターボード101にはプローブ溶液を吐出するノズル
(不示図:図における底面側)が2次元に配列されてお
り、各ノズルに対応して液体リザーバー103が設けられ
ている。
【0041】各液体リザーバー103の各開口部は弾性体
や各種樹脂からなるフィルムから形成された蓋部材によ
り閉鎖されている。その一例を図5に示す。図5におい
て、液体リザーバーの開口部が蓋部材107で閉鎖されて
いる。なお、ヒーターボード101の下面には先に述べた
ように液体を吐出させるノズルが設けられており、図5
の構成では、下方へ液体が吐出される。
【0042】この蓋部材は、先端が針状となったマイク
ロピペットを容易に刺し込むことができ、しかも、マイ
クロピペットを抜いた後も蓋部材としての機能を維持し
得るものである。
【0043】プローブ溶液を先端が針状となったマイク
ロピペットなどを蓋部材に刺し込んで液体リザーバー10
3内に滴下供給してから取り外すしてプローブ・アレイ
の製造に用いる。この状態で、液体リザーバー内のプロ
ーブ溶液は大気から密閉された状態となり、プローブ溶
液からの水分の蒸発を抑制して、プローブ溶液の濃度上
昇やそれに伴なう粘度上昇を効果的に防止することがで
きる。
【0044】ノズルの配置に関しては、プローブ・アレ
イのプローブスポットの配置パターンに一対一で対応し
たパターンで複数のノズルを配置することで、液体吐出
装置を担体に対して相対的に走査することなく、位置合
せのみで一括して各プローブスポットを同時に形成する
ようにすることができる。あるいは、担体に対して液体
吐出装置を相対的に走査して、所定のプローブスポット
の配置を得るように複数のノズルを配置してもよい。
【0045】したがって、担体を保持する担体保持手段
と、液体吐出装置と、これらの位置合せ手段または液体
吐出装置を担体に対して相対的に走査する走査手段とを
設けてプローブ担体の製造装置を構成することができ
る。この装置は、液体吐出装置の駆動手段を有し、ホス
トコンピュータなどの外部からの指令で液体吐出装置が
作動するようにしてもよく、製造装置内に自動運転を可
能とするプログラムを有するコンピュータが設けられた
ものでもよい。
【0046】(第3の実施の形態)本例のプローブ・ア
レイ製造用の装置は、上述したヒーターボードと液体リ
ザーバープレートとからなる構成を有する液体吐出装置
と、この液体吐出装置の駆動手段と、各液体リザーバー
を開口と連通する仕切られた領域と、この領域の湿度調
整手段とを設けて構成することができる。なお、この製
造装置には、上記と同様に、担体を保持する担体保持手
段と、液体吐出装置と、これらの位置合せ手段または液
体吐出装置を担体に対して相対的に走査する走査手段と
を設けることができる。更に、この装置は、液体吐出装
置の駆動手段を有し、ホストコンピュータなどの外部か
らの指令で液体吐出装置が作動するようにしてもよく、
製造装置内に自動運転を可能とするプログラムを有する
コンピュータが設けられたものでもよい。
【0047】上記の調湿領域は、例えば、チャンバー内
に形成することができ、このチャンバー内で液体吐出装
置を担体に対して駆動する構成とすることができる。こ
のような装置においては、チャンバー内は保湿された状
態となっており、液体リザーバーやノズル部からの蒸発
を抑制できる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プローブ溶液供給路を単純な構成で二次元配置とするこ
とが出来、プローブ溶液の供給が簡易となり、二次元ア
レイを構成するプローブ種の一層の多数化と、それに付
随するドットの高密度化を容易に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態の液体吐出装置の要部
を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態の液体吐出装置の各部
品形状を示す分解断面図である。
【図3】 本発明の第二の実施形態の液体吐出装置の要
部を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第二の実施形態の液体吐出装置の各
部品形状を示す分解図である。
【図5】 本発明の第二の実施形態の液体吐出装置の要
部を示す断面図である。
【図6】 本発明の第三の実施形態の液体吐出装置の外
観を示す斜視図である。
【符号の説明】
101 ヒーターボード 102 液体リザーバープレート 103 液体リザーバー 104 カバー 105 大気連通孔 106 大気連通迷路 107 カバーフィルム 108 保湿カバー 109 開閉扉 110 プローブアレイ 111 液体吐出ユニット 112 X軸走査ガイド 113 Y軸走査ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12M 1/00 G01N 33/53 M 4B029 C12N 15/09 33/566 G01N 1/00 101 B41J 3/04 101Z 33/53 103B 33/566 C12N 15/00 F 35/10 G01N 35/06 J Fターム(参考) 2C056 FA03 FB01 2C057 AF33 AF99 AG14 AG46 AG68 AG73 BA03 BA13 2G052 AA29 AB18 AB19 AB20 CA00 CA01 CA22 CA29 CA30 DA05 JA00 JA08 2G058 AA09 CC09 CC11 EA11 EB00 ED02 ED11 HA00 HA01 4B024 AA11 AA19 CA01 CA09 CA11 HA14 4B029 AA07 AA21 AA23 BB15 BB20 CC03 CC08 FA12 FA15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標的物質と特異的に結合可能な複数種の
    プローブが担体上の異なる位置に固定されたプローブ担
    体を製造するために異なるプローブを含有する異なるプ
    ローブ溶液をプローブ溶液毎に吐出するための液体吐出
    装置であって、 プローブ溶液を収納する液体収納部とこれに連通した液
    体吐出用のノズルとを有する液体吐出部を前記複数種の
    プローブに応じた個数備え、かつ、前記液体収納部は、
    蓋部材により外部から遮断可能であって前記液体収納部
    内にプローブ溶液を供給するための開口部を有すること
    を特徴とする液体吐出装置。
  2. 【請求項2】 前記蓋部材が各開口に設けられ、該開口
    を閉鎖するものである請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 【請求項3】 前記蓋部材が弾性体からなる請求項2に
    記載の液体吐出装置。
  4. 【請求項4】 前記蓋部材がフィルムからなる請求項2
    に記載の液体吐出装置。
  5. 【請求項5】 前記蓋部材が前記液体収納部の全ての開
    口を同時に覆うものである請求項1に記載の液体吐出装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ノズルからの液体の吐出のための液
    体吐出エネルギー発生素子を有する請求項1〜5のいず
    れかに記載の液体吐出装置。
  7. 【請求項7】 前記液体吐出エネルギー発生素子が、熱
    エネルギーを発生し、前記プローブ溶液を加熱して膜沸
    騰させ、その圧力で前記吐出口から液体を吐出させるヒ
    ータ素子である請求項6に記載の液体吐出装置。
  8. 【請求項8】 前記液体吐出部は、前記ヒータ素子の駆
    動により前記ノズルからプローブ溶液を吐出させる際に
    プローブ溶液に気泡が発生し、該気泡が該ノズルを介し
    て外気と連通する構造を有する請求項7に記載の液体吐
    出装置。
  9. 【請求項9】 標的物質と特異的に結合可能な複数種の
    プローブが担体上の異なる位置に固定されたプローブ担
    体の製造装置であって、 請求項1〜8のいずれかに記載の液体吐出装置と、 該液体吐出装置の有する液体吐出部の駆動手段とを有す
    ることを特徴とするプローブ担体の製造装置。
  10. 【請求項10】 標的物質と特異的に結合可能な複数種
    のプローブが担体上の異なる位置に固定されたプローブ
    担体を製造するための装置であって、 プローブ溶液を収納する液体収納部とこれに接続される
    液体吐出用のノズルとを有する液体吐出部を前記複数種
    のプローブに対応する個数備え、かつ、該液体収納部は
    プローブ溶液を供給するための開口部を有する液体吐出
    装置と、 該開口と連通する領域と、 該領域の湿度調整手段とを有することを特徴とするプロ
    ーブ担体の製造装置。
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