以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の粘着剤組成物は、フルオロ有機アニオンを含有するイオン性液体、およびベースポリマーとして数平均分子量5,000以上のポリウレタンを含有してなることを特徴とする。
本発明におけるイオン性液体とは、25℃で液状を呈する溶融塩(イオン性化合物)をいう。
イオン性液体としては、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、または含リンオニウム塩が好ましく用いられ、特に優れた帯電防止能が得られる理由から下記一般式(A)〜(D)で表される有機カチオン成分と、フルオロ有機アニオン成分からなるものが好ましく用いられる。
[式(A)中のRaは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、RbおよびRcは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rcはない。]
[式(B)中のRdは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、Re、Rf、およびRgは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。]
[式(C)中のRhは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、Ri、Rj、およびRkは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。]
[式(D)中のZは、窒素、硫黄、またはリン原子を表し、Rl、Rm、Rn、およびRoは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。ただしZが硫黄原子の場合、Roはない。]
式(A)で表されるカチオンとしては、たとえば、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオンなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピロリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピロリジニウムカチオン、1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピペリジニウムカチオン、2−メチル−1−ピロリンカチオン、1−エチル−2−フェニルインドールカチオン、1,2−ジメチルインドールカチオン、1−エチルカルバゾールカチオンがあげられる。
式(B)で表されるカチオンとしては、たとえば、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオンなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオンなどがあげられる。
式(C)で表されるカチオンとしては、たとえば、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオンなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオンなどがあげられる。
式(D)で表されるカチオンとしては、たとえば、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、上記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基、さらにはエポキシ基に置換されたものなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオンなどがあげられる。なかでもトリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオンなどの非対称のテトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオンが好ましく用いられる。
一方、アニオン成分としては、フルオロ有機アニオンが用いられる。フルオロ有機アニオンとしては、イオン性液体になることを満足するものであれば特に限定されず、完全にフッ素化(パーフルオロ化)されていても、部分的にフッ素化されていてもよい。たとえば、フッ素化されたアリールスルホネート、パーフルオロアルカンスルホネート、シアノパーフルオロアルカンスルホニルアミド、ビス(シアノ)パーフルオロアルカンスルホニルメチド、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミド、シアノ−ビス−(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチドなどがあげられる。より具体的には、たとえば、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、トリフルオロアセテート、ヘプタフルオロブチレート、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミドなどがあげられる。
本発明に用いられるイオン性液体の具体例としては、上記カチオン成分とアニオン成分の組み合わせから適宜選択して用いられる。たとえば、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、 1,1−ジメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1 −ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピベリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピベリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピベリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピベリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピベリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド,1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピルピベリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピベリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド,1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムパーフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムパーフルオロブタンスルホネート,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N,N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピルーN,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチル
アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド,1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド,グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルビス(ペンタフルオロエタンタンスルホニル)イミドなどがあげられる。
前記のようなイオン性液体は、市販のものを使用してもよいが、下記のようにして合成することも可能である。イオン性液体の合成方法としては、目的とするイオン性液体が得られれば特に限定されないが、一般的には、文献“イオン性液体−開発の最前線と未来−”[(株)シーエムシー出版発行]に記載されているような、ハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法などが用いられる。
下記にハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法について含窒素オニウム塩を例にその合成方法について示すが、その他の含硫黄オニウム塩、含リンオニウム塩などその他のイオン性液体についても同様の手法により得ることができる。
ハロゲン化物法は、下記式(1)〜(3)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミンとハロゲン化アルキルと反応させてハロゲン化物を得る(反応式(1)、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)。
得られたハロゲン化物を目的とするイオン性液体のアニオン構造(A−)を有する酸(HA)あるいは塩(MA、Mはアンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウムなど目的とするアニオンと塩を形成するカチオン)と反応させて目的とするイオン性液体(R4NA)が得られる。
水酸化物法は、(4)〜(8)に示すような反応によって行われる方法である。まずハロゲン化物(R4NX)をイオン交換膜法電解(反応式(4))、OH型イオン交換樹脂法(反応式(5))または酸化銀(Ag2O)との反応(反応式(6))で水酸化物(R4NOH)を得る(ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)。
得られた水酸化物を上記ハロゲン化法と同様に反応式(7)〜(8)の反応を用いて目的とするイオン性液体(R4NA)が得られる。
酸エステル法は、(9)〜(11)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミン(R3N)を酸エステルと反応させて酸エステル物を得る(反応式(9)、酸エステルとしては、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸などの無機酸のエステルやメタンスルホン酸、メチルホスホン酸、ギ酸などの有機酸のエステルなどが用いられる)。
得られた酸エステル物を上記ハロゲン化法と同様に反応式(10)〜(11)の反応を用いて目的とするイオン性液体(R4NA)が得られる。また、酸エステルとしてメチルトリフルオロメタンスルホネート、メチルトリフルオロアセテートなどを用いることにより、直接イオン性液体を得ることもできる。
中和法は、(12)に示すような反応によって行われる方法である。3級アミンとCF3COOH,CF3SO3H,(CF3SO2)2NH,(CF3SO2)3CH,(C2F5SO2)2NHなどの有機酸とを反応させることにより得ることができる。
上記の式(1)〜(12)記載のRは、水素または炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。
イオン性液体の配合量としては、使用するポリマーとイオン性液体の相溶性により変わるため一概に定義することができないが、一般的にはベースポリマー100重量部に対して、0.01〜40重量部が好ましく、0.01〜30重量部がより好ましく、0.03〜20重量部がさらに好ましく、0.05〜4.9重量部が最も好ましい。0.01重量部未満であると十分な帯電防止特性が得られず、40重量部を超えると被着体への汚染が増加する傾向がある。
本発明は上記のようなイオン性液体を用いるものである。
また、本発明においては、数平均分子量5,000以上のポリウレタンをベースポリマーとして用いる。
上記ポリウレタンとしては数平均分子量が5,000以上のものが用いられるが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなる数平均分子量が5,000以上であるポリウレタン系樹脂であれば特に制限されない。上記ポリウレタンは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記ポリウレタンの数平均分子量は、5,000以上であれば特に制限されないが、通常、5,000〜80,000程度の範囲から選択することができ、好ましくは10,000〜70,000、さらに好ましくは12,000〜60,000である。上記数平均分子量が5,000未満であると、粘着剤としての機械的強度が低下し、また、リワーク性や耐熱性が低下してしまう場合がある。一方、上記数平均分子量が80,000を超えると、ポリウレタンの粘度が高くなり、粘着シートの形成が困難となる場合がある。なお、上記数平均分子量はGPC(ゲル・バーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
本発明のポリウレタンは通常ポリオール成分とポリイソシアネート成分とのウレタン化反応により得ることができる。また、上記ポリオール成分や上記ポリイソシアネート成分は単独または2種以上組み合わせて使用することができる。なお、この際、ポリウレタンの耐熱性、粘着性などを保持可能な範囲、すなわち、たとえば、ポリウレタンまたはその架橋構造体(粘着剤層)のガラス転移温度を−10℃以下に調整できる範囲で、ポリオール成分やポリイソシアネート成分を用いることが好ましい。
上記ポリオール成分としては、たとえば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひまし油系ポリオールなどがあげられる。これらのポリオール成分は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
ポリエステルポリオール成分としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール−3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール等のジオール成分と、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、ダイマー酸、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェエルジカルボン酸やこれらの酸無水物又は低級アルキルエステルなどジカルボン酸成分または低級アルキルエステルなどのジカルボン酸成分とその誘導体とを、単独もしくは混合物状態で脱水反応して得られるポリエステルジオールなどがあげられる。
また、これらの市販品としては、たとえば、3−メチル1,5−ペンタンジオールとアジビン酸とのポリエステルジオールである商品名 「クラレポリオールP−510」、「クラレポリオールP−1010」、「クラレポリオールP−1011」、「クラレポリオールP−1012」、「クラレポリオールP−1050」、「クラレポリオールP−2010」、「クラレポリオールP−2011」、「クラレポリオールP−2012」、「クラレポリオールP−2050」、「クラレポリオールP−3010」、「クラレポリオールP−3050」、「クラレポリオールP−4010」、「クラレポリオールP−4011」、「クラレポリオールP−4015」、「クラレポリオールP−4050」、「クラレポリオールP−5010」、「クラレポリオールO−2010」(以上、いずれもクラレ社製)などがあげられる。
ポリエーテルジオール成分としては、たとえば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラチメレングリコール、およびこれらを共重合させたコポリエーテル等があげられる。
また、これらの市販品としては.たとえば、商品名「アデカポリエーテルP−400」、「アデカポリエーテルP−1000」、「アデカポリエーテルP−2000」、「アデカポリエーテルP−3000」、「アデカポリエーテルBPX−33」、「アデカポリエーテルBPX−55」(以上、いずれも旭電化工業社製)、「サンニックスPP−600」、「サンニックスPP−1000」、「サンニックスPP−2000」、「サンニックスPP−3000」(以上、いずれも三洋化成工業社製)、「エパン410」、「エパン420」、「エパン610」,「エパン620」、「エパン710」、「エパン720」(以上、いずれも第一工業製薬社製)などがあげられる。
ポリカプロラクトンジオール成分としては、たとえば、ε−カプロラクトン、σ−バレーロラクトンなど環状エステルモノマー開環重合により得られるカプロラクトン系ポリエステルジオール等があげられる。
また、これらの市販品としては、たとえば,商品名「プラクセルL205AL」、「プラクセルL212AL」、「プラクセルL220PL」、「プラクセルL230AL」(以上、いずれもダイセル化学工業社製)などがあげられる。
ポリカーボネートジオール成分としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プリピレングリコール,1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、α−メチルブタンジオール、α−ジメチルブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2一メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロブタン−1,3−ジ(2’−エタノール)、1,4−ジヒドロキシシクロへキサン、シクロへキサン−1,4−ジメタノール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、炭素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ジオールならびにその誘導体等のジオール類とホスゲンとを重縮合反応させて得られるポリカーボネートジオール成分、上記ジオール類と炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロビル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル、エチルブチル炭酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジル等の炭酸ジエステル類とをエステル交換縮合させて得られるポリカーボネートジオール成分、上記ジオール類を2種以上併用して得られる共重合ポリカーボネートジオール成分、上記各種ポリカーボネートジオール成分とカルボキシル基含有化合物とをエステル化反応させて得られるポリカーボネートジオール成分、上記各種ポリカーボネートジオール成分とヒドロキシル基含有化合物とをエーテル化反応させて得られるポリカーボネートジオール成分、上記各種ポリカーボネートジオール成分とエステル化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートジオール成分、上記各種ポリカーボネートジオール成分とヒドロキシル基含有化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートジオール成分、上記各種ポリカーボネートジオール成分とジカルボン酸化合物とを重縮合反応させて得られるポリエステル系ポリカーボネートジオール成分、上記各種ポリカーボネートジオール成分とアルキレンオキサイドとを共重合させて得られる共重合ポリエーテル系ポリカーボネートジオール成分などがあげられ、これらは好適に用いられる。
また、これらの市販品としては、たとえば、商品名「PLACCEL CD205」、「PLACCEL CD210」、「PLACCEL CD220」、「PLACCEL CD205PL」、「PLACCEL CD210PL」、「PLACCEL CD220PL」(以上、いずれもダイセル化学工業社製)や「PMHC−2050」、「PMHC−2070」、「PNOC−1000」、「PNOC−2000」(以上、いずれもクラレ社製)などがあげられる。
ひまし油系ポリオール成分としては、ひまし油脂肪酸と上記ジオール成分とを反応させて得られるひまし油系ポリオール成分があげられる。より具体的には、たとえば、ひまし油脂肪酸とポリプロピレングリコールとを反応させて得られるひまし油系ポリオール成分があげられる。また、これらの市販品としては、たとえば、「URIC H−56」(伊藤製油社製)などがあげられる。
また、上記ポリオール成分としては、エチレンジアミン、2−エタノールアミン,N−メチルジエタノールアミン,ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミンなどのアミン化合物を反応させて得られる塩基性ポリオールを用いることもできる。
なかでも、上記ポリオール成分としては、アルキレンオキシド基を有すポリオール成分、すなわちポリエーテルポリオール成分が好適に用いられ、特にアルキレンオキシド基としてエチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基であるものが好ましく用いられる。アルキレンオキシド基の含有量としては特に制限無く用いられるが、被着体への低汚染性がより効果的に得られる理由から、全ポリオール成分中4〜100重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは20〜60重量%となる割合とするのがよい。アルキレンオキシド基の含有量が4重量%末満であると、被着体への低汚染性が効果的に得られにくい傾向にある。
さらに、上記ポリウレタンにおいては、接着性と耐熱性のバランスが容易に取れる理由から、3官能以上のポリオール成分を用いることもできる。
3官能以上のポリオール成分としては、3価以上の多価アルコールや3価以上の多価カルボン酸を上記ジオールやジカルボン酸と反応させて得られるポリオール成分が用いられる。
3価以上の多価アルコールとしては、たとえば、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール,1,2,6−へキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの脂肪族多価アルコールやこれらの誘導体があげられる。
また、3価以上の多価カルボン酸としては、たとえば、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−へキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、トリメリツト酸、ピロメリット酸などの芳香族多価カルボン酸などや、これらの酸無水物または低級アルキルエステルなどがあげられる。
また、3官能以上のポリオール成分の市販品としては、たとえば、商品名「アデカポリエーテルG−700」、「アデカポリエーテルG−1500」、「アデカポリエーテルG−3000B」、「アデカポリエーテルG−4000」、「アデカポリエーテルT−4000」、「アデカポリエーテルEDP−1100」(以上、いずれも旭電化工業社製)、「クラレポリオールF−510」、「クラレポリオールF−2010」、「クラレポリオールF−3010」(以上、いずれもクラレ社製)、「サンニックスGS−3000」、「サンニックスGP−600」、「サンニックスGP−1000」、「サンニックスGP−2000」、「サンニックスGP−3000」、「サンニックスGP−4000」(以上、いずれも三洋化成工業社製)、「URIC H−52」(伊藤製油社製)などがあげられる。
また、3官能以上のポリオール成分の使用量は、目的とするポリウレタンの機械的強度や柔軟性が得られるように、適宜使用量が選択される。通常は、ポリオール成分の合計量に対して0〜80重量%、好ましくは0〜60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%となる割合とするのがよい。上記3官能以上のポリオール成分80重量%を超えると、ポリウレタンの粘度が高くなり、粘着シートの形成が困難となりやすい。
また、上記ポリオール成分としては、用意に目的とする分子量のポリウレタンが得られる理由から数平均分子量が500〜5,000のものが好ましく用いられる。上記数平均分子量が500未満であるとウレタン基濃度が高くなり、粘着剤としての柔軟性が損なわれ、接着性が得られなくなる傾向がある。また、上記数平均分子量が5,000を超えると、ウレタン基濃度が低くなり、粘着剤としての強度が損なわれ、糊残りしやすくなる。
上記ポリイソシアネート成分としては、一般にウレタン化反応に用いられる公知の脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、ジイソシアネートの多量体などが用いられる。これらのポリイソシアネート成分は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート,1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどがあげられる。
脂環族イソシアネートとしては、たとえば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート,1,3−シクロへキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート,水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどがあげられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、たとえば、フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソソアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,2’一ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどがあげられる。
また、上記ジイソシアネートの多量体(2量体,3量体、5量体など)、ウレタン変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体,アルファネート変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体などがあげられる。
ポリイソシアネート成分の市販品としては、たとえば、商品名「ミリオネートMT」、「ミリオネートMTL」、「ミリオネートMR−200」、「コロネートL」、「コロネートHL」、「コロネートHX」(以上、いずれも日本ポリウレタン工業社製)、商品名「タケネートD−110N」、「タケネートD−120N」、「タケネートD−140N」、「タケネートD−160N」、「タケネートD−165N」、「タケネートD−170HN」、「タケネートトD−178N」(以上、いずれも三井武田ケミカル社製)などがあげられる。
本発明に用いられるポリウレタンは、上記ポリオール成分と上記ポリイソシアネート成分を用い、常法のしたがい適宜の触媒などを用いてウレタン化反応させることにより得ることができる。この反応に際し、ポリオール成分とポリイソシアネート成分のOH/NCOモル比は1.0/0.5〜1.0/1.0が好ましく、さらに好ましくは1.0/0.5〜1.0/0.8である。NCOモル比が0.5未満であるとウレタン粘着剤としての機械的強度が得られにくくなる傾向がある。
ウレタン化反応方法としては、塊状重合や溶液重合などウレタン化反応方法として一般的に用いられる方法が用いられる。
ウレタン化反応に用いられる触媒としては、3級アミン化合物や有機金属系化合物など公知のウレタン化触媒が用いられる。
3級アミン化合物としては、たとえば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシク口−(5,4,0)−ウンデセン−7などがあげられる。
有機金属系化合物としては、たとえば、錫系化合物、非錫系化合物などをあげることができる。
錫系化合物としては、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルフィド,トリブチル錫メトキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキシド、トリブチル錫エトキシド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン錫などがあげられる。
非錫系化合物としては、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系化合物、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系化合物、2−エチルヘキサン鉄、鉄アセチルアセトネートどの鉄系化合物、2−エチルヘキサンコバルト、安息香酸コバルトなどのコバルト系化合物、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン亜鉛などの亜鉛系化合物、ナフテン酸ジルコニウムなどのジルコニウム系化合物などがあげられる。
上記触媒は単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。触媒の量としては、NCO1モルに対して0.01モル%〜1モル%が好ましい。0.01モル%未満であると触媒としての効果が十分発揮されず、1モル%を超えるとそれ以上添加しても得られる効果が変わらない。
本発明の粘着剤は、ベースポリマーである上記ポリウレタンを適宜架橋することで、さらに耐熱性・耐久性に優れた粘着シートが得られる。架橋方法の具体的手段としては、架橋剤を添加して架橋させる方法、なかでも架橋剤としてイソシアネート化合物を用いる手法が好ましく用いられる。
架橋剤としてのイソシアネート化合物としては、イソシアネート基が一分子中に複数有するポリイソシアネート化合物を用いることが好ましい。また、これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
架橋剤としてのポリイソシアネート化合物は、前述の脂肪族ポリイソシアネート.脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートやこれらの多量体(2量体、3量体、5量体など)、ウレタン変性体、ウレア変性体,ビウレット変性体、アルファネート変性体、イソシアヌレート変性体,カルボジイミド変性体などを用いることができる。
また、ポリイソシアネート化合物の市販品としては、たとえば、商品名「ミリオネートMT」、「ミリオネートMTL」、「ミリオネートMR−200」、「コロネートL」、「コロネートHL」、「コロネートHX」(以上、いずれも日本ポリウレタン工業社製)、商品名「タケネートD−110N」、「タケネートD−120N」、「タケネートD−140N」、「タケネートD−160N」「タケネートD−165N」、「タケネートD−170HN」、「タケネートD−178N」(以上、いずれも三井武田ケミカル社製)などがあげられる。
架橋剤の使用量は、架橋すべきポリウレタンの分子量バランスにより、さらには、粘着剤としての使用用途などによって適宜選択される。一般的には、ポリウレタン100重量部に対して0.5重量部以上である。また、架橋剤としては、ポリウレタンの架橋処理後の溶剤不溶成分が10重量%〜100重量%、好ましくは20重量%〜95重量%となるような使用量で用いることが好ましい。ポリウレタンの架橋処理後の溶剤不溶成分が10重量%未満であると、粘着剤の凝集力が不足して機械的強度が低下し、十分な耐熱性が得られない場合がある。このように、本発明では、機械的強度と柔軟性とを両立するために(または、耐熱性と粘着性とを両立するために)、架橋剤の使用量を厳密に調整する必要がなく、容易にポリウレタンの架橋処理を行うことができるものである。
また、上述の溶剤不溶分(重量%)の測定方法は、粘着剤層:Y1(g)、溶剤浸漬後の乾燥した粘着剤層:Y2(g)とするとき、下記式により粘着剤層の溶剤不溶分:X(重量%)を算出することにより行う。
・X(重量%)=〔Y2(g)/Y1(g)〕×100
より具体的には、粘着剤層を約0.1gサンプリングして秤量する(Y1(g))。次に、このサンプルを約50mlの溶剤(酢酸エチル)中に室温で7日間浸漬後、溶剤不溶成分を取り出し、130℃中で約2時間乾燥した後、秤量する(Y2(g))。このように測定した溶剤浸積前後のサンプルの重量から、上記式により粘着剤層の溶剤不溶分:X(重量%)を算出した。
なお、ポリウレタン架橋処理後の溶剤不溶成分における溶剤としては、使用目的などに応じて適宜選択することができる。たとえば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;へキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロへキサンなどの脂環式炭化水素;メタノール、エタノールなどのアルコール;酢酸エチルなどのエステル;メチルエチルケトンなどのケトン;エチレングリコールなどのグリコール;プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテルなど用いることができる。これらの溶剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、ポリウレタン(または架橋処理後のポリウレタン)のガラス転移温度(Tg)は、−10℃以下(たとえば−100℃〜−10℃、より好ましくは−20℃以下)であることが好ましい。ポリウレタン(または架橋処理後のポリウレタン)のガラス転移温度が−10℃を超えると、ポリウレタンおよびその架橋構造体が硬くなって柔軟性が低下し、粘着性が低下する。なお、上記ガラス転移温度としては、通常、ポリウレタンの架橋処理後の架橋構造体におけるガラス転移温度を採用する場合が多い。
本発明の粘着剤組成物は、上記のようなポリウレタンを樹脂成分の主成分(ベースポリマー)として含有しているものである。より具体的には、上記ポリウレタンの割合は、たとえば、粘着剤組成物における樹脂成分全量に対して50重量%以上(好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90〜100重量%)である。なお、樹脂成分としては、本発明の作用・効果の損なわない範囲で、上記ポリウレタン以外の樹脂成分(たとえば、上記ポリウレタン以外のポリウレタンや、他の熱可塑性樹脂など)を適宜含有していてもよい。また、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤などの粘着剤の樹脂成分として慣用的に用いられている樹脂を用いることもできる。
また,粘着剤組成物には、上記樹脂成分(ポリウレタンなど)に加え、従来公知の各種粘着付与剤や、無機または有機の充填剤、金属粉、顔料などの粉体粒子状物、箔状物、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、導電剤などの従来公知の各種添加剤を任意に配合できる。なお、粘着剤付与剤の併用により、粘着性と耐熱性とのバランス(または、機械的強度と柔軟性とのバランス)を良好にすることができる場合もある。
一方、本発明の粘着剤層は、上述のような粘着剤組成物を架橋してなるものである。また、本発明の粘着シートは、かかる粘着剤層を支持フィルム上に形成してなるものである。その際、粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を支持フィルムなどに転写することも可能である。
フィルム上に粘着剤層を形成する方法は特に問わないが、たとえば、前記粘着剤組成物を支持フィルムに塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を支持フィルム上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生をおこなってもよい。また、粘着剤組成物を支持フィルム上に塗布して粘着シートを作製する際には、支持フィルム上に均一に塗布できるよう、該組成物中に重合溶剤以外の1種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
また、本発明の粘着剤層の形成方法としては、粘着シートの製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコート法などがあげられる。
本発明の粘着シートは、上記粘着剤を通常厚み3〜100μm、好ましくは5〜50μm程度となるようにポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムや、紙、不織布などの多孔質材料などからなる各種の支持体の片面または両面に塗布形成し、シート状やテープ状などの形態としたものである。特に表面保護フィルムの場合には支持体としてプラスチック基材を用いるのが好ましい。
プラスチック基材としては、シート状やフィルム状に形成できるものであれば特に限定されるものでなく、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどがあげられる。
前記フィルムの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。
プラスチック基材には、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理をすることもできる。
また、本発明の表面保護フィルムに使用するプラスチック基材は、帯電防止処理されたものがより好ましい。
プラスチック基材に施される帯電防止処理としては特に限定されないが、たとえば、一般的に用いられるフィルムの少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法やプラスチックフィルムに練り込み型帯電防止剤を練り込む方法が用いられる。
フィルムの少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法としては、たとえば、帯電防止剤と樹脂成分から成る帯電防止性樹脂や導電性ポリマー、導電性物質を含有する導電性樹脂を塗布する方法や導電性物質を蒸着あるいはメッキする方法があげられる。
帯電防止性樹脂に含有される帯電防止剤としては、たとえば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1、第2、第3アミノ基などのカチオン性官能基を有するカチオン型帯電防止剤、スルホン酸塩や硫酸エステル塩、ホスホン酸塩、リン酸エステル塩などのアニオン性官能基を有するアニオン型帯電防止剤、アルキルベタインおよびその誘導体、イミダゾリンおよびその誘導体、アラニンおよびその誘導体などの両性型帯電防止剤、アミノアルコールおよびその誘導体、グリセリンおよびその誘導体、ポリエチレングリコールおよびその誘導体などのノニオン型帯電防止剤、さらには、上記カチオン型、アニオン型、両性イオン型のイオン導電性基を有する単量体を重合もしくは共重合して得られたイオン導電性重合体があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
具体的には、カチオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アシロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、アルキルベンジルメチルアンモニウム塩、アシル塩化コリン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートなどの4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するスチレン共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するジアリルアミン共重合体などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
アニオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホン酸基含有スチレン共重合体があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
両性イオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、カルボベタイングラフト共重合があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
ノニオン型の帯電防止剤として、たとえば、脂肪酸アルキロールアミド、ジ(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジアミン、ポリエーテルとポリエステルとポリアミドからなる共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
導電性ポリマーとしては、たとえば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどがあげられる。これらの導電性ポリマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
導電性物質としては、たとえば、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム、錫、アンチモン、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、ヨウ化銅、およびそれらの合金または混合物があげられる。これらの導電性物質は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
帯電防止性樹脂および導電性樹脂に用いられる樹脂成分としては、たとえば、ポリエステル、アクリル、ポリビニル、ウレタン、メラミン、エポキシなどの汎用樹脂が用いられる。なお、高分子型帯電防止剤の場合には、樹脂成分を含有させなくてもよい。また、帯電防止樹脂成分に、架橋剤としてメチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系、尿素系、グリオキザール系、アクリルアミド系などの化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物を含有させることも可能である。
帯電防止層の形成方法としては、たとえば、上記帯電防止性樹脂、導電性ポリマー、導電性樹脂を有機溶剤もしくは水などの溶媒で希釈し、この塗液をプラスチックフィルムに塗布、乾燥することで形成される。
前記帯電防止層の形成に用いる有機溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロへキサノン、n−へキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどがあげられる。これらの溶剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記帯電防止層の形成における塗布方法については公知の塗布方法が適宜用いられ、具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート、含浸およびカーテンコート法があげられる。
前記帯電防止性樹脂層、導電性ポリマー、導電性樹脂の厚みとしては通常0.01〜5μm、好ましくは0.03〜1μm程度である。
導電性物質の蒸着あるいはメッキの方法としては、たとえば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、化学蒸着、スプレー熱分解、化学メッキ、電気メッキ法などがあげられる。
前記導電性物質層の厚みとしては通常20〜10000Åであり、好ましくは50〜5000Åである。
また練り込み型帯電防止剤としては、上記帯電防止剤が適宜用いられる。
練り込み型帯電防止剤の配合量としては、プラスチックフィルムの総重量に対して20重量%以下、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で用いられる。練り込み方法としては、前記帯電防止剤がプラスチックフィルムに用いられる樹脂に均一に混合できる方法であれば特に限定されず、たとえば、加熱ロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸混練機などが用いられる。
プラスチックフィルムには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理をすることもできる。
本発明の粘着シートは必要に応じて粘着面を保護する目的で粘着剤表面にセパレーターを貼り合わせることが可能である。セパレーターを構成する基材としては紙やプラスチックフィルムがあるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどがあげられる。
前記フィルムの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。前記フィルムの粘着剤層貼合面には、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などにより適宜離型剤処理が施されている。
本発明を用いた粘着剤組成物および粘着剤層、ならびに粘着シートは、特に静電気が発生しやすいプラスチック製品などに用いられ、なかでも特に、液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板、波長板、光学補償フィルム、光拡散シート、反射シートなどの光学部材表面を保護する目的で用いられる表面保護フィルムとして用いることができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
<分子量の測定>
分子量は、GPC装置(東ソー株式会社製)を用いて測定を行った。測定条件は下記の通りである。
・サンプル濃度:0.5wt%(THF溶液)
・サンプル注入量:500μl
・溶離液:THF
・流速:1.0ml/min
・測定温度:38℃
・サンプルカラム;TSKguardcolumn HXL−H(1本)+TSKgel GMHHR−H(S)(2本)
・検出器:示差屈折計(RI)
なお、分子量はポリスチレン換算値にて求めた。
<ガラス転移温度の測定>
得られたポリウレタンのガラス転移温度(Tg)(℃)については、下記の手順で動的粘弾性測定により決定した。
厚さ20μmのポリウレタン粘着剤層のシートを積層して約2mmの厚さとし、これをφ7.9mmに打ち抜き、円柱状のペレットを作製してガラス転移温度(Tg)測定用サンプルとした。
上記測定用サンプルを用い、φ7.9mmパラレルプレートの治具に上記測定サンプルを固定し、動的粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、ARES)により、損失弾性率G’’の温度依存性を測定し、得られたG’’カーブが極大となる温度をガラス転移温度(Tg)(℃)とした。測定条件は下記の通りである。
・測定:せん断モード
・温度範囲:−70℃〜150℃
・昇温速度:5℃/min
・周波数:1Hz
<溶剤不溶分の測定>
得られた粘着剤層を約0.1gサンプリングして秤量する(Y1(g))。次に、このサンプルを約50mlの溶剤(酢酸エチル)中に室温で7日間浸漬後、溶剤不溶成分を取り出し、130℃中で約2時間乾燥した後、秤量する(Y2(g))。このように測定した溶剤浸積前後のサンプルの重量から、下記式により粘着剤層の溶剤不溶分:X(重量%)を算出した。
・X(重量%)=〔Y2(g)/Y1(g)〕×100
<ベースポリマーの調製>
(ポリウレタン(A))
攪拌機、温度計、滴下ロートを備えた四つ口セパラブルフラスコに、3官能ポリエーテルポリオール(旭電化工業社製、アデカポリエーテルG−4000、Mn=4,000)100.0重量部、2官能ポリエーテルポリオール(ALDRICH社製、ポリプロピレングリコールとポリエチレングリコールのブロック共重合体、Mn=2,700、エチレングリコール比率:40重量%)100.0重量部、トルエン85.7重量部、触媒としてのジブチル錫ジラウレート0.04重量部を仕込み、攪拌を開始しながらフラスコ内の液温を90℃まで昇温した。フラスコ内の液温を90℃に保持しながら、ヘキサメチレンジイソシアネートのトルエン溶液(70重量%)14.6重量部を40分間かけて滴下し、ウレタン化反応を開始した。滴下終了後さらに90℃で6時間反応を続け、ポリウレタン(A)を得た。このポリウレタン(A)は、Tg=−10℃以下、重量平均分子量27,000であった。
<帯電防止剤の調製>
〔帯電防止剤溶液(a)〕
過塩素酸リチウム(和光純薬工業社製、25℃下で固形)1重量部を、酢酸エチル9重量部で希釈することにより、帯電防止剤溶液(a)(10重量%)を調製した。
<帯電防止処理フィルムの作製>
帯電防止剤(ソルベックス社製、マイクロソルバーRMd−142、酸化スズとポリエステル樹脂を主成分とする)10重量部を、水30重量部とメタノール70重量部からなる混合溶媒で希釈することにより帯電防止剤溶液を調製した。
得られた帯電防止剤溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上にマイヤーバーを用いて塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して帯電防止層(厚さ0.2μm)を形成し、帯電防止処理フィルムを作製した。
〔実施例1〕
(粘着剤組成物の調製)
上記ポリウレタン(A)メチルエチルケトンで40重量%に希釈し、この溶液100重量部に1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(日本カーリット社製、CIL−312、25℃下で液状)0.2重量部、架橋剤としてトリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量付加体(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHL)1.6重量部を加えて、25℃下で約1分間混合攪拌を行って粘着剤溶液(1)を調製した。
(粘着シートの作製)
上記粘着剤溶液(1)を、上記の帯電防止処理フィルムの帯電防止処理面とは反対の面に塗布し、110℃で3分間加熱して、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン処理面を貼合せて粘着シートを作製した。なお、上記粘着剤層の溶剤不溶分は38重量%であった。
〔実施例2〕
(粘着剤組成物の調製)
上記1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(日本カーリット社製、CIL−312、25℃下で液状)0.2重量部に代えて、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(日本カーリット社製、CIL−312、25℃下で液状)1.2重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤溶液(2)を調製した。
(粘着シートの作製)
上記粘着剤溶液(1)に代えて、上記粘着剤溶液(2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。なお、上記粘着剤層の溶剤不溶分は30重量%であった。
〔比較例1〕
(粘着剤組成物の調製)
上記1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(日本カーリット社製、CIL−312、25℃下で液状)0.2重量部に代えて、上記帯電防止剤溶液(a)(10重量%)2.0重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤溶液(3)を調製した。なお、上記粘着剤層の溶剤不溶分は33重量%であった。
(粘着シートの作製)
上記粘着剤溶液(1)に代えて、上記粘着剤溶液(3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
〔比較例2〕
(粘着剤組成物の調製)
上記1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(日本カーリット社製、CIL−312、25℃下で液状)0.2重量部に代えて、上記帯電防止剤溶液(a)(10重量%)12.0重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤溶液(4)を調製した。なお、上記粘着剤層の溶剤不溶分は40重量%であった。
(粘着シートの作製)
上記粘着剤溶液(1)に代えて、上記粘着剤溶液(4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
上記の実施例、比較例で得られた粘着シートについて、下記の要領で、剥離帯電圧、汚染性、耐腐食性および粘着力を評価した。
<剥離帯電圧の測定>
粘着シートを幅70mm、長さ130mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、あらかじめ除電しておいたアクリル板(厚み:1mm、幅:70mm、長さ:100mm)に貼り合わせた偏光板(日東電工社製、SEG1425DU、幅:70mm、長さ:100mm)表面に片方の端部が30mmはみ出すようにハンドローラーにて圧着した。
23℃×50%RHの環境下に一日放置した後、図1に示すように所定の位置にサンプルをセットする。30mmはみ出した片方の端部を自動巻取り機に固定し、剥離角度150°、剥離速度10m/minとなるように剥離する。このときに発生する偏光板表面の電位を所定の位置に固定してある電位測定機(春日電機社製、KSD−0103)にて測定した。測定は、23℃×50%RHの環境下で行った。
<汚染性の評価>
上記剥離帯電圧の測定後、剥離した粘着シートを測定後の偏光板との間に気泡が混入するように再度手で貼り合せ、評価サンプルを作製した。
上記評価サンプルを23℃×50%RHの環境下に14日間放置した後、粘着シートを被着体から手で剥離し、その際の被着体表面の汚染状態を目視にて観察した。評価基準は以下のとおりである。
・汚染が認められなかった場合:○
・汚染が認められた場合:×
<耐腐食性の評価>
粘着シートを幅30mm、長さ80mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、アルミニウム箔(日本製箔社製、ニッパクホイル、幅:50mm、長さ:100mm)にハンドローラーにて圧着し、評価サンプルを作製した。
上記評価サンプルを40℃×92%RHの環境下に14日間放置した後、粘着シートをアルミニウム箔から手で剥離し、その際のアルミニウム箔表面の汚染状態を目視にて観察した。評価基準は以下のとおりである。
・変色が認められなかった場合:○
・変色が認められた場合:×
<粘着力測定>
粘着シートを幅25mm、長さ80mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、偏光板(日東電工社製、SEG1425DU、幅:70mm、長さ:100mm)に0.25MPaの圧力でラミネートし、評価サンプルを作製した。
ラミネート後、23℃×50%RHの環境下に30分間放置した後、万能引張試験機にて剥離速度10m/min、剥離角度180°で剥離したときの粘着力を測定した。測定は23℃×50%RHの環境下で行った。
以上の結果を表1に示す。
上記表1の結果により、本発明にしたがって作製された粘着剤組成物を用いた場合(実施例1〜2)、全実施例において偏光板への剥離帯電圧が抑制され、かつ、偏光板への汚染の発生もないことが明らかとなった。さらに、アルミ箔への変色が認められず、耐腐食性に優れていることが明らかである。
これに対して、帯電防止剤として過塩素酸リチウムを用いた場合(比較例1〜2)では、いずれにおいても、剥離帯電圧は抑制され、汚染の発生も認められないものの、アルミに対して変色が発生し耐腐食性に劣る結果となった。このように、比較例ではいずれも、偏光板への剥離帯電圧の抑制と汚染の発生および金属に対する耐腐食性を両立させることができない結果となり、帯電防止性粘着シート用の粘着剤組成物には適さないことが明らかとなった。