JP2018131629A - 粘着剤および粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な濡れ性を有し、良好な湾曲性を有し、良好な再剥離性を有し、再剥離後の被着体汚染が少ない粘着層を形成することが可能な粘着剤を提供する。
【解決手段】3官能以上のポリオール(x2)を含むポリオール(x)とポリイソシアネート(y)との反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、多官能イソシアネート化合物(B)とを含む粘着剤であって、3官能以上のポリオール(x2)が、1分子中に1つ以上のエチレンオキシ基を有し、数平均分子量が3,000超である3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)を含み、ポリイソシアネート(y)が2官能イソシアネート化合物(y1)を含む、粘着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤および粘着シートに関する。
従来より、各種部材の表面保護シートとして、基材シート上に粘着層が形成された粘着シートが広く用いられている。粘着剤としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、およびウレタン系粘着剤等がある。アクリル系粘着剤は粘着力に優れるが、粘着力が強いために被着体に貼着した後の再剥離性が良くない。特に、高温高湿環境下での経時後には、粘着力の上昇により再剥離性が一層低下して、再剥離後に被着体の表面に粘着剤成分が残る被着体汚染を生じやすい傾向がある。シリコーン系粘着剤は、被着体汚染を生じやすく、さらに分子量の比較的低いシリコーン系樹脂が揮発して電子デバイス等の機器の表面に吸着して不具合を起こす恐れもある。これに対して、ウレタン系粘着剤は、被着体に対して良好な密着性を有しつつ、再剥離性にも比較的優れ、ウレタン系樹脂が揮発し難い。
本明細書において、「粘着剤」は再剥離性を有する粘着剤(再剥離型粘着剤)であり、「粘着シート」は再剥離性を有する粘着シート(再剥離粘着シート)である。
液晶ディスプレイ(LCD)および有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OELD)等のフラットパネルディスプレイ、並びに、かかるフラットパネルディスプレイとタッチパネルとを組み合わせたタッチパネルディスプレイは、テレビ(TV)、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、および携帯情報端末等の電子機器に広く使用されている。
ウレタン系粘着シートは、フラットパネルディスプレイおよびタッチパネルディスプレイ、並びに、これらの製造工程で製造または使用される基板(ガラス基板、およびガラス基板上にITO(インジウム酸化錫)膜が形成されたITO/ガラス基板等)および光学部材等の表面保護シートとして好適に用いられる。
粘着層は、ガラス等の被着体に対して良好な濡れ性を有し、粘着シートを被着体に貼着する際に貼着界面に気泡を巻き込まないことが好ましい。ウレタン系粘着剤においては、濡れ性を向上するために、可塑剤を添加する場合がある。しかしながら、可塑剤の添加量が多い場合には、再剥離後に被着体の表面に粘着剤成分が残る被着体汚染が生じる恐れがある。そのため、可塑剤の添加量は少ない方が好ましく、可塑剤の添加量がないことがより好ましい。ウレタン系粘着剤は、可塑剤の添加量が少ない/好ましくは可塑剤の添加量がない配合組成でも、良好な濡れ性を有することが好ましい。
粘着シートは、湾曲した部分を有するディスプレイに貼着される場合がある。また、OELD等のディスプレイでは、基板としてプラスチックフィルムを用いることでフレキシブル化が可能であり、粘着シートがフレキシブルな被着体に貼着された状態で湾曲される場合がある。このような用途に使用される粘着シートでは、粘着層が被着体から剥離し難い、良好な湾曲性を有することが好ましい。
粘着シートは、被着体から取り外す際には、被着体から容易に再剥離できる、良好な再剥離性を有することが好ましい。
ウレタン系粘着剤の製造方法としては、ポリオールおよびポリイソシアネートの反応生成物であるポリウレタンポリオールと多官能イソシアネート化合物とを用いる方法と、ポリウレタンポリオールを用いずにポリオールと多官能イソシアネート化合物とを一度で反応させる方法(ワンショット法)とがある。
一般的に、ワンショット法で得られるウレタン系粘着剤を用いた粘着層は硬く、良好な湾曲性を有することができない。また、硬化収縮により粘着層の表面平滑性も悪化しやすい傾向がある。
粘着力と凝集力を好適化しやすいことから、ポリウレタンポリオールを用いる方法が好ましい。ポリウレタンポリオールの原料ポリオールとしては、2官能ポリオールと3官能以上のポリオールとを併用することができる。一般的に、2官能ポリオールは2次元架橋性を有し、粘着層に適度な柔軟性を付与することができ、3官能以上のポリオールは3次元架橋性を有し、粘着層に適度な硬さを付与することができる。これらを併用することで、好適な凝集力と粘着力を有する粘着層を得ることが可能となる。
特許文献1には、一分子当たりの平均官能基数が2.2〜3.4のポリエーテルポリオール(a)とポリイソシアネート化合物(b)と触媒(c)とを含有するウレタンプレポリマー(A)と、多官能イソシアネート化合物(B)とを含むウレタン系粘着剤が開示されている(請求項1)。
特許文献1において、好ましくは、ポリエーテルポリオール(a)はポリエーテルジオールとポリエーテルトリオールとの混合物である(請求項3)。
特許文献2には、ポリウレタン樹脂(A)、多官能イソシアネート化合物(B)、ならびにポリアルキレングリコール系化合物、エポキシ系化合物およびリン酸エステル系化合物から選ばれる少なくとも1種(C)を含有するウレタン系粘着剤が開示されている(請求項1)。
特許文献2には、ポリウレタンポリオールの原料ポリオールとして、2官能ポリオールと3官能以上のポリオールとを併用したポリウレタンポリオールの合成例が開示されている(合成例1〜5)。
なお、特許文献1、2における各種成分の符号は、文献に記載の符号をそのまま記載したものであり、本発明の粘着剤で用いられる各種成分の符号とは、無関係である。
特開2006−182795号公報 特開2015−7226号公報
特許文献1において、好ましくは、ポリエーテルジオールは2官能ポリプロピレングリコール(a1)であり、ポリエーテルトリオールは3官能ポリプロピレングリコール(a2)である(請求項4、合成例1〜7)。特許文献1の合成例1〜7において、ポリエーテルジオール(a1)の数平均分子量は1,000のみであり、ポリエーテルトリオール(a2)の数平均分子量は350〜3,000である。上記合成例1〜7のポリウレタンポリオールを用いた特許文献1の実施例1〜12では、濡れ剤は使用されていない。
本発明者の知見によれば、特許文献1の実施例1〜12のウレタン系粘着剤は濡れ性が不充分であり、粘着シートを被着体に貼着する際に貼着界面に気泡を巻き込みやすい(後記[実施例]の項の比較例2を参照されたい。)。
特許文献2において、合成例1〜3、5では、3官能以上のポリオールとして、アデカポリエーテルAM−302(末端エチレンオキサイドキャップの3官能ポリプロピレングリコール、分子量3,000、アデカ製)が用いられている。
本発明者の知見によれば、上記合成例1〜3、5のポリウレタンポリオールを用いた特許文献2の実施例1〜15、17、18のウレタン系粘着剤では、良好な湾曲性を有する粘着層を形成することは難しい(後記[実施例]の項の比較例1を参照されたい。)。また、特許文献2のこれらの実施例では、濡れ性を向上するために、可塑剤((C)成分)が用いられており、再剥離後に被着体の表面に粘着剤が残る被着体汚染の課題もある(後記[実施例]の項の比較例1を参照されたい。)。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、良好な濡れ性を有し、良好な湾曲性を有し、良好な再剥離性を有し、再剥離後の被着体汚染が少ない粘着層を形成することが可能な粘着剤を提供することを目的とする。
本発明の粘着剤は、
3官能以上のポリオール(x2)を含むポリオール(x)とポリイソシアネート(y)との反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、
多官能イソシアネート化合物(B)とを含む粘着剤であって、
3官能以上のポリオール(x2)が、1分子中に1つ以上のエチレンオキシ(EO)基を有し、数平均分子量(Mn)が3,000超である3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)を含み、
ポリイソシアネート(y)が2官能イソシアネート化合物(y1)を含むものである。
本発明の粘着剤は上記成分(A)、(B)を含む複数種の材料を配合した組成物であるが、粘着剤中において、成分(A)、(B)を含む複数種の配合成分がすべて独立した成分として明確に存在していない場合もある。すなわち、本発明の粘着剤には、成分(A)、(B)を含む複数種の配合成分が部分的に反応して得られる反応生成物が含まれている場合もある。
本発明の粘着シートは、基材シートと、上記の本発明の粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含む。
一般的に、シート状物は、厚みおよび幅に応じて、「テープ」、「フィルム」、または「シート」と称される。本明細書では、これらを特に区別せず、これらを包括する概念を表す用語として「シート」の用語を使用するものとする。
本明細書において、特に明記しない限り、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算値であり、後記[実施例]の項に記載の方法にて測定することができる。
本発明によれば、良好な濡れ性を有し、良好な湾曲性を有し、良好な再剥離性を有し、再剥離後の被着体汚染が少ない粘着層を形成することが可能な粘着剤を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の粘着シートの模式断面図である。 本発明に係る第2実施形態の粘着シートの模式断面図である。
本発明の粘着剤は、
3官能以上のポリオール(x2)を含むポリオール(x)とポリイソシアネート(y)との反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、
多官能イソシアネート化合物(B)とを含み、
3官能以上のポリオール(x2)が、1分子中に1つ以上のエチレンオキシ(EO)基を有し、数平均分子量(Mn)が3,000超である3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)を含み、
ポリイソシアネート(y)が2官能イソシアネート化合物(y1)を含むウレタン系粘着剤である。
なお、本発明の粘着剤は、可塑剤(P)の添加量が少ない/好ましくは可塑剤(P)の添加量がない配合組成でも上記課題を解決することができるが、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、必要に応じて可塑剤(P)を配合することは差し支えない。
本発明の粘着シートは、基材シートと、上記の本発明の粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含むウレタン系粘着シートである。
本発明の粘着シートは、テープ、ラベル、シール、および両面テープ等の形態で、使用することができる。本発明の粘着シートは、表面保護シート、化粧用シート、および滑り止めシート等として好適に使用される。
液晶ディスプレイ(LCD)および有機エレクトロルミネセンスディスプレイ(OELD)等のフラットパネルディスプレイ、並びに、かかるフラットパネルディスプレイとタッチパネルとを組み合わせたタッチパネルディスプレイは、テレビ(TV)、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、および携帯情報端末等の電子機器に広く使用されている。
本発明の粘着シートは、フラットパネルディスプレイおよびタッチパネルディスプレイ(これらを総称して単に「ディスプレイ」ともいう)、並びに、これらの製造工程で製造または使用される基板(ガラス基板、およびガラス基板上にITO(インジウム酸化錫)膜が形成されたITO/ガラス基板等)および光学部材等の表面保護シートとして好適に用いられる。
「粘着剤」
(ポリウレタンポリオール(A))
ポリウレタンポリオール(A)は、1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)とを共重合反応させて得られる反応生成物である。ポリウレタンポリオール(A)は、1種以上用いることができる。共重合反応は必要に応じて、触媒存在下で行うことができる。共重合反応には必要に応じて、溶媒を用いることができる。
<ポリオール(x)>
ポリオール(x)は、少なくとも、1種以上の3官能以上のポリオール(x2)を含む。好ましくは、ポリオール(x)は、1種以上の2官能ポリオール(x1)と1種以上の3官能以上のポリオール(x2)とを含む。
ポリオール(x)の種類は特に制限されず、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびひまし油系ポリオール等が挙げられる。中でも、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびこれらの組合せが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては公知のものを用いることができ、1種以上のポリオール成分と1種以上の酸成分とのエステル化反応によって得られる化合物(エステル化物)が挙げられる。
原料のポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール(PG)、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびヘキサントリオール等が挙げられる。
原料の酸成分としては、例えば、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、ダイマー酸、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェエルジカルボン酸、およびこれらの酸無水物等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては公知のものを用いることができ、1分子中に2つ以上の活性水素を有する活性水素含有化合物を開始剤として用い、1種以上のオキシラン化合物を付加重合させて得られる化合物(付加重合物)が挙げられる。
開始剤としては、水酸基含有化合物およびアミン等が挙げられる。具体的には、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール(PG)、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、N−アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、およびキシリレンジアミン等の2官能開始剤;グリセリン、トリメチロールプロパン、およびトリエタノールアミン等の3官能開始剤;ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、および芳香族ジアミン等の4官能開始剤;ジエチレントリアミン等の5官能開始剤等が挙げられる。
オキシラン化合物としては、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、およびブチレンオキシド(BO)等のアルキレンオキシド(AO);テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、活性水素含有化合物のアルキレンオキシド付加物(ポリオキシアルキレンポリオールとも言う)が好ましい。中でも、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、およびポリテトラメチレングリコール等の2官能ポリエーテルポリオール;グリセリンのアルキレンオキシド付加物等の3官能ポリエーテルポリオール等が好ましい。
ポリオール(x)の数平均分子量(Mn)は特に制限されず、好ましくは200〜25,000である。Mnが200以上であることで、ポリウレタンポリオール(A)のゲル化が効果的に抑制される。Mnが25,000以下であることで、ポリウレタンポリオール(A)の凝集力が好適となる。
ポリオール(x)としてポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールを用いる場合、好ましい数平均分子量(Mn)は以下の通りである。
ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は、好ましくは500〜5,000、より好ましくは600〜4,000、特に好ましくは800〜3,000である。Mnが500以上であることで、ポリウレタンポリオール(A)のゲル化が効果的に抑制される。Mnが5,000以下であることで、ポリウレタンポリオール(A)の凝集力が好適となる。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)は、好ましくは500〜5,000、より好ましくは600〜4,000、特に好ましくは800〜3,000である。Mnが500以上であることで、ポリウレタンポリオール(A)のゲル化が効果的に抑制される。Mnが5,000以下であることで、ポリウレタンポリオール(A)の凝集力が好適となる。
上記したように、本発明では、ポリオール(x)として、少なくとも、1種以上の3官能以上のポリオール(x2)を用いる。
好ましくは、1種以上の2官能ポリオール(x1)と1種以上の3官能以上のポリオール(x2)とを併用する。一般的に、2官能ポリオール(x1)は2次元架橋性を有し、粘着層に適度な柔軟性を付与することができ、3官能以上のポリオール(x2)は3次元架橋性を有し、粘着層に適度な硬さを付与することができる。これらを併用することで、好適な凝集力と粘着力を有する粘着層を得ることが可能となる。
本発明において、3官能以上のポリオール(x2)は、1分子中に1つ以上のエチレンオキシ(EO)基を有し、数平均分子量(Mn)が3,000超である3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)を含む。
「背景技術」の項で挙げた特許文献1、2のように、従来、ポリウレタンポリオールの原料ポリオールとして2官能ポリオールとEO基含有またはEO基非含有の3官能ポリオールとを併用したウレタン系粘着剤は公知であるが、原料ポリオールとして用いられる3官能ポリオールの数平均分子量(Mn)は3,000以下である(特許文献1の合成例1〜7および実施例1〜12、特許文献2の合成例1〜3、5および実施例1〜15、17、18を参照されたい。)。
本発明では、特許文献1、2に記載の3官能ポリオールよりも数平均分子量(Mn)の大きい3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)を用いる。ポリウレタンポリオール(A)の原料ポリオールとして、EO基を有し、数平均分子量(Mn)が3,000超である3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)を用いることで、可塑剤(P)の添加量が少ない/好ましくは可塑剤(P)の添加量がない配合組成でも、良好な濡れ性を有する粘着層を形成することが可能な粘着剤を提供することができる。例えば、ガラス基板およびITO/ガラス基板等の被着体に貼着する際に貼着界面に気泡を巻き込みにくい粘着層を形成することができる。
粘着シートは、湾曲した部分を有するディスプレイに貼着される場合がある。また、OELD等のディスプレイでは、基板としてプラスチックフィルムを用いることでフレキシブル化が可能であり、粘着シートがフレキシブルな被着体に貼着された状態で湾曲される場合がある。このような用途に使用される粘着シートでは、粘着層が被着体から剥離し難い、良好な湾曲性を有することが好ましい。
ポリウレタンポリオール(A)の原料ポリオールとして、EO基を有し、数平均分子量(Mn)が3,000超である3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)を用いることで、湾曲性に優れた粘着層を形成することが可能な粘着剤を提供することができる。3官能以上のポリオールの分子量を従来よりも高くすることで、3官能以上のポリオールの架橋点の数を低減できる結果、粘着層にエラストマー性/ゴム弾性に近いような性質が発現し、粘着層の湾曲性が向上すると考えられる。
また、ポリウレタンポリオール(A)の原料ポリオールとして、EO基を有し、数平均分子量(Mn)が3,000超である3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)を用いることで、粘着層の再剥離性を高めることができ、再剥離しやすい粘着層を形成することができる。3官能以上のポリオールを使用(比較的多く使用)することで、粘着層のポリマーネッワークを適度に3次元化できるため、粘着層の再剥離性が向上すると考えられる。
濡れ性、湾曲性、および再剥離性の向上効果が高まることから、3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは4,000以上、より好ましくは5,000以上、特に好ましくは6,000以上である。
3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)の数平均分子量(Mn)の上限は特に制限されない。ポリウレタンポリオール(A)の凝集力が好適となることから、3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは25,000以下、より好ましくは20,000以下、特に好ましくは15,000以下、最も好ましくは10,000以下である。
本発明において、3官能以上のポリオール(x2)は、EO基を有し、数平均分子量(Mn)が3,000超である3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)に合せて、数平均分子量(Mn)が3,000以下である3官能以上のポリオール(x2)を含むことができる。
3官能以上のポリオール(x2)として、比較的分子量の大きいポリエーテルポリオール(x2)のみを用いる場合、粘着層の粘着力が高めになる傾向がある。比較的分子量の小さいポリオール(x2)を併用することで、比較的分子量の大きいポリエーテルポリオール(x2)を用いたことによって増加する粘着層の粘着力を下げて好適な範囲内に調整することができる。なお、3官能以上のポリオール(x2)は、EO基を有するものであってもよいし、有さないものであってもよい。
EO基を有する3官能以上のポリエーテルポリオールは、上記の3官能以上の開始剤にエチレンオキシド(EO)を含む1種以上のオキシラン化合物を付加重合させて得られる化合物(付加重合物)である。中でも、上記の3官能以上の開始剤にエチレンオキシド(EO)を含む1種以上のアルキレンオキシド(AO)を付加重合させて得られる化合物(付加重合物)が好ましい。
EO基を有する3官能以上のポリエーテルポリオールは、少なくとも末端にEO基を有することが好ましい。少なくとも末端にEO基を有する3官能以上のポリエーテルポリオールとしては、グリセリンに1つ以上のエチレンオキシド(EO)を付加重合させて得られるグリセリンEO付加物、グリセリンに1つ以上のプロピレンオキシド(PO)と1つ以上のエチレンオキシド(EO)とをこの順で付加重合させて得られるグリセリンPO・EO付加物(「グリセリンポリプロピレングリコール末端エチレングリコール変性」ともいう。)等が挙げられる。
2官能ポリオール(x1)は、2官能ポリエーテルポリオールおよび2官能ポリエステルポリオールからなる群より選ばれた1種以上のポリオールであることが好ましい。
基材密着性および被着体汚染抑制等の観点から、2官能ポリオール(x1)は、2官能ポリエーテルポリオールを含むことが好ましい。
2官能ポリエーテルポリオールとしては、被着体汚染をより効果的に抑制できる面で、EO基を有する2官能ポリエーテルポリオールが好ましい。
EO基を有する2官能ポリエーテルポリオールは、上記の2官能開始剤にエチレンオキシド(EO)を含む1種以上のオキシラン化合物を付加重合させて得られる化合物(付加重合物)である。中でも、上記の2官能開始剤にエチレンオキシド(EO)を含む1種以上のアルキレンオキシド(AO)を付加重合させて得られるポリアルキレングリコールが好ましい。ポリアルキレングリコール中のEO基の含有量は、多い程好ましい。EO基の含有量が多いことから、EO基を有する2官能ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール(PEG)が特に好ましい。すなわち、1種以上のEO基を有する2官能ポリエーテルポリオールは、PEGを含むことが好ましい。なお、EO基を有する3官能以上のポリエーテルポリオール中のEO基量の上限は特に制限されず、好ましくはポリオールの分子量中50質量%である。
2官能ポリオール(x1)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは200〜6,000、より好ましくは200〜4,000、特に好ましくは200〜2,000である。
凝集力と粘着力のバランスの観点から、
ポリオール(x)の合計量を100質量部としたとき、
2官能ポリオール(x1)の量が0〜90質量部であり、3官能以上のポリオール(x2)の量が100〜10質量部であることが好ましく、
2官能ポリオール(x1)の量が5〜70質量部であり、3官能以上のポリオール(x2)の量が95〜30質量部であることがより好ましく、
2官能ポリオール(x1)の量が10〜50質量部であり、3官能以上のポリオール(x2)の量が90〜50質量部であることが特に好ましい。
凝集力、粘着力、濡れ性、湾曲性、および再剥離性のバランスの観点から、
ポリオール(x)の合計量を100質量部としたとき、
2官能ポリオール(x1)の量が0〜90質量部であり、3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)の量が100〜5質量部であり、3官能以上のポリオール(x2)の量が0〜50質量部であることが好ましく、
ポリオール(x)の合計量を100質量部としたとき、
2官能ポリオール(x1)の量が2〜70質量部であり、3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)の量が98〜25質量部であり、3官能以上のポリオール(x2)の量が0〜40質量部であることがより好ましく、
ポリオール(x)の合計量を100質量部としたとき、
2官能ポリオール(x1)の量が5〜50質量部であり、3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)の量が95〜50質量部であり、3官能以上のポリオール(x2)の量が0〜30質量部であることが特に好ましい。
また、3官能以上のポリオール(x2)の量を2官能ポリオール(x1)の量より過剰とすることが好ましい。これにより粘着層のエラストマー的な性質がより高まる。
<ポリイソシアネート(y)>
ポリイソシアネート化合物(y)としては公知のものを使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、および脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、および4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、および1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、および1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
その他、ポリイソシアネートとしては、イソシアネートプレポリマーを用いてもよい。イソシアネートプレポリマーとは、ジイソシアネートを原料とし、単量体の含有量が1%以下となるようにプレポリマー化したものである。イソシアネートプレポリマーとしては、アダクト体、ビウレット体、およびイソシアヌレート体が挙げられる。
アダクト体とは、ジイソシアネートとトリメチロールプロパン(CH3−CH2−C(CH2−OH) 3)との付加体である。ビウレット体は、ジイソシアネートと、水または3級アルコールとの反応物である。イソシアヌレート体は、ジイソシアネートの3量体(この3量体はイソシアヌレート環を含む。)である。
ポリイソシアネート(y)としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、および、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)等が好ましい。
ウレタンプレポリマー(A)の重合において、ポリオール(x)とポリイソシアネート(y)との配合比率は好ましくは、水酸基のモル数がイソシアネート基のモル数を超えるように設定する。ポリオール(x)中の水酸基のモル数とポリイソシアネート(y)中のイソシアネート基のモル数との比(NCO/OH比)は好ましくは0.3〜0.95、より好ましくは0.4〜0.85である。水酸基とイソシアネート基とを適切な比率で反応させると凝集力および粘着力を高度に両立できる。
本発明において、ポリイソシアネート(y)は1種以上の2官能イソシアネート化合物(y1)を含む。
ポリイソシアネート(y)は、2官能イソシアネート化合物(y1)のみを用いることが好ましい。ポリイソシアネート(y)は、ポリイソシアネート(y)は必要に応じて、1種以上の3官能以上のイソシアネート化合物を含むことができる。
ポリウレタンポリオールの原料ポリオールとして架橋性の高い3官能以上のポリオールのみと3官能以上のポリイソシアネートのみとを用いる場合、ポリウレタンポリオールの分子構造が剛直となり、粘着層の凝集力が好適な範囲より高くなる恐れがある。
ポリウレタンポリオールの原料ポリオールとして3官能以上のポリオールを用いる本発明の粘着剤では、ポリイソシアネート(y)として2官能イソシアネート化合物(y1)を含む1種以上のポリイソシアネート、好ましくは2官能イソシアネート化合物(y1)のみを用いることで、過度な架橋を抑えて、好適な凝集力と粘着力を有する粘着層が得ることが可能となる。
<触媒>
触媒としては公知のものを使用でき、3級アミン系化合物および有機金属系化合物等が挙げられる。
3級アミン系化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、および1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)等が挙げられる。
有機金属系化合物としては、錫系化合物および非錫系化合物等が挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキシド、ジオクチル錫ジラウレート、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、および2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、およびブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系;オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、およびナフテン酸鉛等の鉛系;2−エチルヘキサン酸鉄および鉄アセチルアセトネート等の鉄系;安息香酸コバルトおよび2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系;ナフテン酸亜鉛および2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系;ナフテン酸ジルコニウム等のジルコニウム系が挙げられる。
触媒は、1種以上用いることができる。必要に応じて併用する複数種のポリオール(x)のそれぞれの反応性が異なる場合、これら反応性の相違により、単一触媒の系ではゲル化または反応溶液の白濁が生じやすくなる恐れがある。この場合、2種類の触媒を用いることにより、反応(例えば反応速度等)を制御しやすく、上記問題を解決することができる。2種類の触媒の組合せは特に制限されず、3級アミン/有機金属系、錫系/非錫系、および錫系/錫系等が挙げられる。好ましくは錫系/錫系、より好ましくはジブチル錫ジラウレートと2−エチルヘキサン酸錫である。
2−エチルヘキサン酸錫とジブチル錫ジラウレートとの質量比(2−エチルヘキサン酸錫/ジブチル錫ジラウレート)は特に制限されず、好ましくは0超1未満、より好ましくは0.2〜0.6である。当該質量比が1未満であれば、触媒活性のバランスが良く、反応溶液のゲル化および白濁を効果的に抑制し、重合安定性がより向上する。
1種以上の触媒の使用量は特に制限されず、ポリオール(x)とポリイソシアネート(y)との合計量に対して、好ましくは0.01〜1質量%である。
<溶剤>
ポリウレタンポリオール(A)の重合には必要に応じて、溶剤を用いることができる。溶剤としては公知のものを使用でき、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、およびアセトン等が挙げられる。ポリウレタンポリオール(A)の溶解性および溶剤の沸点等の点から、酢酸エチルおよびトルエン等が特に好ましい。
<重合方法>
ポリウレタンポリオール(A)の重合方法としては特に制限されず、塊状重合法および溶液重合法等の公知重合方法を適用することができる。
重合手順は特に制限されず、
手順1)ポリオール(x)、ポリイソシアネート(y)、必要に応じて触媒、および必要に応じて溶剤を一括してフラスコに仕込む手順;
手順2)ポリオール(x)、必要に応じて触媒、および必要に応じて溶剤をフラスコに仕込み、これにポリイソシアネート(y)を滴下添加する手順が挙げられる。
反応を制御しやすいことから、手順2)が好ましい。
触媒を使用する場合の反応温度は、好ましくは100℃未満、より好ましくは85〜95℃である。反応温度が100℃未満であれば、反応速度および架橋構造等の制御がしやすく、所望の分子量を有するポリウレタンポリオール(A)を生成しやすい。
触媒を使用しない場合、反応温度は好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上であり、反応時間は好ましくは3時間以上である。
ポリウレタンポリオール(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1万〜50万、より好ましくは3万〜40万、特に好ましくは5万〜35万である。ポリウレタンポリオール(A)のMwが適切な範囲にあることで良好な塗工性が得られやすい。
(多官能イソシアネート化合物(B))
多官能イソシアネート化合物(B)としては公知のものを使用でき、ポリウレタンポリオール(A)の原料であるポリイソシアネート(y)で例示した化合物(具体的には、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、および、これらのトリメチロールプロパンアダクト体/ビウレット体/3量体)を用いることができる。
ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対する多官能イソシアネート(B)の量は、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは1〜20質量部、特に好ましくは5〜15質量部である。多官能イソシアネート(B)の量は、1質量部以上であれば粘着層の凝集力が良好となり、50質量部以下であれば粘着層の粘着力が良好となる。
(可塑剤(P))
上記したように、本発明では、可塑剤(P)の添加量が少ない/好ましくは可塑剤(P)の添加量がない配合組成でも良好な濡れ性を有する粘着剤を提供することができる。したがって、本発明の粘着剤では、濡れ性を向上するために可塑剤(P)は必須成分ではないが、本発明の粘着剤は必要に応じて1種以上の可塑剤(P)を含むことができる。ただし、可塑剤(P)を添加する場合も、その量は低レベルに抑えることが可能である。ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対する可塑剤(P)の量は、例えば50質量部以下(0〜50質量部)でよく、好ましくは40質量部以下(0〜40質量部)、より好ましくは30質量部以下(0〜30質量部)、さらに好ましくは20質量部以下(0〜20質量部)、特に好ましくは10質量部以下(0〜10質量部)、最も好ましくは5質量部以下(0〜5質量部)である。
可塑剤(P)としては特に制限されず、他の成分との相溶性等の観点から、分子量250〜1,000の有機酸エステルが好ましい。
一塩基酸または多塩基酸とアルコールとのエステルとしては、例えば、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸オクチルドデシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソステアリル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジイソセチル、アセチルクエン酸トリブチル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシル、トリメリット酸トリオレイル、およびトリメリット酸トリイソセチル等が挙げられる。
その他の酸とアルコールとのエステルとしては、例えば、ミリストレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソパルミチン酸、およびイソステアリン酸等の不飽和脂肪酸または分岐酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびソルビタン等のアルコールとのエステルが挙げられる。
一塩基酸または多塩基酸とポリアルキレングリコールとのエステルとしては、例えば、ジヘキシル酸ポリエチレングリコール、ジ−2−エチルヘキシル酸ポリエチレングリコール、ジラウリル酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、およびアジピン酸ジポリエチレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。
濡れ性向上等の観点から、有機酸エステルの分子量(式量またはMn)は、好ましくは250〜1,000、より好ましくは400〜900、特に好ましくは500〜850である。分子量が250以上であれば粘着層の耐熱性が良好となり、分子量が1,000以下であれば粘着剤の濡れ性が良好となる。
(溶剤)
本発明の粘着剤は必要に応じて、溶剤を含むことができる。溶剤としては公知のものを使用でき、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、およびアセトン等が挙げられる。ポリウレタンポリオール(A)の溶解性および溶剤の沸点等の観点から、酢酸エチルおよびトルエン等が特に好ましい。
(変質防止剤(D))
本発明の粘着剤は必要に応じて、1種以上の変質防止剤(D)を含むことができる。これにより、粘着層の長期使用による各種特性の低下を抑制することができる。変質防止剤(D)としては、耐加水分解剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、および光安定剤等が挙げられる。
<耐加水分解剤>
高温高湿環境下等において粘着層に加水分解反応が生じてカルボキシ基が生成した場合、このカルボキシ基を封鎖するために、耐加水分解剤を用いることができる。
耐加水分解剤としては、カルボジイミド系、イソシアネート系、オキサゾリン系、およびエポキシ系等が挙げられる。中でも、加水分解抑制効果の観点から、カルボジイミド系が好ましい。
カルボジイミド系加水分解抑制剤は、1分子中に1つ以上のカルボジイミド基を有する化合物である。
モノカルボジイミド化合物としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、およびナフチルカルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物は、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させて生成することができる。ここで、ジイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、およびテトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。カルボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、およびこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等が挙げられる。
イソシアネート系加水分解抑制剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1, 4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、および3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
オキサゾリン系加水分解抑制剤としては、例えば、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4 −メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’ −エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、および2,2’−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)等が挙げられる。
エポキシ系加水分解剤としては、例えば、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、およびポリアルキレングリコール等の脂肪族ジオールのジグリシジルエーテル;ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、グリセロール、およびトリメチロールプロパン等の脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル;シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ポリオールのポリグリシジルエーテル;テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、およびセバシン酸等の脂肪族または芳香族の多価カルボン酸のジグリシジルエステルまたはポリグリシジルエステル;レゾルシノール、ビス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、および1,1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタン等の多価フェノールのジグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテル;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、およびN,N,N',N'−テトラグリシジル−ビス−(p−アミノフェニル)メタン等のアミンのN−グリシジル誘導体;アミノフェールのトリグリシジル誘導体;トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、およびトリグリシジルイソシアヌレート;オルソクレゾール型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられる。
耐加水分解剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜4.5質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部である。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、ラジカル補足剤および過酸化物分解剤等が挙げられる。ラジカル補足剤としては、フェノール系化合物およびアミン系化合物等が挙げられる。過酸化物分解剤としては、硫黄系化合物およびリン系化合物等が挙げられる。
フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリン−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−,C7−C9側鎖アルキルエステル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、およびトコフェロール等が挙げられる。
リン系化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、および2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
酸化防止剤を用いることで、ポリウレタンポリオール(A)の熱劣化を防ぎ、粘着層からの可塑剤(P)のブリードアウトを効果的に抑制することができる。
酸化防止剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部、特に好ましくは0.2〜2質量部である。
酸化防止剤としては、安定性と酸化防止効果の観点から、ラジカル補足剤であるフェノール系化合物を1種以上用いること好ましく、ラジカル補足剤である1種以上フェノール系化合物と過酸化物分解剤である1種以上リン系化合物とを併用することがより好ましい。また、酸化防止剤として、ラジカル補足剤であるフェノール系化合物と過酸化物分解剤であるリン系化合物とを併用し、これら酸化防止剤と前述の耐加水分解剤とを併用することが特に好ましい。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびトリアジン系化合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜3質量部、より好ましくは0.1〜2.5質量部、特に好ましくは0.2〜2質量部である。
<光安定剤>
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物およびヒンダードピペリジン系化合物等が挙げられる。光安定剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.1〜1.5質量部、特に好ましくは0.2〜1質量部である。
(帯電防止剤(E))
本発明の粘着剤は必要に応じて、1種以上の帯電防止剤(E)を含むことができる。
帯電防止剤としては、無機塩、多価アルコール化合物、イオン性液体、および界面活性剤等が挙げられ、中でもイオン性液体が好ましい。なお、「イオン性液体」は常温溶融塩ともいい、25℃で流動性がある塩である。
無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、過塩素酸リチウム、塩化アンモニウム、塩素酸カリウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびチオシアン酸ナトリウム等が挙げられる。
多価アルコール化合物としては、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等が挙げられる。
イミダゾリウムイオンを含むイオン液体としては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、および1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等が挙げられる。
ピリジニウムイオンを含むイオン液体としては、例えば、1−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロリン酸塩、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチルピリジニウムビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド、および1−メチルピリジニウムビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミド等が挙げられる。
アンモニウムイオンを含むイオン液体としては、例えば、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、およびトリ−n−ブチルメチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド等が挙げられる。
その他、ピロリジニウム塩、ホスホニウム塩、およびスルホニウム塩等の市販のイオン液体を適宜使用できる。
界面活性剤は、低分子界面活性剤と高分子界面活性剤とに分類される。いずれのタイプにおいても、非イオン性、アニオン性、カチオン性、および両性のタイプがある。
非イオン性の低分子界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル、および脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
アニオン性の低分子界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、およびアルキルホスフェート等が挙げられる。
カチオン性の低分子界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
両性の低分子界面活性剤としては、アルキルベタインおよびアルキルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
非イオン性の高分子界面活性剤としては、ポリエーテルエステルアミド型、エチレンオキシド−エピクロルヒドリン型、およびポリエーテルエステル型等が挙げられる。
アニオン性の高分子界面活性剤としては、ポリスチレンスルホン酸型等が挙げられる。
カチオン性の高分子界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体型等が挙げられる。
両性の高分子界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、および高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
帯電防止剤(E)の添加量は、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.03〜5質量部である。
(レベリング剤)
本発明の粘着剤は必要に応じて、レベリング剤を含むことができる。レベリング剤を添加することで、粘着層のレベリング性を向上させることができる。レベリング剤としては、アクリル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤、およびシリコーン系レベリング剤等が挙げられる、粘着シート再剥離後の被着体汚染抑制の観点から、アクリル系レベリング剤等が好ましい。
レベリング剤の重量平均分子量(Mw)は特に制限されず、好ましくは500〜20,000、より好ましくは1,000〜15,000、特に好ましくは2,000〜10,000である。Mwが500以上であれば、塗工層の加熱乾燥時において塗工層からの気化量が充分に少なく周囲の汚染が抑制される。Mwが20,000以下であれば、粘着層のレベリング性の向上効果が効果的に発現する。
レベリング剤の添加量は特に制限されず、粘着シート再剥離後の被着体汚染抑制と粘着層のレベリング性向上の観点から、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.001〜2質量部、より好ましくは0.01〜1.5質量部、特に好ましくは0.1〜1質量部である。
(他の任意成分)
本発明の粘着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の任意成分を含むことができる。他の任意成分としては、触媒、ウレタン系樹脂以外の他の樹脂、充填剤(タルク、炭酸カルシウム、および酸化チタン等)、金属粉、着色剤(顔料等)、箔状物、軟化剤、導電剤、シランカップリング剤、潤滑剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、重合禁止剤、および消泡剤等が挙げられる。
「粘着シート」
本発明の粘着シートは、基材シートと、上記の本発明の粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含む。粘着層は、基材シートの片面または両面に形成することができる。必要に応じて、粘着層の露出面は、剥離シートで被覆することができる。なお、剥離シートは、粘着シートを被着体に貼着する際に剥離される。
図1に、本発明に係る第1実施形態の粘着シートの模式断面図を示す。図1中、符号10は粘着シート、符号11は基材シート、符号12は粘着層、符号13は剥離シートである。粘着シート10は、基材シートの片面に粘着層が形成された片面粘着シートである。
図2に、本発明に係る第2実施形態の粘着シートの模式断面図を示す。図2中、符号20は粘着シート、符号21は基材シート、符号22A、22Bは粘着層、符号23A、23Bは剥離シートである。粘着シート20は、基材シートの両面に粘着層が形成された両面粘着シートである。
基材シートとしては特に制限されず、樹脂シート、紙、および金属箔等が挙げられる。基材シートは、これら基材シートの少なくとも一方の面に任意の1つ以上の層が積層された積層シートであってもよい。基材シートの粘着層を形成する側の面には、必要に応じて、コロナ放電処理およびアンカーコート剤塗布等の易接着処理が施されていてもよい。
樹脂シートの構成樹脂としては特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等エステル系樹脂;ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ナイロン66等のアミド系樹脂;ウレタン系樹脂(発泡体を含む);これらの組合せ等が挙げられる。
ポリウレタンシートを除く樹脂シートの厚みは特に制限されず、好ましくは15〜300μmである。ポリウレタンシート(発泡体を含む)の厚みは特に制限されず、好ましくは20〜50,000μmである。
紙としては特に制限されず、普通紙、コート紙、およびアート紙等が挙げられる。
金属箔の構成金属としては特に制限されず、アルミニウム、銅、およびこれらの組合せ等が挙げられる。
上記したように、本発明の粘着剤は優れた基材密着性を有するため、本発明の粘着シートでは、用いる基材シートの選択自由度が高く、好ましい。
剥離シートとしては特に制限されず、樹脂シートまたは紙等の表面に剥離剤塗布等の公知の剥離処理が施された公知の剥離シートを用いることができる。
粘着シートは、公知方法にて製造することができる。
はじめに、基材シートの表面に本発明の粘着剤を塗工して、本発明の粘着剤からなる塗工層を形成する。塗布方法は公知方法を適用でき、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、およびグラビアコーター法等が挙げられる。
次に、塗工層を乾燥および硬化して、本発明の粘着剤の硬化物からなる粘着層を形成する。加熱乾燥温度は特に制限されず、60〜150℃程度が好ましい。
粘着層の厚みは粘着シートの用途によって適宜設計でき、例えば5〜300μm程度である。なお、本明細書において、「粘着層の厚み」は特に明記しない限り、乾燥後の厚みである。
次に必要に応じて、公知方法により粘着層の露出面に剥離シートを貼着する。
以上のようにして、片面粘着シートを製造することができる。
上記操作を両面に行うことで、両面粘着シートを製造することができる。
上記方法とは逆に、剥離シートの表面に本発明の粘着剤を塗工して本発明の粘着剤からなる塗工層を形成し、次いで塗工層を乾燥および硬化して本発明の粘着剤の硬化物からなる粘着層を形成し、最後に粘着層の露出面に基材シートを積層してもよい。
以上説明したように、本発明によれば、良好な濡れ性を有し、良好な湾曲性を有し、良好な再剥離性を有し、再剥離後の被着体汚染が少ない粘着層を形成することが可能な粘着剤を提供することができる。
本発明によれば、可塑剤の添加量が少ない/好ましくは可塑剤の添加量がない配合組成でも良好な濡れ性を有し、良好な湾曲性を有し、良好な再剥離性を有し、再剥離後の被着体汚染が少ない粘着層を形成することが可能な粘着剤を提供することができる。
以下、合成例、本発明に係る実施例、および比較例について説明する。なお、以下の記載において、特に明記しない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味するものとする。
[分子量の測定]
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定した。測定条件は以下の通りである。なお、MwおよびMnはいずれも、ポリスチレン換算値である。
装置:SHIMADZU Prominence(株式会社島津製作所製)、
カラム:SHODEX LF−804(昭和電工株式会社製)を3本直列に接続、
検出器:示差屈折率検出器、
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、
流速:0.5mL/分、
溶媒温度:40℃、
試料濃度:0.02%、
試料注入量:200μL。
[材料]
使用した材料は、以下の通りである。
<2官能ポリオール(x1)>
(x1−1):サンニックス PP−400(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn400、水酸基数2、EO非含有、三洋化成工業社製)、
(x1−2):サンニックス PP−1000(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn1000、水酸基数2、EO非含有、三洋化成工業社製)、
(x1−3):クラレポリオール P−1010(ポリエステルポリオール、数平均分子量Mn1000、水酸基数2、EO非含有、クラレ社製)、
(x1−4): クラレポリオール P−4010(ポリエステルポリオール、数平均分子量Mn4000、水酸基数2、EO非含有、クラレ社製)、
(x1−5):PEG−400(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn400、水酸基数2、EO含有、東邦化学工業社製)、
(x1−6): PEG−1000(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn1000、水酸基数2、EO含有、東邦化学工業社製)、
(x1−7):プレミノール 5001F(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn4000、水酸基数2、EO含有、旭硝子社製)。
<3官能以上のポリオール(x2)>
(x2−1):プレミノール 7012(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn10000、水酸基数3、EO含有、旭硝子社製)、
(x2−2):エクセノール 851(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn6700、水酸基数3、EO含有、旭硝子社製)、
(x2−3):エクセノール 828(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn5000、水酸基数3、EO含有、旭硝子社製)、
(x2−4):アデカポリエーテル AM−302(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn3000、水酸基数3、EO含有、ADEKA社製)、
(x2−5):エクセノール 5030(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn5100、水酸基数3、EO非含有、旭硝子社製)、
(x2−6):DKポリオール G480(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn350、水酸基数3、EO非含有、第一工業製薬社製)。
<ポリイソシアネート(y)>
(y−1):デスモジュールH(ヘキサメチレンジイソシアネート、住化コベストロ社製)、
(y−2):タケネート 500(キシリレンジイソシアネート、三井化学社製)、
(y−3):スミジュール HT(ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発分75%、住化コベストロ社製)。
<多官能イソシアネート化合物(B)>
(B−1):スミジュール HT(ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発分75%、住化コベストロ社製)、
(B−2):タケネート D−110N(キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発分75%、三井化学社製)、
(B−3):コロネート HX(ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、不揮発分100%、東ソー社製)。
<変質防止剤(D)>
(D−1):IRGANOX 1010(BASF社製)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤。
<可塑剤(P)>
(P−1):モノサイザーW262(DIC社製)、ポリエーテルエステル化合物、
(P−2):ユニスターM−183(日油社製)、オレイン酸メチル。
<帯電防止剤(E)>
(E−1):イオン性液体、トリ−n−ブチルメチルアンモニウム・ビストリフルオロメタンスルホンイミド。
(合成例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、および滴下漏斗を備えた4口フラスコに、2官能ポリオール(x1−1)2部、3官能ポリオール(x2−1)98部、および2官能ポリイソシアネート(y−1)1.0部(NCO/OHが0.5となる量)を仕込んだ。これに、トルエン100部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03部および2−エチルヘキサン酸錫0.01部を加えて、90℃まで徐々に昇温し、90℃で2時間反応を行った。随時サンプリングを行い、赤外吸収(IR)スペクトルで残存イソシアネート基の消滅を確認した上で、反応溶液を冷却し反応を終了した。以上のようにして、ポリウレタンポリオール(A−1)の溶液(不揮発分:50%)を得た。得られたポリウレタンポリオール(A−1)のMwは、75,000であった。配合組成と得られたポリウレタンポリオール(A−1)のMwを表1−1に示す。表1−1〜表1−4、表2−1〜表2−4中、配合量の単位は[部]である。
なお、2官能ポリイソシアネート(y−1)の部量の算出方法は、下記の通りである。
((y−1)の部量)[部]=
(NCO/OH比)×((y−1)の分子量)/((y−1)のNCO基数)×
[((x1−1)の部量)/((x1−1)の分子量)×((x1−1)の水酸基数)
+((x2−1)の部量)/((x2−1)の分子量)×((x2−1)の水酸基数)]]
=0.5×168/2×(2/400×2+98/10000×3)
≒1.7部
(合成例2〜21、合成例31、32)
合成例2〜21、合成例31、32の各例においては、表1−1〜表1−4に示す配合組成に変更した以外は合成例1と同様にして、ポリウレタンポリオール(A−2)〜(A−21)、(H−1)、(H−2)の溶液を得た。各合成例において、得られたポリウレタンポリオールのMwを表1−1〜表1−4に示す。
(実施例1)
合成例1で得られたポリウレタンポリオール(A−1)の溶液を100部、多官能イソシアネート化合物(B−1)を10部、酸化防止剤(D−1)を1.0部、溶剤として酢酸エチルを100部配合し、ディスパーで攪拌することで、ウレタン系粘着剤を得た。なお、溶剤以外の各材料の使用量は、不揮発分換算値を示す。配合組成を表2−1に示す。
基材シートとして、50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、ルミラーT−60:東レ社製)を用意した。この基材シートの片面に、得られた粘着剤を乾燥後の粘着剤層の厚みが12μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥して、粘着層を形成した。この粘着層上に、厚さ38μmの剥離シート(スーパーステックSP−PET38:リンテック社製)を貼着して、粘着シートを得た。23℃−50%RHで1週間養生した後、各種評価に供した。
(実施例2〜23、比較例1〜2)
実施例2〜23、比較例1〜2の各例においては、配合組成を表2−1〜表2−4に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法にて、粘着剤および粘着シートを得た。
(比較例3)
3官能ポリオール(x2−2)を100部、多官能イソシアネート化合物(B−3)を12.6部、触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.04部、溶剤として酢酸エチルを210部配合し、ディスパーで攪拌することで、ウレタン系粘着剤を得た。なお、溶剤以外の各材料の使用量は、不揮発分換算値を示す。配合組成を表2−3に示す。
得られたウレタン系粘着剤を用い、粘着層の乾燥条件を130℃で2分間とした以外は実施例1と同様の方法にて、粘着シートを得た。
[評価項目および評価方法]
評価項目および評価方法は、以下の通りである。
(再剥離性)
得られた粘着シートを幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し、測定試料とした。次いで、23℃−50%RHの雰囲気下で、測定試料から剥離シートを剥離し、露出した粘着層を苛性ソーダガラス板に貼着し、2kgロールを用いて圧着した。その後、60℃−90%RH条件下で24時間放置した。23℃−50%RHの雰囲気にて30分空冷した後、JISZ0237に準拠し、引張試験機(テンシロン:オリエンテック社製)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で粘着力を測定した。なお、粘着力が低い方が再剥離しやすい。評価基準は以下の通りである。
◎:10mN/25mm未満、優良。
○:10mN/25mm以上20mN/25mm未満、良好。
△:20mN/25mm以上50mN/25mm、実用可。
×:50mN/25mm超、実用不可。
(濡れ性)
得られた粘着テープを幅50mm・長さ100mmの大きさに準備し、測定試料とした。次いで、23℃−50%RH雰囲気下で30分間放置した後、測定試料から剥離シートを剥離した。粘着テープの両端を両手で持ちながら露出した粘着剤層の中心部をガラス板に接触させた後、両手を離した。測定試料の自重で粘着層全体がガラス板に密着するまでの時間を測定することで、粘着剤の濡れ性を評価した。ガラス板と密着するまでの時間が短いほどガラスに対する濡れ性(親和性)が良好であるため、ガラスを使用した製造工程でガラスを良好に保護することができる。評価基準は以下の通りである。
◎:密着まで2秒未満、優良。
○:密着まで2秒以上3秒未満、良好。
△:密着まで3秒以上5秒未満、実用可。
×:密着まで5秒以上、実用不可。
(湾曲性)
得られた粘着テープを幅10mm・長さ100mmの大きさに準備し、測定試料とした。次いで、23℃−50%RHの雰囲気下で、測定試料から剥離シートを剥離した。次いで、ガラス製の円柱(直径15mm)の円周面に沿って、この円周の半周分の長さ・幅10mmの粘着テープ試料を貼着した。60℃−90%RH条件下で72時間放置した後、測定試料の浮き状態を観察した。端部に浮きが見られた場合、浮いた部分の長さを測定した。評価基準は以下の通りである。
◎:端部に浮きなし、測定試料全体が密着、優良。
○:端部にわずかに浮きあり、0.3mm以下の浮き、良好。
△:端部に少しの浮きあり、0.3mm超1mm以下の浮き、実用可。
×:端部に浮きあり、1mm超の浮き、実用不可。
(基材密着性)
得られた粘着シートから剥離性シートを剥離した後、露出した粘着層を指で往復するようにこすり、粘着層が基材シートから脱落するかどうか評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:30往復以上しても粘着剤が基材シートから脱落しない、優良。
○:21〜30往復で粘着剤が基材シートから脱落する、良好。
△:11〜20往復で粘着剤が基材シートから脱落する、実用可。
×:10往復以内に粘着剤が基材シートから脱落する、実用不可。
(被着体汚染性)
得られた粘着シートを幅70mm・長さ100mmの大きさに準備し、測定試料とした。次いで、23℃−50%RHの雰囲気下で、この測定試料から剥離シートを剥離し、露出した粘着層を苛性ソーダガラス板に貼着し、ラミネーターを用いて圧着した。その後、60℃−90%RH条件下で72時間放置した。23℃−50%RHの雰囲気下で1時間空冷した後、測定試料をガラス板から剥離し、ガラス面に測定試料が貼着されていた箇所に対して、暗室内でLEDランプ光を照射して、汚染状況を目視評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:ガラス表面に何の汚染も認められない、優良。
○:ガラス表面の1箇所に微かに異物または曇りが認められる、良好。
△:ガラス表面の2〜3箇所に微かに異物または曇りが認められる、実用可。
×:ガラス表面の4箇所以上に微かに異物または曇りが認められる/もしくは3箇所以下にはっきりとわかる濃い異物または曇りが認められる、実用不可。
[評価結果]
評価結果を表2−1〜表2−4に示す。
実施例1〜23では、
3官能以上のポリオール(x2)を含むポリオール(x)とポリイソシアネート(y)との反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、
多官能イソシアネート化合物(B)とを含み、
3官能以上のポリオール(x2)が、EO基を有し、Mnが3,000超である3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)を含み、
ポリイソシアネート(y)が2官能イソシアネート化合物を含む粘着剤を製造した。
実施例1〜23で得られた粘着シートはいずれも、60℃−90%RH条件下で保存した後の再剥離性、ガラスに対する濡れ性、60℃−90%RH条件下で保存した後の湾曲性、基材密着性、および60℃−90%RH条件下で保存した後の被着体汚染性の評価結果が良好であった。
比較例1では、2官能ポリオールと、EO基を有し、Mnが3,000以下の3官能ポリオールと、2官能ポリイソシアネートとの反応生成物である比較用のポリウレタンポリオールを用いて粘着剤を製造した。比較例1で得られた粘着シートは、60℃−90%RH条件下で保存した後の湾曲性、および60℃−90%RH条件下で保存した後の被着体汚染性の評価結果が不良であった。
比較例2では、2官能ポリオールと、EO基を有さない、Mnが3,000超の3官能ポリオールと、2官能ポリイソシアネートとの反応生成物である比較用のポリウレタンポリオールを用いて粘着剤を製造した。比較例2で得られた粘着シートは、ガラスに対する濡れ性の評価結果が不良であった。
比較例3では、ポリウレタンポリオールを用いず、EO基を有し、Mnが3,000超である3官能ポリオールと多官能イソシアネート化合物とを用いて、ワンショット法により粘着剤を製造した。比較例3で得られた粘着シートは、60℃−90%RH条件下で保存した後の湾曲性、および基材密着性の評価結果が不良であった。
Figure 2018131629
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本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更が可能である。
10、20 粘着シート
11、21 基材シート
12、22A、22B 粘着層
13、23A、23B 剥離シート

Claims (8)

  1. 3官能以上のポリオール(x2)を含むポリオール(x)とポリイソシアネート(y)との反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、
    多官能イソシアネート化合物(B)とを含む粘着剤であって、
    3官能以上のポリオール(x2)が、1分子中に1つ以上のエチレンオキシ基を有し、数平均分子量が3,000超である3官能以上のポリエーテルポリオール(x2)を含み、
    ポリイソシアネート(y)が2官能イソシアネート化合物(y1)を含む、粘着剤。
  2. ポリオール(x)がさらに2官能ポリオール(x1)を含む、請求項1に記載の粘着剤。
  3. 2官能ポリオール(x1)が、2官能ポリエーテルポリオールおよび2官能ポリエステルポリオールからなる群より選ばれた1種以上のポリオールである、請求項2に記載の粘着剤。
  4. 2官能ポリオール(x1)が、1分子中に1つ以上のエチレンオキシ基を有する2官能ポリエーテルポリオールを含む、請求項3に記載の粘着剤。
  5. 2官能ポリオール(x1)の数平均分子量が200〜6,000である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の粘着剤。
  6. さらに、酸化防止剤、耐加水分解剤、紫外線吸収剤、および光安定剤からなる群より選ばれた1種以上の変質防止剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着剤。
  7. さらに帯電防止剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着剤。
  8. 基材シートと、請求項1〜7のいずれかに記載の粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含む、粘着シート。
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