JP7030269B2 - 粘着剤および粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤および粘着シートに関する。
表面保護シートとして、基材上に粘着剤層が形成された粘着シートが広く用いられている。粘着シートの粘着剤層形成に使用する粘着剤は、ゴム系、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、シリコーン系と各種存在するところ、ウレタン粘着剤は、例えば、被着体に対して良好な濡れ性を有しつつ、良好な再剥離性を有している。そのため、ウレタン粘着剤を使用した粘着シートは、例えばタッチパネル等の生産ラインでITO(インジウム酸化錫)フィルムやガラス等の表面保護用途に広く使用されている。
液晶ディスプレイ(LCD)および有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OLED)等のフラット又はフレキシブルパネルディスプレイ、並びに、かかるこれらディスプレイとタッチパネルとを組み合わせたタッチパネルディスプレイは、テレビ(TV)、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、および携帯情報端末等の電子機器に広く使用されている。表面保護シートはこれら光学部材を保護する目的で使用されている。光学用途の表面保護シートには、被着体(光学部材)から剥離する際、粘着剤層から光学部材に汚染物質が転移されずにディスプレイの透明性が維持される、または光学部材から容易に汚染物を拭き取れる性能が求められている。
特許文献1には、ポリウレタンプレポリマーおよびカルボン酸エステルを含む粘着剤が開示されている。
特開2015-151429号公報
しかし、特許文献1の粘着剤に使用されているカルボン酸エステルは、粘着シートとして加工し、被着体に貼付した後に高温高湿試験を行った場合、カルボン酸エステル中のエステル結合が加水分解してこれにより試験後の剥離が重たくなり、また被着体面に加水分解物が転移して透明性を損なう問題があった。
本発明は、被着体への汚染と耐久試験後の粘着力上昇を抑制し、さらには濡れ性と乾燥機汚染性が良好な粘着シートを形成できる粘着剤、および粘着シートの提供を目的とする。
本発明の粘着剤は、ウレタンポリオール(A)、イソシアネート硬化剤(B)およびエーテル系化合物(C)を含み、前記エーテル系化合物(C)が、構造式(I)で表される化合物であり、かつ分子量が300以上である。
すわなち、本発明は、ウレタンポリオール(A)、イソシアネート硬化剤(B)およびエーテル系化合物(C)を含み、
前記エーテル系化合物(C)が、下記構造式(I)で表される化合物であり、かつ分子量が300以上である、粘着剤に関する。

―O―(AO)n―R ・・・ (I)
(Rは炭素数1~24の置換されてもよい炭化水素基を表す。Rは炭素数1~18の置換されてもよい炭化水素基を表す。RとRは同一構造でも異なる構造でも構わない。AOは炭素数2~4のアルキレンオキシ基を表す。nは1~30の整数である)
また、本発明は、前記エーテル系化合物(C)の配合量が、ウレタンポリオール(A)100質量部に対して3~100質量部である、上記粘着剤に関する。
また、本発明は、前記エーテル系化合物(C)の分子量が、400以上である、上記粘着剤に関する。
また、本発明は、前記エーテル系化合物(C)が、エチレンオキシ基を有する化合物である、上記粘着剤に関する。
また、本発明は、前記エーテル系化合物(C)が、さらにプロピレンオキシ基を含む化合物である、上記粘着剤に関する。
また、本発明は、さらに、帯電防止剤(D)を含む、上記粘着剤に関する。
また、本発明は、基材および請求項1~6いずれか1項に記載の粘着剤の硬化物である粘着剤層を備える、粘着シートに関する。
上記の本発明によれば、被着体への汚染と耐久試験後の粘着力上昇を抑制し、さらには濡れ性と乾燥機汚染性が良好な粘着シートを形成できる粘着剤、および粘着シートを提供できる。
本発明に係る、基材の片面に粘着剤層が形成された片面粘着シートの模式断面図を示す。
本明細書でシート、フィルム、テープは同義語である。
本明細書で被着体は、粘着シートを貼り合わせる相手方である。
本明細書において、特に明記しない限り、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算値であり、後記[実施例]の項に記載の方法にて測定することができる。
本発明の粘着剤は、ウレタンポリオール(A)、イソシアネート硬化剤(B)およびエーテル系化合物(C)を含み、前記エーテル系化合物(C)が、構造式(I)で表される化合物であり、かつ分子量が300以上である。
本発明の粘着剤は、塗工により粘着剤層を形成し、基材、および粘着剤層を備えた粘着シートとして使用することが好ましい。
本発明の粘着シートは、テープ、ラベル、シール、および両面テープ等の形態で、使用することができる。本発明の粘着シートは、表面保護シート、化粧用シート、および滑り止めシート等として好適に使用できる。
本発明の粘着シートは、被着体の表面を保護する用途に使用することが好ましい。
前記被着体として、液晶ディスプレイ(LCD)および有機エレクトロルミネセンスディスプレイ(OLED)等のフラット又はフレキシブルパネルディスプレイ、並びに、かかるこれらディスプレイとタッチパネルとを組み合わせたタッチパネルディスプレイは、テレビ(TV)、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、および携帯情報端末、半導体等の電子機器が好ましい。また前記被着体に限らず、建築物の窓、車両、船舶、航空機の窓等のあらゆる素材の表面保護用途に使用できる。
これらの被着体の中でも本発明の粘着シートは、フラット又はフレキシブルパネルディスプレイおよびタッチパネルディスプレイ(これらを総称して単に「ディスプレイ」ともいう)、並びに、これらの製造工程で製造または使用される基板(ガラス基板、およびガラス基板上にITO(インジウム酸化錫)フィルムが形成されたITO/ガラス基板等)および光学部材等の表面保護シートとしての使用が好ましい。
本発明の粘着剤を使用した粘着シートは、エーテル系化合物(C)を含む。エーテル系化合物(C)は、従来のエステル構造を含む化合物と比較して、湿熱耐久試験中に結合部位の加水分解が少ないため、試験後に被着体から粘着シートを剥離する際、粘着力が上昇したり、また分解物により被着体汚染することを低減できる。また微量な分解物が被着体に転移したとしても、分解物がカルボン酸ではなく、結晶性の低い化合物であるためか、エタノールで容易に拭取れる。これにより本発明の粘着剤を使用すると、乾燥機の汚染を減らし濡れ性を発現しながら、被着体汚染性や耐熱粘着力を抑える効果が得られる。
「粘着剤」
(ウレタンポリオール(A))
ウレタンポリオール(A)は、1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)との反応物であり水酸基を有する。ウレタンポリオール(A)は、1種以上用いることができる。共重合反応は必要に応じて、触媒存在下で行うことができる。共重合反応には必要に応じて、溶媒を用いることができる。
<ポリオール(x)>
ポリオール(x)は、少なくとも、1種以上の3官能以上のポリオール(x2)を含む。好ましくは、ポリオール(x)は、1種以上の2官能ポリオール(x1)と1種以上の3官能以上のポリオール(x2)とを含む。
ポリオール(x)の種類は特に制限されず、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、およびひまし油系ポリオール等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびこれらの組合せが好ましい。
ポリエステルポリオールは、1種以上のポリオール成分と1種以上の酸成分とのエステル化反応によって得られる化合物(エステル化物)が挙げられる。
原料のポリオール成分は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,8-デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびヘキサントリオール等が挙げられる。
原料の酸成分は、例えば、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12-ドデカン二酸、1,14-テトラデカン二酸、ダイマー酸、2-メチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2-エチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェエルジカルボン酸、およびこれらの酸無水物等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、公知のものを用いることができ、1分子中に2つ以上の活性水素を有する活性水素含有化合物を開始剤として用い、1種以上のオキシラン化合物を付加重合させて得られる化合物(付加重合物)が挙げられる。
開始剤は、水酸基含有化合物およびアミン等が挙げられる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、N-アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、およびキシリレンジアミン等の2官能開始剤;グリセリン、トリメチロールプロパン、およびトリエタノールアミン等の3官能開始剤;ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、および芳香族ジアミン等の4官能開始剤;ジエチレントリアミン等の5官能開始剤等が挙げられる。
オキシラン化合物は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシド等のアルキレンオキシド等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、活性水素含有化合物のアルキレンオキシド付加物(ポリオキシアルキレンポリオールとも言う)が好ましい。中でも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレングリコール等の2官能ポリエーテルポリオール;グリセリンのアルキレンオキシド付加物等の3官能ポリエーテルポリオール等が好ましい。
ポリオール(x)の分子量が大きいと、ウレタンポリオール(A)の架橋密度が小さくなり、粘着剤層に柔らかさを与えられる。反対に分子量が小さいと、架橋密度が大きくなり、粘着剤層の硬さを与えられる。ポリオール(x)の数平均分子量(Mn)は特に制限されず、200以上が好ましく、500以上がより好ましく、1,000以上がさらに好ましい。20,000以下が好ましく、15,000以下がより好ましく、10,000以下がさらに好ましい。Mnが200以上であることで、ミクロゲルが抑制される。Mnが20,000以下であることで、ウレタンポリオール(A)の凝集力が好適となる。
ポリオール(x)としてポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールから選択して用いる場合、好ましい数平均分子量(Mn)は以下の通りである。
ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は、200以上が好ましく、600以上がより好ましく、800以上がさらに好ましい。6,000以下が好ましく、5,000以下がより好ましく、4,000以下がさらに好ましい。Mnが200以上であることで、ウレタンポリオール(A)のゲル化が効果的に抑制される。Mnが6,000以下であることで、ウレタンポリオール(A)の凝集力がより向上する。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)は、400以上が好ましく、600以上がより好ましく、1,000以上がさらに好ましい。20,000以下が好ましく、10,000以下がより好ましく、7,000以下がさらに好ましい。Mnが400以上であることで、ウレタンポリオール(A)のゲル化が効果的に抑制される。Mnが20,000以下であることで、ウレタンポリオール(A)の凝集力がより向上する。
ポリオール(x)は、1種以上の2官能ポリオール(x1)又は1種以上の3官能以上のポリオール(x2)のみで構成されても構わないが、架橋密度を調節する目的で、1種以上の2官能ポリオール(x1)と1種以上の3官能以上のポリオール(x2)とを併用することもできる。一般的に、2官能ポリオール(x1)は2次元架橋性を有し、粘着剤層に適度な柔軟性を与え、3官能以上のポリオール(x2)は3次元架橋性を有し、粘着剤層に適度な硬さを与える。これらを併用することで、好適な凝集力と粘着力を有する粘着剤層が得られる。
2官能ポリオール(x1)は、2官能ポリエーテルポリオールおよび2官能ポリエステルポリオールおよび2官能ポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれた1種以上のポリオールが好ましい。
3官能以上のポリエーテルポリオールは、グリセリンに1つ以上のプロピレンオキシド(PO)を付加重合させて得られるグリセリンPO付加物(「グリセリンポリプロピレングリコール」ともいう。)、またはグリセリンに1つ以上のプロピレンオキシド(PO)と1つ以上のエチレンオキシド(EO)とをこの順で付加重合させて得られるグリセリンPO・EO付加物(「グリセリンポリプロピレングリコール末端エチレングリコール変性」ともいう。)等が挙げられる。
本発明において、2官能ポリオール(x1)と3官能以上のポリオール(x2)の比率は特に限定されず、任意の比率を取ることができる。
<ポリイソシアネート(y)>
ポリイソシアネート化合物(y)は公知のものを使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、および脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートは、例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、および4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、および2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、ω,ω’-ジイソシアネート-1,3-ジメチルベンゼン、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジメチルベンゼン、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、および1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートは、例えば、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、および1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
その他、ポリイソシアネートは、イソシアネートプレポリマーを用いてもよい。イソシアネートプレポリマーとは、ジイソシアネートを原料とし、単量体の含有量が1%以下となるようにプレポリマー化したものである。イソシアネートプレポリマーは、アダクト体、ビュウレット体、およびイソシアヌレート体が挙げられる。
アダクト体とは、ジイソシアネートとトリメチロールプロパン(CH3-CH2-C(CH2-OH) 3)との付加体である。ビュウレット体は、ジイソシアネートと、水または3級アルコールとの反応物である。イソシアヌレート体は、ジイソシアネートの3量体(この3量体はイソシアヌレート環を含む。)である。
ポリイソシアネート(y)は、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、および、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)等が好ましい。
ウレタンポリオール(A)の重合において、ポリオール(x)とポリイソシアネート(y)との配合比率は好ましくは、水酸基のモル数がイソシアネート基のモル数を超えるように設定する。ポリオール(x)中の水酸基のモル数とポリイソシアネート(y)中のイソシアネート基のモル数との比(NCO/OH比)は好ましくは0.30~0.95、より好ましくは0.5~0.90である。水酸基とイソシアネート基とを適切な比率で反応させると凝集力および粘着力を高度に両立できる。
本発明において、ポリイソシアネート(y)は1種以上の2官能イソシアネート化合物(y1)を含む。
ポリイソシアネート(y)は、2官能イソシアネート化合物(y1)のみを用いることが好ましい。ポリイソシアネート(y)は、ポリイソシアネート(y)は必要に応じて、1種以上の3官能以上のイソシアネート化合物を含むことができる。
ウレタンポリオールの原料ポリオールとして架橋性の高い3官能以上のポリオールのみと3官能以上のポリイソシアネートのみとを用いる場合、ウレタンポリオールの分子構造が剛直となり、粘着剤層の凝集力が好適な範囲より高くなる恐れがある。
ウレタンポリオールの原料ポリオールとして3官能以上のポリオールを用いることが好適な本発明の粘着剤では、ポリイソシアネート(y)として2官能イソシアネート化合物(y1)を含む1種以上のポリイソシアネート、好ましくは2官能イソシアネート化合物(y1)のみを用いることで、過度な架橋を抑えて、好適な凝集力と粘着力を有する粘着剤層が得ることが可能となる。
<触媒>
触媒は、3級アミン系化合物および有機金属系化合物等が挙げられる。
3級アミン系化合物は、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、および1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-ウンデセン-7(DBU)等が挙げられる。
有機金属系化合物は、錫系化合物および非錫系化合物等が挙げられる。
錫系化合物は、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキシド、ジオクチル錫ジラウレート、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、および2-エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物は、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、およびブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系;オレイン酸鉛、2-エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、およびナフテン酸鉛等の鉛系;2-エチルヘキサン酸鉄および鉄アセチルアセトネート等の鉄系;安息香酸コバルトおよび2-エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系;ナフテン酸亜鉛および2-エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系;ナフテン酸ジルコニウム等のジルコニウム系が挙げられる。
触媒は、1種以上用いることができる。必要に応じて併用する複数種のポリオール(x)のそれぞれの反応性が異なる場合、これら反応性の相違により、単一触媒の系ではゲル化または反応溶液の白濁が生じやすくなる恐れがある。この場合、2種類の触媒を用いることにより、反応(例えば反応速度等)を制御しやすく、上記問題を解決することができる。2種類の触媒の組合せ特に制限されず、3級アミン/有機金属系、錫系/非錫系、および錫系/錫系等が挙げられる。好ましくは錫系/錫系、より好ましくはジブチル錫ジラウレートと2-エチルヘキサン酸錫である。
2-エチルヘキサン酸錫とジブチル錫ジラウレートとの質量比(2-エチルヘキサン酸錫/ジブチル錫ジラウレート)は特に制限されず、好ましくは0超1未満、より好ましくは0.2~0.6である。当該質量比が1未満であれば、触媒活性のバランスが良く、反応溶液のゲル化および白濁を効果的に抑制し、重合安定性がより向上する。
1種以上の触媒の使用量は特に制限されず、ポリオール(x)とポリイソシアネート(y)との合計量に対して、好ましくは0.001~1質量%である。
<溶剤>
ウレタンポリオール(A)の合成には必要に応じて、溶剤を使用できる。溶剤は、例えばメチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、およびアセトン等が挙げられる。ウレタンポリオール(A)の溶解性および溶剤の沸点等の点から、酢酸エチルおよびトルエン等が特に好ましい。
<重合方法>
ウレタンポリオール(A)の重合方法は特に制限されず、塊状重合法および溶液重合法等の公知重合方法を適用することができる。
重合手順は特に制限されず、
手順1)ポリオール(x)、ポリイソシアネート(y)、必要に応じて触媒、および必要に応じて溶剤を一括してフラスコに仕込む手順;
手順2)ポリオール(x)、必要に応じて触媒、および必要に応じて溶剤をフラスコに仕込み、これにポリイソシアネート(y)を滴下添加する手順が挙げられる。
手順3)ポリオール(x)のうち最終滴下分を余らせた残り、必要に応じて触媒および溶剤をフラスコに仕込み、これにポリイソシアネート(y)を滴下添加し、その後余らせておいた分のポリオール(x)を追って滴下する手順;が挙げられる。
これらの中でも反応熱の制御が容易な(手順2)(手順3)が好ましい。
触媒を使用する場合の反応温度は、好ましくは100℃未満、より好ましくは80~90℃である。反応温度が100℃未満であれば、反応速度および架橋構造等の制御がしやすく、所望の分子量を有するウレタンポリオール(A)を生成しやすい。
触媒を使用しない場合、反応温度は好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上であり、反応時間は好ましくは3時間以上である。
ウレタンポリオール(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1万~50万、より好ましくは2万~40万、特に好ましくは3万~35万である。ウレタンポリオール(A)のMwが適切な範囲にあることで良好な塗工性が得られやすい。
(イソシアネート硬化剤(B))
イソシアネート硬化剤(B)は、ウレタンポリオール(A)の原料であるポリイソシアネート(y)で例示した化合物(具体的には、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、および、これらのトリメチロールプロパンアダクト体/ビュウレット体/3量体(ヌレート体))を使用できる。
ウレタンポリオール(A)100質量部に対するイソシアネート硬化剤(B)の量は、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下がさらに好ましい。イソシアネート硬化剤(B)の量は、1質量部以上であれば粘着剤層の凝集力が良好となり、30質量部以下であれば粘着剤層の粘着力が良好となる。
<エーテル系化合物(C)>
エーテル系化合物(C)は、粘着剤の可塑剤として機能する。
エーテル系化合物(C)は、構造式(I)に示した通り、中心骨格である(ポリ)アルキレングリコールの両末端を、炭素数1~24の置換されてもよい炭化水素基(R)と、炭素数1~18の置換されてもよい炭化水素基(R)で封止した構造をとる。アルキレンの炭素数は2~4、アルキレングリコールの繰り返し数は1~30であり、分子量は300以上である。アルキレングリコールは、エチレングリコールが好ましく、さらに、エチレングリコールとプロピレングリコールの両方を含んでいるのが好ましい。プロピレングリコールは、1,2-プロピレングリコールであっても、1,3-プロピレングリコールであってもよい。
nが2以上の場合は、複数あるA(アルキレン基)は、同じであっても異なっていてもよい。また、異なるアルキレン基がある場合、その順列はランダムであっても、ブロックを構成していてもよい。
エーテル系化合物(C)の分子量(式量)は、乾燥機汚染を低減できる側面から300以上が好ましく、400以上がより好ましく、500以上がさらに好ましい。分子量(式量)の上限は、1,500以下が好ましく、1,200以下がより好ましく、900以下がさらに好ましい。なお、本明細書で分子量(式量)は、エーテル系化合物(C)の分子構造が化学式で特定できる場合は式量を使用する。また、エーテル系化合物(C)が単一構造ではなく、分子量分布を持つときは、数平均分子量を使用する。
エーテル系化合物(C)の配合量は、被着体汚染性、耐熱粘着力、濡れ性および乾燥機汚染のバランスを取る側面から、ウレタンポリオール(A)100質量部に対し、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましい。また上限は100質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、50質量部以下がさらに好ましい。
アルキレングリコールを封止する置換基R1の分子量は、R2の分子量と同じであるか、R2の分子量より大きい。これらの構造は同じでも異なっていてもよく、直鎖でも分岐でも、また脂肪族でも芳香族でも構わない。またさらに置換基を有する場合がある。
置換基としては、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホ基などが挙げられる。また本発明の効果を阻害しない範囲で、ヒドロキシル基、アミノ基、エステル基、アミド基を有することができる。
R1の炭素数は1以上が好ましく、8以上がより好ましく、12以上がさらに好ましい。24以下が好ましく、20以下がより好ましく、18以下がさらに好ましい。
R2の炭素数は、乾燥機汚染性の観点で、R1やAO構造との兼ね合いで分子量調整の意味合いが強く、特に下限はない。ただし上限としては18以下が好ましく、12以下がより好ましく、8以下がさらに好ましい。
R1の構造としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、ヘプチル、4-メチルシクロヘキシル、4-メチルフェニル、ベンジル、オクチル、イソオクチル、2-エチルヘキシル、フェネチル、ノニル、デシル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、オレイル、アラキジル、ベヘニル、リグノセリル、6-メトキシヘキシル、6-(メトキシメトキシ)ヘキシル、4-メトキシフェニル、4-メトキシベンジルなどが挙げられる。
R2の構造としては、R1に列挙した炭素数18以下の置換基のものが挙げられる。
エーテル系化合物(C)の合成時に、エーテル系化合物(C)とは他に、合成残査として末端水酸基化合物(ウレタンポリオール(A)を除く)を含む場合がある。エーテル系化合物(C)と末端水酸基化合物の混合物の水酸基価は、20mgKOH/g以下に抑えることが好ましい。20mgKOH/gを超えてしまうと、ウレタンポリオール(A)とイソシアネート硬化剤(B)の反応を阻害してしまい、耐熱粘着力や濡れ性が発現しない場合がある。
エーテル系化合物(C)は、単独または2種類以上を使用できる。
(溶剤)
本発明の粘着剤は、必要に応じて、溶剤を含むことができる。溶剤は公知の化合物を使用できる。溶剤は、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、およびアセトン等が挙げられる。これらの中でもウレタンポリオール(A)の溶解性および溶剤の沸点等の観点から、酢酸エチルおよびトルエン等が好ましい。
(帯電防止剤(D))
本発明の粘着剤は必要に応じて、1種以上の帯電防止剤(D)を含むことができる。
帯電防止剤は、無機塩、多価アルコール化合物、イオン性液体、および界面活性剤等が挙げられ、中でもイオン性液体が好ましい。なお、「イオン性液体」は常温溶融塩ともいい、25℃で流動性がある塩である。
無機塩は、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、過塩素酸リチウム、塩化アンモニウム、塩素酸カリウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびチオシアン酸ナトリウム等が挙げられる。
多価アルコール化合物は、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等が挙げられる。
イミダゾリウムイオンを含むイオン液体は、例えば、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1,3-ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、および1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等が挙げられる。
ピリジニウムイオンを含むイオン液体は、例えば、1-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-オクチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ヘキシル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ヘキシル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロリン酸塩、1-オクチル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-オクチル-4-メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-メチルピリジニウムビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド、および1-メチルピリジニウムビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミド等が挙げられる。
アンモニウムイオンを含むイオン液体は、例えば、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N-ジエチル-N-メチル-N-プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N-ジエチル-N-メチル-N-ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N-ジエチル-N-メチル-N-ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、およびトリ-n-ブチルメチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド等が挙げられる。
その他、ピロリジニウム塩、ホスホニウム塩、およびスルホニウム塩等の市販のイオン液体を適宜使用できる。
界面活性剤は、低分子界面活性剤と高分子界面活性剤とに分類される。いずれのタイプにおいても、非イオン性、アニオン性、カチオン性、および両性のタイプがある。
非イオン性の低分子界面活性剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル、および脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
アニオン性の低分子界面活性剤は、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、およびアルキルホスフェート等が挙げられる。
カチオン性の低分子界面活性剤は、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
両性の低分子界面活性剤は、アルキルベタインおよびアルキルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
非イオン性の高分子界面活性剤は、ポリエーテルエステルアミド型、エチレンオキシド-エピクロルヒドリン型、およびポリエーテルエステル型等が挙げられる。
アニオン性の高分子界面活性剤は、ポリスチレンスルホン酸型等が挙げられる。
カチオン性の高分子界面活性剤は、第4級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体型等が挙げられる。
両性の高分子界面活性剤は、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、および高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
帯電防止剤(D)の添加量は、ウレタンポリオール(A)100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がさらに好ましい。5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
(変質防止剤)
本発明の粘着剤は、必要に応じて、1種以上の変質防止剤を含むことができる。これにより、粘着剤層の長期使用による各種特性の低下を抑制することができる。変質防止剤は、例えば、耐加水分解剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、および光安定剤等が挙げられる。
<耐加水分解剤>
高温高湿環境下等において粘着剤層に加水分解反応が生じてカルボキシ基が生成した場合、このカルボキシ基を封鎖するために、耐加水分解剤を用いることができる。
耐加水分解剤、カルボジイミド系、イソシアネート系、オキサゾリン系、およびエポキシ系等が挙げられる。これらの中でも、加水分解抑制効果の観点から、カルボジイミド系が好ましい。
カルボジイミド系加水分解抑制剤は、1分子中に1つ以上のカルボジイミド基を有する化合物である。
モノカルボジイミド化合物は、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、およびナフチルカルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物は、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させて生成することができる。ジイソシアネートは、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1-メトキシフェニル-2,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、およびテトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。カルボジイミド化触媒は、例えば1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド、3-メチル-2-ホスホレン-1-オキシド、1-エチル-3-メチル-2-ホスホレン-1-オキシド、1-エチル-2-ホスホレン-1-オキシド、およびこれらの3-ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等が挙げられる。
イソシアネート系加水分解抑制剤は、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジクロロ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロヘキシレンジイソシアネート、1, 4-シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、および3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
オキサゾリン系加水分解抑制剤は、例えば、2,2’-o-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(4 -メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(4,4’-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(4,4’-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’ -エチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-テトラメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-ヘキサメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-オクタメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-エチレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、および2,2’-ジフェニレンビス(2-オキサゾリン)等が挙げられる。
エポキシ系加水分解剤は、例えば、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、およびポリアルキレングリコール等の脂肪族ジオールのジグリシジルエーテル;ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、グリセロール、およびトリメチロールプロパン等の脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル;シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ポリオールのポリグリシジルエーテル;テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、およびセバシン酸等の脂肪族または芳香族の多価カルボン酸のジグリシジルエステルまたはポリグリシジルエステル;レゾルシノール、ビス-(p-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス-(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス-(p-ヒドロキシフェニル)メタン、および1,1,2,2-テトラキス(p-ヒドロキシフェニル)エタン等の多価フェノールのジグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテル;N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジルトルイジン、およびN,N,N',N'-テトラグリシジル-ビス-(p-アミノフェニル)メタン等のアミンのN-グリシジル誘導体;アミノフェールのトリグリシジル誘導体;トリグリシジルトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、およびトリグリシジルイソシアヌレート;オルソクレゾール型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられる。
耐加水分解剤の添加量は特に制限されず、ウレタンポリオール(A)100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。5質量部以下が好ましく、4質量部以下がより好ましく、3質量部以下がさらに好ましい。
<酸化防止剤>
酸化防止剤は、ラジカル補足剤および過酸化物分解剤等が挙げられる。ラジカル補足剤は、フェノール系化合物およびアミン系化合物等が挙げられる。過酸化物分解剤は、硫黄系化合物およびリン系化合物等が挙げられる。
フェノール系化合物は、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリン-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ベンゼンプロパン酸,3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-,C7-C9側鎖アルキルエステル、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’-ビス-(4’-ヒドロキシ-3’-t-ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H、3H、5H)トリオン、およびトコフェノール等が挙げられる。
リン系化合物は、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジフォスファイト、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、10-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、10-デシロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイト、および2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
酸化防止剤を用いることで、ウレタンポリオール(A)の熱劣化を防ぎ、粘着剤層からのエーテル系化合物(C)のブリードアウトをより効果的に抑制することができる。
酸化防止剤の添加量は特に制限されず、ウレタンポリオール(A)100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましい。5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
酸化防止剤は、安定性と酸化防止効果の観点から、ラジカル補足剤であるフェノール系化合物を1種以上用いることが好ましく、ラジカル補足剤である1種以上フェノール系化合物と過酸化物分解剤である1種以上リン系化合物とを併用することがより好ましい。また、酸化防止剤として、ラジカル補足剤であるフェノール系化合物と過酸化物分解剤であるリン系化合物とを併用し、これら酸化防止剤と前述の耐加水分解剤とを併用することが特に好ましい。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびトリアジン系化合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は特に制限されず、ウレタンポリオール(A)100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましい。5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
<光安定剤>
光安定剤は、ヒンダードアミン系化合物およびヒンダードピペリジン系化合物等が挙げられる。光安定剤の添加量は特に制限されず、ウレタンポリオール(A)100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましい。5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
(レベリング剤)
本発明の粘着剤は必要に応じて、レベリング剤を含むことができる。レベリング剤を添加することで、粘着剤を塗工する際、塗膜の表面張力が下がり、表面が平滑な粘着剤層が得易くなる。レベリング剤は、アクリル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤、およびシリコーン系レベリング剤等が挙げられる、粘着シート再剥離後の被着体汚染抑制の観点から、アクリル系レベリング剤等が好ましい。
レベリング剤の重量平均分子量(Mw)は特に制限されず、好ましくは500~20,000、より好ましくは1,000~15,000、特に好ましくは2,000~10,000である。Mwが500以上であれば、塗工層の加熱乾燥時において塗工層からの気化量が充分に少なく周囲の汚染が抑制される。Mwが20,000以下であれば、粘着剤層のレベリング性の向上効果が効果的に発現する。
レベリング剤の添加量は特に制限されず、粘着シート再剥離後の被着体汚染抑制と粘着剤層のレベリング性向上の観点から、ウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.001~2質量部、より好ましくは0.01~1.5質量部、特に好ましくは0.1~1質量部である。
(他の任意成分)
本発明の粘着剤は、本発明の課題を解決できる範囲であれば、他の任意成分を含むことができる。他の任意成分は、触媒、ウレタン系樹脂以外の他の樹脂、充填剤(タルク、炭酸カルシウム、および酸化チタン等)、金属粉、着色剤(顔料等)、箔状物、シランカップリング剤、潤滑剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、重合禁止剤、および消泡剤等が挙げられる。
「粘着シート」
本発明の粘着シートは、基材と、上記の本発明の粘着剤の硬化物からなる粘着剤層とを含む。典型例を図1に示す。粘着剤層は、基材の片面または両面に形成することができる。必要に応じて、粘着剤層の露出面は、剥離シートで被覆することができる。なお、剥離シートは、粘着シートを被着体に貼着する際に剥離される。なお、基材はシート状が好ましい。
基材は特に制限されず、樹脂シート、紙、および金属箔等が挙げられる。基材は、これら基材の少なくとも一方の面に任意の1つ以上の層が積層された積層シートであってもよい。基材の粘着剤層を形成する側の面には、必要に応じて、コロナ放電処理およびアンカーコート剤塗布等の易接着処理が施されていてもよい。
樹脂シートの構成樹脂は特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等エステル系樹脂;ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ナイロン66等のアミド系樹脂;ウレタン系樹脂(発泡体を含む);これらの組合せ等が挙げられる。
ポリウレタンシートを除く樹脂シートの厚みは特に制限されず、好ましくは15~300μmである。ポリウレタンシート(発泡体を含む)の厚みは特に制限されず、好ましくは20~50,000μmである。
紙は特に制限されず、普通紙、コート紙、およびアート紙等が挙げられる。
金属箔の構成金属は特に制限されず、例えば、アルミニウム、銅、およびこれらの組合せ等が挙げられる。
剥離シートは特に制限されず、樹脂シートまたは紙等の表面に剥離剤塗布等の公知の剥離処理が施された公知の剥離シートを用いることができる。
粘着シートは、公知方法にて製造することができる。
はじめに、基材の表面に本発明の粘着剤を塗工して、本発明の粘着剤からなる塗工層を形成する。塗布方法は公知方法を適用でき、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、およびグラビアコーター法等が挙げられる。
次に、塗工層を乾燥および硬化して、本発明の粘着剤の硬化物からなる粘着剤層を形成する。加熱乾燥温度は特に制限されず、60~130℃程度が好ましい。
粘着剤層の厚みは粘着シートの用途によって適宜設計でき、例えば5~300μm程度である。なお、本明細書において、「粘着剤層の厚み」は特に明記しない限り、乾燥後の厚みである。
次に必要に応じて、公知方法により粘着剤層の露出面に剥離シートを貼着する。
以上のようにして、片面粘着シートを製造することができる。
上記操作を両面に行うことで、両面粘着シートを製造することができる。
上記方法とは逆に、剥離シートの表面に本発明の粘着剤を塗工して本発明の粘着剤からなる塗工層を形成し、次いで塗工層を乾燥および硬化して本発明の粘着剤の硬化物からなる粘着剤層を形成し、最後に粘着剤層の露出面に基材を積層してもよい。
本発明の粘着シートは、表示装置の表面に貼付して使用することが好ましい。
前記表示装置は、例えばテレビ(TV)、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、および携帯情報端末、車両に搭載されるディスプレイ、つまりはCID (Center Information Display)、カーナビが挙げられる。なお、CIDは、自動車の運転席前面に配置される情報ディスプレイのことをいう。従来はカーナビの地図表示を主な用途として搭載されてきたが、近年では車載カメラの搭載によるパーキングアシスト機能や空調操作・燃費情報を表示するマルチファンクションディスプレイとして高機能化しつつあるため、あらゆる環境への適性が求められる。
表示装置の粘着シートが貼付される面(被着体)の素材は、例えば、ガラス、アクリル板、ポリカーボネート、ポリオレフィンが挙げられる。
被着体の厚みは、10μm~5mm程度である。
以下、合成例、本発明に係る実施例、および比較例について説明する。以下の記載において、特に明記しない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味するものとする。表中の配合量は質量部である。尚、本発明はこれらに制限されるものではない。また、溶剤以外は、不揮発分換算値である。
[分子量の測定]
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定した。測定条件は以下の通りである。なお、MwおよびMnはいずれも、ポリスチレン換算値である。
装置:SHIMADZU Prominence(株式会社島津製作所製)、
カラム:SHODEX LF-804(昭和電工株式会社製)を3本直列に接続、
検出器:示差屈折率検出器、
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、
流速:0.5mL/分、
溶媒温度:40℃、
試料濃度:0.1%、
試料注入量:200μL。
[材料]
使用した材料は、以下の通りである。
<ポリオール(x)>
(x2-1):サンニックス GL-3000(ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn3000、水酸基数3、三洋化成工業社製)、
(x2-2):エクセノール5030 (ポリエーテルポリオール、数平均分子量Mn5100、水酸基数3、旭硝子社製)、
(x1-1):クラレポリオール P-1010(ポリエステルポリオール、数平均分子量Mn1000、水酸基数2、クラレ社製)、
<ポリイソシアネート(y)>
(y1-1):デスモジュールH(ヘキサメチレンジイソシアネート、住化コベストロウレタン社製)、
<イソシアネート硬化剤(B)>
(B1):スミジュール HT(ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発分75%、住化コベストロウレタン社製)、
(B2):デスモジュール N3200(ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体、不揮発分100%、住化コベストロウレタン社製)、
(B3):デスモジュール N3300(ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、不揮発分100%、住化コベストロウレタン社製)。
<エーテル系化合物(C)>
下記の反応例で得られたものを使用した。
(C1):R1;2-エチルヘキシル基、R2;2-エチルヘキシル基、AO;エチレンオキシ基、n;3、分子量;374、
(C2):R1;2-エチルヘキシル基、R2;2-エチルヘキシル基、AO;エチレンオキシ基、n;6、分子量;506、
(C3):R1;2-エチルヘキシル基、R2;2-エチルヘキシル基、AO;エチレンオキシ基、n;9、分子量;638、
(C4):R1;2-エチルヘキシル基、R2;2-エチルヘキシル基、AO;エチレンオキシ基、n;12、分子量;770、
(C5):R1;n-ブチル基、R2;n-ブチル基、AO;エチレンオキシ基、n;6、分子量;450、
(C6):R1;2-エチルヘキシル基、R2;n-ブチル基、AO;エチレンオキシ基、n;6、分子量;450、
(C7):R1;n-ラウリル基、R2;i-プロピル基、AO;エチレンオキシ基、n;6、分子量;492、
(C8):R1;n-ステアリル基、R2;メチル基、AO;エチレンオキシ基、n;6、分子量;548、
(C9):R1;2-エチルヘキシル基、R2;2-エチルヘキシル基、AO;エチレンオキシ-プロピレンオキシ-エチレンオキシ基、n;5-2-5、分子量;798、
(C10):R1;n-ラウリル基、R2;i-プロピル基、AO;エチレンオキシ-プロピレンオキシ-エチレンオキシ基、n;5-2-5、分子量;784、
(C11):R1;n-ステアリル基、R2;メチル基、AO;エチレンオキシ-プロピレンオキシ-エチレンオキシ基、n;5-2-5、分子量;840、
(C12):R1;n-ステアリル基、R2;メチル基、AO;エチレンオキシ-プロピレンオキシ-エチレンオキシ基、n;8-2-8、分子量;1062。
<エーテル系化合物(C)の合成>
(反応例1)
攪拌及び温度計を備えたステンレス製オートクレーブに2-エチルヘキサノール260.4g(2モル)、触媒として水酸化カリウム1gを加え、窒素で反応系内を置換した後、100℃で1時間脱水を行った。次いで、エチレンオキシド133.2g(3モル)を120℃で1時間かけて導入した。オートクレーブを室温に戻し、反応液中のアルカリ触媒を酢酸1gで中和して(C1)を得た。これは理論分子量374、AO繰り返し数3であった。
(C2)~(C9)および(C’3)も同様の方法で合成した。プロピレンオキシドを用いる場合は、エチレンオキシドと同時に系内に導入した。
(反応例10)
攪拌及び温度計を備えたステンレス製オートクレーブに1-ラウリルアルコール186.3g(1モル)、触媒として水酸化カリウム1gを加え、窒素で反応系内を置換した後、100℃で1時間脱水を行った。次いで、エチレンオキシド220.3g(5モル)、プロピレンオキシド116.2g(2モル)、エチレンオキシド220.3g(5モル)を120℃でそれぞれ1時間ずつかけて導入した。その後、2-ブロモプロパン123.0g(1モル)を加えて4時間反応させ、オードクレーブを室温に冷却し、アルカリ触媒を酢酸1gで中和して(C10)を得た。これは理論分子量784、AO繰り返し数12(5-2-5)であった。(C11)、(C12)も同様の方法で合成した。
<(C)以外の可塑剤(C’)>
(C’1):アデカサイザーRS700(エーテルエステル可塑剤、ADEKA社製)
(C’2):エマルゲン106(オキシエチレンモノラウリルエーテル、花王社製)
(C’3):R1;i-プロピル基、R2;i-プロピル基、AO;エチレンオキシ基、n;4、分子量;278。
<帯電防止剤(D)>
(D1):イオン性液体、トリ-n-ブチルメチルアンモニウム・ビストリフルオロメタンスルホンイミド、
(D2):イオン性固体、リチウム・ビストリフルオロメタンスルホンイミド。
(合成例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、および滴下漏斗を備えた4口フラスコに、ポリオール(x2-1)100部、およびポリイソシアネート(y1-1)6.0部を仕込んだ。これに、トルエン70部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.005部を加えて、90℃まで徐々に昇温し、90℃で3時間反応を行った。随時サンプリングを行い、赤外吸収(IR)スペクトルで残存イソシアネート基の消滅を確認した上で、反応溶液を冷却し反応を終了した。以上のようにして、ウレタンポリオール(A1)の溶液(不揮発分:60%)を得た。得られたウレタンポリオール(A1)の重量平均分子量Mwは、236,000であった。
(合成例2)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、および滴下漏斗を備えた4口フラスコに、ポリオール(x2-2)80部、ポリオール(x1-1)20部、およびポリイソシアネート(y1-1)4.0部を仕込んだ。これに、トルエン71部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.005部を加えて、90℃まで徐々に昇温し、90℃で3時間反応を行った。随時サンプリングを行い、赤外吸収(IR)スペクトルで残存イソシアネート基の消滅を確認した上で、反応溶液を冷却し反応を終了した。以上のようにして、ウレタンポリオール(A2)の溶液(不揮発分:60%)を得た。得られたウレタンポリオール(A2)の重量平均分子量Mwは、185,000であった。
(実施例1)
合成例1で得られた樹脂溶液中のウレタンポリオール(A1)100部に対して、それぞれ不揮発分比でイソシアネート化合物(B1)を10部、エーテル系化合物(C1)を30部配合し、さらに溶剤として酢酸エチルを50部配合し、ディスパーで攪拌することで、粘着剤を得た。
基材して、50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、ルミラーT-60:東レ社製)を用意した。この基材の片面に、得られた粘着剤を乾燥後の粘着剤層の厚みが12μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥して、粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、厚さ38μmの剥離シート(スーパーステックSP-PET38:リンテック社製)を貼着して、粘着シートを得た。23℃-50%RHで1週間養生した後、各種評価に供した。
(実施例2~26、比較例1~3)
実施例2~26、比較例1~3の各例においては、配合組成を表1~表3に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法にて、粘着剤および粘着シートを得た。
[評価項目および評価方法]
評価項目および評価方法は、以下の通りである。
(被着体汚染性)
得られた粘着シートを幅50mm・長さ100mmの大きさに準備し、測定試料とした。次いで、23℃-50%RHの雰囲気下で、測定試料から剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層をラミネーターにて苛性ソーダガラス板に貼着した。その後、75℃-75%RH条件下で240時間放置した。23℃-50%RHの雰囲気にて30分空冷した後、暗室にてLEDライトをガラス面に当てながら剥離し、粘着シートが貼ってあった箇所を目視し、その後エタノールを浸み込ませたさらし布で拭いて評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:汚染が全く見られない、優良。
○:若干の汚染が見られるが、目立たない、良好。
△:部分的に汚染が見られるが、一度で拭き取れる、実用可。
×:部分的又は全体に汚染が見られ、一度では拭き取りきれない、実用不可。
(耐熱粘着力)
得られた粘着シートを幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し、測定試料とした。次いで、23℃-50%RHの雰囲気下で、測定試料から剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層を苛性ソーダガラス板に貼着し、2kgロールを用いて圧着した。その後、75℃-75%RH条件下で240時間放置した。23℃-50%RHの雰囲気にて30分空冷した後、JISZ0237に準拠し、引張試験機(テンシロン:オリエンテック社製)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で粘着力を測定した。なお、粘着力が低い方が再剥離しやすい。評価基準は以下の通りである。
◎:50mN/25mm未満、優良。
○:50mN/25mm以上100mN/25mm、良好。
△:100mN/25mm以上200mN/25mm、実用可。
×:200mN/25mm超、実用不可。
(濡れ性)
得られた粘着シートを幅50mm・長さ200mmの大きさに準備し、測定試料とした。次いで、23℃-50%RH雰囲気下で30分間放置した後、測定試料から剥離シートを剥離した。粘着テープの両端を両手で持ちながら露出した粘着剤層の中心部をガラス板に接触させた後、両手を離した。測定試料の自重で粘着剤層全体がガラス板に密着するまでの時間を測定することで、粘着剤の濡れ性を評価した。ガラス板と密着するまでの時間が短いほどガラスに対する濡れ性(親和性)が良好であるため、ガラスを使用した製造工程でガラスを良好に保護することができる。評価基準は以下の通りである。
◎:密着まで3秒未満、優良。
○:密着まで3秒以上4秒未満、良好。
△:密着まで4秒以上5秒未満、実用可。
×:密着まで5秒以上、実用不可。
(乾燥機汚染性)
試料(エーテル系化合物(C)又は(C‘))を直径約4cmのメンタム缶に約1g入れ、それを150℃のオーブン中に20分放置した。次いで、23℃-50%RH雰囲気下で30分間放置した後、オーブン投入前後の重量変化を測定し、試料の不揮発性を評価した。

不揮発性(%)=[1-{(加熱前の総重量-加熱後の総重量)/試料の重量}]×100

評価基準は以下の通りである。
◎:95%以上、良好。
○:90%以上95%未満、良好。
△:80%以上90%未満、実用可。
×:80%未満、実用不可。
[評価結果]
評価結果を表1~表3に示す。
Figure 0007030269000001
Figure 0007030269000002
Figure 0007030269000003
表1~表3の結果から実施例1~26では、ウレタンポリオール(A)、イソシアネート硬化剤(B)、およびエーテル系化合物(C)を含み、前記エーテル系化合物(C)は、式(I)の構造であり、かつ分子量が300以上の化合物である粘着剤を製造した。
実施例1~26で得られた粘着シートはいずれも、75℃-75%RH条件下で保存した後の被着体汚染性、耐熱粘着力、ガラスに対する濡れ性、塗工工程で使用する乾燥機に対する汚染性の評価結果が良好であった。
粘着シートを例えば光学部材の表面保護用途で使用する場合、濡れ剤がエステル構造を有すると、耐久試験後に被着体汚染する場合がある。そこで結合基にエステルを含まないエーテル系化合物(C)を使用することで、耐久試験時の加水分解を抑制し、光学部材の透明性を維持することができた。
比較例1では、結合基にエステルを有する化合物(C’1)の濡れ剤を用いて粘着剤を製造した。比較例1で得られた粘着シートは、75℃-75%RH条件下で保存した後の被着体汚染性、および耐熱粘着力の評価結果が不良であった。
比較例2では、末端水酸基化合物(C’2)を用いて粘着剤を製造した。比較例2で得られた粘着シートは、75℃-75%RH条件下で保存した後の耐熱粘着力、および濡れ性の評価結果が不良であった。
比較例3では、分子量が300未満のエーテル系化合物(C’3)を用いて粘着剤を製造した。比較例3で得られた粘着シートは、75℃-75%RH条件下で保存した後の被着体汚染性、および乾燥機汚染性の評価結果が不良であった。
10:粘着シート
11:基材
12:粘着剤層
13:剥離シート

Claims (6)

  1. ウレタンポリオール(A)、イソシアネート硬化剤(B)およびエーテル系化合物(C)を含み、
    前記エーテル系化合物(C)が、下記構造式(I)で表される化合物であり、かつ分子量が300以上であ
    前記エーテル系化合物(C)の配合量が、ウレタンポリオール(A)100質量部に対して3~100質量部である、粘着剤。
    -O-(AO)n-R ・・・ (I)
    (Rは炭素数1~24の置換されてもよい炭化水素基を表す。Rは炭素数1~18の置換されてもよい炭化水素基を表す。RとRは同一構造でも異なる構造でも構わない。AOは炭素数2~4のアルキレンオキシ基を表す。nは1~30の整数である)
  2. 前記エーテル系化合物(C)の分子量が、400以上である、請求項1記載の粘着剤。
  3. 前記エーテル系化合物(C)が、エチレンオキシ基を有する化合物である、請求項1または2記載の粘着剤。
  4. 前記エーテル系化合物(C)が、さらにプロピレンオキシ基を含む化合物である、請求項記載の粘着剤。
  5. さらに、帯電防止剤(D)を含む、請求項1~いずれか1項に記載の粘着剤。
  6. 基材および請求項1~いずれか1項に記載の粘着剤の硬化物である粘着剤層を備える、粘着シート。
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