JP2018059121A - 粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程においてウレタン系粘着剤からなる塗工層が比較的速く硬化することができ、表面外観が良好な粘着層を形成することができ、必要に応じて粘着層を厚膜化することが可能な粘着シートを提供する。【解決手段】本発明は、基材シート(11)と、基材シート(11)の一方の面に形成されたウレタン系粘着剤の硬化物からなる粘着層(12)とを含む粘着シート(10)に関する。ウレタン系粘着剤は、1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)との共重合反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、多官能イソシアネート化合物(B)と、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して0.08〜0.70質量部の金属含有触媒(MC)とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シートに関する。
従来より、各種部材の表面保護シートとして、基材シート上に粘着層が形成された粘着シートが広く用いられている。粘着剤としては主に、アクリル系粘着剤とウレタン系粘着剤とがある。一般的に、アクリル系粘着剤は粘着力に優れるが、粘着シートを被着体に貼着する際に貼着界面に気泡を巻き込みやすい傾向がある。アクリル系粘着剤はまた、被着体に貼着した後の再剥離性が良くなく、再剥離後に被着体の表面に粘着剤が残る被着体汚染が生じやすい傾向がある。これに対して、ウレタン系粘着剤は、被着体に対して適度な粘着性を有し、被着体に対して良好な密着性を有しつつ、再剥離性にも優れる傾向がある。
本明細書において、「粘着剤」は再剥離性を有する粘着剤(再剥離型粘着剤)であり、「粘着シート」は再剥離性を有する粘着シート(再剥離粘着シート)である。
液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイ、並びに、かかるフラットパネルディスプレイとタッチパネルとを組み合わせたタッチパネルディスプレイは、テレビ(TV)、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、および携帯情報端末等の電子機器に広く使用されている。ウレタン系粘着シートは、フラットパネルディスプレイおよびタッチパネルディスプレイ、並びに、これらの製造工程で製造または使用される基板および光学部材等の表面保護シートとして好適に用いられる。
一般的な粘着シートの製造方法は、基材シート上に粘着剤を塗工する塗工工程と、形成された塗工層を加熱乾燥処理して粘着剤の硬化物を含む粘着層を形成する加熱工程と、得られた粘着シートを巻芯に巻取って粘着シートロールの形態とする巻取工程と、粘着シートロールを養生する養生工程とを含む。
粘着シートの製造においては、塗工層が比較的速く硬化することが好ましい。
塗工層が比較的速く硬化する場合、塗工層の加熱乾燥時の熱風、並びに、加熱乾燥後に得られる粘着シートの巻取り時および養生時に受ける機械的応力等に対して、塗工層および粘着層が影響を受けにくい。そのため、巻芯段差痕、ゆず肌、および巻癖等の不良が抑制され、表面外観が良好な粘着層を有する粘着シートを製造することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、粘着剤の厚膜塗工が容易である。粘着層を厚膜化できることで、クッション性に優れ、衝撃等から各種光学部材等の被着体を保護する性能(耐衝撃性等)に優れた粘着層を形成することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、養生期間を短縮化することができる。
しかしながら、一般的に、ウレタン系粘着剤は、アクリル系粘着剤に比して主成分樹脂の分子量が小さいため、硬化しにくい傾向がある。
特許文献1には、
OH基を3個有する数平均分子量Mnが8000〜20000のポリオール(A1)を含む1種以上のポリオール(A)と1種以上の多官能イソシアネート化合物(B)とを含むウレタン系粘着剤の硬化物からなる粘着層を備えた粘着シートが開示されている(請求項1、9)。
特許文献1に記載の粘着シートは、ポリウレタンポリオールを用いずにポリオールと多官能イソシアネート化合物とを含むウレタン系粘着剤をいわゆるワンショット法で硬化して粘着層を形成したものである。
特許文献2には、末端に第1級の水酸基を有し、水酸基価10〜40mgKOH/gであるポリウレタン樹脂(A)100重量部、多官能イソシアネート化合物(B)1〜20重量部、並びに、ポリアルキレングリコール系化合物、エポキシ系化合物およびリン酸エステル系化合物から選ばれる少なくとも1種(C)10〜100重量部を含有するウレタン系粘着剤が開示されている(請求項1)。
特許文献3には、ポリウレタンのプレポリマーおよびカルボン酸エステルを含む粘着剤であって、前記カルボン酸エステルが、下記条件1および条件2の少なくとも一方を満たすウレタン系粘着剤が開示されている(請求項1)。
(条件1)前記カルボン酸エステルが、分子中にエーテル結合を含む。
(条件2)前記カルボン酸エステルが、1分子中に炭素原子を31個以上含む。
特許文献4には、OH基を2個以上有するポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)と、ポリオール(A)100重量部に対して0.01重量部以上の触媒(C)とを含む組成物の硬化物からなる粘着層を備えた粘着シートが開示されている(請求項2、8、9)。特許文献4に記載の粘着シートは、ポリウレタンポリオールを用いずにポリオールと多官能イソシアネート化合物とを含む組成物をいわゆるワンショット法で硬化して粘着層を形成したものである。
なお、特許文献1〜4における各種成分の符号は、公報に記載の符号をそのまま記載したものであり、本発明の粘着シートで用いられる各種成分の符号とは、無関係である。
特開2014−111701号公報 特開2015−7226号公報 特開2015−151429号公報 特開2014−028878号公報
特許文献1には、上記ウレタン系粘着剤が好ましくはレベリング剤を含むことで、ゆず肌による外観ムラを抑制できることが記載されている(段落0073)。
特許文献1に記載のウレタン系粘着剤は、硬化性を速めたものではなく、レベリング剤の添加によってゆず肌を抑制している。したがって、厚膜塗工および養生期間の短縮化を実現することはできない。
特許文献2には、(A)成分は末端に第1級の水酸基を有することで粘着剤中の多官能イソシアネート化合物(B)との反応が速やかに進行し、乾燥硬化に時間を要しないことが記載されている(段落0036)。しかしながら、任意のポリウレタンポリオールを含むウレタン系粘着剤において、比較的速い硬化が実現できることが好ましい。
特許文献3には、上記粘着剤は、基材に塗工した後の加熱温度を高くできること、加熱温度をなるべく高くすることで硬化反応が進行しやすいことが記載されている(段落0140)。しかしながら、特許文献3には、「加熱温度は、好ましくは90℃を超える温度であり、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは130℃以上である。加熱温度の上限値は例えば、150℃以下である。」と記載されている(段落0139)。かかる加熱温度は従来一般的に採用されている加熱温度であり、従来以上に硬化反応速度を速めることはできない。
特許文献1、4で採用されているワンショット法は、硬化収縮により粘着層の表面外観が悪化しやすく、厚膜化には適していない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、製造工程においてウレタン系粘着剤からなる塗工層が比較的速く硬化することができ、表面外観が良好な粘着層を形成することができ、必要に応じて粘着層を厚膜化することが可能な粘着シートを提供することを目的とする。
本発明の粘着シートは、
基材シートと、当該基材シートの一方の面に形成されたウレタン系粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含む粘着シートであって、
前記ウレタン系粘着剤は、
1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)との共重合反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、
多官能イソシアネート化合物(B)と、
ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して0.08〜0.70質量部の金属含有触媒(MC)とを含む。
一般的に、シート状物は、厚みおよび幅に応じて、「テープ」、「フィルム」、または「シート」と称される。本明細書では、これらを特に区別せず、これらを包括する概念を表す用語として「シート」の用語を使用するものとする。
本明細書において、「エチレンオキシ基」は化学式「−CHCHO−」で表される基であり、「EO基」と略記する場合がある。同様に、開環反応によりEO基を形成するエチレンオキシドは「EO」と略記する場合がある。
本明細書において、特に明記しない限り、「Mn」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の数平均分子量であり、「Mw」は、GPC測定によって求めたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
本発明によれば、製造工程においてウレタン系粘着剤からなる塗工層が比較的速く硬化することができ、表面外観が良好な粘着層を形成することができ、必要に応じて粘着層を厚膜化することが可能な粘着シートを提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の粘着シートの模式断面図である。 本発明に係る第2実施形態の粘着シートの模式断面図である。 本発明に係る第3実施形態の粘着シートの模式断面図である。
本発明は、基材シートと、ウレタン系粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含む粘着シートに関する。
[ウレタン系粘着剤]
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は、1種以上のポリウレタンポリオール(A)と、1種以上の多官能イソシアネート化合物(B)と、1種以上の金属含有触媒(MC)とを含む。
(ポリウレタンポリオール(A))
ポリウレタンポリオール(A)は、1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)とを共重合反応させて得られる反応生成物である。共重合反応は必要に応じて、1種以上の触媒存在下で行うことができる。共重合反応には必要に応じて、1種以上の溶剤を用いることができる。
<ポリオール(x)>
ポリオール(x)の種類は特に制限されず、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびひまし油系ポリオール等が挙げられる。中でも、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびこれらの組合せが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては公知のものを用いることができ、1種以上のポリオール成分と1種以上の酸成分とのエステル化反応によって得られる化合物(エステル化物)が挙げられる。
原料のポリオール成分としては、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール(PG)、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびヘキサントリオール等が挙げられる。
原料の酸成分としては、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、ダイマー酸、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、およびこれらの酸無水物等が挙げられる。
ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は特に制限されず、好ましくは500〜5,000、より好ましくは600〜4,000、特に好ましくは800〜3,000である。Mnが500以上であることで、ポリウレタンポリオール(A)のゲル化が効果的に抑制される。Mnが5,000以下であることで、ポリウレタンポリオール(A)の凝集力が好適となる。
ポリエーテルポリオールとしては公知のものを用いることができ、1分子中に2つ以上の活性水素を有する活性水素含有化合物を開始剤として用い、1種以上のオキシラン化合物を付加重合させて得られる化合物(付加重合物)が挙げられる。
開始剤としては、水酸基含有化合物およびアミン等が挙げられる。具体的には、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール(PG)、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、N−アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、およびキシリレンジアミン等の2官能開始剤;グリセリン、トリメチロールプロパン、およびトリエタノールアミン等の3官能開始剤;ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、および芳香族ジアミン等の4官能開始剤;ジエチレントリアミン等の5官能開始剤等が挙げられる。
オキシラン化合物としては、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、およびブチレンオキシド(BO)等のアルキレンオキシド(AO);テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、活性水素含有化合物のアルキレンオキシド付加物(「ポリオキシアルキレンポリオール」ともいう)が好ましい。中でも、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、およびポリテトラメチレングリコール等の2官能ポリエーテルポリオール;グリセリンのアルキレンオキシド付加物等の3官能ポリエーテルポリオール等が好ましい。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)は特に制限されず、好ましくは500〜5,000、より好ましくは600〜4,000、特に好ましくは800〜3,000である。Mnが500以上であることで、ポリウレタンポリオール(A)のゲル化が効果的に抑制される。Mnが5,000以下であることで、ポリウレタンポリオール(A)の凝集力が好適となる。
粘着層が高い凝集力を有することができ、粘着シートの製造工程における粘着層の巻芯段差痕、ゆず肌、および巻癖等の表面外観不良の発生が抑制されることから、ポリウレタンポリオール(A)の原料である1種以上のポリオール(x)は、1種以上のポリエステルポリオールを含むことが好ましい。表面外観不良が効果的に抑制される観点から、1種以上のポリオール(x)の総量に占める1種以上のポリエステルポリオールの量は多い程良く、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、特に好ましくは70〜100質量%である。
1種以上のポリオール(x)の官能基数(水酸基数)は任意であり、必要に応じて官能基数の異なる複数種のポリオールを併用してもよい。一般的に、2官能ポリオールは2次元架橋性を有し、粘着層に適度な柔軟性を付与することができる。3官能以上のポリオールは3次元架橋性を有し、粘着層に適度な硬さを付与することができる。用途あるいは要求される特性に応じて、1種以上のポリオール(x)の官能基数を選択することができる。
一般的に、ウレタン系粘着剤は、アクリル系粘着剤に比して、主成分樹脂の分子量が小さいため、硬化しにくい傾向がある。
一般的に、ポリオール(x)の官能基数が少ない程、得られるポリウレタンポリオール(A)の架橋性が低下して硬化性が低下する傾向がある。具体的には、1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールを含む場合、特に1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールのみからなる場合、得られるポリウレタンポリオール(A)の硬化性が低下する傾向がある。
1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールを含む場合、得られるウレタン系粘着剤が硬化しにくく、良好なポットライフを実現できるメリットがあるが、特に厚膜塗工条件においてウレタン系粘着剤からなる塗工層の初期硬化性が不充分となる恐れがある。
詳細については後記するが、本発明で用いられるウレタン系粘着剤が特定量の1種以上の金属含有触媒(MC)を含むことで、ポリウレタンポリオール(A)の原料であるポリオール(x)の種類によらず、良好なポットライフを実現しつつ、ウレタン系粘着剤からなる塗工層の硬化性を効果的に高めることができる。
本発明は、硬化性の低いポリウレタンポリオール(A)を用いる場合、例えば1種以上の2官能ポリエステルポリオールを用いて得られるポリウレタンポリオール(A)を用いる場合に、有効である。
ウレタン系粘着剤が良好なポットライフを有し、粘着層が高い凝集力を有することができ、粘着シートの製造工程における粘着層の巻芯段差痕、ゆず肌、および巻癖等の表面外観不良の発生が抑制され、かつ、厚膜塗工条件においても塗工層の硬化性を効果的に高めることができることから、ポリウレタンポリオール(A)の原料である1種以上のポリオール(x)は1種以上の2官能ポリエステルポリオールを含むことが好ましく、1種以上のポリエステルポリオールの総量に占める1種以上の2官能ポリエステルポリオールの量は好ましくは20〜100質量%、より好ましくは30〜100質量%、特に好ましくは50〜100質量%である。
<ポリイソシアネート(y)>
ポリイソシアネート化合物(y)としては公知のものを使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、および脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、および4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、および1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、および1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
その他、ポリイソシアネートとしては、上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ビュウレット体、および3量体(この3量体はイソシアヌレート環を含む。)等が挙げられる。
ポリイソシアネート(y)としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、および、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)等が好ましい。
ポリウレタンポリオール(A)の重合において、1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)とは、1種以上のポリオール(x)中の水酸基(OH)のモル数に対する、1種以上のポリイソシアネート(y)中のイソシアネート基(NCO)のモル数の比(NCO/OH官能基比)が0.5〜0.95となる比率で反応させることが好ましい。
<触媒>
ポリウレタンポリオール(A)の重合には必要に応じて、1種以上の触媒を用いることができる。触媒としては公知のものを使用でき、金属含有触媒(MC)および他の触媒(非金属含有触媒)(NMC)が挙げられる。
ポリウレタンポリオール(A)の重合に用いられる触媒が1種以上の金属含有触媒(MC)を含む場合、ポリウレタンポリオール(A)の重合に使用された1種以上の金属含有触媒(MC)は、最終的にウレタン系粘着剤の成分として残る場合がある。金属含有触媒(MC)としては、錫系化合物および非錫系化合物等が挙げられる。これらの例示は、後記する。
他の触媒(非金属含有触媒)(NMC)としては、3級アミン系化合物等が挙げられる。3級アミン系化合物としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、および1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)等が挙げられる。
触媒は、1種または2種以上用いることができる。
反応性の異なる複数種のポリオール(x)を併用する場合、これらの反応性の相違により、単一触媒の系ではゲル化または反応溶液の白濁が生じやすくなる恐れがある。この場合、2種以上の触媒を用いることにより、反応(例えば反応速度等)を制御しやすく、上記問題を解決することができる。反応性の異なる複数種のポリオール(x)を併用する系では、2種以上の触媒を用いることが好ましい。2種以上の触媒の組合せは特に制限されず、3級アミン/有機金属系、錫系/非錫系、および錫系/錫系等が挙げられる。好ましくは錫系/錫系、より好ましくはジブチル錫ジラウレートと2−エチルヘキサン酸錫である。
2−エチルヘキサン酸錫とジブチル錫ジラウレートとの質量比(2−エチルヘキサン酸錫/ジブチル錫ジラウレート)は特に制限されず、好ましくは0超1未満、より好ましくは0.2〜0.6である。当該質量比が1未満であれば、触媒活性のバランスが良く、ゲル化を効果的に抑制することができる。
1種以上の触媒の使用量は特に制限されず、1種以上のポリオール(x)と1種以上の有機ポリイソシアネート(y)との合計量に対して、好ましくは0.01〜1.0質量%である。
<溶剤>
ポリウレタンポリオール(A)の重合には必要に応じて、1種以上の溶剤を用いることができる。溶剤としては公知のものを使用でき、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、およびアセトン等が挙げられる。
<重合方法>
ポリウレタンポリオール(A)の重合方法としては特に制限されず、塊状重合法および溶液重合法等の公知重合方法を適用することができる。
重合手順は特に制限されず、
手順1)1種以上のポリオール(x)、1種以上のポリイソシアネート(y)、必要に応じて1種以上の触媒、および必要に応じて1種以上の溶剤を一括してフラスコに仕込む手順;
手順2)1種以上のポリオール(x)、必要に応じて1種以上の触媒、および必要に応じて1種以上の溶剤をフラスコに仕込み、これに1種以上のポリイソシアネート(y)を滴下添加する手順が挙げられる。
反応を制御しやすいことから、手順2)が好ましい。
触媒を使用する場合の反応温度は、好ましくは100℃未満、より好ましくは85〜95℃である。反応温度が100℃未満であれば、反応速度および架橋構造等の制御がしやすく、所望の分子量を有するポリウレタンポリオール(A)を生成しやすい。
触媒を使用しない場合の反応温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上である。触媒を使用しない場合の反応時間は、好ましくは3時間以上である。
ポリウレタンポリオール(A)の重量平均分子量(Mw)は特に制限されず、粘着剤の塗工性、粘着層の耐熱性、および再剥離性等の観点から、好ましくは1万〜50万、より好ましくは3万〜40万、特に好ましくは5万〜35万である。ポリウレタンポリオール(A)のMwが適切な範囲にあることで良好な塗工性が得易い。
ポリウレタンポリオール(A)の水酸基価は特に制限されず、好ましくは5〜40mgKOH/g、より好ましくは5〜35mgKOH/gである。ポリウレタンポリオール(A)の水酸基価が5mgKOH/g以上であれば、粘着層の粘着力、耐熱性、および耐湿熱性等の特性が良好となる。ポリウレタンポリオール(A)の水酸基価が35mgKOH/g以下であれば、粘着層の柔軟性が良好となる。
なお、水酸基価は、[実施例]の項に記載の方法にて測定することができる。
(多官能イソシアネート化合物(B))
多官能イソシアネート化合物(B)は、ポリウレタンポリオール(A)の硬化剤である。多官能イソシアネート化合物(B)としては公知のものを使用でき、ポリウレタンポリオール(A)の原料であるポリイソシアネート(y)で例示した化合物(具体的には、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、および、これらのトリメチロールプロパンアダクト体/ビュウレット体/3量体)を用いることができる。
1種以上のポリウレタンポリオール(A)の水酸基(OH)のモル数に対する、1種以上の多官能イソシアネート化合物(B)のイソシアネート基(NCO)のモル数の比(NCO/OH官能基比)は特に制限されず、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.25〜3.75、特に好ましくは1.5〜3.5である。NCO/OH官能基比が1.0以上であれば粘着層の凝集力が良好となり、NCO/OH官能基比が4.0以下であれば粘着層の粘着力が良好となる。
1種以上のポリウレタンポリオール(A)100質量部に対する1種以上の多官能イソシアネート化合物(B)の配合量は特に制限されず、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは5〜25質量部である。配合量が1質量部以上であれば粘着層の凝集力が良好となり、配合量が30質量部以下であれば粘着層の粘着力が良好となる。
(可塑剤(P))
本発明で用いられるウレタン系粘着剤はさらに必要に応じて、1種以上可塑剤(P)を含むことができる。ウレタン系粘着剤が1種以上可塑剤(P)を含むことで、粘着層の濡れ性が向上し、粘着シートを被着体に貼着する際に貼着界面に気泡を巻き込みにくくなる。可塑剤(P)としては特に制限されず、他の成分との相溶性等の観点から、炭素数10〜30の有機酸エステルが好ましい。
炭素数10〜30の有機酸エステルとしては、炭素数6〜18の一塩基酸または多塩基酸と炭素数18以下の分岐アルコールとのエステル、炭素数14〜18の不飽和脂肪酸または分岐酸と4価以下のアルコールとのエステル、および、炭素数6〜18の一塩基酸または多塩基酸とポリアルキレングリコールとのエステル等が挙げられる。
炭素数6〜18の一塩基酸または多塩基酸と炭素数18以下の分岐アルコールとのエステルとしては、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソステアリル、セバシン酸ジイソセチル、トリメリット酸トリオレイル、およびトリメリット酸トリイソセチル等が挙げられる。
炭素数14〜18の不飽和脂肪酸または分岐酸としては、ミリストレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソパルミチン酸、およびイソステアリン酸等が挙げられる。4価以下のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびソルビタン等が挙げられる。
炭素数6〜18の一塩基酸または多塩基酸とポリアルキレングリコールとのエステルとしては、ジヘキシル酸ポリエチレングリコール、ジ−2−エチルヘキシル酸ポリエチレングリコール、ジラウリル酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、およびアジピン酸ジポリエチレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。
1種以上の可塑剤(P)は、1分子中に1つ以上のエチレンオキシ(EO)基を有する有機酸エステル(EO基含有有機酸エステルともいう)を1種以上含むことが好ましい。
一般的に粘着層は高温高湿環境に曝されたときに、外部環境の水分の影響を受けて白濁(白化ともいう)して、外観が悪化する場合がある。そのため、粘着層は、耐湿熱白化性が良好であることが好ましい。1種以上のEO基含有有機酸エステルを用いることで、粘着層の親水性が向上し、湿熱白化を抑制することができる。粘着層の親水性向上によって粘着層と外部環境との間の水分の移行が起こりやすくなり、外部から粘着層に水分が侵入したとしても、粘着層から外部環境への水分の排出も起こりやすく、粘着層内の水分量を相対的に低く維持できると考えられる。
親水性の指標としては、水接触角が挙げられる。1種以上のEO基含有有機酸エステルを用いることで、例えば、粘着層の表面に水を滴下してから61000ms経過した後の水接触角が40〜80°である粘着層を形成することができる。
なお、「水接触角」は、[実施例]の項に記載の方法にて測定することができる。
EO基含有有機酸エステルのEO基数は特に制限されず、粘着剤の塗工性および粘着層の耐湿熱白化性向上の観点から、好ましくは1〜20、より好ましくは4〜14、特に好ましくは6〜8である。EO基含有有機酸エステルとしては、EO基含有ポリエーテルエステル系可塑剤等が挙げられる。EO基含有ポリエーテルエステル系可塑剤としては、ポリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート等のポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル等が挙げられる。
有機酸エステルの分子量(式量またはMn)は特に制限されず、濡れ性向上等の観点から、好ましくは300〜1,000、より好ましくは400〜900、特に好ましくは500〜850である。分子量が300以上であれば粘着層の耐熱性が良好となり、分子量が1000以下であれば粘着剤の濡れ性が良好となる。
1種以上のポリウレタンポリオール(A)100質量部に対する1種以上の可塑剤(P)の配合量は、好ましくは10〜70質量部、より好ましくは20〜50質量部である。
配合量が10質量部以上であれば、可塑剤(P)の添加効果(濡れ性向上効果)が効果的に発現することができる。配合量が70質量部以下であれば、本来必要な粘着剤の主有効成分であるポリウレタンポリオール(A)の量が充分に確保され、粘着剤として必要な性能が確保される。
(金属含有触媒(MC))
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は、1種以上の金属含有触媒(MC)を含む。
なお、1種以上の金属含有触媒(MC)の添加タイミングは特に制限されない。1種以上の金属含有触媒(MC)は、1種以上のポリウレタンポリオール(A)の重合時に添加してもよい。1種以上の金属含有触媒(MC)は、1種以上のポリウレタンポリオール(A)、1種以上の多官能イソシアネート化合物(B)、および必要に応じて他の任意成分を配合してウレタン系粘着剤を調製する際に、添加してもよい。
金属含有触媒(MC)としては、錫系化合物および非錫系化合物等が挙げられる。
錫系化合物としては、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、および2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、およびブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系;オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、およびナフテン酸鉛等の鉛系;2−エチルヘキサン酸鉄および鉄アセチルアセトネート等の鉄系;安息香酸コバルトおよび2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系;ナフテン酸亜鉛および2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系;ナフテン酸ジルコニウム等のジルコニウム系が挙げられる。
1種以上のポリウレタンポリオール(A)100質量部に対する1種以上の金属含有触媒(MC)の添加量は0.08〜0.70質量部、好ましくは0.09〜0.65質量部、特に好ましくは0.10〜0.60質量部である。
一般的に、ウレタン系粘着剤は、アクリル系粘着剤に比して、主成分樹脂の分子量が小さいため、硬化しにくい傾向がある。
一般的に、ポリオール(x)の官能基数が少ない程、得られるポリウレタンポリオール(A)の架橋性が低下して硬化性が低下する傾向がある。具体的には、1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールを含む場合、特に1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールのみからなる場合、得られるポリウレタンポリオール(A)の硬化性が低下する傾向がある。
1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールを含む場合、得られるウレタン系粘着剤が硬化しにくく、良好なポットライフを実現できるメリットがあるが、特に厚膜塗工条件においてウレタン系粘着剤からなる塗工層の初期硬化性が不充分となる恐れがある。
1種以上の金属含有触媒(MC)の添加量が0.08質量部以上であれば、ポリウレタンポリオール(A)の種類によらず、ウレタン系粘着剤からなる塗工層の硬化性を効果的に高めることができる。1種以上の金属含有触媒(MC)の添加量が0.70質量部以下であれば、ウレタン系粘着剤は良好なポットライフを有することができる。
粘着シートの製造工程において、塗工層が比較的速く硬化する場合、塗工層の加熱乾燥時の熱風あるいは加熱乾燥後に得られる粘着シートの巻取り時に受ける機械的応力等に対して、塗工層および粘着層が影響を受けにくい。そのため、巻芯段差痕、ゆず肌、および巻癖等の不良の発生が抑制され、表面外観が良好な粘着層を有する粘着シートを製造することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、粘着剤の厚膜塗工が容易である。粘着層を厚膜化できることで、クッション性に優れ、衝撃等から各種光学部材等の被着体を保護する性能(耐衝撃性等)に優れた粘着層を形成することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、養生期間を短縮化することができる。
なお、本発明で用いられるウレタン系粘着剤は必要に応じて、1種以上の金属含有触媒(MC)に合わせて、1種以上の他の触媒(非金属含有触媒)(NMC)を含むことができる。他の触媒(非金属含有触媒)(NMC)としては3級アミン系化合物等が挙げられる。3級アミン系化合物の例示は、ポリウレタンポリオール(A)の重合で用いられる触媒と同様である。
(溶剤)
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は必要に応じて、1種以上の溶剤を含むことができる。溶剤としては公知のものを使用でき、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、およびアセトン等が挙げられる。
(変質防止剤)
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は必要に応じて、1種以上の変質防止剤を含むことができる。これにより、粘着層の長期使用による各種特性の低下を抑制することができる。変質防止剤としては、耐加水分解剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、および光安定剤等が挙げられる。
(耐加水分解剤)
高温高湿環境下等において粘着層に加水分解反応が生じてカルボキシ基が生成した場合、このカルボキシ基を封鎖するために、1種以上の耐加水分解剤を用いることができる。
耐加水分解剤としては、カルボジイミド系、イソシアネート系、オキサゾリン系、およびエポキシ系等が挙げられる。中でも、加水分解抑制効果の観点から、カルボジイミド系が好ましい。
カルボジイミド系加水分解抑制剤は、1分子中に1つ以上のカルボジイミド基を有する化合物である。
モノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、およびナフチルカルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物は、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させて生成することができる。ここで、ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、およびテトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。カルボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、およびこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等が挙げられる。
イソシアネート系加水分解抑制剤としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1, 4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、および3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
オキサゾリン系加水分解抑制剤としては、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4 −メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’ −エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、および2,2’−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)等が挙げられる。
エポキシ系加水分解剤としては、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、およびポリアルキレングリコール等の脂肪族ジオールのジグリシジルエーテル;ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、グリセロール、およびトリメチロールプロパン等の脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル;シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ポリオールのポリグリシジルエーテル;テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、およびセバシン酸等の脂肪族または芳香族の多価カルボン酸のジグリシジルエステルまたはポリグリシジルエステル;レゾルシノール、ビス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、および1,1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタン等の多価フェノールのジグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテル;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、およびN,N,N',N'−テトラグリシジル−ビス−(p−アミノフェニル)メタン等のアミンのN−グリシジル誘導体;アミノフェールのトリグリシジル誘導体;トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、およびトリグリシジルイソシアヌレート;オルソクレゾール型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられる。
1種以上の耐加水分解剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部、より好ましくは0.2〜4.5質量部、特に好ましくは0.5〜3.0質量部である。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、ラジカル捕捉剤および過酸化物分解剤等が挙げられる。ラジカル捕捉剤としては、フェノール系化合物およびアミン系化合物等が挙げられる。過酸化物分解剤としては、硫黄系化合物およびリン系化合物等が挙げられる。
フェノール系化合物としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリン−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、およびトコフェノール等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、および2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
1種以上の酸化防止剤を用いることで、ポリウレタンポリオール(A)の熱劣化を防ぎ、粘着層からの可塑剤(P)のブリードアウトを効果的に抑制することができる。
1種以上の酸化防止剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜2.0質量部、より好ましくは0.1〜1.5質量部、特に好ましくは0.2〜1.0質量部である。
酸化防止剤としては、安定性と酸化防止効果の観点から、ラジカル捕捉剤であるフェノール系化合物を1種以上用いることが好ましく、ラジカル捕捉剤である1種以上フェノール系化合物と過酸化物分解剤である1種以上リン系化合物とを併用することがより好ましい。また、酸化防止剤として、ラジカル捕捉剤である1種以上のフェノール系化合物と過酸化物分解剤である1種以上のリン系化合物とを併用し、これら酸化防止剤と前述の1種以上の耐加水分解剤とを併用することが特に好ましい。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびトリアジン系化合物等が挙げられる。
1種以上の紫外線吸収剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜3.0質量部、より好ましくは0.1〜2.5質量部、特に好ましくは0.2〜2.0質量部である。
(光安定剤)
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物およびヒンダードピペリジン系化合物等が挙げられる。1種以上の光安定剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜2.0質量部、より好ましくは0.1〜1.5質量部、特に好ましくは0.2〜1.0質量部である。
(レベリング剤)
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は必要に応じて、1種以上のレベリング剤を含むことができる。ウレタン系粘着剤に1種以上のレベリング剤を添加することで、粘着層のレベリング性を向上させることができる。レベリング剤としては、アクリル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤、およびシリコン系レベリング剤等が挙げられる、粘着シート再剥離後の被着体汚染抑制の観点から、アクリル系レベリング剤等が好ましい。
レベリング剤の重量平均分子量(Mw)は特に制限されず、好ましくは500〜20,000、より好ましくは1,000〜15,000、特に好ましくは2,000〜10,000である。Mwが500以上であれば、塗工層の加熱乾燥時において塗工層からの気化量が充分に少なく周囲の汚染が抑制される。Mwが20,000以下であれば、粘着層のレベリング性の向上効果が効果的に発現する。
1種以上のレベリング剤の添加量は特に制限されず、粘着シート再剥離後の被着体汚染抑制と粘着層のレベリング性向上の観点から、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.001〜2.0質量部、より好ましくは0.01〜1.5質量部、特に好ましくは0.1〜1.0質量部である。
(他の任意成分)
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は必要に応じて、帯電防止剤、シランカップリング剤、着色剤、消泡剤、湿潤剤、耐候安定剤、および軟化剤等の他の1種以上の添加剤を含むことができる。
[粘着層]
粘着層は、ウレタン系粘着剤の硬化物からなる。
粘着層のプローブタックは、好ましくは0.01〜0.30N/cm、より好ましくは0.02〜0.25N/cm、特に0.05〜0.2N/cmである。かかる範囲のプローブタックを有する粘着層は、粘着力が好適であり、被着体に対して良好な貼着性を有することができる。
例えば、ポリウレタンポリオール(A)に対して配合する多官能イソシアネート化合物(B)の種類と量を調整することで、粘着層の上記粘着力を好ましい範囲に調整することができる。ポリウレタンポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)の種類が同じ条件であれば、多官能イソシアネート化合物(B)の量が多くなる程、プローブタックが低下する傾向がある。
なお、本明細書において、プローブタックは、[実施例]の項に記載の方法にて測定するものとする。
粘着層の好ましいせん断力は、以下の通りである。
粘着シートの粘着層側を10×20mmの接触面積でガラス板に貼着し、50mm/分の剥離速度で粘着シートをガラス板から180°方向に剥離した際のせん断力は、好ましくは5〜25N/cm、より好ましくは6〜20N/cm、特に好ましくは7〜15N/cmである。
せん断力が5N/cm以上であれば、粘着層が伸びにくく、被着体に貼着する際の粘着シートの貼着性が良好となり、被着体に貼着する際の粘着シートの位置調整および貼直しが容易となる。せん断力が25N/cm以下であれば、粘着層が伸びすぎて被着体に貼着した後に粘着シートの位置ずれ生じることが抑制される。
例えば、ポリウレタンポリオール(A)に対して配合する多官能イソシアネート化合物(B)の種類と量および可塑剤(P)の種類と量を調整することで、粘着層の上記せん断力を好ましい範囲に調整することができる。ポリウレタンポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)の種類が同じ条件であれば、多官能イソシアネート化合物(B)の量が多くなる程、せん断力が増加する傾向がある。ポリウレタンポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)の種類が同じ条件であれば、可塑剤(P)を添加することで、せん断力が低下する傾向がある。可塑剤(P)の種類が同じ条件であれば、可塑剤(P)の量が多くなる程、せん断力が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、せん断力は、[実施例]の項に記載の方法にて測定するものとする。
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は、薄膜塗工にも厚膜塗工にも好適に用いることができ、従来よりも粘着層の厚みの設計自由度が高い。粘着層の厚みは粘着シートの用途によって適宜設計でき、従来レベル(5〜30μm)でもよいし、従来は難しかった30μm以上の厚膜レベルでもよい。粘着層を厚膜化することで、耐衝撃性に優れ、衝撃等から被着体を保護する機能に優れた粘着層を形成することができる。粘着層の厚みの上限は特に制限されず、表面平滑性が良好な粘着層を形成できることから、200μm程度である。耐衝撃性向上と表面平滑性の観点から、粘着層の厚みは、好ましくは30〜200μm、より好ましくは40〜150μm、特に好ましくは50〜150μmである。なお、本明細書において、「粘着層の厚み」は特に明記しない限り、乾燥後の厚みである。
[粘着シートの実施形態]
本発明の粘着シートは、基材シートと、ウレタン系粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含む。粘着層は、基材シートの片面または両面に形成することができる。必要に応じて、粘着層の露出面は、剥離シート(剥離ライナーともいう)で被覆することができる。なお、剥離シートは、粘着シートを被着体に貼着する際に剥離される。
図1〜図3に、本発明に係る第1〜第3実施形態の粘着シートの模式断面図を示す。図1〜図3中、符号10X、10Y、10Zは粘着シート、符号11は基材シート、符号12は粘着層、符号13X、13Y、13Zは剥離シートである。粘着シート10X、10Y、10Zはいずれも、基材シートの片面に粘着層が形成された片面粘着シートである。なお、図1〜図3中、同じ構成要素には同じ参照符号を付してある。
(基材シート)
基材シート11は、シート本体11Aからなる単層シートでもよいし、シート本体11Aの少なくとも一方の面に任意の1層以上の層が積層された積層シートでもよい。粘着シート10X、10Y、10Zの帯電防止の観点から、基材シート11は好ましくは、シート本体11Aとその粘着層12の非形成側の面に形成された帯電防止層11Bとを含む。基材シート11が帯電防止層11Bを含む場合、電子機器に影響を与える静電気の発生等を抑制することができる。
シート本体11Aとしては特に制限されず、樹脂シート、紙、および金属箔等が挙げられ、樹脂シートが好ましい。
樹脂シートの構成樹脂としては特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)等エステル系樹脂;ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ナイロン66等のアミド系樹脂;ウレタン系樹脂(発泡体を含む);これらの組合せ等が挙げられる。シート本体11Aとしては、PETシート等が好ましい。
ポリウレタンシートを除く樹脂シートの厚みは特に制限されず、好ましくは15〜300μmである。ポリウレタンシート(発泡体を含む)の厚みは特に制限されず、好ましくは20〜50,000μmである。
表面平滑性に優れた粘着層12を形成できることから、シート本体11Aの算術平均粗さ(Ra)は、好ましくは0.7μm以下、より好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.2μm以下である。
シート本体11Aは透明性が高いことが好ましく、シート本体11Aのヘーズは好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下である。
帯電防止層11Bは、1種以上の帯電防止剤(AS)を含む。帯電防止剤(AS)としては公知のものを使用でき、界面活性剤(SF)および導電性ポリマー(EP)等が挙げられる。
帯電防止剤(AS)として用いられる界面活性剤(SF)は、低分子界面活性剤と高分子界面活性剤とに分類される。いずれのタイプにおいても、非イオン性、アニオン性、カチオン性、および両性のタイプがある。
非イオン性の低分子界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル、および脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
アニオン性の低分子界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、およびアルキルホスフェート等が挙げられる。
カチオン性の低分子界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
両性の低分子界面活性剤としては、アルキルベタインおよびアルキルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
非イオン性の高分子界面活性剤としては、ポリエーテルエステルアミド型、エチレンオキシド−エピクロルヒドリン型、およびポリエーテルエステル型等が挙げられる。
アニオン性の高分子界面活性剤としては、ポリスチレンスルホン酸型等が挙げられる。
カチオン性の高分子界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体型等が挙げられる。
両性の高分子界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、および高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
帯電防止剤(AS)として用いられる導電性ポリマー(EP)としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(1,6−ヘプタジイン)、ポリビフェニレン(ポリパラフェニレン)、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリフェニルアセチレン、ポリ(2,5−チエニレン)、およびこれらの誘導体等が挙げられる。
帯電防止剤(AS)としては、導電性ポリマー(EP)が好ましい。
一般的に粘着シートは高温高湿環境に曝されたときに白濁(白化)する場合がある。導電性ポリマー(EP)は界面活性剤(SF)に比して親水性が低いため、帯電防止剤(AS)として1種以上の導電性ポリマー(EP)を用いることで、帯電防止層11Bが湿度の影響を受けにくくなり、湿熱白化を抑制することができると考えられる。
なお、親水性の指標としては、水接触角が挙げられる。帯電防止層11Bは、好ましくは、帯電防止層の表面に水を滴下してから1000ms経過した後の水接触角が40〜110°、より好ましくは60〜110°、特に好ましくは70〜110°である。
図1〜図3に示すように、剥離シート13X、13Y、13Zは、シート本体13Aと、その粘着層12側の表面に形成された剥離剤層13Lとを含む。図2および図3に示すように、粘着シートの帯電防止の観点から、剥離シート13Y、13Zはさらに、粘着層12と反対側の表面に形成された帯電防止層13Bを含むことができる。図3に示すように、粘着シートの帯電防止向上の観点から、剥離シート13Zはさらに、シート本体13Aと剥離剤層13Lとの間にも帯電防止層13Bを含むことができる。
シート本体13Aとしては、樹脂シートおよび紙等が挙げられる。
剥離剤層13Lは、シリコーン樹脂等の1種以上の剥離剤を含む。
帯電防止層13Bに用いられる1種以上の帯電防止剤は、上記の基材シート11の帯電防止層11Bと同様である。耐湿熱白化性向上の観点から、帯電防止層13Bは、1種以上の導電性ポリマー(EP)を含むことが好ましい。帯電防止層11Bと同様、帯電防止層13Bは好ましくは、帯電防止層の表面に水を滴下してから1000ms経過した後の水接触角が40〜110°である。
粘着シート10X、10Y、10Zは、公知方法にて製造することができる。
はじめに、基材シート11の表面にウレタン系粘着剤を塗工して、ウレタン系粘着剤からなる塗工層を形成する。塗布方法は公知方法を適用でき、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、およびグラビアコーター法等が挙げられる。
次に、塗工層を乾燥および硬化して、ウレタン系粘着剤の硬化物を含む粘着層を形成する。加熱乾燥温度は特に制限されず、60〜150℃程度が好ましい。
次に必要に応じて、公知方法により粘着層12の露出面に剥離シート13X、13Yを貼着する。
以上のようにして、粘着シート10X、10Y、10Zを製造することができる。
上記方法とは逆に、13X、13Y、13Zの表面にウレタン系粘着剤を塗工してウレタン系粘着剤からなる塗工層を形成し、次いで塗工層を乾燥および硬化してウレタン系粘着剤の硬化物を含む粘着層12を形成し、最後に粘着層12の露出面に基材シート11を積層してもよい。
製造された10X、10Y、10Zは好ましくは、巻芯に巻取って粘着シートロールの形態とすることができる。さらに、この時点の粘着層12には未硬化物が残っている場合があるため、粘着シートロールをある程度の期間養生することが好ましい。
(用途)
本発明の粘着シートは、テープ、ラベル、およびシール等の形態で、使用することができる。本発明の粘着シートは、表面保護シート、化粧用シート、および滑り止めシート等として好適に使用される。
液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイ、並びに、かかるフラットパネルディスプレイとタッチパネルとを組み合わせたタッチパネルディスプレイは、テレビ(TV)、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、および携帯情報端末等の電子機器に広く使用されている。
本発明の粘着シートは、フラットパネルディスプレイおよびタッチパネルディスプレイ、並びに、これらの製造工程で製造または使用される基板および光学部材等の表面保護シートとして好適に用いられる。
以上説明したように、本発明によれば、製造工程においてウレタン系粘着剤からなる塗工層が比較的速く硬化することができ、表面外観が良好な粘着層を形成することができ、必要に応じて粘着層を厚膜化することが可能な粘着シートを提供することができる。
粘着シートの製造工程において、塗工層が比較的速く硬化する場合、塗工層の加熱乾燥時の熱風あるいは加熱乾燥後に得られる粘着シートの巻取り時に受ける機械的応力等に対して、塗工層および粘着層が影響を受けにくい。そのため、粘着層の巻芯段差痕、ゆず肌、および巻癖等の不良の発生が抑制され、表面外観が良好な粘着層を有する粘着シートを製造することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、粘着剤の厚膜塗工が容易である。粘着層を厚膜化できることで、クッション性に優れ、衝撃等から各種光学部材等の被着体を保護する性能(耐衝撃性等)に優れた粘着層を形成することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、養生期間を短縮化することができる。
本発明は、ポリウレタンポリオール(A)の硬化性が低い場合に、特に有効である。本発明は例えば、ポリウレタンポリオール(A)の原料である1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールを含む場合に、有効である。
ウレタン系粘着剤が1種以上の可塑剤(P)を含み、さらに1種以上の可塑剤(P)が1種以上のEO基含有有機酸エステルを含む場合、粘着層の親水性が向上し、粘着層の耐湿熱白化を向上することができる。
粘着シートの基材シートが帯電防止層を含む場合、粘着シートが帯電防止性を有し、好ましい。さらに、帯電防止層が1種以上の導電性ポリマー(EP)を含む場合、帯電防止層が湿度の影響を受けにくく、粘着層の耐湿熱白化を向上することができる。
以下、合成例、本発明に係る実施例、および比較例について説明する。
[各種物性の評価項目および評価方法]
(重量平均分子量(Mw))
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定した。測定条件は以下の通りとした。なお、Mwは、ポリスチレン換算値である。
<測定条件>
装置:SHIMADZU Prominence(島津製作所社製)、
カラム:TOSOH TSK−GEL GMHXL(東ソー社製)を3本直列に接続、
溶媒:テトラヒドロフラン、
流速:0.5ml/min、
溶媒温度:40℃、
試料濃度:0.1質量%、
試料注入量:100μl。
(粘度)
粘度は、JISZ8803に準拠して、以下の条件で測定した。
装置:B型粘度計 TVB10M(東機産業株式会社)、
ローター:No.3、
回転数:12rpm、
測定温度:25℃。
(水酸基価)
水酸基価は、JISK0070に準拠して中和滴定法により測定した。
まず、100mlフラスコに無水酢酸25gを入れ、これにピリジンを加えて全量を100mlとした。内容物を充分に振り混ぜて、アセチル化試薬を作製した。得られたアセチル化試薬は、湿気、二酸化炭素、および酸の蒸気に触れないように、褐色瓶内に保存した。
次に、試料を平底フラスコ内に量り取り、これに上記のアセチル化試薬5mlをピペットを用いて加え、フラスコの口に小さな漏斗を置いた。このフラスコの底部(底面から約1cm高さの部分)を、温度95〜100℃のグリセリン浴に浸して加熱した。この際、グリセリン浴の熱を受けてフラスコの首部の温度が上がるのを防ぐために、中央部に丸い穴を開けたドーナツ型の厚紙をフラスコの首部の付け根にかぶせた。グリセリン浴加熱の開始から1時間後にフラスコをグリセリン浴から取り出し、放冷した。次いで、上記漏斗を通して水1mlをフラスコ内に供給し、フラスコを振り動かして無水酢酸を分解した。
無水酢酸の分解を完全にするため、上記と同様の方法で、再びフラスコの底部をグリセリン浴中で10分間加熱した後、フラスコをグリセリン浴から取り出し、放冷した。次いで、上記漏斗を通してエタノール5mlをフラスコ内に供給した。この際、漏斗の内壁全体およびフラスコの内壁全体をエタノールで洗うようにした。
次に、フラスコ内に指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液を用いて滴定し、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いた時点を終点とした。
別途、フラスコ内に試料を入れずに上記と同様の操作を行う空試験を実施した。
次式(1)によりポリウレタンポリオール(A)(固形分)の水酸基価を算出した。
A=((B−C)×f×28.05/S)/(不揮発分濃度/100)+D・・・(1)
(ただし、上記式(1)中、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、C:滴定に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、f:0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクタ(濃度補正係数)、S:試料の質量(g)、D:酸価(mgKOH/g)。)
本明細書において、水酸基価は、「OH価」と略記する場合がある。
[基材シート]
用いた基材シートは、以下の通りである。
<基材シート(SH−1)>
シート本体として厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(エステルフィルムE5100、一方の表面にコロナ処理あり、東洋紡製)を用意し、これをそのまま基材シート(SH−1)として用いた。
<基材シート(SH−2)>
導電性ポリマー(EP−1)として導電性ポリチオフェンを含む分散液(エノコートBP105、化研産業(株)製)を用意した。この導電性ポリチオフェン分散液をプロパノールで希釈して、帯電防止性コーティング剤(ASC−1)(不揮発分(NV)1質量%)を得た。シート本体として基材シート(SH−1)を用意した。このシート本体のコロナ処理面に、バーコーター法にて上記の帯電防止性コーティング剤(ASC−1)を塗工し、80℃のオーブンで3分間乾燥させて、厚み0.5μmの帯電防止層を形成した。以上のようにして、帯電防止層付の基材シート(SH−2)を得た。
<基材シート(SH−3)>
界面活性剤(SF−1)としてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ノニオン系界面活性剤)を用意し、これをそのまま帯電防止性コーティング剤(ASC−2)とした。この帯電防止性コーティング剤を用いた以外は基材シート(SH−2)の製造と同様の方法にて、帯電防止層付の基材シート(SH−3)を得た。
[材料]
合成例、実施例、および比較例で使用した材料は、以下の通りである。
<ポリオール(x)>
(x−1):クラレポリオールP1010(ポリエステルジオール、OH価112、分子量1,000、クラレ(株)製)、
(x−2)F2010:クラレポリオールF2010(ポリエステルトリオール、OH価84、分子量2,000、クラレ(株)製)、
(x−3)PP2000:サンニックスPP−2000(ポリエーテルジオール、OH価56、分子量2,000、三洋化成工業(株)製)、
(x−4)G3000B:アデカポリオールG3000B(ポリエーテルトリオール、OH価56、分子量3,000、ADEKA(株)製)。
<ポリイソシアネート(y)>
(y−1):デスモジュールH(ヘキサメチレンジイソシアネート、住化コベストロウレタン(株)製)。
<金属含有触媒(MC)>
(MC−1):ジ−n−ブチル錫ジラウレート、
(MC−2):ネオデカン酸ビスマス。
<他の触媒(非金属含有触媒)(NMC)>
(NMC−1)1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン。
<多官能イソシアネート化合物(B)>
(B−1):コロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、不揮発分(NV)100質量%、NCO基量21モル%、東ソー(株)製)。
<可塑剤(P)>
(P−1):モノサイザーW262(ポリエーテルエステル系可塑剤、EO基含有、不揮発分(NV)100質量%、分子量556、DIC(株)製、
(P−2):ポリサイザーW320(アジピン酸系ポリエステル系可塑剤、EO基非含有、不揮発分(NV)100質量%、分子量1000、DIC(株)製)。
<添加剤(R)>
(R−1):アセチルアセトン。
[ポリウレタンポリオール(A)溶液の合成例]
(合成例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、および滴下ロートを備えた4口フラスコに、窒素雰囲気下で、ポリオール(x−1)100質量部、ポリイソシアネート(y−1)15.5質量部、トルエン77質量部、および金属含有触媒(MC−1)0.02質量部を仕込んだ。フラスコを徐々に昇温させ、約90℃で2
時間反応を行った。その後、赤外吸収(IR)スペクトルで残存イソシアネート基が消失したか否かを確認しつつ反応を継続し、消失を確認した後、直ちにフラスコを冷却させて反応を終了させた。最後に、不揮発分(NV)が60質量%になるようトルエンを加えた。
以上のようにして、ポリウレタンポリオール(A−1)の溶液を得た。この溶液の粘度は3,000mPa・sであった。得られたポリウレタンポリオール(A−1)は、水酸基価が7.6mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)が55,000であった。
配合組成と得られたポリウレタンポリオール(A−1)の溶液の物性評価結果を表1に示す。なお、表1中、2fは2官能、3fは3官能を示す。表1中、各材料の配合量の単位は[質量部]である。表1には、溶液中におけるポリウレタンポリオール(A)100質量部に対する金属含有触媒(MC)の量(単位は質量部)についても合わせて示してある。
(合成例2〜5)
合成例2〜5においては、原料の配合組成を表1に示すように変更した以外は合成例1と同様にして、ポリウレタンポリオール(A−2)〜(A−5)の溶液を得た。各合成例において、得られたポリウレタンポリオールの溶液の物性評価結果を表1に示す。
[実施例1]
合成例1で得られたポリウレタンポリオール(A−1)の溶液に対して、各種材料を配合した。溶液中のポリウレタンポリオール(A−1)の量を100質量部とした。これに対して、多官能イソシアネート化合物(B−1)を5.4質量部、金属含有触媒(MC−1)のトルエン溶液(不揮発分(NV)2.5質量%)を固形分換算で0.150質量部、添加剤(R−1)を6質量部、溶剤として酢酸エチルを5質量部配合した。これらの材料をディスパーで攪拌することで、ウレタン系粘着剤を得た。得られたウレタン系粘着剤は直ちに、ポットライフの評価に供した。また、得られたウレタン系粘着剤を厚膜塗工性の評価に供した。
基材シートとして、帯電防止層付の基材シート(SH−2)を用意した。この基材シートの帯電防止層の非形成面に、ドクターブレードを用いて、得られたウレタン系粘着剤を、乾燥後の厚みが50μmになるように塗工した。形成された塗工層を120℃で4分間乾燥して、粘着層を形成した。この粘着層の上に、厚み25μmの剥離シート(250010BD、藤森工業製)を貼着して、粘着シートを得た。得られた粘着シートを23℃−50%RHの条件下で1週間養生した後、他の評価に供した。
[実施例2〜12、比較例1〜5]
実施例2〜12、比較例1〜5の各例においては、ウレタン系粘着剤の配合組成と用いた基材シートを表2に示すものに変更した以外は実施例1と同様して、ウレタン系粘着剤および粘着シートを得、評価した。
なお、表2中、各材料の配合量の単位は[質量部]である。金属含有触媒(MC)および他の触媒(NMC)の配合量は、実施例または比較例で新たに添加した触媒の量である。金属含有触媒(MC)の合計量は、合成例で得られたポリウレタンポリオール(A)の溶液に含まれる金属含有触媒(MC)と実施例または比較例で新たに添加した金属含有触媒(MC)の合計量である。また、多官能イソシアネート化合物(B)については、ポリウレタンポリオール(A)中の水酸基(OH)のモル数に対する、多官能イソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基(NCO)のモル数の比(NCO/OH官能基比)についても合わせて示してある。
[粘着剤および粘着シートの評価項目および評価方法]
ウレタン系粘着剤および粘着シートの評価項目および評価方法は、以下の通りである。(ポットライフ)
得られたウレタン系粘着剤を製造後直ちに蓋つきガラス瓶内に入れ、このガラス瓶を25℃の恒温水槽に投入し、投入開始から1時間後および12時間後のウレタン系粘着剤の粘度をそれぞれ測定した。1時間後に対する12時間後の粘度増加率(12時間後の粘度/1時間後の粘度[倍])を求めた。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
○:粘度増加率が2倍未満(優良)、
△:粘度増加率が2倍以上3倍未満(良好)、
×:粘度増加率が3倍以上(実用上問題あり)。
(厚膜塗工性)
基材シートとして、幅430mm・厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(ルミラーT−60、東レ製)を用意した。試験用の製造装置(コンマコーター:登録商標)を用いて、ロールトゥロール(Roll to Roll)プロセスで粘着シートを製造した。
基材シートの搬送速度は1.0m/分とした。基材シートの片面に、得られたウレタン系粘着剤を乾燥後の厚みが150μmになるように幅400mmで塗工し、塗工層を形成した。次いで、このシートを4m長の130℃に設定されたオーブン内を通過させて、塗工層を乾燥および硬化した。次いで、形成された粘着層の上に幅430mm・厚み25μmの剥離シート(250010BD、藤森工業製)を貼着した。次いで、得られた粘着シートを巻芯(6インチABSコア)に長さ100m巻き取った。得られた粘着シートロールを23℃−50%RHの条件下で1週間養生した。
養生前については、得られた粘着シートロールから、粘着シートの巻終わり側(外側)の末端から1m長の位置で幅400mm・長さ500mmの大きさの試験片を切り出し、以下の評価を行った。
養生後については、得られた粘着シートロールから、粘着シートの巻始め側(内側、巻芯側)の末端から10m長の位置で幅400mm・長さ500mmの大きさの試験片を切り出し、以下の評価を行った。
(1)養生前の評価(初期硬化性):
ダイアルゲージを用いて、試験片の厚みを測定した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:粘着層が充分に硬化しており、粘着シートの厚みを正確に測定できる(良好)、
○:粘着層は少し柔らかいが、粘着シートの厚みを測定できる(実用上問題なし)、
×:粘着層に流動性があり、粘着シートの厚みを測定できない(実用上問題あり)。
(2)養生後の評価(表面外観):
試験片を蛍光灯にかざして、試験片の表面外観を目視評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:ゆず肌および巻芯段差痕が見られない(良好)、
○:ゆず肌および/または巻芯段差痕が少し見られる(実用上問題なし)、
×:ゆず肌および/または巻芯段差痕が見られる(実用上問題あり)。
(ガラスに対する貼着性)
粘着シートから幅100mm・長さ150mmの試験片を切り出した。次いで、23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着層の表面をガラス板に貼着した。ガラス板に貼着する際に、粘着シートに皺が形成された、貼着界面に気泡が巻き込まれた、または粘着層の異なる部分同士が互いに密着したものを「不良」と判定した。この評価を10回行った。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:不良回数が0回(良好)、
○:不良回数が1〜2回(実用上問題なし)、
×:不良回数が3回以上(実用上問題あり)。
(ガラスに対する粘着力)
粘着シートから幅25mm・長さ100mmの試験片を切り出した。次いで、23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着層の表面をガラス板に貼着し、粘着シート上で2kgローラーを1往復させてこれらを圧着し、24時間放置した。その後、引張試験機を用い、剥離速度0.3m/minで粘着シートの90°剥離試験を実施し、粘着力を測定した。一般的に、ガラスとの粘着力が低く、再剥離しやすい方が、表面保護用途として実用性が高いと言える。
(プローブタック)
粘着シートから幅30mm・長さ30mmの試験片を切り出した。次いで、23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着層の表面のプローブタックを、JIS Z0237に準拠して測定した。装置として、プローブタック測定装置(テスター産業株式会社製)を用いた。粘着層の表面に対して直径5mmφのステンレス製プローブ(20g)を接触荷重1.0N/cmで1秒間接触させた後、プローブを10mm/秒の速度で粘着層の表面から離した。このときのプローブの剥がれる力を測定した。測定は3回実施し、その平均値を求めた。
(せん断力)
粘着シートから幅10mm・長さ50mmの試験片を切り出し、長さ方向の一端から20mmの位置に標線を引き、一端から標線までの領域(幅10mm・長さ20mmの領域)を試験領域とした。23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着層の表面の上記試験領域をガラス板に貼着し、粘着シート上で2kgローラーを1往復させてこれらを圧着した。その後、引張試験機を用い、剥離速度50mm/minの条件で、試験片とガラス板とを互いに180°反対方向に引っ張り、せん断力を測定した。測定は5回実施し、その平均値を求めた。
(粘着層の表面の水接触角)
粘着シートから幅25mm・長さ100mmの試験片を切り出した。次いで、23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着層の表面の水接触角を測定した。装置として協和界面科学(株)製DM−501を用い、粘着層の表面に水を滴下してから61000ms経過した後の水接触角を測定した。なお、θ/2法で算出した値を測定値とした。測定は5回実施し、その平均値を求めた。
(基材シートの粘着層の非形成側の表面の水接触角)
粘着シートから幅25mm・長さ100mmの試験片を切り出した。次いで、23℃−50%RH雰囲気下にて、基材シートの粘着層の非形成側の表面の水接触角を測定した。装置として協和界面科学(株)製DM−501を用い、水を滴下してから1000ms経過した後の水接触角を測定した。なお、θ/2法で算出した値を測定値とした。測定は5回実施し、その平均値を求めた。
(耐湿熱白化性)
粘着シートから幅25mm・長さ100mmの2枚の試験片を切り出した。
一方の試験片は、そのままヘーズの評価に供した(湿熱経過なし)。他方の試験片は、60℃−95%RH雰囲気で48時間放置し、室温雰囲気(20〜25℃)に戻して充分に冷却した後、ヘーズの評価に供した(湿熱経過あり)。いずれの試験片についても、23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、粘着層が露出した状態で、JIS K7165に準拠して、ヘーズを測定した。装置として、Turbidimeter NDH5000W(日本電色工業社製)を用いた。光源として、D65光源を用いた。下記式に基づいて、ΔHを求めた。評価基準は以下の通りである。
ΔH=Hb−Ha
(式中、Haは湿熱経過なしの試験片のヘーズ、Hbは湿熱経過ありの試験片のヘーズである。)
<評価基準>
◎:ΔHが2.0未満(優良)、
○:ΔHが2.0以上3.0未満(良好)、
△:ΔHが3.0以上4.0未満(実用上問題なし)、
×:ΔHが4.0以上(実用上問題あり)。
[評価結果]
評価結果を表3に示す。
実施例1〜12では、1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)との共重合反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、多官能イソシアネート化合物(B)と、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して0.08〜0.70質量部の金属含有触媒(MC)とを含むウレタン系粘着剤を製造し、これを用いて厚み50μmの粘着層を含む粘着シートを製造した。
実施例1〜12において得られたウレタン系粘着剤はいずれも、ポットライフの評価結果が良好または比較的良好であった。実施例1〜12ではいずれも、厚膜塗工を実施しても、塗工層は初期硬化性が優良または良好であり、養生後に表面外観が良好な粘着層を形成することができた。
実施例1〜12において得られた粘着シートはいずれも、ガラスに対する貼着性、ガラスに対する粘着力、プローブタック、およびせん断力の評価結果が優良または良好であり、粘着シートとして一般的に必要な性能が優良または良好であった。特に、可塑剤(P)を用いた実施例2〜10で得られた粘着シートは、これらの性能が優良であった。
実施例1〜12において得られた粘着シートはいずれも、耐湿熱白化性が優良、良好、または比較的良好であった。特に、可塑剤(P)を用いず、導電性ポリマー(EP)を含む帯電防止層を含む基材シートを用いた実施例1、並びに、1つ以上のEO基を含む可塑剤(P)を用い、導電性ポリマー(EP)を含む帯電防止層を含む基材シートを用いた実施例2〜9で得られた粘着シートは、耐湿熱白化性が優良であった。
比較例1では、金属含有触媒(MC)量が不充分であったため、得られたウレタン系粘着剤の初期硬化性が不良であり、厚膜塗工性が不良であった。得られた粘着シートは、ガラスに対する貼着性、ガラスに対する粘着力、プローブタック、およびせん断力の評価結果も不良であった。耐湿熱白化性も不良であった。
比較例2では、1つ以上のEO基を含む可塑剤(P)を用い、導電性ポリマー(EP)を含む帯電防止層を含む基材シートを用いたが、触媒としてアミン触媒のみを用いたため、得られた粘着シートは、耐湿熱白化性が不良であった。
比較例3では、ポリウレタンポリオール(A)を用いなかったため、塗工層の初期硬化性が不充分であり、厚膜塗工性が不良であった。得られた粘着シートは、ガラスに対する貼着性、ガラスに対する粘着力、プローブタック、およびせん断力の評価結果が不良であった。耐湿熱白化性も不良であった。
比較例4では、金属含有触媒(MC)量が過多であったため、ポットライフの評価結果が不良であり、塗工自体ができなかった。
比較例5では、多官能イソシアネート化合物(B)を用いなかったため、得られたウレタン系粘着剤からなる塗工層は加熱工程で硬化せず、粘着層を形成することができなかった。
Figure 2018059121
Figure 2018059121
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本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更が可能である。
10X、10Y、10Z 粘着シート
11 基材シート
11A シート本体
11B 帯電防止層
12 粘着層
13X、13Y、13Z 剥離シート
13A シート本体
13B 帯電防止層
13L 剥離剤層

Claims (10)

  1. 基材シートと、当該基材シートの一方の面に形成されたウレタン系粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含む、再剥離性を有する粘着シートであって、
    前記ウレタン系粘着剤は、
    1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)との共重合反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、
    多官能イソシアネート化合物(B)と、
    ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して0.08〜0.70質量部の金属含有触媒(MC)とを含む、粘着シート。
  2. 前記粘着層のプローブタックが0.01〜0.30N/cmである、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記粘着シートの前記粘着層側を10×20mmの接触面積でガラス板に貼着し、50mm/分の剥離速度で前記粘着シートを前記ガラス板から180°方向に剥離した際の前記粘着層のせん断力が5〜25N/cmである、請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記ウレタン系粘着剤はさらに1種以上の可塑剤(P)を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
  5. 前記粘着層は、当該粘着層の表面に水を滴下してから61000ms経過した後の水接触角が40〜80°である、請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シート。
  6. 1種以上の可塑剤(P)が1分子中に1つ以上のエチレンオキシ基を有する有機酸エステルを含む、請求項4に記載の粘着シート。
  7. 1種以上のポリオール(x)の総量に占める1種以上のポリエステルポリオールの量が50〜100質量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シート。
  8. 1種以上のポリエステルポリオールの総量に占める1種以上の2官能ポリエステルポリオールの量が20〜100質量%である、請求項7に記載の粘着シート。
  9. 前記基材シートは、シート本体と、当該シート本体の前記粘着層の非形成側の面に形成された帯電防止層とを含む、請求項1〜8のいずれかに記載の粘着シート。
  10. 前記帯電防止層は導電性ポリマーを含む、請求項9に記載の粘着シート。
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