JP2017155249A - 再剥離型粘着剤、および表面保護フィルム - Google Patents

再剥離型粘着剤、および表面保護フィルム Download PDF

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朋之 青谷
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Abstract

【課題】再剥離性、耐湿熱性、濡れ性に優れ、さらに打ち抜き加工性にも優れる再剥離型粘着剤、及びこれを積層してなる表面保護フィルムの提供。【解決手段】ポリオールとポリイソシアネートとを反応してなるウレタン樹脂、硬化剤、エステル化合物(ただし、ウレタン樹脂である場合は除く)、および変質防止剤を含み、前記ポリオールが、ポリオール100重量%中、ポリエステルポリオールを50重量%以上含有することを特徴とする再剥離型粘着剤により解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、再剥離性、耐湿熱性、濡れ性に優れ、さらに打ち抜き加工性に優れた再剥離型粘着剤、及びこれを積層してなる表面保護フィルムに関する。
表面保護フィルムは、貼付した後に剥離できる機能を生かして、電子部材を製造する際の表面保護用途に使用され、例えば液晶ディスプレイを製造する際、ガラス面の破損を防止するために表面保護用として使用されている。これら表面保護フィルムは、電子部材やディスプレイの大きさに合わせて打ち抜き加工を行い使用されるが、打ち抜き加工時に裁断刃に粘着剤が粉状に付着し、電子部材やディスプレイを粘着剤カスで汚染するという問題が発生することがあった。
そこで特許文献1では、アクリル系樹脂、イソシアネート架橋剤、およびポリオキシアルキレン基を有するジメチルシリコン化合物を含む保護フィルムが開示されている。
特開2009−292959号公報 特開2006−182795号公報 特開2014−028876号公報 特許2000−073040号公報
しかし、従来の表面保護フィルムはアクリル系樹脂を粘着剤層に用いており、使用する際に粘着剤層と被着体の界面に気泡を巻き込んでしまい、作業性が低下する問題があった。また、アクリル系樹脂とシリコーン化合物の相溶性も十分ではなく、被着体汚染が生じてしまう問題があった。そこで、近年高い濡れ性をもつウレタン系樹脂を粘着剤層に用いた保護フィルムが開示されている。(特許文献2、特許文献3、特許文献4)
一般に、ウレタン系粘着剤の性能は、使用するポリオールの種類に大きく影響を受ける。ウレタン粘着剤に用いられるポリオール成分としては、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールがよく知られている。ポリエステルポリオールを用いたウレタン系粘着剤は高い凝集力を持ち、これによって高い再剥離性や加工性を有するものの、ガラス転移点が高く、結晶性を有しているため、樹脂溶液の高粘度化による作業性の低下や透明性等の問題や加水分解に弱いという問題があった。また粘着剤層が硬くなるため、低温特性等も満足のいくものではなかった。
一方、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールを使用した場合は、ポリエステルポリオールを使用したものに比べて、ウレタン系粘着剤のガラス転移温度が低いため塗膜が軟らかく、また、低温特性は良好であるが、粘着剤自体の凝集力が低いことから糊残りが起こりやすくなる。これらを改良するため粘着剤の架橋密度を高めると、逆に塗膜が硬くなり過ぎてタック性が低くなったり、作業可能の時間が短くなってハンドリングに問題が生じる等、最適な粘着剤を得ることが困難であった。
これらの改良のためにポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールを混合して用いた粘着剤も開示されているが、粘着剤自体の凝集力が低く、打ち抜き加工性に優れた再剥離用粘着剤は得られていないのが現状である。
本発明は、再剥離性、耐湿熱性、濡れ性に優れ、さらに打ち抜き加工性にも優れる再剥離型粘着剤、及びこれを積層してなる表面保護フィルムの提供を目的とする。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のウレタン樹脂と、変質防止剤とを含有する再剥離型粘着剤を用いることにより、上記課題を解決することが可能であることを見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち本発明の再剥離型粘着剤は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応してなるウレタン樹脂、硬化剤、エステル化合物(ただし、ウレタン樹脂である場合は除く)、および変質防止剤を含み、前記ポリオールが、ポリオール100重量%中、ポリエステルポリオールを50重量%以上含有することを特徴とする。
本発明によれば、上記再剥離型粘着剤を使用することで、再剥離性、耐湿熱性、濡れ性に優れ、さらに打ち抜き加工性に優れた粘着シートならびに表面保護フィルムの提供が可能となる。
本発明について詳細に説明する前に用語を定義する。シート、フィルムおよびテープは同義語である。被着体とは、粘着シートを貼り付ける相手方をいう。
本発明の再剥離型粘着剤は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応してなるウレタン樹脂、硬化剤、エステル化合物(ただし、ウレタン樹脂である場合は除く)、および変質防止剤を有し、前記ポリオールが、ポリオール100重量%中、ポリエステルポリオールを50重量%以上含有する。
<ウレタン樹脂>
本発明のウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなる樹脂であり、水酸基を複数有する。また、前記ポリオールが、ポリオール100重量%中、ポリエステルポリオールを50重量%以上含有する。
[ポリオール]
ポリオールは、ウレタン樹脂を構成する全ポリオール100重量%中、50重量%以上がポリエステルポリオールからなる。このように、ポリエステルポリオールを主成分として用いることにより、強靭で耐摩耗性に優れたウレタン樹脂となり、打ち抜き加工性に優れる再剥離型粘着剤を得ることができる。好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは65〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重量%、最も好ましくは80〜100重量%である。
本発明に用いるポリエステルポリオールは、例えば、数種の酸成分と、多価アルコールを用いて製造することができる。
酸成分は、例えばテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等が挙げられ、その中でも特にアジピン酸が好ましい。
多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、ポリオール成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらの中でも脂肪族のポリエステルポリオールが好ましく、アジピン酸系ポリエステルポリオールが特に好ましい。
本発明においては、なかでも、多価アルコールとして、グリコール系のジオールを用いて得られるポリエステルポリオールであることが好ましい。
本発明に用いるポリエステルポリオールは、非結晶性ポリエステルポリオールであることが好ましく、例えばアジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなるポリエステルポリオールが特に好ましい。非結晶性のため常温で液体、低粘度のためハンドリングしやすく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールのメチル基があることで耐加水分解性を向上させることができる。本発明のウレタン樹脂に含まれる全ポリオール100重量%中、少なくとも非結晶性ポリエステルポリオールを50重量%以上含むことが好ましく、60重量%以上含むことがさらに好ましく、65重量%以上含むことがより好ましい。
ポリエステルポリオールの数平均分子量は500〜5,000が好ましい。数平均分子量が500以上になることで合成時の反応制御がより容易になる、また、数平均分子量が5,000以下になることで反応完了までの時間を短縮しやすくなり、粘着剤層の凝集力を維持し易くなることで再剥離性がより向上する。
ポリエステルポリオールとして、分子中に水酸基を2個以上有する多官能ポリエステルポリオールを用いることができ、その中でも反応性の観点から水酸基を2個又は3個有するものを使用することが好ましく、水酸基を2個有するポリエステルジオールが特に好ましい。
本発明のウレタン樹脂を構成する全ポリエステルポリオールにおいて、全ポリエステルポリオール100重量%中、ポリエステルジオールを20重量%以上含むことが好ましい。より好ましくは、ポリエステルジオールを20〜100重量%含む場合であり、30〜100重量%含むことがさらに好ましく、50重量〜100重量%含むことが特に好ましい。
ポリエステルジオールを20重量%以上含むことで、硬化剤との反応により粘着剤層が硬くなりすぎることを防ぎ、加工性が向上する。ポリエステルジオールが30重量%以上含まれる場合には、さらに塗工性が向上するために好ましい。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、その他のポリオールをポリエステルポリオールと併用することができる。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、またはアクリルポリオール等を併用することができ、この中でもポリエーテルポリオールが好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)及びポリオキシエチレングリコール(PEG)等を例示できる。
ポリエーテルポリオールは、反応性の観点から水酸基を2個又は3個有するものを使用することが好ましく、数平均分子量が500〜15,000のものが好ましい。
[ポリイソシアネート]
ポリイソシアネートは、公知の化合物を使用できる。具体的には、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、または脂環族ポリイソシアネート等が好ましい。
芳香族ポリイソシアネートは、例えば1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートは、例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートは、例えばω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートは、例えば3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
ウレタン樹脂の合成には適宜触媒を使用できる。触媒の使用により反応時間を短縮できる。前記触媒は、3級アミン系化合物、有機金属系化合物等が好ましい。
3級アミン系化合物は、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン−7(DBU)等が挙げられる。
有機金属系化合物は、錫系化合物および非錫系化合物が挙げられる。
錫系化合物は、例えばジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物は、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン化合物;、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛化合物;、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート等の鉄化合物;、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルトなどのコバルト系化合物;、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛化合物;、ナフテン酸ジルコニウム等が挙げられる。
触媒は、ポリオールとポリイソシアネートの合計100重量%に対して0.01〜1重量%程度使用することが好ましい。またポリオールによって反応性が相違するため、それぞれのポリオールに適した触媒を使用することができる。
ウレタン樹脂の合成は、(1)ポリオール、触媒、ポリイソシアネートを全量フラスコに仕込んで反応させる方法、(2)ポリオール、触媒をフラスコに仕込んでポリイソシアネ−トを滴下しつつ反応させる方法が好ましい。
ウレタン樹脂の合成には公知の溶剤を使用できる。具体的には、例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレンおよびアセトン等が挙げられる。
ウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3万〜40万であることが好ましく、5万〜30万であることがより好ましい。重量平均分子量が3万以上になることで、耐熱性が向上する。また、40万以下である場合、再剥離性がより向上する。
本発明におけるウレタン樹脂は、樹脂固形分当たりの水酸基価が5〜40mgKOH/gであることが好ましく、5〜35mgKOH/gが好ましい。ウレタン樹脂の水酸基価が5mgKOH/g以上になると粘着力が向上し、耐熱性および耐湿熱性も向上する。また、水酸基価が40mgKOH/g以下になると、打ち抜き加工性が向上する。なお、水酸基価の測定は、JISK0070に準拠し水酸化カリウムによる滴定法で行うことができる。
<硬化剤>
本発明における硬化剤は、ウレタン樹脂の有する水酸基と反応し得る化合物が好ましく、多官能イソシアネート化合物がより好ましい。
多官能イソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等のポリイソシアネート化合物、ならびにこれらのポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、またはビュレット体、またはイソシアヌレート体、ならびにこれらのポリイソシアネート化合物と公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、またはポリイソプレンポリオール等とのアダクト体等が挙げられる。これらの中でも2つ、もしくは3つのイソアネート基を有するポリイソシアネート化合物が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、およびヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体がより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体がさらに好ましい。
多官能イソシアネート化合物は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせ用いてもよい。
多官能イソシアネート化合物の使用量は、前記ウレタン樹脂の水酸基当量に対して、イソシアネート基として1.0〜4.0当量が好ましく、1.25〜3.75当量がより好ましく、1.5〜3.5当量がさらに好ましい。
多官能イソシアネート化合物の量が、ウレタン樹脂の水酸基当量に対して4.0当量より多ければ、ウレタン樹脂が硬くなりすぎて打ち抜き加工性が悪化し、1.0当量より少なければウレタン樹脂が柔らかくなりすぎて、表面保護フィルムを剥離する際に被着体への糊残りが発生する場合がある。多官能イソシアネート化合物の使用量を、前記ウレタン樹脂の水酸基当量に対して、1.0〜4.0当量にすることで、打ち抜き加工性と再剥離性のバランスを取ることがより容易になる。
<エステル化合物>
本発明における再剥離型粘着剤は、エステル化合物を含む。ただし、ウレタン樹脂である場合は除く。本発明のエステル化合物は、可塑剤としての役割をはたし、その分子量が300〜850、好ましくは300〜700のものが用いられる。分子量300以上のエステル化合物を用いると耐熱性がより優れ、一方、分子量が850以下のエステル化合物を用いると低温特性や濡れ性が優れたものとなる。なお、分子量は、式量である。
上記エステル化合物としては、適用されるウレタン樹脂との相溶性に応じて公知の種々のエステル化合物を用いることができる。例えば、エステル系、ポリエステル系、エーテルエステルが挙げられる。この中でも、ポリエステルポリオールはポリエーテルポリオールと比較し極性が高いため、ウレタン樹脂の極性が高くなるため、相溶性の観点から高極性のエステル化合物が好ましく、エーテルエステル系化合物が特に好ましい。
例えば、エーテルエステル系化合物としては、アジピン酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)、アジピン酸ジ(メトキシテトラエチレングリコール)、アジピン酸ジ(メトキシペンタエチレングリコール)、アジピン酸(メトキシテトラエチレングリコール)(メトキシペンタエチレングリコール)などのアジピン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;アゼライン酸ジブトキシエチル、アゼライン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのアゼライン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;セバシン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのセバシン酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;フタル酸ジブトキシエチル、フタル酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのフタル酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;イソフタル酸ジブトキシエチル、イソフタル酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのイソフタル酸とエーテル結合含有アルコールとのエステル化合物;ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリエーテル成分と、ブタン酸、イソブタン酸、2−エチルヘキシル酸などのモノカルボン酸、またはアジピン酸やフタル酸などのジカルボン酸などの酸成分とを反応させることにより容易に得られるポリエーテル成分を含有するエステル化合物が挙げられる。
エステル化合物は、単独または2種類以上を併用できる。
エステル化合物は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.5〜50重量部用いることが好ましく、1〜40重量部がより好ましく、5〜40重量部がさらに好ましい。エステル化合物を1重量部以上用いると再剥離性、低温特性および濡れ性がより向上する。また、50重量部以下用いると被着体への汚染をより抑制できる。
<変質防止剤>
本発明における再剥離型粘着剤は、変質防止剤を含む。これにより、再剥離型粘着剤の高温高湿雰囲気下での変質ないし劣化防止、再剥離性の低下抑制、被着体汚染の低下等を抑制できる。
変質防止剤は、耐加水分解剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、または光安定剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。単独で用いても、同じ種類の変質防止剤を2つ以上用いても、異なる種類の変質防止剤を2種類以上組み合わせ用いてもよいが、異なる種類の変質防止剤を2種類以上用いることで、エステル化合物の高温高湿雰囲気下での変質ないし劣化防止が可能となり、粘着剤の再剥離性の低下抑制、被着体汚染の低下等をより抑制できる。
具体的には、耐加水分解剤と酸化防止剤、耐加水分解剤と紫外線吸収剤、耐加水分解剤と光安定剤、耐加水分解剤と酸化防止剤、耐加水分解剤と紫外線吸収剤、耐加水分解剤と光安定剤、酸化防止剤と紫外線吸収剤、酸化防止剤と光安定剤、または紫外線吸収剤と光安定剤を含有する場合等であり、好ましくは、酸化防止剤を必須とし、耐加水分解剤または紫外線吸収剤を併用する場合であり、より好ましくは酸化防止剤と耐加水分解剤を併用する場合である。酸化防止剤と併用することで、エステル化合物の高温高湿雰囲気下での変質ないし劣化防止が可能となり、粘着剤の再剥離性の低下抑制、被着体汚染の低下等をより抑制できるとともに、耐加水分解剤や紫外線防止剤自身の熱黄変が抑制でき、粘着剤の着色を抑制できるために好ましい。
また、3種以上の変質防止剤を含有する場合も好ましく、特に好ましくは、耐加水分解剤と酸化防止剤と紫外線吸収剤とを含有する場合である。
変質防止剤を2種類以上含有する場合、酸化防止剤100重量部に対し、耐加水分解剤、紫外線吸収剤、または光安定剤の合計が、10〜400重量部であることが好ましい。これにより耐加水分解剤や紫外線防止剤自身の分解や熱黄変が抑制できる。
[耐加水分解剤]
ウレタン粘着剤が高温高湿雰囲気下で加水分解が起きた際に生成するカルボキシル基を封鎖するために耐加水分解剤を用いることが好ましい。
耐加水分解剤は、例えばカルボジイミド系、イソシアネート系、オキサゾリン系、またはエポキシ系から選ばれ、なかでもカルボジイミド系がより効果的に加水分解を抑制する効果を有しており、好ましい。単独で使用しても、2種以上を混合して使用しても良い。
耐加水分解剤は、ウレタン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜2.0重量部であり、より好ましくは0.02〜1.5重量部であり、さらに好ましくは0.05〜1.0重量部である。
また、耐加水分解剤は後述する酸化防止剤と併用することが好ましく、具体的にカルボジイミド系耐加水分解剤とフェノール系酸化防止剤の組合せが好ましく、カルボジイミド系耐加水分解剤とフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を含むことがより好ましい。耐加水分解剤と酸化防止剤を併用することで、耐加水分解性がさらに向上し、耐加水分解剤自体の分解や熱黄変を抑制することができる。
カルボジイミド系加水分解抑制剤としては、分子中に少なくともひとつ以上のカルボジイミド基を有する化合物である。
モノカルボジイミド化合物の例としては、ジシクロヘキ シルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ナフチ ルカルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物の例としては、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応によって生成した高分子量ポリカルボジイミドであり、このような化合物としては、以下のジイソシアネートを脱炭酸縮合反応したものが挙げられる。4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの一種又はこれらの混合物を使用することができる。
カルボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシドを利用することができる。
イソシアネート系加水分解抑制剤としては、例えば2 ,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレン ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ ソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメ タンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート 、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロ ロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、 1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、 1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチ ルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1, 4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキ シリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ ート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー トまたは3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が 挙げられる。オキサゾリン系加水分解抑制剤としては、例えば、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4 −メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキ サゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン) 、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’ −エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリ ン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン) 、または2,2’−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)等が挙げられる。
エポキシ系加水分解剤としては、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールのような脂肪族のジオールのジグリシジルエーテル、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、グリセロール、トリメチロールプロパンなどの脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ポリオールのポリグリシジルエーテル、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族、芳香族の多価カルボン酸のジグリシジルエステルまたはポリグリシジルエステル、レゾルシノール、ビス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンなどの多価フェノールのジグリシジルエーテルもしくはポリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−ビス−(p−アミノフェニル)メタンのようにアミンのN−グリシジル誘導体、アミノフェールのトリグリシジル誘導体、トリグリシジルトリス(2−−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、オルソクレゾール型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシが挙げられる。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、例えばラジカル補足剤、過酸化物分解剤などが挙げられる。ラジカル補足剤としてはフェノール系化合物、アミン系化合物が挙げられ、過酸化物分解剤としては硫黄系化合物、リン系化合物が挙げられる。特に安定性と酸化防止効果の点でラジカル補足剤としての役割をもつフェノール系化合物が好ましく、さらにフェノール系化合物と過酸化物分解剤としての役割を持つリン系化合物を併用することで熱安定性が向上するためより好ましい。より好ましくは、フェノール系化合物とリン系化合物の酸化防止剤、および耐加水分解剤を併用する場合である。これにより、ウレタン樹脂の熱劣化を防ぎ、エステル化合物のブリードをより抑制できる。
酸化防止剤は、ウレタン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜2.0重量部であり、より好ましくは0.1〜1.5重量部であり、さらに好ましくは0.2〜1.0重量部である。
フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリン−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)トリオン、トコフェノールなどが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
[紫外線吸収剤]
紫外線吸収剤は、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、またはトリアジン系化合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、ウレタン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜3.0重量部であり、より好ましくは0.1〜2.5重量部であり、さらに好ましくは0.2〜2.0重量部である。
[光安定剤]
光安定剤は、例えばヒンダードアミン系化合物、またはヒンダードピペリジン系化合物などが挙げられる。光安定剤は、ウレタン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜2.0重量部であり、より好ましくは0.1〜1.5重量部であり、さらに好ましくは0.2〜1.0重量部である。
<レベリング剤>
本発明の再剥離型粘着剤は、さらにレベリング剤を含むことが好ましい。構成するポリエステルポリオールの比率が高いウレタン樹脂は、ウレタン樹脂が高極性化し、表面エネルギーが高くなり反応溶剤や希釈溶剤として用いるトルエン等の低極性溶剤との親和性が悪化し、乾燥工程で塗膜のレベリング性が不十分になることがある。粘着剤のレベリング性が不十分の場合、粘着剤を塗工する際にハジキやムラ、塗工スジといった外観欠陥が生じてしまう。
本発明において、レベリング剤の含有割合は、ウレタン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜2.0重量部であり、より好ましくは0.01〜1.5重量部であり、さらに好ましくは0.1〜1.0重量部である。
レベリング剤の含有割合を上記範囲内に調整することによって、本発明のウレタン粘着剤において、被着体への汚染をより少なくし得るとともに、十分なレベリング性が確保でき、平滑な塗膜を得ることができる。なお使用するレベリング剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
レベリング剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なレベリング剤を採用し得る。このようなレベリング剤としては、例えば、アクリル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤、またはシリコン系レベリング剤などが挙げられるが、アクリル系レベリング剤が被着体への汚染をより少なくし得るため好ましい。
レベリング剤は、重量平均分子量(Mw)が500〜20,000が好ましく、1,000〜15,000がより好ましく、2,000〜10,000がさらに好ましい。重量平均分子量(Mw)が500以上であると、粘着剤を塗工する際に気化する割合が増加することなく、乾燥オーブン内を汚染しない。
さらに重量平均分子量(Mw)が20,000以下であると、分子の移動が高分子の絡み合いによって阻害されることなく、レベリング性が向上する。
<帯電防止剤>
本発明のウレタン粘着剤は、さらに帯電防止剤を含むことができる。帯電防止剤を含むことで、表面保護フィルムとして使用した際に、剥離時に発生する静電気に起因した電子機器の故障を抑制できる。
帯電防止剤は、例えば無機塩、多価アルコール化合物、またはイオン性液体等が好ましく、その中でもイオン性液体がより好ましい。なおイオン性液体は、常温溶融塩ともいい、25℃で流動性がある塩である。
無機塩とは、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、過塩素酸リチウム、塩化アンモニウム、塩素酸カリウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム等が挙げられる。
多価アルコール化合物は、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
イオン液体は、イミダゾリウムイオンを含むイオン液体は、例えば1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1,3-ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドおよび1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等が挙げられる。ピリジニウムイオンを含むイオン液体は、例えば1-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-オクチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ヘキシル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1-ヘキシル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロリン酸塩、1-オクチル-4-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-メチルピリジニウムビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミドおよび1-メチルピリジニウムビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミドなどが挙げられる。アンモニウムイオンを含むイオン液体は、例えばトリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリ-n-ブチルメチルアンモニウムビストリフルオロメタ
ンスルホンイミド等が挙げられる。その他、ピロリジニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等市販のイオン液体を適宜使用できる。
帯電防止剤は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせ用いてもよい。
帯電防止剤は、ウレタン樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部配合することが好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。
本発明の再剥離型粘着剤は、さらにシランカップリング剤、着色剤、消泡剤、湿潤剤、耐候安定剤、軟化剤、硬化促進剤、硬化遅延剤等の添加剤を含むことができる。
本発明の再剥離型粘着剤は、次の方法で表面保護フィルムを作製することができる。(1)剥離ライナーに再剥離型粘着剤を塗工して粘着剤層を形成した後、基材を貼り合わせる方法。または、(2)基材にウレタン粘着剤を塗工して粘着剤層を形成した後、剥離ライナーを貼り合わせる方法等が一般的である。なお、粘着剤層は、表面保護フィルムを使用する直前まで剥離ライナーで保護されていることが通常である。
再剥離型粘着剤の塗工は、例えばロールコーター法、コンマコーター法、リップコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、グラビアコーター法等の公知の方法が使用できる。塗工後は、熱風オーブン、赤外線ヒーター等で乾燥することが一般的である。
再剥離型粘着剤層の厚みは、通常1〜200μm程度であり、5〜100μm程度が好ましく、10〜100μm程度がより好ましい。
基材は、不織布、紙、プラスチック、合成紙等、粘着剤の基材として一般的な素材を使用できるが、プラスチックが好ましい。
プラスチックは、例えばポリエチレンおよびポロプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ナイロン、トリアセチルセルロース、シクロオレフィン、ポリイミドおよびポリアミド等が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材は、粘着剤層との密着性を高めるため易接着処理を施しても良い。易接着処理は、コロナ放電を行う乾式法、アンカーコート剤を塗工する湿式法等の公知の方法を使用できる。基材の厚さは、一般的に5〜1000μmが程度である。
また、基材は、帯電防止層を備えていても良い。帯電防止層は、樹脂と帯電防止剤を含む。帯電防止剤は、上段で説明した帯電防止剤の他に、導電性カーボン粒子、導電性金属粒子および導電性ポリマー等が好ましい、また帯電防止層は、基材に金属を蒸着、スパッタまたはメッキすることで形成することもできる。
剥離ライナーは、紙、プラスチック、合成紙等の基材に、剥離剤を塗工して形成した剥離層を有することが一般的である。剥離剤は、例えばシリコーン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の公知の化合物を使用できる。剥離ライナーの厚さは、一般的に10〜150μm程度である。
以下に、本発明を実施例によって、より具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお以下、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味する。
なお、樹脂の重量平均分子量(Mw)、樹脂の粘度、および樹脂の水酸基価の測定方法は以下の通りである。
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
重量平均分子量の測定は、以下の条件でおこなった。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量である。測定条件は以下の通りである。
装置:SHIMADZU Prominence(島津製作所社製)
カラム:TOSOH TSK−GEL GMHXL(東ソー社製)を3本直列に接続溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
溶媒温度:40℃、試料濃度:0.1wt%、試料注入量:100μl。
(樹脂の粘度)
粘度の測定は、JISZ8803に準じて以下の条件で行った。
装置:B型粘度計 TVB10M(東機産業株式会社)
ローター:No.3
回転数:12rpm
測定温度:25℃
(水酸基価測定方法)
下記に示すような、JISK0070に準じた中和滴定法により測定した。まず、無水酢酸25gを全量フラスコ100mlに取り、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振り混ぜてアセチル化試薬を作製した。アセチル化試薬は、湿気、二酸化炭素及び酸の蒸気に触れないようにし、褐色瓶に保存した。次に、試料を平底フラスコに量り取り、これにアセチル化試薬5mlを全量ビペットを用いて加えた。次に、フラスコの口に小さな漏斗を置き、温度95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱した。フラスコの首がグリセリン浴の熱をうけて温度が上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円板をフラスコの首の付け根にかぶせた。そして、1時間後、フラスコをグリセリン浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解した。さらに、分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エタノール5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗った。フェノールフタレイン溶液数滴を指示薬として加え、0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬のうすい紅色が約30秒間続いたときを終点とした。空試験を上記同様、試料を入れないで行った。そして、次式によりウレタン樹脂固形の水酸基価を算出した。
(数式1)A=((B−C)×f×28.05/S)/( 不揮発分濃度/ 100)+D

(ただし、(数式2)中、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、C:滴定に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、f:0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクター(濃度補正係数)、S:試料の質量(g)、D:酸価(mgKOH/g))
続いて、実施例および比較例に用いたウレタン樹脂溶液の製造方法から説明する。
<ウレタン樹脂溶液>
(合成例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコに、窒素雰囲気下、ポリエステルポリオールP−1010(2官能ポリエステルポリオール、水酸基価112、数平均分子量1000、クラレ社製)100重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(住友バイエル社製)15.5重量部、トルエン77重量部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.25重量部、2−エチルヘキサン酸錫0.01重量部を仕込んだ。フラスコを徐々に昇温し約90℃で2時間反応させた。そして、イソシアネート基の消失を確認しつつ反応を継続し、消失確認後、ただちに冷却して反応を終了させた。次いで不揮発分60%になるようトルエンを加え、粘度3,000mPa・s、水酸基価(ウレタン樹脂固形)7.6mgKOH/g、重量平均分子量55,000のウレタン樹脂1溶液を得た。
(合成例2〜11)
合成例1の原料・配合量を表1に示した通りに変更した以外は合成例1と同様に行うことでそれぞれ合成例2〜11のウレタン樹脂溶液2〜11を得た。
得られたウレタン樹脂溶液の固形分(NV%)、重量平均分子量(Mw)、粘度VIS(mPa・s)、水酸基価(OH価mgKOH/g)を表1に記す。
Figure 2017155249
[実施例1]
得られた合成例1のウレタン樹脂1溶液中のウレタン樹脂100重量部に対して、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートHX、不揮発分100重量%、NCO%=21.0)を5.4重量部、エステル化合物としてアジピン酸ビス(2-ブトキシエチル)(ジェイ・プラス(株)製、商品名D931、不揮発分100重量%、分子量346)を30重量部、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン(株)製、商品名IRGANOX1010、不揮発分100重量%)とリン系酸化防止剤(BASFジャパン(株)製、商品名IRGAFOS168、不揮発分100重量%)をそれぞれ0.8重量部と0.05重量部トルエンに溶解して加え、耐加水分解剤としてカルボジイミド(日清紡(株)製、商品名カルボジライトV―09GB、不揮発分75重量%)を固形分換算で0.1重量部、紫外線防止剤としてトリアジン系紫外線吸収剤(BASFジャパン(株)製、商品名チヌビン477、不揮発分80重量%)を固形分換算で0.5重量部、光安定剤として、ヒンダードアミン系光安定剤(BASFジャパン(株)製、商品名チヌビン123、不揮発分100重量%)を0.2重量部、溶剤として酢酸エチルを5重量部配合し、ディスパーで攪拌することでウレタン粘着剤1を得た。
このウレタン粘着剤1を、乾燥後の厚さが50μmになるよう50μm厚みのPET基材(ルミラーT60、東レ製)に塗工し、100℃で4分間乾燥した後、25μmの剥離ライナー(250010BD、藤森工業製)を貼り合わせた。次いで23℃−50%で1週間放置し、表面保護フィルム1を得た。
[実施例2〜25、比較例1〜4]
実施例1の原料・配合量を表2に示した通りに変更した以外は実施例1と同様に行うことでそれぞれ実施例2〜25、比較例1〜4の表面保護フィルム2〜29を得た。
Figure 2017155249
得られた表面保護フィルムを用いて、以下の物性評価を行った。
<ガラス粘着力>
得られた表面保護フィルムを幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、試料から剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層をガラス板に貼りあわせ、2kgのローラーで1往復圧着し、24時間放置後、引張試験機を使用して剥離角度180度、剥離速度0.3m/minの条件で粘着力を測定した。
一般にガラスとの粘着力が低く、再剥離しやすい方が表面保護用途として実用性が高い。
<熱後粘着力>
得られた表面保護フィルムを幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、試料から剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層をガラス板に貼りあわせ、2kgのローラーで1往復圧着し、85℃で48時間経時した。その後、室温で十分冷却し、引張試験機を使用して剥離角度180度、剥離速度0.3m/minの条件で剥離ライナー剥離力を測定し、シート経時安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。

◎:手剥がしで簡単に剥離でき、粘着剤の糊残りなし。(非常に良好)
○:手剥がしで比較的簡単に剥離でき、粘着剤の糊残りなし。(良好)
△:手剥がしで比較的簡単に剥離でき、粘着剤の糊残りがわずかにある。(実用上問題なし)
×:粘着力が300mN/25mmより高い、もしくは粘着剤の糊残りがある。(実用上問題あり)
<低温貼り付け性>
得られた表面保護フィルムを幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで23℃−50%RH雰囲気下にて、試料から剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層をガラス板に貼りあわせ、2kgのローラーで1往復圧着し、−20℃で48時間経時した。その後、室温で十分冷却し、引張試験機を使用して剥離角度180度、剥離速度0.3m/minの条件で剥離ライナー剥離力を測定し、シート経時安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。

◎:手剥がしで簡単に剥離でき、表面保護フィルムの浮きなし。(非常に良好)
〇:手剥がしで比較的簡単に剥離でき、表面保護フィルムの浮きなし。(良好)
×:表面保護フィルムの浮きが発生した。(実用上問題あり)
<湿熱経時安定性>
得られた表面保護フィルムを幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し試料とした。次いで60℃95%RHで1週間経時した。室温で十分に冷却した後、23℃−50%RH雰囲気下にて、試料から剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層をガラス板に貼りあわせ、2kgのローラーで1往復圧着した。20分養生後、引張試験機を使用して剥離角度180度、剥離速度0.3m/minの条件で剥離ライナー剥離力を測定し、湿熱経時安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。

◎:湿熱経時前後で粘着力の変化が0以上30未満[mN/25mm]。(非常に良好)
〇:湿熱経時前後で粘着力の変化が30以上60未満[mN/25mm]。(良好)
△:湿熱経時前後で粘着力の変化が60以上90未満[mN/25mm]。(実用上問題なし)
×:湿熱経時前後で粘着力の変化が90以上[mN/25mm]。(実用上問題あり)
<濡れ性>
得られた表面保護フィルムを、幅25mm・長さ100mmの大きさに準備し測定試料とした。次いで測定試料から剥離ライナーを剥がし、粘着シートの両端を手で持ちながら露出した粘着剤層の中心部をガラス板に接触させた後、手を離した。そして前記粘着シートの自重で粘着剤層全体がガラス板に密着するまでの時間を測定することで粘着剤の濡れ性を評価した。粘着シートがガラス板と密着するまでの時間が短いほど濡れ性が高く表面保護用途として実用性が高い。評価基準は以下の通りである。

◎:密着するまで3秒未満 (良好)
○:密着するまで3秒以上、4秒未満 (実用上問題なし)
×:密着するまで4秒以上、濡れ広がない(実用上問題あり)
<打ち抜き加工性>
得られた表面保護フィルムを、幅100mm・長さ100mmの大きさに準備し試験用試料とした。打ち抜き加工機SA1008小型打ち抜き器III型(テスター産業製)を用
いて、直径10mmの円形トムソン刃にて50ショット連続的に打ち抜き加工をおこない、打ち抜き加工性を評価した。打ち抜き加工性の評価基準を以下に示す。

◎:刃に粘着剤カスが付着せず、打ち抜いた円形部分の剥離ライナーをきれいに軽く剥離できる。(非常に良好)
○:刃に粘着剤カスがわずかに付着するが、打ち抜いた円形部分の剥離ライナーをきれいに軽く剥離できる。(良好)
△:刃に粘着剤カスが一部付着する、または打ち抜いた円形部分の剥離紙を剥離する際に少し抵抗がある。(実用上問題なし)
×:刃に糊が非常に付着する、または打ち抜いた円形部分の剥離紙を剥離する際の抵抗が大きい。(実用上問題あり)
<塗工性>
各再剥離型粘着剤を、試験塗工機を使用して50μm厚みのPET基材(ルミラーT60、東レ製、430mm幅)に乾燥後の厚みが100μmになるように塗工し、25μmの剥離ライナー(250010BD、藤森工業製、430mm幅)を貼り合わせ、6インチABSコアに100m巻き取った。(オーブン長4m、粘着塗工幅400mm、温度130℃、塗工速度1.0m/分)その際、塗工面の状態を目視により観察し、塗工性を評価した。

(A)ハジキ、ムラ
◎:400mm×500mmあたり、ハジキ、ムラが2個以下(良好)
○:400mm×500mmあたり、ハジキ、ムラが2〜4個(実用上問題なし)
×:400mm×500mmあたり、ハジキ、ムラが5個以上(実用上問題あり)
(B)塗工スジ
◎:400mm幅で観察されるスジが0個以下(良好)
○:400mm幅で観察されるスジが1個(実用上問題なし)
×:400mm幅で観察されるスジが2個以上(実用上問題あり)
<長期保管性>
各再剥離型粘着剤を、試験塗工機を使用して50μm厚みのPET基材(ルミラーT60、東レ製、430mm幅)に乾燥後の厚みが100μmになるように塗工し、25μmの剥離ライナー(250010BD、藤森工業製、430mm幅)を貼り合わせ、6インチABSコアに100m巻き取った。(オーブン長4m、粘着塗工幅400mm、温度130℃、塗工速度1.0m/分)
次いで23℃−50%で1週間放置し、表面保護フィルムを380mm幅にスリット加工し3インチABSコアに巻き取り、表面保護フィルムロールを得た。それを40℃90%RHの環境下で1か月放置し、目視にて表面保護フィルムロールの端部を確認し、エステル化合物の染み出しがないかを確認した。また、色目の変化も確認した。

◎:経時前と変化なし(良好)
○:経時前と比較し、表面保護フィルムが僅かに黄変している(実用上問題なし)
×:経時前と比較し、表面保護フィルムが黄変しており、端部からエステル化合物の染み出しがある(実用上問題あり)
Figure 2017155249
表3の結果から、本発明の再剥離用粘着剤は、再剥離性、耐湿熱性、および濡れ性に優れ、さらに打ち抜き加工性にも優れた粘着シートならびに表面保護フィルムが得られた。
中でも、ウレタン樹脂を構成するポリオール中、ポリエステルジオールの含有量が、ポリエステルポリオール100重量%中20重量%以上である場合、特に打ち抜き加工性に優れていた。また、変質防止剤が、酸化防止剤と、耐加水分解剤または紫外線吸収剤とを併用する場合、長期保管性に優れていた。

Claims (5)

  1. ポリオールとポリイソシアネートとを反応してなるウレタン樹脂、硬化剤、エステル化合物(ただし、ウレタン樹脂である場合は除く)、および変質防止剤を含み、前記ポリオールが、ポリオール100重量%中、ポリエステルポリオールを50重量%以上含有することを特徴とする再剥離型粘着剤。
  2. 前記ポリエステルポリオールが、全ポリエステルポリオール100重量%中、ポリエステルジオールを20重量%以上含む、請求項1に記載の再剥離型粘着剤。
  3. 前記変質防止剤が、酸化防止剤、耐加水分解剤、紫外線吸収剤、および光安定剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2記載の再剥離型粘着剤。
  4. 前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が、500〜5,000である、請求項1〜3いずれか1項記載の再剥離型粘着剤。
  5. 基材と、請求項1〜4いずれか1項記載の再剥離型粘着剤から形成されてなる粘着剤層とを備えた表面保護フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220071063A (ko) * 2020-11-23 2022-05-31 삼성에스디아이 주식회사 표면 보호 필름용 점착 필름 및 이를 포함하는 광학 부재

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