JP5136982B2 - ZnOウィスカー膜、ZnOウィスカー膜形成のためのシード層及びそれらの作製方法 - Google Patents

ZnOウィスカー膜、ZnOウィスカー膜形成のためのシード層及びそれらの作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5136982B2
JP5136982B2 JP2008005050A JP2008005050A JP5136982B2 JP 5136982 B2 JP5136982 B2 JP 5136982B2 JP 2008005050 A JP2008005050 A JP 2008005050A JP 2008005050 A JP2008005050 A JP 2008005050A JP 5136982 B2 JP5136982 B2 JP 5136982B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zno
seed layer
substrate
zinc acetate
whisker film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008005050A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009167037A (ja
Inventor
秀ラン 胡
佳丈 増田
一実 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2008005050A priority Critical patent/JP5136982B2/ja
Publication of JP2009167037A publication Critical patent/JP2009167037A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5136982B2 publication Critical patent/JP5136982B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

本発明は、ZnOウィスカー膜、ZnOウィスカー膜形成のためのシード層及びそれらの作製方法等に関するものであり、更に詳しくは、本発明は、ZnO結晶を主成分(モル比50%以上)とするアスペクト比2以上のウィスカー形状粒子集積膜と、その形成のための無水酢酸亜鉛シード層、ZnOナノ粒子シード層、それらの作製方法及び用途に関するものである。本発明は、例えば、分子センサー、ガスセンサー、溶液センサーや、色素増感型太陽電池等として利用できるZnOウィスカー膜を提供するものである。
酸化亜鉛(ZnO)は、様々な分野において幅広く利用されてきたが、近年、特に、色素増感型太陽電池、分子センサーへの応用や、蛍光特性、透明導電性等への関心が高まっている。また、最近、低環境負荷プロセスへの移行や形態制御能の高さから、溶液プロセスによるZnO結晶の合成も活発に推進されている。
これまでに、例えば、六角柱状ZnO粒子、楕円体ZnO粒子、多針体ZnO粒子の合成が報告されている(非特許文献1)。上記文献では、実験条件を示すと、50℃の酢酸亜鉛水溶液にアンモニア(28%水溶液)を加え、撹拌しながら50℃にて保持したこと、溶液中の酢酸亜鉛濃度、アンモニア濃度は、それぞれ15mM(酢酸亜鉛)、30,60又は90mM(アンモニア)であり、それらのモル比は、([NH]/[Zn]=2.0,4.0又は6.0)に調整されていること、また、これら3条件でのpHは、それぞれ、pH=7.04,7.50又は8.93であったこと、等が示されている。
また、これまでに、ZnOウィスカー粒子の合成及びZnOの形態制御が報告されている(非特許文献2〜12)。また、ZnOウィスカー、ZnOウィスカー膜、酸化亜鉛粒子ならびに酸化亜鉛粒子膜、高c軸配向高比表面積ZnO結晶自立膜が提案されている(特許文献1〜3)。
最近、ZnOウィスカー膜の形成方法が提案されている。この方法では、酢酸亜鉛溶液を基板に塗布した後、350℃の高温条件にて大気加熱を行うことにより、ZnO多結晶のシード層を作製し、そのシード層を用いることにより、ZnOウィスカー膜を形成している(特許文献4)。
しかし、シード層の形成のためには、350℃程度以上の高温での加熱処理が必要であり、従来、高温加熱処理を伴わないシード層形成については報告されていない。そのため、ポリマー基板等の低耐熱性基板上にZnOウィスカー膜を形成することができないという問題があった。
また、FTOやITO基板上にシード層やZnOウィスカー膜を形成する際に、高温加熱処理に伴うFTO層あるいはITO層の抵抗増加が引き起こされていた。ZnOウィスカー膜を色素増感型太陽電池やセンサーとして使用する場合、FTOやITO層の抵抗増加は、デバイス特性の劣化に直結する大きな課題であり、当技術分野では、抵抗増加を引き起こすことなくシード層やZnOウィスカー膜を形成することを可能とする新しい手法の開発が求められていた。
特願2007−072248号 特願2006−263562号 特願2007−1141号 特願2007−146232号 Y.Masuda,N.Kinoshita,F.Sato,K.Koumoto,Crystal Growth & Design 2006,6,75−78 Y.Masuda,N.Kinoshita and K.Koumoto,Electrochimica Acta,2007,53,171−174 Yoshitake Masuda and Kazumi Kato,Key Engineering Materials,2007,350,3−6 N.Saito,H.Haneda,T.Sekiguchi,N.Ohashi,I.Sakaguchi and K.Koumoto,Adv.Mater.,2002,14,418−421 W.Q.Peng,S.C.Qu,G.W.Cong and Z.G.Wang,Crystal Growth & Design,2006,6,1518−1522 Y.R.Lin,S.S.Yang,S.Y.Tsai,H.C.Hsu,S.T.Wu and I.C.Chen,Crystal Growth & Design,2006,6,1951−1955 H.Zhang,D.R.Yang,D.S.Li,X.Y.Ma,S.Z.Li and D.L.Que,Crystal Growth & Design,2005,5,547−550 K.H.Liu,C.C.Lin and S.Y.Chen,Crystal Growth & Design,2005,5,483−487 P.O’Brien,T.Saeed and J.Knowles,J.Mater.Chem.,1996,6,1135−1139 S.Yamabi and H.Imai,J.Mater.Chem.,2002,12,3773−3778 L.Vayssieres,K.Keis,S.E.Lindquist and A.Hagfeldt,Journal of Physical Chemistry B,2001,105,3350−3352 L.Vayssieres,Advanced Materials,2003,15,464−466
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、高温加熱処理を伴わないでシード層を形成するとともに、非加熱シード層上に作製したZnOウィスカー膜を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、溶液プロセスによりシード層及びZnOウィスカー膜を形成することに成功し、本発明を完成するに至った。本発明は、上記従来の事情を鑑みてなされたものであり、非加熱処理によりシード層を形成するとともに、非加熱シード層上に形成されたZnOウィスカー膜を提供し、かつその作製方法及び用途を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)非加熱処理により合成した無水酢酸亜鉛シード層を用いて、酸化亜鉛が析出する反応系で当該シード層を介して低耐熱性基板のポリマー基板を含む所定の基板上に析出させて350℃以上の高温加熱処理を経ずに合成したZnOウィスカー膜であって、基板表面上のシード層の上にZnOウィスカーが結晶成長した構造を有し、c軸方向に異方成長したZnOウィスカーが、基板に垂直及び/又は非垂直方向に直立して配向成長して、その成長端であるウィスカー先端がとがった先端を有しており、シード層が、FE−SEM観察により、観察されない程度の薄さである、ことを特徴とするZnOウィスカー膜。
(2)酸化亜鉛が析出する反応系が、硝酸亜鉛溶液又は酢酸亜鉛溶液である、前記(1)に記載のZnOウィスカー膜。
)基板が、平板状、粒子、繊維、又は複雑形状の形態を有する、前記(1)に記載のZnOウィスカー膜。
)前記(1)から()のいずれかに記載のZnOウィスカー膜を作製する方法であって、低耐熱性基板を含む所定の基板上に無水酢酸亜鉛の層を形成し、これを酸化亜鉛が析出する0〜99℃の所定の温度の反応系に浸漬して、非加熱処理により無水酢酸亜鉛シード層を形成するとともに、該無水酢酸亜鉛からなる非加熱シード層の上にZnOウィスカーを結晶成長させることを特徴とするZnOウィスカー膜の作製方法。
)基板上に酢酸亜鉛水和物の層を形成し、これを乾燥処理して、無水酢酸亜鉛の層を形成する、前記()に記載のZnOウィスカー膜の作製方法。
)基板が、平板状、粒子、繊維、又は複雑形状の形態を有する、前記()に記載のZnOウィスカー膜の作製方法。
)前記(1)から()のいずれかに記載のZnOウィスカー膜からなるナノ構造体を構成要素として含むことを特徴とする高導電性部材。
)部材が、分子センサー、ガスセンサー、又は色素増感型太陽電池である、前記()に記載の高導電性部材。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、非加熱処理によりシード層を合成することを最も主要な特徴とする。また、本発明は、シード層及びZnO結晶の異方成長を用いて、ZnOウィスカー状粒子からなるZnOウィスカー膜を溶液中において合成することを主要な特徴とする。ここで、ウィスカー状粒子とは、成長端であるウイスカー先端は、とがった先端を有しており、かつ、アスペクト比が2以上の異方性粒子を指す。アスペクト比とは、長さ/直径の比のことで、球状粒子や立方体粒子では1、針状粒子や棒状粒子やウィスカー状粒子では1以上となる。
また、シード層とは、無水酢酸亜鉛シード層をし、ZnOウィスカーの形成を促進する層及び表面を指す。本発明の方法では、ZnOウィスカー形成のためのシード層の形成を、350℃程度以上の高温加熱処理を経ずに合成することを特徴としている。シード層形成のための亜鉛含有溶液には、後記する実施例の酢酸亜鉛溶液を用いることができる
亜鉛あるいは亜鉛イオンを含む物質を基板表面に付着させることができるプロセスであれば、溶液の付着にとどまらず、亜鉛粉末を吹き付ける等の処理も用いることができる。溶液によるコーティングの場合、ディップコーティングやスピンコーティングの他、溶液を基板表面に付着させることができるプロセスであれば、引き上げ法や噴霧法等、各種の手法を用いることができる。
亜鉛含有溶液の非高温加熱処理は、好適には、例えば、約65℃、1.5日保持程度の条件が例示され、ZnOウィスカー形成を促進するために用いられるが、これに制限されるものではなく、0−99℃の範囲で温度や雰囲気・処理時間等の条件変更も適宜可能である他、ZnOウィスカー形成を促進するシード層形成処理あるいは表面処理であれば、光処理や溶液処理も用いることができる。
また、亜鉛含有溶液の約65℃、1.5日保持程度の条件によるシード層形成の他、ZnOウィスカー形成を促進するシード層形成処理あるいは表面処理であれば、水溶液からのZnO結晶の析出処理等も用いることができる。
本プロセスで形成されるシード層に代えて、後記する実施例では、比較として、アモルファスZnOや、酢酸亜鉛等の亜鉛含有物質あるいはそれらの混合物、単結晶ZnO層を用いている。
本プロセスで形成されるZnOシード層に代えて、単結晶ZnO層等を用いることで、ウィスカーを同一方向に傾斜させたり、配向させることができ本プロセスで形成されるZnOシード層に代えて、亜鉛を含まない他のシード層を用いることもできるが、ZnOウイスカーの生成量は本プロセスに比べて少なくなる
溶液条件によって、本プロセスで形成されるZnOシード層に代えて、疎水性表面や親水性表面を用いることもでき溶液条件によって、本プロセスで形成されるシード層以外の表面処理を用いることもできるが、ZnOウイスカーの生成量は本プロセスに比べて少なくなる
本発明では、低耐熱性基板のポリマー基板を含む所定の基板を用いることができる。また、平板状基板以外に、粒子基材、繊維基材、複雑形状の形態の基材も用いることができる。
ZnOウィスカー膜形成のための亜鉛含有水溶液には、後記する実施例の硝酸亜鉛水溶液の他、酢酸亜鉛溶液等の亜鉛含有水溶液を用いることができる。また、酸化亜鉛が析出する反応系であれば、有機溶液等の、非水溶液反応系も用いることができる。
酸化亜鉛が析出する反応系であれば、水熱反応等も用いることができる。ヘキサメチレンテトラアミンに代えて、エチレンジアミンやアンモニア等を用いることができる。また、ヘキサメチレンテトラアミン等を添加せず、反応系の温度や原料濃度、pHを変化させて、ZnOを析出させることもできる。
ポリエチレンイミンに代えて、アミノ基を有するポリマー、モノマー等の有機分子を用いることができる。また、ポリエチレンイミン等を添加せず、反応系の温度や原料濃度、pHを変化させて、ZnOを析出させることもできる。反応系の温度も、原料濃度、添加剤、pH等に合わせて、水溶液の凝固点以上、かつ沸点以下(およそ0−99℃)の範囲で適宜調整することができる。
ウィスカー膜の作製の際、低耐熱性基板のポリマー基板を含む所定の基板を用いることができる。また、上述のように、平板状基板以外に、粒子基材、繊維基材、複雑形状の形態の基材も用いることができる。
ZnOウィスカーの下部に、緻密な層等の適宜の層を形成することもできる。この層により機械的強度が向上する。ZnOウィスカーの下部に、緻密な層等の層を形成しないこともできる。緻密な層がないことにより、ウィスカー下部まで、連続孔を形成できる。また、下地層による抵抗増加を抑制することができる。
平坦基板を使用する等により、ウィスカーを基板に垂直に成長させることができる。凹凸基板を使用する等により、ウィスカーを基板に非垂直に成長させることができる。このことにより、ウィスカー膜内での開気孔を増加させることもできる。基板処理の調整等により、基板に垂直なウィスカーと非垂直なウィスカーを混合して成長させることができる。
溶液条件の調整やシード層の緻密化等で、単位基板面積当たりのウィスカーの数を増やすことができる。後記する実施例では、ウィスカーの数は、約100本/μmである。溶液条件の調整やシード層の緻密化等で、ウィスカー膜ではなく、連続した緻密膜とすることができる。
溶液条件の調整やシードをまばらに配置させる等の手法で、ウィスカー膜を粗な膜にしたり、ウィスカー1本だけを形成させることもできる。ウィスカーの数密度は、実施例では、約100本/μmである。
溶液条件の調整やシード層の緻密化、まばら配置等で、ウィスカーの数密度を、1−1000本/μmで制御可能である。また、数密度の測定が困難なウィスカー連続体あるいは連続膜とすることも可能であり、多孔質膜や緻密膜も形成することもできる。
溶液条件の調整等で、ウィスカーではなく、多針体ウィスカーや、螺旋、放射状粒子、等の様々な形の固体を析出あるいは付着させることができる。
本発明の方法では、シード層をもとに、ZnO結晶をウィスカー形状へと異方結晶成長させ、基板に垂直方向にZnOウィスカーが配向成長したZnOウィスカー膜を形成した。ウィスカー膜は、高い比表面積、高い導電率、ウィスカー間空間制御性を両立させることのできるナノ構造体であり、例えば、分子センサー、ガスセンサー、色素増感型太陽電池等において、高い特性を発現できるものと期待される。
本発明は、非高温加熱処理によりシード層の形成を実現しているため、低耐熱性基板や複雑形状固体表面へのシード層形成、低温・低消費エネルギープロセス、開放系装置での合成、等の利点を有している。また、溶液プロセスを用いてZnOウィスカー膜の形成を実現しているため、低耐熱性基板や複雑形状固体表面へのウィスカー膜形成、低温・低消費エネルギープロセス、開放系装置での合成、等の利点を有している。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)シード層を、亜鉛含有溶液の非高温加熱処理にて形成することができる。特に、シード層を、例えば、65℃という常温にて形成することができる。
(2)そのため、従来必要とされていた、350℃程度以上での高温加熱処理を必要としない。そのため、ポリマー基板等の低耐熱性基板上にZnOウィスカー膜を形成することができる。
(3)FTOコーティングガラス基板やITOコーティングガラス基板に代えて、導電膜コーティングポリマー等のポリマーフィルムを基板に用いた際、曲げられるフレキシブルデバイスの実現、軽量化、低コスト化、薄層化等を実現することができる。
(4)FTOやITO基板上にZnOウィスカー膜を形成する際、従来はシード層形成における高温加熱処理によりFTO層あるいはITO層の抵抗増加が引き起こされていたが、これらの抵抗増加を回避することができる。
(5)シード層及びZnO結晶の異方成長を用いて、ZnOウィスカー膜を水溶液中において合成することができる。
(6)気相プロセスを用いていないため、簡便な装置で、低コストにて、平板及び複雑形状等の固体表面にウィスカー膜を作製することができる。
(7)水熱処理や高温・長時間のZnO結晶化処理を経ることなく、ウィスカー膜を得ることができる。
(8)ウィスカー膜は、高い比表面積、高い導電率、ウィスカー間空間制御性を両立させることのできるナノ構造体であり、分子センサー、ガスセンサー、色素増感型太陽電池等において、高い特性を発現できるものと期待される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何らの限定されるものではない。尚、以下の実施例では、亜鉛含有溶液の65℃、24時間保持によりシード層を形成しているが、0−99℃の非高温加熱処理条件下でも同様にシード層を形成することができた。
本実施例では、亜鉛含有溶液の65℃、24時間保持によりシード層を形成した。また、該シード層を用いて、ZnOウィスカー膜を作製した。その概要を説明すると、プロセス1として、酢酸亜鉛二水和物のエタノール溶液をFTO基板にコーティングして、FTO基板上に、酢酸亜鉛二水和物の層を形成した。
次に、プロセス2として、FTO基板を65℃にて乾燥処理した。それにより、酢酸亜鉛二水和物が無水酢酸亜鉛に変性し、結晶水が除去され、FTO基板上に、無水酢酸亜鉛の層を形成した。
更に、プロセス3として、上記FTO基板を硝酸亜鉛水溶液に浸漬してZnOウィスカー膜を形成した。それにより、無水酢酸亜鉛がZnOに変わることにより、ZnOナノ粒子シード層が生成され、ZnOナノ粒子シード層上にZnOウィスカーが結晶成長した。
結晶構造は、XRD(XRD;RINT−2100V,Rigaku)にて評価した。結晶形態及び微細構造は、FE−SEM(FE−SEM;JSM−6335FM,JEOL Ltd.)及び透過型電子顕微鏡(TEM;H−9000UHR,300kV,Hitachi)にて観察した。
(1)シード層の作製
シード層の作製及び該シード層を用いたZnOウィスカー膜の形成の概要を図1に示す。酢酸亜鉛(zinc acetate dihydrate(Zn(CHCOO)・2HO,99%))を無水エタノール中に溶解した。この時の酢酸亜鉛濃度は、0.01M(mol/L)であった。
洗浄したFTO基板上に、酢酸亜鉛溶液を5回スピンコーティングした。酢酸亜鉛溶液をスピンコーティングしたFTO基板を、65℃にて24時間保持した。65℃での乾燥処理(非高温加熱処理)により形成したシード層のXRD回折パターンを図2に示す。
観測されたXRD回折線は、無水酢酸亜鉛(anhydrous zinc acetate)(JCPDS No.01−0089)に帰属された。また、無水酢酸亜鉛以外の回折線は観測されなかった。FTO基板(a)及びシード層コーティングFTO基板(b)のFE−SEM像を、図3に示す。
FTO基板表面は、数百ナノメーターの凹凸構造を有していた(図3a)。シード層コーティングFTO基板においても、FTO基板と同様な表面形態が観察された。これは、シード層が、FE−SEM観察において、明確には認められない程度の薄さを有していることを示している。
(2)ZnOウィスカー膜の作製
硝酸亜鉛(zinc nitrate hexahydrate(Zn(NO・6HO,99%))0.1M、ヘキサメチレンテトラアミン(hexamethylenetetramine(HMT,C12,99%))0.1M、0.02Mのポリエチレンイミン(polyethylenimine(PEI,(CN),branched mean molecular weight of 600,99%))の混合水溶液を、200ml調製した。
84℃のオイルバス中に、反応溶液の入ったビーカーを設置し、84℃にて30分間保持した。その後、シード層を形成したFTO基板を、溶液に垂直に浸漬し、無撹拌にて保持した。反応溶液を88℃に加熱し、30分間保持した。
加熱過程において、透明な水溶液は、徐々に白濁した。また、シード層の効果を検証するため、各種シード層を形成したFTO基板を、同様に硝酸亜鉛水溶液中に浸漬した。各種シード層を下記に示す。
1)酢酸亜鉛水溶液コーティング層の350℃、20分間高温加熱処理により形成したZnOシード層。
2)酢酸亜鉛(Zinc acetate dihydrate)シード層。
3)酢酸亜鉛水溶液コーティング層の65℃30分間乾燥処理により作製した無水酢酸亜鉛(anhydrous zinc acetate)と酢酸亜鉛(zinc acetate dihydrate)の混合シード層。
浸漬後、基板を、脱イオン水及びエタノールにて繰り返し洗浄し、室温にて大気乾燥を行った。ZnOウィスカー膜のFE−SEM像を図4に示す。(A1,A2)は、65℃乾燥処理(非高温加熱処理)により形成したシード層上に作製したZnOウィスカー膜である。(B1,B2)は、350℃、20分間高温加熱処理により形成したシード層上に作製したZnOウィスカー膜である。(A1,B1)は、基板表面のFE−SEM像である。(A2,B2)は、基板断面のFE−SEM像である。
いずれのシード層を用いた場合にも、密なZnOウィスカー膜が形成されたことが、基板表面及び断面の観察から示された。また、シード層の違いによる、ZnOウィスカー膜の差異は見られなかった。このことは、高温加熱処理シード層に代えて、常温合成シード層を用いることが可能であることを示している。
ZnOウィスカー膜のXRD回折パターンを図5に示す。(a)は、65℃乾燥処理(非高温加熱処理)により形成したシード層上に作製したZnOウィスカー膜である。(b)は、350℃高温加熱処理により形成したシード層上に作製したZnOウィスカー膜である。
いずれのXRDパターンにおいても、FTO基板表面のSnO由来の回折線が見られる。また、いずれの析出物由来ピークも、ZnOに帰属された(JCPDS card(36−1451)for the typical wurtzite−type ZnO crystal(hexagonal,P6mc))。また、無水酢酸亜鉛由来の回折ピークは観察されなかった。
ZnOの各回折線の相対強度は、ランダム配向のZnOにおける相対強度とは異なるものであった。強い0002回折線と、ごく弱い10−11、10−12、10−13の回折線が観察された。これは、c軸方向に異方成長したZnOウィスカーが、基板に垂直方向に直立して配向成長していることを示している。
ZnOウィスカー膜のTEM像を図6に示す。65℃乾燥処理(非高温加熱処理)によりシード層を形成した。左図は、FTO基板上に形成したZnOウィスカー膜の断面TEM像である。右図は、FTO/シード層/ZnOウィスカー膜の界面の断面TEM像である。
ZnOウィスカーが、FTO基板に対して、隙間を有さず密接して形成していることが示されている。ZnOウィスカーとFTO基板との間に、無水酢酸亜鉛は観察されなかった。これらは、無水酢酸亜鉛が溶解したことを示している。
また、無処理FTO基板上では、ZnOウィスカーの形成が促進されないことを踏まえると、無水酢酸亜鉛が強制加水分解を受けて、極薄いZnO結晶層(ナノ粒子層)を形成したものと考えられる。その極薄いZnO結晶層を基点としてZnOウィスカーが形成しているため、ZnOウィスカーとFTO基板間には、大きなZnO結晶粒子等は観察されないものと考えられる。
本プロセスで形成したZnOウィスカー膜は、FTO基板との間に、多結晶ZnOシード層を有しないことが示されたが、これは、ZnOウィスカー膜とFTO基板との間に多結晶ZnOシード層を有する先行技術(特願2007−146232号)のZnOウィスカー膜及びその作製方法とは明らかに異なるものである。
ZnOウィスカー膜とFTO基板との間に多結晶ZnOシード層を有しないため、ZnOシード層による抵抗増加、可視光透過率低下、付着力低下、機械的強度低下を抑制することができる。
各種シード層上に形成したZnOウィスカー膜のFE−SEM像を図7に示す。(a)は、酢酸亜鉛(Zinc acetate dihydrate)シード層である。(b)は、無水酢酸亜鉛(anhydrous zinc acetate)と酢酸亜鉛(zinc acetate dihydrate)の混合シード層であり、65℃30分間乾燥処理した。(c)は、(b)の断面像である。
これらは、無水酢酸亜鉛がシード層として適していることを示している。(a)の酢酸亜鉛シード層を用いた場合、ZnOウィスカー形成水溶液中において、酢酸亜鉛の溶解が起こり、ZnOはごくわずかしか生成しなかった。これは、シード層なしのFTO基板を用いた場合と同程度のZnOウィスカー生成量であった。
酢酸亜鉛水溶液のスピンコーティング後、65℃にて30分間保持することにより、酢酸亜鉛と無水酢酸亜鉛の混合シード層を形成した。この混合シード層を用いた場合、ZnOウィスカーの直径及び長さが増大し、ZnOウィスカーの成長方向がよりランダムになることにより配向性は低下した。これらの結果より、以下のように無水酢酸亜鉛が変化しているものと考えられる。
ZnOウィスカー形成水溶液中において、FTO基板上で、無水酢酸亜鉛が容易にかつ迅速に強制加水分解されてZnO結晶へと相転移する。そのZnO結晶によりZnOウィスカーが形成される。そのため、無水酢酸亜鉛シード層により、ZnOウィスカーが形成される。
無水酢酸亜鉛シード層上に形成したZnOウィスカー膜のFE−SEM像を図8に示す。(a)では、55℃にてZnOウィスカー膜を形成した。(b)では、65℃にてZnOウィスカー膜を形成した。(c)では、75℃にてZnOウィスカー膜を形成した。いずれの温度においても、ZnOウィスカーが形成されることが示された。
これは、いずれの温度においても、無水酢酸亜鉛シード層がシード層として機能していることを示している。また、いずれの温度においても無水酢酸亜鉛が強制加水分解されZnO結晶へと相転移したことを示唆している。各温度にて生成したZnOウィスカーを比較した場合、温度増加に従い、ウィスカーの直径及び長さが増加した。
FTO基板及びZnOシードレイヤー形成後のFTO基板表面のFE−SEM像の観察によると、未処理FTO基板表面は、SnO層によって被覆されているが、その表面は数十nm〜数百nmの凹凸を有していた。
また、ZnOシード層形成処理により、その凹凸に沿って、表面を20nm以下のZnO粒子にて被覆した。シード層を形成しているZnOナノ粒子量がごくわずかであるため、シード層形成後のFTO基板のXRDからは、ZnOの回折線は観察されなかった。
シード層を形成したFTO基板を、硝酸亜鉛水溶液に浸積した後のSEM写真によると、直径30−150nmのZnOウィスカーが基板に垂直方向に成長し、FTO表面を緻密に被覆していた。また、そのウィスカー長(ウィスカー膜の膜厚)も均一であった。
拡大像からは、ウィスカーが六角形の断面形状を有することが示されたが、これは、ZnOが六方晶の結晶構造を有すること及び生成したZnOが単結晶であることに起因している。
ZnOウィスカー膜の断面像及び傾斜像によると、ディップコーティングより、シード層を形成した場合、単位基板面積当たりのウィスカーの数(数密度)は、100本/μmであった。
長さの揃ったZnOウィスカーがFTO表面から成長し、緻密なウィスカー膜を形成している様子が示された。また、FTO表面の凹凸に依存し、傾斜を持って成長しているウィスカーも多く見られた。断面SEMより見積もられるウィスカーの長さは、約900nmであった。
また、ディップコーティングに代えて、スピンコーティングによりZnOシード層の形成を行うことで、ZnOウィスカーの直径を揃えることにも成功した。また、溶液濃度0.025Mでは直径30−80nmのウィスカーが生成し、濃度0.1Mでは直径0.9−1.5μmのウィスカーが生成した。
この様に、広範囲の濃度条件において、ZnOウィスカー膜を形成させることが可能であり、溶液濃度の増加に伴い、ZnOウィスカーのサイズを増加させることも可能である。また、ZnOシード層を用いることにより、FTO、ITO、アモルファスガラス、シリコン等の様々な基板上にZnOウィスカー膜を形成させることができる。
高分解能TEM観察及び電子線回折像からは、ZnOウィスカーが単結晶ZnOであることが示された。また、ウィスカーはc軸方向((0001)方向)に異方成長していることも示された。
TEM像より見積もられた格子間隔は0.26nmであり、ZnOの(0002)面間隔と一致していた。SEM観察から見られる様に、ZnOウィスカー膜は、ナノサイズの開気孔を多く有していた。
また、そのウィスカーはTEM観察から見られる様に、c軸方向に異方成長した単結晶ZnOであった。これらの単結晶ZnOは、非極性面で囲まれており、ZnO粉末においては、非極性面(−1010)はCOガスに対して高い吸着特性を示すことが報告されている(文献:Scarano,D.;Spoto,G.;Bordiga,S.;Zecchina,A.;Lamberti,C.Surf.Sci.1992,276,(1−3),281−298)。
このことから、ZnOウィスカーも高い吸着特性を有すると考えられる。更に、単結晶であり、ウィスカー膜領域に粒界が存在しないことから、粒界による抵抗増加を回避することに成功している。ZnOウィスカー膜の有する、ナノサイズの開気孔、高表面積、高導電率、高吸着特性により、色素増感センサーあるいは色素増感型太陽電池としての高い特性が期待される。
結晶成長のメカニズムについては、ZnOウィスカーは、とがった先端と、平坦な六角形面を、6枚の長方形でつないだ形状を有している。ウィスカー膜においては、基板から遠ざかるに従い、ウィスカー形は徐々に細くなり、針状の形状に近づいて行く。
一般的に、ウルツ鉱型ZnO結晶は六方晶系の結晶構造を有し、6つの非極性(10 10)面と、極性酸素面(000−1)及び極性亜鉛面(0001)により構成されている。表面に分極を有する極性面は、非極性面に比べて、熱力学的に安定性が低い。そのため、結晶の表面エネルギーを減少させるために、再配列が行われ、結晶成長速度が速くなる傾向がある。
良く知られている様に、結晶成長速度の速い結晶面は、より速く消失することになる。そのため、結晶は、遅い成長速度の結晶面で覆われた形態を示すことになる。水熱条件下における各結晶面の成長速度は、以下の様に報告されている。V(0001)>V(−101−1)>V(−1010)>V(−1011)>V(000−1)[文献:(1)Zhang,H.;Yang,D.;Ji,Y.J.;Ma,X.F.;X.,J.;Que,D.L.J.Phys.Chem.B 2004,108,3955−3958、(2)Laudies,R.A.;Ballman,A.A.J.Phys.Chem.1960,64,688−691]。
そのため、最も安定な形態は、c軸方向に延長した六角柱状である。本反応系の添加剤であるPEIは、その長い分子鎖の中に、多くのアミノ基を有している。これらのアミノ基は、特定結晶面に選択吸着して表面自由エネルギーや結晶成長速度に大きな影響を及ぼすことが知られている[文献:Sousa,V.C.;Segadaes,A.M.;Morelli,M.R.;Kiminami,R.Int.J.Inorg.Mater.1999,1,(3−4),235−241]。
そのため、本反応系においても、PEIが非極性面に吸着して結晶成長を抑制したことにより、極性面である(0001)と(000−1)の成長速度が高くなったものと考えられる。また、ZnOシード層上でのウィスカー成長の場合、シード層により不均一核生成が促進されてZnOシード上でのZnOウィスカー形成が行われ、その後、基板と接触している極性面は成長できないため、基板に垂直方向に異方成長が進行したものと考えられる。そのため、ZnOシード層と接触している面は、六角形面を呈し、成長端であるウィスカー先端は、とがった先端を有しているものと考えられる。
以上詳述したように、本発明は、ZnOウィスカー膜、ZnOウィスカー膜形成のためのシード層及びそれらの作製方法等に係るものであり、本発明により、シード層を、亜鉛含有溶液の非高温加熱処理にて形成することができ、従来必要とされていた、350℃程度以上での高温加熱処理を必要としないため、ポリマー基板等の低耐熱性基板上にZnOウィスカー膜を形成することができる。本発明により、FTOコーティングガラス基板やITOコーティングガラス基板に代えて、導電膜コーティングポリマー等のポリマーフィルムを基板に用いた際、曲げられるフレキシブルデバイスの実現、軽量化、低コスト化、薄層化等を実現することができる。FTOやITO基板上にZnOウィスカー膜を形成する際、従来はシード層形成における高温加熱処理によりFTO層あるいはITO層の抵抗増加が引き起こされていたが、これらの抵抗増加を回避することができる。本発明により、シード層及びZnO結晶の異方成長を用いて、ZnOウィスカー膜を水溶液中において合成することができる。本発明のウィスカー膜は、高い比表面積、高い導電率、ウィスカー間空間制御性を両立させることのできるナノ構造体であり、分子センサー、ガスセンサー、色素増感型太陽電池等において、高い特性を発現できるものと期待される。
シード層を用いたZnOウィスカー膜の形成の概要を示す。上段は、65℃乾燥処理(非高温加熱処理)によるシード層の形成であり、下段は、350℃高温加熱処理によるシード層の形成である。 65℃乾燥処理(非高温加熱処理)により形成したシード層のXRD回折パターンを示す。無水酢酸亜鉛(anhydrous zinc acetate)(JCPDS No.01−0089)に帰属するXRD回折線が観察された。 (a)は、FTO基板、(b)は、シード層コーティングFTO基板のFE−SEM像を示す。 ZnOウィスカー膜のFE−SEM像を示す。(A1,A2)は、65℃乾燥処理(非高温加熱処理)により形成したシード層上に作製したZnOウィスカー膜である。(B1,B2)は、350℃高温加熱処理により形成したシード層上に作製したZnOウィスカー膜である。(A1,B1)は、基板表面のFE−SEM像であり、(A2,B2)は、基板断面のFE−SEM像である。 ZnOウィスカー膜のXRD回折パターンを示す。(a)は、65℃乾燥処理(非高温加熱処理)により形成したシード層上に作製したZnOウィスカー膜である。(b)は、350℃高温加熱処理により形成したシード層上に作製したZnOウィスカー膜である。 ZnOウィスカー膜のTEM像を示す。65℃乾燥処理(非高温加熱処理)によりシード層を形成した。左図は、FTO基板上に形成したZnOウィスカー膜の断面TEM像であり、右図は、FTO/シード層/ZnOウィスカー膜の界面の断面TEM像である。 各種シード層上に形成したZnOウィスカー膜のFE−SEM像を示す。(a)は、酢酸亜鉛(Zinc acetate dihydrate)シード層である。(b)は、無水酢酸亜鉛(anhydrous zinc acetate)と酢酸亜鉛(zinc acetate dihydrate)の混合シード層であり、65℃30分間乾燥処理した。(c)は、(b)の断面像である。 無水酢酸亜鉛シード層上に形成したZnOウィスカー膜のFE−SEM像を示す。(a)では、55℃にてZnOウィスカー膜を形成した。(b)では、65℃にてZnOウィスカー膜を形成した。(c)では、75℃にてZnOウィスカー膜を形成した。

Claims (8)

  1. 非加熱処理により合成した無水酢酸亜鉛シード層を用いて、酸化亜鉛が析出する反応系で当該シード層を介して低耐熱性基板のポリマー基板を含む所定の基板上に析出させて350℃以上の高温加熱処理を経ずに合成したZnOウィスカー膜であって、基板表面上のシード層の上にZnOウィスカーが結晶成長した構造を有し、c軸方向に異方成長したZnOウィスカーが、基板に垂直及び/又は非垂直方向に直立して配向成長して、その成長端であるウィスカー先端がとがった先端を有しており、シード層が、FE−SEM観察により、観察されない程度の薄さである、ことを特徴とするZnOウィスカー膜。
  2. 酸化亜鉛が析出する反応系が、硝酸亜鉛溶液又は酢酸亜鉛溶液である、請求項1に記載のZnOウィスカー膜。
  3. 基板が、平板状、粒子、繊維、又は複雑形状の形態を有する、請求項1に記載のZnOウィスカー膜。
  4. 請求項1からのいずれかに記載のZnOウィスカー膜を作製する方法であって、低耐熱性基板を含む所定の基板上に無水酢酸亜鉛の層を形成し、これを酸化亜鉛が析出する0〜99℃の所定の温度の反応系に浸漬して、非加熱処理により無水酢酸亜鉛シード層を形成するとともに、該無水酢酸亜鉛からなる非加熱シード層の上にZnOウィスカーを結晶成長させることを特徴とするZnOウィスカー膜の作製方法。
  5. 基板上に酢酸亜鉛水和物の層を形成し、これを乾燥処理して、無水酢酸亜鉛の層を形成する、請求項に記載のZnOウィスカー膜の作製方法。
  6. 基板が、平板状、粒子、繊維、又は複雑形状の形態を有する、請求項に記載のZnOウィスカー膜の作製方法。
  7. 請求項1からのいずれかに記載のZnOウィスカー膜からなるナノ構造体を構成要素として含むことを特徴とする高導電性部材。
  8. 部材が、分子センサー、ガスセンサー、又は色素増感型太陽電池である、請求項に記載の高導電性部材。
JP2008005050A 2008-01-11 2008-01-11 ZnOウィスカー膜、ZnOウィスカー膜形成のためのシード層及びそれらの作製方法 Expired - Fee Related JP5136982B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008005050A JP5136982B2 (ja) 2008-01-11 2008-01-11 ZnOウィスカー膜、ZnOウィスカー膜形成のためのシード層及びそれらの作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008005050A JP5136982B2 (ja) 2008-01-11 2008-01-11 ZnOウィスカー膜、ZnOウィスカー膜形成のためのシード層及びそれらの作製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009167037A JP2009167037A (ja) 2009-07-30
JP5136982B2 true JP5136982B2 (ja) 2013-02-06

Family

ID=40968685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008005050A Expired - Fee Related JP5136982B2 (ja) 2008-01-11 2008-01-11 ZnOウィスカー膜、ZnOウィスカー膜形成のためのシード層及びそれらの作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5136982B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5669048B2 (ja) * 2009-07-31 2015-02-12 独立行政法人産業技術総合研究所 酸化亜鉛ロッド状結晶のツイン連結構造体、ツイン連結構造膜、及びツイン連結構造膜の製造方法
JP5339372B2 (ja) * 2009-11-25 2013-11-13 独立行政法人産業技術総合研究所 Zn(OH)2ナノシートとZnOナノウィスカー膜によるハイブリッドフィルム、ZnOナノシートとZnOナノウィスカー膜によるハイブリッドフィルム、およびそれらの作製方法
JP5430419B2 (ja) * 2010-01-20 2014-02-26 京セラ株式会社 光電変換モジュール
KR101769950B1 (ko) 2015-11-03 2017-08-21 울산과학기술원 방탄용 케블라 섬유용 코팅 방법
WO2017163494A1 (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 日本碍子株式会社 酸化亜鉛膜の製造方法
JP6724715B2 (ja) * 2016-10-20 2020-07-15 株式会社豊田中央研究所 撥水材の製造方法
CN109092080B (zh) * 2018-10-10 2020-12-11 锐智信息科技(滨州)有限公司 一种水处理用无机反渗透膜材料
JP7115257B2 (ja) * 2018-11-29 2022-08-09 Tdk株式会社 圧電薄膜素子
CN110137477B (zh) * 2019-05-29 2021-10-29 常州优特科新能源科技有限公司 一种锌镍电池负极材料及其制备方法
CN113292095B (zh) * 2020-02-24 2022-12-13 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 表面修饰的氧化锌薄膜、有机太阳能电池及其制备方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002356400A (ja) * 2001-03-22 2002-12-13 Canon Inc 酸化亜鉛の針状構造体の製造方法及びそれを用いた電池、光電変換装置
JP2004149367A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Japan Science & Technology Agency 酸化亜鉛粒子又は膜製造用水溶液及び酸化亜鉛粒子又は膜の製造方法
CN101189367B (zh) * 2005-05-31 2012-01-04 京瓷株式会社 含有针状结晶的排列体的复合体及其制造方法、以及光电转换元件、发光元件及电容器
JP4899229B2 (ja) * 2007-03-20 2012-03-21 独立行政法人産業技術総合研究所 ZnOウィスカー膜及びそれらの作製方法
JP2008297168A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ZnOウィスカー膜及びその作製方法
JP2009096656A (ja) * 2007-10-15 2009-05-07 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ZnOロッドアレイ及びその作製方法
JP5540365B2 (ja) * 2008-01-11 2014-07-02 独立行政法人産業技術総合研究所 ZnOシード層、ZnOウィスカーパターン及びそれらの作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009167037A (ja) 2009-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5136982B2 (ja) ZnOウィスカー膜、ZnOウィスカー膜形成のためのシード層及びそれらの作製方法
JP2008297168A (ja) ZnOウィスカー膜及びその作製方法
Bai et al. Synthesis of ZnO nanowires by the hydrothermal method, using sol–gel prepared ZnO seed films
JP4899229B2 (ja) ZnOウィスカー膜及びそれらの作製方法
Sun et al. Room-temperature preparation of ZnO nanosheets grown on Si substrates by a seed-layer assisted solution route
Habibi et al. Structure and morphology of nanostructured zinc oxide thin films prepared by dip-vs. spin-coating methods
JP4803443B2 (ja) 酸化亜鉛粒子ならびに酸化亜鉛粒子膜及びそれらの作製方法
Dong et al. Controllable synthesis of ZnO nanostructures on the Si substrate by a hydrothermal route
JP4997569B2 (ja) ナノ結晶集積TiO2及びその作製方法
Colson et al. Nanosphere lithography and hydrothermal growth: how to increase the surface area and control reversible wetting properties of ZnO nanowire arrays?
JP2008254983A (ja) ナノ針状アナターゼTiO2結晶集積粒子と多孔質アナターゼTiO2結晶膜及びそれらの作製方法
KR20120010388A (ko) 표면에 나노 세공을 갖는 산화아연 나노로드의 제조방법 및 이에 의하여 제조된 표면에 나노 세공을 갖는 산화아연 나노로드
Parikh et al. Recent progress in the synthesis of oxide films from liquid solutions
JP5339372B2 (ja) Zn(OH)2ナノシートとZnOナノウィスカー膜によるハイブリッドフィルム、ZnOナノシートとZnOナノウィスカー膜によるハイブリッドフィルム、およびそれらの作製方法
JP5540365B2 (ja) ZnOシード層、ZnOウィスカーパターン及びそれらの作製方法
JP2011042535A (ja) 多針体二酸化チタン粒子、多針体二酸化チタン粒子コーティング、二酸化チタン系デバイス、及びそれらの製造方法
JP2009096656A (ja) ZnOロッドアレイ及びその作製方法
Lipowsky et al. Thin film formation by oriented attachment of polymer-capped nanocrystalline ZnO
JP4958086B2 (ja) エピタキシャルナノTiO2粒子コーティング及びその作製方法
JP4649599B2 (ja) In2O3薄膜パターン、In(OH)3薄膜パターン及びそれらの作製方法
Ghayour et al. Illustration of Effective Parameters on Growth of ZnO Micro/Nano Rods, on the Borosilicate Glass via Hydrothermal Process
KR101519302B1 (ko) 다양한 기판 상에 직접 성장된 산화세륨 초발수 나노/마이크로 구조체 및 이의 제조방법
Wang et al. Precipitation of multilayered core–shell TiO2 composite nanoparticles onto polymer layers
Meng et al. Anatase-assisted growth of nanoscale crystalline brookite film and rutile rods on SiO 2/Si substrate in a single hydrothermal process
Bae et al. Ultralong ZnO nanowire arrays synthesized by hydrothermal method using repetitive refresh

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110720

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5136982

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151122

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees