JP4899229B2 - ZnOウィスカー膜及びそれらの作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ZnOウィスカー膜及びそれらの作製方法に関するものであり、更に詳しくは、ZnO結晶を主成分(モル比50%以上)とするアスペクト比2以上のウィスカー形状粒子集積膜及びそれらの作製方法に関するものである。本発明において、ウィスカー状粒子(ひげ状粒子、針状粒子、棒状粒子)とは、アスペクト比が2以上の異方性粒子を指す。アスペクト比とは、長さ/直径の比のことで、球状粒子や立方体粒子ではアスペクト比1、針状粒子や棒状粒子等のウィスカー状粒子ではアスペクト比1以上となる。本発明は、例えば、分子センサー、ガスセンサー、溶液センサーや色素増感型太陽電池等として利用できる高導電性ZnOウィスカー膜、その作製方法及び高電導性Znウィスカー部材を提供するものである。
ZnOは、様々な分野において幅広く利用されてきたが、近年、特に、色素増感型太陽電池や分子センサー用として、その導電性、蛍光特性、透明導電性等への関心が高まっている。また、低環境負荷プロセスへの移行や形態制御能の高さから、溶液プロセスによるZnO結晶の合成も活発に推進されている。
これまでに、六角柱状ZnO粒子、楕円体ZnO粒子、多針体ZnO粒子の合成が報告されている(非特許文献1)。また、ZnOウィスカーについては、先行技術として、例えば、単結晶のチューブ状酸化亜鉛ウィスカーの製造方法(特許文献1)、導電性テトラポッド状酸化亜鉛ウィスカーの製造方法(特許文献2)、導電性テトラポッド状酸化亜鉛ウィスカー及びその製造方法(特許文献3)、更に、フラーレンナノウィスカー等の液相合成方法及びその用途(特許文献4)、が提案されている。
上記先行技術では、上述のように、例えば、それまでの方法では、多結晶体しか得られなかった酸化亜鉛が単結晶で得られるようになり、電子移動度や発光強度が多結晶体よりもすぐれている単結晶のチューブ状酸化亜鉛ウィスカーが得られたこと等が示されている。しかし、水溶液プロセスによるZnOウィスカー及びZnOウィスカー膜の合成は報告されていない。
特開2004−299920号公報 特開平6−24744号公報 特開平6−24745号公報 特開2006−83050号公報 Y.Masuda,N.Kinoshita,F.Sato,K.Koumoto,Crystal Growth & Design(2006),6,75
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、不純物の混入や、反応系の複雑化、高コスト化を回避してZnOウィスカー及びZnOウィスカー膜を合成することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、溶液プロセスを利用した反応系を開発することに成功し、本発明を完成するに至った。本発明は、溶液プロセスを利用して、高い比表面積と高い導電率を両立させることを可能としたZnOウィスカー膜及びそれらの作製方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)ZnO結晶を主成分(モル比50%以上)とするZnOウィスカーを堆積させて形成したZnOウィスカー膜であって、
アスペクト比が少なくても2のウィスカー形状粒子であり、該ウィスカー粒子が、ひげ状粒子、針状粒子、又は棒状粒子であり、350nmの励起光によって、350から700nmの波長範囲の少なくともUV領域(370−400nm)においてフォトルミネッセンス特性を有し、上記ウィスカー粒子が、直径10−50nm、長さ1000−2000nmの高アスペクト比を有するZnO結晶を含むZnOウィスカーを基板上に溶液中で堆積させて形成したZnOウィスカーネットワーク膜であり、(10−10)面の回折強度が(0002)の回折強度よりも強く、ランダムなZnO粒子と比べて高い比表面積と高い導電率を両立させたナノ構造体からなるZnOウィスカー膜。
(2)前記(1)に記載のZnOウィスカー膜を構成要素として含むことを特徴とする高比表面積と高導電率を両立させた導電性ZnOウィスカー部材。
(3)前記(1)に記載のZnOウィスカー膜を溶液プロセスにより製造する方法であって、
酸化亜鉛が析出する酢酸亜鉛を含む水溶液反応系で、エチレンジアミンを錯化剤として添付し、温度、原料濃度、乃至pH条件のいずれかの条件を調整してZnO結晶を析出させ、アスペクト比が少なくても2のウィスカー形状粒子であり、該ウィスカー粒子が、ひげ状粒子、針状粒子、又は棒状粒子であり、350nmの励起光によって、350から700nmの波長範囲の少なくともUV領域(370−400nm)においてフォトルミネッセンス特性を有し、上記ウィスカー粒子が、直径10−50nm、長さ1000−2000nmの高アスペクト比を有するZnO結晶を含むZnOウィスカーを基板上に溶液中で堆積させることにより、(10−10)面の回折強度が(0002)の回折強度よりも強く、ランダムなZnO粒子と比べて高い比表面積と高い導電率を両立させたナノ構造体からなるZnOウィスカー膜を形成させること、を特徴とするZnOウィスカー膜の製造方法。
(4)溶液反応系が、亜鉛含有水溶液の水熱反応系である、前記(3)に記載の方法。
(5)基板として、シリコン、ガラス、金属、セラミックス、又はポリマーの基板を用いる、前記(3)に記載の方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明で用いるウィスカーは、ZnO結晶を主成分(モル比50%以上)とするZnOウィスカーであって、アスペクト比が2以上のウィスカー形状粒子であり、図3cのフォトルミネッセンススペクトルで示される可視光領域におけるフォトルミネッセンス特性を有することを特徴とするものである。本発明では、ウィスカーが、直径10−50nm、長さ1000−2000nmの高アスペクト比を有すること、ウィスカーが、図2cのX線回折パターンを示すこと、ウィスカー粒子が、ひげ状粒子、針状粒子、又は棒状粒子であること、を特徴としている。
また、本発明は、上記のZnOウィスカー粒子を基板上に堆積させて形成したZnOウィスカーネットワーク膜であって、ランダムなZnO粒子と比べて高い比表面積と高い導電率を両立させたナノ構造体からなることを特徴とするものである。また、本発明は、上記ZnOウィスカー膜を構成要素として含むことを特徴とする高比表面積と高導電率を両立させた導電性ZnO部材の点に特徴を有するものである。
また、本発明は、溶液プロセスによZnOウィスカー乃至ZnOウィスカー膜製造すること、酸化亜鉛が析出する溶液反応系で、温度、原料濃度、添加剤、pH条件のいずれかの条件を調整してZnO結晶を析出させ、図3cのフォトルミネッセンススペクトルで示される可視光領域におけるフォトルミネッセンス特性を有するZnOウィスカーを合成すること、該ZnOウィスカーを基板上に堆積させることによりZnOウィスカー膜を形成させることを特徴とするものである。
従来法では、実験条件として、50℃の酢酸亜鉛水溶液にアンモニア(28%水溶液)を加え、攪拌しながら50℃にて保持し、ZnO粒子を合成している。溶液中の酢酸亜鉛濃度、アンモニア濃度は、それぞれ15mM(酢酸亜鉛)、30,60又は90mM(アンモニア)であり、それらのモル比は、([NH]/[Zn]=2.0,4.0or6.0)に調整されている。
また、これら3条件でのpHは、それぞれ、pH=7.04,7.50又は8.93であった。しかし、センサーや色素増感型太陽電池などの電子デバイス向けには、高比表面積のZnOが求められている。また、新規な特性の発現を目指して、ウィスカー形状やファイバー状の酸化物材料の開発も進められている。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、ZnOウィスカー膜を提供し、かつ、これらの作製方法を提供することを課題としている。本発明では、テンプレートや有機物の添加を必要とせず、ZnOの結晶成長を精密にコントロールすることにより、形態制御を実現して、ZnOウィスカー膜の開発に成功した。
そのため、不純物の混入や、反応系の複雑化、高コスト化を回避することに成功しており、本発明のZnOウィスカー膜は、様々な分野への適用が可能である。また、ウィスカー膜は、高い比表面積と高い導電率を両立させることのできたナノ構造体であり、例えば、分子センサー、ガスセンサー、色素増感型太陽電池において、電子デバイス等として、高い特性を発現可能である。
本発明は、ZnO結晶の異方成長を用いてZnOウィスカー膜を合成することを最も主要な特徴としている。原料としては、亜鉛含有溶液が用いられる。亜鉛含有溶液には、実施例の酢酸亜鉛水溶液の他、硝酸亜鉛水溶液等の亜鉛塩類の亜鉛含有水溶液を用いることができる。
また、酸化亜鉛が析出する反応系であれば、有機溶液等の、非水溶液反応系も用いることができる。酸化亜鉛が析出する反応系であれば、水熱反応等も用いることができる。
後記する実施例の様に酢酸亜鉛を原料として用いた際には、錯化剤として、エチレンジアミンに代えて、アンモニア等を用いることができる。また、エチレンジアミン等を添加せず、温度や原料濃度、pHを変化させて、ZnOを析出させることもできる。
温度も、原料濃度、添加剤、pH等に合わせて、水溶液の凝固点以上かつ沸点以下(およそ0−99℃)の範囲で用いることができる。ウィスカー膜の作製の際に、シリコン基板以外に、ガラス、金属、セラミックス、ポリマー等の種々の基板を用いることができる。また、平板上基板以外に、例えば、粒子基材、繊維基材、複雑形状基材等も用いることができる。
本発明において、ZnOウィスカー及びZnOウィスカー膜は、図3のフォトルミネッセンススペクトルで示される可視光領域におけるフォトルミンッセンス特性を有し、図2cのX線回折パターンを示すことで特徴付けられるものであり、これらの物理的特性を比較することで、ランダムなZnO粒子や他の特定形態のZnO粒子や既存のZnOウィスカー粒子と区別(識別)することが可能である。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)ZnO結晶の異方成長を利用することにより、溶液プロセスでZnOウィスカー及びZnOウィスカー膜を作製することができる。
(2)有機物の添加を用いていないため、不純物の混入を回避することができる。
(3)数百℃での高温加熱処理を経ることなく、ZnO結晶ウィスカー及びウィスカー膜を得ることができる。
(4)本発明は、ZnOウィスカー膜を、高い比表面積と高い導電率を両立させることのできるナノ構造体として提供するものであり、例えば、分子センサー、ガスセンサー、色素増感型太陽電池の分野において、高い特性を発現できる電子デバイスを提供することを可能とするものである。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、ZnOウィスカーを作製した。また、このウィスカーを基板上に堆積あるいは析出させることにより、ZnOウィスカー膜を作製した。また、比較例として、通常のZnO粒子を作製した。
(1)作製方法
15mMの酢酸亜鉛(Zn(CHCOO))水溶液を調製した後、15−45mMのエチレンジアミンを錯化剤として添加し、溶液を60℃にて3時間保持した。この際、エチレンジアミンと亜鉛のモル比を、[ethylendiamine]/[Zn]=(a)1:1、(b)2:1、(c)3:1と変化させた。
エチレンジアミンの添加直後からZnO粒子が生成し始め、溶液は白濁した。また、エチレンジアミンの添加量の増加に伴い、白濁の速度も速くなった。ZnO粒子の評価のため、シリコン基板を溶液に浸積し、基板に堆積したZnO粒子をSEM、XRD、蛍光光度計にて評価した。
(2)六角柱状ZnO粒子及び長楕円体ZnO粒子の合成とフォトルミネッセンス特性
図1に、ZnO粒子のSEMによる二次電子像写真を示す。エチレンジアミン15mM含有水溶液中([ethylendiamine]/[Zn]=(a)1:1)において、六角柱状ZnO粒子が生成した(図1a)。図2に、ZnO粒子のX線回折パターンを示す。XRDからは、析出した粒子がZnO結晶であることが示された。(10−10)及び(0002)の回折強度は、ランダムなZnO粒子の回折パターンと同様であった。
粒子は、直径100−200nmの正六角形の面を有しており、長さは、およそ500nmであった。ZnOは、六方晶の結晶構造を有しているため、十分に遅い結晶成長においては、結晶構造を反映して、六角柱状に成長したものと考えられる。図3に、ZnO粒子のフォトルミネッセンススペクトルを示す。この粒子は、350nmの励起光によって、UV領域(370−400nm)及び可視光領域(530−550nm)にフォトルミネッセンスを示した(図3a)。
これは、ZnOが、390nm付近に、band−edge luminescence(バンド端発光)由来の強い紫外発光を示し、450−600nm付近に酸素欠陥由来の可視発光を示すことによるものである。続いて、エチレンジアミン濃度を2倍に増加させた([ethylendiamine]/[Zn]=(a)2:1)。水溶液中では、均一核生成により、長楕円体形状を有するZnO粒子が生成した(図1b)。
粒子サイズは、直径100−200nm、長さ500nm程度であり、六角柱状粒子に類似したサイズであった。XRDからは、粒子がZnO結晶であることが示された(図2b)。また、(10−10)面の回折強度は、(0002)よりもずっと強いものであり、長楕円体粒子のほとんどが基板に横たわった状態で堆積していることを示している。これは、SEM観察の結果とも一致する(図1b)。
長楕円体粒子の生成速度は、六角柱状粒子の生成速度よりもわずかに速かった。これは、錯化剤であるエチレンジアミンの濃度を増加させたことによる効果である。また、速い結晶成長により、六角柱状粒子の角がまるくなり、長楕円体形状へと変化したものと考えられる。
長楕円体粒子の発光特性は、六角柱状粒子と同様であった(図3b)。[ethylendiamine]/[Zn]=1−2の範囲では、フォトルミネッセンス特性は、粒子の合成条件によらず、安定していることが示された。フォトルミネッセンス特性が合成条件の影響を受けずに高い再現性と安定性を示すことは、本反応系の利点であり、マスプロダクションへの適用の際には、大きなアドバンテージとなる。
(3)ZnOウィスカーの合成
エチレンジアミン濃度を更に増加させて、[ethylendiamine]/[Zn]=3:1とし、ZnO粒子の生成速度を更に高めた。ウィスカー形状を有するZnO結晶粒子が生成した。ウィスカーは、直径10−50nm、長さ1000−2000nmの高いアスペクト比を有していた(図1c)。
この高いアスペクト比は、a面の結晶成長速度が高いことにより、結晶をc軸方向へと異方成長させたことによるものである。XRDからは、粒子がZnO結晶であることが示された(図2c)。(10−10)面の回折強度は(0002)面の回折強度よりもはるかに強いものであり、ほとんどのウィスカーが基板に横たわった状態で堆積していることを示している。これは、SEM観察からも確認されている(図1c)。
これらのZnOウィスカーを用いることにより、基板上にZnOウィスカーネットワーク膜を形成させることができ、高比表面積を必要とする各種センサー(分子センサー、ガスセンサー等)や色素増感型太陽電池等の分野における電子デバイスへの応用が可能である。
また、このZnOウィスカー膜は、ウィスカーが、高いアスペクト比を持つため、長軸方向に電流を流した場合、少ない粒界数でキャリアを運ぶことができる。そのため、粒子膜やメソポーラス膜などの高比表面積ZnO膜と比較して、ZnOウィスカー膜は、単位質量あたり(あるいは単位体積当たり)の導電率が高いメリットを持つ。
ZnOウィスカーの可視光領域におけるフォトルミネッセンス特性は、六角柱状粒子、長楕円体粒子とは大きく異なるものであった(図3c)。ZnOウィスカーは、その形状が六角柱状粒子及び長楕円体粒子から大きく異なっており、そのことからも、結晶成長プロセスが大幅に異なり、そのため、酸素欠陥の生成にも大きな差異が生じたものと考えられる。
15mMの酢酸亜鉛(Zn(CHCOO))水溶液を調製した後、15−45mMのエチレンジアミンを添加し、溶液を60℃にて3時間保持した。水溶液中において、ZnO結晶が析出し、それぞれのエチレンジアミン濃度において、ZnO六角柱状粒子(エチレンジアミン15mM)、ZnO長楕円体粒子(エチレンジアミン30mM)、ZnOウィスカー(エチレンジアミン45mM)が生成した。
また、これを基板上に堆積させることにより、粒子膜及びウィスカー膜を形成させることができた。ZnOウィスカーは、直径10−50nm、長さ1000−2000nmの高いアスペクト比を有していた。この高いアスペクト比は、a面の結晶成長速度が高いことにより、結晶をc軸方向へと異方成長させたことによるものである。ZnOウィスカー及びウィスカー膜は、高い比表面積と高い導電率を両立させることのできるナノ構造体であり、分子センサー、ガスセンサー、色素増感型太陽電池の電子デバイスとして、高い特性を発現できるものである。
以上詳述したように、本発明は、ZnOウィスカー膜及びそれらの作製方法に係るものであり、ZnO結晶の異方成長を利用することにより、ZnOウィスカー膜を作製し、提供することができる。本発明の溶液反応系では、有機物の添加を用いていないため、不純物の混入を回避することができる。本発明により、数百℃での高温加熱処理を経ることなく、ZnO結晶ウィスカー及びそのウィスカー膜を得ることができる。本発明は、ウィスカー膜であって、高い比表面積と高い導電率を両立させることのできるナノ構造体を提供するものであり、例えば、分子センサー、ガスセンサー、色素増感型太陽電池等において、高い特性を発現できる電子デバイスを提供可能にするものとして有用である。
ZnO粒子のSEMによる二次電子像写真である。(a):ZnO六角柱粒子、(b):ZnO長楕円体粒子、(c):ZnOウィスカー。 ZnO粒子のX線回折パターンである。(a):ZnO六角柱粒子、(b):ZnO長楕円体粒子、(c):ZnOウィスカー。 ZnO粒子のフォトルミネッセンススペクトルである。(a):ZnO六角柱粒子、(b):ZnO長楕円体粒子、(c):ZnOウィスカー。

Claims (5)

  1. ZnO結晶を主成分(モル比50%以上)とするZnOウィスカーを堆積させて形成したZnOウィスカー膜であって、
    アスペクト比が少なくても2のウィスカー形状粒子であり、該ウィスカー粒子が、ひげ状粒子、針状粒子、又は棒状粒子であり、350nmの励起光によって、350から700nmの波長範囲の少なくともUV領域(370−400nm)においてフォトルミネッセンス特性を有し、上記ウィスカー粒子が、直径10−50nm、長さ1000−2000nmの高アスペクト比を有するZnO結晶を含むZnOウィスカーを基板上に溶液中で堆積させて形成したZnOウィスカーネットワーク膜であり、(10−10)面の回折強度が(0002)の回折強度よりも強く、ランダムなZnO粒子と比べて高い比表面積と高い導電率を両立させたナノ構造体からなるZnOウィスカー膜。
  2. 請求項1に記載のZnOウィスカー膜を構成要素として含むことを特徴とする高比表面積と高導電率を両立させた導電性ZnOウィスカー部材。
  3. 請求項1に記載のZnOウィスカー膜を溶液プロセスにより製造する方法であって、
    酸化亜鉛が析出する酢酸亜鉛を含む水溶液反応系で、エチレンジアミンを錯化剤として添付し、温度、原料濃度、乃至pH条件のいずれかの条件を調整してZnO結晶を析出させ、アスペクト比が少なくても2のウィスカー形状粒子であり、該ウィスカー粒子が、ひげ状粒子、針状粒子、又は棒状粒子であり、350nmの励起光によって、350から700nmの波長範囲の少なくともUV領域(370−400nm)においてフォトルミネッセンス特性を有し、上記ウィスカー粒子が、直径10−50nm、長さ1000−2000nmの高アスペクト比を有するZnO結晶を含むZnOウィスカーを基板上に溶液中で堆積させることにより、(10−10)面の回折強度が(0002)の回折強度よりも強く、ランダムなZnO粒子と比べて高い比表面積と高い導電率を両立させたナノ構造体からなるZnOウィスカー膜を形成させること、を特徴とするZnOウィスカー膜の製造方法。
  4. 溶液反応系が、亜鉛含有水溶液の水熱反応系である、請求項3に記載の方法。
  5. 基板として、シリコン、ガラス、金属、セラミックス、又はポリマーの基板を用いる、請求項3に記載の方法。
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