JP2009096656A - ZnOロッドアレイ及びその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ZnOロッドアレイ構造体と、その作製方法を提供する。
【解決手段】溶液中において基板上に直接六角柱状ZnOを結晶成長させて形成したZnOロッドアレイ構造体であって、1)ZnOロッドは六角形の断面形状と6枚の側面を有している、2)ロッドはZnO単相からなる、3)ZnOロッドはアスペクト比が3−4である、4)XRDから、(0002)面からの回折ピークのみが観察され、高いc軸配向性を有する、ことを特徴とするZnOロッドアレイ構造体、及び上記のZnOロッドアレイ構造体を作製する方法であって、酸化亜鉛が析出する酸化亜鉛含有溶液からなる反応系を用いて、液相で、基板上にZnOロッドアレイを形成することを特徴とするZnOロッドアレイ構造体の作製方法。
【効果】シード層及び高温加熱処理を用いることなく基板上にZnOロットアレイ構造体を作製し、提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ZnOロッドアレイ構造体及びその作製方法に関するものであり、更に詳しくは、本発明は、シード層及び高温加熱処理を用いることなく、例えば、フッ素ドープSnO被覆ガラス基板(FTO基板)上に形成したZnOロッドアレイ構造体に関するものである。本発明では、本構造体を、ZnOとFTO基板等の間にシード層を必要とせず得ることができる。
本発明では、上記のため、シード層での抵抗増加を回避でき、また、高温加熱処理に伴うFTO基板等の抵抗増加を回避でき、ポリマーフィルムなどの低耐熱性基板上にZnOロッドアレイ構造体を作製することもでき、その際には、フレキシブル性、軽量化、低コスト化等が可能となる。
更に、本構造体は、ZnOロッドのアスペクト比が3−4と小さいため、例えば、検査溶液導入時のZnOの破壊を防ぐことができる。本発明は、FTO上のZnOロッドアレイ構造体として、あるいは任意の基板上に形成したZnOロッドアレイ構造体として使用することができ、例えば、分子センサー、DNAセンサー、溶液センサー、ガスセンサー、色素増感型太陽電池、フィルター、触媒等として利用できるZnOロッドアレイ構造体を提供するものである。
ZnOは、ダイオキシンやビスフェノールA検知用のセンサー電極や、各種分子センサー、DNAセンサー、色素増感型太陽電池電極、ガスセンサー等への応用が期待されている。これらのアプリケーションにおいて、感度等の特性は、ZnOの形態と比表面積に大きく依存する。また、感度、効率は、ZnOと基板との間の電気抵抗にも大きく依存する。
そのため、ZnO粒子やZnO粒子膜の形態制御、基板上への直接固定化への要求は大きい。最近、ZnOウィスカーの形成法が提案され、更に、シード層を用いた2段階法によりZnOウィスカー膜の形成法が提案された(特許文献1、2)。
ZnOウィスカー膜の形成においては、硝酸亜鉛コート層の高温加熱処理によりZnO多結晶シード層が形成される。また、2段階目のZnOの結晶成長において、シード層によりZnOウィスカーの結晶成長が促進される。
また、他の文献では、酸化亜鉛粒子膜が形成されている(非特許文献1)。しかし、この手法では、シード層として、疎水性自己組織化単分子膜が必要である。また、粒子の付着による膜形成であり、付着強度が弱い。酸化亜鉛のロッドが立ったロッドアレイの形態ではなく、XRDより、(0002)以外の回折線も見られる。
しかし、上述のこのプロセスでは、ZnOウィスカー形成のためのシード層が必要であった。また、硝酸亜鉛コート層(シード層)の結晶化のために、高温加熱処理が必要であったが、FTOやITOの抵抗は、高温加熱処理により増加してしまう。また、ZnO多結晶からなるシード層の存在により、抵抗が増加する。
更に、高温加熱処理を必要とするため、導電性ポリマーフィルム等の低耐熱性基板上へのZnO電極層の形成ができない。仮に、FTO基板を透明導電性ポリマー基板に替えることが可能となれば、曲げられるフレキシブルデバイス(センサー、太陽電池等)が実現されるとともに、軽量化、低コスト化も可能となる。
また、シード層形成のために用いられているスピンコーティング法は、製造ライン化が困難である点も指摘されている。別の観点では、ZnOウィスカーは、高いアスペクト比のため、衝撃などに弱い構造を有している。分子センサー等への応用においては、検査溶液の導入時に、ウィスカーの破砕が起きてしまう。そのため、溶液の導入を伴うセンサーへの応用においては、大きな直径と低いアスペクト比を有するZnOロッドが求められている。
特願2007−072248号 特願2007−146232号 Yoshitake Masuda,Naoto Kinoshita,Fuyutoshi Sato,and Kunihito Koumoto,"Site−Selective Deposition and Morphology Control of UV− and Visible−Light−Emitting ZnO Crystals",Crystal Growth & Design,6(1),75−78,(2006)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、高温加熱処理を施す必要がなく、低耐熱性基板上へZnO電極層の形成が可能な新しいZnO電極層の形成技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、溶液中において、基板上に直接ZnOを結晶成長させる手法を適用することで所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、ZnOロッドアレイ構造体並びにZnOロッド体、それらの作製方法及び上記ロッドアレイ構造体を構成要素とするZnOロッドアレイ部材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)溶液中において基板上に直接六角柱状ZnOを結晶成長させて形成したZnOロッドアレイ構造体であって、1)ZnOロッドは六角形の断面形状と6枚の側面を有している、2)ロッドはZnO単相からなる、3)ZnOロッドはアスペクト比が3−4である、4)XRDから、(0002)面からの回折ピークのみが観察され、高いc軸配向性を有する、ことを特徴とするZnOロッドアレイ構造体。
(2)ZnOロッドは、直径100−120nm、長さ300−400nmであり、ロッド間に100−1000nmの空隙が存在している、前記(1)に記載のZnOロッドアレイ構造体。
(3)基板が、FTO、ITO、ガラス、シリコン、金属、セラミックス、ポリマー、紙、ゴム、又は低耐熱性基材である、前記(1)に記載のZnOロッドアレイ構造体。
(4)基板が、平板状、繊維、粒子、又は複雑形状の形態を有する、前記(1)に記載のZnOロッドアレイ構造体。
(5)前記(1)に記載のZnOロッドアレイ構造体を構成することを特徴とするZnOロッド体。
(6)前記(1)から(4)のいずれかに記載のZnOロッドアレイ構造体を作製する方法であって、酸化亜鉛が析出する酸化亜鉛含有溶液からなる反応系を用いて、液相で、基板上にZnOロッドアレイを形成することを特徴とするZnOロッドアレイ構造体の作製方法。
(7)反応系に、エチレンジアミン又はアンモニアを添加するか、あるいは反応系の温度、原料濃度及び/又はpHを変化させてZnO結晶粒子を析出させる、前記(6)に記載のZnOロッドアレイ構造体の作製方法。
(8)基板表面を、UV照射処理により水に対する接触角が1−0°の超親水性へと表面変性させる、前記(6)に記載のZnOロッドアレイ構造体の作製方法。
(9)前記(1)から(4)のいずれかに記載のZnOロッドアレイ構造体を構成要素として含むことを特徴とするZnOロッドアレイ部材。
(10)部材が、分子センサー、DNAセンサー、ガスセンサー、溶液センサー、色素増感型太陽電池、フィルター、又は触媒である、前記(9)に記載のZnOロッドアレイ部材。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、溶液中において基板上に直接六角柱状ZnOを結晶成長させて形成したZnOロッドアレイ構造体であって、ZnOロッドは六角形の断面形状と6枚の側面を有している、ロッドはZnO単相からなる、ZnOロッドはアスペクト比が3−4である、XRDから、(0002)面からの回折ピークのみが観察され、高いc軸配向性を有する、ことを特徴とするものである。本発明では、上記のZnOロッドは、直径100−120nm、長さ300−400nmであり、ロッド間に100−1000nmの空隙が存在していること、を好ましい実施の態様としている。
また、本発明は、上記のZnOロッドアレイ構造体を構成するZnOロッド体の点に特徴を有するものである。また、本発明は、上記のZnOロッドアレイ構造体を作製する方法であって、酸化亜鉛が析出する酸化亜鉛含有溶液からなる反応系を用いて、液相で、基板上にZnOロッドアレイを形成することを特徴とするものである。
また、本発明は、上記のZnOロッドアレイ構造体を構成要素として含むZnOロッドアレイ部材の点に特徴を有するものである。更に、本発明では、上記部材が、分子センサー、DNAセンサー、ガスセンサー、溶液センサー、色素増感型太陽電池、フィルター、又は触媒であること、を好ましい実施の態様としている。
本発明では、シード層及び高温加熱処理を用いることなく、FTO基板等の上にZnOロッドアレイ構造体を形成する。本プロセスでは、水溶液中において、基板上に直接六角柱状ZnOを結晶成長させている。また、ロッドは、c軸に沿って成長しており、基板に垂直に立って形成している。
本発明は、水溶液中でのZnOの結晶成長を用いて、FTO基板上に直接ZnOロッドを結晶化して成長させることを最も主要な特徴とする。ZnOロッドアレイ構造体の形成においては、水溶液中での硝酸亜鉛とエチレンジアミンの化学反応によりZnOを合成するとともに、FTO基板上等にロッドを直接形成している。
亜鉛含有溶液には、後記する実施例の硝酸亜鉛水溶液の他、酢酸亜鉛水溶液等の亜鉛含有水溶液を用いることができる。また、ZnOが析出する反応系であれば、有機溶液等の、非水溶液反応系も用いることができる。ZnOが析出する反応系であれば、水熱反応等も用いることができる。
実施例の様に、硝酸亜鉛を原料として用いた際には、エチレンジアミンに代えて、アンモニア等を用いることができる。また、エチレンジアミン等を添加せず、温度、原料濃度及び/又はpHを変化させて、ZnOを析出させることもできる。温度も、原料濃度、添加剤、pH等に合わせて、水溶液の凝固点以上かつ沸点以下(およそ0−99℃)の範囲で適宜調整することができる。
超親水性FTO基板以外に、親水性や疎水性、あるいは、その中間接触角を有するFTO基板等、各種FTO基板を用いることができる。FTO以外に、ITO、ガラス、シリコン基板等を用いることができる。FTO以外に、ポリマーフィルム、紙、ゴム等、各種低耐熱性基板を用いることができる。また、平板状基板以外に、粒子基材、繊維基材、複雑形状基材等も用いることができる。
本発明では、ZnOロッドアレイ構造体をFTO基板上に形成する。合成は、例えば、硝酸亜鉛及びエチレンジアミンを溶解した60℃の水溶液中に、FTO基板を浸漬することにより行う。ZnOロッドは、直径100−120nm、長さ300−400nm、アスペクト比3−4を有する六角柱状粒子であり、六角形の断面形状と6枚の側面を有している。また、尖った先端を有しており、基板に対して、垂直±20°で、直立して成長している。
10μmの基板面積内に、約160のロッドが形成されており、ロッド間には、100−1000nmの空隙が存在している。このロッドアレイ構造体が、ZnO単相であることがXRDより示される。また、(0002)面からの回折ピークのみが観察される。c軸方向に異方成長した六角柱状粒子が基板に垂直に形成したため、高いc軸配向を示したものと考えられる。
このロッドアレイ構造体は、ロッドのアスペクト比が3−4と小さいため、高い強度を有しており、流水による衝撃においても、破砕することがない。また、FTO基板との間にシード層を必要とせず、直接、ZnOが形成されている。そのため、シード層での抵抗増加、及び可視光透過率低下を回避している。
また、60℃前後の水溶液中で形成されているため、高温加熱処理に伴うFTO基板の抵抗増加を回避している。高温加熱処理を必要としないため、透明導電性ポリマーフィルム等の低耐熱性基板上へのZnOロッドアレイ形成も可能であり、それにより、フレキシブル化、軽量化、低コスト化が可能となる。
本発明により、次のような作用効果が奏される。
(1)FTO等の基板表面を、水に対する接触角が1−0°の超親水性へと表面変性させ、その基板表面にZnOロッドアレイ構造体を形成し、提供することができる。
(2)FTO等の基板上に作製したZnOロッドアレイ構造体を提供することができる。
(3)FTO等の基板上に作製したZnOロッドを提供することができる。
(4)FTO等の基板上に、c軸配向したZnOロッドアレイ構造体を作製することができる。
(5)シード層を用いずに、FTO等の基板上に、直接、ZnOロッドアレイ構造体を形成することができる。
(6)シード層を用いずに、FTO等の基板上に、直接、ZnOロッドあるいは他の形態のZnOを形成することができる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
本実施例では、FTO基板上にZnOロッドアレイ構造体を作製した。図1に、FTO基板上に形成されたZnOロッドアレイ構造体のXRDパターン(a)と、FTO基板のXRDパターン(b)を示す。本発明における、ZnOとは、ZnO結晶を主成分(モル比50%以上)とする固体物質を意味する。
本発明における、ロッドとは、六角柱状、円柱状、楕円体、ウィスカー状、粒状、不定形などの粒子形状を有し、その形状異方性による長手方向と短方向の長さ比(アスペクト比)が、1から10の固体を指す。また、上記粒子形状の名称は、特許文献、論文、書籍などにより、厳密には統一されていないことから、実際には、ロッドという名称以外の構造体も、含まれる。
本発明における、アレイとは、ZnOロッドが2つ以上存在する構造体を指す。本実施例では、10μmの基板範囲に160個形成されているが、その個数は、2個以上であれば、アレイに含まれる。また、ZnOロッドが1個の場合、アレイには含まれないが、この構造体は、ZnOロッド体に当たる。
FTO基板(FTO, SnO: F, Asahi Glass Co.,Ltd.,9.3−9.7Ω/□,26×50×1.1mm)に、紫外線(UV)照射を10分間行った。UV照射には、セン特殊光源製低圧水銀ランプ(PL16−110)を用いた。この光源での主となる光の波長は、184.9nm及び253.7nmである。
初期のFTO表面は、水に対する接触角96°を示す疎水性表面であるのに対し、UV照射時間の増加に伴い、接触角は70°(0.5分)、54°(1分)、30°(2分)、14°(3分)、5°(4分)、0°(5分)と減少し、5分以上では、接触角が計測限界以下のほぼ0°の超親水性を示した。
硝酸亜鉛(Zinc nitrate hexahydrate(Zn(NO ・6HO,>99.0%,MW297.49,Kanto Chemical Co.,Inc.))、エチレンジアミン(ethylenediamine(HNCHCHNH,>99.0%,MW60.10,Kanto Chemical Co.,Inc.))を、それぞれ15mMとなるように60℃の蒸留水に溶解した。
基板を溶液中に斜め下向きで浸漬した。溶液を60℃に保ったまま6時間浸漬した。浸漬後、基板を流水で洗浄した。流水による衝撃においても、ZnOロッドアレイの破砕及び剥離は認められず、強い付着力を示した。本発明では、溶液の温度条件(約0−99℃)、浸漬時間は、必要に応じて、適宜調整することができる。
これは、基板上に直接ZnOが結晶化して成長していること、及びロッドのアスペクト比が小さいために、流水による衝撃では破壊されなかったことによると考えられる。図1は、前述のように、FTO基板上に形成されたZnOロッドアレイ構造体のXRDパターン(a)と、FTO基板のXRDパターン(b)である。
XRDからは、FTO由来の酸化スズのピークと、ZnOの0002回折線のみが観察された(ICSD No.26170,JCPDS No.65−3411)(図1)。XRDより、このロッドアレイ構造体が、ZnO単相であることが示された。
また、(0002)面からの回折ピークのみが観察されたことは、ZnOロッドアレイ構造体の高いc軸配向性を示している。c軸方向に異方成長した六角柱状粒子が基板に垂直に形成したため、高いc軸配向を示したものと考えられる。
図2に、FTO基板の表面SEM像(a)と、その拡大像(b)を示す。FTOは、多結晶酸化スズからなる凹凸表面構造を有している(図2a,b)。また、図3に、FTO基板上に形成したZnOロッドアレイ構造体の表面SEM像(a)と、その拡大像(b,c)を示す。基板表面の電子顕微鏡観察からは、ZnOロッド体が均一に形成していることが示された(図3a)。
ZnOロッド体は、凹凸構造の大きなFTO表面に、直接形成されていた(図3b)。ここで、ZnOロッド体がシード層及び高温加熱処理を必要とせずに形成されていることは特筆に値する。シード層が不要なため、ZnO多結晶シード層による抵抗増加を回避している。また、シード層による可視光透過率低下を回避している。
また、高温加熱処理が不要なため、高温加熱によるFTOの抵抗増加を回避している。このことは、高温加熱処理が不要なため、導電性ポリマーなどの低耐熱性基板上へもZnOロッドアレイ構造体を形成することができることを示している。その際、フレキシブル化、軽量化、低コスト化が実現できる。
10μmの基板面積内に、約160のロッドが形成されていた。ZnOロッドは、六角形の断面形状と6枚の側面を有している。ZnOロッドは、直径約100nmであった(図3b)。側面の明瞭に観察されないZnOロッドも観察された。ロッド間には、100−1000nmの空隙が存在していた。基板断面の電子顕微鏡観察からは、ZnOロッド体が均一に形成されていることが示された(図3c)。
図4に、FTO基板上に形成したZnOロッドアレイ構造体の断面SEM像(a)と、その拡大像(b,c)を示す。ZnOロッドは、直径約100−120nm、長さ300−400nm、アスペクト比3−4を有する六角柱状粒子であった。
ZnOロッドは、尖った先端を有していた。尖った先端の明瞭に観察されないZnOロッドも観察された。ZnOロッドは基板に対して、垂直に立っていた。また、垂直方向からの角度のばらつきは約±20°であった。
以上詳述したように、本発明は、ZnOロッドアレイ、その作製方法及び部材に係るものであり、本発明により、基板上に直接ZnOロッドアレイ構造体を作製することができる。本構造体は、ZnOと基板の間にシード層を必要とせず、また、高温加熱処理を必要とせずに作製することができるので、それにより、シード層による抵抗増加を回避でき、また、高温加熱処理に伴う基板の抵抗増加を回避でき、更に、ポリマーフィルムなどの低耐熱性基板上にZnOロッドアレイを作製することができる。本発明製品は、FTO上のZnOロッドアレイとして、あるいは任意の基板上に形成したZnOロッドアレイとして使用することができ、例えば、分子センサー、DNAセンサー、溶液センサー、ガスセンサー、色素増感型太陽電池、フィルター、触媒等として利用することができる。
FTO基板上に形成されたZnOロッドアレイ構造体のXRDパターン(a)と、FTO基板のXRDパターン(b)を示す。 FTO基板の表面SEM像(a)と、その拡大像(b)を示す。 FTO基板上に形成したZnOロッドアレイ構造体の表面SEM像(a)と、その拡大像(b,c)を示す。 FTO基板上に形成したZnOロッドアレイ構造体の断面SEM像(a)と、その拡大像(b,c)を示す。

Claims (10)

  1. 溶液中において基板上に直接六角柱状ZnOを結晶成長させて形成したZnOロッドアレイ構造体であって、1)ZnOロッドは六角形の断面形状と6枚の側面を有している、2)ロッドはZnO単相からなる、3)ZnOロッドはアスペクト比が3−4である、4)XRDから、(0002)面からの回折ピークのみが観察され、高いc軸配向性を有する、ことを特徴とするZnOロッドアレイ構造体。
  2. ZnOロッドは、直径100−120nm、長さ300−400nmであり、ロッド間に100−1000nmの空隙が存在している、請求項1に記載のZnOロッドアレイ構造体。
  3. 基板が、FTO、ITO、ガラス、シリコン、金属、セラミックス、ポリマー、紙、ゴム、又は低耐熱性基材である、請求項1に記載のZnOロッドアレイ構造体。
  4. 基板が、平板状、繊維、粒子、又は複雑形状の形態を有する、請求項1に記載のZnOロッドアレイ構造体。
  5. 請求項1に記載のZnOロッドアレイ構造体を構成することを特徴とするZnOロッド体。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のZnOロッドアレイ構造体を作製する方法であって、酸化亜鉛が析出する酸化亜鉛含有溶液からなる反応系を用いて、液相で、基板上にZnOロッドアレイを形成することを特徴とするZnOロッドアレイ構造体の作製方法。
  7. 反応系に、エチレンジアミン又はアンモニアを添加するか、あるいは反応系の温度、原料濃度及び/又はpHを変化させてZnO結晶粒子を析出させる、請求項6に記載のZnOロッドアレイ構造体の作製方法。
  8. 基板表面を、UV照射処理により水に対する接触角が1−0°の超親水性へと表面変性させる、請求項6に記載のZnOロッドアレイ構造体の作製方法。
  9. 請求項1から4のいずれかに記載のZnOロッドアレイ構造体を構成要素として含むことを特徴とするZnOロッドアレイ部材。
  10. 部材が、分子センサー、DNAセンサー、ガスセンサー、溶液センサー、色素増感型太陽電池、フィルター、又は触媒である、請求項9に記載のZnOロッドアレイ部材。
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