JP4997569B2 - ナノ結晶集積TiO2及びその作製方法 - Google Patents

ナノ結晶集積TiO2及びその作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナノ結晶集積TiO粒子乃至ナノ結晶集積TiO膜、その作製方法及びそのデバイス製品に関するものであり、更に詳しくは、本発明は、アナターゼ型TiO結晶を含む粒子(モル比30%以上)と、アナターゼ型TiO結晶を含む粒子膜(モル比30%以上)、それらの作製方法及びそのデバイス製品に関するものである。
本発明は、例えば、光触媒、化粧品、色素増感型太陽電池、分子センサー、ガスセンサー、溶液センサー、防汚コーティング、防曇コーティング、超親水性表面コーティング等として好適に利用できるナノ結晶集積TiO(ナノTiO結晶集積体)及びその作製方法を提供するものである。
マイクロ孔(<2nm)、メソ孔(2nm〜50nm)、マクロ孔(>50nm)を有するナノ多孔質TiOは、基礎科学及び技術応用の両面から注目を集めている。応用面においては、例えば、化粧品、触媒(非特許文献1)、光触媒(非特許文献2−4)、ガスセンサー(非特許文献5,6)、リチウム電池(非特許文献7−9)、生体分子センサー(非特許文献10)、色素増感型太陽電池(非特許文献11,12)等において、期待が高まっている。
光触媒や生体分子センサー、色素増感型太陽電池においては、ルチル型TiOよりもアナターゼ型TiOが高い特性を有している。これらの応用においては、高効率あるいは高感度を実現するために、高い表面積を有するTiOが強く求められている。また、生体分子センサーや色素増感型太陽電池においては、多くの色素、分子あるいはDNAを吸着させるため、表面に、ナノ/マイクロサイズの凹凸構造を有することが求められている。
従来、TiOナノ粒子は、火炎合成(flame synthesis)(非特許文献13,14)、超音波合成(ultrasonic irradiation)(非特許文献15,16)、化学気相法(chemical vapor synthesis)(非特許文献17)、あるいはゾルゲル法(sol−gel methods)(非特許文献2,18−21)等により合成されてきた。
このように、従来、マイクロ孔(<2nm)、メソ孔(2nm〜50nm)、マクロ孔(>50nm)を有するナノ多孔質TiOは、基礎科学及び技術応用の両面から注目を集めており、また、応用面においては、化粧品、触媒、光触媒、ガスセンサー、リチウム電池、生体分子センサー色素増感型太陽電池等において、期待が高まっている。光触媒や生体分子センサー、色素増感型太陽電池においては、ルチル型TiOよりもアナターゼ型TiOが高い特性を有している。
また、上述のように、TiOナノ粒子は、火炎合成(flame synthesis)、超音波合成(ultrasonic irradiation)、化学気相法(chemical vapor synthesis)、あるいはゾルゲル法(sol−gel methods)、等により合成されてきた。しかし、合成プロセスにおける高温加熱処理により、ナノ粒子が凝集し、表面積を低下させてしまうという問題があった。これらのプロセスにおいては、粒子表面にナノサイズの凹凸構造を持たせることは、困難であった。
一方、界面活性剤(surfactants)、キレート剤(chelating agents)、ブロックポリマー(block polymers)等のソフトテンプレート(非特許文献22−25)や、多孔質アニオン性アルミン酸塩(porous anionic alumina)、多孔質シリカ(porous silica)、ポリスチレン粒子(polystyrene spheres)、及びカーボンナノチューブ(carbon nanotubes)等のハードテンプレート(非特許文献26,27)を用いた多孔体を利用した高表面積多孔体の合成例が報告されている。
しかし、これらの従来技術においては、アモルファスTiOからアナターゼTiOへの結晶化のための加熱処理の工程において、ナノ構造が不可避的に変化してしまうという問題があった。このことは、加熱処理中のナノ構造の変化により、表面のナノ構造がダメージを受けて表面積が減少してしまうことを意味している。そこで、当技術分野においては、そのような加熱処理によるナノ構造変化を起こさないナノTiO結晶の作製技術を開発することが強く要請されていた。
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このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上述のような諸問題を解決することを実現するナノ結晶TiO粒子を合成する技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、高温加熱処理を必要とせず、50℃レベルの低温条件下にてアナターゼTiOを合成することが可能な新しいナノ結晶TiOを合成することに成功し、本発明を完成するに至った。本発明は、ナノ結晶集積TiO粒子及びナノ結晶集積TiO粒子膜、それらの製造方法、及びそれらのデバイス製品を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
)基板上乃至溶液中に析出させたナノ結晶集積TiOを製造する方法であって、1)酸化チタン結晶を析出する溶液反応系を用いて基板上乃至溶液中に針状TiOナノ結晶を液相で形成させる、2)その際に、反応初期において特異的に実現する薄白色溶液中でのナノ粒子生成とそれ以降のTiO 粒子の均一核生成並びに結晶成長条件を利用する、3)生成した針状TiOナノ結晶を集積化して、ナノ結晶集積TiO 粒子乃至基板上に析出させたナノ結晶集積TiO 膜の形態を有する、ナノ結晶集積TiO 粒子又はナノ結晶集積TiO 膜から構成されるナノ結晶集積TiOを合成する、ことを特徴とするナノ結晶集積TiOの製造方法。
)溶液反応系として、フッ化チタン酸アンモニウム、ヘキサフルオロチタン(IV)酸ナトリウム(NaTiF)、ヘキサフルオロチタン(IV)酸カリウム(K[TiF])、チタン酸ナトリウム(NaTi)、アセチルアセトンチタニル(TiO(CHCOCHCOCH)、しゅう酸チタン(IV)アンモニウム(n水和物)((NH[TiO(C]・nHO)、しゅう酸チタン(IV)カリウム(2水和物)(K[TiO(C]・2HO)、硫酸チタン(III)(n水和物)〔第一〕(Ti(SO・nHO)、又は硫酸チタン(IV)(n水和物)〔第二〕(Ti(SO・nHO)によるチタン含有水溶液を用いる、前記()に記載のナノ結晶集積TiOの製造方法。
)溶液反応系として、水溶液反応、有機溶液の非水溶液反応、又は水熱反応の反応系を用いる、前記()に記載のナノ結晶集積TiOの製造方法。
前記(1)から(3)のいずれかに記載の方法により製造された、酸化チタン結晶を析出する溶液反応系で基板上乃至溶液中に析出させたナノ結晶集積TiOであって、1)ナノ結晶は、アナターゼTiO単相からなる、2)粒子中心から外方にc軸に沿って成長した針状結晶を有する、3)針状結晶の先端部分においても、アナターゼTiO単相より構成されている、4)表面にアナターゼTiO結晶が露出している構造を有する、5)ナノ結晶集積TiO 粒子乃至基板上に析出させたナノ結晶集積TiO 膜の形態を有する、ナノ結晶集積TiO 粒子又はナノ結晶集積TiO 膜から構成されるナノ結晶集積TiO である、ことを特徴とするナノ結晶集積TiO
)粒子の表面及び内部において、ナノサイズの開気孔及び表面凹凸構造を実現している、前記()に記載のナノ結晶集積TiO
)基板が、ガラス、シリコン、金属、セラミックス、又はポリマーの基板である、前記()又は()に記載のナノ結晶集積TiO
)基板が、平板状、粒子、繊維、又は複雑形状の形態を有している、前記()から()のいずれかに記載のナノ結晶集積TiO
)前記()から()のいずれかに記載のナノ結晶集積TiOを構成要素として含むことを特徴とするナノ結晶集積TiO粒子又はナノ結晶集積TiO膜から構成されるアナターゼTiO系デバイス。
次に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、酸化チタン結晶を析出する溶液反応系で基板上乃至溶液中に析出させたナノ結晶集積TiOであって、ナノ結晶は、アナターゼTiO単相からなり、粒子中心から外方にc軸に沿って成長した針状結晶を有し、針状結晶の先端部分においても、アナターゼTiO単相より構成されており、表面にアナターゼTiO結晶が露出している構造を有する、ことを特徴とするものである。
本発明では、粒子の表面及び内部において、ナノサイズの開気孔及び表面凹凸構造を実現していること、ナノ結晶集積TiOが、ナノ結晶集積TiO粒子乃至基板上に析出させたナノ結晶集積TiO膜の形態を有すること、を好ましい実施の態様としている。
また、本発明は、基板上乃至溶液中に析出させたナノ結晶集積TiOを製造する方法であって、基板上に酸化チタン結晶を析出する溶液反応系を用いて基板上乃至溶液中に針状TiOナノ結晶を液相で形成させ、その際に、反応初期において特異的に実現する薄白色溶液中でのナノ結晶成長条件を利用し、生成した針状TiOナノ結晶を集積化して、ナノ結晶集積TiOを合成する、ことを特徴とするものである。更に、本発明は、ナノ結晶集積TiO粒子又はナノ結晶集積TiO膜から構成されるアナターゼTiO系デバイスであって、上記のナノ結晶集積TiOを構成要素として含むことを特徴とするものである。
本発明では、ナノ結晶集積TiO粒子乃至ナノ結晶集積TiO粒子膜を合成する。合成したTiO粒子は、270m/g、又は151m/gのBET比表面積を示す。本プロセスでは、高温加熱処理を必要とせず、50℃レベルの低温条件下にてアナターゼTiOを合成することが可能であるため、高温処理に伴う粒子の凝集及び表面積の低下等の問題を確実に回避することが可能である。
TiO粒子は、アモルファス相や第二相などにより、粒子が被覆されていた場合、その特性の劣化が起きるが、本プロセスでは、アモルファス相や第二相を含まず、アナターゼTiO単相として合成することができるため、例えば、粒子の100%を高効率で光触媒等として機能させることができる。
本発明では、ナノTiO粒子の合成に留まらず、ナノTiO粒子膜の形成を行うことができる。その際、結晶化のための高温加熱処理を必要とせず、各種の低耐熱性基板への展開が可能である。反応開始から30分間程度の反応初期の、ナノ粒子生成及び成長条件を利用することにより、ナノTiO集積粒子の合成を高効率で実現することができる。
特に、反応開始30分程度以内の反応初期では、溶液は、透明から薄く白色に着色(白色化)する程度である。一方、30分程度以降では、TiO粒子の均一核生成により、溶液が急激に白濁する。この溶液条件の変化は非常に大きく、例えば、反応初期のナノ粒子生成及び成長条件を積極的に利用して、30分後に遠心分離により、溶液と粒子を分離した合成条件における粒子と、30分以降でも自然冷却により溶液中に粒子が存在していた合成条件における粒子とでは、BET比表面積が大きく異なってくる。
本発明は、特に、反応初期において特異的に実現する薄白色溶液中でのナノ結晶生成及び成長条件を積極的に利用して、高比表面積の針状TiOナノ結晶を形成するとともに、それらを集積化して、ナノTiO結晶の集積粒子を高効率で合成することを最も主要な特徴としている。
チタン含有溶液には、後記する実施例に記載のフッ化チタン酸アンモニウムの他、ヘキサフルオロチタン(IV)酸ナトリウム(NaTiF)、ヘキサフルオロチタン(IV)酸カリウム(K[TiF])、チタン酸ナトリウム(NaTi)、アセチルアセトンチタニル(TiO(CHCOCHCOCH)、しゅう酸チタン(IV)アンモニウム(n水和物)((NH[TiO(C]・nHO)、しゅう酸チタン(IV)カリウム(2水和物)(K[TiO(C]・2HO)、硫酸チタン(III)(n水和物)〔第一〕(Ti(SO・nHO)、硫酸チタン(IV)(n水和物)〔第二〕(Ti(SO・nHO)等によるチタン含有水溶液を用いることができる。
また、本発明では、酸化チタン結晶が析出する水溶液反応系を用いることができるが、これに制限されるものではなく、酸化チタン結晶が析出する反応系であれば、有機溶液等の、非水溶液反応系も用いることができる。また、酸化チタン結晶が析出する反応系であれば、水熱反応等も用いることができる。
ホウ酸を添加せず、温度、原料濃度、及び/又はpHを変化させて、アナターゼTiO結晶を析出させることもできる。温度も、原料濃度、添加剤、及び/又はpH等に合わせて、水溶液の凝固点以上かつ沸点以下(およそ0−99℃)の範囲に適宜調整することができる。
TiO膜作製の際に、例えば、シリコン、ガラス、金属、セラミックス、ポリマー等の種々の基板を用いることができる。また、基板としては、平板状基板の他に、粒子基材、繊維基材、複雑形状基材等の適宜の形態の基板を用いることができる。
本発明では、50℃レベルの低温条件の水溶液を用いて、直径100−200nmのアナターゼTiO粒子を合成することができる。この粒子は、ナノTiO結晶の集積体であり、表面は、ナノサイズの凹凸構造で覆われている。ナノTiO結晶は、c軸方向に沿って異方成長し、長い結晶を形づくっている。そのため、粉末のXRD解析からは、(004)面からの強い回折線が観察され、高いc軸配向が示される。TiO粒子は、窒素吸着測定において、270m/gの高いBET比表面積を示す。
吸着等温線のBJH解析及びDFT/Monte−Carlo解析からは、約3nmのメソ孔の存在が示された。本プロセスでは、ナノTiOの自己組織化と結晶成長を巧みに利用することにより、高い表面積とナノサイズの凹凸構造を有するナノ結晶自己組織化TiO粒子の合成を実現した。また、本プロセスでは、ナノTiOの自己組織化と結晶成長を巧みに利用することにより、高い表面積とナノサイズの凹凸構造を有するナノ結晶自己組織化TiO粒子の合成を実現できることが分かった。
本発明のナノ結晶集積TiO(ナノTiO結晶集積体)の応用分野としては、例えば、光触媒、化粧品、色素増感型太陽電池、分子センサー、ガスセンサー、溶液センサー、防汚コーティング、防曇コーティング、超親水性表面コーティング等が例示される。
以上詳述したように、本発明により、高温加熱処理の工程を経ることなく、直径100−200nmのアナターゼTiO粒子を合成できることが実現された。この粒子は、ナノTiO結晶の集積体である、表面は、ナノサイズの凹凸構造で覆われている、ナノTiO結晶は、c軸方向に沿って異方成長し、長い結晶を形づくっている、粉末のXRD解析から、(004)面からの強い回折線が観察され、高いc軸配向が示される、窒素吸着測定において、151−270m/gの高いBET比表面積を示す、吸着等温線のBJH解析及びDFT/Monte−Carlo解析から、約3nmのメソ孔の存在が示される、該TiO粒子は、図1のXRDパターンを示す、TEM観察から粒子の直径は、約100−200nmである、pH3.1において、正のゼータ電位を示す、等の特徴を有している。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)ナノ結晶集積TiO粒子乃至ナノ結晶集積TiO膜を合成することができる。
(2)BET比表面積において、従来材には事例がない151−270m/gの高比表面積を有するナノ結晶集積TiO粒子を合成することができる。
(3)本発明の粒子は、水等の溶液中に分散したコロイド溶液としても、あるいは乾燥粉末としても得ることができる。
(4)任意の基板上に、ナノ結晶集積TiO粒子膜を形成することができる。
(5)物質、形状、サイズ等を問わず、様々な基材乃至基板上に、TiO粒子膜を形成することができる。
(6)本プロセスでは、有機物の添加をしていないため、不純物の混入を確実に回避することができる。
(7)50℃程度の低温条件下にて、ナノ結晶集積TiO粒子及び粒子膜を合成することができる。
(8)上記ナノ結晶集積TiOから構成される各種アナターゼTiO系デバイス製品を提供することができる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)ナノ結晶集積TiOの合成
フッ化チタン酸アンモニウム(12.372g)及びホウ酸(11.1852g)を、それぞれ、50℃の蒸留水(600ml)に溶解した。ホウ酸水溶液をフッ化チタン酸アンモニウム水溶液に加えた。この混合溶液中での、フッ化チタン酸アンモニウム及びホウ酸の濃度は、それぞれ、0.15M及び0.05Mである。
この混合水溶液を、50℃で無撹拌にて30分間保持した。その後、該溶液を4000rpmにて10分間遠心分離を行った。遠心分離前の準備、4000rpmでの遠心分離、4000rpmから0rpmへの減速、及び上澄み除去の準備は、それぞれ、4分、10分、10分、及び8分であった。
そのため、TiO粒子は、50℃での30分保持後、徐々に降温する水溶液に32分間接触していたことになる。上澄み液の除去後、粒子を60℃にて12時間乾燥させ、TiO粒子を得た。
(2)合成したTiO粒子の特性の測定
1)測定方法
粒子の結晶構造は、X線回折装置により測定した(XRD;RINT−2100V,Rigaku)(CuKα線使用、40kV,30mA)。
粒子の形態は、透過型電子顕微鏡を用いて測定した(TEM;JEM2010,200kV,JEOL)。ゼータ電位及び粒度分布は、自動pH滴定装置付きゼータ電位・粒径測定システム(ELS−Z2,Otsuka Electronics Co.,Ltd.)を用いて測定した。
測定の前処理として、0.01gの粉末サンプルを蒸留水100mlに分散させ、超音波処理を30分間行った。コロイド溶液のpHは、HCl(0.1M)又はNaOH(0.1M)を用いて調整した。
窒素吸着測定は、0.137gのサンプルを用いて、該サンプルの減圧下(10−2mmHg以下)における110℃での6時間加熱処理後に、Autosorb−1(Quantachrome Instruments)を用いて行った。比表面積は、吸着等温線を用いてBET(Brunauer−Emmett−Teller)法により算出した。
気孔分布は、吸着等温線を用いて、BJH(Barrett−Joyner−Halenda)法により測定した。これは、脱着等温線を用いたBJH解析において、疑似ピークが観測されたためである。
更に、吸着等温線を用いて、DFT/Monte−Carlo method(N at 77K on silica(cylinder./sphere,pore,NLDFT ads.Model)法により、気孔分布を測定した。
2)測定結果
窒素吸着後の粉末のXRD測定からは、2θ=25.1,37.9,47.6,54.2,62.4,69.3,75.1,82.5及び94.0°に、回折線が観測された。これらは、アナターゼ(anatase)TiO(JCPSD No.21−1272,ICSD No.9852)の101,004,200,105+211,204,116+220,215,303+224+312及び305+321回折線に帰属された。図1に、TiO粒子のXRDパターンを示す。
JCPDS data(No.21−1272)に見られるように、ランダム配向の粒子においては、通常、004回折線強度は、101回折線強度の0.2倍程度である。しかし、合成したTiO粒子の004回折強度は、101回折強度の0.36倍であった。また、004回折線の積分強度は、101回折線の積分強度の0.18倍であった。
これは、TiO粒子がc軸配向を有していることを示している。XRD測定において、ガラス上の粒子は、配向して並んではいない。そのため、TiO粒子は、c軸方向に優先的に異方成長して、異方的な形態をとっているものと考えられる。
結晶は、(101)面の積層に比べて、(001)面などのc面の積層をより多く有しているものと考えられる。そのため、(101)面からの回折線に比べて、(004)面からの回折線が強く観測されたものと考えられる。101回折線及び004回折線の半値幅より、(101)、及び(004)面に垂直方向の結晶子サイズが、ぞれぞれ、3.9nm、及び6.3nmと見積もられた。
c軸方向への異方成長は、各方位に対する結晶子サイズの違いからも示された。TEM観察から、TiO粒子がナノサイズのTiO結晶の集積体であることが示された。図2に、TiO粒子のTEM像(a)、その拡大像(b)、FFT像(挿入図)、及び(a)の拡大像(c)を示す。粒子の直径は、約100−200nmであった。ナノサイズの針状結晶の集積により多孔質粒子が構成されているため、粒子表面は、ナノサイズの凹凸構造により覆われており、粒子内部には、ナノサイズの開気孔が存在していた。
粒子の右上部領域を図2bに示す。ナノ結晶は、5−10nmの針状形態を有していた。挿入図のFFT像(フーリエ変換像)からは、アナターゼTiOの101及び004回折線が観測され、ナノ結晶は、アナターゼTiO単相であることが示された。特筆すべき点として、FFT像内の右上部と左下部における(004)面からの回折線強度が高いことが挙げられる。
図2bにおいては、長手方向を右上部に向けた針状結晶(粒子中心から右上部の方向)が観察されている。これらのことは、針状結晶がc軸に沿って成長したため、(004)面からの回折強度を増加させたことを示唆している。ナノ針状結晶からは、アナターゼTiOの格子像も観察された(図2c)。
これらの針状結晶は、アモルファス相や他相を含まず、アナターゼTiO単相により構成されていた。針状結晶の先端部分においても、アナターゼTiO結晶は、アモルファス相や他相に覆われてはいなかった。表面が他の成分で覆われておらず、アナターゼTiO結晶が露出していることは、触媒や他の多くのアプリケーションにおいて、重要なファクターである。
本プロセスでは、TiOのナノ結晶化を効果的に利用することにより、ナノ針状結晶の集積体を実現した。また、ナノ結晶の集積化を実現したことにより、粒子の表面及び内部において、ナノサイズの開気孔、及び表面凹凸構造を実現した。
本実施例では、実施例1で合成したTiO粒子のゼータ電位及び粒度分布を評価した。窒素吸着後の乾燥粒子を水に分散させ、実施例1に記載した測定方法により、粒子のゼータ電位と粒度分布を測定した。ゼータ電位及び粒度分布の測定は、25℃で行い、それぞれ、5回又は70回ずつ積算した。その結果、粒子は、pH3.1において、30.2mVの正のゼータ電位を示した。
このゼータ電位は、pHの増加に伴い、pH5.0,7.0,9.0,11.1の各pHにおいて、それぞれ、5.0mV,−0.6mV,−11.3mV、及び−36.3mVと減少し、等電点は、pH6.7と見積もられた。これは、アナターゼTiOの文献値(pH2.7−6.0)28に比べ、僅かに高い値であった[文献:Furlong,D.N.;Parfitt,G.D.,J.Colloid Interface Sci.1978,65,(3),548−554]。
ゼータ電位は、粒子表面の状態や、吸着イオン、溶液中のイオンの種類、及び濃度等に非常に敏感である。ゼータ電位の違いは、溶液中での粒子とイオンの相互作用によりもたらされたものと考えられる。pH3.1における平均粒径は、約550nm、標準偏差220nmと見積もられた。
これは、TEM観察によるサイズよりも大きい値であった。これは、粒度分布測定前の粒子は、完全に乾燥状態にあったため、pH3の水中において、ゆるく凝集していたことによるものと考えられる。粒径は、pHの上昇に伴って増加し、等電点付近において、4300−5500nmの最大値を示した。
等電点付近では、粒子間には、ごく僅かな反発力しか存在しないため、粒子は、強く凝集していたものと考えられる。本プロセスでは、pH3.8の溶液中で粒子が生成している。この溶液条件は、粒子間に反発力を持たせて、強い凝集を伴わずに粒子を結晶化させるためには好適な条件と考えられる。
本実施例では、実施例1で合成した粒子の窒素吸着を評価した。TiO粒子は、IVタイプの窒素吸脱着等温線を示した(図3a)。相対圧(P/P)0.4から0.7の範囲で、脱着等温線は、吸着等温線とは異なる挙動を示した。図3に、TiO粒子の吸着脱着等温線(Adsorption+Deposition Isotherm plot)(a)、TiO粒子のBET比表面積の評価結果(BET plot)(b)、BJH法により算出した気孔径分布(BJH Adsorption Dv(logd))(c)、TiO粒子の吸着脱着等温線及びDFT/Monte−Carlo法によるフィティングカーブ(DFT/Monte−Carlo Fitting)(d)、及びDFT/Monte−Carlo法により算出した気孔径分布(Pore Volume Distribution)(e)、を示す。
これらの結果は、粒子がメソ孔を有していることを示している。BET比表面積は、270m/gと見積もられた(図3b)。これは、従来製品のTiOナノ粒子と比べて非常に大きな値であった[文献:Wahi,R.K.;Liu,Y.P.;Falkner,J.C.;Colvin,V.L.,Journal of Colloid and Interface Science 2006,302,(2),530−536]。
尚、従来製品のTiOナノ粒子としては、上記文献に示されるように、AEROXIDE P 25(BET 50m/g,21nm in diameter,anatase 80% + rutile 20%,Degussa),AEROXIDE P 90(BET 90−100m/g,14nm in diameter,anatase 90% + rutile 10%,Degussa),MT−01(BET 60m/g,10nm in diameter,rutile,TaycaCorp.)及び Altair TiNano(BET BET 50m/g,30−50nm in diameter,Altair Nanotechnologies Inc.)、などがある。
粒径が、たとえ100nm以下であったとしても、平滑な表面を有する粒子においては、高いBET比表面積を得ることはできない。本プロセスで合成したTiO粒子においては、ナノ結晶の集積体という特異的な形態を有することから、高いBET比表面積が実現できたものと考えられる。
全細孔容積(V)、及び平均細孔径(4V/A)は、相対圧P/Po=0.99の直径230nm以下の気孔より、BET surface area(A)270m/gを用いて、それぞれ、0.43cc/g、及び6.4nmと見積もられた。しかし、吸着量は、高い相対圧において急激に増加しているため、高い相対圧での吸着量は、大きな誤差を含む。
そのため、相対圧P/Po=0.80の直径11nm以下の気孔より、全細孔容積(V)、及び平均細孔径(4V/A)を、0.21cc/g、及び3.1nm.と見積った。これらの数値は、同様な形態を有するTiO粒子等と、高い精度で比較することが可能である。
吸着等温線を用いて、BJH法により気孔径分布を評価したところ、約2.8nmにピークを有していた(図3c)。これは、TiO粒子が、ナノ結晶に囲まれた約2.8nmのメソ孔を有していることを示している。また、気孔径分布は、1.0nm以下のマイクロ孔の存在を示唆していた。
少量のサンプルを用いて、低相対圧での吸着特性を評価した後、DFT/Monte−Carlo法を用いて、気孔径分布の評価を行った。計算モデルは、吸着等温線と、高い一致度を示した(図3d)。気孔径分布は、約3.6nmにピークを有しており、これは、3.6nmのメソ孔の存在を示している(図3e)。
DFT/Monte−Carlo法により算出されたメソ孔のサイズは、BJH法により算出されたメソ孔サイズよりも僅かに大きい値であった。これは、一般的に、BJH法により算出される気孔径が、小さく見積もられることに起因しているものと考えられる[文献:1)Kruk,M.;Jaroniec,M.,Chemistry of Materials 2001,13,(10),3169−3183、2)Ravikovitch,P.I.;Odomhnaill,S.C.;Neimark,A.V.;Schuth,F.;Unger,K.K.,Langmuir 1995,11,(12),4765−4772、3)Lastoskie,C.;Gubbins,K.E.;Quirke,N.,Journal of Physical Chemistry 1993,97,(18),4786−4796]。
また、DFT/Monte−Carlo法での解析からは、約1.4nm以下のマイクロ孔の存在も示された。0.0143gの粒子を用いて、低相対圧P/Po=3.9×10−6から相対圧1.0までの範囲で、吸着等温線を測定し、DFT/Monte−Carlo法により、気孔径を評価した。その結果、〜3.6nmのメソ孔に加え、0.96nmのマイクロ孔の存在が示された。
本実施例では、以下の条件及び方法によって、TiO粒子を合成した。50℃のフッ化チタン酸アンモニウム水溶液とホウ酸水溶液を混合した後、これを50℃にて30分間保持した。次に、25℃まで自然放冷させて、48時間保持を行い、粒子を自然沈降させた後、上澄みを除去した。
更に、これに50℃の水を加えて撹拌した後、24時間保持を行い、粒子を自然沈降させた後、上澄みを除去した。続けて、同様に、2回、50℃の水での分散と、24時間保持、及び上澄み除去、を行った。その後、60℃にて24時間大気乾燥させて、粉末サンプルを得た。この粉末サンプルは、BET比表面積151m/gを示した。
本実施例では、ナノ針状アナターゼTiO結晶集積粒子とアナターゼTiO結晶膜を作製した。フッ化チタン酸アンモニウム([NHTiF)(2.0096g)、及びホウ酸(1.86422g)を、それぞれ50℃の蒸留水100mLに溶解した。両水溶液を混合し、これにFTO基板(FTO,SnO:F,Asahi Glass Co.,Ltd.,9.3−9.7Ω/□,26×50×1.1mm)を、立てて浸漬した後、water bathを用いて、50℃で所定時間保持した。
フッ化チタン酸アンモニウム、及びホウ酸の混合溶液中での濃度は、それぞれ、0.15M、0.05Mである。この溶液条件にて、pHは、約3.9となる。溶液は、反応開始10分後程度から白色化しはじめた。次いで、FTO基板を溶液中に浸漬し、その後、蒸留水で基板を洗浄し、自然乾燥させた。
FTO基板上に形成したアナターゼTiO結晶膜の光学写真では、TiO薄膜形成箇所は、僅かに白く着色していた。これは、着色した副生成物が存在しないことを示している。また、白色は、TiO膜全面に渡って均一であり、膜厚の均一性を示している。
上記TiO膜に対するアセトン中での超音波処理30分において、形成したTiO膜の剥離は見られなかった。FTO基板上に形成したTiO膜のXRD観察を行った際には、酸化スズ由来の強いXRDピークによりTiOからの回折線の評価が困難であったため、FTOコーティングなしのガラス基板上に形成したTiO膜のXRDパターンを評価した。
図4に、ガラス基板上に形成したアナターゼTiO結晶膜のX線回折パターンを示す。2θ=25.3,37.7,48.0,53.9,55.1、及び62.7°の位置に、弱い回折線が観察され、アナターゼTiO(ICSD No.9852)の101,004,200,105,211、及び204回折線に帰属された。
004回折線の強度は、非常に強く、高いc軸配向を示している。004回折線と101回折線の積分強度比(積分面積比)は、2.6倍、強度高さ比は、2.2倍であった。(004)面に垂直方向の結晶子サイズは、回折線半値幅よりシェラーの式を用いて17nmと見積もられた。また、ガラス基板由来のブロードなピークも、2θ=25°に観察された。2時間浸漬した際の膜厚は、約260nmであった。
TiOの膜厚は、浸漬時間の増加とともに、増加し、また、クラックのサイズは浸漬時間の増加とともに増大した。厚いTiO膜は高い強度を有するため、応力の蓄積が起こり、小さなクラックの生成を抑制し、大きなクラックの成長を促しているものと考えられる。粒子膜の成長に従って、粒界の形状は変化した。
粒子表面の針状結晶は、浸漬時間の増加とともに成長していった。浸漬時間の変化に伴うTiO膜厚は、浸漬初期では、膜厚は急速に増加し、浸漬時間の増加とともに、成長速度は緩やかに変化していった。
溶液中において合成したアナターゼTiO結晶粉末(TiO結晶沈殿粉末)のXRDパターンを評価した結果、ICSD データ(No.9852)におけるTiOでは、101回折線(2θ=25°付近)と004回折線(2θ=38°付近)の相対強度比(高さ)が、1:0.1915であるのに対し、合成したアナターゼTiO結晶粒子では、1:0.6647であった。合成したアナターゼTiO結晶粒子は、強い004回折強度を有しており、高いc軸配向を有していることが示された。
析出反応に関してまとめると、反応初期の溶液の白色化からも示されるように、まず、アナターゼTiO粒子の生成、及び成長が起こり、TiO粒子が生成した。TiO粒子は、更に成長し、サイズも増大し、緩やかに沈降する。それらの粒子は、基板上へも付着する。そのため、速いTiO膜の成長を引き起こしている。基板上での不均一核生成も同時に進行する。反応初期は、溶液中のイオン濃度も高いため、TiOの結晶成長速度も速く、TiO膜厚の増加を促進する。
溶液中のイオン濃度は、TiO粒子の生成やTiO膜の成長によって徐々に減少するため、TiO膜厚の増加も、徐々に緩やかとなっていく。浸漬時間の増加とともに、均一核生成による粒子生成量は少なく、イオンの取り込みによるTiO膜の結晶成長が支配的になると考えられる。TiO膜表面の観察では、TiO膜の成長に伴い、粒子による凹凸は平滑化し、粒界が不鮮明になる様子が観察された。
本実施例では、FTO基材表面に、超親水性領域及び疎水性領域にパターン化された表面を形成し、該超親水性/疎水性領パターン化表面を用いることにより、基材上に、アナターゼ結晶TiOパターンを形成した。
FTO基板(FTO,SnO:F,Asahi Glass Co.,Ltd.,9.3−9.7Ω/□,26×50×1.1mm)に、紫外線(UV)照射を10分間行った。UV照射には、セン特殊光源製低圧水銀ランプ(PL16−110)を用いた。この光源での主となる光の波長は、184.9nm及び253.7nmである。
初期のFTO表面は、水に対する接触角96°を示す疎水性表面であるのに対し、UV照射時間の増加に伴い、接触角は、70°(0.5分)、54°(1分)、30°(2分)、14°(3分)、5°(4分)、0°(5分)と減少し、5分以上では、接触角が、計測限界以下のほぼ0°の超親水性を示した。
上記FTO基の表面変性を行うために、フォトマスク(凸版印刷製、テストチャートNo.1−Nタイプ、(Test−chart−No.1−N type,quartz substrate,1.524mm thickness,guaranteed line width 2μm±0.5μm,Toppan Printing Co.,Ltd.))を介したUV照射により、FTO基板上に、TiOパターンを形成した。
フッ化チタン酸アンモニウム([NHTiF)(2.0096g)、及びホウ酸(1.86422g)を、それぞれ、50℃の蒸留水100mLに溶解した。両水溶液を混合し、これにFTO基板(フォトマスクを介したUV照射処理を施したFTO基板)を浸漬した後、water bathを用いて、50℃で所定時間保持した。
フッ化チタン酸アンモニウム、及びホウ酸の混合溶液中での濃度は、それぞれ、0.15M、及び0.05Mであった。この溶液条件にて、pHは、約3.9となった。溶液は、反応開始10分後程度から白色化しはじめた。その後、溶液中で生成した粒子は、徐々に沈降した。
浸漬後、蒸留水で基板を洗浄し、自然乾燥させた。浸漬前のFTOは、青緑色を呈していたのに対し、浸漬後の超親水性領域は、黄緑色を呈していた。また、浸漬後の疎水性領域は、浸漬前と同様に、青緑色であった。これは、FTO上に透明なTiO膜が形成されたため、回折される光の波長が変化したためと考えられる。超親水性領域は、黒色であり、疎水性領域は、白色であった。
ラインエッジラフネスの標準偏差を見積もったところ、約2.8μmであり、これより、約5%のラフネスと見積もることができる(2.8/55)。これは、現在の電子デバイス形成のための基準値5%と同程度であった。最小線幅は、フォトマスクの最小線幅及び照射光波長に依存するため、高解像度フォトマスクの使用などにより、少なくとも1μm以下にまで改良することが可能と考えられる。
UV照射FTO領域に析出したTiO、及びUV非照射領域のFTO表面をSEM写真で観察した結果、基板となるFTO層は、ラフネスの大きな粒子膜であり、直径約100−500nmの角張った粒子から構成されていた。また、疎水性領域からは、TiOは、ほとんど観察されなかった。
一方、超親水性領域に沿って形成されたTiOマイクロパターン領域は、10−30nmのナノ結晶の集積体により覆われていた。このナノ結晶は、異方成長したアナターゼTiO結晶であると考えられる。ナノ結晶から構成されるナノサイズの凹凸に加え、TiO膜は、直径約100−500nmからなる大きな凹凸も有していた。
これは、角張った粒子から構成されるFTO層の上に、薄くナノTiO層が形成されたため、TiO層表面がFTO基板の大きな凹凸形状を有しているためと考えられる。これらの効果により、TiO膜は、小さなナノ結晶からなるナノサイズの凹凸と、FTOの表面形状由来の大きな凹凸を合わせ持った、特異なハイブリッド階層凹凸構造を有していた。
FTO上に形成したTiO膜の断面をSEM写真で観察した結果、ガラス基板上に、表面凹凸の大きい多結晶FTO層が約900nm形成されていた。FTO層のラフネスは、約100−200nmであった。超親水性FTO表面からは、ナノTiO結晶が観察された。
一方、疎水性FTO表面からは、TiOは観察されなかった。超親水性FTO表面は、ナノTiO結晶のアレイで覆われており、それらは、直径約20nm、長さ約150nmの長い形状をしていた。これらの観察結果は、XRDやTEMにおける評価と矛盾しない。
ナノTiO結晶は、c軸方向に優先的に異方成長し、その結果、XRDやTEM観察時の電子線回折において、101回折線の強度に対し、004回折強度が強くなったものと考えられる。
このc軸方向への異方成長の結果、ナノTiO結晶は、高いアスペクト比(長さ150nm/直径20nm)を有する形状へと成長したものと考えられる。また、SEM像に観察されるように、c軸方向に異方成長した結晶が、c軸をFTO基板に垂直に立てるように結晶成長していることも、XRDや電子線回折における強い004の回折強度(c軸配向)をもたらしたものと考えられる。
FTO基板上に形成したTiO膜のXRD観察を行った際には、酸化スズ由来の強いXRDピークによりTiOからの回折線の評価が困難であったため、FTOコーティングなしのガラス基板上に形成したTiO膜のXRDパターンを示す(図5)。混合溶液調製直後から基板を浸漬した。
2θ=25.3,37.7,48.0,53.9,55.1、及び62.7°の位置に弱い回折線が観察され、アナターゼTiO(ICSD No.9852)の101,004,200,105,211、及び204回折線に帰属された。004回折線の強度は、非常に強く、高いc軸配向を示している。004回折線と101回折線の積分強度比(積分面積比)は、2.6倍、強度高さ比は、2.2倍であった。
(004)面に垂直方向の結晶子サイズは、回折線半値幅よりシェラーの式を用いて17nmと見積もられた。また、ガラス基板由来のブロードなピークも2θ=25°に観察された。混合溶液調製直後から基板を浸漬して、FTO基板上にTiO膜を形成した。
以上詳述したように、本発明は、ナノ結晶集積TiO及びその作製方法に係るものであり、本発明により、BET比表面積において、151−270m/gを有するナノ結晶集積TiO粒子乃至ナノ結晶集積TiO膜を合成することができる。これらは、水等に分散したコロイド溶液としても、乾燥粉末としても得ることができ、また、基板上にTiO粒子膜を形成することができ、物質、形状、サイズを問わず、様々な基材、基板上にTiO粒子膜を形成することができる。本プロセスでは、有機物の添加をしていないため、不純物の混入を回避することができ、また、50℃の低温下にて、TiO粒子及び粒子膜を合成することができる。本発明は、各種のTiOデバイス製品に好適に利用し得るナノ結晶集積TiO粒子乃至ナノ結晶集積TiO膜及びそれらのデバイス製品を提供するものとして有用である。
TiO粒子のXRDパターンを示す。 TiO粒子のTEM像(a)を示す。(b)は(a)の拡大像及び(挿入図)FFT像である。(c)は(a)の拡大像である。 TiO粒子の吸着脱着等温線(a)を示す。(b)はTiO粒子のBET比表面積評価である。(c)はBJH法により算出した気孔径分布である。(d)はTiO粒子の吸着脱着等温線及びDFT/Monte−Carlo法によるフィティングカーブである。(d)はDFT/Monte−Carlo法により算出した気孔径分布である。 ガラス基板上に形成したアナターゼTiO結晶膜のX線回折パターンを示す。 基板上に形成したTiO結晶膜のX線回折パターンを示す。

Claims (8)

  1. 基板上乃至溶液中に析出させたナノ結晶集積TiOを製造する方法であって、1)酸化チタン結晶を析出する溶液反応系を用いて基板上乃至溶液中に針状TiOナノ結晶を液相で形成させる、2)その際に、反応初期において特異的に実現する薄白色溶液中でのナノ粒子生成とそれ以降のTiO 粒子の均一核生成並びに結晶成長条件を利用する、3)生成した針状TiOナノ結晶を集積化して、ナノ結晶集積TiO 粒子乃至基板上に析出させたナノ結晶集積TiO 膜の形態を有する、ナノ結晶集積TiO 粒子又はナノ結晶集積TiO 膜から構成されるナノ結晶集積TiOを合成する、ことを特徴とするナノ結晶集積TiOの製造方法。
  2. 溶液反応系として、フッ化チタン酸アンモニウム、ヘキサフルオロチタン(IV)酸ナトリウム(NaTiF)、ヘキサフルオロチタン(IV)酸カリウム(K[TiF])、チタン酸ナトリウム(NaTi)、アセチルアセトンチタニル(TiO(CHCOCHCOCH)、しゅう酸チタン(IV)アンモニウム(n水和物)((NH[TiO(C]・nHO)、しゅう酸チタン(IV)カリウム(2水和物)(K[TiO(C]・2HO)、硫酸チタン(III)(n水和物)〔第一〕(Ti(SO・nHO)、又は硫酸チタン(IV)(n水和物)〔第二〕(Ti(SO・nHO)によるチタン含有水溶液を用いる、請求項に記載のナノ結晶集積TiOの製造方法。
  3. 溶液反応系として、水溶液反応、有機溶液の非水溶液反応、又は水熱反応の反応系を用いる、請求項に記載のナノ結晶集積TiOの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の方法により製造された、酸化チタン結晶を析出する溶液反応系で基板上乃至溶液中に析出させたナノ結晶集積TiOであって、1)ナノ結晶は、アナターゼTiO単相からなる、2)粒子中心から外方にc軸に沿って成長した針状結晶を有する、3)針状結晶の先端部分においても、アナターゼTiO単相より構成されている、4)表面にアナターゼTiO結晶が露出している構造を有する、5)ナノ結晶集積TiO 粒子乃至基板上に析出させたナノ結晶集積TiO 膜の形態を有する、ナノ結晶集積TiO 粒子又はナノ結晶集積TiO 膜から構成されるナノ結晶集積TiO である、ことを特徴とするナノ結晶集積TiO
  5. 粒子の表面及び内部において、ナノサイズの開気孔及び表面凹凸構造を実現している、請求項に記載のナノ結晶集積TiO
  6. 基板が、ガラス、シリコン、金属、セラミックス、又はポリマーの基板である、請求項又はに記載のナノ結晶集積TiO
  7. 基板が、平板状、粒子、繊維、又は複雑形状の形態を有している、請求項からのいずれかに記載のナノ結晶集積TiO
  8. 請求項からのいずれかに記載のナノ結晶集積TiOを構成要素として含むことを特徴とするナノ結晶集積TiO粒子又はナノ結晶集積TiO膜から構成されるアナターゼTiO系デバイス。
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