JP6724715B2 - 撥水材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、撥水材およびその製造方法に関する。
基材の表面に微細な構造を形成することで撥水性を高めた撥水材が知られている。特許文献1には、多数の微小孔が形成された金属基材の表面に有機化合物を形成した撥水材が記載されている。また、特許文献2には、ガラス基材の表面に凹凸を有するシリカ膜を形成した撥水材が記載されている。
特開2001−207123号公報 特開2000−144116号公報
金属基材の表面に良好に密着でき、かつ、撥水性と耐久性に優れた撥水材が求められている。特許文献1のように有機化合物を撥水材として用いる場合には、金属基材の表面に良好に密着させることができるが、撥水材の熱的安定性および機械的安定性が低いため、十分な耐久性が得られない。一方、特許文献2のようにシリカ膜を撥水材として用いる場合には、撥水材の熱的安定性は高いが、金属製の基材に対してはシリカ膜を密着させることが困難である。また、シリカ膜は絶縁性であるため、シリカ膜を用いた撥水材は、静電気の発生が問題となる電子部品等の用途に使用することが困難である。
上記の課題に鑑み、本発明は、金属基材の表面に良好に密着でき、撥水性と耐久性に優れ、かつ、電子部品等の用途に好適に使用し得る撥水材を提供することを目的とする。
本発明が提供する第1の撥水材は、下記式(1)で表される金属酸化物を含み、複数の針状または板状の結晶体が網目状または剣山状に配置された多孔質構造を有する第1層と、前記第1層の多孔質構造の表面に設けられた疎水性有機化合物を含む第2層を備える。
3-x …… (1)
上記式において、M≠Lであり、MはMg,Fe,Zn,Mn,Cu,Co,Cr,Niからなる群から選ばれ、LはCo,Al,Fe,Crからなる群から選ばれ、xは、0≦x≦1を満たす。
また、本発明が提供する第2の撥水材は、ZnOを含む金属酸化物を含み、複数の針状または板状の結晶体が網目状または剣山状に配置された多孔質構造を有する第1層と、前記第1層の多孔質構造の表面に設けられた疎水性有機化合物を含む第2層を備える。
本発明の第1および第2の撥水材は、金属基材の表面に良好に密着でき、かつ、撥水性と耐久性に優れた第1層と、第1層の表面に設けられ、さらなる撥水性と耐久性の向上に寄与する第2層を備えている。本発明に先立って、本発明者は、第1層のみからなる撥水材の開発に成功した。金属酸化物を含むことにより第1層は金属基材の表面に良好に密着でき、優れた耐久性を確保できる。また、複数の針状または板状の結晶体が網目状または剣山状に配置された多孔質構造を有することにより第1層は高い撥水性を得ることができる。第1層のみによっても高い撥水性と耐久性を得ることができるが、本発明者は、さらに、第1層の多孔質構造の表面に疎水性有機化合物を含む第2層を設けることによって撥水性と耐久性がより一層高い撥水材が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明によれば、金属酸化物を含む第1層を備えているため、金属製の基材にも良好に密着させることができ、機械部品および電子部品等の用途に好適に使用することができる。また、本発明によれば、第1層の多孔質構造の表面に疎水性有機化合物を含む第2層を設けることによって、撥水性と耐久性とをより一層高めることができる。また、仮に第2層が摩耗等によって損傷した場合であっても、第1層により撥水性と耐久性が確保できる。
本発明の第1および第2の撥水材では、前記疎水性有機化合物は、炭化水素基、フッ化炭化水素基、またはアルキルシロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1以上を含むことが好ましい。このような有機化合物を用いることによって撥水性の高い撥水材を得ることができる。
本発明の第1および第2の撥水材では、前記疎水性有機化合物は、フルオロカーボンまたはシリコーンであることが好ましい。このような有機化合物を用いることによって特に撥水性の高い撥水材を得ることができる。
本発明は、また、上記の撥水材の製造方法を提供する。この製造方法は、第1層形成工程と、第2層形成工程を含む。前記第1層形成工程は、基材の表面にFe,Zn,Cu,Co,Cr,Ni,MgまたはAlの一種以上の元素を含む金属を析出させる析出工程と、該析出工程後の基板を熱処理する熱処理工程と、を含む。第2層形成工程は、前記第1層形成工程後の基板に形成された前記第1層の多孔質構造の表面に前記疎水性有機化合物を形成する。
本発明の製造方法では、前記析出工程は、Fe,Zn,Cu,Co,Cr,Ni,MgまたはAlの一種以上の元素を含む電析液中で電析を行ってもよい。有機酸が金属元素と錯体を形成し、成膜された金属化合物中に炭素と酸素が取り込まれるため、熱処理後の結晶体の結晶構造を制御することができる。
本発明の製造方法では、前記熱処理工程は、200℃以上で1分間以上かつ10時間以下加熱することが好ましい。
実施例の撥水材について説明する模式図。 実施例の撥水材を構成する結晶体の角度について説明する模式図。 試料1の撥水材の表面のSEM画像。 試料1の撥水材の表面のSEM画像。 試料1の撥水材のX線回折の結果を示す図。 試料1の撥水材の断面のSEM画像。 水滴の滑落速度測定について説明する概念図であって、撥水材の表面に水滴を滴下した状態を示している。 水の接触角測定について説明する概念図であって、撥水材の表面に水滴を滴下した状態を示している。 試料1および試料C1、C2の撥水材の水滴の滑落速度測定の結果を示す図。 試料1および試料C1、C3の撥水材の耐久試験(摩擦回数100回まで)の結果を示す図。 試料1および試料C1、C3の撥水材の耐久試験(摩擦回数1000回まで)の結果を示す図。 試料2および試料C1、C3の撥水材の耐久試験(摩擦回数100回まで)の結果を示す図。 試料2および試料C1、C3の撥水材の耐久試験(摩擦回数1000回まで)の結果を示す図。 耐久試験(摩擦回数4回後)の試料1の撥水材の表面のSEM画像。 耐久試験(摩擦回数4回後)の試料1の撥水材の表面のSEM画像。 耐久試験前の試料C1の撥水材の表面のSEM画像。 耐久試験(摩擦回数4回後)の試料C1の撥水材の表面のSEM画像。 耐久試験(摩擦回数4回後)の試料C1の撥水材の表面のSEM画像。 耐久試験(摩擦回数4回後)の試料C1の撥水材の表面のSEM画像。 耐久試験(摩擦回数500回後)の試料1の撥水材の表面のSEM画像。 耐久試験(摩擦回数500回後)の試料1の撥水材の表面のSEM画像。 耐久試験(摩擦回数500回後)の試料C1の撥水材の表面のSEM画像。 耐久試験(摩擦回数500回後)の試料C1の撥水材の表面のSEM画像。
本発明の第1または第2の撥水材では、第1層は、針状または板状の結晶体として基板上に形成されている。第2層は、特願2016−34865号明細書等に記載されているように、それ自体が撥水材として利用可能である。第1層の表面を観察すると、多数の針状または板状の結晶体が不規則な網目状または剣山状に配置されており、これによって多孔質構造が形成されている。多数の針状の結晶体は、長手方向が撥水材の表面に略平行に伸びた状態で互いに交差して全体として網目構造を構成するものであってもよいし、剣山状に林立するものであってもよい。多数の板状の結晶体は、撥水材の厚み方向にある程度の幅をもって壁状に伸びるとともに撥水材の表面方向にランダムに伸びて全体として網目構造を形成するものであってもよい。この多孔質構造内の空間に存在する気体によって撥水材の撥水性が高くなる。撥水材が、上記式(1)に示す金属酸化物を含む場合、または、ZnOを含む金属酸化物を含む場合に、このような多孔質構造が形成され易い。高い撥水性を得るために、撥水材は、上記式(1)に示す金属酸化物、または、ZnOを含む金属酸化物を主成分として含むことが好ましい。本発明の撥水材に係る金属酸化物は、スピネル型の金属酸化物であることが好ましく、ZnおよびFeを含むスピネル型の金属酸化物であることが特に好ましい。本発明に係る撥水材をX線回折によって分析した場合に、上記式(1)に示す金属酸化物のピークが3つ以上観測されることが好ましい。
第1の撥水材では、金属酸化物において、上記式(1)のLはFeであることが好ましい。また、金属酸化物がZnOを含むことが特に好ましい。これによって、より撥水性の高い撥水材を得ることができる。
撥水材の形態を模式的に示す図1を用いて、撥水材10の撥水性について具体的に説明する。図1は、撥水材10の表面に水滴1が付着した状態を示している。水滴1は、結晶体12の先端14に接触するとともに、隣り合う結晶体12の間に存在する空気にも接触している。水滴1と結晶体12の接触面の面積をA1とし、水滴1と結晶体12の間に存在する空気との接触面の面積をA2とすると、水滴1と撥水材との接触面に占める結晶体12の接触面の割合Aは、A=A1/(A1+A2)によって表される。この割合Aを用いて、図1に示す水滴1の接触角φは、下記式(2)に示すCassieの式によって表されることが、“Transactions of the Faraday Society” 40,546−551(1944)に記載されている。
cosφ=Acosφ1+(1−A)cosφ2 …… (2)
ここで、φ1は結晶体12を構成する金属酸化物の真の接触角であり、φ2は空気の真の接触角である。例えば、結晶体12が四酸化三鉄Feである場合には結晶体12の真の接触角はφ1=70°程度であり、空気の真の接触角はφ2=180°であり、Aが小さくなるほど接触角φは大きくなり、撥水材10の撥水性は高くなる。
多孔質構造の隣接する結晶体(図1に模式的に示す結晶体12)の撥水材の表面に平行な方向の距離は、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。撥水材の多孔質構造に気体を保持して水滴等が気体と入れ替わることを抑制することができ、高い撥水性を得ることができる。
図2に示すように、板状の結晶体12が基材16の表面に対して成す角θは、結晶体12の先端14と、結晶体12の底面(図3では基材16の表面に一致する)との短手方向の中央とを結ぶ線が、結晶体12の底面に対して成す角θとして表すことができる。角θが小さ過ぎると、傾斜した結晶体12の側面に沿って水滴が多孔質構造内の空間に入り込みやすくなるため、角θは大きい方が好ましい。角θは、45〜90°の範囲であることが好ましく、θ=90°(角θの最大値)程度であることが特に好ましい。撥水材の多孔質構造に保持される気体と水滴との接触面積を十分に確保でき、高い撥水性を得ることができる。
本発明の第1または第2の撥水材では、第2層は、第1層の多孔質構造の表面に設けられた疎水性有機化合物を含む。本明細書において、疎水性有機化合物とは、末端または鎖状または環状の高分子鎖の側鎖に疎水基を有する有機化合物であり、第1層の多孔質構造の表面に設けられた際にその疎水基が撥水材の表面側(第1層と逆側)に存在して疎水性を示す有機化合物を意味する。疎水性有機化合物は、炭化水素基、フッ化炭化水素基、またはアルキルシロキシ基等の疎水基を含む疎水性の有機高分子であることが好ましい。
第2層の疎水性有機化合物は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の炭化水素ポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フルオロカーボン等のハロゲン化炭化水素ポリマー、またはシリコーン等の有機ケイ素化合物であることが好ましく、疎水性に優れたフルオロカーボンまたはシリコーンであることが特に好ましい。疎水性有機化合物を選定するに際しては、有機化合物によって形成されたフィルムまたは膜に対して水の接触角測定を行い、水の接触角が90°以上であるものを選定してもよい。
また、疎水性有機化合物を選定するに際して、ハンセン溶解度パラメータ等の溶解度パラメータを評価指標を用いることもできる。ハンセン溶解度パラメータは、Hildebrandによって正則溶液理論から導かれる溶解度パラメータを分散項δ、分極項δ、水素結合項δの3成分に分割したものである。ハンセン溶解度パラメータとHildebrandによる溶解度パラメータδtotとは、δtot =δ +δ +δ の関係がある。また、ハンセン溶解度パラメータの相互作用半径が小さいほど、親和性が高い関係にある溶媒が少なくなる。ハンセン溶解度パラメータの値は文献に掲載されているものを使用してもよいし、市販のハンセン溶解度パラメータ計算ソフト(例えば、HSPiP:Hansen Solubility Parameters in Practice等)によって計算されたものを使用してもよい。表1は、有機高分子のハンセン溶解度パラメータの分散項δ[MPa1/2]、分極項δ[MPa1/2]、水素結合項δ[MPa1/2]、ハンセン溶解球の相互作用半径R[MPa1/2]を例示しており、HSPiPのデータベースに収容されている文献値(文献:Hansen Solubility Parameters:A user’s handbook,2nd ed.,CRC Press.(2007))を示している。第2層の有機高分子は、ハンセン溶解球の相互作用半径R[MPa1/2]が10MPa1/2以下であることが好ましく、8MPa1/2以下であることがより好ましく、4MPa1/2以下であることが特に好ましい。
本発明の撥水材は、第1層を形成する工程と、第2層を形成する工程によって製造することができる。第1層は、電析、蒸着によって基材上に形成してもよいし、第1層の材料(金属粉末等)を有機酸や粘着材と混合してペーストを作成して基材に塗着させてもよい。また、第1層は、複数の膜が積層された多層膜として基材上に形成されていてもよい。
第1層を電析法によって形成する方法について例示して説明する。第1層は、例えば、基材の表面にFe,Zn,Cu,Co,Cr,Ni,MgまたはAlの一種以上の元素を含む金属を析出させる析出工程と、析出工程後の基板を熱処理する熱処理工程とを行うことによって形成することができる。析出工程においては、Fe,Zn,Cu,Co,Cr,Ni,MgまたはAlの一種以上の元素と有機酸を含む電析液中で電析を行うことが好ましい。有機酸が金属元素と錯体を形成し、成膜された金属化合物中に炭素と酸素が取り込まれるため、熱処理後の結晶体の結晶構造を制御することができる。
本発明では、第1層は金属酸化物を含むため、金属製の基材にも良好に密着させることができる。金属製の基材に第1層を形成する場合には、基材を陰極として、第1層の主成分となる金属酸化物を構成する成分金属元素(例えば、上記式(1)に示す金属元素M,L)を含む電析液を使用して電析を行うことが好ましい。基材に第1層を良好に密着させることができ、また、電析液の組成を制御することによって、第1層に含まれる金属酸化物の組成を容易に制御することができる。電析法は、金属等の導電性材料の基板に限らず、表面を導電処理した基板に対しても用いることができる。
電析液は、成分金属元素を硫酸塩、アミド硫酸塩、塩化物として含むことが好ましい。さらには、電析液は、L−アスコルビン酸、クエン酸、フマル酸を含む群から選ばれる1以上の有機酸を含むことが好ましい。また、電析を効果的に促進するために、電析液に含まれる有機酸の濃度と有機酸の塩の濃度の合計は0.5g/L以上であることが好ましい。電析は、電流密度が、0.1A/dm〜30A/dm、電析液の温度が0℃〜90℃、電析時間が0.5分間〜60分間の条件で行うことが好ましい。
成分金属元素を含む金属を基材の表面に析出させた後、大気等の気体を雰囲気ガスとして用いて熱処理工程を行うことが好ましい。熱処理工程の処理温度は、200℃以上が好ましく、200℃〜600℃が特に好ましい。熱処理工程の処理時間は1分間以上かつ10時間以下であることが好ましく、10分間以上かつ5時間以下であることがより好ましく、0.5時間以上かつ3時間以下であることが特に好ましい。
第2層は、例えば、第2層を構成する有機化合物を第1層の多孔質構造の表面に付着させる工程によって形成することができる。有機化合物が液中に溶解または混合されている場合には、その液中に第1層の多孔質構造の表面を浸漬した後、必要に応じて乾燥工程、熱処理工程を行うことによって、第1層の多孔質構造の表面に第2層を付着させることができる。また、疎水性有機化合物を気化して第1層の多孔質構造の表面に付着させてもよい。
また、第2層の前駆体として水酸基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホ基、シリル基等の極性基をアンカー官能基として含む有機高分子を用いることもできる。第1層に含まれる金属酸化物の表面、または、この表面に存在する水酸基等の極性基とアンカー官能基とが化学結合することにより第1層と第2層とを強固に結合させることができる。アンカー官能基を有する有機高分子としては、例えば、下記式(3)に示す末端基としてシリル基を有するフルオロカーボンを挙げることができる。なお、下記式(3)において、Xは水酸基、アルコキシ基、またはハロゲンであり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、kは1〜7の整数であり、mは1〜7の整数であり、nは0以上の整数であり、pは0〜7の整数であり、qは1以上の整数であり、aは1〜3の整数である。下記式(3)のシリル基が第1層の金属酸化物の表面の極性基と化学結合して、疎水基であるパーフルオロポリエーテル基が撥水材の表面側に延びて疎水性の有機化合物として第2層を構成することができる。下記式(3)によって示されるフルオロカーボンを含有する製品として、例えば、ダイキン工業株式会社製のオプツールDSX(登録商標)が挙げられる。
また、第2層は、例えば、第1層の多孔質構造の表面にモノマーを吸着等させ、その場で高分子化されるものであってもよい。モノマーを含む液中に多孔質構造の表面を浸漬することによって多孔質構造の表面にモノマーを吸着させた後、多孔質構造の表面を重合剤を含む溶液に浸漬し、その後、熱処理工程等を行うことによって、多孔質構造の表面でモノマーを高分子化することができる。
(実施例)
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。実施例および比較例では、2cm角の正方形の板状の金属板を基材とし、金属製の基材の表面に撥水材を形成して、その構造および特性を分析した。基材としては、ステンレス鋼材であるSUS440C(JIS G 4304)製の金属板を準備した。
(第1層の形成工程)
(電析工程)
電析液としては、FeSO(濃度:100g/L)、ZnSO(濃度:10g/L)、クエン酸(濃度:1g/L)、L−アスコルビン酸(濃度:3g/L)を含む水溶液を準備した。鉄電極を陽極とし、基材を陰極として電析液に浸漬し、電流密度が5A/dm、電析液の温度が50℃の条件下で、10分間電析を行った。その結果、厚みが約10μmの合金膜を基材上に析出させることができた。
(熱処理工程)
電析工程後の基材を580℃に加熱した電気炉に入れて、大気雰囲気下で1時間の熱処理を行った後、電気炉から基材を取り出した。電気炉から取り出した基材は直ちに真空デシケータ内に入れて、24時間放冷し、基材の表面に第1層を形成した。
(第2層の形成工程)
有機化合物として、パーフルオロポリエーテルシラン(PFPES)を20質量%含むダイキン工業株式会社製のオプツールDSX(登録商標)を準備し、これをスリーエムジャパン株式会社製ノベック7200(登録商標)のエトキシノナフルオロブタンで希釈した高分子溶解液を準備した。なお、エトキシノナフルオロブタンに替えて、パーフルオロヘキサン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン 等を用いることもできる。この高分子溶解液中に第1層を形成した後の基材を浸漬し、1時間放置した後、液中から取り出した。高分子溶解液中から取り出した後の基材を150℃に加熱した電気炉に入れて、1時間の熱処理を行った後、電気炉から基材を取り出し、試料1とした。
実施例2の撥水材では、第2層の材料および形成工程において実施例1と相違している。実施例2では、実施例1と同様の基材に同様の方法で第1層を形成した後、その基材を室温のシリコーンの単量体を含む単量体溶液中に1時間浸漬した。単量体溶液としては、信越化学工業株式会社製の信越シリコーン(登録商標)SIM−360を用いた。次に、単量体溶液から基材を取り出し、室温の重合開始剤を含む重合液に1時間浸漬した。重合液としては、信越化学工業株式会社製の信越シリコーン(登録商標)CAT−360を用いた。重合液から基材を取り出し、室温で24時間自然乾燥させ、試料2とした。
(比較例1)
比較例1では、2cm角の正方形の板状の純アルミニウム製の金属板を基材として準備した。純アルミニウム製の基材は、沸騰水中に20分間浸漬することによって、その表面に凹凸を有するベーマイト構造を形成した。このベーマイト構造の表面に、実施例1で第2層を形成した工程と同様の工程によってPFPESを付着させ、試料C1とした。
(比較例2)
比較例2では、比較例1と同様の基材を準備し、比較例1と同様の方法でその表面に凹凸を有するベーマイト構造を形成した。有機化合物として、フルオロカーボン分子の一例であるトリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル)シラン(Gelest社製)を準備した。上述のベーマイト構造を形成した後の基材と、上述のフルオロカーボン分子を入れた開口ガラス容器とを密閉容器に入れて、150℃で3時間加熱した。密閉容器内で、基材は、上述のフルオロカーボン分子の蒸気を含む気体中に曝露され、基材上に形成されたベーマイト構造が上述のフルオロカーボン分子によって被覆される。その後、密閉容器から基材を取り出し、試料C2とした。
(比較例3)
比較例3では、実施例1と同様の基材に同様の方法で第1層を形成し、そのまま撥水材として使用した(試料C3)。
(表面観察)
図3,4に、試料1の撥水材の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した画像を示す。なお、図3の拡大倍率は1万倍であり、図4の拡大倍率は4万倍である。図3、4に示すように、試料1の撥水材は、基板の表面から伸びる多数の板状の結晶体を有している。これは、撥水材の第1層の形態を表すものと考えられ、第2層は、分子レベルで第1層の表面に結合しているため、SEMで観察することは困難であると考えられる。図3,4に示すように、多数の板状の結晶体を撥水材の表面側から平面視すると、多数の板状の結晶体は、撥水材の厚み方向にある程度の幅をもって壁状に伸びるとともに撥水材の表面方向にランダムに伸びて全体として複雑な網目状の多孔質構造を有していることがわかった。さらに、SEM画像を用いて切線法(SEM画像の上下方向と左右方向にそれぞれ等間隔の直線を引いて、この直線に沿って隣り合う結晶体の間隔を測定する方法)を用いて隣り合う結晶体の間隔を測定した。試料1の撥水材の表面について図4を含む5箇所において拡大倍率4万倍でSEM画像を撮影し、同様に切線法で隣り合う結晶体の間隔を測定し、その上限値を表1に示した。試料1の撥水材では、隣接する結晶体の撥水材の表面に平行な方向の距離は、2.7μm以下であることがわかった。
(構造分析)
図5に、試料1の撥水材のX線回折の結果を示す。図5に示すように、試料1の撥水材では、スピネル型金属酸化物(ZnFeまたはFe)のピーク(黒三角でマーキングしたピーク)、ZnOのピーク(白丸でマーキングしたピーク)、およびα酸化鉄(Fe)のピークが観測された。図5に示すように、試料1の撥水材は、スピネル型金属酸化物を主成分として含んでおり、ZnOをその一部に含んでいることがわかった。
(断面観察)
図6に、試料1の撥水材をその厚み方向に切断した断面をSEM観察した画像を示す。図6に示すように、基板の表面から伸びる多数の板状の結晶体を有しており、互いの結晶体は離間して配置されており、結晶体の間に空間が形成されている。図6から板状の結晶体の先端と結晶体の底面の短手方向の中央とを結ぶ線が底面に対して成す角θを測定した。試料1の撥水材の断面について図6を含む3箇所においてSEM画像を撮影し、同様に角θを測定した。試料1の撥水材では、θ≧61°であった。
(水滴の滑落速度測定)
実施例1(試料1)と比較例1,2(試料C1、C2)について、水滴の滑落速度測定を行った。この測定では、図7に示すように、水平面12に対して撥水材10をα=1°傾けて、撥水材の表面に水滴1を5μL滴下し、その移動速度を測定した。なお、後述するように、撥水性の比較においては図8に示すように基板を平置して接触角を測定する方法を行うことが一般的であるが、試料1と試料C1のいずれも接触角が高く測定結果に相違が見られなかったため、図7に示すように基板を傾けて水滴の滑落速度で撥水性を評価した。
水滴の滑落速度測定の結果を図9に示す。図9は、横軸が滑落時間を示しており、縦軸が滑落距離を示している。図9において、傾きが高い試料ほど水滴の滑落速度が速く、撥水材の疎水性がより高いものと考えられる。実施例1の撥水材(試料1)は、比較例1,2の撥水材(試料C1,C2)と比較して水滴の滑落速度が速くなっていた。この結果は、試料1の撥水材では、試料C1、C2の撥水材より撥水性が高いことを示していると考えられる。実施例1と比較例1では、その最表面には同様の方法で同様のフルオロカーボン材料(PFPES)を形成しているが、水滴の滑落速度は試料1の撥水材の方が明らかに早くなっていた。すなわち、試料1の撥水材の高い撥水性は、試料1では、第1層と第2層との相乗効果が試料C1より一層高いことを示していると考えられる。
(耐久性試験)
撥水材の表面に摩耗輪を接触させた状態で基材をその平面中心に回転させ、撥水材の耐久性試験を行った。耐久性の評価は、撥水材について水の接触角を測定することによって行った。また、耐久試験後の撥水材の表面観察を行った。
(接触角測定)
接触角は、液滴法(sessilie drop法)で測定した。摩擦輪は、2cm角の正方形状の撥水材10の表面に一定の幅を有する環状の軌跡を描いて通過するため、この環状の軌跡において均等な位置に5つの測定点を設定した。5つの測定点にそれぞれ1μLの水滴1を滴下して接触角φを測定し、その平均値を測定値とした。実施例1、2の撥水材(試料1、2)および比較例1,3の撥水材(試料C1、C3)について耐久試験および接触角測定を行った結果を図10〜13に示す。図10〜13において、図10、12は、摩擦回数(摩擦輪が環状の軌跡を描いて撥水材表面で周回した回数)が100回まで耐久試験を行った結果を示しており、図11、13は、さらに摩擦回数が1000回に達するまで耐久試験を行った結果を示している。
図10,12に示すように、試料C1、C3では、耐久試験前には水の接触角がそれぞれ170°、120°程度と高かったが、摩擦回数が4回程度で水の接触角が40°以上低下しており、撥水材の耐久性が低いことが分かった。さらには、試料C1、C3では、摩擦回数が100回に到達するまでに水の接触角が90°またはそれ以下まで低下してしまうことが分かった。
これに対して、試料1では、摩擦回数が4回程度では水の接触角が殆ど低下せず水の接触角が150°以上の高い値を維持しており、撥水材の耐久性が高いことが分かった。また、試料1では、摩擦回数が10回程度までの間に水の接触角が150°未満に低下するものの、摩擦回数が100回の時点でも水の接触角が120°以上と高かった。さらには、試料1では、図11に示すように、摩擦回数が1000回の時点でも水の接触角が115°以上であり、試料C1、C3の撥水材と比較して、高い耐久性を有することが分かった。
また、図12に示すように、試料2では、摩擦回数が10回程度までの間に水の接触角が150°未満に低下するものの、摩擦回数が100回の時点でも水の接触角が120°以上と高かった。また、摩擦回数が400回の時点でも水の接触角は110°以上であった。試料2の撥水材によっても、試料C1、C3の撥水材と比較して高い耐久性を得られることが分かった。
(表面観察)
図14〜23に、耐久試験後の撥水材の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した画像を示す。図14、15は試料1の撥水材の摩擦回数4回後の画像を示しており、図16は、試料C1の耐久試験前の画像を示しており、図17〜19は試料C1の撥水材の摩擦回数4回後の画像を示している。図14,15に示す試料1では、第1層の多孔質構造が維持されていることが確認できる。これに対し、試料C1では、図16に示すように、耐久試験前には表面に凹凸を有するベーマイト構造が確認できたが、図17〜19に示すように、摩擦回数4回後には撥水材の表面に凹凸構造が殆ど確認できなかった。なお、観察時(摩擦回数4回後)の水の接触角は、試料1の撥水材では150°以上であり、試料C1の撥水材では、124.3°であった。
また、図20,21は試料1の撥水材の摩擦回数500回後の画像を示しており、図22,23は試料C1の撥水材の摩擦回数500回後の画像を示している。図20,21では、第1層の多孔質構造の一部が平坦化されているものの、多孔質構造の半分以上が平坦化されずに維持されていることが分かった。これに対し、図22,23では、試料C1の撥水材の表面に凹凸構造が殆ど確認できなかった。なお、観察時(摩擦回数4回後)の水の接触角は、試料1の撥水材では115.1°であり、試料C1の撥水材では、82.8°であった。
上記のとおり、実施例1,2に係る撥水材は、第1層の多孔質構造の表面に疎水性有機化合物を含む第2層を備えているため、第1層のみの撥水材(比較例3)よりも撥水性と耐久性とをより一層高めることができる。また、仮に第2層が摩耗等によって損傷した場合であっても、第1層により撥水性と耐久性が確保できる。特に、実施例1に係る撥水材では、高い撥水性と耐久性とを得ることができる。実施例1では第2層としてシリル基を有するパーフルオロポリエーテルシラン(PFPES)用いているため、シリル基によって第2層が第1層により強固に結合した結果、高い撥水性と耐久性とを得ることができたものと推察できる。
10 撥水材
12 結晶体
14 結晶体の先端
16 基材

Claims (6)

  1. 水材の製造方法であって、
    基材の表面にFe,Zn,Cu,Co,Cr,Ni,MgまたはAlの一種以上の元素を含む金属を析出させる析出工程と、
    該析出工程後の基板を熱処理する熱処理工程と、を含む第1層形成工程と、
    第1層形成工程後の基板に形成された第1層の多孔質構造の表面に疎水性有機化合物を形成する第2層形成工程とみ、
    該撥水材は、下記式(1)で表される金属酸化物を含み、複数の針状または板状の結晶体が網目状または剣山状に配置された多孔質構造を有する第1層と、
    該第1層の多孔質構造の表面に設けられた疎水性有機化合物を含む第2層を備える撥水材の製造方法。
    3-x …… (1)
    (上記式において、M≠Lであり、MはMg,Fe,Zn,Mn,Cu,Co,Cr,Niからなる群から選ばれ、LはCo,Al,Fe,Crからなる群から選ばれ、xは、0≦x≦1を満たす。)
  2. 水材の製造方法であって、
    基材の表面にFe,Zn,Cu,Co,Cr,Ni,MgまたはAlの一種以上の元素を含む金属を析出させる析出工程と、
    該析出工程後の基板を熱処理する熱処理工程と、を含む第1層形成工程と、
    第1層形成工程後の基板に形成された第1層の多孔質構造の表面に疎水性有機化合物を形成する第2層形成工程とみ、
    該撥水材は、ZnOを含む金属酸化物を含み、複数の針状または板状の結晶体が網目状または剣山状に配置された多孔質構造を有する第1層と、
    該第1層の多孔質構造の表面に設けられた疎水性有機化合物を含む第2層を備える撥水材の製造方法。
  3. 前記析出工程は、Fe,Zn,Cu,Co,Cr,Ni,MgまたはAlの一種以上の元素を含む電析液中で電析する請求項1または2に記載の撥水材の製造方法。
  4. 前記熱処理工程は、200℃以上で1分間以上かつ10時間以下加熱する請求項1〜3のいずれかに記載の撥水材の製造方法。
  5. 前記疎水性有機化合物は、炭化水素基、フッ化炭化水素基、またはアルキルシロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1以上を含む請求項1〜4のいずれかに記載の撥水材の製造方法
  6. 前記疎水性有機化合物は、フルオロカーボンまたはシリコーンである請求項1〜のいずれかに記載の撥水材の製造方法
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