JP5134256B2 - 超微粒子注入材組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、超微粒子注入材組成物に関する。より詳しくは、ポリカルボン酸系共重合体を含む注入材であって、土木建築分野において、地盤や岩盤に注入して改良、止水等に用いられる超微粒子注入材組成物に関する。
セメント粒子を含む注入材組成物は、止水、液状化防止、軟弱地盤の改良、有害物質の漏洩防止を目的に地盤の粒子間隙、岩盤の亀裂に注入して用いられるものであり、土木建築の基礎工事において広く用いられている。例えば、ダム、トンネル、地下鉄、上下水道建設時の地盤改良、止水に使用されている。このようなセメント系注入材組成物としては、セメント系注入材を水に混合攪拌してスラリー状にしたものが用いられている。この場合、セメント粒子の分散性を高めて注入材組成物としての性能を向上させるために分散剤が用いられ、セメント系注入材、分散剤及び水を混合撹拌したスラリーが使用されている。セメント系注入材としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、コロイドセメント、超微粒子セメント等を挙げることができる。セメント系注入材組成物の性能においては、セメント系注入材の粒径が重要であり、一般的に粒子径を小さくすることで注入性は向上する。セメント系注入材の中で超微粒子セメントが最も注入性に優れ、実用性も多い。
ところで、超微粒子セメント系注入材組成物をスラリー状で用いる場合、分散剤はセメント系注入材における粒子同士の凝集を防いで注入材組成物の性能を向上・維持するために不可欠であるが、超微粒子セメント系注入材組成物がセメント成分を含むものであることから、セメント分散剤として用いられているナフタレン系分散剤が使用されてきた。このようなナフタレン系分散剤としては、主に、一般タイプと遅延タイプの2種類が使用されている。一般タイプは分散性の点において、遅延タイプは凝結遅延を小さくする点において、より優れたものとすることが望まれていた。一方で、セメント分散剤の分野においては、ポリカルボン酸系分散剤がより高い分散作用を有するものとして用いられているが、超微粒子セメント系注入材組成物に対しては、浸透性能、浸透保持性能、凝結特性においてナフタレン系分散剤よりも優れるものはなかった。すなわち、従来においては、セメント分散剤の分野において用いられているポリカルボン酸系分散剤を超微粒子セメント系注入材組成物に適用しても、ポリカルボン酸系分散剤の優位性は認められなかった。
例えば、従来のポリカルボン酸系分散剤を超微粒子セメント系注入材組成物に適用する技術が開示されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。しかしながら、これらの技術において用いられているポリカルボン酸系分散剤は、一般的にセメント分散剤の分野において市販されているようなものを適用しただけのものであり、超微粒子セメント系注入材組成物の分野においてはナフタレン系分散剤と比較して充分な性能を発揮することができるようなものは知られていない。すなわち、注入材組成物は、セメントを含むものとはいえ、コンクリートやモルタルに比べ高水セメント比の領域で使用され、またセメント粒子の粒度も大きく相違するものであることから、従来のセメント分散剤の分野におけるポリカルボン酸系分散剤の技術を注入材組成物に適用しても、充分な性能はえられなかった。したがって、ポリカルボン酸系分散剤の利点を生かして、浸透性能、浸透保持性能、凝結特性等の超微粒子注入材組成物として求められる種々の特性を充分に発揮させることが求められていた。
特開平8−319484号公報 特開平8−41455号公報 特開平11−116316号公報 特開2004−231884号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、分散性及び分散保持性に優れ、微小な地盤の粒子間隙、岩盤の亀裂などに容易に注入することができる超微粒子注入材組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、超微粒子注入材組成物について種々検討したところ、ポリカルボン酸系共重合体を特定の単量体に由来する繰り返し単位を有するものとすると、ポリカルボン酸系共重合体の優れた分散効果に起因して、セメント粒子の凝集を極力低減できることから、従来の超微粒子セメント注入材をしのぐ、優れた注入性を発揮することを見いだした。更に、本発明のポリカルボン酸系共重合体を含む超微粒子注入材組成物は、従来のナフタレン系分散剤を用いた場合に比べて、分散性や、凝結特性において優れたものとなることを見いだした。そして、ポリカルボン酸系共重合体に含まれる繰り返し単位を構成する単量体を特定の割合とすると、粒子の分散性が優れるので、浸透性又は注入性に優れた超微粒子注入材組成物とすることができることを見いだした。また、今回、ポリカルボン酸系セメント分散剤でも、側鎖のポリエチレンオキシド鎖を長く、主鎖のカルボン酸量を多くすることで、ナフタレン系と同等以上の浸透性、浸透保持性、凝結特性を有することも見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。
すなわち本発明は、ポリカルボン酸系共重合体を含んでなる超微粒子注入材組成物であって、上記超微粒子注入材組成物は、粒径16μm以上の粒子量が10体積%以下である超微粒子セメントを含み、上記超微粒子セメントは、高炉スラグ及び石膏を含み、上記ポリカルボン酸系共重合体は、下記一般式(1);
Figure 0005134256
(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。AOは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。pは、0、1又は2であり、qは、0又は1である。rは、オキシアルキレン基の付加モル数を表し、2〜300の整数である。)で表される単量体に由来する繰り返し単位と、下記一般式(2);
Figure 0005134256
(式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、メチル基又は−COOMを表す。ただし、R及びRは、同時に−COOMを表さない。Rは、水素原子、メチル基又は−CHCOOMを表す。Rが−CHCOOMのときR及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。M、M及びMは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基及び有機アミン基からなる群より選ばれる少なくとも一つを表す。)で表される単量体に由来する繰り返し単位とを有するものである超微粒子注入材組成物である。
本発明の超微粒子注入材組成物においては、構成成分及び粒子量がこのように特定された超微粒子セメントを含むものに特定されている。
本発明の好ましい形態は、下記のようである。
(i)本発明の超微粒子注入材組成物における上記超微粒子注入材組成物の中の超微粒子セメントは、高炉スラグ45〜97質量%、石膏2〜15質量%、及び、ポルトランドセメント0〜40質量%を含むものであることが好ましい。
(ii)本発明の超微粒子注入材組成物における上記超微粒子注入材組成物の中の超微粒子セメントは、粒径2μm以下の粒子量が30体積%以下であることが好ましい。
(iii)本発明の超微粒子注入材組成物における上記ポリカルボン酸系共重合体は、一般式(1)で表される単量体のモル数(A)と、一般式(2)で表される単量体のモル数(B)との比(B)/(A)が、2.5以上であることが好ましい。
(iv)本発明の超微粒子注入材組成物における上記ポリカルボン酸系共重合体は、一般式(1)で表される単量体におけるrが、2〜100の整数であることが好ましい。
以下に本発明を詳述する。
本発明の超微粒子注入材組成物は、特定の構造を持ったポリカルボン酸系共重合体を含むものである。このようなポリカルボン酸系共重合体は、超微粒子注入材組成物において、分散剤等として作用し、超微粒子注入材組成物中の超微粒子(超微粒子注入材又は超微粒子セメントともいう。)を極力凝集することなく分散させ、また、浸透性、浸透保持性、凝結特性に優れた注入材とすることができる。
上記ポリカルボン酸系共重合体は、上記一般式(1)で表される単量体に由来する繰り返し単位と、上記一般式(2)で表される単量体に由来する繰り返し単位とを有するものである。これらの割合としては、一般式(1)で表される単量体のモル数(A)と、一般式(2)で表される単量体のモル数(B)との比(B)/(A)が、2.5以上であることが好ましい。(B)/(A)が2.5未満であると、カルボン酸量が充分でなく、該ポリカルボン酸系共重合体を含む超微粒子注入材組成物の浸透性又は注入性が充分でないおそれがある。超微粒子注入材組成物は、超微粒子注入材(超微粒子セメント)を含むが、このような超微粒子セメントは、粒子の粒径が小さく表面積が大きいことから、ポリカルボン酸系共重合体のカルボン酸量を増して吸着性をよくする必要があると考えられ、カルボン酸量を増すと、超微粒子注入材組成物の浸透性が向上する。(B)/(A)としてより好ましくは、3.5以上であり、更に好ましくは、6以上である。上限としては、特に限定されないが、30以下であることが好ましく、より好ましくは、25以下であり、更に好ましくは、20以下である。範囲としては、6〜20であることが好ましい。このように、上記ポリカルボン酸系共重合体は、一般式(1)で表される単量体のモル数(A)と、一般式(2)で表される単量体のモル数(B)との比(B)/(A)が、2.5以上である超微粒子注入材組成物もまた、本発明の好ましい形態の一つである。
上記ポリカルボン酸系共重合体は、遊離のカルボキシル基及びポリアルキレングリコール鎖を有することから、立体障害によって少量で高分散性及び高分散保持性が得られ、側鎖にポリアルキレングリコールを有する場合、分散性及び分散保持性は、主鎖長、側鎖長などによって性能が異なる。
上記ポリカルボン酸系共重合体としては、側鎖が長いものであることが好ましい。側鎖が長い共重合体とすることにより、このようなポリカルボン酸系共重合体を含む超微粒子注入材組成物は、分散性(浸透性)及び分散保持性に優れることとなる。側鎖の鎖長と分散性及び分散保持性について、概念的に説明すると、側鎖が長い場合、立体障害が生じやすいため、ポリカルボン酸系共重合体が吸着した超微粒子セメント粒子が互いに接近しにくくなり、分散性に優れるものとすることができる。また、特定の超微粒子セメント粒子において、その表面に吸着する際ポリカルボン酸系共重合体同士が立体障害により互いに接近しにくくなることから、超微粒子セメント粒子をポリカルボン酸系共重合体が過度に覆ってしまうことが避けられることとなる。このため、超微粒子セメント粒子が水と接触するのを充分に確保することができ、これによって、水和がすすみ、短時間で凝結し、硬化時間を短くすることができる。
一方、側鎖が短い場合、立体障害が生じにくいため、ポリカルボン酸系共重合体が超微粒子セメント粒子を覆い、超微粒子セメント粒子の水和が妨げられ、凝結に長時間を要するおそれがある。このように、ポリカルボン酸系共重合体は、分散性及び分散保持性に優れるため、側鎖が長いものであることが好ましい。
上記ポリカルボン酸系共重合体は、一般式(1)で表される単量体におけるrが、2〜300の整数である。rが2未満であると、ポリアルキレングリコール側鎖が短いことから、分散性、硬化性が充分でないおそれがある。また、rが300を超えると、重合性の低下のおそれがある。好ましくは、2〜100の整数であり、より好ましくは、10〜100の整数であり、更に好ましくは、50〜100の整数である。このように、上記ポリカルボン酸系共重合体は、一般式(1)で表される単量体におけるrが、2〜100の整数である超微粒子注入材組成物もまた、本発明の好ましい形態の一つである。
上記ポリカルボン酸系共重合体は、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体に由来する繰り返し単位と不飽和カルボン酸系単量体に由来する繰り返し単位とを有するものである。すなわち、遊離のカルボキシル基及びポリアルキレングリコール鎖を有し、超微粒子注入材組成物において分散性能を発揮し、超微粒子注入材組成物が優れた分散性(浸透性)及び分散保持性を有するものとすることができるものであればよい。例えば、上記構造を有するポリカルボン酸系共重合体を含むポリカルボン酸系セメント分散剤の1種又は2種以上用いることができる。
一般的なセメント分散剤は、カルボン酸量が増えると減水性能やスランプ保持性が下がる傾向にあるが、超微粒子注入材組成物においては、カルボン酸量が増えると粒子の分散性が優れるので、浸透性又は注入性が向上する。セメント用途においては、多少の凝集があっても用いることができるが、ダム、トンネル、有害物の処分場等の地盤改良や止水の目的で、地盤の粒子間隙、岩盤の亀裂等に用いる注入用途においては、微粒子が一次粒子まで分散することが理想的であり、分散性、分散保持性が重要となる。
なお、上記ポリカルボン酸系共重合体としては、スルホン酸骨格を有さないものを用いることができる。スルホン酸骨格とは、スルホン酸基を有する単量体由来の構造である。したがって、本願発明においては、酸性を発現する官能基としてスルホン酸基を有さない形態で超微粒子セメントの分散性を発揮させることができる。スルホン酸基は、カルボン酸基と異なり、超微粒子セメントに対して充分な吸着作用がない。したがって、スルホン酸基を有するものとすると、超微粒子セメントの分散性を充分に向上させることができないおそれがあることから、本発明の作用効果を充分に発揮させるという観点からは、スルホン酸基を有さないポリカルボン酸系共重合体であることが好ましい。
上記一般式(1)において、Rにおける炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、具体的には、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数6〜30のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基等が好適である。Rとして好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、フェニル基、ベンジル基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基である。
上記Rの炭素原子数としては、1〜22が好ましい。より好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜12、更に特に好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜5、最も好ましくは1〜3である。
上記一般式(1)におけるAOとしては、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基である。AOの炭素原子数としては、2〜18が適当であるが、2〜8であることが好ましい。より好ましくは、2〜4である。AOとしては、炭素原子数2又は3のオキシアルキレン基であることが更に好ましく、具体的には、−CHCHO−、−CHCHCHO―、―CH(CH)CHO―、―CHCH(CH)O−が挙げられる。これらの中でも、−CHCHO−、―CH(CH)CHO―、―CHCH(CH)O−が好ましく、より好ましくは、−CHCHO−である。
上記一般式(1)中、pは、0、1又は2であり、qは、0又は1である。p及びqとしては、上記範囲であれば特に限定されないが、(1)pが0でqが1の形態、(2)pが1又は2でqが0の形態が好ましい。
上記(1)の形態において、上記一般式(2)としては、RがHである形態がより好ましい。RがHである場合、上記ポリカルボン酸系共重合体は、下記一般式(3);
Figure 0005134256
(式中、R、R及びrは、上記一般式(1)におけるR、R及びrと同様である。)で表されるポリオキシアルキレンエステル系構成単位(I)と、下記一般式(4);
Figure 0005134256
(式中、R、R及びMは、上記一般式(2)におけるR、R及びMと同様である。)で表されるカルボン酸系構成単位(II)を有するポリカルボン酸系共重合体(P−1)となる。
また上記(2)の形態の場合、上記ポリカルボン酸系共重合体は、下記一般式(5);
Figure 0005134256
(式中、pは、1又は2である。R、R及びrは、上記一般式(1)におけるR、R及びrと同様である。)で表されるポリオキシアルキレンエーテル系構成単位(III)と、下記一般式(6);
Figure 0005134256
(式中、R、R、R及びMは、上記一般式(2)におけるR、R、R及びMと同様である。)で表されるカルボン酸系構成単位(IV)を有するポリカルボン酸系共重合体(P−2)となる。
すなわち、本発明のポリカルボン酸系共重合体(ポリカルボン酸系共重合体(P)ともいう。)は、上記ポリカルボン酸系共重合体(P−1)及び/又は上記ポリカルボン酸系共重合体(P−2)を含むことが好ましい。このようなポリカルボン酸系共重合体(P)は、上記ポリカルボン酸系共重合体のみにより構成されていてもよく、その他のものを含んでいてもよいが、ポリカルボン酸系共重合体を主成分とすることが好ましい。上記ポリカルボン酸系共重合体(P−1)及び(P−2)は、上記必須の構成単位(繰り返し単位)を有することを特徴とし、後述の単量体(e)に由来する構成単位(V)を更に有するものであってもよい。これらの構成単位はそれぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
上記ポリカルボン酸系共重合体(P−1)は、構成単位(I)を与える単量体(例えば、後述の単量体(a))、構成単位(II)を与える単量体(例えば、後述の単量体(b))を必須成分として含む単量体成分を共重合して製造することができる。このような単量体成分は、構成単位(V)を与える単量体(例えば、後述の単量体(e))を更に含むものでもよい。なお、各構成単位がそれぞれ1種の場合には、各構成単位を与える単量体をそれぞれ1種用いればよく、各構成単位がそれぞれ2種以上の場合には、各構成単位を与える単量体をそれぞれ2種以上用いればよい。
上記ポリカルボン酸系共重合体(P−1)を構成する各構成単位の比率としては、質量比で、構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位(V)=1〜99/99〜1/0〜50であることが好ましい。より好ましくは構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位(V)=50〜99/50〜1/0〜49、更に好ましくは構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位(V)=60〜95/40〜5/0〜30、最も好ましくは構成単位(I)/構成単位(II)/構成単位(V)=65〜90/35〜10/0〜10である。ただし、構成単位(I)、構成単位(II)及び構成単位(V)の合計は、100質量%である。
また、上記ポリカルボン酸系共重合体(P−1)は、構成単位(II)を与える単量体(例えば、後述の単量体(b))を必須成分として含む単量体成分を重合して得られるポリマーのカルボキシル基の少なくとも一部に対して、アルコキシポリアルキレングリコールを直接エステル化して製造してもよい。
上記構成単位(I)として1種類を含む場合には、親水性と疎水性のバランス確保のため、オキシアルキレン基中にオキシエチレン基を必須として有することが好ましく、より好ましくは50モル%以上、特に好ましくは60モル%以上がオキシエチレン基であることである。一方、構成単位(I)として2種類以上を含む場合には、何れか1種類の構成単位(I)のオキシアルキレン基中にオキシエチレン基を必須として有することが好ましい。
上記構成単位(I)を与える単量体(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸又は脂肪酸の脱水素(酸化)反応物への炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドの付加物、又は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素原子数1〜30の飽和脂肪族アルコール類のいずれかに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを付加することによって得られるアルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸又はクロトン酸とのエステル化合物等が挙げられるが、一般式(3)において、Rが炭素数1〜30の炭化水素基となる場合に相当する、アルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸又はクロトン酸とのエステル化合物が好ましい。
上記単量体(a)の具体的な化学名としては、例えば、下記のもの等が挙げられる。メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の各種アルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類。
メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の各種アルコキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート類。
メトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1−プロポキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−プロポキシポリエチレンポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の各種アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類。
上記一般式(4)で表される構成単位(II)を与える単量体(b)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。特に(メタ)アクリル酸及びこれらの塩が好ましい。上記ポリカルボン酸系共重合体(P−2)は、構成単位(III)を与える単量体(例えば、後述の単量体(c))、構成単位(IV)を与える単量体(例えば、後述の単量体(d))を必須成分として含む単量体成分を共重合して製造することができる。このような単量体成分は、構成単位(V)を与える単量体(例えば、後述の単量体(e))を更に含むものでもよい。
上記ポリカルボン酸系共重合体(P−2)を構成する各構成単位の比率としては、質量比で、構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単位(V)=1〜99/99〜1/0〜50であることが好ましい。より好ましくは構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単位(V)=50〜99/50〜1/0〜49、更に好ましくは構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単位(V)=60〜95/40〜5/0〜30、最も好ましくは構成単位(III)/構成単位(IV)/構成単位(V)=65〜90/35〜10/0〜10である。ただし、構成単位(III)、構成単位(IV)及び構成単位(V)の合計は、100質量%である。
また上記ポリカルボン酸系共重合体(P−2)は、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の不飽和アルコールと構成単位(IV)を与える単量体(例えば、後述の単量体(d))とを必須成分として含む単量体成分を共重合して得られるポリマーに、共重合に用いられる該不飽和アルコール1モル当たり、言い換えれば、ポリマー中の不飽和アルコール構成単位1モル当たりアルキレンオキシドを平均2〜300モル付加するか、又は、平均付加モル数2〜300のアルコキシポリアルキレングリコールを反応させる方法によっても得ることができる。上記一般式(5)において、オキシアルキレン基の平均付加モル数rは、上述のとおりであることが好ましい。また、Rは水素原子が好ましく、炭素数1〜30の炭化水素基の場合は、上述のとおりであることが好ましい。更に、pとしては、1又は2である。
上記構成単位(III)として1種類を含む場合としては、上記構成単位(I)として1種類を含む場合において述べたものと同様であることが好ましい。
上記一般式(6)で表される構成単位(IV)を与える単量体(d)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、又は、これらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の不飽和ジカルボン酸系単量体が挙げられる。更に、これらの無水物も用いることができ、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。特に(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸及びこれらの塩を用いることが好ましい。
本発明で用いることができる構成単位(V)を与える単量体(e)としては、他の単量体の少なくとも1つと共重合可能な単量体であれば特に限定されず、例えば、下記のもの等が挙げられる。マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル;前記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド;前記アルコールやアミン1モル当たりに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと前記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル、ジエステル;前記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコールもしくはこれらのグリコールの平均付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル。
マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコールもしくはこれらのグリコールの平均付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフアミド;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類。
ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びにそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩(有機アンモニウム塩ともいう。);アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸類、並びにそれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート等の不飽和モノカルボン酸と炭素原子数1〜30のアルコールとのエステル;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類。
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレートなどのシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類。
ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体;2−アクリロイロキシエチルホスフェート、2−メタクリロイロキシエチルホスフェート等の不飽和リン酸エステル類。
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミンなどのポリアルキレンポリアミンとマロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバチン酸、又はこれらと炭素原子数1〜20のアルコールとのエステル化物等の二塩基酸又は二塩基酸と炭素原子数1〜20のアルコールとのエステルとの縮合物に更に(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸と炭素原子数1〜20のアルコールとのエステル化物、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ化合物などとを特定の割合で縮合させたポリアマイドポリアミンにアルキレンオキシドを特定量付加させた化合物;ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリアルキレンイミンの活性水素にエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加した化合物と(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸と炭素原子数1〜20のアルコールとのエステル化物又は(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ化物との縮合物等の窒素原子を有するカチオン性単量体。
上記ポリカルボン酸系共重合体の添加量は特に限定されないが、超微粒子注入材100質量%に対して、固形分換算で0.05〜5.0質量%が好ましい。0.05質量%未満であると、超微粒子注入材組成物の分散性、分散保持性が充分に発揮できないおそれがあり、5質量%を超えると、添加量が多すぎて経済性が悪くなり、コストが合わないおそれがある。より好ましくは、0.1〜3.0質量%である。更に好ましくは、0.15〜2.0質量%であり、特に好ましくは、0.2〜1.0質量%である。
本発明の超微粒子注入材組成物としては、上記ポリカルボン酸系共重合体を含むものであり、超微粒子注入材組成物に含まれる超微粒子(超微粒子注入材又は超微粒子セメントともいう)を充分に分散させ、注入材として好適に用いることができるものである。
上記超微粒子セメントとしては、本発明の作用効果を発揮する限り特に限定されず、粒径16μm以上の粒子量が10体積%以下である超微粒子セメントを含むものであり、該超微粒子セメントが高炉スラグ及び石膏を含むものであれば、通常用いられている超微粒子セメントを用いることができる。
本発明の超微粒子注入材組成物は、粒径16μm以上の粒子量が10体積%以下である超微粒子セメントを含むものである。
超微粒子注入材組成物をこのようなものとすることにより、優れた注入性が発揮されることになる。
上記超微粒子セメントは、粒径16μm以上の粒子量が10体積%以下である。このような粒子量とすることにより、地盤の粒子間隙、岩盤の亀裂等への注入性が向上するという利点がある。
上記粒子量は、例えば、分散媒にエタノールを用いて、超音波洗浄器(出力40W、周波数40kHz)で3分間処理後に測定することが好ましい。
上記粒径は、超微粒子注入材に含まれる粒子の粒子径を表し、レーザー回折式粒度分布測定機(島津製作所社製SALD−2000J、屈折率1.70±0.20i)により、超微粒子注入材の粒径を測定することができる。
上記粒子量は、超微粒子注入材に含まれる粒子径が16μm以上の粒子の粒子量を表し、上述したレーザー回折式粒度分布測定機(島津製作所社製SALD−2000J、屈折率1.70±0.20i)により、超微粒子注入材の粒径が16μm以上の粒子量を測定することができる。
また、上記超微粒子セメントとしては、本発明の作用効果を発揮できる限り特に限定されないが、ポルトランドセメント(普通、中庸熱、耐硫酸塩、低熱及びそれぞれの低アルカリ型)を用いることが好ましい。更にフライアッシュ、シリカヒューム、石灰石微粉末、カオリン、ベントナイト等の粘土鉱物を添加してもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、これらの中でも、強度発現性の点から、ポルトランドセメントを必須として含むものであることがより好ましい。
なお上記ポルトランドセメントのかわりに、セメントクリンカーを用いてもよい。セメントクリンカーは、3CaO・SiO(C3Sともいう。)、2CaO・SiO、3CaO・Al(以下、C3Aともいう。)、4CaO・Al・Feが主要鉱物として含むものである。セメントクリンカーは、これらの鉱物の含有量が変わることで水和活性、被粉砕性などが大きく異なる。これらの鉱物の含有量としては、本発明の作用効果が発揮される限り特に限定されないが、これらの鉱物の中でもC3Aは、他の鉱物より分散剤の吸着量が多いため、C3A含有量を低減することにより、スラリー液中の初期分散剤濃度を高く維持でき、超微粒子注入材組成物の分散保持性を高いものとすることができる。C3Aは、初期水和活性が高く、粒子の凝集促進に加え、石膏と迅速に反応し、注入阻害初期水和物であるエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)を生成することが知られている。また、C3Aは粉砕時に微粉側に偏析し、セメントクリンカーをより高微粉末にすると極微粒のC3A粒子数が著しく増加し、超微粒子注入材組成物の高分散性及び高分散保持性が充分に発揮されないおそれがあるため、含有量を低減することが好ましい。
上記C3Aとしては、セメントクリンカー100質量%に対し、5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、上記C3Aの性質から、超微粒子注入材組成物の注入性が悪化するおそれがあり、特に初期の良好な注入性を得ることができないおそれがある。C3Aの含有量としてより好ましくは、4質量%以下である。なお、C3Aの含有量は、ボーグ式より求めることができる。
上記セメントクリンカーとしては、C3Aが上述の範囲であるセメントクリンカーであれば特に限定されないが、具体的には、JISに定める耐硫酸塩セメント、中庸熱セメント及び低熱セメントの範疇に属するセメントクリンカーであることが好ましい。より好ましくは、中庸熱セメント及び低熱セメントの範疇に属するセメントクリンカーである。
本発明の超微粒子注入材組成物において、上記超微粒子セメントは、高炉スラグ及び石膏を含むものである。
上記高炉スラグとしては、特に限定されないが、徐冷スラグ、水砕スラグの1種又は2種を好適に使用することができる。より好ましくは、強度発現性の面から水砕スラグである。高炉スラグを用いずに、ポルトランドセメントと石膏とを含む超微粒子セメントを用いると、水と混練したときに水和活性が高く、凝集することから、見掛け上の粒子の粗大化が生じる。高炉スラグを使用することにより、水と混練したときの水和活性を緩和し、超微粒子注入材組成物において、凝集粒子が低減し、分散保持性が優れたものとすることができ、さらに中〜長期の強度発現及び耐久性の向上が得られる。
上記石膏は、特に限定されないが、二水石膏、半水石膏、II型無水石膏やIII型無水石膏等の無水石膏等が好適である。これらは、化学石膏であっても、天然産のものであってもよく、熱処理されていてもよい。好ましくは、注入性、強度発現の面からII型無水石膏である。
上記石膏を構成成分とすることにより、初期の強度発現性、高炉スラグの中長期の水和促進効果を得ることができる。一方、石膏は、易粉砕性の材料であり、混合粉砕により、3CaO・Al(C3Aともいう。)と同じく偏析しやすい。石膏の種類によっては活性であり、例えば、半水石膏は水和により極めて短時間に硬化する。C3Aと迅速に反応する石膏は、超微粒子注入材組成物が優れた注入性を発揮できるものとするために、特定量以下とすることが好ましい。また、石膏は、他の材料に比べ、密度が小さく、圧力注入時に材料分離を生じることから、多量に添加すると、超微粒子注入材組成物を注入材として用いた場合に、付着性に乏しい石膏層を形成することになる。
上記超微粒子注入材組成物の中の超微粒子セメントは、高炉スラグ、石膏及びポルトランドセメントの含有量としては、高炉スラグ45〜97質量%、石膏2〜15質量%、及び、ポルトランドセメント0〜40質量%を含むものであることが好ましい。なお、超微粒子セメントの全量は100質量%であるが、上記高炉スラグ、石膏及びポルトランドセメントの和は、100質量%とならなくてもよい。
上記高炉スラグの含有量が45質量%未満であると、ポルトランドセメントの水和活性の緩和効果が不充分であり、超微粒子注入材組成物の注入性が低下するおそれがある。また、97質量%を超えると、初期から強度発現性が充分でなく、実用的でないおそれがある。高炉スラグの含有量としてより好ましくは、50〜95質量%であり、更に好ましくは、60〜90質量%である。
上記石膏の含有量が2質量%未満であると、初期の強度発現が低下し、15質量%を超えると、ポルトランドセメントに含まれるC3Aと反応して、エトリンガイトを生成し、高い注入性が得られないのに加え、材料分離による石膏層が多くなり、均一な地盤改良効果が得られないおそれがある。石膏の含有量としてより好ましくは、2〜10質量%であり、更に好ましくは、2〜5質量%である。
上記ポルトランドセメントを含まない(0質量%である)場合、初期の強度発現が低下し、40質量%を超えると、石膏と反応して生成するエトリンガイト量が増加し、高い注入性が得られないおそれがある。ポルトランドセメントの含有量としてより好ましくは、5〜40質量%である。
上記超微粒子注入材組成物の中の超微粒子セメントは、粒径2μm以下の粒子量が30体積%以下であることが好ましい。超微粒子セメントの粒径が2μm以下となると、凝集性が特に速くなることから、超微粒子セメント(超微粒子注入材)として上記粒径のものを上記粒子量以下とすることで、優れた注入性を発揮することができる。上記超微粒子注入材組成物の粒径2μm以下の粒子量が30体積%を超えると、見掛け粒子の粗大化により浸透性(注入性)が低下するおそれがある。
上記超微粒子セメントの具体例としては、例えば、日鐵セメント社:日鐵スーパーファイン、日鐵スーパーファイン−Lが挙げられる。上記日鐵セメント社製のものは上述した粒径条件等を満たす、すなわち粒径16μm以上の粒子量が10体積%以下であること等から本発明の超微粒子注入材組成物において超微粒子セメントとして用いることができる。また、太平洋マテリアル社:太平洋アロフィクスMC、太平洋アルフィクスMC−2号、三菱マテリアル社:ファインハード、電気化学工業社:コロイダルスーパー、速硬性コロイダルスーパー等の中で、上述した粒径条件等を満たすようなものであれば、本発明の作用効果を充分に発揮することが可能である。上記日鐡スーパーファインは、高炉スラグ、石膏、セメントからなる組成物であり、該組成物を平均粒径4μm以下(約3μm)まで小さくし、粒度分布範囲を狭くしていることが特徴である。このような粒度分布を有するものであることから、超微粒子セメント(超微粒子注入材)として、特に好適である。超微粒子注入材は、主にダム、トンネル、地下鉄、上下水道建設時の地盤改良、止水に使用され、粒径が小さく、粒度分布範囲が狭いため細砂地盤への浸透注入や微少クラックへの注入を可能とする。日鐡スーパーファインは、このような超微粒子注入材に要求される性能、すなわち、砂層への注入性(浸透性)、スラリー状態で長時間経過後の注入(浸透)保持性、注入後の凝結特性等において、特に優れている。
上記超微粒子セメントの含有量は特に限定されないが、超微粒子注入材組成物100質量%に対して、固形分換算で95〜99.95質量%が好ましい。95質量%未満であると、経済性が悪くなり、コストが合わないおそれがある。99.95質量%を超えると、超微粒子注入材組成物の分散性、分散保持性が充分に発揮できないおそれがある。より好ましくは、97〜99.9質量%である。更に好ましくは、98〜99.85質量%であり、特に好ましくは、99〜99.8質量%である。
本発明の超微粒子注入材組成物としては、水を含んでいてもよい。すなわち、上記超微粒子注入材組成物としては、(1)超微粒子セメント及びポリカルボン酸系共重合体を含む形態、(2)超微粒子セメント、ポリカルボン酸系共重合体及び水を含む形態も含まれ、後述するその他の成分の1種又は2種以上を含むものであってもよい。なお、(1)の形態においては、固体(粉体)等であってもよく、(2)の形態においては、液体(スラリー)等の種々の形態を含むものであり、「超微粒子セメント系グラウト用スラリー」、又は、単に「スラリー」ともいう。
上記水としては、本発明の作用効果を発揮する限り特に限定されないが、好ましくは、JIS A 5308の附属書9に定める水である。このようなJIS A 5308の附属書9に定める水は、コンクリートの性能に悪影響を及ぼさないもので、上水道や上水道以外の水(河川水、湖沼水、井戸水、地下水等)が規定されている。これら以外の水、例えば海水等のような強電解質を使用した場合、セメント粒子の凝集が促進され、高注入性が得られないおそれがある。
上記水の含有量は本発明の作用効果を発揮する限り特に限定されず、超微粒子注入材組成物(超微粒子セメント系スラリー)の構成成分や用途に応じて適宜設定することができる。例えば、注入材として用いる場合には、水/超微粒子セメント質量比は、スラリーを地盤などへ注入する際の水/超微粒子セメント質量比が、80〜10000%とすることが好ましい。80%未満であると、超微粒子セメント系スラリーの濃度が高すぎて、注入に高い圧力を要するおそれがあり、10000%を超えると、スラリーの濃度が低すぎて、充分な強度が発現しないおそれがある。より好ましくは、90〜5000%であり、更に好ましくは、100〜2000%である。また、上記スラリーを地盤などへ注入する際の超微粒子セメントの含有量は、超微粒子注入材組成物(超微粒子セメント系スラリー)を100質量%とすると、0.9〜56質量%とすることが好ましい。0.9質量%未満であると、超微粒子セメント系スラリーの濃度が低すぎて、充分な強度が発現しないおそれがあり、56質量%を超えると、スラリーの濃度が高すぎて、注入に高い圧力を要するおそれがある。より好ましくは、1.9〜53質量%であり、更に好ましくは、4〜50質量%である。
本発明の超微粒子注入材組成物には、本発明の作用効果を奏する限り、上記のもの以外にも、ポリカルボン酸系以外のセメント分散剤、AE剤、消泡剤、硬化(凝結)遅延剤、硬化(凝結)促進剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、急結剤、増粘剤、凝集剤、速硬材、収縮低減剤、分離低減剤、中性化防止剤、防錆剤等の他のコンクリート混和剤、その他の水溶性高分子化合物、ポゾラン物質、粘土鉱物、起泡剤、発泡剤、防凍剤などの1種又は2種以上を用いることができ、セメント及びコンクリート分野で公知の混和剤や混和材等を併用してもよい。
上記ポリカルボン酸系以外のセメント分散剤の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸塩系;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸塩系;リグニンスルホン酸塩、変性リグニンスルホン酸塩等のリグニンスルホン酸塩系;ポリスチレンスルホン酸塩系;等の各種スルホン酸系セメント分散剤が挙げられる。
上記AE剤の具体例としては、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等が挙げられる。
本発明の超微粒子注入材組成物においては、また、アルキルエーテル型陰イオン界面活性剤タイプ、変性ロジン酸化合物系陰イオン界面活性剤タイプ、アルキルスルホン酸化合物系陰イオン界面活性剤タイプ、高アルキルカルボン酸塩系陰イオン界面活性剤タイプ、変性アルキルカルボン酸化合物系陰イオン界面活性剤タイプ等の種々のAE剤、ヴィンソル(商品名、山宗化学社製)又は、マイクロ−エアー(Micro−Air,商品名、マスタービルダーズ社製)等を併用してもよい。
上記消泡剤としては、具体的には、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールへプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−へキシン−2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステル等のポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンラウリルアミン(プロピレンオキシド1〜20モル付加、エチレンオキシド1〜20モル付加物等)、アルキレンオキシドを付加させた硬化牛脂アミン(プロピレンオキシド1〜20モル付加、エチレンオキシド1〜20モル付加物等)等のポリオキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド;等が挙げられる。これらの消泡剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。消泡剤の添加時期は、重合開始前・重合中・重合後のいずれであってもよい。また添加割合は、超微粒子注入材組成物用ポリマーの全質量に対して、0.0001〜10質量%とすることが好ましい。
上記オキシアルキレン系以外の消泡剤の具体例としては、燈油、流動パラフィン等の鉱油系消泡剤;動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等の油脂系消泡剤;オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等の脂肪酸系消泡剤;グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等の脂肪酸エステル系消泡剤;オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコ−ル、アセチレンアルコール、グリコール類等のアルコール系消泡剤;アクリレートポリアミン等のアミド系消泡剤;リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等のリン酸エステル系消泡剤;アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等の金属石鹸系消泡剤;ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等のシリコーン系消泡剤等が挙げられる。
上記硬化促進剤の具体例としては、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等が挙げられる。
上記水溶性高分子化合物の具体例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類のアルキル化又はヒドロキシアルキル化誘導体の一部又は全部の水酸基の水素原子が、炭素原子数8〜40の炭化水素鎖を部分構造として有する疎水性置換基と、スルホン酸基又はそれらの塩を部分構造として有するイオン性親水性置換基で置換されてなる多糖誘導体;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマー及びその四級化合物等が挙げられる。
本発明の超微粒子注入材組成物は、上記一般式(1)で表される単量体に由来する繰り返し単位と、上記一般式(2)で表される単量体に由来する繰り返し単位とを有するポリカルボン酸系共重合体を含んでなるものであるが、更に、下記(1)〜(4)の形態の少なくとも1つ又は組み合わせた形態とすることが好ましい。
(1)上記ポリカルボン酸系共重合体が、一般式(1)で表される単量体のモル数(A)と、一般式(2)で表される単量体のモル数(B)との比(B)/(A)が、2.5以上である形態。
(2)上記ポリカルボン酸系共重合体が、一般式(1)で表される単量体におけるrが、2〜100の整数である形態。
(3)上記超微粒子注入材組成物の中の超微粒子セメントは、高炉スラグ45〜97質量%、石膏2〜15質量%、及び、ポルトランドセメント0〜40質量%を含むものである形態。
(4)上記超微粒子注入材組成物の中の超微粒子セメントが、粒径2μm以下の粒子量が30体積%以下である形態。
これによって、本願発明の作用効果をより充分に発揮させることができることとなる。
本発明の超微粒子注入材組成物は、上述の構成よりなり、分散性及び分散保持性に優れ、止水、液状化防止、軟弱地盤の改良、有害物質の漏洩防止を目的に地盤の粒子間隙、岩盤の亀裂などに容易に注入して用いられるものであり、土木建築の基礎工事において広く用いられるものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
ポリカルボン酸系共重合体(1)〜(11)(重合体(1)〜(11)ともいう。)を製造し、重量平均分子量を測定した。測定条件は、以下のとおりである。
(重量平均分子量測定条件)
機種:Waters LCM1、検出器:Waters 410示差屈折検出器
解析ソフト:Waters Millenium Ver.2.18、溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合液に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に30質量%水酸化ナトリウムでpH6に調整した溶離液を用いる。溶離液流速:0.8ml/min、カラム温度35℃、カラム:東ソー製 TSKgel Guard Column SWXL+G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470
製造例1
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水149.5gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。内温が80℃で安定したところで、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数75個)47.41g、メタクリル酸12.58g、水60.05g、3−メルカプトプロピオン酸0.51gを混合したモノマー水溶液120.51gを4時間、並びに過硫酸アンモニウム0.69gを溶かした水溶液30gを5時間で反応器に滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。反応終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(1)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(1)の重量平均分子量は30500であった。
製造例2
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水498.6gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。内温が80℃で安定したところで、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数75個)166.80g、メタクリル酸33.2g、水200.01g、3−メルカプトプロピオン酸1.38gを混合したモノマー水溶液401.38gを4時間、並びに過硫酸アンモニウム2.30gを溶かした水溶液100gを5時間で反応器に滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。反応終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(2)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(2)の重量平均分子量は39800であった。
製造例3
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水90.0gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で50℃まで加熱した。内温が50℃で安定したところで、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数75個)53.87g、メタクリル酸6.13g、水90.0g、3−メルカプトプロピオン酸0.28gを混合したモノマー水溶液150.28gを4時間、並びにL−アスコルビン酸0.31gを溶かした水溶液30g、過酸化水素0.24gを溶かした水溶液30gを5時間で反応器に滴下した。その後、1時間引き続いて50℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。反応終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(3)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(3)の重量平均分子量は62300であった。
製造例4
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水99.6gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。内温が80℃で安定したところで、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25個)100.65g、メタクリル酸34.35g、水33.97g、3−メルカプトプロピオン酸1.69gを混合したモノマー水溶液170.44gを4時間、並びに過硫酸アンモニウム1.62gを溶かした水溶液30gを5時間で反応器に滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。反応終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(4)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(4)の重量平均分子量は18000であった。
製造例5
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水99.8gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。内温が80℃で安定したところで、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25個)106.68g、メタクリル酸28.32g、水33.75g、3−メルカプトプロピオン酸1.46gを混合したモノマー水溶液170.21gを4時間、並びに過硫酸アンモニウム1.62gを溶かした水溶液30gを5時間で反応器に滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。反応終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(5)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(5)の重量平均分子量は22000であった。
製造例6
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水100.0gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。内温が80℃で安定したところで、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25個)112.59g、メタクリル酸22.41g、水33.75g、3−メルカプトプロピオン酸1.24gを混合したモノマー水溶液169.99gを4時間、並びに過硫酸アンモニウム1.62gを溶かした水溶液30gを5時間で反応器に滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。反応終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(6)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(6)の重量平均分子量は23000であった。
製造例7
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水83.2gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。内温が58℃で安定したところで、過酸化水素1.89gと水45.37gとを含む過酸化水素水溶液を添加した。次に、3−メチル−3−ブテン−1−オール1モル当たりにエチレンオキシドを平均50モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル84.81g、アクリル酸97.47g、水59.31gを混合したモノマー水溶液241.59gを3時間、並びに水23.28gにL−アスコルビン酸2.45g、3−メルカプトプロピオン酸2.21gを溶解させた水溶液27.94gを3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し、重合反応を終了した。重合終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(7)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(7)の重量平均分子量は19500であった。
製造例8
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水83.2gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。内温が58℃で安定したところで、過酸化水素1.24gと水29.64gとを含む過酸化水素水溶液を添加した。次に、3−メチル−3−ブテン−1−オール1モル当たりにエチレンオキシドを平均50モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル120.65g、アクリル酸61.63g、水65.12gを混合したモノマー水溶液247.4gを3時間、並びに水35.48gにL−アスコルビン酸1.60g、3−メルカプトプロピオン酸1.45gを溶解させた水溶液38.52gを3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し、重合反応を終了した。重合終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(8)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(8)の重量平均分子量は25700であった。
製造例9
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水504.67g、3−メチル−3−ブテン−1−オール1モル当たりにエチレンオキシドを平均50モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル682.77gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。内温が58℃で安定したところで、過酸化水素1.44gと水31.11gとを含む過酸化水素水溶液を添加した。次に、アクリル酸129.51gを3時間、並びに水143.49gにL−アスコルビン酸1.86g、3−メルカプトプロピオン酸3.92gを溶解させた水溶液149.27gを3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し、重合反応を終了した。重合終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(9)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(9)の重量平均分子量は30000であった。
製造例10
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水76.91g、3−メチル−3−ブテン−1−オール1モル当たりにエチレンオキシドを平均50モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル149.28gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。内温が58℃で安定したところで、過酸化水素0.23gと水11.63gとを含む過酸化水素水溶液を添加した。次に、アクリル酸20.17gを3時間、並びに水87.18gにL−アスコルビン酸0.30g、3−メルカプトプロピオン酸0.79gを溶解させた水溶液88.27gを3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し、重合反応を終了した。重合終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(10)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(10)の重量平均分子量は35000であった。
製造例11
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、水147.42g、メタリルアルコール1モル当たりにエチレンオキシドを平均150モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル98.11gを仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換して窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。内温が58℃で安定したところで、過酸化水素0.09gと水2.13gとを含む過酸化水素水溶液を添加した。次に、アクリル酸8.35gを3時間、並びに水19.87gにL−アスコルビン酸0.12g、3−メルカプトプロピオン酸0.21gを溶解させた水溶液20.2gを3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持し、重合反応を終了した。重合終了後、水酸化ナトリウムで中和し本発明のポリカルボン酸系共重合体(11)を得た。本発明で得られたポリカルボン酸系共重合体(11)の重量平均分子量は65000であった。
[性能評価試験]
下記の使用材料を用いて、スラリー(超微粒子注入材組成物)を調整し、それぞれのスラリーの性能を評価した。結果を表1及び2に示す。
〔使用材料〕
(1)超微粒子注入材(超微粒子セメント):日鐡スーパーファイン(粒径16μm以上の粒子量0.5体積%)(日鐡セメント株式會社製)
微粒子注入材:日鐵コロイド(粒径16μm以上の粒子量13.6体積%)(日鐡セメント株式會社製)
上記粒子量は、分散媒にエタノールを用いて、超音波洗浄器(出力40W、周波数40kHz)で3分間処理後に測定した。
上記粒径は、超微粒子注入材に含まれる粒子の粒子径を表し、レーザー回折式粒度分布測定機(島津製作所社製SALD−2000J、屈折率1.70±0.20i)により、超微粒子注入材の粒径を測定した。
上記粒子量は、超微粒子注入材に含まれる粒子径が16μm以上の粒子の粒子量を表し、上述したレーザー回折式粒度分布測定機(島津製作所社製SALD−2000J、屈折率1.70±0.20i)により、超微粒子注入材の粒径が16μm以上の粒子量を測定した。
(2)超微粒子注入材用分散剤
ポリカルボン酸系分散剤(上記重合体(1)〜(11))、
ナフタレン系分散剤:ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、花王社製マイティ150(一般タイプ)、マイティ150R(遅延タイプ)
(注入スラリーの調整方法)
スーパーファイン375gに分散剤を含む水375gを投入し、600rpm(周速75.4m/min)で3分間撹拌し、注入スラリーを調整した。
(浸透性試験方法)
直径55mmのアクリルパイプを加工して作成した試験装置に、空隙率が45体積%になるように標準砂(山口県豊浦産)を計量し、パイプに投入して15cmの砂層を作製した。上部より調整したスラリーを500ml投入と同時に、下部コックを開放してミルクを砂層に浸透させた。5分経過後に懸濁液が通過した砂層の長さを測定した。
(浸透保持性試験方法)
浸透性試験方法と同様にして、注水後から30分および60分経過(30分および60分については沈降防止のため測定時間まで300rpm(周速37.7m/min)で撹拌)した時点でのスラリーの浸透性を測定した。
(凝結時間評価試験方法)
分散剤を含む水600gに、スーパーファイン1200gを投入し、600rpm(周速75.4m/min)で3分間撹拌し、注入スラリーを調整した。その後、JIS A1147−2001のプロクター貫入試験方法に準拠して、貫入抵抗値を測定し、始発時間、終結時間を測定し、凝結特性を評価した。
なお、上記周速とは、攪拌羽根の先端周速度を意味する。
上記周速は、下記式;
周速(m/min)=羽根直径(m)×π×攪拌軸回転数(rpm)
により求めることができる。
実施例1、比較例1及び2
上記日鐡スーパーファイン、共重合体1、マイティ150及びマイティ150Rを用いて、上述の[性能評価試験]にしたがって、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005134256
実施例2〜6、8〜11、比較例3及び4、参考例1、2
上記日鐡スーパーファイン、共重合体(1)〜(11)、マイティ150及びマイティ150Rを用いて、上述の[性能評価試験]にしたがって、評価した。結果を表2に示す。
比較例5
上記日鐡スーパーファインの代わりに上記日鐵コロイドを用いた以外は、実施例2と同じ条件で、上述の[性能評価試験]にしたがって、評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005134256
表2中、P−1及びP−2は、ポリカルボン酸系共重合体(P−1)及びポリカルボン酸系共重合体(P−2)を示す。
表2より、カルボン酸量が増えるほど、浸透性は高くなり、r数が増えるほど、凝結が早くなる結果が得られた。
上述した実施例では、ポリカルボン酸系共重合体として共重合体1〜11を用いているが、上記ポリカルボン酸系共重合体が上述した特定の2種類の繰り返し単位を有する形態である限り、本発明の効果を生じさせる作用機構は同様である。すなわち、ポリカルボン酸系共重合体としてにおいて上述した特定の2種類の繰り返し単位を有するところに本発明の特徴の1つがあり、それら上述した特定の2種類の繰り返し単位が同様の化学的特徴を有するものであれば、この実施例で示されるような効果を奏することになる。したがって、本発明における上述した特定の2種類の繰り返し単位によって構成されるポリカルボン酸系共重合体を用いて本発明の超微粒子注入材組成物とすれば、本発明の有利な効果を発現することは確実であるといえる。少なくとも、本発明のポリカルボン酸系共重合体が上記ポリカルボン酸系共重合体(P−1)及び/又は上記ポリカルボン酸系共重合体(P−2)を含む場合においては、上述した実施例及び比較例で充分に本発明の有利な効果が立証され、本発明の技術的意義が裏付けられている。

Claims (6)

  1. ポリカルボン酸系共重合体を含んでなる超微粒子注入材組成物であって、
    該超微粒子注入材組成物は、粒径16μm以上の粒子量が10体積%以下である超微粒子セメントを含み、
    該超微粒子セメントは、高炉スラグ及び石膏を含み、
    該ポリカルボン酸系共重合体は、
    下記一般式(1);
    Figure 0005134256
    (式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。AOは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。pは、0、1又は2であり、qは、0又は1である。rは、オキシアルキレン基の付加モル数を表し、10〜100の整数である。)で表される単量体に由来する繰り返し単位と、
    下記一般式(2);
    Figure 0005134256
    (式中、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、メチル基又は−COOMを表す。ただし、R及びRは、同時に−COOMを表さない。Rは、水素原子、メチル基又は−CHCOOMを表す。Rが−CHCOOMのときR及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。M、M及びMは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基及び有機アミン基からなる群より選ばれる少なくとも一つを表す。)
    で表される単量体に由来する繰り返し単位とを有するものであり、
    該ポリカルボン酸系共重合体の添加量は、超微粒子注入材100質量%に対して、固形分換算で0.2〜1.0質量%であり、
    該一般式(1)で表される単量体のモル数(A)と、該一般式(2)で表される単量体のモル数(B)との比(B)/(A)は、3.5以上である
    ことを特徴とする超微粒子注入材組成物。
  2. 前記超微粒子注入材組成物の中の超微粒子セメントは、高炉スラグ45〜97質量%、石膏2〜15質量%、及び、ポルトランドセメント0〜40質量%を含むものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の超微粒子注入材組成物。
  3. 前記超微粒子注入材組成物の中の超微粒子セメントは、粒径2μm以下の粒子量が30体積%以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超微粒子注入材組成物。
  4. 前記超微粒子注入材組成物の中の超微粒子セメントは、高炉スラグ60〜90質量%を含むものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超微粒子注入材組成物。
  5. 前記ポリカルボン酸系共重合体は、下記一般式(3);
    Figure 0005134256
    (式中、R 、AO及びrは、前記一般式(1)におけるR 、AO及びrと同様であり、Rは、メチル基を表す。)で表されるポリオキシアルキレンエステル系構成単位(I)と、下記一般式(4);
    Figure 0005134256
    (式中、R、R及びMは、前記一般式(2)におけるR、R及びMと同様である。)で表されるカルボン酸系構成単位(II)を有するポリカルボン酸系共重合体(P−1)である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超微粒子注入材組成物。
  6. 前記ポリカルボン酸系共重合体は、下記一般式(5);
    Figure 0005134256
    (式中、pは、1又は2である。R、R 、AO及びrは、前記一般式(1)におけるR、R 、AO及びrと同様である。)で表されるポリオキシアルキレンエーテル系構成単位(III)と、下記一般式(6);
    Figure 0005134256
    (式中、R、R、R及びMは、前記一般式(2)におけるR、R、R及びMと同様である。)で表されるカルボン酸系構成単位(IV)を有するポリカルボン酸系共重合体(P−2)である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超微粒子注入材組成物。
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