JP5131004B2 - ステータ成形用金型 - Google Patents

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この発明は、巻線を挿入した鉄心を金型にセットし、モールド樹脂を加圧充填、封止して形成するステータ成形用金型に関する。
巻線を挿入した鉄心を金型にセットし、モールド樹脂を加圧充填、封止して形成するステータにおいて、従来のステータは、ブラケットとの位置決めのためのインロー形状を、上型と下型にそれぞれ掘り込んだ金型に、鉄心を挿入した芯棒をインサートして成形していた。
芯棒を下型にインサートするためには、芯棒と金型の下型の間に一定のクリアランスが必要であり、また、金型の上型と下型の位置決めのためには、ガイドピンとガイドブッシュを用いるが、ガイドピンとガイドブッシュには一定のクリアランスが必要であり、これらのクリアランスや金型の加工精度によって、芯棒、上型、下型との間に位置ずれが生じることになる。
従来の成形方法において、上記のように芯棒、金型の上型、金型の下型すべての位置精度を出すことは難しく、成形だけでステータの中の固定子鉄心とインロー形状の位置精度を確保することが困難であった。
そこで、従来はステータを成形後、ブラケットとの位置決めのためのインロー形状を機械加工することにより、鉄心とインロー形状の位置精度を確保していた。
また、モータのブラケットにエンコーダやブレーキなどの付属部品を取り付けるために設けられるモータのインローの形成について、後加工を行うことなく、精度の高いインローおよびその成形方法を得るものとして特許文献1に示すものがあった。
特許文献1は、モータのブラケットにエンコーダやブレーキなどの付属部品を取り付けるために設けられるモータのインローの形成方法であって、ブラケットを複数の穴を有するアルミニウム等の金属製とし、ブラケットの外側に、インロー形成用のリング状の溝を形成した第1の金型を密着させ、ブラケットとモータのステータコアを所定の位置に固定する第2の金型を組み合わせ、ブラケットとステータコアとの空隙にモールド樹脂を充填することにより、モールド樹脂が複数の穴を通して外部に露出した部分が第1の金型に形成された溝に充填されてインローが形成される、というものである。
特開2005−192334号公報
上述の特許文献1は、コイルを装着したステータコアをマンドレルに挿入し、ブラケットを取り付け位置決め後、第1の金型、第2の金型にモールド樹脂を加圧し封止するものであって、ステータのブラケットとのインローは第1の金型に取り付けたブラケットを利用して成形するもので、製品としてのブラケットを成形時に使用せずに、ブラケットとの位置決めのためのインロー形状を成形するステータの成形方法として使用できないという問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、モールド成形後、インロー加工が不要なステータを得ることができるステータ成形用金型およびステータの成形方法を得ることを目的とする。
この発明に係るステータ成形用金型は、
円柱形状であって、コイルを装着した鉄心を所定の位置に固定する第1の段差と、負荷側ブラケット用のインロー形状を形成する第1の凸部と、後述の第2の芯棒を嵌め込む第1の凹部と、を有する第1の芯棒と、
ドーナツ形状で内径を前記第1の凹部に嵌めこみ、外径部が反負荷側ブラケット用のインロー形状を形成する第2の芯棒と、
前記第1の芯棒の第1の凸部において負荷側ブラケット用のインロー形状の反対側を利用して前記第1の芯棒を嵌め込むとともに、ステータの負荷側側面を形成する第1の下型と、
前記第1の下型と組み合わされ、ステータの外周面を形成する第2の下型と、
前記第1の芯棒、前記第2の芯棒および前記第2の下型と接触しステータの反負荷側側面を形成する上型と、
を備えたものである。
この発明に係るステータ成形用金型は、
円柱形状であって、コイルを装着した鉄心を所定の位置に固定する第1の段差と、負荷側ブラケット用のインロー形状を形成する第1の凸部と、後述の第2の芯棒を嵌め込む第1の凹部と、を有する第1の芯棒と、
ドーナツ形状で内径を前記第1の凹部に嵌めこみ、外径部が反負荷側ブラケット用のインロー形状を形成する第2の芯棒と、
前記第1の芯棒の第1の凸部において負荷側ブラケット用のインロー形状の反対側を利用して前記第1の芯棒を嵌め込むとともに、ステータの負荷側側面を形成する第1の下型と、
前記第1の下型と組み合わされ、ステータの外周面を形成する第2の下型と、
前記第1の芯棒、前記第2の芯棒および前記第2の下型と接触しステータの反負荷側側面を形成する上型と、
を備えたので、鉄心とインロー形状の位置精度が容易に得られ、ステータを成形後、ブラケットとの位置決めのためのインロー形状を機械加工する必要がなくなるという効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るステータ成形用金型により製作したステータの断面図である。図において、1はステータ、2は鉄心、3はコイル、4はモールド樹脂、5はリード取り出し部である。また、6はP側(負荷側)ブラケット(図示せず)と嵌め合うP側インロー、7はO側(反負荷側)ブラケット(図示せず)と嵌め合うO側インローである。
また、図2はこの発明の実施の形態1に係るステータ成形用金型の断面図である。図において、11は円柱形状であって、コイル3を装着した鉄心2(図示せず)を所定の位置に固定する第1の段差11aと、P側ブラケット用のインロー6形状を形成する第1の凸部11bと、後述の芯棒Bを嵌め込む第1の凹部11cと、を有する第1の芯棒としての芯棒A、12はドーナツ形状で内径を第1の凹部11cに嵌めこみ、外径部がO側ブラケット用のインロー7形状を形成する第2の芯棒としての芯棒Bである。
また、13は芯棒A11の第1の凸部11bにおいてP側ブラケット用のインロー形状の反対側を利用して芯棒A11を嵌め込むとともに、ステータのP側側面を形成する第1の下型としての下型A、14はステータの外周面を形成する第2の下型としての下型Bで、下型A13と組み合わせ固定し、下型を構成する。
また、15は芯棒A11、芯棒B12および下型B14と組み合わされ、反負荷側ブラケットとの嵌め合う面を形成する上型である。
ただし、金型を構成する部品としては、複数部品の取付け時に位置合わせをするガイドブッシュ、ガイドピン、ロケートリングなど、また複数部品を固定する締結部品、また樹脂経路であるスプルーブッシュ、また製品の取出しに使用するエジェクタピンなどがあるが、図2においては省略した。
また、図3〜図6はこの発明の実施の形態1に係るステータ成形用金型を使用したステータの成形の工程を示す図である。図において、1〜15は図1、図2と同様であり、その説明を省略する。
図3〜図6によりこの発明の実施の形態1に係るステータの成形方法について説明する。
(1)芯棒A11に、コイル3を挿入した鉄心2を挿入し、第1の段差11aの位置に固定する。続いて芯棒A11の第1の凹部11cに芯棒Bを嵌め込む。この状態で、芯棒A11に形成された第1の凸部11bと芯棒B12の外径部により、P側ブラケット用のインロー6形状およびO側ブラケット用のインロー7形状が形成されている。(図3)
また、図3では省略したが、リード取り出し部5をセットする。
(2)芯棒A11を嵌め込む下型A13とステータの外周面を形成する下型B14とを組み合わせ固定し、下型を構成する。
続いて、鉄心2および芯棒B12を取り付けた芯棒A11を、芯棒A11の第1の凸部11bにおいてP側ブラケット用のインロー形状の反対側を利用して、ステータのP側側面を形成する下型A13に嵌め込む。(図4)
(3)反負荷側ブラケットとの嵌め合う面を形成する上型15を、芯棒A11、芯棒B12および下型Bと組み合わせ、密着させる。(図5)
(4)芯棒A11、下型A13、下型B14と、コイル3を挿入した鉄心2との空隙、芯棒A11、芯棒B12、下型B、上型15と、コイル3を挿入した鉄心2との空隙にモールド樹脂4を充填する。(図6)
(5)エジェクタピン(図示せず)を使用して、金型からステータ1を取り出す。(図1)
上述のように、この発明の実施の形態1に係るステータ成形用金型を使用したステータの成形方法により製作したステータのP側インローと鉄心の位置精度は、芯棒Aの加工精度と芯棒Aと鉄心の組立精度に依存し、またステータのO側インローと鉄心の位置精度は、芯棒Aの加工精度、芯棒Bの加工精度、芯棒Aと鉄心の組立精度、芯棒Aと芯棒Bの組立精度に依存し、金型の上型、下型には依存しないので、インローと鉄心の位置精度が容易に得ることができ、モールド成形後、インロー加工が不要なステータを得ることができる。
この発明に係るステータ成形用金型は、インローと鉄心の位置精度が容易に得ることができ、モールド成形後、インロー加工が不要なステータを得ることができるので、自動化が容易にできる。
この発明の実施の形態1に係るステータ成形用金型により製作したステータの断面図である。 この発明の実施の形態1に係るステータ成形用金型の断面図である。 この発明の実施の形態1に係るステータ成形用金型を使用したステータの成形の工程を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るステータ成形用金型を使用したステータの成形の工程を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るステータ成形用金型を使用したステータの成形の工程を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るステータ成形用金型を使用したステータの成形の工程を示す図である。
符号の説明
1 ステータ、 2 鉄心、 3 コイル、 4 モールド樹脂、 5 リード取り出し部、 6 P側インロー、 7 O側インロー、 11 芯棒A、 11a 第1の段差、 11b 第1の凸部、 11c 第1の凹部、 12 芯棒B、 13 下型A、 14 下型B、 15 上型。

Claims (1)

  1. 円柱形状であって、コイルを装着した鉄心を所定の位置に固定する第1の段差と、負荷側ブラケット用のインロー形状を形成する第1の凸部と、後述の第2の芯棒を嵌め込む第1の凹部と、を有する第1の芯棒と、
    ドーナツ形状で内径を前記第1の凹部に嵌めこみ、外径部が反負荷側ブラケット用のインロー形状を形成する第2の芯棒と、
    前記第1の芯棒の第1の凸部において負荷側ブラケット用のインロー形状の反対側を利用して前記第1の芯棒を嵌め込むとともに、ステータの負荷側側面を形成する第1の下型と、
    前記第1の下型と組み合わされ、ステータの外周面を形成する第2の下型と、
    前記第1の芯棒、前記第2の芯棒および前記第2の下型と接触しステータの反負荷側側面を形成する上型と、
    を備えたことを特徴とするステータ成形用金型。
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