JP6270043B2 - 回転検出装置 - Google Patents
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Description
このような回転検出装置に関する従来技術として、磁気センサ素子を含む信号処理部品を、合成樹脂材料により被覆して形成したセンサ本体部に係るものがあった(例えば、特許文献1参照)。当該従来技術においては、信号線に接続された信号処理部品を合成樹脂材料にて一体成形してセンサ本体部を形成する場合に、保持部材によって信号処理部品を保持している。こうすることにより、センサ本体部中において信号処理部品の位置が偏らず、その位置精度を向上させることができる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、センサ取付部材の強度の低下を防止できる回転検出装置を提供することにある。
また、ガイド部材が成形型の型割り方向に延びていることにより、形成される凹溝の型抜きを容易におこなうことができ、製造の容易なセンサ取付部材にすることができる。
また、一対のガイド部材は、センサ取付部材の成形時において、信号ケーブルに対して双方が同時に当接しない径に形成されていることにより、センサ取付部材の成形時において、形成される凹溝の深さを小さくすることができ、センサ取付部材の強度の低下をいっそう防止することができる。
車輪速センサ1は、車両に取り付けられ、車輪の回転速度を検出している。図1に示すように、車輪速センサ1は、センサ素子3(後述する)に接続された信号ケーブル2(信号線に該当する)と、センサ素子3を内蔵したセンサ被覆部4と、信号ケーブル2およびセンサ被覆部4に一体成形されたセンサハウジング5(センサ取付部材に該当する)とを備えている。
車輪速センサ1は、センサハウジング5によって、車両のナックルアーム(図示せず)等に取り付けられている。これにより、センサ被覆部4が、車輪と一体に回転するセンサローターRS(回転部材に該当する)に対し、所定距離だけ離れて対向するように配置される(図1示)。センサローターRSには、多極の磁石が設けられているため、車輪のハブ(図示せず)とともにセンサローターRSが回転すると、センサ素子3において、センサローターRSの磁束密度の変化に比例した電圧信号が発生する。発生した電圧信号は、センサ素子3中においてA/D変換されて、パルス出力信号(回転検出信号に該当する)が形成される。パルス出力信号は、信号ケーブル2を介して、車両の図示しないABSコントローラに送信される。ABSコントローラは、送信されたパルス出力信号に基づいて、車輪の速度を検出している。
一方、信号ケーブル2は、一対の信号伝達線21(図4において1つのみ示す)が絶縁部材22によって被覆されて形成されている。各々の信号伝達線21は、導電性金属材料にて形成された複数の芯線がよりあわせられた電線23に、インシュレータ24が被覆されて形成されている。インシュレータ24は合成樹脂材料にて形成されており、一対の信号伝達線21は互いに絶縁されている。信号ケーブル2の電線23は、リードフレーム32のうちのいずれかに、それぞれ溶接またははんだ付けによって接続されている。
ここで、図3および図5に示したように、信号ケーブル2の曲状部2bを含む平面を仮想し、以下、これを信号線平面PLという。
図2および図3に示したように、センサハウジング5は、センサ被覆部4を保持するセンサ保持部51を有している。センサ保持部51の外周面にはリング溝51aが形成され、リング溝51aには、合成ゴムによって形成されたOリング52が装着されている。Oリング52は、他部材に対して液密的に係合する。
また、センサハウジング5の成形時において、溶融樹脂材料の流入による信号ケーブル2の直線部2aの移動(図2における左右方向への移動)を抑制するために、第1ガイドピン73cの上方において、キャビティCV内に一対の第2ガイドピン73d、74cが突出している(図6示)。これにより、第1ピン孔53bの上方において、センサハウジング5に一対の第2ピン孔53cが形成される(図4示)。第2ガイドピン73dは、直線部2aに向けて、図6における右方向に突出している。また、第2ガイドピン74cは、直線部2aに向けて、図6における左方向に突出している。したがって、第2ピン孔53cは、それぞれセンサハウジング5の外周面から直線部2aに到達している。
センサハウジング5の成形時において、キャビティCV内に一対のガイドリブ73e、73fが突出していることにより、ガイドリブ73e、73fに保持されて曲状部2bの移動が抑制される。図5Bに示したように、センサハウジング5の成形時において、溶融樹脂材料の流入によって曲状部2bが移動したとしても、ガイドリブ73e、73fに当接してセンサハウジング5の外周面に露出することはない。これにより、センサハウジング5における必要十分な強度が確保される。
また、図2に示したように、コーナー部55の半径方向の外周側には、コーナー部55の剛性向上のために、補強リブ55b(リブに該当する)が形成されている。図3に示すように、補強リブ55bは、コーナー部55の幅方向略中央部において、上方へ突出している。
下型71の上端面71aには、センサ嵌合部71bが形成されている。センサ嵌合部71bは、上端面71aにおいてセンサ被覆部4の形状に形成された窪み部である。センサ嵌合部71bには、上方からセンサ被覆部4が嵌合可能に形成されており、センサハウジング5の成形時におけるセンサ被覆部4の位置決めの機能を有している。
また、センサ嵌合部71bの上方には、センサ保持部51の形状に形成された窪み部である保持形状部71cが、センサ嵌合部71bと連続するように設けられている。保持形状部71cは、キャビティCVの一部を形成している。
また、下型71の上端面71aには、突部71dが形成されている。突部71dは略円柱状を呈しており、上端面71aから上方に向けて突出している。突部71dは、取付ブッシュ54のインサート成形時において、取付ブッシュ54の内周面と嵌合することにより、その位置決めを行っている。
上抜型72の下端面72aには、センサハウジング5の取付用フランジ53の形状を呈した窪み部であるフランジ形状部72bが形成されている。フランジ形状部72bはキャビティCVの一部を形成し、センサハウジング5の成形時において、取付用フランジ53の先端部の形状を形成する(図7示)。
また、上抜型72には、フランジ形状部72bと連続するように突部嵌合部72cが形成されている。突部嵌合部72cは、センサハウジング5の成形時において、前述した下型71の突部71dと嵌合する。
また、第1開閉型73および第2開閉型74のハウジング形状部73b、74bからは、それぞれ前述した第2ガイドピン73d、74cが水平方向に突出している。第2ガイドピン73d、74cは、それぞれ第1開閉型73および第2開閉型74に一体に形成されている。
さらに、第1開閉型73のハウジング形状部73bからは、前述した一対のガイドリブ73e、73fが水平方向に突出している。ガイドリブ73e、73fは、第1開閉型73に一体に形成されている。一対のガイドリブ73e、73fは、第2開閉型74のハウジング形状部74bから突出するようにしてもよい。あるいは、一対のガイドリブ73e、73fのうち一方を、第1開閉型73のハウジング形状部73bから突出するようにし、他方を第2開閉型74のハウジング形状部74bから突出するようにしてもよい。
この状態において、上抜型72を下降させて下型71に当接させるとともに、第1開閉型73および第2開閉型74を互いに当接させて型閉めする。これにより、第1ガイドピン73cおよび第2ガイドピン73d、74cが、キャビティCV内において突出する。第1ガイドピン73cおよび第2ガイドピン73d、74cは、それぞれ信号ケーブル2を移動不能に保持可能な位置に配置される。
また、第1開閉型73および第2開閉型74の型閉めにより、信号線平面PLの両側において、第1開閉型73および第2開閉型74の型割り方向に延びた一対のガイドリブ73e、73fが、成形型7のキャビティCV内に突出している。これにより、ガイドリブ73e、73fは、それぞれ信号ケーブル2を移動不能に保持可能な位置に配置される。
この状態で、上抜型72のフランジ形状部72bに形成されたゲート口(図7示)から、溶融した合成樹脂材料が射出される。この時、キャビティCV内の信号ケーブル2の撓み(移動)低減のため、合成樹脂材料の射出圧力は常時均一にすることが望ましい。
供給された樹脂材料が固化すると、上型72を上昇させるとともに、第1開閉型73および第2開閉型74を水平方向に移動させて型開けを行う。固化した樹脂材料により、センサ被覆部4および信号ケーブル2を保持するセンサハウジング5が形成される。また、センサハウジング5中には、取付ブッシュ54がインサートされる。
また、ガイドリブ73e、73fが第1開閉型73および第2開閉型74の型割り方向に延びていることにより、形成されるガイド痕55aの型抜きを容易におこなうことができ、製造の容易なセンサハウジング5にすることができる。
また、センサハウジング5の強度の低下を防止することにより、センサ保持部51の軸心から信号ケーブル2の出口までの距離(図2においてLにて示す)を短縮化することが可能になる。また、当該距離寸法の低減によって、センサハウジング5中における信号ケーブル2の偏りを、いっそう低減することが可能になる。
また、信号ケーブル2に対してガイドリブ73e、73fが当接しないため、信号ケーブル2の外周面における、ガイドリブ73e、73fによる傷つきの発生を防止することができる。
また、センサハウジング5の成形時において、引出部2cの軸線方向に型割りが行われるように第1開閉型73および第2開閉型74を対向するように配置し、一対のガイドリブ73e、73fは、それぞれ第1開閉型73に一体に形成されている。これにより、第1開閉型73および第2開閉型74を型閉めすることにより、ガイドリブ73e、73fを突出させ、第1開閉型73および第2開閉型74を型開けすることにより、ガイドリブ73e、73fを後退させることができる。したがって、第1開閉型73内に、ガイドリブ73e、73fをコアとして別体で設けた場合のように、第1開閉型73内に、ガイドリブ73e、73fのみを単独で移動させるスライド機構等を設ける必要がない。このため、ガイドリブ73e、73fを含んだ第1開閉型73の構成を複雑化することがなく、成形型7全体を小型化することができる。
また、補強リブ55bは、コーナー部55の半径方向外周側に形成されているため、補強リブ55bを大きく形成することができ、コーナー部55の強度の低下をいっそう防止することができる。
また、センサハウジング5は、直線部2aの軸心を中心として半径方向に延び、取付用穴53aが貫通した取付用フランジ53を有しており、取付用穴53aは、信号線平面PL上に位置していない。これにより、取付用穴53aの位置を、第1開閉型73および第2開閉型74の移動方向から外すことができる。このため、取付用フランジ53の端面から突出した取付ブッシュ54に妨げられることなく、第1開閉型73および第2開閉型74を開閉することができ、成形型7の型構造を簡素化することができる。
また、センサ素子3はホールICを含んでいることにより、センサ素子3を小型化することができ、延いては、車輪速センサ1全体を小型軽量化することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明による回転検出装置は、車両に取り付けられるためのもののみではなく、家庭用電器または産業用機械等の回転部材の回転状態を検出するためにも適用可能である。
また、本発明による回転検出装置は、回転速度を検出するもののみでなく、回転部材の回転数、回転加速度、回転減速度、回転角度等を検出する装置であってもよい。
また、ガイドリブ73e、73fは、第1開閉型73に対して、スライド可能に設けられた別体のガイド部材であってもよい。
また、ガイドリブ73e、73fは、センサハウジング5の成形時において、信号ケーブル2の曲状部2bに対して双方が同時に当接してもよく、ガイドリブ73e、73fの幅Dは任意に設定することが可能である。
また、補強リブ55bは、コーナー部55において半径方向の内周側に形成されていてもよい(図8示)。
また、取付用フランジ53上の取付用穴53aは、第1開閉型73および第2開閉型74の移動方向から外すことができれば、取付用フランジ53上において、任意の位置に配置することも可能である。
Claims (5)
- 回転部材(RS)の回転状態に基づいて、回転検出信号を発生させるセンサ素子(3)と、
該センサ素子に接続され、前記回転検出信号を伝達する信号線(2)と、
前記センサ素子および前記信号線のうち前記センサ素子に接続された側を一体的に覆うセンサ被覆部(4)と、
合成樹脂材料にて形成され、少なくとも前記センサ被覆部および前記信号線の各々の一部を保持するセンサ取付部材(5)と、
を備えた回転検出装置(1)であって、
前記信号線は、
前記センサ取付部材中において湾曲した曲状部(2b)を有しており、
前記センサ取付部材の成形時において、一対の成形型(73、74)が対向するように配置され、前記成形型は、前記信号線の前記曲状部よりも前記センサ素子から離れた部位である引出部(2c)の軸線方向に型割りが行われており、
前記センサ取付部材の表面には、前記曲状部を含む平面(PL)の両側において、前記成形型の型割り方向に延びた一対のガイド部材(73e、73f)を、前記成形型のキャビティ(CV)内に突出させることにより、凹溝(55a)が形成されており、
前記一対のガイド部材は、
前記センサ取付部材の成形時において、前記信号線に対して双方が同時に当接しない径(D)に形成されている回転検出装置。 - 前記一対のガイド部材は、
前記成形型に一体に形成されている請求項1に記載の回転検出装置。 - 前記センサ取付部材は、
前記曲状部を覆ってカーブしたコーナー部(55)を有しており、該コーナー部の半径方向外周側または内周側にリブ(55b)を具備している請求項1または2に記載の回転検出装置。 - 前記センサ取付部材は、
前記センサ素子に接続された前記信号線の軸心を中心として半径方向に延び、取付用穴(53a)が貫通した取付用フランジ(53)を有しており、
前記取付用穴は、前記曲状部を含む平面上に位置していない請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の回転検出装置。 - 前記センサ素子は、ホールICを含んでいる請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の回転検出装置。
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