JP6160549B2 - 位置検出装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の電子制御スロットルは、スロットルバルブの回転軸の端部に設けられた磁石の磁界を検出する検出部としてのホールICを2個備えた位置検出装置により、スロットルバルブの回転角を検出する。この電子制御スロットルに用いられる位置検出装置は、2個の検出部から延出した配線と、その配線に接続する端子とを一体に樹脂モールドした一次成形品である。この位置検出装置は、その端子に溶接接合されるターミナルと共に樹脂モールドされ、電子制御スロットルのハウジングカバーに組み込まれる。
そこで、位置検出装置を1個の検出部を樹脂モールドした一次成形品とすることで、その位置検出装置を、2個の検出部を備える製品と、1個の検出部のみを備える製品のいずれにも用いることが可能となる。この場合、位置検出装置は、1個の検出部と配線と端子とを一緒に樹脂モールドし、剛性を確保することが好ましい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、樹脂部内での検出部の位置ずれを抑制可能な位置検出装置を提供することを目的とする。
これにより、樹脂部を射出成形する際、検出部の配線側から反配線側へ流れる溶融樹脂
は、樹脂部の肉厚が変わることにより、検出部の一方の面の全面に圧力を加える。そのため、検出部の一方の面に向き合う他方の面を射出成形に用いる金型に当接することにより、検出部の位置を固定することが可能である。したがって、位置検出装置は、樹脂部内での検出部の位置ずれを抑制することができる。
なお、本明細書において、「検出部の上」又は「一方の面の上」とは、検出部又はその一方の面の重力方向上側をいうものでなく、検出部又はその一方の面に被さる個所をいうものとする。
これにより、溶融樹脂の圧力が検出部の一方の面の全面に作用する。そのため、検出部の一方の面に向き合う他方の面を金型に当接することにより、検出部の位置を固定することが可能である。したがって、この製造方法により、樹脂部内での検出部の位置ずれを抑制することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による位置検出装置を図1〜図7に示す。位置検出装置1は、車両のエンジンの気筒内に吸入される空気量を制御する電子制御スロットル10のハウジングカバー11に取り付けられる。
図1に示すように、電子制御スロットル10のハウジング12には、エンジンに空気を導入する吸気通路13が形成されている。
略円板状に形成されたスロットルバルブ14は、吸気通路13内に設けられる。スロットルバルブ14が固定されたバルブシャフト15の両端は、ハウジング12に回転可能に軸受けされている。これにより、スロットルバルブ14は、バルブシャフト15の中心を回転軸として回転可能である。
バルブシャフト15の一端にモータ16が取り付けられている。モータ16は、図示しないエンジンの電子制御装置(ECU)の指令により駆動制御される。モータ16の駆動によりスロットルバルブ14の開度が制御され、エンジンに供給される吸気量が調節される。
ハウジングカバー11は、カバー本体20、回転角センサ21およびターミナル22などを有する。カバー本体20は、回転角センサ21のターミナル側、及びターミナル22を樹脂モールドしている。
本実施形態の回転角センサ21は、一次成形品である位置検出装置1を2個組み合わせたものである。回転角センサ21は、ホルダ17の内側の磁界内に設けられ、ホルダ内の磁界の向きに応じて回転角センサ21を通過する磁束密度に応じた電圧信号を出力する。この信号は、ターミナル22を通じてECUに伝送される。ECUは、車両の各部を制御する。
検出部30は、例えば磁気を検出可能なホール素子と信号増幅回路とを一体に樹脂モールドしたホールICである。
配線40は、一端が検出部30の有するホール素子と信号増幅回路に電気的に接続し、他端が検出部30から延出するリード線である。
端子41は、一端に設けられた凸部43が配線40に電気溶接され、他端が樹脂部50から外へ延出している。
樹脂部50は、検出部30の一方の面31と、その一方の面31の四方に接続する面をモールドすると共に、配線40と端子41をモールドしている。検出部30の一方の面31に向き合う他方の面32は、樹脂部50から露出している。なお、この検出部30の他方の面32は、樹脂部50を射出成形するときに用いられる金型60に当接可能である。
また、検出部30は、一方の面31と他方の面32との距離Hが、一方の面の幅W及び長さLよりも小さく形成されている。したがって、検出部30は、扁平形状である。これにより、検出部30は、この検出部30を貫く磁束を高精度に検出することが可能である。
厚肉部51は、配線40及び端子41をモールドする。薄肉部52は、厚肉部51よりも検出部側をモールドする。
スロープ部53は、厚肉部51と薄肉部52との接続箇所から検出部30の一方の面31の上に位置する箇所Cに向かい肉厚が薄くなるように傾斜して設けられる。スロープ部53と薄肉部52とが接続する箇所Cは、検出部30の配線側の端部よりも反配線側に位置していればよい。
本実施形態では、スロープ部53と薄肉部52とが接続する箇所Cは、検出部30の一方の面31の上に位置している。本実施形態では、検出部30の一方の面31の上に、薄肉部52と、その薄肉部52よりも肉厚の厚いスロープ部53とが位置している。スロープ部53は、検出部30の配線側に位置する個所の肉厚Aよりも、検出部30の反配線側に位置する個所の肉厚Bの方が薄い。また、スロープ部53は、検出部30の中心軸Oを挟んで左右対称である。
樹脂部50は、例えば熱硬化性樹脂から射出成形によって形成される。樹脂部50は、射出成形の際、検出部30の配線側から反配線側に向けて溶融樹脂が流れ、その後、熱硬化したものである。
まず、図7に示す溶接工程100では、配線40の凸部43と端子41とを電気溶接により接続する。また、配線40にコンデンサ42を取り付ける。
次に、設置工程101では、射出成形に用いる金型60の内側に検出部30、配線40及び端子41を設置する。
金型60は、検出部30の一方の面31と、その一方の面31の四方に接続する面に溶融樹脂を充填可能であると共に、配線40と端子41の周囲に溶融樹脂を充填可能なキャビティを有する。検出部30は、他方の面32が金型60の当接部61に当接した状態で設置される。なお、金型60の当接部61とは、金型60の内壁のうち検出部30の他方の面32が当接する箇所をいう。
金型60の内側に溶融樹脂を注入可能な注入通路65は、金型60の大容積キャビティ側に設けられている。
次に、組付工程105では、図6に示すように、2個の位置検出装置1を、検出部30の他方の面32同士が互いに向き合うようにして組み合わせる。そして、図示しない二次成形用の金型を用いて二次成形を行うことで、2個の位置検出装置1は、ハウジングカバー11と一体に構成される。
比較例の位置検出装置は、樹脂部50がスロープ部53を有していない。そのため、比較例の位置検出装置は、検出部30の配線側に位置する箇所の樹脂部50の肉厚と、検出部30の反配線側に位置する箇所の樹脂部50の肉厚が同一である。
比較例の位置検出装置では、樹脂部50を射出成形する際、検出部30の他方の面32と、金型60の当接部61との間に溶融樹脂が入り込むおそれがある。図11の(A)、(B)、(C)では、それぞれ、金型60の当接部61から検出部30が浮き上がった状態を示している。この状態で溶融樹脂が硬化すると、検出部30の位置ずれが生じることになる。
(1)第1実施形態では、樹脂部50は、検出部30の上で配線側に位置する箇所の肉厚Aよりも、検出部30の上で反配線側に位置する箇所の肉厚Bが薄いスロープ部53を有する。
これにより、樹脂部50を射出成形する際、検出部30の配線側から反配線側へ流れる溶融樹脂は、検出部30の一方の面31に圧力を加える。そのため、検出部30の他方の面32が金型60に押し当てられ、検出部30の位置を固定することが可能である。したがって、位置検出装置1は、検出部30の位置ずれを抑制することができる。
これにより、樹脂部50を射出成形する際、検出部30の他方の面32に金型60を当接可能である。なお、検出部30の他方の面32は、少なくとも一部が樹脂部50から露出し、金型60に当接可能であればよい。
これにより、樹脂部50を射出成形する際、厚肉部51から薄肉部52に向かってスロープ部53を流れる溶融樹脂により、検出部30の一方の面31に圧力を加え、他方の面32を金型60に押し当てることが可能である。
これにより、樹脂部50を射出成形する際、スロープ部53を流れる溶融樹脂により、検出部30の一方の面31に圧力を加えることが可能である。
これにより、樹脂部50を射出成形する際、スロープ部53を流れる溶融樹脂は、検出部30に対し、左右均等に圧力を加えることが可能である。そのため、検出部30の位置ずれを抑制することができる。
これにより、樹脂部50を射出成形する際、検出部30の一方の面31に溶融樹脂の圧力が作用するとき、検出部30の他方の面32を金型60に押し当てることが可能である。
これにより、樹脂部50を射出成形する際、検出部30の配線側から反配線側へ向けて肉厚が薄くなることで、溶融樹脂は、検出部30の一方の面31に圧力を加えることが可能である。
これにより、樹脂部50を射出成形する際、大容積キャビティ62から小容積キャビティ63へ流れる溶融樹脂は、検出部30の一方の面31に圧力を加えることが可能である。
これにより、検出部30の一方の面31に溶融樹脂の圧力が作用するとき、検出部30の他方の面32が金型60の当接部61に押し当てられることにより、検出部30の位置ずれが防がれる。
これにより、大容積キャビティ側から小容積キャビティ側へ向けて溶融樹脂を流すことが可能である。
これにより、溶融樹脂の圧力が検出部30の一方の面31に作用し、他方の面32が金型60に押し当てられる。したがって、樹脂部内での検出部30の位置ずれを抑制することができる。
本発明の第2実施形態を図8に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、位置検出装置1の樹脂部50は、検出部30の中心軸Oを挟んで左右対称に複数個のスロープ部54,55を有する。一方のスロープ部54と他方のスロープ部55とは、同一の大きさ、及び同一の形状である。
第2実施形態では、1個のスロープ部を設けることに比べ、検出部30の中心軸Oから左右に遠い位置にスロープ部を設けることが可能である。これにより、樹脂部50を射出成形する際、2個のスロープ部54,55を流れる溶融樹脂は、検出部30の一方の面31に対し左右均等に圧力を加える。そのため、検出部30の他方の面32を金型60の当接部61に確実に押し当てることが可能である。したがって、検出部30の位置ずれを確実に抑制することができる。
本発明の第3実施形態を図9及び図10に示す。
第3実施形態では、位置検出装置1の樹脂部50は、スロープ部を有していない。その代わり、樹脂部50は、厚肉部51から薄肉部52に向けて延びる延伸部56を有する。延伸部56と薄肉部52との接続箇所Cは、検出部30の上に位置している。したがって、第3実施形態では、検出部30の一方の面31の上に、薄肉部52と、その薄肉部52よりも肉厚の厚い延伸部56とが位置している。また、延伸部56は、検出部30の中心軸Oを挟んで左右対称に設けられる。
第3実施形態においても、上述した第1、第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(1)上述した実施形態では、車両に搭載される電子制御スロットルの回転角センサを構成する位置検出装置について説明した。
これに対し、他の実施形態では、位置検出装置は、種々の製品に用いることが可能である。例えば、位置検出装置は、アクセルペダルの回転角度を検出するものであってもよい。また、位置検出装置は、タンブルコントロールバルブの回転角度を検出するものであってもよい。また、位置検出装置は、クラッチアクチュエータのストローク量を検出するストロークセンサであってもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
30・・・検出部
40・・・配線
50・・・樹脂部
Claims (6)
- 磁気を検出可能な素子を有する検出部(30)と、
前記検出部から延出する配線(40)と、
前記検出部の少なくとも一方の面(31)と前記配線とをモールドし、前記一方の面の上で配線側に位置する箇所の肉厚(A、D)よりも、前記一方の面の上で反配線側に位置する箇所の肉厚(B、E)が薄い樹脂部(50)と、を備え、
前記検出部は、前記樹脂部にモールドされる前記一方の面に向き合う他方の面(32)の少なくとも一部が前記樹脂部から露出しており、前記樹脂部にモールドされる前記一方の面の全面が前記樹脂部から露出していないことを特徴とする位置検出装置(1)。 - 前記樹脂部は、前記配線をモールドする厚肉部(51)、前記検出部をモールドする薄肉部(52)、及び前記厚肉部と前記薄肉部との接続箇所から前記検出部の端子側の端面よりも反端子側に位置する前記薄肉部に向かい肉厚が薄くなるように傾斜するスロープ部(53)を有することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
- 前記スロープ部と前記薄肉部とが接続する箇所(C)は、前記検出部の端子側の端面よりも反端子側に位置していることを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
- 前記スロープ部は、前記検出部の中心軸(O)を挟んで左右対称に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の位置検出装置。
- 前記検出部は、前記樹脂部から露出した他方の面が射出成形時に用いられる金型(60)に当接可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の位置検出装置。
- 磁気を検出可能な素子を有する検出部(30)と、
前記検出部から延出する配線(40)と、
前記検出部の少なくとも一方の面(31)と前記配線とをモールドし、前記一方の面の上で配線側に位置する箇所の肉厚(A、D)よりも、前記一方の面の上で反配線側に位置する箇所の肉厚(B、E)が薄い樹脂部(50)と、を備え、
前記検出部は、前記樹脂部にモールドされる前記一方の面に向き合う他方の面(32)の少なくとも一部が前記樹脂部から露出しており、前記樹脂部にモールドされる前記一方の面の全面が前記樹脂部から露出していないことを特徴とする位置検出装置(1)の前記樹脂部の製造方法であって、
前記樹脂部は、射出成形時において、前記検出部の配線側から反配線側へ向けて溶融樹脂が流れ、その後、硬化して成形される前記樹脂部の製造方法。
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