JP5129831B2 - 複合成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特定のポリアミド系樹脂を含む樹脂部材と熱可塑性ポリウレタンを含む樹脂部材とが、接着剤を用いることなく一体に接合した複合成形体及びその製造方法に関する。
意匠性や装飾性を向上させたり、良好な感触(例えば、ソフトな感触)を付与するため、硬度の異なる樹脂を組み合わせた複合体(複合成形体)、例えば、樹脂成形体の少なくとも一部を熱可塑性エラストマーで被覆した複合成形体などが提案されている。このような複合成形体は、通常、接着剤を介して、複数の成形部材を接着させることにより製造されている。例えば、特開平8−267585号公報(特許文献1)には、ポリアミド樹脂などで形成された複数の樹脂成形品が、ウレタンポリマーやウレタン接着剤などの表面処理剤を介して溶着された溶着樹脂成形品が開示されている。しかし、このような接着剤を使用する方法は、工程が長く不経済であるばかりでなく、有機溶剤等による環境汚染も問題となる。
一方、製造工程の合理化や環境対策の観点から、複数の成形部材を熱融着する方法も採用されている。熱融着による複合成形体は、通常、二色成形やインサート成形などの成形法により製造される場合が多い。しかし、熱融着が可能な異種材料の組み合わせは大きく制限されており、また、十分な接合強度を得るための成形条件の設定も容易でない。そこで、熱融着と併せて、成形部材の複合部分に凹凸部分を設け、機械的に接合する方法、接合(融着)部分にプライマーなどを塗布する方法などを組み合わせ、融着部を補強している。しかし、このような方法では、複合成形体の屈曲性が低下し、例えば、プライマー層が硬くなって屈曲により容易に割れを生じたりする。また、製造工程では、成形部材の構造を複雑化する必要が生じたり、製造工程数が増加する。
これらの問題を解決するため、複合成形体を構成する樹脂部材の材料として、熱可塑性ポリウレタンの使用が検討されてきた。熱可塑性ポリウレタンは、それ自体、比較的接着性に優れ、例えば、靴用途においては、靴底として、ポリアミド樹脂と熱可塑性ポリウレタンとからなる複合プラスチック成形体が実用化されている。また、特表平8−505333号公報(特許文献2)では、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルやポリウレタンなどの熱可塑性樹脂の成形体を型内に収納した状態で、発泡剤を含有したポリアミドエラストマーを射出成形し、熱可塑性樹脂成形体(未軽量化プラスチック)とエラストマー(軽量化熱可塑性エラストマー)とを接着させることにより、軽量化された靴底が得られることが開示されている。特開平7−125155号公報(特許文献3)には、ポリプロピレンとポリアミドとのブレンド物で形成された硬質プラスチック成形部材を、熱融着により、熱可塑性ポリウレタンと可塑剤とを含む軟質プラスチックで被覆した複合成形品が開示されている。しかし、このような複合成形体(例えば、ポリウレタン樹脂を用いた複合成形体)においても、2種類の材料間の接着強度(例えば、相手材としてのポリアミドエラストマーとの接着強度)は未だ十分では無く、成形条件や使用材料の条件(例えば、製造ロット等)、さらには製品(複合成形体)の使用環境の影響を大きく受け、接着強度や複合成形体としての寿命(特に接着部位の寿命)が不安定である。
特開平8−267585号公報 特表平8−505333号公報 特開平7−125155号公報
従って、本発明の目的は、互いに性質の異なるポリアミド系樹脂部材及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材であっても、接着剤などを用いることなく、両者を直接的かつ強固に接合した複合成形体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、複雑な製造工程を経ることなく、簡便な方法で、ポリアミド系樹脂部材と熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材とが強固に熱融着した複合成形体を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定のアミノ基含有量のポリアミド系樹脂と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを組み合わせると、それぞれの樹脂部材を強固に接合できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の複合成形体は、ポリアミド系樹脂で構成された樹脂部材(Ia)と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂部材(IIa)とが直接接合した複合成形体であって、前記ポリアミド系樹脂は、10mmol/kg以上のアミノ基を有している。
上記樹脂部材(Ia)を構成するポリアミド系樹脂は、下記の(A)又は(B)であっても良い。
(A)(Ib−1)単一のポリアミド系樹脂、又は(Ib−2)アミノ基含有量が異なる複数のポリアミド系樹脂の混合物であって、20mmol/kg以上のアミノ基を有するポリアミド系樹脂
(B)(Ib−3)ポリアミド系樹脂とアミノ基を有する化合物(アミン化合物)とを含む樹脂組成物であって、10mmol/kg以上のアミノ基を有するポリアミド系樹脂
また、樹脂部材(Ia)を構成するポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂、ポリアミドブロック共重合体などであってもよい。前記樹脂組成物(Ib−3)において、アミノ基を有する化合物はモノアミン、ポリアミン、及びポリアミドオリゴマーから選択された少なくとも一種であっても良く、その割合は、ベースとなるポリアミド系樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部程度であってもよい。
前記樹脂部材(Ia)を構成するポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂及びポリアミドブロック共重合体から選択された少なくとも一種のベースポリアミド樹脂と、ポリアミドオリゴマーとで構成してもよい。前記熱可塑性ポリウレタン系樹脂は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーで構成してもよい。
前記複合成形体においては、末端アミノ基を有するポリアミド系樹脂と、ポリエステルジオールを用いて得られるポリエステルポリウレタンで構成された熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを組み合わせてもよい。
前記複合成形体において、アミノ基を有するポリアミド系樹脂(脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂及び芳香族ポリアミド系樹脂から選択された少なくとも一種で構成されたポリアミド系樹脂など)(Ib)と、ポリエーテルウレタンエラストマー、ポリエステルエーテルウレタンエラストマー、及びポリカーボネートウレタンエラストマーから選択された少なくとも一種で構成された熱可塑性ポリウレタン系樹脂(IIb)とを組み合わせてもよい。また、複合成形体では、少なくともポリアミドブロック共重合体で構成されたポリアミド系樹脂(Ib)と、ポリエーテルウレタンエラストマー、ポリエステルウレタンエラストマー、ポリエステルエーテルウレタンエラストマー、及びポリカーボネートウレタンエラストマーから選択された少なくとも一種で構成された熱可塑性ポリウレタン系樹脂(IIb)とを組み合わせてもよく、そのポリアミドブロック共重合体は、分子中にポリエーテルセグメント、ポリエステルセグメント、及びポリカーボネートセグメントから選択された少なくとも一種を有するポリアミドエラストマーであっても良い。
本発明の複合成形体は、靴又はロールの構成部材などに適している。
このような複合成形品は、前記ポリアミド系樹脂で構成された樹脂(Ib)及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂(IIb)のうち少なくとも一方を加熱して、他方と接合させることにより製造できる。例えば、熱可塑性ポリウレタン系樹脂を加熱溶融し、溶融状態の熱可塑性ポリウレタン系樹脂と、ポリアミド系樹脂で構成された樹脂部材の少なくとも一部とを接触させることにより接合させてもよく、前記ポリアミド系樹脂を加熱溶融し、溶融状態のポリアミド系樹脂と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂部材の少なくとも一部とを接触させることにより接合させてもよい。また、前記ポリアミド系樹脂及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂をそれぞれ加熱溶融し、溶融状態のポリアミド系樹脂と溶融状態の熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを接触させることにより接合させてもよい。また、熱成形、射出成形、押出成形及びブロー成形から選択された成形方法により前記ポリアミド系樹脂と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを成形過程で接合させてもよい。
なお、本明細書において、「樹脂」とは、「樹脂組成物」を含む意味を用いる。また、本明細書において「接着」とは、接着剤を介して複数の部材を複合化させる技術を意味し、「接合」とは、接着剤を介することなく、複数の部材を複合化させる技術を意味し、両者を区別している。(熱)融着は接合の一形態である。
本発明では、特定のポリアミド系樹脂と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを組み合わせるので、互いに性質の異なるポリアミド系樹脂部材及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材であっても、接着剤を用いることなく、直接的かつ強固に接合できる。また、複雑な製造工程を経ることなく、簡便な方法で、ポリアミド系樹脂と熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材とが強固に熱融着した複合成形体を製造できる。
[複合成形体]
本発明の複合成形体は、ポリアミド系樹脂で構成された樹脂部材(Ia)と、このポリアミド系樹脂部材に直接接合し、かつ熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂部材(IIa)とで構成されている。
(ポリアミド系樹脂)
前記ポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂などが挙げられ、各種ホモポリアミド及びコポリアミドなどが使用できる。
脂肪族ポリアミド系樹脂のうち、ホモポリアミドとしては、脂肪族ジアミン成分[テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカンジアミンなどのC4−16アルキレンジアミン(好ましくはC4−14アルキレンジアミン、特にC6−12アルキレンジアミン)]と脂肪族ジカルボン酸成分[アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数4〜20程度のアルカンジカルボン酸(好ましくはC4−16アルカンジカルボン酸、特にC6−14アルカンジカルボン酸)など]との縮合物(例えば、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド1010など)、ラクタム[ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどの炭素数4〜20(好ましくは炭素数4〜16)程度のラクタムなど]又はアミノカルボン酸[ω−アミノウンデカン酸などの炭素数4〜20(好ましくは炭素数4〜16)程度のアミノカルボン酸など]のホモポリアミド(例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12など)などが例示できる。また、コポリアミドとしては、前記脂肪族ジアミン成分、脂肪族ジカルボン酸成分、ラクタム及びアミノカルボン酸などのポリアミドを構成し得るモノマー成分が共重合したコポリアミド、例えば、6−アミノカプロン酸と12−アミノドデカン酸との共重合体;6−アミノカプロン酸、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の共重合体;ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、水添ダイマー酸及び12−アミノドデカン酸の共重合体;ポリアミド6/11,ポリアミド6/12,ポリアミド66/11,ポリアミド66/12などが挙げられる。
脂環族ポリアミド系樹脂としては、少なくとも脂環族ジアミン及び脂環族ジカルボン酸から選択された少なくとも一種を構成成分とするホモポリアミド又はコポリアミドなどが挙げられ、例えば、ポリアミド系樹脂を構成するジアミン成分及びジカルボン酸成分のうち、少なくとも一部の成分として脂環族ジアミン及び/又は脂環族ジカルボン酸を用いることにより得られる脂環族ポリアミドなどが使用できる。前記ジアミン成分及びジカルボン酸成分として、脂環族ジアミン及び/又は脂環族ジカルボン酸と共に、前記例示の脂肪族ジアミン及び/又は脂肪族ジカルボン酸を併用するのが好ましい。このような脂環族ポリアミド系樹脂は、透明性が高く、いわゆる透明ポリアミドとして知られている。
前記脂環族ジアミンとしては、ジアミノシクロヘキサンなどのジアミノシクロアルカン(ジアミノC5−10シクロアルカンなど);ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4’−アミノシクロヘキシル)プロパンなどのビス(アミノシクロアルキル)アルカン[ビス(アミノC5−8シクロアルキル)C1−3アルカンなど];水添キシリレンジアミンなどが挙げられる。また、前記脂環族ジカルボン酸としては、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸などのシクロアルカンジカルボン酸(C5−10シクロアルカン−ジカルボン酸など)などが挙げられる。
脂環族ポリアミド系樹脂のうち、前記脂肪族ジカルボン酸と脂環族ジアミンとの縮合体(ホモ又はコポリアミド)などが好ましい。
芳香族ポリアミド系樹脂には、前記脂肪族ポリアミドにおいて、脂肪族ジアミン成分及び脂肪族ジカルボン酸成分のうち少なくとも一方の成分が芳香族成分であるポリアミド、例えば、ジアミン成分が芳香族成分であるポリアミド[MXD−6などの芳香族ジアミン(メタキシリレンジアミンなど)と脂肪族ジカルボン酸との縮合体など]、ジカルボン酸成分が芳香族成分であるポリアミド[脂肪族ジアミン(トリメチルヘキサメチレンジアミンなど)と芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)との縮合体など]などが含まれる。
なお、ポリアミド系樹脂には、ジアミン成分及びジカルボン酸成分が芳香族成分であるポリアミド[ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)など]の全芳香族ポリアミド(アラミド)などを併用してもよい。
ポリアミド系樹脂には、さらに、ダイマー酸をジカルボン酸成分とするポリアミド、少量の多官能性ポリアミン及び/又はポリカルボン酸成分を用い、分岐鎖構造を導入したポリアミド、変性ポリアミド(N−アルコキシメチルポリアミドなど)、ポリアミドブロック共重合体、及びそれらの組成物なども含まれる。
前記ポリアミドブロック共重合体には、ポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体、ポリアミド−ポリエステルブロック共重合体、ポリアミド−ポリカーボネートブロック共重合体が含まれる。
これらのブロック共重合体では、脂肪族ジオール[炭素数2〜12程度の脂肪族ジオール、例えば、直鎖状脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールなど)、及び分岐状脂肪族ジオール(2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど)など]、脂環族ジオール、及び芳香族ジオール[置換基を有していてもよいジヒドロキシアレーン(例えば、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシトルエン、ジヒドロキシビフェニルなどのジヒドロキシC6−12アレーンなど)、置換基を有していてもよいビスアリールアルカン(例えば、ビスフェノールAなどのビス(ヒドロキシC6−10アリール)−直鎖又は分岐状C1−4アルカンなど)など]などのジオール成分、及び/又は脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数4〜20程度のアルカンジカルボン酸)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸などの炭素数5〜10のシクロアルカンジカルボン酸)、及び芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)などのジカルボン酸成分を分子中に含まれるブロックの構成要素としても良い。
例えば、前記ポリアミド−エーテルブロック共重合体とは、分子中に上記ジオール成分から選択された少なくとも一種を含むポリエーテルをブロック又はセグメントの一つとして有するポリアミド共重合体である。また、前記ポリアミド−ポリエステルブロック共重合体とは、分子中に上記ジオール成分から選択された少なくとも一種と、上記ジカルボン酸成分から選択された少なくとも一種との重縮合により得られるポリエステルをブロック又はセグメントの一つとして有するポリアミド共重合体である。前記ポリカーボネート−ポリアミドブロック共重合体とは、分子中に上記ジオール成分から選択された少なくとも一種のジオールのポリ炭酸エステルを、ブロック又はセグメントの一つとして有するポリアミド共重合体である。
前記ポリアミドブロック共重合体において、共重合体に含まれるポリエーテルブロック、ポリエステルブロック、及びポリカーボネートブロックは、ポリアミドに柔軟性を与える目的で(ソフトブロックとして)使用される場合が多い。このようなソフトブロック(又はソフトセグメント)とポリアミドブロック(ハードブロック又はハードセグメント)とを有するポリアミドブロック共重合体はポリアミドエラストマーと呼称されている。
上記ポリアミドブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリアミドブロックと、反応性末端基を有するポリエーテルブロック、ポリエステルブロック、ポリカーボネートブロックの何れか、またはそれらを組み合わせて共重縮合することにより得られる。例えば、アミノ基を末端基として有するポリアミドブロックとカルボキシル基を末端基として有するポリオキシアルキレンブロックとを共重縮合するか、若しくは、カルボキシル基を末端基として有するポリアミドブロックとアミノ基を末端基として有するポリオキシアルキレンブロックとを共重縮合するとポリエーテルアミド系のポリエーテルポリアミドブロック共重合体が得られる。また、カルボキシル基を末端基として有するポリアミドブロックとヒドロキシル基を末端基として有するポリオキシアルキレンブロックとを共重縮合させるとポリエーテルエステルアミド系のポリエーテルポリアミドブロック共重合体が得られる。これらは何れもポリアミドエラストマーとして一般に知られている。なお、市販のポリアミドエラストマーは、通常、アミノ基をほとんど有していない場合が多い。なお、本発明で言うポリアミドブロック共重合体には、上記の如くポリアミドブロックとその他のブロック(ポリエーテルブロック、ポリエステルブロック、ポリカーボネートブロックなど)を共重縮合させることによって得られるものの他に、両末端にカルボキシル基を有するポリエーテルブロック、ポリエステルブロック、ポリカーボネートブロックなどの何れかに、必要に応じて前記ジカルボン酸成分の共存の下で、各種ジイソシアネートを重付加させ、次いで脱炭酸させる事により得られるポリアミドブロック共重合体も含まれる。
前記ポリアミドブロック共重合体のうち、ポリエーテルポリアミドブロック共重合体、特に、ソフトセグメントとしてポリエーテルセグメントを含むポリアミドエラストマーが好ましい。
ポリアミドエラストマーにおいて、ポリエーテルセグメントを形成するポリオキシアルキレングリコールの分子量(又は重量平均分子量)は、例えば、100〜10,000程度の範囲から選択でき、好ましくは300〜6,000(例えば、300〜5,000)、さらに好ましくは500〜4,000(例えば、500〜3,000)程度であってもよい。
なお、ポリアミドエラストマーにおけるポリエーテルセグメントの割合は、樹脂部材を構成するポリアミド系樹脂(又は組成物)全体に対して、例えば、10〜90重量%(例えば、10〜80重量%)、好ましくは20〜90重量%(例えば、20〜75重量%)、さらに好ましくは30〜90重量%(例えば、30〜70重量%)程度であってもよい。また、ポリアミドエラストマーにおいて、ポリアミドセグメントと、ポリエーテルセグメント(PTMGセグメントなど)との割合(重量比)は、特に制限されず、例えば、前者/後者=9/1〜2/8、好ましくは9/1〜2.5/7.5、さらに好ましくは8/2〜3/7、特に7/3〜4/6程度であってもよい。
前記ポリアミド系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。また、ポリアミド系樹脂は、複数のポリアミド系樹脂のブレンド又はアロイであってもよい。
好ましいポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂(特に、透明ポリアミド)などであり、これらのポリアミド系樹脂と芳香族ポリアミド系樹脂とを併用してもよい。また、ポリアミドブロック共重合体(ポリアミドエラストマー)も好ましい。
ポリアミド系樹脂の数平均分子量は、6,000〜100,000、好ましくは8,000〜50,000、さらに好ましくは10,000〜30,000程度である。
本発明において、樹脂部材(Ia)を形成するポリアミド系樹脂(又は樹脂組成物)(Ib)は、特定の濃度でアミノ基を有している。このアミノ基は、通常、ポリアミド系樹脂の主鎖に含まれるアミド結合や、尿素結合、ウレタン結合などに由来する−NH−(イミノ)基や−N<基などは含まず、通常、遊離アミノ基(−NH基)を示す。ポリアミド系樹脂は、この遊離アミノ基を樹脂の分岐鎖に有していてもよく、主鎖の末端に有していてもよい。
ポリアミド系樹脂(又は樹脂組成物を含む)(Ib)のアミノ基の含有量(又は濃度)は、ポリアミド系樹脂(Ib)1kgに対して、10mmol以上(例えば、10〜300mmol程度)、好ましくは15mmol以上(例えば、15〜200mmol程度)、さらに好ましくは20mmol以上(例えば、20〜150mmol程度)、特に30mmol以上(例えば、30〜100mmol程度)である。また、前記濃度は、例えば、ポリアミド系樹脂(Ib)1kgに対して、35〜300mmol、好ましくは40〜200mmol、さらに好ましくは50〜150mmol程度であってもよい。ポリアミド系樹脂(Ib)は、特に末端アミノ基をこのような範囲の含有量で含むのが好ましい。
アミノ基の含有量は、慣用の方法、例えば、(a)ポリアミド系樹脂を構成するジアミン成分の割合を調整する方法、(b)アミノ基濃度の異なる複数のポリアミド系樹脂(例えば、アミノ基濃度の低いポリアミド系樹脂と、アミノ基濃度の高いポリアミド系樹脂と)を組み合わせて、ブレンド又はアロイなどとする方法、(c)ポリアミド系樹脂(例えば、前記ポリアミドブロック共重合体(ポリアミドエラストマーなど)などのアミノ基濃度の低いポリアミド)に、アミノ基を有する化合物(例えば、アミノ基濃度の高い比較的低分子量のアミノ基含有化合物)を含有させる方法などにより調整することができる。例えば、ポリアミドブロック共重合体(ポリアミドエラストマーなど)へのアミノ基の導入は、両末端にアミノ基を有するブロックと両末端にカルボキシル基を有するブロックとの共重縮合において、両末端にアミノ基を有するブロックの割合を多くするか、又はポリアミド系樹脂と混合可能なアミノ基を有する化合物を別途適当量添加する方法などにより行うことができる。
ポリアミド系樹脂が、単一のポリアミド樹脂(Ib−1)である場合、上記方法(a)などによりアミノ基濃度を調整できる。また、ポリアミド系樹脂が、上記方法(b)により調製された複数のポリアミド系樹脂の混合物(Ib−2)である場合、各ポリアミド系樹脂のアミノ基濃度は、上記方法(a)及び/又は(c)により適宜調整してもよい。
ポリアミド系樹脂が、単一のポリアミド系樹脂(例えば、上記方法(a)により調製された樹脂)又はアミノ基濃度の異なる複数のポリアミド系樹脂の混合物(例えば、上記方法(b)により調製された混合物)である場合、ポリアミド系樹脂(又は組成物)(Ib)のアミノ基濃度は、例えば、20mmol/kg以上(例えば、20〜300mmol/kg程度)、好ましくは30mmol/kg以上(例えば、30〜200mmol/kg程度)、さらに好ましくは40mmol/kg以上(例えば、40〜150mmol/kg程度)、特に50mmol/kg以上(例えば、50〜100mmol/kg程度)であってもよい。
アミノ基濃度の異なる複数のポリアミド系樹脂を組み合わせる場合、例えば、アミノ基濃度が0〜30mmol/kg(例えば0〜20mmol/kg)程度のポリアミド系樹脂と、アミノ基濃度が40〜400mmol/kg(好ましくは50〜300mmol/kg、特に100〜200mmol/kg)程度のポリアミド系樹脂とを組み合わせることにより、ポリアミド系樹脂全体のアミノ基含有量を調整することができる。アミノ基濃度の高いポリアミド系樹脂の割合は、平均アミノ基濃度が前記アミノ基濃度となる割合、例えば、アミノ基濃度の低いポリアミド系樹脂100重量部に対して、例えば、1〜60重量部、好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部程度であってもよい。
また、ポリアミド系樹脂(Ib)が、ポリアミド系樹脂とアミノ基を有する化合物とを含む樹脂組成物(例えば、上記方法(c)により調製された組成物)(Ib−3)である場合、ポリアミド系樹脂(Ib)のアミノ基濃度は、例えば、10mmol/kg以上(例えば、10〜300mmol/kg程度)、好ましくは20mmol/kg以上(例えば、20〜200mmol/kg程度)、さらに好ましくは30mmol/kg以上(例えば、30〜150mmol/kg程度)、特に40mmol/kg以上(例えば、40〜100mmol/kg程度)であってもよい。
前記アミノ基を有する化合物としては、ポリアミン[ジアミン類(前記例示の脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン及び芳香族ジアミンなど)の他、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのポリアルキレンポリアミン(ポリC2−3アルキレンポリアミンなど)などの脂肪族ポリアミンなどのポリアミン類など]、モノアミン、及びポリアミドオリゴマーなどの比較的低分子量のアミノ基含有化合物が使用できる。これらのアミノ基含有化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの化合物のうち、接合性の点で、特に、ポリアミドオリゴマーが好ましい。
前記ポリアミドオリゴマーとしては、慣用の方法、例えば、前記例示のポリアミド成分を用いて、重縮合条件などを調整することなどにより得られる比較的分子量の低いポリアミドなどが使用できる。例えば、原料のポリアミド成分として、前記例示のジアミン[脂肪族ジアミン(アルキレンジアミンなど)、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンなど]とジカルボン酸(脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸など)との組み合わせ、前記ジアミン及び/又はジカルボン酸とラクタム(ω−ラウロラクタムなどの炭素数4〜20程度のラクタムなど)との組み合わせなどを用いてもよい。ポリアミドオリゴマーは、例えば、加圧下、前記ラクタムと脂肪族ジアミンとを加熱撹拌して、重合させることにより得ることができる。
ポリアミドオリゴマーの数平均分子量は、例えば、500〜10,000、好ましくは500〜8,000(例えば、1,000〜7,000),さらに好ましくは1,000〜5,000程度であり、通常、2,000〜6,000(例えば、3,000〜6,000)程度である。ポリアミドオリゴマーとして、例えば、数平均分子量1000〜10,000、好ましくは2,000〜9,000、さらに好ましくは3,000〜8,000程度の比較的分子量の大きなオリゴマーを用いると、熱可塑性ポリウレタンとの接合性を改善することもできる。
ポリアミドオリゴマーは、通常、遊離のアミノ基を有していなくてもよいが、遊離のアミノ基を有していてもよい。ポリアミドオリゴマーが、遊離アミノ基を有する場合、主鎖の少なくとも一方の末端にアミノ基を有していてもよく、主鎖の両末端にアミノ基を有していてもよく、また、分岐鎖にアミノ基を有していてもよい。
アミノ基を有する化合物(特にポリアミドオリゴマー)は、ベースとなるポリアミド樹脂として、前記脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂、ポリアミドブロック共重合体などと組み合わせても良い。
アミノ基を有する化合物とベースポリアミド樹脂とを組み合わせてポリアミド系樹脂を構成する場合、例えば、アミノ基濃度が0〜30mmol/kg(好ましくは0〜20mmol/kg)程度のポリアミド系樹脂と、アミノ基濃度が40〜1000mmol/kg(好ましくは50〜700mmol/kg、特に100〜500mmol/kg)程度のアミノ基含有化合物とを組み合わせることにより、ポリアミド系樹脂(組成物)全体のアミノ基含有量を調整することができる。
アミノ基を有する化合物の割合は、ポリアミド系樹脂(Ib)のアミノ基含有量が、前記の範囲となるように調整できる。例えば、アミノ基を有する化合物(ポリアミドオリゴマーなど)の割合は、ベースとなるポリアミド樹脂(アミノ基濃度の低いポリアミド系樹脂)100重量部に対して、例えば、10重量部以下(0.01〜10重量部程度)、好ましくは0.1〜8重量部程度、特に、7重量部以下(0.5〜7重量部程度)である。アミノ基含有化合物の割合が多すぎると、特にポリアミド系樹脂(Ib)を硬質樹脂として用いる場合に、樹脂の特性を損なう恐れがある。
ポリアミド系樹脂部材(Ia)(例えば、硬質樹脂部材)と熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材(IIa)(例えば、軟質樹脂部材)との間の接合力をさらに高めるためには、ポリアミド系樹脂(Ib)の結晶融解熱は、100J/g以下(例えば、0〜100J/g程度)、好ましくは80J/g以下(例えば、0〜80J/g程度)、さらに好ましくは70J/g以下(例えば、0〜70J/g程度)であってもよい。本発明では、結晶化度の低いポリアミド系樹脂を用いても、確実かつ効率よく接合できる。このようなポリアミド系樹脂の結晶融解熱は、例えば、30J/g以下(例えば、0〜30J/g程度)、好ましくは20J/g以下(例えば、0〜20J/g程度)、さらに好ましくは17J/g以下(0〜17J/g程度)から選択できる。
なお、ポリアミド系樹脂の「結晶融解熱」とは、樹脂の融解に要した融解熱ΔHmから樹脂の結晶化に伴い発生した結晶化熱ΔHfを減じた値を示す。すなわち、融解熱の測定において、昇温に伴い、結晶化熱と、その後に融解熱との双方が観察される場合には、樹脂1g当たりの融解熱の実測値ΔHmから、樹脂1g当たりの結晶化熱の実測値ΔHfを減じた値をポリアミド系樹脂の結晶融解熱とする。結晶融解熱は、JIS K7122に従って、DSC装置(示差走査熱量測定装置)を用いて測定することができる。なお、完全非晶質ポリアミドでは、結晶化熱が観測できないため、結晶融解熱は0J/gとするものとする。
このような結晶融解熱を有するポリアミド系樹脂、特に、結晶融解熱が20J/g以下のポリアミド系樹脂(例えば、透明ポリアミドなど)は、公知の成形方法により成形できる。このようなポリアミド系樹脂の詳細は、例えば、特開平8−239469号公報、特開2000−1544号公報などを参照できる。
なお、ポリアミド系樹脂(Ib)のカルボキシル基濃度は、特に制限されず、例えば、0.1〜200mmol/kg、好ましくは0.5〜150mmol/kg、さらに好ましくは1〜100mmol/kg程度であってもよい。
ポリアミド系樹脂部材は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂(ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ハロゲン含有ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂など)、各種添加剤、例えば、フィラー又は補強剤(強化繊維など)、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤など)、着色剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。
なお、本発明の複合成形体の製造に伴って、樹脂部材間の成形収縮率の差異により、製品に「反り」が発生する場合があり、反り矯正の程度が大きい場合、接合部が破断したり、各樹脂部材にストレスクラックが発生する原因になる恐れがある。そのため、ポリアミド系樹脂は、結晶性が低い方が好ましく、ポリアミド系樹脂の到達結晶化度(平均的な到達結晶化度)は、50%以下(例えば、5〜50%程度)、好ましくは40%以下(例えば、5〜40%程度)、さらに好ましくは30%以下(例えば、10〜30%程度)であるのが有利である。ポリアミドホモポリマーの場合を例に挙げて到達結晶化度の大小を比較すると以下の順序で到達結晶化度が小さくなる。
ポリアミド66>ポリアミド6≧ポリアミド612>ポリアミド11≧ポリアミド12
なお、到達結晶化度の点だけを考慮すると、ホモポリマーよりコポリマーが有利である。さらに、コポリマーは、一般にホモポリマーより柔軟性に優れる点においても、有利である。
ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートなどをソフトセグメントとするポリアミドブロック共重合体(ポリアミドエラストマー)の場合は、ハードセグメントとソフトセグメントとの存在比率により到達結晶化度を調整できる事を見出した。例えば、ソフトセグメントがポリエーテルの場合にはポリアミドブロックに対するポリエーテルセグメントの相対比率を大きくすれば到達結晶化度は低くなる。また、ソフトセグメントを構成するジオール成分として、分岐状ジオールが含まれると、更に、ポリマー分子中でのその存在比率が大きくなるほど到達結晶化度が低下する。この特性を利用してポリアミドブロック共重合体の到達結晶化度を、40%以下(例えば、5〜40%程度)、好ましくは35%以下(例えば、5〜35%程度)、さらに好ましくは30%以下(例えば、10〜30%程度)に調整すると、熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材との組み合わせにおいて反りが発生しにくく有利であり、また、熱可塑性ポリウレタン系樹脂の柔軟性に近似させることもできる。
従って、ポリアミド系樹脂として、ポリアミドホモポリマーに比べて、ポリアミドブロック共重合体(特にポリアミドエラストマー)を用いると、複合成形体の反りを抑制できる点で有利である。特に、ポリウレタン系樹脂部材(IIa)に対して、ポリアミド系樹脂部材(Ia)を後から成形して(例えば、射出成形においてはポリアミド樹脂をポリウレタン樹脂成形品のインサートに対して射出するインサート成形、押出し成形においては、ポリウレタン成形品に対するポリアミド樹脂のラミネート、被覆など)、複合体を得る場合に有利である。
なお、「到達結晶化度」とは、精密熱プレス装置を用い、試料樹脂をこの樹脂の融点より20℃高い温度まで加熱し、次いで、3℃/分の冷却速度で室温まで冷却して、厚み1mmの平板を作製し、この平板を用いてX線回折分析により測定される結晶化度をいう。前記樹脂の融点は、JIS K7122に従って、DSC装置(示差走査熱量分析装置)により測定した融点である。
ポリアミド系樹脂(Ib)をポリアミドエラストマーで構成すると高い接合強度が得られる。特に、ポリアミドエラストマーで構成された樹脂部材に射出成形などにより溶融状態の熱可塑性ポリウレタン系樹脂(又は組成物)(IIb)を接触させて複合成形体を形成すると、ポリアミド系樹脂部材とポリウレタン系樹脂部材とを強固に接合することができ、ポリアミド系樹脂としてポリアミドホモポリマーを使用する場合よりも容易に高い接合強度を得ることができる。この場合、接合強度とポリアミドエラストマー中に含まれるソフトセグメント(例えばポリエーテルセグメント)の量との間には一定の相関関係が存在し、ソフトセグメントの量がポリマーに対して10重量%以上(例えば10〜90重量%程度)、より好ましくは20重量%以上(例えば20〜70重量%程度)、さらに好ましくは25重量%以上(例えば25〜65重量%程度)であってもよい。
(ポリウレタン系樹脂)
熱可塑性ポリウレタン系樹脂は、ジイソシアネート類とジオール類と必要により鎖伸長剤との反応により得ることができる。
ジイソシアネート類としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロアルキルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂環族ジイソシアネート類;フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)などの芳香族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート類などが例示できる。ジイソシアネート類として、アルキル基(例えば、メチル基)が主鎖又は環に置換した化合物を使用してもよい。ジイソシアネート類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ジオール類としては、ポリエステルジオール[脂肪族ジカルボン酸成分(アジピン酸などのC4−12脂肪族ジカルボン酸など)、脂肪族ジオール成分(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2−12脂肪族ジオールなど)、ラクトン成分(ε−カプロラクトンなどのC4−12ラクトンなど)などから得られるポリエステルジオール(脂肪族ポリエステルジオール)、例えば、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘキシレンアジペート)、ポリ−ε−カプロラクトンなど]、ポリエーテルジオール[脂肪族ポリエーテルジオール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(オキシトリメチレン)グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などのポリ(オキシC2−4アルキレン)グリコール類、これらのポリ(オキシアルキレン)グリコール類のブロック共重合体(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体など);芳香族ポリエーテルジオール、例えば、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体などの芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加体(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのC2−4アルキレンオキサイド付加体など)など];ポリエステルエーテルジオール(ジオール成分の一部として上記ポリエーテルジオールを用いたポリエステルジオール);ポリカーボネートジオールなどが利用できる。これらのジオール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのジオール類のうち、ポリエステルジオールや、ポリエーテルジオール(ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど)(例えば、ポリエステルジオール)を用いる場合が多い。
鎖伸長剤としては、グリコール類[短鎖グリコール類、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのC2−10アルカンジオール;ビスヒドロキシエトキシベンゼン(BHEB)など]の他、ジアミン類[エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC2−10アルキレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類;イソホロンジアミンなどの脂環族ジアミン;フェニレンジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン類など]も使用できる。鎖伸長剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
熱可塑性ポリウレタン系樹脂には、ジオール類とジイソシアネート類とを実質的に当量の割合で用いて得られた完全熱可塑性ポリウレタンの他、ジオール類に対して少過剰のジイソシアネート類を用いて得られた遊離(未反応)のイソシアネートが少量残存している不完全熱可塑性ポリイソシアネートも含まれる。
熱可塑性ポリウレタン系樹脂のうち、特に、ジオール類[ポリエステル単位やポリエーテル単位を有するジオール類(前記ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール)など]と、ジイソシアネート類と、鎖伸長剤としてのグリコール類(短鎖グリコール類など)とを用いて得られる熱可塑性ポリウレタンエラストマーが好ましい。この熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、グリコール類とジイソシアネート類とのポリウレタンで構成されたハードセグメント(ハードブロック)と、ポリエーテルジオール[ポリ(オキシエチレン)グリコールなどの脂肪族ポリエーテルジオールなど]、ポリエステルジオール(脂肪族ポリエステルジオールなど)などで構成されたソフトセグメント(ソフトブロック)とを含んでいる。ポリウレタンエラストマーには、ソフトセグメントの種類に応じて、例えば、ポリエステルウレタンエラストマー、ポリエステルエーテルウレタンエラストマー、ポリエーテルウレタンエラストマー、ポリカーボネートウレタンエラストマーなどが含まれる。ポリウレタンエラストマーのうち、ポリエステルウレタンエラストマー、ポリエステルエーテルウレタンエラストマー、ポリエーテルウレタンエラストマーなどが好ましい。なお、前記ポリエーテル(ポリオキシアルキレングリコール)の分子量(又は重量平均分子量)は、例えば、100〜10,000程度の範囲から選択でき、好ましくは300〜6,000(例えば、300〜5,000)、さらに好ましくは500〜4,000(例えば、500〜3,000)程度であってもよい。
これらの熱可塑性ポリウレタン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記ポリアミド系樹脂(Ib)として、末端アミノ基を有するポリアミド系樹脂(組成物を含む)を用いる場合、熱可塑性ポリウレタン系樹脂として、ポリエステルジオールを用いて得られるポリエステルポリウレタン、特に、ポリエステルウレタンエラストマーを用いても良い。
本発明では、アミノ基を有するポリアミド系樹脂(組成物も含む)(例えば、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂及び芳香族ポリアミド系樹脂から選択された少なくとも一種を含むポリアミド系樹脂)(Ib)と、ポリエーテルウレタンエラストマー及びポリエステルエーテルウレタンエラストマーから選択された少なくとも一種で構成された熱可塑性ポリウレタン系樹脂(IIb)とを組み合わせると、高い接合強度が得られる。
また、少なくともポリアミドブロック共重合体、例えば、ポリアミドエラストマーを含むポリアミド系樹脂(ポリアミドオリゴマーとの組成物も含む)(Ib)と、ポリエーテルウレタンエラストマー、ポリエステルウレタンエラストマー、及びポリエステルエーテルウレタンエラストマーから選択された少なくとも一種で構成された熱可塑性ポリウレタン系樹脂(IIb)とを組み合わせてもよい。
熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂(熱可塑性樹脂、特に、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーなど)、安定剤(熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤など)、可塑剤、滑剤、充填剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。
このような複合成形体は、ポリアミド系樹脂が特定のアミノ基濃度を有しているので、接着剤を用いることなく、前記ポリアミド系樹脂と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とが強固に接合している。接合強度は、通常、30N/cm以上であり、ポリアミド系樹脂部材(例えば、硬質樹脂部材)と熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材(例えば、軟質樹脂部材)との剥離に伴って、凝集破壊する場合がある。このような複合成形体の接合強度は、通常、30N/cm〜凝集破壊、好ましくは40N/cm以上、特に50N/cm以上(50N/cm以上〜凝集破壊)である。
[複合成形体の製造方法]
本発明の複合成形体は、加熱下、ポリアミド系樹脂(ポリアミド系樹脂で構成された樹脂)(Ib)と熱可塑性ポリウレタン系樹脂(ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂)(IIb)とを接合することにより製造できる。通常、ポリアミド系樹脂(Ib)及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂 (IIb)のうち少なくとも一方を加熱、溶融し、両樹脂を接触させることにより接合できる。このような複合成形体は、例えば、熱成形(熱プレス成形、インジェクションプレス成形など)、射出成形(インサート射出成形、二色射出成形、コアバック射出成形、サンドイッチ射出成形など)、押出成形(共押出成形、Tダイラミネート成形など)、ブロー成形などの慣用の成形法により成形過程でポリアミド系樹脂と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを接合させることにより製造できる。
例えば、インサート成形、インジェクションプレス成形などの成形法では、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(IIb)を加熱溶融し、この溶融状態の熱可塑性ポリウレタン系樹脂を、ポリアミド系樹脂で構成された樹脂部材(Ia)の少なくとも一部と接触させながら成形し、両者を接合させてもよく、ポリアミド系樹脂(Ib)を加熱溶融し、この溶融状態のポリアミド系樹脂を、熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂部材(IIa)の少なくとも一部と接触させながら成形し、両者を接合させてもよい。また、二色射出成形、共押出成形などの成形法では、ポリアミド系樹脂(Ib)及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂(IIb)をそれぞれ加熱溶融し、溶融状態のポリアミド系樹脂と溶融状態の熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを接触させながら成形し、両者を接合させてもよい。少なくともいずれか一方の樹脂を溶融させて、ポリアミド系樹脂と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを接触させ、接合させた後、通常、冷却することにより、ポリアミド系樹脂部材(Ia)とポリウレタン系樹脂部材(IIa)とが強固に接合した複合成形体を得ることができる。また、目的、用途などに応じて、ポリアミド系樹脂部材と熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材と、少なくとも一部で接合していればよい。
なお、樹脂は、樹脂の融点以上の温度に加熱することにより溶融させることができるが、実質的に結晶化しない樹脂の場合には、樹脂のガラス転移点(Tg)以上の温度に加熱することにより、溶融させることができる。
本発明では、ポリアミド系樹脂がアミノ基を含有し、このアミノ基が熱可塑性ポリウレタン系樹脂に作用(化学的に作用)するため、異種材料を用いた複合成形体であっても、接合強度を大幅に改善でき、単に熱融着による物理的作用では得られない高い接合強度が得られる。そのため、本明細書において、「熱融着」とは、単なる熱融着だけでなく、化学反応を含む熱接着(熱接合)も含む。
上記のように、ポリアミド系樹脂とポリウレタン系樹脂の何れの樹脂を溶融させるかは特に制限されず、一般に融点又はガラス転移点(Tg)のより低い軟質樹脂(ポリウレタン系樹脂)を加熱し、この軟質樹脂と融点又はTgのより高い硬質樹脂(ポリアミド系樹脂)で構成された硬質樹脂部材とを接合させてもよく、また、一般に融点又はTgのより高い硬質樹脂(ポリアミド系樹脂)を加熱し、この硬質樹脂と融点又はTgのより低い軟質樹脂(ポリウレタン系樹脂)で構成された軟質樹脂部材とを接合させてもよい。
これらの方法のうち、特に、前者の方法において、本発明の効果を特徴的かつ有効に発揮でき、既存技術に比べて有利である。単なる物理的な熱融着による既存技術では、先に成形されたポリアミド系樹脂部材と、後に成形されるポリウレタン系樹脂を接合させる場合、ポリウレタン系樹脂の成形温度は、先に成形されたポリアミド系樹脂の融点より低くなる場合が多く熱融着は進行しにくい。また、ポリウレタン系樹脂の成形温度が、ポリアミド系樹脂の融点より高い場合であっても、ポリアミド系樹脂部材の表面を融解させるには熱量が不足する場合が多い。そのため、既存技術では、通常、ポリウレタン系樹脂の成形に先行して、ポリアミド系樹脂部材を成形する方法は取り得ない。しかし、このような場合であっても、本発明によれば、ポリアミド系樹脂に含まれるアミノ基の作用により、ポリアミド系樹脂部材と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とをより容易に接合させることができるため、複合体の製造工程の自由度を高めることができ、製造工程を大幅に合理化することもできる。
本発明において、通常、硬質樹脂がポリアミド系樹脂であり、軟質樹脂が熱可塑性ポリウレタン系樹脂である場合が多いが、硬質樹脂が熱可塑性ポリウレタン系樹脂であり、軟質樹脂がポリアミド系樹脂であってもよい。また、ポリアミド系樹脂と熱可塑性ポリウレタン系樹脂の硬さが同程度であってもよい。
より具体的には、前記熱プレス成形では、硬質樹脂(又は組成物)及び軟質樹脂(又は組成物)のうち、少なくとも一方をプレス成形の金型内で溶融させ、双方を接触させて加圧し、接合させて複合成形体を製造できる。熱プレス成形において、硬質樹脂及び/又は軟質樹脂は、ペレット状や粉状などの形状で金型に充填してもよく、予め他の成形方法で賦形した成形品として金型に装着してもよい。
インサート射出成形法では、硬質樹脂(又は樹脂組成物)及び軟質樹脂(又は樹脂組成物)のうち、いずれか一方を射出成形、押出成形、シート成形、フィルム成形などの成形法により成形し、賦形された成形品を金型内に収納した後、この成形品と金型との間の空隙に他方を射出成形することにより複合成形体を製造できる。インサート射出成形においては、金型内に収納する成形品を予熱しておくことが好ましい。
二色射出成形法では、二台以上の射出成形機を用いて、硬質樹脂(又は樹脂組成物)及び軟質樹脂(又は樹脂組成物)のいずれか一方の成分を金型に射出成形し、金型の回転又は移動により、金型のキャビティを交換し、得られた成形品と金型との間に形成された空隙に他方の成分を射出成形することにより複合成形体を製造できる。
コアバック射出成形法では、硬質樹脂(又は樹脂組成物)及び軟質樹脂(又は樹脂組成物)のうち、いずれか一方の成分を金型に射出成形し、金型のキャビティー容積を拡大させ、得られた成形品と金型との間に形成された空隙に他方の成分を射出成形することにより複合成形体を製造できる。
これらの成形方法のうち、特に、量産性などの点から、インジェクションプレス成形法などの熱プレス成形法、射出成形法(インサート射出成形法、二色射出成形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ射出成形法など)などが適している。
熱融着において、硬質樹脂及び/又は軟質樹脂の溶融温度(又は熱融着温度)は、両樹脂(又は樹脂組成物)の種類に応じて選択でき、例えば、100〜300℃、好ましくは120〜290℃、さらに好ましくは150〜280℃程度の範囲から選択できる。例えば、熱プレス成形法では、100〜250℃、好ましくは120〜230℃、さらに好ましくは150〜220℃程度であってもよい。また、射出成形法では、成形機シリンダー内での樹脂の温度が、例えば、200〜300℃、好ましくは220〜280℃、さらに好ましくは240〜280℃程度であってもよい。
複合成形体の構造及び形状は、特に限定されないが、意匠性、装飾性、感触性などに適した構造、例えば、軟質樹脂部材の一部又は全部を硬質樹脂部材で被覆又はラミネートした構造であってもよいが、通常、硬質樹脂部材の一部又は全部を軟質樹脂部材で被覆又はラミネートした構造(例えば、硬質樹脂部材と人体(手など)との接触部分を軟質樹脂部材で被覆した構造など)などが好ましい。また、具体的な構造には、例えば、二次元的構造(シート状、板状など)、三次元的構造(例えば、棒状、チューブ状、ケーシング、ハウジングなど)などが挙げられる。
本発明では、複雑な製造工程(複合部分に凹凸部分を設ける工程、接着剤の塗布工程など)を経ることなく、熱融着により、硬質樹脂と軟質樹脂とを直接的かつ強固に接合できるため、意匠性、装飾性、良好な感触(ソフトな感触、柔軟性など)などの性質に優れるとともに、軽量で、強靱な複合成形体を簡便に得ることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(熱融着性の評価)
実施例及び比較例で得られた複合成形体を、幅20mm及び長さ100mmの大きさに切り出し、掴み代を180℃方向に引張速度20mm/分で引張ることにより、引張試験を行い、融着界面における剥離強度を測定し、この剥離強度により硬質樹脂部材と軟質樹脂部材との熱融着性を評価した。
実施例1
ヘキサメチレンジアミンとドデカンジカルボン酸との塩の80重量%水溶液1250gに、ヘキサメチレンジアミン7gを添加し、得られた混合物を、窒素置換したオートクレーブ中で、加圧(17.5kgf/cm(1.7×10Pa))下、加熱(220℃)し、4時間かけて、窒素ガスと共に系内の水分を系外に排出した。その後1時間を要して徐々に275℃まで昇温し、残りの水分を系外に排除した後、オートクレーブの内圧を常圧に戻した。冷却後、末端アミノ基濃度が95mmol/kgのポリアミド612を得た。
このポリアミド612を硬質樹脂として用い、射出成形により100mm角、厚み2mmの平板(硬質プラスチック成形体)を作製した。
次いで、上記平板の一辺を含む約1/4面積をアルミホイルで覆い、この平板を100mm角、深さ4mmの平板金型に収納し、金型内に軟質プラスチックとして熱可塑性ポリウレタンエラストマーTPU(BASF(株)製,エラストランET590)を射出成形した。TPUの射出成形は、シリンダー温度205℃及び金型温度60℃の条件で行った。このようにして得られた複合成形体を20mm幅に切り出し、端部がアルミホイルで被覆された試験片を得た。アルミホイルで試験片の端部を剥離させ、剥離したポリアミド樹脂層(部材)及びTPU層(部材)の端部を掴み代として剥離試験を行ったところ、90N/cmの剥離強度を得た。
実施例2
(1)ポリアミドオリゴマーの調製
オートクレーブを窒素置換し、ラウリルラクタム1,000g及びドデカンジアミン230gを添加し、得られた混合物を加熱下攪拌した。反応系を徐々に加圧し、17.5kgf/cm(1.7×10Pa)で270℃に保ち、約2時間加熱攪拌を続けた。次いで、反応系を徐々に常圧に戻しながら、冷却し、ポリアミド12オリゴマーを溶融状態で取り出した。得られたポリアミド12は、さらに冷却し、ややもろい固体として得た。ポリアミド12オリゴマーの数平均分子量は約5500と低分子量であり、アミノ基の含有量は、400mmol/kgであった。
(2)ベースポリアミドの調製
ラウリルラクタム800g及びドデカン二酸90gを圧力容器内に添加し、窒素気流下、270℃、20気圧(約2MPa)で3時間撹拌を行った。得られた混合物にポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1300、末端は水酸基)320gを添加し、減圧下、加熱、撹拌を行った。5時間後、ポリアミドブロック共重合体であるポリアミドエラストマー(末端アミノ基濃度4mmol/kg)を得た。
(3)複合成形体の作製
上記(2)で得られたポリアミドエラストマー100重量部に対して、上記(1)で得られたポリアミド12オリゴマー5重量部を、2軸押出し機を用いて混合、ペレット化し、末端アミノ基濃度が20mmol/kgの硬質プラスチックを得た。
次に、軟質プラスチックとして熱可塑性ポリウレタンエラストマーTPU(BASF(株)エラストランS95)を射出成形し、100mm角、厚み2mmの平板(軟質プラスチック成形体)を作製した。上記平板の一辺を含む約1/4面積をアルミホイルで覆い、この平板(軟質プラスチック成形体)を100mm角、深さ4mmの平板金型にインサートし、硬質プラスチックを射出成形した。硬質プラスチックの射出成形は、シリンダー温度220℃及び金型温度60℃の条件で行った。このようして得られた複合成形体を20mm幅に切り出し、端部がアルミホイルで被覆された試験片を得た。アルミホイルで試験片の端部を剥離させ、剥離したポリアミド樹脂層(部材)及びTPU層(部材)の端部を掴み代として剥離試験を行ったところ、100N/cmの剥離強度を得た。
実施例3
窒素置換したオートクレーブ中で、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタンとドデカンジカルボン酸との塩1000gを、加圧(17.5kgf/cm(1.7×10Pa))下、加熱(220℃)し、4時間かけて、窒素ガスと共に系内の水分を系外に排出した。その後1時間を要して徐々に275℃まで昇温し、残りの水分を系外に排除した後、オートクレーブの内圧を常圧に戻した。冷却後、末端アミノ基濃度が30mmol/kgの透明ポリアミドを得た。
この透明ポリアミドを硬質プラスチックとして用い、射出成形により100mm角、厚み2mmの平板(硬質プラスチック成形体)を作成した。
前記の透明ポリアミド平板について、DSC分析装置を用いて10℃/minの昇温速度で結晶化熱および融解熱を測定したところ、170℃付近で結晶化熱ΔHf=11J/g、250℃付近で融解熱ΔHm=25J/gを得た。これらの結晶化熱及び融解熱より、成形体の結晶融解熱14J/gを求めた。
次いで、上記平板の一辺を含む約1/4面積をアルミホイルで覆い、この平板(硬質プラスチック成形体)を100mm角、深さ4mmの平板金型に収納し、金型内に軟質プラスチックとして熱可塑性ポリウレタンエラストマーTPU(BASF(株)製,エラストラン1195ATR)を射出成形した。TPUの射出成形は、シリンダー温度205℃及び金型温度60℃の条件で行った。こうして得られた複合成形体を20mm幅に切り出し、端部がアルミホイルで被覆された試験片を得た。アルミホイルで試験片の端部を剥離させ、剥離したポリアミド樹脂層(部材)及びTPU層(部材)の端部を掴み代として剥離試験を行ったところ、130N/cmの剥離強度を得た。
実施例4
ω−ラウリルラクタム1000gを、少量のリン酸の存在下、窒素置換したオートクレーブ中で、250〜260℃程度に加熱し、4時間かけて、窒素ガスと共に系内の水分を系外に排出した。その後1時間を要して徐々に275℃まで昇温し、残りの水分を系外に排除した後、冷却し、末端アミノ基濃度が30mmol/kgであるポリアミド12を得た。
このポリアミド12を硬質プラスチックとして用いる以外は、実施例3と同様の方法により複合成形体を作製し、評価を行ったところ、硬質プラスチック成形体の結晶融解熱は65J/gであり、剥離強度は60N/cmであった。
比較例1
ヘキサメチレンジアミンに代えて、ドデカンジカルボン酸15gを、ヘキサメチレンジアミンとドデカンジカルボン酸との塩の80重量%水溶液に添加する以外は、実施例1と同様に操作を行い、末端アミノ基濃度が7mmol/kgのポリアミド612を得た。
このポリアミド612を硬質プラスチックとして用いる以外は、実施例1と同じ方法で複合成形体を作製し、評価を行ったところ、剥離強度は、5N/cmであった。
比較例2
硬質プラスチックとして、実施例2のポリアミドエラストマー(末端アミノ基量4mmol/kg)を、オリゴマーを混合することなくそのまま使用する以外は、実施例2と同様の方法で複合成形体を作製し、評価を行ったところ、剥離強度は30N/cmであった。
実施例5〜19及び比較例3〜6
(1)ポリアミド系樹脂の調製
以下の手順で、ポリアミド、ポリアミドオリゴマー、及びポリアミドブレンドを調製した。
(A1)PA12
ω−ラウリルラクタム1000g及びドデカンジカルボン酸110gを、少量のリン酸の存在下、窒素置換したオートクレーブ中で、250〜260℃に加熱し、4時間かけて、窒素ガスと共に系内の水分を系外に排出した。その後1時間を要して徐々に275℃まで昇温し、残りの水分を系外に排除した後、冷却し、アミノ基濃度7mmol/kg、カルボキシル基濃度81mmol/kgのポリアミド12(A1)を得た。
(A2)PA12
ドデカンジカルボン酸に代えて、ヘキサメチレンジアミン60gを用いる以外は上記(A1)の場合と同様に操作し、アミノ基濃度72mmol/kg及びカルボキシル基濃度4mmol/kgのポリアミド12(A2)を得た。
(A3)PA612
ヘキサメチレンジアミンとドデカンジカルボン酸との塩の80重量%水溶液1250gに、ドデカンジカルボン酸5gを添加し、得られた混合物を、窒素置換したオートクレーブ中で、加圧(17.5kgf/cm(1.7×10Pa))下、加熱(220℃)し、4時間かけて、窒素ガスと共に系内の水分を系外に排出した。その後1時間を要して徐々に275℃まで昇温し、残りの水分を系外に排除した後、オートクレーブの内圧を常圧に戻した。冷却後、アミノ基濃度4mmol/kg及びカルボキシル基濃度35mmol/kgを有するポリアミド612(A3)を得た。
(A4)PA612
実施例1と同様に操作を行い、アミノ基濃度97mmol/kg及びカルボキシル基濃度27mmol/kgを有するポリアミド612(A4)を得た。
(A5)ポリアミドエラストマーPAE
実施例2の調製(2)と同様に操作を行い、アミノ基濃度4mmol/kg及びカルボキシル基濃度50mmol/kgを有するポリアミドエラストマー(A5)を得た。
(A6)PA6
ε−カプロラクタム1000g及びヘキサメチレンジアミン100gを、少量のリン酸の存在下、窒素置換したオートクレーブ中で270〜280℃に加熱し、5時間かけて、窒素ガスと共に系内の水分を系外に排出した。その後、冷却し、アミノ基濃度103mmol/kg及びカルボキシル基濃度45mmol/kgを有するポリアミド6(A6)を得た。
(A7)脂環族ポリアミド
モノマー成分として、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン及びドデカンジカルボン酸を用い、ドデカンジカルボン酸を添加しない以外は、前記(A3)の場合と同様にして、アミノ基濃度42mmol/kg及びカルボキシル基濃度78mmol/kgを有する脂環族ポリアミド(A7)を調製した。
(OL)ポリアミドオリゴマー
実施例2の(1)と同様に操作を行い、数平均分子量約5700、アミノ基含有量が342mmol/kg、カルボキシル基含有量が0mmol/kgのポリアミドオリゴマー(OL)を調製した。
(ポリアミドブレンド)
表1に示す成分(上記で得られたポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー及びポリアミドオリゴマー)を表1に示す混合比(重量比)で用いて、2軸押出機により混練し、アミノ基濃度の異なる試料樹脂(ポリアミド樹脂ブレンド)を調製した。
(2)複合成形体の作製及び剥離試験
表1に示すポリアミド系樹脂(PA)と、熱可塑性ポリウレタンエラストマーTPU(BASF(株)製,S95)とを用いて複合成形体を形成し、20mm幅に切り出して、アルミホイルで複合成形体の端部を剥離させ、剥離したPA部材(層)及びTPU部材(層)の端部を掴み代として剥離試験を行った。
なお、前記複合成形体は、ポリアミド系樹脂で形成した成形体(射出成形により形成した100mm角、厚み2mmの平板)の一辺を含む約1/4面積をアルミホイルで覆い、この樹脂部材を100mm角、深さ4mmの平板金型内に収容し、金型内にTPUを射出成形することにより形成した。TPUの射出成形は、シリンダー温度205℃及び金型温度60℃の条件で行った。
結果を表1に示す。
Figure 0005129831
なお、ポリアミド系樹脂で形成した前記樹脂部材に代えて、上記TPUで形成した成形体(樹脂部材)を用い、射出成形用のTPUに代えて、ポリアミド系樹脂A3/A4(75/25)、A3/A4(50/50)、又はA4を用いて射出成形する以外は、上記と同様にして複合成形体を形成した場合、複合成形体の剥離強度は、それぞれ、95N/cm(A3/A4=75/25)、130N/cm(A3/A4=50/50)、150N/cm(A4)であった。
実施例20及び比較例7
ポリアミド系樹脂で形成された樹脂部材に代えて、表2に示す種々の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)で形成された樹脂部材を用い、射出成形用TPUに代えて、実施例5で得られたポリアミド樹脂A1(比較例7)又はA2(実施例20)を用いて射出成形する以外は実施例5と同様にして複合成形体を作製し、剥離試験を行った。結果を表2に示す。なお、表2には、用いたTPUのショアA硬度及びタイプも併せて示した。
Figure 0005129831
実施例21〜25
(1)ベースポリアミド(ポリアミドエラストマー(A8))の調製
ラウリルラクタム800g及びドデカン二酸90gを圧力容器内に添加し、窒素気流下、270℃、20気圧(約2MPa)で3時間撹拌を行った。得られた混合物にポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1300、末端は水酸基)290gを添加し、減圧下、加熱、撹拌を行った。5時間後、アミノ基濃度4mmol/kg及びカルボキシル基濃度50mmol/kgを有するポリアミドエラストマー(A8)を得た。
(2)複合成形体の作製及び剥離試験
ポリアミドエラストマー(A8)及び実施例5〜19の項に記載のポリアミドオリゴマーOLを100/5(重量比)の混合比で用いて、2軸押出機により混練し、末端カルボキシル基濃度40mmol/kg及び末端アミノ基濃度25mmol/kgの試料樹脂(ポリアミド樹脂ブレンド)を調製した。
得られたポリアミド系樹脂(PA)と、表3に示すTPUとを用いて複合成形体を形成し、20mm幅に切り出して、アルミホイルで複合成形体の端部を剥離させ、剥離したPA部材(層)及びTPU部材(層)の端部を掴み代として剥離試験を行った。前記TPUとして、エステル系TPU(BASF(株)製、195−50ET)及びエーテル系TPU(BASF(株)製、ET890−10)を用いた。
なお、前記複合成形体は、TPUで形成した成形体(射出成形により形成した100mm角、厚み2mmの平板)の一辺を含む約1/4面積をアルミホイルで覆い、この樹脂部材を100mm角、深さ4mmの平板金型内に収容し、金型内にPAを射出成形することにより形成した。PAの射出成形は、表3に示す接合温度(シリンダー温度)及び金型温度60℃の条件で行った。
結果を表3に示す。
Figure 0005129831
実施例26〜29
実施例5〜19の項に記載のポリアミドエラストマーPAE(A5)及びポリアミドオリゴマーOLを表4に示す混合比で用いて、2軸押出機により混練し、試料樹脂(ポリアミド樹脂ブレンド)を調製した。得られたポリアミドブレンドの末端カルボキシル基濃度及び末端アミノ基濃度も併せて表4に示す。
得られたポリアミド樹脂ブレンド(PA)と、表4に示すTPUとを用いて複合成形体を形成し、20mm幅に切り出して、アルミホイルで複合成形体の端部を剥離させ、剥離したPA部材(層)及びTPU部材(層)の端部を掴み代として剥離試験を行った。
なお、前記複合成形体は、TPUで形成した成形体(射出成形により形成した100mm角、厚み2mmの平板)の一辺を含む約1/4面積をアルミホイルで覆い、この樹脂部材を100mm角、深さ4mmの平板金型内に収容し、金型内にPAを射出成形することにより形成した。PAの射出成形は、接合温度(シリンダー温度)250℃及び金型温度60℃の条件で行った。前記TPUとして、エステル系TPU(BASF(株)製、195−50ET)及びエーテル系TPU(BASF(株)製、ET890−10)を用いた。
結果を表4に示す。
Figure 0005129831
実施例30〜35
(1)ベースポリアミド(ポリアミドエラストマー(A9))の調製
ラウリルラクタム800g及びドデカン二酸90gを圧力容器内に添加し、窒素気流下、270℃、20気圧(約2MPa)で3時間撹拌を行った。得られた混合物にポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1300、末端は水酸基)320gを添加し、減圧下、加熱、撹拌を5時間行った。反応終了後、減圧を解除して、さらにオクタメチレンジアミン60gを添加し、常圧下、270℃で1時間撹拌を行った。次いで、得られた生成物を徐々に冷却し、末端アミノ基を有するポリアミドエラストマー(末端カルボキシル基濃度12mmol/kg及び末端アミノ基濃度42mmol/kg)(A9)を得た。
(2)複合成形体の作製及び剥離試験
ポリアミドエラストマー(A9)単独、又はポリアミドエラストマー(A9)、実施例2で得られたポリアミドエラストマーPAE及び実施例5〜19の項に記載のポリアミドオリゴマーOLをPAE/A9/OL=10/80/10(重量比)の混合比で用いて、2軸押出機により混練し、試料樹脂を調製した。なお、ポリアミドエラストマーPAE及び(A9)並びにポリアミドオリゴマーOLで構成されたポリアミド樹脂ブレンドは、末端カルボキシル基濃度33mmol/kg及び末端アミノ基濃度46mmol/kgを有していた。
得られた試料樹脂(PA)と、表5に示すTPUとを用いて複合成形体を形成し、20mm幅に切り出して、アルミホイルで複合成形体の端部を剥離させ、剥離したPA部材(層)及びTPU部材(層)の端部を掴み代として剥離試験を行った。
なお、実施例30、31、34及び35において、前記複合成形体は、TPUで形成した成形体(射出成形により形成した100mm角、厚み2mmの平板)の一辺を含む約1/4面積をアルミホイルで覆い、この樹脂部材を100mm角、深さ4mmの平板金型内に収容し、金型内にPAを射出成形することにより形成した。PAの射出成形は、接合温度(シリンダー温度)250℃及び金型温度60℃の条件で行った。
また、実施例32及び33では、TPUで形成された成形体に代えて、PAで形成された成形体を用い、射出成形用PAに代えて、TPUを用いて射出成形する以外は上記と同様にして複合成形体を作製し、剥離試験を行った。
なお、前記TPUとして、エステル系TPU(BASF(株)製、ET195)及びエーテル系TPU(BASF(株)製、ET890)を用いた。
結果を表5に示す。
Figure 0005129831
実施例36〜40
(1)ベースポリアミド(ポリアミドエラストマー(A10)〜(A12))の調製
ドデカン二酸(DDA)及びポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)の使用量を、表6に示す割合で使用する以外は、前記ポリアミドエラストマー(A5)と同様に操作を行い、アミノ基濃度4mmol/kgを有するポリアミドエラストマー(A10)〜(A12)を調製した。表6には得られたポリアミドエラストマーのポリエーテルセグメントの含有量(重量%)も併せて示す。
Figure 0005129831
(2)試料樹脂の調製
ポリアミドエラストマー90重量部と、実施例8で用いたポリアミドオリゴマー(OL)10重量部とを、2軸押出機により混練し、試料樹脂を調製した(実施例36〜39)。なお、ポリアミドエラストマーとポリアミドオリゴマー(OL)とで構成されたポリアミド樹脂ブレンドは、アミノ基濃度38mmol/kgを有していた。
また、前記ポリアミド(A1)及び(A2)とを50/50(重量比)の混合割合で用いて2軸押出機により混練し、試料樹脂を調製した(実施例40)。
(3)剥離試験
得られた試料樹脂(PA)と、ポリエーテル系TPU(BASF社製,ET890−10)又はポリエステル系TPU(BASF社製,195−50ET)とを用いて複合成形体を形成し、20mm幅に切り出して、アルミホイルで複合成形体の端部を剥離させ、剥離したPA部材(層)及びTPU部材(層)の端部を掴み代として剥離試験を行った。
なお、前記複合成形体は、TPUで形成した成形体(射出成形により形成した100mm角、厚み2mmの平板)の一辺を含む約1/4面積をアルミホイルで覆い、この樹脂部材を100mm角、深さ4mmの平板金型内に収容し、金型内にPAを射出成形することにより形成した。PAの射出成形は、接合温度(シリンダー温度)250℃及び金型温度60℃の条件で行った。
結果を表7に示す。また、表7には、ポリアミドエラストマー、又はポリアミド中のポリエーテルセグメントの含有量(重量%)及びポリアミドエラストマー又はポリアミドの融点も伴せて示した。
Figure 0005129831
実施例41(反りの測定)
ポリエーテル系TPU(BASF社製,ET890−10)を用いて射出成形により、100mm角、厚み2mmの平板を作製した。次いで100mm角、深さ4mmの平板金型に前記TPU平板を収納し、金型内に表8に示すPA(ポリアミドエラストマー又はポリアミド)を射出成形することにより複合成形体を作製した。なお、PAの射出成形は、金型温度60℃、射出したPAの樹脂温度250℃の条件で行った。
得られた複合成形体を20mm幅に切り出して測定用の試料を作製した。得られた試料は、PA層が収縮し、TPU層が伸長して長手方向に反っていた。試料の長手方向の一方の端部のTPU層を定盤に固定し、他方の端部の下縁と前記定盤との垂直距離を反りの程度として測定した。
結果を表8に示す。表8には、ポリアミドエラストマー又はポリアミド中のポリエーテルセグメントの含有量及び到達結晶化度も併せて記載した。なお、到達結晶化度は、前述の方法により測定した。
Figure 0005129831
本発明の複合成形体は、各種工業部品、例えば、自動車用部品(インストルメントパネル、センターパネル、センターコンソールボックス、ドアトリム、ピラー、アシストグリップ、ハンドル、エアバッグカバーなどの自動車内装部品;モール、バンパー等の自動車外装部品;ラックアンドピニオンブーツ、サスペンションブーツ、等速ジョイントブーツなどの自動車機能部品など)、家電用部品(掃除機バンパー、リモコンスイッチ、OA(オフィスオートメーション)機器のキートップなど)、水中使用製品(水中眼鏡、水中カメラカバーなど)、工業用部品(カバー部品;密閉性、防水性、防音性、防振性等を目的とした各種パッキン付き工業用部品;工業用ゴムローラー類など)、電気・電子用部品(カールコード電線被覆、ベルト、ホース、チューブ、消音ギアなど)、スポーツ用品、靴用部品(運動靴、靴底など)、意匠性や装飾性を要する部品(例えば、サングラス、メガネなど)などに使用できる。
これらのうち、前記複合成形体は、特に靴又はロール(ゴムローラーなど)の構成部材などに適している。靴の構成部材としては、靴底(ソール)、靴アッパーなどの靴部品などが挙げられ、また、複合成形体で、運動靴、作業用靴(長靴、雨靴、ガーデニング用シューズなど)などを形成してもよい。このような靴用途では、従来困難であった硬質又はガラス繊維で強化されたポリアミド系樹脂と軟質のポリウレタン系樹脂との組合せも容易となるため、例えば、異なるグレードの素材を用いて何重にも複合化することなども可能となり、靴のデザイン性や機能性の向上に大きく寄与できる。
また、ロール(ゴムローラーなど)用途では、例えば、少なくとも表面層がポリアミド系樹脂で構成された軸(シャフト)と、この軸の周面に形成された熱可塑性ポリウレタン系樹脂層とで構成してもよい。軸は、金属シャフトの表面にポリアミド系樹脂層が形成されていてもよく、ポリアミド系樹脂で構成された軸であってもよい。このようなローラー用途では、シャフト精度を得るための切削仕上げ及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂の表面仕上げを同一の研磨機により一工程で仕上げることができるため、ローラーの製造工程を大幅に短縮でき、コストを飛躍的に削減することができる。また、このようなローラーは、化学的に接合されているため、接合力が高く、軸とロールとのずれがほとんどないため、高いトルクでの使用にも耐えることができる。

Claims (13)

  1. ポリアミド系樹脂で構成された樹脂部材(Ia)と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂部材(IIa)とが直接接合した複合成形体であって、前記ポリアミド系樹脂が、10mmol/kg以上のアミノ基を有し、かつ下記の(A)又は(B)であり、熱可塑性ポリウレタン系樹脂が、熱可塑性ポリウレタンエラストマーで構成されている複合成形体。
    (A)(Ib−1)数平均分子量8000〜50000を有する単一のポリアミド系樹脂としてのポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体、又は(Ib−2)数平均分子量8000〜50000を有し、アミノ基含有量が異なる複数のポリアミド系樹脂の混合物であって、少なくともポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体で構成されたポリアミド系樹脂の混合物であり、20mmol/kg以上のアミノ基を有するポリアミド系樹脂
    (B)(Ib−3)数平均分子量8000〜50000のポリアミド系樹脂と、アミノ基を有する化合物として、数平均分子量1000〜7000のポリアミドオリゴマーとを含む樹脂組成物であって、10mmol/kg以上のアミノ基を有するポリアミド系樹脂
  2. (B)において、樹脂部材(Ia)を構成するポリアミド系樹脂が、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂及びポリアミドブロック共重合体から選択された少なくとも一種である請求項1記載の複合成形体。
  3. 樹脂組成物(Ib−3)において、アミノ基を有する化合物の割合が、ベースとなるポリアミド系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部である請求項1記載の複合成形体。
  4. 熱可塑性ポリウレタン系樹脂が、ポリエーテルウレタンエラストマー、ポリエステルエーテルウレタンエラストマー、及びポリカーボネートウレタンエラストマーから選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載の複合成形体。
  5. ポリアミド系樹脂が、末端アミノ基を有しており、熱可塑性ポリウレタン系樹脂が、ポリエステルウレタンエラストマーで構成されている請求項1記載の複合成形体。
  6. (B)において、樹脂部材(Ia)を構成するポリアミド系樹脂が、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂及び芳香族ポリアミド系樹脂から選択された少なくとも一種で構成されており、熱可塑性ポリウレタン系樹脂が、ポリエーテルウレタンエラストマー、ポリエステルエーテルウレタンエラストマー、及びポリカーボネートウレタンエラストマーから選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載の複合成形体。
  7. (B)において、樹脂部材(Ia)を構成するポリアミド系樹脂が、少なくともポリアミドブロック共重合体で構成されており、熱可塑性ポリウレタン系樹脂が、ポリエーテルウレタンエラストマー、ポリエステルウレタンエラストマー、ポリエステルエーテルウレタンエラストマー、及びポリカーボネートウレタンエラストマーから選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載の複合成形体。
  8. ポリアミドブロック共重合体が、分子中にポリエーテルセグメント、ポリエステルセグメント、及びポリカーボネートセグメントから選択された少なくとも一種を有するポリアミドエラストマーである請求項7記載の複合成形体。
  9. 請求項1記載のポリアミド系樹脂で構成された樹脂(Ib)及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂(IIb)のうち少なくとも一方を加熱して、他方と接合させ、請求項1記載の複合成形体を製造する方法。
  10. 熱可塑性ポリウレタン系樹脂を加熱溶融し、溶融状態の熱可塑性ポリウレタン系樹脂と、ポリアミド系樹脂で構成された樹脂部材の少なくとも一部とを接触させて接合させる請求項9記載の製造方法。
  11. ポリアミド系樹脂を加熱溶融し、溶融状態のポリアミド系樹脂と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂部材の少なくとも一部とを接触させて接合させる請求項9記載の製造方法。
  12. ポリアミド系樹脂及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂をそれぞれ加熱溶融し、溶融状態のポリアミド系樹脂と溶融状態の熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを接触させて接合させる請求項9記載の製造方法。
  13. 熱成形、射出成形、押出成形及びブロー成形から選択された成形方法によりポリアミド系樹脂と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを成形過程で接合させる請求項9記載の製造方法。
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