JP5129249B2 - ハイブリッド型熱処理機及びその方法 - Google Patents

ハイブリッド型熱処理機及びその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5129249B2
JP5129249B2 JP2009520511A JP2009520511A JP5129249B2 JP 5129249 B2 JP5129249 B2 JP 5129249B2 JP 2009520511 A JP2009520511 A JP 2009520511A JP 2009520511 A JP2009520511 A JP 2009520511A JP 5129249 B2 JP5129249 B2 JP 5129249B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
workpiece
hot air
far
temperature
heat treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009520511A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008156110A1 (ja
Inventor
一 新田
良二 尾崎
滋 伊藤
▲あきら▼ 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Neturen Co Ltd
Original Assignee
Neturen Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Neturen Co Ltd filed Critical Neturen Co Ltd
Priority to JP2009520511A priority Critical patent/JP5129249B2/ja
Publication of JPWO2008156110A1 publication Critical patent/JPWO2008156110A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5129249B2 publication Critical patent/JP5129249B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27BFURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS IN GENERAL; OPEN SINTERING OR LIKE APPARATUS
    • F27B9/00Furnaces through which the charge is moved mechanically, e.g. of tunnel type; Similar furnaces in which the charge moves by gravity
    • F27B9/06Furnaces through which the charge is moved mechanically, e.g. of tunnel type; Similar furnaces in which the charge moves by gravity heated without contact between combustion gases and charge; electrically heated
    • F27B9/10Furnaces through which the charge is moved mechanically, e.g. of tunnel type; Similar furnaces in which the charge moves by gravity heated without contact between combustion gases and charge; electrically heated heated by hot air or gas
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/18Hardening; Quenching with or without subsequent tempering
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/26Methods of annealing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/34Methods of heating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/74Methods of treatment in inert gas, controlled atmosphere, vacuum or pulverulent material
    • C21D1/767Methods of treatment in inert gas, controlled atmosphere, vacuum or pulverulent material with forced gas circulation; Reheating thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/0056Furnaces through which the charge is moved in a horizontal straight path
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27BFURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS IN GENERAL; OPEN SINTERING OR LIKE APPARATUS
    • F27B9/00Furnaces through which the charge is moved mechanically, e.g. of tunnel type; Similar furnaces in which the charge moves by gravity
    • F27B9/30Details, accessories, or equipment peculiar to furnaces of these types
    • F27B9/36Arrangements of heating devices

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Tunnel Furnaces (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)

Description

本発明は、金属材料のワークピースを焼戻し処理するためのハイブリッド型焼戻し用熱処理機及びその方法に関する。
熱処理機は、ワークピースを加熱するために種々の加熱媒体を使用している。具体的には、加熱媒体として温風を使用する焼戻し炉(例えば、特開平8-199232号公報)、加熱媒体として遠赤外線を使用する乾燥装置(特許第3735769号明細書)及び加熱媒体としてホットプレート及び熱風を使用する熱処理装置等が知られている。更には、上述の加熱媒体によらず、ワークピースを誘導加熱によっても加熱する誘導加熱装置も知られている。
上述の焼戻し炉は、ワークピースが所定の温度に均一に昇温するのに長時間を要する。また、焼戻し炉はバッチ式にて、ワークピースの吹き戻し処理を行うので、多量なワークピースの焼戻しに適していない。
上述の乾燥装置や誘導加熱装置は、ワークピースの急速な昇温に優れているものの、ワークピースの温度を一定に維持するのが困難であり、所定の保温時間を要求する焼戻し処理に好適しない。
更に、ホットプレートを使用する熱処理装置の場合には、加熱すべきワークピースの形状や大きさがホットプレートに制約されるばかりでなく、ワークピースの加熱処理は前述の焼戻し炉と同様にバッチ式にならざるを得ない。
本発明の目的は、金属材料からなるワークピースの昇温を急速に行えるばかりでなく、昇温後のワークピースの保温に容易に行うことができ、しかも、ワークピースの多量処理に好適したハイブリッド型熱処理機及びその方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明のハイブリッド型熱処理機は、熱処理されるべき金属のワークピースを搬送する搬送経路と、この搬送経路に配置され、ワークピースを所定の目標温度まで昇温させるための昇温ゾーンであって、ワークピースに遠赤外線を照射する遠赤外線照射装置を含む、昇温ゾーンと、搬送経路に配置され、昇温されたワークピースを目標温度に維持する保温ゾーンであって、ワークピースに外気温よりも高い温度の温風を吹付ける第1温風吹出し装置を含む、保温ゾーンとを備え、昇温ゾーンは、保温ゾー ンの上流に隣接して配置されている一方、ワークピースに外気温よりも高い温度の温風を 吹付ける第2温風吹出し装置を更に含み、この第2温風吹出し装置及び遠赤外線照射装置 は、互いに前記搬送経路を挟んで配置されている
上述のハイブリッド型熱処理機によれば、ワークピースは昇温ゾーン内を搬送されるとき、遠赤外線照射装置からの遠赤外線の照射及び第2温風吹出し装置からの温風の吹き付 を受け、目標温度に向けて急速に加熱される。それ故、ワークピースの温度が目標温度に到達するのに要する時間は大幅に短縮される。
この後、目標温度に昇温されたワークピースは昇温ゾーンから保温ゾーン内に搬送される。保温ゾーン内にて、ワークピースには第1温風吹出し装置からの温風の吹付けを受ける。このような温風の吹付けはワークピースの温度低下を直接的に防止し、また、温風は保温ゾーン内の温度を目標温度の近傍に良好に維持するのに役立つ。それ故、保温ゾーン内にて、ワークピースの温度は目標温度に容易に保持される。
更に、ワークピースの昇温及び保温は、ワークピースが搬送経路に沿って搬送される過程にて連続的に実施されるので、本発明の熱処理機は多量なワークピースの熱処理に好適する。
具体的には、ワークピースは、搬送経路に沿う複数の列を形成した状態で搬送される。この場合、遠赤外線照射装置は、ワークピースの列の上方に配置された遠赤外線ヒータを含み、この遠赤外線ヒータはワークピースに向けて斜めに遠赤外線を照射する。好ましくは、遠赤外線ヒータは、ワークピースの搬送方向に沿って延びる遠赤外線の照射面を有し、この照射面とこの照射面から下方に延びる鉛直線とがなす傾斜角は15°〜75°の範囲から選択されている。更に、熱処理機は、ワークピースの過熱を防止する過熱防止システムを更に備えることができる。
本発明の熱処理機は、昇温ゾーン及び保温ゾーンを形成するための炉を含んでおり、この場合、第1温風吹出し装置は、遠赤外線ヒータからの遠赤外線の照射方向とは逆向きの方向からワークピースに温風を吹付ける。
また、第1及び第2温風吹出し装置は、可燃ガスを燃焼させた燃焼ガスを温風として発生させる燃焼室と、この燃焼室からの温風を前記保温ゾーン及び昇温ゾーンを経て燃焼室に導く温風循環経路とを含むことができる。この場合、第1及び第2温風吹出し装置は、温風循環経路に配置され、ワークピースに向けて温風を吹出す温風吹出しダクトと、この温風吹出しダクトよりも下流にて温風循環経路に配置され、ワークピースを通過した温風を吸い込む温風吸込みダクトとを有する。
更に、昇温ゾーン及び保温ゾーンのそれぞれの温風吹出し装置は、昇温ゾーンから保温ゾーンに亘って延びる共通の温風吹出しダクトを有するのが望ましい。
更にまた、本発明はハイブリッド型熱処理方法をも提供し、この方法は、熱処理される べき金属のワークピースを搬送経路に沿って搬送する過程にて、搬送経路上のワークピー スに搬送経路を挟む両側のうちの一方の側から遠赤外線を照射する一方、搬送経路の他方 の側から外気温よりも高い温度の温風を吹き付け、ワークピースを所定の目標温度まで昇 温させる昇温工程と、この後、昇温されたワークピースに外気温よりも高い温度の温風を 更に吹き付け、ワークピースを目標温度に維持する保温工程とを備えている。
本発明のより具体的な構造や、これら構造から導き出される本発明の利点は、後述の説明から明らかになる。
本発明のハイブリッド型熱処理機を概略的に示した図である。 図1の遠赤外線照射装置の詳細を示す図である。 参考例としての熱処理機を示す概略図である。 図1の熱処理機を具体化した一実施例の熱処理機を示す縦断面図である。 図4の炉の内部を示した上方から示した図である。 図4の遠赤外線ヒータの配置を遠赤外線ヒータの上方から示した図である。 図4の遠赤外線ヒータの配置をワークピースの搬送方向から示した図である。 ワークピースのための座の変形例を示した図である。 図4の炉の内部を示した横断面図である。 図4の保温ゾーンをワークピースの搬送方向からみた図である。 図4の炉内でのワークピースの昇温過程及び保温辞状態を示したグラフである。 遠赤外線ヒータの水平配置を示す図である。 遠赤外線ヒータの1つの傾斜配置を示す図である。 遠赤外線ヒータの1つの傾斜配置を示す図である。 遠赤外線ヒータの1つの傾斜配置を示す図である。 ワークピースの昇温速度が遠赤外線ヒータの配置により異なることを示すグラフである。 ワークピースのための座の変形例を示した図である。 図18の回転トレイの回転装置を概略的に示した図である。 ワークピースのための座の他の変形例を示した平面図である。 図19中、A−A線に沿う断面図である。 過熱防止システムを示したブロック線図である。 図21の傾斜角調整装置の概略図である。 図21の電源スイッチの配置を示した図である。 図21の温風停止装置及び冷風供給装置を具体的に示した図である。 図21の昇降装置の概略図である。
図1は、本発明におけるハイブリッド型焼戻し用熱処理機1の概略を示し、この熱処理機1は焼入炉と冷却装置との間に配置されている。熱処理機1は、焼戻し処理すべきワークピースWのための搬送経路3を備え、この搬送経路3は熱処理機1を水平方向に貫通して延びている。具体的には、搬送経路3はベルトコンベアを含み、このベルトコンベアは無端状のメッシュベルト5を有する。このメッシュベルト5はワークピースWを受取り可能な多数の座7を有し、これらの座7はメッシュベルト5の走行方向に所定の間隔を存して配置され、メッシュベルト5の走行方向に延びる座列を形成している。
図1に示されているワークピースWは金属材料のディスク形状をなし、その両面中央にボスをそれぞれ有する。更に、ワークピースWはその中央にセンタボアを有し、このセンタボアはワークピースの両方のボスを貫通している。なお、センタボアはワークピースWにとって必要不可欠ではなく、ワークピースWは中実であってもよい。
上述のワークピースWの場合、個々の座7はメッシュベルト5に形成された円形の開口により提供されており、開口は、ワークピースWの外径よりも小さく各ボスの外径よりも大きな外径を有する。
焼入炉にて焼入処理されたワークピースWは、熱処理機1の外側にてメッシュベルト5の座7にその向きのボスを差し込んで状態で受け取られる。この後、メッシュベルト5上のワークピースWはメッシュベルト5の走行により、メッシュベルト5とともに熱処理機1内を通過する。
より詳しくは、熱処理機1内は、急速昇温ゾーンと保温ゾーンとに区分されており、急速昇温ゾーンは熱処理機1の入口に隣接して配置され、そして、保温ゾーンは急速昇温ゾーンから熱処理機1の出口に亘って延びている。即ち、急速昇温ゾーン及び保温ゾーンはメッシュベル5の走行方向に互いに隣接して配置されている。
急速昇温ゾーンには複数の遠赤外線照射装置9が配置されている。これら遠赤外線照射装置9はメッシュベルト5の上方に位置付けられ、メッシュベルト5の走行方向に互いに離間している。より詳しくは、図2に示されるように各遠赤外線照射装置9は2つの遠赤外線ヒータ11を含み、これら遠赤外線ヒータ11は、メッシュベルト5の走行方向でみて、ワークピースWの両側に位置すべく配置されている。また、各遠赤外線ヒータ11はワークピースWに向けられた遠赤外線照射面11aを有し、この照射面11aはワークピースWの上向きのボスに向けて遠赤外線を照射すべく、ワークピースWの軸線(メッシュベルト5の法線)に対し、所定の角度を存して傾斜している。
具体的には、遠赤外線ヒータ11は波長5.1μm〜3.8μmの遠赤外線を照射し、この場合、遠赤外線照射面11aの温度は約280℃〜約485℃に達する。そして、遠赤外線照射面11aは、85mm(メッシュベルト5の幅方向)×400mm(メッシュベルト5の走行方向)の照射面積を有する。また、メッシュベルト5と赤外線ヒータ11との間の高さHhは150mm〜200mmの範囲から選択されている。なお、ワークピースWは160mmの直径Dと、その軸線方向に関して100mmの高さHwを有する。
また、急速昇温ゾーンは温風吹出し器13を更に備えており、この温風吹出し器13は、前述した搬送経路3の下方、即ち、メッシュベルト5内に配置されている。温風吹出し装置13は温風吹出しダクト15を含み、この温風吹出しダクト5はメッシュベルト5の走行方向に沿い、急速昇温ゾーンのほほ全域に亘って延びている。温風吹出しダクト15はその上面に複数の温風吹出し口17を有し、これら温風吹出し口17はメッシュベルト5の走行方向に間隔を存して配置されている。温風吹出しダクト15はその温風吹出し口17からメッシュベルト5上のワークピースW、即ち、その下向きのボスに向けて温風を吹出し可能である。ここで、温風の吹出し速度は5m/s〜10m/sの範囲内にあり、吹出された温風はワークピースWのセンタボアやメッシュベルトを通過して上方に流れる。
一方、保温ゾーンは、搬送経路3の下方、即ち、メッシュベルト5内に温風吹出し器19を備えている。この温風吹出し器19もまた温風吹出しダクト21を含み、この温風吹出しダクト21はメッシュベルト5の走行方向に沿い、保温ゾーンの全域に亘って延びている。温風吹出しダクト21はその上面に複数の温風吹出し口23を有し、これら温風吹出し口23はメッシュベルト5の走行方向に間隔を存して配置されている。温風吹出しダクト21は、前述した温風吹出しダクト15での場合と同様にその温風吹出し口23からメッシュベルト5上のワークピースW、即ち、その下向きのボスに向けて温風を吹出し可能である。ここでも、温風吹出しダクト21から吹出された温風は、ワークピースWのセンタボアやメッシュベルト5を通過して上方に流れる。
更に、保温ゾーンは搬送経路3の上方に温風吸込み器25を更に備えており、この温風吸込み器25は温風吸込みダクト27を含む。図1から明らかなように、温風吸込みダクト27は温風吹出しダクト21に対向するように配置され、その下面に複数の温風吸込み口29を有し、これら温風吸込み口29はメッシュベルト5の走行方向に間隔を存して配置されている。
具体的には、前述した温風吹出しダクト15,21には、例えば急速昇降ゾーン内の空気、即ち、遠赤外線照射装置9により加熱された空気が温風として供給され、この温風をメッシュベルト5上のワークピースWに向けて吹出すことができる。このため、図1に示されているように、急速昇温ゾーンには温風排出口31が備えられている。この温風排出口31からは温風供給管路33が延び、この温風供給管路33は分岐点にて2つに分岐し、温風吹出しダクト15,21にそれぞれ接続されている。そして、温風供給管路33には分岐点の上流に送風機35が配置されている。この送風機35は温風排出口31を通じて急速昇温ゾーン内の温風を吸込み、吸い込んだ温風を温風吹出しダクト15,21に温風供給管路33を通じて供給する。
一方、温風吸込みダクト27には排気ファン37が接続されており、この排気ファン37は、保温ゾーン内の空気、即ち、温風を温風吸込みダクト27内に温風吸い込み口29を通じて吸込み、吸い込んだ温風を熱処理機1の外部に排出する。なお、温風吸込みダクト27内に吸い込まれる温風には、温風吹出しダクト21から吹出される温風のみならず、温風吹出しダクト15から吹出される温風をも含まれる。
上述の熱処理機1を用いた熱処理方法について説明すれば、急速昇温ゾーン内に進入したワークピースWは、遠赤外線照射装置9からの遠赤外線の照射を受ける一方、温風吹出しダクト15の温風吹出し口17からの温風の吹付けを受ける。それ故、ワークピースWは上下から遠赤外線及び温風により加熱されるので、急速昇温ゾーン内にて所定の焼戻し温度(例えば、160℃)まで急速に昇温される。
この後、ワークピースWは急速昇温ゾーンから保温ゾーン内に進入する。この保温ゾーン内では、温風吹出しダクト21の温風吹出し口23から吹出された温風が温風吸込みダクト27に向け、メッシュベルト5を通過して上方に流れ、そして、温風吸込みダクト27の温風吸込み口29を通じて温風吸込みダクト27内に吸い込まれる。即ち、保温ゾーン内にはメッシュベルト5を通過する温風の上昇流が常時発生しており、保温ゾーン内の温度は一定に維持されている。
それ故、保温ゾーン内に進入したワークピースWは一定温度の温風雰囲気に取り囲まれ、前述した焼戻し温度に高精度に保持可能となる。この後、ワークピースWは保温ゾーン内にて所定の期間、即ち、焼戻し時間(例えば、約15分から約20分)だけ留まり、そして、保温ゾーンから熱処理機1の出口を通じて熱処理機1の外に送出される。
急速昇温ゾーン内にて、ワークピースWを所望の焼戻し温度に急速に昇温させ、また、保温ゾーン内にて、ワークピースWの温度をその焼戻し温度に保持するために、前述した遠赤外線照射装置9の遠赤外線照射量や、送風機35及び排気ファン37の駆動が適切に制御されることは言うまでもない。なお、前述した焼戻し時間はメッシュベルト5の走行速度により決定される。
なお、熱処理機1から送出されたワークピースWは冷却装置に供給され、この冷却装置にて室温まで冷却される。
図1の熱処理機1はメッシュベルト5の走行方向に隣接した急速昇温ゾーン及び保温ゾーンを有するが、参考例として急速昇温ゾーン及び保温ゾーンを共通ゾーンに纏めたもの を図3に示す
即ち、図3の熱処理機1は、1つの急速昇温/保温ゾーンのみを備えている。この急速昇温/保温ゾーンは、メッシュベルト5の下方に配置された温風吹出しダクト37を含み、この温風吹出しダクト37は複数の温風吹出し口39を有し、前述した温風吹出しダクト15,21の機能を発揮する。
一方、急速昇温/保温ゾーンは、メッシュベルト5の上方に配置された複数の遠赤外線照射装置9及び温風吸込みダクト27を含み、温風吸込みダクト27の温風吸込み口29は、遠赤外線照射装置9間にそれぞれ位置付けられている。
図3の熱処理機1の場合、急速昇温/保温ゾーン内にワークピースWが配置されたとき、遠赤外線照射装置9、温風吹出しダクト37及び温風吸込みダクト27が共に機能し、ワークピースWを焼戻し温度まで急速に昇温させる。この後、遠赤外線照射装置9の作動は停止され、ワークピースWは温風吹出しダクト37及び温風吸込みダクト27の働きにより、焼戻し温度にて、焼戻し時間だけ保持される。
図4及び図5は、図1の熱処理機1を具体化した一実施例のハイブリッド型の連続焼戻し用熱処理機2を示す。この熱処理機2は熱処理ラインに配置されている。この熱処理ラインには熱処理機2の上流に焼入炉が配置され、一方、熱処理機2の下流に冷却装置としての冷却・防錆装置4、バッファコンベア及び箱詰め機が順次配置されている。このような熱処理ラインは、ワークピースに対する焼入、焼戻し、冷却・防錆及び箱詰めの一連の処理を連続して行う。なお、図4及び図5中、焼入炉、バッファコンベア及び箱詰め機の具体的な図示は省略されている。
熱処理機2は炉10を含み、この炉10は複数の脚12を介して支持されている。炉10は水平方向に延び、その両端に入口14及び出口16をそれぞれ有する。これら入口14及び出口16はシャッタ18をそれぞれ備えており、これらシャッタ18は入口14及び出口16を開閉可能である。
炉10内には前述の搬送経路3としてのコンベア20が水平に配置され、このコンベア20は入口14から出口16まで延びている。より具体的には、コンベア20は、入口14及び出口16を通じて炉10の外にそれぞれ突出した両端部を有し、これら両端部は入口14及び出口16の底面をそれぞれ形成している。即ち、コンベア20は炉10を貫通して延びている。
入口14側のコンベア20の端部は前述した焼入炉に接続され、この焼入炉から焼入処理されたワークピースWを受け取ることができる。即ち、図5から明らかなように、コンベア20はワークピースWのサイズよりも充分に広い幅を有する。例えば、コンベア20はその幅方向に8個のワークピースWを並べた状態で、これらワークピースWを水平方向に搬送することができる。従って、ワークピースWはワークコンベア20上を8列にして搬送される。
より詳しくは、コンベア20はその両端部にスプロケット軸22a,22bを有し、これらスプロケット軸22は回転自在に支持されている。スプロケット軸22a,22bはそれらの両端に一対ずつのスプロケット24a,24bを有し、これらスプロケット24a,24b間に前述したメッシュベルト5としての無端状の搬送ベルト26が掛け渡されている。この搬送ベルト26はワークピースWのための搬送面を形成する。なお、搬送ベルト26に関しては後述する。
図4から明らかなように、出口16側のスプロケット軸22bはその一端にプーリ32を有し、このプーリ32は無端状の伝動ベルト34を介して駆動プーリ36に接続されている。この駆動プーリ36は駆動モータ38の出力軸に取り付けられている。駆動モータ38は間欠駆動可能であり、炉10の脚12に支持されている。
駆動モータ38が駆動されたとき、出口16側のスプロケット24bは回転し、搬送ベルト26を一方向に走行させる。なお、駆動モータ38の間欠駆動は例えば、タクトスイッチ又はタイマ等により制御される。
図5に示されているように、炉10の内部は入口14側に位置した急速昇温ゾーン40と、出口側16側に位置した保温ゾーン42とに区分されている。また、入口14から突出したコンベア20の端部はワークピースWの投入ゾーン44を形成し、この投入ゾーンにて、ワークピースWはコンベア20上に受け取られる。
図4に示されているように、急速昇温ゾーン40内には前述した遠赤外線照射装置9として、複数の遠赤外線ヒータ46が配置されている。これら遠赤外線ヒータ46は、コンベア20上のワークピースWの各列に対し、一対ずつ割り当てられている。
より詳しくは、図6から明らかなように、ワークピースWの各列のための一対の遠赤外線ヒータ46はプレート形状をなす。これら遠赤外線ヒータ46はワークピースWの列の両側にて対称に位置付けられている。この実施例の場合、図6に示されるように各遠赤外線ヒータ46は、ワークピースWの搬送方向に沿い、急速昇温ゾーン40の全域に亘って延びている。
また、図7から明らかなように、一対の遠赤外線ヒータ46は、前述した遠赤外線ヒータ11の場合と同様に、ワークピースWに対して傾斜して配置されている。即ち、各遠赤外線ヒータ46は遠赤外線の出射面46aを有し、この出射面46aに対する法線と鉛直線との間に所定の傾斜角αが確保されている。
本実施例の場合、ワークピースWがリング形状をなしているために、一対の遠赤外線ヒータ46はワークピースWの列に対して左右対称となるべく、列の両側にそれぞれ配置されている。しかしながら、ワークピースWが左右対称ではない形状を有している場合、一対の遠赤外線ヒータ46は必ずしもワークピースWの列に対して左右対称に配置される必要はない。この場合、一対の遠赤外線ヒータ46は、ワークピースWが受ける遠赤外線の照射量を一様にすべく、ワークピースWの列の両側に配置されていればよい。更には、一対の遠赤外線ヒータ46に加えて、ワークWの各列に補助的な遠赤外線ヒータを割り当てることも可能である。
次に、搬送ベルト26に関して詳述する。
搬送ベルト26は、その両側に配置された一対の無端状チェーンと、これらチェーン間に架け渡された多数のホルダプレート28とから形成されている。より詳しくは、各無端状チェーンは、対応する側のスプロケット24a,24bにそれぞれ噛み合っている。一方、ホルダプレート28はコンベア20の搬送方向に所定間隔で配置され、一対の無端状チェーンに結合された両端を有する。
図5は、コンベア20の両端部に位置するホルダプレート28のみを示し、そして、図7はホルダプレート28の一部を示す。各ホルダプレート28は、ワークピースWのための8個の座28sを有し、これら座28sはホルダプレート28の長手方向、即ち、コンベア20の幅方向に所定の間隔を存して配置されている。それ故、搬送ベルト26は8列の座28sを有する。
各座28sは円形の段付き孔から形成され、ワークピースWを受け取り可能な大径の凹所30aと、この凹所30aの底を貫通する連通孔30bとを含み、この連通孔30bは凹所30aよりも小さく且つワークピースのWの内径よりも大きな径を有する。それ故、ワークピースWはその外周縁が凹所30aの環状の底に受け取られた状態で、座28sに保持されている。
上述した座28sにワークピースWが保持されたとき、座28sはワークピースWの下部、具体的には、その下面の大部分を搬送ベルト26の下方に露出させ、このとき、座28sの連通孔30bはワークピースWのセンタボアに連通する。
なお、ワークピースWがリング形状ではなく、中実の円筒形状をなしている場合、図8に示されるように、座28sは円形の連通孔30bの代わりに矩形の連通孔30cを有することができる。この連通孔30cはホルダプレート28の幅方向に延びる長辺と、ホルダプレート28の長手方向に延びる短辺とを有する。長辺は凹所30aの径よりも長く、短辺は凹所30aの径よりも短い。従って、連通孔30cは凹所30aからはみ出した両端部を有し、これら両端部はホルダプレート28を上下方向に貫通する。連通孔30cもまた前述の連通孔30bと同様に、凹所30aにワークピースWを受け止めるための底を残す。それ故、図8の座28sにワークピースWが保持されたとき、ワークピースWの下面はその大部分が搬送ベルト26の下方に露出する。
一方、図7に示されているように、搬送ベルト26の直下には温風吹出しダクト62が配置され、この温風吹出しダクト62は前述した温風吹出しダクト15,21の機能を発揮する。より詳しくは、温風吹出しダクト62はコンベア20の幅にほぼ等しい幅を有し、急速昇温ゾーン40及び保温ゾーン42の全域に亘ってワークピースWの搬送方向に延びている。
温風吹出しダクト62の上壁には8列のスリット62sが形成されており、これらスリット62sは、前述した座28sの各列に対応して配置され、ワークピースWの搬送方向に延びている。即ち、各スリット62sは上下方向でみて、対応する列の座28sに対して常時対向している。
更に、温風吹出しダクト62の上壁には多数のシャッタプレート64aを備え、これらシャッタプレート64aは急速昇温ゾーン40内に配置され、各スリット62sに2個ずつ割り当てられている。シャッタプレート64aはスリット62sに沿って温風吹出しダクト62の長手方向に延び、そして、温風吹出しダクト62の幅方向に移動可能である。それ故、各スリット62sに割り当てられた2個のシャッタプレート64aは互いに協働して対応するスリット62aの幅を変化させることができる。
上述した温風吹出しダクト62には温風供給系を介して温風が供給され、この温風供給系に関して、以下に説明する。
図4に示されているように温風供給系は燃焼室48を備え、この燃焼室48は炉10の上方に配置されている。燃焼室48は中空円筒状をなし、炉10の軸線方向に延びている。燃焼室48にはガスバーナ50が取り付けられており、このガスバーナ50は炉10の出口16側に位置した燃焼室48の一端に位置付けられている。ガスバーナ50は燃焼室48内に配置されたノズル52を有し、このノズル52には燃料供給管路54及び電動の給気ファン56がそれぞれ接続されている。燃料供給管路54はノズル52に可燃ガスGを供給し、一方、給気ファン56はノズル52に空気を供給する。ガスバーナ50は、燃焼室48内にて可燃ガスGを燃焼させ、この燃焼により燃焼ガスを発生させる。この燃焼スは外気温度よりも高い温度を有する。
一方、燃焼室48の他端には電動の循環ファン58が接続されており、この循環ファン58には温風供給ダクト60が接続されている。図9に示されているように、温風供給ダクト60は循環ファン58から炉10の幅方向に一旦水平に延び、この後、下方に向けて屈曲されている。更に、温風供給ダクト60は炉10の上壁に沿って燃焼室48の一端側に向けて水平に延びた後、更に、下方に向けて屈曲されて炉10の上壁を貫通し、炉10内に延びている。温風供給ダクト60の先端は温風吹出しダクト62の側壁にて、温風吹出しダクト62に接続されている。
図10に示されているように、温風吹出しダクト62の上壁には、前述したシャッタプレート64aと同様なシャッタプレート64bが備えられている。これらシャッタプレート64bは保温ゾーン42内に配置され、シャッタプレート64aとは独立してスリット62sの幅を変化させることができる。
更に、保温ゾーン42の上部には温風吸込みダクト66が配置されている。この温風吸込みダクト66はその下面が開口し、図4から明らかなように炉10の出口16から急速昇温ゾーン40の近傍までコンベア20の搬送方向に延びている。温風吸込みダクト66の上壁には温風戻りダクト68が接続され、この温風戻りダクト68は炉10の上壁を貫通して上方に延び、前述した燃焼室48の一端に接続されている。
循環ファン58が駆動されているとき、燃焼室48内に発生した燃焼ガス、即ち、温風は、温風供給ダクト60を介して温風吹出しダクト62に導かれ、温風吹出しダクト62の各スリット62sを通じて急速昇温ゾーン40及び保温ゾーン42にそれぞれ吹出される。この後、温風は温風吸込みダクト66及び温風戻りダクト68を通じて燃焼室48に戻される。上述した温風供給ダクト60、温風吹出しダクト62、温風吸込みダクト66及び温風戻りダクト68は、燃焼室48と炉10の内部(急速昇温ゾーン40及び保温ゾーン42)との間にて温風を循環させる循環経路を形成する。
炉10の外面には入口14及び出口16の上方を覆うフード70,72がそれぞれ取り付けられており、これらフード70,72は下向きに開口し、排気ダクト74,76を介して電動型の回収ファン78に接続されている。
また、炉10の上壁には排気ダクト80が接続されている。この排気ダクト80は、温風吸込みダクト66と急速昇温ゾーン40との間にて、保温ゾーン42内に接続された下端と、排気ダクト76に接続された上端とを有する。更に、排気ダクト74,76,80の下端部にはダンパ82,84,86がそれぞれ取り付けられており、これらダンパ82,84,86は開閉可能である。
一方、前述した冷却・防錆装置4は、炉10の出口16にて、コンベア20に隣接して配置され、冷却・防錆ゾーンを形成する。冷却・防錆装置4は2つの冷却槽92を含み、これら冷却槽92はフレーム90に支持され、コンベア20の搬送方向に並んで配置されている。各冷却槽92はその内部に複数のシャワーノズル94を有しており、これらシャワーノズル94は冷却槽92内の中央位置、即ち、冷却位置に向けて上方又は下方から防錆油を噴出させることができる。噴出された防錆油は冷却槽92の底に集められ、この底から回収される。なお、図5から明らかなように各シャワーノズル94は、コンベア20の幅方向に沿って冷却槽92内を延び、冷却槽92内の全域をカバーしている。
また、冷却槽92の上方にはトラバーサ96が配置されており、このトラバーサ96は冷却・防錆装置4のフレーム90上を往復動可能である。より詳しくは、トラバーサ96は、昇降可能な移送ヘッド98を含み、この移送ヘッド98はその下端にチャック列を有する。このチャック列の個々のチャックは、炉10の出口16から送出されたコンベア20上の先頭の行に含まれるワークピースWを個々に把持することができる。
更に、前述したバッファコンベアはコンベア20と同一線上に配置され、ワークピースWのためのバッファゾーンを形成し、そして、前述した箱詰め機はバッファコンベアから受け取ったワークピースWを所定の個数ずつ箱に詰め込む。
次に、上述した熱処理機2を使用して実施されるワークピースWの焼戻し処理について説明する。
先ず、焼入炉にて焼入処理されたワークピースWは投入ゾーン44に供給され、投入ゾーン44に位置付けられている同一行の8個の座28aに保持される。この後、コンベア20は間欠的に駆動され、投入ゾーン44上のワークピースWは炉10の入口14を通じて炉10内、即ち、急速昇温ゾーン40内に搬入され、一方、投入ゾーン44上には新たな8個のワークピースWが同様にして供給される。それ故、炉10内にはコンベア20の搬送方向に沿う8列のワークピースWが形成され、これらワークピースWはコンベア20上を連続的に搬送される。
急速昇温ゾーン40内のワークピースWは、ワークピースWの各列に一対ずつ割り当てられた遠赤外線ヒータ46から遠赤外線の照射を受け、目標加熱温度、即ち、その焼戻し温度に向けて急速に加熱される。一対の遠赤外線ヒータ46はワークピースWの両側に配置され、ワークピースWの斜め上方から遠赤外線をワークピースWに向けて照射するので、ワークピースWはその上面のみならず、その両側の周面もまた遠赤外線の照射を受けることができる。しかも、遠赤外線ヒータ46はコンベア20の搬送方向に延びているので、ワークピースWの間欠搬送に拘わらず、急速昇温ゾーン40内のワークピースWは赤外線ヒータ46により効果的に加熱される。
急速昇温ゾーン40内では、温風吹出しダクト62の各スリット62sから上方に向けて温風が吹出されているので、温風は前述した座28sの連通孔30bを通じてワークWの下面に直接に吹付けられ、ワークピースWを加熱する。それ故、遠赤外線ヒータ46からの遠赤外線がワークピースWの下面に照射されなくても、ワークピースWは均一に加熱され、ワークピースWの温度は焼戻し温度に急速に上昇する。
また、吹出された温風は、搬送ベルト26におけるホルダプレート28間を通過し、そして、前述した温風吸込みダクト66に吸い込まれるので、温風がワークピースWの下方に滞留することはない。それ故、ワークピースWの下面には新たな温風が常時吹付けられ、ワークピースWの良好且つ安定した急速加熱が保証される。
なお、ワークピースWがリング形状をなしている場合、温風はワークピースWのセンタボアをも通過するので、ワークピースWは効果的に加熱される。
更に、スリット62sの幅、即ち、スリット62sの開度がシャッタプレート64aにより調整可能であるので、ワークピースWへの温風の吹付け量を容易に調整することができる。それ故、スリット62sの開度はワークピースWの均一且つ急速な加熱に大きく寄与する。
ワークピースWの焼戻し温度が同一である場合、遠赤外線の照射によるワークピースWの加熱は、温風のみによるワークピースWの加熱に比べて、ワークピースWの温度を焼戻し温度に短時間で到達させることができる。そして、本実施例のようにワークピースWの加熱に遠赤外線と温風とが併用されれば、ワークピースWの昇温に要する時間は更に短縮される。
この後、焼戻し温度に昇温されたワークピースWは急速昇温ゾーン40から保温ゾーン42に進入する。この保温ゾーン42内にてワークピースWが間欠的に搬送される間、ワークピースWは温風吹出しダクト62のスリット62sからの温風の吹付けを受ける。それ故、保温ゾーン42内のワークピースWはその全体が温風により補助的に加熱されながら、焼戻し温度に保持される。
保温ゾーン42にあっても、急速昇温ゾーン40での場合と同様に、温風は搬送ベルト26及びワークピースWを通過して流れ、この後、温風吸込みダクト66から温風戻りダクト68を通じて燃焼室48に戻される。それ故、ワークピースWには常時新たな温風が吹付けられるので、ワークピースWの温度は焼戻し温度に安定して保持される。
更に、保温ゾーン42にあっても、温風吹出しダクト62のスリット62sの開度がシャッタプレート64bにより調整可能であるので、ワークピースWへの温風の吹付け量を容易に調整でき、ワークピースWを焼戻し温度に高精度に保持可能となる。
ワークピースWの保温に使用された温風は、温風吸込みダクト66から温風戻りダクト68を通じて燃焼室48内に戻され、ガスバーナ50により再加熱された後、新たな温風としてワークピースWの保温に使用される。燃焼室48内に戻される温風は焼戻し温度に近い温度を有しているので、温風の再加熱に要求されるエネルギは小さい。この結果、温風の生成に要する可燃ガスGの消費量、即ち、熱処理機2のランニングコストが大幅に低減され、熱処理機2は省エネルギ対策に優れたものとなる。
この後、ワークピースWは保温ゾーン42内から出口16を通じて炉10の外に搬出される。
前述の説明から明らかなように、本実施例の熱処理機2は、ワークピースWの昇温及び保温を温風のみで行う従来の装置と比べて、ワークピースWの昇温を急速に行うことができる。それ故、ワークピースWの間欠的な搬送速度が同一であれば、本実施例の熱処理機2は従来装置に比べ、急速昇温ゾーン40の長さを短くできる。この結果、本実施例の熱処理機2の全長は従来装置に比べて短くなるので、その設置に要する面積もまた小さくて済み、省スペース化に大きく寄与する。
図11は、炉10内の温度の分布を示す。図11から明らかなように急速昇温ゾーン40内では、入口14から進むに連れて炉内温度は急激に上昇し、そして、保温ゾーン42内での温度変化は焼戻し温度の10%以内に制御されている。
上述した実施例の場合、炉10は入口14及び出口16のそれぞれに開閉可能なシャッタ18を備えているので、ワークピースWが入口14及び出口16を通過しないとき、シャッタ18は入口14及び出口16を閉じることができる。それ故、入口14及び出口16からの熱損失が効果的に抑制され、炉内温度は効果的に保持される。特に、出口16がシャッタ18により開閉されれば、保温ゾーン42の終端部において、炉内温度が急激に低下されることもなく(図11中の1点鎖線の円内に示されている2点鎖線を参照)、ワークピースWの温度は焼戻し温度により高精度に保持される。
一方、炉10の入口14及び出口16から漏れる温風は、フード70,72、ダンパ82,84を備えた排気ダクト74,76及び回収ファン78を通じて回収可能であるので、熱処理機2の周囲が温風、即ち、燃焼ガスによって汚染されことはない。
また、急速昇温ゾーン40内の温風はダンパ86を備えた排気ダクト80を通じて回収可能であるので、急速昇温ゾーン40内の温度は容易に制御可能である。
炉10の外に搬出されたワークピースWは前述したトラバーサ96の移送ヘッド98に把持され、移送ヘッド98とともにコンベア20上から一方の冷却槽92内に移送され、この冷却槽92内の冷却位置に位置付けられる。この冷却位置にて、シャワーノズル94はワークピースWに向けて防錆油を噴霧し、この防錆油はワークピースWを冷却するのみならず、ワークピースWの防錆のための皮膜を形成する。
この後、冷却処理されたワークピースWはトラバーサ96の移送ヘッド98とともにバッファコンベア上まで移送され、そして、バッファコンベアに受け取られる。バッファコンベア上のワークピースWは箱詰め機に向けて間欠的に移送され、この移送過程にて、ワークピースWに付着した余剰の防錆油はバッファコンベアを通過して垂れ落ち、そして、回収される。この後、ワークピースWはバッファコンベアから箱詰め機に供給される。
次に、前述した遠赤外線ヒータ46の配置がワークピースWの加熱、即ち、その昇温に及ぼす影響について説明する。
図12〜図15は、ワークピースWの1つの列に割り当てられる一対の遠赤外線ヒータ46のうち、一方の遠赤外線ヒータ46を互いに異なる態様で配置した例をそれぞれ示す。
図12〜図15中のワークピースWは中央にセンタボアを有する円筒形状をなし、その高さ及び直径はそれぞれ、100mm、160mmである。また、図12〜図15中の斜線領域は、遠赤外線ヒータ46によるワークピースのWの昇温可能域を表している。
図12の遠赤外線ヒータ46は、ワークピースWに対して平行つまり水平に配置されている。この場合、遠赤外線ヒータ46の遠赤外線の照射域は、ワークピースWの中央からその外周面を超えた領域をカバーしている。遠赤外線ヒータ46が水平に配置されている場合、ワークピースWの上面は良好に昇温される。しかしながら、ワークピースWの外側面はワークピースWの上面から約10mm程度の範囲しか良好に昇温されない。それ故、ワークピースWに下方からの温風が吹付けられ、ワークピースWの昇温が温風による助けられるとしても、ワークピースWの全体が焼戻し温度まで均一に昇温されるまでには長い時間を要する。
図13の遠赤外線ヒータ46は、図12の遠赤外線ヒータ46に比べて、ワークピースWの外周面側に向けて所定の距離だけ変位され、そして、15°の傾斜角αを有する。この場合、遠赤外線ヒータ46はワークピースWの上面をその中央領域を除き、良好に昇温させ、一方、ワークWの外側面の昇温可能域をワークピースWの上面から約60mm程度まで拡大させる。
図14の遠赤外線ヒータ46は、図13の遠赤外線ヒータ46よりも、ワークピースWの外周面側に向けて更に変位され、60°の傾斜角αを有する。この場合、遠赤外線ヒータ46はワークピースWの上面のみならず、ワークピースWの高さ方向に関してワークピースWの外周面全域を良好に昇温させることができ、それ故、前述の昇温時間は更に短縮される。
図15の遠赤外線ヒータ46は75°の傾斜角αを有する点のみで、図14の遠赤外線ヒータ46とは異なる。この場合でも、遠赤外線ヒータ46はワークピースWの上面及び外周面を良好に昇温させることができる。しかしながら、ワークピースWにおける上面の中央領域に着目したとき、図15の遠赤外線ヒータ46による前記中央域の昇温速度は、図14の遠赤外線ヒータ46の場合と比べて遅くなる。
図13〜図15の遠赤外線ヒータ46は何れも、図12の遠赤外線ヒータ46に比べ、ワークピースWの温度が焼戻し温度に到達するまでに要する昇温時間を短縮させることができ、それ故、遠赤外線ヒータ46の傾斜角αは約15°〜約75°の範囲から選択されるのが望ましい。
図16は、炉10内にワークピースWの昇温が搬入された後、時間の経過とともにワークピースWが昇温される状態を示す。図16中の曲線aは、図13〜図15の遠赤外線ヒータ46が使用された場合を示し、図16中の曲線bは、傾斜角αが約15°〜約75°の範囲外にある遠赤外線ヒータを使用した場合を示す。なお、図16中の曲線cは図12の遠赤外線ヒータ46が使用された場合を示す。
前述したワークピースWのための座28sは、図17に示されるような回転トレイ100を含むことができる。回転トレイ100は環状をなし、ワークピースWを保持可能な大きさを有する。回転トレイ100は、座28aの連通孔30bに軸受102を介して回転自在に支持され、その外周面にギヤを有する。
同一のホルダプレート26に配置された回転トレイ100は、無端状のタイミングベルト104を介して相互に接続され、このタイミングベルト104は回転トレイ100のギヤに噛み合っている。即ち、図18に示されているように、タイミングベルト104はコンベア20の幅方向に延び、ホルダプレート28の両端部にて歯付きプーリ106にそれぞれ噛み合っている。一方の歯付きプーリ106は、モータ(図示しない)の出力軸に連結されたプーリ108を有する。従って、モータが駆動されたとき、一方の歯付きプーリ106は一方向に回転され、タイミングベルト104を走行させる。このようなタイミングベルト104の走行は回転トレイ100を介してワークピースWを連動して回転させる。
なお、図18中、回転トレイ100は3個しか示されていないが、回転トレイ100はホルダプレート26の8個の座28sにそれぞれ備えられている。
図17に示されるように一対の遠赤外線ヒータ46がワークピースWの列の両側に配置されていても、ワークピースWは回転されることで、その外周面に遠赤外線ヒータ46からの遠赤外線の照射を均一に受けることができる。この結果、ワークピースWの外周面はより均一に加熱可能である。
上述した回転トレイ100の回転装置は、複数のテンションプーリを更に含んでいるのが好ましい。これらテンションプーリはタイミングベルト104の所定位置に配置され、このタイミングベルトと噛み合っている。テンションプーリは、各回転トレイ100のギヤに対するタイミングベルト104の巻付き角度を増加させ、回転トレイ100の安定した回転を保証する。
ワークピースWは図19及び図20に示されるような中実の棒材であってよい。この場合、座28sは、ワークピースWの両端部のみを支持する一対の凹所110と、これら凹所110間に亘って延び、且つ、ワークピースWの径よりも大きな幅を有する矩形の連通孔112とを含むことができる。温風吹出しダクト62のスリット62sから吹出された温風は連通孔112を通過することで、ワークピースWの外周面のほぼ全周に沿って流れ、ワークピースWを均一に加熱する。なお、図20中、前述したシャッタプレート64a,64bは省略されている。
上述した一実施例の熱処理機2は、温風吹出しダクト62のスリット62sの幅をシャッタプレート64a,64bにより変化させることで、ワークピースWの昇温及び保温を制御可能である。
しかしながら、ワークピースWの昇温及び保温をより高精度に制御するために、熱処理機2は、図21に示されるようなワークピースWの過熱防止システムを更に備えることができる。
この過熱防止システムは、炉10内でのワークピースWの温度を検出する温度センサ114と、過熱防止装置116と、温度センサ114にて検出した温度に基づき、過熱防止装置116の作動を制御するコントローラ118とを含む。
具体的には、過熱防止装置116は、遠赤外線ヒータ46の傾斜角調整装置120、遠赤外線ヒータ46の電源スイッチ122、温風停止装置124、冷風供給装置126及び遠赤外線ヒータ46の昇降装置128の少なくとも1つを有する。
具体的には、図22に示されように傾斜角調整装置120は、遠赤外線ヒータ46を回転可能に支持し、コントローラ118からの指令により、遠赤外線ヒータ46の傾斜角αが約15°〜約75°の範囲外となるべく、遠赤外線ヒータ46を回転させる。
図23に示されるように電源スイッチ122は、電源130と遠赤外線ヒータ46との間に配置され、コントローラ118からの指令により、遠赤外線ヒータ46への電力の供給を停止させる。
図24に示されるように温風停止装置124は、循環ファン58のためのファンスイッチ132と、循環ファン58と温風吹出しダクト62との間に配置された電磁弁134との少なくとも1つを含む。ファンスイッチ132及び/又は電磁弁134は、コントローラ118からの指令を受けて作動し、温風吹出しダクト62への温風の供給を停止する。即ち、ファンスイッチ132が作動されたとき、循環ファン58の作動が停止され、電磁弁134が作動されたとき、電磁弁134は閉じられる。
一方、冷風停止装置126は、図24に示されているように燃焼室48と循環ファン58との間に配置された電磁三方弁136を含む。この電磁三方弁136は、通常、燃焼室48と循環ファン58とを接続する一方、外気と循環ファン58との接続を遮断している。しかしながら、電磁三方弁136が作動されたとき、燃焼室48と循環ファン58との接続が遮断され、外気と循環ファン58とが接続される。この場合、循環ファン58は外気を温風吹出しダクト62に供給する。なお、電磁三方弁136は外気に代えて、外気よりも低温の冷風を供給可能な冷風供給源に接続されていてもよい。
図25に示されように、昇降装置128は遠赤外線ヒータ46を昇降可能に支持し、コントローラ118からの指令により、遠赤外線ヒータ46を上昇させる。
上述した傾斜角調整装置120、電源スイッチ122、温風停止装置124,冷風供給装置126及び昇降装置128は何れも作動されたとき、ワークピースWの過熱を防止でき、ワークピースWの温度を焼戻し温度に高精度に維持するうえで役立つ。
一実施例の熱処理機2は、急速昇温ゾーン40から保温ゾーン42内に亘って延びる温風吹出しダクト62を備えているが、この温風吹出しダクト62は、図1の熱処理機2の場合と同様に、急速昇温ゾーン40内及び保温ゾーン42内をそれぞれ延びる部分に分割されていてもよい。
また、急速昇温ゾーン40内の温風吹出しダクトは省略することも可能であり、この場合、急速昇温ゾーン40内にて、ワークピースWは遠赤外線ヒータのみで加熱される。この場合、ワークピースWは、遠赤外線ヒータにより上下から加熱されるのが好ましい。
更に、急速昇温ゾーン40内にてワークピースWを昇温させるため、遠赤外線ヒータ及び温風吹出しダクトが共に使用される場合、ワークピースWの搬送方向でみて、ワークピースWの一方の側を遠赤外線ヒータにより加熱し、ワークピースWの他方の側を温風吹出しダクトから吹出される温風により加熱することも可能である。
一方、温風は可燃ガスを燃焼させた燃焼ガスの代わり、電気ヒータ等の加熱手段により加熱された空気等の加熱媒体であってよい。
ワークピースWの搬送は間欠搬送よらず、連続搬送であってもよいし、そして、本発明の熱処理機が焼戻し外の他の熱処理にも適用可能であることは言うまでもない。

Claims (14)

  1. 熱処理されるべき金属のワークピースを搬送する搬送経路と、
    前記搬送経路に配置され、前記ワークピースを所定の目標温度まで昇温させるための昇温ゾーンであって、前記ワークピースに遠赤外線を照射する遠赤外線照射装置を含む、昇温ゾーンと、
    前記搬送経路に配置され、昇温された前記ワークピースを前記目標温度に維持する保温ゾーンであって、前記ワークピースに外気温よりも高い温度の温風を吹付ける第1温風吹出し装置を含む、保温ゾーンと
    を備え
    前記昇温ゾーンは、前記保温ゾーンの上流に隣接して配置されている一方、前記ワークピースに外気温よりも高い温度の温風を吹付ける第2温風吹出し装置を更に含み、
    前記第2温風吹出し装置及び前記遠赤外線照射装置は、互いに前記搬送経路を挟んで配置されているハイブリッド型熱処理機。
  2. 前記ワークピースは、前記搬送経路に沿う複数の列を形成した状態で搬送され、
    前記遠赤外線照射装置は、前記ワークピースの列の上方に配置された遠赤外線ヒータを含み、この遠赤外線ヒータは前記ワークピースに向けて斜めに遠赤外線を照射する、請求項1のハイブリッド型熱処理機。
  3. 前記遠赤外線ヒータは、前記ワークピースの搬送方向に沿って延びる遠赤外線の照射面を有し、この照射面とこの照射面から下方に延びる鉛直線とがなす傾斜角は15°〜75°の範囲から選択されている、請求項2のハイブリッド型熱処理機。
  4. 前記ワークピースの過熱を防止する過熱防止システムを更に備えている、請求項3のハイブリッド型熱処理機。
  5. 前記過熱防止システムは、前記傾斜角を前記範囲外にすべく前記遠赤外線ヒータを回転させる傾斜角調整装置、前記遠赤外線ヒータの電源スイッチ、前記第1及び第2温風吹出し装置への温風の供給を停止する停止装置、前記第1及び第2温風吹出し装置に前記温風に代えて冷風を供給する供給装置及び前記遠赤外線ヒータを昇降させる昇降装置の少なくとも1つを含む、請求項4のハイブリッド型熱処理機。
  6. 前記ワークピースの搬送中、前記ワークピースを回転させる回転装置を更に備える、請求項3のハイブリッド型熱処理機。
  7. 前記昇温ゾーン及び前記保温ゾーンを形成するための炉を更に含み、
    前記第1温風吹出し装置は、前記遠赤外線ヒータからの遠赤外線の照射方向とは逆向きの方向から前記ワークピースに前記温風を吹付ける、請求項2のハイブリッド型熱処理機。
  8. 前記遠赤外線ヒータは前記ワークピースの各列に一対ずつ割り当てられ、これら遠赤外線ヒータは、対応するワークピースの列の両側に配置され、且つ、前記昇温ゾーンの全域に亘り、搬送経路に沿って連続して延びている、請求項7のハイブリッド型熱処理機。
  9. 前記第1及び第2温風吹出し装置は、可燃ガスを燃焼させた燃焼ガスを前記温風として発生させる燃焼室と、この燃焼室からの前記温風を前記保温ゾーン及び前記昇温ゾーンを経て前記燃焼室に導く温風循環経路とを含む、請求項7のハイブリッド型熱処理機。
  10. 前記第1及び第2温風吹出し装置は、前記温風循環経路に配置され、前記ワークピースに向けて温風を吹出す温風吹出しダクトと、この温風吹出しダクトよりも下流にて前記温風循環経路に配置され、前記ワークピースを通過した温風を吸い込む温風吸込みダクトとを含む、請求項9のハイブリッド型熱処理機。
  11. 前記炉は、前記ワークピースの搬入及び搬出を許容する入口及び出口と、これら入口及び出口を開閉可能なシャッタとを含む、請求項7のハイブリッド型熱処理機。
  12. 前記第1及び第2温風吹出し装置は、前記昇温ゾーンから前記保温ゾーンに亘って延びる共通の温風吹出しダクトを含み、この温風吹出しダクトは前記ワークピースの各列に対応し且つ前記搬送経路に沿って延びるスリットをそれぞれ有し、これらスリットから前記ワークピースに向けて温風を吹き出す、請求項のハイブリッド型熱処理機。
  13. 前記温風吹出しダクトは、前記スリットの幅を調整する調整手段を更に有する、請求項1のハイブリッド型熱処理機。
  14. 熱処理されるべき金属のワークピースを搬送経路に沿って搬送する過程にて、前記搬送経路上の前記ワークピースに前記搬送経路を挟む両側のうちの一方の側から遠赤外線を照射する一方、前記搬送経路の他方の側から外気温よりも高い温度の温風を吹き付け、前記ワークピースを所定の目標温度まで昇温させる昇温工程と、
    この後、昇温された前記ワークピースに外気温よりも高い温度の温風を更に吹き付け、前記ワークピースを前記目標温度に維持する保温工程と
    を備えたハイブリッド型熱処理方法
JP2009520511A 2007-06-20 2008-06-18 ハイブリッド型熱処理機及びその方法 Active JP5129249B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009520511A JP5129249B2 (ja) 2007-06-20 2008-06-18 ハイブリッド型熱処理機及びその方法

Applications Claiming Priority (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007162305 2007-06-20
JP2007162717 2007-06-20
JP2007162305 2007-06-20
JP2007162306 2007-06-20
JP2007162717 2007-06-20
JP2007162306 2007-06-20
PCT/JP2008/061142 WO2008156110A1 (ja) 2007-06-20 2008-06-18 ハイブリッド型熱処理機
JP2009520511A JP5129249B2 (ja) 2007-06-20 2008-06-18 ハイブリッド型熱処理機及びその方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008156110A1 JPWO2008156110A1 (ja) 2010-08-26
JP5129249B2 true JP5129249B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=40156269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009520511A Active JP5129249B2 (ja) 2007-06-20 2008-06-18 ハイブリッド型熱処理機及びその方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5129249B2 (ja)
WO (1) WO2008156110A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4890655B1 (ja) * 2011-05-26 2012-03-07 株式会社新井機械製作所 加熱炉
JP5681618B2 (ja) * 2011-12-14 2015-03-11 株式会社新井機械製作所 加熱炉
ITRM20130121A1 (it) * 2013-02-28 2014-08-29 Ne E Automazione S P A Impianto di riscaldamento per preforme di contenitori
JP2018017425A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 光洋サーモシステム株式会社 熱処理炉
CN108413768A (zh) * 2018-05-11 2018-08-17 苏州科尔珀恩机械科技有限公司 连续式烧结炉
JP7192644B2 (ja) * 2019-04-25 2022-12-20 株式会社デンソー 加熱システム
CN109929970B (zh) * 2019-04-28 2023-09-22 东北大学 一种烟气循环式钢板中低温回火炉及低温控制方法

Citations (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6138388A (ja) * 1984-07-31 1986-02-24 株式会社 大氣社 塗装板状体用乾燥炉
JPH0240489A (ja) * 1988-07-29 1990-02-09 Furukawa Electric Co Ltd:The リフロー炉
JPH0240490A (ja) * 1988-07-29 1990-02-09 Furukawa Electric Co Ltd:The 遠赤外線加熱炉
JPH0278553U (ja) * 1988-12-01 1990-06-15
JPH03502160A (ja) * 1986-09-05 1991-05-23 ベイカーズ プライド オーブン カンパニー インコーポレイテッド コンベヤオーブン装置とその使用方法
JPH04363578A (ja) * 1991-06-10 1992-12-16 Komatsu Seiren Kk 被乾燥物保護装置付き遠赤外線乾燥機及び遠赤外線乾燥方法
JPH06172849A (ja) * 1992-12-08 1994-06-21 Sumitomo Metal Ind Ltd Cr−Mo鋼材の熱処理方法
JPH07100422A (ja) * 1993-10-02 1995-04-18 Osaka Gas Co Ltd 塗装乾燥炉
JPH0742159B2 (ja) * 1991-01-29 1995-05-10 中小企業事業団 乾燥炉
JPH08296962A (ja) * 1993-04-27 1996-11-12 T-P Kogyo Kk ガス遠赤外線ヒーターを用いた加熱乾燥装置
JPH09145248A (ja) * 1995-11-17 1997-06-06 Motoyoshi Ishida 乾燥装置
JP2875971B2 (ja) * 1995-06-12 1999-03-31 村上工業株式会社 タクト搬送式塗装焼付け炉
JP2000130952A (ja) * 1998-10-27 2000-05-12 Matsushita Electronics Industry Corp 熱処理装置および熱処理方法
JP2000271937A (ja) * 1999-03-26 2000-10-03 Shin Etsu Polymer Co Ltd ゴムロールの加硫装置及びその加硫方法
JP2001041660A (ja) * 1999-08-02 2001-02-16 Toyo-Ro Industries Co Ltd 焼戻炉並びに焼戻し方法
JP2001198671A (ja) * 1999-11-12 2001-07-24 Tamura Seisakusho Co Ltd リフロー装置
JP2002005573A (ja) * 2000-06-21 2002-01-09 Dainippon Printing Co Ltd 乾燥装置
JP2003065678A (ja) * 2001-06-15 2003-03-05 Dainippon Printing Co Ltd 基板冷却装置及び焼成炉
JP2004010042A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Goodyear Tire & Rubber Co:The 軽量ケーブルビードコア
JP2005320593A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Hirohisa Taniguchi 連続式金属熱処理システム
JP2006266616A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Daido Steel Co Ltd 熱処理炉
JP2007063602A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Jfe Steel Kk 低温靱性に優れた9%Ni鋼の製造方法

Patent Citations (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6138388A (ja) * 1984-07-31 1986-02-24 株式会社 大氣社 塗装板状体用乾燥炉
JPH03502160A (ja) * 1986-09-05 1991-05-23 ベイカーズ プライド オーブン カンパニー インコーポレイテッド コンベヤオーブン装置とその使用方法
JPH0240489A (ja) * 1988-07-29 1990-02-09 Furukawa Electric Co Ltd:The リフロー炉
JPH0240490A (ja) * 1988-07-29 1990-02-09 Furukawa Electric Co Ltd:The 遠赤外線加熱炉
JPH0278553U (ja) * 1988-12-01 1990-06-15
JPH0742159B2 (ja) * 1991-01-29 1995-05-10 中小企業事業団 乾燥炉
JPH04363578A (ja) * 1991-06-10 1992-12-16 Komatsu Seiren Kk 被乾燥物保護装置付き遠赤外線乾燥機及び遠赤外線乾燥方法
JPH06172849A (ja) * 1992-12-08 1994-06-21 Sumitomo Metal Ind Ltd Cr−Mo鋼材の熱処理方法
JPH08296962A (ja) * 1993-04-27 1996-11-12 T-P Kogyo Kk ガス遠赤外線ヒーターを用いた加熱乾燥装置
JP3461187B2 (ja) * 1993-10-02 2003-10-27 大阪瓦斯株式会社 塗装乾燥炉
JPH07100422A (ja) * 1993-10-02 1995-04-18 Osaka Gas Co Ltd 塗装乾燥炉
JP2875971B2 (ja) * 1995-06-12 1999-03-31 村上工業株式会社 タクト搬送式塗装焼付け炉
JPH09145248A (ja) * 1995-11-17 1997-06-06 Motoyoshi Ishida 乾燥装置
JP2000130952A (ja) * 1998-10-27 2000-05-12 Matsushita Electronics Industry Corp 熱処理装置および熱処理方法
JP2000271937A (ja) * 1999-03-26 2000-10-03 Shin Etsu Polymer Co Ltd ゴムロールの加硫装置及びその加硫方法
JP2001041660A (ja) * 1999-08-02 2001-02-16 Toyo-Ro Industries Co Ltd 焼戻炉並びに焼戻し方法
JP2001198671A (ja) * 1999-11-12 2001-07-24 Tamura Seisakusho Co Ltd リフロー装置
JP2002005573A (ja) * 2000-06-21 2002-01-09 Dainippon Printing Co Ltd 乾燥装置
JP2003065678A (ja) * 2001-06-15 2003-03-05 Dainippon Printing Co Ltd 基板冷却装置及び焼成炉
JP2004010042A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Goodyear Tire & Rubber Co:The 軽量ケーブルビードコア
JP2005320593A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Hirohisa Taniguchi 連続式金属熱処理システム
JP2006266616A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Daido Steel Co Ltd 熱処理炉
JP2007063602A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Jfe Steel Kk 低温靱性に優れた9%Ni鋼の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2008156110A1 (ja) 2010-08-26
WO2008156110A1 (ja) 2008-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5129249B2 (ja) ハイブリッド型熱処理機及びその方法
US5022165A (en) Sterilization tunnel
US8501110B2 (en) Sterilizing tunnel for pharmaceutical containers
JP5795560B2 (ja) ワークを熱加工する炉
JP4480231B2 (ja) 金属製ワークピースのコンベクション式ろう付け方法およびその装置
JP2009501122A (ja) 板ガラス炉
JP2018529919A (ja) 工作物を処理する処理設備及び方法
US5163599A (en) Reflow soldering apparatus
EP3896375A1 (en) Heat treatment furnace
RU2005106206A (ru) Способ и устройство для обработки покрытия контейнеров из термопластической смолы
CN105441664A (zh) 用于对板材进行回火加热的明火回火炉及其加热方法
JP4382725B2 (ja) 食品の加熱装置
JP2008214721A (ja) 等温処理装置
JPH05296663A (ja) 加熱装置
JP7155709B2 (ja) 連続式雰囲気熱処理炉
JP3987064B2 (ja) 熱処理装置
JP7365284B2 (ja) 熱風式乾燥炉
JPH01210076A (ja) 塗装乾燥炉
JP7402141B2 (ja) 処理炉
JP3974245B2 (ja) リフロー装置
TWI668170B (zh) Tower heating furnace, automatic processing device including tower heating furnace and automatic processing method
JP2018017425A (ja) 熱処理炉
KR900001915B1 (ko) 포백용 연속드라이어
TW200523517A (en) An oven particularly for treatment of glass articles and a method of heat treating glass articles
JP4274407B2 (ja) 熱処理炉の送風方法及び熱処理炉

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100609

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121024

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5129249

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250