JP2001041660A - 焼戻炉並びに焼戻し方法 - Google Patents

焼戻炉並びに焼戻し方法

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JP2001041660A
JP2001041660A JP11218882A JP21888299A JP2001041660A JP 2001041660 A JP2001041660 A JP 2001041660A JP 11218882 A JP11218882 A JP 11218882A JP 21888299 A JP21888299 A JP 21888299A JP 2001041660 A JP2001041660 A JP 2001041660A
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tempering
zone
tempered
temperature
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Masasane Amano
雅真 天野
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TOYO-RO INDUSTRIES CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焼戻し温度が異なる被処理材を続けて焼戻し処
理する場合に大幅な時間短縮ができ、作業効率を向上さ
せることができる焼戻炉を提供することにある。 【解決手段】被焼戻処理材を搬送手段によって炉内を通
過させることにより焼戻しする焼戻炉において、炉内を
搬送方向の複数の領域に仕切る仕切り手段を少なくとも
1つ備えた構成を特徴とする。また、被焼戻処理材の搬
送速度に合わせて各領域を被焼戻処理材の焼戻し温度に
調節する加熱手段と冷却手段とを備えた構成とすること
もできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼入れされた加工
金属材や金属素材を焼戻しするための焼戻炉に関する。
【0002】
【従来の技術】各種歯車などの機械部品、工具、治具、
金型などの加工金属材や構造用鋼などの金属素材は、成
型後に熱処理をする工程の中で、焼入れで生じた組織を
安定した組織に近づけ靱性を増大させるために、焼戻炉
において焼戻し処理をする。
【0003】ところが、焼戻炉の焼戻し温度は被処理材
(加工金属材など)の材料特性によって異なる。その
上、図2に示すように、従来の焼戻炉101の場合は、
炉内102が単室構造に形成されていたため、被処理材
103が炉内102を通過し終わるまで炉全体を一定温
度に保つ必要があった。そのため、焼戻し温度の異なる
被処理材104をこの焼戻炉101で続けて焼戻し処理
する場合には、先の被処理材103が焼戻炉101から
完全に搬出されて空炉の状態にされた後に、焼戻炉内1
02を所望の変更温度に調節をして、変更温度下で焼戻
し処理すべき次の被処理材104を炉内に搬入するよう
にしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、炉内102を
通過させる被処理材103の搬送速度は、約100mm
/minと非常に遅い。その上、従来の焼戻炉101は
炉内が単室構造に形成されていたため炉内容積が非常に
大きく、炉102の温度を変更させるのにも非常に長時
間を要した。そのため、焼戻し温度の異なる被処理材を
この焼戻炉101で続けて焼戻し処理する場合に、炉内
102の被処理材103が焼戻炉101から完全に搬出
されるのを待って温度変更作業をしていたので非常に時
間がかかってしまい作業効率が大幅に低下させられてい
た。
【0005】また、従来より、被処理材103,104
を焼戻炉101に搬入するのは、作業者の確認の下で行
われていた。そのため、前記のように、炉内102の被
処理材103が焼戻炉101から完全に搬出されるのを
待ってから温度変更作業を始めていたのでは、炉102
が所定温度になるまでの待ち時間が生じ、次の被処理材
104を炉内102に搬入するのを作業者がうっかり忘
れてしまうことがあった。それ故に、炉102が変更後
の所定温度になっても、すぐにはその炉内102に次の
被処理材104が搬入されないことがあり、一層時間が
かかって、作業効率を低下させる原因になっていた。
【0006】そこで、本発明は、焼戻し温度が異なる被
処理材を続けて焼戻し処理する場合に大幅な時間短縮が
でき、作業効率を向上させることができる焼戻炉を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る焼戻炉は、
前記の目的を有効に達成するために、被焼戻処理材を搬
送手段によって炉内を通過させることにより焼戻しする
焼戻炉において、炉内を搬送方向の複数の領域に仕切り
可能な少なくとも1つの仕切り手段を備えた構成を特徴
とする。また、前記の構成に加えて、被焼戻処理材の搬
送速度に合わせて各領域を被焼戻処理材の焼戻し温度に
調節する加熱手段と冷却手段をも備えた構成とすること
もできる。
【0008】また、本発明に係る焼戻し方法は、被焼戻
処理材を搬送手段によって炉内を通過させることにより
焼戻しする焼戻炉において、昇降自在に設けられた少な
くとも2つの仕切り手段によって、炉内を搬送方向に対
して複数の領域に仕切り、被焼戻処理材の搬送速度に合
わせて所望の領域を加熱手段と冷却手段とによって被焼
戻処理材の焼戻し温度に調節するとともに、焼戻し温度
の異なる種類の被焼戻処理材の間に少なくとも1つの空
炉状態の領域を保持しながら被焼戻処理材を搬送するこ
とを特徴とする。なお、被焼戻処理材とは、例えば各種
歯車などの機械部品、工具、治具、金型などの加工金属
材や、構造用鋼などの金属素材であり、広く焼戻し処理
されるもの全般を意味しており、以下にいう被処理材と
同義である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る焼戻炉の実施
の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施例に
係る焼戻炉の全体説明図であり、図中の符号1は、焼戻
炉を全体的に示す。
【0010】焼戻炉1は、支持台2によって支持されて
水平に配置された炉体3と、加熱手段である複数のバー
ナ4と、冷却手段である複数の冷却エア導入口5と、炉
体内のガスを排気する複数の排気口6と、炉体3内のガ
スを攪拌するための複数の炉内ファン装置7と、搬送手
段であるベルトコンベア8と、前記の炉体3内を4つの
ゾーン(領域)に仕切ることができる3つのゾーン仕切
り装置9,9,9(仕切り手段)と、温度設定操作など
を行う入力装置を備えた制御装置(図示せず)とから構
成されている。なお、バーナ4、冷却エア導入口5、排
気口6、及び、炉内ファン装置7は、ゾーン仕切り装置
9,9,9によって仕切られた4つのゾーンにそれぞれ
配設されており、それぞれに操作可能である。
【0011】この焼戻炉1の炉体3内の大きさは、ベル
トコンベア8による搬送方向の長さが約9000mm、
幅が約1300mm、高さが約150mmの大きさであ
り、大きさに関しては、一般的な焼戻炉と同様である。
また、各ゾーンのバーナ4,4は、炉体3の各ゾーンの
両側面に、各ゾーンの温度分布が均一になるように取り
付け位置を調節して、それぞれ取り外し可能に配設され
ている。各バーナ4は、ガス燃焼式のバーナであり、そ
の燃焼排ガスが炉体3内に排出されることにより各ゾー
ンの温度が上昇する。また、冷却エア導入口5は、炉体
3の底部31に設けられ、炉外から冷却エアが導入され
ることにより、炉体3内の各ゾーンを冷却するように形
成されている。
【0012】排気口6は、炉体3内の各ゾーンの燃焼排
ガス又は冷却空気を排気可能なように炉体3の上部に設
けられており、その上端開口部分は開閉自在に形成され
ている。この排気口6によれば、冷却エア導入口5から
冷却エアが入れられると、そのゾーンの内部圧が上昇し
て隣接するゾーンに影響を及ぼすことがあり得るため、
この排気口6を開閉することで内部圧を調整し、隣接す
るゾーンへの影響を防止することができる。なお、ゾー
ンの大幅な昇降温には空炉となっているゾーンの排気口
6を開閉することで調整することができる。
【0013】炉内ファン装置7は、炉体3の上部外面側
に炉体3内に向けて設けられ、炉体3の天井部分32に
配置されたファン(図示せず)をモータ(図示せず)に
よって回転し、各ゾーンのガスを攪拌させるように構成
されている。
【0014】また、ベルトコンベア8は、焼戻炉1の長
手方向に、炉体3内の底部近傍を通過するように敷設さ
れ、被処理材10(被焼戻処理材)を焼戻炉1の入口1
1から搬入し出口12から搬出するように配設されてい
る。このベルトコンベア8には、ステンレスを編み込ん
で形成されているメッシュベルト81が掛け渡されてい
る。なお、このベルトコンベア8は、被処理材10を、
約100mm/min即ち焼戻炉1の入口11から出口
12までを約90分で搬送するように制御されている。
【0015】また、前記の炉体3の入口11及び出口1
2には、それぞれ耐熱ステンレス製の熱交流防止カーテ
ン11A,12Aが設けられている。この熱交流防止カ
ーテン11A,12Aは、運転使用中の焼戻炉1のよう
に高温下においては、例えば固体物がぶつかると容易に
彎曲し、そのぶつかった固体物が通過すると容易に元通
りに垂直に垂れ下がる。これにより、被処理材10が炉
1に搬入搬出される際の、炉体3内と炉体3外との熱の
交流を最小限に抑えることができる。
【0016】各ゾーン仕切り装置9は、仕切り装置本体
91と、仕切り壁92と、仕切りカーテン93とから構
成されている。各ゾーン仕切り装置9の仕切り装置本体
91は、ベルトコンベア8による搬送方向に対して炉体
3内を4分割するように等間隔おき(約2250mm間
隔毎)に配設されている。これにより、3つのゾーン仕
切り装置9,9,9によって形成される4つの各ゾーン
の容積は略等しくなる。また、それぞれの仕切り装置本
体91は、その内部に仕切り壁92及び仕切りカーテン
93を収納可能に形成されている。仕切り壁92は、耐
熱ステンレス製で、ベルトコンベア8による搬送方向の
厚みが約200mmの箱型であり、内部は空洞に断熱材
を充填した構造で形成されている。
【0017】また、仕切りカーテン93は、仕切り壁9
2の下端に吊持されており、ベルトコンベア8による搬
送方向の厚みが約2mmに形成されている。そして、運
転使用中の焼戻炉1内のように高温下では、例えば固体
物がぶつかると容易に彎曲し、そのぶつかった固体物が
取り除かれると容易に元通りに垂直に垂れ下がる。
【0018】前記の仕切り壁92は、チェーン(図示せ
ず)によって吊持されており、このチェーンはスプロケ
ットに掛け渡されてシリンダー(図示せず)のロット先
端に連結されている。このシリンダーの収縮により、ロ
ットの先端に連結されたチェーンが引っ張られて仕切り
壁92が上昇する。逆に、シリンダーが伸張すると仕切
り壁92の自重で仕切り壁92は降下する。すなわち、
仕切り壁92は、炉体3内を昇降自在となるように構成
されており、最降下した際は、仕切り壁92の下端がベ
ルトコンベア8のメッシュベルト81の上面から約5c
m上方の位置あたりまで降下し、残りの仕切り壁92と
メッシュベルト81との間の隙間は仕切りカーテン93
によって仕切られる。また、仕切り壁92は、上昇した
際は、炉体3の天井32近傍まで上昇することにより、
隣接するゾーンの熱が自由に交流するようになる。な
お、ゾーン仕切り装置9には、仕切り壁92の位置の確
認の為のセンサー(図示せず)が備えつけられている。
【0019】次に、前記のようにして構成された焼戻炉
1の使用方法を、焼戻し温度が600度である被処理材
10A,10A,・・・を順次焼戻し処理している状態
から、焼戻し温度が400度である被処理材10B,1
0B,・・・を順次焼戻し処理する状態への、移行段階
の状態を例に挙げて説明する。
【0020】なお、説明の便宜上、炉体3内の4つに仕
切られた各ゾーンを、搬送方向の上流側から順に第1ゾ
ーンA、第2ゾーンB、第3ゾーンC、第4ゾーンDと
呼ぶ。また、同様に、各仕切り壁92,92,92を、
搬送方向の上流側から順に第1の仕切り壁92A、第2
の仕切り壁92B、第3の仕切り壁92Cと呼ぶ。ま
た、ベルトコンベア8の搬送速度は前記のように約10
0mm/minである。
【0021】先ず、第1の被処理材10Aがベルトコン
ベア8によって搬送されて、焼戻炉1の入口11から炉
体3内に搬入される。この際、焼戻炉1の炉体3内全体
は第1の被処理材10Aの焼戻し温度である600度に
調節されている。なお、焼戻し温度が同じである種類の
被処理材を焼戻し処理する際は各仕切り壁92(92
A,92B,92C)を降下させておく必要はないた
め、この第1の被処理材10Aが炉体3内に搬入される
時には、各仕切り壁92(92A,92B,92C)は
上昇位置(図1中の92Cのような位置)にある。しか
し、各ゾーン毎に加熱手段及び冷却手段が備えられてお
り、各仕切り壁92(92A,92B,92C)が降下
位置(図1中の92A,92Bのような位置)にあって
も全ゾーンを600度に保持することができるため、仕
切り壁92(92A,92B,92C)は降下位置にあ
っても、前記の上昇位置にある場合と同様の処理が可能
である。
【0022】そして、第1の被処理材10Aが第2ゾー
ンBから完全に搬出される時には、第1の仕切り壁92
A、及び第2の仕切り壁92Bは、降下位置に配置され
る。そして、第1の被処理材10Aが第2ゾーンBから
完全に搬出されて第3ゾーンCに移動すると、第2ゾー
ンBが空炉の状態となり、作業者が第1ゾーンAを次に
焼戻し処理する第2の被処理材10Bの焼戻し温度であ
る400度に温度設定する。すると、焼戻炉1の制御装
置は600度から400度に温度降下させるのに必要な
時間(約5分)を自動計算して、その時間経過後に、第
2の被処理材10Bがベルトコンベア8に載置されて自
動的に第1ゾーンAに搬入される。従って、第2の被処
理材10Bは、第1の被処理材10Aが焼戻炉1の入口
11を通過してから約50分(第1ゾーンA及び第2ゾ
ーンBの搬送時間約45分+第1ゾーンAの温度変更時
間約5分)後に入口11を通過することになる。
【0023】このようにして、第1の被処理材10Aは
第3ゾーンCにおいて600度で、第2の被処理材10
Bは第1ゾーンAにおいて400度で、それぞれ焼戻し
処理がなされるが、第1ゾーンAと第3ゾーンCの間に
介在する第2ゾーンBを空炉の状態にしているので、第
1ゾーンA(400度)と第3ゾーンC(600度)が
互いに与える温度の影響は最小限に抑えられる。
【0024】そして、第1の被処理材10Aの後端が第
3ゾーンCから完全に搬出されて第4ゾーンDに移動さ
れると、第2の仕切り壁92Bは図示のような降下位置
に配置され第2ゾーンBが第2の被処理材10Bの焼戻
し温度である400度に降温され始める。
【0025】なお、前記のように、第1の被処理材10
Aと第2の被処理材10Bとの間には、それぞれの先端
が炉体3の同じ地点を通過するまでに約50分を要する
距離がある。この50分の時間から、第2ゾーンBと第
3ゾーンCの搬送時間約45分を差し引くと、第1の被
処理材10Aの後端が第3ゾーンCから完全に搬出され
た時点の第2の被処理材10Bの位置から、この第2の
被処理材10Bの先端が第1の仕切り壁92Aの位置ま
で搬送されるのに約5分の時間がある。そして、この約
5分の間に温度変更がなされ、第2の被処理材10Bが
第2ゾーンBに搬入される時には、第2ゾーンBの温度
は400度になっている。そして、まもなく第2の被処
理材10Bは第2ゾーンBに搬入され始める。
【0026】なお、この時には第2の仕切り壁92B及
び第3の仕切り壁92Cは、降下された位置にあり、第
3ゾーンCが空炉の状態に置かれる。従って、第2ゾー
ンB(400度)と第4ゾーンD(600度)が互いに
与える温度の影響は最小限に抑えられる。
【0027】このように、焼戻し温度の異なる2種類の
被処理材10A,10Bを、1つの焼戻炉で順次焼戻し
処理していく過程において、各被処理材10A,10B
は、第1の被処理材10Aと第2の被処理材10Bとの
間に常に空炉の状態のゾーンを介在させる状態で焼戻し
処理されながら搬送される。
【0028】そして、被処理材10Aが第4ゾーンDか
らも搬出されると、第3ゾーンC、及び第4ゾーンD
も、順次400度に温度変更され、焼戻し温度が400
度である被処理材10B,10B,・・・が順次焼戻し
処理される状態となる。
【0029】前記のようにして構成された焼戻炉1によ
れば、ゾーン仕切り装置9,9,9を設けたことにより
炉体3内を搬送方向に4つのゾーンに仕切ることがで
き、そのそれぞれのゾーン毎に加熱手段及び冷却手段を
設けたことにより、それぞれのゾーン毎に所望の温度に
調節することができる。また、前記のように炉体3内を
搬送方向に4つのゾーンに仕切ったことにより、温度変
更を行う炉体3内の1つのゾーンの容積が従来の焼戻炉
101に比較して小さくなったために、温度変更に要す
る時間を大幅に短縮することができる。
【0030】従って、第1の被処理材10Aが焼戻炉1
から完全に搬出されてしまう前に、第2の被処理材10
Bを焼戻炉1に搬入して焼戻し処理することができるた
め、焼戻し温度の異なる被処理材10A,10Bを同じ
焼戻炉1で続けて焼戻し処理する場合の処理時間を、大
幅に短縮することができる。すなわち、このことを計算
式に表すと概ね次のようになる。 (炉全体の通過時間90分 + 炉全体の温度変更時
間)−(2ゾーンの通過時間45分 + 1つのゾーン
の温度変更時間)=約45分+α(α=比較的短い時
間) 従って、本実施例に係る焼戻炉1によれば、従来の焼戻
炉101に比較して、約45分、割合にして1/2の時
間の短縮が可能である。
【0031】また、第1の被処理材10Aと第2の被処
理材10Bとの間に空炉の状態のゾーンを保持する状態
で、順次被処理材10A,10Bを搬送するので、焼戻
し温度の異なる被処理材10A,10B及びそれぞれを
包含するゾーンが、互いに与えあう温度の影響を最小限
に抑えることができる。従って、適正な温度で焼戻し処
理をすることができる。
【0032】また、仕切り壁92が、内部が空洞(断熱
材を充填)の箱状に形成されているため、隣接するゾー
ンの間に位置する仕切り壁92の中にさらに空気層が介
在することになり、仕切り壁92による断熱効果が高ま
るため、隣接するゾーンの熱交流を一層効果的に防止す
ることができる。また、各ゾーン仕切り装置9には、そ
れぞれセンサー(図示せず)を設けているので、各仕切
り壁92が上昇、降下など確実に操作通りに動作してい
るか確認することができる。
【0033】さらに、変更温度に従って、又は変更する
ゾーン数に応じて、温度変更の完了する時間を自動的に
計算して、次に入炉させる被処理材10Bを焼戻炉1に
搬入させることができるので、温度変更が完了している
のに次の被処理材10Bの搬入をうっかり忘れてしま
う、というミスがなくなり、この意味からも処理時間の
短縮を図ることができる。
【0034】本発明に係る焼戻炉1は、前記のような構
成に限定されるものではなく、以下のような構成であっ
てもよい。すなわち、前記のように、第1の被処理材1
0Aの後端が第2ゾーンBから搬出されるのを作業者が
確認して第1ゾーンAの温度変更操作をするのではな
く、炉体3内の各ゾーンの適宜の位置に1つ又は複数の
センサを設けて被処理材10Aの搬送位置を自動的に認
識することにより、制御装置が温度変更を開始させ、次
の被処理材10Bを搬入させるタイミングを計算するよ
うにすることもできる。
【0035】また、第2の被処理材10Bをベルトコン
ベア8に載置するのは、前記実施例のように被処理材を
供給装置(図示せず)によって供給するものに限定され
るものではなく、作業者の手によるものであっても構わ
ない。供給装置によるものであれば、省力化を図ること
ができるとともに、確実に第2の被処理材10Bが所望
のタイミングにベルトコンベア8に載置されて焼戻炉1
に搬入されることとなるため作業者のミスを防止するこ
ともできる。一方、作業者の手によるものであれば、低
コスト化、及び省スペース化を図ることができる。
【0036】ゾーン仕切り装置9は、前記のように3つ
設けることに限定されるものではなく、1つ、2つ、4
つ、5つ、・・・と、適宜の数量を設けるとともに、前
記実施例のように各ゾーン毎に加熱手段及び冷却手段等
を設けることができる。この際、ゾーン仕切り装置9を
4つ、5つ、・・・と可能な範囲で数多く設けてゾーン
の数を増やす程、多くの時間が短縮できる。
【0037】また、第1の被処理材10Aと第2の被処
理材10Bとの間に介在させる空炉の状態のゾーンは、
前記実施例のように1つに限定されるものではなく、2
つでも3つでも、適宜選択するとよい。
【0038】また、ゾーン仕切り装置9は、仕切り壁9
2、仕切りカーテン93などの形状、大きさ、材質、並
びに、仕切り壁92等の昇降の構造など、前記実施例に
記載のものに限定されず、公知の技術を用いて適宜に設
計して形成することができる。
【0039】さらに、前記実施例は、焼戻炉について説
明しているが、焼入炉や焼きなまし炉、焼きならし炉な
ど、熱処理を行う炉の全般に対して適用することができ
る。なお、この際には、温度設定はそれぞれの適宜の温
度に設定して処理するとよい。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る焼戻炉によれば、仕切り手
段によって焼戻炉内を搬送方向の複数の領域に仕切った
ので、焼戻し温度の異なる被焼戻処理材を同じ焼戻炉で
連続して焼戻し処理する場合に、処理時間を大幅に短縮
することができる。また、焼戻炉内を搬送方向の複数の
領域に仕切ったので、温度変更を行う炉内の1つの領域
の容積が従来の焼戻炉に比較して小さくなったために、
炉の温度変更に要する時間を大幅に短縮することができ
る。さらに、被焼戻処理材の搬送速度に合わせて各領域
をその被焼戻処理材の焼戻し温度に調節することができ
る加熱手段と冷却手段とを設けたので、順次搬送される
被焼戻処理材毎に異なる温度で焼戻し処理をすることが
できる。
【0041】また、本発明に係る焼戻し方法によれば、
前記の焼戻炉における効果に加えて、焼戻し温度の異な
る被焼戻処理材を同じ焼戻炉で連続して焼戻し処理する
場合に、焼戻し温度の異なる種類の被焼戻処理材の間に
空炉状態の領域を保持しながら搬送するようにしたの
で、焼戻し温度の異なる種類の被焼戻処理材及びそれぞ
れを包含する領域同士が与えあう温度の影響を最小限に
抑えることができる。従って、適正な温度で焼戻し処理
をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る焼戻炉の全体説明図
である。
【図2】従来の焼戻炉の全体説明図である。
【符号の説明】
1:焼戻炉 2:支持台 3:炉体 4:バーナ(加熱手段) 5:冷却エア導入口(冷却手段) 6:排気口 7:炉内ファン装置 8:ベルトコンベア(搬送手段) 9:ゾーン仕切り装置(仕切り手段) 10:被処理材(被焼戻処理材)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被焼戻処理材を搬送手段によって炉内を通
    過させることにより焼戻しする焼戻炉において、炉内を
    搬送方向の複数の領域に仕切る仕切り手段を少なくとも
    1つ備えた構成を特徴とする焼戻炉。
  2. 【請求項2】被焼戻処理材の搬送速度に合わせて各領域
    を被焼戻処理材の焼戻し温度に調節する加熱手段と冷却
    手段とを備えた構成を特徴とする請求項1に記載の焼戻
    炉。
  3. 【請求項3】被焼戻処理材を搬送手段によって炉内を通
    過させることにより焼戻しする焼戻炉において、昇降自
    在に設けられた少なくとも2つの仕切り手段によって、
    炉内を搬送方向に対して複数の領域に仕切り、被焼戻処
    理材の搬送速度に合わせて所望の領域を加熱手段と冷却
    手段とによって被焼戻処理材の焼戻し温度に調節すると
    ともに、搬送中の焼戻し温度の異なる種類の被焼戻処理
    材の間に、少なくとも1つの空炉状態の領域を保持して
    焼戻し処理するようにしたことを特徴とする焼戻し方
    法。
JP11218882A 1999-08-02 1999-08-02 焼戻炉並びに焼戻し方法 Pending JP2001041660A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5129249B2 (ja) * 2007-06-20 2013-01-30 高周波熱錬株式会社 ハイブリッド型熱処理機及びその方法
CN114799782A (zh) * 2022-04-12 2022-07-29 乐清市芙蓉工具一厂 一种用于钻头的加工设备
CN115505693A (zh) * 2022-09-30 2022-12-23 成都银河动力有限公司 一种采用高温箱式淬火炉回火的方法

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