JP2006266616A - 熱処理炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱処理室内温度が高い場合でも、冷却時における被処理物温度の均一化をはかることができ、熱処理室内スペースも小さくて済む熱処理炉を提供する。
【解決手段】 ヒータ23をそなえた熱処理室(降温保持室13)の側壁部に冷却用ガスの流入口71と流出口72とを設け、被処理物移送用のハースロール15をそなえた熱処理炉において、中央部に上下に貫通する貫通穴36を有しハースロール15により支持されるトレイ35上に、被処理物Wを保持し底面部が貫通穴36を覆う被処理物保持体30を載置するとともに、貫通穴36にすきまをもって嵌合する平面形状を有し、鉛直軸線のまわりに回転駆動されるとともに、ハースロール15により支持されたトレイ35の下面より下側の下降位置と、所定の停止位置に停止したトレイ35の貫通穴36を経て該トレイの上面より上側に突出する上昇位置との間を昇降駆動される、支持台40を具備した。
【選択図】 図2

Description

この発明は、金属材料から成る被処理物の熱処理をおこなう熱処理炉に関し、詳しくは、被処理物の炉内移送手段としてハースロールをそなえた熱処理炉に関する。
鉄鋼材料などから成る被処理物の熱処理をおこなうハースローラタイプの熱処理炉においては、熱処理室における被処理物の温度(品温)の均一化をはかるために、ハースロールを正逆反復回転させて被処理物を前後に往復運動させるオシレーションがおこなわれている(たとえば、特許文献1,2参照。)。
特公昭61−16912号公報(第1−3頁〔注〕特許法第64条による補正有、第1図) 特開2002−54881号公報(第2−4頁、図2)
ところが上記のオシレーションをおこなうためには、被処理物を往復移動するための移動用空間が必要であるので、熱処理室、従って炉体が大型化し、また熱処理室の側壁部に設けた流入口から流出口に向って熱処理室間を横断して流れるガスにより被処理物の冷却あるいは加熱をおこなう形式の炉においては、オシレーションによってもこの流入口側と流出口側の被処理物の温度差は解消できない。
そこで上記のオシレーション以外の方法で被処理物の均一冷却をはかるものとして、本出願人は、被処理物を搬送する搬送用ローラを上面にそなえ鉛直軸線のまわりに回転駆動される回転台を冷却室内に設けたローラハース式真空炉を提案した(特許文献3参照。)。
特開平3−257119号公報(第2−3頁、第1図〜第4図)
この提案によれば、被処理物の冷却むらおよびそれに伴う歪の発生が防止されるものであり、冷風により被処理物を冷却する冷却室をそなえた熱処理炉には好適に使用できる。しかし上記の回転台上の搬送用ローラの駆動機は、回転台に取付けられて炉内にあるため、たとえば1000℃程度に加熱した鉄鋼材料から成る被処理物を、加温ガスにより冷却してマルテンサイト変態温度であるMs点の直上温度に所定時間等温保持する降温保持処理をおこなう熱処理室においては、室内温度が300℃を越えるため、上記の駆動機がこの高温に耐えることができず、上記の回転台を採用することはできない。
この発明は上記従来の問題点を解決しようとするもので、熱処理室内温度が高い場合でも、冷却時における被処理物温度の均一化をはかることができ、熱処理室内スペースも小さくて済む熱処理炉を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の熱処理炉は、ヒータをそなえた熱処理室の側壁部に冷却用ガスの流入口と流出口とを設け、被処理物移送用のハースロールをそなえた熱処理炉において、中央部に上下に貫通する貫通穴を有し前記ハースロールにより支持されるトレイ上に、被処理物を保持し底面部が前記貫通穴を覆う被処理物保持体を載置するとともに、前記貫通穴にすきまをもって嵌合する平面形状を有し、鉛直軸線のまわりに回転駆動されるとともに、前記ハースロールにより支持された前記トレイの下面より下側の下降位置と、所定の停止位置に停止した前記トレイの前記貫通穴を経て該トレイの上面より上側に突出する上昇位置との間を昇降駆動される、支持台を具備したことを特徴とする。
この請求項1記載の発明によれば、被処理物を保持した被処理物保持体を中央部に載置したトレイを、下降位置にある支持台の直上位置である停止位置に停止させ、支持台をトレイの貫通穴を経て上昇位置まで上昇駆動すれば、被処理物保持体はトレイ上から離間するので、この状態で支持台を回転駆動することにより、被処理物保持体、従って被処理物は鉛直軸線のまわりに回転駆動され、流入口から流出口へと流通する冷却用ガスによって被処理物は均一に冷却される。冷却後は支持台を停止させ下降位置まで下降駆動し、停止状態のトレイ上に被処理物保持体を移載すれば、支持台と干渉することなくトレイをハースロールにより次工程部へ移送できる。また支持台の昇降および回転駆動装置は、いずれも炉外に設けることができるので、熱処理室内温度が高い場合でも、支障なく被処理物の昇降・回転をおこなって、被処理物を均一冷却することができるのである。
また請求項2記載の熱処理炉は、請求項1記載の熱処理炉において、前記トレイに上向きに開口する複数個の穴を設け、前記ハースロールにより支持され所定の停止位置に停止した前記トレイの前記穴に、昇降駆動される棒体の下端部を嵌脱させ、該下端部と前記穴との嵌合により、前記トレイの位置ずれを防止するトレイ位置決め装置を設けたことを特徴とする。
この請求項2記載の発明によれば、支持台直上位置に停止したトレイを、下降駆動された棒体の先端部とトレイの穴との嵌合により停止位置に保持することができ、支持台による被処理物保持体の持上時、支持台による被処理物保持体回転による冷却中、および冷却後の被処理物保持体のトレイ上への移載時等の、全冷却工程中におけるトレイの位置ずれを防止して、冷却後の被処理物保持体をトレイの中央部のもとの位置に再載置して冷却室などの次工程部に移送することができる。
また請求項3記載の熱処理炉は、請求項1または2記載の熱処理炉において、前記ハースロールを、カーボンロールで構成したことを特徴とする。
この発明において、被処理物移送用のハースロールは、ステンレス材や耐熱鋳鋼などから成る金属製のハースロールを用いることもできるが、請求項3記載の構成とすれば、カーボンは耐熱度が高く2000℃程度までは強度低下が少なく、かつ炉内は無酸化性雰囲気または真空雰囲気に維持されているので、金属製ロールの使用が困難な1100℃以上の炉温においてもハースロールが折損したり早期に消耗したりすることがなく、高温での熱処理を支障なくおこなうことができる。特にこの発明においてハースロールは、トレイを支持台直上位置に停止させたのち、支持台による被処理物保持体の上昇および回転駆動による冷却工程が終了し被処理物保持体がトレイ上に移載されるまでの間、回転を停止させた状態に保持する必要があるが、上記のように耐熱度が高いカーボンロールはこの停止状態でも変形を生じることがなく、金属製のハースロールの場合のような水冷も必要としないので、装置が簡潔なもので済む。
なおこの発明においてカーボンロールとは、焼成温度が1500℃程度の通常の炭素材を主体とするロールの他、黒鉛ロールや炭素繊維複合炭素材であるC/Cコンポジット(以下C/C材という)製のロール、およびこれら各ロールにAlやSiC等による表面処理や含浸を施したものも含むものとし、特にC/C材製のロールは高温強度に優れているので好ましい。
また請求項4記載の熱処理炉は、請求項1または2または3記載の熱処理炉において、前記流入口と前記流出口を、通気性を有する仕切板状の蓄熱体でそれぞれ覆ったことを特徴とする。
この発明において、熱処理室の壁部に設けた冷却用ガスの流入口と流出口は、開閉用の蓋を設けたり、あるいはこの蓋のない開放状態のままのものとしてもよいが、請求項4記載の構成とすれば、ひとつの熱処理室において被処理物のヒータによる加熱工程と冷却用ガスによる冷却工程を連続しておこなう場合は、加熱工程時において加熱され蓄熱体が昇温蓄熱状態にあり、また別の加熱室において加熱された被処理物を熱処理室に受入れて冷却用ガスによる冷却をおこなう場合は、冷却工程開始前にヒータにより熱処理室内を昇温し蓄熱体を昇温蓄熱状態とすることにより、冷却用ガス送入による冷却工程開始時には冷却用ガスが蓄熱体通過により昇温して、被処理物への冷風吹付による過冷却が防止されるとともに、流入口および流出口の外側にある炉体やダクトなどの低温部材と被処理物の間に昇温状態の蓄熱体が介在して被処理物から上記低温部材への熱放射を抑制するので、この熱放射による停止状態の被処理物やハースロールによる移送中における被処理物の部分的な温度低下が防止され、被処理物の温度差が少量に抑制されるのである。
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、トレイの貫通穴を経て昇降する支持台により被処理物保持体を保持して回転させるようにしたので、熱処理室内温度が高い場合でも、冷却時における被処理物温度の均一化をはかることができる。またオシレーションをおこなう場合のような炉長方向の被処理物移動用空間は不要であり、さらに支持台により被処理物保持体のみを回転させトレイは回転させないので炉巾方向の必要スペースも小さく、熱処理室内スペースが小さくて済む。
また上記の効果に加えて、請求項2記載の発明によれば、支持台直上位置に停止したトレイを、冷却後の被処理物保持体をトレイ上に再載置するまでの間、トレイ位置決め装置により位置ずれ量の少ない状態で停止位置に保持することができ、トレイ上の被処理物保持体の位置ずれによる次工程部への移送時や次工程部における支障をきたすことがない。
また上記の効果に加えて、請求項3記載の発明によれば、停止状態で保持される時間の長いハースロールに、変形や早期の消耗が生じることがなく、水冷も必要としないので装置が簡潔なもので済む。
また上記の効果に加えて、請求項4記載の発明によれば、昇温蓄熱状態にある蓄熱体による、冷却用ガスの昇温作用および被処理物から流入口および流出口の外側部材への熱放射の抑制作用により、冷却工程開始時における被処理物の過冷却や、支持台による上昇・回転前の停止状態やハースロールによる移送中における被処理物の部分的な過冷却や温度低下が防止され、冷却時における被処理物温度を一層均一化させることができる。
以下図1〜図3に示す一例により、この発明の実施の形態を説明する。図中、1は熱処理炉で、この例では被処理物Wを真空加熱後ガス焼入れするローラハース式真空炉から成る。2は、円筒状の鋼製の炉体で、3は被処理物装入用の入口、4は同じく取出用の出口で、それぞれエアシリンダ式の開閉装置5により開閉駆動される扉6,7をそなえている。炉体2内は、前室11、加熱室12、本発明における熱処理室である降温保持室13、冷却室14の四つに区画され、加熱室12および降温保持室13は、図示しない真空排気装置に接続され、降温保持室13および冷却室14は、図示しない窒素ガス供給源に接続されている。15は炉長全長にわたって設けた、被処理物搬送用のハースロールで、この例ではC/Cコンポジット製のカーボンロールから成る。上記の降温保持室13は、加熱室12で高温に加熱された被処理物を、所定の温度に冷却し該冷却温度に所定時間等温保持する熱処理室である。
加熱室12は、四周を黒鉛製の断熱壁20により囲繞され、室内に電熱式のヒータ21をそなえ、また降温保持室13は、加熱室12と同様な断熱壁22により四周を囲繞された室内に電熱式のヒータ23をそなえるとともに、付帯装置として支持台40、トレイ位置決め装置60、蓄熱体70等をそなえているが、これらの付帯装置については後述する。冷却室14は、雰囲気ガス冷却用のクーラ24と、雰囲気ガス循環用のファン(図示しない)をそなえている。そして上記各室間の扉25,26,27は、エアシリンダ式の開閉装置28により開閉されるようになっている。
この例における熱処理対象物である被処理物Wは、図1には略図示してあるが、図2に示すように鋼製の多数個の小物部品から成り、円板状の底板31上に複数枚の円板状の棚板32をスペーサを介して多段積みして成る被処理物保持体30の各段部に、それぞれ複数個載せられ、この被処理物保持体30をトレイ35上に載置して炉内移送し後述の熱処理をおこなう。トレイ35はカーボン製の角板状を呈し、中央部に上下に貫通する貫通穴36を有し、上記被処理物保持体30の底板31はこの貫通穴36を覆う大きさの平面形状を有し、この貫通穴36を覆う状態で被処理物保持体30はトレイ35の中央部に載置される。
また図2において前記支持台40は、上記トレイ35の貫通穴36にすきまをもって嵌合する、貫通穴36より小直径の円板状体から成り、この支持台40を昇降・回転駆動する駆動装置41の駆動軸42の上端部に固定取付けされている。駆動装置41は、炉体2の下向きの開口部43に気密取付けしたブラケット44の縦梁部44aに設けたガイドレール45に沿って軸受46を昇降自在にガイドし、この軸受46により駆動軸42の下端部を回転自在に支持し、軸受46の昇降駆動用のエアシリンダ47を設けて昇降駆動機構48を構成するとともに、ブラケット49を介して軸受46に取付けたモータ51付きの減速機50の出力軸に取付けた駆動スプロケット52と、駆動軸42の下部に取付けた従動スプロケット53とにチエン54を巻掛けて回転駆動機構55を構成して成る。
駆動軸42は、ブラケット44に取付けた気密シール式の軸受56により、昇降および回転自在に支持され、この駆動軸42の上端部に取付けた支持板40は、昇降駆動機構48によってその上面が、図2に示すトレイ35の下面より下側に位置する下降位置と、トレイ35の貫通穴36を経てトレイ35の上面より上側に突出する上昇位置との間を、昇降駆動される。
また図1および図2において、前記トレイ位置決め装置60は、炉体2および断熱壁20を貫通して上下方向に向いた棒体61を、エアシリンダ式の昇降装置62により昇降駆動するものであり、ハースロール15により移送されたトレイ35がその貫通穴36が前記支持台40の直上部に達した所定の停止位置で停止したとき、下降駆動された棒体61の下端部61aがトレイ35に設けた穴37に嵌合するように、配置されている。この例では上記の穴37は、トレイ35の前端部および後端部寄りで且つトレイ左右巾の中心位置に、2個設けてあり、この穴位置に対応して2台のトレイ位置決め装置60を配置してある。なお穴37の直径は棒体61の下端部61aの直径より所定量(たとえば10mm)大きい寸法としてある。
また図2に示すように降温保持室13の断熱壁22の側壁部には、冷却用ガスの流入口71と流出口72が対向して設けられ、流入口71に連通する炉体2の給気口73と、流出口72に連通する炉体2の排気口74との間をダクトで接続したガス循環路75には、冷却用ガス循環用の送風機と、冷却用ガス温度調節用のクーラおよびヒータ(いずれも図示しない)が設けてある。そして流入口71および流出口72は、通気性を有する仕切板状の蓄熱体76でそれぞれ覆ってある。この蓄熱体76としてこの例では、多数枚の狭巾のステンレス板を格子状に枠組みして溶接により一体化したものを用いている。
次に上記構成の熱処理炉1における被処理物Wの処理方法の例を、図3も参照しつつ説明する。先ず、空気焼入鋼(この例では冷間ダイス鋼SKD11)製の被処理物Wを、被処理物保持体30に段積みし、これをトレイ35の中央部に載置した状態で入口3から前室11内に装入後、扉25を開いて加熱室12内に移送し、この加熱室12内を真空排気して所定の真空雰囲気中でヒータ21により被処理物Wを、図3にも示すように1000℃に加熱する。
この加熱工程終期に、降温保持室13内も加熱室12内と同程度に真空排気するとともに、ヒータ23により降温保持室13内を約500℃に昇温させておく。加熱工程後の昇温した被処理物Wを、扉26を開いて降温保持室13内に移送し、トレイ35の先端位置を図示しない光電スイッチ等で検出して、トレイ35の貫通穴36が下降位置にある支持台40の直上部に達した状態でハースロール15を停止し、2基のトレイ位置決め装置60の棒体61を下降駆動してその各先端部61aをトレイ35の2個所の穴37,37に嵌合させて、トレイ35の位置ずれを防ぐ。
そして扉26を閉じて窒素ガスの導入により降温保持室13内をほぼ大気圧の窒素ガス雰囲気とし、駆動装置41により、支持台40を上昇させて被処理物保持体30をトレイ35上から所定距離上昇させたのち、支持台40、従って被処理物保持体30を、鉛直軸線のまわりに回転駆動する。次いでガス循環路75の各機器を動作させて、図示しないヒータにより被処理物Wのマルテンサイト変態開始点温度であるMs点(SKD11の場合約400℃)より高い450℃に加温した窒素ガスを、流入口71から降温保持室13内へ送入して回転中の被処理物保持体30に吹付け、被処理物Wを冷却し、冷却時間t経過により前記Ms点の直上温度である500℃に降温した被処理物Wを、この温度に所定の保持時間tだけ保持して等温保持処理をおこなう。図3に示す被処理物の温度曲線は、被処理物保持体30上の全被処理物Wの平均的な温度を示し、実際には各被処理物の位置などによって降温遅れなどがあるため、上記の保持時間tの等温保持により全被処理物を等温化し、後工程での焼入れによる品質の均一化をはかるものである。
上記の冷却工程と等温保持工程から成る降温保持処理の完了時点で、ガス循環路75による冷却用ガスの循環吹付は停止し、駆動装置41により支持台40を回転停止後下降させて、被処理物保持体30を停止中のトレイ35上へ再載置する。トレイ35は、トレイ位置決め装置60によりほぼ当初の停止位置に保持されているので、被処理物保持体30はトレイ35の中央部へ再載置される。次いでトレイ位置決め装置60の棒体61を上昇端位置まで上昇させたのち、扉27を開きハースロール15によりトレイ35を冷却室14内に移送し、この冷却室14内において冷却用ガスの吹付けにより被処理物Wの急冷処理をおこなって、ガス焼入品を得、熱処理全工程を終了する。後続の被処理物Wに対しても上記と同工程で熱処理をおこなえばよい。
上記の降温保持室13における処理工程においては、被処理物Wは支持台40により鉛直軸線のまわりに回転駆動されつつ冷却用ガスにより冷却されるので、各被処理物Wの温度差の少ない均一冷却をおこなうことができ、また所定温度まで冷却するのに要する冷却時間tおよび等温保持処理をおこなうための保持時間tも短くて済むのである。
また上記の例では冷却用ガスの流入口71および流出口72を蓄熱体76で覆った構成としたので、降温保持工程開始前のヒータ23による加熱によって、蓄熱体76を蓄熱・昇温状態としておくことにより、ガス循環路75による冷却用ガスの循環開始時に低温のダクト系内の流通により昇温が不充分な低温の冷却用ガスが流入口71から流入する場合でも、このガスは蓄熱体76により昇温するので被処理物Wの過冷却を防止することができ、これに加えて、高温の被処理物Wが降温保持室13内へ送入されたとき、流入口71および流出口72の外側にある給気口73部や排気口74部やこれらに接続されたダクトなどの低温部材への被処理物Wからの熱放射が、昇温状態の蓄熱体76により抑制され、停止状態やハースロール15による移送中の被処理物Wの流入口71および流出口72に対面する側の部分的な温度低下が防止されるので、被処理物Wの一層均一な冷却が達成される。
この発明は上記の例に限定されるものではなく、たとえば被処理物保持体30としては、金網などの通気性を有するバスケットなどを用いてもよく、また各室の圧力や加熱・冷却温度は被処理物Wの材質や形状などに応じて、上記以外のものとしてもよい。また蓄熱体76としては、穴あき板形式のものなどを用いてもよい。またガス循環路75は、炉体2の外部に設けたが、炉体2内、すなわち炉体2と断熱壁22の間の空間部にガス循環路75を形成してもよい。
またこの発明は、上記の連続式熱処理炉のほか、一室で被処理物の高温度への加熱と、それに続く上記の冷却と等温保持をおこなう、加熱室を兼ねた降温保持室に、前室を兼ねた冷却室を連設した2つの熱処理室から成るバッチ式の熱処理炉などにも、適用できるものである。さらにこの発明は、上記の降温保持室から成る熱処理室のほか、加熱後の被処理物を冷却用ガスによりガス焼入れする熱処理室をそなえた熱処理炉や、上記のガス焼入れではなく油焼入れをおこなう熱処理炉などにも、適用できるものである。
上記構成の熱処理炉1(降温保持室13の容積=5m、蓄熱体76は下記のように着脱)により被処理物W(直径10mm,長さ30mmのSKD11製品)を被処理物保持体30に500個積載した状態で、上記の例の処理方法と温度等を同条件で、加熱および降温保持処理をおこない、降温保持室13(ガス循環路75の循環風量=120m/分)における冷却時間t=30分、保持時間t=30分の降温保持処理直後の被処理物の温度Tを測定した結果を次に示す。
[実施例1] 蓄熱体76は上記の例と同じ装着状態で、被処理物保持体30を支持台40により10回転/分の速度で回転させつつ、降温保持処理をおこなったところ、被処理物Wの温度Tは430℃〜440℃の範囲にあり、良好な均一冷却状態であった。
[実施例2] 蓄熱体76を流入口71および流出口72部から取外し、被処理物保持体30の回転は実施例1と同条件で降温保持処理をおこなったところ、被処理物Wの温度Tは420℃〜450℃の範囲にあり、均一冷却状態であった。
[比較例] 蓄熱体76を実施例2と同じく取外すとともに、支持台40は使用せず被処理物保持体30はトレイ35上に載置した停止状態で、降温保持処理をおこなったところ、被処理物の温度Tは390℃〜480℃の範囲にばらつき、一部の被処理物はMs点以下に過冷却されていた。
この発明の実施の形態の一例を示す熱処理炉の縦断面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1の熱処理炉による熱処理の例を示す被処理物の処理温度曲線である。
符号の説明
1…熱処理炉、13…降温保持室、15…ハースロール、23…ヒータ、30…被処理物保持体、35…トレイ、36…貫通穴、37…穴、40…支持台、41…駆動装置、48…昇降駆動機構、55…回転駆動機構、60…トレイ位置決め装置、61…棒体、61a…先端部、62…昇降装置、71…流入口、72…流出口、76…蓄熱体。

Claims (4)

  1. ヒータをそなえた熱処理室の側壁部に冷却用ガスの流入口と流出口とを設け、被処理物移送用のハースロールをそなえた熱処理炉において、
    中央部に上下に貫通する貫通穴を有し前記ハースロールにより支持されるトレイ上に、被処理物を保持し底面部が前記貫通穴を覆う被処理物保持体を載置するとともに、
    前記貫通穴にすきまをもって嵌合する平面形状を有し、鉛直軸線のまわりに回転駆動されるとともに、前記ハースロールにより支持された前記トレイの下面より下側の下降位置と、所定の停止位置に停止した前記トレイの前記貫通穴を経て該トレイの上面より上側に突出する上昇位置との間を昇降駆動される、支持台を具備したことを特徴とする熱処理炉。
  2. 前記トレイに上向きに開口する複数個の穴を設け、前記ハースロールにより支持され所定の停止位置に停止した前記トレイの前記穴に、昇降駆動される棒体の下端部を嵌脱させ、該下端部と前記穴との嵌合により、前記トレイの位置ずれを防止するトレイ位置決め装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の熱処理炉。
  3. 前記ハースロールを、カーボンロールで構成したことを特徴とする請求項1または2記載の熱処理炉。
  4. 前記流入口と前記流出口を、通気性を有する仕切板状の蓄熱体でそれぞれ覆ったことを特徴とする請求項1または2または3記載の熱処理炉。
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