JP7365284B2 - 熱風式乾燥炉 - Google Patents

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Description

本発明は、熱風式乾燥炉に関する。
例えば水溶性の塗料により被塗物を塗装した場合、塗膜の乾燥や焼き付け等(以下、乾燥等)のため、被塗物を乾燥炉に投入する。乾燥炉内で被塗物が高温に晒されることにより、被塗物の乾燥等が行われる。このような乾燥炉として、熱風式乾燥炉が提案されている。熱風式乾燥炉を用いて被塗物等のワーク(以下、被乾燥物)に高温の熱風を吹き付けることにより、乾燥等の処理時間の短縮を図ることができる。
特許文献1は、熱風発生器で発生した熱風を、乾燥炉内の吹出しダクトから高速で連続的に高圧噴射させて被加熱物(被乾燥物)に吹き付けた後、吹き付けた熱風を、循環ダクトを通して熱風発生器に還流させるように構成された加熱炉システムを開示する。この加熱炉システムによれば、熱風発生器で発生した熱風が、加熱炉内のチャンバーに圧送される。チャンバーに圧送された熱風は、ダンパを経由して吹出ダクトに流入する。この吹出ダクトに設けられた吹出孔から、所定の高温の熱風が加熱炉内の被加熱物に高速で吹き付けられる。これにより被加熱物の乾燥等が行われる。被加熱物に吹き付けられる熱風の風速は、ダンパにより調整することができる。
特開2009-92352号公報
(発明が解決しようとする課題)
被乾燥物が乾燥炉に搬入されると、まず、被乾燥物の温度が所定の高温に昇温される。その後、被乾燥物の温度が所定の高温に保持される。被乾燥物の温度が所定の高温に保持されたまま被乾燥物が乾燥炉内を移動する間に、被乾燥物の乾燥等が行われる。従って、乾燥炉内の空間(以下、乾燥空間)には、被乾燥物の温度を所定の高温に昇温する昇温ゾーンと、被乾燥物の温度を所定の高温に保持するキープゾーンとが設けられる。
昇温ゾーンでは被乾燥物の温度を所定の短時間のうちに所定の高温に昇温させる必要があることから、熱風式乾燥炉の昇温ゾーンには風速の速い熱風が供給される。一方、キープゾーンでは昇温ゾーンにて昇温された被乾燥物の温度を維持する程度の熱風を供給すれば足りるので、熱風式乾燥炉のキープゾーンには比較的風速の遅い熱風が供給される。
このような昇温ゾーン及びキープゾーンを有する熱風式乾燥炉に特許文献1の加熱炉システムを適用する場合、昇温ゾーンに吹き出す熱風の風速が速く、キープゾーンに吹き出す熱風の風速が遅くなるように、吹出しダクトに設けられるダンパが調整される。つまり、熱風発生器にて発生した熱風が、ダンパによって、昇温ゾーンに供給する熱風とキープゾーンに供給する熱風に切り分けられる。
また、特許文献1記載の加熱炉システムは、熱風発生器にて発生した熱風を、循環ファンを用いて乾燥炉内に供給するように構成されているので、昇温ゾーンに供給される熱風の風速が速いほど、多くの空気を循環ファンに供給しなければならない。これに対応して循環ファンの回転数を上昇させると、熱風発生器に流れ込む空気の風速も速くなる。この場合、熱風発生器の加熱源としてのバーナが、流れ込む高速の空気によって失火してしまう虞がある。
上記のようなバーナの失火は、特に、熱風式乾燥炉に搬入する被乾燥物を、従前から熱風式乾燥炉に搬入されていた被乾燥物よりも熱容量の大きなもの(例えば大きなもの)に変更しようとする場合に顕著に発生すると考えられる。被乾燥物をより熱容量の大きなものに変更した場合、昇温ゾーンに供給する熱風の風速を従前よりも高める必要があり、その結果、循環ファンが高速回転して熱風発生器に流れ込む空気の流速が速まり、バーナが失火してしまう。
つまり、特許文献1に記載の加熱炉システムのように熱風発生器にて発生した熱風をダンパによって高速の熱風と低速の熱風とに切り分ける構造では、初期に設定した風速を後に調整することはバーナの失火につながる可能性があるため難しい。それ故に、特許文献1記載の加熱炉システムは複数の異なる被乾燥物に適用することが困難で、汎用性がないと言える。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、昇温ゾーンに供給される熱風の風速が速められた場合であっても、バーナが失火しないように構成された熱風式乾燥炉を提供することを、目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、内部に乾燥空間(S)が形成され、乾燥空間(S)が、被乾燥物(W)の温度を所定の高温に昇温させるための空間である昇温ゾーン(10B)と、昇温ゾーン(10B)に連通しており昇温ゾーン(10B)にて所定の高温に昇温された被乾燥物(W)の温度を所定の高温に保持するための空間であるキープゾーン(10C)とを有するように構成された乾燥炉本体(10)と、キープゾーン(10C)に配設され、内部空間を有するとともにキープゾーン(10C)に開口した低速熱風吹出孔(50a)が形成された低速熱風吹出装置(50)と、昇温ゾーン(10B)に配設され、内部空間を有するとともに昇温ゾーンに開口した高速熱風吹出孔(60a)が形成された高速熱風吹出装置(60)と、一方端が乾燥空間(S)に連通し他方端が低速熱風吹出装置(50)の内部空間に連通するメインダクト(30)と、一方端が乾燥空間(S)に連通し他方端が高速熱風吹出装置(60)の内部空間に連通するサブダクト(70)と、メインダクト(30)に介装され、メインダクト(30)を流れる空気をバーナ(22)を用いて加熱する加熱器(20)と、メインダクト(30)内の空気を低速熱風吹出装置(50)の内部空間に送り込むように駆動する第一空気送給装置(40)と、サブダクト(70)に介装され、サブダクト(70)内の空気を高速熱風吹出装置(60)の内部空間に送り込むように駆動する第二空気送給装置(80)と、を備え、サブダクト(70)には、サブダクト(70)を流れる空気を加熱する加熱器が改装されていない、熱風式乾燥炉を提供する。
上記発明によれば、メインダクトを通って低速熱風吹出装置に送り込まれる空気の送給ルート(メインルート)と、サブダクトを通って高速熱風吹出装置に送り込まれる空気の送給ルート(サブルート)は、それぞれ独立しており、一方のルートを流れる熱風は他方のルートを流れる熱風の影響を受けない。このため、サブルートを通って高速熱風吹出装置から昇温ゾーンに吹き出される熱風の風速が速められた場合であっても、メインルートを通って低速熱風吹出装置からキープゾーンに吹き出される熱風の風速を速める必要がない。よって、メインルート(メインダクト)に介装された加熱器のバーナが、メインルート(メインダクト)を通る空気の風速が速まることによって失火することを防ぐことができる。
上記発明において、第二空気送給装置は、モータの駆動力により回転作動するブロア(80)であっても良い。この場合、本発明に係る熱風式乾燥炉は、ブロアの回転速度(回転数)を制御する制御装置(90)をさらに備え、制御装置(90)は、被乾燥物の熱容量に応じてブロア(80)の回転速度を制御することができるように構成されると良い。
これによれば、制御装置によってブロアの回転速度を制御することにより、被乾燥物の熱容量に応じて最適な風速の熱風を、昇温ゾーン内の被乾燥物に吹き付けることができる。また、ブロアの回転速度を従前よりも速めることによって、サブダクトを経由して高速熱風吹出装置から昇温ゾーンに吹き出される熱風の風速を速めた場合においても、上記したようにメインダクトを通過する空気の風速を速める必要がないので、メインルートに介装された加熱器のバーナが失火することはない。換言すれば、バーナの失火を気にすることなく、昇温ゾーンに吹出す熱風の風速を調整することができる。よって、様々な大きさや形状の被乾燥物の乾燥等を本発明の熱風式乾燥炉を用いて行うことができ、熱風式乾燥炉の汎用性を高めることができる。
図1は、本実施形態に係る熱風式乾燥炉の側面概略図である。 図2は、本実施形態に係る熱風式乾燥炉の内面概略図である。 図3は、図2のIII-III線断面の概略図である。 図4は、図4のIV-IV線断面の概略図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る熱風式乾燥炉の側面概略図であり、図2は側面方向から見た本実施形態に係る熱風式乾燥炉の内面概略図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る熱風式乾燥炉1は、乾燥炉本体10と、加熱器20と、メインダクト30と、循環ファン40(第一空気送給装置)と、低速熱風吹出ダクト50(低速熱風吹出装置)と、高速熱風吹出装置60と、サブダクト70と、ブロア80(第二空気送給装置)と、制御装置90と、を備える。
乾燥炉本体10は、被乾燥物Wを搬入及び搬出することができるように形成され、内部には上下左右を壁で囲まれた乾燥空間Sが形成される。乾燥炉本体10は長尺状に形成され、その両端は開口している。開口している一方の端部が被乾燥物Wを搬入するための入口開口11であり、他方の端部が被乾燥物Wを搬出するための出口開口12である。
図2に示すように、乾燥空間S内において乾燥炉本体10の上壁13の下面に、ガイドレール14が乾燥炉本体10の長手方向に沿って設けられており、このガイドレール14に被乾燥物Wが吊り下げられる。ガイドレール14に吊り下げられた被乾燥物Wは、図示を省略した移動機構によりガイドレール14に沿って移動することにより、乾燥炉本体10の入口開口11から乾燥炉本体10内に搬入され、乾燥空間S内を移動して、出口開口12から搬出される。
また、図2に示すように、乾燥炉本体10の乾燥空間S内には、搬入ゾーン10A、昇温ゾーン10B、キープゾーン10C、及び搬出ゾーン10Dが、入口開口11から出口開口12に向かってこの順に形成される。従って、乾燥炉本体10に搬入された被乾燥物Wは、搬入ゾーン10A、昇温ゾーン10B、キープゾーン10C、搬出ゾーン10Dをこの順に通過して、乾燥炉本体10から搬出されることになる。図2では、搬入ゾーン10Aは入口開口11から斜め上方に昇るように形成され、昇温ゾーン10B及びキープゾーン10Cは水平に形成され、搬出ゾーン10Dは出口開口12に向かって斜め下方に降るように形成される。
搬入ゾーン10Aは、被乾燥物Wを乾燥炉本体10内に搬入するための空間である。昇温ゾーン10Bは、被乾燥物Wを所定の高温に昇温するための空間である。キープゾーン10Cは、昇温ゾーン10Bに連通しており、昇温ゾーン10Bにて所定の高温に昇温された被乾燥物Wの温度を所定の高温に保持するための空間である。搬出ゾーン10Dは、被乾燥物Wを乾燥炉本体10内から搬出するための空間である。
メインダクト30は、図1に示すように、乾燥炉本体10の外部であって乾燥炉本体10の側壁に沿って設けられる。メインダクト30は内部空間を有する管状部材であり、その一方端が空気回収装置31に接続される。空気回収装置31は、乾燥炉本体10内の乾燥空間Sから乾燥炉本体10の側壁を貫通して乾燥炉本体10の外部に一部が引き出されるように構成される(図3参照)。この空気回収装置31に、乾燥空間S内の空気が取り込まれる。従って、メインダクト30の一方端は、空気回収装置31を介して乾燥空間Sに連通していることになる。
図1においては、メインダクト30は、その一方端(空気回収装置31に接続される側の端)から乾燥炉本体10の側壁に沿って左方に向かい、左方の端部から上方に曲がり、さらに右方にUターンするように形成されている。このメインダクト30には、異物等を除去するためのフィルター32、加熱器20、及び、第一空気送給装置としての循環ファン40が介装されている。
加熱器20は、メインダクト30内の空気が流通する流路21と、この流路21に火炎を放出して流路21を流通する空気を加熱するバーナ22とを備える。このバーナ22を用いて、流路21を流通する空気、すなわちメインダクト30内の空気が加熱される。
循環ファン40は、駆動することにより、メインダクト30内の空気をメインダクト30の一方端側(空気回収装置31に接続される端側)から他方端30a側に送り込む。メインダクト30の他方端30a側の部分は、循環ファン40から上方に延び、乾燥炉本体10の上壁13の上方に回り込んで、後述するように乾燥空間S内(キープゾーン10C内)に配設されている低速熱風吹出ダクト50の内部空間に連通している。従って、循環ファン40は、メインダクト30内の空気を低速熱風吹出ダクト50の内部空間に送り込むように駆動する。
図3は、図1のIII-III線断面図である。図3には、メインダクト30の他方端30aと低速熱風吹出ダクト50との連通状態が示される。図3に示すように、乾燥炉本体10の上壁13には上下に貫通した第一貫通孔13aが形成されている。この第一貫通孔13aの外側開口(上側開口)にメインダクト30の他方端30aが上方から接続される。一方、第一貫通孔13aの内側開口(下側開口)に低速熱風吹出ダクト50が接続される。このように、第一貫通孔13aを通じて、メインダクト30の他方端30aと低速熱風吹出ダクト50が連通する。
低速熱風吹出ダクト50は、図2に示すように乾燥空間S内にて乾燥炉本体10の上壁13の下方面に固定される。低速熱風吹出ダクト50は、乾燥空間Sのうちキープゾーン10Cの上部空間に配設され、乾燥炉本体10の長手方向に沿って長尺状に形成される。本実施形態では、低速熱風吹出ダクト50は、複数のチャンバーを有し、これら複数のチャンバーが互いに連通された状態で乾燥炉本体10の長手方向に連なることにより、低速熱風吹出ダクト50が形成される。低速熱風吹出ダクト50は内部空間を有し、この内部空間がメインダクト30の他方端30aに連通する。本実施形態では、低速熱風吹出ダクト50を構成する複数のチャンバーの一つ(図2では最も右側のチャンバー)に貫通孔51が形成され(図3参照)、この貫通孔51の位置が上壁13に設けられた第一貫通孔13aの位置に一致するように、低速熱風吹出ダクト50が配設される。このため低速熱風吹出ダクト50の貫通孔51及び乾燥炉本体10の上壁13に設けられた第一貫通孔13aを通じて、メインダクト30の他方端30aと低速熱風吹出ダクト50の内部空間が連通する。また、低速熱風吹出ダクト50には、その内部空間とキープゾーン10Cとを連通するように、キープゾーン10Cに開口した複数の低速熱風吹出孔50aが形成されている。従って、低速熱風吹出ダクト50の内部空間に流入した空気は、複数の低速熱風吹出孔50aを通じてキープゾーン10Cに供給されることになる。
また、図2に示すように、乾燥炉本体10の上壁13には、上下に貫通した第二貫通孔13bが形成されている。この第二貫通孔13bは、本実施形態では、乾燥炉本体10の乾燥空間Sのうち、キープゾーン10Cに開口している。そして、この第二貫通孔13bの外側開口(上部開口)に、サブダクト70の一方端が連通している。従って、サブダクト70の一方端は、第二貫通孔13bを介して乾燥炉本体10内の乾燥空間S(キープゾーン10C)に連通している。
サブダクト70は内部空間を有する管状部材であり、図2からわかるように、乾燥炉本体10の外部に設けられ、乾燥炉本体10の上壁13に沿って長手方向に延在している。このサブダクト70の途中に、第二空気送給装置としてのブロア80が介装される。ブロア80は、取り込み口及び排出口が形成されたケースと、ケース内で回転する羽根車と、羽根車を回転させるモータとを有し、モータの駆動力により羽根車が回転作動することによって、取り込み口からケース内に取り込んだ空気を排出口に圧送する。このブロア80は、サブダクト70の一方端(低速熱風吹出ダクト50の内部空間に連通する端)からサブダクト70の他方端に向かって空気が送り込まれるように、サブダクト70に介装される。なお、ブロア80は、サブダクト70内の空気をサブダクト70の一方端側から他方端に向かって送り込む機能を有していれば、その構造については特に限定されない。
また、ブロア80のモータには、制御装置90が電気的に接続される。制御装置90は、インバータ回路を含んで構成されており、ブロア80のモータの回転数(回転速度)を制御することにより、ブロア80から圧送される空気の流量を制御することができるように構成されている。
図4は、図1のIV-IV線断面図である。図4には、サブダクト70の他方端側の構成が示される。図4に示すように、サブダクト70の他方端70a側は、一対の分岐管71,71により構成される。それぞれの分岐管71,71は、乾燥炉本体10の上壁13に設けられた一対の第三貫通孔13c、13cを貫通して乾燥空間S内に進入している。そして、一対の分岐管71,71の各端部は、乾燥空間S内にて一対の高速熱風吹出装置60,60にそれぞれ接続される。
高速熱風吹出装置60は、内部空間を有する筐体状に形成されており、この内部空間にサブダクト70の他方端70a(分岐管71)が連通する。従って、ブロア80が駆動すると、サブダクト70内の空気が高速熱風吹出装置60の内部空間に送り込まれる。
高速熱風吹出装置60は、乾燥空間S内の昇温ゾーン10Bに配設される。また、高速熱風吹出装置60には、その内部空間と昇温ゾーン10Bとを連通するように、昇温ゾーン10Bに開口する複数の高速熱風吹出孔60aが形成されている。この高速熱風吹出孔60aには吹出ノズルが取り付けられていてもよい。
上記構成の熱風式乾燥炉1において、循環ファン40が駆動すると、メインダクト30の一方端側(空気回収装置31に接続される端側)から他方端30a側に向かう空気の流れが生じる。これにより、メインダクト30の一方端側に連通した空気回収装置31に取り込まれた乾燥空間S内の空気がメインダクト30を流れ、フィルター32を通過して加熱器20の流路21に流入する。加熱器20の流路21に流入した空気はバーナ22で加熱される。バーナ22で加熱された高温空気は加熱器20を流出した後に循環ファン40を通過し、メインダクト30の他方端30aから乾燥炉本体10の乾燥空間S内に設置された低速熱風吹出ダクト50の内部空間に流入する。低速熱風吹出ダクト50の内部空間に流入した高温空気は、低速熱風吹出孔50aから乾燥炉本体10の乾燥空間Sのうちキープゾーン10Cに吹出す。図1、図2及び図3に、メインダクト30を経由してキープゾーン10Cに吹き出す熱風の流れを実線の矢印により示す。実線の矢印により示される熱風の流れ(空気の送給ルート)を、以下、メインルートと呼ぶこともある。
また、ブロア80が回転作動すると、乾燥空間S内の高温空気がブロア80に引き込まれる。ブロア80に引き込まれた高温空気はサブダクト70を流れて一対の高速熱風吹出装置60,60の各内部空間に流入する。一対の高速熱風吹出装置60,60の各内部空間に流入した高温空気は、高速熱風吹出孔60aから昇温ゾーン10Bに吹出す。図2及び図4に、サブダクト70を経由して昇温ゾーン10Bに吹き出す熱風の流れを破線の矢印により示す。破線の矢印により示される熱風の流れ(空気の送給ルート)を、以下、サブルートと呼ぶこともある。
また、図4に示すように、一対の高速熱風吹出装置60,60は、昇温ゾーン10Bを構成する乾燥炉本体10の両側壁にそれぞれ隣接するように設置されていて、昇温ゾーン10B内の被乾燥物Wは、一対の高速熱風吹出装置60,60の間を通る。また、一対の高速熱風吹出装置60,60のそれぞれに設けられている複数の高速熱風吹出孔60aは、昇温ゾーン10Bを通過する被乾燥物Wに対面する位置に形成されている。従って、サブルートを通って高速熱風吹出装置60の高速熱風吹出孔60aから吹き出された熱風は、昇温ゾーン10Bを通過する被乾燥物Wの両側面から被乾燥物Wに吹き付けられる。このときブロア80の回転数(回転速度)を所定の高速回転に設定することにより、高速熱風吹出装置60の高速熱風吹出孔60aから所定の高速(例えば2m/秒~10m/秒)の熱風が昇温ゾーン10Bに吹出す。これにより、高速の熱風が昇温ゾーン10B内の被乾燥物Wに吹き付けられ、被乾燥物Wが速やかに所定の高温(例えば140℃)に昇温される。
また、メインルートを通って低速熱風吹出ダクト50の低速熱風吹出孔50aから吹き出された熱風は、図3に示すようにキープゾーン10C内の被乾燥物Wに斜め上方から吹き付けられるとともにキープゾーン10Cを循環する。これによりキープゾーン10C内の被乾燥物Wの温度が所定の高温(例えば140℃)に保持される。そして、被乾燥物Wがキープゾーン10C内を移動する間に、被乾燥物Wの乾燥等が行われる。また、循環ファン40の回転数を所定の低速回転に設定することにより、低速熱風吹出ダクト50の低速熱風吹出孔50aから所定の低速(例えば0.5m/秒)の熱風がキープゾーン10Cに吹出す。こうして循環ファン40を低速回転させることにより、メインダクト30に介装された加熱器20の流路21を流れる空気の風速を所定の低速に維持することができ、これにより、加熱器20の流路21を流れる空気の風速が速いことによってバーナ22が失火することが防止される。
ここで、メインダクト30とサブダクト70とは、別々に形成されているので、メインダクト30を通って低速熱風吹出ダクト50に送り込まれる空気の送給ルート(メインルート)とサブダクト70を通って高速熱風吹出装置60に送り込まれる空気の送給ルート(サブルート)はそれぞれ独立しており、一方のルートを流れる熱風は他方のルートを流れる熱風の影響を受けない。換言すれば、高速熱風吹出装置60から吹き出される熱風の送給ルート(サブルート)は、低速熱風吹出ダクト50から吹き出される熱風の送給ルート(メインルート)と切り離されている。このため、サブルートを通って高速熱風吹出装置60から昇温ゾーン10Bに吹き出される熱風の風速が速められた場合であっても、そのサブルートとは切り離されているメインルートを通って低速熱風吹出ダクト50からキープゾーン10Cに吹き出される熱風の風速を速める必要がない。つまりメインルート(メインダクト30)に介装された循環ファン40の回転数を高める必要がない。よって、メインルート(メインダクト30)に介装された加熱器20のバーナ22がメインルート(メインダクト30)を通る空気の風速が速まることによって失火することを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、ブロア80のモータに電気的に接続された制御装置90がインバータ回路を備えており、インバータ回路によってモータに与える電流を制御してブロア80の回転数(回転速度)を制御することにより、ブロア80が圧送する高温空気の流量を制御することができる。従って、被乾燥物Wを変更した場合であっても、変更した被乾燥物Wの熱容量に合わせてブロア80を制御することにより、所望の風速の熱風を高速熱風吹出装置60から吹き出すことが可能になる。つまり、制御装置90によってブロア80の回転速度を制御することにより、被乾燥物Wの熱容量に応じて最適な風速の熱風を、昇温ゾーン10B内の被乾燥物Wに吹き付けることができる。なお、変更した被乾燥物に適した熱風の風速を得るためにブロア80の回転数(回転速度)を従前よりも高速に設定した場合においても、低速熱風吹出ダクト50から吹き出す熱風は上記したように高速熱風吹出装置60から吹き出す熱風の風速に影響されないため、循環ファン40の低速回転を維持できる。このため、高速熱風吹出装置60から吹き出す熱風の風速を速めたことによって循環ファン40の回転数をより高速に設定することに起因して、加熱器20のバーナ22が失火することを防ぐことができる。換言すれば、バーナ22の失火を気にすることなく、昇温ゾーン10Bに吹き出す熱風の風速を調整することができる。よって、様々な大きさや形状の被乾燥物の乾燥等を、熱風式乾燥炉1を用いて行うことができ、熱風式乾燥炉の汎用性を高めることができる。
また、本実施形態に係る熱風式乾燥炉1は、乾燥空間内を低速で循環する熱風のルート、すなわちメインルートのみが設けられた既存の熱風式乾燥炉に、上記にて説明したサブルートに係る構成を付加することにより、構成することができる。つまり既存の設備を利用して本実施形態に係る熱風式乾燥炉を構成することができる。このため熱風式乾燥炉の低コスト化を図ることができる。さらに、本実施形態によれば、加熱源(加熱器20)が一つでありながら、乾燥炉本体内の乾燥空間を自由に昇温ゾーンとキープゾーンとにゾーン分けすることができ、且つ両ゾーンに高温の熱風を供給することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態にて説明した熱風式乾燥炉1の乾燥炉本体10は、図1及び図2においては直線状に形成されているが、例えばキープゾーン10Cを構成する部分が途中でUターンするように折れ曲がって構成されていてもよい。また、上記実施形態では、サブダクト70の一方端がキープゾーン10Cに連通している例について説明したが、サブダクト70の一方端は昇温ゾーン10Bに連通するように構成されていてもよい。また、上記実施形態では、第一空気送給装置として循環ファン40を例示したが、第一空気送給装置は、メインダクト30内の空気を低速熱風吹出ダクト50の内部空間に送り込むように駆動するものであれば、循環ファン以外の構成を採用してもよい。また、上記実施形態では、第二空気送給装置としてブロア80を例示したが、第二空気送給装置は、サブダクト70内の空気を高速熱風吹出装置60の内部空間に送り込むように駆動するものであれば、ブロア以外の構成を採用してもよい。また、サブダクト70を通る空気を保温するために、サブダクト70の周囲に断熱材や遮熱材を取り付けても良い。また、本発明に係る熱風式乾燥炉は、電着塗装された被乾燥物の乾燥等に好適に用いることができるが、昇温条件を見極めることで、電着塗装以外の表面処理が施された被乾燥物の乾燥等にも用いることができる。本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…熱風式乾燥炉、10…乾燥炉本体、10B…昇温ゾーン、10C…キープゾーン、13…上壁、13a…第一貫通孔、13b…第二貫通孔、13c…第三貫通孔、20…加熱器、21…流路、22…バーナ、30…メインダクト、30a…他方端、31…空気回収装置、32…フィルター、40…循環ファン(第一空気送給装置)、50…低速熱風吹出ダクト(低速熱風吹出装置)、50a…低速熱風吹出孔、60…高速熱風吹出装置、60a…高速熱風吹出孔、70…サブダクト、70a…他方端、71…分岐管、80…ブロア(第二空気送給装置)、90…制御装置、S…乾燥空間

Claims (2)

  1. 内部に乾燥空間が形成され、前記乾燥空間が、被乾燥物の温度を所定の高温に昇温させるための空間である昇温ゾーンと、前記昇温ゾーンに連通しており前記昇温ゾーンにて所定の高温に昇温された被乾燥物の温度を前記所定の高温に保持するための空間であるキープゾーンとを有するように構成された乾燥炉本体と、
    前記キープゾーンに配設され、内部空間を有するとともに前記キープゾーンに開口した低速熱風吹出孔が形成された低速熱風吹出装置と、
    前記昇温ゾーンに配設され、内部空間を有するとともに前記昇温ゾーンに開口した高速熱風吹出孔が形成された高速熱風吹出装置と、
    一方端が前記乾燥空間に連通し他方端が前記低速熱風吹出装置の内部空間に連通するメインダクトと、
    一方端が前記乾燥空間に連通し他方端が前記高速熱風吹出装置の内部空間に連通するサブダクトと、
    前記メインダクトに介装され、前記メインダクトを流れる空気をバーナを用いて加熱する加熱器と、
    前記メインダクト内の空気を前記低速熱風吹出装置の内部空間に送り込むように駆動する第一空気送給装置と、
    前記サブダクトに介装され、前記サブダクト内の空気を前記高速熱風吹出装置の内部空間に送り込むように駆動する第二空気送給装置と、
    を備え
    前記サブダクトには、前記サブダクトを流れる空気を加熱する加熱器が介装されていない、熱風式乾燥炉。
  2. 請求項1に記載の熱風式乾燥炉であって、
    前記第二空気送給装置は、モータの駆動力により回転作動するブロアであり、
    前記ブロアの回転速度を制御する制御装置をさらに備え
    前記制御装置は、前記被乾燥物の熱容量に応じて前記ブロアの回転速度を制御することができるように構成される、熱風式乾燥炉。
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