JP2000271937A - ゴムロールの加硫装置及びその加硫方法 - Google Patents

ゴムロールの加硫装置及びその加硫方法

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JP2000271937A
JP2000271937A JP8426799A JP8426799A JP2000271937A JP 2000271937 A JP2000271937 A JP 2000271937A JP 8426799 A JP8426799 A JP 8426799A JP 8426799 A JP8426799 A JP 8426799A JP 2000271937 A JP2000271937 A JP 2000271937A
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rubber roll
heating tank
vulcanizing
heating
rubber
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JP8426799A
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Shigeaki Takeshima
重明 竹島
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムロールの全域にわたり均一な物性を得る
ことができるとともに、チェーンコンベヤの耐久性を向
上させることができるゴムロールの加硫装置及びその加
硫方法を提供する。 【解決手段】 遠赤外線ヒータ20a,20b,20
c,20dは、垂直方向に対して所定角度だけ傾斜させ
て遠赤外線を照射し、ゴムロール1の外表面全域を略均
一に加熱して焼き固める。このために、ゴムロール1が
発泡しても自由に膨らまない。また、ゴムロール1は、
支持部材52によって両端部を支持されており、この支
持部材52は、加熱槽20の側面を貫通し、加熱槽20
の外側に設けられたチェーンコンベヤに取り付けられて
いる。このために、チェーンコンベヤが直接加熱され
て、チェーンが劣化するのを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機な
どに組み込まれて定着、現像、紙送りなどに使用される
ゴムロールの加硫装置及びその加硫方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来のゴムロールの加硫装置
の構成図であり、図11は、従来のゴムロールの加硫装
置により加硫されたゴムロールの断面図である。図10
に示すゴムロールの加硫装置は、芯金101aを有する
ゴムロール101を加熱して加硫する加熱槽102と、
この加熱槽102の下流側に設けられ、このゴムロール
101を冷却する冷却槽103と、加熱槽102と冷却
槽103とを貫き、ゴムロールを間欠的に循環駆動する
チェーンコンベヤ104とを備えている。未加硫のゴム
ロール101は、チェーンコンベヤ104上に上流側か
ら順次搭載されて、一定時間毎に加熱槽102内に搬入
される。そして、このゴムロール101は、熱風発生機
120e,120fによる熱風循環により、約300〜
450°Cで約5〜15分間加熱された後に、冷却槽1
03内に搬入されて、冷却空気により約40°C以下ま
で冷却され、ゴム部が加硫及び発泡する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発泡ゴムロールや半導
電ゴムロールなどは、加硫によるゴム部の温度上昇や温
度分布によって、ゴム部内における発泡セルの大きさや
分布の均一性が大きく変化し、その物性に大きな影響が
ある。例えば、現像ロールは、その外周部の円周方向に
均一な電気抵抗値が要求されており、発泡セルの大きさ
や分布の均一性がその物性に大きく作用していた。
【0004】しかし、図10に示すゴムロールの加硫装
置は、熱風循環による雰囲気温度でのゴムロール101
の加硫及び発泡であるために、発泡セルの大きさや均一
性を規制することができなかった。また、図11に示す
ように、従来のゴムロールの加硫装置は、ゴムロール1
01の上下方向(垂直方向)から遠赤外線を照射するた
めに、ゴムロール101の上部と下部にのみ遠赤外線が
集中していた。このために、このゴムロール1の外表面
の一部のみが加熱されて、発泡及び加硫が偏ってしまう
という問題があった。その結果、発泡セルの大きさや均
一性が損なわれて、本来要求される加硫及び発泡後のゴ
ムロールの物性を満足することが困難であった。
【0005】このような問題を解決するために、例え
ば、特開平9−262844号公報は、ゴムロールの両
端部を支持する支持軸を回転させながら、このゴムロー
ルを加熱槽内で加熱するゴムロールの加硫装置を開示す
る。しかし、このようなゴムロールの加硫装置では、支
持軸を回転するための機構が複雑になり、装置が大型に
なるという問題があった。
【0006】また、図10に示す従来のゴムロールの加
硫装置では、チェーンコンベヤ104が加熱槽102内
を貫いて通過するために、チェーンが300°C以上に
加熱されていた。このために、耐熱仕様の特殊で高価な
チェーンを使用しているが、チェーンの伸びが激しく、
通常、1年に1回程度、2名の作業者が1日がかりでチ
ェーンを交換していた。
【0007】本発明の課題は、ゴムロールの全域にわた
り均一な物性を得ることができるとともに、チェーンコ
ンベヤの耐久性を向上させることができるゴムロールの
加硫装置及びその加硫方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような
解決手段により、前記課題を解決する。すなわち、請求
項1の発明は、発泡剤が混入された未加硫のゴムロール
を移動させながら加熱槽内で加熱して、このゴムロール
を加硫・発泡するゴムロールの加硫装置において、前記
ゴムロールの軸方向と略直交する方向に、このゴムロー
ルを搬送経路に沿って搬送するコンベヤを設け、前記搬
送経路の上方及び下方から前記ゴムロールの前方及び後
方に向けて、所定角度だけ傾斜させて遠赤外線を照射
し、このゴムロールのゴムの少なくとも外表面を加硫す
るが芯金周縁部のゴムは未加硫状態のままとなるよう
に、このゴムロールの外表面を加熱する遠赤外線ヒータ
を設け、かつ、前記遠赤外線ヒータの下流側に、前記ゴ
ムロールの外表面からゴム層をさらに加熱することによ
り、このゴムロールの内部を発泡させて加硫する加熱装
置を設けたことを特徴とするゴムロールの加硫装置であ
る。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に記載のゴム
ロールの加硫装置において、前記ゴムロールの搬送方向
に沿って、前記加熱槽内を複数区画するために、このゴ
ムロールが通過可能な仕切り板を前記加熱槽内に設けた
ことを特徴とするゴムロールの加硫装置である。
【0010】請求項3の発明は、芯金を有するゴムロー
ルを移動させながら加熱槽内で加熱して、このゴムロー
ルを加硫するゴムロールの加硫装置において、前記ゴム
ロールの搬送方向に沿って、前記加熱槽の両側面にスリ
ットを設けるとともに、前記加熱槽の両側面に第1及び
第2のチェーンコンベヤをそれぞれ並設し、かつ、この
第1及び第2のチェーンコンベヤに、前記スリットを貫
通し、前記芯金の両端部をそれぞれ支持する第1及び第
2の支持部材を取り付けたことを特徴とするゴムロール
の加硫装置である。
【0011】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載のゴムロールの加硫装置にお
いて、前記加熱槽の天井部を略垂直方向に駆動して、こ
の加熱槽の上部を開閉する駆動装置を設けたことを特徴
とするゴムロールの加硫装置である。
【0012】請求項5の発明は、発泡剤が混入されたゴ
ムロールを移動させながら加熱槽内で加熱して、このゴ
ムロールを加硫するゴムロールの加硫方法において、前
記ゴムロールの上方及び下方の斜め方向から遠赤外線を
照射して、このゴムロールの外表面を加熱して、このゴ
ムロールの外表面を焼き固めた後に、前記ゴムロールの
外表面をさらに加熱して、このゴムロールの内部を発泡
させて加硫することを特徴とするゴムロールの加硫方法
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態についてさらに詳しく説明する。図1は、本発
明の実施形態に係るゴムロールの加硫装置の正面図であ
り、図2は、本発明の実施形態に係るゴムロールの加硫
装置における第1加熱槽の拡大図であり、図3は、図1
の III− IIIA線で切断した状態を示す断面図であり、
図4は、図1のIV−IV線で切断した状態を示す断面図で
あり、図5は、図1のV−V線で切断した状態を示す断
面図であり、図6は、本発明の実施形態に係るゴムロー
ルの加硫装置による加熱方向を示す断面図である。な
お、図3において、図1の III− IIIB線で切断した断
面図における部材については、かっこを付して示す。
【0014】本発明の実施形態に係るゴムロールの加硫
装置は、図1に示すA方向に、発泡剤が混入されたゴム
ロール1を移動させながら加熱槽2内で加熱して、この
ゴムロール1を加硫する装置である。この加硫装置は、
加熱槽2と、冷却槽3と、チェーンコンベヤ4,5と、
モータ6と、昇降装置7と、排出コンベヤ8とを備えて
いる。
【0015】前記加熱槽2は、ゴムロール1の加硫、発
泡及びその安定化を行う装置である。この加熱槽2は、
図1〜図5に示すように、上流側から順に第1加熱槽2
0、第2加熱槽21及び第3加熱槽22と、搬送経路2
3と、側面板24,25と、天板26と、仕切り板2
7,28と、出口隔壁29とを備えている。なお、加熱
槽2の内部温度としては、350〜450°Cが好まし
い。
【0016】前記第1加熱槽20は、このゴムロール1
のゴムの少なくとも外表面を加硫するが芯金周縁部のゴ
ムは未加硫状態のままとなるように、ゴムロール1の外
表面を加熱する部分である。この第1の加熱槽20は、
図2に示すように、遠赤外線ヒータ20a,20b,2
0c,20dと、落下防止用ネット20eと、図1に示
すように、熱風発生機20fと、供給口20gと、排気
口20hとを備えている。
【0017】前記遠赤外線ヒータ20a,20b,20
c,20dは、垂直方向に対して所定角度(θ=15〜
45°)だけ傾斜させて遠赤外線を照射するヒータであ
る。図2に示すように、遠赤外線ヒータ20aは、搬送
経路23の上方からゴムロール1の前方に向けて遠赤外
線を照射し、遠赤外線ヒータ20bは、搬送経路23の
下方からゴムロール1の前方に向けて遠赤外線を照射す
る。また、遠赤外線ヒータ20cは、搬送経路23の上
方からゴムロール1の後方に向けて遠赤外線を照射し、
遠赤外線ヒータ20dは、搬送経路23の下方からゴム
ロール1の後方に向けて遠赤外線を照射する。この遠赤
外線ヒータ20a,20b,20c,20dは、図2に
示すようにユニット化されて、第1加熱槽20内に4台
設置されており、図6に示すように、ゴムロール1の外
表面を加熱して、ゴムロール1を均一に発泡及び加硫さ
せる。なお、遠赤外線ヒータ20a,20b,20c,
20dの表面温度としては、300〜500°Cが好ま
しい。
【0018】図2に示す落下防止用ネット20eは、遠
赤外線ヒータ20b,20d上にゴムロール1が落下す
るのを防止する部材である。この落下防止用ネット20
eは、搬送経路23と遠赤外線ヒータ20b,20dと
の間に設けられている。
【0019】図1に示す熱風発生機20fは、第1加熱
槽20内の雰囲気温度と同温度の熱風を発生して、第1
加熱槽20内に供給する装置であり、この第1加熱槽2
0の底部に各ゾーン毎に独立して設けられている。ま
た、供給口20gは、熱風を供給する開口部であり、ダ
クトを介して熱風発生機20fに接続されており、排気
口20hから排出された熱風と同量の熱風を供給する。
さらに、排気口20hは、ゴムロール1が加硫時に発生
するガスや臭気を強制的に排出する開口部であり、天板
26に形成されている。
【0020】前記第2加熱槽21及び前記第3加熱槽2
2は、ゴムロール1の外表面からゴム層をさらに加熱す
ることにより、このゴムロール1の内部を発泡させて加
硫する部分である。なお、本発明の実施形態では、ゴム
ロール1の外表面を焼き固めた後に、熱量を低く抑え
て、このゴムロール1を加硫、発泡させて、加硫を安定
化させている。このために、第1加熱槽20の熱量は、
第2加熱槽21及び第3加熱槽22よりも大きく設定さ
れている。
【0021】図2に示す搬送経路23は、加熱槽2内に
形成され、ゴムロール1がその軸方向と直交する方向に
移動する通路である。この搬送経路23は、赤外線ヒー
タ20a,20cと赤外線ヒータ20b,20dとの間
に形成されている。
【0022】図4に示す側面板24,25は、チェーン
コンベヤ4,5の進行方向と平行な断熱材からなる壁部
であり、側面隔壁24a,25aと、スリット24b,
25bとが形成されている。この側面隔壁24a,25
aは、チェーンコンベヤ4,5を覆う断熱材であり、側
面板24,25の内壁にそれぞれ取り付けられている。
また、スリット24b,25bは、支持部材42,52
が貫通し移動可能な貫通孔であり、図3〜図5に示すよ
うに、ゴムロール1の搬送方向に沿って側面隔壁24
a,25aに形成されている。このスリット24b,2
5bは、加熱槽2内の温度が低下しないように、支持部
材42, 52よりも僅かに大きく形成されている。
【0023】前記天板26は、加熱槽2の長手方向に沿
った断熱材からなる天井部であり、垂直方向に昇降可能
である。また、図3に示す仕切り板27,28は、ゴム
ロール1の搬送方向に沿って、加熱槽2内を複数のゾー
ンに区画する断熱材であり、ゴムロール1が通過可能な
程度の通過孔27a,28aが形成されている。さら
に、図5に示す出口隔壁29は、加熱槽2の下流側の端
面を構成する断熱材であり、ゴムロール1が通過可能な
程度の排出口29aが形成されている。
【0024】図7は、図1のVII−VIIA線で切断した
状態を示す断面図であり、図1のVII−VIIB線で切断
した断面図における部材には、かっこを付して示す。前
記冷却槽3は、ゴムロール1を冷却する装置であり、加
熱槽2の下流側に設けられている。この冷却槽3は、搬
送経路30と、送風機31,32と、供給口33,34
と、排気口35,36とを備えている。なお、冷却槽3
は、ゴムロール1の収縮を少なくするために、例えば、
常温(約40℃)までゴムロール1を強制冷却する。
【0025】前記搬送経路30は、搬送経路23と同一
方向に形成され、ゴムロール1がその軸方向と直交する
方向に移動する通路であり、前記送風機31,32は、
冷却槽3内に冷風を供給する装置である。また、前記供
給口33,34は、冷風を供給するための開口部であ
り、ダクトを介して送風機31,32にそれぞれ接続さ
れている。さらに、排気口35,36は、冷却槽3内に
供給された冷風を強制的に排出するための開口部であ
り、冷却槽3内の雰囲気温度の上昇を抑えて、冷却効率
が向上するように、それぞれ供給口33,34と同軸線
上の対向する位置に設けられている。
【0026】図8は、本発明の実施形態に係るゴムロー
ルの加硫装置におけるチェーンコンベヤの正面図であ
り、図9は、図4に示す加熱槽の部分拡大図である。図
3、図4及び図7に示すチェーンコンベヤ4,5は、ゴ
ムロール1がその軸方向と直交する方向に移動するよう
に、搬送経路23,30に沿ってゴムロール1を間欠的
に搬送する搬送装置である。チェーンコンベヤ4は、チ
ェーン40,41と、支持部材42とを備えており、チ
ェーンコンベヤ5は、チェーン50,51と、支持部材
52とを備えている。このチェーンコンベヤ4,5は、
図4に示すように、側面板24,25と側面隔壁24
a,25aとの間に設けられている。なお、チェーンコ
ンベヤ4,5は、いずれも略同一構造であり、チェーン
コンベヤ5については、チェーンコンベヤ4と対応する
部分に同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0027】前記チェーン40,41,50,51は、
多数の金属環を連結した無端状の部材であり、図8に示
すように、チェーン50は、スプロケット50a,50
b,50c,50dに巻き掛けられている。また、チェ
ーン40,41には、多数の支持部材42が取り付けら
れており、チェーン50,51には、多数の支持部材5
2が取り付けられている。
【0028】図9に示す支持部材42は、ゴムロール1
の芯金1aを支持するアーム部材であり、一方の端部に
芯金1aが嵌まり込む略V字状の爪部41aが形成され
ており、他方の端部がチェーン40,41に取り付けら
れている。この支持部材42は、スリット24bを貫通
しており、チェーン40,41と一体となって移動す
る。
【0029】図1に示すチェーン駆動装置6は、チェー
ンコンベヤ4,5を駆動するための駆動力を発生する装
置である。また、前記昇降装置7は、天板26を垂直方
向に駆動して、この加熱槽2の上部を開閉する駆動装置
であり、モータ70と、ラックレール71と、ピニオン
72と、フレーム73と、ガイドレール74とを備えて
いる。
【0030】前記モータ70は、天板26を昇降するた
めの駆動力を発生する装置であり、その駆動軸70aに
ピニオン72が取り付けられている。また、ラックレー
ル71は、回転運動を直線運動に変換する部材であり、
棒状体に歯が形成されており、下端部が天板26に接続
されている。さらに、前記ピニオン72は、ラックレー
ル71と噛み合いながら回転して、このラックレール7
1を垂直方向に駆動するギヤである。
【0031】前記フレーム73は、モータ70を固定す
るとともに、ピニオン72を回転自在に支持する枠部材
であり、4本の支柱73aがそれぞれ加熱槽2の四隅に
取り付けられている。また、前記ガイドレール74は、
天板26が垂直方向に移動するときに、この天板26が
傾かないようにガイドする部材であり、4本の支柱73
aにそれぞれ取り付けられている。
【0032】つぎに、本発明の実施形態に係るゴムロー
ルの加硫装置の動作を説明する。図8に示すように、チ
ェーンコンベヤ4,5がA方向に間欠的に循環駆動する
と、支持部材42,52が所定のピッチで送り出され
る。一方、図示しない供給装置がゴムロール1を前工程
から供給し、チェーンコンベヤ4,5が搬送動作を一時
停止している間に、図8に示す搭載点Cにおいて、芯金
1aの両端部が爪部42a,52a上に搭載される。
【0033】図2に示す第1加熱槽20内にゴムロール
1が搬送されると、図6に示すように、遠赤外線ヒータ
20a,20b,20c,20dがゴムロール1の上方
及び下方の斜め方向から遠赤外線を照射する。その結
果、第1加熱槽20内をゴムロール1が移動する間に、
このゴムロール1の外表面が加熱されて焼き固められ
る。そして、図8に示す第2加熱槽21及び第3加熱槽
22内にゴムロール1が搬送されると、このゴムロール
1の外表面がさらに加熱されて、ゴムロール1の内部が
発泡し加硫する。その結果、このゴムロール1の加硫が
安定化して、発泡セルの大きさや分布が均一になる。
【0034】冷却槽3内にゴムロール1が搬送される
と、このゴムロール1が常温まで強制的に冷却されて、
冷却槽3から外部に搬送される。そして、図1に示す排
出コンベヤ8上に、このゴムロール1が落とし込まれて
次工程に搬出される。なお、チェーンコンベヤ4,5
は、加熱槽2及び冷却槽3内を通過した後に、図1に示
すように、これらの下部を通過して搭載点Cまで移動す
る。
【0035】本発明の実施形態に係るゴムロールの加硫
装置は、以下に記載するような効果を奏する。 (1) 本発明の実施形態では、搬送経路23の上方及
び下方からゴムロール1の前方及び後方に向けて、所定
角度θだけ傾斜させて、遠赤外線ヒータ20a,20
b,20c,20dが遠赤外線を照射する。このため
に、第1加熱槽20内にゴムロール1が入った直後に、
このゴムロール1の外表面が焼き固められるので、ゴム
ロール1が発泡して自由に膨らむのを防止することがで
きる。
【0036】(2) 本発明の実施形態では、第2加熱
槽21及び第3加熱槽22内でゴムロール1の外表面が
さらに加熱されて、このゴムルール1の内部が発泡され
て加硫される。このために、雰囲気温度によりゴムロー
ル1内の加硫が促進されて、発泡セルの大きさや分布を
均一にすることができる。
【0037】(3) 本発明の実施形態では、熱風発生
機20f,21f,22fだけではなく、遠赤外線ヒー
タ20a,20b,20c,20dによって、雰囲気温
度をより一層上昇させることができる。その結果、ゴム
ロール1の加硫が促進されて、加硫時間が短くなり、生
産タクトを短くすることができる。
【0038】(4) 本発明の実施形態では、チェーン
コンベヤ4,5の進行方向と直角に、加熱槽2内を区画
する複数の仕切り板27,28を設けているので、加熱
温度の異なるゾーンを加熱槽2内に複数形成して、各ゾ
ーン毎に温度を制御することができる。
【0039】(5) 本発明の実施形態では、排気口2
0h,21h,22hからの熱風を熱風発生機20f,
21f,22fが循環する熱風循環方式ではなく、供給
口20g,21g,22gに熱風発生機20f,21
f,22fが熱風を供給するだけの熱風往路方式であ
る。このために、熱風発生機20f,21f,22f内
や熱風通路(ダクト)内に、ゴム加硫時に発生するシリ
カ粉などの析出物が蓄積して、これらが詰まるのを防止
することができる。その結果、熱風発生機20f,21
f,22fを効率的に使用することができる。
【0040】(6) 本発明の実施形態では、支持部材
42, 52が通過可能なスリット24b、25bが側面
隔壁24a,25aに形成されており、この側面隔壁2
4a,25aの外側にチェーンコンベヤ4,5が配置さ
れている。その結果、チェーンコンベヤ4,5の通過ゾ
ーンとゴムロール1の加熱ゾーンとを仕切ることができ
るために、チェーン40,41,50,51が直接加熱
されて、伸びたり劣化するのを防止することができる。
また、チェーン40,41,50,51を交換する際
に、側面隔壁24a,25aの上部空間を作業スペース
として利用することができる。
【0041】(7) 本発明の実施形態では、供給口3
3,34と排気口36,37とが冷却槽3内に対向して
設けられている。このために、冷風が冷却槽3内で対流
せずに、排気口36,37から排出されるので、冷却槽
3側のゴムロール搬入口から加熱槽2側の排出口29a
に、冷風が吹き込むのを防止することができる。
【0042】(8) 本発明の実施形態では、昇降装置
7が天板26を垂直方向に駆動して、加熱槽2の上部を
開閉する。このために、従来のゴムロールの加硫装置で
は、天井部が片開きであり、点検作業が片側のみに制限
されていたが、本発明の実施形態では、天井部全体が上
昇するために、この天井部全域を点検口として利用し
て、点検作業を大幅に向上させることができる。
【0043】
【実施例】本発明の実施形態に係るゴムロールの加硫装
置によって、ゴムロール1を一貫生産した。図6に示す
ように、外径20mm、長さ220mmの円筒状のシリ
コーンゴム1bに、直径6mm、長さ240mmのステ
ンレス製の芯金1aを嵌合させた未加硫品をゴムロール
1として使用した。チェーンコンベア4,5の搬送時間
を2秒、停止時間を4.5秒に設定し、図2に示す角度
θ=15°に設定して、雰囲気温度400°Cの加熱槽
2内でこのゴムロール1を6.5分間加熱した。その後
に、このゴムロール1を冷却槽3内で40°Cまで冷却
して払い出した。
【0044】図11に示すように、角度θ=0に設定し
た場合には、ゴムロール1の上下面が強く加熱されるた
めに、発泡が上下面に偏るとともに、大きめの発泡セル
を発生する傾向があった。しかし、図2に示すように、
角度θ=15゜に設定した場合には、ゴムロール1の円
周面全体が略均一に加熱されるために、発泡が全周にわ
たり略均一に発生し、発泡セルの大きさを均一にするこ
とができた。
【0045】また、従来のゴムロールの加硫装置は、生
産タクトが12秒/本であるのに対して、本発明の実施
形態に係るゴムロールの加硫装置は、生産タクトが6.
5秒/本であり、従来のゴムロ−ルの加硫装置に比べ
て、生産性が約1.8倍増加した。さらに、ゴムロール
1を上記条件により3時間生産した後に、チェーン4
0,41,50,51の表面温度を測定したところ50
〜60°Cであった。その結果、使用を開始してから1
年が経過しても、チェーン40,41,50,51を交
換する必要がなかった。
【0046】本発明は、以上説明した実施形態に限定す
るものではなく、種々の変形又は変更が可能であって、
これらも本発明の範囲内である。 (1) 本発明の実施形態では、加熱温度、加熱時間、
搬送サイクル、遠赤外線ヒータの設置台数などを例示し
たが、これらに限定するものではなく、ゴム部の素材に
応じてこれらを適宜変更することができる。
【0047】(2) 本発明の実施形態では、ゴムロー
ル1の搬送手段としてチェーン40,41,50,51
を例に挙げて説明したが、これに限定するものではな
い。例えば、チェーンの他にベルトやローラ搬送などで
あってもよいが、ゴムロール1の表面が加硫中にベルト
やローラーに接触すると、加硫のバラつきや発泡セルの
変形などを生じるために、芯金1aの両端を保持するチ
ェーンコンベア方式が特に好ましい。
【0048】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、ゴムロールの上方及び下方から所定角度だけ傾斜
させて遠赤外線を照射して、このゴムロールの外表面を
加熱して焼き固めた後に、このゴムロールの外表面をさ
らに加熱して、ゴムロールの内部を発泡させて加硫する
ので、ゴムロールの全域にわたり均一な物性を保持して
所望の特性を得ることができる。また、ゴムロールの搬
送方向に沿って、加熱槽の両側面にスリットを設け、こ
の加熱槽の両側面に第1及び第2のチェーンコンベヤを
それぞれ並設し、かつ、この第1及び第2のチェーンコ
ンベヤに、このスリットを貫通し、芯金の両端部をそれ
ぞれ支持する第1及び第2の支持部材を取り付けたの
で、チェーンコンベヤが直接加熱されず、このチェーン
コンベヤの耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るゴムロールの加硫装置
の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るゴムロールの加硫装置
における第1加熱槽の拡大図である。
【図3】図1の III− IIIA線で切断した状態を示す断
面図である。
【図4】図1のIV−IV線で切断した状態を示す断面図で
ある。
【図5】図1のV−V線で切断した状態を示す断面図で
ある。
【図6】本発明の実施形態に係るゴムロールの加硫装置
による加熱方向を示す断面図である。
【図7】図1のVII−VIIA線で切断した状態を示す断
面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るゴムロールの加硫装置
におけるチェーンコンベヤの正面図である。
【図9】図4に示す加熱槽の部分拡大図である。
【図10】従来のゴムロールの加硫装置の構成図であ
る。
【図11】従来のゴムロールの加硫装置によって加硫し
たゴムロールの断面図である。
【符号の説明】
1 ゴムロール 1a 芯金 2 加熱槽 3 冷却槽 4,5 チェーンコンベヤ 6 モータ 7 昇降装置 20 第1加熱槽 20a,20b,20c,20d 遠赤外線ヒータ 21 第2加熱槽 22 第3加熱槽 23,30 搬送経路 24a,25a 側面隔壁 24b,25b スリット 26 天板 27,28 仕切り板 40,41,50,51 チェーン 42,52 支持部材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:32 Fターム(参考) 2H033 AA06 AA31 BB15 4F202 AA45 AB02 AH04 AH33 AK04 CA27 CB01 CM22 CN01 CN17 CN24 4F203 AA45 AB02 AH04 AH33 DA11 DC01 DC11 DD02 DJ11 DK01 DK02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤が混入された未加硫のゴムロール
    を移動させながら加熱槽内で加熱して、このゴムロール
    を加硫・発泡するゴムロールの加硫装置において、 前記ゴムロールの軸方向と略直交する方向に、このゴム
    ロールを搬送経路に沿って搬送するコンベヤを設け、前
    記搬送経路の上方及び下方から前記ゴムロールの前方及
    び後方に向けて、所定角度だけ傾斜させて遠赤外線を照
    射し、このゴムロールのゴムの少なくとも外表面を加硫
    するが芯金周縁部のゴムは未加硫状態のままとなるよう
    に、このゴムロールの外表面を加熱する遠赤外線ヒータ
    を設け、かつ、前記遠赤外線ヒータの下流側に、前記ゴ
    ムロールの外表面からゴム層をさらに加熱することによ
    り、このゴムロールの内部を発泡させて加硫する加熱装
    置を設けたことを特徴とするゴムロールの加硫装置。
  2. 【請求項2】 前記ゴムロールの搬送方向に沿って、前
    記加熱槽内を複数区画するために、このゴムロールが通
    過可能な仕切り板を前記加熱槽内に設けたことを特徴と
    する請求項1に記載のゴムロールの加硫装置。
  3. 【請求項3】 芯金を有するゴムロールを移動させなが
    ら加熱槽内で加熱して、このゴムロールを加硫するゴム
    ロールの加硫装置において、 前記ゴムロールの搬送方向に沿って、前記加熱槽の両側
    面にスリットを設けるとともに、前記加熱槽の両側面に
    第1及び第2のチェーンコンベヤをそれぞれ並設し、か
    つ、この第1及び第2のチェーンコンベヤに、前記スリ
    ットを貫通し、前記芯金の両端部をそれぞれ支持する第
    1及び第2の支持部材を取り付けたことを特徴とするゴ
    ムロールの加硫装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱槽の天井部を略垂直方向に駆動
    して、この加熱槽の上部を開閉する駆動装置を設けたこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載のゴムロールの加硫装置。
  5. 【請求項5】 発泡剤が混入されたゴムロールを移動さ
    せながら加熱槽内で加熱して、このゴムロールを加硫す
    るゴムロールの加硫方法において、 前記ゴムロールの上方及び下方の斜め方向から遠赤外線
    を照射して、このゴムロールの外表面を加熱して、この
    ゴムロールの外表面を焼き固めた後に、前記ゴムロール
    の外表面をさらに加熱して、このゴムロールの内部を発
    泡させて加硫することを特徴とするゴムロールの加硫方
    法。
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