JPH06293028A - ゴムホースの加硫方法 - Google Patents

ゴムホースの加硫方法

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JPH06293028A
JPH06293028A JP30337093A JP30337093A JPH06293028A JP H06293028 A JPH06293028 A JP H06293028A JP 30337093 A JP30337093 A JP 30337093A JP 30337093 A JP30337093 A JP 30337093A JP H06293028 A JPH06293028 A JP H06293028A
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vulcanization
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常圧の熱空気によってゴム層内に気泡を生じ
ることなくゴムホ−スを加硫する。 【構成】 未加硫ゴムホ−スをマンドレルに挿入し、常
圧の熱空気が循環している加硫炉内に上記マンドレルを
移送する。加硫炉は、加熱区帯が前段と後段に分けら
れ、前段の加熱区帯の加硫温度は低く、後段の加熱区帯
の加硫温度は前段の加熱区帯の加硫温度よりも高い。未
加硫ゴムホ−スは、最初は後段の加硫温度よりも低い温
度で加熱されるため、ゴム層に気泡が生じない程度に徐
々に加硫され、後段の高温の加硫温度で所望状態に加硫
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴムホ−スの加硫方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、未加硫のゴムホ−スを加硫するに
は、加硫缶に入れ加圧蒸気を導入して行うことが多い
が、このような方法は、バッチ式であるため作業性が良
くなく、少ロットの生産品ではコストがかかる欠点があ
った。また、常圧の熱空気を用いて連続的に加硫するこ
とも提案されているが、特に補強繊維層を有するゴムホ
−スのような場合にはそのような方法を採用することが
むずかしかった。すなわち、上記ホ−スの場合、常圧の
熱空気の温度を、高い加硫温度に設定して加硫しようと
すると、表面側から加硫が始まって表面にスキン層を生
じ、内部との通気が阻止されたり、また補強繊維層に含
まれたエアやゴム層に含まれている各種物質がガス化し
て気泡となり、その結果ゴム層内に発泡現象を生じて不
良品となってしまう。そのような現象を生じないよう熱
空気の温度をガス化温度よりも低い温度で処理すること
も考えられるが、そのような方法では処理時間が長くか
かり、連続化するためには加硫装置が大型化し、実用的
なものとは思われない。
【0003】
【発明の解決課題】本発明の目的は、上記のような実情
に鑑み、補強層を有する天然ゴム、合成ゴムその他のゴ
ムホ−ス等を、ゴム層や補強層に気泡を生じさせること
なく常圧の熱空気で加硫できるようにした加硫方法を提
供することである。
【0004】
【課題解決の手段】本発明によれば、上記目的は、未加
硫ゴムホ−スをマンドレルに挿入して常圧の熱空気中を
移送させて加硫する加硫方法において該マンドレルが通
過する加硫炉内の加熱区帯を少なくとも前段と後段に分
け、前段の加熱区帯の加硫温度を低くし、後段の加熱区
帯の加硫温度を前段の加熱区帯の加硫温度より高い温度
で加硫するようにしたことを特徴とする加硫方法により
達成することができる。上記加熱区帯の加硫温度及び各
区帯の温度差は、各ゴム種に応じて最適条件に設定され
るが、前段と後段の温度差は30℃以上にすると好結果
が得られる。
【0005】
【作用】マンドレルに装着さた未加硫ゴムホ−スは、加
硫炉内を移送中に、最初は後段の加硫温度よりも低い温
度の熱空気によって加熱されるので、初期段階で表面に
スキン層が生じないようにでき、ゴム層や補強繊維層か
らの気泡が発生しても外部に逸散されてゴム層中に残存
することはなく、その後、後段において高い加硫温度の
熱空気により加熱される。これに伴って上記ゴム層の温
度は、ゴムの加硫曲線とほぼ一致した昇温カ−ブを描い
て上昇し、低い加硫温度で加硫し続ける場合に比べて短
時間で加硫することができる。
【0006】
【実施例】以下実施例と共に説明する。図1は本発明を
実施する装置の一例を示す斜視図、図2は説明図を示し
ている。図において、加硫炉(1)は、密封可能な構造
に形成され、内部に電熱ヒ−タ−を設けて常圧の熱空気
を循環させるようになっている。該加硫炉(1)内は上
下の加熱区帯に分かれており、中間に隔壁(2)を有
し、開口部には上下に昇降する上段炉遮温シャッタ−
(3)と、左右に開閉する下段炉遮温シャッタ−(4)
を設けてある。これらのシャッタ−は、油圧シリンダ、
空気圧エアシリンダ、モ−タ−その他適宜の手段で作動
され、マンドレル(5)が上記開口部を通過するとき開
き、常時は炉内を密封するよう閉塞位置に動かされてい
る。
【0007】上記加熱区帯に設けた加熱手段は、電熱ヒ
−タ−(6)と該ヒ−タ−からの発熱を熱風として流動
させる循環ファン(7)を有し、熱空気が、図3矢印方
向に循環するよう案内板(8)及び整流板(9)を形成
してある。該整流板(9)の傾斜角度により炉内の温度
分布が変化するので、所望の状態にセットすることが必
要である。図において、上記ヒ−タ−及び循環ファンを
組み合せた加熱手段(10)・・・は、上段の加熱区帯及び
下段の加熱区帯にそれぞれ7個所、合計14個所設け、
各加熱手段に対応して炉内に温度センサ−(図示略)を
設置して個々に制御できるようにしてある。
【0008】上記複数の加熱手段を設けることにより、
各加熱手段により発生する熱空気に温度差を設けること
ができ、加熱区帯を複数のゾ−ンに区画することができ
る。図においては、加熱区帯を前段と後段に分け、下段
炉(11)を前段の加熱区帯、上段炉(12)を後段の加熱区帯
とし、後段の加硫温度を前段より高い温度に設定してあ
るが、上記加熱手段を調整することにより中間の温度の
加熱区帯を設けたり、開口部に近い加熱手段を、炉内の
熱が逸散しないよう内方に隣接する加熱手段より高温に
した加熱区帯を設けたり種々に構成することができる。
また、上記加熱区帯間には、エアカ−テンを設けたり、
上記シャッタ−(3),(4)と連動するシャッタ−を
設けてもよい(図示略)。
【0009】未加硫ゴムホ−ス(13)を装着するマンドレ
ル(5)は、該ゴムホ−スを所望の形状に加硫できるよ
う種々の形状に屈曲されており、図4に示すように山形
鋼等で形成した取付台(14)の側面に複数列起立状態で固
定され、該取付台(14)の両端には、後記する移送手段に
取付けるためのL形状の取付片(15)を固着してある。
【0010】上記マンドレルを保持して移送する移送手
段は、搬送チエ−ンベルト(16)を用いているが、ロボッ
トその他の適宜の搬送手段を用いることもできる。該チ
エ−ンベルト(16)は加硫炉の両側に設けられ、炉内に存
するスプロケット(17)と炉外に存するスプロケット(18)
間にわたってかけ渡され、図示を省いたモ−タ−その他
の間欠駆動装置により適宜のタクトで間欠運動する。走
行中のチエ−ンはレ−ルその他の案内手段により垂れ下
がらないように支持され、両側のチエ−ン間にはステ−
(19)を取付けてある(図4)。該チエ−ンベルト(16)の
リンクの側方に突設したブラケット(20)には、差込溝を
有するホルダ−(21)を固着してあり、該差込溝に上記取
付台の取付片(15)を差込み、ボルトその他の締着手段で
着脱可能に取付けてある。
【0011】図5は、締着手段として好適に使用される
クランプ(22)を示してある。該クランプ(22)は、上記ホ
ルダ−(21)の差込溝に挿入される基台(23)上に平面コ字
状のフレ−ム(24)を形成し、該フレ−ム(24)に先端に押
えボルト(25)を有する押えリンク(26)を枢着(27)し、該
押えリンク(26)の中間部に連結リンク(28)を枢着(29)し
(図6、図7)、該連結リンク(28)の他端を、上記フレ
−ム(24)に枢着(30)したハンドル(31)に枢着(32)してあ
る。該ハンドル(31)を起立させた状態(図6)では、上
記押えリンク(26)の先端の押えボルト(25)は、上記取付
片(15)を締着し、上記取付台(14)を脱落しないように保
持している。図7に示すように、上記ハンドル(31)を転
倒させると、上記押えボルト(25)と上方に移動され、取
付片(15)は解放され、取付台(14)を取り出すことができ
る。このように、上記クランプ(22)を用いると、取付台
(14)の移送手段への取付け、取外しがきわめて容易かつ
短時間に行うことができ、作業性が良い。
【0012】上記加硫炉(1)の開口部には、上記移送
手段により加硫炉から出たマンドレルに近接するための
作業ステ−ジ(33)を設けてある(図1、図8)。該作業
ステ−ジ(33)は、作業者が加硫済のゴムホ−スを抜き取
ったり、未加硫のゴムホ−スを挿入する作業をし易いよ
うに設けられている。挿入作業をするときシリコンオイ
ルその他の潤滑剤をマンドレルに塗布したり、滴下した
りするが、そのための受溝(34)を上部に形成し、前面に
傾斜板(35)を形成してある。上記作業ステ−ジ(33)は、
固定部(36)と可動部(37)を有し、該可動部(37)は下方に
軸受(38)を設けて該軸受(38)がレ−ル(39)上を摺動する
ようにしてある。上記固定部(36)には油圧シリンダ(40)
を設けてあり、該油圧シリンダ(40)のロッド(41)を上記
可動部に連結してある。そして、上記油圧シリンダ(40)
により、上記可動部(37)を、上記マンドレル(5)が移
動するとき加硫炉(1)から離れ、マンドレルの移動が
停止しているとき加硫炉(1)に近づくように進退させ
ている。このように作業ステ−ジを進退可能に設けるこ
とにより、作業者は作業し易く、またマンドレルの移動
に支障をきたすこともない。なお、ゴムホ−スの着脱を
ロボットで行うようにすることもできる。
【0013】上記加熱区帯の加硫温度は、加硫するゴム
材料の種類、製品の構造等により適宜の温度に設定され
るが、例えばSBR,CR等のゴム材料による実施例で
は下段炉(11)の加熱区帯を約130℃、上段炉(12)の加
熱区帯を約170℃に設定し、両加熱区帯の温度差を3
0℃以上、好ましくは40℃以上に調整し、内層ゴム層
と外層ゴム層の間に補強繊維層を設けたゴムホ−スを上
記マンドレルに挿入して加硫炉内を移送手段で循環させ
たところ、ゴム層や補強層に発泡を生じることなく約4
0分で加硫が完了した。温度差を30℃よりも少なくす
ると発泡現象を生じた。上記の如き製品では、上記下段
炉(11)の加熱区帯を約140℃±10℃とし、上段炉(1
2)の加熱区帯を約190℃±10℃すると大体において
発泡を生じないで加硫できることが確かめられた。
【0014】上記移送手段は、多数のマンドレルを取付
けた取付台(14)を支持して循環しているので、マンドレ
ルの形状を種々に変えた取付台を上記移送手段に取付け
て同時に加硫処理することができる。上記作業ステ−ジ
に続いて後工程を設けると、流れが簡素化し、加工リ−
ドタイムを短縮できる。
【0015】図における実施例においては、上記加硫炉
を上下2段に区画し、マンドレルは開口部の下段から入
って上段を経て該開口部へ戻るように構成してあるが、
3段若しくはそれ以上の区帯に分けて循環するようにし
たり、加硫炉の両端に開口部を設けて一端から入って他
端へ抜けるように構成したり、マンドレルを水平方向に
循環させてその間に少なくとも前段と後段の加熱区帯を
設けて加硫するようにしてもよい。
【0016】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され、常圧の
熱空気による加硫を、少なくとも前段と後段の加熱区帯
に分け、前半低温、後半高温で行い、ト−タル加硫時間
を蒸気加硫の場合よりも長くしゴム層の温度をゴムの加
硫曲線とほぼ一致した昇温カ−プで上昇させることがで
きるようにしているため、内層ゴムと外層ゴムの間に補
強繊維層を有するゴムホ−スでも発泡現象を生ずるおそ
れがなく、ホ−ス内部と表面部の加硫密度差を少なくで
き、物性、接着力、破壊強度の優れた製品が得られる。
また、多品種少量生産でも加硫炉内を循環するマンドレ
ルを交換すればよいので、大ロット生産と同じコストで
製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を使用した装置の一実施例を示す斜視
図。
【図2】図1に示す装置の内部を示す説明図。
【図3】図1に示す装置の縦断面図。
【図4】図1に示す装置の移送手段のホルダ−部分の斜
視図。
【図5】図4に示すホルダ−部分に用いるクランプの斜
視図。
【図6】クランプで締着した状態の側面図。
【図7】クランプのハンドルを転倒した状態の側面図。
【図8】主として作業ステ−ジの断面図。
【符号の説明】
1 加硫炉 3 上段炉遮温シャッタ− 4 下段炉遮温シャッタ− 5 マンドレル 6 電熱ヒ−タ− 7 循環ファン 10 加熱手段 11 下段炉 12 上段炉 21 ホルダ− 22 クランプ 33 作業ステ−ジ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未加硫ゴムホ−スをマンドレルに挿入
    し、該マンドレルを常圧の加硫温度に加熱された熱空気
    が循環する加硫炉内に移送して該ゴムホ−スを加硫する
    加硫方法において、加硫炉内を移送中の該マンドレルが
    通過する加熱区帯を少なくとも前段と後段に分け、前段
    の加熱区帯の加硫温度を低くし、後段の加熱区帯の加硫
    温度を該前段の加熱区帯の加硫温度より高い温度で加硫
    することを特徴とするゴムホ−スの加硫方法。
  2. 【請求項2】 前段の加熱区帯と後段の加熱区帯の温度
    差は30℃以上である請求項1に記載のゴムホ−スの加
    硫方法。
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