JP5126936B2 - フルオロ(アルキルビニルエーテル)およびその誘導体の製造方法 - Google Patents

フルオロ(アルキルビニルエーテル)およびその誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フルオロ(アルキルビニルエーテル)およびその誘導体の製造方法に関する。
フルオロ(アルキルビニルエーテル)は、フッ素化高分子の架橋剤や改質剤、新規なフッ素含有高分子用の重合モノマーとして広く用いられている。
フルオロ(アルキルビニルエーテル)の製造方法に関しては、従来、以下のような方法が知られている。
たとえば、特許文献1には、R1CH2OH(R1は水素、またはエーテル酸素原子を含んでい
てもよいフッ素化アルキル基である)とテトラフルオロエチレンとを反応させてR1CH2OCF=CF2を製造する工程を含むペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)の製造方法が記載されている。
特許文献2には、RfCH2OM(Rfは、水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン化炭化水
素基であり、Mはアルカリ金属である)で表されるアルコキシド化合物とテトラフルオロ
エチレンとを反応させる工程を含む、RfCH2OCF=CF2で表される含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法が記載されている。
非特許文献1には、RS(O)nCF2CF2CH2OH(Rは、CH3またはC(CH3)3であり、nは0または
2である。)とテトラフルオロエチレンとを反応させてRS(O)nCF2CF2CH2OCF=CF2を製造する方法が記載されている。
さらに非特許文献2には、フッ素ガスの存在下にエーテル化合物をフッ素化してフルオロ(アルキルビニルエーテル)を製造する方法が記載されている。
米国特許第5350497号明細書 特許第2723427号公報 Andrew E. Feiring、外2名、"Journal of Fluorine Chemistry"、1999年、第93巻、p.93−101 Takashi Okazoe、外4名"Journal of Fluorine Chemistry"、2001年、第112巻、p.109−116
しかしながら、従来の製造方法においては、いずれも反応原料としてガスが用いられるため、反応操作が煩雑であった。
本発明は、原料としてガスを用いずに、簡便な方法で、短時間にかつ高収率でフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはその誘導体を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明に係る、式(4):X-Rf-(CH2)n-O-CF=CF2で表わされる、フルオロ(アルキルビニルエーテル)またはその誘導体の製造方法は、
[I]式(1):X-Rf-(CH2)n-OHで表わされる、フルオロアルキルアルコールまたはその
誘導体と、
式(2):Y-CF2-CF2-Yで表わされるテトラフルオロエタン誘導体と
を塩基の存在下で反応させて式(3):X-Rf-(CH2)n-O-CF2-CF2-Yで表わされる化合物を
製造する工程(以下「工程(I)」ともいう。)、および
[II]この式(3):X-Rf-(CH2)n-O-CF2-CF2-Yで表わされる化合物と、
金属含有試薬と
を反応させて、式(4):X-Rf(CH2)n-O-CF=CF2で表わされる、フルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)またはその誘導体を製造する工程(以下「工程(II)」ともいう。)
を含むことを特徴としている
〔ただし、式(1)、(3)および(4)において、Rfは炭素原子数1〜20の直鎖のもしくは分岐を有するアルカンジイル基であり、この炭化水素基は少なくとも1つのエーテル酸素原子を含んでいてもよく、且つこの炭化水素基中の水素原子の一部または全部はフッ素原子で置換されており、
nは1〜3の整数であり、
Xはハロゲン原子、水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、シアノ基、カルボン酸
エステル基(-COOR;Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基である。)、チオシアノ基(-SCN)またはスルホン酸エステル基(-SO3R;Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基である。)である。
また式(2)、(3)および(4)において、Yは塩素原子、臭素原子およびヨウ素原
子からなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子である。
なお式(1)、(3)および(4)の間で、Rf、nおよびXはそれぞれ同一であり、式(2)、(3)および(4)の間でYは同一である。〕。
前記テトラフルオロエタン誘導体は、常温常圧で液体であることが好ましい。
前記塩基としては、NaHが好ましい。
本発明の製造方法によれば、原料としてガスを用いずに、簡便な方法で、短時間にかつ高収率で式(4):X-Rf-(CH2)n-O-CF=CF2で表わされる、フルオロ(アルキルビニルエーテル)およびその誘導体を製造することができる。
以下、本発明に係るフルオロ(アルキルビニルエーテル)およびその誘導体の製造方法についてより詳細に説明する。
<工程(I)>
工程(I)では、式(1):X-Rf-(CH2)n-OHで表わされる、フルオロアルキルアルコー
ルまたはその誘導体(以下、これらをまとめて「フルオロアルキルアルコール等」ともいう)と
式(2):Y-CF2-CF2-Yで表わされるテトラフルオロエタン誘導体と
をNaHなどの塩基の存在下で反応させて式(3):X-Rf-(CH2)n-O-CF2-CF2-Yで表わされる化合物(以下「化合物(3)」ともいう。)を製造する(下記反応式(I)を参照。)。
X-Rf(CH2)nOH + Y-CF2-CF2-Y → X-Rf(CH2)nOCF2-CF2-Y ・・・(I)
前記式(1):X-Rf-(CH2)n-OHにおいて、
Rfは炭素原子数1〜20、好ましくは5〜12の直鎖のもしくは分岐を有するアルカンジイル基であり、このアルカンジイル基は少なくとも1つのエーテル酸素原子を含んでいてもよく、且つこのアルカンジイル基中の水素原子の一部または全部フッ素原子で置換されており、
nは1〜3の整数、好ましくは1であり、
XはF、Cl、BrおよびIから選ばれるハロゲン原子、水素原子、炭素原子数1〜4の炭化
水素基、シアノ基、カルボン酸エステル基(-COOR;Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基
である。)、チオシアノ基(-SCN)またはスルホン酸エステル基(-SO3R;Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基である。)であり、好ましくは水素原子、フッ素原子、シアノ基またはスルホン酸エステル基(-SO3R)であり、特に好ましくは水素原子またはフッ素原子
である。なお、式(1):X-Rf-(CH2)n-OHで表わされる化合物は、Xが水素原子またはフ
ッ素原子であってかつRf中にエーテル酸素原子を含まない場合が「フルオロアルキルアルコール」であり、その他の場合は「フルオロアルキルアルコールの誘導体」である。
前記Rfとしては、前記炭化水素基中の水素原子の全部がフッ素原子で置換された、炭素原子数5〜12の直鎖のもしくは分岐を有するアルカンジイル基が特に好ましい。
前記Rfの具体例としては、-(CF2)4-、-(CF2)6-、-(CF2)8-、-(CF2)10-、-(CF2)12-、などを挙げることができ、
Rfが少なくとも1つのエーテル酸素原子を含む場合であれば、-(CF2CF2-O)n-、-(CF2CF(CF3)-O)n-、-(CF(CF3)CF2-O)n-、-(CF2CF(CF3)-O)n-(CF2CF2-O)m-、-( CF2CF2-O)n-(CF2CF(CF3)-O)m-、-(CF2CF2-O)n-(CF(CF3)CF2-O)m-、-(CF2CF2)n-O-(CF2CF2)m-O-、-(CF2CF(CF3))n-O-(CF2CF(CF3))m-O-、-(CF(CF3)CF2)n-O-(CF2CF(CF3))m-O-、-(CF(CF3)CF2)n-O-(CF(CF3)CF2)m-O-(ただし、nおよびmは整数である。)などを挙げることができる。な
お、Rfがエーテル酸素原子を含む場合には、Rf中の酸素原子がX-Rf-(CH2)n-OH中の(CH2)nと結合してエーテル結合(−C−O−C−)を形成する場合も含まれる。
前記式(2):Y-CF2-CF2-Yで表わされるテトラフルオロエタン誘導体としては、常温
(たとえば25℃)常圧(1気圧)で液体であると取扱いが容易であることから、1,2-ジブロモテトラフルオロエタン(Br-CF2-CF2-Br、沸点:47℃)、1-ブロモ-2-ヨードテトラフルオロエタン(Br-CF2-CF2-I、沸点:78℃)および1,2-ジヨードテトラフルオロエタン(I-CF2-CF2-I、沸点:112〜113℃)などが好ましい。
前記塩基としては、LiH、NaH、KH、RbH、CsHなどのアルカリ金属水素化物、CaH2、LiAlH4、NaBH4などを挙げることができる。
前記フルオロアルキルアルコール等と前記テトラフルオロエタン誘導体との反応は、この反応に関して実質的に不活性である溶媒中で行うことが好ましい。また、反応系内に水分が存在すると、塩基と反応することから、溶媒を予め脱水、乾燥しておくことが好ましい。この溶媒としては、ジエチルエーテル、グライム等の直鎖状エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、更にはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物を挙げることができ、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリジノンのような極性非プロトン溶媒、このうち特にジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランを好適に用いることができる。
前記フルオロアルキルアルコール等と前記テトラフルオロエタン誘導体との反応の際の温度、圧力、時間は、前記フルオロアルキルアルコール等と前記テトラフルオロエタン誘導体との組み合わせによっても異なるが、たとえば温度は−78〜120℃、圧力は常圧、時間は2〜6時間である。
また前記反応は、窒素、またはアルゴンなどの不活性ガスを充填した反応容器で行うことが好ましく、各成分を撹拌しながら行うことが好ましい。
前記フルオロアルキルアルコール等と前記テトラフルオロエタン誘導体との仕込み比は、モル比で、フルオロアルキルアルコール等:テトラフルオロエタン誘導体=1:1〜10、好ましくは1:2〜5である。
上述したように、前記フルオロアルキルアルコール等と前記テトラフルオロエタン誘導体とを塩基の存在下で反応させることにより、式(3):X-Rf-(CH2)n-O-CF2-CF2-Yで表
わされる化合物(化合物(3))が製造される。前記フルオロアルキルアルコール等と前
記液体のテトラフルオロエタン誘導体とは以下のように反応する。
X-Rf-(CH2)n-OH + Y-CF2-CF2-Y → X-Rf-(CH2)n-O-CF2-CF2-Y
この反応の反応経路は、以下のとおりである。
X-Rf-(CH2)n-OH + MH → X-Rf-(CH2)n-OM
X-Rf-(CH2)n-OM + Y-CF2-CF2-Y → X-Rf-(CH2)n-O-CF2-CF2-Y + MY
(MH:アルカリ金属水素化物などの塩基)
この化合物(3)は、常法により反応溶液から単離精製することができる。
この化合物(3)は、たとえば19F-NMRおよび1H-NMR分析によって同定することができ
る。
この化合物(3)の、原料である前記フルオロアルキルアルコール等に対する収率は、たとえば84〜95%であり、高収率である。
<工程(II)>
工程(II)では、前記化合物(3)と、金属含有試薬とを反応させて、式(4):X-Rf(CH2)n-O-CF=CF2で表わされる、フルオロ(アルキルビニルエーテル)またはその誘導体
(以下「フルオロ(アルキルビニルエーテル)等」ともいう。)を製造する(下記反応式(II)を参照。)。
Figure 0005126936
なお前記式(4):X-Rf(CH2)n-O-CF=CF2において、Rfは前記同様である。
前記金属含有試薬としては、Ni、Cu、Mg、Znなどの金属、およびEtMgBr、n-BuLiなどの有機金属が挙げられ、好ましくはEtMgBr、ならびに活性化処理したMgおよびZnが挙げられる。前記金属含有試薬として前記金属を用いる場合には、反応性を高めるために粉末の形態で用いることが好ましい。
前記化合物(3)と前記金属含有試薬との反応は、この反応に関して実質的に不活性である溶媒中で行うことが好ましい。また、反応系内に水分が存在すると、この水分が金属含有試薬と反応してしまうことから、溶媒を予め脱水、乾燥しておくことが好ましい。この溶媒としては、前記工程(I)で使用した溶媒と同様の溶媒を用いることができ、ジエ
チルエーテル、グライム類等の直鎖状エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、このうち特にジエチルエーテル、テトラヒドロフランを好適に用いることができる。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記化合物(3)と前記金属含有試薬との反応の際の温度、圧力、時間は、前記化合物(3)と前記金属含有試薬との組み合わせによっても異なるが、たとえば温度は−78〜80℃、圧力は常圧、時間は2〜6時間である。
また前記反応は、窒素、またはアルゴンなどの不活性ガスを充填した反応容器で行うことが好ましく、各成分を撹拌しながら行うことが好ましい。
前記化合物(3)と前記金属含有試薬との仕込み比は、当量比で、化合物(3):金属含有試薬=1:1〜5、好ましくは1:1〜3である。
また前記反応の後には、目的物単離のため、残存する金属含有試薬を加水分解すること
が好ましい。
上述したように、前記化合物(3)と前記金属含有試薬とを反応させることにより、フルオロ(アルキルビニルエーテル)等が製造される。前記化合物(3)と前記金属含有試薬とは、たとえば前記金属含有試薬がEtMgBrであれば、以下のように反応する(反応式(IIa))。
Figure 0005126936
このフルオロ(アルキルビニルエーテル)等は、常法により反応溶液から単離精製することができる。
このフルオロ(アルキルビニルエーテル)等は、たとえば19F-NMR、1H-NMRおよび質量
分析によって同定することができる。
このフルオロ(アルキルビニルエーテル)等の、前記化合物(3)に対する収率は、たとえば75〜87%であり、原料である前記フルオロアルキルアルコール等に対する収率は、たとえば68〜83%であり、高収率である。
[実施例]
以下、本発明の製造方法を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<原料等>
実施例で使用した原料等の詳細は以下のとおりである。
脱水ジメチルホルムアミド・・・水分50ppm以下、和光純薬工業(株)製
水素化ナトリウム(NaH)・・・油性、和光純薬工業(株)製
フルオロアルキルアルコール・・・ABCR社(ドイツ)製
1,2-ジブロモテトラフルオロエタン・・・東京化成工業(株)製
1,2-ジヨードテトラフルオロエタン・・・東京化成工業(株)製
脱水テトラヒドロフラン・・・水分50ppm以下、和光純薬工業(株)製
EtMgBr・・・3mol/L エチルエーテル溶液、和光純薬工業(株)製
窒素ガス置換した容量100mlのフラスコ内に脱水ジメチルホルムアミド(DMF)5
0mlを入れて、0℃に冷却した。スターラーでDMFを攪拌しながら、DMF中に塩基NaH(
0.36g、15mmol)、フルオロアルキルアルコール(H(CF2)6CH2OH)(3.32g、10mmol)および1,2-ジブロモテトラフルオロエタン(7.80g、30mmol)を加え、0℃で3時間攪拌することにより、これらを反応させた。反応後、純水30mlを加えて未反応のNaHを加水分解したところ、DMF溶液と水とは1相となった。次いで、ジエチルエーテルでDMF水溶液を抽出し、エーテル層をブライン(飽和塩化ナトリウム水
溶液)で洗浄した後、この中に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、蒸留して濃縮液を得た。この濃縮液から、カラム(展開溶媒: n-ヘキサン)を用いて、H(CF2)6CH2OCF2CF2Br (4.29g)を単離精製した。原料のフルオロアルキルアルコールに対するH(CF2)6CH2OCF2CF2Brの収率は84%であった。
次いで、窒素ガス置換した容量100mlのフラスコ内に脱水ジエチルエーテル50mlを入れて、スターラーでジエチルエーテルを攪拌しながら、ジエチルエーテル中に前記H(CF2)6CH2OCF2CF2Br(4.12g、10mmol)および金属含有試薬EtMgBr(2.66g、20mmo
l)を入れ、0℃で4時間攪拌することにより、これらを反応させた。反応後、純水30mlを加えて未反応のEtMgBrを加水分解した。次いで、ジエチルエーテルで反応混合溶液を抽出し、エーテル層をブライン(飽和塩化ナトリウム水溶液)で洗浄した後、この中に無水硫酸ナトリウムを加えてこの溶液を乾燥させ、蒸留して濃縮液を得た。この濃縮液から、カラム(展開溶媒: n-ヘキサン)を用いて、フルオロ(アルキルビニルエーテル)
(H(CF2)6CH2OCF=CF2)(3.58g)を単離精製した。前記H(CF2)6CH2OCF2CF2Brに対する収率
は87%、原料のフルオロアルキルアルコールに対するフルオロ(アルキルビニルエーテル)(H(CF2)6CH2OCF=CF2)の収率(総収率)は73%であった。
なお、H(CF2)6CH2OCF2CF2Brおよびフルオロ(アルキルビニルエーテル)(H(CF2)6CH2OCF=CF2)の構造は、IR、19F-NMRおよび1H-NMR分析にて同定した。またH(CF2)6CH2OCF=CF2をMSで同定した。
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロヘプチル 1,2,2-トリフルオロビニルエーテ

IR (neat) 1836, 1727, 1660, 1550, 1453, 1402, 1319, 1203, 1157 cm-1;
1H NMR (500.13 MHz, CDCl3) d 4.40 (t, J =13.1 Hz, 2H), 6.04 (tt, J = 5.1, 51.9
Hz, 1H);
19F NMR (282.40 MHz, CDCl3, CFCl3) d -120.98 (dd, J = 62.1, 98.8 Hz, 1F), -121.15 (br s, 2F), -122.68 (br s, 2F), -123.87 (br s, 4F), -127.06 (dd, J = 98.8, 110.1 Hz, 1F), -129.92 (br s, 2F), -137.52 (br d, J =5.1 Hz, 2F), -138.13 (dd, J =59.3, 110.1 Hz, 1F);
HRMS (FAB+) Found: m/z 411.9948. Calcd for (M++ H) C9H3F15O: 411.9944.
原料として、H(CF2)6CH2OHに替えて(F(CF2)8CH2OH)(4.50g、10mmol)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、まずF(CF2)8CH2OCF2CF2Brを製造し、その4.05gを単
離精製した。原料のフルオロアルキルアルコール(F(CF2)8CH2OH)に対するF(CF2)8CH2OCF2CF2Brの収率は90%であった。
次いで、H(CF2)6CH2OCF2CF2Brに替えてF(CF2)8CH2OCF2CF2Br(6.29g、10mmol)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、フルオロ(アルキルビニルエーテル)(F(CF2)8CH2OCF=CF2)を製造した。前記F(CF2)8CH2OCF2CF2Brに対する収率は84%、原料のフルオロアルキルアルコールに対するフルオロ(アルキルビニルエーテル)(F(CF2)8CH2OCF=CF2
)の収率(総収率)は76%であった。
なお、F(CF2)8CH2OCF2CF2Brおよびフルオロ(アルキルビニルエーテル)(F(CF2)8CH2OCF=CF2)の構造は、IR,19F-NMRおよび1H-NMR分析にて同定した。またF(CF2)8CH2OCF=CF2をMSで同定した。
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9-ヘプタデカフルオロノニル 1,2,2-トリフルオロ
ビニルエーテル
IR (neat) 1836, 1319, 1242, 1217, 1155, 1074, 1009, 980 cm-1;
1H NMR (500.13 MHz, CDCl3) d 4.40 (t, J =13.1 Hz, 2H);
19F NMR (282.40 MHz, CDCl3, CFCl3) d -81.44 (br s, 3F), -121.03 ~ -121.58 (m, 3F), -122.52 (br s, 6F), -123.33 (br s, 2F), -123.79 (br s, 2F), -126.76 ~ -127.59 (m, 3F), -137.96 ~ -138.66 (m, 1F);
HRMS (FAB+) Found: m/z 529.9783. Calcd for (M++ H) C11H2F19O: 529.9786.
原料として、H(CF2)6CH2OHに替えてCF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OH(5.48g、10mmol
)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、まずCF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OCF2CF2Brを製
造し、その6.54gを単離精製した。原料のフルオロアルキルアルコール(CF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OH)に対するCF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OCF2CF2Brの収率は90%であった。
次いで、H(CF2)8CH2OCF2CF2Brに替えてCF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OCF2CF2Br(7.27g、10mmol)を用いた以外は実施例1と同様の方法で、フルオロ(アルキルビニルエーテル)(CF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OCF=CF2)を製造した。前記CF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OCF2CF2Brに対する収率は75%、原料のフルオロアルキルアルコールに対するフルオロ(アルキルビニルエーテル)(CF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OCF=CF2)の収率(総収率)は68%であった

なお、CF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OCF2CF2Brおよびフルオロ(アルキルビニルエーテル)(CF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OCF=CF2)の構造は、19F-NMR分析にて同定した。またCF3CF2(CF2CF2O)3CF2CH2OCF=CF2をMSで同定した。
2,2,4,4,5,5,7,7,8,8,10,10,11,11,12,12,13,13,13-ノナデカフルオロ-3,6,9-トリオキサトリデシル 1,2,2-トリフルオロビニルエーテル
19F NMR (282.40 MHz, CDCl3, CFCl3) d -78.76 (m, 2F), -81.67 (br s, 3F), -84.09
(br s, 2F), -89.30 (br s, 8F), -120.27 (dd, J =59.9, 99.4 Hz, 1F), -121.52 (br s, 4F), -131.67 (dd, J =101.7 Hz, 1F), -137.80 (dd, J =59.0, 109.0 Hz, 1F);
MS Found: m/z 628. Calcd. for C12H2F22O4: 628.
本発明の製造方法によって製造される、式(4):X-Rf-(CH2)n-O-CF=CF2で表わされる、フルオロ(アルキルビニルエーテル)またはその誘導体は、特に、フッ素含有量が多い場合には、架橋剤や改質剤として、各種樹脂の耐熱性、耐寒性などの物性の向上や改良のために用いることができる。
このフルオロ(アルキルビニルエーテル)等は、特に、フッ素含有量が多い場合には屈折率が低いので、ディスプレイなどの反射防止膜やファイバーのクラッド材などとして利用できる。
また、特に、フッ素含有量が多い場合には誘電率が低いので、層間絶縁膜材料として利用できる。
さらに、界面活性剤、離型剤、コーティング剤、撥水撥油剤などとして利用できる。

Claims (3)

  1. [I]式(1):X-Rf-(CH2)n-OHで表わされる、フルオロアルキルアルコールまたはその
    誘導体と、
    式(2):Y-CF2-CF2-Yで表わされるテトラフルオロエタン誘導体と
    を塩基の存在下で反応させて式(3):X-Rf-(CH2)n-O-CF2-CF2-Yで表わされる化合物を
    製造する工程、および
    [II]この式(3):X-Rf-(CH2)n-O-CF2-CF2-Yで表わされる化合物と、
    金属含有試薬と
    を反応させて、式(4):X-Rf-(CH2)n-O-CF=CF2で表わされる、フルオロ(アルキルビニルエーテル)またはその誘導体を製造する工程
    を含むことを特徴とする、式(4):X-Rf-(CH2)n-O-CF=CF2で表わされるフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはその誘導体の製造方法
    〔ただし、式(1)、(3)および(4)において、Rfは炭素原子数1〜20の直鎖のもしくは分岐を有するアルカンジイル基であり、このアルカンジイル基は少なくとも1つのエーテル酸素原子を含んでいてもよく、且つこのアルカンジイル基中の水素原子の一部または全部はフッ素原子で置換されており、
    nは1〜3の整数であり、
    Xはハロゲン原子、水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、シアノ基、カルボン酸
    エステル基(-COOR;Rは炭素原子数1〜4のアルキル基である。)、チオシアノ基(-SCN)またはスルホン酸エステル基(-SO3R;Rは炭素原子数1〜4のアルキル基である。)である。
    また式(2)、(3)および(4)において、Yは塩素原子、臭素原子およびヨウ素原
    子からなる群から選ばれるハロゲン原子である。〕。
  2. 前記テトラフルオロエタン誘導体が、常温常圧で液体であることを特徴とする請求項1に記載のフルオロ(アルキルビニルエーテル)またはその誘導体の製造方法。
  3. 前記塩基がNaHであることを特徴とする請求項1または2に記載のフルオロ(アルキル
    ビニルエーテル)またはその誘導体の製造方法。
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