JP5125781B2 - 動力伝達機構保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力源側と被駆動側との間で動力伝達を行う動力伝達機構に対する動力伝達機構保護装置に関する。
動力伝達機構の耐久性を向上させるために動力伝達機構に対する負荷を調節する技術が提案されている(例えば特許文献1,2,3参照)。特許文献1では無段変速機において荷重が疲れ限度よりも大きい場合にその荷重を積算して、積算値が走行距離に対応した最大値よりも大きくなると、変速線を変速比が小さくなる変速線に切り替えている。特許文献2ではマイナー則により各面圧における回数を積算して耐久性強度との比率がしきい値を越えると対応する変速比の使用を禁止するものである。特許文献3ではマイナー値を利用して多板摩擦クラッチのクラッチフェーシング温度を積算し残存寿命を予測して表示している。
特開2004−125010号公報(第11−16頁、図7,8) 特開2006−46584号公報(第5−7頁、図1) 特開平8−303485号公報(第4−5頁、図3,4)
前記特許文献3では多板摩擦クラッチの寿命が予測されるのみで、どのように対処すべきかはドライバーに任され、実際に多板摩擦クラッチを保護して耐久性を向上させることはできない。前記特許文献1,2は現時点にて既に生じた耐久性低下に対処しており、動力伝達機構を予防的に保護して耐久性を伸ばすためには不十分である。
本発明は、将来の耐久性低下を予測して予防的に対処することにより将来にわたって動力伝達機構の耐久性を十分に維持することを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の動力伝達機構保護装置は、動力源側と被駆動側との間で動力伝達を行う動力伝達機構に対する動力伝達機構保護装置であって、動力伝達に伴って前記動力伝達機構に生じる負荷を上限負荷以下に制限する負荷制限手段と、動力伝達に伴って前記動力伝達機構に生じた負荷を検出する機構負荷検出手段と、前記機構負荷検出手段にて検出された負荷に基づいて負荷毎に出現回数を積算する負荷出現回数積算手段と、前記負荷出現回数積算手段にて積算されている負荷毎の出現回数を、将来到達する基準タイミングにおける出現回数に換算して基準タイミング被害値を算出する基準タイミング被害値算出手段と、前記基準タイミング被害値算出手段にて算出された基準タイミング被害値が、前記動力伝達機構の負荷と繰り返し回数との関係線上に設定した代表点での被害値より大きい場合には、前記上限負荷を低下させる上限負荷調節手段とを備え、前記上限負荷調節手段は、前記上限負荷の低下処理として、前記基準タイミング被害値算出手段にて算出された基準タイミング被害値が前記代表点での被害値より大きい場合には、負荷毎の被害値の内で被害値が最も大きい負荷を抽出する第1処理と、この第1処理にて抽出された負荷以下に前記上限負荷を設定したと仮定して、前記負荷出現回数積算手段にて積算されている負荷毎の出現回数を、前記基準タイミングにおける出現回数に換算して基準タイミング被害値を算出すると共に、この基準タイミング被害値が前記代表点での被害値以下にできる場合には、前記仮定した上限負荷を実際の上限負荷として設定する第2処理とを実行することを特徴とする。
基準タイミング被害値算出手段は、負荷出現回数積算手段にて積算されている負荷毎の出現回数を、将来到達する基準タイミングにおける出現回数に換算して基準タイミング被害値を算出している。すなわち動力伝達機構が現状と同様な状態で動力伝達を今後も継続した場合に、将来到達する基準タイミングに生じる基準タイミング被害値を求めている。
上限負荷調節手段は基準タイミング被害値が前記代表点での被害値より大きい場合に負荷制限手段にて動力伝達機構での負荷を制限する場合に用いる上限負荷を低下させている。この上限負荷の低下処理では、具体的には、負荷毎の被害値の内で被害値が最も大きい負荷以下に上限負荷を設定したと仮定して、負荷出現回数積算手段にて積算されている出現回数から、基準タイミングで要求される目標出現回数へ到達する際に前記代表点での被害値以下にできる負荷を求めている。そしてこのような負荷が存在する場合は、この負荷を実際の上限負荷として設定することで、基準タイミングにて被害値が大きくなる最大要因と予想される負荷を抑制することができる。このことにより動力伝達機構において実際に耐久性低下が生じる前に、将来到達する基準タイミングでの耐久性低下を予測するとともにそうした低下を効果的に防止できる上限負荷が設定できるので、以後、動力伝達機構にかかる負荷を予防的に抑制することで、動力伝達機構を十分に保護して耐久性を伸ばすことができる
このように将来の耐久性低下を予測して予防的に対処することにより将来にわたって動力伝達機構の耐久性を十分に維持することができる。
請求項2に記載の動力伝達機構保護装置では、請求項1において、前記基準タイミングは、前記動力伝達機構の保証終期であることを特徴とする。
前述したような予防的処理により保証終期まで動力伝達機構を十分に高い耐久性に維持して用いることができ、長期に安定した動力伝達機構の使用が可能となる。
請求項3に記載の動力伝達機構保護装置では、請求項1において、前記基準タイミングは、前記動力伝達機構の保証終期よりも前に設定されたタイミングであることを特徴とする。
このように保証終期に限らず、これよりも前に基準タイミングを設定しても良く、動力伝達機構を十分に高い耐久性に維持して、長期に安定した動力伝達機構の使用が可能となる。
請求項に記載の動力伝達機構保護装置では、請求項1〜3のいずれか一項において、前記第2処理にて前記抽出された負荷以下に前記上限負荷を設定したと仮定しても、前記基準タイミング被害値が前記代表点での被害値以下にできなかった場合には、再度、前記抽出された負荷より小さい負荷以下にて第1処理から処理を繰り返すことを特徴とする。
このように上限負荷を設定しても基準タイミング被害値を代表点での被害値以下にできない場合には、第1処理から処理を繰り返すことで、確実に基準タイミング被害値を代表点での被害値以下にできる上限負荷が設定できる。
請求項に記載の動力伝達機構保護装置では、請求項1〜のいずれか一項において、前記上限負荷調節手段による前記上限負荷の調節は、前記上限負荷の低下処理と共に、前記基準タイミング被害値算出手段にて算出された基準タイミング被害値が前記代表点での被害値より基準幅以上小さい場合には、前記上限負荷の初期値を限度として前記上限負荷を上昇させることを特徴とする。
このように当初、基準タイミング被害値が代表点での被害値より大きい状態が生じ、このことにより上限負荷を低下させた場合においても、その後、動力伝達機構での動力伝達状態が変化して、基準タイミング被害値算出手段にて算出された基準タイミング被害値が代表点での被害値より十分に小さくなる場合も生じる。この基準タイミング被害値が十分に低下したことを代表点での被害値より基準幅以上小さくなったことで判定する。そして十分に小さくなれば上限負荷の初期値を上限として上限負荷を上昇させる。このことにより動力伝達機構に対して高い動力伝達性能を維持させつつ、動力伝達機構を十分に保護して耐久性を伸ばすことができる。
請求項に記載の動力伝達機構保護装置では、請求項1〜のいずれか一項において、前記基準タイミング被害値算出手段は、前記出現回数の換算を、前記動力伝達機構又は前記動力源の現在までの駆動履歴と前記基準タイミングにおける駆動履歴との比率に基づいて実行することを特徴とする。
このように駆動履歴の比率を用いることにより、負荷出現回数積算手段にて積算されている負荷毎の出現回数を、将来到達する基準タイミングにおける出現回数に換算した基準タイミング被害値を容易に算出することができる。
請求項に記載の動力伝達機構保護装置では、請求項1〜のいずれか一項において、前記動力伝達機構は車両の駆動輪に動力を伝達させるための機構であり、前記基準タイミング被害値算出手段は、前記出現回数の換算を、車両の現在の走行距離と前記基準タイミングにおける走行距離との比率に基づいて実行することを特徴とする。
このように車両の駆動輪に動力を伝達させるための動力伝達機構であれば、車両の走行距離を駆動履歴として、走行距離の比率により基準タイミング被害値を算出することができる。
請求項に記載の動力伝達機構保護装置では、請求項において、前記動力伝達機構は、4輪駆動車において動力を後輪又は前輪に分配する機構であることを特徴とする。
4輪駆動車の場合には動力伝達機構としては、動力を後輪又は前輪に分配する機構を挙げることができる。したがって、この動力分配機構において、将来の耐久性低下を前述したごとく予測して予防的に対処することにより将来にわたって動力分配機構の耐久性を十分に維持することができる。
請求項に記載の動力伝達機構保護装置では、請求項1〜のいずれか一項において、前記動力伝達機構の負荷の代わりに、この負荷に対応する物理量を用いたことを特徴とする。
尚、動力伝達機構での負荷を直接用いなくても、この負荷に対応する物理量(例えば動力伝達機構の歪み量、単位時間当たりの発熱量等)を用いて前述した処理を実行しても良い。
請求項10に記載の動力伝達機構保護装置では、請求項1〜のいずれか一項において、前記代表点は、前記関係線上において前記動力伝達機構の負荷が疲労限界にある座標点であることを特徴とする。
前記代表点は、前記関係線上において動力伝達機構の負荷が疲労限界にある座標点を挙げることができ、上限負荷調節手段がこの座標点で予測される被害値と基準タイミング被害値とを比較することにより、将来の耐久性低下を予測して予防的に対処でき、将来にわたって動力伝達機構の耐久性を十分に維持することができる。
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用された4輪駆動車の概略構成を表すブロック図である。図1に示すように、車両2は、エンジン4、トランスミッション6、トランスファ8、前輪差動装置10、前輪12、プロペラシャフト14、制御カップリング16、後輪差動装置18、及び後輪20を備えている。更に車両2にはECU(電子制御ユニット)22が搭載され、後述する制御を実行している。
この車両2は、前輪12を主駆動輪とし、後輪20を副駆動輪とするFFベースの4輪駆動車である。エンジン4の出力軸は、トランスミッション6の入力軸に接続される。トランスミッション6は変速機であれば良く、自動変速機、手動変速機あるいは無段変速機が挙げられる。エンジン4は、動力源であれば良く、内燃機関、電動モータ、あるいはハイブリッドエンジンなどが挙げられる。
トランスミッション6の内部には、入力軸からの動力伝達経路に接続される前輪差動装置10が設けられ、この前輪差動装置10はドライブシャフトを介して前輪12に接続されている。更にトランスミッション6には、トランスファ8が接続されている。トランスファ8には、エンジン4の動力を後輪側に伝達するプロペラシャフト14の前端側が配置され、プロペラシャフト14の後端側は制御カップリング16の入力側に接続されている。制御カップリング16の出力側には、後輪差動装置18が接続され、この後輪差動装置18はドライブシャフトを介して後輪20に接続されている。
エンジン4で発生する動力は、トランスミッション6、前輪差動装置10及びドライブシャフトを介して前輪12に伝達される。更にエンジン4の動力は、前輪差動装置10からは、トランスファ8、プロペラシャフト14及び制御カップリング16に伝達される。ここで差動制御用の制御カップリング16が係合状態であれば、エンジン4の動力は制御カップリング16から後輪差動装置18に伝達され、更にドライブシャフトを介して後輪20に伝達される。これらトランスミッション6、前輪差動装置10、トランスファ8、プロペラシャフト14、制御カップリング16、後輪差動装置18及びドライブシャフトが、動力源側であるエンジン4と被駆動側である後輪20との間で動力伝達を行う動力伝達機構に該当する。
制御カップリング16は、プロペラシャフト14から伝達される動力を入力として、ECU22から出力される指令値としての指令電流Icに基づいて、プロペラシャフト14側から後輪差動装置18側へのトルク伝達量を調節する。制御カップリング16としてはトルク伝達量が可変の各種の伝達機構を用いることができるが、多板クラッチ等を挙げることができる。このような制御カップリング16は指令電流Icに基づいて、クラッチの圧着力が、クラッチの解放状態から直結状態までの間で連続的に制御されることにより、後輪20側に出力されるトルク伝達量が調節される。
尚、ECU22には、指令電流Icによって制御カップリング16のトルク伝達量を制御するために、車輪速センサ24、変速比センサ26、スロットル開度センサ28、アクセル開度センサ30、エンジン回転数センサ32及び前後Gセンサ34からの検出信号が入力されている。車輪速センサ24は前輪12と後輪20との回転速度をそれぞれ検出している。変速比センサ26はトランスミッション6の変速比あるいは変速段を検出している。スロットル開度センサ28は、ガソリンエンジンであるエンジン4の吸入空気量を調節するスロットル弁の開度を検出する。アクセル開度センサ30はドライバーによるアクセルペダルの踏み込み量を検出する。エンジン回転数センサ32はエンジン4のクランク軸の回転数を検出する。前後Gセンサ34は車両2の発生する前後方向の加速度を検出する。
ECU22は、上述した各センサ24〜34により検出された走行状況に応じて、制御カップリング16の直結状態から解放状態までを制御して、副駆動輪である後輪20へのトルク伝達量を調節している。例えば、ECU22は前輪12及び後輪20における回転状態の偏差に基づいて後輪20へのトルク伝達量を制御する。すなわち路面の摩擦係数の高低により前後輪の回転状態に偏差が生じた場合に後輪20に動力が配分されて伝達される。
ECU22においては、上述した動力分配制御と共に図2のフローチャートに示す動力伝達機構保護処理が実行される。この動力伝達機構保護処理は、所定時間毎あるいはエンジン4の所定回転毎に繰り返し実行される処理であり、エンジン4から後輪20へ至る動力伝達経路における動力伝達機構の耐久性を維持するためになされる処理である。特に、トランスファ8においては、前輪差動装置10側とはスプラインなどにより嵌合されていることから、耐久性維持を考慮する必要があり、このスプライン嵌合部分での耐久性を維持するために実行されている。
本処理が実行されると、まず耐久性判定タイミングか否かが判定される(S102)。ここで耐久性判定タイミングは、動力伝達機構の所定の駆動履歴毎、ここでは車両2の予め定めた走行距離毎、例えば1000km走行単位で判定タイミングとする。100km走行毎のように1000km以下でも良く、1万km走行毎のように1000kmを越えても良い。ただし品質上想定している保証走行距離よりも小さい走行距離とする。
ここで1000km走行毎の耐久性判定タイミングでなければ(S102でNO)、次にトルク毎回数積算処理を実行する(S104)。このトルク毎回数積算処理の詳細を図3のフローチャートに示す。
トルク毎回数積算処理(図3)では、まず制御カップリング16による動力伝達中か否かが判定される(S152)。これはECU22自身が指令電流Icを制御カップリング16に出力しているか否かにより判定する。
動力伝達中でなければ(S152でNO)、次に動力伝達終了タイミングか否かが判定される(S154)。指令電流Icを停止した直後、すなわち指令電流Ic>0(アンペア)状態から、指令電流Ic=0(アンペア)状態に変更された直後か否かが判定される。動力伝達終了タイミングでなければ(S154でNO)、このままトルク毎回数積算処理(図3)を出る。
動力伝達機構保護処理(図2)の説明に戻り、ステップS104が終了したので、動力伝達機構保護処理(図2)についても一旦処理を出る。
次の制御実行周期においても、耐久性判定タイミングでなく(S102でNO)、動力伝達中でなく(S152でNO)、動力伝達終了タイミングでもない(S154でNO)場合には、上述したごとくの処理が繰り返されて、実質的な処理はなされない。
ECU22が後輪20を駆動する必要性が生じて、指令電流Icを出力し始めた場合には(S152でYES)、今回の後輪駆動のために制御カップリング16にてなされるトルク伝達において、その伝達トルクの最高値を、最高負荷トルクTpkとして検出する処理を実行する(S156)。具体的には、後輪20への伝達トルクは指令電流Icに基づく制御カップリング16での係合力とそのスリップ状態とにより求めることができるので、指令電流Icと車輪速センサ24にて得られている前輪12と後輪20との回転速度差とにより、予め定められたマップから制御カップリング16での伝達トルクを検出できる。指令電流Ic出力が継続している間、制御実行周期毎に伝達トルク算出を繰り返し、その内で最大の伝達トルクを最高負荷トルクTpkとして検出する。
このような最高負荷トルクTpkの検出処理(S156)を繰り返した後、Ic=0(アンペア)となって今回の後輪駆動が終了すると、動力伝達中ではなくなるので(S152でNO)、ステップS154の判定がなされる。今回は動力伝達終了タイミングであることから(S154でYES)、直前の動力伝達期間にて得られている最高負荷トルクTpkに対応するトルク毎カウンタをインクリメントする(S158)。すなわち該当するトルク毎カウンタの値が回数1回分積算されることになる。尚、トルクの値はデジタル的に量子化された値であり、この量子化されたトルク値毎にカウンタが設けられている。
図4のグラフにトルク毎カウンタの状態について一例を示す。このグラフは縦軸(対数目盛)にトルク(Nm)を、横軸(対数目盛)に前記トルク毎カウンタの回数を示している。トルク毎に積算された出現回数分布の一例は実線にて示されている。
ここで、トルクT1,T2はそれぞれトルク毎カウンタは値N1,N2である。制御カップリング16はECU22により上限トルクTlimを越えないように係合状態を調節しているので、トルク毎カウンタの積算はこの上限トルクTlim以下で所定幅にて量子化されたトルク毎になされる。後述するごとく、上限トルクTlimは低下されることがあるが、常にトルク毎カウンタ自体は、上限トルクTlimの初期値Tlimini以下にて設定されたトルク毎に積算を実行し、ECU22の電源オフ時においてもその値を不揮発性メモリに保持している。
尚、マイナー則におけるS−N線に相当する負荷としてのトルクTと繰り返し回数Nとの関係線はT−N線で表されている。
ここで今回、トルクT1に対応するトルク毎カウンタがインクリメントされて、図4に示したごとく実線R上で表される位置(回数N1)になったものとする。
こうしてトルク毎回数積算処理(S104)を出て、次の制御実行周期では、耐久性判定タイミングでなければ(S102でNO)、トルク毎回数積算処理(図3)では動力伝達中でなく(S152でNO)、動力伝達終了タイミングでもないので(S154でNO)、このままトルク毎回数積算処理(S104)を出ることになる。
以後、次の後輪駆動まで、耐久性判定タイミングにならなければ、同様に動力伝達機構保護処理(図2)ではステップS102でNO、トルク毎回数積算処理(図3)ではステップS152,S154にて共にNOと判定される処理が繰り返される。
そして再び後輪駆動が開始されると(S152でYES)、この駆動における最高負荷トルクTpkが検出される(S156)。この後輪駆動の動力伝達終了タイミングでは(S154でYES)、最高負荷トルクTpkがトルクT2であるとすると、このトルクT2に対応するトルク毎カウンタがインクリメントされる(S158)。このことにより図4に示したごとくトルクT2について実線R上で表される位置(回数N2)になったものとする。
上述した処理を繰り返し、その後、耐久性判定タイミングに到達すると(S102でYES)、トルク毎回数積算値を保証走行距離(km)に対応させて換算する処理が行われる(S106)。例えば車両製造から現在まで、走行距離Da(km)を走行していたとすると、予め車両2に対して設定されている保証走行距離Ds(>Da)との比Ds/Daにより、保証走行距離走破時推定積算値を算出する。具体的には、図4の実線Rに示されているごとく、現在までの実際に生じた後輪駆動におけるトルク毎回数積算値が求められているとすると、これを前記比Ds/Daとの積を計算する。この換算により全てのトルク毎回数積算値の分布が一点鎖線Fのごとくとなる。
次にステップS106にて算出された換算値(図4の一点鎖線F)を用いて、T−N線が通過する代表値として、疲労限界トルクTsの座標点Asへ、マイナー則に基づく計算により集約計算する(S108)。このT−N線は、前述したごとくマイナー則におけるS−N線に相当し、予め標準の動力伝達機構について求められている破損ラインである。
この集約計算は、T−N線を直線としてその傾きαを用いて、保証走行距離に対応させて換算された全てのトルクについて、座標点As上(ここでは座標点Asの回数Ens上)に集約し、全てのトルクについて総計することで集約トルクTas(被害値に相当)を求める処理である。
例えば、トルクT1においては保証走行距離に対応させて回数N1が回数Fn1に換算されることで座標点a1となる。この座標点a1に対して行われる回数Ensへの集約計算について説明する。
まずトルクT1が回数Fn1である状態と、これを集約する回数Ensにおける座標点A1での部分集約トルクTs1とは、マイナー則により式1に示すごとくの関係にある。
[式1] Ts1/T1=(Ens/Fn1)^α
ここで「^α」は直前の数値のα乗を表している。
したがって部分集約トルクTs1は式2のごとく求められる。
[式2] Ts1 ← T1・(Ens/Fn1)^α
同様にしてトルクT2については、保証走行距離に対応させて回数N2が回数Fn2に換算されることで座標点a2となる。この座標点a2に対して行われる回数Ensへの集約計算が行われることにより、回数Ensにおける座標点A2での部分集約トルクTs2は式3のごとく求められる。
[式3] Ts2 ← T2・(Ens/Fn2)^α
前記式2,3に述べた計算を上限トルクTlim以下の各トルク毎に実行して、回数Ens上での部分集約トルクを算出する。そしてこうして算出された部分集約トルクを総計して、回数Ens上での集約トルクTasを求める。
こうしてステップS108の集約計算が終了すると、算出された集約トルクTasに基づいて限界をオーバーしているか否か、すなわち保証終期(すなわち保証走行距離走破時)にトランスファ8の耐久性が維持されているか否かを判定する(S110)。
集約トルクTasが座標点B1のごとく、座標点AsのトルクTs以下であれば、限界をオーバーしない、すなわち、図4に実線Rにて示される現在までの動力伝達状態を将来にわたって継続しても十分に保証走行距離走破までトランスファ8の耐久性が維持できると判断できる。
したがってステップS110でNOと判定されて、このまま本処理を出る。そして以後、次の耐久性判定タイミングまでは、ステップS102にてNOと判定される状態となり、前述したトルク毎回数積算処理(S104:図3)を繰り返すことになる。
集約トルクTasが座標点B2のごとく、座標点AsのトルクTsを越えていれば、限界をオーバーする、すなわち図4に実線Rにて示される現在までの動力伝達状態を将来にわたって継続した場合には、保証走行距離走破までにトランスファ8の耐久性が維持できなくなるおそれがあると判断できる。
したがってステップS110でYESと判定されて、次に上限トルクTlim低下処理が実行される(S112)。この処理は例えば、上限トルクTlimを現在の設定値よりも、量子化された一段下のトルクに低下させる処理である。
そして再度、ステップS108に戻り、前述したごとく疲労限界トルクTsの座標点As上へマイナー則に基づき集約計算する。今回は上限トルクTlimを一段下げたため、下げる前の上限トルクTlimにてカウントされていたトルク毎回数は今回の上限トルクTlimにてカウントされていたトルク毎回数に合計されて、集約計算が実行される。このことにより、計算上では、車両2の製造から今まで、今回の一段低い上限トルクTlimを用いて制御カップリング16において係合制御がなされてきた場合の被害値を求める集約計算がなされることになる。
そして、こうして得られた集約トルクTasが座標点AsのトルクTsを越えていれば(S110でYES)、再度、上限トルクTlim低下処理が実行され(S112)、ステップS108に戻り、前述したごとく疲労限界トルクTsの座標点As上へマイナー則に基づく計算により集約計算する。そしてこの場合も集約トルクTasが座標点AsのトルクTsを越えていれば(S110でYES)、再度、上限トルクTlim低下処理が実行される(S112)。このようにしてステップS110にて集約トルクTasが限界オーバーではないと判定されるまで、上限トルクTlimを次第に低下させて行く。
この上限トルクTlim低下を繰り返したことにより、算出された集約トルクTasが限界オーバーではないと判定されると(S110でNO)、一旦処理を出る。
以後、ECU22は、後輪駆動時には、限界オーバーとならない状態まで低下された上限トルクTlimを上限として制御カップリング16の係合状態のトルク制御を実行することになる。
上述した構成において、ECU22が負荷制限手段、機構負荷検出手段、負荷出現回数積算手段、基準タイミング被害値算出手段、及び上限負荷調節手段に相当する。ECU22により実行される処理の内で、上限トルクTlimを越えないように制御カップリング16の係合状態を調節する処理が負荷制限手段としての処理に相当する。トルク毎回数積算処理(図3)のステップS156が機構負荷検出手段としての処理に、ステップS158が負荷出現回数積算手段としての処理に相当する。動力伝達機構保護処理(図2)のステップS106,S108が基準タイミング被害値算出手段としての処理に、ステップS110,S112が上限負荷調節手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).トルク毎回数積算処理(図3)では、検出した最高負荷トルクTpkに基づいてトルク毎にその出現回数を積算している。動力伝達機構保護処理(図2)では、積算されているトルク毎の出現回数を、将来到達する保証走行距離走破時における出現回数に換算してこの走破時の被害値(ここでは集約トルクTas)を算出している。
そしてこの被害値が代表点としての座標点Asでの被害値より大きい場合に、ここでは集約トルクTasが疲労限界トルクTsよりも大きい場合に上限トルクTlimを低下させている。このことにより動力伝達機構、特にトランスファ8において耐久性低下が生じる前に、将来の耐久性低下を予測して、以後、トランスファ8の負荷となるトルクを抑制することで、トランスファ8を十分に保護し耐久性を伸ばしている。
このように将来の耐久性低下を予測して予防的に対処することにより将来にわたって動力伝達機構の耐久性を十分に維持することができる。
(ロ).保証走行距離走破時の被害値算出は、実際に積算されている出現回数の換算を、実際の走行距離と保証走行距離との比率に基づいて実行している。このことにより、保証走行距離走破時の被害値を容易に算出することができ、耐久性低下予防に貢献できる。
(ハ).代表点としての座標点Asは、T−N線上において動力伝達機構の負荷であるトルクが疲労限界にある座標点である。この座標点Asの回数Ensにて集約した集約トルクTasと座標点Asでの疲労限界トルクTsとを比較することにより、予測される基準タイミング被害値と代表点での被害値とを容易に比較することができる。このことにより将来の耐久性低下を予測して予防的に対処でき、将来にわたって動力伝達機構の耐久性を十分に維持することができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、前記実施の形態1(図1〜3)の構成の内で、ECU22が実行する動力伝達機構保護処理(図2)の上限トルクTlim低下処理(S112)が異なる。他の構成は同じであるので、図1〜4を参照して説明する。
本実施の形態では、上限トルクTlim低下処理(S112)として、図5に示すごとくの処理が実行される。まずステップS106にてトルク毎回数積算値を保証走行距離(km)に対応させて換算した後のトルクの内で、最大の被害値のトルクTdmaxを抽出する(S202)。すなわち、限界オーバーに最大に寄与した最高負荷トルクTpkを抽出することに相当する。同一寄与の最高負荷トルクTpkが2つ以上存在すれば、その内の最大のトルク値を、最大の被害値のトルクTdmaxとして抽出する。
そして上限トルクTlimに、ステップS202にて抽出した最大被害値トルクTdmaxより一段下のトルクを仮に設定する(S204)。
このことにより、前記実施の形態1にて説明したごとく再度ステップS108の処理を実行し、限界オーバーでなくなれば(S110でNO)、動力伝達機構保護処理(図2)を出る。このことによりステップS204での上限トルクTlimの仮設定は本設定となる。
再び、限界オーバーであれば(S110でYES)、前記図5の上限トルクTlim低下処理(S202,S204)を実行することを繰り替えし、最終的に限界オーバーでなくなれば(S110)、動力伝達機構保護処理(図2)を出る。このことにより直前のステップS204での上限トルクTlimの仮設定が本設定となる。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)に説明したごとくの効果が得られると共に、上限トルクTlim低下処理(図5)が限界オーバーに最大に寄与した被害値を考慮した上限トルクTlimの設定を行っている。
すなわち、被害値が最も大きいトルク以下のトルク(上述の例では被害値が最も大きいトルクより1つ下のトルク)を上限トルクTlimに設定したと仮定して、既に積算されている出現回数から、保証走行距離走破時に、座標点Asでの疲労限界トルクTs以下にできるトルクを求めている。そしてこのようにして求められたトルクを上限トルクTlimとして設定している。このことで保証走行距離走破時にて被害値が大きくなる最大要因と予想されるトルクでの被害値を抑制することができる。
こうして動力伝達機構において耐久性低下が生じる前に、保証走行距離走破時の耐久性低下を効果的に防止できる上限トルクTlimが設定できる。したがって、以後、動力伝達機構にかかる負荷を十分に抑制でき、動力伝達機構を予防的に保護して耐久性を伸ばすことができる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、前記実施の形態2における上限トルクTlim低下処理(図5)の代わりに、図6に示す処理を実行するものである。他の構成は前記実施の形態2と同じであるので、図1〜4を参照して説明する。
上限トルクTlim低下処理(図6)では、まずステップS106にてトルク毎回数積算値を保証走行距離に対応させて換算した後のトルクの内で、最大の被害値のトルクTdmaxを抽出する(S212)。この処理は図5のステップS202と同じである。
そしてこのように抽出した最大被害値トルクTdmaxが現在の上限トルクTlimとは異なるトルクか否かが判定される(S214)。異なれば(S214でYES)、上限トルクTlimには抽出された最大被害値トルクTdmaxが仮に設定される(S216)。
最大被害値トルクTdmaxが現在の上限トルクTlimと同一であれば(S214でNO)、上限トルクTlimには、抽出した最大被害値トルクTdmaxより一段下のトルクを仮に設定する(S218)。
ステップS216又はステップS218にて上限トルクTlimを仮設定すると、前記実施の形態1にて説明したごとくに再度ステップS108の処理を実行し、限界オーバーでなくなれば(S110でNO)、動力伝達機構保護処理(図2)を出る。このことによりステップS216又はステップS218での上限トルクTlimの仮設定は本設定となる。
再び、限界オーバーであれば(S110でYES)、前記図6の上限トルクTlim低下処理を実行することを繰り替えし、最終的に限界オーバーでなくなれば(S110)、動力伝達機構保護処理(図2)を出る。このことにより直前のステップS216又はステップS218での上限トルクTlimの仮設定は本設定となる。
以上説明した本実施の形態3によっても前記実施の形態2と同様な効果を生じる。
[実施の形態4]
本実施の形態では、動力伝達機構保護処理(図2)の代わりに図7の処理を実行する。これ以外の構成は、前記実施の形態1〜3のいずれかの構成と同じである。したがって図1,3,4を参照して説明する。
動力伝達機構保護処理(図7)において、ステップS302〜S312までの各処理内容は、図2にて説明したステップS102〜S112までの各処理内容と同じである。異なる処理は、ステップS310にて限界オーバーではない(S310でNO)と判定されると、上限トルクTlimの上昇条件が成立しているか否かが判定され(S314)、上昇条件が成立していれば上限トルクTlim上昇処理(S316)が実行される点である。
ここでステップS314にて判定される上限トルクTlim上昇条件は次の条件a、b、cの論理積条件である。
a.今回の耐久性判定タイミングにて一度も限界オーバーであると判定されていない。すなわち上限トルクTlim低下処理(S312)が実行されていない。
b.保証走行距離に換算した被害値(ここでは集約トルク)が座標点Asよりも十分に低い被害値である。例えば保証走行距離走破時の想定被害値(図4の座標点C:想定回数分布は破線で示すラインLc)以下の低い被害値である。
c.現在の上限トルクTlimは、初期値Tlimini(車両製造時の上限トルクTlim)より小さい。
この上限トルクTlim上昇条件が満足されない場合には(S314でNO)、このまま動力伝達機構保護処理(図7)を出ることになる。
上限トルクTlim上昇条件が満足された場合には、上限トルクTlimの上昇処理が実行される(S316)。例えば、上限トルクTlimを一段高いトルクに上昇させる仮設定処理を行う。そして再度、上限トルクTlimを一段上昇させた状態で回数が積算されているとして、ステップS308の処理を実行する。この結果、限界オーバーでなく(S310でNO)、かつ上限トルクTlim上昇条件が不成立ならば(S314でNO)、処理を出る。このことによりステップS316にて仮に上昇させた上限トルクTlimが本設定されて、以後、トルク毎回数積算処理(S304)が実行されることになる。
又、ステップS308の処理の結果、限界オーバーでなく(S310でNO)、かつ上限トルクTlim上昇条件成立(S314でYES)ならば、更に上限トルクTlimの上昇処理が実行され(S316)、再度上昇した上限トルクTlimの状態で回数が積算されているとして、ステップS308の処理を実行する。このような処理を繰り返して、限界オーバーでなく(S310でNO)、かつ上限トルクTlim上昇条件が不成立ならば(S314でNO)、処理を出る。このことにより直前のステップS316にて仮に上昇させた上限トルクTlimが本設定されて、以後、トルク毎回数積算処理(S304)が実行されることになる。
上述した構成において、動力伝達機構保護処理(図7)のステップS306,S308が基準タイミング被害値算出手段としての処理に、ステップS310〜S316が上限負荷調節手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1〜3のいずれかの構成と組み合わせているので、前記実施の形態1〜3のいずれかの効果を生じる。
(ロ).保証走行距離走破時の耐久性低下を予想して上限トルクTlimを低下させた場合も、その後の走行では予想よりも被害値が少なくなり、保証走行距離走破時の被害値(基準タイミング被害値:ここでは集約トルク)が疲労限界トルクTsよりも基準幅(疲労限界トルクTsと座標点Cのトルクとの差)以下に小さくなることがある。このことをステップS314にて判定して、上限トルク初期値Tliminiを上限として上限トルクTlimを上昇させる。このことにより動力伝達機構に高い動力伝達状態を維持させつつ、動力伝達機構を予防的に保護して耐久性を伸ばすことができる。
[その他の実施の形態]
(a).前記各実施の形態においては、保証走行距離走破時の耐久性低下の予想を、T−N線上での疲労限界トルクTsの座標点Asにおける回数Ensへ集約して、被害値に相当する集約トルクを求めて、この集約トルクの大小にて被害値程度を判定していた。この代わりに、座標点Asでの疲労限界トルクTsへ回数を集約することで被害値に相当する集約回数を求めて、この集約回数の大小にて被害値程度を判定しても良い。
すなわち、トルクと回数との関係を示す前記式1により、この式1における回数Ensを部分集約回数として求めて全トルク分を総計することで集約回数を求める。そして、この集約回数が、図4における回数Ensより大きければ、ステップS110あるいはステップS310では限界オーバーと判定するようにしても良い。
又、マイナー則の被害値自体にて比較しても良い。
(b).保証走行距離走破時の耐久性低下の予想は、T−N線上での代表点として疲労限界トルクTsの座標点Asにおいて行ったが、T−N線上の他の座標点を代表点として、その座標点の回数への集約による比較、その座標点のトルクへの集約による比較、あるいはその座標点でマイナー則の被害値自体により比較しても良い。
(c).前記各実施の形態では負荷として動力伝達機構により伝達されるトルクを用いていたが、このトルクの代わりに、トルクに対応する物理量として動力伝達機構の歪み量を用いても良い。例えば図1に示したプロペラシャフト14等に歪み計を配置して、この歪み計にて検出された歪み量を用いて、歪み量毎に回数を積算させても良い。又、制御カップリング16に生じる単位時間当たりの発熱量毎に回数を積算させても良い。
(d).前記実施の形態4において、上限トルクTlim上昇処理(S316)は上限トルク初期値Tliminiを限界として上限トルクTlimを上昇させていた。この代わりに、予想する被害値が座標点Asよりも低い基準位置、例えば疲労限界トルクTsよりも基準幅低い位置(図4に示した座標点Cなど)を集約トルクの上限として上限トルクTlimを上昇させても良い。
(e).前記各実施の形態では、動力伝達機構において上限トルクTlimを調節することにより耐久性向上の対象となったのはトランスファのみであった。このトランスファに加えて、動力伝達機構の他の1ヶ所あるいは2ヶ所以上の部分についても、耐久性上、伝達するトルクによる被害値を考慮する必要がある場合には、それぞれの部分について被害値を考慮しても良い。すなわち動力伝達機構上の複数部分についてT−N線とこの線上の疲労限界トルクの座標点を設定しておき、ステップS106,S108又はステップS306,S308にて予想した被害値が動力伝達機構上の各部分において限界オーバーか否かを判定する(S110,S310)。いずれか1ヶ所でも限界オーバーであれば、上限トルクTlimを低下させるようにする。
更に、前記実施の形態4のごとく上限トルクTlimを上昇させる場合には、動力伝達機構上の全ての部分にて上限トルクTlim上昇条件が成立した場合に、上限トルクTlimを上昇させることとする。
(f).前記各実施の形態では、車両における車輪駆動のための動力伝達機構の例を示したが、これに限らず各種の用途における動力伝達機構に適用することができる。
実施の形態1における4輪駆動車の概略構成を表すブロック図。 実施の形態1のECUが実行する動力伝達機構保護処理のフローチャート。 同じくトルク毎回数積算処理のフローチャート。 同じく処理の一例を示すグラフ。 実施の形態2のECUが実行する上限トルクTlim低下処理のフローチャート。 実施の形態3のECUが実行する上限トルクTlim低下処理のフローチャート。 実施の形態4のECUが実行する動力伝達機構保護処理のフローチャート。
符号の説明
2…車両、4…エンジン、6…トランスミッション、8…トランスファ、10…前輪差動装置、12…前輪、14…プロペラシャフト、16…制御カップリング、18…後輪差動装置、20…後輪、22…ECU、24…車輪速センサ、26…変速比センサ、28…スロットル開度センサ、30…アクセル開度センサ、32…エンジン回転数センサ、34…前後Gセンサ。

Claims (10)

  1. 動力源側と被駆動側との間で動力伝達を行う動力伝達機構に対する動力伝達機構保護装置であって、
    動力伝達に伴って前記動力伝達機構に生じる負荷を上限負荷以下に制限する負荷制限手段と、
    動力伝達に伴って前記動力伝達機構に生じた負荷を検出する機構負荷検出手段と、
    前記機構負荷検出手段にて検出された負荷に基づいて負荷毎に出現回数を積算する負荷出現回数積算手段と、
    前記負荷出現回数積算手段にて積算されている負荷毎の出現回数を、将来到達する基準タイミングにおける出現回数に換算して基準タイミング被害値を算出する基準タイミング被害値算出手段と、
    前記基準タイミング被害値算出手段にて算出された基準タイミング被害値が、前記動力伝達機構の負荷と繰り返し回数との関係線上に設定した代表点での被害値より大きい場合には、前記上限負荷を低下させる上限負荷調節手段とを備え、
    前記上限負荷調節手段は、前記上限負荷の低下処理として、
    前記基準タイミング被害値算出手段にて算出された基準タイミング被害値が前記代表点での被害値より大きい場合には、負荷毎の被害値の内で被害値が最も大きい負荷を抽出する第1処理と、
    この第1処理にて抽出された負荷以下に前記上限負荷を設定したと仮定して、前記負荷出現回数積算手段にて積算されている負荷毎の出現回数を、前記基準タイミングにおける出現回数に換算して基準タイミング被害値を算出すると共に、この基準タイミング被害値が前記代表点での被害値以下にできる場合には、前記仮定した上限負荷を実際の上限負荷として設定する第2処理とを実行する
    とを特徴とする動力伝達機構保護装置。
  2. 請求項1において、前記基準タイミングは、前記動力伝達機構の保証終期であることを特徴とする動力伝達機構保護装置。
  3. 請求項1において、前記基準タイミングは、前記動力伝達機構の保証終期よりも前に設定されたタイミングであることを特徴とする動力伝達機構保護装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、前記第2処理にて前記抽出された負荷以下に前記上限負荷を設定したと仮定しても、前記基準タイミング被害値が前記代表点での被害値以下にできなかった場合には、再度、前記抽出された負荷より小さい負荷以下にて第1処理から処理を繰り返すことを特徴とする動力伝達機構保護装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項において、前記上限負荷調節手段による前記上限負荷の調節は、前記上限負荷の低下処理と共に、前記基準タイミング被害値算出手段にて算出された基準タイミング被害値が前記代表点での被害値より基準幅以上小さい場合には、前記上限負荷の初期値を限度として前記上限負荷を上昇させることを特徴とする動力伝達機構保護装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項において、前記基準タイミング被害値算出手段は、前記出現回数の換算を、前記動力伝達機構又は前記動力源の現在までの駆動履歴と前記基準タイミングにおける駆動履歴との比率に基づいて実行することを特徴とする動力伝達機構保護装置。
  7. 請求項1〜のいずれか一項において、前記動力伝達機構は車両の駆動輪に動力を伝達させるための機構であり、前記基準タイミング被害値算出手段は、前記出現回数の換算を、車両の現在の走行距離と前記基準タイミングにおける走行距離との比率に基づいて実行することを特徴とする動力伝達機構保護装置。
  8. 請求項において、前記動力伝達機構は、4輪駆動車において動力を後輪又は前輪に分配する機構であることを特徴とする動力伝達機構保護装置。
  9. 請求項1〜のいずれか一項において、前記動力伝達機構の負荷の代わりに、この負荷に対応する物理量を用いたことを特徴とする動力伝達機構保護装置。
  10. 請求項1〜のいずれか一項において、前記代表点は、前記関係線上において前記動力伝達機構の負荷が疲労限界にある座標点であることを特徴とする動力伝達機構保護装置。
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