以下に添付図面を参照して、本発明にかかる画像形成装置および電力供給方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第1の実施の形態にかかる画像形成装置の電力供給部は、商用電源の電圧低下、瞬断または停電を検出し、蓄電手段の蓄電力を特定負荷に供給する。
まず、本実施の形態にかかる画像形成装置における電力供給部の構成例について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部の構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかる画像形成装置における電力供給部は、フィルタ1と、停電検知回路8と、全波整流回路2と、充電回路101と、蓄電部100と、定電圧生成回路33と、切替回路40と、画像形成装置制御部10と、電圧低下検知回路37と、DC/DCコンバータ14と、停電時に電力供給される特定負荷41と、負荷21と、定着加熱部電力供給DC回路49と、定着加熱部温度検出回路28と、定着加熱部電力供給AC回路43と、を備えている。
図2は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部の詳細回路図である。図2は、図1をさらに詳細に示した回路図である。なお、図1に示す一般負荷21aと電力を必要とする負荷21bは、図2に示す負荷21である。また、図1に示す定着加熱部電力供給DC回路49は、図2に示すDC定着ヒータ22、リレー18及び放電回路(FET:Field Effect Transistor)19の回路を含む。また、図1で示す停電時に電力供給される特定負荷41は、図2に示すLAN制御部15、HDD制御部23、メモリ部13、画像形成装置制御部10内の特定回路25を含む。
図2を用いて、個々の機能および動作を詳細に説明する。まず、図2に示す充電回路101の動作を説明する。充電回路101は、出力電圧を発生する手段3(以下、電圧可変部3という)と、電圧可変部3の出力電圧を制御する出力制御部7と、キャパシタバンク9を充電する電圧を検出する充電電圧検出回路16と、キャパシタバンク9を充電する電流を検出する充電電流検出回路20とを備える。充電電圧検出回路16によって検出された電圧と、充電電流検出回路20によって検出された電流は、出力制御部7にフィードバックされる。
出力制御部7は、さらにCPU7a、PWM発生回路7e、A/Dコンバータ7c、充電電流検出回路7d、シリアルコントローラ(SIC)7b、図示はしないROM、RAM、タイマ、割り込み制御回路及び入出力ポートを備えている。なお、PWM発生回路7eは、CPU7aに内部バスで接続され、定電圧出力用、定電流充電及び定電力充電用のPWM信号を発生する。
次に、キャパシタバンク9を充電する充電動作について詳細に説明する。まず、主電源スイッチ11を介して商用電源46から供給される交流電力は、フィルタ1を介して、全波整流回路2に接続され、全波整流される。全波整流された出力は、平滑コンデンサC1によりリップル成分等が除去される。
全波整流回路2の直流出力側には、平滑コンデンサC1と並列に高周波トランス29の一次コイル29aが接続され、この一次コイル29aに、スイッチング手段としてFET6が直列に接続されている。
FET6で構成されるスイッチング回路は、PWM発生回路7eから出力されるPWM信号によってスイッチングする。FET6がスイッチング(ON、OFF動作)すると、一次コイル29aにはスイッチング電流が流れる。この一次側のスイッチ電流により、高周波トランス29の二次コイル29bにスイッチ電圧が誘起する。このスイッチング周波数の導通期間を変えれば、出力電圧を制御することができる。
高周波トランス29の二次コイル29bには、整流回路4としてダイオードD1、D2が接続されている。スイッチング電圧は、この整流回路で整流され、チョークコイル5及びコンデンサC2によって平滑化され、直流出力に変換される。この直流出力は、ダイオードD3を通してキャパシタバンク9に供給される。
次に、キャパシタバンク9に充電する動作について説明する。本実施の形態のキャパシタバンク9には、満杯充電時に2.5Vになるキャパシタセル(電気二重層コンデンサセル)18個が直列に接続されている。従って、18個のキャパシタセルが満充電になると、45Vの電圧が蓄電される。なお、本実施の形態の蓄電部100のキャパシタバンク9は、対象とする画像形成装置の連続コピー時の温度落ち込みを防止できる容量、または必要とする定着立ち上げ時間を達成できる容量を備えるセル構成とする。
まず、キャパシタバンク9に充電された電圧を検出する充電電圧検出回路16の動作について説明する。キャパシタバンク9の端子間電圧は、抵抗R2と抵抗R3とで分圧回路を構成した充電電圧検出回路16によって検出される。検出された出力は、定電圧出力、定電流充電及び定電力充電用のPWM発生回路7eのA/Dコンバータ7c及び画像形成装置制御部10のA/Dコンバータ10aに入力される。
電圧可変部3の出力電圧は、PWM発生回路7eによって監視され、PWM信号のONデューティを変えることにより制御される。なお、定電圧出力、定電流充電及び定電力充電用PWM発生回路7eの説明は後述する。
次に、キャパシタバンク9の充電電流検出方法について説明する。キャパシタバンク9の充電電流は、キャパシタバンク9と直列に接続された抵抗R1を流れる電流を端子間電圧として検出する。検出された電流は、PWM発生回路7eの充電電流検出回路7dに入力される。
次に、キャパシタセル個々の満充電を検出し、バイパス回路17aを動作させ、各キャパシタセルの充電電圧を均等化する均等化回路17の動作を簡単に説明する。電圧可変部3によってキャパシタセル9aが、満充電の2.5Vに充電されると、バイパス回路17aは充電電流をバイパスする。他のキャパシタセルに並列に接続されたバイパス回路も同様な動作を行ない、各キャパシタセルの充電電圧は均等化される。
均等化回路17は、何れかのキャパシタセルの満充電を検知し、バイパス回路を動作させると、定電圧出力、定電流及び定電力充電用PWM発生回路7eに単セル満充電信号44を出力する。また、均等化回路17は、全てのキャパシタセルの満充電を検知し、全てのバイパス回路を動作させると、定電圧出力、定電流及び定電力充電用PWM発生回路7eに全てのキャパシタセルの満充電信号45を出力する。
次に、PWM発生回路7eの動作説明をする。PWM発生回路7eは、キャパシタバンク9の充電電圧の検出結果や、充電電流の検出結果、バイパス回路の動作の検出結果によって、キャパシタバンク9に対して定電流充電、定電力充電または定電圧充電を行うためのPWM信号を発生させる回路である。
PWM発生回路7eは、充電電圧検出回路16の出力によってキャパシタバンク9の端子間電圧を検出する。PWM発生回路7eは、キャパシタバンク9の端子間電圧が、予め設定された値より低い場合には、キャパシタバンク9と直列に接続された抵抗R1の端子間電圧を逐次検出する。次に、PWM発生回路7eは、検出された端子間電圧に対応した、予め設定された定電流充電をするためのPWM信号をFET6のゲートに出力する。なお、予め設定された定電流充電をするためのPWM信号は、抵抗R1の端子間電圧と、PWM信号のONデューティとの関係によって予め作成したテーブルを使用してもよいし、演算により算出してもよい。また、充電電流のみを参照し、予め設定された充電電流になるようにPWM信号を制御してもよい。
また、キャパシタバンク9が充電されてない状態の場合は、大きな突入電流がキャパシタバンク9に流れることを防止するために、最初は出力電圧を低くし、徐々に出力電圧を高くするようにPWM信号を制御してもよい。
キャパシタバンク9の端子間電圧が予め設定された値以上になった場合には、PWM発生回路7eは、キャパシタバンク9の充電電流と、キャパシタバンク9の端子間電圧の検出を逐次行う。PWM発生回路7eは、検出した充電電流と充電電圧から、予め設定された定電力充電を行うためのPWM信号をFET6のゲートに出力する。なお、予め設定された定電力充電を行うためのPWM信号は、検出した充電電流と充電電圧を演算して決定する。
次に、PWM発生回路7eは、何れかの単セル満充電信号44を検出すると、再び予め設定された定電流充電をするPWM信号をFET6のゲートに出力する。また、PWM発生回路7eは、全てのキャパシタセルの満充電信号45を検出すると、一定期間定電圧充電を行い、その後充電動作を停止する信号をFET6のゲートに出力する。なお、PWM発生回路7eは、充電電圧検出回路16が満充電電圧を検出した場合(本実施の形態では、2.5V×18個45Vを超える電圧を検出した場合)であっても、単セル満充電信号または全セル満充電信号が検出されない場合は、定電圧充電を行う。定電圧充電移行後もさらに充電電圧検出回路16が充電電圧の上昇を検知した場合は、充電を停止する。充電停止後も更に充電電圧が上昇した場合は、図示はしないが、充電電圧異常上昇検出回路により充電を遮断する。この場合は再充電を禁止する。
次に、画像形成装置制御部10について説明する。画像形成装置制御部10は、図示しない画像形成装置の全体を制御するコントローラ部、画像形成動作を行うエンジン制御部、パネルの操作による使用者のシステム設定の入力と使用者へのシステムの設定内容状態の表示を制御する操作部制御回路部、原稿を光学的に読み取る読取制御部、画像データをドラム上に書き込む書き込み制御部等で構成されるが、本実施の形態ではこれらを合わせて画像形成装置制御部10としている。
また、画像形成装置制御部10は、停電時に電力供給される特定回路25を備える。特定回路25は、さらにCPU26及びポート等の周辺回路、スキャナ制御回路27等を備えている。また、CPU26は、シリアルコントローラ(SCI)10c、入出力ポート10d、A/Dコンバータ10a、割り込み制御回路(INT)10b、図示はしないNV−RAM及びROM、RAM、タイマ等に内部バスで接続されている。
また、停電時に電力供給される制御部は、LAN制御部15と、HDD制御部23である。LAN制御部15は、社内LANとコントローラとの通信インタフェースボードであり、PHYチップを搭載している。LAN制御部15とコントローラとは標準的な通信インタフェースで接続されている。外部機器との通信は、LAN制御部15を経由して実施される。LAN制御部15と外部機器とが通信中に停電すると、通信が中断してデータが消失するので、通信が完了するまで蓄電部100からLAN制御部15に電力を供給する。
HDD制御部23は、システムのアプリケーションプログラム、プリンタや作像プロセス機器の機器付勢情報を格納するアプリケーションデータベース、および読取り画像や書込み画像のイメージデータ(すなわち画像データ)やドキュメントデータを蓄える画像データベースとして用いられる。これらのデータをHDDに格納している途中で停電すると、データが欠落することになるので、必要なデータを格納するまで蓄電部100からHDD制御部23に電力が供給される。
また、画像形成装置制御部10は、電源OFF時もデータを記憶できる電池31でバックアップされたメモリ部13を備えている。停電時はメモリ部13に蓄電部100から電力供給され、実行中の必要なデータが保存され、復帰時に読み出され使用される。
次に、画像形成装置制御部10の周辺回路について説明する。本実施の形態では、定着装置の加熱部としてAC定着ヒータ30と、補助ヒータとしてDC定着ヒータ22を備えている。CPU26の入出力ポート10dには、定着ローラ(図示せず)の表面温度(定着温度)を検出する定着加熱部温度検出回路28が接続されている。定着加熱部温度検出回路28は、サーミスタ28aと直列に接続された抵抗R10とを備えている。定着加熱部温度検出回路28は、AC定着ヒータ30と、DC定着ヒータ22に対応する測定領域の温度を検出する回路である。DC定着ヒータ22は、立ち上げ時及び連続コピー時の温度落ち込み時に補助ヒータとして使用され、定着装置内部に備えられている。
入出力ポート10dは、リレー18、放電回路(FET)19、定着加熱部電力供給AC回路43、AND回路24、停電時に電力供給される特定負荷41、および画像形成動作を行うために必要なモータ、ソレノイド、クラッチ等と、画像形成動作を行うために必要なセンサ、スイッチ回路等の負荷21が接続されている。リレー18と放電回路19は、定着加熱部温度検出回路28の温度検出結果により、キャパシタバンク9に蓄電された電力をDC定着ヒータ22に供給する。定着加熱部電力供給AC回路43は、定着加熱部温度検出回路28の検出結果により、AC定着ヒータ30にキャパシタバンク9に蓄電された電力を供給する。AND回路24は、蓄電力を特定負荷に供給する信号を出力するポート1に接続されている。
次に、定着加熱部電力供給AC回路43について説明する。主電源スイッチ11のON時及び通常のコピー動作時には、AC定着ヒータ30に電力を供給してコピー動作が行われる。CPU26は、定着加熱部温度検出回路28が予め設定された温度以下の温度を検出すると、フォトトライアックドライブ回路35に、トライアックをONにする信号を入出力ポート10dのポート4から出力する。これにより、AC定着ヒータ30に電力が供給される。
定着加熱部温度検出回路28が予め設定された温度以上の温度を検出すると、CPU26は、フォトトライアックドライブ回路35に、トライアックをOFFにする信号をポート4から出力する。これにより、AC定着ヒータ30への電力供給は停止される。
次に、DC定着ヒータ22に電力供給する動作を説明する。CPU26は、主電源スイッチ11がONにされた場合、充電電圧検出回路16の充電電圧を確認した後、キャパシタバンク9の蓄電力をDC定着ヒータ22に供給するために入出力ポート10dのポート3からリレー18をONにする信号を出力する。次に、CPU26は、入出力ポート10dのポート2から放電回路(FET)19をONにする信号を出力する。これにより、キャパシタバンク9の蓄電力がDC定着ヒータ22に供給される。
定着加熱部温度検出回路28が予め設定された温度以上の温度を検出すると、CPU26は、放電回路(FET)19をOFFにする信号をポート2から出力し、DC定着ヒータ22への電力供給を停止する。なお、定着温度の温度制御をする場合は、リレー18は常にON状態とし、放電回路(FET)19に対してのみON、OFFを制御する。
また、連続コピー時に定着加熱部の温度が低下して、未定着画像が発生する温度になると、CPU26は、出力制御部7からの全セル満充電信号または充電電圧検出回路16の充電電圧を確認した後、キャパシタバンク9の蓄電力をDC定着ヒータ22に供給するために、入出力ポート10dのポート2から放電回路(FET)19をONにする信号を出力する。これにより、リレー18は閉じられているので、キャパシタバンク9の蓄電力がDC定着ヒータ22に供給される。
次に、蓄電部100の蓄電力を特定負荷に供給する動作について説明する。停電検知回路8は、商用電源46の電圧が停電によって低下し、商用電源の電圧がDC/DCコンバータ(定電圧生成回路)14によって予め設定された定電圧を生成できない電圧であることを検出する回路である。本実施の形態では、図1および図2に示すように停電検知回路8が、商用電源46を全波整流回路2で整流平滑化した電圧で停電したか否かを検知している。なお、商用電源46を整流平滑化した電圧で停電を検知することに代えて、停電検知回路8をDC/DCコンバータ14とダイオードD4、D5の間に配置し、DC/DCコンバータ14によって定電圧化した電圧によって停電したか否かを検知してもよい。また、商用電源46からの電力供給が瞬断した場合にのみ対応する場合には、停電検知回路8を備えない構成としてもよい。
また、本実施の形態では、ゼロクロス発生回路およびゼロクロス検出回路を使用して、停電を検知している。商用電源46が正常に電力を供給している時は、ゼロクロス信号が画像形成装置制御部10のCPU26の割り込み制御回路(INT)10bに入力される。例えば、50Hzの場合は10m秒毎に割り込みが発生する。停電または商用電源の電圧が低下すると、このゼロクロス信号は欠落し、割り込みは発生しなくなる。
ここで、ゼロクロス生成回路およびゼロクロス検出回路について説明する。ゼロクロス信号発生回路は、フォトカプラを使用している。交流電圧が高くなると抵抗を通して、フォトダイオードに電流が流れフォトトランジスタはON状態となる。
電圧が低くなると、フォトダイオードの電流は低下し、フォトトランジスタはOFF状態になる。これにより、ゼロクロス信号発生回路は、ゼロクロス信号を発生させる。また、商用電源の電圧が0になるタイミングでゼロクロス信号が発生する。
次に、ゼロクロス信号の欠落を検知することにより、停電を検出する停電検知回路8について説明する。図3は、停電を検知する回路の一例を示す回路図である。図3に示す停電を検知する回路は、ゼロクロス信号の欠落を検知して、停電を検出する。本回路は、CPU26の内部タイマの機能回路図を示したものである。
タイマカウンタ72は、内部クロックをカウントする。タイマカウンタ72は、ゼロクロス信号またはソフト的に内部コントロール回路77に出すリセット指示信号によりリセットされる。従って、ゼロクロス信号またはリセット指示信号が発生するまで、カウントは継続される。
レジスタ70は、ソフトにより書き込まれるレジスタであり、ゼロクロス信号の間隔以上の時間をカウントする値が設定されている。本実施の形態の場合、レジスタ70でカウントする値は、ゼロクロス信号が2回以上であり、例えば50Hzの場合には20m秒以上であるが、余裕を見て25m秒以上となる値を設定してカウントする。
ゼロクロス信号が欠落し、タイマカウンタ72によってカウントが継続されて、予めレジスタ70に設定された値までカウントを行うと、比較回路71が一致信号を発生する。一致信号は、内部のラッチ回路75によってラッチされ、ポート1に出力される。また、一致信号は、内部割込みを発生させ、CPU26は割り込み処理を実行する。割り込み処理の詳細は後述する。CPU26は、画像形成装置の動作状態により所定の動作を実行後、ソフト的に内部コントロール回路77にリセット指示信号の送信を指示する。このリセット指示により、ラッチ回路75及びタイマカウンタ72は初期化される。
図4は、ゼロクロス信号の欠落によって蓄電力を供給するタイミングを説明するタイミングチャートである。図4の最上段に、基準となる内部クロックを示している。内部クロックによって、時間を計測している。ゼロクロス信号が発生した時点で、タイマカウンタは、カウンタをリセットし、次の内部クロックのパルスからカウントを開始する。
内部クロックによって例えば20m秒を計測する間に2回のゼロクロス信号の欠落を検出した場合は、ポート1に比較一致信号が出力される。また、比較一致信号は、内部割込みを発生させる。画像形成装置が所定の動作を実行後、内部コントロール回路がリセット指示信号を発生する。これにより、ラッチ回路75が初期化されて比較一致信号は発生されなくなり、カウンタがリセットされる。
次に、停電時の内部割込み処理について説明する。図5は、画像形成装置制御部が行う内部割込み処理手順を示すフローチャートである。
まず、CPU26は、画像形成装置が待機状態か否かを判断する(ステップS701)。画像形成装置が待機状態であると判断した場合は(ステップS701:Yes)、ポート1から“1”(High)信号を出力し(ステップS702)、処理を終了する。画像形成装置が待機状態でないと判断した場合は(ステップS701:No)、画像形成動作を実行中であるか否かを判断する(ステップS703)。
画像形成動作を実行中であると判断した場合は(ステップS703:Yes)、CPU26は画像形成動作中のシートを排出する(ステップS704)。CPU26は、画像形成動作中であった画像形成動作に必要な情報をメモリ部13に記憶する(ステップS705)。CPU26は、駆動系の機器を安全な位置に停止するよう制御する(ステップS706)。ステップS703において、画像形成動作を実行中でないと判断した場合は(ステップS703:No)、ステップS707に進む。
CPU26は、信号を送受信中であるか否かを判断する(ステップS707)。信号とは、例えば他の機器からネットワークを介して送信された画像データ等である。信号を送受信中であると判断した場合は(ステップS707:Yes)、CPU26は信号の送受信を継続する(ステップS708)。信号を送受信中でないと判断した場合は(ステップS707:No)、ステップS709に進む。
CPU26は、HDDに情報を書き込み中であるか否かを判断する(ステップS709)。HDDに情報を書き込み中であると判断した場合は(ステップS709:Yes)、CPU26はHDDに情報の書き込みを継続する(ステップS710)。HDDに情報を書き込み中でないと判断した場合は(ステップS709:No)、CPU26はポート1から“1”(High)信号を出力し(ステップS711)、処理を終了する。
なお、図5に示す処理は、電圧低下を検知し、さらに停電を検知した際に実行する割り込み処理であるが、停電を検知する前の電圧低下を検知した時点で、かかる割り込み処理を実行してもよい。
電圧低下検知回路37は、商用電源を全波整流したDC電圧の低下を検出する検出回路である。一般的に、画像形成装置は商用電源±10%での動作を保証しているので、電圧低下検知回路37は、商用電源−10%の電圧より低下した場合に電圧低下信号を発生する回路である。
ここで、電圧低下を検出し、停電時に電源供給する回路について説明する。図6は、電圧低下検出および電源供給回路の一例を示す詳細回路図である。本実施の形態は、オープンコレクタのコンパレータ50を使用した回路によって、画像形成装置が誤動作しない電圧にうちの最も低い電圧に低下したことを検知する。これにより、画像形成装置を誤動作させる電圧以下となる前に、電圧低下を検知することができ、蓄電部100からの電源供給が可能となる。電圧低下を検出する電圧は、図1の全波整流回路2の出力を平滑化した電圧である。平滑化された電圧は、抵抗R14と抵抗R13によって分割され、分割された電圧をコンパレータ50の反転入力端子に入力している。一方、非反転入力端子には、ツェナーダイオード51の電圧を入力している。
なお、抵抗R14と抵抗R13の抵抗値は、正常時には反転入力端子が非反転入力端子より高い電圧になるように決定し、停電時すなわち商用電源が90V以下になった時には、反転入力端子が非反転入力端子より低い電圧になるように決定している。これにより、コンパレータ50の出力電圧は、後述する図7でのBの電圧波形になる。
画像形成装置制御部10のポート1の出力は、オープンコレクタのバッファ52に入力されている。CPU26は、主電源投入時に予め“0”(Low)信号をポート1から出力しておくので、トランジスタQ4はOFF状態になっている。コンパレータ50の出力は、商用電源が正常時の場合は、“0”(Low)となっているので、トランジスタQ3はOFF状態となり、トランジスタQ1、Q2もOFF状態となり、定電圧生成回路33の出力は、特定回路25、特定負荷41に供給されることはない。
一方、商用電源が90V以下になると、反転入力端子が非反転入力端子より低い電圧になるので、コンパレータ50の出力は、“1”(High)となり、トランジスタQ3はON状態となる。トランジスタQ3がON状態となると、トランジスタQ1、Q2もON状態となり、定電圧生成回路33の出力は、特定回路25、特定負荷41に供給される。すなわち、蓄電部100(キャパシタバンク9)からの電力が特定回路25、特定負荷41に供給される。
CPU26は、画像形成装置の動作状態により所定の動作を実行後、ポート1から“1”(High)信号を出力する。トランジスタQ4はON状態となり、トランジスタQ3はOFF状態となり、トランジスタQ1、Q2はOFF状態となる。これにより、定電圧生成回路33から特定回路25、特定負荷41への電力供給は停止される。
なお、主電源OFF時は、オープンコレクタのバッファ52はOFF状態なので、トランジスタQ4はON状態となり、トランジスタQ3はOFF状態となり、トランジスタQ1、Q2はOFF状態となる。よって、定電圧生成回路33から特定回路25、特定負荷41への電力供給は停止されている。これにより、主電源スイッチ11をOFFにした時は、蓄電部100(キャパシタバンク9)からの電力が供給されることがなく、無駄な電力消費を防ぐことができる。
図7は、停電時において特定負荷に供給される電力を商用電源から蓄電部に切替えるタイミングチャートの一例を示す説明図である。図7では、図6で示すA、B、C、D、Eでの電圧波形を時系列に示す。
まず、Aの電圧は、全波整流回路2から出力された電圧を示している。つまり、商用電源の電圧を示す。Aの電圧が通常の電圧から所定の電圧以下(例えば90V以下)に低下した場合には、Bの電圧波形であるコンパレータ50の出力は、上述したように“0”(Low)から“1”(High)に変化する。
また、Cの部分の波形は、ポート1から出力された信号である。主電源がONの場合は、“0”(Low)信号が出力され、主電源がOFFの場合は、“1”(High)信号が出力される。Dの部分の波形は、商用電源46から特定回路25、特定負荷41に供給される電圧を示し、Eの部分の波形は、蓄電部100から特定回路25、特定負荷41に供給される電圧を示している。Eの部分の波形において、蓄電力の供給をOFFにする際には、画像形成装置での不具合が生じないように所定の動作が終了した後にOFFにする。
次に、上述した回路と異なる電圧低下検出および電源供給回路の詳細回路図について説明する。図8は、他の電圧低下検出および電源供給回路の一例を示す詳細回路図である。図8に示す回路図での電圧低下検知には、シャントレギュレータを使用している。本回路では、駆動負荷系に供給する高い電圧を使用して電圧低下を検出する。この電圧の電圧変化の許容範囲は±10%なので、商用電源−10%以下に電圧が低下した場合に電圧低下検知回路が動作するようにしている。
次に、図8に示す電圧検知回路の具体的な動作について説明する。電圧低下を検出する電圧が正常な場合には、シャントレギュレータ53はON状態となり、トランジスタQ6がON状態となる。トランジスタQ6がON状態となると、トランジスタQ5がON状態となり、トランジスタQ3がOFF状態となる。トランジスタQ3がOFF状態となると、トランジスタQ1、Q2がOFF状態となる。これにより、定電圧生成回路33から特定回路25、特定負荷41への電力供給は停止されている。
電圧低下を検出する電圧が低下すると、シャントレギュレータ53はOFF状態となり、トランジスタQ6がOFF状態となる。トランジスタQ6がOFF状態となると、トランジスタQ5がOFF状態となり、トランジスタQ3はON状態となる。トランジスタQ3がON状態となると、トランジスタQ1、Q2がON状態となる。これにより、定電圧生成回路33から特定回路25、特定負荷41へ電力が供給される。
CPU26は、画像形成装置の動作状態により所定の動作を実行後、ポート1から“1”(High)信号を出力する。すると、トランジスタQ4はON状態となり、トランジスタQ3はOFF状態となり、トランジスタQ1、Q2はOFF状態となる。これにより、定電圧生成回路33から特定回路25、特定負荷41への電力供給は停止される。なお、この一連の動作のタイミングチャートは、上述した図7と同様であるため、図7とその説明を参照し、ここでの説明を省略する。
キャパシタバンク9の電圧は、定電圧生成回路33に入力され、定電圧生成回路33は制御回路用の電圧と駆動回路及び駆動電源用の電圧を生成する。定電圧生成回路33により生成された制御回路用の電源は、トランジスタQ1及びダイオードD6を介して特定回路25、特定負荷41に供給される。
電圧低下検知回路37は、電圧の低下を検知すると不論理のAND回路(正論理OR回路)24に“0”(Low)信号を出力する。画像形成装置制御部10のCPU26は、ポート1から予め“0”(Low)信号を出力しておくので、不論理のAND回路はLow信号をトランジスタQ1及びQ2のベースに出力する。トランジスタQ1及びQ2はON状態となり、定電圧生成回路33によって生成された制御回路用の電源は、トランジスタQ1及びダイオードD6を介して特定回路25、特定負荷41に供給される。定電圧生成回路33によって生成された駆動回路及び駆動電源用の電源は、トランジスタQ2及びダイオードD7を介して特定回路25、特定負荷41に供給される。
画像形成装置制御部10のCPU26は、ゼロクロス信号の欠落を検知すると、停電検知とし、その割り込み処理フローを実行する。画像形成動作を実行中か、またはネットワークを介して、情報の送受信を実施中か、または、HDDに情報を書き込み中か判断し、何れでもなく、待機中の場合には、ポート1から“1”(High)信号を不論理のAND回路24に出力する。不論理のAND回路24の出力は“1”(High)となりトランジスタQ1及びQ2はOFFにされ、制御用電源及び駆動回路及び駆動電源用の電源供給は停止される。
画像形成装置制御部10のCPU26は、画像形成動作を実行中である場合に、画像形成動作が終了して定着装置を通過したシートは現状のシート排出部に排出し、未画像シートは別の排出トレーに排出した後、駆動系を停止する。次に、必要な情報をメモリ部13に記憶させ、駆動系を安全な位置に停止させる。駆動系の例として、光学スキャナの場合は、画像を読み取り後スキャナがリターンする時に電源供給が停止すると、制御が不能になり、スキャナ部がガイド部に追突し最悪の場合は破損する。スキャナをホームポジションに停止後、蓄電部100からの電源供給を停止すればこの問題は発生しない。
次に、ネットワークを介して、情報の送受信を実施中か確認する。情報の送受信中の場合には情報の送受信を完了させる。次に、HDDに情報を書き込み中か確認し、HDDに情報を書き込み中の場合には、HDDに情報の書き込みを完了させる。この一連の動作を実行後、ポート1から“1”(High)信号を不論理のAND回路24に出力する。この動作により、情報の欠落、機器の破損等を防止することが可能となる。なお、蓄電部の蓄電力が大きければ、実行中の画像形成動作を完了後、蓄電力供給を停止するようにしてもよい。
停電時以外の通常時の電源は、DC/DCコンバータ14によって生成され、制御回路用電源は画像形成装置制御部10及びダイオードD5を介して特定回路25、特定負荷41に供給される。駆動回路及び駆動電源用の電源は、画像形成装置制御部10及び負荷21、ダイオードD4を介して特定回路25、特定負荷41に供給される。
図9は、商用電源が電圧低下または停電した場合に蓄電力を利用するタイミングを示す説明図である。画像形成装置全体で考えた場合、商用電源の変動に動作保証できる回路、デバイスはマージンも含めると個々に異なる。画像形成装置の場合は、一般的に商用電源±10%は品質保証している。また、商用電源±15%になった場合は、動作を保証する機械と、一部の動作保証ができない機械が存在する。停電時の動作を保証するのであれば、商用電源−10%以下の時に、データのバックアップ等を行う必要があるが、−10%以下の時にCPU26が停電を検知し、そこから停電モードに移行すると、−10%以下の時もCPU26及びその周辺回路を含む特定回路25に正常に動作する電源を供給する必要がある。
図9を用いて説明する。図9に示すように商用電源を全波整流し、平滑化した電圧は、通常一定の電圧を保っている。しかし、何らかの原因で電圧が電圧X1(画像形成装置が誤動作する可能性のある電圧より高い電圧)まで低下した場合は、停電と判断されない場合であっても、蓄電部100から蓄電力を重要な特定回路25に供給する。その後、自然に電圧が復帰した場合(商用電源から電圧X1以上の電圧が供給された場合)は、画像形成装置制御部10は停電モードに移行せず、蓄電力の供給を停止する。このように電力が供給されることにより、電圧がさらに低下して誤動作する可能性がある場合に、誤動作する前に蓄電部100から電力を供給することができるため、停電の検知や停電モードでの動作に支障をきたすことがない。
また、復帰後再び停電等により電圧が電圧X1に低下した場合は、蓄電部100から蓄電力を供給する。これにより、停電となる前に、電力を供給することができるため、重要な動作を保障することができる。さらに電圧が電圧X2に低下して停電を検知した場合は、電力を供給されている画像形成装置制御部10の特定回路25は、停電モードに移行して、所定の動作を実行する。所定の動作を実行後、停電モードを終了し、蓄電力の供給を停止する。
なお、商用電源の電圧が電圧X1より低下した場合に、蓄電部100からの蓄電力の供給は、上述したように電圧X1以上の電圧が検知されるまで供給するほか、所定の時間蓄電力を供給するようにしてもよい。
このように、実際に停電が発生した場合には、動作保証が未確定な電圧に低下する前に電圧の低下を検知して蓄電力を供給するため、従来電力の供給が不安定になることによって生じていた特定回路25への電力不足による停電検知ミスや駆動系の機器の異常な動作を防ぎ、画像形成実行中の画像データや、ネットワークを介して受信しているデータを保持することができる。
また、従来は、商用電源からの電力の供給が遮断された場合であっても画像形成装置の動作を一定期間保証するため、所定の電圧を特定回路や特定負荷に供給できるよう定電圧生成回路が複雑になっていたが、本実施の形態では、所定の電圧に低下したことを検知した時点で、特定回路や特定負荷に対して蓄電部から蓄電力が供給されるため、定電圧生成回路の構成を簡易にすることができる。
また、商用電源からの電力供給が遮断された場合に、停電を検知する前に、電圧の低下を検知することで、特定回路や特定負荷に瞬時でも電力供給が中断されることを避けることができ、停電時の動作を円滑に実行することができる。
なお、電圧低下を検出した際に、電力を供給する負荷は、上述したように特定回路25と特定負荷41のみではなく、電力を必要とするすべての回路や負荷に供給するようにしてもよい。また、通常時に電力を供給している回路や負荷ではなく、電圧低下時のみに動作させる回路や負荷に電力を供給して電圧低下時に特有の動作を実行したり、電圧低下時専用のメモリにデータを保管するようにしてもよい。
次に、画像形成装置の定着装置について簡単に説明する。図10は、定着装置の概略構成を示す縦断側面図である。図10に示すように、定着装置111は、定着部材である定着ローラ121、加圧部材である加圧ローラ123及び加圧ローラ123を一定の加圧力で定着ローラ121に押し当てる加圧部(図示せず)を備えている。定着ローラ121及び加圧ローラ123は、駆動機構(図示せず)により回転駆動される。
また、定着装置111には、AC定着ヒータ30と、DC定着ヒータ22の2つと、定着ローラ121の表面温度検出するサーミスタ28aが設けられている。これらのAC定着ヒータ30、DC定着ヒータ22は、定着ローラ121の内部に配置されており、その定着ローラ121を内部から加熱して定着ローラ121に熱を供給する。また、サーミスタ28aは、定着ローラ121の表面にそれぞれ当接され、定着ローラ121の表面温度(定着温度)を検出する。
AC定着ヒータ30及びDC定着ヒータ22は、定着ローラ121の温度が目標温度に達していないときにONにされて定着ローラ121を加熱するヒータである。また、DC定着ヒータ22は、画像形成装置の主電源投入の時や省エネのためのオフモード時からコピー可能となるまでの立ち上げ時等、すなわち、定着装置111のウォームアップ時に蓄電部の蓄電力を使用して定着装置の立ち上げを補助する補助ヒータである。
このような定着装置111では、トナー画像を担持したシートが定着ローラ121と加圧ローラ123とのニップ部を通過する際に定着ローラ121及び加圧ローラ123によって加熱及び加圧される。これにより、シートにはトナー画像が定着される。
なお、本実施の形態では、外部電源の一例として画像形成装置に商用電源が供給される場合について説明したが、外部電源は商用電源に限らず自家発電装置から供給される電源のように画像形成装置の外部から供給される電源を含むものである。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第2の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部は、商用電源の電圧低下、瞬断または、停電の場合に、商用電源から電力を供給する電源線と、蓄電部から電力を供給する電源線を接続することにより、商用電源の電圧が、蓄電部の電圧より低下した場合には蓄電部の蓄電力が特定負荷に供給される。
本発明が適用される画像形成装置の電源供給部の構成例について、第1の実施の形態と異なる部分を説明する。他の部分については第1の実施の形態と同様であるので、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。図11は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部の構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる電源供給部において、第1の実施の形態と異なる点は、電圧低下検知回路37を備えていないことである。本実施の形態では、電圧低下検知回路37に代えて、商用電源から電力を供給する電源線と、蓄電部から電力を供給する電源線を接続することにより、商用電源の電圧が、蓄電部の電圧より低くなった場合に、自動的に蓄電部から電力が供給される。なお、個々の機能は、より詳細な図12を用いて説明する。
図12は、第2の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部の詳細回路図である。第1の実施の形態と異なる部分を説明する。本実施の形態では、DC/DCコンバータ14の出力電圧を定電圧生成回路33の出力電圧より予め高く設定する。これにより、通常時は商用電源の電力が供給され、定電圧生成回路33の電力すなわち蓄電部100から供給される電力が特定回路25や特定負荷41に供給されることはない。他方、商用電源の電圧低下、瞬断または停電の場合に、DC/DCコンバータ14の出力電圧が蓄電部100を利用して生成された定電圧生成回路33の電源の電圧より低下した場合には蓄電部100の蓄電力が特定回路25、特定負荷41に自動供給される。
また、停電検知回路8において、ゼロクロス信号の欠落によって停電を検知した場合は、第1の実施の形態で説明した所定の動作を実施した後、定電圧生成回路33の電源から特定負荷41への電力供給を停止する信号がポート1から出力される。
以上説明したように本実施例の形態によれば、商用電源の瞬断、一時的な電圧低下または停電が発生した場合は、切替回路等の制御を行うことなく、補助電源側から自動的に電源供給し、その後停電を検知した場合に停電モードを実行する構成とすることにより、特定回路25や特定負荷41に途切れることなく電源を供給することができ、商用電源の瞬断、一時的な電圧低下または停電時における画像形成装置の動作を保証することができ、信頼性が高い画像形成装置を提供することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第3の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部は、商用電源の電圧低下、瞬断または停電を検出し、蓄電手段の蓄電力を特定負荷に供給する。
まず、本実施の形態にかかる画像形成装置における電力供給部の構成例について説明する。図13は、第3の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部の構成を示すブロック図である。図13に示す画像形成装置の電源供給部は、商用電源の容量が不足した場合に、蓄電部の蓄電力を画像形成装置の大きな電力を必要とする負荷(例えば駆動負荷)に供給し、余ったAC電力を定着装置の加熱部に供給する。これにより、画像形成装置の連続コピー時の温度落ち込みを防止、または定着立ち上げ時間の短縮を図るとともに、蓄電部の蓄電力を、商用電源の電圧低下、瞬断または、停電を検出した時に、画像形成装置の特定回路、特定負荷に供給する。
図13に示した画像形成装置の電力供給部を説明する。まず、蓄電部207について説明する。本実施の形態の蓄電部207は電気2重層コンデンサを直列に接続して使用している(以下、電気2重層コンデンサを直列に接続したものをキャパシタバンク207bという)。
蓄電部207は、図示はしない電気2重層コンデンサ個々のセルが満充電になると充電をバイパスするバイパス回路と、セルの何れかが満充電になると単セル満充電信号を発生する回路と、すべての電気2重層コンデンサが満充電になると、全セル満充電信号を発生する回路とを有した均等化回路207aを設けている。なお、キャパシタバンク207bは、対象とする画像形成装置の連続コピー時の温度落ち込みを防止できるAC電力を補助できる容量または必要とする定着立ち上げ時間を達成できるAC電力を補助できる容量を備えたセル構成としている。
次に、キャパシタバンク207bに充電された電圧を検出する充電電圧検出回路208について説明する。充電電圧検出回路208は、抵抗で構成された分割回路を構成され、キャパシタバンク207bの端子間電圧を検出している。この充電電圧検出回路208の出力は、充電制御回路206に入力される。
次に、キャパシタバンク207bに充電する時の充電電流を検出する充電電流検出回路235について説明する。充電電流検出回路235は、キャパシタバンク207bと直列に接続された抵抗を流れる電流を端子間電圧として検出している。この充電電流検出回路235の出力は、充電制御回路206に入力される。
次に、充電制御回路206について説明する。充電制御回路206には、商用電源を全波整流回路230によって全波整流され平滑回路(図示せず)によって平滑化された電圧が入力される。充電制御回路206は、キャパシタバンク207bに充電するための電圧を生成する回路と、この出力電圧を制御する出力電圧制御回路とで構成される。この充電制御回路206は、充電電圧検出回路208と、充電電流検出回路235の出力を検出することにより、定電流充電、定電力充電または定電圧充電を行う。
次に、充電制御回路206の動作について説明する。充電制御回路206は、キャパシタバンク207bの端子間電圧を充電電圧検出回路208の出力によって検出し、キャパシタバンク207bの端子間電圧が、予め設定された値より低い場合には、充電電圧検出回路208の電圧を逐次検出し、この電圧に対応した、予め設定された定電流充電を行う。
キャパシタバンク207bの端子間電圧が予め設定された値以上になると、充電制御回路206は、定電力充電を行うために、キャパシタバンク207bの充電電流と、キャパシタバンク207bの端子間電圧の検出を逐次行ない、検出した充電電流と充電電圧から予め設定された定電力充電を行う。
次に、充電制御回路206は、均等化回路207aから出力される何れかの単セル満充電信号を検出すると、再び予め設定された定電流充電を行う。充電制御回路206は、全てのキャパシタセルの満充電信号を検出すると、一定期間定電圧充電を行い、その後充電動作を停止する。
次に、画像形成装置制御部203について説明する。画像形成装置制御部203は、図示はしない画像形成装置の全体を制御するコントローラ部、画像形成動作を行うエンジン制御部、パネルを操作して使用者が行うシステム設定の入力とシステムの設定内容状態の表示を制御する操作部制御回路部、原稿を光学的に読み取る読取制御部、画像データをドラム上に書き込む書き込み制御部等で構成され、本実施の形態ではこれらを合わせて画像形成装置制御部203とする。
また、画像形成装置制御部203は、停電時の時に電力供給される特定回路203aを設けている。特定回路203aは、CPU203b及びポート等の周辺回路、スキャナ制御回路203c等を備えている。CPU203bには、図示しないが、内部バスで接続されたシリアルコントローラ、入出力ポート、A/Dコンバータ、割り込み制御回路、NV−RAM及びROM、RAM、タイマ等が接続されている。
また、停電時に電力供給される制御部として、LANインタフェース回路233と、HDD制御部202を備えている。LANインタフェース回路233は、社内LANとコントローラ部との通信インタフェースボードである。外部機器との通信は、LANインタフェース回路233を経由して実施される。LANインタフェース回路233と外部機器との通信中に停電すると、通信が中断されデータが消失するので、通信が完了するまで蓄電部207からこの回路に電力供給する。
HDD制御部202は、システムのアプリケーションプログラムならびにプリンタ、作像プロセス機器の機器付勢情報を格納するアプリケーションデータベース、ならびに、読取り画像や書込み画像のイメージデータ(すなわち画像データ)ならびにドキュメントデータを蓄える画像データベースとして用いられる。データを格納中に停電すると、データが欠落することになるので、必要なデータを格納するまで蓄電部207からこの回路にも電力供給される。
また、画像形成装置制御部203は、電源OFF時もデータを記憶できる電池でバックアップされたメモリ部234を有している。停電時にはこのメモリ部にも蓄電部207から電力供給され、実行中の必要なデータが保存され、復帰時に読み出され使用される。
次に、画像形成装置制御部203の定着制御について説明する。本実施の形態の場合は、定着加熱部212としてAC定着ヒータを備えている。このAC定着ヒータによって加熱される定着ローラの表面温度を、温度検出素子213のサーミスタにより検出している。定着加熱部の温度制御回路211は、この温度検出素子213によって温度検出を行い、定着加熱部212に供給する電力を制御することにより、定着ローラの表面温度が一定温度になるように制御している。
次に、キャパシタバンク207bの蓄電力を使用することにより、定着加熱部212に供給する電力を増やす方法について説明する。キャパシタバンク207bの端子間電圧は、放電すると低下するので、定電圧生成回路209によって定電圧を生成するようにしている。この出力は、商用電源から供給されたDC/DCコンバータ205の出力と、蓄電部207から供給された定電圧生成回路209の出力とを切替える切替回路210に入力される。本実施の形態の場合は、切替回路210にリレーを使用しているが、トタンジスタ、FET等でもよい。切替回路210のリレー210a、210bは、切り替え回路駆動回路221により開閉される。切り替え回路駆動回路221は、画像形成装置制御部203によって制御される。
DC/DCコンバータ205の出力は、リレー210a、ダイオードD6を介して蓄電力を使用する負荷216(例えば画像形成装置の大きな電力を必要とする駆動負荷)に供給されている。また、定電圧生成回路209の出力は、リレー210b、ダイオードD7を介して蓄電力を使用する負荷216に供給されている。
画像形成装置制御部203のCPU203bは、連続コピー時に定着加熱部の温度が低下して未定着画像が発生する温度になると、切替回路210のリレー210bを閉じる信号を出力する。次に、リレー210aを開放する信号を、切り替え回路駆動回路221に出力する。リレー210aが開放されることによって余ったAC電力を定着加熱部212に供給し、連続コピー時の温度落ち込みの改善を行っている。
また、主電源投入時等の定着立ち上げ時も、切替回路210のリレー210bを閉じる信号を出力する。次に、切り替え回路駆動回路221が、リレー210aを開放する信号を出力する。リレー210aが開放されることによって余ったAC電力を定着加熱部212に供給し、定着の立ち上がり時間を早くしている。
次に、キャパシタバンク207bの蓄電力を特定負荷に供給する場合を説明する。電圧低下検知回路222は、商用電源201の電圧が低下し、画像形成装置制御部203が誤動作する可能性のない電圧のうち最も低い電圧を検出する電圧低下検知回路222である。一般的に画像形成装置は、商用電源±10%での動作を保証しているので、商用電源−10%の電圧より低下した場合に、電圧低下検知回路222は、電圧低下信号を発生する回路構成としている。
次に、具体的な電圧低下検知回路222の動作を説明する。全波整流回路230の出力は、抵抗R3と抵抗R4の分割回路に供給されている。この抵抗R3と抵抗R4により分割された電圧は、オープンコレクタのコンパレータ222aの+端子に入力される。一方、コンパレータ222aの−端子には、抵抗R1に直列に接続されたツェナーダイオード222bの電圧が入力されている。従って、全波整流回路230の電圧が低下してもコンパレータ222aの−端子の電圧は一定であるが、+端子の電圧は、商用電源の電圧降下に比例して低下する。
コンパレータ222aの出力は、全波整流回路230の出力が正常電圧の範囲以内の場合には、“0”(Low)の信号を出力している。しかし、全波整流回路230の出力が所定の電圧(ツェナーダイオード222bの電圧)以下になると、“1”(High)の信号を出力する。
コンパレータ222aの出力が“0”(Low)の場合は、電力切り替え回路223のトランジスタ223aはOFFとなるので、停電時に電力供給する開閉回路218のトランジスタ218aもOFFとなる。
コンパレータ222aの出力が“1”(High)の場合であり、トランジスタ223bがOFFの場合は、電力切り替え回路223のトランジスタ223aはONとなり、停電時に電力供給する開閉回路218のトランジスタ218aがONとなるため、定電圧生成回路209の出力がトランジスタ218aを介して停電時に電力供給する特定負荷217に供給される。
なお、特定負荷217には、DC/DCコンバータ205の出力もダイオードD1を介して供給されているので、どちらかの高い電圧により、特定負荷217は動作する。DC/DCコンバータ205の出力が定電圧生成回路209の出力電圧より低下すると、自動的に定電圧生成回路209の出力(蓄電部207)側に電力供給が切り替わる。なお、画像形成装置制御部203のCPU203bは、電源投入時に予めトランジスタ223bがOFFする信号を出力しておく。
次に、停電検知回路204について説明する。停電検知回路204は、商用電源201の電圧が低下し、画像形成装置制御部203が誤動作する可能性のある電圧までの低下を検出する回路である。本実施の形態の場合は、ゼロクロス信号発生回路を使用して、停電を検知している。詳細は、上述したゼロクロス信号の説明を参照する。
商用電源が正常時はゼロクロス信号が、画像形成装置制御部203のCPU203bの割り込み端子(図示せず)に入力される。従って、50Hzの場合は10m秒毎に割り込みが発生することになる。停電または商用電源の電圧が低下すると、このゼロクロス信号は欠落し、割り込みは発生しなくなる。
次に、停電時の画像形成装置の動作を説明する。画像形成装置制御部203のCPU203bは、ゼロクロス信号の欠落を検知すると、停電検知と判断してその割り込み処理フローを実行する。画像形成動作を実行中か、またはネットワークを介して情報の送受信を実施中か、またはHDDに情報を書き込み中かのいずれかを判断する。いずれでもなく、待機中の場合には、電力切り替え回路223に“1”(High)の信号を出力する。電力切り替え回路223のトランジスタ223bはONにされ、トランジスタ223aはOFFにされ、停電時に電力供給する開閉回路218のトランジスタ218aはOFFにされ、蓄電力の電力供給は停止される。
画像形成装置制御部203のCPU203bは、画像形成動作が実行中の場合には、画像形成動作が終了して定着装置を通過したシートが存在する場合は、現状のシート排出部に排出する。未画像シートが存在する場合は、別の排出トレーに排出した後、駆動系を停止する。次に、必要な情報をメモリ部234に記憶させ、駆動部を安全な位置に停止させる。駆動部を安全な位置に停止させる例として、例えば光学スキャナの場合、画像を読み取り後スキャナがリターンする際に電源供給が停止すると、制御が不能になり、スキャナ部がガイド部に追突し、最悪の場合は破損する。このような場合、スキャナをホームポジションに停止した後、蓄電部207からの電源供給を停止すればこの問題は発生しない。
次に、ネットワークを介した情報の送受信が実施中か否かを確認する。情報の送受信中の場合には情報の送受信を完了させる。次に、HDDに情報を書き込み中か否かを確認し、HDDに情報を書き込み中の場合には、HDDに情報の書き込みを完了させる。この一連の動作を実行後、電力切り替え回路223に“1”(High)の信号を出力する。電力切り替え回路223のトランジスタ223bはONにされ、トランジスタ223aはOFFにされ、停電時に電力供給する開閉回路218のトランジスタ218aはOFFにされ、蓄電力の電力供給は停止される。それらの動作により、情報の欠落、機器の破損等を防止することが可能となる。この一連の動作は、上述した図5およびその説明を参照し、ここでの説明を省略する。なお、蓄電部の蓄電力が大きければ、実行中の画像形成動作を完了後、蓄電力供給を停止してもよい。
停電時以外の通常時の電源は、DC/DCコンバータ205によって生成され、制御回路用電源は画像形成装置制御部203、一般負荷214、一般駆動負荷215及びダイオードD1を介して特定回路203a、特定負荷217に供給される。駆動負荷217aは、例えばスキャナ制御部のモータ、または画像形成途中のシートを機外に排出する搬送モータ等である。
定電圧生成回路209から供給された電圧は、停電時に電力供給される制御部用の電源を生成する定電圧電源回路220に供給される。この電圧は、停電時に電力供給される特定負荷217と、ダイオードD9を介してメモリ部234、HDD制御部202、LANインタフェース回路233に供給される。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第4の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部は、商用電源の電圧低下、瞬断または停電時に、蓄電部の蓄電力を特定負荷に供給する。
まず、本実施の形態にかかる画像形成装置における電力供給部の構成例について説明する。図14は、第4の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部の構成を示すブロック図である。図14に示す画像形成装置の電源供給部は、第3の実施の形態とは、商用電源から供給された電力で定電圧を生成する定電圧電源と、商用電源または蓄電部から供給された電力から定電圧を生成する定電圧電源を備える点が異なる。
上述した構成による電力供給動作について説明する。蓄電部207(キャパシタバンク207b)は、図13と同様に充電制御回路206によって充電される。充電された蓄電力は、蓄電力側に切り替える切替回路224とダイオードD2を介して、定電圧電源226に供給される。定電圧電源226の電力は、蓄電力を負荷に供給する開閉回路231を介して、蓄電力を使用する負荷216に供給されている。
画像形成装置制御部203のCPU203bは、連続コピー時に定着加熱部の温度が低下して未定着画像が発生する温度になると、商用電源側に切り替える切替回路225を開放する。次に、蓄電力を負荷に供給する開閉回路231を閉じる。切替回路225が開放されることにより、余ったAC電力を定着加熱部212に供給し、連続コピー時の温度落ち込みの改善を行っている。
また、主電源投入時等の定着立ち上げ時も、商用電源側に切り替える切替回路225を開放し、次に、蓄電力を負荷に供給する開閉回路231を閉じる。切替回路225が開放されることにより、余ったAC電力を定着加熱部212に供給して定着の立ち上がり時間を早くしている。
なお、キャパシタバンク207bの蓄電力を使用する必要がない場合には、蓄電力側に切り替える切替回路224は開放され, 商用電源側に切り替える切替回路225は閉じられて、蓄電力を負荷に供給する開閉回路231も閉じられる。商用電源側から供給される電力によって定電圧電源226は定電圧を生成し、蓄電力を負荷に供給する開閉回路231を介して蓄電力を使用する負荷216に電力が供給される。
電圧低下検知回路222は、全波整流回路230の出力が正常電圧の範囲以内の場合に、コンパレータ222aから“0”(Low)の信号を出力し、全波整流回路230の出力が所定の電圧(ツェナーダイオード222bの電圧)以下になると、“1”(High)の信号を出力する。
コンパレータ222aの出力が“0”(Low)、すなわち全波整流回路230の出力が正常電圧の範囲以内である場合は、電力切り替え回路223のトランジスタ223aはOFFとなるので、蓄電力側に切り替える切替回路228のトランジスタ228aもOFFとなり、キャパシタバンク207bの蓄電力は、定電圧電源226に供給されない。
コンパレータ222aの出力が“1”(High)、すなわち電圧が低下した場合で、かつトランジスタ223bがOFFの場合は、電力切り替え回路223のトランジスタ223aはONとなるので、蓄電力側に切り替える切替回路228のトランジスタ228aもONとなり、キャパシタバンク207bの蓄電力は、ダイオードD3を介して定電圧電源226に供給される。
定電圧電源226に供給される電力によって切替回路228のトランジスタ228aをONにする。トランジスタ228aがONになると、停電時に電力供給する開閉回路218のトランジスタ218aもONとなり、定電圧電源226の電力が、停電時に電力供給する特定負荷217に供給される。
なお、特定負荷217には、定電圧電源227の出力もダイオードD1を介して供給されているので、どちらかのより高い電圧によって特定負荷217は動作する。定電圧電源226の出力が、定電圧電源227の出力電圧より低下すると、自動的に定電圧電源227の出力(蓄電部207)側に電力供給が切り替わる。なお、画像形成装置制御部203のCPU203bは、電源投入時に予め、トランジスタ223bをOFFにする信号を出力しておく。
次に、定電圧電源226に供給する部分の別の実施の形態について説明する。図15は、商用電源の電圧低下を検知し、蓄電部の蓄電力を定電圧電源に供給する部分の構成を示すブロック図である。
図15に示す回路図での電圧低下検知回路は、シャントレギュレータを使用した回路で構成されている。この回路での電圧低下を検出する電圧は、図14に示す駆動負荷系の高い電圧を使用している。この電圧の電圧変化の許容範囲は商用電源±10%なので、商用電源−10%以下の場合に、電圧低下検知回路236が動作するようにしている。
以下に、具体的な動作を説明する。電圧低下を検出する電圧が正常時には、シャントレギュレータ236bはON状態となり、トランジスタ236aもON状態となる。トランジスタ236aがON状態となると、蓄電力側に切り替える切替回路228のトランジスタ228aはOFFになる。トランジスタ228aをOFFにすると、キャパシタバンク207bの蓄電力は、定電圧電源226に供給はされない。
検出対象の電圧が低下すると、シャントレギュレータ236bはOFF状態となり、トランジスタ236aもOFF状態となる。画像形成装置制御部203のCPU203bは、電源投入時に予めトランジスタ223bをONにする信号を出力しておくと、蓄電力側に切り替える切替回路228のトランジスタ228aはONになる。トランジスタ228aがONになると、キャパシタバンク207bの蓄電力は、定電圧電源226に供給される。なお、図15で示すA、B、C、D、Eでの電圧波形は、図7と同様であるため、図7とその説明を参照し、ここでの説明を省略する。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第5の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部は、商用電源の電圧低下、瞬断または停電時に、蓄電部の蓄電力を特定負荷に供給する。
まず、本実施の形態にかかる画像形成装置における電力供給部の構成例について説明する。図16は、第5の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部の構成を示すブロック図である。図16に示す画像形成装置の電源供給部は、第3の実施の形態とは、商用電源から供給された電力で定電圧を生成する定電圧電源と、商用電源または蓄電部から供給された電力から定電圧を生成する定電圧電源を備える点が異なる。
本実施の形態について、第3の実施の形態と異なる点を説明する。本実施の形態では、定電圧生成回路209の出力電圧は、DC/DCコンバータ205の出力電圧より低い電圧に予め設定されている。画像形成装置制御部203のCPU203bは、電源投入時に予め停電時に電力供給する開閉回路218のトランジスタ218aをONにする信号を出力しておく。
商用電源の電圧低下、瞬断または停電してDC/DCコンバータ205の出力電圧が定電圧生成回路209の出力電圧より低下すると、トランジスタ218aとダイオードD10を介して自動的に定電圧生成回路209の電力が停電時に電力供給する特定負荷217に供給される。画像形成装置制御部203のCPU203bは、停電時の一連の動作が終了すると、開閉回路218のトランジスタ218aをOFFにする信号を出力し、蓄電力の供給を停止する。
以上説明したように本実施例の形態によれば、商用電源の瞬断、一時的な電圧低下または停電した場合に、補助電源側から自動的に電源供給を行い、その後停電の確認を行った場合に停電モードを実行する構成とすることにより、商用電源の瞬断、一時的な電圧低下または停電時における画像形成装置の動作を保証し、信頼性が高い画像形成装置が提供できる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置における電力供給部の構成例について説明する。図17は、第6の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部の構成を示すブロック図である。図17に示す画像形成装置の電源供給部は、電圧低下検知回路に代えて、蓄電力供給回路を備える点が上述した実施の形態と異なる。
本実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部は、商用電源の電圧低下、瞬断または停電時に、画像形成装置制御部によって制御されることなく、蓄電部の蓄電力を負荷21及び画像形成装置制御部10に供給する。また、本実施の形態にかかる電源供給部は、DC/DCコンバータ14から出力される電圧と、蓄電部100の蓄電力を安定化して定電圧生成回路33から出力される電圧を、常時画像形成装置の負荷21及び画像形成装置制御部10に供給可能状態にする。
本実施の形態にかかる電源供給部は、主電源スイッチ11と、フィルタ1と、停電検知回路8と、全波整流回路2と、充電回路101と、蓄電部100と、定電圧生成回路33と、画像形成装置制御部10と、DC/DCコンバータ14と、負荷21と、蓄電力供給回路103とを備えている。ここで、主電源スイッチ11と、フィルタ1と、停電検知回路8と、全波整流回路2と、充電回路101と、蓄電部100と、定電圧生成回路33と、画像形成装置制御部10と、DC/DCコンバータ14と、負荷21は、上述した実施の形態と同様であるため、上述した説明を参照し、ここでの説明を省略する。
蓄電力供給回路103は、蓄電部100から定電圧生成回路33を介して出力される電圧を負荷21および画像形成装置制御部10に供給する。蓄電力供給回路103は、DC/DCコンバータ14から出力された電圧が、定電圧生成回路33から出力された電圧より低い場合に、負荷21および画像形成装置制御部10に定電圧生成回路33から出力される電力を供給する。
次に、本実施の形態にかかる電力供給部の動作について説明する。まず、商用電源46から供給された電力は、DC/DCコンバータ14により定電圧化される。定電圧化された電圧は、ダイオードD5を介してあまり大きな電力を必要としない一般負荷21a及び画像形成装置制御部10に供給される。また、定電圧化された電圧は、ダイオードD4を介して比較的大きな電力を必要とする負荷21bであるソレノイド、クラッチ、モータ等の駆動系負荷に供給される。
一方、定電圧生成回路33は、蓄電部100から供給される蓄電力を安定化して出力する。定電圧生成回路33は、一般負荷21a及び画像形成制御部10に供給する電力と、比較的大きな電力を必要とする負荷21bに供給可能な状態で電力を発生させる。具体的には、定電圧生成回路33から供給される電力は、蓄電力供給回路103のトランジスタQ1に供給される。また、定電圧生成回路33から出力された電圧は、トランジスタQ2に供給される。
また、商用電源46から電力が供給され、DC/DCコンバータ14が電圧を出力すると、一般負荷21a及び画像形成装置制御部10に供給される電源電圧は、抵抗R10及び抵抗R11の分圧回路によって検出される。検出された電圧は、トランジスタQ3に供給され、トランジスタQ3はON動作を行う。トランジスタQ3がON動作を行うと、トランジスタQ2及びトランジスタQ1もON動作を行う。これにより、トランジスタQ1の出力は、ダイオードD6を介して、一般負荷21a及び画像形成装置制御部10に供給可能な状態となる。また、ONにされたトランジスタQ2の出力は、ダイオードD7を介して、比較的大きな電力を必要とする負荷21bに供給可能な状態となる。これにより、DC/DCコンバータ14から供給する電圧が、蓄電部100から供給される電圧より低くなった場合は、蓄電部100からの電力が一般負荷21a、比較的大きな電力を必要とする負荷21b及び画像形成装置制御部10に供給される。
また、主電源スイッチ11がOFFにされて、DC/DCコンバータ14が電圧を出力しなくなると、抵抗R10及び抵抗R11の分圧回路による電圧は発生しなくなるので、トランジスタQ3はOFF動作を行う。トランジスタQ3がOFF動作を行うと、トランジスタQ2及びトランジスタQ1もOFF動作を行い、蓄電力の供給は停止される。これにより、主電源スイッチ11がOFFの場合は、蓄電部100からの電力の出力を停止することができるため、蓄電部100からの不必要な放電を防ぐことができる。
なお、ダイオードD6及びダイオードD7を介して出力される定電圧生成回路33の出力電圧は、ダイオードD4及びダイオードD5を介して出力されるDC/DCコンバータ14の電圧より低く設定され、かつ、画像形成装置が正常な動作可能な電圧に予め設定されている。
このように、本実施の形態では、主電源スイッチ11がONにされて、DC/DCコンバータ14が電圧を出力している間は、DC/DCコンバータ14から出力される電圧より低い電圧が電圧生成回路33から供給可能な状態にある。商用電源の瞬断あるいは電圧低下によりDC/DCコンバータ14の出力電圧が電圧生成回路33の出力電圧より低下した場合には、自動的に電圧生成回路33から電力が供給される。
なお、本実施の形態では、蓄電部100に充電するための充電回路101を備えているが、DC/DCコンバータ14から出力される電圧によって充電するようにしてもよい。
次に、他の実施の形態にかかる画像形成装置における電力供給部の構成例について説明する。図18は、他の実施の形態にかかる画像形成装置の電源供給部の構成を示すブロック図である。図18に示す画像形成装置の電源供給部は、画像形成装置制御部10が動作している期間、蓄電部100からの出力を、常時画像形成装置の負荷21及び画像形成装置制御部10に供給する。
次に、本実施の形態にかかる電源供給部の動作について説明する。なお、上述した第6の実施の形態と異なる部分を説明する。CPU26は、主電源スイッチ11をONにされた最初の初期設定時にポート1から“Low”信号を出力する。出力された“Low”信号によって、オープンコレクタのインバータ104の出力が“High”となる。インバータ104の出力が“High”となることにより、トランジスタQ4がONになり、さらにトランジスタQ1及びトランジスタQ2はON動作を行う。これにより、蓄電部100の蓄電力からの出力は、常時画像形成装置の負荷21及び画像形成装置制御部10に供給可能な状態になる。
また、停電時の処理(図5に示す内部割込み処理)が終了した場合は、CPU26はポート1から“High”信号を出力する。“High”信号の出力によってトランジスタQ4はOFFになり、トランジスタQ2及びトランジスタQ1はOFF動作を行う。これにより、蓄電部100からの蓄電力を供給できない状態になる。
以上、本発明を第1〜第6の実施の形態、および変形例を用いて説明してきたが、上述した実施の形態には多様な変更または改良を加えることができる。また、上述した第1〜第6の実施の形態、および変形例において説明した構成や機能は、自由に組み合わせることができる。
また、上述した実施の形態では、画像形成装置を一例として説明したが、画像形成装置は、具体的には、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの機能を複合した複合機等である。また、本実施の形態は、画像形成装置に限らず、商用電源の瞬断、一時的な電圧低下または停電した場合に、補助電源側から自動的に電源供給をするような装置であれば、どのような装置に適用してもよい。